特許第6616139号(P6616139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616139
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】医用ペリスタポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/10 20060101AFI20191125BHJP
【FI】
   A61M1/10 139
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-185498(P2015-185498)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-59817(P2016-59817A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2018年7月17日
(31)【優先権主張番号】201410484639.1
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ユエ フー ジュー
(72)【発明者】
【氏名】モハンラール ラマドス
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−87751(JP,A)
【文献】 実開平6−34185(JP,U)
【文献】 特表2014−507595(JP,A)
【文献】 特開平6−277277(JP,A)
【文献】 特表平9−502784(JP,A)
【文献】 米国特許第3724974(US,A)
【文献】 米国特許第4558996(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/10 ― 1/12
F04B 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸を備える駆動部と、
チャンバを備えるポンプ本体と、
前記チャンバ内に受け入れられるロータと、
前記チャンバの壁の内側に組み付けられるホースと、
前記駆動部と前記ロータとを連結し、前記チャンバに受け入れられる連結部材と、を備える医用ペリスタポンプであって、
前記ロータは、前記ホースを順次絞って前記ホース内の媒質を流すように構成され、前記支持軸は、前記連結部材及び前記ロータを支持し、前記連結部材及び前記ロータは、前記支持軸を中心として回転するように配置され、前記ロータは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられ、前記連結部材は複数のラッチつめを備え、前記ロータは複数のロック部材を備え、各ラッチつめには、突刺/ラッチ切欠きが設けられ、各ロック部材には、ラッチ切欠き/突刺が設けられて、対応する前記突刺/ラッチ切欠きとラッチ係合するようになっており、前記ロータは本体を備え、前記本体は、前記ラッチつめの受入溝を形成し、前記本体は案内溝を形成し、前記ロック部材は、前記案内溝内で摺動可能であり、前記ロック部材と前記本体との間に、弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記ロック部材を押して、前記ロック部材の前記ラッチ切欠き/突刺が前記対応する突刺/ラッチ切欠きとラッチ係合することができる位置に、前記ロック部材を維持するようになっていることを特徴とする医用ペリスタポンプ。
【請求項2】
前記連結部材には、少なくとも1つの段部が設けられて、前記ロータを、前記チャンバに対して軸方向に位置決めするようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記ロータは、本体と、前記本体に対して相対的に摺動可能な摺動ブロックと、前記ブロックの末端部に組み付けられるローラと、前記摺動ブロックを半径方向外方に移動させて、前記ローラを前記ホースと接触させるように配置されるばねとを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記本体は、少なくとも1つの位置決め面を備え、前記摺動ブロックは、少なくとも1つの当接面を形成し、前記摺動ブロックの前記当接面は、前記本体の対応する前記位置決め面と係合することによって、前記摺動ブロックを位置決めすることを特徴とする、請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記ポンプ本体は、更に、前記チャンバを覆うためのカバーを備え、前記カバーと前記チャンバとの間に、電磁ロック機構が設けられ、前記カバー及び前記チャンバの一方は永久磁石を備え、他方はセンサを備え、前記センサは、前記磁石と相互に作用して、前記カバーの開閉状態を検知するようになっていることを特徴とする、請求項4に記載のポンプ。
【請求項6】
前記駆動部は電気モータ及び減速機構を備え、前記減速機構は出力歯車を備え、前記出力歯車は、前記チャンバの外側に設けられ、前記連結部材に固定連結されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、特に、血液ポンプなどの医用ペリスタポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ホースポンプとしても知られるペリスタポンプは、産業用ポンプの一種であり、医療、食品、化学産業において広く用いられ、敏感性、粘性、強腐食性の媒質、粉砕効果のある媒質、高純度を要する媒質、又は一定量の粒状物質を含む媒質を輸送する。
【0003】
ホースは、液体を受け入れるためのペリスタポンプの唯一の不可欠な部材であり、ローラ又は押圧ブロックは、ホースを絞って、ホース内の液体を流す。ホースは、独立した装置なので、ポンプ本体を密封する必要が無くなる。したがって、ペリスタポンプは、漏れが無く、非常に衛生的である。更に、ローラを回転させる度に、一定量の液体が出力されるので、ペリスタポンプは、供給量を定量化する用途において、優れた性能を発揮することができる。
【0004】
しかしながら、ペリスタポンプの構造は複雑であり、駆動部の歯車は、ローラを固定したロータを回転させるように配置され、ポンプチャンバ内に露出しているので、作業者は、ホースの交換時に、怪我をする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構造が簡素化され且つ安全性が向上した、又は少なくとも公知のものに有益な選択を提供する医用ペリスタポンプが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、その一態様において、支持軸を備える駆動部と、チャンバを備えるポンプ本体と、前記チャンバ内に受け入れられるロータと、前記チャンバの壁の内側に組み付けられるホースと、前記駆動部と前記ロータとを連結し、前記チャンバに受け入れられる連結部材とを備える医用ペリスタポンプを提供するものであり、ここで、前記ロータは、前記ホースを順次絞って前記ホース内の媒質を流すように構成され、前記支持軸は、前記連結部材及び前記ロータを支持し、前記連結部材及び前記ロータは、前記支持軸を中心として回転するように配置される。
【0007】
前記ロータは、前記連結部材に着脱可能に取り付けられることが好ましい。
【0008】
前記連結部材は複数のラッチつめを備え、前記ロータは複数のロック部材を備え、各ラッチつめには、突刺/ラッチ切欠きが設けられ、各ロック部材には、ラッチ切欠き/突刺が設けられて、対応する前記突刺/ラッチ切欠きとラッチ係合するようになっていることが好ましい。
【0009】
前記ロータは本体を備え、前記本体は、前記ラッチつめの受入溝を形成し、前記本体は案内溝を形成し、前記ロック部材は、前記案内溝内で摺動可能であり、前記ロック部材と前記本体との間に、弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記ロック部材を押して、前記ロック部材の前記ラッチ切欠き/突刺が前記対応する突刺/ラッチ切欠きとラッチ係合することができる位置に、前記ロック部材を維持するようになっていることが好ましい。
【0010】
前記連結部材には、少なくとも1つの段部が設けられて、前記ロータを、前記チャンバに対して軸方向に位置決めするようになっていることが好ましい。
【0011】
前記ロータは、本体と、前記本体に対して相対的に摺動可能な摺動ブロックと、前記ブロックの末端部に組み付けられるローラと、前記摺動ブロックを半径方向外方に移動させて、前記ローラを前記ホースと接触させるように配置されるばねとを備えることが好ましい。
【0012】
前記本体は、少なくとも1つの位置決め面を備え、前記摺動ブロックは、少なくとも1つの当接面を形成し、前記摺動ブロックの前記当接面は、前記本体の対応する前記位置決め面と係合することによって、前記摺動ブロックを位置決めすることが好ましい。
【0013】
前記ポンプ本体は、更に、前記チャンバを覆うように構成されるカバーを備え、前記カバーは、ヒンジによって、前記チャンバに連結されることが好ましい。
【0014】
前記ポンプ本体は、更に、前記チャンバを覆うためのカバーを備え、前記カバーと前記チャンバとの間に、電磁ロック機構が設けられることが好ましい。
【0015】
前記カバー及び前記チャンバの一方は永久磁石を備え、他方はセンサを備え、前記センサは、前記磁石と相互に作用して、前記カバーの開閉状態を検知するようになっていることが好ましい。
【0016】
前記駆動部は電気モータ及び減速機構を備え、前記減速機構は出力歯車を備え、前記出力歯車は、前記チャンバの外側に設けられ、前記連結部材に固定連結されることが好ましい。
【0017】
前記ロータはカバープレートを備え、前記カバープレートは、前記ロータを手動回転させるためのハンドルを有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による医用ペリスタポンプを示す図である。
図2】カバーを開けた状態の、図1の医用ペリスタポンプの部分分解図である。
図3図1の医用ペリスタポンプのロータ及び連結部材の分解図である。
図4図3のロータのロック部材を示す図である。
図5】ロータの内部構造を示すようにロータカバーを取り外した状態の、図1の医用ペリスタポンプのロータを示す図である。
図6図5のロータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、添付図面の図を参照して、単なる例示として本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、複数の図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ符号で表記される。図内に示される構成部品及び構造部の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。
【0020】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による医用ペリスタポンプは、駆動部10と、ポンプ本体30と、ホース60とを含む。
【0021】
駆動部10は、電気モータ12と、電気モータ12によって駆動される減速機構14とを含む。
【0022】
ポンプ本体30は、チャンバ32と、チャンバ32内に受け入れられるロータ40とを含む。ロータ40は、ホース60を絞って、ホース60内の血液などの(液体)媒質を流すように構成される。チャンバ32は円弧壁34を含み、ホース60の一部は、円弧壁34の内面に密着する。円弧壁34の内面は、円筒面の一部である。この内面の中心は、ロータ40の中心と一致する。
【0023】
減速機構14は、支持軸16及び出力歯車18(図3参照)を含む。出力歯車18には、連結部材70が固定連結される。支持軸16が、出力歯車18及び連結部材70を貫通して延在することによって、出力歯車18及び連結部材70は、支持軸16を中心として回転することができる。連結部材70がチャンバ32に受け入れられ、ロータ40が連結部材70に着脱可能に連結されることによって、連結部材70を介して出力歯車18と共に回転するように、ロータ40を固定することができる。出力歯車18は、チャンバ32の底板33の、ロータ40から離れた側で遮蔽され、すなわち、出力歯車18は、チャンバ32の外側に設けられ、これにより、出力歯車18が保護され、ユーザが出力歯車18で怪我をするのを防ぐようになっている。
【0024】
図3及び図4を参照すると、連結部材70は、ロータ40とラッチ係合する複数のラッチつめ72を含む。各ラッチつめ72には、その末端部に、突刺74が設けられている。ロータ40は、複数のロック部材42を含み、各ロック部材42は、突刺74とラッチ係合するためのラッチ切欠き44を形成する。ロータ40は、更に、本体46を含む。本体46は、本体46の軸方向に延在する、ラッチつめ72を挿入するための溝462(図6)を形成する。本体46は、ロック部材42に対応する部分に、案内溝48を形成する。ロック部材42は、案内溝48内で摺動可能である。ロック部材42と本体46との間に、ばね49などの弾性部材が弾性圧縮状態で設けられる。ばね49は、連結部材70の突刺74がロック部材42のラッチ切欠き44とラッチ係合することができる位置に、ロック部材42を留まらせる。
【0025】
具体的には、ロック部材42は、2つのラッチ切欠き44を形成し、ばね49に隣接する各ラッチ切欠き44の端部の底部には、ラッチ切欠き44の側壁からラッチ切欠き44に向かって延在するブロックプレート45が設けられる。外力を印加すると、ロック部材42が、ばね49の力に抗して移動し、本体46に対して内方に摺動することにより、ラッチ切欠き44内のブロックプレート45が突刺74から遠ざかるように移動することができるので、ラッチつめがラッチ切欠き44に入ることができる。一旦突刺74がブロックプレート45から離れると、ばねは、ラッチ部材をロック位置に戻し、ここで、ラッチつめはブロックプレートと突刺との間で接触する。ばね49の付勢状態では、ロック部材42が元の位置に戻り、連結部材70の突刺74がラッチ切欠き44のブロックプレート45に抗することによって、連結部材70がロータ40に固定されて、ロータ40は連結部材70と一緒に回転することができる。図示の実施形態では、ばね49は、本体46の中央部とロック部材42の内端部との間に位置する。ばね49は、ロック部材42を外方に押す。連結部材70の突刺74はラッチ切欠き44の内側壁に抗し、すなわち、突刺74は本体46の中心に最も近い側壁に接触し、ばね49の付勢状態のロック部材42が過度に外方に摺動し、ロータ本体から外れるのを防ぐ。ばねの付勢に抗してラッチ部材を押し下げると、ラッチつめが解除され、ロータと連結部材との連結を解除することができる。
【0026】
好ましくは、連結部材70は2つのラッチつめ72を含み、各ラッチつめ72には、その端部に、1対の突刺74は設けられる。各ロック部材42は、1対のラッチ切欠き44を形成し、突刺74の各対は、対応するラッチ切欠き44内に位置する。このような配置によって、連結部材70とロータ40との連結を強化することができる。
【0027】
連結部材70は、更に、連結部76を含む。好ましくは、連結部76の形状は環状であり、その中心に貫通穴が形成されている。駆動部10の出力歯車18は、ラッチつめ72から離れた連結部76の端部に固定して組み付けられる。支持軸16は、出力歯車18及び連結部76を貫通して延在することによって、出力歯車18及び連結部材70を回転可能に支持する。
【0028】
連結部材70には、少なくとも1つの段部が設けられて、チャンバ32内のロータ40の軸部を位置決めする。本実施形態では、ラッチつめ72に隣接する連結部材70の連結部76の端部には、その中心に、突出段部78が設けられる。ラッチつめ72にも、突刺74に隣接する位置に、段部78が設けられ、段部78は、ロータ40の本体46に当接する(図6参照)。突刺74と段部78との係合によって、連結部材70に対するロータ40の軸方向の位置を規定することができる。
【0029】
図5を参照すると、ロータ40は、更に、本体46に対して相対的に摺動可能な複数の摺動ブロック50と、摺動ブロック50の末端部に組み付けられ、摺動ブロック50に対して相対的に回転可能な複数のロールポスト又はローラ52と、本体46の中央部と摺動ブロック50の内端部との間に位置するばね54とを含む。ばね54が摺動ブロック50を外方に押圧することにより、ローラ52はホース60を絞ることができる。具体的には、本体46は、摺動ブロック50を受け入れる受入空間を形成し、摺動ブロック50は、この受入空間内で摺動することができる。摺動ブロック50には肩部56が設けられ、本体46は、摺動ブロック50の肩部56に対応する円弧位置決め面464を形成する。肩部56は、位置決め面464に接触するように構成される当接面564を形成し、当接面564は、本体46の位置決め面464の形状に対応する形状を有する。位置決め面464は、摺動ブロック50の肩部56と係合して、摺動ブロック50の最大移動距離を制限することによって、ローラ52の最遠位置を制御する。好ましくは、本体46の複数の円弧位置決め面464は、ロータの軸上に中心を有する同軸円上に位置する。同軸円の中心は、支持軸16の軸、すなわち、ロータ40の中心上にある。これにより、複数の摺動ブロック50の同心性を保つこと、すなわち、複数の摺動ブロック50のローラ52の最遠端縁とロータ40の中心との間の距離を均一に保つことが容易になり、これによって、ホースに対するそれぞれ異なる摺動ブロック50のローラ52の絞り力を等しく維持し、一定の媒質の流れが得られる。
【0030】
図2を参照すると、ホース60は、実質的にU字状に配置され、チャンバ32の側部の内側に組み付けられる。作動時、駆動部10の出力歯車18は、連結部材70を介して回転するようにロータ40を駆動し、ロータ40のローラ52は、ホース60の延在方向に沿ってホース60を絞ることによって、ホース60内の媒質を押して、ホースに沿ってロータ40の回転方向に移動させる。
【0031】
ロータ40は、更に、カバープレート47を含む。カバープレート47は、ねじなどの固定部材を介して、本体46に固定される。カバープレート47の本体46から離れた側には、ハンドル472が設けられ、駆動部10が作動を停止すると、ユーザは、ハンドル472を用いて、ロータ40を回すことができる。
【0032】
ポンプ本体30は、更に、チャンバ32を覆うように構成されるカバー36を含む。カバー36は、ヒンジ連結によって、チャンバ32に連結される。
【0033】
好ましくは、カバー36とチャンバ32との間に、電磁ロックが設けられる。カバー36及びチャンバ32の一方に永久磁石362が固定され、他方にホールセンサなどのセンサ322が組み付けられる。カバー36が閉状態のとき、センサ322は、カバー36の閉状態を示す信号を発生する。カバー36が開状態のとき、センサ322は、カバー36の開状態を示す別の信号を発生する。
【0034】
本発明の医用ペリスタポンプは、特に、血液ポンプとして用いるのに適している。血液ポンプとして働く場合、出力歯車18の回転速度は、好ましくは、80〜120回転/分(RPM)である。
【0035】
本出願の説明及び請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「含む(contain)」及び「有する(have)」、並びにその変形形態は、説明する要素又は特徴の存在を規定するために包括的な意味で使用され、追加の要素又は特徴の存在を排除するものではない。
【0036】
明確にするために別個の実施形態に関連して説明されている本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供してもよいものと理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態に関連して説明されている本発明の種々の特徴を、個別に又はそれらを適当に組み合わせて提供してもよい。
【0037】
上記の実施形態は単なる例示であり、請求項に定義する本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0038】
例えば、ロック部材及び連結部材は、異なる着脱可能な連結方法で連結することができる。ラッチフックとラッチ切欠きとの係合を採用する場合、ラッチフック及びラッチ切欠きの位置は、特に上記で説明したいずれの位置にも限定されるものではない。ラッチフックは、ロック部材及び連結部材の一方に位置することができ、ラッチ切欠きは、他方に位置することができる。ラッチフックとラッチクリップとの係合を採用することもできる。これらは全て、本発明の範囲内である。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項を参照して特定されるものである。
【符号の説明】
【0039】
10 駆動部
12 電気モータ
14 減速機構
16 支持軸
18 出力歯車
30 ポンプ本体
32 チャンバ
33 底板
34 円弧壁
36 カバー
40 ロータ
42 ロック部材
44 ラッチ切欠き
45 ブロックプレート
46 本体
47 カバープレート
48 案内溝
49 ばね
50 摺動ブロック
52 ローラ
54 ばね
56 肩部
60 ホース
70 連結部材
72 ラッチつめ
74 突刺
76 連結部
78 段部
322 センサ
362 永久磁石
462 溝
464 位置決め面
472 ハンドル
564 当接面
図1
図2
図3
図4
図5
図6