特許第6616708号(P6616708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616708
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】空気導入装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20191125BHJP
   B60R 19/52 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   B60K11/04 K
   B60R19/52 M
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-25915(P2016-25915)
(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公開番号】特開2017-144770(P2017-144770A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105925
【氏名又は名称】サカエ理研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】原野 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 宏章
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−126722(JP,U)
【文献】 特開2007−001504(JP,A)
【文献】 特開2014−024463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04
B60R 19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(5)の前部に設けるために用いられる空気導入装置(10)であって、
外枠を形成するフレーム(21)と、
前記フレームの内側に設けられ、前記車両の前方側に開口し、前記車両の前後方向へ連通する第1導入流路(241〜243)を有する空気導入部(20)と、
前記車両の前方側に開口する導入口(441〜443)と、前記第1導入流路と交差するように開口する送風口(451〜453)とを含み、前記導入口と前記送風口とを連通する第2導入流路(461〜463)を有する空気遮断部(41、42)と、
を備え、
前記送風口の開口面積は、前記第2導入流路を介して前記送風口から流れる気流が前記第1導入流路から導入される空気を横切って遮断可能に設定されており、
前記空気遮断部は、前記送風口を開閉する開閉弁(53)と付勢部材(52)とを含むスプリング機構(51)を有しており、
前記スプリング機構は、前記車両の速さ(Vc)が所定の境界速さ(Vc_lim)以上となるとき、前記送風口を開放し、
前記車両の速さが前記境界速さを超えないとき、前記送風口を閉塞する空気導入装置。
【請求項2】
前記送風口の開口面積(A1〜A3)は、前記導入口の開口面積(B1〜B3)よりも小さい請求項1に記載の空気導入装置。
【請求項3】
前記第1導入流路を複数に仕切る仕切り部材(22、23、127〜130)をさらに備える請求項1または2に記載の空気導入装置。
【請求項4】
前記送風口は、前記第1導入流路に隣接して形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の空気導入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部に設けるために用いられる空気導入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンルームの温度を調整するため、エンジンルームに空気を導入する空気導入装置が車両の前部に設けられている。空気導入装置は、フロントグリルまたはラジエータグリルとも呼ばれている。特許文献1に記載のように、空気導入装置は空気を導入する導入口の開閉動作をすることによってエンジンルーム内への空気の導入状態を制御するグリルシャッターが設けられている。
【0003】
【特許文献1】特開2012−197001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような空気導入装置は、例えば、エンジンの始動直後や低速走行の場合、エンジンルーム内に導入される空気量が過少なため、グリルシャッターを開く。グリルシャッターを開き、エンジンルーム内に空気を導入し、エンジンルーム内の過熱を防止する。また、中速、高速走行している場合、空気導入装置はグリルシャッターを閉じて、エンジンルーム内に空気を導入しない。車両の空気抵抗を低減して、燃費の向上に寄与する。さらに、渋滞を走行するような停止を繰り返す場合、空気導入装置はグリルシャッターを開いて、エンジンルーム内に空気を導入し、エンジンルーム内の過熱を防止する。
【0005】
このように、グリルシャッターは車両の走行状況に応じて開閉動作を行うことによってエンジンルーム内に導入される空気量を調整している。しかしながら、このような構成は、制御装置が必要であり、走行状況に応じて開閉動作の制御を行う複雑な制御となるため、制御異常による開閉動作の不具合の弊害が生じる虞がある。また、このような構成は、部品点数が多くなり、車両の重量が増大することが考えられる。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、導入する空気量を調整し、簡易な構成で軽量化が可能な空気導入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両(5)の前部に設けるために用いられる空気導入装置(10)である。
空気導入装置は、外枠を形成するフレーム(21)、空気導入部(20)および空気遮断部(41、42)を備える。
空気導入部は、フレームの内側に設けられ、車両の前方側に開口し、車両の前後方向へ連通する第1導入流路(241〜243)を有する。
空気遮断部は、第2導入流路(461〜463)を有する。
第2導入流路は、車両の前方側に開口する導入口(441〜443)と、第1導入流路と交差するように開口する送風口(451〜453)とを含み、導入口と送風口とを連通する。
【0008】
送風口の開口面積は、第2導入流路を介して送風口から流れる気流が第1導入流路から導入される空気を横切って遮断可能に設定されている。空気遮断部は、送風口を開閉する開閉弁(53)と付勢部材(52)とを含むスプリング機構(51)を有する。スプリング機構は、車両の速さ(Vc)が所定の境界速さ(Vc_lim)以上となるとき、送風口を開放し、車両の速さが境界速さを超えないとき、送風口を閉塞する。
このような構成にすることによって、導入口から導入される空気を遮断できるため、導入される空気量を調整することができる。また、送風口から流れる気流を利用しているため、簡易な構成で部品点数は少なく、車両の軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態による空気導入装置が用いられる車両の構成図。
図2】本発明の第1実施形態による空気導入装置の構成図。
図3図2のIII線断面図。
図4図2のIV−IV線断面図。
図5図2のV部拡大図。
図6図2のVI−VI線断面図。
図7】本発明の第1実施形態による空気導入装置のスプリング機構の開状態の図。
図8】本発明の第1実施形態による空気導入装置のスプリング機構の閉状態の図。
図9】本発明の第1実施形態による空気導入装置が空気を導入する作用図。
図10】本発明の第1実施形態による空気導入装置が空気を遮断する作用図。
図11】本発明の第2実施形態による空気遮断部の構成図。
図12図11のXII−XII線断面図。
図13】本発明の第1実施形態による空気導入装置が空気を遮断する作用図。
図14】その他実施形態による空気遮断部の構成図。
図15】その他実施形態による空気導入装置の構成図。
図16図15のXVI−XVI線断面図。
図17】その他実施形態による空気導入装置の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態による空気導入装置を図面に基づいて説明する。複数の実施形態の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明する。また、「本実施形態」という場合、第1〜第3実施形態を包括する。これらの実施形態の空気導入装置は、車両の前部に設けられる。図中では、煩雑になることをさけるために、本来の断面の奧に見える線の図示を省略している。
【0011】
(第1実施形態)
図1に示すように、空気導入装置10は、車両5の前部に装備されるために用いられるものであり、車両5のボンネット7とバンパー8との間であって、両ヘッドライト9の間に設けられている。車両5の前進方向を「前」とし、車両5の後退方向を「後」とする。また、ボンネット7側を「上」とし、車両5のタイヤ6側を「下」とし、上下方向と車両の高さ方向である車高高さは同一である。さらに、前進方向から見て右側を「右」とし、前進方向から見て左側を「左」とし、左右方向は、車幅方向と同一である。
【0012】
図2に示すように、空気導入装置10は、外枠を形成するフレーム21、「仕切り部材」としての複数のルーバー22、23、空気導入部20および空気遮断部41、42を備える。図2において、空気導入部20および空気遮断部41、42の所在をわかりやすくするために、空気導入部20および空気遮断部41、42に相当する箇所をドット柄で示す。
【0013】
図3に示すように、フレーム21は、幅方向に段階的に折れ曲がっている。
フレーム21は、フレーム上部延長部33とフレーム下部延長部34とを有する。
フレーム上部延長部33は、フレーム21の上部に位置するフレーム上部25において、後退方向に延びている。フレーム下部延長部34は、フレーム21の下部に位置するフレーム下部26において、後退方向に延びている。フレーム上部延長部33は、フレーム下部延長部34よりも短く形成されている。
図4に示すように、フレーム21は、左右方向に位置するフレーム端部31、32において、前方からフレーム21の内側に向かうように湾曲して形成されている。
【0014】
ルーバー22、23は、左右方向の断面形状がL字形状で、フレーム上部25およびフレーム下部26の間に設けられている。後退方向に延びる第1延長部28を上側に含み、後退方向に延びる第2延長部29を下側に含む。第1延長部28は、第2延長部29よりも長く形成されている。また、第1延長部28は、フレーム下部延長部34と同一長さに形成されており、第2延長部29は、フレーム上部延長部33と同一長さに形成されている。
【0015】
空気導入部20は、フレーム21の内側に設けられ、前方側に開口する複数の第1導入流路241〜243を有し、前方から後退方向に向かって空気を導入可能である。
第1導入流路241は、ルーバー22、23によって複数に仕切られる。
第1導入流路241は、フレーム上部25およびルーバー22によって画成される。第1導入流路242は、ルーバー22およびルーバー23によって画成される。第1導入流路243は、ルーバー23およびフレーム下部26によって画成される。空気導入部20は、外部から第1導入流路241〜243に空気を導入し、図示はしないが、例えば、空気導入装置10よりも後方側に設けられるエンジンルームに空気を導入する。
【0016】
空気遮断部41、42は、フレーム端部31、32に形成され、第2導入流路461〜463およびスプリング機構51を有する。空気遮断部41、42は、空気導入装置10の左右方向の中心軸Oにおいて左右対称に形成されている。
第2導入流路461〜462は、車両の前方側に開口する導入口441〜443と、第1導入流路241〜243と交差するように開口する送風口451〜453とを含み、導入口441〜443と送風口451〜453とを連通する。
図5のように、導入口441〜443は、前後方向の断面において角がR形状である長方形形状で、前方側から空気が導入可能である。
【0017】
送風口451〜453は、各導入口441〜443に対応し、導入口441〜443に連通している。送風口451〜453は、第1導入流路241〜243と隣接するように設けられている。
図6に示すように、送風口451〜453は、左右方向に開口し、左右方向の断面において、角がR形状である平行四辺形形状で、導入口441〜443から導入された空気を送風し、気流が形成される。
【0018】
送風口451〜453の開口する面積である各開口面積をA1〜A3とし、導入口441〜443の各開口面積をB1〜B3とする。導入口441〜443および送風口451〜453は、開口面積A1〜A3が開口面積B1〜B3よりも小さくなるように、すなわち、以下関係式(1)〜(3)となるように形成されている。
A1<B1 ・・・(1)
A2<B2 ・・・(2)
A3<B3 ・・・(3)
【0019】
送風口451の一辺をx1とし、他の一辺をy1とし、送風口451の外周の長さである周辺長さをL1とする。同様に、送風口452、453の一辺をx2、x3とし、他の一辺をy2、y3とし、周辺長さL2、L3とする。周辺長さは以下関係式(4)〜(6)で表され、送風口451〜453の代表長さD1〜D3は、例えば、以下関係式(7)〜(9)で表される。
L1=2×(x1+y1) ・・・(4)
L2=2×(x2+y2) ・・・(5)
L3=2×(x3+y3) ・・・(6)
D1=(4×A1)/L1 ・・・(7)
D2=(4×A2)/L2 ・・・(8)
D3=(4×A3)/L3 ・・・(9)
【0020】
気流は、乱流となるように形成され、送風口451〜453におけるレイノルズ数をRe_1〜Re_3とし、レイノルズ数Re_1〜Re_3は、例えば、以下関係式(10)〜(12)で表される。送風口451〜453から送風される空気の流速V1〜V3とし、空気の動粘度νとする。
Re_1=(V1×D1)/ν ・・・(10)
Re_2=(V2×D2)/ν ・・・(11)
Re_3=(V3×D3)/ν ・・・(12)
【0021】
車両5の速さが速いほど、導入される空気の流速が速くなるため、流速V1〜V3は、速くなる。車両5の速さに応じて、レイノルズ数Re_1〜Re_3が2300を超えるように、周辺長さL1〜L3、開口面積A1〜A3および代表長さD1〜D3が設定される。気流が乱流であることによって、第1導入流路241〜243から導入される空気を遮断可能である。乱流は慣性力が大きい流れであるため、第1導入流路241〜243から導入される空気は、気流により遮断される。なお、第1導入流路241〜243から導入される空気量がゼロではなく、導入される空気量が減少する程度においても、第1導入流路241〜243から導入される空気は、気流により遮断されるとする。
【0022】
スプリング機構51は、各送風口451〜453に隣接しており、「付勢部材」としてのスプリング52および開閉弁53を有する。
スプリング52は、一端がフレーム21またはルーバー22、23に接続されており、他端が開閉弁53に接続されている。スプリング52は、開閉弁53をバネ力によって付勢する。
【0023】
開閉弁53は、スプリング52が開閉弁53を付勢する付勢力Fs1〜Fs3と導入口441〜443を介して導入される送風口451〜453にかかる空気の圧力P1〜P3とによって、送風口451〜453を開閉可能に取り付けられている。流速V1〜V3と同様に、車両5の速さVcが速いほど、導入される空気の流速が速くなり、圧力P1〜P3は大きくなる。
【0024】
車両5の速さVcが所定の境界速さVc_limを超えないとき、以下関係式(13)〜(15)となり、車両5の速さVcが境界速さVc_lim以上となるとき、以下関係式(16)〜(18)となるように、各スプリング52の付勢力Fs1〜Fs3および開口面積A1〜A3が形成されている。
Fs1>P1×A1 ・・・(13)
Fs2>P2×A2 ・・・(14)
Fs3>P3×A3 ・・・(15)
Fs1<P1×A1 ・・・(16)
Fs2<P2×A2 ・・・(17)
Fs3<P3×A3 ・・・(18)
【0025】
図7に示すように、車両5の速さVcが境界速さVc_limを超えないとき、すなわち、Vc<Vc_lim となるとき、付勢力Fs1〜Fs3が、圧力P1〜P3が作用する力よりも大きくなるため、開閉弁53は送風口451〜453を閉塞する。
図8に示すように、車両5の速さVcが境界速さVc_lim以上となるとき、すなわち、Vc≧Vc_lim となるとき、付勢力Fs1〜Fs3が、圧力P1〜P3が作用する力よりも小さくなるため、開閉弁53は送風口451〜453を開放する。
境界速さVc_limはスプリング52の付勢力Fs1〜Fs3および開口面積A1〜A3によって任意に設定することができる。
【0026】
(作用)
空気導入装置10の作動について説明する。
境界速さVc_limを、例えば、時速20kmとする。
図9に示すように、車両5がエンジンを始動してから時速20km未満の低速走行のとき、エンジンルーム内に導入される空気量が過少になるため、空気導入部20が第1導入流路241〜243を介してエンジンルーム内に空気を導入する。導入される空気によって、空気導入装置10はエンジンルーム内の過熱を防止する。このとき、関係式(13)〜(15)が満たされており、開閉弁53が閉塞され、空気遮断部41、42は送風口451〜453から気流を流さない。
【0027】
図10に示すように、車両5が時速20km以上の中速および高速走行になるとき、圧力P1〜P3が大きくなり、関係式(16)〜(18)が満たされ、開閉弁53が開放される。開閉弁53が開放され、空気遮断部41、42は送風口451〜453から気流を流す。気流によって、空気遮断部41、42は空気導入部20から導入される空気を遮断する。エンジンルーム内に空気が導入されないので、車両5の空気抵抗が小さくなる。このとき、空気導入装置10は車両5の燃費向上に寄与する。また、車両5が停止するとき、車両5がエンジン始動してから低速走行するときと同様に、空気導入部20がエンジンルーム内に空気を導入し、空気導入装置10はエンジンルーム内の過熱を防止する。図9、10において、導入口441、443および送風口451、453も同様の作用を行う。
【0028】
従来、このようなエンジンルーム内への空気の導入状態を制御するために、グリルシャッターが用いられていた。走行状況に応じて、開閉動作を行う複雑な制御をするグリルシャッターは、部品点数が多くなり、車両の重量が増大していた。
【0029】
(効果)
(1)そこで、本実施形態では、送風口451〜453の開口面積は、送風口451〜453から流れる気流が、第1導入流路241〜243から導入される空気を横切って通過可能に設定されている。このような構成にすることによって、第1導入流路241〜243から導入される空気を遮断できるため、エンジンルーム内に導入される空気量を調整することができる。また、車両5の走行による気流を利用しているため、簡易な構成で部品点数は少なく、車両5の軽量化が可能である。
【0030】
(第2実施形態)
第2実施形態では、フレームの形態、空気導入部の形態および空気遮断部の配置を除き、第1実施形態と同様である。
図11、12に示すように、空気導入装置12のフレーム121は、左右方向に延びる板状で、内部が複数の仕切り部材127〜130によって仕切られ、網目状に形成されている。また、フレーム121は、前後方向において、中央部からフレーム上部125およびフレーム下部126にかけて湾曲するように形成されている。
【0031】
空気導入部120は、仕切り部材126〜129の間に形成される複数の第1導入流路124を有する。第1導入流路124は、前後方向の断面において、角がR形状であるひし形形状に形成されている。
空気遮断部140は、フレーム121のフレーム上部125に形成されており、導入口144および送風口145を有する。
導入口144は、前方に開口し、空気が導入され、複数形成されている。導入口144は、前後方向の断面において、第1導入流路124と同形状に形成されている。
【0032】
送風口145は、導入口144と連通しており、第1導入流路124と交差し、下方向に開口するように形成されている。また、送風口145は、上下方向の断面において、長方形形状に形成されている。
図13に示すように、複数の送風口145から下方向に気流が流れることによって、第1導入流路124から導入される空気が遮断される。このような構成においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0033】
(その他実施形態)
(i)第1導入流路、第2導入口および送風口の断面形状は、円形形状、多角形形状もしくは星型形状であってもよい。第1導入流路、第2導入口および送風口の数は少なくとも1つあればよい。第1導入流路、第2導入口および送風口の形状および数を問わず、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0034】
(ii)図14に示すように、空気導入装置13のフレーム221は、左右方向および上下方向に延びる板状で、直方体形状に形成されている。このような構成においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0035】
(iii)図15に示すように、第1実施形態の思想を共有する他の実施形態では、空気導入装置14の複数のルーバー61の長手方向が上下方向と平行になるように設けてもよい。第1導入流路621は、ルーバー61同士の間およびルーバー61とフレーム69とによって画成されている。空気導入部62は複数のルーバー61の間で複数の第1導入流路621が形成されている。空気遮断部63はフレーム69のフレーム上部691もしくはフレーム下部692に設けられる。導入口631は、前方に開口する。図15において、図2と同様に、空気導入部62および空気遮断部63に相当する箇所をドット柄で示す。
図16に示すように、送風口632は上下方向に開口する。ルーバー61の配置によらず、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0036】
(iv)図17に示すように、空気導入装置15の空気遮断部120はフレーム下部126に形成してもよい。この場合、送風口は上方向に開口する。空気遮断部の配置によらず、第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
5 ・・・車両、
10 ・・・空気導入装置、
20 ・・・空気導入部、
21 ・・・フレーム、
241〜243 ・・・第1導入流路、
41、42 ・・・空気遮断部、
441〜443 ・・・導入口、
451〜453 ・・・送風口、
461〜463 ・・・第2導入流路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17