(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タッチパネル式ディスプレイを有する移動体通信端末が、複数又は単数の開閉装置を操作するためのタッチ入力画像を前記タッチパネル式ディスプレイに表示するステップと、
前記移動体通信端末が、前記タッチ入力画像に対するタッチ入力に応じて前記開閉装置を制御するための制御指令を、無線通信システムを介して前記開閉装置に送信するステップとを含む開閉装置操作方法であって、
前記移動体通信端末が、予め設定した解除条件を満足するまで、当該開閉装置操作方法による特定の処理以外の処理を制限するようにし、
前記特定の処理は、前記開閉装置の動作を停止するための停止ボタンを前記タッチ入力画像として表示し、該停止ボタンに対するタッチ入力待ちになる処理であることを特徴とする開閉装置操作方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態の特徴の一つは、タッチパネル式ディスプレイを有する移動体通信端末が、複数又は単数の開閉装置を操作するためのタッチ入力画像を前記タッチパネル式ディスプレイに表示するステップと、前記移動体通信端末が、前記タッチ入力画像に対するタッチ入力に応じて前記開閉装置を制御するための制御指令を、無線通信システムを介して前記開閉装置に送信するステップとを含む開閉装置操作方法であって、前記移動体通信端末が、予め設定した解除条件を満足するまで、当該開閉装置操作方法による特定の処理以外の処理を制限するようにした。
【0009】
ここで、前記「タッチパネル式ディスプレイを有する移動体通信端末」とは、移動体通信システムを利用した通信機能を有するとともにタッチパネル式ディスプレイを具備した汎用コンピュータを意味し、この移動体通信端末には、ウェアラブルコンピュータや、スマートフォン、タブレットパソコン、タッチパネル式ディスプレイを有する携帯電話、前記通信機能を有するゲーム機、PDA等を含む。なお、この移動体通信端末には、開閉装置に標準装備される専用リモコン装置は含まない。
また、前記移動体通信端末をウェアラブルコンピュータとした場合、このウェアラブルコンピュータの具体例には、時計型のものや、眼鏡型のもの、ネックレス型のもの、指輪型のもの等が挙げられる。
また、前記「無線通信システム」には、前記移動体通信端末と前記開閉装置の間に移動体通信網及びインターネット回線を介在して無線通信する態様や、前記移動体通信網等を用いずに、赤外線通信や、Wi−Fi通信、その他の近距離無線通信等による無線通信装置を用いて直接無線通信する態様等を含む。
【0010】
他の特徴として、前記特定の処理は、前記開閉装置の動作を停止するための停止ボタンを前記タッチ入力画像として表示し、該停止ボタンに対するタッチ入力待ちになる処理である。
【0011】
他の特徴としては、前記特定の処理以外の処理を、前記特定の処理を行う画像の全部を非表示にする処理とする。
【0012】
他の特徴として、前記特定の処理以外の処理は、該移動体通信端末のオペレーティングシステムのホーム画面を全画面表示する処理である。
【0013】
他の特徴として、前記タッチ入力画像には、前記開閉装置の開放動作を開始するための開ボタン、又は前記開閉装置の閉鎖動作を開始するための閉ボタンが含まれ、前記解除条件は、前記開ボタン又は前記閉ボタンに対するタッチ入力の後に、予め設定された制限時間が経過することである。
【0014】
他の特徴として、前記解除条件は、前記移動体通信端末が、前記開閉装置に開閉動作を停止するための停止指令を送信したことである。
【0015】
他の特徴としては、前記移動体通信端末を、腕時計形のウェアラブルコンピュータとした。
【0016】
他の特徴としては、前記開閉装置操作方法を前記移動体通信端末に実行させるためのプログラムを構成した。
【0017】
他の特徴としては、前記プログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成した。
【0018】
他の特徴としては、前記開閉装置操作方法が実行されるようにした移動体通信端末を構成した。
【0019】
他の特徴としては、前記開閉装置操作方法が実行されるようにした開閉装置操作システムを構成した。
【0020】
次に、上記特徴を有する好ましい実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る開閉装置操作方法を適用した開閉装置操作システムは、
図1に示すように、複数又は単数(図示例によれば2つ)の開閉装置1,2と、タッチパネル式ディスプレイを有する補助端末10及びウェアラブルコンピュータ20(移動体通信端末)と、これらの間の無線通信を可能にする無線通信システムXとを具備している。
【0021】
開閉装置1,2の各々は、建物の窓硝子の外側やガレージの開口部等に設けられたシャッター装置であり、上下方向へ開閉動作する開閉体aと、該開閉体aをその上方側で収納したり繰り出したりする収納部bと、開閉体aの幅方向の両端部を囲んで上下方向へ案内するガイドレールcとを備える。
【0022】
収納部bは、横長矩形状のケース内に、開閉体aを巻き取ったり繰出したりする巻取軸(図示せず)と、該巻取軸を双方向へ駆動回転する開閉機b1と、該開閉機b1を制御する制御部b2と、無線通信システムX等を介してウェアラブルコンピュータ20と通信を行う通信部b3とを具備している。
【0023】
開閉体aは、横長矩形状のスラットを上下間で回動するように複数連接してなり、開口部を閉鎖可能な板状に構成される。この開閉体aは、上方側の巻取軸によって巻き取られたり繰り出されたりすることで、空間を開放したり仕切ったりするようにして開放動作する。
この開閉体aの他例としては、前記スラットの他、パイプ材や、可撓性シート材、パネル状部材等を単独又は適宜に組み合わせた態様とすることが可能である。
【0024】
開閉機b1は、前記巻取軸を巻取り方向及び繰出し方向へ回転させる電動モータや、前記電動モータの回転を制動するブレーキ機構等により構成され、必要に応じて、開閉体aの開閉状態を検知する検知部を具備する。
【0025】
制御部b2は、例えば、マイコンや記憶装置、リレー回路等からなる電気回路であり、予め記憶したプログラムにより動作する。
この制御部b2は、通信部b3からの指令に基づき開閉機b1を制御することで、開閉体aを開放動作や閉鎖動作したり、あるいは停止したり等する。
さらに、この制御部b2は、必要に応じて、開閉体aの開閉位置や動作状態等を示す信号を通信部b3を介して外部へ出力する。
【0026】
通信部b3は、小電力無線局として機能する無線モジュール(詳細には、無線LAN(Wi−Fi)モジュールや、ブルートゥース(登録商標)通信モジュール、特定小電力無線モジュール等)、及び赤外線通信モジュール等の近距離無線通信装置を備え、外部通信機器から受信した指令を制御部b2へ転送したり、制御部b2から入力した情報(例えば、開閉体位置情報等)を無線発信したりするように構成される。
この通信部b3は、開閉装置制御サーバーx1に対し送受信を行ったり、ウェアラブルコンピュータ20及び補助端末10に対し直接送受信を行ったり等、後述する無線通信システムXの一部として機能する。
【0027】
無線通信システムXは、開閉装置1,2とウェアラブルコンピュータ20との間で、これらの間の相互無線通信を可能にするシステムであり、開閉装置制御サーバーx1、ルーターx2及びモデムx3、ネットワーク回線x4、上述した各開閉装置1,2の通信部b3、補助端末10内の通信装置、ウェアラブルコンピュータ20内の通信装置等により構成される。
この無線通信システムXは、開閉装置1,2とウェアラブルコンピュータ20の間にネットワーク回線x4又は開閉装置制御サーバーx1を介在させるようにした間接通信経路と、開閉装置1,2とウェアラブルコンピュータ20の間で直接無線通信を行う直接通信経路とを構築する。
【0028】
前記間接通信経路と、前記直接通信経路とは、これら両方が同時に構築されるようにしてもよいし、両方を構築可能な状態において、何れか一方のみが選択的に構築されるようにしてもよい。また、他例としては、前記間接通信経路と、前記間接通信経路とのうち、何れか一方を省略し、他方のみを構築可能にした構成とすることも可能である。
【0029】
開閉装置制御サーバーx1、ルーターx2及びモデムx3は、複数の開閉装置1,2を設置した建物内等に設置される。
開閉装置制御サーバーx1は、記憶装置に予め記憶されたプログラムによりCPUを機能させるようにしたコンピュータであり、ルーターx2及びモデムx3を介してネットワーク回線x4に接続(無線LAN接続(WI-FI接続)又は有線LAN接続)する通信装置、前記通信部b3のものと同様の前記近距離無線通信装置等を具備し、開閉装置1,2に対し相互通信を行うとともに、補助端末10及びウェアラブルコンピュータ20に対し、ネットワーク回線x4を介した間接通信と、ネットワーク回線x4を介さない直接通信とを行うように構成される。
【0030】
ネットワーク回線x4は、スマートフォンや、携帯電話、PHS等の携帯電話サービス会社などによって提供される移動体通信網、及び、該移動体通信網にISP(Internet Service Provider)等を介して接続されたインターネット通信網等によって構成される。
【0031】
補助端末10は、図示例によればスマートフォンであり、入力されたデータを演算処理するCPU、記憶装置、入出力装置(タッチパネル式ディスプレイを含む)、無線送受信機等を具備し、予め記憶された開閉装置操作プログラム(アプリ)により機能するように構成される。
この補助端末10は、携帯電話回線やWi−Fi等によりネットワーク回線x4に無線接続するネットワーク接続機能と、赤外線通信や、Wi−Fi通信、ブルートゥース(登録商標)通信等により、ウェアラブルコンピュータ20に直接的に無線接続する直接通信機能とを有している。
したがって、この補助端末10は、必要に応じて、前記直接通信機能を用いて、開閉装置制御サーバーx1に直接接続したり、開閉装置1,2に直接接続したりすることが可能である。
【0032】
ウェアラブルコンピュータ20は、時計機能を有する腕時計形の移動体通信端末であり、入力されたデータを演算処理するCPU、記憶装置、入出力装置、無線送受信機等を具備する。
このウェアラブルコンピュータ20は、補助端末10と同様に、携帯電話回線やWi−Fi等によりネットワーク回線x4に無線接続するネットワーク接続機能と、赤外線通信や、Wi−Fi通信、ブルートゥース(登録商標)通信等により補助端末10に直接的に無線接続する直接通信機能とを有している。
したがって、このウェアラブルコンピュータ20は、必要に応じて、前記直接通信機能を用いて、開閉装置制御サーバーx1に直接接続したり、開閉装置1,2に直接接続したりすることが可能である。
【0033】
また、ウェアラブルコンピュータ20は、静電容量型のタッチパネル式ディスプレイ21や、指先で回転操作される竜頭タイプの回転操作体22等の入力装置、および記憶装置を具備し、さらに、必要に応じて、音声を入力するためのマイクや、GPS(Global Positioning System)、各種センサ等を具備している。
【0034】
そして、このウェアラブルコンピュータ20には、該ウェアラブルコンピュータ20全体を管理する基本ソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)がインストールされ、さらに、該OS上で動作する複数のプログラム(アプリ)もインストールされている。
前記複数のプログラムには、開閉装置1,2を操作するための開閉装置操作プログラムが含まれる。この開閉装置プログラムは、補助端末10にダウンロードされ記憶された開閉装置操作プログラムの一部を、補助端末10との通信により取得したものとすればよい。
前記OSは、前記プログラム(アプリ)の実行中、所定の操作(本実施の形態の一例によれば回転操作体22に対する押圧操作)により当該OSのホーム画面H(
図4参照)を強制的に表示する機能と、該機能を所定の条件により無効(禁止)にしたり有効にしたりする機能とを具備している。
本実施の形態は、前記二つの機能を有するOS上で、前記開閉装置操作プログラムを実行することを前提としている。
【0035】
また、ウェアラブルコンピュータ20の記憶装置には、停止ボタン23aや、開ボタン25、閉ボタン24等を表示する画面(
図2(a)(b)及び
図3参照)や、開閉装置選択画面26(
図2(c)参照)等が予め記憶されている。
【0036】
次に、上記開閉装置操作システムを用いた開閉装置操作方法の一例について、
図5〜
図7に示すフローチャートに沿って、処理手順を詳細に説明する。
【0037】
この処理は、ウェアラブルコンピュータ20(移動体通信端末)が、複数又は単数の開閉装置1,2を操作するためのタッチ入力画像をタッチパネル式ディスプレイ21に表示するステップと、ウェアラブルコンピュータ20が、前記タッチ入力画像に対するタッチ入力に応じて開閉装置1,2を制御するための制御指令を、無線通信システムXを介して開閉装置1,2に送信するステップとを含み、ウェアラブルコンピュータ20が、予め設定した解除条件を満足するまで、当該開閉装置操作方法による特定の処理以外の処理を制限する。
【0038】
詳細に説明すれば、
図5のステップ1に示すように、先ず、ウェアラブルコンピュータ20は、電源ボタン(図示せず)がオンにされ、所定の操作または自動処理により前記開閉装置操作プログラムが起動されると、直近に操作された開閉装置1(又は2)の名称27をタッチ入力不能な画像として表示するとともに、同開閉装置1(又は2)を操作するための操作画面21aを表示する(
図1参照)。なお、図中、符号28は、現在の時刻を表示する時刻表示画像である。
【0039】
ここで、「直近に操作された開閉装置」とは、後述するステップ7にて記録された開閉装置コードに対応する開閉装置のことであり、前記開閉装置操作プログラムの起動が初回である場合には、予め記憶された初期値としての開閉装置コードに対応する開閉装置とされる。なお、他例としては、前記開閉装置操作プログラムの起動が初回である場合にステップ3aへ処理をジャンプして、開閉装置選択画面26(
図2(c)参照)を表示するようにしてもよい。
また、「開閉装置コード」とは、設置場所等が異なる複数の開閉装置1,2を識別するためのコードであり、開閉装置1,2の名称27と一対一で対応している。
【0040】
また、操作画面21aは、スワイプ操作により上下にスクロール可能な画面であり、停止ボタン23を中心に、その上側に開閉装置1,2の閉鎖動作を開始するための閉ボタン24を配置し、下側に開閉装置1,2の開放動作を開始するための開ボタン25を配置している。
そして、この操作画面21aは、スワイプ操作のない初期状態では、停止ボタン23を単一表示するとともに、該停止ボタン23以外の操作ボタン(閉ボタン24や開ボタン25等)が表示されないようにしている(
図1及び3(a)参照)。
【0041】
ウェアラブルコンピュータ20は、操作画面21a(停止ボタン23)に対するスワイプ操作があるか否かを判断し(ステップ2)、スワイプ操作があればそのスワイプ方向へ操作画面21aをスクロールし(ステップ3)、スワイプ操作がなければステップ2aへ処理を移行する。
例えば、停止ボタン23に対し上側へスワイプ操作した場合には、停止ボタン23の下側に隠されている開ボタン25が出現する(
図2(a)参照)。
また、停止ボタン23に対し下側へスワイプ操作した場合には、停止ボタン23の上側に隠されている閉ボタン24が出現する(
図2(b)参照)。
このように、本実施の形態では、スワイプ操作の方向と、閉ボタン24又は開ボタン25の機能(開閉体aの動作方向)とを対応させているため、操作性が良好である。
【0042】
これら停止ボタン23、開ボタン25、閉ボタン24は、それぞれ、タッチパネル式ディスプレイ21一杯の比較的広い面積で単一表示される(
図2(a)(b)及び
図3参照)。
閉ボタン24のデザインは、閉方向(すなわち下方向)を示唆するイメージが含まれていることが好ましい。同様に、開ボタン25のデザインは、開方向(すなわち上方向)を示唆するイメージが含まれていることが好ましい。
さらに、停止ボタン23と、閉ボタン24と、開ボタン25は、判別し易いように色分けするのが好ましく、特に、これらのうち、停止ボタン23のみに赤色などの注意色を用いることで、危険回避等の咄嗟の停止操作が行われる場合に、誤操作を防ぐことができる。
なお、必要に応じて、閉ボタン24又は開ボタン25が表示された後、逆方向のスワイプ操作により、操作画面21aが逆方向へスクロールし、停止ボタン23が再び表示され、処理がステップ2へ戻るようにしてもよい。
【0043】
また、ステップ2aでは、回転操作体22に対する回転操作があるか否かが判断され、回転操作があればステップ3aへ処理を移行して後述する開閉装置選択ルーチンにより開閉装置1,2の選択が行われ、回転操作がなければステップ4へ処理をジャンプする。
【0044】
次に、ステップ4では、操作画面21aの停止ボタン23に対しタッチ入力があったか否かが判断され、タッチ入力があればステップ5へ処理を進め、そうでなければステップ4aへ処理を移行する。
ステップ5では、ウェアラブルコンピュータ20が、操作対象の開閉装置1(又は2)の動作を停止するための停止指令を発し、処理をステップ6へ移行する。
一方、開閉装置1(又は2)の制御部b2は、前記停止指令を受けると、開閉機b1を停止して開閉体aの開閉動作を停止する。
【0045】
また、ステップ4aでは、操作画面21aの開ボタン25に対しタッチ入力があったか否かが判断され、タッチ入力があれば次のステップ5aへ処理が進められ、そうでなければステップ4bへ処理が移行する。
ステップ5aでは、ウェアラブルコンピュータ20が、操作対象の開閉装置1(又は2)の開放動作を開始するための開放指令を発し、処理をステップ6aへ移行する。
一方、開閉装置1(又は2)の制御部b2は、前記開放指令を受けると、開閉機b1を駆動して開閉体aの開放動作を開始する。
【0046】
また、ステップ4bでは、操作画面21aの閉ボタン24に対しタッチ入力があったか否かが判断され、タッチ入力があれば次のステップ5bへ処理が進められ、そうでなければステップ2へ処理が戻される。
ステップ5bでは、ウェアラブルコンピュータ20が、操作対象の開閉装置1(又は2)の閉鎖動作を開始するための閉鎖指令を発し、処理をステップ6aへ移行する。
一方、開閉装置1(又は2)の制御部b2は、前記閉鎖指令を受けると、開閉機b1を駆動して開閉体aの閉鎖動作を開始する。
【0047】
そして、ステップ6aでは、停止ボタン23のみをスクロール不能なタッチ入力画像として表示し、処理をステップ7aへ移行する。
すなわち、このステップ6aは、開閉装置1,2へ開放指令又は閉鎖指令を発した直後であるため、動作中の開閉装置1,2を速やかに停止できるように、停止ボタン23のみを表示するようにしている。
【0048】
次のステップ7aでは、後述する処理制限ルーチン(
図7参照)を実行し、この後、処理をステップ6へ移行する。
【0049】
ステップ6では、処理制限ルーチンにより処理制限が行われている場合に、この処理制限を解除する処理を行い、処理を次のステップ7へ進める。
なお、このステップ6において、前記処理制限が既に解除されている場合には、この解除状態を維持したまま、次のステップ7へ処理を進める。
【0050】
ステップ7では、操作が行われた開閉装置1(又は2)に対応する開閉装置コードと、操作が行われた時刻とが、ウェアラブルコンピュータ20の記憶装置に記憶される。このステップ7の後、処理はステップ1へ戻される。
なお、このステップ7において、前記開閉装置コードを記録する処理は、前回操作された開閉装置1(又は2)の開閉装置コードに対し、上書きで記録するようにしてもよいし、履歴として利用できるように上書きせずに記録するようにしてもよい。また、直近に操作された開閉装置1(又は2)の開閉装置コードのみを利用する場合や、操作された開閉装置1,2の順番を利用する場合には、前記時刻の記録を省略することが可能である。
【0051】
また、
図6に示す開閉装置選択ルーチンでは、先ず、ウェアラブルコンピュータ20が、タッチパネル式ディスプレイ21に開閉装置選択画面26(
図2(c)参照)を表示する(ステップ11)。
【0052】
ここで、「開閉装置選択画面」とは、操作対象とする開閉装置を選択するための画面である。この開閉装置選択画面では、複数の開閉装置に対応する複数種類の選択ボタン26aを、スクロール可能に表示するとともに、中央に位置するボタンのみをタッチ入力可能にしている。
例えば、
図2(c)に示す開閉装置選択画面26の表示例では、中央に「1階リビング」の開閉装置に対応するボタンを配置し、その上側に「1階和室」の開閉装置に対応するボタンを配置し、下側には「ガレージ」の開閉装置に対応するボタンを配置し、これら複数のボタンをスクロール可能に表示するとともに、中央に位置するボタン(図示例によれば「1階リビング」)のみをタッチ入力可能にしている。
なお、
図2(c)は、開閉装置選択画面26のイメージを模式的に例示すものであり、選択ボタン26aの数が、
図1に示す開閉装置1,2の数に対応していなが、通常は、これらの数が対応している。
【0053】
次のステップ12,12a及び13では、回転操作体22に対する回転操作、又は開閉装置選択画面26に対するスワイプ操作があるか否かが判断され、何れかの操作があった場合には、その操作方向へ開閉装置選択画面26をスクロールして、ステップ14へ処理を進める。
【0054】
ステップ14では、開閉装置選択画面26の特定の選択ボタン26aへのタッチ入力の有無により開閉装置が選択されたか否かを判断し、開閉装置が選択さたならば次のステップ15へ処理を移行し、そうでなければステップ12へ処理を戻す。
【0055】
ステップ15では、選択された開閉装置1(又は2)の名称27をタッチ入力不能な画像として表示するとともに、同開閉装置1(又は2)に対応する操作画面21aをスクロール可能に表示する。この際の操作画面21aは、停止ボタン23を初期のタッチ入力画像として表示する(
図1参照)。
そして、ステップ15の後、処理は上記ステップ4(
図5参照)へ移行する。
【0056】
また、
図7に示す処理制限ルーチンでは、先ず、ウェアラブルコンピュータ20が、処理制限を開始する(ステップ21)。この処理制限の開始は、例えば、予め記憶装置に記憶した変数である処理制限フラグをONにする処理を行えばよい。
【0057】
前記処理制限は、所定の操作によりOSのホーム画面Hが強制的に全画面表示される機能を無効にすることで、前記ステップ6aにより表示した停止ボタン23の画像の全部が非表示にされる処理を行わないようにする。
すなわち、前記処理制限(ステップ21)の最中に、例えば、回転操作体22に対する押圧操作等により、ホーム画面Hを全画面表示する処理が行われようとした場合でも、ウェアラブルコンピュータ20は、この処理を無効にし、停止ボタン23の画像を表示し続ける(
図3(a)(b)参照)。
【0058】
次のステップ22では、ウェアラブルコンピュータ20が、予め設定され記憶された制限時間のカウントを開始する。
この制限時間は、開閉装置1,2が開閉体aを全閉位置から全開位置まで開放動作させた時間と、開閉装置1,2が開閉体aを全開位置から全閉位置まで閉鎖動作させた時間とを含むように、これら開閉動作時間に適宜なマージンを加えた時間とされる。
【0059】
ステップ23では、前記制限時間を経過したか否かを判断し、前記制限時間を経過していれば、上記ステップ6(
図5参照)へ処理を戻し、そうでなければステップ24へ処理を移行する。
【0060】
ステップ24では、上記ステップ6aで表示した停止ボタン23に対するタッチ入力操作があったか否かを判断し、タッチ入力操作があれば処理をステップ25へ移行し、そうでなければ処理をステップ23へ戻す。
【0061】
ステップ25では、ウェアラブルコンピュータ20が、操作対象とされている開閉装置1(又は2)に対し停止指令を発し、処理を上記ステップ6(
図5参照)へ戻す。
一方、開閉装置1(又は2)の制御部b2は、前記停止指令を受けると、開閉機b1を停止して開閉体aの開閉動作を停止する。
【0062】
次に、本実施の形態による特徴的な作用効果について説明する。
先ず、開閉装置操作プログラムを起動した際には、直近に操作された開閉装置1(又は2)の停止ボタン23が表示される。一般的に、直近に操作された開閉装置1(又は2)は再操作の対象となる可能性が高いため、その再操作を速やかに行うことができる。
そして、停止ボタン23をスワイプ操作すれば、該停止ボタン23を含む操作画面21aをスクロールさせて閉ボタン24や開ボタン25を表示でき、また、回転操作体22を回転操作すれば、操作対象とする開閉装置1,2を選択することができる。
【0063】
また、開ボタン25又は閉ボタン24が操作されると、開放指令又は閉鎖指令が送信され、この送信の直後に停止ボタン23が表示される(ステップ4a,4b,5a,5b,6a参照)。このため、次の停止操作を速やかに行うことができる。
【0064】
そして、前記開放指令又は前記閉鎖指令に続く前記停止ボタン23の表示の後は、上述した処理制限が行われる。この処理制限下では、所定の操作によりOSのホーム画面Hを強制的に全画面表示する機能が無効にされる。したがって、例えば、
図3(a)(b)に示すように、回転操作体22が指f等により押されたとしても、停止ボタン23の表示状態が維持される。
【0065】
また、前記処理制限下において、所定の制限時間が経過するか、あるいは該制限時間中に停止ボタン23の操作により停止指令が送信された場合には、前記処理制限が解除される(ステップ23〜25及びステップ6参照)。
この解除状態では、例えば、
図4(a)(b)に示すように、回転操作体22が指f等により押されると、ホーム画面Hが強制的に全画面表示される。
なお、前記処理制限に入る前の段階(ステップ1〜4,2a,3a等)においても、回転操作体22への押圧操作によりホーム画面Hの表示が可能である。
【0066】
よって、本実施の形態によれば、操作対象とした開閉装置1(又は2)の動作中は、停止ボタン23のみが表示され、他の画面への切り換えが禁止されているため、動作中の開閉装置1(又は2)について、危険回避等のための緊急停止を素早く行うことができる。
【0067】
また、本発明に係る他の実施形態としては、上記開閉装置操作方法を移動体通信端末(ウェアラブルコンピュータ20)に実行させるための上記開閉装置操作プログラムを記録した記録媒体を構成する。
ここで、前記記録媒体の具体例としては、磁気テープや、磁気ディスク(ハードディスクやフレキシブルディスクを含む)、光学ディスク(DVDやCD、BD、LD等を含む)、光磁気ディスク、フラッシュメモリ(USBメモリやSDカード、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)を含む)等が挙げられる。
【0068】
なお、上記実施の形態では、上記処理制限の一例として、ホーム画面Hの全画面表示により停止ボタン23が非表示になる処理を禁止したが、上記処理制限の他例としては、電話やメールの着信を知らせる着信画面の表示により停止ボタン23が非表示になる処理を禁止する態様や、同ウェアラブルコンピュータ20により実行されている他のプログラム(アプリ)の画像の表示により停止ボタン23が非表示になる処理を禁止する態様とすることも可能である。
【0069】
また、上記実施の形態では、停止ボタン23に対するタッチ入力待ちになる処理を特定の処理とし、この特定の処理以外の処理を制限するようにしたが、他例としては、開閉装置選択画面26に対するタッチ入力待ちになる処理を前記特定の処理とした態様や、当該開閉装置操作方法による他の処理を前記特定の処理とした態様とすることも可能である。
【0070】
また、上記実施の形態に追加可能な好ましい構成としては、回転操作体22に対する押圧操作や前記着信等があった場合に、停止ボタン23を操作可能な状態で一部だけ非表示にし、この一部のエリアに、ホーム画面Hや前記着信画面等を、部分的に表示したり縮小表示したりするようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態によれば、ウェアラブルコンピュータ20が停止指令を送信したことを条件に上記処理制限を解除するようにしたが、他例としては、ウェアラブルコンピュータ20が開閉装置1,2の状態を示す開閉装置状態信号を無線通信システムXを介して受信するステップを有するものとし、ウェアラブルコンピュータ20が、前記開閉装置状態信号により認識される開閉装置1(又は2)の状態に応じて(例えば、停止状態と認識された場合に)、上記処理制限を解除するようにすることも可能である。
【0072】
また、
図1では、二つの開閉装置1,2を例示しているが、本実施の形態は、単数又は複数(三以上を含む)の開閉装置を操作対象とすることが可能である。
【0073】
また、上記実施の形態では、補助端末10をスマートフォンとしているが、この補助端末10の他例としては、携帯電話や、PHS、インターネット接続機能を有するコンピュータ(タブレットパソコンや、ノートパソコン、PDA、ゲーム機等を含む)とすることも可能である。
【0074】
また、上記実施の形態では、移動体通信端末の一例としてのウェアラブルコンピュータ20に、上記処理制限を行うようにしたが、他例としては、上記補助端末10に対し、上記処理制限を行う態様とすることも可能である。
【0075】
また、上記実施の形態では、補助端末10を具備する構成としたが、他例としては、開閉装置制御サーバーx1とウェアラブルコンピュータ20とを直接的に無線接続する通信経路、ネットワーク回線x4とウェアラブルコンピュータ20とを直接的に無線接続する通信経路、又は開閉装置1,2とウェアラブルコンピュータ20とを直接的に無線接続する通信経路を用いることで、補助端末10を省くことも可能である。
【0076】
また、上記実施の形態では、本発明に係る開閉装置操作方法を実行するための開閉装置操作プログラムを補助端末10及びウェアラブルコンピュータ20に記憶するようにしているが、他例としては、前記開閉装置操作プログラムを補助端末10のみに記憶しておき、この開閉装置操作プログラムをウェアラブルコンピュータ20が呼び込んで実行する態様とすることも可能である。
さらに、他例としては、前記開閉装置操作プログラムを、開閉装置制御サーバーx1、又はネットワーク回線x4上のクラウドシステムに予め記憶しておき、この開閉装置操作プログラムをウェアラブルコンピュータ20が呼び込んで実行する態様とすることも可能である。
【0077】
また、上記実施の形態では、開閉装置選択画面26を上下スクロール可能に表示したが、他例としては、この開閉装置選択画面26を横スクロール可能にした態様や、複数の選択ボタン26aをスクロール不能なタッチ入力画像として同時表示した態様等とすることも可能である。
【0078】
また、上記実施の形態では、回転操作体22に対する回転操作の方向に、画面をスクロールするようにしたが、他例としては、竜頭タイプの回転操作体22を、タッチパネル式ディスプレイ21の脇に設けた上下2点ボタンや、十字キー、ポインティングデバイス等の方向入力装置(タッチパネル式ディスプレイ21上の表示画像である場合を含む)に置換し、該方向入力装置への操作方向に画面をスクロールさせるようにすることも可能である。
また、上記実施の形態では、回転操作体22に対する押圧操作により、ホーム画面Hが強制表示されるようにしたが、他例としては、前記方向入力装置や、その他の操作ボタンや、タッチ入力画像等に対する所定の操作により、ホーム画面Hが強制表示されるようにすることも可能である。
【0079】
また、上記実施の形態に追加する構成として、操作画面21aから開閉装置選択画面26へ遷移した後や、開閉装置選択画面26から操作画面21aに遷移した後に、所定の「戻る」操作により、画面遷移順に前の画面を、遡って表示させる機能を加えてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、操作画面21aから開閉装置選択画面26への画面遷移は画面への回転操作体22の回転操作により行うようにしたが、他例としては、開閉装置選択画面26への画面遷移ボタンをタッチパネル式ディスプレイ21上に表示しておき、この画面遷移ボタンに対する操作によって画面遷移されるようにした態様や、該態様を上記実施の形態に組み合わせた構成とすることも可能である。
【0081】
また、上記実施の形態では、直近に操作のあった開閉装置1(又は2)を自動的に操作対象とする手段(ステップ1)や、開閉装置選択画面26でのタッチ入力操作に応じて操作対象の開閉装置が選択されるようにする手段(ステップ3a)を備えたが、他例としては、ウェアラブルコンピュータ20が、通信機能により開閉装置1,2から得た情報に応じて操作対象とする開閉装置1(又は2)を自動的に選択する手段を具備することも可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、特に好ましい態様として、停止ボタン23、閉ボタン24及び開ボタン25等の操作画面21aを上下スクロール可能に表示したが、他例としては、この操作画面21aを横スクロール可能な構成とすることも可能である。
さらに、他例としては、閉ボタン24及び開ボタン25を、それぞれ停止ボタン23とは独立した画面として備え、この画面が、スワイプ操作の方向に応じて切り替わるようにすることも可能である。
【0083】
さらに、他の好ましい態様としては、操作画面21a(ステップ1)において、最初に表示される停止ボタン23が一旦タッチ入力操作されることを条件に、閉ボタン24と開ボタン25をスワイプ操作で選択できるようにしてもよい。
【0084】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。