(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616447
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】光学指紋センサ
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20191125BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20191125BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20191125BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20191125BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20191125BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20191125BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20191125BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
F21S2/00 430
F21V23/00 110
G06F3/042 472
G06F3/041 490
A61B5/1172
G06F3/0354 452
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-86476(P2018-86476)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2019-117619(P2019-117619A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2018年4月27日
(31)【優先権主張番号】15/855,122
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 浩民
(72)【発明者】
【氏名】毛 新惟
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 翰林
【審査官】
木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2017/062506(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0286743(US,A1)
【文献】
米国特許第06292576(US,B1)
【文献】
特表2018−537845(JP,A)
【文献】
特開2018−005876(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0161540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06− 5/22
F21S 2/00
F21V 8/00、23/00−37/00、99/00
G06F 3/033−3/039
G06T 1/00、 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサアレイ、
前記画像センサアレイの上に配置され、第1の孔のアレイを有するコリメータ層、
前記コリメータ層の上に配置された導光層、
前記導光層内に光を射出する光源、および
前記導光層の上に配置された感知領域を含み、
各前記第1の孔は、第1の材料でできた側壁を有し、且つ第2の材料で充填され、前記第1の材料の屈折率は、前記第2の材料の屈折率より低く、
前記導光層は、前記光源からの前記光の一部を前記感知領域に入射させると同時に、前記光の残りの部分を前記導光層の平面方向に導く光学指紋センサ。
【請求項2】
前記導光層は、
底部導光層、
前記底部導光層の上に配置された中間導光層、および
前記中間導光層の上に配置され、第2の孔のアレイを有する上部導光層を含み、
前記底部導光層および前記上部導光層の屈折率は、前記中間導光層の屈折率より低い請求項1に記載の光学指紋センサ。
【請求項3】
各前記第2の孔は、前記第1の孔の中の1つの真上に配置され、且つ
前記画像センサアレイは、
前記感知領域から反射され、前記第2の孔の中の1つおよび前記第1の孔の中の1つを通過した前記光を受光する複数の画像センサユニットを含む請求項2に記載の光学指紋センサ。
【請求項4】
前記底部導光層および前記上部導光層は、前記第1の材料でできており、前記中間導光層は、前記第2の材料でできている請求項2に記載の光学指紋センサ。
【請求項5】
前記導光層は、プリズムのアレイを有し、
各前記プリズムは、前記第1の孔の中の1つの真上に配置され、且つ
各前記プリズムは、入射光の一部を前記感知領域に反射させ、前記入射光の残りの部分を通過させる請求項1に記載の光学指紋センサ。
【請求項6】
前記画像センサアレイは、前記感知領域から反射され、前記第1の孔の中の1つを通過した光線を受光する複数の画像センサユニットを含む請求項5に記載の光学指紋センサ。
【請求項7】
前記導光層は、材料ブロックのアレイを含み、
任意の2つの隣接する前記材料ブロック間のインターフェースは、斜面であり、且つ
各前記斜面は、前記第1の孔の中の1つの真上に配置される請求項1に記載の光学指紋センサ。
【請求項8】
各前記斜面は、前記光の一部を前記感知領域に反射させ、前記光の残りの部分を通過させ、且つ
前記画像センサアレイは、前記感知領域から反射され、前記第1の孔の中の1つを通過した光線を受光する複数の画像センサユニットを含む請求項7に記載の光学指紋センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学指紋センサに関するものであり、特に、光透過損失を低減し、感知領域に光を均一に射出する導光層を有する光学指紋センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体認証は、近年非常に人気があり、一種の生体認証システムは指紋認証システムである。指紋認証システムは、使用者の指紋を画像化して、使用者を認証し、使用者が指紋認証システム内蔵の装置にアクセスできるようにするかどうかを決める。指紋認証システムは、モバイル機器、例えば、携帯電話、ウェアラブル電子機器(例えば、スマートウォッチ)、およびタブレット型コンピューターなどでアクセス制御を提供するのに用いられることができる。
【0003】
コンデンサ式指紋センサは、指紋認証システムに最も一般的に採用されている。しかしながら、コンデンサ式指紋センサは、大きな距離にわたる指の微細な隆起(ridge)と谷(valley)の特徴を感知することが容易でない。コンデンサ式指紋センサが厚いガラスカバーの装置に内蔵された場合、問題が生じる可能性がある。この問題を解決するには、光学指紋センサを用いてコンデンサ式指紋センサに代替することである。光学指紋センサは、センサアレイに近接していないカバーガラスの表面に指紋が接触しても、指紋を感知することができる。
【0004】
現存する光学指紋センサは、指が接触する感知領域を照射する光源を有し、画像センサアレイを用いて、感知領域から反射された光を受光する。指の隆起で反射された光および指の谷で反射された光は、異なる強度を有する。従って、画像センサアレイは、指の隆起および谷の特徴を画像化することができる。しかしながら、光源が感知領域を均一に照射することは難しい。光源が感知領域を均一に照射しない場合、微細な画像品質または高い認識精度を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光透過損失を低減し、感知領域に光を均一に射出する導光層を有する光学指紋センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像センサアレイ、コリメータ層、導光層、光源、および感知領域を含む光学指紋センサを提供する。コリメータ層は、画像センサアレイの上に配置される。コリメータアレイは、第1の孔のアレイを有する。導光層は、コリメータ層の上に配置される。感知層は、導光層の上方に配置される。導光層は、光源からの光の一部を感知領域に入射させると同時に、光の残りの部分を前方に導く。
【0007】
上述の光学指紋センサでは、導光層は、底部導光層、底部導光層の上に配置された中間導光層、および中間導光層の上に配置された上部導光層を含み、上部導光層は、第2の孔のアレイを有する。底部導光層および上部導光層の屈折率は、中間導光層の屈折率より低い。
【0008】
上述の光学指紋センサでは、各第2の孔は、第1の孔の中の1つの真上に配置される。
【0009】
上述の光学指紋センサでは、画像センサアレイは、感知領域から反射され、第2の孔の中の1つおよび第1の孔の中の1つを通過した光を受光する複数の画像センサユニットを含む。
【0010】
上述の光学指紋センサでは、各第1の孔は、第1の材料でできた側壁を有し、且つ第2の材料で充填され、第1の材料の屈折率は、第2の材料の屈折率より低い。実施形態では、底部導光層および上部導光層は、第1の材料でできており、中間導光層は、第2の材料でできている。
【0011】
本発明のもう1つの態様によると、上述の光学指紋センサでは、上述の光学指紋センサは、プリズムのアレイを有する導光層を更に含む。
【0012】
上述の光学指紋センサでは、各プリズムは、第1の孔の中の1つの真上に配置される。
【0013】
上述の光学指紋センサでは、各プリズムは、入射光の一部を感知領域に反射させ、入射光の残りの部分を通過させる。
【0014】
実施形態では、画像センサアレイは、感知領域から反射され、第1の孔の中の1つを通過した光線を受光する複数の画像センサユニットを含む。もう1つの実施形態では、各第1の孔は、第1の材料でできた側壁を有し、且つ第2の材料で充填され、第1の材料の屈折率は、第2の材料の屈折率より低い。
【0015】
本発明のもう1つの態様によると、上述の光学指紋センサでは、導光層は、材料ブロックのアレイを含む。任意の2つの隣接する材料ブロック間のインターフェースは、斜面である。各斜面は、第1の孔の中の1つの真上に配置される。
【0016】
上述の光学指紋センサでは、各斜面は、光の一部を感知領域に反射させ、光の残りの部分を通過させる。
【0017】
上述の光学指紋センサでは、画像センサアレイは、感知領域から反射され、第1の孔の中の1つを通過した光線を受光する複数の画像センサユニットを含む。もう1つの実施形態では、各第1の孔は、第1の材料でできた側壁を有し、且つ第2の材料で充填され、第1の材料の屈折率は、第2の材料の屈折率より低い。
【0018】
結論として、本発明は、光透過損失を低減する導光層を有し、感知領域に光を均一に射出する導光層を有する光学指紋センサを提供する。また、導光層は、指紋で反射されない迷光を受けることから、画像センサアレイを保護することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、光透過損失を低減し、感知領域に光を均一に射出するため、微細な画像品質または高い認識精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る、表示パネルおよび光学指紋センサの上にカバーガラスを有するモバイル機器の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る、光学指紋センサを示す概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る、光学指紋センサを示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る、光学指紋センサを示す概略図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る、光学指紋センサを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。例えば、下記の開示の第2の特徴の上方、または上への第1の特徴の形成は、第1と第2の特徴が直接接触で形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触でないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。
【0022】
この他、本開示は、種々の実施例において、参照符号および/または文字を繰り返し用いている。この繰り返しは、本開示を簡潔で明確にするためのものであり、それ自体が、種々の実施態様および/または議論された構造との間の関係を規定するものではない。また、図面は単に例示するためであり、図の形状、大きさ、または厚さは、説明を明確にするために縮尺通りに描かれない、または簡素化される可能性もある。
【0023】
本発明の実施形態は、光学指紋センサを提供して指紋を光学的に画像化する。特に、本発明は、カバーガラス層とコリメータ層の間に挟設された導光層を有する光学指紋センサを説明する。光源からの光は、導光層を透過し、指が接触する感知領域に入射する。光は、指で反射されて、導光層およびコリメータ層でフィルタリングされ、小さい入射角で指から導光層とコリメータ層に反射された光だけが画像センサアレイに届くことができるようになる。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る、表示パネルおよび光学指紋センサの上にカバーガラスを有するモバイル機器の概略図である。
図1に示されるように、モバイル機器10は、光学指紋センサ100、表示パネル200、および光学指紋センサ100と表示パネル200をカバーするカバーガラス300を含む。表示パネル200は、表示領域12に配置され、使用者に画像を見せる。光学指紋センサ100は、指紋認証用に指20が置ける感知領域14に配置される。光学指紋センサ100は、ユーザーの指紋を感知し、ユーザーがモバイル機器を操作できるようにするかどうかを決める。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係る、
図1に示された光学指紋センサ100の実施例を示す概略図である。
図2では、光学指紋センサ100Aは、画像センサアレイ101、画像センサアレイ101の上に配置されたコリメータ層102、コリメータ層102の上に配置された底部導光層103、底部導光層103の上に配置された中間導光層104、中間導光層104の上に配置された上部導光層105、上部導光層105の上に配置されたカバー層106、および中間導光層104内に射出する光源107を含む。
【0026】
図1に示されるように、カバー層106は、カバーガラス300に対応し、全ての光学指紋センサ100Aを保護する。カバー層106の上面は、指のための接触面を提供する感知領域14である。カバー層106は、高い光透過率を有する、ガラスなどの透明材料でできている。
【0027】
指紋の特徴は、隆起および谷で構成されている。この実施形態では、感知領域14の部分141は、指紋の隆起と接触し、感知領域14の部分142は、指紋の谷と接触し、且つ感知領域14の部分143は、指紋の隆起と接触する。指紋の隆起で反射した光は、指紋の谷で反射した光と異なる強度を有し、光学指紋センサ100Aは、この特性を用いて指紋を画像化することができる。
【0028】
この画像センサアレイ101は、複数の画像センサユニット111、112、および113を含み、感知領域14の部分141、感知領域14の部分142、および感知領域14の部分143から来た光の強度を検出するように配置される。イメージセンサアレイ101は、CMOSセンサアレイまたはCCDセンサアレイで実装することができる。
【0029】
コリメータ層102は、光吸収材でできており、孔または穴121、122、および123のアレイを有する。孔121、122、および123は、画像センサユニット111、112、および113の真上に配置される。従って、画像センサ101に対して垂直に入射または略垂直に入射する光だけがコリメータ層102の孔121、122、および123を通過して、画像センサユニット111、112、および113に届くことができる。コリメータ層102に対してやや大きい入射角を有する光は、コリメータ層の上面または孔121、122、および123の側壁で吸収される。このとき、コリメータ層102は、画像センサアレイ101に入射光を平行化するコリメータとして機能する。コリメータ層102を用いることにより、画像センサユニット111、112、および113は、感知領域14の部分141、感知領域14の部分142、および感知領域14の部分143からの光をそれぞれ受光することができる。
【0030】
底部導光層103、中間導光層104、および上部導光層105は、導光グループを構成する。底部導光層103および上部導光層105は、同じまたは異なる材料からなることができる。しかしながら、底部導光層103および上部導光層105は、中間導光層104より低い屈折率を有する必要がある。この実施形態では、底部導光層103および上部導光層105は、同じ材料でできている。底部導光層103、中間導光層104、および上部導光層105は、光源からの光の一部を感知領域に入射させると同時に、光の残りの部分を前方に導く導光層を形成する。
【0031】
スネルの法則によると、光が2つの異なる媒体間の境界を通過する場合、入射角と屈折角の正弦の比は、2つの媒体の屈折率の比の反比と等しい。このように、光が高い屈折率を有する媒体から低い屈折率を有する媒体に向かうとき、屈折角は、入射角より大きい。この場合、境界に入射した光が臨界角より大きい入射角を有する場合、光は境界で全反射される。このように、光源107が中間導光層104の端部から中間導光層104内に光を射出したとき、底部導光層103および上部導光層105は、中間導光層104の屈折率より、低い屈折率を有するため、中間導光層104から境界に伝わった大きい入射角を有する光は、境界で全反射され、中間導光層104の反対の端部に向けて反射され続ける。
【0032】
導光グループの内部全反射構造では、上部導光層105は、孔または穴151、152、および153のアレイを有する。孔151、152、および153は、孔121、122、および123(または画像センサユニット111、112、および113)の真上に配置される。従って、中間導光層104で反射した光は、孔151、152、および153から射出されることができ、感知領域14の部分141、感知領域14の部分142、および感知領域14の部分143にそれぞれ入射する。
【0033】
感知領域14から反射した光線は、導光グループに対して異なる入射角を有する。しかしながら、光線が臨界角より大きい入射角を有する場合、その光線は、底部導光層103で反射され、コリメータ層102に入射することができない。このように、導光グループに対して垂直に入射または略垂直に入射する光だけが導光グループとコリメータ層102を通過して、画像センサユニット111、112、および113に届くことができる。
【0034】
上述の実施形態に基づいて、光学指紋センサ100Aは、異なる屈折率を有する材料から形成された導光グループを有し、光を全反射する。従って、光透過損失は、低減され、感知領域14は、均一に照射されることができる。また、導光グループは、指紋で反射されない迷光を受けることから画像センサアレイ101を保護することもできる。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係る、
図1に示された光学指紋センサ100のもう1つの実施例を示す概略図である。
図3では、光学指紋センサ100Bは、コリメータ層102’が光学指紋センサ100Aのコリメータ層102と異なることを示している。光学指紋センサ100Bの他の構成要素は、光学指紋センサ100Aのこれらの構成要素と同じであり(要素符号も変化しない)、光学指紋センサ100Bのこれらの構成要素の説明は、省略される。
【0036】
コリメータ層102’では、孔121、122、および123のそれぞれは、側壁125を有し、孔121、122、および123の中心は、材料126で充填される。側壁125の屈折率は、材料126の屈折率より低い。即ち、コリメータ層102’の孔も内部全反射チューブを形成する。このように、孔121、122、または123の側壁125に入射する大きい入射角を有するいくつかの光線は、側壁125で全反射され、孔121、122、または123で画像センサユニット111、112、または113に透過することができる。光学指紋センサ100Aに比べ、光学指紋センサ100Bの画像センサアレイ101は、より多くの光線を集光することができ、光強度が画像センサユニット111、112、または113で感知されるのに十分であることを確かなものにすることができる。
【0037】
製造を簡単にするために、側壁125の材料は、底部導光層103と上部導光層105の材料と同じであり、材料126は、中間導光層104の材料と同じとすることができる。この構造は、垂直線に対して大きな角度を有する光線が画像センサアレイ101に届くことを、なお防ぐことができることに留意すべきだ。これらの光線は、側壁125に対して小さい入射角を有するため、側壁125を通過し、コリメータ層102’の本体で吸収される。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係る、
図1に示された光学指紋センサ100のもう1つの実施例を示す概略図である。
図4では、光学指紋センサ100Cは、画像センサアレイ101、画像センサアレイ101の上に配置されたコリメータ層102、コリメータ層102の上に配置された導光層108、導光層108の上に配置されたカバー層106、および光を中間導光層104内に射出する光源107を含む。画像センサアレイ101、コリメータ層102、カバー層106、および光源107は、
図2に示された光学指紋センサ100Cのこれらと同じであり、これらの要素の説明は省略される。
【0039】
導光層108では、孔121、122、および123の真上にそれぞれ配置されたプリズム181、182、および183を有する。プリズム181、182、および183は、入射光の一部を反射させ、入射光の残りの部分を屈折させる表面を有する透明光学素子である。例えば、プリズム181は、入射光の一部を感知領域14の部分141に反射させ、入射光の残りの部分を通過(または屈折)させる。プリズム181を通過する光は、プリズム182に入射する。プリズム182は、プリズム181と同様のこと、光の一部を感知領域14の部分142に反射させ、光の残りの部分を通過(または屈折)させることを行う。プリズム182を通過する光は、プリズム183に入射し、プリズム182は、プリズム181および182と同じことを行う。画像センサユニット111、112、および113は、感知領域14の部分141、感知領域14の部分142、および感知領域14の部分143から反射された光を受光し、コリメータ層102の孔121、122、および123を通過する。
【0040】
上述の実施形態に従って、光学指紋センサ100Cは、プリズム181、182、および183を有する導光板108を有する。この構造では、光透過損失は、低減され、感知領域14は、均一に照射されることができる。
【0041】
図5は、本発明の実施形態に係る、
図1に示された光学指紋センサ100のもう1つの実施例を示す概略図である。
図5では、光学指紋センサ100Dは、導光層109が光学指紋センサ100Cの導光層108と異なることを示している。光学指紋センサ100Dの他の構成要素は、光学指紋センサ100Cのこれらの構成要素と同じであり(要素符号も変化しない)、光学指紋センサ100Dのこれらの構成要素の説明は、省略される。
【0042】
導光層109もプリズムの理論(prism theory)を用いている。導光層109は、材料ブロックのアレイを含む。
図5に示されるように、例えば、材料ブロック191、192、193、および194がある。材料ブロック191と192間のインターフェースは、斜面である。この斜面は、孔121の真上に配置される。材料ブロック191と192の間のインターフェースに入射した光の一部は、感知領域14の部分141に反射され、光の残りの部分はインターフェースを通過する。材料ブロック192と193の間のインターフェースと、材料ブロック193と194の間のインターフェースは、孔122と123の真上にそれぞれ配置される。材料ブロック192と193の間のインターフェースは、光の一部を感知領域14の部分142に反射させ、光の残りの部分を通過させる。材料ブロック193と194間のインターフェースは、光の一部を感知領域14の部分132に反射させ、光の残りの部分を通過させる。画像センサユニット111、112、および113は、感知領域14の部分141、感知領域14の部分142、および感知領域14の部分143から反射され、コリメータ層102の孔121、122、および123を通過する光を受光する。
【0043】
結論として、本発明は、光透過損失を低減する導光層を有し、感知領域に光を均一に射出する導光層を有する光学指紋センサを提供する。また、導光層は、指紋で反射されない迷光を受けることから、画像センサアレイを保護することができる。
【0044】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。例えば、
図3に示されたコリメータ層102’の構造は、
図4および
図5に用いられ、コリメータ層102と代替することができる。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0045】
10 モバイル機器
12 表示領域
14 感知領域
20 指
100 光学指紋センサ
200 表示パネル
300 カバーガラス
100A、100B、100C 光学指紋センサ
101 画像センサアレイ
102、102’ コリメータ層
103 底部導光層
104 中間導光層
105 上部導光層
106 カバー層
107 光源
108 導光層
111、112、113 画像センサユニット
121、122、123 孔
125 側壁
126 材料
151、152、153 孔
141 感知領域の部分
142 感知領域の部分
143 感知領域の部分
181、182、183 プリズム
191、192、193、194 材料ブロック