特許第6616606号(P6616606)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000002
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000003
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000004
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000005
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000006
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000007
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000008
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000009
  • 特許6616606-産業用ロボット 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616606
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/00 20060101AFI20191125BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   B25J9/00 B
   B65G49/06 Z
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-139565(P2015-139565)
(22)【出願日】2015年7月13日
(65)【公開番号】特開2017-19061(P2017-19061A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 隆之
(72)【発明者】
【氏名】荒川 洋
【審査官】 松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−527314(JP,A)
【文献】 特開2003−203963(JP,A)
【文献】 特開2001−300879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物が個別に搭載されるとともに同じ高さで配置される複数のハンドと、複数の前記ハンドのそれぞれが固定される複数のハンド支持部材と、複数の前記ハンド支持部材が水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるように複数の前記ハンド支持部材を保持する保持部材と、前記保持部材に対して複数の前記ハンド支持部材のそれぞれを個別に往復移動させる複数のハンド駆動機構とを備えるとともに、
前記保持部材に対する前記ハンド支持部材の移動方向を第1方向とし、水平方向であってかつ前記第1方向に直交する方向を第2方向とすると、
前記ハンドとして、前記第1方向から見たときに前記第2方向で隣り合うように同じ高さで配置される第1ハンドおよび第2ハンドと、前記第1方向から見たときに上下方向で前記第1ハンドと重なるように前記第1ハンドの下側に配置される第3ハンドと、前記第1方向から見たときに上下方向で前記第2ハンドと重なるように前記第3ハンドと同じ高さで前記第2ハンドの下側に配置される第4ハンドとを備え、
前記ハンド支持部材として、前記第1ハンドが固定される第1ハンド支持部材と、前記第2ハンドが固定される第2ハンド支持部材と、前記第3ハンドが固定される第3ハンド支持部材と、前記第4ハンドが固定される第4ハンド支持部材とを備え、
前記ハンド駆動機構として、前記第1ハンド支持部材を往復移動させる第1ハンド駆動機構と、前記第2ハンド支持部材を往復移動させる第2ハンド駆動機構と、前記第3ハンド支持部材を往復移動させる第3ハンド駆動機構と、前記第4ハンド支持部材を往復移動させる第4ハンド駆動機構とを備え、
前記保持部材は、前記第1ハンド支持部材と前記第3ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第1保持部材と、前記第2ハンド支持部材と前記第4ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第2保持部材とを備え、
前記ハンド駆動機構は、駆動源となるハンド駆動モータと、前記ハンド駆動モータの動力で回転するネジ軸および前記ネジ軸の外周面に形成されるオネジに係合するメネジが内周側に形成されるナット部材を有し前記ハンド支持部材を前記第1方向へ送る送り機構と、前記第1方向へ前記ハンド支持部材を案内するハンドガイド機構とを備え、
前記第1ハンド駆動機構の前記送り機構を第1送り機構とし、前記第1ハンド駆動機構の前記ハンドガイド機構を第1ハンドガイド機構とし、前記第1ハンド駆動機構の前記ハンド駆動モータを第1ハンド駆動モータとし、前記第2ハンド駆動機構の前記送り機構を第2送り機構とし、前記第2ハンド駆動機構の前記ハンドガイド機構を第2ハンドガイド機構とし、前記第2ハンド駆動機構の前記ハンド駆動モータを第2ハンド駆動モータとし、前記第3ハンド駆動機構の前記送り機構を第3送り機構とし、前記第3ハンド駆動機構の前記ハンドガイド機構を第3ハンドガイド機構とし、前記第3ハンド駆動機構の前記ハンド駆動モータを第3ハンド駆動モータとし、前記第4ハンド駆動機構の前記送り機構を第4送り機構とし、前記第4ハンド駆動機構の前記ハンドガイド機構を第4ハンドガイド機構とし、前記第4ハンド駆動機構の前記ハンド駆動モータを第4ハンド駆動モータとすると、
前記第1送り機構と前記第1ハンドガイド機構と前記第3送り機構と前記第3ハンドガイド機構とは、前記第1方向から見たときに、4個の前記ハンド駆動モータよりも前記第2方向の一方側に配置され、
前記第2送り機構と前記第2ハンドガイド機構と前記第4送り機構と前記第4ハンドガイド機構とは、前記第1方向から見たときに、4個の前記ハンド駆動モータよりも前記第2方向の他方側に配置され、
前記第3ハンド駆動モータと前記第1ハンド駆動モータとは、前記第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で前記第3ハンドの下側に配置され、
前記第4ハンド駆動モータと前記第2ハンド駆動モータとは、前記第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で前記第4ハンドの下側に配置され、
前記第1送り機構および前記第1ハンドガイド機構は、前記第1方向から見たときに前記第1ハンド駆動モータと前記第2方向で隣り合うように配置され、
前記第2送り機構および前記第2ハンドガイド機構は、前記第1方向から見たときに前記第2ハンド駆動モータと前記第2方向で隣り合うように配置され、
前記第3送り機構および前記第3ハンドガイド機構は、前記第1方向から見たときに前記第3ハンド駆動モータと前記第2方向で隣り合うように配置され、
前記第4送り機構および前記第4ハンドガイド機構は、前記第1方向から見たときに前記第4ハンド駆動モータと前記第2方向で隣り合うように配置され、
前記第1送り機構と前記第1ハンドガイド機構と前記第3送り機構と前記第3ハンドガイド機構とは、前記第1方向から見たときに、前記第3ハンドの下側に配置され、
前記第2送り機構と前記第2ハンドガイド機構と前記第4送り機構と前記第4ハンドガイド機構とは、前記第1方向から見たときに、前記第4ハンドの下側に配置されていることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記第2方向における前記第1保持部材と前記第2保持部材とのピッチを変更するハンドピッチ変更機構を備えることを特徴とする請求項記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記ハンドピッチ変更機構は、前記産業用ロボットが前記搬送対象物を搬送する搬送動作中に、前記第2方向における前記第1保持部材と前記第2保持部材とのピッチを変更することを特徴とする請求項記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記ハンドピッチ変更機構は、駆動源となる保持部材駆動モータと、その中心位置が前記保持部材駆動モータの出力軸に固定される第1レバー部材と、その一端側が前記第1保持部材に回動可能に連結されるとともにその他端側が前記第1レバー部材の一端側に回動可能に連結される第2レバー部材と、その一端側が前記第2保持部材に回動可能に連結されるとともにその他端側が前記第1レバー部材の他端側に回動可能に連結される第3レバー部材と、前記第1保持部材を前記第2方向へ案内する第1保持部材ガイド機構と、前記第2保持部材を前記第2方向へ案内する第2保持部材ガイド機構とを備えることを特徴とする請求項または記載の産業用ロボット。
【請求項5】
前記ハンドは、前記第2方向で隣り合うように配置され前記搬送対象物が搭載される2本のフォークと、前記第2方向における2本の前記フォークのピッチを変更するフォークピッチ変更機構とを備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の産業用ロボット。
【請求項6】
前記フォークピッチ変更機構は、駆動源となる減速機付きのフォーク駆動モータと、順ネジが形成される順ネジ部と逆ネジが形成される逆ネジ部とを有し前記フォーク駆動モータの出力軸に連結されるネジ部材と、2本の前記フォークの一方に固定され前記順ネジ部に係合する第1ナット部材と、2本の前記フォークの他方に固定され前記逆ネジ部に係合する第2ナット部材と、2本の前記フォークの一方を前記第2方向へ案内する第1フォークガイド機構と、2本の前記フォークの他方を前記第2方向へ案内する第2フォークガイド機構とを備えることを特徴とする請求項記載の産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の搬送対象物を搬送する産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ用のガラス基板を搬送する産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、ガラス基板が搭載される第1ハンドおよび第2ハンドの2個のハンドと、第1ハンドが固定される第1ハンド支持部材と、第2ハンドが固定される第2ハンド支持部材と、第1ハンド支持部材および第2ハンド支持部材を保持するアームとを備えている。第1ハンド支持部材および第2ハンド支持部材は、水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるように、アームに保持されている。アームに対する第1ハンド支持部材および第2ハンド支持部材の移動方向から見たときに、第1ハンドと第2ハンドとは上下方向で重なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−80828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ガラス基板等の搬送対象物を搬送する産業用ロボットが設置される製造システムでは、タクトタイムの短縮化が求められている。そこで、本発明の課題は、産業用ロボットが設置される製造システムのタクトタイムを短縮することが可能な産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、搬送対象物が個別に搭載されるとともに同じ高さで配置される複数のハンドと、複数のハンドのそれぞれが固定される複数のハンド支持部材と、複数のハンド支持部材が水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるように複数のハンド支持部材を保持する保持部材と、保持部材に対して複数のハンド支持部材のそれぞれを個別に往復移動させる複数のハンド駆動機構とを備えるとともに、保持部材に対するハンド支持部材の移動方向を第1方向とし、水平方向であってかつ第1方向に直交する方向を第2方向とすると、ハンドとして、第1方向から見たときに第2方向で隣り合うように同じ高さで配置される第1ハンドおよび第2ハンドと、第1方向から見たときに上下方向で第1ハンドと重なるように第1ハンドの下側に配置される第3ハンドと、第1方向から見たときに上下方向で第2ハンドと重なるように第3ハンドと同じ高さで第2ハンドの下側に配置される第4ハンドとを備え、ハンド支持部材として、第1ハンドが固定される第1ハンド支持部材と、第2ハンドが固定される第2ハンド支持部材と、第3ハンドが固定される第3ハンド支持部材と、第4ハンドが固定される第4ハンド支持部材とを備え、ハンド駆動機構として、第1ハンド支持部材を往復移動させる第1ハンド駆動機構と、第2ハンド支持部材を往復移動させる第2ハンド駆動機構と、第3ハンド支持部材を往復移動させる第3ハンド駆動機構と、第4ハンド支持部材を往復移動させる第4ハンド駆動機構とを備え、保持部材は、第1ハンド支持部材と第3ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第1保持部材と、第2ハンド支持部材と第4ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第2保持部材とを備え、ハンド駆動機構は、駆動源となるハンド駆動モータと、ハンド駆動モータの動力で回転するネジ軸およびネジ軸の外周面に形成されるオネジに係合するメネジが内周側に形成されるナット部材を有しハンド支持部材を第1方向へ送る送り機構と、第1方向へハンド支持部材を案内するハンドガイド機構とを備え、第1ハンド駆動機構の送り機構を第1送り機構とし、第1ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第1ハンドガイド機構とし、第1ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第1ハンド駆動モータとし、第2ハンド駆動機構の送り機構を第2送り機構とし、第2ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第2ハンドガイド機構とし、第2ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第2ハンド駆動モータとし、第3ハンド駆動機構の送り機構を第3送り機構とし、第3ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第3ハンドガイド機構とし、第3ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第3ハンド駆動モータとし、第4ハンド駆動機構の送り機構を第4送り機構とし、第4ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第4ハンドガイド機構とし、第4ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第4ハンド駆動モータとすると、第1送り機構と第1ハンドガイド機構と第3送り機構と第3ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の一方側に配置され、第2送り機構と第2ハンドガイド機構と第4送り機構と第4ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の他方側に配置され、第3ハンド駆動モータと第1ハンド駆動モータとは、第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で第3ハンドの下側に配置され、第4ハンド駆動モータと第2ハンド駆動モータとは、第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で第4ハンドの下側に配置され、第1送り機構および第1ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第1ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第2送り機構および第2ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第2ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第3送り機構および第3ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第3ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第4送り機構および第4ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第4ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第1送り機構と第1ハンドガイド機構と第3送り機構と第3ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、第3ハンドの下側に配置され、第2送り機構と第2ハンドガイド機構と第4送り機構と第4ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、第4ハンドの下側に配置されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の産業用ロボットは、搬送対象物が個別に搭載されるとともに同じ高さで配置される複数のハンドを備えている。そのため、本発明では、同じ高さで収容されている複数の搬送対象物を複数のハンドによって同時に搬出することが可能になるとともに、同じ高さで収容される複数の搬送対象物を複数のハンドによって同時に搬入することが可能になる。したがって、本発明では、産業用ロボットが設置される製造システムのタクトタイムを短縮することが可能になる。一方で、たとえば、搬送対象物の搬出時や搬入時に複数のハンドの全てを同時に往復移動させると、複数のハンドの中のいくつかのハンドが、製造システムを構成する製造装置や搬送対象物が収容されるカセット等と接触するおそれがある。本発明の産業用ロボットは、保持部材に対して複数のハンド支持部材のそれぞれを個別に往復移動させる複数のハンド駆動機構を備えているため、搬送対象物の搬出時や搬入時に製造装置等と接触するおそれのあるハンドを停止させておくことが可能になる。したがって、本発明では、搬送対象物の搬出時や搬入時における製造装置等とハンドとの接触を防止することが可能になり、ハンド等の損傷を防止することが可能になる。
【0007】
また、本発明では、保持部材に対するハンド支持部材の移動方向を第1方向とし、水平方向であってかつ第1方向に直交する方向を第2方向とすると、産業用ロボットは、ハンドとして、第1方向から見たときに第2方向で隣り合うように同じ高さで配置される第1ハンドおよび第2ハンドと、第1方向から見たときに上下方向で第1ハンドと重なるように第1ハンドの下側に配置される第3ハンドと、第1方向から見たときに上下方向で第2ハンドと重なるように第3ハンドと同じ高さで第2ハンドの下側に配置される第4ハンドとを備え、ハンド支持部材として、第1ハンドが固定される第1ハンド支持部材と、第2ハンドが固定される第2ハンド支持部材と、第3ハンドが固定される第3ハンド支持部材と、第4ハンドが固定される第4ハンド支持部材とを備え、ハンド駆動機構として、第1ハンド支持部材を往復移動させる第1ハンド駆動機構と、第2ハンド支持部材を往復移動させる第2ハンド駆動機構と、第3ハンド支持部材を往復移動させる第3ハンド駆動機構と、第4ハンド支持部材を往復移動させる第4ハンド駆動機構とを備え、保持部材は、第1ハンド支持部材と第3ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第1保持部材と、第2ハンド支持部材と第4ハンド支持部材とを往復移動可能に保持する第2保持部材とを備えている。そのため、第1ハンドと第2ハンドとを用いて、あるいは、第3ハンドと第4ハンドとを用いて、同じ高さで収容されている複数の搬送対象物を同時に搬出することが可能になるとともに、同じ高さで収容される複数の搬送対象物を同時に搬入することが可能になる。
【0008】
また、本発明では、ハンド駆動機構は、駆動源となるハンド駆動モータと、ハンド駆動モータの動力で回転するネジ軸およびネジ軸の外周面に形成されるオネジに係合するメネジが内周側に形成されるナット部材を有しハンド支持部材を第1方向へ送る送り機構と、第1方向へハンド支持部材を案内するハンドガイド機構とを備え、第1ハンド駆動機構の送り機構を第1送り機構とし、第1ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第1ハンドガイド機構とし、第2ハンド駆動機構の送り機構を第2送り機構とし、第2ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第2ハンドガイド機構とし、第3ハンド駆動機構の送り機構を第3送り機構とし、第3ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第3ハンドガイド機構とし、第4ハンド駆動機構の送り機構を第4送り機構とし、第4ハンド駆動機構のハンドガイド機構を第4ハンドガイド機構とすると、第1送り機構と第1ハンドガイド機構と第3送り機構と第3ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の一方側に配置され、第2送り機構と第2ハンドガイド機構と第4送り機構と第4ハンドガイド機構とは、第1方向から見たときに、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の他方側に配置されている。
【0009】
そのため、可動する部材を有する第1送り機構、第1ハンドガイド機構、第3送り機構および第3ハンドガイド機構と、可動する部材を有する第2送り機構、第2ハンドガイド機構、第4送り機構および第4ハンドガイド機構との第2方向の距離を確保することが可能になる。したがって、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の一方側に配置される可動する部材と、4個のハンド駆動モータよりも第2方向の他方側に配置される可動する部材との干渉を防止することが可能になる。
【0010】
また、本発明では、第1ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第1ハンド駆動モータとし、第2ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第2ハンド駆動モータとし、第3ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第3ハンド駆動モータとし、第4ハンド駆動機構のハンド駆動モータを第4ハンド駆動モータとすると、第3ハンド駆動モータと第1ハンド駆動モータとは、第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で第3ハンドの下側に配置され、第4ハンド駆動モータと第2ハンド駆動モータとは、第1方向から見たときに、上下方向で重なるようにかつ上側からこの順番で第4ハンドの下側に配置され、第1送り機構および第1ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第1ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第2送り機構および第2ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第2ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第3送り機構および第3ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第3ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置され、第4送り機構および第4ハンドガイド機構は、第1方向から見たときに第4ハンド駆動モータと第2方向で隣り合うように配置されている。
【0011】
そのため、第1ハンド駆動モータ、第1送り機構および第1ハンドガイド機構が、第3ハンド駆動モータ、第3送り機構および第3ハンドガイド機構の上側に配置されている場合と比較して、第1ハンド支持部材および第3ハンド支持部材の構成を簡素化することが可能になる。また、第2ハンド駆動モータ、第2送り機構および第2ハンドガイド機構が、第4ハンド駆動モータ、第4送り機構および第4ハンドガイド機構の上側に配置されている場合と比較して、第2ハンド支持部材および第4ハンド支持部材の構成を簡素化することが可能になる。
【0012】
本発明において、産業用ロボットは、第2方向における第1保持部材と第2保持部材とのピッチを変更するハンドピッチ変更機構を備えることが好ましい。この場合には、ハンドピッチ変更機構は、産業用ロボットが搬送対象物を搬送する搬送動作中に、第2方向における第1保持部材と第2保持部材とのピッチを変更することが好ましい。このように構成すると、同じ高さで搬送元に収容されている複数の搬送対象物の第2方向のピッチと、同じ高さで搬送先に収容される複数の搬送対象物の第2方向のピッチとが異なる場合であっても、搬送元から搬送先へ搬送対象物を短時間でかつ適切に搬送することが可能になる。
【0013】
本発明において、ハンドピッチ変更機構は、駆動源となる保持部材駆動モータと、その中心位置が保持部材駆動モータの出力軸に固定される第1レバー部材と、その一端側が第1保持部材に回動可能に連結されるとともにその他端側が第1レバー部材の一端側に回動可能に連結される第2レバー部材と、その一端側が第2保持部材に回動可能に連結されるとともにその他端側が第1レバー部材の他端側に回動可能に連結される第3レバー部材と、第1保持部材を第2方向へ案内する第1保持部材ガイド機構と、第2保持部材を第2方向へ案内する第2保持部材ガイド機構とを備えることが好ましい。このように構成すると、3個のレバー部材を用いた比較的簡易な構成で、第2方向における第1保持部材と第2保持部材とのピッチを変更することが可能になる。
【0014】
本発明において、ハンドは、第2方向で隣り合うように配置され搬送対象物が搭載される2本のフォークと、第2方向における2本のフォークのピッチを変更するフォークピッチ変更機構とを備えることが好ましい。このように構成すると、フォークのピッチを変更することで様々な大きさの搬送対象物を搬送することが可能になる。
【0015】
本発明において、フォークピッチ変更機構は、駆動源となる減速機付きのフォーク駆動モータと、順ネジが形成される順ネジ部と逆ネジが形成される逆ネジ部とを有しフォーク駆動モータの出力軸に連結されるネジ部材と、2本のフォークの一方に固定され順ネジ部に係合する第1ナット部材と、2本のフォークの他方に固定され逆ネジ部に係合する第2ナット部材と、2本のフォークの一方を第2方向へ案内する第1フォークガイド機構と、2本のフォークの他方を第2方向へ案内する第2フォークガイド機構とを備えることが好ましい。このように構成すると、1本のネジ部材を用いた比較的簡易な構成で、第2方向における2本のフォークのピッチを変更することが可能になる。また、このように構成すると、フォーク駆動モータの減速機の減速比を大きくすることで、所定位置に移動した2本のフォークに第2方向の外力が作用しても、2本のフォークはその位置から動かない。したがって、フォーク駆動モータの減速機の減速比を大きくすることで、特別な固定機構を設けなくても、所定位置に移動した2本のフォークをその位置で固定することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、産業用ロボットが設置される製造システムのタクトタイムを短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの正面図である。
図2図1のE−E方向から産業用ロボットを示す側面図である。
図3図2のF−F方向から産業用ロボットを示す平面図である。
図4図1に示すアームおよびアーム支持部材の内部の構造を説明するための図である。
図5図4に示す状態から第1アームと第2アームとのピッチが広がったときの状態を示す図である。
図6図4のG−G方向からハンドピッチ変更機構の構成を説明するための図である。
図7図1に示すハンドの基部の内部の構成を説明するための平面図である。
図8図1に示すハンドの基部の内部の構成を説明するための側面図である。
図9図3に示すフォークの先端側部分の構成を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の正面図である。図2は、図1のE−E方向から産業用ロボット1を示す側面図である。図3は、図2のF−F方向から産業用ロボット1を示す平面図である。図4は、図1に示すアーム11およびアーム支持部材16の内部の構造を説明するための図である。
【0020】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、搬送対象物である液晶ディスプレイ用のガラス基板2を搬送するためのロボットである。具体的には、ロボット1は、スマートフォン等の携帯機器に使用される比較的小型のガラス基板2(以下、「基板2」とする。)を搬送するためのロボットである。このロボット1は、液晶ディスプレイの製造システムに組み込まれて使用される。
【0021】
ロボット1は、基板2が個別に搭載される4個のハンド3〜6と、4個のハンド3〜6のそれぞれが固定される4個のハンド支持部材7〜10と、4個のハンド支持部材7〜10を保持する保持部材としてのアーム11と、アーム11を支持する本体部12と、本体部12の水平方向への移動が可能となるように本体部12を支持するベース部材13とを備えている。本形態のハンド3は第1ハンドであり、ハンド4は第2ハンドであり、ハンド5は第3ハンドであり、ハンド6は第4ハンドである。また、ハンド支持部材7は、ハンド3が固定される第1ハンド支持部材であり、ハンド支持部材8は、ハンド4が固定される第2ハンド支持部材であり、ハンド支持部材9は、ハンド5が固定される第3ハンド支持部材であり、ハンド支持部材10は、ハンド6が固定される第4ハンド支持部材である。
【0022】
本体部12は、アーム11を保持するアーム支持部材16と、アーム支持部材16を上下方向に移動可能に支持する柱状部材17と、本体部12の下端部分を構成するとともにベース部材13に対して水平移動可能な基台18と、柱状部材17の下端が固定されるとともに基台18に対して旋回可能な旋回部材19とを備えている。アーム11は、アーム支持部材16の先端側に保持されている。具体的には、アーム11の下端側がアーム支持部材16の先端側に保持されている。
【0023】
アーム支持部材16の基端側は、柱状部材17に支持されている。アーム支持部材16は、図示を省略する昇降機構の動力によって、上下方向を長手方向とする柱状に形成される柱状部材17に対してアーム11等と一緒に上下動する。基台18は、図示を省略する移動機構の動力によって、ベース部材13に対して水平方向へ直線的に往復移動する。すなわち、本体部12は、この移動機構の動力によって、ベース部材13に対して水平方向へ往復移動する。また、旋回部材19は、図示を省略する旋回機構の動力によって、基台18に対して旋回する。
【0024】
ハンド支持部材7〜10は、水平方向の同じ方向へ直線的に往復移動可能となるようにアーム11に保持されている。ロボット1は、アーム11に対してハンド支持部材7〜10のそれぞれを個別に往復移動させる4個のハンド駆動機構22〜25を備えている(図4参照)。本形態のハンド駆動機構22は、ハンド支持部材7を往復移動させる第1ハンド駆動機構であり、ハンド駆動機構23は、ハンド支持部材8を往復移動させる第2ハンド駆動機構であり、ハンド駆動機構24は、ハンド支持部材9を往復移動させる第3ハンド駆動機構であり、ハンド駆動機構25は、ハンド支持部材10を往復移動させる第4ハンド駆動機構である。
【0025】
以下の説明では、アーム11に対するハンド支持部材7〜10の移動方向(図2等のX方向)を前後方向とし、水平方向であってかつ前後方向に直交する方向(図1等のY方向)を左右方向とする。また、左右方向の一方側(Y1方向側)を「右」側とし、その反対側(Y2方向側)を「左」側とする。本形態の前後方向は、第1方向であり、左右方向は、第2方向である。
【0026】
ハンド3〜6は、ハンド支持部材7〜10に固定される基部26と、基部26から前後方向の一方側へ突出する2本のフォーク27を備えている。基部26は、中空状に形成されるとともに扁平な略直方体状に形成されている。フォーク27は、中空状に形成されるとともに前後方向に細長い略直方体状に形成されており、フォーク27の先端側部分の上面は、基板2が搭載される基板搭載面となっている。2本のフォーク27は、左右方向で隣り合うように配置されている。
【0027】
ハンド3とハンド4とは、同じ高さで配置されている。具体的には、基板2が搭載されるハンド3の基板搭載面の高さ(すなわち、フォーク27の上面の高さ)と、基板2が搭載されるハンド4の基板搭載面の高さとが一致するようにハンド3、4が配置されている。また、ハンド3とハンド4とは、前後方向から見たときに左右方向で隣り合うように配置されている。本形態では、ハンド3が左側に配置され、ハンド4が右側に配置されている。
【0028】
ハンド5とハンド6とは、同じ高さで配置されている。具体的には、基板2が搭載されるハンド5の基板搭載面の高さと、基板2が搭載されるハンド6の基板搭載面の高さとが一致するようにハンド5、6が配置されている。また、ハンド5とハンド6とは、前後方向から見たときに左右方向で隣り合うように配置されている。本形態では、ハンド5が左側に配置され、ハンド6が右側に配置されている。また、ハンド5は、前後方向から見たときにハンド3と上下方向で重なるようにハンド3の下側に配置され、ハンド6は、前後方向から見たときにハンド4と上下方向で重なるようにハンド3の下側に配置されている。
【0029】
アーム11は、ハンド3〜6の下側に配置されている。このアーム11は、左右方向に分割される第1アーム29と第2アーム30とから構成されている。第1アーム29は、ハンド支持部材7、9を往復移動可能に保持し、第2アーム30は、ハンド支持部材8、10を往復移動可能に保持している。第1アーム29と第2アーム30とは、左右方向への往復移動が可能となるようにアーム支持部材16に保持されている。ロボット1は、左右方向における第1アーム29と第2アーム30とのピッチを変更するハンドピッチ変更機構31を備えている(図4参照)。本形態の第1アーム29は第1保持部材であり、第2アーム30は第2保持部材である。
【0030】
(ハンド駆動機構の構成)
ハンド駆動機構22〜25は、駆動源となるモータ35〜38と、ハンド支持部材7〜10を前後方向へ送る送り機構39〜42と、ハンド支持部材7〜10を前後方向へ案内するガイド機構43〜46とを備えている。本形態のモータ35〜38は、ハンド駆動モータであり、ガイド機構43〜46は、ハンドガイド機構である。また、ハンド駆動機構22のモータ35は第1ハンド駆動モータであり、ハンド駆動機構23のモータ36は第2ハンド駆動モータであり、ハンド駆動機構24のモータ37は第3ハンド駆動モータであり、ハンド駆動機構25のモータ38は第4ハンド駆動モータである。さらに、ハンド駆動機構22の送り機構39は第1送り機構であり、ハンド駆動機構23の送り機構40は第2送り機構であり、ハンド駆動機構24の送り機構41は第3送り機構であり、ハンド駆動機構25の送り機構42は第4送り機構である。また、ハンド駆動機構22のガイド機構43は第1ハンドガイド機構であり、ハンド駆動機構23のガイド機構44は第2ハンドガイド機構であり、ハンド駆動機構24のガイド機構45は第3ハンドガイド機構であり、ハンド駆動機構25のガイド機構46は第4ハンドガイド機構である。
【0031】
モータ35〜38は、モータ35〜38の出力軸の軸方向と前後方向とが一致するようにアーム11に取り付けられている。また、モータ35〜38は、モータ35〜38の出力軸が前後方向において同じ方向へ突出するようにアーム11に取り付けられている。さらに、モータ35〜38は、前後方向におけるアーム11の一端側に取り付けられている。本形態では、モータ35、37は、第1アーム29に取り付けられ、モータ36、38は、第2アーム30に取り付けられている。
【0032】
モータ35とモータ37とは、前後方向から見たときに上下方向で重なるようにハンド5の下側に配置されている。また、モータ37がモータ35の上側に配置されている。モータ36とモータ38とは、前後方向から見たときに上下方向で重なるようにハンド6の下側に配置されている。また、モータ38がモータ36の上側に配置されている。モータ35とモータ36とは、左右方向で隣接するように同じ高さで配置され、モータ37とモータ38とは左右方向で隣接するように同じ高さで配置されている。また、モータ35がモータ36の左側に配置され、モータ37がモータ38の左側に配置されている。
【0033】
送り機構39〜42は、モータ35〜38の動力で回転するネジ軸48〜51と、ネジ軸48〜51の外周面に形成されるオネジに係合するメネジが内周側に形成されるナット部材52〜55とを備えている。具体的には、送り機構39〜42は、ネジ軸48〜51とナット部材52〜55との間に配置されるボール(図示省略)を有するボールネジである。ネジ軸48〜51は、ネジ軸48〜51の軸方向と前後方向とが一致するようにアーム11に回転可能に取り付けられている。ナット部材52〜55は、ハンド支持部材7〜10に取り付けられている。モータ35〜38の出力軸とネジ軸48〜51とは、プーリおよびベルトを介して連結されている。
【0034】
送り機構39のネジ軸48は、第1アーム29に回転可能に取り付けられており、モータ35の左側に配置されている。送り機構41のネジ軸50は、第1アーム29に回転可能に取り付けられており、モータ37の左側に配置されている。送り機構40のネジ軸49は、第2アーム30に回転可能に取り付けられており、モータ36の右側に配置されている。送り機構42のネジ軸51は、第2アーム30に回転可能に取り付けられており、モータ38の右側に配置されている。送り機構39のナット部材52は、ハンド支持部材7の下端側に固定されている。送り機構40のナット部材53は、ハンド支持部材8の下端側に固定されている。送り機構41のナット部材54は、ハンド支持部材9の上端側に固定されている。送り機構42のナット部材55は、ハンド支持部材10の上端側に固定されている。
【0035】
ガイド機構43〜46は、前後方向を長手方向として配置されるガイドレール57〜60と、ガイドレール57〜60に係合するガイドブロック61〜64とを有するリニアガイドである。ガイド機構43のガイドレール57は、第1アーム29に固定されている。ガイドレール57は、モータ35の左側に配置されるとともにネジ軸48の上側に配置されている。ガイド機構45のガイドレール59は、第1アーム29に固定されている。ガイドレール59は、モータ37の左側に配置されるとともにネジ軸50の下側に配置されている。ガイド機構44のガイドレール58は、第2アーム30に固定されている。ガイドレール58は、モータ36の右側に配置されるとともにネジ軸49の上側に配置されている。ガイド機構46のガイドレール60は、第2アーム30に固定されている。ガイドレール60は、モータ38の右側に配置されるとともにネジ軸51の下側に配置されている。
【0036】
ガイド機構43のガイドブロック61は、ハンド支持部材7の下端側に固定されている。このガイドブロック61は、ナット部材52の上側に配置されている。ガイド機構44のガイドブロック62は、ハンド支持部材8の下端側に固定されている。このガイドブロック62は、ナット部材53の上側に配置されている。ガイド機構45のガイドブロック63は、ハンド支持部材9の下端側に固定されている。このガイドブロック63は、ナット部材54の下側に配置されている。ガイド機構46のガイドブロック64は、ハンド支持部材10の下端側に固定されている。このガイドブロック64は、ナット部材55の下側に配置されている。
【0037】
上述のように、ネジ軸48、ナット部52、ガイドレール57およびガイドブロック61は、モータ35の左側に配置され、ネジ軸49、ナット部53、ガイドレール58およびガイドブロック62は、モータ36の右側に配置され、ネジ軸50、ナット部54、ガイドレール59およびガイドブロック63は、モータ37の左側に配置され、ネジ軸51、ナット部55、ガイドレール60およびガイドブロック64は、モータ38の右側に配置されている。すなわち、前後方向から見たときに、送り機構39およびガイド機構43は、モータ35と左右方向で隣り合うように配置され、送り機構40およびガイド機構44は、モータ36と左右方向で隣り合うように配置され、送り機構41およびガイド機構45は、モータ37と左右方向で隣り合うように配置され、送り機構42およびガイド機構46は、モータ38と左右方向で隣り合うように配置されている。また、モータ35、37は、モータ36、38の左側に配置されているため、前後方向から見たときに、送り機構39、41とガイド機構43、45とは、4個のモータ35〜38よりも左側に配置され、送り機構40、42とガイド機構44、46とは、4個のモータ35〜38よりも右側に配置されている。
【0038】
なお、ハンド支持部材7の上端側には、ハンド3の基部26の右側面が固定され、ハンド支持部材8の上端側には、ハンド4の基部26の右側面が固定されている。また、ハンド支持部材9の上端には、ハンド5の基部26の下面の左端側が固定され、ハンド支持部材10の上端には、ハンド6の基部26の下面の右端側が固定されている。前後方向から見たときに、ハンド支持部材7は、ハンド支持部材9よりも左側に配置され、ハンド支持部材8は、ハンド支持部材10よりも右側に配置されている。
【0039】
(ハンドピッチ変更機構の構成)
図5は、図4に示す状態から第1アーム29と第2アーム30とのピッチが広がったときの状態を示す図である。図6は、図4のG−G方向からハンドピッチ変更機構31の構成を説明するための図である。
【0040】
ハンドピッチ変更機構31は、駆動源となるモータ67と、モータ67の出力軸に固定されるレバー部材68と、第1アーム29に回動可能に連結されるレバー部材69と、第2アーム30に回動可能に連結されるレバー部材70とを備えている。本形態のモータ67は、保持部材駆動モータであり、レバー部材68は、第1レバー部材であり、レバー部材69は、第2レバー部材であり、レバー部材70は、第3レバー部材である。
【0041】
モータ67は、減速機付きのモータ(ギアードモータ)である。このモータ67は、モータ67の出力軸の軸方向と前後方向とが一致するようにアーム支持部材16に取り付けられている。また、モータ67は、アーム支持部材16の先端側に取り付けられており、モータ35〜38よりも下側に配置されている。左右方向において、モータ67の出力軸は、モータ35、37の出力軸とモータ36、38の出力軸との間の中心位置に配置されている。
【0042】
モータ67の出力軸には、レバー部材68の中心位置が固定されている。レバー部材69の一端側(左端側)は、第1アーム29の下端側に回動可能に連結され、レバー部材69の他端側(右端側)は、レバー部材68の一端側に回動可能に連結されている。レバー部材70の一端側(右端側)は、第2アーム30の下端側に回動可能に連結され、レバー部材70の他端側(左端側)は、レバー部材68の他端側に回動可能に連結されている。レバー部材69は、前後方向を回動の軸方向として第1アーム29およびレバー部材68に対して回動可能となっている。レバー部材70は、前後方向を回動の軸方向として第2アーム30およびレバー部材68に対して回動可能となっている。レバー部材69は、レバー部材70よりも下側に配置されている。
【0043】
また、ハンドピッチ変更機構31は、第1アーム29および第2アーム30を左右方向へ案内するためのガイドレール71およびガイドブロック72、73を備えている。ガイドレール71は、左右方向を長手方向としてアーム支持部材16の前後の両面の2箇所に固定されている(図4図6参照)。図6に示すように、ガイドブロック73は、第2アーム30の下端側の2箇所に固定されており、2個のガイドブロック73は、前後方向の外側からガイドレール71の右端側部分に係合している。ガイドブロック72は、第1アーム29の下端側の2箇所に固定されており、2個のガイドブロック72は、前後方向の外側からガイドレール71の左端側部分に係合している。
【0044】
本形態では、ガイドレール71とガイドブロック72とによって第1アーム29を左右方向へ案内するガイド機構75が構成され、ガイドレール71とガイドブロック73とによって第2アーム30を左右方向へ案内するガイド機構76が構成されている。本形態のガイド機構75は、第1保持部材ガイド機構であり、ガイド機構76は、第2保持部材ガイド機構である。
【0045】
ハンドピッチ変更機構31では、モータ67が回転してレバー部材68が回動すると、第1アーム29と第2アーム30とが左右の逆方向へ同じ量だけ移動して第1アーム29と第2アーム30の左右方向のピッチが変更される。本形態のモータ67はサーボモータであり、ハンドピッチ変更機構31は、第1アーム29と第2アーム30とが最も近づいた状態(図4に示す状態)と、第1アーム29と第2アーム30とが最も離れた状態(図5に示す状態)との間で、第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを任意に変えることが可能になっている。
【0046】
また、ハンドピッチ変更機構31は、ロボット1が基板2を搬送する搬送動作中に、必要に応じて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更する。すなわち、ハンドピッチ変更機構31は、搬送動作中に、必要に応じてハンド3とハンド4との左右方向のピッチ、および、ハンド5とハンド6との左右方向のピッチを変更する。たとえば、左右方向において所定のピッチで基板2が収容されるカセットの収容部からハンド3、4に搭載された基板2を搬出して、カセットの収容部における左右方向のピッチよりも左右方向のピッチが広い製造装置の収容部にハンド3、4に搭載された基板2を搬入する場合、ハンドピッチ変更機構31は、搬送動作中に、必要に応じて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更する。
【0047】
(ハンドの構成)
図7は、図1に示すハンド3の基部26の内部の構成を説明するための平面図である。図8は、図1に示すハンド3、5の基部26の内部の構成を説明するための側面図である。図9は、図3に示すフォーク27の先端側部分の構成を説明するための平面図である。
【0048】
ハンド3〜6は、上述のように、基部26と2本のフォーク27とを備えている。図7図8に示すように、フォーク27の基端側部分は、中空状に形成される基部26の内部に配置されている。また、ハンド3〜6は、左右方向における2本のフォーク27のピッチを変更するフォークピッチ変更機構78を備えている。フォークピッチ変更機構78は、中空状に形成される基部26の内部に配置されている。
【0049】
フォーク27の先端側には、図9に示すように、複数の吸着パッド77が取り付けられている。複数の吸着パッド77は、様々な大きさの基板2の吸着が可能となるように配置されている。また、複数の吸着パッド77のそれぞれが電磁弁を介して吸引装置に接続されており、複数の吸着パッド77のそれぞれが基板2の吸着動作を行うことが可能になっている。なお、2本のフォーク27には、たとえば、2個の基板2が搭載される。また、この2個の基板2は、たとえば、図9に示すように、上下方向から見たときに、左右方向に平行な所定の対称軸Lに対して線対称となるように2本のフォーク27に搭載される。
【0050】
フォークピッチ変更機構78は、駆動源となるモータ79と、モータ79の出力軸に連結されるネジ部材80と、2本のフォーク27のうちの一方に固定されるナット部材81と、2本のフォーク27のうちの他方に固定されるナット部材82と、ネジ部材80の回転量を検知する検知機構83とを備えている。本形態のモータ79は、フォーク駆動モータであり、ナット部材81は、第1ナット部材であり、ナット部材82は、第2ナット部材である。
【0051】
モータ79は、減速機付きのモータ(ギアードモータ)である。このモータ79は、モータ79の出力軸の軸方向と左右方向とが一致するように基部26に固定されている。モータ79の減速機の減速比が大きくなっており、たとえば、減速比は、1/300である。ネジ部材80は、細長い棒状に形成されている。このネジ部材80は、ネジ部材80の長手方向と左右方向とが一致するように配置されており、基部26に回転可能に支持されている。ネジ部材80の一端側には、順ネジが形成される順ネジ部80aが形成されている。ネジ部材80の他端側には、逆ネジが形成される逆ネジ部80bが形成されている。ナット部材81は、順ネジ部80aに係合し、ナット部材82は、逆ネジ部80bに係合している。ネジ部材80の一端は、カップリング85を介してモータ79の出力軸に連結されている。
【0052】
検知機構83は、ネジ部材80の他端に固定される検出板86と、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサ87とを備えている。センサ87は、発光素子と受光素子とが対向配置される透過型の光学式センサである。検出板86は、センサ87の発光素子と受光素子との間に配置されている。検出板86には、センサ87の発光素子から受光素子へ向かう光を透過する透光部と、センサ87の発光素子から受光素子へ向かう光を遮る遮光部とが形成されている。
【0053】
本形態では、図7の二点鎖線で示すように2本のフォーク27が最も近づいたときの2本のフォーク27の位置がフォーク27の基準位置となっている。フォークピッチ変更機構78は、この基準位置を検知するための基準位置検知機構95を備えている。基準位置検知機構95は、検出板96と、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサ97とを備えている。センサ97は、発光素子と受光素子とが対向配置される透過型の光学式センサであり、基部26に固定されている。検出板96は、2本のフォーク27が最も近づいたときに、検出板96がセンサ97の発光素子と受光素子との間を遮るように、2本のフォーク27のうちの一方のフォーク27の基端側部分に取り付けられている。検知機構83は、基準位置検知機構95によって検知される2本のフォーク27の基準位置を基準にしたネジ部材80の回転量を検知することで2本のフォーク27のピッチを検知する。
【0054】
また、フォークピッチ変更機構78は、2本のフォーク27を左右方向へ案内するためのガイドレール89およびガイドブロック90、91を備えている。ガイドレール89は、左右方向を長手方向として基部26の2箇所に固定されている。2個のガイドレール89は、前後方向でネジ部材80を挟むように配置されている。ガイドブロック90は、2本のフォーク27のうちの一方のフォーク27の基端側部分の2箇所に固定され、ガイドブロック91は、2本のフォーク27のうちの他方のフォーク27の基端側部分の2箇所に固定されている。2個のガイドブロック90のそれぞれは2個のガイドレール89のそれぞれに係合し、2個のガイドブロック91のそれぞれは2個のガイドレール89のそれぞれに係合している。
【0055】
本形態では、ガイドレール89とガイドブロック90とによって2本のフォーク27の一方を左右方向へ案内するガイド機構92が構成され、ガイドレール89とガイドブロック91とによって2本のフォーク27の他方を左右方向へ案内するガイド機構93が構成されている。本形態のガイド機構92は、第1フォークガイド機構であり、ガイド機構93は、第2フォークガイド機構である。
【0056】
フォークピッチ変更機構78では、モータ79が回転してネジ部材80が回転すると、2本のフォーク27のうちの一方のフォーク27と他方のフォーク27とが左右の逆方向へ同じ量だけ移動して2本のフォーク27の左右方向のピッチが変更される。本形態のフォークピッチ変更機構78は、検知機構83での検知結果に基づいて、図7の二点鎖線で示すように2本のフォーク27が最も近づいた状態と、図7の点線で示すように2本のフォーク27とが最も離れた状態との間で、2本のフォーク27の左右方向のピッチを任意に変えることが可能になっている。また、フォークピッチ変更機構78は、ロボット1で搬送される基板2の大きさが決まると、ロボット1が基板2を搬送する搬送動作の前に、必要に応じて2本のフォーク27の左右方向のピッチを変更する。すなわち、フォークピッチ変更機構78は、ロボット1による基板2の搬送動作中に、2本のフォーク27の左右方向のピッチを変更することはない。
【0057】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、前後方向へ直線的に移動するハンド3とハンド4とが同じ高さで配置され、前後方向へ直線的に移動するハンド5とハンド6とが同じ高さで配置されている。そのため、本形態では、ハンド3、4を用いて、あるいは、ハンド5、6を用いて、同じ高さで収容されている複数の基板2を同時に搬出することが可能になるとともに、同じ高さで収容される複数の基板2を同時に搬入することが可能になる。したがって、本形態では、ロボット1が設置される製造システムのタクトタイムを短縮することが可能になる。
【0058】
一方で、基板2の搬出時や搬入時に、たとえば、ハンド3とハンド4とを同時に往復移動させると、ハンド3またはハンド4が、基板2が収容されるカセットや製造装置等と接触するおそれがある。また、基板2の搬出時や搬入時に、たとえば、ハンド5とハンド6とを同時に往復移動させると、ハンド5またはハンド6が製造装置等と接触するおそれがある。本形態では、ロボット1が、アーム11に対してハンド支持部材7〜10のそれぞれを個別に往復移動させる4個のハンド駆動機構22〜25を備えているため、基板2の搬出時や搬入時に製造装置等と接触するおそれのあるハンド3〜6を停止させておくことが可能になる。したがって、本形態では、基板2の搬出時や搬入時における製造装置等とハンド3〜6との接触を防止することが可能になり、ハンド3〜6等の損傷を防止することが可能になる。
【0059】
本形態では、前後方向から見たときに、送り機構39、41とガイド機構43、45とは、4個のモータ35〜38よりも左側に配置され、送り機構40、42とガイド機構44、46とは、4個のモータ35〜38よりも右側に配置されている。そのため、本形態では、送り機構39、41およびガイド機構43、45と、送り機構40、42およびガイド機構44、46との左右方向の距離を確保することが可能になる。したがって、本形態では、モータ35〜38よりも左側に配置される可動する部材と、モータ35〜38よりも右側に配置される可動する部材との干渉を防止することが可能になる。
【0060】
本形態では、ハンド5がハンド3の下側に配置されるとともに、ハンド5が固定されるハンド支持部材9を駆動するハンド駆動機構24のモータ37、送り機構41およびガイド機構45が、ハンド3が固定されるハンド支持部材7を駆動するハンド駆動機構22のモータ35、送り機構39およびガイド機構43よりも上側に配置されている。そのため、本形態では、モータ37、送り機構41およびガイド機構45が、モータ35、送り機構39およびガイド機構43よりも下側に配置されている場合と比較して、ハンド支持部材7、9の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、ハンド6がハンド4の下側に配置されるとともに、ハンド6が固定されるハンド支持部材10を駆動するハンド駆動機構25のモータ38、送り機構42およびガイド機構46が、ハンド4が固定されるハンド支持部材8を駆動するハンド駆動機構23のモータ36、送り機構40およびガイド機構44よりも上側に配置されている。そのため、本形態では、モータ38、送り機構42およびガイド機構46が、モータ36、送り機構40およびガイド機構44よりも下側に配置されている場合と比較して、ハンド支持部材8、10の構成を簡素化することが可能になる。
【0061】
本形態では、ハンドピッチ変更機構31は、ロボット1が基板2を搬送する搬送動作中に、必要に応じて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更している。すなわち、本形態では、ハンドピッチ変更機構31は、搬送動作中に、必要に応じて、ハンド3とハンド4との左右方向のピッチ、および、ハンド5とハンド6との左右方向のピッチを変更している。そのため、本形態では、同じ高さで搬送元に収容されている複数の基板2の左右方向のピッチと、同じ高さで搬送先に収容される複数の基板2の左右方向のピッチとが異なる場合であっても、搬送元から搬送先へ基板2を短時間でかつ適切に搬送することが可能になる。
【0062】
本形態では、ハンドピッチ変更機構31は、モータ67と3個のレバー部材68〜70とを備えている。そのため、本形態では、3個のレバー部材68〜70を用いた比較的簡易な構成で、第1アーム29と第2アーム30とのピッチを変更することが可能になる。また、本形態では、フォークピッチ変更機構78は、モータ79と、順ネジ部80aと逆ネジ部80bとが形成されるとともにモータ79の出力軸に連結されるネジ部材80と、2本のフォーク27の一方に固定され順ネジ部80aに係合するナット部材81と、2本のフォーク27の他方に固定され逆ネジ部80bに係合するナット部材82とを備えている。そのため、本形態では、1本のネジ部材80を用いた比較的簡易な構成で、2本のフォーク27のピッチを変更することが可能になる。また、本形態では、モータ79の減速機の減速比が大きくなっているため、所定位置に移動した2本のフォーク27に左右方向の外力が作用しても、2本のフォーク27はその位置から動かない。したがって、本形態では、特別な固定機構を設けなくても、所定位置に移動した2本のフォーク27をその位置で固定することが可能になる。
【0063】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0064】
上述した形態では、ハンドピッチ変更機構31は、3個のレバー部材68〜70を用いて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更しているが、ハンドピッチ変更機構31は、3個のレバー部材68〜70以外の部材を用いて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更しても良い。たとえば、ハンドピッチ変更機構31は、フォークピッチ変更機構78と同様に、順ネジ部と逆ネジ部とを有するネジ部材と、第1アーム29に固定され順ネジ部に係合するナット部材と、第2アーム30に固定され逆ネジ部に係合するナット部材とを用いて第1アーム29と第2アーム30との左右方向のピッチを変更しても良い。
【0065】
同様に、フォークピッチ変更機構78は、ネジ部材80およびナット部材81、82以外の部材を用いて2本のフォーク27の左右方向のピッチを変更しても良い。たとえば、ハンドピッチ変更機構31と同様に、3個のレバー部材を用いて2本のフォーク27の左右方向のピッチを変更しても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、ハンドピッチ変更機構31を備えているが、ロボット1は、ハンドピッチ変更機構31を備えていなくても良い。この場合には、アーム11は、左右方向に分割されていなくても良い。また、上述した形態では、ハンド3〜6は、フォークピッチ変更機構78を備えているが、ハンド3〜6は、フォークピッチ変更機構78を備えていなくても良い。
【0066】
上述した形態では、モータ35〜38は、前後方向におけるアーム11の一端側に取り付けられている。この他にもたとえば、4個のモータ35〜38の中から任意に選択される1個、2個または3個のモータが前後方向におけるアーム11の一端側に取り付けられ、残りのモータが前後方向におけるアーム11の他端側に取り付けられても良い。
【0067】
上述した形態では、モータ35とモータ36とが左右方向で隣り合い、モータ37とモータ38とが左右方向と隣り合うとともに、モータ35、36とモータ37、38とが上下方向で重なるように配置されている。この他にもたとえば、前後方向におけるアーム11の一端側において4個のモータ35〜38が上下方向で1列に重なるように配置されても良い。また、前後方向におけるアーム11の一端側において4個のモータ35〜38のうちの任意の3個のモータが上下方向で1列に重なるように配置され、残りの1個のモータが前後方向におけるアーム11の他端側に配置されても良いし、前後方向におけるアーム11の一端側において4個のモータ35〜38のうちの任意の2個のモータが上下方向で重なるように配置され、前後方向におけるアーム11の他端側において残りの2個のモータが上下方向で重なるように配置されても良い。
【0068】
上述した形態では、同じ高さで2個のハンド3とハンド4とが配置され、同じ高さで2個のハンド5とハンド6とが配置されているが、同じ高さで配置されるハンドの数は、3個以上であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、2段に重なるように配置される2個のハンド3、4と2個のハンド5、6とを備えているが、ロボット1は、2個のハンド3、4または2個のハンド5、6のみを備えていても良い。また、同じ高さで配置される2個以上のハンドが3段以上で重なるように配置されていても良い。
【0069】
上述した形態では、ロボット1によって搬送される搬送対象物は液晶ディスプレイ用のガラス基板2であるが、ロボット1によって搬送される搬送対象物は、ガラス基板2以外のものであっても良い。たとえば、ロボット1によって搬送される搬送対象物は、半導体ウエハ等であっても良い。
【符号の説明】
【0070】
1 ロボット(産業用ロボット)
2 基板(ガラス基板、搬送対象物)
3 ハンド(第1ハンド)
4 ハンド(第2ハンド)
5 ハンド(第3ハンド)
6 ハンド(第4ハンド)
7 ハンド支持部材(第1ハンド支持部材)
8 ハンド支持部材(第2ハンド支持部材)
9 ハンド支持部材(第3ハンド支持部材)
10 ハンド支持部材(第4ハンド支持部材)
11 アーム(保持部材)
22 ハンド駆動機構(第1ハンド駆動機構)
23 ハンド駆動機構(第2ハンド駆動機構)
24 ハンド駆動機構(第3ハンド駆動機構)
25 ハンド駆動機構(第4ハンド駆動機構)
27 フォーク
29 第1アーム(第1保持部材)
30 第2アーム(第2保持部材)
31 ハンドピッチ変更機構
35 モータ(ハンド駆動モータ、第1ハンド駆動モータ)
36 モータ(ハンド駆動モータ、第2ハンド駆動モータ)
37 モータ(ハンド駆動モータ、を第3ハンド駆動モータ)
38 モータ(ハンド駆動モータ、第4ハンド駆動モータ)
39 送り機構(第1送り機構)
40 送り機構(第2送り機構)
41 送り機構(第3送り機構)
42 送り機構(第4送り機構)
43 ガイド機構(ハンドガイド機構、第1ハンドガイド機構)
44 ガイド機構(ハンドガイド機構、第2ハンドガイド機構)
45 ガイド機構(ハンドガイド機構、第3ハンドガイド機構)
46 ガイド機構(ハンドガイド機構、第4ハンドガイド機構)
48〜51 ネジ軸
52〜55 ナット部材
67 モータ(保持部材駆動モータ)
68 レバー部材(第1レバー部材)
69 レバー部材(第2レバー部材)
70 レバー部材(第3レバー部材)
75 ガイド機構(第1保持部材ガイド機構)
76 ガイド機構(第2保持部材ガイド機構)
78 フォークピッチ変更機構
79 モータ(フォーク駆動モータ)
80 ネジ部材
80a 順ネジ部
80b 逆ネジ部
81 ナット部材(第1ナット部材)
82 ナット部材(第2ナット部材)
92 ガイド機構(第1フォークガイド機構)
93 ガイド機構(第2フォークガイド機構)
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9