(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態の画像処理システムの構成を模式的に示す模式図であり、
図2は、本実施の形態の画像処理システムの構成を示すブロック図である。画像処理システムは、企業内又は家庭内LANであるネットワークNに、アクセスポイントAPを介して接続される複合機1と情報端末装置2とを含む。ネットワークNには、複合機1及び情報端末装置2以外に、PC3、又は他の複合機4が接続されている。ネットワークNは、外部のインターネットと接続されていてもよい。
【0021】
本発明では、複合機1にてスキャンを実行して読み取った画像データを、複合機1から情報端末装置2へ無線通信により送信する際に、複合機1及び情報端末装置2におけるユーザによる操作手順を簡略化するものである。
【0022】
複合機1は、プリンタ機能、スキャナ機能、ファックス機能、電子メール通信機能等を備えた画像処理装置である。複合機1は、各構成部を制御する制御部10と、タッチパネル及びLCD(Liquid Crystal Display)を用いた入出力部11と、各種情報を記憶する記憶部12と、情報端末装置2との通信を実現する通信部13と、スキャナ機能を実現する画像読取部14と、プリンタ機能を実現する画像形成部15とを備える。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )を用い、内蔵するROM(Read Only Memory)に記憶されている制御プログラムに基づき、各構成部を制御する。
【0024】
入出力部11は、LCDを用いた表示部11aとタッチパネルを用いた入力部11bとを含む。入力部11bは、タッチパネルのみならず、ハードウェアキーを用いてもよい。各種アイコン又はボタンを表示している表示部11aに対し、ユーザが触れたタッチパネル上の位置を入力部11bが検知し、ユーザが触れた位置情報と表示部11aにて表示されているアイコン又はボタンの位置情報とに基づき、制御部10は、いずれのアイコン又はボタンがタッチされたかを特定することが可能である。また制御部10は、いずれのハードウェアキーが押下されたかを特定することが可能である。
【0025】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を用いる。記憶部12は、情報端末装置2へ画像データを送信するための宛先のアドレス情報を記憶する。なお記憶部12には、予め、ファックス機能、電子メール通信機能、FTP(File Transfer Protocol)通信機能のためのアドレス情報が記憶されていてよい。画像読取部14によって読み取られた画像データ、又は通信部13を介して受信した画像データ等を記憶してもよい。
【0026】
通信部13は、無線通信機能を実現する。制御部10は、通信部13により、アクセスポイントAPを介して、ネットワークNに接続される情報端末装置2及び他の通信機器との間でデータを送受信することが可能である。
【0027】
画像読取部14は、スキャナユニットを用いる。スキャナユニットは、原稿台14a又は原稿トレイに載置された原稿を光学的に読取るための読取装置であり、複合機1の本体内部に光学ユニットと光学ユニットによる読取動作を制御するための制御ユニットとを含む。画像読取部14は、原稿を読み取ることで得られた画像データを所定の画像メモリに出力し、制御部10は画像データを取得することが可能である。
【0028】
画像形成部15は、プリンタユニットを用いる。プリンタユニットは、複合機1の本体内部に、スキャナユニットの下側に配置される。プリンタユニットは、制御部10から与えられた画像データに基づいてトナー像を生成し、トナー像を用紙上に転写することによって画像形成を行なう。
【0029】
情報端末装置2は、所謂スマートフォンと呼ばれる携帯電話機である。情報端末装置2は、タブレット型PC(パーソナルコンピュータ)であってもよい。情報端末装置2は有線により接続されるPC等であってもよいが、無線通信機能を備えた可搬型の情報処理装置であれば、後述する処理による効果がより顕著である。
【0030】
情報端末装置2は、各構成部を制御する制御部20と、タッチパネルを用いた入出力部21と、各種情報を記憶する記憶部22と、アクセスポイントAPを介して複合機1と通信を実現する通信部23とを備える。
【0031】
制御部20は、CPUを用い、内蔵するROMに記憶されている制御プログラムに基づき、各構成部を制御する。
【0032】
入出力部21は、LCDを用いて表示部21aとタッチパネル及びハードウェアキーを用いた入力部21bとを含む。各種アイコン又はボタンを表示している表示部21aに対し、ユーザが触れたタッチパネル上の位置を入力部21bが検知し、ユーザが触れた位置情報を制御部20へ通知する。制御部20は、表示部21aにて表示されているアイコン又はボタンの位置情報に基づき、いずれのアイコン又はボタンがタッチされたかを特定することが可能である。また入力部21bは、ハードウェアキーが押下された場合、いずれのキーが押下されたかを特定する情報と共に制御部20へ通知する。
【0033】
記憶部22は、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリを用いる。記憶部22のフラッシュメモリには、ネットワークNに接続される複合機1又は複合機4にて画像データの印刷出力又は原稿読取を行なうために用いられるアプリケーションプログラム(以下、プリントスキャン用アプリという)が記憶されている。制御部20は、記憶部22に記憶されているプリントスキャン用アプリを読み出して実行することにより、後述する複合機1との通信、及び複合機1からの画像データの受信を実現する。制御部20は、通信部23により受信した画像データを記憶部22のRAMに一時的に記憶するか、又は保存用にフラッシュメモリに記憶する。
【0034】
また、記憶部22には、プリントスキャン用アプリに対応させて、設定情報として、受信する画像データの解像度設定、カラー/モノクロ設定、又はファイルタイプ(フォーマット)設定等が記憶されている。設定情報は、初期的に設定され、後に、プリントスキャン用アプリにてユーザが編集可能である。設定情報は、異なる複合機毎に別途記憶されるようにしてもよい。
【0035】
通信部23は、無線通信機能を実現する。制御部20からの指示に基づき、通信部23はアクセスポイントAPに接続し、ネットワークNに接続する。制御部20は、通信部23により、アクセスポイントAPを介して、ネットワークNに接続される複合機1及び他の通信機器との間でデータを送受信することが可能である。
【0036】
このように構成される画像処理システムにて、複合機1にてスキャニングした画像データを情報端末装置2へ送信する場合の手順について、フローチャート及び操作画面例を参照しつつ説明する。
【0037】
図3、
図4及び
図5は、本実施の形態におけるスキャン実行時の処理手順の一例を示すフローチャートである。複合機1がネットワークNに接続され、ネットワークNに接続する機器と通信が可能となっている状態で、ユーザの操作によって、制御部20がプリントスキャン用アプリを読み出して起動させた場合、以下のような処理が実行される。
【0038】
情報端末装置2の制御部20は、通信部23により、ネットワークNに接続されている複合機1及び複合機4を夫々特定する識別情報(装置名、IPアドレス)を取得する(ステップS1)。
【0039】
ステップS1において具体的には例えば、制御部20は通信部23により、ネットワークNに接続されている機器へ、各機器自身の種類を示す情報の送信を要求するコマンドを検索コマンドとしてブロードキャストし、検索コマンドに対する応答に基づき、複合機であることを示す応答を返してきた複合機1及び複合機4を抽出し、複合機1及び複合機4のIPアドレスを取得する。又は、プリントスキャン用アプリを起動させたときに制御部20は、複合機1(デフォルト複合機)のIPアドレスを入力するための入力画面を表示部21aに表示させ、入力画面への文字入力を入力部21bにより検知し、IPアドレスを取得してもよい。
【0040】
制御部20は、ステップS1で取得した複合機1及び複合機4の識別情報を記憶部22に記憶する(ステップS2)。制御部20は、次回プリントスキャン用アプリを起動したときに、記憶されてある識別情報を取得するようにしてもよい。
【0041】
次に制御部20は、記憶部22又は他の特定のメモリに記録されている情報端末装置2の自局情報から、ユーザを識別する情報(ユーザ名、ID、又は電子メールアドレス等)を取得し(ステップS3)、通信部23により、ネットワークN内での情報端末装置2自身の識別情報(IPアドレス)、即ち自身についての宛先情報を取得する(ステップS4)。
【0042】
制御部20は、記憶部22から、受信する画像データの設定情報を読み出して取得する(ステップS5)。
【0043】
制御部20は、ステップS1〜S4にて取得した情報に基づき、プリントスキャン用アプリに対応するメイン画面を入出力部21の表示部21aに出力し(ステップS6)、複合機の選択を受け付ける(ステップS7)。なお、メイン画面の出力タイミングは、ステップS6に限らない。
【0044】
図6は、プリントスキャン用アプリのメイン画面の例を示す説明図である。
図6に示すように、表示部21aには例えば、ユーザの情報及び設定情報を表示又は編集するための設定アイコン25、接続する複合機の一覧を表示するための複合機アイコン26等が表示される。
【0045】
ユーザが設定アイコン25上のタッチパネルに触れた場合、ユーザの情報及び設定情報の内容を表示し、編集を受け付ける画面が表示される。
図7は、ユーザの情報及び設定情報の表示画面例を示す説明図である。
図7に示す例では、ステップS3で取得された情報端末装置2のユーザのユーザ名、ステップS4で取得された情報端末装置2のIPアドレスが表示されている。また、
図7に示す例では、情報端末装置2にて受信する画像データの設定情報として、解像度、カラー/モノクローム(モノクロという)設定、画像データのフォーマットに加え、圧縮形式、圧縮率の情報が示されている。ユーザが各項目上のタッチパネルに触れた場合、制御部20が入力画面を出力し、入力された情報を取得する。これにより、ユーザは設定情報を編集することが可能である。
【0046】
図6のメイン画面が表示されている場合に、ユーザが複合機アイコン26上のタッチパネルに触れた場合、複合機の一覧が表示される。
図8は、複合機の一覧を表示した画面例を示す説明図である。制御部20は、ステップS1にて取得した複合機1及び複合機4夫々について、通信の可否を確認し、複合機1又は複合機4の識別情報のリストを出力する。
図8に示す例では、複合機1及び複合機4のIPアドレスと、夫々との通信可否が表示されており、夫々を選択するラジオボタン27が選択可能に表示されている。
【0047】
図8に示した複合機の一覧から、ユーザによって複合機1が選択されたとし、
図3〜
図5のフローチャートに戻って、説明を続ける。
【0048】
制御部20は、選択された識別情報で特定される複合機1へ、ステップS4で取得した自身についての宛先情報と、ステップS5で取得した設定情報とから1つのプロファイルを作成し(ステップS8)、作成したプロファイルと共に、該プロファイルの登録要求を通信部23から送信する(ステップS9)。
【0049】
ステップS8の後、制御部20は、複合機1へプロファイルの登録要求中であることを示す画面を表示部21aに出力する(ステップS10)。
図9は、プロファイルの登録要求中の画面例を示す説明図である。
図9には、プロファイルの登録要求の送信先である複合機1の情報と共に、登録要求中である旨の文、及びイメージが示されている。
【0050】
この間に複合機1では、通信部13がプロファイル及び該プロファイルの登録要求を受信する(ステップS11)。制御部10は、通信部13により受信したプロファイルの設定情報に基づくスキャン(画像データの生成)、及び宛先情報に基づく画像データの送信が可能か否かを判断する(ステップS12)。制御部10は、ステップS12において受信したプロファイルに基づくスキャン及び送信が不可能であると判断した場合(S12:NO)、プロファイルの登録の可否の結果(失敗)を、登録要求への応答として情報端末装置2へ通信部13から送信する(ステップS13)。この場合、処理は終了される。
【0051】
制御部10は、ステップS12にて可能と判断した場合(S12:YES)、通信部13により受信したプロファイルを記憶部12に記憶させる(ステップS14)。受信したプロファイルの記憶部12への記憶の成否の結果、即ちステップS12及びステップS14におけるプロファイルの登録の可否の結果(成功)を、登録要求への応答として情報端末装置2へ送信する(ステップS15)。そして制御部10は、受信したプロファイルに含まれる宛先情報と、設定情報とを入出力部11の表示部11aに出力する(ステップS16)。
【0052】
ここで、複合機1の入出力部11の表示部11aでの画面例を示す。
図10は、複合機1の表示部11aに表示されるメイン画面の画面例を示す説明図である。
図10に示すように、メイン画面には例えば、コピー及びFAXの機能に加え、「モバイル送信」という機能夫々に対応する操作画面がタブ110で表示されている。表示部11aに表示されている「モバイル送信」のタブ上のタッチパネルにユーザが触れた場合、入力部11bがこれを検知し、制御部10は「モバイル送信」の操作画面を表示部11aに表示することが可能である。なおここでは、メイン画面を表示している待機状態から、制御部10が通信部13によりプロファイルを受信した場合、制御部10は「モバイル送信」の操作画面を表示部11aに表示させる。
【0053】
図11は、「モバイル送信」の操作画面例を示す説明図である。
図11に示すように、「モバイル送信」の操作画面には、通信部13が受信したプロファイルに含まれる宛先の識別情報のユーザ名が、夫々アイコン111,112,113として選択可能に複数表示されている。
図11に示すように、制御部10は、複数の異なる情報端末装置2から夫々、プロファイルを受信した場合、各プロファイルに含まれる宛先の識別情報(ここではユーザ名)のリストを表示部11aに出力する。
図11では、ユーザA、ユーザB、及びユーザC夫々が所有する情報端末装置2から、プロファイルが受信されている。
【0054】
なお、宛先の識別情報として、実施の形態1では
図11に示したようにユーザ名を利用している。しかしながら本発明はこれに限らず、情報端末装置2を識別し得る情報であれば、情報端末装置2に付与されている名称(ニックネーム)、型番、シリアル番号などの情報であってもよいことは勿論である。
【0055】
ユーザが、表示部11aに表示されているリスト中のユーザ名のアイコン111,112,113のいずれかの上のタッチパネルに触れた場合、入力部11bがこれを検知し、制御部10へ通知する。制御部10は、いずれのユーザが触れられたかを特定し、特定したユーザが選択されたと認識し、選択されたユーザのユーザ名(宛先の識別情報)と共に送信された設定情報を出力する。
【0056】
ここで例えば「ユーザC」であるユーザが、自身の操作によって情報端末装置2から送信したプロファイルに従って、所望の原稿を読み取った画像データを情報端末装置2にて受信すべく、
図11のリスト中の「ユーザC」のアイコン113上のタッチパネルに触れたとする。
【0057】
図12は、設定情報の表示例を示す説明図である。
図12には、「ユーザC」が所有する情報端末装置2にて受信する画像データの設定情報が表示されている。
図12に示される例では、制御部10は、「ユーザC」が所有する情報端末装置2に対応する設定情報として、解像度は200dpi、カラー/モノクロ設定はカラー、ファイルタイプはpdfファイルという内容が出力され、表示されている。解像度、カラー/モノクロ設定、及びファイルタイプは、受信した設定情報の内容から夫々変更できるように、選択肢を表示するためのプルダウンメニュー114,115,116で表示されている。
【0058】
なお、複合機1の制御部10は、ステップS16にて、受信したプロファイルに含まれる宛先の識別情報及び設定情報を出力するに際し、
図10のメイン画面を表示させている状態から、
図11に示した画面例を省略し、
図12に示した画面例を直接的に表示させるようにすればよい。制御部10は、プロファイルを受信してから一定期間は
図12の画面を表示させ、一定期間経過後は
図10のメイン画面に戻り、ユーザによるタブ選択操作によって
図11及び
図12の画面例に示すような画面を表示するようにすればよい。
【0059】
また、制御部10は
図10のメイン画面を表示させている状態から、プロファイルを受信した場合に、プロファイルを受信したこと、及び受信したプロファイルの宛先情報を、メイン画面の空き領域に出力させてもよい。
図13は、複合機1のメイン画面の他の一例である。
図13の例では、
図10に示したメイン画面の空き領域にプロファイルを受信したこと及び受信したプロファイルの宛先情報の内、ユーザ名を出力した例である。
図13には、プロファイル内の設定情報を変更するための設定アイコン117が表示されている。また、制御部10はプロファイルを受信した場合、プロファイルを受信したことをメイン画面に重畳させて出力し、直ちにスタートできるよう、スタートアイコン等を表示させるようにしてもよい。
図14は、複合機1のメイン画面の他の一例を示す説明図である。
図14の例では、
図10に示したメイン画面に重畳させて、プロファイルを受信したこと及び受信したプロファイルの宛先情報の内、ユーザ名が出力されており、更にスタートアイコン118及び設定を変更するための設定アイコン119が表示されている。
【0060】
図3〜
図5のフローチャートに戻り説明を続ける。
制御部10は、出力された宛先の識別情報及び設定情報に対し、適宜、選択及び設定を受け付ける(ステップS17)。つまり、ユーザは必要な場合、
図12中の各項目を変更することが可能である。ステップS17は、あくまで必要な場合に実行されるのであって、制御部10は、そのまま次のステップS18へ進めてもよい。
【0061】
制御部10は、スキャンの実行指示がされたか否かを判断する(ステップS18)。ステップS18にて制御部10は、入出力部11の表示部11aに表示している「スタート」アイコン(
図12参照)上のタッチパネルが触れられたか否か、入力部11bにより検知し、触れられたことが検知された場合、スキャンの実行指示がされたと判断する。
【0062】
制御部10は、スキャンの実行指示がされていないと判断した場合(S18:NO)、処理をステップS18へ戻し、「スタート」アイコンがタッチされてスキャンの実行指示がされたと判断するまで待機する。
【0063】
制御部10は、スキャンの実行指示がされたと判断した場合(S18:YES)、画像読取部14により、設定情報に基づきスキャン(読取)を実行し(ステップS19)、設定情報に基づき画像データを生成し(ステップS20)、宛先情報に基づき情報端末装置2へ、生成した画像データを送信する(ステップS21)。
【0064】
情報端末装置2では、ステップS9にて通信部23から、作成したプロファイルと共に、該プロファイルの登録要求を送信した後、制御部20は、プロファイルの登録が成功したか否かを判断する(ステップS22)。ステップS20において制御部20は具体的には、プロファイルの登録要求に対する応答(成功)を複合機1から受信したか否かによって判断する。制御部20は、プロファイルの登録が失敗したと判断した場合(S22:NO)、エラー通知を表示部11aに出力し(ステップS23)、処理を終了する。音声出力によってエラー通知を行なってもよい。
【0065】
ステップS21において制御部20は、プロファイルの登録に成功したと判断した場合(S22:YES)、通信部23により複合機1から画像データの受信を開始したか否かを判断する(ステップS24)。制御部20は、画像データの受信を開始していないと判断した場合(S24:NO)、画像データの受信開始待機状態となる。このとき制御部20は、画像データの受信開始待機状態であることを示す画面を表示部21aに出力し(ステップS25)、処理をステップS24へ戻す。
図15は、画像データの受信開始待機状態の画面例を示す説明図である。
図15には、スキャン(読取)実行待ちである旨の文、及びイメージが示されている。
【0066】
制御部20は、ステップS21にて受信を開始したと判断した場合(S24:YES)、受信した画像データを順次、一時的にRAMに記憶し(ステップS26)、受信が完了したか否かを判断する(ステップS27)。制御部20は、ステップS27にて受信が完了していないと判断した場合(S27:NO)、画像データの受信完了待機状態となる。このとき制御部20は、画像データの受信完了待機状態であることを示す画面を表示部21aに出力し(ステップS28)、処理をステップS26へ戻す。
図16は、画像データの受信完了待機状態の画面例を示す説明図である。
図16には、スキャンデータ(画像データ)の受信中である旨の文、及びイメージが示されている。
【0067】
なお、ステップS27において制御部20は、受信が未完了のまま、通信が途絶する等失敗したと判断した場合には、エラー通知を表示部11aに出力し(S23)、処理を終了する。音声出力によってエラー通知を行なってもよい。
【0068】
制御部20はステップS27において、受信が完了したと判断した場合(S27:YES)、一時的にRAMに記憶した画像データを記憶部22のフラッシュメモリに保存する(ステップS29)。このとき制御部20は、受信が完了したことを示す画面を表示部21aに出力する(ステップS30)。
【0069】
次に制御部20は、複合機1へ送信したプロファイルの削除の要求を、通信部23から複合機1へ送信する(ステップS31)。制御部20は、複合機1へプロファイルの削除要求中であることを示す画面を表示部21aに出力する(ステップS32)。
図17は、プロファイルの削除要求中の画面例を示す説明図である。
図17には、プロファイルの削除要求中である旨の文、及びイメージが示されている。
【0070】
プロファイルの削除の要求が送信された複合機1では、通信部13がプロファイルの削除要求を受信する(ステップS33)。制御部10は、通信部13により受信したプロファイルの削除要求に基づき、記憶部12に記憶したプロファイル、即ち宛先情報と設定情報とを削除し(ステップS34)、応答を情報端末装置2へ送信する(ステップS35)。
【0071】
情報端末装置2では、制御部20がプロファイルの削除要求に対する応答を受信し(ステップS36)、削除が完了した旨を表示部21aに出力して(ステップS37)、画像データの受信処理を終了する。
【0072】
上述に示した処理において、ユーザの操作が必要な処理手順は、ステップS7に対応して複合機1を選択する処理と、ステップS19に対応して複合機1でスキャンをスタートさせる処理のみである。ステップS6においてプロファイルの設定情報を編集する処理も必要な場合があるが、初期設定を用いる場合は必要ない。あるいは、情報端末装置2において設定情報は、不揮発性メモリである記憶部22に保存されているから、次回からは、自動的に、設定情報に対応する複合機1と接続が確認できれば、ステップS19にてスキャンを実行させるのみで、情報端末装置2用に生成された画像データを受信し、表示部21aに表示させることができる。
【0073】
なお、ステップS31〜ステップS37により、プロファイルに含まれる宛先情報及び設定情報は、情報端末装置2からの要求に応じて複合機1で登録を削除する構成とした。これは、一時的に接続される情報端末装置2用の設定であるから、当該設定情報を複合機1で常用することはなく、一時的な設定が複合機1に恒久的に残存し、蓄積していくことを回避するためである。しかしながら本発明はこれに限らず、削除する処理を行なわない構成としてもよい。家庭で用いられる複合機1が接続される局所的ネットワークで、家族が所有する情報端末装置2へ画像データを送信するための設定など、ネットワークNに接続される情報端末装置2の数が少ない場合であれば、複合機1に各情報端末装置2用の宛先情報及び設定情報が記憶されたままの状態である方が好ましい場合もある。
【0074】
また、ステップS31〜ステップS37では、情報端末装置2からの削除要求に応じてプロファイルに含まれる宛先情報及び設定情報が削除される構成とした。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばステップS21後の複合機1にて、次のような処理を行なう構成としてもよい。
図18は、プロファイルの削除に係る処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図18に示す処理手順は、
図3〜
図5のフローチャートに示した処理手順の内、ステップS31〜ステップS37の代替として行なわれる。複合機1の制御部10は時間計測を開始し(ステップS41)、例えば20分などの一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS42)。制御部10は、一定期間が経過していないと判断した場合(S42:NO)、処理をステップS42へ戻し、一定期間が経過するまで待機する。制御部10は、一定期間が経過したと判断した場合(S42:YES)、記憶部12から記憶した宛先情報及び、対応する設定情報を削除し(ステップS43)、処理を終了する。これにより、情報端末装置2からの削除要求がなくとも、自動的に削除され、複合機1にて記憶する宛先情報及び設定情報が過多になることを回避することができる。
【0075】
また、
図6〜
図17に示した画面例は、あくまで一例であって、他の画面構成にて実現されてもよいことは勿論である。例えば、以下のような例が考え得る。
【0076】
(他の構成例)
複合機1が従前からの機能として、スキャンによって生成した画像データを電子メールに添付して送信、又はFTP送信する機能(スキャン送信機能)を有している場合、本発明による処理をスキャン送信機能に追加する形で実施するようにしてもよい。
【0077】
この場合、複合機1の記憶部12には、予め、ファックス機能、電子メール通信機能、FTP通信機能のためのアドレス情報が記憶されている。そして複合機1の制御部10は、
図3から
図5に示した処理手順において、ステップS14のプロファイルの内の宛先情報の記憶処理を、アドレス情報への追加更新で実現する。そして制御部10は、アドレス情報に追加した宛先情報と共に受信した設定情報について、アドレス情報中の宛先情報とリンクさせて記憶しておく。このとき、制御部10は、アドレス情報の各宛先について、送信方法又は宛先の種別を対応付けて記憶しておくとよい。従前のスキャン送信機能におけるアドレス情報の内、電子メールに添付して送信する宛先には、送信方法に「電子メール」を対応付けて記憶し、FTP送信の宛先には、送信方法に「FTP」、宛先の種別に「PC」を対応付けて記憶し、通信部13から無線通信により送信する情報端末装置2等の所謂スマートフォンを宛先とする場合には、宛先の種別に「モバイル」を対応付けて記憶する。そして、ステップS16にて宛先情報を出力する場合に、宛先の識別情報に、送信方法又は宛先の種別を識別する色、又はアイコン等を共に出力することが望ましい。
【0078】
図19は、複合機1の表示部11aに表示されるメイン画面の他の画面例を示す説明図である。
図19に示すように、他の例におけるメイン画面には例えば、コピー及びFAXの機能に加え、「スキャン」機能に対応する操作画面がタブ表示されている。表示部11aに表示されている「スキャン」のタブ120上のタッチパネルにユーザが触れた場合、入力部11bがこれを検知し、制御部10は、「スキャン」の操作画面を表示部11aに表示する。
【0079】
図20は、「スキャン」の操作画面の他の例を示す説明図である。
図20に示すように、「スキャン」の操作画面には、スキャンを実行するための設定条件が表示されている。スキャンのデフォルトとして、解像度は400dpi、カラーでスキャンを実行し、ファイルタイプはjpgファイルという内容が出力され、表示されている。解像度、カラー/モノクロ設定、及びファイルタイプは夫々変更できるように、選択肢を表示するためのプルダウンメニュー121,122,123で表示されている。本発明を実施する上ではこれに加え、生成した画像データの宛先を選択するための「アドレス帳」のプルダウンメニュー124が表示される。
【0080】
図21は、
図20のプルダウンメニュー124内の選択肢を表示させた画面の例を示す説明図である。
図21に示すように、宛先として、ネットワークN上の機器の名称に加え、受信した情報端末装置2のプロファイルの宛先情報として「ユーザC」が含まれている。また、「ユーザC」という宛先情報には、「モバイル」であることを示す網掛及びアイコンが表示されている。ユーザは、プルダウンメニュー124内の「ユーザC」上のタッチパネルに触れることにより、「ユーザC」を識別情報とする情報端末装置2へ画像データを送信することを選択することができる。
【0081】
図22は、
図21にて「ユーザC」が選択された場合の画面例を示す説明図である。
図22では、「ユーザC」が選択された場合、「ユーザC」の宛先情報に対応付けられた設定情報が反映され、解像度は200dpiにて、カラーでスキャンを実行し、pdfファイルとして画像データを生成することが表示されている。制御部10は、ステップS16にて設定情報を出力する処理として、選択された宛先の識別情報に対応付けられた設定情報を出力する。なお、対応する設定情報に含まれる解像度、カラー/モノクロ設定、及びファイルタイプは夫々、ユーザがプルダウンメニュー121,122,123上のタッチパネルに触れることにより、変更することも可能である。
【0082】
このように、スマートフォン等の情報端末装置2を宛先とする送信をプルダウンメニューから選択するのみで実現できる構成により、ユーザの操作性が更に向上する。
【0083】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。