特許第6616119号(P6616119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立国際電気の特許一覧

<>
  • 特許6616119-監視システム 図000002
  • 特許6616119-監視システム 図000003
  • 特許6616119-監視システム 図000004
  • 特許6616119-監視システム 図000005
  • 特許6616119-監視システム 図000006
  • 特許6616119-監視システム 図000007
  • 特許6616119-監視システム 図000008
  • 特許6616119-監視システム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616119
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20191125BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20191125BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20191125BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20191125BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N7/18 F
   H04N7/18 U
   H04M11/00 301
   G08B25/00 510M
   G08B25/04 E
   G08B25/10 D
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-154391(P2015-154391)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2017-34541(P2017-34541A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】大木 加奈
(72)【発明者】
【氏名】丸田 聡史
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−5851(JP,A)
【文献】 特開2011−217320(JP,A)
【文献】 特開2014−53775(JP,A)
【文献】 特開2005−244279(JP,A)
【文献】 特開2015−82820(JP,A)
【文献】 特開2012−104022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04M 11/00
G08B 23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラによって撮像された映像を、ネットワークを介して監視端末へ送信する監視システムにおいて、
前記カメラによって撮像された映像を表示する表示部と、位置情報を取得する位置情報取得部と、を有する携帯端末を備えており、
前記監視端末は、前記携帯端末が表示する映像を切替える映像切替地点の位置情報とカメラとの対応情報を予め登録し、前記携帯端末の位置情報が前記映像切替地点の付近であると判断すると、前記対応情報を参照し、当該映像切替地点の位置情報に対応したカメラの映像を前記携帯端末へ送信し、
前記携帯端末は、前記監視端末からカメラの映像を受信すると、当該映像を前記表示部に表示する
ことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
複数のカメラによって撮像された映像を、ネットワークを介して監視端末へ送信する監視システムにおいて、
前記カメラによって撮像された映像を表示する表示部と、位置情報を取得する位置情報取得部と、を有する携帯端末を備えており、
前記携帯端末は、前記表示部が表示する映像を切替える映像切替地点の位置情報とカメラとの対応情報を予め登録し、前記位置情報取得部が取得した位置情報が、前記映像切替地点の付近であると判断すると、前記対応情報を参照し、当該映像切替地点の位置情報に対応したカメラの映像を前記監視端末へ要求し、前記監視端末からカメラの映像を受信すると、当該映像を前記表示部に表示し、
前記監視端末は、前記携帯端末から要求されたカメラの映像を取得して、当該映像を前記携帯端末へ送信する
ことを特徴とする監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムにおいて可搬性のある端末を利用した監視に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの監視システムの市場では、集中監視室や現地の管理所といった場所で、PCや大型モニタを用いた監視カメラ映像の監視やシステム管理が主流であった。しかし近年では不審者を検知すると、遠隔地にある可搬性のある端末(例えば、スマートフォンやタブレット等、以下携帯端末と記載する)に対して不審者を捉えた監視カメラの映像配信や携帯端末を操作して不審者に対して威嚇するといった携帯端末を用いた監視方法もある。(特許文献1)
また、監視システムが大規模なものであったり、広域を監視する必要があったりする場合は、監視室等に警備員を配備し、携帯端末を警備員に所持させて監視を行う方法もある。このような監視方法では、監視カメラの監視範囲内への侵入をセンサ機器等で検知すると、監視カメラの映像を携帯端末へ配信し、警備員が携帯端末に配信された映像を確認して現場へ向かうといった使用方法で携帯端末が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-44542
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、警備員が現場へ向かう途中で侵入者と鉢合わせしてしまった場合、警備員の身に危険が生じる可能性があるという問題がある。
本発明は上記問題を鑑みて、警備員が現場へ向かう状況でも身の安全が確保できる監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、複数のカメラによって撮像された映像を、ネット
ワークを介して監視端末へ送信する監視システムにおいて、前記カメラによって撮像され
た映像を表示する表示部と、位置情報を取得する位置情報取得部と、を有する携帯端末を
備えており、前記監視端末は、前記携帯端末が表示する映像を切替える映像切替地点の位置情報とカメラとの対応情報を予め登録し、前記携帯端末の位置情報が前記映像切替地点の付近であると判断すると、前記対応情報を参照し、当該映像切替地点の位置情報に対応したカメラの映像を前記携帯端末へ送信し、前記携帯端末は、前記監視端末からカメラの映像を受信すると、当該映像を前記表示部に表示する。
【0006】
また、複数のカメラによって撮像された映像を、ネットワークを介して監視端末へ送信
する監視システムにおいて、前記カメラによって撮像された映像を表示する表示部と、位
置情報を取得する位置情報取得部と、を有する携帯端末を備えており、前記携帯端末は、
前記表示部が表示する映像を切替える映像切替地点の位置情報とカメラとの対応情報を予め登録し、前記位置情報取得部が取得した位置情報が、前記映像切替地点の付近であると判断すると、前記対応情報を参照し、当該映像切替地点の位置情報に対応したカメラの映像を前記監視端末へ要求し、前記監視端末から前記選択したカメラの映像を受信すると、当該映像を前記表示部に表示し、前記監視端末は、前記携帯端末から要求されたカメラの映像を取得して、当該映像を前記携帯端末へ送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、警備員が現場へ向かう際に、侵入者との鉢合わせを未然に防ぐことができるため、警備員の身の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るシステム構成例である。
図2】本発明に係る携帯端末の内部構成例である。
図3】本発明に係る監視端末の設定画面の表示例である。
図4】本発明に係る監視カメラの登録機能の設定シーケンスの一例である。
図5】本発明に係る携帯端末の画面の表示例である。
図6】本発明の実施例1に係る携帯端末への映像配信及び携帯端末からの登録機能の使用シーケンスの一例である。
図7】本発明の実施例2に係る携帯端末に表示する映像切替方法を説明する図である。
図8】本発明の実施例2に係る携帯端末の画面に表示する映像切替方法の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る監視システムについて、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る監視システムの構成例である。
図1に示す監視システムは、所定の監視範囲を撮像する監視カメラ101、監視室等に設置され、監視カメラ101から送信された映像を表示する監視端末102、監視区域の地図情報や監視カメラ101の機能の情報などを保持するデータベース103、警備員が所持しており、監視端末102を介して監視カメラ101が撮像した映像を表示する携帯端末104によって構成される。なお、データベース103は、監視端末102と別体として記載しているが、監視端末102と一体とする構成にしてもよい。
【0011】
監視カメラ101、監視端末102、データベース103はネットワークを介して接続されている。監視端末102およびデータベース103と携帯端末104間は、無線によって通信を行うことができる。
【0012】
監視カメラ101には、侵入者検知範囲106で侵入者を検知すると、監視端末101に対して侵入者がいることを通知する機能がある。侵入者の検知は、赤外線センサ等の外部センサによる検知や監視カメラ101が撮像した映像の映像解析(VCA:Video Content Analysis)による検知等によって行われる。
【0013】
また、監視カメラ101は個別に機能が登録されており、監視端末102または携帯端末104から登録されている機能(以下、登録機能と記載する)を使用することができる。登録機能としては、例えば、監視カメラ101に備えられた照明や監視カメラ101の赤外モードの制御があげられる。これにより、暗所における侵入者の視認性が向上する。また、監視カメラ101にスピーカを備えておき、警報音を鳴動させる機能を登録しておけば、侵入者に対する威嚇を行うことができる。
【0014】
監視端末102は、監視カメラ101へ撮像した映像を送信するように要求し、監視カメラ101から映像を受信すると、画面上に映像を表示する。
携帯端末104は、監視端末102と連携して監視カメラ101が撮像した映像を画面上に表示したり、監視区域の地図情報を表示したりする機能をもつ。これにより、警備員は監視端末102が設置された監視室から離れていても、携帯端末104を介して監視作業を行うことができる。また、各監視カメラ101の登録機能の内容を記憶しており、警備員は各監視カメラ101の登録機能を携帯端末104から使用することができる。
【0015】
携帯端末104の内部構成例を図2に示す。
画面表示部104−1は、携帯端末104の画面への表示制御を行う。例えば、監視端末102から受信した監視カメラ101の映像の表示や監視区域の地図を表示画面へ表示する。
位置情報取得部104−2は、携帯端末104の位置情報を取得する。位置情報を取得する手段としては、例えばGPS(Global Positioning System)などが挙げられる。
通信部104−3は、携帯端末104の外部にある装置と無線による通信を行う。本実施例においては、携帯端104は通信部104−3によって監視端末102、データベース103と無線通信を行う構成となっている。
記憶部104−4は、監視カメラ101の登録機能の内容や監視区域の地図情報などを記憶している。
制御部104−5は、画面表示部104−1、位置情報取得部104−2、通信部104−3、記憶部104−4の制御を行う。
【0016】
以下、登録機能の設定方法について説明する。警備員は、登録機能の設定を図3に示す監視端末102の画面上に表示される設定画面3で行う。設定画面3は、監視システムに登録されている監視カメラ101の一覧が表示されるカメラリスト301、カメラリスト301で選択された監視カメラ101の登録機能が表示される機能リスト302、登録機能への追加を行う登録ボタン303、登録機能からの削除を行う削除ボタン304、カメラリスト301で選択した監視カメラ101の登録機能の機能名(以下、登録機能名と記載する)が表示される登録機能リスト305によって構成される。
【0017】
登録機能の設定手順の一例を図4に示す。
【0018】
警備員は登録機能の設定を行うために、監視端末102で設定画面3を表示し(ステップS401)、カメラリスト301から設定を行う監視カメラ101を選択する(ステップS402)。
【0019】
監視端末102はカメラリスト301で選択された監視カメラ101の登録機能の内容をデータベース103から取得し(ステップS403)、取得した内容に基づいて登録機能リスト305に登録機能名を表示する(ステップS404)。
【0020】
登録機能を追加する場合、警備員は機能リスト302に表示されている機能名の中から追加したい機能名を選択し、登録ボタン303を押下することで登録機能の追加を行う(ステップS405)。
【0021】
登録ボタン303が押下されると、監視端末102はデータベース103へ登録機能の内容更新の通知を行い、通知を受けたデータベース103は通知内容に基づいて登録機能の内容を更新する(ステップS406)。更にデータベース103は、更新した登録機能の内容を携帯端末104へ通知し、通知を受けた携帯端末104は通知内容に基づいて記憶している登録機能の内容を更新する(ステップS407)。
【0022】
データベース103へ登録機能の内容更新の通知を行った監視端末102は、追加した登録機能名を登録機能リスト305に表示するため、登録機能名の再表示を行う(ステップS408)。
【0023】
登録機能を削除する場合、警備員は機能リスト302に表示されている機能名の中から削除したい機能名を選択し、削除ボタン303を押下することで登録機能の削除を行う(ステップS409)。
【0024】
削除ボタン303が押下されると、監視端末102はデータベース103へ登録機能の内容更新の通知を行い、通知を受けたデータベース103は通知内容に基づいて登録機能の内容を更新する(ステップS410)。更にデータベース103は、更新した登録機能の内容を携帯端末104へ通知し、通知を受けた携帯端末104は通知内容に基づいて記憶している登録機能の内容を更新する(ステップS411)。
【0025】
データベース103へ登録機能の内容更新の通知を行った監視端末102は、削除した登録機能名を登録機能リスト305から非表示にするため、登録機能名の再表示を行う(ステップS412)。
【0026】
携帯端末104の画面表示例を図5に示す。
図5(a)は、地図情報を表示した場合の画面表示例である。図5(a)の例では、画面表示部104−1が記憶部104−4に保持した地図情報に基づいて画面上に監視区域の地図を表示している。また、監視区域に設置された監視カメラ101の位置情報を記憶部104−4に保持しておき、監視区域の地図に重ねるようにカメラアイコンを表示している。地図情報や監視カメラ101の位置情報は、記憶部104−4に予め保持しておくようにしてもよいし、データベース103から取得する構成にしてもよい。
【0027】
図5(b)は、監視カメラ101が撮像した映像を表示した場合の画面表示例である。監視端末102から配信された監視カメラ101の映像を受信し、画面上に受信した監視カメラ101の映像を表示している。
【0028】
図5(a)、(b)に備えられたボタン501、502は、後述する監視カメラ101の登録機能を使用するためのボタンである。
【0029】
警備員が監視カメラ101の登録機能を使用する際の動作について説明する。例えば、携帯端末104の画面が図5(b)の表示である際に、警備員がボタン502を操作すると、携帯端末104に表示された映像を撮像している監視カメラ101の登録機能を使用することができる。侵入者検知範囲105で侵入者を検知し、携帯端末104に監視カメラ101の映像を表示した後に、警備員が監視カメラ101の登録機能を使用するまでのシーケンスを図6に示す。
【0030】
まず、侵入者検知範囲105で侵入者を検知すると(ステップS601)、監視端末102は侵入者を検知した監視カメラ101に対して映像の取得要求を送信し、該監視カメラ101から取得した映像を表示する(ステップS602〜ステップS603)。その後、監視端末102は、該監視カメラ101から取得した映像を携帯端末104へ配信し(ステップS604)、携帯端末104は例えば図5(b)のように監視端末102から受信した映像を表示する(ステップS605)。
【0031】
警備員は、携帯端末104に表示された映像を撮像している監視カメラ101の登録機能を使用するためにボタンを押下する(ステップS606)。この時、携帯端末104は監視端末102に対して登録機能の内容確認を要求する(ステップS607)。登録機能の内容確認の要求を受けた監視端末102は、データベース103へ登録機能の内容確認を行う(ステップS608)。動作確認状態のステータスフラグの確認(ステップS609)、動作確認状態のステータスフラグの更新(ステップS610)を行う。ここで、動作確認状態のステータスフラグとは、例えば、登録機能の動作状態であり、登録機能が動作中か、動作していないかを示すフラグである。ステータスフラグが、登録機能の動作中を示しているのであれば、ステップS611以降は登録機能を終了するシーケンスであり、動作していなければ、ステップS611以降は登録機能を開始するシーケンスとなる。
【0032】
監視端末102は、動作確認状態のステータスフラグの更新後、監視カメラ101に対して登録機能の制御情報を送信し(ステップS611)、監視カメラ101は受信した制御情報に基づいて登録機能を開始したり、終了したりする(ステップS612)。
【0033】
なお、上述した実施例1では、侵入者を検知後のステップS602において、監視端末102が監視カメラ101から映像を取得しているが、監視システムにHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)のような記憶装置を備えておき、監視カメラ101の映像を記憶装置に記憶させる構成にしているのであれば、監視端末102が記憶装置から映像を取得するようにしてもよい。
【0034】
また、携帯端末104からのボタン操作で、カメラの登録機能の内容確認を、監視カメラを介してデータベースに送っているが(S606〜S608)、携帯端末104からデータベース103へ登録機能の内容確認を直接行うようにしてもよい。
【0035】
実施例1によれば、少なくとも次の効果を奏する。
(A1)携帯端末から監視カメラの映像の確認だけでなく、監視カメラの登録機能の制御を行うことができるため、操作性・利便性が向上する。
(A2)監視カメラごとに登録機能の設定を行うことができるため、監視カメラの設置場所や監視用途に合わせた機能をそれぞれ使用することができる。
(A3)侵入者を検知すると、侵入者検知範囲を撮像している監視カメラの映像を警備員が持つ携帯端末に表示するため、警備員は監視端末の前にいなくても現場の映像を確認することができる。
(A4)さらに、照明の点灯や警報音の鳴動などを登録機能としていれば、現場の映像を確認しながら侵入者に対して威嚇を行うことができる。
【0036】
[実施例2]
本発明に係る実施例2について以下に記載する。実施例2においては、監視区域に複数の監視カメラを設けておき、侵入者検知範囲において侵入者を検知した際の、携帯端末に表示する映像の切替え方法が実施例1と異なる。
【0037】
図7は、第2の実施例における携帯端末に表示する映像の切替えについて説明する図である。なお、図7には図示されていないが、各監視カメラ(A〜H)は、実施例1のシステムと同様にネットワークを介して監視端末102やデータベース103と接続されている。
【0038】
図7では、監視カメラHが侵入者を検知し、警備員が携帯端末を所持して、侵入者を検知した位置まで向かう図を示している。このような状況では、警備員が侵入者を検知した位置まで向かう途中で侵入者と鉢合わせしてしまい、警備員に危険が及び可能性がある。
そこで、実施例2では警備員が移動している途中、進行方向の映像を携帯端末104に表示させるように映像の切替え制御を行う。
【0039】
まず、監視カメラHが侵入者を検知すると、実施例1と同様に携帯端末104へ監視カメラHの映像が配信される。このとき、携帯端末は監視区域の地図と監視カメラのアイコンを表示し、侵入者を検知した位置までの経路(経路1、経路2)を表示する。本実施例では、警備員が経路1を選択して侵入者を検知した位置まで移動する場合について説明する。
【0040】
侵入者を検知した直後の携帯端末104の画面表示例を図8(a)に示す。画面左側には侵入者を検知した監視カメラHの映像が表示され、画面右側には図7に示した経路が示された地図を表示する。
【0041】
その後、警備員が経路1に沿って映像切替地点1まで進むと、図8(b)に示すように、映像切替地点1から先を撮像する監視カメラAの映像を表示する。警備員が映像切替地点2まで進むと、図8(c)に示すように、映像切替地点2から先を撮像する監視カメラBの映像を表示する。警備員が映像切替地点3まで進むと、図8(d)に示すように、映像切替地点3から先を撮像する監視カメラCの映像を表示する。
【0042】
上記動作の詳細を以下に記載する。
監視端末102には、映像切替地点の位置情報と、監視カメラと、の対応情報が予め登録されている。なお、この対応情報はデータベースに登録するようにしてもよい。
本実施例においては、映像切替地点1の位置情報と監視カメラA、映像切替地点2の位置情報と監視カメラB、映像切替地点3の位置情報と監視カメラCが対応づけられた情報として登録されている。
【0043】
携帯端末104は、位置情報取得部104−2によって位置情報を取得し、通信部104−3によって位置情報を監視端末102へ送信する。監視端末102は、携帯端末104から受信した携帯端末104の位置情報が対応情報に登録された映像切替地点の位置情報付近であると判断すると、その位置情報に対応した監視カメラに対して映像の取得要求を送信し、該監視カメラから取得した映像を携帯端末104へ送信する。
【0044】
本実施例においては、携帯端末104の位置情報が映像切替地点1付近であると判断した場合、監視端末102は監視カメラAに対して映像の取得要求を送信し、監視カメラAから取得した映像を携帯端末104へ送信する。携帯端末104の位置情報が映像切替地点2付近であると判断した場合、監視端末102は監視カメラBに対して映像の取得要求を送信し、監視カメラBから取得した映像を携帯端末104へ送信する。携帯端末104の位置情報が映像切替地点3付近であると判断した場合、監視端末102は監視カメラCに対して映像の取得要求を送信し、監視カメラCから取得した映像を携帯端末104へ送信する。
【0045】
携帯端末104は、監視端末102から映像を受信すると、画面表示部104−1によって画面上に受信した映像を表示する。このとき、図8(a)〜図8(d)に示すように受信する映像の数に応じて監視区域の地図や映像の表示範囲を変更するように画面表示部104−1が表示制御を行う。
【0046】
なお、上述した実施例2では、携帯端末から監視端末へ位置情報を送信していたが、携帯端末の記憶部に映像切替地点の位置情報と、映像切替地点の位置情報と、監視カメラと、の対応情報を予め登録するようにし、携帯端末は位置情報取得部が取得した位置情報と記憶部の対応情報を参照して映像切替地点に到達したと判断した場合は、映像切替地点に対応する監視カメラへの映像取得要求を監視端末を介して送信するようにしてもよい。これにより、携帯端末内部の動作で映像切替地点に到達したかどうかの判断を行うことができるため、警備員が映像切替地点に到達してから監視カメラへ映像取得要求を送信するまでの遅延を軽減することが可能である。
【0047】
また、映像切替地点を通過するたびに監視端末から送信する映像を追加するのではなく、前回送信された映像と入れ替えるようにしてもよい。これにより、携帯端末がスマートフォンのような画面が小さい端末であっても、警備員は映像切替地点に対応した監視カメラの映像を確認しながら侵入者を検知した位置へ向かうことができる。
【0048】
以上説明したように、本発明に係る実施例2においては、
(B1)侵入者を検知すると、携帯端末が侵入者を検知した位置までの経路を表示することで、警備員は迷わず現場へ向かうことができる。
(B2)監視端末が、携帯端末の位置情報に基づいて、携帯端末へ送るカメラの映像を選択することで、警備員が進行方向の映像を確認することが可能となり、警備員の身の安全を確保することができる。
(B3)携帯端末が、自身の位置情報に基づいて、監視端末へ要求するカメラの映像を選択することで、警備員が進行方向の映像を確認することが可能となり、警備員の身の安全を確保することができる。
(B4)携帯端末が、表示する映像の数に応じて表示切替を行うので、画面が小さい携帯端末でも効果的な画面表示を行うことができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態としての監視システムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形または組み合わせて実施することができる。
【0050】
例えば、携帯端末の画面表示において、実施例2のように映像切替を行うようにするようにするモードと、映像切替をしないモードと、を携帯端末に備えておき、警備員がどちらのモードで画面表示を行うか選択できるようにしてもよい。これにより、警備員は用途に合わせた柔軟な監視を行うことができる。
【0051】
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムや装置としてだけでなく、方法として把握することができる。或いは、このような方法を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
【符号の説明】
【0052】
101 監視カメラ
102 監視端末
103 データベース
104 携帯端末
104−1 画面表示部
104−2 位置情報取得部
104−3 通信部
104−4 記憶部
104−5 制御部
105 侵入者検知範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8