特許第6616092号(P6616092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6616092適合した分離カラムおよびフレームバーナを採用する超臨界流体クロマトグラフィのためのフレームイオン化検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616092
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】適合した分離カラムおよびフレームバーナを採用する超臨界流体クロマトグラフィのためのフレームイオン化検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/68 20060101AFI20191125BHJP
   G01N 30/02 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   G01N30/68 A
   G01N30/02 N
   G01N30/68 C
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-78204(P2015-78204)
(22)【出願日】2015年4月7日
(65)【公開番号】特開2015-206787(P2015-206787A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2018年3月13日
(31)【優先権主張番号】61/980,652
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509131764
【氏名又は名称】ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・オー・フォグウィル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージフ・ディー・ミシェンジー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・ピー・マーフィー
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−068786(JP,A)
【文献】 特開2005−201686(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0178747(US,A1)
【文献】 特開2005−249456(JP,A)
【文献】 特開平01−269053(JP,A)
【文献】 米国特許第04814089(US,A)
【文献】 Kevin B. Thurbide et al.,Packed-column supercritical fluid chromatography with splitless flame ionization detection,Canadian Journal of Chemistry,2004年 3月 3日,Volume 82, Number 3,P479-482
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 −30/93
B01J 20/281−20/292
G01N 27/60 −27/92
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FID内側バーナクロマトカラムに適合させる方法であって、
(i)内径を有するクロマトカラムを提供するステップと、
(ii)クロマトカラムに最適な移動相流量を決定するステップと、
(iii)カラムの内径および流量と組み合わせられて最適な検出器性能をもたらす、内側バーナの最適な内径を、数式2
【数1】
にしたがってFID内側バーナの最適な内径を計算することによって、計算するステップであって、ここでdはmm単位のFID内側バーナの内径、μはmL/min単位の減圧された最適な移動相流量、および定数175はmL/(min・mm)の単位である、ステップと、
(iv)計算された最適な内径と実質的に等しい内径を有するFID内側バーナを提供するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
FID内側バーナを提供するステップが、計算された最適な内径の±50%以内の内径を有する市販のFID内側バーナを選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最適な移動相流量を決定するステップが、クロマトカラムに対するファンディームターの式によって決定される最も低い最小プレート高を有する流量を決定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
移動相が二酸化炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
移動相が、ヘリウム、窒素、およびこれらの組合せの群から選択される物質を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
クロマトカラムの内径が、約0.05mmから約50.0mmの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
FID内側バーナの内径が、約0.1mmから約13.0mmの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
固定FID外側バーナの中にFID内側バーナを装着するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
FID内側バーナクロマトカラムに適合させる方法であって、
(i)内径を有するクロマトカラムを提供するステップと、
(ii)複数のFID内側バーナの異なる内径のそれぞれについての安定した減圧された最大の移動相流量を実験的に決定するステップと、
(iii)定数kを決定するステップであって、kは、対応するFID内側バーナの内径に対する安定した減圧された最大の移動相流量をプロットすることによって形成される線形回帰プロットの傾きである、ステップと、
(iv)クロマトカラムに最適な移動相流量を決定するステップと、
(v)カラムの内径および流量と組み合わせられて最適な検出器性能をもたらす、内側バーナの最適な内径を、数式3
【数2】
にしたがって内側バーナの最適な内径を決定することによって、計算するステップであって、ここでdは最適な内側バーナの内径、kは定数k、およびμは減圧された最適な移動相流量である、計算するステップと、
(vi)計算された最適な内径と実質的に等しい内径を有するFID内側バーナを提供するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2014年4月17日出願の、「Flame Ionization Detection for Supercritical Fluid Chromatography Employing a Matched Separation Column and Flame Burnerフレームフレームイオン」と題された米国特許仮出願第61/980,652号明細書の優先権および恩典を主張する。
【0002】
本開示は、圧縮移動相クロマトグラフィのためのフレームべースの検出方法に関する。具体的には、本開示は、超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)など、二酸化炭素ベースクロマトグラフィのためのフレームイオン化検出(FID)の動作に関する。
【背景技術】
【0003】
超臨界流体クロマトグラフィにおけるフレームイオン化検出は、伝統的にガスクロマトグラフィ(GC)計器によって提供される。このような計器は、比較的低い移動相流量で動作するように設計されている。毛細管GCカラムの標準的移動相流量は0.5〜15mL/minであり、および充填GCカラムの標準的流量は10〜60mL/minである。分析規模充填カラムSFCは、はるかに多い移動相流量を生じる。減圧時に、SFC移動相は、最大で2,500mL/minまたはそれ以上の移動相流量を生じることが可能である。いくつかの用途において、検出器への流量を低下させるために流れが分割される。しかしながら流れの分割は感度に悪影響を及ぼし、変化する分割流値に関する量的変動性をもたらす。別の用途では、FIDバーナの直径は、安定したフレームを維持するために、バーナを通る減圧移動相流の線速度を低減するために修正されることが可能である。K.B.Thurbide,S.Gilbert.Canadian Journal of Chemistry 82(2004)479−482参照のこと。
【0004】
クロマトカラムは、様々な異なる内径(i.d.)で入手可能である。その結果、クロマトカラムは様々な最適な移動相流量を有する。バーナ内径の修正または調整は簡単ではないので、安定したフレームを維持しながらFID内でこれら様々な流量に適応することは困難である。最適な検出器感度を保証するためにSFC−FIDシステム内で分離カラム形状が変更されるたびに、検出器ハードウェア修正および長時間の最適化が実行されなければならない。名目上の、または最終的には最適化された検出器感度を提供するため、およびフレームの消滅を回避するために、バーナ径は適切な減圧移動相線速度を保証するためにカラム流量に適合しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Canadian Journal of Chemistry 82(2004)479−482、K.B.Thurbide,S.Gilbert.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、圧縮移動相クロマトグラフィのためのフレームべースの検出方法に関する。具体的には、これは超臨界流体クロマトグラフィなど、二酸化炭素ベースクロマトグラフィのためのフレームイオン化検出の動作に関する。一態様において、本開示は、新しいカラムの装着後にFIDを最適化するときに遭遇する複雑さを排除する、特定の分離カラムの最適な移動相流量のために最適化された形状を有するFIDバーナを適合させる方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本開示は、クロマトカラムをFID内側バーナに適合させる方法であって、(i)内径を有するクロマトカラムを提供するステップと、(ii)クロマトカラムに最適な移動相流量を決定するステップと、(iii)カラムの内径および流量と組み合わせられて最適な検出器性能をもたらす内側バーナの最適な内径を計算するステップと、(iv)計算された最適な内径と実質的に等しい内径を有するFID内側バーナを提供するステップと、を含む方法に関する。方法はさらに、フレームベース検出器の固定FID外側バーナの中にFID内側バーナを装着するステップを含むことができる。
【0008】
別の実施形態において、本開示は、クロマトグラフィシステム内のフレームイオン化検出の方法であって、(i)移動相流量に対応する異なるサイズを各々が有する複数の内側バーナを収容する固定外側バーナを有するフレームイオン化検出器を提供するステップと、(ii)1つ以上の移動相流量を有するクロマトグラフィシステムと流体連通しているフレームイオン化検出器を配置するステップと、(iii)移動相流量を選択するステップと、(iv)選択された移動相流量に応えて内側バーナを選択するステップと、を含む方法に関する。
【0009】
別の実施形態において、本開示は、(i)内径を有するクロマトカラムと、(ii)内径を有する市販のFID内側バーナと、を含むキットであって、FIDバーナ内径は最適な検出器性能をもたらすためにクロマトカラム内径に適合している、キットに関する。
【0010】
さらに別の実施形態において、本開示は、(i)化学的または物理的特性に基づいて1つ以上のアナライトを分離することが可能なクロマトグラフィカラムと、(ii)カラムの下流で流体連通して配置されたフレームイオン化検出器と、を含むクロマトグラフィ装置であって、フレームイオン化検出器は、移動相流量に対応する異なるサイズを各々が有する複数の内側バーナを収容する固定外側バーナを有する、クロマトグラフィ装置に関する。
【0011】
上記実施形態は、FID内側バーナが計算された最適な内径のプラスマイナス50%以内の内径を有する市販のFID内側バーナから選択されることが可能であるなど、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。最適な移動相流量は、クロマトカラムのファンディームターの式(van Deemter Equation)によって決定される最も低い最小プレート高を有する流量であってもよい。
【0012】
本開示は、現在の装置および方法に対して多数の利点を提供する。たとえば、SFCシステムをガスクロマトグラフィフレームベース検出器に適合させることに関連する、不適合なカラムおよび内側バーナガス流の問題を解決する。適合したクロマトカラムおよびFID内側バーナは、FIDの応答を最適化するために必要な時間を短縮することができる。これらは、FIDを含むSFCシステムの方法開発の間にカラム径を変更する際に遭遇する複雑さを排除することもできる。本開示は、たとえば分離チャネルを収容するマイクロ流体デバイス、加熱可変流量制限器、およびFIDバーナで利用されてもよいプラグアンドプレイの組み合わせの一例である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】交換可能なバーナを採用するFID設計の概略図である。
図1B図1Aのバーナが、より大きい内径(i.d.)カラムの使用を可能にするために、より大きいi.d.のバーナ交換品と交換されている概略図である。
図2】このような交換可能なバーナを採用するFID設計の別の概略図である。
図3】FID内側バーナi.d.値対移動相流量の最小二乗線形回帰グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、圧縮移動相クロマトグラフィのためのフレームベースの検出方法に関する。具体的には、本開示は、超臨界流体クロマトグラフィなど、二酸化炭素ベースクロマトグラフィのためのフレームイオン化検出器の動作に関する。
【0015】
一実施形態において、本開示は、クロマトカラムをFID内側バーナに適合させる方法であって、(i)内径を有するクロマトカラムを提供するステップと、(ii)クロマトカラムに最適な移動相流量を決定するステップと、(iii)カラムの内径および流量と組み合わせられて、最適な検出器性能、検出器感度、または最適な検出器応答をもたらす内側バーナの最適な内径を計算するステップと、(iv)計算された最適な内径と実質的に等しい内径を有するFID内側バーナを提供するステップと、を含む方法に関する。
【0016】
クロマトカラムは、圧縮移動相分離を実行するために使用される、当業者にとって周知のいずれのカラムであってもよい。たとえば、クロマトカラムは、i.d.が50から530μm、長さが1から105mの範囲の壁塗布型開管カラム(たとえば、シリカ、金属、ポリマーなど、あるいは長いスプールの溶融シリカ管材で作られたマイクロ流体的な性質のもの);i.d.が1から4.6mm、長さが5から25cmであって1から10+μmの充填媒体が充填された充填カラム;従来の管(たとえば、金属またはガラス)または平面マイクロ流体デバイス(たとえば、シリカ、金属、ポリマーなど)のいずれかで作られた、充填微小カラム(たとえばi.d.が85から500μm、長さが5から25cmであって1から10+μmの媒体が充填されている)、であってもよい。
【0017】
圧縮移動相クロマトグラフ技術は、SFC、二酸化炭素ベースクロマトグラフィ、GC、および溶媒和GCを含む、当業者にとって周知のいずれの技術であってもよい。たとえば、本開示の技術は、調製用、半調製用、分析用、または毛細管規模の充填層カラムまたは開管カラムを用いて動作するSFCシステムに適応することができる。カラムは、従来の金属、溶融シリカ、またはポリマー管、あるいは金属、セラミック、またはポリマーマイクロ流体プラットフォームで用意されることが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態において、本開示は、固定FID台へのマイクロ流体デバイスの組み込み(すなわち、マイクロ流体開管GCカラム、マイクロ流体充填GCカラム、またはマイクロ流体SFCカラムを検出器の同じレセプタクルに挿入すること)に適している。別の実施形態において、本開示は、より大きいSFCシステムからの分割脚部が取り付けられる搬送ラインに過ぎないマイクロ流体デバイスに関する。本開示はまた、分離カラムおよびバーナが単一のマイクロ流体デバイスの一部である実施形態にも関する。
【0019】
圧縮移動相は、二酸化炭素を含むクロマトグラフィを実行するために使用される、当業者にとって周知のいずれの圧縮移動相も含むことができる。いくつかの実施形態において、移動相は、二酸化炭素、水、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、様々なCFC、フッ化炭素、SF、NO、またはこれらの組み合わせを含有することができる。特定の実施形態において、移動相は、たとえばメタノールが移動相に導入されてもよいなど、添加剤または改質剤を含む。
【0020】
クロマトカラムの内径は、約0.05mmから約50.0mmの間で異なってもよい。具体的には、内径は約0.15mmから約5.0mmの間で異なってもよい。クロマトカラムの最適な移動相流量は用途に応じて異なってもよく、たとえばこれは最良の分離(たとえば、1つ以上の危険対の間の最適な分解能)、最速の分離(たとえば、最短時間での対称化合物の基準線分解能)などを提供する移動相流量であってもよい。本明細書において使用される際に、用語「最適」は、特定の条件のために測定、計算、または理論化された変数または項の値の約50%、または約40%、または約30%、または約20%、または約10%、または約5%以内の、変数または項の測定結果を記述するために使用される。最適な移動相流量を決定または予測する方法の1つは、クロマトカラムに対するファンディームターの式、および場合に応じてシステム条件によって決定される、最も低い最小プレート高を有する流量を計算することである。
【0021】
いくつかの実施形態において、ファンディームターの式によって決定された最小プレート高よりも早い流量で動作することが望ましい。より短時間で分離を達成するために、わずかなクロマトグラフ効率が犠牲になる可能性がある。最適な流量は、ファンディームターの式によって最小プレート高を有すると決定された流量の乗数であってもよい。乗数は、ファンディームターの式によって決定された最小プレート高の0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0倍であってもよい。これらの値はまた、約0.9から約2.0などの範囲を定義するために使用されることも可能である。別の実施形態において、乗数は、約1.01倍から約3.0倍速い、または約1.5倍から約3.0倍速い範囲であってもよい。
【0022】
一実施形態において、カラム径変更による最適な流れの変化は、直径を二乗することによって予測されることが可能である。たとえば、
【0023】
【数1】
【0024】
このため、1mmから2mm内径へのカラムの拡大は流れにおいておよそ4倍の増加をもたらすだろう。
【0025】
内側バーナの最適な内径の計算は、カラムの内径および流量と組み合わせられたときに最適な検出器性能、最適な検出器感度、最適な検出器応答、またはこれらのいずれかの組み合わせを生じるものであってもよい。たとえば、FID内側バーナの最適な内径は、数式2による計算値にほぼ等しくなるように計算されることが可能である。
【0026】
【数2】
ここでdはmm単位のFID内側バーナの内径、およびμはmL/min単位の減圧された最適な移動相流量である。
【0027】
内側バーナの内径は、約0.1mmから約13.0mmの間で異なってもよい。具体的には、内径は約0.5mmから5.0mm(SFCで一般的)、または約0.1mmから約1.0mm(GCで一般的)の間で異なってもよい。内側バーナは、計算された最適な内径にほぼ等しい内径を有することができる。内側バーナは、計算された最適な、または測定された内径の約±50%、±40%、±30%、±20%、±10%、または±5%の範囲内の内径を有することができる。一実施形態において、内側バーナは市販のFID内側バーナであってもよい。市販のFID内側バーナは、計算された最適な、または測定された内径の約±40%、±30%、±20%、±10%、または±5%の範囲内の内径を有することができる。
【0028】
本開示の方法はさらに、フレームベース検出器の固定FID外側バーナの中にFID内側バーナを装着するステップを含む。適合したクロマトカラムおよびFID内側バーナは、クロマトグラフィシステム内のフレームベース検出器の応答を最適化するために必要な時間を短縮することができる。適合クロマトカラムおよびFID内側バーナはカラムおよび内側バーナの組み合わせであってもよく、内側バーナのi.d.は、最適な検出器性能、最適な検出器感度、最適な検出器応答、またはこれらのいずれかの組み合わせをもたらすために、本明細書において提供される最適値または測定値の50%以内である。
【0029】
本開示はまた、クロマトグラフィシステム内のフレームイオン化検出の方法であって、(i)移動相流量に対応する異なるサイズを各々が有する複数の内側バーナを収容する固定外側バーナを有するフレームイオン化検出器を提供するステップと、(ii)1つ以上の移動相流量を有するクロマトグラフィシステムと流体連通しているフレームイオン化検出器を配置するステップと、(iii)移動相流量を選択するステップと、(iv)選択された移動相流量に応えて内側バーナを選択するステップと、を含む方法にも関する。
【0030】
本開示はまた、(i)内径を有するクロマトカラムと、(ii)内径を有する市販のFID内側バーナと、を含むキットであって、FIDバーナ内径は最適な検出器性能、最適な検出器感度、または最適な検出器応答をたらすためにクロマトカラム内径に適合している、キットにも関する。
【0031】
本開示はまた、(i)化学的または物理的特性に基づいて1つ以上のアナライトを分離することが可能なクロマトグラフィカラムと、(ii)カラムの下流で流体連通して配置されたフレームイオン化検出器と、を含むクロマトグラフィ装置であって、フレームイオン化検出器は、移動相流量に対応する異なるサイズを各々が有する複数の内側バーナを収容する固定外側バーナを有する、クロマトグラフィ装置にも関する。
【0032】
一実施形態において、本開示は、使用するクロマトグラフィカラムおよびFID内側バーナ構成の組み合わせの選択において、研究者またはクロマトグラフィ技術者を支援する方法に関する。いくつかの状況において、カラム径は移動相流量を決定づけ、移動相流量はFIDバーナサイズを決定づける。3.0mmiの.d.を有する分析カラムなど、特定のカラムが選択されるとき、このカラムに結合された適切なサイズのFIDバーナも選択、推奨、または提供される。クロマトカラムへの適合した内側バーナの提供、または検出器へのインターフェースの提供は、時間を節約する。インターフェースは、潜在分流T字管、流量制限器、およびバーナを含む、必要なハードウェアをすべて含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、周知の最適化手順が用いられることも可能である。たとえば、バーナの内部への搬送ラインの配置は、固定されることが可能である。搬送ラインは、その中をカラム溶出液が移動する流量制限器である。このラインは、バーナが変更されたときにこの変数を消去するために、内側の交換可能なバーナの中に固定されることが可能である。このラインの配置は、検出器性能に影響を及ぼす可能性がある。流量制限器先端がバーナの上部に近すぎる場合、移動相は安定した線速度を減圧、膨張、および達成するのに十分な時間がないかも知れない。流量制限器先端からバーナの上部までの適切な距離は、移動相と水素燃焼ガスとの十分な混合を提供する距離である。流量制限器先端からバーナの上部までの距離は、約0mmから約50mmであってもよい。具体的には、流量制限器先端の固定距離は、約0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46,48、または50mmであってもよい。これらの値はまた、約20から40mmの間などの範囲を定義するために使用されることも可能である。
【0034】
カラム径を変更する(たとえば移動相流量を変更する)ときに調整可能なその他の因子は、バーナからコレクタ電極までの距離の調整を含む。たとえば、大きいカラムは大きいバーナを必要とする。大きいバーナは、バーナとコレクタとの間に広い空間を必要とする大きい炎に適合することができる。バーナの上部とコレクタとの間には十分な間隔が必要とされる。炎が大きすぎると、コレクタに接触して検出器を「短絡」し、応答の飽和を引き起こす。フレームのサイズは、移動相流量およびバーナ径の両方に依存する。これらのパラメータの値に基づいて、バーナからコレクタ電極までの距離が決定可能である。バーナの上部とコレクタとの間の間隔は、約1mmから約30mmである。具体的には、バーナの上部とコレクタとの間の間隔は、約1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、または30mmであってもよい。これらの値はまた、約10から20mmの間などの範囲を定義するために使用されることも可能である。
【0035】
伝統的に、ガスクロマトグラフィは、広範なカラム流量に適合する単一バーナ設計を用いて実行される。必要に応じて、窒素メイクアップガスがカラムの下流の移動相ストリームに頻繁に導入される。このメイクアップガスは、バーナ径が最適な検出器応答を提供するには移動相流量が低すぎるときに、導入される。理想的には、メイクアップガスは、移動相流量とメイクアップガスとの合計が、FIDバーナが最適化される最大可能な移動相流量に等しくなるように、追加される。
【0036】
いくつかの用途において、圧縮移動相を用いるクロマトグラフ技術はメイクアップガスを必要としない。減圧時に、これらの技術は伝統的なガスクロマトグラフィよりも10〜100倍以上速い移動相流量を有する。FID内への移動相流を減少させる方法の1つは、分流アダプタを使用することである。分流を用いると、移動相は、主要な移動相流ストリームと比較して、低い流量でFIDに導入される。これらの低移動相流量は、伝統的なGC流量に匹敵するか、または伝統的なGC移動相流量よりも速い値に設定される。別の用途では、これらの技術はメイクアップガスを使用する。いくつかの分離において、1:1の比率でのメイクアップガスとしての窒素の追加は、応答を2倍改善することができる。0:1から1:1の比率でのメイクアップガス(移動相へのメイクアップガス)の使用もまた、本開示において考えられる。
【0037】
いくつかの実施形態において、分流比は、分離の間に制御、記録、および調整されることが可能である。移動相流量もまた、分離の間に測定されることが可能である。したがって、分流は、分離の間ずっと最適な検出器性能を維持するために、FIDに所定の移動相流量を送達するための運転の間に変更することが可能である。異なる分流比の値に曝された結果として溶出するアナライトへの検出器応答は、分流比に対応するその応答の比例的な増加または減少を示すことになる。分流比は、FID検出器から受信した信号を補正または正規化するために使用されることが可能である。
【0038】
刊行物、特許、および特許出願を含むすべての参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる。
【0039】
量、濃度、またはその他の値またはパラメータが範囲、好適な範囲、あるいは好適な上限値または好適な下限値のリストとして提供されたとき、範囲が個別に開示されているか否かにかかわらず、これはいずれかの上限または好適な値およびいずれかの下限または好適な値のいずれかの組み合わせから形成されるすべての範囲を具体的に開示するものと理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に引用されているとき、別途明記されない限り、その範囲はその終点、および範囲内のすべての整数および小数を含むように意図される。本発明の範囲は、範囲を定義するときに引用される具体的な値に限定されるように意図されるものではない。
【0040】
本発明は、以下の実施例においてさらに定義される。なお、これらの実施例は、本発明の好適な実施形態を示しているものの、例として示されるに過ぎないことは、理解されるべきである。
【0041】
実施例1 交換可能なバーナを有するFID設計
この実施例では、本開示の一態様、すなわち異なる移動相流量に対応する異なるサイズを有する多数の異なる内側バーナを収容することが可能な固定外側バーナを備えるFIDを有するクロマトグラフィシステムに、注目する。
【0042】
図1Aおよび図1Bは、固定外側バーナ(12)を有して交換可能な内側バーナ(14)(140)を採用するFID設計(10)(100)の概略図を示す。初期設定の下で(図1A)、カラム溶出液(16)を生成するために、2.1mmのi.d.を有するカラムが使用される。移動相流量は、約300mL/minの減圧流とおおむね同等の、約0.6mL/minの高密度移動相である。カラム溶出液(16)は、内側バーナ(14)に侵入するときに流量制限器(18)を通る。外側バーナ(12)およびバーナ筐体は、0.500インチの外径(o.d.)で0.460インチのi.d.の、ステンレス鋼管材のピースである。内側バーナ(14)(交換可能)は、0.250インチのo.d.で0.085インチのi.d.(30)の、ステンレス鋼管材のピースである。FIDは、水素(24)および空気(26)の両方のための燃焼ガス入口を有する。ベスペルフェルールが、ガスシール(28)として使用される。炎からの信号は、電位計(22)に接続されたコレクタ電極(20)を用いて捕捉される。
【0043】
第二条件の下では(図1B)、4.6mmのi.d.を有する第二のカラムが使用される。約1.5mL/minの第二の移動相流量が使用される。内側バーナ(14)は、0.250インチのo.d.および0.188インチのi.d.(130)を有する第二のステンレス鋼内側バーナ(140)と容易かつ迅速に交換される。大きいカラムi.d.は、大きい流量と、炎および検出条件を最適化された状態で維持するための大i.d.内側バーナの必要性を、もたらす。
【0044】
図2は、バーナ設計(200)の別の概略図を示す。この設計において、ガスは、内側バーナ/カラム(240)アセンブリの迅速で容易な交換を可能にする、ガスシールを伴って通される。ガスは、たとえば約1.5mL/minなど、1〜3mL/min以内の流量のCOであってもよい。カラム溶出液(16)は、内側バーナ(240)に侵入するときに流量制限器(18)を通る。バーナ/流量制限器/カラム装置は、水素ガスを供給する治具の中に挿入されることが可能である。内側バーナ(240)、ここでは1/4インチ×4.5mmの内側バーナ(取り外し可能)が、コレクタ電極(20)から適切な距離に配置されることが可能である。コレクタ電極は、セラミックアイソレータ(40)によって保護される。外側バーナ(12)、ここでは1/2インチ×0.460インチの外側バーナが、使用可能である。酸化剤(たとえば空気)(26)は治具によって供給されることが可能であろう。FIDバーナ設計は、ヒータブロック(38)も含む。
【0045】
実施例2 FID内側バーナ内径の測定
この例では、本開示の別の態様、すなわちクロマトグラフシステムの周知のパラメータを用いた適切なサイズの内側バーナの決定に、注目する。
【0046】
任意のクロマトグラフィカラムについて、FID内側バーナの内径は、以下の数式2によって推定される。
【0047】
【数3】
ここでdはmm単位のFID内側バーナの内径、およびμはmL/min単位の減圧された最適な移動相流量である。数式2は、収集された以下の実験データから導かれた。5つのバーナの内径を検査した。0.279mmのi.d.および0.508mmのi.d.の内径を有する2つのバーナを、カラムを有していないアジレント(Agilent)6890A GC(流量制限を設けるためのシリカ管材のピースのみ)を用いて検査した。炎が不安定になるまで、移動相(He)流量を増加させた(対応する水素および空気流も)。炎が安定するまで移動相流量を低下させた。表中の流量は、安定した炎を呈する最大流量である。0.965mmのi.d.のバーナは、SRIモデル110FIDのバーナである。クロマトグラフシステム内の分流インターフェースを使用した(たとえば、3.0×150mm、1.8μmHSS C18カラムを40℃、1.5mL/minの100%CO、2500PSI BPR圧力で)。2μg/μLでの二硫化炭素中のヘキサデカンの0.5μL注入を注入した。FIDに向けられた20、40、50、100、および200mL/minの減圧CO2で実験を行った。安定したフレームで実証された最大流量は、200mL/minであった。2.159mmのi.d.のバーナは、カスタム製作FIDへの全流インターフェースを採用する2.1×150mm、5umのC18カラムを採用した。これは0.6mL/minの高密度COで運転された。4.526mmのi.d.のバーナは、同じカスタムシステム上で4.6×150mm、5umのC18カラムを使用した。カラム流量は、1.5mL/minであった。2.159mmのi.d.および4.526mmのi.d.のバーナのその他の条件は、0.965mmのi.d.のバーナと同様であった。最後の2つは実証された最大流量付近であったが、しかしこれら2つのバーナ上で最大持続可能流を確立するための徹底的な実験は行わなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
図3は、上記データの最小二乗線形回帰グラフを示す。上記で決定された移動相流量を、対応するバーナ内径に対してプロットした。プロッティングおよび線形回帰は、MSエクセルで行われた。
【0050】
本開示は、その例示的実施形態を参照して具体的に図示および記載されてきたが、添付請求項によって網羅される本発明の範囲から逸脱することなく形状および詳細における様々な変更が成されてもよいことは、当業者によって理解されるだろう。
【符号の説明】
【0051】
10、100 FID設計
12 外側バーナ
14、140、240 内側バーナ
16 カラム溶出液
18 流量制限器
20 コレクタ電極
22 電位計
24 水素
26 空気
28 ガスシール
30、130 内径
38 ヒータブロック
40 セラミックアイソレータ
200 バーナ設計
図1A
図1B
図2
図3