(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のリニアモータは、コイルと永久磁石とからなる駆動部と、スライダの位置情報を検出する位置検出部とが上下方向もしくは前後方向に並んで配置されているため、リニアモータが上下方向もしくは前後方向に大型化してしまう。
【0007】
また、駆動部と位置検出部との位置が離れている場合には、駆動部によって移動したスライダを駆動部から離れた位置検出部によって検出することになるため、駆動部に対する位置検出部の追従性が悪くなり、駆動部と位置検出部間の応答性が悪くなってしまう。したがって、リニアモータのサーボゲインを上げることができず、リニアモータのサーボ制御を高速化させることができなくなってしまう。
【0008】
本明細書では、リニアモータの小型化を図ると共に、リニアモータの応答性を向上させることで、リニアモータのサーボ制御を高速化させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書によって開示される技術は、複数のコイル部を直線的に並べた形態の電機子と、前記電機子に対向するように複数の永久磁石を前記コイル部の並び方向と同一方向に並べた界磁子とを有し、前記電機子または前記界磁子のいずれか一方が他方よりも前記並び方向に長く、かつ、前記電機子または前記界磁子のいずれか一方が他方に対して前記並び方向に移動可能なリニアモータであって、前記電機子または前記界磁子のうち長い方には被検出部が直接固定され、前記電機子または前記界磁子のうち短い方には前記被検出部を光学的に検出する検出部が隣接して設けられている構成とした。
【0010】
また、本明細書によって開示される技術は、部品を保持する部品保持部を上下に移動させる部品保持駆動部を有するヘッドユニットであって、前記部品保持駆動部は、前記リニアモータを有している構成とした。
また、本明細書によって開示される技術は、前記部品保持駆動部が、前記部品保持部と共に、前記リニアモータを複数有している構成とした。
【0011】
また、本明細書によって開示される技術は、表面実装機であって、前記ヘッドユニットを有する部品実装装置と、前記部品実装装置に前記部品を供給する部品供給装置と、前記部品実装装置によって保持された前記部品を実装する基板を搬送する基板搬送装置とを備える構成とした。
【0012】
また、本明細書によって開示される技術は、部品を基板に実装する部品実装装置を水平方向に移動させるヘッド駆動部を備えた表面実装機であって、前記ヘッド駆動部は、前記リニアモータを有している構成とした。
また、本明細書によって開示される技術は、台座部を直線的に移動させる台座駆動部を備えた単軸ロボットであって、前記台座駆動部は、前記リニアモータを有しており、前記電機子が前記台座部に設けられている構成とした。
【0013】
このような構成のリニアモータによると、電機子と界磁子とによって構成される駆動機構に対して、被検出部が直接固定され、検出部が隣接して設けられているから、例えば、駆動機構と位置を検出する位置検出部とをそれぞれ個別に設けて、駆動機構と位置検出部とをリニアモータの移動方向に直列に並べて配置したり、駆動部と位置検出部とを並列に並べて配置したりする場合に比べて、駆動機構と被検出部とを重ねる分だけリニアモータを小型化することができる。
【0014】
また、駆動機構と位置検出部とをそれぞれ個別に設ける必要がないから、リニアモータを軽量化することができる。
また、駆動機構の一部に被検出部を直接固定しているから、駆動機構と位置検出部とを直列に並べて配置したり、駆動部と位置検出部とを並列に並べて配置したりする場合に比べて、駆動機構に対する位置検出部の追従性が高くなり、駆動機構と位置検出部と間の応答性を向上させることができる。これにより、リニアモータのサーボゲインを高めて、リニアモータのサーボ制御を高速化させることができる。
【0015】
本明細書によって開示されるリニアモータは、以下の構成としてもよい。
前記被検出部が固定された前記電機子および前記界磁子の表面は、樹脂によって平坦に設けられており、前記被検出部は、前記樹脂に固定されている構成としてもよい。
【0016】
このような構成によると、電機子や界磁子の表面が樹脂によって覆われて、被検出部が固定される部分の平坦度が高くなっているから、被検出部と検出部との間の隙間寸法の精度を高めることができる。これにより、検出部によって被検出部が検出不能になること防ぐことができる。
【0017】
前記界磁子が前記電機子に対して前記並び方向に移動可能とされている構成としてもよい。
このような構成によると、電機子に対して移動可能な界磁子に被検出部が直接固定されることになるから、界磁子とは別に被検出部が固定される部分を界磁子側に設ける場合に比べて、界磁子側を軽量化することができる。これにより、界磁子側をより高速に移動させることができる。
【0018】
前記検出部は、前記被検出部を検出するセンサ部を有し、前記電機子と隣接するように前記移動方向に並んで設けられており、前記検出部のセンサ部は、前記検出部において前記電機子側の端部に設けられている構成としてもよい。
【0019】
このような構成によると、被検出部を検出するセンサ部が電機子側に隣接して配されることになるから、例えば、センサ部が検出部において電機子とは反対側の端部に設けられている場合に比べて、界磁子に固定された被検出部の並び方向の長さを短くすることができる。これにより、界磁子の並び方向の長さ寸法を短くすることができ、界磁子側をさらに軽量化することができる。
【0020】
前記被検出部は、前記界磁子から前記移動方向に延出して設けられ、前記界磁子と前記並び方向に隣接した位置には、前記界磁子から延出された前記被検出部が固定される支持部が設けられている構成としてもよい。
【0021】
一般に、電機子に対して移動する界磁子は、電機子が配された位置まで設けられていればよいものの、電機子側の検出部によって界磁子の位置を検出するためには、電機子側の検出部の位置まで被検出部を配置する必要がある。つまり、界磁子に被検出部が固定されている場合には、電機子から検出部の位置まで長さ分だけ、界磁子を並び方向に大きくしなければならなくなってしまう嫌いがある。
【0022】
ところが、このような構成によると、界磁子に隣接して設けられた支持部に界磁子から延出された被検出部が固定されているから、界磁子が移動方向に大型化することを防ぐことができる。これにより、界磁子の永久磁石の量を削減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本明細書によって開示される技術によれば、リニアモータの小型化を図ると共に、リニアモータの応答性を向上させることで、リニアモータのサーボ制御を高速化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
本明細書に開示された技術における一実施形態について
図1から
図9を参照して説明する。
本実施形態は、プリント基板(「基板」の一例)P上に電子部品(「部品」の一例)Eを実装する表面実装機10を例示している。なお、
図1において、後述する各フィーダ16に収容された電子部品Eは、一部図示省略している。
【0026】
表面実装機10は、
図1に示すように、平面視略矩形状の基台12と、基台12上に配置される搬送コンベア(「基板搬送装置」の一例)13と、プリント基板P上に電子部品Eを実装するための部品実装装置20とを備えて構成されている。なお、以下の説明では、
図1における基台12の長辺方向および搬送コンベア13の搬送方向を左右方向とし、基台12の短辺方向を前後方向として説明する。また、上下方向とは、
図2における部品実装装置20の上下方向を基準として説明する。
【0027】
基台12は、
図1に示すように、搬送コンベア13、部品実装装置20などが配置される基台であって、基台12における搬送コンベア13の下方には、プリント基板P上に電子部品Eを実装する際に、そのプリント基板Pをバックアップするための図示しないバックアッププレート等が設けられている。
【0028】
搬送コンベア13は、
図1に示すように、基台12の前後方向の略中央部に配されており、プリント基板Pを左右方向に搬送する。また、搬送コンベア13は、左右方向に循環駆動する一対のコンベアベルト15を備えており、一対のコンベアベルト15には、プリント基板Pが架設する形でセットされる。そして、プリント基板Pは、右側からコンベアベルト15に沿って基台12上における左右方向略中央部の実装範囲に搬入され、電子部品Eの実装作業がされた後、コンベアベルト15に沿って左側に搬出される。
【0029】
部品供給装置14は、
図1に示すように、フィーダ型とされ、搬送コンベア13の上下方向両側において左右方向に2つずつ並べることで、合計4箇所に配されている。これらの部品供給装置14には、複数のフィーダ16が左右方向に整列した状態で取り付けられている。各フィーダ16は、複数の電子部品Eが収容された部品供給テープをリールから引き出す図示しない電動式の送出装置などを備えており、各フィーダ16における搬送コンベア13側の端部から電子部品Eが一つずつ供給されるようになっている。
【0030】
部品実装装置20は、
図1に示すように、基台12の左右方向の両側に配される一対の支持フレーム21と、ヘッドユニット30と、ヘッドユニット30を移動させるヘッド駆動装置22とを備えて構成されている。各支持フレーム21は、前後方向に延びる細長い形態をなし、基台12の左右方向両側にそれぞれ配されている。
【0031】
ヘッド駆動装置22は、Y軸サーボ機構23とX軸サーボ機構27とを有しており、一対の支持フレーム21に架設するように設けられている。
Y軸サーボ機構23は、
図1に示すように、左右方向に延びた形態で各支持フレーム21に沿って設けられた一対のY軸ガイドレール24と、図示しないボールナットが螺合されたY軸ボールねじ25Aと、Y軸ボールねじ25Aの端部に設けられたY軸サーボモータ25とを有しており、一対のY軸ガイドレール24には、ボールナットに固定されたヘッド支持体26が架設する形で取り付けられている。
【0032】
そして、Y軸サーボモータ25が通電制御されると、Y軸ボールねじ25Aに沿ってボールナットが進退し、その結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体26およびヘッド支持体26に装着されたヘッドユニット30がY軸ガイドレール24に沿って前後方向に移動するようになっている。
【0033】
X軸サーボ機構27は、
図1に示すように、左右方向に延びた形態でヘッド支持体26に設けられた図示しないX軸ガイドレールと、図示しないボールナットが螺合された図示しないX軸ボールねじ28Aと、X軸ボールねじ28Aの端部に設けられたX軸サーボモータ28とを有している。X軸ガイドレールには、左右方向に沿ってヘッドユニット30が移動自在に取り付けられており、X軸サーボモータ28が通電制御されると、X軸ボールねじ28Aに沿ってボールナットが進退し、その結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット30がX軸ガイドレールに沿って左右方向に移動するようになっている。
これにより、ヘッドユニット30は基台12上において前後左右方向である水平方向に移動可能とされている。
【0034】
ヘッドユニット30は、
図2から
図4に示すように、上下方向に長い形態とされ、金属製のユニットフレーム31と、電子部品Eを保持する部品保持部60と、複数の部品保持部60を上下に駆動させる部品保持駆動部32と、部品保持部60を回転させるR軸サーボ機構70とを備えて構成されている。
【0035】
部品保持部60は、
図3に示すように、部品保持駆動部32の下端部に左右方向に横並びに複数(本実施形態では10個)設けられており、上下方向に延びる駆動シャフト61と、駆動シャフト61の下端部に取り付けられたノズル62とを有している。ノズル62は、駆動シャフト61や樹脂製パイプ63等を介してヘッドユニット30の上部に設けられたバルブ切替器65に接続されており、部品吸着時には、バルブ切替器65によってバルブを切り替えることで、図示しない負圧発生装置から負圧吸引力が与えられ、ノズル62の下端部に電子部品Eが吸着して保持されるようになっている。
【0036】
また、駆動シャフト61の外周には、筒状のシャフトホルダ66が装着されている。このシャフトホルダ66は、ベルト71を介してR軸サーボ機構70と連動されており、R軸サーボ機構70が動作することによって、部品保持部60が軸周りに回動するようになっている。
【0037】
部品保持駆動部32は、複数のリニアモータ40と、複数のリニアモータ40を固定する固定フレーム33とを備えて構成されている。
固定フレーム33は、
図3に示すように、正面視略U字状をなし、左右両端部の側壁33Aの間に複数のリニアモータ40を左右方向に横並びに固定している。
【0038】
各リニアモータ40は、部品保持部60に対応するようにそれぞれ設けられており、部品保持部60を上下に駆動させることで部品供給装置14やプリント基板Pに対してノズル62を上下方向に移動させるための駆動機構とされている。また、各リニアモータ40は、
図4から
図8に示すように、金属製の取付フレーム41と、取付フレーム41に対して上下方向に直線的に移動可能に保持された可動子50などを備えて構成されている。なお、リニアモータ40の説明において、
図5から
図11では、図示前側と後側とを逆にして示しており、
図9においては、後述する可動子50のZレール52を図示省略している。
【0039】
取付フレーム41は、上下方向に長い側面視略矩形状の平板42の周縁部に側面視矩形状の枠部43が一体に設けられた形態とされており、枠部43の後側内面43Aに設けられた上下一対のスライドベース44をユニットフレーム31にねじ固定することで、リニアモータ40がユニットフレーム31に保持されている。
【0040】
取付フレーム41の枠部43における前側下部には、複数のコイル部46を有する電機子45がねじ固定されている。なお、この電機子45は取付フレーム41に固定された固定子でもある。
【0041】
電機子45は、複数枚の電磁鋼板からなる櫛形状のコア47を有しており、このコア47に設けられた櫛歯状の各ティース部47Aにコイルが巻装されることで、上下方向に並んだ複数のコイル部46が構成されている。
【0042】
可動子50は、取付フレーム41における電機子45よりも上下方向に2倍以上長い形態とされている。また、可動子50は、取付フレーム41における電機子45との間に前後方向に所定寸法のクリアランスを有した状態で設けられており、電機子45の後方において前後方向に対向して設けられている。
【0043】
また、可動子50は、取付フレーム41内の一対のスライドベース44に対してZレール52を上下方向にスライド可能に嵌合させることで、
図7に示すように、可動子50の上端部が枠部43の上側内面の直下に配されると共に可動子50のほぼ全体が取付フレーム41内に収容された初期位置と、
図8に示すように、可動子50の下半分が取付フレーム41から下方に突出した最終位置との間を上下方向に移動可能とされている。言い換えると、可動子50は、固定子である電機子45に対して上下方向に移動可能とされている。
【0044】
また、可動子50は、上下方向に延びる可動子本体51と、可動子本体51の後面に固定されたZレール52とを有しており、可動子本体51の下端部は、部品保持部60の上端部がねじ固定された固定部53とされている。
【0045】
そして、可動子本体51の前面における固定部53よりも上側の部分には、全長に亘って複数の永久磁石54が上下方向に等ピッチで並ぶように固定されて界磁子55が設けられている。なお、界磁子55における永久磁石54は、電機子45と対向する前側の表面が磁極とされており、永久磁石54は、上下方向にN極とS極とが交互になるように配置されている。
【0046】
ここで、可動子50の移動範囲に対する永久磁石54の設置範囲について、
図10を参照して説明する。
可動子50を上下方向に移動させる為に必要な永久磁石54の設置範囲は、少なくとも、電機子45のコイル部46全体と永久磁石54とが常に前後方向に対向するように配置する。
【0047】
具体的には、可動子50の永久磁石54は、
図10示すように、可動子50が最終位置に配された場合、電機子45の上端部に配されたコイル部46と界磁子55の上端部に配された永久磁石54とが一致するように配置する。また、可動子が初期位置に配された場合、電機子45の下端部に配されたコイル部46と界磁子55の下端部に配された永久磁石54とが一致するように配置する。
つまり、可動子50における永久磁石54の最小設置範囲L3は、少なくとも、可動子50の移動距離(初期位置から最終位置までの移動距離)L1と、コイル部46全体の長さ寸法L2とを合算した長さ寸法となる。
【0048】
なお、可動子50における界磁子55は、ほぼ同一形状の永久磁石54を上下方向に等ピッチで並べているため、電機子45におけるコイル部46全体に亘って永久磁石54が対向するように設置するには、最終位置において、界磁子55における上端部の永久磁石54が電機子45における上端部のコイル部46よりも上方にはみ出す場合がある。また、これとは逆に、初期位置において、下端部の永久磁石54が電機子45における下端部のコイル部46よりも下方にはみ出す場合がある。したがって、永久磁石54の最小設置範囲L3は、可動子50の移動距離L1と、コイル部46全体の長さ寸法L2との合計よりも大きくなる場合がある。
【0049】
また、本実施形態における永久磁石54の設置範囲は、後述するリニアスケールを設置するために、
図10に示すように、永久磁石54の最小設置範囲L3に加え、後述するセンサ用オフセット範囲L4も含めた構成となっている。
【0050】
したがって、本実施形態では、
図7に示すように、可動子本体51が初期位置に配された状態では、電機子45よりもやや下側まで界磁子55が配され、
図8に示すように、可動子本体51が最終位置に配された状態では、電機子45よりもやや上側まで界磁子55が配される構成となっている。なお、本実施形態における永久磁石54の厚み寸法はほぼ均一とされており、界磁子55の前面は凹凸が無いように平坦に構成されている。
【0051】
そして、取付フレーム41の電機子45におけるコイル部46に対して通電制御が行われると、電機子45と可動子50の界磁子55との間に吸引力が発生することで、取付フレーム41に対して可動子50を上下方向に移動させることができるようになっている。
【0052】
つまり、リニアモータ40は、ムービングマグネット型のリニアモータであって、ヘッドユニット30は、リニアモータ40における可動子50の上下方向の移動に伴って、可動子本体51の固定部53に固定された部品保持部60を上下に移動させ、部品供給装置14や回路基板に対して部品保持部60のノズル62を上下方向に移動させることができるようになっている。
【0053】
なお、可動子本体51の固定部53には、部品保持部60以外に、可動子50を上方に向かって付勢するリターンスプリング90が取り付けられている。このリターンスプリング90は、電機子45のコイル部46が非通電状態となり、電機子45と界磁子55との間に吸引力が働かなくなった場合に、部品保持部60が降下することを防ぐようになっている。
【0054】
さて、リニアモータ40の可動子50における界磁子55と取付フレーム41との間には、可動子50の位置を検出するリニアエンコーダ80が設けられている。
【0055】
詳細には、リニアモータ40の可動子50における界磁子55の前面には、Z方向に延びる光学式のリニアスケール(「被検出部」の一例)81が設けられており、取付フレーム41における電機子45の上方には、リニアスケール81と前後方向に対向する形態でリニアスケール81を光学的に検出する検出部82が取付フレーム41にねじ固定されている。
【0056】
検出部82は、上下方向に細長い形態をなしており、電機子45の直上において電機子45と隣接する位置に固定されている。また、検出部82は、上下方向に長い略矩形板状の基板部83を有する本体部84と、基板部83の後面83Aに固定されたセンサ部85とを備えて構成されている。
【0057】
本体部84は、その上下両端部に固定ねじ86を挿通して取付フレーム41の平板42に締め込むことで検出部82が取付フレーム41にねじ固定されており、センサ部85は、基板部83における電機子45側の下端部に配されている。したがって、センサ部85は、
図10に示すように、電機子45における上端部のコイル部46よりも、センサ用オフセット範囲L4分(永久磁石2つ分程度)だけ上方にオフセットした配置となっている。
【0058】
一方、リニアスケール81は、非磁性体のステンレスによって厚みの薄い帯状に形成されており、例えば、数十マイクロピッチ間隔で上下方向に光学的な目盛りが付されている。したがって、検出部82のセンサ部85によって、リニアスケール81の目盛りを光学的に読み取ることで、界磁子55および可動子50の位置を検出することができるようになっている。
【0059】
また、リニアスケール81は、例えば、両面テープまたは接着剤による接着などの公知の方法によって、界磁子55における永久磁石54の前面に固定されており、その計測範囲は、少なくとも可動子50の位置を検出できる範囲に設定される。
【0060】
つまり、本実施形態におけるリニアスケール81における計測範囲は、少なくとも、可動子50の移動距離と同じ長さ寸法であって、具体的には、
図10に示すように、少なくとも、可動子50が最終位置に配された場合におけるセンサ部85と前後に対向する位置P1から下方に向けて可動子50の移動距離L1分延ばした間の範囲が計測範囲L5となる。
【0061】
そして、リニアスケール81は、
図7、
図8および
図10に示すように、計測範囲L5を含む前後にやや大きい範囲L6に設置されることで、検出部82のセンサ部85とリニアスケール81とが初期位置と最終位置との間において常に前後方向に対向した状態となり、初期位置と最終位置との間における可動子50の位置を検出することができるようになっている。
【0062】
なお、本実施形態によると、検出部82におけるセンサ部85は、可動子50における上端部のコイル部46よりもセンサ用オフセット範囲L4の長さ寸法だけ上方に配されているため、リニアスケール81を設置するために、可動子50の界磁子55における永久磁石54が最小設置範囲L3よりもセンサ用オフセット範囲L4(永久磁石2つ)分程度多く設置されている。
【0063】
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、表面実装機10の作用および効果について説明する。
本実施形態のヘッドユニット30のリニアモータ40によると、
図5から
図8に示すように、部品保持部60を上下方向に移動させる駆動機構であるリニアモータ40の可動子50の界磁子55にリニアスケール81が直接固定された構成とされているから、リニアスケール81を固定するための部分を界磁子55とは別に可動子50に別途設ける必要がなく、可動子50を小型化かつ、軽量化することができる。
【0064】
また、本実施形態によると、取付フレーム41において枠部43と可動子50との間に生じる電機子45の直上のデッドスペースに、リニアエンコーダ80の検出部82を配置しているから、リニアモータ40が大型化することを防ぐことができる。
【0065】
つまり、例えば、
図19に示すように、コイル部2Aを有する電機子2と位置検出用エンコーダ3の検出部3Aとが、永久磁石からなる界磁子4Aを有する可動子4の移動方向である上下方向に直列に並べて配置されたリニアモータ1や、
図20に示すように、電機子7と位置検出用のエンコーダ8とが前後方向に並列して並べて配置された(可動子6を挟んで電機子7とは反対側の後側に位置検出用のエンコーダ8が配置された)リニアモータ5に比べて、可動子50の界磁子55とリニアスケール81とが重ねて配置された分だけリニアモータ40を小型化することができる。ひいては、リニアモータ40を複数有するヘッドユニット30の小型化および軽量化することができる。
【0066】
また、本実施形態によると、取付フレーム41に固定された検出部82のセンサ部85を電機子45側の下端部に配置しているから、例えば、センサ部が検出部の上端部に設けられている場合に比べて、可動子50の界磁子55に固定されたリニアスケール81の長さ寸法を短くすることができる。これにより、界磁子55、ひいては可動子50の上下方向の長さ寸法を短くすることができ、可動子50をさらに軽量化することができる。
【0067】
また、本実施形態によると、可動子50の界磁子55にリニアスケール81を直接固定することで、界磁子55と電機子45によって構成される駆動機構と、リニアスケール81と検出部82とによって構成されるリニアエンコーダ80との間の距離を非常に小さくして、駆動機構とリニアエンコーダ80との間の剛性を高めているから、駆動機構に対するリニアエンコーダ80の追従性を高くすることができ、駆動機構とリニアエンコーダ80と間の応答性を向上させることができる。
【0068】
すなわち、本実施形態によると、リニアモータ40を軽量化することで、可動子50を高速化させることができると共に、リニアエンコーダ80の追従性を高めることでリニアモータ40の応答性を向上させているから、リニアモータ40のサーボゲインを高めて、リニアモータ40のサーボ制御を高速化させることができる。
【0069】
ところで、駆動機構と、エンコーダとの間の距離を小さくする方法としては、磁気センサによって、界磁子の永久磁石におけるN極とS極とを検出することで、可動子の位置情報を取得する方法が考えられる。
【0070】
しかしながら、このような方法によると、可動子の位置情報の精度を向上させるためには、界磁子における永久磁石のサイズを小さくしてN極とS極とのピッチを小さくする必要がある。このため、リニアモータの推力を維持しつつ、永久磁石のサイズを小さくさせることには限界があり、可動子の位置情報の精度を向上させることができなくなってしまう。
【0071】
ところが、本実施形態によると、目盛りピッチが非常に細かい光学式のリニアスケール81を界磁子55上に貼り付けて固定しているから、磁界の影響を受けずに可動子50の位置情報の精度を向上させることができると共に、界磁子55に対するリニアスケール81の取り付けを非常に容易に行うことができる。
【0072】
<変形例1>
次に、実施形態1における可動子50の変形例1について、
図11を参照して説明する。なお、
図11においては、Zレールを図示省略している。
変形例1の可動子150は、実施形態1における可動子50の界磁子55を変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0073】
変形例1における可動子150の界磁子155は、
図11に示すように、上下方向に並ぶ複数の永久磁石154が樹脂モールドされており、樹脂モールドされた界磁子155の前面155Aは、平坦に形成されている。
そして、界磁子155における平坦な前面155Aに、リニアスケール(「被検出部」の一例)81が、例えば両面テープなどの公知の方法によって固定されている。
【0074】
つまり、このような構成によると、永久磁石154の厚み寸法が不均一な場合においても、界磁子155の前面155Aを凹凸のない平坦な状態に構成して、界磁子155の前面155Aにおける平坦度を高めることができ、リニアスケール81と検出部82におけるセンサ部85との間の隙間寸法にばらつきが生じることを防ぐことができる。これにより、検出部82によってリニアスケール81が検出不能になること防ぐことができる。
【0075】
<変形例2>
次に、実施形態1における可動子50の変形例2について、
図12を参照して説明する。
変形例2のリニアモータ240における可動子250は、実施形態1における可動子50の構成を変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0076】
変形例2の可動子250は、
図12に示すように、可動子250における界磁子255の上方に永久磁石54とほぼ同じ厚み寸法の載置台部(「支持部」の一例)256が界磁子255と隣接して設けられている。載置台部256の上下方向の長さ寸法は、電機子45における上端のコイル部46と検出部82のセンサ部85との間の長さ寸法(センサ用オフセット範囲L4)とよりもやや長い寸法に設けられている。
【0077】
そして、載置台部256の前面には、界磁子255の上端位置から上方に延出されたリニアスケール(「被検出部」の一例)281が載置台部256の全長に亘って固定されている。
【0078】
したがって、本変形例によると、界磁子255の上下方向の長さ寸法が、実施形態1の界磁子55の長さ寸法よりも載置台部256の上下方向の長さ寸法分だけ短くなっており、可動子250が最終位置に配された状態では、検出部82のセンサ部85は、載置台部256に固定されたリニアスケール281を読み取ることで可動子250の位置を検出することができるようになっている。
【0079】
つまり、可動子を駆動させる界磁子は、電機子が配された位置まで設けられていればよいものの、検出部によって可動子の位置を検出するためには、検出部のセンサ部の位置までリニアスケールを配置する必要がある。このため、界磁子にリニアスケールを固定する場合には、電機子から検出部の位置まで長さ寸法分だけ、界磁子を上下方向に大きくしなければならなくなってしまう嫌いがある。
【0080】
ところが、本実施形態によると、界磁子255の上方に隣接して設けられた載置台部256に界磁子255から上方に延出されたリニアスケール281を固定しているから、界磁子255の上下方向の長さ寸法を小さくすることができる。これにより、界磁子255の永久磁石54の量を削減することができる。
【0081】
<実施形態2>
次に、実施形態2について
図13を参照して説明する。
実施形態2の表面実装機310は、実施形態1における部品実装装置20においてヘッドユニット30を左右方向に移動させるため駆動方法を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0082】
実施形態2の表面実装機310における部品実装装置320は、
図13に示すように、左右方向に延びた形態で図示しない基台に固定されたXフレーム321と、Xフレーム321から前方に向かって延びる片持ち状のYアーム322と、Yアーム322に支持されたヘッドユニット330と、ヘッドユニット330を前後左右に移動させるヘッド駆動部340とを備えて構成されている。
【0083】
Xフレーム321には、Xフレーム321の全長に亘って左右方向に延びる上下一対のリニアガイド324が設けられており、Yアーム322には、リニアガイド324に嵌合した状態でリニアガイド324に沿って移動可能な第1スライダ325が設けられている。したがって、Yアーム322は、Xフレーム321に沿って左右方向に直線的に移動可能に保持されている。
【0084】
また、Yアーム322には、Yアーム322の全長にわたって前後方向に延びる上下一対のガイドレール323が設けられ、ヘッドユニット330には、ガイドレール323に嵌合した状態でガイドレール323に沿って前後方向に移動可能な図示しないX方向スライダが備えられている。これにより、ヘッドユニット330は、Yアーム322に沿って前後方向に移動可能とされている。
したがって、ヘッドユニット330は、基台上において前後左右方向である水平方向に移動可能とされている。
【0085】
一方、ヘッド駆動部340は、第1サーボ機構341と第2サーボ機構346とを有している。
第1サーボ機構341は、Xフレーム321の内側面に設けられたプレート状の図示しない永久磁石からなる左右方向に長い界磁子342と、Yアーム322のXフレーム321側の端部に設けられた複数のコイルからなる電機子343とを有しており、界磁子342は、電機子343よりも左右方向に長い形態とされている。
そして、電機子343のコイルに対して通電制御を行うことにより、電機子343のコイルと界磁子342の永久磁石との間に生じる吸引力によってYアーム322が左右方向に移動するようになっている。つまり、本実施形態の第1サーボ機構341は、ムービングコイル型のリニアモータとされている。
【0086】
なお、第2サーボ機構346は、前後方向に延びた形態でヘッドユニット330に設けられたボールねじ軸335と、このボールねじ軸335を駆動するサーボモータ333とを有しており、このサーボモータ333が、Yアーム322に取り付けられた図示しないボールねじを回動させることで、ヘッドユニット330を前後方向に移動させることができるようになっている。
【0087】
つまり、ヘッドユニット330は、第1サーボ機構341と第2サーボ機構346とによって、前後方向および左右方向の所望の位置に移動させることができるようになっている。
【0088】
そして、本実施形態では、界磁子342の上下方向略中央部に、左右方向に延びる光学式のリニアスケール(「被検出部」の一例)381が固定されており、電機子343の側面における上下方向略中央部に、リニアスケール381を光学的に検出する検出部382が固定されている。なお、界磁子342に対するリニアスケール381、電機子343に対する検出部382の固定は、例えば、両面テープなどの公知の方法によって固定されている。
【0089】
すなわち、本実施形態によると、界磁子342の表面上にリニアスケール381が固定され、電機子343の側面に検出部382が固定されているから、Xフレーム321に対してリニアスケール381を支持する部分を別途設ける必要がなく、Xフレーム321が大型化したり、複雑化したりすることを防ぐことができる。
【0090】
また、界磁子342の表面にリニアスケール381が直接固定され、電機子343の側面に検出部382を直接固定しているから、界磁子342と電機子343によって構成される第1サーボ機構341と、リニアスケール381と検出部382とによって構成されるリニアエンコーダ380との間の剛性が高められ、第1サーボ機構341に対するリニアエンコーダ380の追従性を高くすることができる。これにより、第1サーボ機構341の応答性を向上させることができる。
【0091】
すなわち、本実施形態によると、リニアエンコーダ80の追従性を高めることで第1サーボ機構341の応答性を向上させているから、第1サーボ機構341のサーボゲインを高めて、第1サーボ機構341のサーボ制御を高速化させることができる。
【0092】
<実施形態3>
次に、実施形態3について
図14から
図16を参照して説明する。
本実施形態は、台座部430を前後方向に移動させるリニアガイド装置(「単軸ロボット」の一例)410であって、基台412と、基台412に設けられた一対の支持フレーム420と、一対の支持フレーム420に移動可能に保持された台座部430と、台座部430を駆動させる台座駆動部440とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、前後方向とは、
図14における左右方向を基準として、図示左側を前側、図示右側を後側として説明する。
【0093】
基台412は、
図14および
図15に示すように、前後方向に延びる平面視略矩形状をなしており、基台412の幅方向両側に一対の支持フレーム420が配置されている。
一対の支持フレーム420は、基台412の幅方向両端部において、前後方向に延びた形態をなしており、各支持フレーム420の上端部には、支持フレーム420の全長に亘って前後方向に延びるガイドレール421が設けられている。
【0094】
台座部430は、平面視略方形の平板状をなしており、台座部430の幅方向両側下面には、前後一対のスライダ431がそれぞれ設けられている。スライダ431は、支持フレーム420のガイドレール421に嵌合した状態でガイドレール421に沿って前後方向に移動可能とされており、スライダ431を前後に移動させることで台座部430が前後に移動可能とされている。
【0095】
台座駆動部440は、複数の図示しないコイル部からなる電機子441と、複数の永久磁石454からなる界磁子442とを備えて構成されている。
電機子441は、扁平なブロック状をなし、台座部430の下面における幅方向略中央部に固定されている。電機子441のコイル部には、基台412の側部に設けられたケーブルガイド部413に挿通される図示しないケーブルから電力が供給されるようになっている。
【0096】
界磁子442は、一対の支持フレーム420の間にプレート状の永久磁石454をN極とS極とが前後方向に交互に並ぶように基台412に固定されることで構成されており、基台412の全長に亘って設けられている。言い換えると、界磁子442は、電機子441よりも長い形態とされている。
【0097】
そして、電機子441のコイル部に対して通電制御を行うことで、電機子441のコイル部と界磁子442の永久磁石454との間に吸引力が発生し、基台412に対して台座部430が前後方向に移動するようになっている。つまり、本実施形態における台座駆動部440も、実施形態2と同様に、ムービングコイル型のリニアモータとされている。
【0098】
そして、本実施形態では、界磁子442の幅方向略中央部に、前後方向に延びる光学式のリニアスケール(「被検出部」の一例)481が固定されており、電機子441の前面における幅方向略中央部に、リニアスケール481を光学的に検出する検出部482が固定されている。なお、界磁子442に対するリニアスケール481、電機子441に対する検出部482の固定は、実施形態1および実施形態2と同様の方法によって固定されている。
【0099】
すなわち、本実施形態によると、界磁子442の上面にリニアスケール481が固定され、電機子441の前面に検出部482が固定されているから、支持フレーム420に対してリニアスケールを支持する部分を別途設ける必要がなく、支持フレーム420が大型化したり、複雑化したりすることを防ぐことができる。また、別途設けられたリニアスケールを検出する検出部を支持フレームの側方など設ける必要がなくなるため、リニアガイド装置410が大型化することを防ぐことができる。
【0100】
さらに、本実施形態によると、界磁子442の上面にリニアスケール481が直接固定され、電機子441の前面に検出部482を直接固定しているから、界磁子442と電機子441によって構成される台座駆動部440と、リニアスケール481と検出部482とによって構成されるリニアエンコーダ480との間の剛性が高められ、台座駆動部440に対するリニアエンコーダ480の追従性を高くすることができる。つまり、台座駆動部440とリニアエンコーダ480と間の応答性を向上させることができ、台座駆動部440のサーボゲインを高めて、台座駆動部440のサーボ制御を高速化させることができる。
【0101】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、リニアスケール81,281,381,481を非磁性体のステンレスによって構成した。しかしながら、これに限らず、リニアスケールを、非磁性体の金属やガラスなどによって構成してもよい。また、界磁子の永久磁石の磁力線を完全に遮蔽せずに電機子側に通して可動子を充分に駆動できる程度まで薄く形成すれば、リニアスケールを磁性体の金属(磁性体のステンレスを含む)によって構成してもよい。
【0102】
(2)上記実施形態では、界磁子55,155,255,342,442に対してリニアスケール81,281,381,481を両面テープなどによって固定した構成とした。しかしながら、これに限らず、永久磁石を樹脂モールドしてなる界磁子の樹脂部にリニアスケールの下端部が埋設された構成にしてもよい。
【0103】
(3)上記実施形態では、電機子45,343,441に対して界磁子が長く形成された構成にした。しかしながら、これに限らず、
図17および
図18に示すように、複数のコイル部546を樹脂モールドしてなる電機子545を、複数の永久磁石554を並べてなる界磁子555よりも長く形成したリニアモータ540を構成してもよく、界磁子555よりも長い形態の電機子545の表面に貼り付けたリニアスケール581を、界磁子555に隣接して設けられた検出部582によって検出する構成としてもよい。
【0104】
(4)上記実施形態3では、検出部482をコイル部からなる電機子441の前面に固定した構成とした。しかしながら、これに限らず、検出部をコイル部と共に電機子内に埋設した構成にしてもよい。
(5)上記実施形態1では、検出部82が電機子45の上方に配置された構成とした。しかしながら、これに限らず、検出部を電機子の下方に配置した構成にしてもよい。なお、検出部を電機子の下方に配置した場合であっても、可動子の界磁子における永久磁石の最小設置範囲およびリニアスケールの設置範囲は、実施形態1と同様の方法によって決定することができる。