特許第6616165号(P6616165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616165
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/388 20060101AFI20191125BHJP
   E06B 9/262 20060101ALI20191125BHJP
   E06B 9/384 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   E06B9/388
   E06B9/262
   E06B9/384
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-224184(P2015-224184)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2017-89332(P2017-89332A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山岸 万人
(72)【発明者】
【氏名】裸野 善行
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−53498(JP,U)
【文献】 米国特許第5386867(US,A)
【文献】 実開昭63−200099(JP,U)
【文献】 特開昭52−90150(JP,A)
【文献】 実開平4−127396(JP,U)
【文献】 特開平5−18170(JP,A)
【文献】 米国特許第6119757(US,A)
【文献】 中国実用新案第2587298(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスと、
ボトムレールと、
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第1支持端を有し、前記ボトムレールにおける長手方向の両端部を支持する2つの第1昇降部材と、
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第2支持端を有し、前記2つの第1昇降部材の間で前記ボトムレールを支持する1つ以上の第2昇降部材と、
前記ボトムレールの上昇に伴い前記ボトムレールに積み上がる遮蔽材とを備え、
前記ボトムレールの前縁部と後縁部との間の中央を通り、かつ、前記長手方向に延びる直線が中心線であり、
前記第1支持端と前記第2支持端との中で、一方の支持端は前記前縁部と前記後縁部の中でいずれか一方の縁部に位置し、他方の支持端は前記中心線よりも他方の縁部に偏っている
日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記遮蔽材は、前記長手方向の両端部において、遮蔽材前縁部と遮蔽材後縁部との間の中央部に位置する貫通孔を備え、
前記遮蔽材前縁部は、前記前縁部と同じ側に位置し、前記遮蔽材後縁部は、前記後縁部と同じ側に位置し、
前記第1昇降部材は、前記貫通孔に挿通され、
前記第2昇降部材は、前記遮蔽材前縁部と前記遮蔽材後縁部の中のいずれか一方の縁部に位置する
請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記第1昇降部材は、前記ボトムレールにおける前記中心線よりも前記他方の縁部側に偏った位置に向け、鉛直方向に対して斜めに延びている
請求項2に記載の日射遮蔽装置。
【請求項4】
前記第2昇降部材は、前記遮蔽材における前記長手方向の中央部に位置する
請求項2または3に記載の日射遮蔽装置。
【請求項5】
前記第1支持端は、前記貫通孔の前記遮蔽材の前後方向における長さの範囲内であって、前記中心線よりも前記他方の縁部側に偏った位置に位置している
請求項3または4に記載の日射遮蔽装置。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記日射遮蔽装置の取付対象において、日射が透光する透光領域の外側に位置する
請求項2ないし5のうち何れか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項7】
前記第1昇降部材と前記第2昇降部材とを操作する操作部をさらに備え、
前記操作部は、前記遮蔽材における前記長手方向において、前記貫通孔より中央部側に位置している
請求項2ないし6のうち何れか1項に記載の日射遮蔽装置。
【請求項8】
前記ボトムレールの重心は、2つの前記第1支持端と前記ボトムレールの前記長手方向の中央に位置する第2支持端とを直線で結ぶ三角形の重心と一致している
請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項9】
ヘッドボックスと、
ボトムレールと、
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第1支持端を有し、前記ボトムレールにおける長手方向の両端部を支持する2つの第1昇降部材と、
前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第2支持端を有し、前記2つの第1昇降部材の間で前記ボトムレールを支持する1つ以上の第2昇降部材と、
前記ボトムレールの上昇に伴い前記ボトムレールに積み上がる遮蔽材とを備え、
前記ボトムレールの前縁部と後縁部との間の中央を通り、かつ、前記長手方向に延びる直線が中心線であり、
前記第1支持端と前記第2支持端との中で、一方の支持端は前記中心線より前記前縁部に偏って位置し、他方の支持端は前記中心線より前記後縁部に偏って位置している
日射遮蔽装置。
【請求項10】
前記遮蔽材は、前記長手方向の両端部において、遮蔽材前縁部と遮蔽材後縁部との間の中央部に位置する貫通孔を備え、
前記遮蔽材前縁部は、前記前縁部と同じ側に位置し、前記遮蔽材後縁部は、前記後縁部と同じ側に位置し、
前記第1昇降部材は、前記貫通孔に挿通される
請求項9に記載の日射遮蔽装置。
【請求項11】
前記第1昇降部材は、前記ボトムレールにおける前記中心線よりも前記前縁部または前記後縁部に偏った位置に向け、鉛直方向に対して斜めに延びている
請求項10に記載の日射遮蔽装置。
【請求項12】
前記第1支持端は、前記貫通孔の前記遮蔽材の前後方向における長さの範囲内であって、前記中心線よりも前記前縁部または前記後縁部に偏った位置に位置している
請求項11に記載の日射遮蔽装置。
【請求項13】
前記ボトムレールの重心は、2つの前記第1支持端と前記ボトムレールの前記長手方向の中央に位置する第2支持端とを直線で結ぶ三角形の重心と一致している
請求項10に記載の日射遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽材を備える日射遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日射遮蔽装置の1つである横型ブラインドは、ラダーコードに支持される複数枚のスラットと、複数枚のスラットを昇降させるための複数の昇降コードとを備えている。複数の昇降コードは、例えば、遮蔽材としてのスラットの長手方向において、スラットの中央部と、スラットの両端部とに配置されている。これら昇降コードおよびラダーコードは、最下段のスラットの下に位置するボトムレールを支持している。そして、スラットおよびボトムレールの上昇時において、スラットは、ラダーコードの操作によって一斉に回動し、昇降コードの操作によってボトムレールに積み上がりながら上昇する(特許文献1参照)。特許文献1の横型ブラインドは、スラットの長手方向に延びるスラットの側縁部よりもその外側に、昇降コードを昇降方向に沿って延在させ、この昇降コードが、スラットの長手方向に延びるボトムレールの側縁部を支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−1600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような横型ブラインド、特に製品幅の大きい横型ブラインドでは、スラットを昇降させるとき、ボトムレールに積み上がったスラットは不安定のため、ボトムレールの前後方向に対し傾いてしまう。このため、ボトムレールに積み上がった各スラットの位置は、ボトムレールの傾いた方向に徐々にずれ、ボトムレール上からこぼれるように、部屋内側又は部屋外側の何れかの方向に膨らんでしまう。これに伴い、複数枚のスラットが部屋内側又は部屋外側の何れかの方向に膨らんだときには、ユーザから目に付く部屋内側の面の意匠が悪くなってしまう。
【0005】
遮蔽材としてプリーツ生地を用いたプリーツスクリーンにあっても、ボトムレールの前後方向に対して傾いた場合には、ボトムレール上に折り畳まれるプリーツ生地がボトムレールの傾いた方向に徐々にずれてしまうという課題が存在する。さらに、その他のボトムレールに遮蔽材が積み上がる日射遮蔽装置についても、同様な課題が存在する。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遮蔽材の位置がボトムレール上からずれることを抑えることを可能とした日射遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための日射遮蔽装置は、ヘッドボックスと、ボトムレールと、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第1支持端を有し、前記ボトムレールにおける前記長手方向の両端部を支持する2つの第1昇降部材と、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第2支持端を有し、前記2つの第1昇降部材の間で前記ボトムレールを支持する1つ以上の第2昇降部材と、前記ボトムレールの上昇に伴い前記ボトムレールに積み上がる遮蔽材とを備える。前記ボトムレールの前縁部と後縁部との間の中央を通り、かつ、前記長手方向に延びる直線が中心線であり、前記第1支持端と前記第2支持端との中で、一方の支持端は前記前縁部と前記後縁部の中でいずれか一方の縁部に位置し、他方の支持端は前記中心線よりも他方の縁部に偏っている。
【0008】
上記日射遮蔽装置において、前記遮蔽材は、前記長手方向の両端部において、遮蔽材前縁部と遮蔽材後縁部との間の中央部に位置する貫通孔を備え、前記遮蔽材前縁部は、前記前縁部と同じ側に位置し、前記遮蔽材後縁部は、前記後縁部と同じ側に位置し、前記第1昇降部材は、前記貫通孔に挿通され、前記第2昇降部材は、前記遮蔽材前縁部と前記遮蔽材後縁部の中のいずれか一方の縁部に位置するようにしてもよい。
【0009】
上記日射遮蔽装置において、前記第1昇降部材は、前記ボトムレールにおける前記中心線よりも前記他方の縁部側に偏った位置に向け、鉛直方向に対して斜めに延びるように構成してもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記第2昇降部材は、前記遮蔽材における前記長手方向の中央部に位置するようにしてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記第1支持端は、前記貫通孔の前記遮蔽材の前後方向における長さの範囲内であって、前記中心線よりも前記他方の縁部側に偏った位置に位置する構成としてもよい。
【0010】
上記日射遮蔽装置において、前記貫通孔は、前記日射遮蔽装置の取付対象において、日射が透光する透光領域の外側に位置するようにしてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記第1昇降部材と前記第2昇降部材とを操作する操作部をさらに備え、前記操作部は、前記遮蔽材における前記長手方向において、前記貫通孔より中央部側に位置しているようにしてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記ボトムレールの重心は、2つの前記第1支持端と前記ボトムレールの前記長手方向の中央に位置する第2支持端とを直線で結ぶ三角形の重心と一致する構成としてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するための日射遮蔽装置は、ヘッドボックスと、ボトムレールと、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第1支持端を有し、前記ボトムレールにおける長手方向の両端部を支持する2つの第1昇降部材と、前記ヘッドボックスから吊り下げられ、かつ、前記ボトムレールに接続される第2支持端を有し、前記2つの第1昇降部材の間で前記ボトムレールを支持する1つ以上の第2昇降部材と、前記ボトムレールの上昇に伴い前記ボトムレールに積み上がる遮蔽材とを備える。前記ボトムレールの前縁部と後縁部との間の中央を通り、かつ、前記長手方向に延びる直線が中心線であり、前記第1支持端と前記第2支持端との中で、一方の支持端は前記中心線より前記前縁部に偏って位置し、他方の支持端は前記中心線より前記後縁部に偏って位置している。
【0012】
上記日射遮蔽装置において、前記遮蔽材は、前記長手方向の両端部において、遮蔽材前縁部と遮蔽材後縁部との間の中央部に位置する貫通孔を備え、前記遮蔽材前縁部は、前記前縁部と同じ側に位置し、前記遮蔽材後縁部は、前記後縁部と同じ側に位置し、前記第1昇降部材は、前記貫通孔に挿通される構成としてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記第1昇降部材は、前記遮蔽材における前記中央部から、前記ボトムレールにおける前記中心線よりも前記前縁部または前記後縁部に偏った位置に向け、鉛直方向に対して斜めに延びる構成としてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記第1支持端は、前記貫通孔の前記遮蔽材の前後方向における長さの範囲内であって、前記中心線よりも前記前縁部または前記後縁部に偏った位置に位置する構成としてもよい。
上記日射遮蔽装置において、前記ボトムレールの重心は、2つの前記第1支持端と前記ボトムレールの前記長手方向の中央に位置する第2支持端とを直線で結ぶ三角形の重心と一致する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遮蔽材の位置がボトムレール上からずれることを抑える日射遮蔽装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態における横型ブラインドの正面図。
図2】一実施形態における横型ブラインドの側面図。
図3】(a)は、一実施形態における横型ブラインドに用いられるボトムレールの平面図、(b)は、一実施形態における横型ブラインドに用いられる最下段のスラットの平面図。
図4】一実施形態における横型ブラインドに用いられるヘッドボックスの内部構造を示す平面図。
図5】(a)は、一実施形態における横型ブラインドの長手方向の中央部における第2昇降コードとラダーコードを示した側面図、(b)は、一実施形態における横型ブラインドの長手方向の両端部における第1昇降コードとラダーコードを示した側面図。
図6】一実施形態における横型ブラインドと窓枠との関係を示す正面図。
図7】一実施形態における横型ブラインドにおいて、ボトムレールにスラットが積み上がった状態を示す側面図。
図8】スラットに第2昇降コードが係合する切欠部を設けた変形例を示す平面図。
図9】第1昇降コードと第2昇降コードの配置を図3の配置と逆にした変形例であり、(a)は、ボトムレールの平面図、(b)は、最下段のスラットの平面図。
図10】(a)は、ヘッドボックスの底面の前後方向の中央部から順次ボトムレールの中心線よりも第2側縁部の方向に偏った位置の方向に斜めに延びる第1昇降コードを有した横型ブラインドの変形例を示す側面図、(b)は、スラットに形成される貫通孔を切欠部で構成した変形例を示す要部平面図、(c)は、貫通孔を矩形形状を有する開口部で構成した変形例を示す要部平面図。
図11】昇降テープの引き出し位置を案内するテープ案内部材の取付構造を示す斜視図。
図12】一実施形態におけるプリーツスクリーンの正面図。
図13】(a)は、一実施形態におけるプリーツスクリーンの長手方向の中央部における第2昇降コードとボトムレールを示した側面図、(b)は、一実施形態におけるプリーツスクリーンの長手方向の両端部における第1昇降コードとボトムレールを示した側面図。
図14】(a)は、第1昇降コードと第2昇降コードの支持端がボトムレールのスラットと対向する面において、中心線を挟んだ位置に支持された例の平面図、(b)は、スラットの平面図。
図15】第1昇降コードと貫通孔との位置関係を示した側面図。
図16図3(a)の変形例であって、第1昇降コードの2つの第1支持端と第2昇降コードの第2支持端とを結ぶ三角形の重心をボトムレールの重心に一致させた状態を示すボトムレールの平面図。
図17図14(a)の変形例であって、第1昇降コードの2つの第1支持端と第2昇降コードの第2支持端とを結ぶ三角形の重心をボトムレールの重心に一致させた状態を示すボトムレールの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、一実施形態における横型ブラインドについて図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、日射遮蔽装置の1つである横型ブラインド10は、天井、窓枠、カーテンボックス等の取付部に取り付けられるヘッドボックス11と、日射を遮蔽する遮蔽材としての複数のスラット12とを備えている。また、横型ブラインド10は、複数のスラット12をチルト調整可能に支持する3本のラダーコード13と、最下段の前記スラット12の下側に位置するボトムレール14と、一端部がボトムレール14に支持される第1昇降コード15aと第2昇降コード15bとを備えている。そして、スラット12の長手方向の両端部のそれぞれに、第1昇降コード15aとラダーコード13とが配置され、スラット12の長手方向の中央部に、第2昇降コード15bとラダーコード13が配置されている。
【0016】
スラット12は、合成樹脂板、ステンレス等の金属板等により形成され、細長い矩形薄板状に形成され、上面部が円弧状面を有している。なお、スラット12は、木板で形成してもよい。複数枚のスラット12は、横型ブラインド10の高さ方向である昇降方向に沿ってスラット12が並び、ヘッドボックス11から吊り下げられたラダーコード13によってチルト調整可能に支持されている。最下段のスラット12の下側には、スラット12とほぼ同じ長さを有するボトムレール14が配設されている。
【0017】
ボトムレール14は、複数枚のスラット12が降下した状態を維持する際に重量部材として機能し、SECC等の金属材料で形成されている。ボトムレール14は、ほぼスラット12とほぼ同じ長手方向の長さと短手方向の幅とを有し、ボトムレール14が引き上げられるときには、複数枚のスラット12がボトムレール14の上に積み上げられる。図3(a)に示すように、ラダーコード13の下端13eは、ボトムレール14の長手方向の両端部および中央部であって、短手方向である前後方向の相対する両側縁部14a,14bに当接されている。また、ボトムレール14は、長手方向の中央部であって前後方向の一方の第1側縁部14aにおいて、ヘッドボックス11から引き出された第2昇降部材の一例である第2昇降コード15bの第2支持端15dが当接されている。具体的に、第2支持端15dは、ボトムレール14の下面から引き出されボトムレール14の前縁部としての第1側縁部14aに引き回されて第1側縁部14aに当接されている。
【0018】
また、ボトムレール14は、長手方向の両端部において、ボトムレール14の前後方向の中央を通り、かつ、ボトムレール14の長手方向に延びる直線が中心線20より前後方向の他方の第2側縁部14bに偏った位置に、第1昇降部材の一例である第1昇降コード15aの第1支持端15cを支持している。具体的に、第1支持端15cは、ボトムレール14の最下段のスラット12と対向する面において中心線20より後縁部としての第2側縁部14bに偏った位置から引き出されている。これにより、ボトムレール14は、中心線20を挟んだ位置を支持点として、第1昇降コード15aと第2昇降コード15bとによってヘッドボックス11から吊り下げられている。
【0019】
図3(b)に示すように、スラット群を構成する複数のスラット12の各々において、スラット12の長手方向の両端部のそれぞれには、前後方向の中央部に、長辺を前後方向とした矩形形状の貫通孔22が配置され、貫通孔22の各々には、第1昇降コード15aが挿通されている。各貫通孔22の配置される位置は、極力両端部に寄せられており、各貫通孔22から長手方向の各先端までの長さは、ラダーコード13に支持された際に各貫通孔22より長手方向の各先端までの部分が自重により撓まない程度とされる。また、スラット12の長手方向における中央部には、ボトムレール14の第1側縁部14aと同じ前縁部の第1スラット側縁部に第2昇降コード15bが配置される。そして、スラット12には、第2昇降コード15bの挿通に必要な貫通孔は形成されていない。スラット12の長手方向における中央部においては、上述した貫通孔が形成されていないことで、高い遮光性が確保されている。なお、スラット12は、ボトムレール14の第1側縁部14aと同じ前縁部を第1スラット側縁部といい、第2側縁部14bと同じ後縁部を第2スラット側縁部という。
【0020】
図4に示すように、横型ブラインド10は、スラット12の開閉やボトムレール14の昇降を手動で行うものであり、ヘッドボックス11の内部では、3本の昇降コード15a,15bが案内部材によってヘッドボックス11の長手方向の一方の端部に集約されている。具体的に、図4中左側の第1昇降コード15aは、案内部材17aによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を図4中左側の端部から右側の端部に向かって延在されている。また、図4中右側の第1昇降コード15aは、案内部材17bによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を図4中右側の端部から長手方向の中央部の方向に向かって延在されている。ヘッドボックス11の長手方向の中央部に位置する第2昇降コード15bは、案内部材17cによって、ヘッドボックス11外からヘッドボックス11内に案内され、ヘッドボックス11内を長手方向の中央部から右側に延在されている。
【0021】
ボトムレール14を昇降させる操作部となる1本のチルトポール18aおよびチルトポール18aの先端部に備えられたイコライザ18は、スラット12の貫通孔22より長手方向の中央部側となる内側に位置している。このため、図4中右側の第1昇降コード15aは、ヘッドボックス11の図4中右側の端部から左側に向かって延在された後、案内部材17dによって、ヘッドボックス11の右側に折り返される。そして、2本の第1昇降コード15aと2本の第2昇降コード15bは、集約された状態で、スラット12およびボトムレール14の自重による落下を阻止するストッパ19に導かれる。ストッパ19は、3本の昇降コード15a,15bの操作により昇降コード15a,15bの移動を阻止する状態と移動を許容させる状態とに切り替わる。そして、ストッパ19で集約された3本の昇降コード15a,15bは、案内部材17eからヘッドボックス11外へ導出され、イコライザ18によって結束される。イコライザ18は、下側に引くとボトムレール14およびスラット12を上昇させることができ、止めることで、ボトムレール14およびスラット12の上昇を途中で止めることができる。上昇の際には、ボトムレール14が上昇し、ボトムレール14の上昇に伴い、複数枚のスラット12がボトムレール14に近い位置から順に、ボトムレール14の上に積み重ねられる。また、スラット12を降下させる場合は、イコライザ18を下側に少し引き、緩め、途中で止める場合は、再びイコライザ18を引くことで、ボトムレールの降下を停止させることができる。降下の際には、ボトムレール14が降下し、ボトムレール14の降下に伴い、複数枚のスラット12の各々もあわせて降下する。また、チルトポール18aを左右に回転させることでスラット12を回動させ、全閉状態と全開状態を切り替えることができる。
【0022】
第1昇降コード15aおよび第2昇降コード15bは、断面が円形形状の丸紐などの紐状部材であり、同じ太さで同じ強度ものが用いられ伸び率が同じものが用いられている。ここで、図5(a)は、長手方向の中央部におけるラダーコード13と第2昇降コード15bの状態を示している。スラット12の長手方向の中央部に位置する第2昇降コード15bは、ボトムレール14の中央部を昇降する昇降要素となる。第2昇降コード15bは、ヘッドボックス11の最上段のスラット12と対向する底面から真っ直ぐな状態で、スラット12の第1スラット側縁部に沿って昇降方向に垂下し、第2支持端15dがボトムレールの第1側縁部14aに当接されている。なお、一方の第1側縁部14aは、ボトムレール14の部屋内側である。
【0023】
図5(b)は、長手方向の両端部におけるラダーコード13と第1昇降コード15aの状態を示している。スラット12の長手方向の両端部に1本ずつ配置される2本の第1昇降コード15aは、ボトムレール14の長手方向の両端部を昇降する昇降要素である。2本の第1昇降コード15aのそれぞれは、ほぼヘッドボックス11の底面の前後方向の中央部から真っ直ぐな状態で垂下され、スラット12の貫通孔22に挿通される。そして、第1支持端15cがボトムレールの中心線20よりも他方の第2側縁部14bに偏った位置に支持されている。そして、第1昇降コード15aは、最下段のスラット12からボトムレール14との間において、スラット12における前後方向の中央部の貫通孔22の位置からボトムレール14の中心線20よりも第2側縁部14bの方向に偏った位置の方向に鉛直方向に対して斜めに延びる。
このように、2本の第1昇降コード15aと1本の第2昇降コード15bとは、ボトムレール14を、中心線20を挟んで両側から吊り上げることで、ボトムレール14を部屋外側に傾くことを抑えながら、昇降できる。
【0024】
ラダーコード13は、横型ブラインド10の高さ方向に延びる一対の縦糸13aと、縦糸13a間に亘って設けられる横糸13bとを備えている。横糸13bは、各スラット12を下側から支持する。なお、横糸13bは、上横糸と下横糸とで環状とし、上横糸と下横糸との間にスラット12を通して、スラット12を支持してもよい。スラット12の長手方向の両端部に位置するラダーコード13からスラット12の長手方向の先端までの突き出しの長さは、スラット12が自重で撓まない程度とされる。
【0025】
スラット12の両端部に位置する2本の第1昇降コード15aは、スラット12の両端部に位置するラダーコード13の横糸13bに編み込まれている。具体的に、第1昇降コード15aは、所定の横糸13bに対して当該横糸13bの内側(スラット12の長手方向の中央部側)に位置し、異なる所定の横糸13bに対しては外側(スラット12の長手方向端部側)に位置するように編み込まれている。すなわち、第1昇降コード15aは、横糸13bに対して内から外へ、次いで、外から内へと交互にラダーコード13に編み込まれる。スラット12の長手方向の両端部に位置するラダーコード13は、スラット12の端部の近傍に位置しているため、横糸13bがスラット12から外れてしまうおそれがある。そこで、2本の第1昇降コード15aは、ラダーコード13に編み込まれることで、貫通孔22に挿通されたスラット12の端部が横糸13bから外れないようにしている。
【0026】
3本のラダーコード13の中でも第2昇降コード15bに沿うラダーコード13の縦糸13aは、第2昇降コード15bが挿通されるピコ13cを備えている。ピコ13cは、ラダーコード13が編み紐であるときに、縦糸13aから糸を引き出して構成した環状体である。ピコ13cは、部屋内側に位置する縦糸13aに設けられ、部屋内側に位置する第2昇降コード15bが挿通される。また、第2昇降コード15bに対応した縦糸13aのヘッドボックス11に最も近い位置のピコ13cには、樹脂製の環状部材13dが取り付けられている。環状部材13dは、ピコ13cより物理的強度が高く、繰り返し第2昇降コード15bが移動しても、摩擦によって破損しない強度を有している。なお、ピコ13cは、縦糸13aと横糸13bとの結び目の位置に糸で構成した環状部として説明したが、樹脂成型された環状体を縦糸13aに一体的に設けて構成してもよい。
【0027】
ボトムレール14には、3本のラダーコード13が垂下される位置にホルダ16が取り付けられている。ホルダ16は、ラダーコード13の縦糸13aの下端13eのボトムレール14からの引き出し位置を規制する。具体的に、ボトムレール14の長手方向の両端部と中央部に取り付けられるホルダ16は、縦糸13aがボトムレール14の前後方向の第1側縁部14aおよび第2側縁部14bから引き出されるように下端13eを固定する。また、ボトムレール14の長手方向の中央部に位置するホルダ16は、第2昇降コード15bがボトムレール14の一方の第1側縁部14aに位置するように第2支持端15dの引き出し位置を規制する。
【0028】
次に、以上のように構成された横型ブラインド10の作用について説明する。図6に示すように、横型ブラインド10は、取付対象となる窓枠30に取り付けられ、窓枠30内の透光領域33の日射を遮光する。具体的に、横型ブラインド10は、窓枠30を覆って、または、窓枠30を隠すように取り付けられる。この場合、ヘッドボックス11は、部屋内側の窓枠30の上部に設けられたカーテンボックス31に天井付けで取り付けられる。横型ブラインド10の横方向の幅W1は、窓枠30の縦枠30a,30a間の間隔W2より長く設定される。高さ方向のヘッドボックス11の下端からボトムレール14までの長さH1についても、窓枠30の下側の横枠30bより下側にボトムレール14が位置するように、上下の横枠30b,30bの間隔H2より長く設定される。これにより、横型ブラインド10は、窓枠30の透光領域33の全体を覆うようにする。
【0029】
この場合、第1昇降コード15aや貫通孔22は、ボトムレール14が降下された状態において、窓枠30の縦枠30a,30aに沿った位置又は縦枠30a,30aの外側に位置する。したがって、スラット12の全閉状態において、貫通孔22からの漏光がなくなり、遮光性を高くすることができる。仮に、窓枠30の大きさとの関係で、貫通孔22が窓枠30の内側に位置してしまう場合であっても、貫通孔22が縦枠30a,30aに近接して位置する場合には、縦枠30a,30aの影になって、透過する光量を少なくなる。
【0030】
スラット12およびボトムレール14を上昇させるときには、イコライザ18を下に引くと、ボトムレール14が複数枚のスラット12がボトムレール14に近い位置から順にボトムレール14の上に積み重なるようにして上昇する。また、スラット12およびボトムレール14を降下させるときには、イコライザ18を下に少し引き緩めると、ボトムレール14が降下し、ボトムレール14の降下に伴い、複数枚のスラット12の各々も合わせて降下する。
【0031】
以上のような横型ブラインド10は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)図7に示すように、横型ブラインド10は、ボトムレール14の中心線20を挟んだ第1側縁部14a側を1本の第2昇降コード15bで吊り上げ、第2側縁部14b側を2本の第1昇降コード15aで吊り上げるようにしている。したがって、昇降時において、ボトムレール14の前後方向のバランスが良くなり、ボトムレール14が部屋外側に傾いてしまうことを抑制することができる。
【0032】
(2)したがって、ボトムレール14が昇降する際に、ボトムレール14上に積み上がるラダーコード13で支持された複数枚のスラット12も、ボトムレール14の上にこぼれるように積み上がることを抑えることができる。
(3)スラット12の長手方向の両端部の貫通孔22は、カーテンボックス31に設置されたときに、窓枠30の外側に位置する。したがって、貫通孔22から部屋内側への漏光を抑制できる。
【0033】
なお、以上のような横型ブラインド10は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
〔スラットの変形例〕
図8に示すように、スラット12の第1スラット側縁部が、それの長手方向の中央部に凹部である切欠部12aを備え、この切欠部12aが、第2昇降コード15bとの係合によって第2昇降コード15bを案内してもよい。
・この場合、ラダーコード13の縦糸13aは、ピコ13cや環状部材13dを割愛してもよい。
・また、スラット12には、切欠部12aを配置した位置に、スラットとは別部材となる第2昇降コード15bの案内部材を取り付けるようにしてもよい。
【0034】
〔昇降部材の配置の変形例〕
・第1昇降コード15aの第1支持端15cがボトムレール14の中心線20よりも第1側縁部14aの方向に偏った位置を支持し、第2昇降コード15bの第2支持端15dが第2側縁部14bに当接してもよい。
【0035】
図9(a)および(b)に示すように、前後方向において、第1昇降コード15aの位置と第2昇降コード15bの位置とは、上述の例から相互に替わってもよい。この場合、図9(a)に示すように、スラット12の長手方向の中央部に位置する第2昇降コード15bの第2支持端15dは、ボトムレール14の前後方向の中心線20より第2側縁部14bに偏った位置に支持されている。また、第1昇降コード15aのそれぞれの第1支持端15cは、ボトムレール14の長手方向の両端部において、第1側縁部14aに当接されている。
【0036】
図9(b)に示すように、スラット12の長手方向の中央部には、前後方向の中央部に貫通孔22が配置され、貫通孔22には、第2昇降コード15bが挿通される。したがって、第2昇降コード15bは、最下段のスラット12の貫通孔22の配置された前後方向の中央部からボトムレール14の中心線20よりも第2側縁部14bの方向に偏った位置に向けて鉛直方向に対し斜めに延びることになる。
このような構成によっても、2本の第1昇降コード15aと1本の第2昇降コード15bとは、ボトムレール14を、中心線20を挟んで両側から吊り上げることで、ボトムレール14を部屋内側や部屋外側に傾くことを抑えながら、昇降できる。
・なお、第1昇降コード15aの第1支持端15cが第2側縁部14bに当接され、かつ、第2昇降コード15bの第2支持端15dがボトムレール14の中心線20よりも第1側縁部14aの方向に偏った位置を支持するようにしてもよい。
【0037】
図10(a)に示すように、ボトムレール14およびスラット12において長手方向の両端部に配置される第1昇降コード15aは、ヘッドボックス11の底面の前後方向の中央部から下方に向けて、順次、ボトムレール14の中心線20よりも第2側縁部14b側に偏った位置に向けて、鉛直線に対し斜めに延びてもよい。図10(b)に示すように、この場合、スラット12の貫通孔22は、第2側縁部14bと前後方向の中央に対し同じ側に位置するスラット12の第2スラット側縁部に開口端を有する切欠部22aとして構成されてもよい。ヘッドボックス11に近い最上段のスラット12から最下段のスラット12に向かうに連れて、第1昇降コード15aの位置は、スラット12の前後方向の中央部から順次離れる。これに従って、切欠部22aも、最上段のスラット12から最下段のスラット12に向かうに連れて順次浅いものになってもよい。
【0038】
図10(c)に示すように、第1昇降コード15aを案内する機能部は、切欠部22aに限らず、第1昇降コード15aを通す貫通孔22であって、その位置が、最上段のスラット12から最下段のスラット12に向けて、中心線から順次離れるように構成されてもよい。
【0039】
〔昇降部材の支持端の支持構造〕
図11に示すように、昇降部材としての第1昇降コード15aや第2昇降コード15bは、テープ状部材であってもよい。そして、テープ状部材である昇降テープ26をボトムレール14の中心線20よりも何れの方向の側縁部に偏った位置から引き出すには、ボトムレール14のスラット12との対向面に取り付けられるテープ案内部材25を用いることができる。テープ案内部材25は、相対する端部に、ボトムレール14の側面部と係合する係合部25aが設けられており、相対する係合部25aの間の上面部には、昇降テープ26が引き出される案内孔25bが配置されている。案内孔25bは、ボトムレール14の前後方向を長辺とする矩形状の開口部であり、ボトムレール14の側縁部に近い短辺で昇降テープ26を案内する。これにより、昇降テープ26は、案内孔25bからボトムレール14の中心線20よりも何れの方向の側縁部に偏った位置から引き出される。昇降テープ26の引き出し位置は、案内孔25bの長辺の長さを変更し、短辺の位置をボトムレール14の前後方向に変えることによって調整することができる。
・なお、このようなテープ案内部材25を用いて紐状部材である昇降コードを案内するようにしてもよい。
・第1昇降コード15aと第2昇降コード15bの何れかを紐状部材とし、他方をテープ状部材としてもよい。
【0040】
〔プリーツスクリーン〕
図12、ならびに、図13(a)および(b)に示すように、本発明は、プリーツスクリーンにも適用可能である。プリーツスクリーン40は、ヘッドボックス41からスクリーン42が吊下支持され、スクリーン42の下端にボトムレール43が取着されている。スクリーン42は遮光性を備えた生地をジグザグ状に折り畳み可能とし、折り目部分の間にプリーツ42bを構成したものである。
【0041】
ボトムレール43は、第1昇降コード45aと第2昇降コード45bとによって吊り下げ支持されている。そして、スクリーン42の長手方向の両端部のそれぞれに、第1昇降コード45aが配置され、スクリーン42の長手方向の中央部に、第2昇降コード45bが配置されている。そして、スクリーン42は、ボトムレール43の上昇に伴いボトムレール43上に折り畳まれるようにして積み上がる。
【0042】
重量部材として機能するボトムレール43は、スクリーン42の各プリーツ42bとほぼ同じ長手方向の長さと短手方向の幅とを有する。ボトムレール43は、長手方向の中央部であって前後方向の一方の第1側縁部43aにおいて、ヘッドボックス11から引き出された第2昇降部材の一例である第2昇降コード45bの第2支持端45dが当接されている。また、ボトムレール43は、長手方向の両端部において、ボトムレール43の前後方向の中央を通り、かつ、ボトムレール14の長手方向に延びる直線が中心線46より前後方向の他方の第2側縁部43bに偏った位置に、第1昇降部材の一例である第1昇降コード45aの第1支持端45cを支持している。これにより、ボトムレール43は、中心線46を挟んだ位置を支持点として、第1昇降コード45aと第2昇降コード45bとによってヘッドボックス41から吊り下げられている。
【0043】
なお、プリーツスクリーン40は、第1昇降コード45aおよび第2昇降コード45bを巻回するドラムと接続された駆動軸にギヤボックス、プーリ等を介して接続された操作コード49によって昇降される。
【0044】
各プリーツ42bの長手方向の両端部のそれぞれには、前後方向の中央部に、貫通孔47が配置され、貫通孔47の各々には、第1昇降コード45aが挿通されている。各貫通孔47の配置される位置は、例えば極力両端部に寄せられている。プリーツ42bには、第2昇降コード45bの挿通に必要な貫通孔は形成されていない。
【0045】
ここで、図13(a)は、プリーツ42bの長手方向の中央部における第2昇降コード45bの状態を示している。プリーツ42bの長手方向の中央部に位置する第2昇降コード45bは、ボトムレール43の中央部を昇降する昇降要素となる。第2昇降コード45bは、ヘッドボックス41の最上段のプリーツ42bと対向する底面から真っ直ぐな状態で垂下し、第2支持端45dがボトムレール43の第1側縁部43aに支持される。
【0046】
また、スクリーン42を介した第2昇降コード45bの反対側には、プリーツ42bの間隔を保持する第2ピッチ保持コード48がヘッドボックス41から垂下されている。第2ピッチ保持コード48の支持端は、ボトムレール43の第2側縁部43bに支持される。第2ピッチ保持コード48は、環状の第2ピッチ保持部48aを備えている。第2ピッチ保持部48aは、例えば透明な糸で構成されており、プリーツ42bの折り目部分に構成された挿通孔48bに挿通されている。さらに、第2ピッチ保持部48aは、スクリーン42の反対側に延在した部分において、第2昇降コード45bが挿通される。これにより、第2ピッチ保持コード48と第2昇降コード45bとでスクリーン42を挟み込んで、スクリーン42が倒れないように前後に支えつつプリーツ42bの間隔を一定に保持する。なお、挿通孔48bは、スクリーン42の中央部に位置するため、なるべく透光しない微小孔で形成されている。
【0047】
また、図13(b)は、プリーツ42bの長手方向の両端部における第1昇降コード45aの状態を示している。プリーツ42bの長手方向の両端部に1本ずつ配置される2本の第1昇降コード45aは、ボトムレール43の長手方向の両端部を昇降する昇降要素である。2本の第1昇降コード45aのそれぞれは、ほぼヘッドボックス41の底面の短手方向である前後方向の中央部から真っ直ぐな状態で垂下され、プリーツ42bの貫通孔47に挿通される。そして、第1支持端45cがボトムレールの中心線46よりも他方の第2側縁部43bに偏った位置に支持される。そして、第1昇降コード45aは、最下段のプリーツ42bからボトムレール43との間において、貫通孔47の位置からボトムレール43の中心線46よりも第2側縁部43bの方向に偏った位置の方向に鉛直方向に対して斜めに延びる。
【0048】
また、スクリーン42を貫通した第1昇降コード45aが延在する位置には、プリーツ42bの間隔を保持する第1ピッチ保持コード44がヘッドボックス41から垂下されている。第1ピッチ保持コード44の支持端は、ボトムレール43の第2側縁部43b側において、第1昇降コード45aの第1支持端45cと同じ位置に支持されている。第1ピッチ保持コード44は、環状の第1ピッチ保持部44aを備えている。第1ピッチ保持部44aも、例えば透明な糸で構成されている。さらに、第1ピッチ保持部44aは、第1昇降コード45aが挿通される。これにより、スクリーン42の中央を通る第1昇降コード45aでスクリーン42が倒れないように前後に支え第1ピッチ保持コード44がプリーツ42bの間隔を一定に保持する。
【0049】
以上のようなプリーツスクリーン40は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(4)プリーツスクリーン40は、ボトムレール43の中心線46を挟んだ第1側縁部43a側を1本の第2昇降コード45bで吊り上げ、第2側縁部14b側を2本の第1昇降コード45aで吊り上げるようにしている。したがって、昇降時において、ボトムレール14の前後方向のバランスが良くなり、ボトムレール14が部屋外側や部屋外側に傾いてしまうことを抑制することができる。
(5)したがって、ボトムレール43が昇降する際に、ボトムレール43上に積み上がるスクリーン42のプリーツ42bも、ボトムレール43の上にこぼれるように積み上がることを抑えることができる。
(6)貫通孔47は、カーテンボックスに設置されたときに、窓枠の外側に位置する。したがって、貫通孔47から部屋内側への漏光を抑制できる。また、貫通孔47が窓枠の内側に位置してしまう場合であっても、貫通孔47が窓枠の縦枠に近接して位置するので、縦枠の影になって、透過する光量を少なくなる。
【0050】
〔ハニカムスクリーン〕
・遮蔽材となるプリーツ生地のスクリーンを前後に2枚配し、2枚のスクリーンの間をハニカム構造として空気層を設けたハニカムスクリーンに適用してもよい。
【0051】
〔第1昇降部材と第2昇降部材の支持端の支持位置の変形例〕
図14(a)に示すように、横型ブラインドにおいて、ボトムレール14は、長手方向の中央部であって、中心線20より第1側縁部14aに偏った位置において、ヘッドボックス11から引き出された第2昇降部材の一例である第2昇降コード15bの第2支持端15dを支持している。また、ボトムレール14は、長手方向の両端部であって、中心線20より第2側縁部14bに偏った位置において、第1昇降部材の一例である第1昇降コード15aの第1支持端15cを支持している。これにより、ボトムレール14は、中心線20を挟んだ位置を支持点として、第1昇降コード15aと第2昇降コード15bとによってヘッドボックス11から吊り下げられている。
【0052】
図14(b)に示すように、スラット群を構成する複数のスラット12の各々において、スラット12の長手方向の両端部のそれぞれには、前後方向の中央部に、長辺を前後方向とした矩形形状の貫通孔22が配置され、貫通孔22の各々には、第1昇降コード15aが挿通されている。また、スラット12の第1スラット側縁部には、それの長手方向の中央部に凹部である切欠部12aを備え、この切欠部12aは、第2昇降コード15bとの係合によって第2昇降コード15bを案内している。
【0053】
したがって、第2昇降コード15bは、ヘッドボックス11の最上段のスラット12と対向する底面から真っ直ぐな状態で、スラット12の第1スラット側縁部に沿って昇降方向に垂下し、第2支持端15dがボトムレール14の中心線20より第1側縁部14aに偏った位置に支持される。また、2本の第1昇降コード15aのそれぞれは、ほぼヘッドボックス11の底面の前後方向の中央部から真っ直ぐな状態で垂下され、スラット12の貫通孔22に挿通される。そして、第1支持端15cがボトムレールの中心線20より第2側縁部14bに偏った位置に支持される。第1昇降コード15aは、最下段のスラット12からボトムレール14との間において、スラット12における前後方向の中央部の貫通孔22の位置からボトムレール14の中心線20よりも第2側縁部14bの方向に偏った位置の方向に鉛直方向に対して斜めに延びる。
【0054】
このように、2本の第1昇降コード15aと1本の第2昇降コード15bとは、それぞれの支持端がボトムレール14のスラット12と対向する面において、中心線20を挟んで両側に支持されることで、ボトムレール14を、部屋内側や部屋外側に傾くことを抑えながら、昇降できる。
【0055】
〔第1昇降部材と貫通孔との位置関係〕
図15に示すように、横型ブラインドにおいて、第1昇降コード15aは、第1支持端15cがボトムレールの中心線20よりも他方の第2側縁部14bに偏った位置に支持される。ここで、第1支持端15cがボトムレール14より引き出される位置は、ボトムレール14が水平状態にあるときに、最下段のスラット12の貫通孔22と対向する領域において、矩形形状の貫通孔22の前後方向の長さLの範囲内とされる。そして、中心線20より第2側縁部14bに偏った位置とされる。これにより、第1昇降コード15aは、貫通孔22内を、鉛直方向に対して斜めに延在し、貫通孔22の縁部と接触することが少なくなり、繰り返しスラット12か回動されても擦れて摩耗することを抑制することができる。なお、貫通孔の長さLは、全てのスラット12において同じ寸法とするのではなく、下段ほど長さLを大きくするようにしてもよい。
なお、上述したプリーツスクリーンについても、第1昇降コード45aの第1支持端45cの位置を貫通孔47の前後方向の長さの範囲内に位置させてもよい。
【0056】
〔ボトムレールと第1昇降部材の支持端と第2昇降部材の支持端との位置関係〕
図16は、図3(a)に示すボトムレールの変形例である。すなわち、ボトムレール14は、長手方向の中央部であって第1側縁部14aに、第2昇降コード15bの第2支持端15dが当接されて、長手方向の両端部であって中心線20より他方の第2側縁部14bに偏った位置に、第1昇降コード15aの第1支持端15cを支持している。そして、横型ブラインドにおける第1昇降コード15aの2つの第1支持端15cと第2昇降コード15bの第2支持端15dとを直線で結ぶ三角形50の重心51をボトムレール14の重心52に近づけ、好ましくは、二つの重心51,52に一致させることで(図16参照)、ボトムレール14の前後方向の傾きを抑制することができる。図12および図13に示すように、これは、プリーツスクリーン40であっても同様である。すなわち、第1昇降コード45aの2つの第1支持端45cと第2昇降コード45bの第2支持端45dとを直線で結ぶ三角形50の重心51をボトムレール43の重心52に近づけ、好ましくは、二つの重心51,52に一致させることで、ボトムレール43の前後方向の傾きを抑制することができる。
なお、三角形の重心は、三角形の頂点と、その対辺の中点を結ぶ3つの線の交点である。
【0057】
図17は、図14(a)に示すボトムレールの変形例である。すなわち、ボトムレール14は、長手方向の中央部であって第1側縁部14aにおいて、第2昇降コード15bの第2支持端15dを支持し、長手方向の両端部であって中心線20より第2側縁部14bに偏った位置に、第1昇降コード15aの第1支持端15cを支持している。そして、第1昇降コード15aの2つの第1支持端15cと第2昇降コード15bの第2支持端15dとを直線で結ぶ三角形50の重心51をボトムレール14の重心52に近づけ、好ましくは、二つの重心51,52に一致させることで(図17参照)、ボトムレール14の前後方向の傾きを抑制することができる。
【0058】
なお、第2昇降コード15bが複数本の場合、長手方向の中央に位置する第2昇降コード15bの第2支持端15dと第1昇降コード15aの2つの第1支持端15cとを直線で結ぶ三角形50の重心51をボトムレール14の重心52に近づけ、好ましくは一致させればよい。これは、プリーツスクリーン40であっても同様である。
【0059】
〔その他の変形例〕
・第2昇降コード15bの遊動の抑制は、ピコ13cや環状部材13dを用いることなく行うこともできる。すなわち、上下に並ぶ横糸13bの間を第2昇降コード15bが挿通される挿通部とし、上下に並ぶ横糸13bの間の挿通部に、第2昇降コード15bが挿通される。具体的に、第2昇降コード15bは、横糸13bの間の挿通部に一方の側から他方の側に挿通されると、複数段、例えば5〜7段程度空けた次の挿通部に他方の側から一方の側に挿通される。これにより、第2昇降コード15bは、ピコ13cや環状部材13dを用いるまでもなく、スラット12の側縁部とラダーコード13の横糸13bとによって、遊動することが抑制される。
【0060】
・操作部としては、チルトポール18aの先端部にイコライザ18を設けたワンポール式の他、ポールとコードが別々に付き、スラット12の開閉はポールを回して行い、ボトムレール14の昇降は昇降コードを引いて操作するポール式であってもよい。また、このような操作部は、スラット12の貫通孔22より端部側に位置していてもよい。
・横型ブラインド10は、電動モータでボトムレール14を昇降する電動ブライドであってもよい。電動の場合には、操作コードなど手動でボトムレールの昇降を行う操作部は不要となる。また、プリーツスクリーンも電動であってもよい。
【0061】
・第1昇降コード15a,45aが挿通される貫通孔22,47は、取付対象となる窓枠の外側に位置してもよいし、内側に位置してもよい。
【0062】
・第2昇降コード15bの位置は、2つの第1昇降コード15aの間であればよく、例えば、スラット12における長手方向の中央部に対して何れか一方の端部側にずれていてもよい。また、第2昇降コード45bの位置も、2つの第1昇降コード45aの間であれば、プリーツ42bにおける長手方向の中央部に対して何れか一方の端部側にずれていてもよい。
・第1昇降コード45aの第1支持端45cがボトムレール43の中心線46よりも第1側縁部43aの方向に偏った位置を支持し、第2昇降コード45bの第2支持端45dが第2側縁部43bに当接してもよい。また、第2昇降コード45bの第2支持端45dは、ボトムレール43の前後方向の中心線46より第2側縁部43bに偏った位置に支持され、第1昇降コード45aのそれぞれの第1支持端45cは、ボトムレール43の長手方向の両端部において、第1側縁部43aに第1支持端45cが支持されるようにしてもよい。
・第2昇降コード15b,45bは、互いに隣り合う第1昇降コード15a,45aの間に、互いに離間して複数本垂下されていてもよい。
・ボトムレールにおいて、第2昇降部材が前縁部と後縁部のいずれか一方に固定され、第1昇降部材が中心線よりも他方の縁部に偏って固定されることで、ボトムレールが傾いてしまうことを抑制できるのであれば、遮蔽材が配置された部分での第1昇降部材と第2昇降部材の配置は限定されるものではない。例えば、第1昇降部材は、遮蔽材に貫通孔を設けず、貫通孔に挿通されない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
10…横型ブラインド、11…ヘッドボックス、12…スラット、12a…切欠部、13…ラダーコード、13a…縦糸、13b…横糸、13c…ピコ、13d…環状部材、13e…支持端、14…ボトムレール、14a…第1側縁部、14b…第2側縁部、15a…第1昇降コード、15b…第2昇降コード、15c…第1支持端、15d…第2支持端、16…ホルダ、17a〜17e…案内部材、18…イコライザ、18a…チルトポール、19…ストッパ、20…中心線、22…貫通孔、22a…切欠部、25…テープ案内部材、25a…係合部、25b…案内孔、26…昇降テープ、30…窓枠、30a…縦枠、30b…横枠、31…カーテンボックス、33…透光領域、40…プリーツスクリーン、41…ヘッドボックス、42…スクリーン、42b…プリーツ、43…ボトムレール、43a…第1側縁部、43b…第2側縁部、44…第1ピッチ保持コード、44a…第1ピッチ保持部、45a…第1昇降コード、45b…第2昇降コード、45c…第1支持端、45d…第2支持端、46…中心線、47…貫通孔、48…第2ピッチ保持コード、48a…第2ピッチ保持部、48b…挿通孔、49…操作コード、50…三角形、51,52…重心。
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