(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサは、前記センサ出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイタルセンサモジュール。
前記センサは、装着した際に前記体表面と接する面の温度を検出するサーミスタを備え、前記サーミスタの測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイタルセンサモジュール。
前記センサは、装着した際に前記体表面と接する面の電極間抵抗を検出する電極間抵抗センサを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイタルセンサモジュール。
前記電極間抵抗センサは、前記電極間抵抗の出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することを特徴とする請求項8に記載のバイタルセンサモジュール。
前記空気送風式圧力センサは、空気送風口の空気圧により、圧力開放状態では装着状態が悪いと判定し、圧力印加状態では、装着状態が良好と判定することを特徴とする請求項1または10に記載のバイタルセンサモジュール。
前記空気送風式圧力センサは、空気送風口の空気圧による空気抵抗を検出することで、接触圧を導出可能であることを特徴とする請求項1または10に記載のバイタルセンサモジュール。
前記発光素子は赤色発光ダイオードと赤外発光ダイオードとを備え、血中酸素飽和度を測定可能であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のバイタルセンサモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0023】
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2を人体18の前腕の内側に装着した様子は、
図1(a)に示すように表され、前腕の外側に装着した様子は、
図1(b)に示すように表される。
【0025】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、ストラップ50を介して、人体18の前腕に装着されている。
【0026】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の人体18に接する底面側に配置される光センサ1部分の模式的平面構成は、
図2に示すように表され、
図2のI−I線に沿う模式的断面構造は、
図3に示すように表される。
【0027】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の光センサ1は、
図2および
図3に示すように、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)20上に、発光素子(LED;Light Emitting Diode)12を中心に配置し、LED12の周辺を囲むように複数の受光素子(PD:Photodetector)14
1・14
2・14
3・14
4を配置する。
図2の例では、複数のPDは、4個配置されている。
図2の例では、LED1個に対してPD4個配置されているが、この構成に限定されるものではなく、LED1個に対してPD2個配置されていても良い。また、PD1個に対してLED4個配置されていても良い。また、PD1個に対してLED2個配置されていても良い。
【0028】
また、
図2および
図3に示すように、PCB20の表面上には、黒色の遮光用樹脂壁21が配置されており、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4は、この遮光用樹脂壁21によって、互いに離隔されている。遮光用樹脂壁21には、黒色に着色された絶縁層を適用しても良い。
【0029】
LED12の周辺を囲むように複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4をLED12の周囲に配置することで、LED12の周辺の光情報を有効に複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4で把握することができ、光電脈波センサなどに適用して、その動作安定性を向上可能である。また、LEDの使用個数が1個であるため、低消費電力動作が可能である。
【0030】
図示は省略されているが、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の天面側には被験者による操作・観測が可能なように操作部・表示部などが配置され、人体18に接する底面側には光センサ・各種センサなどが配置されている。
【0031】
光センサ1と人体18との装着状態が不具合な場合には、
図1若しくは
図3に示すように、本体部がX軸・Y軸・Z軸に動いてしまい、光センサ1と人体18との接触距離Δが変動してしまうが、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、装着状態が被験者に明示的に表示されることから、正しい装着状態を維持しつつ計測を実行可能である。装着状態を明示的にすることによって、装着不具合の状態で計測することを防ぎ、常に正しい状態(正しい値)にて計測することが可能となる。被験者に対して装着の理想状態を明らかにすることが可能となり、使い勝手が向上する。
【0032】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の模式的鳥瞰構成は、
図4に示すように表される。
【0033】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図4に示すように、PCB20と、PCB20の表面上に配置されたLED12と、PCB20の表面上に、LED12と離隔して配置されたPD14
1・14
2・14
3・14
4と、PCB20の表面上に、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4と離隔して配置されたセンサ16
1・16
2・16
3・16
4とを備え、人体18や動物の体表面に接触させ、LED12から放出された光が体表面に反射して戻る反射光をPD14
1・14
2・14
3・14
4で受光し、反射光の強度を検出すると共に、センサは体表面に接触して検出したセンサ出力値に基づいて、体表面との接触状態に関する情報を明示可能である。
【0034】
また、
図4に示すように、PCB20の表面上には、黒色の遮光用樹脂壁21が配置されており、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4・センサ(サーミスタ)16
1・16
2・16
3・16
4は、この遮光用樹脂壁21によって、互いに離隔されている。遮光用樹脂壁21には、黒色に着色された絶縁層を適用しても良い。
【0035】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、反射光の波長、減衰比、若しくは位相差を検出しても良い。
【0036】
前記センサは、センサ出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。
【0037】
また、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、体表面に接する面は平面を備え、かつ体表面に接する面は受光面と発光面とセンサ接触面とを備えていても良い。尚、体表面に接する面は必ずしも平面である必要はなく、腕にフィットするために意図的に曲面にする場合もある。
【0038】
また、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、LED12は緑色発光ダイオードを備え、脈波を計測可能である。
【0039】
また、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、LED12は赤色発光ダイオードと赤外発光ダイオードとを備え、血中酸素飽和度を測定可能である。
【0040】
また、センサは、
図4に示すように、装着した際に体表面と接する面の温度を検出するサーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4を備え、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。
【0041】
また、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4は、人体18や動物の体表面の温度の測定にも適用可能である。人体18や動物の体表面の温度から体温を推定することは可能である。
【0042】
また、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、PCB20の表面に対向する裏面上に配置された筐体10を備えていても良い。
【0043】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の筐体10内部の模式的ブロック構成は、
図5に示すように表される。
【0044】
ここで、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、筐体10は、
図5に示すように、電源部34、アンテナ36に接続された無線通信部32、制御部30、操作部35、表示部40、もしくは記憶部42を内蔵可能である。
【0045】
さらに、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、図示は省略するが、基板20の表面上に配置された電子回路部品を備えていても良い。電子回路部品は、例えば、LEDドライバなどの集積回路部品やキャパシタ、抵抗、インダクタなどの受動回路部品であっても良い。
【0046】
また、第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、筐体10は、ウェアラブルに装着可能である。
【0047】
また、PCB20は、人体若しくは動物の体表面に形状に合わせて屈曲性を有する柔軟な素材を備えていても良い。すなわち、基板は、フレキシブルプリント回路基板を備えていても良い。
【0048】
(バイタルセンサモジュールの動作方法)
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の動作方法を示すフローチャートは、
図5に示すように表される。
【0049】
第1の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の動作方法は、
図5に示すように、電源投入をオンにするステップS1と、光センサ1による計測をスタートするステップS2と、装着状態が正しいか否かを判断するステップS3と、ステップS3において装着状態が正しくない場合には、表示部(40)にアラート表示するステップS4と、アラート表示を受けて計測をリセットするとともに光センサ1による計測をスタートするステップS2に戻るステップS5と、ステップS3において装着状態が正しい場合には、光センサ1による計測を継続するステップS6と、計測されたデータを記憶部(42)にデータ格納するステップS7と、計測を終了するステップS8と、電源投入をオフにするステップS9とを有する。
【0050】
第1の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0051】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、人体に接する面側から見た模式的平面構成は、
図7に示すように表される。
【0052】
第2の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、センサは、装着した際に体表面と接する面との接触圧を検出する圧力センサを備える。すなわち、装着した際に身体(皮膚)と接する面(領域)に接触圧(押し圧)を検出する圧力センサを設けることで、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。
【0053】
第2実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図7示すように、PCB20と、PCB20の表面上に配置されたLED12と、PCB20の表面上に、LED12と離隔して配置されたPD14
1・14
2・14
3・14
4と、PCB20の表面上に、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4と離隔して配置された圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4とを備え、人体18や動物の体表面に接触させ、LED12から放出された光が体表面に反射して戻る反射光をPD14
1・14
2・14
3・14
4で受光し、反射光の強度を検出すると共に、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4は体表面に接触して検出したセンサ出力値に基づいて、体表面との接触状態に関する情報を明示可能である。
【0054】
また、
図7に示すように、PCB20の表面上には、黒色の遮光用樹脂壁21が配置されており、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4・圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4は、この遮光用樹脂壁21によって、互いに離隔されている。遮光用樹脂壁21には、黒色に着色された絶縁層を適用しても良い。
【0055】
第2の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、反射光の波長、減衰比、若しくは位相差を検出しても良い。
【0056】
前記センサは、センサ出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。その他の構成および動作方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0057】
第2の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0058】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、人体に接する面側から見た模式的平面構成は、
図8に示すように表される。
【0059】
第3の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、センサは、
図8に示すように、装着した際に体表面と接する面の温度を検出するサーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4と、装着した際に体表面と接する面との接触圧を検出する圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4とを備える。
【0060】
第3の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、ストラップ50を介して、人体18に装着される。
【0061】
第3の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の人体18に接する底面側に配置される光センサ部分の模式的平面構成は、
図8に示すように、LED12を中心に配置し、LED12の周辺を囲むように複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4を配置する。
図8の例では、複数のPDは、4個配置されている。
【0062】
LED12の周辺を囲むように複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4をLED12の周囲に配置することで、LED12の周辺の光情報を有効に複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4で把握することができ、光電脈波センサなどに適用して、その動作安定性を向上可能である。また、LEDの使用個数が1個であるため、低消費電力動作が可能である。
【0063】
図示は省略されているが、第3の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の天面側には被験者による操作・観測が可能なように操作部・表示部などが配置され、人体18に接する底面側には光センサと、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4と、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4などが配置される。尚、光センサ、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4は、筐体10上に配置される同一のPCB上に配置されていても良い。或いは、別々の基板上に配置されていても良い。
【0064】
サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。
【0065】
また、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4は、人体18や動物の体表面の温度の測定にも適用可能である。
【0066】
また、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。その他の構成および動作方法は、第1の実施の形態若しくは第2の実施の形態と同様である。
【0067】
第3の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0068】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、人体に接する面側から見た模式的平面構成は、
図9に示すように表される。
【0069】
第4の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、センサは、
図9に示すように、装着した際に体表面と接する面の温度を検出するサーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4と、装着した際に体表面と接する面との接触圧を検出する圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4とを備える。
【0070】
第4の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、ストラップ50を介して、人体18に装着される。
【0071】
第4の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の人体18に接する底面側に配置される光センサ部分の模式的平面構成は、
図9に示すように、PD14を中心に配置し、PD14の周辺を囲むように複数のLED12
1・12
2・12
3・12
4を配置する。
図9の例では、複数のLEDは、4個配置されている。
【0072】
PD14の周辺を囲むように複数のLED12
1・12
2・12
3・12
4を配置することで、PD14の光量不足を補い、かつ、PD14に対して周囲から同程度の光を照射することができる。このため、光電脈波センサなどに適用して、その動作安定性を向上可能である。
【0073】
図示は省略されているが、第4の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の天面側には被験者による操作・観測が可能なように操作部・表示部などが配置され、人体18に接する底面側には光センサ、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4などが配置される。尚、光センサ、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4は、筐体10上に配置される同一のPCB上に配置されていても良い。或いは、別々の基板上に配置されていても良い。
【0074】
サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。
【0075】
また、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4は、人体18や動物の体表面の温度の測定にも適用可能である。
【0076】
また、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。その他の構成および動作方法は、第1〜第3の実施の形態と同様である。
【0077】
第4の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0078】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの光センサ部分の鳥瞰図は、
図10(a)に示すように表され、
図10(a)の説明図は、
図10(b)に示すように表される。
【0079】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの鳥瞰図は、
図11(a)に示すように表され、
図11(a)の説明図は、
図11(b)に示すように表される。
【0080】
図10・
図11において、光センサ1は、モジュール筐体10の表面より、約1mm〜2mm程度突出させている。モジュール筐体10の側面には、電源スイッチ(SW)102を配置している。また、電源は、例えば、マイクロUSB端子110を介して外部から供給可能である。
【0081】
図11において、各部の寸法は、例えば、長さLは約35mm、幅Wは約25mm、厚さDは約13mmである。
【0082】
装着状態を判定するために、モジュール筐体10の表面の光センサ1の周囲のセンサ配置部SR1・SR2に各種センサを配置可能である。各種センサには、サーミスタ、電極間抵抗センサ、圧力センサなどを配置可能である。
【0083】
温度、圧力、抵抗値などを測定して、装着状態を安定して判定するためには、測定点を2個以上配置することが望ましい。すなわち、サーミスタであれば複数個配置して、複数の測定点のデータを比較すると良い。電極間抵抗センサであれば、複数の電極を配置して、複数の電極間の抵抗値を測定してデータを比較すると良い。圧力センサであれば、複数個配置して、複数の測定点のデータを比較すると良い。
【0084】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの計測部は、手首、前腕以外も想定されるため、時計型に限定されない。
【0085】
また、第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の底面側(使用状態においては、天面側となる)には被験者による操作・観測が可能なように、操作部・表示部などが配置され、人体18に接する表面側(使用状態においては、人体に接触する面となる)には光センサ1、各種センサなどを配置している。
【0086】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の模式的ブロック構成は、
図12に示すように表される。
【0087】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図12に示すように、電源部34と、電源部34に接続された制御部30と、外部の生体18の光情報を検出する光センサ1と、生体18との接触情報を検出するセンサ(温度センサ38・各種センサ43)と、生体18との装着情報を表示する表示部40と、光センサ1およびセンサ(38・43)により検出されたデータを格納する記憶部42とを備える。
【0088】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図12に示すように、生体18の温度を検出する温度センサ38を備えていても良い。
【0089】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図12に示すように、生体18との接触情報を検出する各種センサ43として、圧力センサを備えていても良い。
【0090】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図12に示すように、生体18との装着情報を無線通信するための無線通信部32およびアンテナ36を備えていても良い。
【0091】
第5の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、
図12に示すように、生体18との装着情報を明示するスピーカ47と、外部機器と接続可能な外部インタフェース33と、操作を実行する操作部35と、音声情報を入力するマイクロホン37とを備えていても良い。ここで、外部インタフェース33と接続される外部機器としては、充電装置などを備えていても良い。その他の構成および動作方法は、第1〜第4の実施の形態と同様である。
【0092】
第5の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0093】
(バイタルセンサモジュールの動作方法)
実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの動作方法を示すフローチャートは、
図13に示すように表される。
【0094】
実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの動作方法は、
図13に示すように、装着状態判定ステップS11と、センサの測定値が閾値範囲内か否かを判断するステップS12と、上記の判断するステップS12において、センサの測定値が閾値範囲内にない場合には、アラート表示すると共に、装着状態判定ステップに戻るステップS13と、上記の判断するステップS12において、センサの測定値が閾値範囲内に有る場合には、光センサキャリブレーションを実施するステップS14と、光センサにより測定するステップS15と、光センサによる測定が終了したか否かを判断するステップS16と、光センサによる測定が終了していない場合には、光センサにより測定するステップS15に戻るステップと、光センサによる測定が終了している場合には、終了するステップとを有する。
【0095】
ここで、センサには、サーミスタ、圧力センサ、電極間抵抗センサなどを適用可能である。例えば、複数個のサーミスタを配置する場合には、個々のサーミスタの出力値をモニタし、1個でも閾値範囲外となれば、ステップS12において、判定結果はNOとすることができる。
【0096】
ステップS13におけるアラート表示としては、例えば、LEDによる点滅表示やディスプレイ表示を適用可能である。
【0097】
光センサキャリブレーションとは、以下のように定義される。
【0098】
脈波の検出感度は、ヒトによって個人差があるため、実質的に一定の出力(脈波の振幅)を得るためには、ヒトによってLED光量を変化させる必要がある。そこで、LED光量を相対的に低い状態から相対的に高い状態へと変化させた際の出力(脈波の振幅)をモニタして、被験者に最適なLED光量を決定するための初期設定を光センサキャリブレーションという。
【0099】
実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの別の動作方法を示すフローチャートは、
図14に示すように表される。
【0100】
実施の形態に係るバイタルセンサモジュールの別の動作方法は、
図14に示すように、装着状態判定ステップS21と、サーミスタの測定値が閾値範囲内か否かを判断するステップS22と、上記の判断するステップS22において、サーミスタの測定値が閾値範囲内にない場合には、アラート表示すると共に、装着状態判定ステップに戻るステップS23と、上記の判断するステップS22において、サーミスタの測定値が閾値範囲内に有る場合には、光センサキャリブレーションを実施するステップS24と、光センサにより脈波を測定するステップS25と、サーミスタにより温度を測定するステップS26と、サーミスタによる温度の測定結果が、所定の時間連続して閾値未満か否かを判断するステップS27と、サーミスタによる温度の測定結果が、所定の時間連続して閾値未満である場合には、アラート表示すると共に、装着状態判定ステップS21に戻るステップS23と、サーミスタによる温度の測定結果が、所定の時間連続して閾値未満ではない場合には、光センサによる脈波測定が終了か否かを判断するステップS28と、光センサによる脈波測定が終了していない場合には、光センサにより脈波を測定するステップS25に戻り、光センサによる脈波測定が終了している場合には、終了するステップとを有する。
【0101】
ステップS23におけるアラート表示としては、例えば、LEDによる点滅表示やディスプレイ表示を適用可能である。
【0102】
(各種圧力センサ例)
―ボタン式圧力センサ―
実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能な圧力センサ22として、ボタン式圧力センサ60
1・60
2・60
3・60
4の模式的鳥瞰構成は、
図15に示すように表される。
【0103】
ボタン式圧力センサ60
1・60
2・60
3・60
4を適用した実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2においては、ボタン式圧力センサ60
1・60
2・60
3・60
4の出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。
【0104】
―空気送風式圧力センサ―
実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能な圧力センサ22として、空気送風式圧力センサ70
1・70
2・70
3・70
4のの模式的鳥瞰構成は、
図16に示すように表される。
【0105】
空気送風式圧力センサ70
1・70
2・70
3・70
4を適用した実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2においては、空気送風式圧力センサ70
1・70
2・70
3・70
4の出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。例えば、空気送風口の空気圧により、圧力開放状態では装着状態が悪いと判定し、圧力印加状態では、装着状態が良好と判定しても良い。また、空気を送り出す送風口での空気抵抗を検出することで、接触圧を導出しても良い。
【0106】
―フィルム状圧力センサ―
実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能な圧力センサ22として、フィルム状圧力センサ80の模式的鳥瞰構成は、
図17に示すように表される。
【0107】
フィルム状圧力センサ80を適用した実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2においては、フィルム状圧力センサ80の出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。フィルム状圧力センサ80としては、例えば、フィルム形状の圧力センサ(ピエゾフィルム)を適用可能であり、加圧した領域が発色するなどの加工を実施されていても良い。
【0108】
―Oリング状抵抗膜式圧力センサ―
実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能な圧力センサ22として、Oリング状抵抗膜式圧力センサ90の模式的鳥瞰構成は、
図18に示すように表される。また、
図18のII−II線に沿う模式的断面構造は、
図19(a)に示すように表され、
図19(a)において、圧力が印加された状態における模式的断面構造は、
図19(b)に示すように表される。
【0109】
実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能なOリング状抵抗膜式圧力センサ90は、
図18・
図19(a)に示すように、ガラス基板98と、ガラス基板98上に配置された透明電極層96と、透明電極層96上に配置されたドットスペーサ97と、透明電極層96上にドットスペーサ97およびスペース95を介して配置された透明電極層94と、透明電極層94上に配置された絶縁層92とを備える。絶縁層92は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)などで形成可能である。
【0110】
Oリング状抵抗膜式圧力センサ90は、抵抗膜式タッチパネルを応用し、
図19(b)に示すように、絶縁層92に圧力Pが印加されて、絶縁層92および透明電極層94が押し下げられ、透明電極層94・96間が接触すると、接触点座標を検出することができる。
【0111】
―Oリング状圧力センサ―
また、実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2に適用可能な圧力センサ22として、Oリング状圧力センサとしては、内部に液体/気体/レーザ光源を封入したOリング状の管を用い、液体/気体の流れやレーザ光の強度を検出することで、接触圧を導出しても良い。
【0112】
[第6の実施の形態]
―電極間抵抗センサ―
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、人体に接する面側から見た模式的平面構成は、
図20に示すように表される。
【0113】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2において、人体18に接触状態における
図20のIII−III線に沿う模式的断面構造は、
図21(a)に示すように表され、ギャップΔを有し、人体18に非接触状態における
図20のIII−III線に沿う模式的断面構造は、
図21(b)に示すように表される。
【0114】
電極間接触抵抗は、人体18との接触状態では、
図21(a)に示すように、皮膚の部分の抵抗R
Sと表面の部分の抵抗R
Wとの並列回路で表され、通常約2kΩ〜5kΩ程度である。一方、人体18との非接触状態では、約数MΩ程度である。
【0115】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2においては、
図20に示すように、装着した際に体表面と接する電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4を備える。
【0116】
尚、光センサ、サーミスタ16
1・16
2・16
3・16
4、圧力センサ22
1・22
2・22
3・22
4は、筐体10上に配置される同一のPCB上に配置されていても良い。或いは、別々の基板上に配置されていても良い。
【0117】
尚、第3の実施の形態若しくは第4の実施の形態と同様に、サーミスタや圧力センサなどを備え、これらのセンサと併用しても良い。
【0118】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2は、ストラップ50を介して、人体18に装着される。
【0119】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の人体18に接する底面側に配置される光センサ1は、
図20に示すように、PCB20上に、LED12を中心に配置し、LED12の周辺を囲むように複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4を備える。
図20の例では、複数のPDは、4個配置されている。
【0120】
また、
図20・
図21(a)および
図21(b)に示すように、PCB20の表面上には、黒色の遮光用樹脂壁21が配置されており、LED12およびPD14
1・14
2・14
3・14
4・電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4は、この遮光用樹脂壁21によって、互いに離隔されている。遮光用樹脂壁21には、黒色に着色された絶縁層を適用しても良い。
【0121】
LED12の周辺を囲むように複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4をLED12の周囲に配置することで、LED12の周辺の光情報を有効に複数のPD14
1・14
2・14
3・14
4で把握することができ、光電脈波センサなどに適用して、その動作安定性を向上可能である。また、LEDの使用個数が1個であるため、低消費電力動作が可能である。
【0122】
図示は省略されているが、第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2の天面側には被験者による操作・観測が可能なように操作部・表示部などが配置され、人体18に接する底面側には光センサと、電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4などが配置される。尚、光センサ、電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4は、筐体10上に配置される同一のPCB上に配置されていても良い。或いは、別々の基板上に配置されていても良い。
【0123】
電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4の測定値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定すると共に、装着具合に関する情報を被験者に対して明示的にしても良い。
【0124】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュール2においては、電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4の出力値が閾値範囲内にあるか閾値範囲外にあるかによって、装着状態を判定することができる。
【0125】
第6の実施の形態に係るバイタルセンサモジュールに適用される電極間抵抗センサの動作回路説明図は、
図22に示すように表される。例えば、電極間接触抵抗R
12、R
13、R
24、R
34は、人体との接触状態では、通常約2kΩ〜5kΩ程度であるため、この範囲内にあれば、閾値範囲内と判定し、人体との非接触状態では、約数MΩ程度であるため、この範囲内にあれば、閾値範囲外と判定することができる。
【0126】
また、電極間抵抗センサ17
1・17
2・17
3・17
4の電極間距離が等しければ、電極間接触抵抗R
12、R
13、R
24、R
34の値は、人体18との接触状態が良好であれば、略等しい値を示す。このため、複数の電極を配置して、複数の電極間の抵抗値を測定してデータを比較しても良い。その他の構成および動作方法は、第1〜第5の実施の形態と同様である。
【0127】
第6の実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データのばらつきを低減し、信頼性を向上すると共にユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することができる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態によれば、被験者の装着状態による計測データの信頼性を向上し、ユーザから見た使い勝手を改善したバイタルセンサモジュールおよびその動作方法を提供することにある。
【0129】
[その他の実施の形態]
上記のように、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、本実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0130】
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。