(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には遊技機1,2が設置されており、各遊技機1、2に対応して貸出機3,4が夫々設置されている。遊技機1,2及び貸出機3,4は夫々2台ずつ、1台の中継装置5と接続されていて、中継装置5は、LAN6を介して管理装置7と接続されている。また、遊技場内には、景品交換装置としてのPOS8が設置されており、POS8もLAN6を介して管理装置7と接続されている。
【0009】
管理装置7は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者等が操作するキーボード7a、モニタ7b、図示しないプリンタ等が接続されている。管理装置7は、遊技機1,2や貸出機3,4、POS8等との間で各種情報を送受信し、それら設備機器1,2,3,4,8等の稼働状況を管理する。また、管理装置7は、遊技機側つまり遊技機1,2、貸出機3,4等の側から送信される遊技信号を受信することにより、各遊技機1,2に関する遊技データを収集して、各種の管理・分析を行う構成とされている。
【0010】
詳しい図示は省略するが、管理装置7の管理対象となるのは、当該遊技場に実際に設置されている例えば数百台の遊技機1である。即ち、遊技場には玉を遊技媒体とする遊技機1が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とする遊技機2が設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーには、貸出料金(以下、貸単価と称する)別に1玉4円の遊技機1が設置された4円玉コーナーと、1玉2円の遊技機1が設置された2円玉コーナーと、1玉1円の遊技機1が設置された1円玉コーナーとが設けられている。一方、スロットコーナーには、1枚20円の遊技機2が設置された20円メダルコーナーと、1枚10円の遊技機2が設置された10円メダルコーナーと、1枚5円の遊技機2が設置された5円メダルコーナーとが設けられている。
【0011】
図1における遊技機1はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル9、上部受皿10、下部受皿11を有すると共に、盤面1aに、液晶表示部12、始動口13、大入賞口14を有する。遊技機1にあっては、操作ハンドル9の操作により盤面1aに発射された玉が始動口13に入賞(始動入賞)することに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄による図柄変動を液晶表示部12にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。このように、遊技機1については、周知構成のものを採用することができ、その詳細な説明を省略する。
【0012】
遊技機側からは、遊技者による遊技機1での遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号が出力される。
・アウト信号:使用玉を回収するアウトBOX(図示略)から出力される使用媒体数であるアウトを特定可能な信号である。この回収玉の数(つまり投入された遊技媒体の数)10個に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウトとして特定する。尚、遊技機1から直接出力される信号に基づきアウトを特定しても良い。
【0013】
・セーフ信号:遊技機1から出力される払出媒体数を特定可能な信号である。この払出玉の数(払い出された遊技媒体の数)10個に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフとして特定する。
【0014】
・図柄変動信号(スタート信号):遊技機1から出力される始動口13への始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動を特定可能な信号である。図柄変動の確定時(終了時)に出力されるので、図柄変動信号の受信に応じて図柄変動(スタート)を特定する。尚、図柄変動の開始時に出力される信号であっても良い。
【0015】
・大当たり信号:遊技機1から出力される大当たり状態である期間を特定可能な信号である。大当たり状態中にレベル出力されるので、大当たり信号受信中を大当たり状態中として特定する。
【0016】
この他、遊技機1は、自身から出力する大当たりの当選確率が高い確変状態中である期間を特定可能な確率変動信号等、各種の遊技信号を出力する。
上記パチンコ機に対応する貸出機3は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態など)を示す状態表示部15、紙幣が投入される紙幣投入口16、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部17、貯玉を払出すための払出ボタン18、払出された玉が通過する払出ノズル19、遊技機1の下部受皿11の下方に位置する着脱可能な計数受皿23を備えている。また、貸出機3は、会員登録された会員用のICカード(図示略)や一般用のICカード(一般カード20と称する)が挿入されるカード挿入口21、並びにカードを発行するための発行ボタン22を備えている。
【0017】
貸出機3は、以下に示す機能を備えている。
(a)紙幣投入口16に投入された紙幣を、貨幣受付処理にて貨幣を受け付け、その金額つまり入金残高を液晶表示部17に表示する。
【0018】
(b)入金残高がある状態で、遊技機1における図示しない貸出釦の押下による貸出操作がなされると、1度数分として前記貸単価に応じた貸出玉(例えば500円分に相応する貸出玉)を遊技機1から払い出す対価付与処理を実行する。この対価付与処理により遊技機1内部の払出機構から、例えば125玉を払出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部17に表示されている入金残高から前記1度数に相当する単位金額(貸単価に応じた対価分)を減額すると共に売上信号を出力する。この売上信号は1度数の玉の払出し毎に1パルスが出力されるので、1パルスに相当する単位金額を、遊技者が消費した貨幣の額を示す売上額として特定する。尚、上記した売上信号等の遊技信号は、厳密には中継装置5に対して出力され、中継装置5は、対応する遊技機1や貸出機3から入力した遊技信号を随時管理装置7へ出力するものであるが、説明の便宜上、単に「遊技機側から管理装置7への出力」として表すものとする。
【0019】
(c)遊技機1の下部受皿11から落下して計数受皿23で受けられた玉数を計数して液晶表示部17に表示する。
(d)払出ボタン18の操作に応じて計数玉数たる持玉数又は貯玉数(つまり会員の場合の玉数)の範囲内で1度数ずつ払出す。
【0020】
(e)遊技機1に設けられた図示しない返却ボタンの操作に応じて入金残高、持玉数等の情報をカード挿入口21に挿入されている一般カード20に記憶して発行する。会員カードが挿入されている場合は、入金残高を会員カードに記憶すると共に暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置7に送信してから会員カードを発行する。尚、カード挿入口21に一般カード20も会員カードも挿入されていない場合は、図示しないカードストック部にストックしている一般カード20をカード挿入口21に繰出して入金残高、持玉数等のカード情報を記憶して発行する。
【0021】
(f)一般カード20がカード挿入口21に挿入された場合は、一般カード20に記憶されているカード情報を読出して入金残高、持玉数を液晶表示部17に表示する。会員カードが挿入された場合は、会員カードに記憶されている入金残高を読出して液晶表示部17に表示すると共に暗証番号の入力を条件として管理装置7の会員口座に会員IDに対応して記憶されている貯玉数も表示する。
【0022】
一方、
図1における遊技機2はスロットマシンであり、表示窓24を介して視認可能なリール25、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部26、表示パネル27、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン28、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン29、メダルを投入するメダル投入口30、スタートレバー31及び左ストップボタン32、中ストップボタン33、右ストップボタン34、受皿35等を備えている。
【0023】
遊技機2は、メダルが投入(ベット)された状態でのスタートレバー31の操作つまりゲーム開始操作が行われることにより、発生する乱数の中から1つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール25を始動(回転)させ、この状態で各ストップボタン32〜34が操作されると、対応するリール25の回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール25の停止位置を決定するための図示しない停止テーブルに基づいて、所謂引込制御を含む停止制御、つまり各リール25を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御を実行する。引込制御は、各ストップボタン32〜34の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せず、所謂取りこぼしとなる。
【0024】
遊技機側からは、遊技機2での遊技の進行に伴って以下に示す遊技信号が出力される。
・アウト信号:遊技に使用された使用媒体数であるアウトを特定可能な信号である。ゲームの開始操作に応じてBET状態のメダル数(3枚又は1枚)分のパルスが出力されるので、アウト信号数×1をアウトとして特定する。尚、リプレイ役入賞時にも対応分が出力される。
【0025】
・セーフ信号:遊技機2から払出された払出媒体数、つまり獲得数を特定可能な獲得信号である。メダルが1枚払出される毎に1パルスが出力されるので、セーフ信号数×1をセーフとして特定する。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分が出力される。
【0026】
・スタート信号:スタートレバー31の有効操作に応じて図柄変動が開始されたときに出力され、ゲームが開始されたことを表す信号である。
・大当たり信号:BB(ビッグボーナス)状態を特定可能なBB信号及びRB(レギュラーボーナス)状態を特定可能なRB信号を含むレベル信号である。それらBB状態中或いはRB状態中にレベル出力されるので、それらの信号の受信中をもってBB状態中或いはRB状態中として特定する。
【0027】
上記スロットマシンに対応する貸出機4は、紙幣が投入される紙幣投入口36、前記一般カード20或いは会員カードを挿入するためのカード挿入口37、カードを発行するための発行ボタン38、タッチパネル式の液晶表示部39、メダルを投入するためのメダル投入部40(
図1では蓋で閉鎖されている)、メダルを遊技機2の受皿35に払出す払出ノズル40a等を備えている。貸出機4は、上記したパチンコ機の貸出機4と遊技媒体が異なるものの、貸出機4と同様の機能を備えていることから、その機能の説明を省略する。
【0028】
管理装置7の制御部は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部、遊技機1,2や貸出機3,4との間で各種信号や各種情報を送受信するI/O等を備えている。管理装置7の制御部(以下、適宜「管理装置7」と略す)は、前記記憶部に記憶された制御プログラムに従って作動し、前記遊技機側からの各種遊技信号及び当該管理装置7に対する入力操作に基づいて、前記各設備機器の稼動状況等の他、前記遊技データを含む各種データの管理や集計に係る処理を実行する。
【0029】
ところで、遊技場において新しい機種の遊技機1,2を導入したとき、管理装置7では、その新たな機種に関する情報を、機種リストに登録し(
図2参照)、遊技機1,2の台番号に対して、該当する新たな機種名等を割り当てる設定を行うことになる(
図3参照)。もっとも、機種リストに登録できる情報量には自ずと制限(上限)があり、その上限に達すると新たな機種名の登録ができない事態が生じうる。それ故、既に撤去された遊技機等について、対応する機種リストからの削除を、遊技場管理者或いは作業員としての従業員(以下、従業員等と称す)により行う必要があるが、こうした機種の入れ替えは頻繁に行われる。また、その入れ替えのタイミングとは無関係に遊技データを所定期間蓄積する構成にあっては、撤去する機種でも、その蓄積期間、機種リスト上に残す必要があることから、機種リストからの登録抹消に係る削除作業は、甚だ面倒で、遊技場側の負担が過大なものとなる。
【0030】
そこで、本実施形態の管理装置7は、遊技データ記憶手段として自身の記憶部に各遊技機1,2から収集した遊技データを予め設定された蓄積期間にわたって、自身の記憶部に記憶することで当該蓄積期間にわたる遊技データの管理・集計を可能とする一方、自動機種削除手段として撤去日が前記蓄積期間の最古日よりも古い機種を前記機種リストから自動で削除する処理を実行する。以下では、遊技場用管理システムとしての具体的な管理・集計の内容並びに自動処理の内容に関して、「1.機種リスト設定」、「2.機種割当設定」、「3.遊技機別集計データ」、「4.機種別集計データ」の順に、管理装置7のモニタ7b上の図表を表す
図2〜
図5を参照しながら説明する。尚、
図2〜
図5に例示する図表等の表示、つまり管理・集計内容の出力は、モニタ7bへの表示やプリンタ(図示略)による印字等で行われるものであるが、係る出力手段は、モニタ7b等、管理装置7として図示する構成に限定するものではない。
【0031】
1.機種リスト設定
図2は、従業員等により管理装置7にて所定操作が行われることでメニュー画面から遷移することにより表示される、機種リストの設定画面における表の一部を例示するものである。即ち、
図2の機種リストの表において、左側の欄41には「機種No」1,2,3,…として、タイプ別且つ機種別の番号が1から順に設定されると共に、その隣の欄42には、各々の番号に対応付けるタイプと機種名が設定されている。ここで「タイプ」は、パチンコ機とスロットマシンとの別を示し、「機種名」は、遊技機種の名称を示す。また、右側の欄43には、それらの機種に該当する遊技機1,2の「登録日」と「撤去日」が設定されている。このうち、「登録日」は当該遊技場へ実際に新たな機種として導入された日付或いは当該新たな機種として登録された日付であり、「撤去日」は実際に当該遊技場から撤去された機種の当該撤去の日付であり、何れも「yy/mm/dd」として示すように年月日(西暦)で設定されている。
【0032】
上記した機種リストの表において、「機種No」は例えば「1」から順に「1000」までの機種の設定(つまり登録)が可能である。換言すれば、管理装置7において、従業員等による入力操作を受け付けることにより、登録可能な遊技機1,2の機種の上限数は「1000」である。この場合、各機種Noに対応する「タイプ」「機種名」「登録日」及び「撤去日」は、それらの各設定が「機種No」毎に1レコードとして登録される。尚、管理装置7において受け付ける入力操作(以下単に「操作」と称す)は、キーボード7aやマウスカーソルを利用して行われる(他のタッチパネル式ディスプレイでのタッチ操作等で行うようにしても良い)。
【0033】
上記した
図2の機種リストの表では、説明の便宜上、「機種No」で「1」〜「3」までの3機種分の登録例を図示しているが、例えば、図示しないスクロールタブの操作により、最大で前記上限数たる1000機種分のリストを表示させることができる。こうして、パチンコ機とスロットマシンとに大別される遊技機1,2は,機種リスト上、更にパチンコ機とスロットマシンとの夫々について複数機種に区別して登録され、その登録された全機種のリスト表示が可能である。
【0034】
こうして、管理装置7は機種登録手段として、「機種No」「タイプ」「機種名」を含む機種別の識別情報を機種リストに登録すると共に、登録日並びに撤去日登録手段として、従業員の操作に応じて導入並びに撤去された日付を「登録日」並びに「撤去日」として登録する構成にあって、自身の記憶部に当該機種リストを記憶(保持)する。これら識別情報のうち「撤去日」は、機種の撤去に伴い、従業員等の操作により随時入力される。
【0035】
上記した機種リストの設定画面は、例えば図示しない画面切替ボタンの操作により、以下の機種割当の設定画面へ遷移する。以下では、既に述べた画面に関連する重複部分の説明を省略し、既述の部分と異なるところを中心に説明する。
【0036】
2.機種割当設定
図3は、機種割当の設定画面における表の一部を例示する。同図の機種割当の表では、
上記した「機種No」と「機種名」が、「台No」と対応付けて表示される。ここで、「台No」は所謂台番として、遊技場に設置された遊技機1,2に対して1から順に割り当てられた台番号である。従って、「台No」は、各遊技機1,2に固有の識別情報として把握される。
【0037】
図3の機種割当の表では、台Noとして「1」〜「3」で表される1〜3番台に対し、従業員等の操作により、予め登録されている機種リストから選択された「DDDDD」を機種名とする機種No「4」の機種が夫々割り当てられている。この他、図示は省略するが、遊技場における4番台以降の全ての台番号に対して、機種リストから選択される機種Noと機種名が夫々割り当てられていて、スクロールタブの操作により、遊技場の各台番号に対応する機種Noと機種名を表示させることができる。
【0038】
このような各遊技機1,2の識別情報としての「台No」と、機種の識別情報としての「機種No」及び「機種名」との対応付けは、管理装置7における従業員等の操作により行われる。こうして、管理装置7は、機種割当登録手段として
図3の機種割当の表を機種割当テーブルとして登録する構成にあって、自身の記憶部に当該機種割当テーブルを記憶する。
【0039】
上記の登録により、遊技場に設置されている全ての遊技機1,2について、遊技機別或いは機種別の遊技データの管理・集計が可能となる。次の遊技機別の集計画面、或いは機種別の集計画面は、従業員等により管理装置7で操作が行われることでメニュー画面から遷移することにより表示される。
【0040】
3.遊技機別集計データ
図4は、遊技機別の集計画面における表の一部を例示する。同図の遊技機別の集計表は、機種名「DDDDD」について各種の遊技データを「台No」毎に表しているが、何れの機種に関する遊技データを表示するかは、その「日付」である営業日も含め、前述したメニュー画面での操作により任意に決定できるものとし、
図4に示す各遊技データの集計値は管理装置7により求められる。
【0041】
即ち、管理装置7は、自身の記憶部に「台No」毎の遊技データがその日付と共に記憶されており、併せて当該遊技データの蓄積期間(保持期間)も設定されている。従って、管理装置7において、予め従業員等の操作により遊技データの蓄積期間が例えば500日に設定されていれば、その500日にわたって遊技データが保持され、その遊技データの保持日数が500日を経過したと判定した時点で、該当する遊技データを自動的に削除する。また、ある機種の遊技機1,2が遊技場から既に撤去され、その撤去日が前記機種リストに入力されていても、その機種の遊技データは、500日にわたる蓄積期間が経過するまで管理装置7で記憶されていることから、蓄積期間中はいつでも
図4の画面出力が可能である。
【0042】
この場合、
図4の上欄51に示すように、管理装置7は、従業員等の操作により指定された「日付」における機種名「DDDDD」について、前記機種割当テーブルを照合して該当する「台No」を特定すると共に、上記したアウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当たり信号、及び売上信号に基づき特定される、以下の遊技データを集計乃至演算して表示する。
【0043】
・アウト:投入された遊技媒体(玉或いはメダル)の数
・セーフ:払い出された遊技媒体の数
・スタート数:実行されたゲームの回数
・大当たり数:大当たり状態の発生回数
・売上:貸出機3,4で発生した売上金額(円)
尚、
図4の「ave」は、台No「1」〜「3」における各遊技データの平均値の演算結果を示している。管理装置7は、上記のように記憶部に記憶した遊技データを、前記蓄積期間が経過した時点で自動的に消去する遊技データ消去手段として機能するものであるが、500日の蓄積期間を任意に変更することで、その所望する期間、遊技データを参照することができる。
【0044】
4.機種別集計データ
図5は、機種別の集計画面における表の一部を例示する。同図の機種別の集計表は、機種名「AAAAA」〜「CCCCC」の3機種について、機種毎の遊技データを表している。
図5の機種別の集計表においても、何れの機種に関する遊技データを表示するかは、その日付(図示略)も含め、前記メニュー画面での操作により任意に決定できるものとし、
図5に示す各遊技データの集計値は管理装置7により求められる。
【0045】
即ち、管理装置7は、従業員等の操作により指定された日付における「AAAAA」〜「CCCCC」の3機種について、前記機種割当テーブルを照合して該当する「台No」を夫々特定すると共に、アウト信号、セーフ信号、及び売上信号に基づき特定される「アウト」「セーフ」及び「売上」について、該当する「台No」の遊技機1,2の遊技データを機種毎に集計(合計)し、各機種の設置台数で除して平均値を演算する。これにより、機種別の集計表において、遊技データの平均値を機種毎に把握し、分析することができる。
【0046】
ここで、
図6は、管理装置7により所定周期で実行されるデータ管理処理であって、上記した遊技データや機種リスト、機種割当に関連する動作内容をフローチャートで示している。
即ち、管理装置7は、当該遊技場の営業時間帯において、遊技信号を受け付けたか否かを判定し(S1)、アウト信号、セーフ信号、スタート信号、大当たり信号、売上信号等を受け付けたと判定すると(S1:YES)、アウト、セーフ、スタート数、大当たり数、売上等の遊技データの各値を、遊技機1,2毎の累積値として、その日付(日時)と共に記憶し、蓄積する(S2)。
【0047】
また、管理装置7は、蓄積した遊技データのうち、500日の蓄積期間が経過した遊技データの有無を判定する(S3)。この場合、管理装置7は、自身の内部時計の日時を参照し、例えば日付の更新により(つまり毎日の日付更新処理の実行時に)、500日前の日付を基準日としてその基準日よりも前の遊技データになったと判定した時点で(S3:YES)、該当する遊技データを自動的に削除する(S4)。
【0048】
更に、管理装置7は、日付更新時の遊技データの削除に関連して、機種リストを照合し、このリストに登録されている機種の中で、少なくとも前記登録日から蓄積期間を経過し且つ遊技データが存在しない機種があれば、これを撤去確認機種として自動的に抽出する(S4)。従って、管理装置7による自動的な遊技データの削除と撤去確認機種の抽出は、例えば日付が変わる、遊技場の閉店後から開店前の時間帯つまり営業時間外に実行されることとなる。
【0049】
以下のステップS5以降は、営業時間内か否かにかかわらず実行可能であるが、例えば営業時間外に、管理装置7における従業員等の操作により、機種リストへの登録等が行われるものとする。具体的には例えば、既に撤去した機種名XXXXXの機種について、その撤去日を後日、従業員等の操作により入力すべく(S5)、
図2の機種リストの設定画面をモニタ7bに表示させる。
【0050】
この場合、管理装置7は、XXXXXの機種について、その遊技データを蓄積期間の経過により消去し、撤去確認機種として抽出していたとき、例えば、当該XXXXXの機種リスト上の「機種No」〜「登録日」を他の機種と異なる色(つまり撤去確認機種を特定可能な報知態様)で表示し、併せて撤去日を含む登録事項の確認や削除を促すための確認メッセージを表示する。或いは、管理装置7は、抽出した撤去確認機種の何れかに対し撤去日が入力されたと判定した時点で(S5:YES)、即座に機種リストの設定画面に当該機種の識別情報の削除を促すための確認メッセージを表示する(S6)。確認メッセージは、例えば「撤去日が入力されたXXXXXの機種の遊技データは古いため、削除されています。機種リストからもXXXXXの機種を削除して下さい」等の文字で、従業員等に対し削除を喚起する。
【0051】
この他、
図2の機種リストの設定画面では、遊技場へ新たな機種を導入したとき、その機種の識別情報が入力される。例えば、管理装置7は、「タイプ」「機種名」及び「登録日」を受け付けたと判定した場合(S5:YES)、それらの入力を「機種No」別の識別情報として機種リストに登録する登録処理を実行する(S6)。これにより、管理装置7の記憶部に登録される機種リストは、従業員等の操作入力に応じて更新される。
【0052】
このように、管理装置7は、従業員等の操作による、機種リストに対する機種の識別情報の追加の有無(S5)だけでなく、機種リストからの機種の識別情報の削除の有無(S7)も判定しており、遊技場から撤去された機種の情報を、従業員等の操作に応じて(S7:YES)、機種リストから削除する手動機種削除手段として機能する(S8)。
【0053】
次いで、管理装置7は、
図3の機種割当の設定画面で、従業員等の操作により、「台No」に対する「機種No」や「機種名」を割り当てる入力がされたか否かを判定する(S9)。管理装置7は、「機種No」や「機種名」を割り当てる入力がなされたと判定した場合(S9:YES)、それらの識別情報と割り当てられた「台No」とを対応付けて、自身の記憶部に記憶する(S10)。つまり、管理装置7の記憶部に記憶される機種割当テーブルは、従業員等の操作入力に応じて更新される。
【0054】
そして、管理装置7は自動機種削除手段として、前記撤去日と蓄積期間に基づいて、機種リストから機種の識別情報を自動的に削除する。具体的には、現在の日を起算日とする500日前の基準日は、蓄積期間の最古日であり、その最古日よりも古い遊技データは既に削除されている(S4参照)。そこで、管理装置7は、機種リストの撤去日を照合し、500日前の基準日よりも前に撤去された機種が、その機種リストに登録されているか否かを判定する(S11)。管理装置7は、基準日前に撤去されている機種が機種リストに登録されていると判定した場合(S11:YES)、当該機種の識別情報の全部(つまり
図2の「機種No」〜「撤去日」の全項目)のデータを自動でクリアする。当該機種の削除により、機種リストにおけるレコード数たる登録数が、その上限数である1000に至る事態をなくすことが可能となる。尚、登録上限数は、遊技場の規模乃至管理装置7の記憶容量等に応じて、1000以外の値に設定することができる。
【0055】
以上説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
管理装置7は、撤去日が蓄積期間の最古日よりも古くなった機種について、機種名を含む識別情報を、機種リストから自動的に削際するように構成した。これにより、不要な機種名等を削除する遊技場側の作業負担を軽減することができる。
【0056】
また、管理装置7の記憶部に遊技データが存在しない機種については、その遊技機1,2が実際に遊技場から撤去されているにもかかわらず、機種リスト上での撤去日の登録が失念されている可能性がある。この点、管理装置7は、そのような機種の特定が可能な画面出力を行う構成とし、メッセージ等で従業員等に確認を促すことができ、上記した登録数の問題を、より確実に解消することができる。
【0057】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
例えば、既に撤去したXXXXXの機種について、機種割当テーブル上でXXXXXの識別情報が削除されているにもかかわらず、機種リスト上でXXXXXの識別情報が削除されていないものとする。このように、機種リストにXXXXXは存在するが何れの遊技機1,2にも機種割当テーブル上で割り当てられていない機種は、撤去された可能性がある。そこで、管理装置7は、前記データ管理処理において、機種リストと機種割当テーブルを照合し、機種リストに登録されている機種の中で、少なくとも前記登録日から蓄積期間を経過し且つ撤去日が未入力で且つ機種割当テーブルに記憶されていない機種があれば、これを未使用機種として抽出し、画面出力する処理ステップを追加的に実行するようにしても良い。これにより、管理装置7は未使用機種出力手段として、XXXXXの機種を未使用機種として抽出していたとき、例えば当該XXXXXを機種リスト上で他の機種と異なる色で表示する等して、未使用機種を特定可能な報知態様で報知することができる。
【0058】
前記S11、S12における機種リストの自動削除処理は、機種リストに登録されている機種名の数が所定数を超えていることを条件に、実行するようにしても良い。例えば、管理装置7により、登録上限数の1000に対して登録数が900を超えている判定したときに、S11、S12のステップを実行する設定が可能である。
【0059】
管理装置7は、機種登録手段、機種割当登録手段、遊技データ記憶手段、遊技データ消去手段、手動機種削除手段、撤去日登録手段、自動機種削除手段、撤去確認出力手段、及び未使用機種出力手段としての夫々の機能を併せ持つ構成としてが、例えば外部の記憶装置に遊技データを記憶させる等、何れかの機能を管理装置7以外の装置に持たせて、遊技場用管理システム全体として夫々の機能を発揮する構成を採用すれば良い。
【0060】
上記した自動機種削除手段により削除された機種を、自動削除機種リストに登録する自動削除機種登録手段と、前記自動削除機種リストを出力する自動削除機種出力手段と、を設けるようにしても良い。例えば、管理装置7は、自身の記憶部に、削除された機種を自動削除機種リストとして登録・保存する機能と、その自動削除機種リストをモニタ7b上に表示出力する機能とを備えた構成とする。そして、自動削除機種リストに登録される機種については、上記機種リストと異なり、対応する遊技データが蓄積されず、又、機種名など自動削除された機種の特定が可能な必要最小限の情報のみ保持する。こうした、自動削除機種登録手段と自動削除機種出力手段とを設けることにより、従業員が気付かないうちに自動で削除された機種を確認することができる。
【0061】
遊技機1,2の識別情報は、上記した「台No」に限定するものではなく、遊技場に設置されている遊技機1,2の識別が可能な情報であれば良く、又、機種の識別情報も、上記した「機種No」や「機種名」等に限定するものではなく、機種の識別が可能な他の情報を用いて登録しても良い。
【0062】
図4の集計データは、同図に示す遊技データの項目に限らず、貸単価の別に各遊技データの項目を表し、或いはタイプや機種によって異なる遊技データを集計して表示するようにしても良い。また、
図5の集計データも、同図に例示する「アウト」「セーフ」及び「売上」以外の遊技データを表示したり、平均値と併せて合計値を表示する等、適宜変更しても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、蓄積期間や登録上限数等はどのような数値を採用しても良く、機種や集計データに関する画面出力も、印字出力や音声出力を含めどのような出力態様としても良い。
【0063】
例示した遊技機1,2以外の遊技機に本願発明を適用しても良い。例えば、パチンコ機として、玉が封入されており、遊技者が玉にさわることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ機や、クレジットや得点(遊技価値)を消費してリールが回転する等ゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンに対応するよう本願発明を適用しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。