(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予想するステップは、今回の申告の難易度と、前記平均値に基づいて、前記申告者への応対の所要時間を予想し、申告に対する応対が終了したのち、予想した所要時間と、実際の所要時間との差が所定の閾値以上の場合に、当該申告の担当者から選択された申請項目に対応付けられた難易度を更新する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の申告受付管理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態における税申告受付管理システム1の構成例を示す図である。
図1において、税申告受付管理システム1は、情報処理装置10、情報端末20a、20b、・・・(以下で「情報端末20」と総称する)、及び受付装置30を含む。なお、以下では、税の申告支援を扱う場合を例として説明を行うが、本実施形態は、税以外の申告支援(各種の相談業務)を扱うシステムにおいても適用可能である。なお、申告とは、例えば、国民が法律上の義務として、官庁などに一定の事実を申し出ることを指す。
【0012】
情報処理装置10と情報端末20、及び情報処理装置10と受付装置30は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信回線によって通信可能に接続される。
【0013】
情報処理装置10及び情報端末20は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)、タブレット型端末等の情報処理装置である。
【0014】
情報処理装置10は、例えばWebサーバの機能を有し、情報端末20のWebブラウザと通信を行う。
【0015】
受付装置30は、例えば会場内に設置され、申告者の操作に応じて、例えば受け付け番号票を発行する等により、税申告の受け付けを行う装置である。
【0016】
図2は、実施の形態における情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2の情報処理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
情報処理装置10での処理を実現する税申告受付管理プログラム(申告受付管理プログラム)は、記録媒体101によって提供される。税申告受付管理プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、税申告受付管理プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、税申告受付管理プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされた税申告受付管理プログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0017】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って情報処理装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等、またはタッチパネル及びボタン等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0018】
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0019】
情報端末20のハードウェア構成は、
図2に示す情報処理装置10のハードウェア構成例と同様である。
【0020】
<情報処理装置の機能構成>
次に、
図3を参照し、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置10の機能ブロック図である。情報処理装置10は、記憶部11を有する。記憶部11は、例えば、補助記憶装置102等を用いて実現される。
【0021】
記憶部11には、受付情報管理テーブル111、項目管理テーブル112、組み合わせ難易度管理テーブル113、他課税資料テーブル114、予想テーブル115、担当者テーブル116、及び担当者指定テーブル117が格納される。
【0022】
(受付情報管理テーブル)
次に、
図4を参照し、受付情報管理テーブル111に格納されるデータについて説明する。
図4は、受付情報管理テーブル111の一例を示す図である。受付情報管理テーブル111には、受付番号、申告者ID(宛名コード)、ステータス、受付日、申告情報、担当者ID、会場受付時間、受付開始時間、及び受付終了時間の項目が格納される。
【0023】
受付番号は、各受け付けを識別するデータである。申告者ID(宛名コード)は、申告者を識別するデータ(ID)である。ステータスは、受け付けのステータス(状態)を示すデータであり、「待機中」、「受付中」、「受付済」、「その他」の値をとる。なお、会場受付時に「待機中」となり、担当者IDに係る担当者(職員)が開始の操作をした際に「受付中」に変更され、当該担当者が終了の操作をした際に「受付済」に変更される。
【0024】
受付日は、会場受付時の日付である。申告情報は、申告内容を示すデータである。担当者は、申告支援を担当した担当者の識別情報である。会場受付時間は、会場受付時の時刻である。受付開始時間は、申告支援を開始した時刻である。受付終了時間は、申告支援を終了した時刻である。
【0025】
(項目管理テーブル)
次に、
図5を参照し、項目管理テーブル112に格納されるデータについて説明する。
図5は、項目管理テーブル112の一例を示す図である。
【0026】
項目管理テーブル112には、項目ID、項目略称、難易度の項目が格納されている。項目IDは、項目を識別するデータである。項目IDには、親ID、子IDの項目が含まれる。親IDは、申告項目の大分類を示すデータである。子IDは、申告項目の小分類を示すデータである。親IDと子IDの組み合わせにより、各項目を識別できる。
図5の例では、項目ID「SY010」により、「営業」の項目を識別する。項目略称は、項目の略称を示すデータである。
【0027】
難易度は、各項目に対する申告支援の難易度を示すデータである。難易度が低い項目は、例えば、給与所得者が医療費や年末調整もれの扶養関連の申告をする場合の申告項目である。
【0028】
難易度が高い項目は、例えば、整理する書類が多い営業・農業・不動産等の収支、減価償却などの市町村の判断で融通が効く場合、物品・土地・建物など譲渡の内訳書の作成が必要な場合、特定雑損失や被災純損失などの所得税と住民税の両方申告が必要な場合、雑損控除、外国税額控除など申告数が少ない場合の申告項目である。
【0029】
(組み合わせ難易度管理テーブル)
次に、
図6を参照し、組み合わせ難易度管理テーブル113に格納されるデータについて説明する。
図6は、組み合わせ難易度管理テーブル113の一例を示す図である。組み合わせ難易度管理テーブル113には、項目IDの組み合わせ、項目略称、難易度の項目が格納されている。
【0030】
項目IDの組み合わせは、複数の項目IDの組み合わせを示すデータである。項目略称は、複数の項目IDの組み合わせの略称である。難易度は、複数の項目IDの組み合わせによる難易度を示すデータである。
【0031】
(他課税資料テーブル)
次に、
図7を参照し、他課税資料テーブル114に格納されるデータについて説明する。
図7は、他課税資料テーブル114の一例を示す図である。他課税資料テーブル114には、資料ID、申告者ID(宛名コード)、項目ID、取得日時の項目が格納されている。資料IDは、資料を識別するデータである。取得日時は、資料を取得した日時である。なお、他課税資料テーブル114のデータは、例えば、事業者や税務署から通知された、給与支払い報告書、公金支払い報告書等に基づいて予め格納されている。
【0032】
(予想テーブル)
次に、
図8を参照し、予想テーブル115に格納されるデータについて説明する。
図8は、予想テーブル115の一例を示す図である。予想テーブル115には、受付番号、前回申告情報、前回担当者ID、予想申告項目ID、予想難易度、予想所要時間、優先担当者の項目が格納される。
【0033】
前回申告情報は、申告者の前回(前年度)の申告のデータであり、申告した各項目のIDを含む。前回担当者IDは、前回の申告支援(応対)を担当した担当者のIDである。予想申告情報は、今回申告すると予想される各項目のIDである。
【0034】
予想難易度は、今回の申請支援について予想される難易度を示すデータである。予想所要時間は、今回の申請支援に要すると予想される時間である。優先担当者は、今回の申請支援を優先的に行うことが望ましい担当者のIDである。
【0035】
(担当者テーブル)
次に、
図9を参照し、担当者テーブル116に格納されるデータについて説明する。
図9は、担当者テーブル116の一例を示す図である。担当者テーブル116には、担当者ID、前回担当優先度、項目ID、習熟度の項目が格納されている。
【0036】
担当者IDは、各担当者を識別するIDである。前回担当優先度は、各申告者に対し、前回の申告支援を担当した場合に、次回の申告支援を優先的に担当するべき度合いを示すデータである。項目IDは、申告の各項目のIDである。習熟度は、各項目に対する習熟度を示すデータである。例えば、優先的に対応するべき項目に対しては「50」、対応可能な項目に対しては「1」、対応不可の項目に対しては「−500」と設定される。対応不可の項目に対して設定される値は、申告に当該項目が含まれる場合は担当者が対応できないことを明示する値である。なお、申告に含まれる各項目に対して要求される習熟度の閾値を設定し、担当者の各項目に対する習熟度が当該閾値未満の場合に、対応不可と判断されるようにしてもよい。
【0037】
(担当者指定テーブル)
次に、
図10を参照し、担当者指定テーブル117に格納されるデータについて説明する。
図10は、担当者指定テーブル117の一例を示す図である。担当者指定テーブル117には、申告者ID(宛名コード)、担当者ID、担当者指定優先度の項目が格納される。担当者指定優先度は、各申告者に対し、各担当者が優先的に担当するべき度合いを示すデータである。
【0038】
図3の説明にもどる。情報処理装置10は、通信部12、受付情報管理部13、課税データ取得部14、申告内容予想部15、担当者選択部16、及び表示制御部17を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、情報処理装置10のCPU104に実行させる処理により実現される。
【0039】
通信部12は、情報端末20や受付装置30等との通信を行う。
【0040】
受付情報管理部13は、受付装置30から申告者のデータを通知されると、受付情報管理テーブル111に、通知された申告者のデータ等に基づいて受付情報を記録する。この場合、受付情報管理部13は、例えば、受付番号、申告者ID、受付日、会場受付時間を記録し、ステータスを「待機中」とする。
【0041】
受付情報管理部13は、情報端末20から、担当者と申告者の申告支援の開始を通知されると、通知された申告者IDに対応付けられた受付情報において、担当者ID、受付開始時間を記録し、ステータスを「受付中」とする。
【0042】
受付情報管理部13は、情報端末20から、担当者と申告者の申告支援の終了を通知されると、通知された申告者IDに対応付けられた受付情報において、申告情報(項目ID)、受付終了時間を記録し、ステータスを「受付済」とする。
【0043】
課税データ取得部14は、今年度の所得または控除に関する課税データを取得し、他課税資料テーブル114に格納する。
【0044】
申告内容予想部15は、申告者の前回の申告項目や、課税データ取得部14により取得された課税データに基づいて、今回の申告項目を予想する。
【0045】
申告内容予想部15は、予想した今回の申告項目に含まれる各申請項目の組み合わせに応じて、各申告の難易度を予想する。
【0046】
申告内容予想部15は、各申告に対する支援が終了したのち、各申告者への支援の所要時間と、各申告の難易度に基づいて、難易度に対する所要時間の平均値を算出する。そして、申告内容予想部15は、今回の申告の難易度と、算出した平均値に基づいて、各担当者の現在の応対が完了するまでの待ち時間を予想する。
【0047】
また、申告内容予想部15は、今回の申告の難易度と、難易度に対する所要時間の平均値に基づいて、申告者への応対の所要時間を予想する。そして、申告内容予想部15は、申告に対する応対が終了したのち、予想した所要時間と、実際の所要時間との差が所定の閾値以上の場合に、当該申告の担当者から選択された申請項目に対応付けられた難易度を更新する。
【0048】
担当者選択部16は、申告内容予想部15により予想された申告項目や待ち時間、複数の担当者の各申告項目に対する習熟度等に基づいて、申告者への対応を優先する担当者を選択する。
【0049】
表示制御部17は、受付情報管理テーブル111、及び予想テーブル115の情報に基づいて画面データを生成し、情報端末20に表示させるよう制御する。
【0050】
<税申告受付管理システムの処理概要>
次に、
図11を参照し、税申告受付管理システム1の処理について説明する。
図11は、税申告受付管理システム1の処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0051】
まず、受付装置30は、申告者の操作により、申告者を識別するデータを取得する(ステップS101)。受付装置30は、例えば、マイナンバーカードの読み取り、または氏名や生年月日等の入力操作により、申告者のデータを取得する。なお、受付装置30は、受け付け番号票を印刷して、申告者に発行してもよい。
【0052】
続いて、受付装置30は、情報処理装置10に、申告者のデータを通知する(ステップS102)。
【0053】
続いて、情報処理装置10は、受付情報管理テーブル111に、通知された申告者のデータ等に基づいて受付情報を記録する(ステップS103)。
【0054】
続いて、情報処理装置10は、申告者の前回(前年度)の申告情報等に基づいて、当該申告者による今回(今年度)の申告内容を予想する(ステップS104)。なお、この申告内容予想処理の詳細については後述する。
【0055】
続いて、情報処理装置10は、予想した申告内容に基づいて、当該申告者を支援する担当者の候補(優先担当者)を選択する(ステップS105)。なお、この優先担当者選択処理の詳細については後述する。
【0056】
続いて、情報処理装置10は、選択した担当者の候補に対応付けられた情報端末20に、当該申告者の情報を通知する(ステップS106)。
【0057】
続いて、情報端末20は、通知された当該申告者のデータを優先担当者に表示する(ステップS107)。
【0058】
続いて、情報端末20は、優先担当者から、当該申告者との申告支援を開始する操作を受け付けると(ステップS108)、情報処理装置10に、優先担当者と申告者の申告支援の開始を通知する(ステップS109)。
【0059】
続いて、情報処理装置10は、受付情報管理テーブル111の受付情報を、通知されたデータに基づいて更新する(ステップS110)。
【0060】
続いて、情報端末20は、優先担当者から、当該申告者との申告支援を終了する操作を受け付けると(ステップS111)、情報処理装置10に、優先担当者と申告者の申告支援の終了を通知する(ステップS112)。
【0061】
続いて、情報処理装置10は、受付情報管理テーブル111の受付情報を、通知されたデータに基づいて更新する(ステップS113)。
【0062】
<申告内容予想処理>
次に、
図12を参照し、
図11のステップS104の、申告内容予想部15による申告内容予想処理の詳細例について説明する。
図12は、申告内容予想処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、申告内容予想部15は、申告者の前回(前年度)の申告情報、及び前回の担当者の情報を取得し、予想テーブル115の前回申告情報、及び前回担当者の項目に格納する(ステップS201)。なお、申告者の前回(前年度)の申告情報は、例えば受付情報管理テーブル111から取得されてもよいし、国税庁のサーバから取得されてもよい。前回の担当者の情報は、例えば受付情報管理テーブル111から取得される。
【0064】
続いて、申告内容予想部15は、他課税資料テーブル114を参照し、申告者に対応付けられた他課税資料の項目IDを取得する(ステップS202)。
図7に示す他課税資料テーブル114の例では、申告者IDが「203」であれば、「SY060」、「KJ020」の項目IDが取得される。
【0065】
続いて、申告内容予想部15は、申告者の前回申告情報に含まれる項目ID、及び他課税資料の項目IDの少なくとも一方に含まれる項目IDを、予想テーブル115の予想申告項目IDに格納する(ステップS203)。
図8に示す予想テーブル115、及び
図4に示す受付情報管理テーブル111の例では、受け付け番号「0013」に対する予想申告項目IDには、前回申告情報に含まれる項目ID「SY020」、「SY060」、「SP060」に加え、他課税資料テーブル114の「KJ020」が格納される。
【0066】
続いて、申告内容予想部15は、項目管理テーブル112を参照し、予想申告項目IDに含まれる各項目IDに対する難易度を合計し、予想難易度とする(ステップS204)。
図8に示す予想テーブル115、及び
図5に示す項目管理テーブル112の例では、予想申告項目IDに含まれる各項目ID「SY020」、「SY060」、「SP060」、「KJ020」、「SY200」にそれぞれ対応付けられた難易度「20」、「1」、「1」、「1」、「10」が合計され、「33」と算出される。
【0067】
続いて、申告内容予想部15は、組み合わせ難易度管理テーブル113を参照し、予想した各項目のIDの組み合わせに対する難易度を予想難易度に加算し、予想テーブル115に格納する(ステップS205)。
図6に示す組み合わせ難易度管理テーブル113の例では、予想申告項目IDに含まれる各項目ID「SY020」、「SY060」、「SP060」、「KJ020」、「SY200」のうち、「SY200」及び「KJ020」の組み合わせに対する難易度「20」が、ステップS205で算出した「33」に加算され、予想難易度は「53」と算出される。これにより、複数の項目が組み合わされることによって税申告の支援の難易度が増加する場合に、難易度をより適切に予想することができる。
【0068】
ここで、複数の項目が組み合わされることによって税申告の支援の難易度が増加する場合として、「SY200」(退職)及び「KJ020」(医療費)の組み合わせの場合を例に説明する。医療費の控除額は、医療費の負担額から、10万円及び「所得」の5%のうちで少額の方を減算することにより決定されるが、退職所得には、所得税はかかるが住民税はかからない。そのため、所得税の医療費の控除額を算出する際の「所得」には退職所得は含み、住民税の医療費の控除額を算出する際の「所得」には退職所得は含まれない。これらを申告者が理解できるように説明する必要があるため、難易度が増加する。
【0069】
続いて、申告内容予想部15は、予想難易度に基づいて、申告支援の予想所要時間を算出し、予想テーブル115に格納する(ステップS206)。
【0070】
<<予想所要時間算出処理>>
次に、
図13を参照し、
図12のステップS206の予想所要時間算出処理の詳細例について説明する。
図13は、予想所要時間算出処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、申告内容予想部15は、受付情報管理テーブル111において、ステータスが「受付済」の各データを対象とする(ステップS301)。
【0072】
続いて、申告内容予想部15は、対象とする各データにおいて、申告情報に含まれる各項目IDに対する難易度を項目管理テーブル112から取得し(ステップS302)、各項目IDに対する難易度を合計し、予想難易度とする(ステップS303)。
【0073】
続いて、申告内容予想部15は、対象とする各データにおいて、予想難易度に対する所要時間の平均値を算出する(ステップS304)。予想難易度に対する所要時間は、例えば、以下の式により算出される。
【0074】
予想難易度に対する所要時間=(受付終了時間−受付開始時間)/予想難易度
続いて、申告内容予想部15は、予想難易度に対する所要時間の平均値に、ステップS205で算出した予想難易度を乗算した値を、申告支援の予想所要時間とする(ステップS305)。
【0075】
なお、申告支援の予想所要時間は、予想難易度、及び担当者の習熟度に基づいて算出してもよい。例えば、(受付終了時間−受付開始時間)/(予想難易度×習熟度)の平均値を算出し、当該平均値に、ステップS205で算出した予想難易度、及び担当者の習熟度を乗算した値を、申告支援の予想所要時間としてもよい。
【0076】
<優先担当者選択処理>
次に、
図14を参照し、
図11のステップS105の、申告内容予想部15、及び担当者選択部16による優先担当者選択処理の詳細例について説明する。
図14は、優先担当者選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、担当者選択部16は、申告内容予想部15により算出された予想難易度が、所定の閾値(例えば30)以上であるか否か判定する(ステップS401)。
【0078】
予想難易度が所定の閾値以上でなければ(ステップS401でNO)、処理を終了する。これにより、予想難易度が低い簡単な申告については、優先担当者が選択されないため、臨時職員や、手の空いている担当者が支援を担当することができる。
【0079】
なお、既に待ち申告者が所定数以上存在し、次に申告支援が終了すると予想される担当者がベテランであり、その次に申告支援が終了すると予想される担当者が新人の場合等、優先担当者の選択処理を再度実行し、待っている各申告者に対する待ち時間の予想値を表示してもよい。
【0080】
予想難易度が所定の閾値以上であれば(ステップS401でYES)、担当者選択部16は、各担当者について、予想テーブル115の予想申告項目IDに含まれる各項目IDに対する、担当者テーブル116の習熟度の合計値を算出する(ステップS402)。
【0081】
続いて、担当者選択部16は、受付情報管理テーブル111を参照し、対象の申告者を前回担当した担当者のIDを取得する(ステップS403)。担当者選択部16は、例えば、受付情報管理テーブル111のうち、申告者IDが一致し、ステータスが「受付済」のデータのうち、受付日が最も新しいデータの担当者IDを取得する。
【0082】
続いて、担当者選択部16は、担当者テーブル116を参照し、前回担当した担当者IDに対応付けられた前回担当優先度を取得し、当該担当者の習熟度の合計値に加算する(ステップS404)。
【0083】
続いて、担当者選択部16は、対象の申告者のIDと、担当者IDの組み合わせが担当者指定テーブル117に登録されている場合に、当該組み合わせに対応付けられた担当者指定優先度を取得し、当該担当者の習熟度の合計値に加算する(ステップS405)。
【0084】
続いて、担当者選択部16は、習熟度の合計値が所定の閾値以上である担当者を抽出する(ステップS406)。
【0085】
続いて、申告内容予想部15は、抽出した各担当者について、現在行っている申告支援が終了するまでの待ち時間を算出する(ステップS407)。申告内容予想部15は、例えば、受付情報管理テーブル111に格納される受付開始時間に、
図13の予想所要時間算出処理にて算出した申告支援の予想所要時間を加えた時間から、現在時刻を減算した時間を、待ち時間として算出する。
【0086】
続いて、担当者選択部16は、ステップS403で抽出した担当者のうち、待ち時間が所定の閾値以下の担当者を抽出する(ステップS408)。
【0087】
続いて、担当者選択部16は、抽出した担当者のIDを、予想テーブル115の優先担当者IDに格納する(ステップS409)。なお、抽出した担当者のうち、習熟度の合計値が高い順に所定人数の担当者のIDに絞って、予想テーブル115の優先担当者IDに格納してもよい。
【0088】
<画面表示>
次に、
図15を参照し、表示制御部17が、各担当者が使用する情報端末20の画面に受付情報を表示させる画面表示例について説明する。
図15は、情報端末20での受付情報表示画面の表示例について説明する図である。
【0089】
情報端末20は、例えば担当者IDを指定して情報処理装置10にログインし、情報処理装置10から、受付情報管理テーブル111、及び予想テーブル115の情報に基づいて生成された画面データ(例えばHTMLデータ)を取得して、
図15のような画面を表示する。
図15の例では、表示制御部17は、ステータス「待機中」の申告者については、受付開始時間に待機時間を表示させ、待機時間が所定の閾値を超える場合は、例えば赤字で待機時間を表示させる。
【0090】
表示制御部17は、情報端末20にてログインしている担当者が優先担当者に設定されている場合は、当該担当者名を例えば赤字で表示させる。
【0091】
表示制御部17は、受付開始時間に予想所要時間を加算した時間である終了予想時間までの時間が所定時間以内になった場合は、画面にアラートを表示させステータスの更新操作を促す。
【0092】
優先再設定ボタンが押下されると、情報処理装置10は、担当者の空き状況や予想待ち時間に応じて優先担当者を選択する処理を再度実行する。
【0093】
担当者は、自分が優先担当者として設定されている申告者を優先的に対応する。ベテランの担当者は、自分が優先担当者として設定されている待機中の申告者がいない場合は、予想難易度が高い申告者や待機時間が長い申告者を中心に対応する。不慣れな職員は、優先担当者が未設定でかつ予想難易度が低い申告者を中心に対応する。
【0094】
<<ステータス変更>>
次に、
図16を参照し、表示制御部17が、各担当者が使用する情報端末20の画面に表示させる、申告者のステータスを変更する画面の表示例について説明する。
図16は、情報端末20でのステータス変更画面の表示例について説明する図である。
【0095】
表示制御部17は、例えば
図15の画面において、各受付情報を表示している領域がクリック操作されると、
図16の画面を表示し、申告者のステータスを変更する操作を受け付ける。
【0096】
担当者は、支援する申告者を決定すると、ステータスを「受付中」に更新する操作を行う。また、担当者は、支援が終わると、ステータスを「受付済」に更新する操作を行う。
【0097】
なお、支援が予想所要時間より延びそうな場合は、延長時間を設定する操作を行う。申告内容予想部15は、予想テーブル115の予想所要時間に、設定された延長時間を加算する。
【0098】
<<難易度見直し>>
次に、
図17を参照し、表示制御部17が、各担当者が使用する情報端末20の画面に表示させる、各項目の難易度を更新する画面の表示例について説明する。
図17は、情報端末20での各項目の難易度を更新する画面の表示例について説明する図である。
【0099】
申告内容予想部15は、申告に対する応対が終了したのち、予想所要時間と、実際の所要時間との差(乖離)が所定の閾値以上の場合に、表示制御部17により、
図17の画面を表示させる。申告内容予想部15は、当該申告の担当者から選択された申請項目に対応付けられた難易度を更新する。申告内容予想部15は、例えば、担当者から選択された申請項目に対応付けられた難易度を、乖離の大きさに基づいて更新する。
【0100】
<変形例>
申告内容予想部15は、各担当者について、現在行っている申告支援が終了するまでの待ち時間と、待機中の各申告者に対する予想所要時間を算出し、各申告者に対する待ち時間の目安を受付装置30等に表示してもよい。例えば、最後に受け付けた申告者に対しては、各担当者に対する待ち時間と、当該申告者よりも前に受け付けた待機中の各申告者に対する予想所要時間を合計した時間を、担当者の数で除算した時間を、待ち時間の目安として表示する。
【0101】
担当者選択部16は、各項目の習熟度に所定の閾値を設定し、当該所定の閾値以上の習熟度を有する担当者の中から、優先担当者を選択してもよい。
【0102】
<まとめ>
市町村等において、住民向けに確定申告や住民税申告等の申告を支援するサービスを行っている。このサービスは、例えば2月中旬〜3月中旬の一ヵ月間に、全住民の約3〜5%程度の住民が利用する場合もある。また、職員が申告者とマンツーマンで1年間の所得状況や控除状況、その他情報を整理し、申告書の作成までを支援するため、支援に掛かる所要時間が長くなる。このため、このサービスを行う税申告の受け付け会場は、待ち行列が発生している場合が多い。
【0103】
従来、税申告の支援において、不慣れな職員が複雑な申告の支援をする場合、ベテラン職員等に比べて何倍もの時間を要する場合があり、また、途中で判らない場合にベテラン職員に交代すると、当初担当した担当者のヒアリング時間等が無駄になる。その場合、全体的に待ち時間が長くなるという問題があった。
【0104】
上述した実施形態によれば、申告者の前回の申告項目に基づいて、今回の申告項目を予想し、予想した申告項目と、複数の担当者の各申告項目に対する習熟度に基づいて、申告者への応対を優先する担当者を選択する。それにより、申告者に対する担当者の割り当てを全体として適正化し、申告支援等のサービスの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0105】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0106】
情報処理装置10の各機能部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10と情報端末20は、一体の装置として実現してもよい。