特許第6616481号(P6616481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メルカリの特許一覧

特許6616481プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
<>
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000002
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000003
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000004
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000005
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000006
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000007
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000008
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000009
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000010
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000011
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000012
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000013
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000014
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000015
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000016
  • 特許6616481-プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6616481
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20191125BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20191125BHJP
【FI】
   G06Q20/20
   G06Q20/32 330
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-212539(P2018-212539)
(22)【出願日】2018年11月12日
【審査請求日】2018年11月19日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 真由美
(72)【発明者】
【氏名】多田 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】中谷 優子
(72)【発明者】
【氏名】田島 亮太
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 由太加
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−535985(JP,A)
【文献】 特開2015−228167(JP,A)
【文献】 特開2014−123346(JP,A)
【文献】 特開2016−045866(JP,A)
【文献】 特開2018−032378(JP,A)
【文献】 特開2016−181238(JP,A)
【文献】 特開2014−016745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
OS(Operating System)の決済機能に、所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、店舗で使用可能な電子クーポンを使用不可に設定し、
前記OSの決済機能に、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンと、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理と、
前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを非表示とした画像を記憶させる、または、前記電子クーポンを期限切れとした画像を記憶させる処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記電子クーポンを発行する事業者と、前記所定の決済サービスを提供する事業者とは同一または提携する事業者である、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定の決済サービスを用いる決済機能は、OS(Operating System)により提供される機能であり、
前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報は、前記所定の決済サービスにおける前記ユーザのアカウントに関連付けられた情報を含む、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記電子クーポンが表示された場合、前記電子クーポンの有効期限を設定する処理を実行させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示させる処理は、
前記所定の決済サービスにおける前記ユーザの残高に貯められている電子バリューの額が所定の閾値以上でない場合、前記残高を増加させることを促すメッセージを表示させる、請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の決済サービスにおける前記ユーザの残高は、銀行の口座から入金可能な前記残高である、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
電子クーポンを使用可能な店舗に基づいて、前記所定の閾値を決定する処理を実行する、請求項5または6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記電子クーポンが適用された金額を決済する処理が完了した場合、前記電子クーポンを使用不可に設定する処理を実行させる、請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記オブジェクトが操作された場合、前記電子クーポンを使用不可に設定し、前記所定の決済サービスを用いる決済機能による決済が失敗した場合、前記電子クーポンを使用可に設定する処理を実行させる、請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示画面を表示している際に、所定の加速度を検知した場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させる処理を実行させる、請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンを使用可に設定し、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、前記電子クーポンを使用不可に設定する処理を実行させる、請求項1から10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記決済する処理は、
OS(Operating System)の決済機能に設定されている複数の決済サービスのうち、前記電子クーポンを配布した前記所定の決済サービスを使用する設定として当該決済機能を起動させる、
請求項1から11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
OS(Operating System)の決済機能に、所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、店舗で使用可能な電子クーポンを使用不可に設定し、
前記OSの決済機能に、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンと、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる表示制御部と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させ
前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを非表示とした画像を記憶させる、または、前記電子クーポンを期限切れとした画像を記憶させる制御部と、を有する情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置が、
OS(Operating System)の決済機能に、所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、店舗で使用可能な電子クーポンを使用不可に設定し、
前記OSの決済機能に、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンと、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理と、
前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを非表示とした画像を記憶させる、または、前記電子クーポンを期限切れとした画像を記憶させる処理と、を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子クーポンをユーザの端末に配信する技術が知られている。ユーザは、当該電子クーポンを用いて、例えば、当該電子クーポンの配信元等が提供するオンラインショッピングサービスにおいて、割引等の特典を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−199541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、例えば、顧客のスマートフォン等をカードリーダにかざす等の方式により決済をする場合、電子クーポンを適用することが困難な場合がある。本開示は、電子クーポンを適用した決済を容易に行えるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、情報処理装置に、OS(Operating System)の決済機能に、所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、店舗で使用可能な電子クーポンを使用不可に設定し、前記OSの決済機能に、前記所定の決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンと、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記所定の決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理と、前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを非表示とした画像を記憶させる、または、前記電子クーポンを期限切れとした画像を記憶させる処理と、を実行させる。




【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の一実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図2】実施形態に係るサーバ、及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバ、及び端末の機能的な構成を示すブロック図の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る通信システムの処理のシーケンスの一例を示す図である。
図5】実施形態に係るユーザ情報記憶部に記憶されているユーザ情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る端末の、電子クーポンを使用する際の処理の一例を示すフローチャートである。
図7A】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7B】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7C】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7D】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7E】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7F】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7G】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図7H】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
図8】実施形態に係る端末の、電子クーポンを使用する際の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る端末の表示画面の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、実施される場合、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正をもって実施される。
【0008】
本開示に係る決済を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
<システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、サーバ110Bと、端末120A、端末120B、端末120Cと、POS端末140A、POS端末140B、POS端末140Cとが接続される。
【0009】
本開示において、サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。
【0010】
本開示において、端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120(「情報処理端末」の一例。)と表現されてもよい。また、本開示において、POS端末140Aと、POS端末140Bと、POS端末140Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、POS端末140AとPOS端末140BとPOS端末140Cとは、それぞれPOS端末140と表現されてもよい。
【0011】
本開示において、サーバ110と、端末120と、POS端末140とをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110と端末120とPOS端末140とは、それぞれ情報処理装置200と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される情報処理装置200の数は図1の例に限定されない。
【0012】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、現実の店舗(実店舗)で使用可能な電子クーポンを配信する電子クーポン配信サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセンジャーを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。ユーザが端末120を介して所定のサービスを利用することで、サーバ110は1以上の端末120に所定のサービスを提供することができる。
【0013】
POS端末140は、例えば、店舗等に設置されるPOS(Point of sale system)の端末である。POS端末140は、例えば、端末120のユーザ(顧客)が購入する商品の代金を入力する操作を店員から受け付ける。そして、端末120がユーザによりPOS端末140のカードリーダにかざされる等をされた場合、POS端末140は、例えば、近距離無線通信を用いて、端末120から情報を読み取り、読み取った情報をサーバ110に送信することにより、代金の支払いを受ける。なお、近距離無線通信は、比較的近距離において無線通信を確立できるものであればどのようなものであってもよい。近距離無線通信は、限定でなく例として、Wi−Fi(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)、NFC(Near Field Communication)、BLE(Bluetooth Low Energy)、超音波などを含む。
【0014】
端末120は、例えば、ユーザのスマートフォン等の端末であり、実店舗で使用可能な電子クーポンをサーバ110から受信する。また、端末120は、近距離無線通信により、サーバ110により提供される決済サービスを用いて決済するために必要な情報をPOS端末140に送信する。
【0015】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよい。
【0016】
ネットワーク130は、2以上の情報処理装置200を接続する役割を担う。ネットワーク130は、端末120がサーバ110に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0017】
ネットワーク130のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0018】
情報処理装置200は、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0019】
情報処理装置200は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。
【0020】
<ハードウェア(HW)構成>
図2を用いて、通信システム1に含まれる情報処理装置200のHW構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力インタフェース(入出力I/F)204と、通信インタフェース(通信I/F)205とを含む。情報処理装置200のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0022】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
【0023】
プロセッサ201は、ストレージ203に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能、および/または、方法を実行する。プロセッサ201は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphic s Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0024】
メモリ202は、ストレージ203からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ201に対して作業領域を提供する。メモリ202には、プロセッサ201がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ202は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
【0025】
ストレージ203は、プログラムを記憶する。ストレージ203は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。
【0026】
通信I/F205は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F205は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F205は、各種データをプロセッサ201からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F205は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ201に伝達する。
【0027】
入出力I/F204は、情報処理装置200に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置200で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F204は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0028】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ201に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0029】
出力装置は、プロセッサ201で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像、および/または、動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンターなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0030】
本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0031】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0032】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置200に提供されてもよい。
【0033】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0034】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift、Koltin、Java(登録商標)などを用いて実装される。
【0035】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0036】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ201により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
【0037】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0038】
本開示では、明記されていない限り、または文脈によって示されない限り、「AおよびBの少なくとも一方」は、「A、B、またはその両方」を意味する。さらに、明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「a」、「an」、または「the」は「1つまたは複数」を意味するものとする。したがって、本明細書では、別段に明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「an A」または「the A」は「1つまたは複数のA」を意味する。
【0039】
本開示は、本開示の実施形態および実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の実施形態および実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態または実施例の1以上の特徴と、本開示における他の実施形態または実施例の1以上の特徴との任意の組合せを包含する。
【0040】
加えて、特定の機能を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0041】
本開示は、明示されない限り、いずれの実施形態または実施例を実施するに際して、事前に、または、実施の直前にユーザからの同意を取得してもよい。また、取得する同意は、包括的なものでもよく、都度取得するものでもよい。
【0042】
<実施形態>
本開示の実施形態は、端末120が、サーバ110から配信された電子クーポンを利用して、実店舗に設置されているPOS端末140でNFC等の近距離無線通信を用いた決済を行う場合に、サーバ110により提供される決済サービスを利用して決済を行う実施形態である。
【0043】
実施形態により、より容易に電子クーポンを適用した決済ができるようにすることができる。また、電子クーポンを適用した決済が容易に行えるため、結果的に端末120Aやサーバ110の負荷、及び端末120Aとサーバ110間のネットワーク130の負荷を軽減できるという効果が得られる。
【0044】
<実施形態の機能構成>
図3を用いてサーバ110、および/または、端末120の機能構成を説明する。図3は、実施形態に係るサーバ110、及び端末120の機能的な構成を示すブロック図の一例を示す図である。図3に開示の機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0045】
(1)サーバの機能構成
サーバ110は、受付部311と、送受信部312と、制御部313と、表示制御部314と、記憶部315とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artifical Intelligence)により実現されてもよい。
【0046】
受付部311は、サーバ110により提供される各種のサービスを運営する事業者からの各種の設定操作等を受け付ける。
【0047】
送受信部312は、制御部313の指示に従い、端末120、及びPOS端末140(以下で「端末120等」と称する。)とのデータの送受信を行う。なお、送受信部312は、例えば、端末120等からのログイン要求に含まれるユーザID、及びパスワードにより端末120等のユーザが認証された際、端末120等とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、端末120等の通信用のアドレス、及びユーザID等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、端末120等にデータを送信する。
【0048】
制御部313は、決済サービス、電子クーポン配信サービス、金融サービス、及び電子商取引サービス等の各種サービスを、端末120のユーザに提供する処理を行う。なお、当該各種サービスは、同一または提携する事業者により運営されるサービスでもよい。例えば、同一または提携する事業者がサーバ110により決済サービス及び電子クーポン配信サービスを提供することにより、決済サービスの利用を端末120のユーザに促進させる態様で、電子クーポンを当該端末120に配信することができる。
【0049】
表示制御部314は、制御部313の指示に従い、端末120の表示画面を制御する情報を、送受信部312に送信させる。
【0050】
記憶部315は、端末120のユーザの情報を含むユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部3151等を有する。
【0051】
(2)端末の機能構成
端末120は、受付部321と、送受信部322と、制御部323と、表示制御部324と、記憶部325とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artifical Intelligence)により実現されてもよい。
【0052】
受付部321は、端末120のユーザからの各種の操作等を受け付ける。
【0053】
送受信部322は、制御部323の指示に従い、サーバ110等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部322は、例えば、サーバ110にログインした際、サーバ110とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、サーバ110の通信用のアドレス等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、サーバ110にデータを送信する。
【0054】
制御部323は、サーバ110により提供される決済サービス、電子クーポン配信サービス、金融サービス、及び電子商取引サービス等のサービスを利用する処理を行う。
【0055】
表示制御部324は、制御部323の指示に従い、サーバ110から受信した情報等に基づいて、端末120の表示画面を制御する。
【0056】
記憶部325は、サーバ110により提供される決済サービス等を利用するための情報を記憶する。
【0057】
<実施形態の処理>
図4、及び図5を参照し、実施形態に係る通信システム1の処理について説明する。図4は、実施形態に係る通信システム1の処理のシーケンスの一例を示す図である。図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部3151に記憶されているユーザ情報の一例を示す図である。
【0058】
なお、端末120、及びPOS端末140は、サーバ110との通信を行う際、ユーザのアカウント、及び店舗の事業者のアカウントをそれぞれ用いてサーバ110の認証を受けているものとする。
【0059】
ステップS1において、サーバ110の制御部313は、電子クーポンを端末120に配信する。ここで、サーバ110の制御部313は、端末120に配信した電子クーポンを、ユーザ情報記憶部3151に記憶しておいてもよい。また、端末120に配信する電子クーポンには、サーバ110により提供される決済サービスを用いて決済することを指定する情報が含まれている。
(ユーザ情報記憶部3151)
図5の例では、ユーザ情報記憶部3151には、ユーザIDに対応付けて、入金額、売上金、ポイント、銀行口座、電子クレジットカード情報、及び電子クーポン情報が記憶されている。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。入金額は、例えば、銀行、クレジットカード、及び店舗のレジ等を用いてチャージされた金額(入金額)である。売上金は、例えば、当該ユーザがサーバ110により提供される電子商取引サービスを用いて商品等を販売した際の当該商品等の代金である。ポイントは、例えば、当該ユーザがサーバ110から付与された、代金の支払いに利用可能なポイントである。なお、1ポイントで1円分の支払いができるようにしてもよい。図5の例では、ユーザが決済に利用可能な金額である残高は、ユーザAの場合は、入金額が3000円、売上金が0円、ポイントが100円分であるため、合計3100円である。また、後述するように銀行口座が設定されていない場合は売上高を残高に含めないため、ユーザBの残高は、入金額が0円、ポイントが1500円分であるため、合計1500円である。
【0060】
銀行口座は、例えば、ユーザにより登録された、サーバ110を運用する事業者と提携している銀行におけるユーザの預金口座であり、預金から残高に入金(チャージ)することが可能な銀行口座である。
【0061】
電子クレジットカード情報は、サーバ110を運用する事業者からユーザに配布したクレジットカードの情報であり、当該ユーザの端末120のOS(Operating System)により提供される決済機能に設定されているクレジットカードの情報である。なお、サーバ110を運用する事業者は、当該クレジットカードの現物を郵送等によりユーザに配布してもよいし、当該クレジットカードの電子データをユーザの端末120に送信することにより配布してもよい。電子クーポン情報は、サーバ110から当該ユーザに配布された電子クーポンの情報である。電子クーポン情報には、電子クーポンの番号、電子クーポンの特典、電子クーポンが使用可能な店舗及び期間等の情報が含まれてもよい。
【0062】
続いて、端末120の受付部321は、配信された電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付ける(ステップS2)。続いて、端末120の表示制御部324は、電子クーポンを表示させる(ステップS3)。ここで、端末120は、表示させた電子クーポンの情報をサーバ110に送信してもよい。そして、サーバ110は、受信した電子クーポンの情報に基づき、端末120のユーザによる電子クーポンの利用履歴を管理し、当該利用履歴に基づいて、当該ユーザに配信する電子クーポンを決定するようにしてもよい。これにより、例えば、当該ユーザに利用され易い電子クーポンを、当該ユーザに優先的に配信することができる。
【0063】
続いて、POS端末140は、端末120に表示されている電子クーポンの情報を取得する(ステップS4)。ここで、POS端末140は、当該電子クーポンの番号を店員から入力されてもよいし、レジに予め用意されている、紙等に印刷された当該電子クーポン用のバーコード等を読み込む操作を店員から受け付けてもよい。これにより、例えば、店舗の事業者は、従来のNFC等の決済に対応したPOS端末等を用いて、電子クーポンが適用された決済を行うことができる。
【0064】
続いて、POS端末140は、電子クーポンを適用する(ステップS5)。ここで、POS端末140は、例えば、予めPOS端末140に設定されている、電子クーポンに応じた割引額を参照し、商品の代金を割り引く等の処理を行う。または、POS端末140は、例えば、電子クーポンの番号をサーバ110に送信し、電子クーポンに応じた割引額を取得し、商品の代金を割り引く等の処理を行う。
【0065】
続いて、端末120の受付部321は、近距離無線通信を用いた決済機能を起動させる操作をユーザから受け付ける(ステップS6)。続いて、端末120の制御部323は、ユーザにより端末120をPOS端末140のカードリーダにかざす等の操作をされると、当該決済機能により、ユーザのアカウントに関連付けられた情報をPOS端末140に送信させる(ステップS7)。ここで、ユーザのアカウントに関連付けられた情報には、例えば、サーバ110のユーザ情報記憶部3151においてユーザのアカウントに関連付けられている電子クレジットカードのカード番号、当該カード番号のハッシュ値、ユーザのユーザID等が含まれてもよい。
【0066】
続いて、POS端末140は、決済金額、及びユーザのアカウントに関連付けられた情報をサーバ110に送信する(ステップS8)。なお、POS端末140は、電子クーポンの番号、及び今回の決済において端末120のユーザが購入した各商品の名称、及び価格等もサーバ110に送信してもよい。
【0067】
続いて、サーバ110の制御部313は、ユーザ情報記憶部3151に記憶されているユーザの残高から決済金額を減算する(ステップS9)。ここで、サーバ110の制御部313は、端末120のユーザに利用された電子クーポンが有効であるか否かを判定してもよい。この場合、サーバ110の制御部313は、ユーザ情報記憶部3151を参照し、POS端末140から取得した電子クレジットカードのカード番号等に対応付けられたユーザIDを取得する。そして、POS端末140から取得した電子クーポンが、当該ユーザIDに対応付けられており、かつ、現在日時が当該電子クーポンの有効期限内である場合に、電子クーポンが有効であると判定してもよい。
【0068】
そして、サーバ110の制御部313は、電子クーポンが有効でない場合は、その旨を示す無効通知を送受信部312によりPOS端末140、及び端末120に送信してもよい。一方、電子クーポンが有効である場合、ステップS9以降の処理を実行してもよい。
【0069】
また、サーバ110の制御部313は、残高が決済金額以上であるか否かを判定し、残高が決済金額以上でない(残高が決済金額未満である)場合は、その旨を示す残高不足通知を送受信部312によりPOS端末140、及び端末120に送信してもよい。一方、サーバ110の制御部313は、残高が決済金額以上である場合、ステップS9以降の処理を実行してもよい。
【0070】
続いて、サーバ110の制御部313は、店舗の事業者の残高に決済金額を加算する(ステップS10)。続いて、サーバ110の制御部313は、決済が完了した旨を示す決済完了通知を送受信部312により端末120に送信する(ステップS11)。
【0071】
<端末120の処理>
(銀行口座が設定されている場合)
図6から図7Hを参照し、顧客であるユーザのアカウントに銀行口座が設定されている場合の、電子クーポンを使用する際の端末120の処理の一例について説明する。図6は、実施形態に係る端末120の、電子クーポンを使用する際の処理の一例を示すフローチャートである。図7Aから図7Hは、実施形態に係る端末120の表示画面の一例について説明する図である。
【0072】
以下では、サーバ110により提供される決済サービスにおけるユーザのアカウントに、銀行口座が設定されている場合について説明する。
【0073】
ステップS101において、受付部321は、配信された電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付ける。ここで、表示制御部324は、まず、図7Aの電子クーポンを使用する表示画面701を表示させる。表示制御部324は、図7Aの例では、電子クーポンが適用される商品の名称702及び画像703、電子クーポンの特典の説明704、及び「このクーポンを使う」ボタン705を表示している。「このクーポンを使う」ボタン705が押下されると、制御部323は、以下の処理を実行する。
【0074】
続いて、制御部323は、ユーザのアカウントの残高が第1閾値(例えば、10円)以上であるか否かを判定する(ステップS102)。残高が第1閾値以上でない場合(ステップS102でNO)、表示制御部324は、設定されている銀行口座から残高に入金(チャージ)するための画面を表示させる(ステップS103)。ここで、表示制御部324は、例えば、図7Bに示す入金画面711を表示させる。表示制御部324は、図7Bの例では、出金する銀行口座を指定するためのボタン712、入金する額(入金額)を指定するためのボタン713、及び「入金する」ボタン714を表示させている。
【0075】
続いて、受付部321は、入金操作を受け付ける(ステップS104)。ここで、図7Bに示す入金画面711で、出金する銀行口座を指定するためのボタン712が押下されると、表示制御部324は、例えば、ユーザのアカウントに対して登録されている銀行口座の一覧を表示させ、当該一覧から出金する銀行口座を指定できるようにしてもよい。また、入金額を指定するためのボタン713が押下されると、表示制御部324は、例えば、数字を入力するテンキーを表示させ、入金額を指定できるようにしてもよい。「入金する」ボタン714が押下されると、制御部323は、以下の処理を行う。
【0076】
続いて、制御部323は、指定された銀行口座から指定された入金額をユーザの残高に入金する要求を送受信部322によりサーバ110に送信し(ステップS105)、後述するステップS109の処理に進む。
【0077】
一方、残高が第1閾値以上である場合(ステップS103でYES)、制御部323は、ユーザの残高が第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば、200円)以上であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0078】
残高が第2閾値以上でない場合(ステップS106でNO)、表示制御部324は、残高への入金を促すメッセージを表示させる(ステップS107)。これにより、近距離無線通信を用いた決済機能を端末120のOSに起動させて、端末120をPOS端末140のカードリーダにかざす操作をした後に、残高不足によりエラーとなることを低減することができる。
【0079】
ここで、表示制御部324は、図7Cに示す電子クーポンを使用するための表示画面721において、残高への入金を促すメッセージ722、入金ボタン723、残高724、クーポン番号表示ボタン725、「決済サービスAで支払う」ボタン726等を表示させている。残高724は、サーバ110から取得した、現時点でのユーザの残高である。クーポン番号表示ボタン725、及び「決済サービスAで支払う」ボタン726は、サーバ110から配信された電子クーポンに基づいて表示する。なお、「決済サービスA」は、サーバ110により提供される決済サービスの名称の例である。「決済サービスAで支払う」ボタン726は、サーバ110から配信された電子クーポンにより指定されている決済サービスを用いる決済機能を起動させるためのボタン(「オブジェクト」の一例。)である。
【0080】
続いて、受付部321は、入金画面を表示させる操作を受け付けると(ステップS108)、ステップS103の処理に進む。ここで、受付部321は、例えば、図7Cの入金ボタン723を押下されることにより、入金画面を表示させる操作を受け付ける。
【0081】
なお、制御部323は、ユーザの操作に応答して、後述するステップS109の処理に進めるようにしてもよい。この場合、図7Cの「決済サービスAで支払う」ボタン726が押下されると、ステップS109の処理に進む。
【0082】
残高が第2閾値以上である場合(ステップS106でYES)、表示制御部324は、電子クーポンの番号と、近距離無線通信及び電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる(ステップS109)。当該表示画面は、電子クーポンの番号を提示するため、店舗の店員に提示される。当該オブジェクトを当該表示画面に表示させることにより、ユーザによる決済機能を起動する操作が、店舗の店員に見られた状態で行われるようになる。そのため、端末120のユーザがサーバ110により提供される決済サービス以外の決済サービスを用いて決済機能を起動する操作を行うことを抑止できるため、電子クーポンで指定された決済サービスが利用されることを担保することができる。
【0083】
ここで、制御部323は、電子クーポンの番号が表示されると、当該電子クーポンの有効期限(例えば、表示開始から20分以内)を設定する。これにより、一の電子クーポンが複数回使用されることを低減することができる。なお、制御部323は、有効期限が経過すると、当該電子クーポンを無効とし、表示できないようにしてもよい。
【0084】
図7Dに示す電子クーポンを使用するための表示画面741では、図7Cに示す電子クーポンを使用するための表示画面721と比較して、残高724A等が異なっている。図7Dのクーポン番号表示ボタン725が押下されると、表示制御部324は、図7Eの表示画面741を表示させる。表示制御部324は、図7Eの例では、電子クーポンを表示させてからの有効期限を示すメッセージ742、及び「表示する」ボタン743等を表示させている。
【0085】
「表示する」ボタン743が押下されると、表示制御部324は、図7Fの電子クーポンの番号の表示画面751を表示させる。表示制御部324は、図7Fの例では、図7Dのクーポン番号表示ボタン725が表示されていた領域に、電子クーポンが適用される商品の名称752、電子クーポンの特典の説明753、電子クーポンの有効期限754、電子クーポンの番号755を表示させている。図7Fのように、電子クーポンの番号755と、「決済サービスAで支払う」ボタン726とを同一画面に表示することにより、ユーザは、簡易的な操作で決済サービスAを利用した決済を行うことができ、他の決済サービスを選択してしまうことを防ぐことができる。これにより、例えば、同一または提携する事業者が決済サービス及び電子クーポン配信サービスを提供する場合に、電子クーポンを当該端末120に配信することにより、決済サービスの利用を端末120のユーザに促進させることができる。
【0086】
続いて、受付部321は、当該オブジェクトに対する操作を受け付ける(ステップS110)。ここで、受付部321は、当該オブジェクトに対する端末120のユーザによる押下等の操作を受け付けてもよい。または、ステップS109の処理で表示させる表示画面において、「店舗の店員にこの画面を提示し、決済ボタンを押してもらいましょう。」等の、店員に当該オブジェクトを操作させることを促すメッセージを表示することにより、当該オブジェクトに対する店舗の店員による押下等の操作を受け付けてもよい。これにより、電子クーポンで指定された決済サービスが利用されることをより担保することができる。
【0087】
なお、当該決済機能は、端末120のOSにより提供される機能である。以下では、当該決済サービスを用いる電子クレジットカードの情報が、近距離無線通信を用いる当該決済機能に対してユーザにより予め設定されているものとして説明する。
【0088】
ここで、表示制御部324は、図7Fの「決済サービスAで支払う」ボタン726が押下されると、当該決済機能を端末120のOSに起動させ、図7Gの決済画面761を表示させる。表示制御部324は、図7Gの例では、サーバ110により提供される決済サービスで使用する電子クレジットカードの画像762、及び端末120をカードリーダにかざす操作を促すメッセージ763を表示させている。
【0089】
続いて、制御部323は、POS端末140のカードリーダを検知すると、ユーザのアカウントに関連付けられた情報(「電子クーポンが適用された金額を決済する情報」の一例。)を当該決済機能により近距離無線通信でPOS端末140に送信させる(ステップS111)。
【0090】
続いて、制御部323は、決済完了通知を送受信部322によりサーバ110から受信する(ステップS112)。続いて、表示制御部324は、決済完了通知を表示し(ステップS113)、処理を終了する。ここで、表示制御部324は、例えば、OSにより提供される通知機能を用いて、バナー等によりサーバ110から受信した決済完了通知を表示させてもよい。表示制御部324は、図7Hの例では、サーバ110から受信した決済完了通知に基づいて、バナー771において、サーバ110により提供される決済サービスの名称772、決済が完了した旨を示すメッセージ773、決済金額774を表示させている。
【0091】
なお、ステップS112の処理で、残高が決済金額以上でないために、残高不足通知をサーバ110から受信した場合、表示制御部324は、残高不足通知を表示する。そして、残高不足通知の押下操作をユーザから受け付けた場合、表示制御部324は、ステップS103の処理に進み、図7Bに示す入金画面711を表示させてもよい。
【0092】
(銀行口座が設定されていない場合)
図8から図9を参照し、顧客であるユーザのアカウントに銀行口座が設定されていない場合の、電子クーポンを使用する際の端末120の処理の一例について説明する。図8は、実施形態に係る端末120の、電子クーポンを使用する際の処理の一例を示すフローチャートである。図9は、実施形態に係る端末120の表示画面の一例について説明する図である。
【0093】
以下の例では、ユーザの身分証明書等による本人確認を行って開設されるユーザの銀行口座がサーバ110により提供される決済サービスにおけるユーザのアカウントに設定されておらず、かつ、サーバ110は、ユーザに対して身分証明書等を用いた本人確認をしていないものとする。そして、この場合、法令等の規定により、ユーザが電子商取引サービスを用いて商品等を販売した際の売上金を直接用いて商品を購入することは禁止されているものとする。そして、この場合であっても、当該売上金を用いて商品券等に相当するポイントを購入すること、及び当該ポイントを用いて商品を購入することは許可されているものとする。
【0094】
ステップS201において、受付部321は、配信された電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付ける。この処理は、図6のステップS101の処理と同様でもよい。
【0095】
続いて、制御部323は、ユーザのアカウントの入金額、及びポイントの合計額が第1閾値(例えば、10円)分以上であるか否かを判定する(ステップS202)。なお、ユーザのアカウントに銀行口座が設定されていない場合、法令等により売上金を直接用いて商品を購入することができない場合がある。そのため、ユーザのアカウントに銀行口座が設定されていない場合は当該合計額のことを残高と称する。
【0096】
残高が第1閾値以上でない場合(ステップS202でNO)、表示制御部324は、銀行口座を設定するための画面を表示させる(ステップS203)。続いて、受付部321は、銀行口座を設定する操作をユーザから受け付け(ステップS204)、図6のステップS103の処理に進む。
【0097】
一方、残高が第1閾値以上である場合(ステップS203でYES)、制御部323は、ユーザの残高が第1閾値よりも大きい第2閾値(例えば、200円)以上であるか否かを判定する(ステップS205)。
【0098】
残高が第2閾値以上である場合(ステップS205でYES)、後述するステップS209の処理に進む。一方、残高が第2閾値以上でない場合(ステップS205でNO)、表示制御部324は、ポイントの購入を促すメッセージを表示させる(ステップS206)。これにより、近距離無線通信を用いた決済機能を端末120のOSに起動させて、端末120をPOS端末140のカードリーダにかざす操作をした後に、残高不足等によりエラーとなることを低減することができる。
【0099】
ここで、表示制御部324は、図9に示す電子クーポンを使用するための表示画面911において、ポイントの購入を促すメッセージ912、「ポイントを購入する」ボタン913、「今は購入しない」ボタン914等を表示させている。なお、図9の「今は購入しない」ボタン914が押下された場合は、後述するステップS209の処理に進む。
【0100】
続いて、制御部323は、受付部321によりポイント購入操作を受け付けると(ステップS207)、指定された額のポイントを購入する(ステップS208)。ここで、表示制御部324は、例えば、図9の「ポイントを購入する」ボタン913が押下されると、数字を入力するテンキーを表示させ、購入するポイントの額を指定できるようにしてもよい。
【0101】
そして、制御部323は、指定された額のポイントを購入する要求をサーバ110に送信し、サーバ110からポイントの購入が完了した旨を示す応答を受信する。なお、サーバ110の制御部313は、指定された額のポイントを購入する要求を端末120から受信すると、ユーザ情報記憶部3151において、指定された額をユーザの売上金から減算し、指定された額分のポイントをユーザのポイントに加算する。すなわち、例えば、100ポイントの購入が指定されると、サーバ110の制御部313は、ユーザの売上金から100円を減算し、ユーザのポイントに100ポイントを加算する。
【0102】
続いて、表示制御部324は、電子クーポンの番号と、近距離無線通信及び電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる(ステップS209)。続いて、受付部321は、当該オブジェクトに対する操作を受け付ける(ステップS210)。
【0103】
続いて、制御部323は、POS端末140のカードリーダを検知すると、ユーザのアカウントに関連付けられた情報(「電子クーポンが適用された金額を決済する情報」の一例。)を当該決済機能により近距離無線通信でPOS端末140に送信させる(ステップS211)。
【0104】
続いて、制御部323は、決済完了通知を送受信部322によりサーバ110から受信する(ステップS212)。続いて、表示制御部324は、決済完了通知を表示し(ステップS213)、処理を終了する。なお、ステップS209からステップS213の各処理は、図6のステップS109からステップS113の各処理とそれぞれ同様でもよい。
【0105】
以下で、実施形態における処理の一例について説明する。以下の各実施例の処理は、他の実施例の処理と組み合わせて実行させることもできる。
【0106】
<<第1実施例>>
第1実施例は、図6、及び図8の第1閾値、または第2閾値を、電子クーポンを使用可能な店舗、及び電子クーポンの少なくとも一つに基づいて決定する実施例である。第1実施例により、例えば、決済の際に残高不足等によりエラーとなることを低減することができる。
【0107】
<<第1実施例の処理>>
第1実施例では、配信された電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付けた後、例えば、図6のステップS102、またはステップS106の処理を行う際、及び図8のステップS202、またはステップS205の処理を行う際、制御部323は、第1閾値、または第2閾値を、当該電子クーポンを使用可能な店舗、及び当該電子クーポンの少なくとも一つに基づいて決定する。
【0108】
この場合、制御部323は、例えば、第2閾値を、当該電子クーポンを使用可能な店舗の平均購入金額(平均客単価)よりも大きな金額に決定してもよい。また、制御部323は、例えば、第2閾値を、当該電子クーポンを適用した後の商品の代金よりも大きな金額に決定してもよい。または、制御部323は、第2閾値を、当該平均購入金額に当該代金を加算した金額よりも大きな金額に決定してもよい。なお、制御部323は、第1閾値、または第2閾値を決定する際に、予めサーバ110の記憶部315に記憶されている、当該平均購入金額、及び当該代金等を取得してもよい。
【0109】
<<第2実施例>>
第2実施例は、電子クーポンの表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、当該電子クーポンを使用不可に設定する実施例である。第2実施例により、例えば、一度限り有効(使用可)、または所定期間内で有効とされる電子クーポンが無効となった後に、電子クーポンのキャプチャ画像が店舗の店員に提示されることにより不正に電子クーポンが利用されることを防止できる。
【0110】
<<第2実施例の処理>>
図6のステップS109の処理、及び図8のステップS209の処理により、図7Fに示す表示画面751のように、電子クーポンの番号等を端末120の画面に表示させている間に、表示画面を画像として記憶する操作(キャプチャ操作、スクリーンショット操作)が行われたとする。この場合、制御部323は、例えば、図7Cの表示画面721を表示制御部324により表示させて、表示画面721を画像として保存させるようにしてもよい。または、制御部323は、図7Fに示す表示画面751において、電子クーポンの有効期限754を期限切れ(例えば、有効期限の残り0秒)等として表示させ、画像として保存させるようにしてもよい。
【0111】
または、制御部323は、図7Fに示す表示画面751において、電子クーポンの番号755の代わりに、「不正な操作が検出されたため、電子クーポンが無効にされました。」等のメッセージを表示制御部324により表示させてもよい。
【0112】
<<第3実施例>>
第3実施例は、電子クーポンが適用された金額を決済する処理が完了した場合、当該電子クーポンを使用不可に設定する実施例である。第3実施例により、例えば、特典が大きい等により一度限り有効(使用可)な電子クーポンをサーバ110が配信することができる。
【0113】
<<第3実施例の処理>>
第3実施例では、図6のステップS109の処理、及び図8のステップS209の処理により、電子クーポンの番号等を端末120の画面に表示させた後、所定時間(例えば、2分)以内に、図6のステップS112の処理、及び図8のステップS212の処理により、決済完了通知をサーバ110から受信した場合、制御部323は、当該電子クーポンを使用不可に設定してもよい。これは、電子クーポンを表示させた後、所定時間以内に決済が完了した場合は、当該電子クーポンが使用されたと推測できるためである。なお、制御部323は、使用不可に設定されている電子クーポンの番号を表示できないようにしてもよい。
【0114】
または、図5のステップS8の処理で、POS端末140が、適用した電子クーポンの番号もサーバ110に送信しておき、当該電子クーポンの番号の情報を含む決済完了通知を端末120がサーバ110から受信した場合、制御部323は、当該電子クーポンを使用不可に設定してもよい。
【0115】
<<第4実施例>>
第4実施例は、電子クーポンとともに表示されている、決済機能を起動させるオブジェクトが操作された場合、電子クーポンを使用不可に設定し、決済機能による決済が失敗した場合、当該電子クーポンを使用可に設定する実施例である。第4実施例により、例えば、一度限り有効な電子クーポンがPOS端末140に適用された後、残高不足等により決済が失敗した場合は、当該電子クーポンを再度POS端末140に適用させることができる。
【0116】
<<第4実施例の処理>>
第4実施例では、図6のステップS109の処理、及び図8のステップS209の処理により、電子クーポンの番号等を端末120の画面に表示させた際、制御部323は、当該電子クーポンを使用不可に設定する。そして、図6のステップS112、及び図8のステップS212において残高不足通知等のエラー通知を受信した場合、制御部323は、当該電子クーポンを使用可に設定する。
【0117】
<<第5実施例>>
第5実施例は、電子クーポンの番号を表示している際に、所定の加速度を検知した場合、自動で決済機能を起動させる実施例である。第5実施例により、例えば、より簡単な操作で電子クーポンを適用した決済を行うことができる。
【0118】
<<第5実施例の処理>>
第5実施例では、図6のステップS109の処理、及び図8のステップS209の処理により、電子クーポンの番号等を端末120の画面に表示させている際に所定の加速度を検知した場合、制御部323は、決済機能を端末120のOSに起動させ、図7Gの決済画面761を表示制御部324により表示させる。そして、図6のステップS111の処理、及び図8のステップS211の処理を実行する。ここで、所定の加速度は、例えば、端末120の画面を店員に見せた後に端末120の指紋認証機能、または顔認証機能を使用するための姿勢に変化する場合の加速度でもよい。
【0119】
<<第6実施例>>
第6実施例は、端末120のOSにより提供される決済機能において、サーバ110により提供される決済サービスを利用するための設定がされている場合、サーバ110に配信された電子クーポンを使用可に設定し、当該決済サービスを利用するための設定がされていない場合、当該電子クーポンを使用不可に設定する実施例である。第6実施例により、例えば、電子クーポンの配信により、サーバ110の事業者が提供する決済サービスの利用を促進させることができる。
【0120】
<<第6実施例の処理>>
第6実施例では、図6のステップS101の処理、及び図8のステップS201の処理により電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付けた際、制御部323は、端末120のOSにより提供される決済機能において、サーバ110により提供される決済サービスを利用するための設定が行われているか否かを判定する。そして、当該決済サービスを利用するための設定がされている場合、制御部323は、サーバ110に配信された電子クーポンを使用可に設定する。
【0121】
一方、当該決済サービスを利用するための設定がされていない場合、制御部323は、当該電子クーポンを使用不可に設定する。これは、サーバ110により提供される決済サービスの電子クレジットカードの情報が端末120に登録されていない場合、POS端末140により当該電子クーポンを適用した割引がされた後、他の決済サービスの電子クレジットカードや現金等を用いて決済がされる可能性が高まるためである。
【0122】
制御部323は、当該電子クーポンを使用不可に設定した場合、例えば、端末120のOSにより提供される決済機能において、サーバ110により提供される決済サービスを利用するための設定を行うことを促すメッセージを表示制御部324により表示させ、図6のステップS102、及び図8のステップS202以降の処理を行わないようにしてもよい。なお、サーバ110により提供される決済サービスを利用するための設定とは、例えば、端末120のOSにより提供される決済機能のメニュー画面等において、当該決済サービスを用いる電子クレジットカードの情報をユーザが入力する等の設定である。
【0123】
<<第7実施例>>
第7実施例は、端末120のOSにより提供される決済機能において、複数の決済サービスを利用するための設定がされている場合であっても、電子クーポンを配信したサーバ110の決済サービスを利用して決済を行えるようにする実施例である。第7実施例により、例えば、電子クーポンの配信により、サーバ110の事業者が提供する決済サービスの利用を促進させることができる。
【0124】
<<第7実施例の処理>>
第7実施例では、図6のステップS101の処理、及び図8のステップS201の処理により電子クーポンを表示させる操作をユーザから受け付けた際、制御部323は、サーバ110により提供される決済サービスを利用する設定として、端末120のOSにより提供される決済機能を起動させる。この場合、制御部323は、例えば、端末120のOSにより提供されるAPI(Application Programming Interface)を使用し、サーバ110により提供される決済サービスを指定して決済機能を起動する。これにより、端末120のOSにより提供される決済機能において、デフォルトで使用される決済サービスが、サーバ110により提供される決済サービス以外である他社の決済サービスである場合でも、電子クーポンを使用する場合にサーバ110により提供される決済サービスを利用させることができる。
【0125】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
情報処理装置に、
店舗で使用可能な電子クーポンと、前記電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理を実行させるプログラム。
(付記2)
前記電子クーポンを発行する事業者と、前記決済サービスを提供する事業者とは同一または提携する事業者である、付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記決済サービスを用いる決済機能は、OS(Operating System)により提供される機能であり、
前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報は、前記決済サービスにおける前記ユーザのアカウントに関連付けられた情報を含む、付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
前記電子クーポンが表示された場合、前記電子クーポンの有効期限を設定する処理を実行させる、付記1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記5)
前記表示させる処理は、
前記決済サービスにおける前記ユーザの残高が所定の閾値以上でない場合、前記残高を増加させることを促すメッセージを表示させる、付記1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記6)
前記店舗、及び前記電子クーポンの少なくとも一つに基づいて、前記所定の閾値を決定する処理を実行させる、付記5に記載のプログラム。
(付記7)
前記表示画面の画像を記憶する操作がされた場合、前記電子クーポンを使用不可に設定する処理を実行させる、付記1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記8)
前記電子クーポンが適用された金額を決済する処理が完了した場合、前記電子クーポンを使用不可に設定する処理を実行させる、付記1から7のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記9)
前記オブジェクトが操作された場合、前記電子クーポンを使用不可に設定し、前記決済サービスを用いる決済機能による決済が失敗した場合、前記電子クーポンを使用可に設定する処理を実行させる、付記1から8のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記10)
前記表示画面を表示している際に、所定の加速度を検知した場合、前記決済サービスを用いる決済機能を起動させる処理を実行させる、付記1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記11)
前記決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されている場合、前記電子クーポンを使用可に設定し、前記決済サービスを用いる決済機能が使用可能に設定されていない場合、前記電子クーポンを使用不可に設定する処理を実行させる、付記1から10のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記12)
前記決済する処理は、
OS(Operating System)の決済機能に設定されている複数の決済サービスのうち、前記電子クーポンを配布した決済サービスを使用する設定として当該決済機能を起動させる、
付記1から11のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記13)
店舗で使用可能な電子クーポンと、前記電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる表示制御部と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる制御部と、を有する情報処理装置。
(付記14)
情報処理装置が、
店舗で使用可能な電子クーポンと、前記電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、
前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理を実行する情報処理方法。
【符号の説明】
【0126】
100 通信システム
110 サーバ
311 受付部
312 送受信部
313 制御部
314 表示制御部
315 記憶部
3151 ユーザ情報記憶部
120 端末
321 受付部
322 送受信部
323 制御部
324 表示制御部
325 記憶部
【要約】
【課題】電子クーポンを適用した決済を容易に行えるようにすること。
【解決手段】情報処理装置に、店舗で使用可能な電子クーポンと、前記電子クーポンに応じた決済サービスを用いる決済機能を起動させるオブジェクトとを同一の表示画面に表示させる処理と、前記オブジェクトがユーザにより操作された場合、前記決済サービスを用いる決済機能を起動させ、前記電子クーポンが適用された金額を決済する情報を近距離無線通信により送信させる処理を実行させる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8
図9