(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のアームは、前記細長い本体に連結されており、前記長軸線に沿って前記細長い本体に対して近位方向及び遠位方向に軸線方向に移動可能である、請求項1に記載のデバイス。
前記上面から反対側の第2のアームの下面は、前記第2のアームの厚さが遠位方向よりも近位方向でより薄いように、前記第2のアームの上面よりも小さく湾曲している、請求項1に記載のデバイス。
前記組織貫通器は、前記第1のアームから前記第2のアームまで前記遠位方向に向いた開口を横切って延びるように、前記第1のアームの完全に内部の位置から延びる、請求項1に記載のデバイス。
前記上面から反対側の第2のアームの下面は、前記第2のアームの厚さが遠位方向よりも近位方向でより薄いように、前記第2のアームの上面よりも小さく湾曲している、請求項1に記載のデバイス。
前記組織貫通器は、前記第1のアームから前記第2のアームまで前記遠位方向に向いた開口を横切って延びるように、前記第1のアームの完全に内部の位置から延びる、請求項11に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】大腿骨と脛骨との間の断裂した半月板の一部、及び右方の縫合糸パサーの概略を示す図である。
【
図1B】関節内及び断裂した半月板のまわりへの縫合糸パサー外科デバイスの挿入を示す図である。この例の上ジョーの上面(大腿骨顆に面した面)は丸みが付けられており、長軸線から離れる方向に湾曲している。
【
図1C】関節内及び断裂した半月板のまわりへの縫合糸パサー外科デバイスの挿入を示す
図1Bと同様の図である。
【
図1D】関節内及び断裂した半月板のまわりへの縫合糸パサー外科デバイスの挿入を示す
図1Bと同様の図である。
【
図1E】本願明細書で説明する縫合糸パサーを使用して縫合糸を多数回半月板に通すことを示す図である。
【
図1F】本願明細書で説明する縫合糸パサーを使用して縫合糸を多数回半月板に通すことを示す
図1Eと同様の図である。
【
図1G】本願明細書で説明する縫合糸パサーを使用して縫合糸を多数回半月板に通すことを示す
図1Eと同様の図である。
【
図1H】本願明細書で説明する縫合糸パサーを使用して縫合糸を多数回半月板に通すことを示す
図1Eと同様の図である
【
図1I】縫合糸を所定位置に保持して、縫合糸パサーを除去することを示す図である。
【
図1J】縫合糸を所定位置に保持して、縫合糸パサーを除去することを示す
図1Iと同様の図である。
【
図1K】縫合糸を所定位置に保持して、縫合糸パサーを除去することを示す
図1Iと同様の図である。
【
図1L】縫合糸を所定位置に保持して、縫合糸パサーを除去することを示す
図1Iと同様の図である。
【
図1M】縫合糸を所定位置に保持して、縫合糸パサーを除去することを示す
図1Iと同様の図である。
【
図5A】本明細書で説明する発明を使用して修復することができる種々の断裂パターンを示す図である。
【
図5B】本明細書で説明する発明を使用して修復することができる種々の断裂パターンを示す図である。
【
図5C】本明細書で説明する発明を使用して修復することができる種々の断裂パターンを示す図である。
【
図5D】本明細書で説明する発明を使用して修復することができる種々の断裂パターンを示す図である。
【
図5E】本明細書で説明する発明を使用して修復することができる種々の断裂パターンを示す図である。
【
図6A】従来技術のデバイスを使用した半月板修復を示す図である。
【
図6B】従来技術のデバイスを使用した半月板修復を示す図である。
【
図6C】従来技術のデバイスを使用した半月板修復を示す図である。
【
図6D】本明細書で説明するデバイスを使用した半月板修復を示す図である。
【
図7A】本明細書で説明する半月板修復縫合糸パサーの1つの実施形態を示す図である。この例の上ジョーの上面(大腿骨顆を向いた面)は丸みが付けられており、長軸線から離れる方向に湾曲している。
【
図7B】
図7Aに示された半月板修復縫合糸パサーのための種々の予め設定された(例えば、「係止」)位置を示すである。
【
図7C】
図7Aに示された半月板修復縫合糸パサーのための種々の予め設定された(例えば、「係止」)位置を示すである。
【
図7D】
図7Aに示された半月板修復縫合糸パサーのための種々の予め設定された(例えば、「係止」)位置を示すである。
【
図8】本明細書で説明する半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図9A】本明細書で説明する半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。この例の上ジョーの上面(大腿骨顆を向いた面)は丸みが付けられており、長軸線から離れる方向に湾曲している。
【
図9B】半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図9C】半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図10A】半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。この例の上ジョーの上面(大腿骨顆を向いた面)も又丸みが付けられており、長軸線から離れる方向に湾曲している。
【
図10B】半月板修復縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。この例の上ジョーの上面(大腿骨顆を向いた面)も又丸みが付けられており、長軸線から離れる方向に湾曲している。
【
図10C】上側(曲げ)アームが延長され、下側(直線状)アームが引っ込められている半月板修復縫合糸パサーの2つの異なる側面斜視図の1つである。
【
図10D】上側(曲げ)アームが延長され、下側(直線状)アームが引っ込められている半月板修復縫合糸パサーの2つの異なる側面斜視図の1つである。
【
図10E】下側(直線状)アームが延長された後の
図10Cの半月板修復縫合糸パサーを示す図である。
【
図10F】下側(直線状)アームが延長された後の
図10Dの半月板修復縫合糸パサーを示す図である。
【
図10G】下側(直線状)アームが延長され、湾曲した組織貫通器が延長された後の
図10Cの半月板修復縫合糸パサーを示す図である。
【
図10H】下側(直線状)アームが延長され、湾曲した組織貫通器が延長された後の
図10Dの半月板修復縫合糸パサーを示す図である。
【
図11A】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す図である。
【
図11B】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11C】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11D】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11E】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11F】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11G】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11H】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図11i】半月板の横断裂を修復する半月板修復縫合糸パサーの使用を示す
図111Aと同様な図である。
【
図12A】デバイス及びデバイスの操作方法の一例において第1のアームを完全に延長させたときの第1及び第2の(上及び下)アーム並びに組織貫通器の例示的な寸法及び相互作用を示す図である。示された寸法は例示的なものにすぎず、本明細書に示されたデバイスの実施形態のいずれも、示された値の約+/−25%と200%の間である縮尺に総合的に又は個別的された寸法を含む他の寸法を有して形成することができる。
【
図12B】デバイス及びデバイスの操作方法の一例において第1のアームを部分的に延長させたときの第1及び第2の(上及び下)アーム並びに組織貫通器の例示的な寸法及び相互作用を示す図である。示された寸法は例示的なものにすぎず、本明細書に示されたデバイスの実施形態のいずれも、示された値の約+/−25%と200%の間である縮尺に総合的に又は個別的された寸法を含む他の寸法を有して形成することができる。
【
図13A】弛緩された形状にある湾曲した組織貫通器の1つの実施形態を示す図である。
【
図13B】直線状にされた形状にある湾曲した組織貫通器の1つの実施形態を示す図である。
【
図14B】下ジョー/アームから上ジョー/アームに縫合糸シャトルを通すために下ジョー/アームから延びる
図13A及び
図13Bの湾曲した組織貫通器を示す図である。
【
図14C】湾曲した又は湾曲可能な組織貫通器のもう1つの実施形態を示す図である。
【
図15A】縫合糸シャトルの一実施形態を示す図である。
【
図15B】縫合糸シャトルの一実施形態を示す図である。
【
図16A】縫合糸シャトルのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図16B】縫合糸シャトルのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図17】縫合糸シャトルのさらにもう1つの実施形態を示す図である。
【
図19A】縫合糸シャトルと組織貫通器の相互作用の一実施形態を示す図である。
【
図19B】縫合糸シャトルと組織貫通器の相互作用の一実施形態を示す図である。
【
図19C】縫合糸シャトルと組織貫通器の相互作用の一実施形態を示す図である。
【
図19D】縫合糸シャトルと組織貫通器の相互作用の一実施形態を示す図である。
【
図20】縫合糸クリップの第1の実施形態を示す図である。
【
図21A】組織貫通要素に連結/結合された(連結された縫合糸を備えた)組織貫通縫合糸シャトルの1つの実施形態を示す図である。
【
図21B】組織貫通要素から分離された
図21Aの組織貫通縫合糸シャトルを示す図である。
【
図22A】組織貫通縫合糸シャトルのもう1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図22B】デバイスの組織貫通要素から分離された遠位組織貫通縫合糸シャトルのもう1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図23】本明細書で説明する半月板を修復するための1つの接近方法を示す膝の断面図である。
【
図24A】半月板のまわりに半月板修復縫合糸パサーを位置決めする1つの方法を示す図である。
【
図24B】半月板のまわりに半月板修復縫合糸パサーを位置決めする1つの方法を示す
図24Aと同様の図である。
【
図24C】半月板のまわりに半月板修復縫合糸パサーを位置決めする1つの方法を示す
図24Aと同様の図である。
【
図25A】二重展開縫合糸パサーの一般的な形態を示す図である。
【
図25B】二重展開縫合糸パサーの一般的な形態を示す図である。
【
図26A】S状経路で移動する組織貫通器であって、組織貫通器の遠位端が上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を含む縫合糸パサーの一般的な実施形態を示す図である。
【
図26B】S状経路で移動する組織貫通器であって、組織貫通器の遠位端が上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を含む縫合糸パサーの一般的な実施形態を示す
図26Aと同様な図である。
【
図26C】S状経路で移動する組織貫通器であって、組織貫通器の遠位端が上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を含む縫合糸パサーの一般的な実施形態を示す
図26Aと同様な図である。
【
図27A】上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を有する縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図27C】上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を有する縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図27E】上ジョーから遠位方向に延びる組織貫通器を有する縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図28A】回動する上ジョーを有する縫合糸パサーにおける組織貫通器の異なる経路を示す図である。
【
図28B】本明細書で説明する組織貫通器が取ることができるS状経路を示す図である。
【
図28C】本明細書で説明する組織貫通器が取ることができるS状経路を示す図である。
【
図28D】本明細書で説明する組織貫通器が取ることができるS状経路を示す図である。
【
図28E】本明細書で説明する組織貫通器が取ることができるS状経路を示す図である。
【
図29A】組織貫通器の1つの実施形態の平面図である。
【
図29B】組織貫通器の1つの実施形態の側面図である。
【
図30A】上ジョーから遠位方向に延び、S状経路で移動する組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態の操作を示す図である。
【
図30B】上ジョーから遠位方向に延び、S状経路で移動する組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態の操作を示す図である。
【
図30C】上ジョーから遠位方向に延び、S状経路で移動する組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態の操作を示す図である。
【
図30D】上ジョーから遠位方向に延び、S状経路で移動する組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態の操作を示す図である。
【
図30E】上ジョーから遠位方向に延び、S状経路で移動する組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態の操作を示す図である。
【
図31A】
図30Aに示された縫合糸パサーのような縫合糸パサーのための上ジョー部材の1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図31B】
図30Aに示された縫合糸パサーのような縫合糸パサーのための上ジョー部材の1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図32A】縫合糸ストリッパを含む縫合糸パサーのための上ジョー部材のもう1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図32B】縫合糸ストリッパを含む縫合糸パサーのための上ジョー部材のもう1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図33A】縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図33B】縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図33C】縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す図である。
【
図34B】
図33Aに示された縫合糸パサーの遠位端の2つの側面斜視図の1つである。
【
図34C】
図33Aの縫合糸パサーの遠位端領域における組織貫通器及び縫合糸ストリッパの構成を示す図である。
【
図34D】
図33Aに示された縫合糸パサーの遠位端の2つの側面斜視図の1つである。
【
図35A】ストリッパプレート及びベースを含む縫合糸ストリッパを示す図である。
【
図35B】縫合糸ストリッパのストリッパプレートを示す図である。
【
図35C】縫合糸ストリッパのベースを示す図である。
【
図36A】縫合糸ストリッパを含むジョー部材の遠位端領域の側面斜視図である。
【
図36B】縫合糸ストリッパを含むジョー部材の遠位端領域の側面斜視図である。
【
図37A】異なる厚さを有する縫合糸パサーデバイスの第1のジョー(例えば、上ジョー)の実施形態を示す図である。
【
図37B】異なる厚さを有する縫合糸パサーデバイスの第1のジョー(例えば、上ジョー)の実施形態を示す図である。
【
図37C】異なる厚さを有する縫合糸パサーデバイスの第1のジョー(例えば、上ジョー)の実施形態を示す図である。
【
図38A】近位領域の近くに丸みが付けられた(湾曲した)外面を有し、長さの多くに沿って一様な太さを有する上ジョーを示す図である。
【
図38B】直線状(湾曲していない)近位領域を有し、長さの多くに沿って一様な太さを有する上ジョーを示す図である。
【
図38D】湾曲した(丸みが付けられた)上面及び直線状の組織接触下面を有するハイブリッド上ジョーを示す図である。
【
図39A】近位領域近くに丸みが付けられた(湾曲した)外面を有し、外面の反対側に比較的平らな内/下面を有し、さらに、遠位端に縫合糸捕獲領域を有する上ジョーのもう1つの実施形態の側面斜視図である。
【
図39B】近位領域近くに丸みが付けられた(湾曲した)外面を有し、外面の反対側に比較的平らな内/下面を有し、さらに、遠位端に縫合糸捕獲領域を有する上ジョーのもう1つの実施形態の底面斜視図である。
【
図39C】近位領域近くに丸みが付けられた(湾曲した)外面を有し、外面の反対側に比較的平らな内/下面を有し、さらに、遠位端に縫合糸捕獲領域を有する上ジョーのもう1つの実施形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書中では、半月板修復用の縫合糸パサーを説明する。一般的に、これらのデバイスは、本明細書中では、半月板修復縫合糸パサー、半月板修復デバイス、あるいは、単純に、縫合糸パサーと呼ばれることがある。本明細書中で説明するデバイスは、半月板(膝関節半月板)を修復するように構成されるのがよく、長手方向に延び、横(中央)接近から半月板のまわりに拡張されることができる2つのアームを含むのがよい。本明細書中で説明するデバイスの様々な変形は、スネークタングS状二重展開縫合糸パサー、及び/又はクランプ/摺動縫合糸パサーとも呼ばれることがある。
【0034】
代表的には、アームの一方の遠位端領域(例えば、最遠位の3cm以下)はデバイスの長軸線から離れる角度をなして曲げられている又は曲げ可能であるのがよく、他方のアームは、遠位方向及び近位方向に軸線方向に(デバイスの長軸線の方向に)移動可能であるのがよい。遠位方向及び近位方向に移動可能なアームを延長させると、半月板のまわりに位置決めすることができる遠位端に鋭角の開口部が遠位方向に形成され、半月板断裂を修復するために、一方のアームから他方のアームへ縫合糸を組織に通すことができる。2つのアームの間で縫合糸を移動させるために、アームの一方だけから延長し、引っ込めることができる組織貫通器を使用することによって、縫合糸を、多数回組織に通すことができる。
【0035】
本明細書で説明するデバイスのいずれにおいても、上ジョー/アーム部材は、丸みが付けられているのがよく、デバイスの(例えば、近位ハンドル領域を遠位ジョー/アーム部材に連結する細長い部材の)長軸線から離れる方向に湾曲している。以下に詳細に示し、説明するように、曲率半径は、約0.5cmと訳20cmの間(例えば、約0.5cmと約10cmの間、約1cmと約10cmの間、約1cmと約5cmの間、約0.5cmと約5cmの間、約2cmと約5cmの間、約2cm、約3cm、約3.5cm、約4cm、約5cm等)にあるのがよい。
【0036】
かくして、本明細書で説明する半月板修復縫合糸パサーは、縫合糸を半月板の頂部又は底部に亘って通すように、1回、2回、あるいは、3回以上縫合糸を組織に通すことができる。デバイスの角度及び/又は位置は、縫合糸を半月板の種々の部分に通している間を含めて、処置前及び処置中に、必要に応じて調節することができる。かくして、本明細書で説明する半月板修復縫合糸パサーは、経皮的使用に適している。
【0037】
本明細書で説明する例示的なデバイスのいくつかでは、縫合糸を縫合糸パサー(例えば、組織貫通器又はニードル)に連結するために、縫合糸「シャトル」が使用される。本明細書で説明し、図面に示すように、この縫合糸シャトルは、随意である。本明細書で説明する特徴のいずれも、シャトルを含まないデバイスに含めることができる。かくして、組織貫通器は、縫合糸又は縫合糸のループを直接保持し、解放するようにすることができる。
【0038】
例えば、本明細書で説明する縫合糸パサーを含むシステムは、第1のアーム、第2のアーム、縫合糸通し組織貫通要素(例えば、ニードル)、縫合糸を通すためのシャトル、及び、縫合糸シャトルを取り外し可能に保持し、解放するための1つ又はそれ以上のシャトルシートを含むのがよい。いくつかの実施形態では、組織貫通要素は、第1又は第2のアーム(ここから延長されたり、引っ込められたりすることができる)から組織を通して延び、第1又は第2のアームに接近するように構成されている湾曲したニードル要素であり接近した第1又は第2のアームにおいて、ニードル要素は、シャトルシートに保持された縫合糸シャトルに係合し、又は、縫合糸シャトルから外れることができる。いくつかの実施形態では、縫合糸パサーの第1のアームは、軸線方向に(例えば、デバイスの長軸線に沿って前方及び後方に)移動できるように構成されているのがよい。縫合糸パサーは、第1のアームが2つ又はそれ以上のストップを含むように構成されているのがよい。例えば、第1のアームは、第2のアームが遠位方向に延長される間に、第1のアームが近位方向に引っ込められるように、軸線方向に完全に引っ込められる第1のストップと、組織貫通要素(例えば、ニードル)が第1のアームから延長されて第2のアーム上のシャトルシートに係合するように第1のアームが遠位方向に完全に延長されるときの第2のストップと、を含む。いくつかの実施形態では、縫合糸パサーは、組織貫通要素が第1のアームから延長されて第2のアーム上のシャトルシートに係合する位置で、第1のアームが遠位方向に部分的に延長される第3の又はそれ以上の(例えば、中間)ストップを有する。これは、
図7B−
図7Dに示されており、以下で説明する。
【0039】
縫合糸パサーの1つ又はそれ以上は、曲げられ又は湾曲されている。例えば、デバイスの第2のアームは、長軸線に対する第2のアームの端領域が略半月板の角度をなして曲げられるように曲げられ、湾曲され、又は、角度付けされる(例えば、第1のアーム、又は、第1のアームを含むデバイスの長軸線から「上向きに」離れるように)のがよい。その角度は、一定(例えば、約10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、60°の鋭角をなす)であるのがよい。例えば、その角度は、20°と50°の間にあるのがよい。いくつかの実施形態では、第1のアームと第2のアームの間の角度は、可変的であり(例えば、いずれかの又は両方のアームは、それらの間の角度を調節するように曲げられ、又は調節されるのがよい)。上(第2の)アームの曲げの角度は、半月板の上面と下面の間の略平均角度であるのがよく、例えば、その角度は、35°+/-2°、5°、7°、10°、15°等である。一般的には、曲げは、第2のアームが遠位方向に延ばされるときに、下(第2の)アームと鋭角をなす。いくつかの実施形態では、上述したように、第2のアームの遠位端領域は、真っ直ぐな又は予め曲げられた形態から最終の曲げ形態に曲げ可能である。のがよい。
【0040】
代替的に及び/又は追加的に、縫合糸アームのアーム(曲げられた又は曲げ可能な同じアームを含む)は、アームの少なくとも上面(例えば、上面は、反対側のアームから遠い方に向いた面に対応するのがよい)が、デバイスの長軸線から離れる方に湾曲されるように、丸みが付けられるのがよい。
【0041】
上述したように、第2のアームは、1つ又はそれ以上のシャトルシートを含むのがよい。一般的に、シャトルシートは、縫合糸を連結することができる縫合糸シャトルに解放可能に係合するように構成されているのがよい。それによって、縫合糸シャトルは、第2のアーム上のシャトルシートと、延ばされて、第1のアーム内へ引っ込められることができる組織貫通要素との間に通される。縫合糸シャトル及び組織貫通要素は、前に出典を明示することによって本願の一部とされた記載(並びに、出典を明示することによってその全体が本願の一部とされるU.S.210/0331863及びU.S.2013/0253647)で説明されているように構成されるのがよい。例えば、シャトルは、縫合糸が取り付けられたクリップ(例えば、三角形のクリップ)であるのがよく、クリップは、組織貫通要素(例えば、三角形横断面を有する湾曲したニードル)に又はからスナップオンオフされるように構成されているのがよい。いくつかの実施形態では、縫合糸が取り付けられた縫合糸シャトルは、デバイスの第1のアームの最遠位シャトルシート内に予め装填されている。以下でより詳細に説明される
図15A−
図22Bは、縫合糸シャトルのいくつかの実施形態及び種々の組織貫通器への取り付け領域を示す。
【0042】
組織貫通要素は、アームの1つから引っ込められ、又は、延ばされる湾曲した部材であるのがよい。特に、組織貫通要素は、第1のアームの遠位端領域でハウジング内に十分に引っ込み、湾曲した経路で延びる湾曲した、又は湾曲可能な(例えば、曲げ可能な)要素であるのがよい。いくつかの実施形態では、組織貫通要素は、第2のアームの遠位端領域から延び、第2のアームの本体内に完全に引っ込められるように構成されるのがよく、いくつかの実施形態では、組織貫通要素の一部は、第1のアーム内に十分に引っ込められたときにでも、第1のアームから延びるのがよい。第2のアーム、又は縫合糸パサーの他の部分は、組織貫通要素が、第1のアームがデバイスの本体に対して軸線方向に延び、又は引っ込むのを妨げないように、組織貫通要素のための軌道又は経路を含むように構成されるのがよい。
【0043】
図1A−1Mは、断裂した半月板を修復するために使用される縫合糸パサーの1つの実施形態を示している。これらの図は、半月板の縦断裂を修復するためのデバイスの操作を示している。
【0044】
例えば、
図1Aは、患者の膝の矢状断面図を示している。半月板の一部が示されている。半月板100の周辺部分の(線として示される)縦断裂101が示されている。大腿骨が、脛骨の上方に示されており、半月板の断裂した縁部は、大腿骨と脛骨の間にある。膝の断面の右方に、連続的な縫合糸パサー103の1つの実施形態が示されている。この縫合糸パサーは、関節鏡検査法又は開放外科処置により膝内に挿入される。例えば、いくつかの実施形態では、断裂した半月板は、関節鏡検査法により接近され、視覚化されるのがよく、縫合糸パサーは、別個の切開部又は同じ切開部を通して挿入されてもよい。
【0045】
この例では、縫合糸パサーは、第1のアーム105が近位方向に(例えば、近位端のハンドル又は制御部の方に)引っ込められた、畳まれ又は引っ込め形状で挿入される。第2のアーム102は、遠位端から延びている(又、この延長位置に固定されてもよく、あるいは、調節可能若しくは延長可能でもよい)。この形状で示された第2のアーム102は、
図1B図−
図1C図に示されているように断裂した半月板のまわりに挿入されるように、(「上向きに」)湾曲している。かくして、図示されているように、第2のアーム102は、丸みが付けられており、
図1Aの大腿骨顆の曲率半径に大よそ同じである曲率半径でデバイス103の軸線方向に対して湾曲しており、当業者には知られているように、大腿骨顆の曲率半径は、0.5cm(小児科の患者)と4.5cmの間、例えば、大人では約3cmと4.5cmの間にあるのがよい。
【0046】
縫合糸パサーの全体は、このスペースで使用されるように寸法決めされている。例えば、縫合糸パサーは、大腿骨と脛骨の間の代表的なスペースよりも小さい、すなわち、約10mmよりも小さい、約9mmよりも小さい、約8mmよりも小さい、約7mmよりも小さい、約6mmよりも小さい等延ばされていない/送達構成での径を有するのがよい。この径は、約5mmよりも小さい、約4mmよりも小さい、約3mmよりも小さい、約2mmよりも小さい等の個々の径を有するのがよい第1のアームの径を含むのがよい。
【0047】
かくして、第2のアームの遠位端領域によって形成された縫合糸パサーの遠位端は、
図1A−
図1Cに示されているように、組織内に、かつ、断裂した半月板の上方で延びるのがよい。一旦第2の(上)アームが位置決めされると、第1の(下)アーム105は、
図1Dに示されているように、デバイスから延ばされるのがよい。この例では、第1のアームは、第2のアームの反対側で半月板の下に延びるように、デバイスの近位領域から延ばされるのがよい。第1のアームは、(
図1A−1Kに示されているように)真っ直ぐであってもよいし、あるいは、湾曲され又は曲げられていてもよい。
【0048】
図1A−1Kに示されているように、第1の、下アームは、デバイスの本体から軸線方向に延び可能である。下アームは、半月版の下面の下で半月板の関節包に向かって摺動することによって前方に延びる。下アームは、最も遠位の「ストップ」まで延ばされることができる。遠位ストップは、抵抗(例えば、物理的ストップ)によって指示されるのがよく、係止であってもよい。例えば、第2のアームは、縫合糸パサー上のストップに保持されるときに、所定位置へクリックするのがよい。デバイスを外し、後退させるために、ハンドル又はデバイス上の制御部を使用するのがよい。
【0049】
一旦第1のアームが第1のアームに対して所望の軸線位置(完全に延ばされたあるいは他の)にあると、縫合糸を通すことができる。例えば、
図1Eは、第1のアームの中から、第1のアームと第2のアームを分離するスペースを横切って組織貫通要素(ニードル)111を延ばす初期段階を示す。この実施形態では、組織貫通要素は、図示するように組織を通過するように示されているようにデバイスの遠位領域から押し出される湾曲したニードルである。最初、組織貫通要素は、組織を通る経路を形成するだけで、シャトル及び縫合糸は、第2のアーム内に保持されている。この例では、ニードルは、周辺半月板関節包組織を貫通し、第2のアームの相補的な領域、第1の遠位シャトルシートと合う。シャトル及び取り付けられた縫合糸は、最初に遠位シャトルシート内に予め装填されている。シャトルがすでにシャトルシート内に保持されているときにシャトルシートを組織貫通部材に接触させると、シャトルは、組織貫通要素上にスナップ嵌めされて、
図1Eに示されているように、シートからシャトルを解放する。その後、シャトル及び任意の取り付けられた縫合糸は、
図1Fに示されているように、組織貫通部材が第2のアーム内に引っ込められるときに、組織貫通要素上で半月板を通して後退されて戻されることができる。それによって、縫合糸は、半月板を横切ってかつ通して引かれる。
【0050】
いくつかの実施形態では、デバイスは、下アームが、組織貫通要素が反対側のアーム上の受け入れ部位(例えば、シャトルシート)と合う位置に延ばされるときにだけ、組織貫通要素(例えば、ニードル等)が、延ばされるように構成されている。
【0051】
図1Gでは、第1の(下)アーム105は、次いで、わずかに引っ込められるのがよい。これらの実施形態のいずれにおいても、アームは、「ジョー」と呼ばれることがあり、かくして。第2のアームは、上又は第2のジョーと呼ばれることがあり、第1のアームは、下又は第1のジョーと呼ばれることがある。この例では、第1のアームは、遠位端の近位側に位置するストップ位置内に引っ込められる。この第2のストップは、中間又は第2のストップ位置(と呼ばれることがある遠位端位置は第1のストップであり、完全引っ込め位置は、近位ストップ位置と呼ばれることがある)。デバイスは、(シャトルが今取り付けられている)組織貫通要素が、
図1G及び
図1Hに示されているように、断裂部に対してより周辺に位置する領域に、組織を通して延ばし戻されるように、この位置に第1のアームを保持、又は解放可能に「係止」するのがよい。それに対して、上側(第2の)アームは、所定位置に取り付けたままにされている。いくつかの実施形態では(例えば、解剖学的に許されれば)、第2のアームは、近位方向にわずかに後退されてもよく、あるいは、異なる位置に追加のステッチを位置決めするために、組織全体が横方向又は近位方向に移動されてもよい。
【0052】
本明細書に記載されている実施形態のいくつかでは、下アーム(例えば、組織貫通要素を含むアーム)が、デバイスの残りの部分に対して、長手方向に延ばされ/引っ込められるのがよい。いくつかの実施形態では、上アームが、デバイスの残りの部分に対して、長手方向に延ばされ/引っ込められるのがよい。これは、以下で
図9−10Bに図示された実施形態に示されている。
【0053】
ここで、
図1Hを参照すると、シャトル及び縫合糸が取り付けられた組織貫通要素は、再び延ばされ、今度は、断裂部が縫い閉じられるように、前のステッチから断裂部の反対側で貫通する。ニードルは、第2のアームの第2シャトルシート領域と遠位方向に係合するまで通され、このことが起こるときに、シャトルは、シャトルシートに取り付けられて保持され、組織貫通要素が引っ込められて、
図1Iに示されているように、第2のアーム上のシャトルシート内にシャトルを残すように、組織貫通要素から結合が外される。いくつかの実施形態では、縫合糸パサーをわずかに移動させて、上記の段階のいくつか(
図1Eから後の)を繰り返すことによって、再び縫合糸を通すことができ、あるいは、縫合糸パサーを除去することができる。
【0054】
図1Jでは、第1のアーム(かくして、デバイス)は、デバイスが、
図1Kに示されているように除去されるように、軸線方向に(近位方向に)後退される。デバイスを除去すると、
図1Lに示されているように、縫合糸は、半月板に通されたまま残される。縫合糸を組織を通して引いて、組織を通してループを残すことができる。次いで、
図1Mに示されているように、結び目を作るか、あるいは、縫合糸をその他の仕方で取り付けることができる。デバイスを後退させるときに、予め作られた結び目を予めパッケージングして所定位置にスライドさせてもよい。
【0055】
図6Dは、縦断裂を有する半月板の一領域を通された縫合糸の1つの実施形態を示す。できた縫合糸は、
図6A−6Cに関して、上記の発明の背景で説明したような、他のデバイスで作られた他のタイプの縫合糸固定部(ステッチ)と比較することができる。比較において、本明細書において記載されている半月板縫合糸デバイスは、(
図6Dの図の右方の)関節包領域の境界の近傍(又は、境界を丁度越えた位置で)縫合糸を半月板に通すことができる。デバイスは、(
図1A−1Mに示されているように)縫合糸を縦に通すことができるので、また、組織貫通要素の配向及び構成の故に、縫合糸は、膝の関節包領域内に深く突き通り、膝の関節包領域を越えて延びる危険なく通すことができる。この設計は、近くの神経及び血管組織(例えば、血管)の損傷を防止することができる。さらに、縫合糸は、示されているように、関節包の外側領域上又はまわりに通すことができる。
【0056】
図7Aは、半月板修復縫合糸パサーの1つの実施形態を示す。この例では、縫合糸パサーは、細長い部材から長手方向に延び、図示したように、上方に(長手方向から外に)湾曲している上(「第2の」)ジョーを含む。この第2のジョー部材は、上述したように、丸みが付けられた外面を有している。下「ジョー」又はアーム(第1のアーム)部材は、上アームに対して摺動可能であり、デバイスの長手方向軸線において延ばされることができ、
図7B−7Dに示されているように、3つのうちの任意に保持されることができる。これらの位置は、下アームが、
図7Bに示されているように、完全に引っ込められている「第1の」位置と呼ばれる。下アームを前方又は後方に軸線方向に移動(例えば、摺動)させるために(又は、下アームに対してデバイスの残りの部分を前方/後方に移動させる間に、下アームを安定して保持するために)、(
図7Aにフィンガ又は親指スライダ部材として示されている)制御スライダ部材が使用されるのがよい。
図7Cに示されている第2の位置は、完全に延ばされている。上述したように、デバイスは、一旦ここに摺動又はその他の仕方で移動された後にアームをこの位置に保持するためのロック又はバイアスを含む。例えば、デバイスは、該デバイスをこの位置に保持し、上述したように、組織貫通器が延ばされ、又は、引っ込められることを可能にするばねロックを含むのがよい。最後に、
図7Dは、第1のアームの第3の中間位置を示しており、第1のアームは、また、ロックされることができ、これに対応した、組織貫通要素のための組み合い部位(mating site)(例えば、ドッキング部位)が、また、存在するのがよい。中間位置(第3の位置)は、随意である。いくつかの実施形態では、追加の中間位置が含まれてもよい。
【0057】
上アームに係合するように、下アームから組織貫通要素を引っ込めるために、別個の機構を使用することができる。例えば、トリガを含めてよい。
図7A及び
図8では、デバイスは、細長い本体のカニューレ内に押し要素701を含み、押し要素701は、組織貫通要素が延ばされ/引っ込められることを可能にする。上述したように、デバイスは、組織貫通要素がシャトルドック領域に係合することができ(、縫合糸シャトル及び/又は縫合糸に結合し/を解放す)るまで、組織貫通要素が延びないように、開口を形成するアームが整合されていないときに、組織貫通要素が延びる(又は引っ込む)のを防止するように構成されるのがよい。例えば、組織貫通器は、下アームが第2又は第3の位置にあるときだけ、デバイスから延びるように可能にされるのがよい。
【0058】
シャトルドック領域は、縫合糸シャトルがすでにドック内にあるか否かに応じて、縫合糸シャトルを交互にロック(保持)し、解放するように構成されてもよい。これは、縫合糸(及びシャトル)が交互に、ドック/組織貫通器によって解放又は保持され、組織を通して引かれることを可能にし、連続縫合を可能にする。
【0059】
いくつかの実施形態では、上又は下アームは、取り外し又は交換可能である。例えば、デバイスは、モジュール式であるのがよい。
図9A及び
図9Bは、
図9Cに示されているように、種々の上アームがデバイスの残りの部分に連結されることを可能にするモジュール式設計を有する半月板縫合糸パサーの実施形態を示している。この例では、(下アームが交換可能である)他の実施形態に対して、一般化することができる原理として、上アームが、(シャトルに結合されるのがよい)縫合糸で予め充填されているのがよい。異なる構造を含む異なる互換性の上アームを使用することができる。例えば、異なる上アームは、デバイスの長軸線に対するアームの(例えば、上記したように、10°と60°の間の)異なる曲げ角度を有するのがよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、異なる長さ、幅、及び/又は厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、異なる上アームは、アーム上のシャトルドックの数及び/又は位置に基づいて選択されるのがよい。このセクションは、デバイスのモジュール式又は互換性特徴としてジョー又はアームに言及するけれども、実際の互換性領域は、
図9A及び
図9Bでわかるように、上アームの曲げられた遠位端領域、及び曲げられていない細長い部分を含むのがよい。この例では、互換性領域902はまた、第2のアームをデバイスの残りの部分に結合するのに使用することができ、上アーム(第2のアーム)がハンドルに対して軸線方向に移動可能である実施形態で有用であるグリップ領域905を含む。
図9B及び
図9Cは、この実施形態をわずかにより詳細に示しており、
図9Cに示されている半月板縫合糸パサーデバイス900を形成するように組み合わせることができる使い捨て可能でかつ予め装填された上アーム902、及び、潜在的に再使用可能な又は耐久性の下アームを示している。耐久性部分は、多数の患者で再使用することができるように殺菌可能であるのがよく、あるいは、1人の患者のためだけに多数の縫合糸を通すのに使用されてもよい。
【0060】
操作中、使用者は、どの上アームを選択すべきかを決定するために、(非侵襲画像形成を含めて)半月板領域を測定又は探査するのがよい。次いで、第1のアームを、下アーム及びハンドルを含むデバイスの残りの部分に結合する。上アームは、スナップ嵌め、ロック、及び/又は、上アームをデバイスの残りの部分に結合するのに使用することができる他の任意の機械的、磁気的等の連結手段によってデバイスの残りの部分に結合するのがよい。
【0061】
上述したように、いくつかの実施形態では、上アームは、デバイスの残りの部分(例えば、ハンドル、細長い本体等)に対して比較的に静止的に保持され、下アームは、軸線方向に延ばし/引っ込め可能である。例えば、上アームは、半月板修復デバイスに取り付けられ、前方に摺動し、又は引っ込められるようにされるのがよい。下アームもまた、軸線方向に摺動するように構成されてもよく、あるいは、下アームは、デバイスの残りの部分(例えば、ハンドル領域)に対して固定的に保持されてもよい。
【0062】
図10A及び
図10Bは、上アーム及び下アームが軸線方向に移動され、個々に所定位置にロックされることができる半月板縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示している。
【0063】
半月板修復縫合糸パサーの1つの実施形態における互いに対する上及び下アームの種々の構成が、
図10C−
図10Hに示されている。例えば、
図10C及び
図10Dは、第2のアーム1007を含むデバイスの残りの部分に対して(デバイスの背/近位長軸線1005において)軸線方向に移動可能である細長い第1のアーム1003を有する半月板修復縫合糸パサーデバイス1001の1つの実施形態の2つの斜視図を示している。細長い第2のアーム1007は、デバイスの長軸線1005に沿って第1のアームに隣接して延びる。細長い第2のアームはまた、図示されているように、デバイスの長軸線に対して角度をなして曲げられているのがよい曲げられた遠位端領域1009を含む。この遠位端部分の遠位先端部は、非外傷性であり、実質的に鈍いものとして示されている。
図10Cでは、第1のアームは、この位置で遠位開口を形成しないように近位方向に引っ込められている。
【0064】
図10E及び
図10Fは、第1のアーム1011が上アーム(第2のアーム1007)の遠位端領域1009に向かって遠位方向に延ばされた位置を示している。第1および第2のアームの遠位端部分1009、1011は、第1のアームと第2のアームの間に遠位開口1014を形成している。組織貫通器の出口は、
図10Fにおいて、下アーム1003の開口部1008として見えている。
図10Gおよび
図10Fは、
図10E及び
図10Fに示された縫合糸パサー1001の同じ図を示しているが、組織貫通器1020が、第1の(下)アーム1003から延ばされている。組織貫通器は、図示されているように、第1のアームと第2のアームの間の組織を通って湾曲した経路で延びるのがよい。
図10A−
図10Hに示されたデバイスのすべては、ハンドル1030を含む。
図10G及び
図10Hでは、ハンドル1030上の制御部1031は、上アームと下アームの間での組織貫通器1018の延ばしを作動させる、押し下げられたものとして示されている。
【0065】
上述したように、本明細書に記載されている半月板修復縫合糸デバイスは、縦半月板断裂(例えば、
図5A)を修復するのに使用することができる。本明細書に記載されているデバイスの(デバイスの長軸線において軸線方向に移動する)アーム、および(下アームと実質的に垂直に延びるように構成された)組織貫通要素の構成はまた、横断裂、又は嘴状断裂でさえ修復するのにも使用することができる。かかる横及び嘴状断裂の修復は、本明細書に記載されている縫合糸パサーが半月版の上面から下面まで(又はその逆)縫合糸を通すことができるために、可能にされる。かかる横及び嘴状断裂の修復はまた、本明細書に記載されている半月板縫合糸パサーが組織から取り外される必要なく上アームと下アームの間で縫合糸を連続的に通すことができるために、より簡単にかつより便利にされる。これは、
図11A−
図11iに示されている。
【0066】
図11A−
図11iは、本明細書に記載されている半月板縫合糸パサーデバイスの1つの実施形態を使用して横半月板断裂を修復する方法の1つの実施形態を示している。
図11A−
図11Bは、横断裂1103を有する半月板の領域に接近する縫合糸パサー1101の遠位端(デバイスの上アームの湾曲された/曲げられた遠位端)を示している。上アームの遠位先端部は、最小切開部内に嵌まるように操作されるのがよく、半月板の上面の輪郭に沿って従うのがよい。一旦上アームが位置決めされると、下アーム1005は、
図11Cに示されているように、半月板の下に延ばされるのがよい。この例では、下アームは、完全に延ばされ、次いで、組織貫通要素が、組織を通して延ばされる。組織貫通器は、半月板を通して及び/又は関節包領域を通して延びるのがよい。この例では、下アームは、シャトルに取り付けられ、組織貫通器上に保持された縫合糸で予め装填されている。いくつかの実施形態では、上アームは、該上アームの遠位端領域に設けられたシャトルレシーバ/ドック内に保持された縫合糸及びシャトルで予め装填されている。
図11Cでは、上アーム上のシャトルドック中のシャトルに係合するまで組織貫通器を延ばすことによって、シャトルは組織貫通器上に取り付けられ、シャトルドックから解放される。任意の適当な組織貫通器を使用することができる。例えば、組織貫通器は、縫合糸に連結されたシャトル「クリップ」の内側に係合する三角形断面を有する中実の湾曲されたニードル状要素であってよい。この例では、縫合糸及びシャトルは、最初、組織貫通器上に保持(クリップ)されており、縫合糸は、組織貫通器が組織を通して延ばされるときに、組織を通して引かれる。一旦組織貫通器が上アーム上のシャトルレシーバ/ドックに係合すると、組織貫通器は、シャトルレシーバに係合し、ドック/レシーバをトグル切り替えしてシャトルをレシーバ内に取り付け、シャトルが組織貫通器から外れることを可能にする。
【0067】
一般的に、組織貫通要素がシャトル領域に係合すると、係合がトグル切り替えされ、シシャトルドック/レシーバを上アームから解放する。このトグル切り替えは、上アームがシャトルを保持し、シャトルをドック/レシーバから解放することを可能にし、したがって、トグル切り替えは、ドック/レシーバが、組織貫通器に次に係合する際に、シャトルを解放するか、シャトルを受け取るかのいずれかに予め設定することができる。かくして、シャトルドック/レシーバは、機械的「記憶」を有することができる。代替的には、シャトルドックは、該シャトルドックがすでにシャトルを有している場合には、該シャトルドックがシャトルを解放し、該シャトルドックがシャトルを有していない場合には、該シャトルドックが組織貫通器からシャトルを捕獲するように構成されるのがよい。このトグル切り替えは、シャトルドックが2つ以上ある場合には、上アーム上のシャトルのすべてについて個々に制御されてもよく、あるいは、まとめて制御されてもよい。かくして、いくつかの実施形態では、シャトルドックの各々は、別個の縫合糸が装填され、上アーム上の別個のシャトルドック/レシーバを使用することによって、デバイスを取り外し、再装填する必要なく、多数の縫合糸を通すことを可能にする。
【0068】
一旦縫合糸が下アームから(組織貫通器を介して)上アームに通されると、組織貫通要素は、下アームに引っ込め戻されて、シャトルおよび縫合糸を上アーム内に残すことができ、デバイスは
図11Dに示されているように、半月板に対して横方向に移動されることができる。図示されているような、横断裂を横切るデバイスの遠位端の横方向運動により、縫合糸は、上アームに従ように、(例えば、縫合糸は、例えば、下アーム又はデバイス本体のカニューレ領域内の、デバイスの管腔内に緩く保持されることができる場合に、)下アームから組織を通して引かれる。縫合糸は、縫合糸シャトルに取り付けられたままであり、したがって、アームが組織に対して移動されるときに、シャトルに従う。
図11Dにおいて、破線は、デバイスの端の経路を示している。
【0069】
一般的に、縫合糸は、デバイスによって管理されるのがよい。縫合糸は、デバイスから外へ送られ、組織に容易に通されることを可能にするように、(例えば、デバイスの上アーム、細長い本体、又は下アーム等内の)デバイスの管腔内で緩く保持されるのがよい。他の実施形態では、縫合糸は、デバイス内に保持されず、自由に連結されるか(例えば、デバイスの遠位端から吊り下げられ)、デバイス内に部分的に保持され、デバイスから縫合糸のループを通して送られ、あるいは、デバイスの外側に沿った軌道またはガイド内に維持される(あるいは、それらの組み合わせ)。
図11Eでは、縫合糸は、デバイスの細長い本体から延びるように示されている。他の実施形態では、縫合糸は、特に上アームに予め装填されるときには、上アームに保持されてよい。(上アーム、細長い本体、下アーム等を含む)デバイスは、縫合糸のための1つまたはそれ以上の管腔又は通路を含むのがよく、かかる管腔又は通路は、縫合糸が組織を通るときに、縫合糸の経路を管理するための出口を含むのがよい。
【0070】
再び
図11Dを参照すると、一旦デバイスの遠位端が半月板断裂の他方の側に位置決めされた後に組織貫通部材は再び組織を通して延ばされ、ここで、組織貫通部材は、再びシャトル及び/又は縫合糸と係合し、シャトルを、上アーム上のシャトルドック/レシーバから外す。次いで、シャトル及び縫合糸は、(例えば、シャトルを組織貫通器上にスナップ嵌めさせることによって)組織貫通器に結合され、組織貫通器は、組織を通して引かれるのがよく、組織貫通器に結合されたシャトル及び縫合糸が下アーム内に後退されるまでシャトルを自身と共に組織を通して引くと、
図11Eに示されるように、引っ込められる。
【0071】
その結果、縫合糸は、断裂の両側で組織を貫通し、縫合糸は、
図11Eに示されたマットレス状ステッチで、断裂を横切って延びる。その後、デバイスは後退されるのがよく、
図11Fに示されているように、縫合糸後続部の端を残し、縫合糸端を断裂を横切って結び、
図11Gに示されているように、半月版の断裂領域の側を互いに引く。縫合糸は、(直接的に、又は結びデバイスを使用して)結び目を作り、切り離すのがよい。代替的には、予め作られたスライドする結び目をデバイス内に設けてもよい。その後、
図11H及び
図11iに示されているように、より狭いより尖端領域に向かう、半月板の血管がより少ない領域を、除去するのがよい。
【0072】
一般的に、下及び上(第1及び第2の)アームの遠位端領域は、上(第2の)アームが半月板の一方の側、好ましくは上面上に位置決めされると、下(第1の)アームを遠位方向にスライドさせることによって遠位開口を形成するように構成されるのがよい。これらの遠位端領域は又、組織貫通器が、1つ又はそれ以上の位置から遠位開口内で組織wp横切って延びることができるように構成されるのがよい。例えば、縫合糸パサーの第1及び第2のアームの遠位端によって形成される遠位開口の1つの概略図が、
図12Aおよび
図12Bに示されている。これらの例は、例示的な寸法を示しており、これらの寸法は、使用することができる寸法の1つの例示を提供する意図しかない。本発明を構成sする縫合糸パサーは、これらの寸法に限定されない。
【0073】
例えば、
図12Aは、上アーム1203に対して軸線方向に移動可能である下アーム1205を示す。組織貫通器1207は、該組織貫通器が遠位開口1211を横切って延ばされるまで、下アーム内に完全に収容されている。この例では、上アームと下アームの間の角度θは、約35°である。上述したように、この角度は、2°、5°、10°等だけ35°よりも大きい又は小さくてもよいが、一般的に、大部分の半月板の上面と下面の間の対応する角度よりもわずかに大きい鋭角である。この例では、(遠位開口を形成する遠位端領域の近位側の)シャフト領域の全体径は、約6mmである。一般的に、この径は、10−15mmよりも小さいのがよい。
図12Aでは、組織貫通器は、該組織貫通器が、下(第1の)アームの遠位端を出て、上(第2の)アーム1203の遠位端の近くのシャトルドック領域(見えない)内に部分的に通るように遠位開口を横切る湾曲した経路を移動するように、第1及び第2のアームの遠位端の近くで延びる。
図12Bでは、下(第1の)アーム1205は、近位方向に部分的に引っ込められている。この構成では、組織貫通器1207は、上(第2の)アーム上のシャトルドック(見えない)と係合するように遠位開口1211’を横切って延ばされるのがよい。かくして、上述したように、下アームを移動させることによって、デバイスは、デバイスがその他の仕方で移動する必要なくして、半月板を通して半径方向に異なる経路(かくして、縫合糸ステッチ)を作ることができる。この例では、下アームは、半月板に対してデバイスを再位置決めする1つの方法と考えることができる。
図12A及び
図12Bでは、これらの図に示されているように、シャフト径は、約6mmであり、頂から底までの遠位開口は、約12mmであり、最も深い箇所での組織貫通は、約7mmである。
【0074】
一般的に、記載されている組織貫通器は、アームの1つ、代表的には第1のアームの遠位端領域内に完全に引っ込めることができる。いくつかの実施形態では、ニードルは、湾曲されているのがよい。他の実施形態では、アームを出るときに、ニードルに湾曲形状を取らせるのが望ましい。例えば、ニードルは、該ニードルを、アームの間に形成された遠位開口を曲線で横切らせる湾曲へ予め付勢されている、又は曲げ可能であるのがよい。
図13A及び
図13Bは、
図13Bに示されているように、アーム内に引っ込められるときに真っ直ぐになることができる湾曲されたニードル(
図13A)の1つの実施形態を示している。この例では、ニードルは、ニードルの可撓性を増大させるスライス1303を含む。ニードルの一方の側は、該ニードルが横方向安定性を保持するように、中実1305である。ニードルは、金属(例えば、ステンレス鋼、Nitinolのような形状記憶合金等)で形成されているのがよい。
図14A及び
図14Bは、下アーム内に引っ込められた(
図14A)、及び下アームから遠位開口を形成するアームまで横切るように延ばされた(
図14B)ニードル、例えば
図13A及び
図13Bに示されているようなニードルの1つの実施形態を示している。組織貫通ニードルを下アーム内にまたは下アームから外に駆動するための軸線方向押し要素(図示せず)が、組織貫通ニードルの近位(非鋭利)端に取り付けられているのがよい。
【0075】
図14Cは、曲げ可能な又は湾曲可能なニードルのもう1つの実施形態を示している。この例では、ニードルはヒンジ連結1403されている。枢着点により、ニードルは、下アーム内に引っ込められるように畳まれ可能にされる。多ヒンジ連結領域を使用してもよい。いくつかの実施形態では、ニードルは、中実であるのがよいが、下アームを出るときに湾曲形状を取る形状記憶又は超弾性材料で形成されるのがよい。
【0076】
上述したような、組織貫通器及び縫合糸シャトルの任意の適当な実施形態を使用することができる。
図15A−
図20は、縫合糸シャトル及び組織貫通器のいくつかの実施形態を示す。例えば、
図15A−
図17は、縫合糸シャトル70、170、270の種々の実施形態を示す。縫合糸シャトル70、170、270は、組織貫通器50に解放可能に取り付けられることができる任意の形状であってよい。シャトル70、170、270の形状は、取り付け目的のために、組織貫通器50の少なくとも一部の形状に対応しているのがよいけれども、シャトル70、170、270の形状は、任意の安定的な形状を有してよい。これらの例示的な例では、シャトルは形状が略三角であり、これは、略三角形横断面形状を有する組織貫通器50に対応している。縫合糸シャトルの図示された例は、組織貫通器に係合することができる「チャンネルシャトル」である。例えば、
図18−
図19Dに示されているような三角形又は円筒形組織貫通器50が使用されてもよく、かかる三角形又は円筒形組織貫通器50に、縫合糸シャトル70、170、270が連結されるようになっている。組織貫通器50は、例えば、ニードル、あるいは組織を穿通することができる任意の同様な器具であるのがよい。シャトル70、170、270は、三角形の内部が実質的に中空であるのがよく、さらに、三角形本体の一部に沿って、チャンネル71、171、271、または、開口を有するのがよい。このチャンネル71、171、271は、組織貫通器50がシャトル70、170、270に係合するための入口路として役立つことができる。かくして、これらの実施形態では、シャトル70、170、270は、シャトルの本体内に位置決めされた組織貫通器50の一部のまわりを包む。
【0077】
例えば、
図15A−
図15Bでは、チャンネル71は、シャトル70の任意の部分上に位置決めされてよい。図示した例では、チャンネルは、三角形の頂部に沿って位置決めされている。しかしながら、チャンネルは、三角形の側部に沿って配置されてもよく、あるいは、任意の他の適当な場所に配置されてもよい。
【0078】
シャトル170、270のいくつかの実施形態は、シャトルをより軽くすることができ、かつ、シャトルが組織貫通器50に容易に着脱するようにシャトルの撓みを容易にすることができる開口73,173,174を含んでもよい。さらに、開口73、173は、シャトル70、170を取り付けるためにリテーナピン30のような保持機構が通過することができる領域を提供することができる。
【0079】
本発明のシャトル170、270のいくつかの実施形態は、制御可能な、積極的な、強固な、繰り返し可能な、かつ、製作可能な保持構造を含むのがよい。かかる特徴には、例えば、ディンプル72、172等のような突出部、シャトル170を組織貫通器50上に保持するのを助けることができるフィンガばね175a及び175bを含まれる。
【0080】
突出するディンプル72、172は、組織貫通器50のカットアウト51、151内に位置するディボット52、152又は凹部と相互作用することができる。ディンプル72、172は、組織貫通器50上へのシャトル70、170の制御可能な、繰り返し可能な保持を可能にし、それによって、シャトルは、好ましい実施形態では、必要に応じて、繰り返し組織貫通器にスナップオン/オフする。好ましい実施形態では、組織貫通器50上のシャトル70、170の位置は、ディンプル及びディボットのような追加の特徴に与えられるのと同じであるのがよい。代替的実施形態では、ディンプル72、172が、組織貫通器50上に位置してもよく、他方、ディボット52、152が、縫合糸シャトル70、170上に位置してもよい。
【0081】
さらに別の実施形態では、カットアウト51は、
図18−
図19Dでは、シャトルを組織貫通器の外面に着座させ、それによって、組織貫通器が組織を貫通するときに、組織貫通器が均一な外面を提供することを可能にするように構成されるのがよく、このことは、シャトルが、組織貫通器から「突き出る」のではなく、組織貫通器の外面と面一であることを意味する。これは、組織貫通器が上アーム20から延び、組織を貫通するときに組織貫通器上にシャトルを維持するのを助ける。
【0082】
さらに別の実施形態では、組織貫通器50の上縁54は、組織貫通器54上に追加の切断面を作るように鋭利にされるのがよい。この実施形態では、シャトル70は、上縁54が露出されて組織貫通要素の穿通作用を助けるように、上縁54と相互作用すべきでない。
【0083】
さらに別の好ましい実施形態では、組織貫通器50は、カットアウト51内に組織貫通器50の一部に沿って追加のカットアウト51’を含むのがよい。追加のカットアウト51’は、リンケージ85のための追加の空き場所を可能にする。追加のカットアウト51’は、該追加のカットアウト51’がリンケージ85のために追加の隙間を提供することができるので、シャトル70内への組織貫通器50の挿入中リンケージ85に対する損傷の機会を減少させることができる。
【0084】
1つの実施形態では、例えば、
図16A−16Bおよび
図19A−19Dにおいて、フィンガばね175a及び175bは、組織貫通器150のカットアウト151内でランプ(ramp)153と相互作用するのがよい。フィンガばね175a及び175b、さらにシャトル170の側部全体は、シャトルの一端に向かって内方に傾斜されるのがよい。かくして、この実施形態では、フィンガばねは、シャトルの最も狭い部分に位置する。フィンガばねのこの傾斜は、カットアウト部分151のランプ153の傾斜と相互作用することができる。これらの2つの傾斜の相互作用は、シャトルを組織貫通器にしっかりと取り付けるために、ディンプル172がディボット152と相互作用する前に、組織貫通器上へのシャトルの保持力を調整することができる。同様に、保持力は、シャトルが組織貫通器から取り外されるときに同様な仕方で調整される。かくして、シャトル170を組織貫通器150から引き離すためにシャトル170に力が加えられるときに、フィンガばねはランプに沿って組織貫通器の先端部に向かって押されてランプに係合し、フィンガばね、及び、かくして、シャトルの側部を互いに撓み離させ、ディボットからディンプルを外すことができる。
【0085】
この実施形態につき、続けて説明すると、
図19Aでは、例えば、シャトルのディンプル172は、組織貫通器150上のディボット152と係合される。この時点では、フィンガばねは、組織貫通器にはわずかにしか係合してない。
図19Bは、組織貫通器から取り外され始めたシャトル170を示している。ディンプルは、もはやディボット内になく、組織貫通器の面に沿って移動する。フィンガばね175aは、組織貫通器上のカットアウト内でランプ153に沿って移動するにつれて、ますます組織貫通器上に係合される。
図19Cでは、フィンガばねは、特にランプが終端する箇所で(カットアウト部分の遠位端で)、組織貫通器と完全に係合されたものとして示されている。この完全係合により、好ましい実施形態では、シャトルは、撓ませられ、その結果、広げられ、ディンプルは、組織貫通器のカットアウト部分ともはや接触していない。
図19Dは、ディンプル及びフィンガばねが、もはや組織貫通器と全く接触しておらず、組織貫通器が引っ込められることができ、シャトル170を自由にさせる最終段階を示している。
【0086】
かくして、種々の実施形態において、組織貫通器は、ディンプルであろうと、同様な突出部であろうと、フィンガばね等であろうと、組織貫通器上のディボット、窪み、又はランプと係合することができる縫合糸シャトル上の1つ又はそれ以上の要素と組み合うようにされるのがよい。
【0087】
シャトル70、170、270は、外科の適用例で使用するのに適した任意の材料で作られることができる。好ましい実施形態では、シャトルは、強度を有しながら、さらに又組織貫通器上におよび組織貫通器から移動することができるのに十分な可撓性および弾力性を有する。かかる移動は、シャトルに、組織貫通器からの取り外しおよび組織貫通器への付加中に撓むことを要求する。かくして、ばねが、公差に対する設置されたときの高い予負荷性を有するように、ばねを設計することによって、鋼のような高い剛性材料で適切なばね特性を達成することができる。例えば、本願で例示されている1つのシャトルの設計は、より一定の性能を提供し、公差に対する感度を減少させるのを助けるより小さいばね剛性と高い予負荷である保持特性を含むのがよい。材料の固有の剛性(ヤング率)及びシャトルのばね定数は、関連されているが、等価ではないことがあることに留意されたい。さらに、これらのシャトル設計は、公差感度を著しく減少させ、公差は、他のシャトル設計に比べて、小さい撓みパーセンテージである。1つの適切な材料は、ステンレス鋼である。例えば、シャトルは、0.004インチ(0.01mm)の厚さの17−7PHステンレス鋼、Condition CH-900である。
【0088】
シャトル70は、高度が組織貫通器50に調和された材料で作れられているのがよい。シャトルに対して硬すぎる材料でできた組織貫通器は、シャトルを摩耗させることがある。1つの例では、組織貫通器は、ステンレス鋼、Rockwell 60C硬度である。次いで、シャトルは、析出硬度ステンレス鋼「17−7PH」であり、これは、ステンレス鋼Grade 630としても知られている。
【0089】
シャトルは70、部分的に弾性的に撓んで組織貫通器50上にクランプするように十分な硬度、剛性及び弾性を有する材料で作られるのがよい。特に、シャトルの硬度を組織貫通要素の硬度に調和させることは、繰り返しの使用にとって特に重要であるということを見出した。例えば、シャトルは、Nitinol、ベリリウム銅、銅、ステンレス鋼、及び、(例えば、17−7PHステンレス鋼のような)ステンレス鋼の合金、サーメット(セラミック及び金属)、種々のポリマ、あるいは、他の生物適合性材料で作られているのがよい。選択される材料は、例えば、硬度等を含めた種々の特性に対して組織貫通器の材料に調和されているのがよい。シャトルは、パンチング、順送り型成形、CNC、写真平板法、モーディング等を含む任意の適当な方法で形成されるのがよい。
【0090】
上記の例では、引き抜き力、すなわち、シャトル70を組織貫通器50から除去するのに必要な力は、約2重量ポンド(8.90N)よりも大きいのがよい。好ましくは、この力は、約2重量ポンド(8.90N)−約5重量ポンド(22.3N)であるのがよい。この力は、例えば、シャトル上に位置するボア穴73を通して取り付けられた縫合糸、又は縫合糸クリップ、又はコネクタを引くことから生じるのがよい。この力は、組織貫通器の先端部の方向のあたりからの力であるべきである。
【0091】
図15A−15Bに示されている好ましい実施形態では、ボア穴73は、チャンネル71から離れる方に三角形の底部に向かって位置し、
図15Bに示されているように、シャトルの折り曲げ部にあるのがよい。その他の実施形態、例えば、
図16A−17では、ボア穴173は、チャンネルに隣接している。
図15A−15Bは、縫合糸等がボア穴37に力を加えるときにシャトルの側部にかかる曲げ力を減少させるか、あるいは、なくすことすらできるア穴73の一部を示している。代表的には、
図16Aにあるように、ボア穴73がチャンネルに隣接しているときには、シャトルの側部にかかる曲げ力は、シャトルの隅部に加えられる力の利点により、所望の力よりも小さい力でシャトルを組織貫通器から引き剥がすことができる。しかしながら、
図15Bに示されているように位置するボア穴73は、この曲げ力又はトルクを制限し、かくして、早すぎるタイミングで、かつ、シャトルの除去にとって望ましい力よりも小さい力でシャトルが組織貫通器から除去されることを防止する。
【0092】
もう1つの実施形態では、シャトルは、「指捻じ曲げ」型デバイスのような螺旋巻きワイヤ等の形状であるのがよく、それによって、シャトルは、組織貫通器50によって引かれるときに、シャトルは、まわりに締まることができ、それによって、自身を組織貫通器に取り付ける。引き力が強くなればなるほど、それだけますます螺旋巻きにされたワイヤは、組織貫通器にきつく取り付けられる。シャトルが組織貫通器から、例えば、シャトルリテーナシートに移送されるべきときには、シャトルは、捩じられる等して、組織貫通器から「ロック外しされる。」
【0093】
自身を取り付けるように組織貫通器上にクランプすることができるシャトル70の他の例は、捩りばね、スナップリング、ワイヤの一部、弾性的に変形可能な形状部、円錐状テーパ形状部等であるのがよい。有用な形状には、円筒、三角形、オーバーラッピングリング、及び、半円のような形状部の任意の部分等がある。一旦組織貫通器が所定位置にあると、組織貫通器受け入れ領域の形状は、組織貫通器にしっかり取り付けられながら、弾性的に変形された形状が元の形状に戻ることを可能にする。もちろん、カットアウト51、組織貫通器上のカットアウト51、又は凹部、又は受け入れ領域は、好ましい実施形態では、シャトルの形状に一致するように形状決めされる。例えば、円錐状にテーパしたシャトルが使用される場合には、組織貫通器は 表面の一部上に円錐状にテーパしたカットアウトを含むのがよい。円錐状にテーパしたシャトルは、変形可能であり、組織貫通器上のカットアウト内に移動されるときに変形することができる。一旦完全にカットアウト内に入ると、円錐状にテーパしたシャトルは、その元の形状に戻ろうとし、自身を組織貫通器上のカットアウト内に取り付ける。カットアウトは、カットアウト内に、完全に又は部分的に、シャトルを取り付けるのを助けるためにリップ等を含んでもよい。
【0094】
他の実施形態では、シャトルは、
図21A−22Bを参照して以下に例示し、説明するように、組織貫通器自体の先端部であって、該先端部が組織貫通器の端に解放可能に結合されることができる先端部を構成してもよい。かくして、組織貫通部の先端部は、縫合糸パサーのアームの遠位端領域によって形成された遠位開口の間に通されることができ、(先端部に取り付けられた)縫合糸を組織を通して前後に通すことができる。
【0095】
縫合糸90は、1つの実施形態では、ボア穴73あるいは他の同様な保持位置でシャトルに直接取り付けることができる。もちろん、ボア穴だけによって取り付けられる必要はない。代わりに、縫合糸は、接着材、クランプによって、あるいは、シャトルの一部に結び付けられ若しくは係合されることによって、あるいはその他の任意の適切な仕方でシャトルに取り付けられてもよい。
【0096】
さらに、縫合糸90は、
図20に示された例のような中間デバイスを介してシャトルに取り付けられてもよい。1つのかかる中間デバイスは、縫合糸クリップ、又は縫合糸リテーナ80であるのがよい。縫合糸クリップは、縫合糸をシャトルに簡単にかつ効果的解放可能に連結することを可能にする。縫合糸クリップは、連続的な縫合糸の通しに、あるいは、単一の縫合糸の通しに使用することができる。
【0097】
操作中、
図20に示されている例のような縫合糸クリップ80は、特に連続的な縫合糸パサー10と共に使用されるときに、組織を縫合するためのシステムの一部として使用することができる。例えば、縫合糸90は、縫合糸パサーの第2のアーム20から第1のアーム21に通し、及び/又は、第1のアームから第2にアームに通すことができる。これは、上述したように、第1のアームに連結された延び可能な組織貫通器50を使用して達成することができる。延び可能な組織貫通器は、組織を穿刺することができ、また、縫合糸クリップ80、ループ、あるいは他の取り付け器によって縫合糸を取り付ける縫合糸シャトル70に係合することができる。次いで、縫合糸は、組織貫通器が組織に形成した通路を通して引かれることができる。組織貫通器を延ばすことによって、組織を通して通路が形成され、この通路は又、第1のアームと第2のアームの遠位端領域の間に形成された開口の間に縫合糸を通すことができる。例えば、組織貫通器は、縫合糸シャトル係合領域を含むことができ、この縫合糸シャトル係合領域は、例えば、組織貫通器の外側に沿って等、組織貫通器内の空所であるのがよく、この空所に、縫合糸シャトルは解放可能に取り付けられることができる。縫合糸は、第1のアーム内の組織貫通器から、あるいは、第2のアームに連結された縫合糸シャトルリテーナシート25から通すことができる。かくして、組織貫通器及び縫合糸シャトルリテーナシート(シャトルドック)の両方を、縫合糸シャトルに連結されるのがよい縫合糸を解放可能に取り付けるように構成することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本願で説明する縫合糸クリップ80は、縫合糸シャトル70に取り付けられる、テザー、引き綱、リードワイヤ等の取り付けリンケージ85を含むのがよく、取り付けリンケージ85は、縫合糸クリップをシャトルに連結するように構成されるのがよい。いくつかの実施形態では、縫合糸クリップは、バイアス、例えば、リンケージ85をスナップ嵌め要素内取り付けるためのばねを含む。代替的には、縫合糸クリップは、リンケージを通すことができる中央開口を含むのがよい。このリンケージは、スペーサとして作用することができる。1つの実施形態では、リンケージは、縫合糸からシャトルを間隔を隔てて配置すると共に、リンケージに加えられた力に基づいてシャトルの位置を制御するように、シャトルに堅く取り付けられるのがよい。このリンケージ又シャトルが、1つのアームから他方のアームに通されるときに、縫合糸の位置をも制御するようになる。
【0099】
同様に、リンケージ85は、堅い金属製ワイヤ、縫合糸の一部、可撓性のポリマ製ストランド等であってもよい。堅い金属製ワイヤの例では、ワイヤは、シャトルから予測可能な仕方で突出するように、シャトルに溶接されるのがよい。
【0100】
図20に示されている、1つの実施形態では、シャトル70は、圧縮されたループであるのがよい縫合糸クリップ80に連結されているのがよく、この圧縮されたループは、一方の端が他方の端よりも広い、内側の概して「涙」形状の開口86を有する。次いで、縫合糸90は、涙形状の狭い部分内に楔止めされるように、内側ループ86に通されるのがよい。次いで、縫合糸は、当業界で知られた任意の方法、例えば、結び目を作るか、あるいは、端部を体外にもってくることによって、取り付けるのがよい。縫合糸はまた、涙形状内に楔止めされることだけによって取り付けられてもよく、これは、縫合糸を縫合糸クリップ内に取り付けるのに十分である。
【0101】
図21A−22Bは、縫合糸シャトル2101が組織貫通器の先端部を形成している組織貫通器を示している。例えば、縫合糸シャトルは、尖った遠位端を含む略3つの側部を備えた(ピラミッド形の)組織貫通縫合糸シャトルである。この組織貫通縫合糸シャトルは、
図21Aに示されているように、組織貫通要素の遠位端領域上に嵌合している。この組織貫通縫合糸シャトルは、
図21Bで係合が外された状態で示されている。
【0102】
図21Cは、
図21A及び
図21Bの組織貫通要素の遠位端2105の拡大図を示し、組織貫通縫合糸シャトル(
図21Cでは見えない)は解放可能に連結される。
図21Cで明らかなように、組織貫通要素の遠位先端領域の側部は、組織貫通縫合糸シャトル(図示せず)内の対応する領域にスナップインして係合することができる1つ又はそれ以上のデテント(突出部)2107を含む。かくして、この例では、組織貫通縫合糸シャトルなしでも、組織貫通要素の遠位端は又、組織を貫通する。いくつかの実施形態では、遠位端は組織を貫通するものではなく、平らにされ、丸みが付けられ、鈍くされる等してよい。いくつかの実施形態では、遠位端は、組織貫通縫合糸シャトルとの内側部分と相互係止するようにキー状にされてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、組織貫通要素の遠位端は、1つ又はそれ以上の凹部を含み、かかる凹部内に、組織貫通縫合糸シャトルからの突出部が延びる。
【0104】
図21A−21Cに示された実施形態は、組織貫通縫合糸シャトルが組織貫通部材の遠位端上にスナップオンすることを可能にする。1つ又はそれ以上のデテント、ボタン、ノブ、ナブ(nub)、突出部等を使用して、組織貫通要素上に組織貫通縫合糸シャトルを保持することができる。いくつかの実施形態では、組織貫通縫合糸シャトルは、組織貫通要素に活動的に取り付けられてもよい。例えば、組織貫通要素は、縫合糸貫通縫合糸シャトルを掴み、又は縫合糸貫通縫合糸シャトルを組織貫通要素の遠位端領域に取り付ける磁気的又は電磁気的要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織貫通縫合糸シャトルは、バキューム、あるいはその他の手段によって組織貫通要素上に保持される。いくつかの実施形態では、組織貫通縫合糸シャトルを所定位置に係止するために、バールまたはその他に部材が組織貫通要素から延ばされて、組織貫通縫合糸シャトル上又は内の部位と係合してもよい。その係止は、(例えば、バールを後退させることによって)助勢又は後退され、組織貫通縫合糸シャトルを組織貫通要素から解放することができる。
【0105】
図22A−22Bは、組織貫通縫合糸シャトル及び組織貫通要素のもう1つの実施形態を示す。この実施形態では、組織貫通縫合糸シャトルは、尖った遠位端と、細長い切断側部(底面2205)の両方を含む。組織貫通要素も又、遠位端が尖っており、組織貫通要素のこの端は、組織貫通縫合糸シャトル内に嵌合する。例えば、
図22Aは、組織貫通要素に取り付けられた組織貫通縫合糸シャトルを示す。
図22Bは、組織貫通要素から連結が外された組織貫通縫合糸シャトルを示す。
【0106】
いくつかの実施形態では、半月板修復縫合糸パサーデバイスは、シャトルを必要とすることなく縫合糸を組織を通して前後に通すように構成されている。例えば、組織貫通器は、縫合糸に直接解放可能に取り付けられるのがよい。組織貫通器は、(例えば、組織貫通器の遠位端またはその近位に)、縫合糸がデバイスの反対側のアーム上のドック内に解放されるまで縫合糸を保持する縫合糸係合領域を含むのがよい。例えば、縫合糸貫通器は、(ラッチを備えた又は備えない)フックを含むのがよく、このフック内に、縫合糸が保持されることができる。いくつかの実施形態では、組織貫通器は、縫合糸が反対側のアーム上のドック内に解放されることができるまで、縫合糸を取り付けるためのクランプ又は掴み機構(例えば、組織貫通器上の先端部又は側部の1つ又はそれ以上のクランプ面)を含む。同様に、ドック(いくつかの実施形態では第2のアーム又は第1のアーム上にあってよい)は、組織貫通器に連結されたアームの反対側のアームに縫合糸を直接連結するようにされていてもよい。上記のシャトルドックから縫合糸ドックを変形して、交互に縫合糸を組織貫通器上に取り付け、組織貫通器から解放するフック、クランプ、グラスパ、あるいは他の機構を含むようにしてもよい。ドックは又、縫合糸を組織貫通器から外す(ラッチを有する実施形態ではラッチを解放する、クランプを解放する等)ための交換機構を含んでもよい。かくして、ドックは、交互に縫合糸を係合させ、縫合糸を組織貫通器から解放し、それによって、縫合糸をドックから解放し、又は縫合糸をドックに保持するように構成されているのがよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、(縫合糸がドック内に予め装填されている)第2のアームから縫合糸を通し、次いで、(再び組織貫通器を介して)第2のアームに戻り、ドック内に戻されて解放されるように構成されることができ、かくして、組織を通して、通し間でデバイスを再位置決めすることができるため異なる組織位置にあることができる2回の通しが完成される。いくつかの実施形態では、組織を通して、追加の通しを完成させることができ、または、デバイスは、(前方及び後方ステッチの)2回の通しのみがされるように構成することができる。
【0107】
実際では、処置は、前膝に5−10mmの切開部を形成することで開始され、この切開部から関節鏡が挿入される。次いで、代表的な仕方では、生理食塩水で膝が膨張される。半月板断裂が明瞭に見えるように、所定位置にカメラが移動されるのがよい。代表的な仕方では、内反また外反応力が膝を横切って配置されて、関節スペースを開放する。
図23は、ここで言及した解剖学的構造を示す。
【0108】
次いで、半月板修復パサーデバイスを、前膝の皮膚に作られた1つの5−10mmの切開部を通して挿入するのがよい。かかる切開部は、代表的なまたは付随的な関節鏡ポータルのために使用される。デバイスの遠位端は、皮膚を横断し、前コンパートメントの脂肪パッドに入る(矢印2305参照)。穏やかな圧力が、デバイスが、脂肪パッドを通してスライドし、大腿骨と脛骨の間のスペースに入ることを可能にする。外科医は、上アームの湾曲された又は曲げられた遠位端が大腿骨顆の曲率に従うときに、自身の手を下げるように選択して、後又は周辺膝に接近することを可能にする。次いで、上アームの遠位端領域を、半月板断裂の上方に接近させて位置決めする。いくつかの実施形態では、上アームの遠位部で上関節包を周辺方向に押して、(
図24A−24Cに示されているように)半月板頂部が上方に撓み、かくして、半月板の下への下アームの横方向移動を助ける。次いで、下アームを、位置決めするために半月板の下に遠位方向に延ばす。
【0109】
例えば、
図24A−24Cでは、上アームの先端部を使用して、周辺半月板組織の丁度上方の関節包に外向きの圧力を加える。そうしているときに、半月板2405の中央部は数度上方に動いて、下アームが半月板の下(下方)にスライドするための容易な接近を可能にする。これは、下アームが半月板の下(下方)にスライドするためのより容易な露出を可能にし、又、初期の通し中に得られるより深い(大きい)「噛み」が得られることを可能にし、かくして、より多くの組織を修復に組み込むことができる。
【0110】
これらの実施形態では、縫合糸は、半月板に栄養を供給する脈管構造及び周囲/支持構造への損傷を防止しながら、半月板及び隣接した材料の両方を通ることができる。例えば、周辺組織は、(組織貫通器に従う)縫合糸経路が第1の数度のニードル前進/後退中に背後の関節包を弧状に通り、次いで、第2の通しが半月板組織自体を通るように、デバイスの上アームと下アームの間に形成された遠位開口内に捕獲されるのがよい。このような通しは、修復に最良であり、共通の腓骨神経又は膝窩動脈を損傷する危険がないように、修復組織を捕獲することができる。デバイスの第1の弧状通しは、膝の背後への有害な突出なくして、より多くの組織の捕獲及び修復を可能にする。
【0111】
本願に記載されている縫合糸パサーの実施形態のいずれも、縫合糸が組織に通されるときに、縫合糸を差し向けるための縫合糸ガイド、チャンネル、又は制御部を含むこともできる。縫合糸シャンネルは、開放していても、閉じていてもよく、デバイスのアーム、組織貫通器、及び中間領域内に形成された空所又はチャンネルであってよい。チャンネルは、縫合糸を掴み、縺れさせることがある摩擦又は部分を少くするように被覆又は形成されるのがよい。縫合糸の制御は、本願に記載されたデバイスの作動にとって重要であり得る。
【0112】
上述したように、本願に記載されている縫合糸パサーは、該縫合糸パサーの遠位領域が、2つのジョー(第1のジョー部材と第2のジョー部材)の間に形成される遠位方向に向いた開口を含み、各々のアームが、異なる運動タイプ(例えば、軸線、平面、範囲等)で独立的に移動できるので、二重展開縫合糸パサーとして構成することもできる。本願に記載されている縫合糸パサーの多くは、ジョー部材の1つがデバイスのより近位の細長い本体領域に対してジョーの角度を変えることによって、組織上にクランプすることができ、反対側のアームがスライドし、デバイスのより近位の細長い本体領域に対して軸線方向に移動できるので、クランピング/スライディング縫合糸パサーと呼ぶこともできる。
【0113】
図25A−25Bは、二重展開縫合糸パサーの一般的な構造を示す。
図25Aは、引っ込め状態の第2のジョー部材を有する縫合糸パサーを示し、
図25Bは、下ジョーが延ばされた状態にある同じ縫合糸パサーを示す。二重展開(例えば、クランピング/スライディング)縫合糸パサーのこの一般的概略図を使用して、異なる組織におけるデバイスの操作を示すことができる。
【0114】
上述したように、本願に記載されているデバイスのいずれも、組織貫通器がジョー部材の一方の遠位端から遠位方向に延びるように構成されるのがよい。かくして、いくつかの実施形態では、縫合糸パサーは、遠位方向に向いて開放した口を含む。この口は、第1のジョー(例えば、上ジョー)及び第2のジョー(例えば、下ジョー)から形成されており、組織貫通器は、略S状経路で第1のアームと第2のアームの間で延びることができる。これは、
図26A−26Cに示されている。
【0115】
図26A−26Cは、遠位方向に向いた口3201を有する組織貫通器の1つの実施形態の概略図である。組織縫合糸パサーは、
図26Aでは、下ジョー部材内の組織貫通器3203を示すために、半透明にされている。この例では、縫合糸パサーは、組織貫通器が下アームから外へ方向転換され、遠位方向に向いた口3201を横切るまで、第1に(
図26C)下ジョー部材3205を通して遠位方向に延ばされるように構成されている。この例では、下ジョーは、
図26Bに示されているように、下ジョーから外に、第1のジョーに向けて組織貫通器を方向転換する方向転換器3213を含む。組織貫通器は、開放口3201内に保持されたいかなる組織も通過して、最終的に、上ジョー部材3207と出会う。一旦上ジョー部材内に入ると、次いで、組織貫通器は、上ジョー部材内で遠位方向に延びるように方向転換されるのがよい。
図26Cに示されているように、組織貫通器3203は、上ジョー部材の遠位端の遠位開口3211から外に延びるのがよい。
【0116】
組織貫通器がS状に移動するように構成され、組織貫通要素が1つのジョーから遠位方向に延びる縫合糸パサーの多くが、二重展開縫合糸パサーとして構成されることができる(例えば、2つのジョー部材が異なる運動タイプで独立に移動する)けれども、固定されたジョーを備えた縫合糸パサー又は縫合糸パサーに対して一方のジョーだけが移動する縫合糸パサーを使用することもできる。例えば、
図27A−27Fは,略S状経路で移動する遠位方向に延びる組織貫通器を有する縫合糸パサーの3つの異なる実施形態を示す。
【0117】
例えば、
図27Aでは、縫合糸パサーの遠位方向に向いた口を形成する上側及び下側(第1及び第2の)ジョーは、二重展開構成について上述したように、両方が移動可能である。組織貫通器3304は、下ジョー部材3303から、遠位方向に向いた開口を横切って、上ジョー部材3306内に延び、次いで、組織貫通器3304は、上ジョー3306の遠位端を遠位方向にわずかに越えて延びるように示されている。
図27Aの縫合糸パサーが、上側及び下ジョー部材の移動を示す
図27Bにも示されている。
図27Bに示されているように、上ジョー3306は、細長い部材3308の遠位端領域のヒンジ点3311のまわりに枢動する3315ことができる。下ジョー部材3303は、細長い部材3308に対して軸線方向に(近位方向及び遠位方向に)移動する3317ことができる。
【0118】
図27C及び27Dでは、ジョー部材の一方(上ジョー部材)のみが移動することができ、反対側のジョーは、固定されている。
図27Cでは、
図27Aと同様に、組織貫通器は、上ジョー部材から遠位開口(図示せず)から外へ、S状経路に沿って延びる。
図27Dに示されているように、上ジョーは、細長いシャフトの遠位端領域に対して角度をなすように(近位制御部を使用して)制御可能に枢動されるようにヒンジ点3311を含む。
【0119】
図27E及び27Fでは、上ジョーが、固定されたものとして(例えば、細長い部材に対して予め形成された曲げ又は角度をなして)示されており、下ジョーが、軸線方向に遠位方向/近位方向に移動される3327ことができる。
【0120】
組織貫通器によって取られる経路は、
図28A−28Eに示されているように、略S状であるのがよい。
図28Aは,枢動する上ジョー部材を有する縫合糸パサーにおける組織貫通器の異なる経路を示している。示された角度をなした位置のいずれにおいても、縫合糸パサーは略S状経路を取ることができる。
図28B−28Eは、組織貫通器の異なるS状経路を示している。一般的に、用語「S状経路」は、
図28B−28Eに示されているように、輪郭で見るときに、略S状であるものとして理解すべきである。これらの例では、組織貫通器の遠位端は、完全にS状経路におけるように、下ジョー部材と平行かつ水平ではなく、(
図28B−28Eの各々の左方の矢印で指示されているように)上ジョー部材と略同じ角度で遠位方向に延びているのがよい。
図29A及び29Bは、縫合糸パサーの1つの実施形態を平面図(
図28A)及び側面(
図28B)図から示している。組織貫通要素の遠位端領域は、フックとして構成された縫合糸リテーナ領域3505を含んでいる。
【0121】
一般的に、ニードルの幅は、0.1インチ(2.54mm)と0.02インチ(0.51mm)の間にあるのがよい。例えば、ニードルは、比較的細いのがよく、例えば、0.02インチ(0.51mm)と0.005インチ(0.18mm)の間の太さを有するのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、ニードルは、太さが約0.0115インチで(0.29mm)である。いくつかの実施形態では、ニードルは、約0.008インチ(0.20mm)の太さを有する。一般的に、本願に記載されているニードルは、組織を通して押すのに十分な柱強度を有し、本願に記載されているS状曲げを達成するのに十分に低い力で曲げられ、方向転換されるのがよく、これらのニードルは、上アーム部材と下アーム部材の間、及び上アーム部材の遠位開口から外への多数回の(例えば、5回、10回、20回)延ばし及び後退に耐える十分な疲労寿命を有することもできる。
【0122】
図30A−30Eは、S状経路で移動し、デバイスの遠位端の遠位開口から遠位方向に延びるように構成された組織貫通器を有する二重展開縫合糸パサーのもう1つの実施形態を示す。この実施形態では、上ジョーは枢動するのがよく、下ジョーは軸線方向に遠位方向/近位方向に延びる。上述した
図26A−26Cに記載されているように、縫合糸(図示せず)が、縫合糸パサーによって捕獲され、組織を通して第2の(下側)ジョー部材に引き戻されるように、上ジョーに予め装填されているのがよい。
図30Aでは、縫合糸パサーは、非展開状態で示されており、枢動する上ジョー部材は細長い部材3603の長軸線に対して45°の角度をなしている。上述したように、実際には、デバイスは、組織内に、標的組織に隣接して容易に挿入されるのがよく、上ジョー部材の角度は、デバイスの位置決めを助けるように調節されるのがよい。この実施形態では、上ジョーは比較的平らである(例えば、狭い輪郭を有する)。
図30A−30Eでわかるように、上ジョー部材は丸みが付けられており、デバイスの長軸線に対して下ジョー部材から離れる方に湾曲している。
【0123】
図30Bでは、下ジョー3605は、細長い本体の遠位端から遠位方向に延ばされている。
図30Cでは、上ジョー部材は 細長い本体の長軸線に対する角度が約30°であるように下向きに枢動されており(下に「クランピング」)、組織貫通器3607は、
図30Dに示されているように、下ジョー3605から、遠位方向に向いた開口を横切って上ジョーまで延ばされている。組織貫通器は最終的に、
図30Eに示されているように、上ジョー3601の遠位端の開口3611から遠位方向に延びる。
【0124】
図31A及び31Bは、それぞれ、かかる上ジョー部材の1つの実施形態の側面斜視図及び平面斜視図を示す。この実施形態は、
図30A−30Eに示されている実施形態と同様であり、
図26B−26Cに前に示されたように、上ジョー部材上に縫合糸を争点することを可能にする。
図31A及び31Bでは、上ジョー部材は、方向転換面3703及び遠位開口3705を含み、遠位開口3705から外に、組織貫通器(図示せず)が遠位方向に出るのがよい。
図31A及び31Bに示された上ジョーは又、縫合糸装填領域3711を含み、この縫合糸装填領域3711内に、1つ又はそれ以上の縫合糸が、組織貫通器によって係合され、上ジョーから下ジョーに引かれるように、通され、及び/又は予め装填されるのがよい。この実施形態では、縫合糸装填領域は、方向転換面3703に隣接したチャンネルである。張力要素(図示せず)が使用されて、装填領域に縫合糸を保持するのがよい。張力要素は、上ジョー要素上にあってもよく、あるいは、近位ハンドルを含む、より近位側に位置してもよい。張力要素は、縫合糸が、組織貫通器の縫合糸リテーナ領域によって係合されるように、所定位置に(かつ張力をかけて)縫合糸を保持するように縫合糸を挟み、又は縛るように構成されるのがよい。
【0125】
図32A及び
図32Bは、縫合糸パサーの上ジョー部材のもう1つの実施形態を示しており、上ジョー部材は、組織貫通要素から縫合糸を除去し(剥ぎ取り)、縫合糸を上ジョーに保持するための縫合糸ストリッパを含む。
図32Aでは、上ジョー部材3801は、一部が縫合糸ストリッパ3805から形成された方向転換器領域3803を含む。縫合糸ストリッパは、組織貫通器から縫合糸を剥ぎ取り、縫合糸を上ジョーに保持しながら、組織貫通器を通し、組織貫通器が遠位開口3809から延びるのを可能にするように弾力的に曲げられることができる可撓性材料(例えば、金属、ポリマ、あるいは形状記憶合金を含むその他材料)で形成されている。これは、以下で詳細に説明される。
図32Aでは、縫合糸ストリッパは、近位端が上ジョー部材に取り付けられ、反対側の端が自由で、デバイスの遠位端の遠位開口の遠位表面に張力をかけて押し付けられて保持された板ばね構造として構成されており、組織貫通器は、縫合糸ストリッパに押し付けられてこれを越え、組織貫通器の縫合糸リテーナ領域に保持された縫合糸を、縫合糸ストリッパに押し付けて押す。組織貫通器が後退されるときに、縫合糸は、縫合糸ストリッパ及び上ジョーに挟まれ、組織貫通器が後退されることを可能にしながら、縫合糸を所定位置に保持する。いくつかの実施形態では、縫合糸ストリッパ及び/又は遠位開口の端は、組織貫通器が後退されるときに、縫合糸を保持するために、(例えば、鋸刃、歯等を有する)縁部を含む。
【0126】
図33A−33Cは、上ジョーの遠位開口から遠位方向に延びる組織貫通器を有する縫合糸パサーの1つの実施形態を示す。組織貫通器は、下ジョーから上ジョーまでS状経路で移動する。この実施形態では、組織に縫合糸のループを通すために、同じ縫合糸の2つの長さ、例えば、同じ縫合糸の2つの端を含む)縫合糸の2つの長さが、下ジョー内に装填され、順次下ジョーから組織の異なる領域を通して通されるのがよい。
図33A−33Cに示された縫合糸パサーは又、上ジョー部材が、デバイスの細長い本体に対して異なる角度を取るように枢動することができ、下アーム部材が上ジョー部材と遠位方向に向いた開口を形成するように細長い部材の遠位端から遠位方向に軸線方向に延び可能であるように構成されている。近位ハンドルは、上ジョー部材の枢動、下ジョー部材の軸線方向移動、及び下ジョー部材からの組織貫通器の延ばし/引っ込めを制御するための複数の制御部を含む。
【0127】
図33Bは、制御部とデバイスの間の連結部のいくつかを明らかにする、近位ハンドルの外側ハウジングが取り除かれた
図33Aのデバイスを示している。
図33Bでは、最遠位端制御部3905、近位ハンドルは、上ジョー部材の動きを制御するトリガ又はレバー(「上ジョー制御部」)として構成されている。上ジョー制御部は、細長い部材3907の長軸線に対する上ジョーの角度を減少させるために、引かれるのがよい。この実施形態では、上ジョー制御部は、特に圧縮されて上ジョーを下に駆動する(上ジョーと細長い部材の長軸線の間の角度を小さくする)ときに、回転され、細長い部材中のテンドン(tendon)を駆動することを可能にされる。この枢動運動ははさみ運動とも呼ばれることができる。
【0128】
遠位制御部3913も又、レバー又はトリガとして構成され、
図33A−33Bに示されているように、上ジョーと遠位方向に向いた開口を形成するように下ジョーを延ばし及び/又は引っ込めるように搾り、あるいはその他の仕方で作動されることができる。いくつかの実施形態では、制御部はさらに、S状経路での組織貫通器の展開を制御するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、下アームを完全に延ばした後に遠位制御部を搾ると、組織貫通器の遠位端が上アームから出るように、下ジョーから上ジョーに組織貫通器を展開することができる。組織貫通器が下ジョーと上ジョーの間で延びるときに、組織貫通器は、組織を通して縫合糸の第1の長さを運ぶことができる。反対側のジョーに達するときに、縫合糸は、組織貫通器から除去されて、上ジョーに(例えば、ストリッパによって)保持される。遠位制御部を解放すると、組織貫通要素は下ジョー内に引っ込め戻される。遠位制御部を再び作動させる(搾る)と、縫合糸の第2の長さと共に下ジョーから上ジョーに組織を通して組織貫通器を再び延ばすことができ、縫合糸の第2の長さは、上ジョーに保持されることができる。いくつかの実施形態では、交互に、(例えば、上及び/又は下ジョーを制御するために、)制御を、互いに別個にすることができ、及び/又は組織貫通器の延ばし/引っ込めを別個にすることができる。下ジョー部材内に縫合糸を装填し、及び/又は縫合糸に張力をかけるための制御部を含めて、追加の制御部を近位ハンドルに含めることができる。
【0129】
図34A−34Dは、
図33Aのデバイスの遠位端の拡大図である。例えば、
図34A及び34Bでは、上ジョー4003は、薄く、わずかに丸みが付けられており(例えば、湾曲されており)、デバイスの細長いシャフト領域にヒンジ連結されている。この上ジョーはまた、押し/引き部材(テンドン、ワイヤ、ロッド等)によって近位ハンドル上の制御部(ハンドル等)に連結され、細長い部材に対する上ジョー部材の角度の調節を可能にする。
【0130】
図34Cでは、上及び下ジョー部材は、
図34Bに示されたデバイスの遠位端から取り外されており、下ジョー内の組織貫通要素4007及び上ジョー内のストリッパ4009を明らかにしている。
図34Dは、組織貫通器が遠位方向に向いた口を横切って延ばされた後の
図34Bのデバイスの遠位端を示している。
図36A及び36Bha,縫合糸ストリッパを有する上アーム領域の1つの実施形態を示す。
図36Aでは、縫合糸ストリッパが、ジョー部材の遠位端の開口から見えている。この例では、ストリッパは、鋸歯縁4205を備えたストリッパプレート4203を含む。ジョー部材は又、鋸歯縁4207を有するストリッパプレートのための受け入れ領域を含む。
【0131】
図35A−35Cは、使用することができる縫合糸プレートをさらに詳細に示す。この実施形態は、
図36A及び36Bに示されている実施形態と同じである。ここで提供される例は、上ジョーにおける縫合糸ストリッパを示しているけれども、いくつかの実施形態では、縫合糸ストリッパは、(例えば、組織貫通器が上ジョーから下ジョーに縫合糸の所定長さを通すように構成されている場合に)下ジョー部材上にあってもよい。
図35Aでは、ストリッパは、近位端で固定され、遠位端4105でレシーバプレート4103に押し付けられたた可撓性プレート4101を含む。いくつかの実施形態では、レシーバは、別個のプレートではなく、ジョー部材の一領域にすぎない。縫合糸ストリッパプレート4101及びレシーバ4103の両方又はいずれかは、縫合糸を捕獲するようになった縁を含むのがよい。
図35A−35Cでは、ストリッパプレート4101及びレシーバ4103の両方が歯4105及び4107を有する縁を含んでいる。この例では、歯は、ジョー部材で隣接している(又は当接している)鋸歯構造である。組織貫通器は、ストリッパプレート4101を撓ませることによって、ストリッパプレート4101とレシーバ4103の間を通ることができる。組織貫通器の端が縁4105及び4107を通過するときに、組織保持器によって保持された縫合糸の長さがストリッパによって捕獲され、組織貫通器が後退されるときに、ストリッパプレートとレシーバの間に保持されることができる。
【0132】
上に示したデバイスの実施形態の多くは、組織貫通器によって取られる経路の形状を差し向けるための方向転換領域を含むけれども、方向転換領域は、外部でも、あるいは部分的に外部でもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織貫通器は、上ジョーに入るのではなく、上ジョーの下で遠位方向に延び、縫合糸は、この外部位置から拾われて上アームの中に落とされてもよい。
【0133】
一般的に、本願に記載されているデバイスは、膝、肩、尻等の接近が難しい領域内に組織を修復するために容易に挿入されるように寸法決めされ、構成されるのがよい。上述したように、上及び/又は下ジョーは、比較的薄いのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、上ジョーの高さとも呼ばれることができる上ジョーの厚さは、約0.120インチ(3.05mm)よりも小さいのがよい(例えば、0.1インチ(2.54mm)よりも小さく、0.08インチ(2.03cm)よりも小さく、0.07インチ(1.78mmよりも小さく、0.06インチ(1.52mm)よりも小さい等)。いくつかの実施形態では、上ジョーの高さは、0.064インチ(1.63mm)と0.120インチ(3.05mm)の間にある。
図37A−37Cは、異なる高さすなわち厚さを有する上ジョーの実施形態を示している。例えば、
図37Aでは、上アーム部材は、上アームからの組織貫通器の延びを制限するリミッタを含む。
図37Bでは、上ジョー部材は、約0.085インチ(2.16mm)の最大高さを有している。
図37Cは、約0.064インチ(1.63mm)の最大高さを有する上ジョーのもう1つの実施形態を示す。図示されているように、これらの実施形態はいずれも、湾曲されているのがよく、ハンドルから延びる細長い部材にヒンジ連結及び/又は枢動連結されるのがよい。
【0134】
上ジョーの幅(上側及び下側)は、ジョー部材の高さ/厚さよりも大きいのがよい。いくつかの実施形態では、ジョー部材は、高さの2倍よりも大きい幅(例えば、約0.4インチ(10.2mm)と約0.1インチ(2.54mm)の間)を有する。膝においては、側方と側方の間には十分なスペースがあるので、幅は、寸法の束縛がより小さく、寸法束縛は、膝のような関節においては、頂と底の間のスペースにあり得る。
【0135】
上で説明したように、本願に記載されているデバイスのいずれも、膝のような関節の制限区画内に嵌合するようになった上ジョーを含むのがよい。例えば、上記のように、縫合糸パサーの細長い本体に対してヒンジ連結されるのがよい上ジョーは、特にヒンジ連結部の近くのジョーの近位領域に亘って、わずかに上方に丸みが付けられている(例えば、湾曲されている)のがよい。
図38Aは、丸みが付けられ、外/上面に上向きの曲率4815を有する上ジョーの1つの実施形態を示している。膝関節の文脈では、(上ジョー又は上アームとも呼ぶことができる)この上ジョー部材は、半月板(大腿骨顆)を取り囲む関節の大腿骨領域の曲率に調和するのがよい。
【0136】
かくして、半月板のまわりの膝に縫合糸を通すようになった縫合糸パサーの上アームは、
図38Aに示されているように、大腿骨頭部の曲率に近づけられた緩やかな湾曲を有するように丸みが付けらえている。この形状を備えた上ジョーは、縫合糸の通しを容易にするために、上ジョーが半月板の上方にあるように膝関節スペース内へ容易に挿入されることができる。しかしながら、
図38Aに示された形状を備えた上ジョーの1つの潜在的な不利益は、下側の凸面(内側の組織接触面)が、上ジョー及び下ジョーが半月板上に閉じられるときに、ジョーの間の遠位方向に向いた開口から外へ遠位方向に半月板を押すのを助けることがあることである。これは、半月板に正確な仕方で組織貫通器(例えば、ニードル)を通そうとしたときに不利益となることがある。なぜならば、このことは、半月板を、ジョーから外へ変位させることがあり、及び/又は、ニードルに、上ジョー内への縫合糸保持特徴を失わせることがあるからである。
【0137】
この問題は、少なくとも一部は、上述した上及び下ジョーの(共益を含む)相対運動によって対処できるけれども、平らなより小さい湾曲下(組織接触)面を有する上ジョーの変形版も又、この問題に対処することができる。例えば、
図38Bは、(ヒンジ近くの)近位領域によりわずかな輪郭を備えた幾何学的形状を有する上ジョーを示している。
図38Aに示されている近位方向に真っ直ぐな変更例は、組織のまわりでジョーを閉じるときに遠位方向に向いた開口から組織を外に押し出す著しく低下された性向(propensity)を有することができ、これにより、デバイスで縫合糸が通されるときに半月板が変位させられないようにし、位置的正確性および縫合糸捕獲信頼性を向上させる。不運にも、この構成は、真っ直ぐな上ジョーの「スロープ」の大腿骨及び脛骨の頭上束縛の故に、最良の形状決めではないことがある。かくして、上ジョーの遠位先端部は、丸みが付けられた外面と同じく容易に上側で半月板を通過することがよりできなくなることがある。
図38Aの近位方向に湾曲された上ジョーと、
図38Bの近位方向に湾曲された上ジョー近位方向に真っ直ぐな上ジョーとの相違は、互いの頂部に両方の上ジョーの幾何学的形状が重ね書きされている
図38Cに示されている。
図38Bでは、真っ直ぐな上ジョーの上面は、丸みが付けられた4805上ジョーの湾曲された下面の反対側にある。重ね書きを見ると、近位方向に真っ直ぐな上ジョー版(version)の上面は、近位方向に湾曲されたジョー版の上面よりも早く大腿骨頭部に接触することがある。しかしながら、近位方向に真っ直ぐなジョー版は、大腿骨頭部と接触するときに、その遠位端は、それ程高くはなく、高い半月板を通過することがよりできにくくなることがある。
【0138】
図38Dは、丸みが付けられた/湾曲された近位上面4815と真っ直ぐな(上面に対してより湾曲が小さい)下組織接触面4813の両方を有するハイブリッド上ジョーの側面図を示している。この例では、上ジョーは、(ヒンジ4819と遠位領域4820の間に)より薄い近位領域を有している。
【0139】
ハイブリッド上ジョーの形状は、上面及び下面の遠位半部のために
図38Aに示されている湾曲された上ジョーの輪郭を使用し、
図38Cに示された近位方向に真っ直ぐな上ジョーの下輪郭を使用して、近位方向に丸みが付けられた上面を比較的真っ直ぐな下面と適合させる。このハイブリッド輪郭は、優れた接近特徴を、クランピング中に周囲方向に半月板が押される可能性を緩和するのに必要な特徴に組み合わせる。
【0140】
かくして、本願に記載されている縫合糸パサーのいずれも、ヒンジ領域が近位端又はその近くにある、近位から遠位の軸線において延びるヒンジ連結された上ジョーを有する。上ジョーは、ヒンジ領域から遠位方向に延びる外方に湾曲された(丸みが付けられた)上面を有する。この外方に湾曲された上面の反対側の下組織接触面は、近位から遠位の軸線において真っ直ぐに延びるように構成されている。かくして、ヒンジ領域から遠位方向に延びるにつれて、ジョーの厚さは、
図38Dに示されているように、遠位方向におけるよりもより近位方向でより狭くなる(より薄くなる)のがよい。
【0141】
長軸線から離れる方に湾曲する約0.5cmと約20cmの間の曲率半径を備えた丸みが付けられた上面を有する細長い本体から遠位方向に延びる第2のアームのもう1つの例が、
図39A−39Cに示されている。
図38A−38Dに示されているように、アームは、細長い本体に対して枢動するように細長い本体にヒンジ連結されているのがよく、又、ジョー部材の残りの厚さが、(ヒンジ連結された領域の近くの)近位領域からより薄い中間部分までジョーの長さに亘って変化し、遠位端に全体的により大きい厚さを有するように、丸みが付けられた比較的平らな上面を含む。
図39A−39Cでは、遠位領域は、縫合糸捕獲領域(縫合糸ストリッパとも呼ばれる)を含み、縫合糸捕獲領域は、上述したようにニードル/組織貫通器を下ジョーから上ジョーの下側に通した後に、上ジョーの方に縫合糸ループ(縫合糸の湾曲部(bight))を挟むための付勢された部材(例えば、板ばね)を含む。
【0142】
図39Aでは、上ジョー3901は、中間部分と縫合糸捕獲領域の両方においてより薄くされ、捕獲領域及びジョーの遠位端の組み合わされた(全体の)厚さは、中間領域よりも大きい厚さを形成する輪郭を有している。
図39Aでは、上ジョーの中間部分3903は、最も薄い細い箇所で、0.027インチ(0.69mm)を測定する。縫合糸捕獲領域を含む遠位端3905は、0.040インチ(1.02mm)を測定する。遠位端における高さの減少は、
図39A−39Cに示された縫合糸捕獲構造の代替実施形態によって、容易にされることができる。
【0143】
特に、
図39A−39Cの縫合糸捕獲器3921は、縫合糸の捕獲を助けることができる(
図39Bで見える)チャンネル3919を有する。ニードルが縫合糸を縫合糸捕獲器内に押し込むときに、縫合糸の1つの脚は、各溝内に落ち、縫合糸の湾曲部(bight)が板ばね3923により捕獲される。溝の幅は、縫合糸の径と略同じ寸法であるのがよい。溝の開口は、溝内に縫合糸を「導き入れる」のを容易にするためにこの幅よりも大きくてもよい。溝は又、デバイスが膝から引き戻されるときに縫合糸が溝内に楔止めされるように、次第に狭くなってもよい。
【0144】
両方の縫合糸脚が、同じ溝内に落ち得る。板ばねの端から溝の端までの相対距離は、縫合糸の湾曲部(bight)の径が大きすぎて隙間に嵌まることができないように、寸法決めされるのがよく、かくして、縫合糸捕獲器も又縫合糸を保持するのに効果的であることができる。
【0145】
図39A−39Cでは、板ばねは、遠位端に歯状特徴を備えるように示されている(
図35A−35B参照)。この縫合糸捕獲機構は、その遠位端に亘って真っ直ぐであり、及び/又は歯を含まない付勢部材(例えば、板ばね)と一緒にも働くことができる。
【0146】
上述したように、本願で使用されている丸み付け面は、この面とある中心点または領域との間で曲率半径を有するように全体的に湾曲されており、丸みが付けられた面は、円の一部を形成する必要はなく、円の弧を概して形成していてよく(略円の弧の曲率半径は、+/-少しの%、例えば、5%、10%、15%、20%等であることができる)、丸みが付けられた面は、(例えば、長手方向の)断面の外面を指すのがよい。
【0147】
本願で特徴又は要素がもう1つの特徴又は要素「上に」あるとして言及されているときには、直接その特徴又は要素はその他の特徴又は要素上にあってもよいし、あるいは、介在する特徴及び/又は特徴があってもよい。対照的に、特徴又は要素が「直接上に」あるとして言及されているときには、介在する特徴又は要素はない。特徴又は要素がその他の特徴又は要素「に連結され」、「に取り付けられ」、又は「に結合され」るとして言及されているときには、直接その他の特徴又は要素「に連結され」、「に取り付けられ」、又は「に結合され」てもよいし、あるいは、介在する特徴及び/又は特徴があってもよいと理解される。対照的に、特徴又は要素がその他の特徴又は要素「に直接連結され」、「に直接取り付けられ」、又は「に直接結合され」るとして言及されているときには、介在する特徴又は要素はないものとして理解される。1つの実施形態に関連して説明され、又は示されたとしても、そのように説明され、又は示されたその特徴及び要素は、他の実施形態にも適用できる。もう1つの特徴に「隣接して」配置される構造又は特徴への言及は、隣接した特徴の上に重なる又は隣接した特徴の下にある位置を有してもよいことは当業者には理解される。
【0148】
本願で使用される技術は、特定の実施形態を説明する目的だけのためのものであり、発明を制限することを意図していない。例えば、ここで使用される英語の単数の冠詞“a”“an”“the”は、文脈が別の指示をしない限り、複数の形態を含むことを意図している。英語の用語“comprises”及び/又は“comprising”は、本願で使用されているときには、記載された特徴、工程、操作、要素、及び/又は成分の存在を特定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、工程、操作、要素、及び/又は成分、及び/又は、それらの群の存在を廃除していないと理解される。本願で使用される用語「及び/又は」は、関連して挙げられた事項の1つ又はそれ以上のいずれ又はすべての組み合わせを含み、「/」を省略したものとしてよい。
【0149】
「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」等の空間的相対的用語は、使用されているデバイスの異なる配向を包含することを意図している。1つの要素又は特徴の、図に示されている別の要素又は特徴に対する関係を説明する説明の容易さのために使用されているものであり、かかる空間的相対的用語は、使用又は操作中のデバイスの異なる配向、及び図に記載されている配向に追加したデバイスの異なる配向を方が内側アーマチャすることを意図していると理解される。したがって、図中の装置が逆にされた場合には、他の要素又は特徴の「下」にあるもととして記載されている要素は、その他の要素又は特徴の「上」に配向されるであろう。かくして、例示的な用語「下」は、上及び下の両方の配向を包含することができる。デバイスは、その他の配向で(90°回転された、又は他の配向で)使用されてもよく、本願で使用されている空間的相対的用語は、それにしたがって解釈される。同様に、用語「上向きに」、「下向きに」、「鉛直」、「水平」等は、本願では、別の特定の指示がない限り、説明の目的でのみ使用されている。
【0150】
用語「第1の」及び「第2の」が、種々の特徴/要素を説明するために本願で使用されているけれども、これらの特徴/要素は、文脈が別の指示をしない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するのに使用することができる。かくして、本発明の精神を逸脱することなく、以下で検討する第1の特徴/要素が、第2の特徴と呼ばれることもあり、同様に、第2の特徴/要素が第1の特徴/要素と呼ばれることがある。
【0151】
例で使用されているものも含めて、本願明細書及び特許請求の範囲で使用されているように、すべての数値は、用語「訳」又は「略」が現れていなくても、あたかも用語「訳」又は「略」が前置されているかのように、読むことができる。用語「訳」又は「略」は、記載した値及び/又は位置が合理的な予測される数値及び/位置の範囲内にあることを示すために、大きさ及び/又は位置を説明するときに使用することができる。例えば、数値は、記載された数値(数値範囲)の+/−0.2%、記載された数値(数値範囲)の+/−2%、記載された数値(数値範囲)の+/−5%、記載された数値(数値範囲)の+/−10%等を有することができる。本願に記載されているいかなる数値範囲も、かかる数値範囲に包含されるすべての副範囲を含むことを意図する。
【0152】
種々の例示的な実施形態を上述したけれども、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の実施形態に対していずれの多くの変更を行うことができる。例えば、種々の記載された方法の段階を行う順序は、代替的な実施形態で変更することができ、他の実施形態では、1つ又はそれ以上の段階を飛ばすことができる。種々のデバイス及びシステムの随意の特徴は、いくつかの実施形態には含めてよいが、他の実施形態では含まれなくてもよい。したがって、これまでの説明は、主として例示的な説明のために提供され、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【0153】
本願で説明されている例及び図表は制限としてではなく、例示として発明の主題を実施できる特定の例示を示すものである。上述したように、本発明の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な種々の置換及び変更をなすように、他の実施形態も利用することができ、これあの特定の例示から他の実施形態を導くことも可能である。本発明の主題のあかる実施形態は、便宜のためにのみ「本発明」と個々的に又は集合的に呼ぶことがあるけれども、2以上の発明が実際に開示されているならば、本願の範囲を単一の発明又は発明概念に限定する自発的な意図はない。かくして、特定の実施形態を本願では例示し、説明したけども、同じ目的を達成するように計算された構成を、示された特定の実施形態と置き換えることは可能である。本開示は、いかなるすべての適合又は種々の実施形態の変更を包含することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、及び本願に特に記載されていない他の実施形態は、上記記載を検討すると、当業者には明白であろう。