特許第6616863号(P6616863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6616863ホスト化合物およびドーパント化合物の新規組み合わせおよびそれを含む有機エレクトロルミネセンスデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6616863
(24)【登録日】2019年11月15日
(45)【発行日】2019年12月4日
(54)【発明の名称】ホスト化合物およびドーパント化合物の新規組み合わせおよびそれを含む有機エレクトロルミネセンスデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20191125BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20191125BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   C09K11/06 660
   C09K11/06 690
【請求項の数】8
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2018-96229(P2018-96229)
(22)【出願日】2018年5月18日
(62)【分割の表示】特願2015-520017(P2015-520017)の分割
【原出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2018-174329(P2018-174329A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0068543
(32)【優先日】2012年6月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ・コリア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソ−ヨン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チ−シク・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン−ジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ソ−ミ・パク
(72)【発明者】
【氏名】キュン−ジュ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ヒョク−ジュ・クウォン
(72)【発明者】
【氏名】ボン−オク・キム
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/004877(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/023947(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/073246(WO,A1)
【文献】 特表2008−505925(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0012431(KR,A)
【文献】 特開2012−028634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式1により表される1つ以上のドーパント化合物、および次式2”により表される1つ以上のホスト化合物の組み合わせ物:
【化1】
式1中、
Lは有機リガンドである;
〜Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルコキシ、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;
Rは水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す;
aは1〜3の整数を表す;aが2以上の整数である場合、Rのそれぞれは同一または異なっていてもよい;
nは1〜3の整数を表す;および
R、R〜Rの少なくとも1つは水素ではない;
【化2】
(式2”中、
は、単結合、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリーレン、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレン、または置換もしくは非置換(C6〜C30)シクロアルキレンを表す;
Mは、(C6〜C30)アリールで置換されているトリアジニル、ピリミジニル、テトラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、またはピリジルである;
bは1である;および
Czは次の構造によって表される:
【化3】
式中、結合*は式2”中のHに結合され、および結合**は式2”中のLに結合される;
52および53はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C3〜C30)脂環式環と縮合した置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した(C3〜C30)シクロアルキル、または置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキルを表す;および
cおよびdはそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す;cまたはdが2以上の整数である場合、R52のそれぞれ、およびR53のそれぞれは同一または異なっていてもよい。
【請求項2】
次式1により表される1つ以上のドーパント化合物、および次式6〜8により表される1つ以上のホスト化合物の組み合わせ物:
【化4】
式1中、Lは下記構造から選択される:
【化5】
式中、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルコキシ、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;
Rは水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す;
aは1〜3の整数を表す;aが2以上の整数である場合、Rのそれぞれは同一または異なっていてもよい;
nは1〜3の整数を表す;および
R、R〜Rの少なくとも1つは水素ではない;
201〜R211はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す;
【化6】
【化7】
【化8】
(式6〜8中、
〜Aはそれぞれ独立して、CR23またはNを表す;
は−N(R20)−を表す;
は、単結合、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリーレン、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレン、または置換もしくは非置換(C6〜C30)シクロアルキレンを表す;ただし、式6においてLは単結合ではなく、かつ式6においてLが置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレンである場合、前記置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレンは、置換もしくは非置換フリレン、チオフェニレン、ピロリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、チアゾリレン、チアジアゾリレン、イソチアゾリレン、イソキサゾリレン、オキサゾリレン、オキサジアゾリレン、テトラジニレン、トリアゾリレン、テトラゾリレン、フラザニレン、ピリジレン、ピラジニレン、ピリダジニレン、ベンゾフラニレン、ベンゾチオフェニレン、イソベンゾフラニレン、ジベンゾフラニレン、ジベンゾチオフェニレン、ベンゾイミダゾリレン、ベンゾチアゾリレン、ベンゾイソチアゾリレン、ベンゾイソキサゾリレン、ベンゾキサゾリレン、イソインドリレン、インドリレン、インダゾリレン、ベンゾチアジアゾリレン、キノリレン、イソキノリレン、シンノリニレン、キナゾリニレン、キノキサリニレン、カルバゾリレン、フェノキサジニレン、フェナントリジニレン、またはベンゾジオキソリレンである;
11〜R14、および20はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリール、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキル、−NR2425、−SiR262728、−SR29、−OR30、シアノ、ニトロ、またはヒドロキシルを表す;ただし、式6においてR20は、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、フェナントリジニル、またはベンゾジオキソリル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキル、−NR2425、−SiR262728、−SR29、−OR30、シアノ、ニトロ、またはヒドロキシルを表ただし、式6においてR11およびR14がそれぞれ独立して置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールである場合、前記置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールは、置換もしくは非置換フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、フェナントリジニル、またはベンゾジオキソリルである
24〜R30はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;または隣接する置換基(複数可)と結合して、単環式もしくは多環式、5〜30員脂環式もしくは芳香族環を形成する;
23は、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C3〜C30)脂環式環と縮合した置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリール、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、または少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した(C3〜C30)シクロアルキルを表す;または隣接する置換基(複数可)と結合して、炭素原子(複数可)が窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換されてもよい単環式もしくは多環式、5〜30員脂環式もしくは芳香族環を形成する:
f〜iはそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す;f〜iの少なくとも1つが2以上の整数である場合、R11〜R14のそれぞれは同一または異なっていてもよい;
eは1または2を表す;eが2である場合、Lのそれぞれは同一または異なっていてもよい)。
【請求項3】
式1により表される前記化合物は、式3または4:
【化9】
【化10】
(式3〜4中、R、R〜R、L、n、およびaは、請求項1または2で定義した通りである)
により表される、請求項1または2に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
式1において、Lは次の構造:
【化11】
(式中、R201〜R211はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す)
から選択される、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
式1により表される前記化合物が:
【化12】
からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
式2”により表される前記化合物が:
【化13】
からなる群から選択される、請求項1に記載の組み合わせ物。
【請求項7】
式6〜8により表される前記化合物が:
【化14】
【化15】
【化16】
からなる群から選択される、請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組み合わせ物を含む有機エレクトロルミネセントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト化合物およびドーパント化合物の新規組み合わせおよびそれを含む有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネセント(EL)デバイスは、より広い視野角、より大きなコントラスト比、およびLCDに比べより速い応答時間を提供するという利点を有する自己発光デバイスである。有機ELデバイスは、小さい芳香族ジアミン分子およびアルミニウム錯体を、発光層を形成するための材料として使用することによって、イーストマン・コダック(Eastman Kodak)によって最初に開発された[Appl.Phys.Lett.51,913,1987参照]。
【0003】
有機ELデバイスにおける発光効率を決定する最も重要な因子は発光材料である。エレクトロルミネセント材料は、機能性を目的にホスト材料およびドーパント材料を含む。典型的に、非常に優れたエレクトロルミネセント特性を持つデバイスは、エレクトロルミネセント層を形成するためホストがドーパントにドープされた構造を有することで知られている。近年、高効率および長寿命を有する有機ELデバイスの開発が、緊急に必要とされている。特に、中間から大型のOLEDパネルに要求されるエレクトロルミネセント特性を考慮すると、従来のエレクトロルミネセント材料より非常に優れた材料の開発が急を要する。そのようなことを達成するため、固体相中、溶媒として機能し、およびエネルギーを輸送する役割を果たすホスト材料は、高純度であるべきであり、真空蒸着を可能とするために適切な分子量を有さねばならない。また、熱安定性を確実にするためガラス転移温度および熱分解温度は高くあるべきであり、長寿命を達成するため高電子化学安定性が必要とされ、アモルファス薄膜の材料の形成は簡単になるベきであり、他の隣接する層の材料への接着力は良好であらねばならないが、界面層マイグレーションは引き起すベきでない。
【0004】
現在までのところ、蛍光性材料は発光材料として広く使用されている。しかしながら、エレクトロルミネセント機序を考慮して、リン光性材料を開発することが、理論上発光効率を4倍向上させるための最良の方法の1つである。それぞれ赤色、緑色、および青色材料として、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナート−N,C3’イリジウム(アセチルアセトネート)[(acac)Ir(btp)2]、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)およびビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナート−N,C2)ピコリネートイリジウム[Firpic]を含有するイリジウム(III)錯体がリン光性物質のドーパント化合物として広く知られている。現在までのところ、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)はリン光性物質のホスト材料として最も広く知られている。さらに、バトクプロイン(BCP)およびアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリネート)(4−フェニルフェノレート)(BAlq)を正孔ブロック層に用いた有機ELデバイスも知られている。しかしながら、従来のドーパントおよびホスト化合物を含む発光層を適用すると、これらは出力効率、操作寿命、および発光効率において問題がある。
【0005】
韓国特許出願公開第KR2007050438A号は、有機エレクトロルミネセントデバイスの発光層に含まれるドーパント化合物として従来のドーパント化合物である、アルキルまたはアリール基をIr(ppy)3構造に導入したイリジウム錯体を開示している。しかしながら、上記文献は、ホスト化合物との特定の組み合わせを開示しておらず、発光効率などの問題を解決できていない。
【0006】
本発明の発明者らは、高色純度、高発光、および長寿命を有する有機ELデバイスを製造するのに適した、ドーパント化合物およびホスト化合物の特定の組み合わせを見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、新規ドーパント/ホスト化合物の組み合わせ、およびそれを含む有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することであり、該有機エレクトロルミネセントデバイスは、低い操作電圧において優れた発光効率を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、次式1により表される1つ以上のドーパント、および次式2により表される1つ以上のホストの組み合わせを提供する:
【0009】
【化1】
【0010】
式中、
Lは有機リガンドである;
R1〜R9はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルコキシ、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;
Rは水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す;
aは1〜3の整数を表す;aが2以上の整数である場合、Rのそれぞれは同一または異なっていてもよい;および
nは1〜3の整数を表す;
【0011】
【化2】
【0012】
式中、
Czは次の構造から選択される:
【0013】
【化3】
【0014】
環Eは、置換もしくは非置換(C6〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す; R51〜R53はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリール、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C3〜C30)脂環式環と縮合した置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した(C3〜C30)シクロアルキル、または置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキルを表す;
およびLはそれぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリーレン、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレン、または置換もしくは非置換(C6〜C30)シクロアルキレンを表す;
Mは、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;
bは、1または2を表す;bが2である場合、各(Cz−L)からのCzのそれぞれ、およびLのそれぞれは同一または異なっていてもよい;
cおよびdはそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す;cまたはdが2以上の整数である場合、R52のそれぞれ、およびR53のそれぞれは同一または異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるホスト−ドーパント組み合わせは、ホストおよびドーパント間の効率的なネルギー輸送機構によって、発光層中の電子密度分布を改良し、高効率の発光特性を提供する。加えて、従来の発光材料が有していた低い初期効率および寿命特性の問題を克服することができ、各色において高効率および長寿命を有する高性能な発光特性を提供することができる。
【0016】
有機ELデバイスにおいて本発明によるドーパント化合物およびホスト化合物の特定の組み合わせを使用することにより、従来の発光材料を用いるものと比較して、より低い駆動電圧でのより良い発光効率という利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。しかしながら、以下の記載は本発明を説明することを意図し、本発明の範囲を制限することを決して意味しない。
【0018】
本発明は、式1により表される1つ以上のドーパント化合物、および式2により表される1つ以上のホスト化合物の組み合わせ;およびそれを含む発光層に関する。
【0019】
式1により表されるドーパント化合物は、好ましくは式3または4により表される:
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
式中、R、R〜R、L、n、およびaは、式1で定義した通りである。
【0023】
式1、3および4中、Lは次の構造から選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0024】
【化6】
【0025】
式中、R201〜R211はそれぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン;置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル;または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表す。
【0026】
式1、3および4中、R〜Rは好ましくはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、または置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキルを表し、そしてより好ましくはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルで置換された(C1〜C6)アルキル、非置換(C3〜C7)シクロアルキル、または(C1〜C6)アルキルで置換された(C3〜C7)シクロアルキルを表す。
【0027】
式1の代表的な化合物は次の化合物を含むが、これらに限定されない。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
式2中、Czは、好ましくは次の構造から選択される:
【0035】
【化13】
【0036】
式中、R51、R52、R53、c、およびdは、式2で定義した通りである。
【0037】
式2中、Lが単結合の時、式2は式2’により表されてもよく、Lが単結合の時、式2は式2’’により表されてもよい:
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
式中、Cz、L、L、M、およびbは、式2で定義した通りである。
【0041】
式2により表される化合物は、式5により表されてもよい:
【0042】
【化16】
【0043】
式中、
〜Aはそれぞれ独立して、CR23またはNを表す;
は−C(R18)(R19)−、−N(R20)−、−S−、−O−、または−Si(R21)(R22)−を表す;
は、単結合、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリーレン、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリーレン、または置換もしくは非置換(C6〜C30)シクロアルキレンを表す;
11〜R14、およびR18〜R22はそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリール、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキル、−NR2425、−SiR262728、−SR29、−OR30、シアノ、ニトロ、またはヒドロキシルを表す;
24〜R30はそれぞれ独立して、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、または置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリールを表す;または隣接する置換基(複数可)と結合して、単環式もしくは多環式、5〜30員脂環式もしくは芳香族環を形成する;
23は、水素、重水素、ハロゲン、置換もしくは非置換(C1〜C30)アルキル、置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C3〜C30)脂環式環と縮合した置換もしくは非置換(C6〜C30)アリール、置換もしくは非置換3〜30員ヘテロアリール、置換もしくは非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換(C3〜C30)シクロアルキル、または少なくとも1つの置換もしくは非置換(C6〜C30)芳香族環と縮合した(C3〜C30)シクロアルキルを表す;または隣接する置換基(複数可)と結合して、炭素原子(複数可)が窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換されてもよい単環式もしくは多環式、5〜30員脂環式もしくは芳香族環を形成する;
f〜iはそれぞれ独立して、0〜4の整数を表す;f〜iの少なくとも1つが2以上の整数である場合、R11〜R14のそれぞれは同一または異なっていてもよい;
eは1または2を表す;eが2である場合、Lのそれぞれは同一または異なっていてもよい。
【0044】
式5により表されるホスト化合物は、好ましくは式6〜8から選択される:
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
式中、A〜A、X、L、R11〜R14、およびe〜iは、式5で定義した通りである。
【0049】
本明細書中で、「(C1〜C30)アルキル(エン)」は、1〜30個の炭素原子を有する直線状または分枝アルキル(エン)であることを意味し、ここで、炭素原子の数は好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜10であり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどが挙げられる;「(C2〜C30)アルケニル」は、2〜30個の炭素原子を有する直線状または分枝アルケニルであることを意味し、ここで、炭素原子の数は好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10であり、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチルブト−2−エニルなどが挙げられる;「(C2〜C30)アルキニル」は、2〜30個の炭素原子を有する直線状または分枝アルキニルであり、ここで、炭素原子の数は好ましくは2〜20であり、さらに好ましくは2〜10であり、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチルペント−2−イニルなどが挙げられる;「(C3−C30)シクロアルキル」は、3〜30個の炭素原子を有する単環式または多環式炭化水素であり、ここで、炭素原子の数は、好ましくは3〜20であり、さらに好ましくは3〜7であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる;「3〜7員ヘテロシクロアルキル」は、B、N、O、S、P(=O)、SiおよびP、好ましくはO、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、および3〜7個の環骨格原子を有するシクロアルキルであり、テトラヒドロフラン、ピロリジン、チオラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる;「(C6〜C30)アリール(エン)」は、6〜30個の炭素原子を有する芳香族炭化水素から誘導される単環式または縮合環であり、ここで、炭素原子の数は、好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜12であり、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニルなどが挙げられ;「3〜30員ヘテロアリール(エン)」は、B、N、O、S、P(=O)、SiおよびPからなる群から選択される少なくとも1個、好ましくは1〜4個のヘテロ原子ならびに3〜30個の環骨格原子を有するアリール基であり;単環式環、または少なくとも1つのベンゼン環と縮合した縮合環であり;好ましくは5〜20個、さらに好ましくは5〜15個の環骨格原子を有し;部分飽和であってよく;少なくとも1つのヘテロアリーまたはアリール基をヘテロアリール基に単結合(複数可)を介して結合させることによって形成されるものであってよく;単環式環型ヘテロアリール、例えばフリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルなど、および縮合環型ヘテロアリール、例えばベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリルなどが挙げられる。さらに、「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIを包含する。
【0050】
本明細書中では、「置換または非置換」という表現における「置換」とは、ある官能基中の水素原子が別の原子または基、すなわち置換基で置換されていることを意味する。
【0051】
上記式中の置換アルキル(エン)、置換アリール(エン)、置換ヘテロアリール(エン)、置換シクロアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルの置換基は、それぞれ独立して好ましくは、重水素;ハロゲン;非置換であるかハロゲンで置換された(C1〜C30)アルキル;(C6〜C30)アリール;非置換であるか(C6〜C30)アリールで置換された3〜30員ヘテロアリール;5〜7員ヘテロシクロアルキル;少なくとも1つの(C6〜C30)芳香族環と縮合した5〜7員ヘテロシクロアルキル;(C3〜C30)シクロアルキル;少なくとも1つの(C6〜C30)芳香族環と縮合した(C6〜C30)シクロアルキル;RSi−;(C2〜C30)アルケニル;(C2〜C30)アルキニル;シアノ;カルバゾリル;−NR;−BR;−PR;−P(=O)R;(C6〜C30)アリール(C1〜C30)アルキル;(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリール;RZ−;RC(=O)−;RC(=O)O−;カルボキシル;ニトロ;およびヒドロキシルからなる群から少なくとも1つ選択される。ここでR〜R、およびR〜Rはそれぞれ独立して、(C1〜C30)アルキル、(C6〜C30)アリール、または3〜30員ヘテロアリールを表す;または隣接する置換基(複数可)と結合して、炭素原子(複数可)が窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換されてもよい単環式もしくは多環式、5〜30員脂環式もしくは芳香族環を形成し;ZはSまたはOを表し;およびRは(C1〜C30)アルキル、(C1〜C30)アルコキシ、(C6〜C30)アリール、または(C6〜C30)アリールオキシを表す。
【0052】
式2の代表的な化合物は次の化合物を含むが、これらに限定されない。
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】
【化30】
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
【化37】
【0071】
【化38】
【0072】
【化39】
【0073】
【化40】
【0074】
【化41】
【0075】
【化42】
【0076】
【化43】
【0077】
【化44】
【0078】
【化45】
【0079】
式1により表される化合物は次の反応スキーム1にしたがって調製することができるが、これらに限定されない。加えて、この合成方法の修正することは、当業者には自明である。
【0080】
[反応スキーム1]
【化46】
【0081】
式中、L、R、R〜R、n、およびaは上記式1で定義される通りである。
【0082】
具体的に、前記有機エレクトロルミネセントデバイスは、第1電極と、第2電極と、前記第1および第2電極間の少なくとも1つの有機層とを含む。前記有機層は発光層を含み、そして前記発光層は、式1により表される1つ以上のドーパント化合物、および式2により表される1つ以上のホスト化合物の組み合わせを含む。
【0083】
前記発光層は光を発する層であり、単一の層であってもよく、または2以上の層が積層した多数層であってもよい。発光層は、光を発光することに加えて、電子/ホールを注入/輸送することもできる。
【0084】
ドーピング濃度、ホスト化合物に対するドーパント化合物の割合は、好ましくは20重量%以下であればよい。
【0085】
本発明の別の実施形態は、式1により表されるドーパント化合物、および式2により表される1つ以上のホスト化合物のホスト/ドーパント組み合わせ、および該ホスト/ドーパント組み合わせを含む有機ELデバイスを提供する。
【0086】
本発明による有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、電子輸送化合物と還元性ドーパントとの混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域が1対の電極の少なくとも1つの表面上に配置されていてもよい。この場合、電子輸送化合物はアニオンに還元され、したがって混合領域からエレクトロルミネセント媒体への電子の注入および輸送がさらに容易になる。さらに、正孔輸送化合物はカチオンに酸化され、したがって混合領域からエレクトロルミネセント媒体への正孔の注入および輸送がさらに容易になる。好ましくは、酸化性ドーパントは様々なルイス酸およびアクセプタ化合物を含み;還元性ドーパントは、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属、およびそれらの混合物を含む。還元性ドーパント層を電荷発生層として用いて、2以上の発光層を有し、そして白色発光する有機エレクトロルミネセントデバイスを調製することができる。
【0087】
本発明による有機エレクトロルミネセントデバイスの各層を形成するために、真空蒸発、スパッタリング、プラズマ、イオンめっき法などの乾式フィルム形成法、またはスピンコーティング、ディップコーティング、フローコーティングなどの湿式フィルム形成法を使用することができる。
【0088】
湿式フィルム形成法を使用する場合、各層を形成する材料を、例えばエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの任意の好適な溶媒中に溶解または拡散させることによって薄膜を形成することができる。溶媒は、各層を形成する材料を溶解または拡散させることができ、フィルム形成能に問題のない任意の溶媒であり得る。
【0089】
以下、化合物、該化合物の調製法、およびデバイスの発光特性を、下記実施例を参照して詳細に説明する。しかしながら、これらは本発明の実施形態を例示するだけであり、それゆえ本発明の範囲はこれらに限定されない。
【0090】
実施例1:化合物D−5の調製
【化47】
【0091】
化合物5−1の調製
4−ビフェニルボロン酸12g(64mmol)、2−ブロモ−3−メチルピリジン10g(58mmol)、PdCl(PPh1.2g(1.7mmol)、およびNaCO10g(94mmol)を、トルエン100mL、エタノール50mL、および水50mLの混合溶媒に添加した後、混合物を120℃で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(EA)/HOで後処理をして、水分をMgSOで除去し、残存する生成物を減圧下で蒸留した。次いで、メチレンクロリド(MC):ヘキサン(Hex)を用いたカラムクロマトグラフィにより精製して白色固体化合物5−1を14g(70%)得た。
【0092】
化合物5−2の調製
化合物5−110g(41mmol)、およびIrCl・xHO5g(17mmol)を、2−エトキシエタノール120mL、および水40mLの混合溶媒に添加した後、混合物を還流下120℃で24時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をHO/MeOH/Hexを用いて洗浄し、乾燥して化合物5−210g(75%)を得た。
【0093】
化合物5−3の調製
化合物5−210g(7.0mmol)、2,4−ペンタンジオン14g(14mmol)、およびNaCO3.7g(34.7mmol)を、2−エトキシエタノール120mLに添加した後、混合物を110℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、生成した固体をHO/MeOH/Hexを用いて洗浄した。十分に乾燥した後、生成物をCHCl3で溶解させ、HO/Hexを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して化合物5−37.5g(68%)を得た。
【0094】
化合物D−5の調製
グリセロールを化合物5−35g(6.25mmol)、および化合物5−13.1g(12.4mmol)の混合物に添加した後、混合物を還流下16時間撹拌した。反応後、生成した固体をろ過し、HO/MeOH/Hexで洗浄し、乾燥した。十分に乾燥した後、生成物をCHClで溶解させ、MC:Hexを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して化合物D−53.8g(64%)を得た。
【0095】
実施例2:化合物D−9の調製
【化48】
【0096】
化合物9−1の調製
3−ビフェニルボロン酸35g(174mmol)、2−ブロモ−4−メチルピリジン20g(116mmol)、Pd(PPh4g(3.5mmol)、および2MKCO200mmolを、トルエン400mL、およびエタノール400mLの混合溶媒に添加した後、混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物をEA/HOで後処理をして、水分をMgSOで除去し、残存する生成物を減圧下で蒸留した。次いで、MC:Hexを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して白色固体化合物9−118g(63%)を得た。
【0097】
化合物9−2の調製
化合物9−17.6g(31mmol)、およびIrCl・xHO4.2g(14mmol)を、2−エトキシエタノール110mL、および水37mLの混合溶媒に添加した後、混合物を130℃で24時間撹拌した。反応後、混合物を室温まで冷却し、水およびMeOHで洗浄し、乾燥して化合物9−28g(80%)を得た。
【0098】
化合物9−3の調製
化合物9−27g(5mmol)、2,4−ペンタンジオン1.5g(15mmol)、およびNaCO1.6g(15mmol)を、2−エトキシエタノール80mLに添加した後、反応を110℃で3時間保持した。反応が完了した後、生成した固体をカラムクロマトグラフィにより精製して化合物9−35g(70%)を得た。
【0099】
化合物D−9の調製
グリセロールを化合物9−34g(5mmol)、化合物9−12.5g(10mmol)の混合物に添加した後、混合物を還流下220℃で24時間撹拌した。反応が完了した後、生成した固体をカラムクロマトグラフィにより精製して化合物D−94g(80%)を得た。
【0100】
実施例3:化合物D−28の調製
【化49】
【0101】
化合物28−1〜28−3は、化合物D−9を調製するための化合物9−1〜化合物9−3の同様の合成方法を用いて調製した。
【0102】
化合物D−28の調製
グリセロールを化合物28−34.5g(5.2mmol)、および化合物28−13.0g(10.4mmol)の混合物に添加した後、混合物を還流下16時間撹拌した。反応後、生成した固体をろ過し、HO/MeOH/Hexで洗浄し、乾燥した。十分に乾燥した後、生成物をCHClで溶解させ、MC:Hexを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して化合物D−281.8g(33%)を得た。
【0103】
実施例1〜3で調製された本発明の化合物(化合物D−5、D−9、およびD−28)、および上記実施例と同様な方法を用いて調製され得る化合物(化合物D−2、D−10、D−14、およびD−18)の詳細なデータは下記の表1に示される。
【0104】
【表1】
【0105】
実施例4:化合物C−3の調製
【化50】
【0106】
化合物C−3−1の調製
3−ブロモ−N−フェニルカルバゾール20g(62.07mmol)をテトラヒドロフラン(THF)200mLに溶解させた後、n−buLi29mL(74.48mmol、ヘキサン中2.5M)を混合物に−78℃でゆっくりと添加した。1時間後、トリイソプロピルボラート19.9mL(86.90mmol)を混合物に添加した。混合物を室温で12時間撹拌した後、蒸留水を混合物に添加した。次いで、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留した。次いで、残存する生成物をEAおよびヘキサンで再結晶化させて化合物C−3−112g(67.33%)を得た。
【0107】
化合物C−3−2の調製
カルバゾール20g(119.6mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)200mLに溶解させた後、N−ブロモスクシンイミド(NBS)21.2g(119.6mmol)を混合物に0℃で添加した。混合物を12時間撹拌した後、蒸留水を混合物に添加し、生成した固体を減圧下でろ過した。得られた固体をメタノールに添加し、混合物を撹拌し、減圧下でろ過した。次いで、得られた固体をEA、およびメタノールの混合物に添加し、混合物を撹拌し、減圧下でろ過して化合物C−3−217g(58.04%)を得た。
【0108】
化合物C−3−3の調製
化合物C−3−112g(41.79mmol)、化合物C−3−211.3g(45.97mmol)、Pd(PPh1.4g(1.25mmol)、および2MKCO52mLを、トルエン150mL、およびエタノール30mLの混合溶媒に添加した後、混合物を還流下撹拌した。5時間後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を混合物に添加した。次いで、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留し、EAおよびメタノールで再結晶化させて化合物C−3−310g(58.57%)を得た。
【0109】
化合物C−3−4の調製
1,3−ジブロモベンゼン36.5mL(302.98mmol)、4−ビフェニルボロン酸40g(201.98mmol)、Pd(PPh4.25g(6.05mmol)、および2MNa2CO250mLを、トルエン400mL、およびエタノール100mLの混合溶媒に添加した後、混合物を還流下撹拌した。12時間後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を混合物に添加した。次いで、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留し、カラムで分離して化合物C−3−425g(40.12%)を得た。
【0110】
化合物C−3−5の調製
化合物C−3−425g(80.85mmol)をTHFに溶解させた後、n−buLi42mL(105.10mmol、ヘキサン中2.5M)を混合物に−78℃でゆっくりと添加した。1時間後、トリメチルボラート14.42mL(129.3mmol)を混合物にゆっくりと添加した。混合物を室温で12時間撹拌した後、蒸留水を混合物に添加した。次いで、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留した。次いで、残存する生成物をMCおよびヘキサンで再結晶化させて化合物C−3−520g(90.24%)を得た。
【0111】
化合物C−3−6の調製
化合物C−3−520g(72.96mmol)、2,3−ジクロロピリミジン9.8g(80.25mmol)、Pd(PPh2.28g(2.18mmol)、および2MNaCO80mLを、トルエン150mL、およびエタノール50mLの混合溶媒に添加した後、混合物を還流下5時間撹拌した。次いで、混合物を室温まで冷却し、蒸留水を混合物に添加した。次いで、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留し、EAおよびメタノールで再結晶化させて化合物C−3−611g(43.97%)を得た。
【0112】
化合物C−3の調製
化合物C−3−35.2g(12.83mmol)、および化合物C−3−64g(11.66mmol)をDMF150mLに溶解させた後、NaH0.7g(17.50mmol、鉱物油中60%)を混合物に添加した。混合物を室温で12時間撹拌した後、メタノールおよび蒸留水を混合物に添加した。次いで、生成した固体を減圧下でろ過し、カラムで分離して化合物C−315g(59.98%)を得た。
【0113】
実施例5:化合物C−13の調製
【化51】
【0114】
化合物C−13−1〜C−13−4は、実施例8の化合物C−62−1〜C−62−4の同様の合成方法で調製され、およびC−3−6の調製方法は、実施例4に示される。
【0115】
化合物C−13の調製
化合物C−3−69.8g(28mmol)、化合物C−13−48g(24mmol)、Pd(PPh1.37g(1mmol)、KCO9.83g(70mmol)、トルエン120mL、EtOH30mL、およびHO36mLを500mL丸底フラスコに混合した後、混合物を120℃で12時間撹拌した。反応が完了した後、混合物をDMFで再結晶化させて化合物C−134.5g(26%)を得た。
【0116】
実施例6:化合物C−32の調製
【化52】
【0117】
化合物C−32−1の調製
塩化シアヌル53g(287mmol)をTHF530mLに溶解させた後、混合物を0℃ま下で冷却し、臭化フェニルマグネシウム(3.0M)240mLを混合物にゆっくりと添加し、混合物を3時間撹拌した。次いで、混合物をゆっくりと室温まで温め、9時間撹拌した。撹拌が完了した後、塩化アンモニウムの水溶液を混合物に添加し、そしてクエンチし、次いで、蒸留水およびEAで抽出し、有機層を濃縮した。濃縮が完了した後、得られた生成物をカラム(CHCl/Hex)で分離して化合物C−32−162g(80%)を得た。
【0118】
化合物C−32の調製
化合物C−3−310g(22.4mmol)、およびNaH(鉱物油中60%分散)1.3g(33.6mmol)をDMF350mLに添加した後、混合物を窒素雰囲気下で1時間撹拌した。次いで、化合物C−32−15g(18.6mmol)、およびDMF80mLの混合物を混合物に添加し、90℃で9時間撹拌した。撹拌が完了した後、精製水をゆっくりと混合物に添加して反応を完了した。次いで、混合物を室温まで冷却し、ろ過して固体生成物を得た。得られた混合物をカラム(MC/Hex)で分離して化合物C−326.5g(54%)を得た。
【0119】
実施例7:化合物C−35の調製
【化53】
【0120】
C−3−3の調製方法は、実施例4に示される。
【0121】
化合物C−35の調製
化合物C−3−336.2g(93.2mmol)、2−(3−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン40g(97.9mmol)、Pd(OAc)1.25g(5.59mmol)、S−ホス4.6g(11.18mmol)、NaOt−bu26.8g(279.7mmol)、およびo−キシレン450mLを混合した後、混合物を還流下撹拌した。6時間後、混合物を室温まで冷却し、生成した固体を減圧下でろ過し、カラムで分離して化合物C−3534.8g(52.1%)を得た。
【0122】
実施例8:化合物C−62の調製
【化54】
【0123】
化合物C−62−1の調製
1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン50g(177.99mmol)、フェニルボロン酸19.7g(161.81mmol)、NaCO51g(485.43mmol)、およびPd(PPh3)49.4g(8.1mmol)を、トルエン900mL、EtOH240mL、および精製水240mLの混合溶媒に添加した後、混合物を還流下1日撹拌した。反応が完了した後、混合物を室温まで冷却し、蒸留水およびEAで抽出した。次いで、有機層を減圧下で蒸留し、MC/Hexを用いたカラムで分離して化合物C−62−142g(92%)を得た。
【0124】
化合物C−62−2の調製
化合物C−62−142g(150mmol)をP(OEt)3450mLおよび1,2−ジクロロベンゼン300mLの混合溶媒に溶解させた後、混合物を150℃で1日撹拌した。反応が完了した後、混合物を減圧下で濃縮し、EAで抽出し、有機層を濃縮した。次いで、得られた生成物をMC/Hexを用いたカラムで分離して化合物C−62−218g(48%)を得た。
【0125】
化合物C−62−3の調製
化合物C−62−217g(69.07mmol)、ヨードベンゼン15.4mL(138.15mmol)、CuI10.5g(55.26mmol)、エチレンジアミン(EDA)6.9mL(103.6mL)、CsCO56.26g(172.6mmol)、およびトルエン350mLを混合した後、混合物を還流下撹拌した。4時間後、混合物を室温まで冷却し、減圧下ろ過した。残存する溶液を減圧下ろ過し、カラムで分離して化合物C−62−320g(89%)を得た。
【0126】
化合物C−62−4の調製
化合物C−62−325g(77.59mmol)をTHF400mLに溶解させた後、n−buLi37.2mL(93.10mmol)を混合物に−78℃でゆっくりと添加した。40分後、トリイソプロピルボレート26.8g(116.3mmol)を混合物に添加した。混合物をゆっくりと室温まで温めた後、混合物を12時間撹拌した。次いで、蒸留水を混合物に添加し、混合物をEAで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸留した。次いで、EA/Hexを混合物に添加し、混合物を減圧下でろ過して化合物C−62−414g(62.8%)を得た。
【0127】
化合物C−62−5の調製
C−3−3の同じ合成方法を用いて化合物C−62−54g(34%)を得た。
【0128】
化合物C−62の調製
C−35の同じ合成方法を用いて化合物C−624g(28.5%)を得た。
【0129】
実施例9:化合物C−101の調製
【0130】
【化55】
【0131】
化合物C−101−1の調製
1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン20g(71.20mmol)、フェニルボロン酸10.4g(85.44mmol)、およびNa2CO318.9g(178.00mmol)を、トルエン400mL、エタノール100mL、および蒸留水100mLの混合溶媒に添加した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.5g(2.14mmol)を混合物に添加した。次いで、混合物を120℃で5時間撹拌した。次いで、反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル400mLで抽出し、得られた有機層を蒸留水200mLで洗浄した。有機溶媒は減圧下除去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、ろ過し、乾燥した。次いで、得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて分離し、再結晶化して化合物C−101−113g(66%)を得た。
【0132】
化合物C−101−2の調製
化合物C−101−113g(46.75mmol)、(9−フェニル−pH−カルバゾール−3−イル)ボロン酸16.1g(56.09mmol)、およびNaCO12.4g(116.78mmol)を、トルエン240mL、エタノール60mL、および蒸留水60mLの混合溶媒に添加した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.6g(1.40mmol)を混合物に添加した。次いで、混合物を120℃で5時間撹拌した。次いで、反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル400mLで抽出し、得られた有機層を蒸留水200mLで洗浄した。有機溶媒は減圧下除去した。得られた固体をメタノールで洗浄し、ろ過し、乾燥した。次いで、得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて分離し、再結晶化して化合物C−101−218g(90%)を得た。
【0133】
化合物C−101−3の調製
化合物C−101−218g(40.86mmol)をトリエチルホスフィート205mLに溶解した後、混合物を還流下150℃で撹拌した。5時間後、混合物を室温まで冷却し、減圧下で蒸留した。次いで、得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて分離し、再結晶化して化合物C−101−312g(72%)を得た。
【0134】
化合物C−101−4の調製
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン36g(195mmol)をTHF360mLに溶解した後、混合物を0℃まで冷却し、PhMgBr160mLをゆっくりと添加した。次いで、混合物をゆっくりと室温まで温め、12時間撹拌した。次いで、蒸留水を混合物に添加して反応を完了した後、有機層をEAで抽出した。次いで、有機層を減圧下蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて分離し、再結晶化して化合物C−101−430g(57%)を得た。
【0135】
化合物C−101の調製
化合物C−101−37g(17.14mmol)をDMF100mLに溶解した後、NaH1g(25.71mmol)を混合物にゆっくりと添加した。混合物を30分間撹拌した後、化合物C−101−45.1g(18.85mmol)を混合物にゆっくりと添加し、4時間撹拌した。混合物をMeOH400mLにゆっくりと添加し、30分間撹拌した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィを用いて分離し、再結晶化して化合物C−1019.5g(86%)を得た。
【0136】
実施例4〜9で調製された化合物(化合物C−3、C−13、C−32、C−35、C−62、およびC−101)、および上記実施例と同様な方法を用いて調製され得る化合物(化合物C−17、C−33、C−40、C−42およびC−99)の詳細なデータは下記の表2に示される。
【0137】
【表2】
【0138】
デバイス実施例1:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
本発明による発光材料を使用してOLEDデバイスを製造した。有機発光ダイオード(OLED)デバイス(Samsung Corning、大韓民国)用のガラス基板上の透明電極インジウムスズ酸化物(ITO)薄膜(15Ω/sq)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノールおよび蒸留水を連続して用いた超音波洗浄に供し、次いでイソプロパノール中で保管した。次いで、ITO基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに取り付けた。N,N1’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(N−(ナフタレン−1−イル)−N,N−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン)を真空蒸着装置のセルに導入し、次いで装置のチャンバー中の圧力を10−6torrに制御した。その後、セルに電流をかけて、導入物質を蒸発させ、それによって、ITO基板上に60nmの厚さを有する正孔注入層を形成した。次いで、N,N’−ジ(4−ビフェニル)−N,N’−ジ(4−ビフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニルを前記真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流をかけることによって蒸発させ、それによって正孔注入層上に20nmの厚さを有する正孔輸送層を形成した。その後、ホスト材料として化合物C−35を真空蒸着装置の1つのセル中に導入し、ドーパントとして化合物D−28を別のセル中に導入した。2つの材料を異なる速度で蒸発させ、ホストおよびドーパントの総重量に基づいて15重量%のドーピング量で堆積させて、正孔輸送層上に30nmの厚さを有する発光層を形成した。次いで、2−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを1つのセルに導入し、リチウムキノレート(Liq)を別のセルに導入した。2つの材料を同じ速度で蒸発させ、50重量%のドーピング量でそれぞれ堆積させて、30nmの厚さを有する電子輸送層を発光層上に形成した。次いで、リチウムキノレートを、2nmの厚さを有する電子注入層として電子輸送層上に堆積させた後、150nmの厚さを有するAlカソードを別の真空蒸着装置によって電子注入層上に堆積させた。このように、OLEDデバイスを製造した。OLEDデバイスを製造するために使用したすべての材料は、使用前に10−6torrでの真空昇華によって精製した。
【0139】
製造されたOLEDデバイスは、2.9Vの駆動電圧で1620cd/mの輝度および3.70mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0140】
デバイス実施例2:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
発光材料中にホストとして化合物C−3を用い、およびドーパントとして化合物D−9を用いる以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0141】
製造されたOLEDデバイスは、3.5Vの駆動電圧で2450cd/mの輝度および5.53mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0142】
デバイス実施例3:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
発光材料中にホストとして化合物C−32を用い、ドーパントとして化合物D−28を用いる以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0143】
製造されたOLEDデバイスは、3.5Vの駆動電圧で5740cd/mの輝度および12.31mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0144】
デバイス実施例4:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
発光材料中にホストとして化合物C−13を用い、ドーパントとして化合物D−9を用いる以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0145】
製造されたOLEDデバイスは、3.1Vの駆動電圧で1530cd/mの輝度および3.20mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0146】
デバイス実施例5:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
発光材料中にホストとして化合物C−99を用い、ドーパントとして化合物D−9を用いる以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0147】
製造されたOLEDデバイスは、3.1Vの駆動電圧で1890cd/mの輝度および4.63mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0148】
デバイス実施例6:本発明による有機エレクトロルミネセント化合物を使用するOLEDデバイスの製造
発光材料中にホストとして化合物C−101を用い、ドーパントとして化合物D−28を用いる以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0149】
製造されたOLEDデバイスは、3.3Vの駆動電圧で3370cd/mの輝度および7.94mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0150】
比較例1:従来の発光材料を使用するOLEDデバイスの製造
ホストとして4−4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル、およびドーパントとして化合物Ir(ppy)3を用いて正孔輸送層上に30nmの厚さを有する発光層を形成する;そしてアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)4−フェニルフェノレートを堆積して10nmの厚さを有する正孔ブロック層を形成する以外は、デバイス実施例1と同じ方法でOLEDデバイスを製造した。
【0151】
製造されたOLEDデバイスは、7.5Vの駆動電圧で3000cd/mの輝度および9.8mA/cmの電流密度を有する緑色発光を示した。
【0152】
上記示したように、本発明の有機ELデバイスはドーパントおよびホスト化合物の特定の組み合わせを含み、従来の発光材料を使用するデバイスよりも低い駆動電圧で向上した発光効率を提供する。これは、従来のドーパント化合物であるIr(ppy)3構造にアルキルまたはアリール基を導入することによりエネルギーギャップが制御されるからである。この方法によって、本発明のホスト化合物のエネルギーギャップが従来のホスト化合物のそれより本発明のホスト化合物と良く結合し、そして最終的に本発明の有機ELデバイスは優れた発光効率を提供する。