特許第6616222号(P6616222)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616222
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】ニューマチックアンローダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/60 20060101AFI20191125BHJP
   B65G 69/16 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   B65G67/60 B
   B65G67/60 G
   B65G69/16
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-58964(P2016-58964)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-171440(P2017-171440A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】大堀 史博
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−229531(JP,A)
【文献】 実開昭62−68926(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/60
B65G 69/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起伏旋回自在なブームに沿って支持された伸縮自在な水平伸縮管と、その水平伸縮管の先端に接続されたベント管と、ベント管に接続された円筒ジョイントと、円筒ジョイントに接続され、その円筒ジョイントで常時鉛直に保持される伸縮自在な垂直伸縮管と、垂直伸縮管の先端に設けられハッチ下の荷役対象物を吸引する垂直ノズルを備えたニューマチックアンローダにおいて、前記円筒ジョイントの前記垂直伸縮管側に設けられて常時水平位置を保持すると共に、前記垂直伸縮管の上端外周を囲むように形成されたセンサ保持枠と、そのセンサ保持枠の四隅に設けられ、その直下の反射対象物までの距離を計測するための障害物検知センサと、各障害物検知センサからの距離計測データと前記垂直ノズルの先端距離を基に、障害物を検知する障害物検知装置とを備えたことを特徴とするニューマチックアンローダ。
【請求項2】
前記ブームの起伏角度及び旋回角度と、前記水平伸縮管及び垂直伸縮管の伸縮長さを制御する制御装置を備え、その制御装置が前記ブームの起伏角度と、前記水平伸縮管及び垂直伸縮管の伸縮長さから垂直ノズルの先端距離を演算し、これを前記障害物検知装置に入力する請求項1記載のニューマチックアンローダ。
【請求項3】
前記障害物検知装置が障害物を検知したとき、前記制御装置が、前記ブームの起伏、旋回、前記水平伸縮管及び垂直伸縮管の伸縮を停止する請求項2記載のニューマチックアンローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶ハッチなどへの衝突防止機能を備えたニューマチックアンローダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニューマチックアンローダは、流動性のよいダイズや小麦などの穀物を垂直ノズルにより真空吸引するもので、船舶のハッチを通して船舶内に垂直ノズルを挿入し、その垂直ノズルに連結した垂直伸縮管を伸縮させながら垂直ノズルの高さを調整し、またブームの起伏と旋回により、垂直ノズルを前後左右に移動して荷揚げを行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−223989号公報
【特許文献2】特開2014−227283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、船舶に対してハッチの幅は小さいため、船舶のハッチ近傍の穀物を荷役する際には、垂直伸縮管がハッチに衝突する問題がある。
【0005】
従来では、ニューマチックアンローダの垂直伸縮管と船舶のハッチの衝突を防ぐために、運転者による目視でのハッチ位置確認と手動操作による衝突回避運転を行っている。
【0006】
運転者の操作技術により、衝突回避の能力が左右されるため、一定した安定性が確保されない。
【0007】
運転者の操作位置によっては障害物などにより視界が遮られ、衝突するおそれがある箇所の目視ができず、誤って衝突させる可能性がある。
【0008】
この衝突を回避するために、特許文献1に示されるように連続アンローダのエレベータの上部に電波センサを設け、エレベータの下部の掻取部にリフレクタを設け、電波センサからリフレクタで反射される反射波が検出されないときにハッチで電波が遮断されたとして、衝突を防止することが提案されているが、この衝突防止装置は連続アンローダに適用できても、垂直ノズルからなるニューマチックアンローダには適用できない。
【0009】
また、特許文献2では、地震時に機械式アンローダを退避させる際に、垂直ブームの四隅に接触式の衝突検知センサを配置し、垂直ブームの退避時に、垂直ブームがハッチに衝突したときに、これを衝突検知センサで検出し、衝突を検知した衝突検知センサと反対方向に垂直ブームを移動して垂直ブームの姿勢を直すことで、ハッチへの垂直ブームの衝突を回避しながら機械式アンローダを船舶外に引き上げて退避させることが提案されている。しかし、この退避法は、垂直ブームがハッチに当たったときに、これを衝突検知センサが検出して機械式アンローダの垂直ブームの姿勢を直すもので、荷役中の衝突検知センサを使用したニューマチックアンローダの衝突防止については示されていない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、荷役対象の船舶のハッチと垂直伸縮管との衝突を未然に防ぐことができるニューマチックアンローダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、起伏旋回自在なブームに沿って支持された伸縮自在な水平伸縮管と、その水平伸縮管の先端に接続されたベント管と、ベント管に接続された円筒ジョイントと、円筒ジョイントに接続され、その円筒ジョイントで常時鉛直に保持される伸縮自在な垂直伸縮管と、垂直伸縮管の先端に設けられハッチ下の荷役対象物を吸引する垂直ノズルを備えたニューマチックアンローダにおいて、前記円筒ジョイントの前記垂直伸縮管側に設けられて常時水平位置を保持すると共に、前記垂直伸縮管の上端外周を囲むように形成されたセンサ保持枠と、そのセンサ保持枠の四隅に設けられ、その直下の反射対象物までの距離を計測するための障害物検知センサと、各障害物検知センサからの距離計測データと前記垂直ノズルの先端距離を基に、障害物を検知する障害物検知装置とを備えたニューマチックアンローダを提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、常時水平に保たれるセンサ保持枠の四隅に設けた障害物検知センサで、その直下の距離を計測することで、障害物を検知できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態を示す全体図である。
図2図1のベント管と円筒ジョイントと垂直伸縮管の要部詳細を示し、(a)はベント管と円筒ジョイントと垂直伸縮管の正面図、(b)は(a)のA−A線矢視図である。
図3】本発明において、障害物検知センサで障害物を検知する際の説明図である。
図4】本発明において、衝突検知の制御ブロックを示す図である。
図5】本発明において、衝突検知の制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1は、船舶11内の穀物等の荷役対象物12をハッチ11hを通して荷揚げするニューマチックアンローダ10を示したものである。
【0016】
岸壁13に沿って走行するポータル14上に旋回台15が回転自在に設けられ、その旋回台15に起伏自在にブーム16が設けられ、そのブーム16がワイヤ17と巻取機18により起伏自在に制御される。
【0017】
このブーム16には、そのブーム16に沿って伸縮自在な水平伸縮管20が支持され、その水平伸縮管20の先端にベント管21が接続され、そのベント管21に円筒ジョイント22を介して垂直伸縮管23が接続され、垂直伸縮管23の下端に、穀物等の荷役対象物12を吸引する垂直ノズル24が設けられる。
【0018】
水平伸縮管20の基部は、旋回台15に設けたレシーバタンク25に接続される。レシーバタンク25の頂部には、吸引管26を介して真空ポンプ27が接続され、その真空ポンプ27の吐出側にサイレンサ28が接続される。
【0019】
レシーバタンク25の下部には、吸引・分離した穀物を排出するロータリーフィーダ30が設けられ、そのロータリーフィーダ30の下部のポータル14上にコンベア31が設けられ、そのコンベア31の搬出端にシュート32を介して搬送コンベア33が配置される。
【0020】
船舶11内の穀物等の荷役対象物12は、真空ポンプ27でレシーバタンク25内を負圧にすることで、垂直ノズル24に吸引流が生じ、垂直伸縮管23、円筒ジョイント22、ベント管21、水平伸縮管20を通してレシーバタンク25内に吸引され、レシーバタンク25内で荷役対象物12が吸引流と分離され、ロータリーフィーダ30から、コンベア31、シュート32を介して搬送コンベア33に搬出され、その搬送コンベア33から適宜貯留タンク等に搬送される。
【0021】
この荷揚げ中ブーム16は、旋回台15の回転で旋回されると共に巻取機18により起伏自在に制御される。
【0022】
ブーム16の旋回、起伏に伴って、水平伸縮管20が伸縮されると共に垂直伸縮管23が伸縮されて、垂直ノズル24の吸引位置が制御される。
【0023】
水平伸縮管20は、水平外管20oと水平内管20iの二重管からなり、水平内管20iに接続したベント管21が水平台車35で移動されることで伸縮する。水平台車35は、ブーム16に移動自在に設けられ、ワイヤと移動モータからなる台車移動装置36で移動される。
【0024】
水平台車35は、ベント管21を支持し、そのベント管21にフランジ部37を介して円筒ジョイント22が接続され、フランジ部37(図2(a)参照)は、水平台車35の支持部材38に支持される。
【0025】
垂直伸縮管23は、垂直外管23oと垂直内管23iからなり、垂直外管23oが、円筒ジョイント22に接続され、垂直内管23iの下端に垂直ノズル24が接続される。
【0026】
図2(a)に示すように、円筒ジョイント22は、フランジ部37と一体に設けられたベント管側固定円筒部40aと、そのベント管側固定円筒部40aに回転可能に嵌り合う垂直管側可動円筒40bとからなる。ベント管側固定円筒部40a内の上部には、バルサ材などで形成された吸引路40cが設けられ、その吸引路40cが、垂直管側可動円筒40b側に延びて拡径するよう設けられる。この吸引路40cは、垂直管側可動円筒40bが最大に回転しても、垂直管側可動円筒40bの吸引口を覆うように形成される。
【0027】
ベント管側固定円筒部40aの回転中心には軸41が設けられ、この軸41に、垂直管側可動円筒40bの外部ケーシング42が、軸受フレーム43を介して回転自在に支持される。
【0028】
垂直管側可動円筒40bは、フレキシブルホース45を介して垂直伸縮管23の垂直外管23oと接続される。円筒ジョイント22の外部ケーシング42と垂直外管23oの上端には、フレキシブルホース45の屈曲を許容しつつフレキシブルホース45の伸びを規制するフレキシブル支えブラケット46が設けられる。
【0029】
垂直伸縮管23の伸縮は、図1に示した水平台車35に設けた昇降装置50の伸縮用ワイヤ51を巻き取り、巻き戻すことで行われる。昇降装置50の伸縮用ワイヤ51は、図2(a)に示す円筒ジョイント22の軸41に接して設けたガイドローラ53に巻き掛けられ、その伸縮用ワイヤ47が垂直伸縮管23にガイドされて垂直伸縮管23の下端に連結される。これにより昇降装置50が、伸縮用ワイヤ51を巻き取ることで、垂直伸縮管23の先端の垂直ノズル24が上方に移動するように垂直伸縮管23が収縮し、伸縮用ワイヤ51を繰り出すことで、垂直ノズル24が下方に移動するように垂直伸縮管23が伸張する。
【0030】
さて、本実施の形態に係る衝突防止装置を説明する。
【0031】
図2(a)、図2(b)に示すように、円筒ジョイント22の外部ケーシング42に支持部材54を介して方形のセンサ保持枠55が設けられ、そのセンサ保持枠55の四隅に障害物検知センサ56が設けられる。
【0032】
センサ保持枠55は、垂直伸縮管23の上端外周を囲むように、かつ、垂直伸縮管23から十分に離れた大きさに形成される。このセンサ保持枠55の大きさは、フレキシブルホース45の屈曲で、垂直伸縮管23が傾斜しても、その下端の垂直ノズル24がセンサ保持枠55内に入るよう、例えば、センサ保持枠55の各辺が2〜5mとなるように形成される。
【0033】
障害物検知センサ56は、センサ内部の光源から光を鉛直方向に出射し、その直下の反射対象物に当たって反射した反射光を受光することで、光源から反射対象物までの距離を測定する。この障害物検知センサ56は、センサ保持枠55の四隅に設けられることで、隣接する障害物検知センサ56間隔が、4〜10mとなるように設けられる。
【0034】
図4は、本実施の形態に係るニューマチックアンローダの制御装置と衝突検知の制御ブロックを示したものである。
【0035】
各障害物検知センサ56で検出した距離計測データ(1)〜(4)は、制御装置60に入力される。
【0036】
制御装置60には、水平台車位置検出用エンコーダ61から水平台車位置データ、ブーム起伏角度検出用エンコーダ62からブーム起伏角度データ、垂直伸縮長検出用エンコーダ63から垂直伸縮長データが入力される。
【0037】
水平台車位置検出用エンコーダ61は、水平台車35の位置を台車移動装置36の回転で水平台車位置(垂直ノズル位置)を検出し、ブーム起伏角度検出用エンコーダ62は、巻取機18の回転でブーム16の起伏角度を検出し、垂直伸縮長検出用エンコーダ63は、昇降装置50の回転で、垂直伸縮管23の伸縮長(垂直ノズルの位置)を検出する。
【0038】
また図示していないが、ブーム旋回角度も制御装置60に入力されるようになっている。すなわち、旋回台15を回転するモータの回転をエンコーダが検出し、そのエンコーダからブーム旋回角度を制御装置60に入力するようになっている。
【0039】
制御装置60は、各種エンコーダから入力されるデータを基に、演算機65が垂直ノズル24の位置(障害物検知センサからの距離と船舶内の位置)を演算し、これを基に垂直ノズルの位置を制御して荷揚げのための運転指令を出力する。
【0040】
演算機65で演算した垂直ノズル24の位置データと障害物検知センサ56で検出した距離計測データ(1)〜(4)とは、障害物検知装置66に入力される。
【0041】
障害物検知装置66は、距離計測データと垂直ノズルの先端距離を基に、障害物の有無を検知し、障害物がなければ、演算機65の運転指令をインバータ67にそのまま出力し、インバータ67が、台車移動装置36、巻取機18、昇降装置50、旋回台の電動機の回転数を制御する。
【0042】
障害物検知装置66は、垂直ノズル24の位置データと障害物検知センサ56からの距離計測データ(1)〜(4)を基に、障害物検知センサ56の何れかの直下に障害物があると判断したとき、例えば垂直伸縮管23が、荷揚げ動作で移動中にハッチ11hに衝突すると判断したときに、インバータ67に停止指令を出力して、ニューマチックアンローダの荷揚げを停止する。
【0043】
このニューマチックアンローダの荷揚げ停止後、垂直ノズル24の位置を運転者が確認すると共に、船舶内に荷役対象物12が残っているかどうかを判断し、垂直伸縮管23をハッチ11hから離れるように操作して荷揚げを再開する。
【0044】
その後制御装置60は、垂直伸縮管23がハッチ11hに衝突する位置を記憶し、その衝突位置を回避するようにニューマチックアンローダを制御する。
【0045】
図3は、障害物検知装置66が、垂直ノズル24の位置データと障害物検知センサ56からの距離計測データ(1)〜(4)を基に、障害物としてのハッチ11hを検出する際の概略を示したものである。
【0046】
先ず、垂直ノズル24で荷揚げ中は、垂直ノズル24が荷役対象物12内に嵌り込み、荷役対象物12を吸い込むことで、その周囲に凹みが形成され、荷役対象物12が順次凹みに流れながら垂直ノズル24に吸引されていく。
【0047】
ここで、垂直ノズル24の位置データ(垂直ノズル先端距離)は、図4で説明したエンコーダ情報を基に演算機65が演算することで求まり、垂直ノズル24廻りの荷役対象物12の位置は、障害物検知センサ56からの距離計測データ(1)〜(4)で求まる。
【0048】
通常の荷揚げ中は、垂直ノズル24の垂直ノズル先端距離は、距離計測データ(1)〜(4)で検出される距離より長く、その差分が垂直ノズル24で形成される凹みの深さとなる。そこでこの差分の最大値を規定閾値距離としておく。
【0049】
図3において、障害物検知センサ56で検出した距離計測データ(1)がハッチ11hで反射された距離であり、他の距離計測データ(2)〜(4)が、荷役対象物12で反射された距離である場合、距離計測データ(1)が最短距離計測データとなるため、垂直ノズル先端距離−最短距離計測データを求める。この差分の値は、最大値である規定閾値距離より十分に長いため、障害物検知装置66は、距離計測データ(1)の直下に障害物があると判断することができる。
【0050】
次に、この障害物検知装置66の障害物検知の制御フローを図5により説明する。
【0051】
先ず、船舶内の荷役対象物12の荷揚げに際して、垂直伸縮管23は、ハッチ11hの略中央から挿入され、その先端の垂直ノズル24が荷役対象物12に着地するまで垂直伸縮管23の伸縮長さが調整され、着地後は、適宜垂直ノズル24が、船舶内で前後左右に移動して荷揚げを行うようにブーム16の起伏角度、水平台車35の位置を制御しながら、垂直ノズル24を水平移動すると共に荷役対象物12の高さに応じて垂直伸縮管23を伸張しつつ荷揚げを行う。
【0052】
この荷揚げ中、ステップS1で障害物検知が開始され、ステップS2で、垂直ノズル先端距離を取得し、ステップS3で、各障害物検知センサで検出した距離計測データを取得する。
【0053】
次にステップS4の判断で、各距離計測データ<垂直ノズル先端距離が判断される。
【0054】
垂直先端距離が各距離計測データの距離より短い(No)ときには、垂直ノズルは荷役対象物に着地していない状態であり、ステップS2に戻して距離計測を行い、その後、垂直ノズルが荷役対象物に着地した後は、ステップS4の判断で、垂直先端距離が各距離計測データの距離より長くなるため(Yes)、荷揚げを行っている状態となる。
【0055】
この荷揚げ中、ステップS5で、各距離計測データの内の最短距離計測データを選択し、ステップS6の判断で、垂直ノズル先端距離−最短距離計測データ>規定閾値距離を求め、垂直ノズル先端距離−最短距離計測データが、規定閾値距離より短い場合(No)は、正常に荷揚げを行っているとして、ステップS2に戻す。
【0056】
このステップS6の判断で、垂直ノズル先端距離−最短距離計測データが、規定閾値距離より長くなったとき(Yes)、ステップS7で障害物検知とし、ステップS8で運転操作停止指令を行い、ステップS9で障害物検知完了とする。
【0057】
これにより、垂直伸縮管23のハッチへの衝突が回避される。
【0058】
障害物検知が完了した後は、制御装置60は、最短距離計測データが、どの障害物検知センサ56で検知したのかを記憶すると共に、その垂直ノズル24の位置を記憶する。
【0059】
制御装置60は、その衝突位置を記憶したならば、その後の荷揚げ操作で、垂直伸縮管23が衝突位置を回避するようにブーム16の起伏角度、水平台車35の位置を制御し、再度他の障害物検知センサ56が障害物を検知した際にはその衝突位置を記憶することで、荷揚げの初期段階で、ハッチ11hの開口部の大きさを認識することができ、以後は、ハッチ11hへの衝突を確実に防止しながら、垂直ノズル24の位置を制御することが可能となる。
【0060】
このように、ニューマチックアンローダ10の垂直伸縮管23を囲むように、障害物検知センサ56を下向きに複数配置し、垂直伸縮管23と平行になるようにスキャンする。障害物検知センサ56から取得した距離データを比較し、規定の検出条件に基づいて、船舶のハッチを検出する。
【0061】
船舶のハッチ11hを検出した際に、動作を停止させることで、垂直伸縮管23と船舶のハッチ11hによる衝突を未然に防止すると共に、その衝突位置を記憶することで、ハッチ11hの大きさを認識しながら、ハッチ11hの大きさに合わせてニューマチックアンローダ10を運転操作することが可能となる。
【0062】
障害物検知センサ56を使用した常時監視により、運転者の操作位置や操作技術に左右されず、ニューマチックアンローダ10の垂直伸縮管23と船舶のハッチ11hの衝突を未然に防ぐことが可能となり、一定の安全性が確保できる。
【符号の説明】
【0063】
10 ニューマチックアンローダ
16 ブーム
20 水平伸縮管
21 ベント管
22 円筒ジョイント
23 垂直伸縮管
24 垂直ノズル
55 センサ保持枠
56 障害物検知センサ
66 障害物検知装置
図1
図2
図3
図4
図5