(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616300
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】玩具組立セットの組立用プレート及び組立用プレートを備える玩具組立セット
(51)【国際特許分類】
A63H 33/08 20060101AFI20191125BHJP
【FI】
A63H33/08 C
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-534952(P2016-534952)
(86)(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公表番号】特表2016-538079(P2016-538079A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】DK2014050406
(87)【国際公開番号】WO2015078479
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年11月24日
(31)【優先権主張番号】PA201370724
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】594012623
【氏名又は名称】レゴ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン,クアート
【審査官】
上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−521161(JP,A)
【文献】
米国特許第02119921(US,A)
【文献】
米国特許第06186856(US,B1)
【文献】
特表2003−503168(JP,A)
【文献】
特開2012−191998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具組立セットの組立用プレートであって、該組立用プレートは、平坦な頂面と底面とを有する本体部を有し、該頂面には、複数の結合スタッドが互いに同じ距離だけ離間して真っ直ぐな列に構成され、該底面には、該組立用プレートの前記頂面にある前記結合スタッドに対して相補的な形態の複数の結合窪みが設けられ、前記本体部は、少なくとも、該組立用プレートの前記頂面と前記底面との間に延びる第1の側面、第2の側面、第3の側面及び第4の側面を更に有し、該組立用プレートは、前記第2の側面の中央に、前記平坦な頂面に対して前記底面の方向に後退した平坦面を有するソケットを有し、該ソケットには前記結合スタッドが設けられ、該ソケットは、前記平坦な頂面に対して平行であるとともに該平坦な頂面の下方に或る距離だけ離間するように構成され、前記第1の側面には、該第1の側面から略直角に延びるブラケットプレートが構成され、該ブラケットプレートは、前記本体部の前記平坦な頂面の延長線上に延びる平坦なブラケット頂面と、該ブラケット頂面に対して平行であるとともに該ブラケット頂面の下方に所与の距離だけ離間して構成され、前記結合窪みが設けられているブラケット底面と、を有するように構成され、前記第2の側面において、前記ソケットの前記後退した平坦面は、前記ブラケット頂面と前記ブラケット底面との間の前記所与の距離に対応して前記頂面の下方に或る距離だけ離間して設けられ、前記ソケットは、前記ブラケットプレートに相当するブラケットプレートを受けて、前記ブラケット底面にある前記結合窪みと前記後退した平坦面にある前記結合スタッドとを相互接続することにより、該ブラケットプレートと相互接続することが可能であるように更に構成されており、前記第1乃至前記第4の側面のうちの3つに、前記ブラケットプレートに相当するブラケットプレートを受けて該ブラケットプレートと相互接続するのに用いるソケットが設けられており、該ソケットは前記第1乃至前記第4の側面のうちの3つに設けられた3つの前記ソケットのうちの1つのソケットが他の2つのソケットと同様の構成であることを特徴とする、組立用プレート。
【請求項2】
前記本体部の前記頂面は四角形であることを特徴とする、請求項1に記載の組立用プレート。
【請求項3】
前記第3の側面及び前記第4の側面は平坦であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組立用プレート。
【請求項4】
各前記ソケットにある前記後退した平坦面は、前記ブラケット頂面の面積及び形状と同一の面積及び形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の組立用プレート。
【請求項5】
前記後退した平坦面及び前記ブラケット頂面は四角形であることを特徴とする、請求項4に記載の組立用プレート。
【請求項6】
前記本体部の前記頂面は正方形であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立用プレート。
【請求項7】
前記ブラケット頂面は、前記第1の側面の幅よりも小さい幅を有することを特徴とする、請求項5に記載の組立用プレート。
【請求項8】
前記ブラケットプレートは、前記第1の側面の中央に構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の組立用プレート。
【請求項9】
前記組立用プレートの前記平坦な頂面にある前記結合スタッドと、前記ソケットのそれぞれの前記後退した平坦面にある前記結合スタッドとは同じであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組立用プレート。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の組立用プレートを少なくとも2つ備えることを特徴とする、玩具組立セット。
【請求項11】
前記玩具組立セットは、平坦な頂面と底面とを有する本体部を有する第3の組立要素を更に備え、該底面には、前記ソケットの前記後退した平坦面にある前記結合スタッドに対して相補的な形態の複数の結合窪みが設けられ、前記第3の組立要素の前記本体部は、前記ブラケット頂面と前記ブラケット底面との間の前記所与の距離に対応する高さを有することを特徴とする、請求項10に記載の玩具組立セット。
【請求項12】
前記第3の組立要素の前記平坦な頂面及び前記底面は、前記玩具組立セット自体の組立用プレートにそれぞれ構成されている、2つの隣り合うソケットの前記後退した平坦面にある前記結合スタッドに同時に取り付けられることを可能にする面積及び形状を有することを特徴とする、請求項11に記載の玩具組立セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具組立セットの組立用プレート(building plate:組立用基礎板)及び1つ又は複数のそのような組立用プレートを備える玩具組立セットに関する。この組立用プレートのそれぞれは、平坦な頂面と底面とを有する本体部を有し、その頂面には、複数の結合スタッドが互いに同じ距離だけ離間して真っ直ぐな列に構成され、その底面には、組立用プレートの頂面にある結合スタッドに対して相補的な形態の複数の結合窪みが設けられる。本体部は、少なくとも、組立用プレートの頂面と底面との間に延びる第1の側面及び第2の側面を更に有する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの組立用プレートは、多くの異なる形態で知られている。組立用プレートの機能は、組立用プレート上で1つ又は複数の構造物を組み立てるために複数の組立ブロックを取り付ける固定基礎としての役割を果たすことである。それにより、組立用プレートは、組立用プレート上に組み立てられている個々の構造物の固定された補強支持体が存在し、また、同じ組立用プレート上に組み立てられているいくつかの構造物の相対的な位置決めが保持されることを確実にする。しかしながら、これらの既知の組立用プレートに関しては、組立用プレート上に組み立てられるのを意図された構造物(複数の場合もある)の支持体を形成することを可能にするために、所与の玩具組立セットの組立用プレートが、かなりの寸法又は頂面面積を有する必要があるという問題がある。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3は、いくつかの組立用プレートを並べて配置し、その際、組立用プレートに取り付けられるか又は組立用プレートの下に置かれる別個の組立要素を使用することで、これらの組立用プレートを結合することが可能である玩具組立セットを教示している。この玩具組立セットの問題は、組立用プレートを一緒に保持する組立要素を必ず2つの組立用プレート上に配置しなければならないので、ユーザーが制限を受けることである。特許文献2及び特許文献3は、要素の側面に構成されているキャビティを更に示している。このキャビティは、組立用プレートの結合に用いる別個の組立要素を受ける役割を果たす。
【0004】
特許文献4は、様々な空間構造物に相互接続することができる三角形の組立ピースを備える玩具組立システムを教示している。各組立ピースは、その1つの角部に突出ブラケットが設けられており、残りの2つの角部には、別の組立ピースにある突出ブラケットと相互接続されるように構成されているカップ部がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第97/18875号
【特許文献2】国際公開第01/02069号
【特許文献3】仏国特許発明第2223957号明細書
【特許文献4】米国特許第6186856号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑みて、本発明の目的は、複数の組立用プレートを使用することで、一貫したより大きい組立用プレートを構築することが可能であると同時に、玩具組立セットの残りの組立ブロックの利用及び使用に関してユーザーにより高い自由度を与えることが可能な組立用プレート及び玩具組立セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、上述した組立用プレート又は玩具組立セットであって、該組立用プレートの前記第1の側面には、該第1の側面から略直角に延びるブラケットプレートが構成され、該ブラケットプレートは、前記本体部の前記平坦な頂面の延長線上に延びる平坦なブラケット頂面と、該ブラケット頂面に対して平行であるとともに該ブラケット頂面の下方に所与の距離だけ離間して構成され、結合窪みが設けられているブラケット底面とを有するように構成され、該組立用プレートは、前記第2の側面に、前記平坦な頂面に対して後退した平坦面をそれぞれ有する少なくとも1つのソケットを更に有し、該ソケットは、前記平坦な頂面に対して平行であるとともに、前記ブラケット頂面と前記ブラケット底面との間の前記所与の距離に対応して該平坦な頂面の下方に或る距離だけ離間するように構成され、前記後退した平坦面には結合スタッドが設けられ、前記ソケットは、前記ブラケットプレートに相当するブラケットプレートを受けて、前記ブラケット底面にある前記結合窪みと前記後退した平坦面にある前記結合スタッドとを相互接続することにより、該ブラケットプレートと相互接続することが可能であるように更に構成されていることを特徴とする、組立用プレート又は玩具組立セットによって達成される。
【0008】
それにより、組立用プレート又は玩具組立セットの組立用プレートのそれぞれはこうして、組立用プレートの第1の側面に構成される一体的なブラケットを有する。このブラケットは、別の組立用プレートの第2の側面に構成されている対応する形態のソケットに取り付け可能であり、それにより、更なる要素を使用せずに2つの組立用プレートが一緒に保持されるようになっている。
【0009】
これと同時に、一緒に保持される2つの組立用プレートが、結合した平坦な頂面を形成する。それにより、玩具組立システムの他の組立ブロックを使用して組立用プレート上に構造物を組み立てることがユーザーにとって容易になる。
【0010】
好ましい一実施形態によれば、本体部の頂面は、四角形であり、本体部の頂面と底面との間に延びる第3の側面及び第4の側面を更に有する。それにより、複数の組立用プレートを並べて相互接続し、連続する頂面を有する組立用組合せプレートを形成することができる。
【0011】
これに関して、上記側面は平坦であり、4つの側面のうちの3つに、上記ブラケットプレートに相当するブラケットプレートを受けて、このブラケットプレートと相互接続されるソケットを設けることができる場合が有利である。
【0012】
全てのソケットが同様の形態である場合、2つの組立用プレートをいくつかの方法で相互接続することができるので、高い融通性が得られる。
【0013】
好ましい一実施形態によれば、各ソケットの後退した平坦面は、ブラケット頂面の面積及び形状と同一の面積及び形状を有する。それにより、2つの相互接続された組立用プレートにおいて、2つの組立用プレートの頂面によって形成される合体した頂面に隙間(holes)がないという安全性がもたらされる。
【0014】
好ましい一実施形態によれば、組立用プレートの本体部の頂面は四角形に構成される。四角形の構成は、複数の組立用プレートを含む組立用組合せプレートの構築に関して可能な最も大きい融通性をもたらす。
【0015】
これに関して、ブラケット頂面が、第1の側面の対応する幅よりも小さい幅を有し、ブラケットプレート及びソケットがその各側面の中央に構成される場合が有利である。実際、このようにして、複数の組立用プレートを使用して、切れ目なく連続する頂面を有する大きい四角形の組立用プレートを組み立てることが可能になる。
【0016】
好ましい一実施形態によれば、組立用プレートの平坦な頂面にある結合スタッドは、
ソケットのそれぞれの後退した平坦面にある結合スタッドと同じように構成されている。
【0017】
本発明に係る玩具組立セットは、平坦な頂面と底面とを有する本体部を有する第3の組立要素を更に備えることが更に有利である。その底面には、ソケットの後退した平坦面にある結合スタッドに対して相補的な形態の複数の結合窪みが設けられ、第3の組立要素の本体部は、ブラケット頂面とブラケット底面との間の所与の距離に対応する高さを有する。
【0018】
第3の組立要素の平坦な頂面及び底面が、玩具組立セット自体の組立用プレートにそれぞれ構成されている、2つの隣り合うソケットの後退した平坦面にある結合スタッドに同時に取り付けられることを可能にする面積及び形状を有する場合、第3の組立要素を使用することで、したがって組立用プレートのブラケットを使用せずに、2つの組立用プレートを更に相互接続することが可能になる。それにより、その組立用プレートのブラケットを、別の目的、例えば他の組立用プレートとの相互接続等に用いることができる。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明を更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】3つの組立用プレート及び組立要素を備える本発明に係る玩具組立セットの上面斜視図である。
【
図2】一方から見た
図1に示されている組立用プレートを示す図である。
【
図3】下方から見た
図2の組立用プレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
例えば、
図1は、合計で3つの同様の組立用プレート1a、1b、1cを備える玩具組立セットを示している。これらの組立用プレートのそれぞれは、平坦な頂面2を有する。その頂面2には、複数の結合スタッド3が構成されている。複数の結合スタッド3は、
図3から明らかであるように組立用プレートの底面12に構成されている相補的な形態の複数の結合窪み11と相互接続することができる。したがって、
図3に示す結合窪み11に相当する結合窪みが設けられている組立ブロックによって、結合スタッド3上で構造物を組み立てることが可能である。
【0022】
組立用プレート1a、1b、1cのそれぞれは、第1の側面4を有する。第1の側面4には、ブラケットプレート5が構成されている。ブラケットプレート5は、ブラケットプレート5の頂面が組立用プレート1a、1b、1cの頂面2と面一であるように、第1の側面4から延びる。ブラケットプレート5は、ブラケット底面6を有し、ブラケット底面6はブラケット頂面に対して平行であるが、組立用プレート1a、1b、1cの頂面2と底面との間の組立用プレート1a、1b、1cの高さよりも小さい距離だけブラケット頂面の下方に離間する。
【0023】
組立用プレートの別の側面7には、ブラケットプレート5用のソケットが構成されている。このソケットは、後退した平坦面8を有するように構成されている。この面8には、組立用プレート1a、1b、1cの頂面2にある結合スタッド3と同一の結合スタッド9が構成されている。
【0024】
後退面8は、ブラケットプレート5の頂面と底面との間の距離に対応して、組立用プレート1a、1b、1cの頂面2よりも低い高さまで後退している。このソケットは、別の組立用プレートにあるブラケットプレート5を受けるように更に構成されているので、ブラケットプレート5をソケットに取り付けることにより、2つの組立用プレートを相互接続することができるようになっている。これはまた、組立用プレート1b及び1cに関して図示されている。
【0025】
図示の構成の組立用プレート1a及び1cに関して、組立用プレート1a及び1cは、ブラケットプレート5によって結合されるのではなく、更なる組立要素10を使用することで相互接続することができる。更なる組立要素10は、組立用プレート1a及び1cにある2つの隣り合うソケットに対応する高さ、長さ、及び幅を有するように構成されている。そのために、組立用プレート10は、2つの隣り合うソケットにある結合スタッド9に対して相補的な形態の結合窪みを有する底面(図示せず)を有する。
【0026】
図2及び
図3は、
図1に示す3つの組立用プレートに相当する単一の組立用プレート1dを示しており、
図2は一方から見た組立用プレート1dを示し、
図3は結合窪みが見えるように下方から見た組立用プレート1dを示している。