特許第6616273号(P6616273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616273
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20191125BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20191125BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   G09F9/30 348A
   G09F9/30 308Z
   G09F9/30 338
   H05B33/02
   H05B33/14 A
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-227525(P2016-227525)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-111435(P2017-111435A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年11月24日
【審判番号】不服2018-8478(P2018-8478/J1)
【審判請求日】2018年6月20日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0178916
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】セヨウル・クウォン
(72)【発明者】
【氏名】セムリィヌリ・リィ
(72)【発明者】
【氏名】ドジン・キム
【合議体】
【審判長】 中塚 直樹
【審判官】 小林 紀史
【審判官】 櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−232300(JP,A)
【文献】 特表2012−518892(JP,A)
【文献】 特開2013−178525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30 - 9/46
H05B 33/00 - 33/28
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示領域と画像が表示されない非表示領域を含み、前記非表示領域内に曲げることができるベンディング領域が具備された基板;
前記基板上の非表示領域に配置され、第1リンク配線および第2リンク配線を含むリンク配線;
前記基板上のベンディング領域に配置された第1バッファ層;
前記基板上のベンディング領域内で前記第1バッファ層上に配置され、前記ベンディング領域内において、前記リンク配線と接続されているベンディング接続配線;
前記基板のベンディング領域内で前記リンク配線と前記ベンディング接続配線との間に配置された第2バッファ層;
前記ベンディング領域に配置された第1コンタクトホール;および
前記ベンディング領域に配置された第2コンタクトホールを含み、
前記第1リンク配線は、前記第1コンタクトホールを通じて前記ベンディング接続配線の一端に接続されて、前記第2リンク配線は、前記第2コンタクトホールを通じて前記ベンディング接続配線の他端と接続されており、
前記ベンディング領域にベンディングモーメントが加えられたときに生じる引張応力と圧縮応力が相殺され、曲げ面に加えられる力が最小となる中立面が、前記ベンディング接続配線内に位置するように、前記ベンディング領域内に配置される各層の厚さが決定されている
フレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記ベンディング接続配線を取り囲み、前記基板のベンディング領域内で前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置された無機膜層をさらに含む請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記第1バッファ層は、前記無機膜層の真下に配置され、前記第2バッファ層は、前記無機膜層の真上に配置されることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記第1バッファ層と前記第2バッファ層は、互いに同一の物質からなり、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層は、同一の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記第2バッファ層上に配置され、前記第2バッファ層よりも高い耐水性を有するマルチバッファ層をさらに含む請求項4に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
GIP領域、前記表示領域及び前記非表示領域のうち少なくとも一つの領域に配置された遮光層がさらに備えられており
前記表示領域に配置された遮光層は、前記表示領域に位置する薄膜トランジスタのアクティブ層に光が入射するのを防止するためのものであり
前記ベンディング接続配線は、前記GIP領域前記遮光層と同じ層に配置され、前記GIP領域及び前記表示領域に配置された前記遮光層と同一の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記第1リンク配線は、前記表示領域内で薄膜トランジスタの電極と接続され、前記ベンディング領域内で前記ベンディング接続配線の一端に接続され、
前記第2リンク配線は、前記非表示領域内でパッドと接続されて、前記ベンディング領域内で前記ベンディング接続配線の他端と接続される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記第1リンク配線と前記第2リンク配線は、互いに平行に配列されていることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記第2リンク配線に接続される駆動フィルムをさらに含み、
前記駆動フィルムは、前記基板に平行に配列されていることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
前記第1バッファ層と前記第2バッファ層は、ポリイミドからなる請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記マルチバッファ層上に配置されたアクティブ層;及び
前記アクティブ層上に配置されたパッシベーション層をさらに含む請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項12】
画像が表示される表示領域と画像が表示されない非表示領域を含み、前記非表示領域内に曲げることができるベンディング領域が具備された基板;
表示領域内に配置され、第1層に位置した電極を含む薄膜トランジスタ;
前記非表示領域のベンディング領域内で前記薄膜トランジスタの電極を含む前記第1層の下に位置する第2層に配置されるベンディング接続配線;
前記第2層に位置する前記ベンディング接続配線と、前記第1層に位置する前記薄膜トランジスタの電極を互いに電気的に接続する、前記非表示領域に配置されたリンク配線;
第1バッファ層と第2バッファ層であって、前記ベンディング接続配線は、前記ベンディング領域内で前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置される、第1バッファ層と第2バッファ層;
前記ベンディング領域に配置された第1コンタクトホール;
前記ベンディング領域に配置された第2コンタクトホール;
第1端および第2端を含む第1リンク配線であって、前記第1リンク配線の前記第1端は、前記薄膜トランジスタの電極と接続されて、前記第1リンク配線の前記第2端は、第1コンタクトホールを通じて前記ベンディング接続配線の第1端と接続される、第1リンク配線;および
第1端および第2端を含む第2リンク配線であって、前記第2リンク配線の前記第1端は、前記非表示領域内でパッドと接続されて、前記第2リンク配線の前記第2端は、第2コンタクトホールを通じて前記ベンディング接続配線の第2端と接続される、第2リンク配線を含み、
前記ベンディング領域にベンディングモーメントが加えられたときに生じる引張応力と圧縮応力が相殺され、曲げ面に加えられる力が最小となる中立面が、前記ベンディング接続配線内に位置するように、前記ベンディング領域内に配置される各層の厚さが決定されている
フレキシブル表示装置。
【請求項13】
前記基板上で、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置された無機膜層をさらに含む請求項12に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項14】
前記第1バッファ層は、前記無機膜層の真下に配置され、前記第2バッファ層は、前記無機膜層の真上に配置されることを特徴とする請求項13に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項15】
前記第1バッファ層と前記第2バッファ層は、互いに同一の物質からなり、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層は、同一の厚さを有することを特徴とする請求項12に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項16】
GIP領域、前記表示領域及び前記非表示領域のうち少なくとも一つの領域に配置された遮光層がさらに備えられており
前記表示領域に配置された遮光層は、前記表示領域に位置する薄膜トランジスタのアクティブ層に光が入射するのを防止するためのものであり
前記ベンディング接続配線は、前記GIP領域前記遮光層と同じ層に配置され、前記GIP領域及び前記表示領域に配置された前記遮光層と同一の物質からなることを特徴とする請求項12に記載のフレキシブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、情報化時代になるにつれて大量の情報を処理し表示するディスプレイ(display)分野が急速に発展してきたが、それとともに、多様な表示装置が開発されて脚光を浴びている。そのような表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気発光表示装置( Electroluminescence Display device:ELD)、有機発光素子(Organic Light Emitting Diodes:OLED)などを挙げることができる。
【0003】
その中で有機発光素子を用いた有機発光表示装置は、表示パネルに備えられる有機発光素子が高い輝度と低い動作電圧特性を有し、また、自ら光を出す自体発光型であるため、コントラスト比が良く、超薄型ディスプレイの具現が可能であるという利点がある。また、応答時間が数マイクロ秒程度で動画の具現が容易であり、視野角の制限がなく、低温でも安定した特性がある。
【0004】
近年では、携帯が容易で多様な形態の構成が可能であり、破損防止等の多様な目的を実現するために、平板の表示装置をフレキシブル表示装置(Flexible Display Device)として具現するための多くの努力がなされている。例えば、液晶表示装置と有機発光表示装置をプラスチックのようなフレキシブルな基板上に配置することにより、フレキシブル液晶表示装置およびフレキシブル有機発光表示装置を製作できるようになる。
【0005】
ただし、フレキシブル表示装置の折り曲げ可能な特性のために、フレキシブルな基板以外に、表示装置内部の素子のベンディング(Bending)特性に対する開発が求められている。
【0006】
また、このようなフレキシブルな特性を表示装置に適用して画像が具現されないベゼル(Bezel)部に該当する領域を曲げて、ベゼルの幅を最小化するベゼルベンディング(Bezel Bending)技術が紹介されている。
【0007】
図1は、ベゼルベンディングを用いた一般的なフレキシブル表示装置を示した平面図であり、図2は、図1のA領域の拡大図であり、図3は、図1に示された線I−I’の断面図であり、図4は、図3のベンディング領域を曲げた様子を示す断面図である。
【0008】
図1図4を参照すると、ベゼルベンディングを用いた一般的なフレキシブル表示装置は、表示領域1、非表示領域2、ベンディング領域3、GIP(Gate In Panel)領域4および駆動部5を含む。
【0009】
前記表示領域1は、画像が具現される領域を言い、前記非表示領域2は、画像が具現されない領域をいう。前記非表示領域2の一部は、曲がった形のベンディング領域3を含む。前記GIP領域4は、TFT(Thin Film Transistor)基板形成時のゲート駆動回路が表示パネルの内部に位置する領域である。
【0010】
これらの表示領域1と非表示領域2は、基板25、ポリイミド層24、マルチバリア層23、無機層22、ゲート絶縁層20、層間絶縁層21、パッシベーション層20を含んでいる。
【0011】
ここで、表示領域1上に、薄膜トランジスタ層(T)、平坦化層30、アノード電極40および補助電極50が形成されている。薄膜トランジスタ層(T)は、アクティブ層11、ゲート絶縁膜12、ゲート電極13、層間絶縁膜14、ソース電極15およびドレイン電極16を含んでなる。
【0012】
前記アノード電極40と補助電極50上にバンク60が形成されて画素領域が定義され、前記バンク60によって定義された画素領域内には、有機発光層70が形成されており、前記有機発光層70上にカソード電極80が形成されている。
【0013】
このような一般的なフレキシブル表示装置は、図4に示すように、非表示領域2の一部に対応するベゼルを最小限に抑えるため、ベンディング領域3が曲がった形態を有する。ここで、前記薄膜トランジスタ層(T)から接続されたソース電極15にクラック(Crack)の発生がおこり得る。したがって、一般的なフレキシブル表示装置は、このようなクラックを低減することができる構造として、図2のパターンのような形状の配線を使用する。
【0014】
ただし、この場合、前記ソース電極15が、中立面(Neutral Plane)に位置していなく、ソース電極15に発生するクラックを完全には妨ぐことができない。
【0015】
また、この場合、図2に示すように、配線間の距離(P)と配線の幅(L)により高解像度表示装置に適用が不可能な短所がある。高解像度表示装置の場合、配線が比較的多いため、このような配線の距離(P)と幅(L)が占める面積によって配線設計に制約が伴うからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、ベンディング領域の配線のクラックを防止することができるフレキシブル表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0017】
また、直線配線を用いて、高解像度のフレキシブル表示装置を提供することをもう一つの技術的課題とする。
【0018】
また、非表示領域のベゼルを最小化し、美感に優れたフレキシブル表示装置を提供することをさらにもう一つの技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述した技術的課題を達成するための本発明に係るフレキシブル表示装置は、画像が表示される表示領域と画像が表示されない非表示領域を含み、非表示領域内に曲げることができるベンディング領域が備えられた基板、基板上の非表示領域に配置されたリンク配線、基板上のベンディング領域に配置された第1バッファ層、基板上のベンディング領域内で第1バッファ層上に配置されてベンディング領域内のリンク配線と接続されているベンディング接続配線、および基板のベンディング領域内でベンディング接続配線上に配置された第2バッファ層を含んでいる。
【0020】
前述した技術的課題を達成するための本発明の他の発明に係るフレキシブル表示装置は、画像が表示される表示領域と画像が表示されない非表示領域を含み、非表示領域内に曲げることができるベンディング領域が備えられた基板、表示領域内に配置され、第1層に位置する電極を含む薄膜トランジスタ、非表示領域のベンディング領域内で薄膜トランジスタの電極を含む第1層の下に位置する第2層に配置されるベンディング接続配線、非表示領域の少なくとも1つのコンタクトホールを通じて第2層に位置するベンディング接続配線と第1層に位置する薄膜トランジスタの電極を互いに電気的に接続するリンク配線、第1バッファ層及び第2バッファ層を含んでいる。ベンディング接続配線は、前記ベンディング領域内で前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置される。
【発明の効果】
【0021】
前記課題の解決手段によれば、次のような効果がある。
【0022】
第一に、ベンディング領域の配線のクラックを防止することができるフレキシブル表示装置を得ることができる。
【0023】
第二に、直線配線を用いて、高解像度のフレキシブル表示装置を得ることができる。
【0024】
第三に、非表示領域のベゼルを最小化し、美感に優れたフレキシブル表示装置を得ることができる。
【0025】
前述した本発明の効果に加えて、本発明の他の特徴および利点は、以下の技術、または、そのような技術および説明から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一般的なフレキシブル表示装置の正面図である。
図2図1のA領域の拡大図である。
図3図1に示された線I−I’の断面図である。
図4】一般的なフレキシブル表示装置が曲げられた様子を示した断面図である。
図5】本発明に係るフレキシブル表示装置の正面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る図5のに示された線II−II’の断面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る図5のに示された線II−II’の断面図である。
図8】本発明に係るフレキシブル表示装置の中立面を示した図である。
図9a】本発明に係るフレキシブル表示装置の厚さを決定するための実験を説明するための図である。
図9b】本発明に係るフレキシブル表示装置の厚さを決定するための実験を説明するための図である。
図9c】本発明に係るフレキシブル表示装置の厚さを決定するための実験を説明するための図である。
図10】本発明に係るフレキシブル表示装置が曲げられた様子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図とともに詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にして本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されているものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0028】
本発明の実施例を説明するために図で開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するに当たって、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及した「含む」、「有する」、「なされる」などが用いられている場合は、「〜のみ」が使用されていない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0029】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0030】
位置関係の説明の場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜の横に」など2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0031】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「〜後に」、「〜に続いて」、「〜次に」、「〜前に」など、時間的前後関係が説明されている場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない以上、連続していない場合も含むことができる。
【0032】
第1、第2などが、多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態のそれぞれの特徴が部分的に、または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例は、互いに独立して実施可能であり得、連関関連によってともに実施することもできる。
【0034】
以下、図を参照して本発明の好ましい実施例に対して詳細に説明することにする。
【0035】
図5は、本発明に係るフレキシブル表示装置の正面図を示す。図6は、本発明の一実施形態に係る図5に示された線II−II’の断面図であり、図7は、本発明の他の実施形態に係る図5に示された線II−II’の断面図である。
【0036】
図5図6及び図7を参照すると、本発明によるフレキシブル表示装置は、表示領域1と非表示領域2、駆動フィルム5およびGIP領域4を含み、前記非表示領域2は、ベンディング領域3を含む。まず、表示領域1に対して説明して非表示領域2とベンディング領域3を説明する。
【0037】
前記表示領域1は、基板210上の第1バッファ層220、無機膜層230、第2バッファ層240、マルチバッファ層250、薄膜トランジスタ(T)、パッシベーション層270、平坦化層180、アノード電極185、補助電極190、バンク層200、有機発光層203、カソード電極207を含んでなる。
【0038】
前記基板210は、プラスチックフィルム(plastic film)であり得る。例えば、前記基板210は、TAC(トリアセチルセルロース)またはDAC(ジアセチルセルロース)などのようなセルロース樹脂(Cellulose resin)、ノルボルネン誘導体(Norbornene derivatives)などのCOP(シクロオレフィンポリマー)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのアクリル樹脂(acrylic resin)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)などのポリオレフィン(polyolefin)、PVA(ポリビニルアルコール)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル(polyester)、PI(ポリイミド)、PSF(ポリスルホン)、またはフッ素樹脂(fluoride resin)などを含むシートまたはフィルムであり得るが、これらに限定されない。
【0039】
前記第1バッファ層220は、基板210の上面に配置され、PI(polyimide)からなり得るが、これに限定されない。本発明では、前記第1バッファ層220は、中立面を構成するための一要素であるため、ベンディング領域3で詳しく説明することにする。
【0040】
前記無機膜層230は、酸化物及び窒化物を含む物質からなり得、SiNx、SiOx、TiOx、AlOx、IGO、IZO、IGZOなどの無機材料からなり得る。このような無機層230は、内部に水分が透湿することを防止する役割をすることができる。無機膜層230は、第1バッファ層220が無機膜層230の真下に位置するために、第1バッファ層220の真上に位置することができる。
【0041】
前記第2バッファ層240は、基板210の上面に配置され、PI(polyimide)からなり得るが、これに限定されない。本発明では、前記第2バッファ層240は、中立面を構成するための一要素であるため、ベンディング領域で詳しく説明することにする。
【0042】
前記マルチバッファ層250は、Si、Al、Ba、Cu、Mo、Ti、Znなどの金属物質の酸化/窒化物を含む無機物質からなり得る。前記薄膜トランジスタ(T)の製造工程の中で、高温工程時に前記基板210上に含有された物質が薄膜トランジスター(T)に拡散することを防止する役割をする。また、前記マルチバッファ層250は、外部の水分や湿気が透明フレキシブル表示装置の内部に浸透することを防止する役割も行うことができる。したがって、マルチバッファ層250は、第2バッファ層240のような透明フレキシブル表示装置の他の構成よりも高い耐水性を有する。
【0043】
前記薄膜トランジスタ層(T)は、アクティブ層110、ゲート絶縁膜120、ゲート電極130、層間絶縁膜140、ソース電極150およびドレイン電極160を含んでなる。
【0044】
前記アクティブ層110は、前記ゲート電極130と重なるように前記基板105上に形成される。前記アクティブ層110は、シリコン系半導体物質からなり得、酸化物系半導体材料からもなり得る。図7に示すように、前記基板105と、前記アクティブ層110との間に遮光膜284と、アクティブバッファ層290が追加で形成され得る。この場合、前記基板105の下面を通じて入射する外部光が前記遮光膜284によって遮断されることにより、前記アクティブ層110が外部光によって損傷する問題を防止することができる。
【0045】
前記ゲート絶縁膜120は、前記アクティブ層110上に形成される。前記ゲート絶縁膜120は、前記アクティブ層110とゲート電極130を絶縁させる機能を遂行する。前記ゲート絶縁膜120は、無機絶縁物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOX)、シリコン窒化膜(SiNX)、またはそれらの多重膜からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。前記ゲート絶縁膜120は、前記領域(PA)まで延長することができる。
【0046】
前記ゲート電極130は、前記ゲート絶縁膜120上に形成される。前記ゲート電極130は、前記ゲート絶縁膜120を間に置いて、前記アクティブ層110と重なるように形成される。前記ゲート電極130は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、銅(Cu)のいずれか、またはこれらの合金からなる単一層または多重層であり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0047】
前記層間絶縁膜140は、前記ゲート電極130上に形成される。前記層間絶縁膜140は、前記ゲート絶縁膜120と同じ無機絶縁物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOX)、シリコン窒化膜(SiNX)、またはそれらの多重膜で形成され得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0048】
前記ソース電極150およびドレイン電極160は、前記層間絶縁膜140上で互いに対向するように形成される。前述したゲート絶縁膜120と層間絶縁膜140には、前記アクティブ層110の一端領域を露出させる第1コンタクトホール(CH1)及び前記アクティブ層110の他端領域を露出させる第2コンタクトホール(CH2)が備えられていて、前記ソース電極150は、前記第2コンタクトホール(CH2)を通じて、前記アクティブ層110の他端領域と接続され、前記ドレイン電極160は、前記第1コンタクトホール(CH1)を通じて、前記アクティブ層110の一端領域に接続される。また、前記ソース電極150は、非表示領域2まで延長され、第1リンク配線151と接続することができる。
【0049】
以上のような薄膜トランジスタ層(T)の構成は、図示された構造に限定されず、当業者に公知された構成で多様に変形可能である。例として、図には、ゲート電極130がアクティブ層110の上に形成されているトップゲート(Top Gate)構造を示したが、ゲート電極130がアクティブ層110の下に形成されるボトムゲート(Bottom Gate)構造からなることもできる。
【0050】
前記パッシベーション層270は、前記薄膜トランジスタ層(T)上に、より詳細には、前記ソース電極150およびドレイン電極160の上面上に形成されている。前記パッシベーション層270は、前記薄膜トランジスタ層(T)を保護する機能をし、このようなパッシベーション層270は、無機絶縁物質、例えば、シリコン酸化膜(SiOX)またはシリコン窒化膜(SiNX)からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0051】
前記平坦化層180は、前記パッシベーション層270上に形成される。前記平坦化層180は、前記薄膜トランジスタ(T)が備えられている前記基板210の上部を平坦にする機能を遂行する。前記平坦化層180は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機絶縁物からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0052】
前記アノード電極185は、前記平坦化層180上に形成されている。前述したパッシベーション層270と平坦化層180には、前記ソース電極150を露出させる第3コンタクトホール(CH3)が備えられており、前記第3コンタクトホール(CH3)を通じて、前記ソース電極150と前記アノード電極185が接続される。
【0053】
前記補助電極190は、アノード電極185と同じ層に形成される。これらの補助電極190は、後述するカソード電極207の抵抗を減らす役割をする。
【0054】
前記バンク層200は、前記平坦化層180の一面とアノード電極185の両側端付近および補助電極190の両側端部に形成される、平坦化層180は、パッシベーション層270と平坦化層180からソース電極150を露出させる第3コンタクトホール(CH3)を含む。このようにバンク層200は、水分が透明フレキシブル表示装置の内部に透湿することを防止することができる。このようなバンク層200は、ポリイミド樹脂(polyimide resin)、アクリル樹脂(acryl resin)、ベンゾシクロブテン(BCB)などのような有機絶縁物からなり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0055】
前記有機発光層203は、図示していませんが、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、および電子注入層が順番に積層された構造で形成することができる。ただし、前記正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子注入層の中の一つ、または二つ以上の層は省略することができる。前記有機発光層は、画素別に同じ色、例として白(white)の光を放出するように形成することもでき、画素別に異なる色、例として、赤色、緑色、または青色の光を放出するように形成することもできる。
【0056】
前記カソード電極207は、前記有機発光層203上に形成されている。前記カソード電極207は、光が放出される面に形成されるため、透明な導電物質からなる。前記カソード電極207は、透明な導電物質からなるため抵抗が高くなり、そのため、前記カソード電極207の抵抗を減らすために、前記カソード電極207は、前記補助電極190と接続される。前記カソード電極207は、スパッタリング(Sputtering)のような蒸着物質の直進性が良くない蒸着工程を通じて形成することができる。
【0057】
図に示されていないが、前記カソード電極207上に密封層(encapsulation layer)を追加で形成して、水分の浸透を防止することができる。前記密封層は、当業界に公知された多様な材料を用いることができる。また、図示していませんが、前記カソード電極207上に、各画素別にカラーフィルタを追加で形成することもでき、その場合には、前記有機発光層203からホワイト光が発光され得る。
【0058】
次に、前記GIP領域4は、前記表示領域1と対応するように、各層が形成されていて、GIP領域4には、前記ゲート絶縁膜202上に多数個の駆動素子と電源配線が形成される。また、GIP領域4内の無機膜層230には、後述するベンディング接続配線280と同じ工程によって同じ層に形成される遮光層282を備えることができる。ただし、これに限定されず、前記遮光層282は、表示領域1、非表示領域2、GIP領域4のいずれかひとつの領域に形成することができる。
【0059】
次に、前記駆動フィルム5は、前記非表示領域2と平行に配列されて、画像を具現するための電気信号を表示領域に伝達する。駆動フィルム5は、後述する第2リンク配線143と接続される。つまり、このような駆動フィルム5の先端には、外部システム(未図示)と接続されるように回路パッド(未図示)が形成され得、それにより、表示領域1と、外部システムが電気的に接続されることになる。
【0060】
次に、本発明に係るフレキシブル表示装置の非表示領域2とベンディング領域3に対して詳細に説明する。ここで、表示領域1と重複する部分の説明は省略する。
【0061】
本発明に係るフレキシブル表示装置の非表示領域2とベンディング領域3は、さらに、第4コンタクトホール(CH4)、第5コンタクトホール(CH5)、ベンディング接続配線280、第1リンク配線151と第2リンク配線153を含んでなる。また、前記非表示領域2内の無機膜層230には、ベンディング接続配線280と同一工程によって同一層に形成される遮光層(Light Shield)を備えることができる。
【0062】
前記第1リンク配線151は、表示領域のソース電極150が延長され、ベンディング領域のベンディング接続配線280の一端と第4コンタクトホール(CH4)を通じて電気的に接続される。このようなベンディング接続配線280の他端は、第4コンタクトホール(CH5)を通じてパッド部と接続された第2リンク配線153に接続される。また、図9に示すようにフレキシブル表示装置をベンディング領域で曲げると、前記第1リンク配線151及び第2リンク配線153は、互いに平行に配置され得る。
【0063】
無機膜層230は、第1有機膜層及び第2有機膜層を含むことができる。ベンディング接続配線280は、ベンディング領域で第1有機膜層上に形成することができる。そして、第2有機膜層は、第1有機膜層とベンディング接続配線280上に形成することができる。ベンディング接続配線280は、無機膜層230によって取り囲まれ得る。
【0064】
また、前記無機膜層230は、第1バッファ層220が無機膜層230の真下に位置し、第2バッファ層240が無機膜層230の真上に位置するために、第1バッファ層220と第2バッファ層240との間に位置する。
【0065】
前記第1バッファ層220と第2バッファ層240は、前記無機膜層230を間に置いてポリイミドのような同一物質を有して同じ厚さに形成することができる。ただし、これに限定されず、TAC(トリアセチルセルロース)またはDAC(ジアセチルセルロース)などのようなセルロース樹脂(Cellulose resin)、ノルボルネン誘導体(Norbornene derivatives)などのCOP(シクロオレフィンポリマー)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのアクリル樹脂(acrylic resin)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)などのポリオレフィン(polyolefin)、PVA(ポリビニルアルコール)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル(polyester)、PI(ポリイミド)、PSF(ポリスルホン)などからなり得る。
【0066】
このように、一般的なフレキシブル表示装置とは異なり、第1バッファ層220および第2バッファ層240を間に置いて第1リンク配線151及び第2リンクの配線153が接続されているベンディング接続配線280を配置することで、直線配線構造を有する高解像度フレキシブル表示装置を得ることができる。
【0067】
このようなベンディング接続配線280は、第1バッファ層220と第2バッファ層240間に配置されてベンディング接続配線280に中立面(Neutal Plane)が形成される。中立面は、ベンディングモーメント(bending moment)が加えられるときに伸びたり縮んだりせず、本来の長さを維持しながら、曲がることだけをする面をいう。すなわち、曲げた時に引張応力と圧縮応力が加わるが、このような引張応力と圧縮応力が相殺され、曲げ面に加えられる力が最小となる面をいう。
【0068】
また、物体にベンディングモーメントを加えた際に生じる中立面(NP)は、その物体の中に形成される。したがって、配線を挟んで、その上下が互いに同じ厚さを有し、可能な限り同じ物性を有する構成で配置すると、フレキシブル表示装置にベンディングモーメントが加えられた際に生じる中立面(NP)に保護しようとする配線を形成することになる。
【0069】
以下、図8を参照して、本発明のフレキシブル表示装置の第1バッファ層220および第2バッファ層240とベンディング接続配線280に形成された中立面に対して説明する。
【0070】
図8は、本発明に係るフレキシブル表示装置のベンディング領域で形成される中立面を概略的に示す図である。図8に示されたベンディング接続配線280に中心には中立面(NP)が形成されている。ここで、上下垂直に図示された点線からそれに斜めに接する直線で矢印方向の力が伝達される。ここで、中立面(NP)を基準に上部にある矢印は、引張応力を示し、中立面(NP)を基準に下部にある矢印は、圧縮応力を示す。これらの引張応力と圧縮応力が繰り返し加わったり、破壊強度以上の応力が加わると、フレキシブル表示装置の内部に形成された配線が損傷したり断線し得る。
【0071】
そこで、本発明に係るフレキシブル表示装置では、ベゼルを最小限に抑えながらベンディング領域3に位置する前記ベンディング接続配線280の損傷を防止するために、ベンディング接続配線280上に中立面が位置するようにベンディング領域3上の各層の厚さを決定することができる。
【0072】
図9a及び図9bは、本発明に係るフレキシブル表示装置の基板とバッファ層の厚さを決定するための実験を示す。図9cは、前記の実験をもとに、本発明に係るフレキシブル表示装置の各層の厚さを設定した様子を示す。
【0073】
図9a及び図9bのグラフのX軸は中立面が表わす距離を意味し、Y軸はそれぞれ応力(stress)とひずみ(strain)を示す。これらのシミュレーションを通じた解釈の方法は、ヤング率(Young's Modulus;E)、ポアソン比(Poisson's ratio;v)、厚さ(thickness;d)、力(Strain;ε)および合計厚さ(Layer Total Thickness;h)に関する中立面理論に基づいている。
【0074】
図9a及び図9bを参照すると、基板の厚さを含めて、ベンディング接続配線280までの合計厚さが60.1μmないし60.2μmを有するとき、ベンディング接続配線280上に中立面が形成され得る。すなわち、基板を含むベンディング接続配線280までの合計厚さが60.1μm〜60.2μmになる地点に保護しようとする配線を配置する場合、作用する力が最小になる。したがって、この地点をターゲットポイントにしてベンディング接続配線280を配置することになる。
【0075】
図9cを参照すると、基板210の厚さが50μm、第1バッファ層220の厚さが10μm、無機膜層230の厚さが0.1μm、第2バッファ層240の厚さが10μm、マルチバッファ層250の厚さが1.2μmに設計され、前記ベンディング接続配線280を無機膜層230に配置したとき、中立面がベンディング接続配線280上に形成され得る。すなわち、本発明に係るフレキシブル表示装置の各層の厚さが、図9cに示された厚さを有するとき、中立面がベンディング接続配線280に形成されて、曲げた時にもベンディング接続配線280に損傷や断線が発生しない。ただし、前記の厚さは、一実施例を示したものであり、基板の厚さや物性、第1バッファ層220および第2バッファ層240の厚さや物性に応じて、中立面が表示される位置が変わり得ます。そのため、該当技術分野に従事する者にとって容易に設計可能な厚さの数値を用いて、目的とする中立面を設計することができる。例えば、前記第1バッファ層220及び第2バッファ層240が同じ厚さを有し、同じ物性を有するように設計することができる。
【0076】
また、前記ベンディング領域3は、図8に示すように、エッチングにより、島パターン(island pattern)が形成されている。これらのパターン構造は、無機膜単層構造に比べて応力の集中度を軽減することができ、クラック問題の発生を低減させることができる。図は、1つの島パターン構造を示したが、これに限定されない。例えば、エッチングを通じて複数の島パターン構造を実現することができる。
【0077】
図10は、本発明に係るフレキシブル表示装置のベンディング領域を曲げた様子を示す図である。
【0078】
図10から分かるように、前記ベンディング領域3内のベンディング接続配線280上に圧縮応力と引張応力の合力が相殺される中立面が形成され、ベンディング接続配線280に損傷や導線が発生しない。また、本発明に係るフレキシブル表示装置のベンディング接続配線280は、直線配線構造をつくることによって、配線間の間隔が減少する高解像度フレキシブル表示装置に使用することができる。また、図に示されたように、ベンディング領域3が曲がって非表示領域2に該当するフレキシブル表示装置のベゼル部が薄くなり得、美感に優れたフレキシブル表示装置を得ることができる。
【0079】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付された図に限定されるものではなく、本発明の技術的事項を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0080】
T:薄膜トランジスタ
250:マルチバッファ層
180:平坦化層
185:アノード電極
190:補助電極
200:バンク層
203:有機発光層
207:カソード電極
210:基板
220:第1バッファ層
230:無機膜層
240:第2バッファ層
270:パッシベーション層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10