(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁膜からなり、前記区画部との間に間隔を空けて配されるとともに周りが前記配向膜非配置領域により囲まれた島状の島状部を備える請求項1または請求項2に記載の表示パネル。
前記絶縁膜のうち前記非表示領域に配される部分には、前記一方の基板における外端側に向けて開口する配向膜流通溝部が設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示パネル。
前記絶縁膜のうち前記非表示領域に配され且つ前記シール部と重畳する部分には、前記一方の基板における外端に倣って延在し前記配向膜流通溝部に連通する連通溝部が設けられている請求項6記載の表示パネル。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1から
図10によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10に備わる液晶パネル(表示パネル)11について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、
図3及び
図8などの上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0022】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、画像を表示可能な液晶パネル11と、液晶パネル11を駆動するドライバ(パネル駆動部)12と、ドライバ12に対して各種入力信号を外部から供給する制御回路基板(外部の信号供給源)13と、液晶パネル11と外部の制御回路基板13とを電気的に接続するフレキシブル基板(外部接続部品)14と、液晶パネル11に対して裏側に配されて液晶パネル11に表示のための光を照射する外部光源であるバックライト装置(図示せず)と、を少なくとも備えている。この液晶表示装置10は、液晶パネル11の画面サイズが例えば5インチ程度とされ、スマートフォンなどの用途に好適となっている。なお、液晶パネル11の具体的な画面サイズや液晶表示装置10の具体的な用途は上記以外にも適宜に変更可能である。
【0023】
液晶パネル11は、
図1に示すように、全体として縦長な方形状(矩形状)をなしており、その板面が、画像を表示可能で且つ中央側に配される表示領域(アクティブエリア)AAと、表示領域AAを取り囲む形で外周側に配されて平面に視て枠状(額縁状)をなす非表示領域(ノンアクティブエリア)NAAと、に区分されている。この液晶パネル11における短辺方向が各図面のX軸方向と一致し、長辺方向が各図面のY軸方向と一致し、さらには板厚方向がZ軸方向と一致している。なお、
図1及び
図7では、一点鎖線が表示領域AAの外形を表しており、当該一点鎖線よりも外側の領域が非表示領域NAAとなっている。
【0024】
液晶パネル11は、
図2に示すように、一対の基板11a,11bと、両基板11a,11b間に挟持されて電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(内部空間)11cと、液晶層11cを取り囲む形で両基板11a,11b間に介在することで液晶層11cの厚さ分のセルギャップを維持した状態で液晶層11cをシールするシール部11pと、を少なくとも有している。一対の基板11a,11bのうち表側(正面側)がCF基板(基板、対向基板)11aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板(一方の基板、アクティブマトリクス基板)11bとされる。CF基板11a及びアレイ基板11bは、いずれもガラス製のガラス基板GSの内面側に各種の膜が積層形成されてなるものとされる。シール部11pは、液晶パネル11のうち非表示領域NAAに配されるとともに平面に視て(両基板11a,11bの板面に対する法線方向から視て)非表示領域NAAに倣う縦長の略枠状をなしている(
図1)。なお、両基板11a,11bの外面側には、それぞれ偏光板11d,11eが貼り付けられている。
【0025】
アレイ基板11bの内面側(液晶層11c側、CF基板11aとの対向面側)における表示領域AAには、
図3及び
図4に示すように、スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor:表示素子)11f及び画素電極11gが多数個マトリクス状(行列状)に並んで設けられるとともに、これらTFT11f及び画素電極11gの周りには、格子状をなすゲート配線(走査線)11i及びソース配線(データ線、信号線)11jが取り囲むようにして配設されている。ゲート配線11iとソース配線11jとがそれぞれTFT11fのゲート電極11f1とソース電極11f2とに接続され、画素電極11gがTFT11fのドレイン電極11f3に接続されている。そして、TFT11fは、ゲート配線11i及びソース配線11jにそれぞれ供給される各種信号に基づいて駆動され、その駆動に伴って画素電極11gへの電位の供給が制御されるようになっている。画素電極11gは、ゲート配線11i及びソース配線11jにより囲まれた方形の領域に配されている。また、アレイ基板11bの表示領域AAの内面側には、画素電極11gと重畳する形でベタ状のパターンからなる共通電極11hが画素電極11gよりも上層側に形成されている。これら互いに重畳する画素電極11gと共通電極11hとの間に電位差が生じると、液晶層11cには、アレイ基板11bの板面に沿う成分に加えて、アレイ基板11bの板面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が印加されるようになっている。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。なお、本実施形態では、各図面においてゲート配線11iの延在方向がX軸方向と、ソース配線11jの延在方向がY軸方向と、それぞれ一致するものとされている。
【0026】
一方、CF基板11aのうちの表示領域AAの内面側には、
図3及び
図5に示すように、アレイ基板11b側の各画素電極11gと対向状をなす位置に多数個のカラーフィルタ11kがマトリクス状に並んで設けられている。カラーフィルタ11kは、R(赤色),G(緑色),B(青色)の三色の着色膜が所定の順で繰り返し並んで配されてなる。各カラーフィルタ11k間には、混色を防ぐための格子状の遮光膜(ブラックマトリクス)11lが形成されている。遮光膜11lは、上記したゲート配線11i及びソース配線11jと平面に視て重畳する配置とされる。カラーフィルタ11k及び遮光膜11lの表面には、オーバーコート膜11mが設けられている。また、オーバーコート膜11mの表面には、図示しないフォトスペーサが設けられている。なお、当該液晶パネル11においては、カラーフィルタ11kにおけるR,G,Bの3色の着色膜及びそれらと対向する3つの画素電極11gの組によって表示単位である1つの表示画素が構成されている。表示画素は、Rのカラーフィルタ11kを有する赤色画素と、Gのカラーフィルタ11kを有する緑色画素と、Bのカラーフィルタ11kを有する青色画素と、からなる。これら各色の表示画素は、液晶パネル11の板面において行方向(X軸方向)に沿って繰り返し並べて配されることで、表示画素群を構成しており、この表示画素群が列方向(Y軸方向)に沿って多数並んで配されている。
【0027】
両基板11a,11bのうち最も内側(液晶層11cの近く)にあって液晶層11cに接する層としては、液晶層11cに含まれる液晶分子を配向させるための配向膜11n,11oがそれぞれ形成されている。両配向膜11n,11oは、それぞれ例えばポリイミドからなるものとされており、少なくとも各基板11a,11bにおける表示領域AAのほぼ全域に加えて非表示領域NAAのうち表示領域AAに隣り合う内周側部分にわたってベタ状に形成されている。両配向膜11n,11oは、特定の波長領域の光(例えば紫外線など)が照射されることで、その光の照射方向に沿って液晶分子を配向させることが可能な光配向膜とされる。
【0028】
続いて、アレイ基板11bの内面側に積層形成された各種の膜について説明する。アレイ基板11bには、
図6に示すように、下層側(ガラス基板GS側、液晶層11cから遠い側)から順に第1金属膜(ゲート金属膜)15、ゲート絶縁膜16、半導体膜17、第2金属膜(ソース金属膜)18、第1層間絶縁膜19、平坦化膜(絶縁膜、第1絶縁膜、下層側絶縁膜)20、第1透明電極膜21、第2層間絶縁膜(絶縁膜、第2絶縁膜、上層側絶縁膜)22、第2透明電極膜23、配向膜11oが積層形成されている。
【0029】
第1金属膜15は、異なる種類の金属材料を積層してなる積層膜または1種類の金属材料からなる単層膜とされ、
図3及び
図6に示すように、ゲート配線11iやTFT11fのゲート電極11f1などを構成する。ゲート絶縁膜16は、無機材料からなる。半導体膜17は、材料として例えば酸化物半導体を用いた薄膜からなり、TFT11fにおいてソース電極11f2とドレイン電極11f3とに接続されるチャネル部11f4などを構成する。第2金属膜18は、第1金属膜15と同様に、積層膜または単層膜とされ、ソース配線11jやTFT11fのソース電極11f2及びドレイン電極11f3などを構成する。第1層間絶縁膜19は、無機材料からなる。平坦化膜20は、有機樹脂材料からなり、その膜厚が無機樹脂材料からなる他の絶縁膜16,19,22よりも大きなものとされ、例えば2μm程度とされる。この平坦化膜20によりアレイ基板11bの表面が平坦化される。第1透明電極膜21は、透明電極材料からなり、共通電極11hを構成する。第2層間絶縁膜22は、無機材料からなり、その膜厚が上記した平坦化膜20よりも小さく、例えば0.2μm程度とされる。第2透明電極膜23は、透明電極材料からなり、画素電極11gを構成する。第1層間絶縁膜19、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22には、第2透明電極膜23からなる画素電極11gを第2金属膜18からなるドレイン電極11f3に接続するためのコンタクトホールCHが開口形成されている。このコンタクトホールCHを除いて第1層間絶縁膜19、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22は、少なくとも表示領域AAの全域にわたってベタ状に形成されている。配向膜11oは、第2透明電極膜23及び第2層間絶縁膜22の上層側に積層されることで、液晶層11cに直接臨む形で配されている。
【0030】
次に、アレイ基板11bの非表示領域NAAに存在する構成について詳しく説明する。アレイ基板11bの非表示領域NAAのうち、表示領域AAに隣り合う内周側部分には、
図7に示すように、ドライバ12からの出力信号をTFT11fに供給するための制御などを行う回路部24が設けられている。回路部24は、後述する区画部25よりも表示領域AA寄りに配されるとともに、シール部11pにおける内周側部分と平面に視て重畳する配置とされている。回路部24は、表示領域AAを取り囲む形で略枠状をなしている。より詳しくは、回路部24は、その内端位置がシール部11pの内端位置よりも表示領域AA寄りの配置とされる。ここで、アレイ基板11bは、既述した通り、平面に視て縦長の方形状をなしており、一対ずつの長辺部11b1及び短辺部11b2を有するとともに四隅にそれぞれ角部11b3を有している。これに対し、回路部24は、長辺部11b1及び短辺部11b2にそれぞれ並行する長辺並行辺部(並行辺部)24a及び短辺並行辺部(並行辺部)24bと、長辺部11b1及び短辺部11b2と交差する交差辺部24cと、を相互に連ねてなる外形を有する。交差辺部24cは、曲率中心が表示領域AA側に位置するよう平面に視て円弧状をなしており、長辺部11b1及び短辺部11b2までの距離が、長辺並行辺部24a及び短辺並行辺部24bから長辺部11b1及び短辺部11b2までの距離よりも大きくなっている。なお、
図7では、回路部24を細い二点鎖線にて、シール部11pを太い二点鎖線にて、それぞれ図示している。
【0031】
回路部24は、TFT11fのチャネル部11f4と同じ半導体膜17をベースとしてアレイ基板11b上にモノリシックに形成されており、それによりTFT11fへの出力信号の供給を制御などするための制御回路を有している。回路部24が有する制御回路には、ドライバ12からの出力信号に含まれる走査信号を各ゲート配線11iに所定のタイミングで供給し、各ゲート配線11iを順次に走査する走査回路やドライバ12からの出力信号に含まれる画像信号を各ソース配線11jに振り分けるスイッチ回路(RGBスイッチ回路)などが含まれている。また、回路部24の制御回路は、アレイ基板11bの製造工程においてTFT11fなどをパターニングする際に既知のフォトリソグラフィ法により同時にアレイ基板11b上にパターニングされている。
【0032】
続いて、アレイ基板11bの非表示領域NAAにおける平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の形成範囲について説明する。平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22は、
図7に示すように、表示領域AAのほぼ全域にわたって形成されるのに加えて、非表示領域NAAの内周側部分にも拡張形成されており、この表示領域AAから非表示領域NAAに跨る形で配される部分が主部20a,22aとされる。平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22における主部20a,22aは、非表示領域NAAにおいて回路部24よりも一回り大きな形成範囲を有している。つまり、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22における主部20a,22aは、非表示領域NAAに配される部分のうちの内周側部分が回路部24の全域に対して重畳する配置とされる。アレイ基板11bの非表示領域NAAのうち、上記主部20a,22aよりも外周側となる部分は、後述する区画部25を除く大部分が、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22が非配置とされる絶縁膜非配置領域NIAとされる。平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22における主部20a,22aは、アレイ基板11bの長辺部11b1及び短辺部11b2にそれぞれ並行する長辺並行辺部20a1,22a1及び短辺並行辺部20a2,22a2と、長辺部11b1及び短辺部11b2と交差する交差辺部20a3,22a3と、を相互に連ねてなる外形を有する。交差辺部20a3,22a3は、曲率中心が表示領域AA側に位置するよう平面に視て円弧状をなしており、長辺部11b1及び短辺部11b2までの距離が、長辺並行辺部20a1,22a1及び短辺並行辺部20a2,22a2から長辺部11b1及び短辺部11b2までの距離よりも大きくなっている。第2層間絶縁膜22の主部(第2絶縁膜主部)22aは、平坦化膜20の主部(第1絶縁膜主部)20aよりも一回り大きな形成範囲を有している。従って、上記した絶縁膜非配置領域NIAは、第2層間絶縁膜22の主部22aによって画定されるものであり、同主部22aよりも外側の領域となっている。
【0033】
なお、
図7及び
図9では、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22以外の積層膜の図示を省略するとともに、
図7では、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の形成範囲を異なる網掛け状にして図示していて、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22が重畳する範囲に関しては網掛けも相互に重ね合わせた図示としている。また、
図7では、第2層間絶縁膜22の主部22aの外形を実線にて、平坦化膜20の主部20aの外形を太い破線にて、それぞれ図示している。
【0034】
さて、本実施形態に係るアレイ基板11bの非表示領域NAAには、
図7に示すように、配向膜11oが非配置とされる配向膜非配置領域NALAを区画する区画部25が配されている。区画部25は、アレイ基板11bの積層膜のうちの平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22からなる二層構造とされていて、非表示領域NAAにおいてシール部11pの外周側部分と平面に視て重畳する位置に配されている。区画部25は、アレイ基板11bの非表示領域NAAのうちの外周側部分、つまり回路部24や平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の主部20a,22aよりも外端側に配されている。従って、区画部25は、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の主部20a,22aとの間に絶縁膜非配置領域NIAを挟む形で配されている。なお、配向膜非配置領域NALAには、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22が配されていないことから、配向膜非配置領域NALAは絶縁膜非配置領域NIAであるとも言える。区画部25は、アレイ基板11bの非表示領域NAAにおける外周側部分において複数がX軸方向及びY軸方向に沿って間欠的に並んで配置されている。具体的には、区画部25は、アレイ基板11bの非表示領域NAAにおける外周側部分のうち、角部11b3を除いた箇所では、長辺部11b1または短辺部11b2に沿って複数が一列に並んで配されているのに対し、角部11b3では、複数が長辺部11b1及び短辺部11b2に沿って二次元的に並んで配されている。これは、回路部24が円弧状の交差辺部24cを有する外形とされていて、それに伴って平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の主部20a,22aが円弧状の交差辺部20a3,22a3を有する外形とされることで、アレイ基板11bの非表示領域NAAの角部11b3に、区画部25及び配向膜非配置領域NALAの配置スペースが大きく確保できたことに因る。
【0035】
区画部25は、
図8に示すように、平面に視て円環状(ドーナツ状)、つまり内外周縁が共に円形の無端環状をなしている。従って、配向膜非配置領域NALAは、区画部25によって全周にわたって取り囲まれており、平面に視て円形状をなしている。配向膜非配置領域NALAの径寸法は、区画部25の最小内径寸法と等しく、例えば35μm程度とされる。区画部25は、
図8及び
図9に示すように、平坦化膜20からなる第1区画部(下層側区画部)25aと、第1区画部25aの上層側に配される第2層間絶縁膜22からなる第2区画部(上層側区画部)25bと、の二層の積層構造とされる。下層側の第1区画部25aは、上層側の第2区画部25bよりも幅広に形成されていて内外両周面が第2区画部25bの内外両周面よりもそれぞれ外側に張り出している。第1区画部25aは、外径寸法が例えば75μm程度とされ、内径寸法が例えば35μm程度とされ、幅寸法が例えば20μm程度とされる。第2区画部25bは、幅寸法が例えば12μm程度とされる。
【0036】
ところで、アレイ基板11bにおける配向膜11oは、既述した通り、表示領域AAと非表示領域NAAとに跨る形で配されているのであるが、その成膜時には例えばインクジェット装置を用いており、インクジェット装置のノズルから吐出した配向膜11oの液滴(材料)を主に表示領域AAに着弾させるようにしている。表示領域AAに着弾した配向膜11oは、表示領域AA内を隈無く広がるとともに非表示領域NAAへと広がる。この配向膜11oの液滴は、粘性が低い液体であるため、アレイ基板11b上での広がり範囲を正確に制御するのが困難である、という事情があり、そのため非表示領域NAAにおける成膜範囲には大きな個体差が生じるおそれがある。ここで、仮に非表示領域NAAにおける配向膜11oの成膜範囲を制御するための構造物をアレイ基板11bに設置した場合には、当該構造物によって配向膜11oの成膜範囲は一定となるものの、その成膜範囲内における構造物付近に配向膜11oの膜厚が局所的に大きくなる箇所が生じるおそれがあり、そのような箇所によって表示ムラが視認されるおそれがあった。その点、本実施形態では、配向膜11oの成膜範囲を制御する構造物を設けておらず、成膜時に配向膜11oの液滴が表示領域AA側から非表示領域NAAへとスムーズに広がって途中で滞留し難いものとなっている。これにより、配向膜11oの膜厚が好適に均一化される。その上で、アレイ基板11bの非表示領域NAAにおいてシール部11pの一部と重畳する位置には、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22からなり、配向膜11oが非配置とされる配向膜非配置領域NALAを区画する区画部25が配されているから、シール部11pがアレイ基板11bの配向膜非配置領域NALAに対して配向膜11oを介することなく接することになる。これにより、従来のようにシール部がアレイ基板に対して配向膜を介して接する構成とされた場合に比べると、アレイ基板11bに対するシール部11pの接着強度が高いものとなり、シール部11pが剥離し難くなる。特に、このアレイ基板11bでは、シール部11pの剥離の発生が懸念される角部11b3に多くの区画部25が集約して配置されているので、シール部11pの剥離を抑制または防止する上で特に有用である。
【0037】
区画部25は、非表示領域NAAにおいて複数が間に絶縁膜非配置領域NIAを挟んで並んで配されることで、複数の配向膜非配置領域NALAを相互に分離した形で区画している。
図10に示すように、仮に配向膜11oの成膜に際して配向膜11oの液滴がいずれかの区画部25を乗り越えてその内側の配向膜非配置領域NALA内に入ったとしても、その配向膜非配置領域NALAに対して残りの配向膜非配置領域NALAは、
図7及び
図9に示すように、区画部25によって分離された形で区画された状態に保たれ、残りの配向膜非配置領域NALAに配向膜11oの液滴が入ることを避けることが可能となっている。これにより、シール部11pが配向膜非配置領域NALAに対して配向膜11oを介することなく接する確実性が高いものとなり、シール部11pの剥離がより生じ難くなる。
【0038】
区画部25は、
図7及び
図9に示すように、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22における主部20a,22aとの間に絶縁膜非配置領域NIAを挟む形で配されているから、配向膜11oの成膜時に配向膜11oの液滴が主部20a,22aの外側に広がると絶縁膜非配置領域NIAに入ることになる。絶縁膜非配置領域NIAには、平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22の膜厚の分だけ配向膜11oが貯留されることになるから、配向膜11oの液滴が区画部25を乗り越えて配向膜非配置領域NALA内に入る事態が生じ難くなる。しかも、配向膜非配置領域NALAが全周にわたって無端環状とされる区画部25によって取り囲まれるので、配向膜11oの成膜時に配向膜11oの液滴が配向膜非配置領域NALA内により入り難くなる。さらには、区画部25が第1区画部25aと第2区画部25bとの積層構造とされているので、仮に区画部を一層構造とした場合に比べると、区画部25の高さが大きなものとなるので、配向膜11oの成膜時に絶縁膜非配置領域NIA内に入った配向膜11oの液滴が区画部25を一層乗り越え難くなる。これにより、配向膜11oの液滴が配向膜非配置領域NALAに入る事態が一層生じ難くなる。その上、区画部25における第1区画部25aが第2区画部25bに対して内外に張り出しているから、アレイ基板11bの製造に際して平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22をパターニングする際に、第1区画部25aに対する第2区画部25bの形成位置にずれが生じた場合でも、第2区画部25bに対する第1区画部25aの張り出し寸法の範囲内で上記位置ずれを吸収することができる。これにより、第2区画部25bが第1区画部25aに対して積層形成される確実性が高いものとなる。
【0039】
また、平坦化膜20の主部20aには、
図7及び
図9に示すように、主部20aの外周縁に並行する形で溝部(連通溝部)26が形成されている。溝部26は、平坦化膜20の主部20aのうち、シール部11pと平面に視て重畳する部分、つまり外周側部分を部分的に凹ませる(切り欠く)ことで形成されている。溝部26は、複数(3つ)が互いに並行する形で間隔を空けて並んで配されている。また、各溝部26は、第2層間絶縁膜22の主部22a及び配向膜11oによってその全域が覆われている。このような溝部26が形成されることで、シール部11pと平坦化膜20との接触面積が大きなものになるとともに、シール部11pとアレイ基板11bとの間の界面における延面距離が長いものとなる。これにより、液晶パネル11の外部に存在する水分が、シール部11pとアレイ基板11bとの間の界面を通って液晶層11c内に到達し難くなり、もって液晶層11c内に水分が浸入することに伴う表示不良の発生を抑制または防止することができる。
【0040】
以上説明したように本実施形態の液晶パネル(表示パネル)11は、画像が表示される表示領域AAと表示領域AA外の非表示領域NAAとに区分される板面が、間に液晶層(内部空間)11cを挟む形で対向するよう配される一対の基板11a,11bと、一対の基板11a,11b間に介在し、液晶層11cを取り囲む形で非表示領域NAAに配されて液晶層11cを封止するシール部11pと、一対の基板11a,11bのうちのアレイ基板(一方の基板)11bに設けられ、表示領域AAと非表示領域NAAとに跨る形で配される絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22と、アレイ基板11bにおいて絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22よりも液晶層11cに近い側に設けられ、表示領域AAと非表示領域NAAとに跨る形で配される配向膜11oと、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22からなり、非表示領域NAAにおいてシール部11pと重畳する位置に配され、配向膜11oが非配置とされる配向膜非配置領域NALAを区画する区画部25と、を備える。
【0041】
このようにすれば、一対の基板11a,11b間に挟まれる液晶層11cは、一対の基板11a,11b間に介在して非表示領域NAAに配されるシール部11pによって取り囲まれることで封止される。一対の基板11a,11bのうちのアレイ基板11bには、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22及び配向膜11oが設けられており、このうちの配向膜11oは、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22よりも液晶層11cに近い側に設けられていて表示領域AAと非表示領域NAAとに跨る形で配されているので、仮に配向膜11oの成膜範囲を制限する構造物を設けた場合に比べると、配向膜11oを成膜する際に配向膜11oの材料が表示領域AAから非表示領域NAAへとスムーズに広がって途中で滞留し難くなっている。これにより、配向膜11oの膜厚を均一化する上で好適となる。その上で、アレイ基板11bの非表示領域NAAにおいてシール部11pと重畳する位置には、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22からなり、配向膜11oが非配置とされる配向膜11o配置領域を区画する区画部25が配されているから、シール部11pがアレイ基板11bの配向膜非配置領域NALAに対して配向膜11oを介することなく接することになる。これにより、従来のようにシール部がアレイ基板に対して配向膜を介して接する構成とされた場合に比べると、アレイ基板11bに対するシール部11pの接着強度が高いものとなり、シール部11pが剥離し難くなる。
【0042】
また、区画部25は、複数の配向膜非配置領域NALAを相互に分離した形で区画する。このようにすれば、仮に配向膜11oの成膜に際して配向膜11oの材料がいずれかの配向膜非配置領域NALA内に入ったとしても、その配向膜非配置領域NALAに対して残りの配向膜非配置領域NALAが区画部25によって分離された形で区画されているので、残りの配向膜非配置領域NALAに配向膜11oの材料が入ることを避けることが可能となっている。これにより、シール部11pが配向膜非配置領域NALAに対して配向膜11oを介することなく接する確実性が高いものとなり、シール部11pの剥離がより生じ難くなる。
【0043】
また、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22は、アレイ基板11bにおける外端側に絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22が非配置とされる絶縁膜非配置領域NIAが存在するよう、アレイ基板11bにおける外端よりも内側に引っ込む主部20a,22aを有しており、区画部25は、主部20a,22aとの間に絶縁膜非配置領域NIAを挟む形で配されている。このようにすれば、アレイ基板11bにおける外端側には、絶縁膜である平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22が非配置とされる絶縁膜非配置領域NIAが主部20a,22aと区画部25との間に挟まれる形で存在しているから、配向膜11oの成膜時に配向膜11oの材料が主部20a,22aの外側に広がると絶縁膜非配置領域NIAに入ることになる。これにより、配向膜11oの材料が区画部25を乗り越えて配向膜非配置領域NALA内に入る事態が生じ難くなる。
【0044】
また、絶縁膜には、相対的に液晶層11cから遠い側に配される平坦化膜(第1絶縁膜)20と、相対的に液晶層11cに近い側に配される第2層間絶縁膜(第2絶縁膜)22と、が含まれており、区画部25は、平坦化膜20からなる第1区画部25aと、第2層間絶縁膜22からなる第2区画部25bと、の積層構造とされる。このようにすれば、仮に区画部25を一層の絶縁膜からなる構成とした場合に比べると、積層構造とされる区画部25の高さが大きなものとなるので、配向膜11oの成膜時に絶縁膜非配置領域NIA内に入った配向膜11oの材料が区画部25を一層乗り越え難くなる。これにより、配向膜11oの材料が配向膜非配置領域NALAに入る事態が一層生じ難くなる。
【0045】
また、区画部25は、第1区画部25aが第2区画部25bに対して内側と外側とにそれぞれ張り出すよう形成されている。このようにすれば、当該液晶パネル11の製造時に、アレイ基板11bに平坦化膜20及び第2層間絶縁膜22を形成するにあたって、第2層間絶縁膜22からなる第2区画部25bの形成位置にずれが生じた場合であっても、第2区画部25bに対する第1区画部25aの張り出し寸法の範囲内で上記位置ずれを吸収することができるので、第2区画部25bが第1区画部25aに対して積層形成される確実性が高いものとなる。
【0046】
また、区画部25は、無端環状をなしている。このようにすれば、配向膜非配置領域NALAが全周にわたって区画部25によって取り囲まれるので、配向膜11oの成膜時に配向膜11oの材料が配向膜非配置領域NALA内により入り難くなる。
【0047】
また、アレイ基板11bにおける非表示領域NAAにおいて区画部25よりも表示領域AA寄りに配される回路部24を備えており、アレイ基板11bは、互いに直交する一対の辺部11b1,11b2を少なくとも備える外形を有しているのに対し、回路部24は、一対の辺部11b1,11b2に並行する一対の並行辺部24a,24bと、一対の辺部11b1,11b2までの距離が一対の並行辺部24a,24bよりも大きくなるよう一対の辺部11b1,11b2に対して交差する交差辺部24cと、を相互に連ねてなる外形を有する。このようにすれば、回路部24における交差辺部24cからアレイ基板11bにおける一対の辺部11b1,11b2までの距離は、回路部24における一対の並行辺部24a,24bからアレイ基板11bにおける一対の辺部11b1,11b2までの距離よりも大きくなっているから、アレイ基板11bにおいて一対の辺部11b1,11b2により構成される角部11b3での区画部25及び配向膜非配置領域NALAの配置スペースが他の部分よりも大きくなっている。この角部11b3では、シール部11pの剥離の発生が特に懸念されることから、上記のように角部11b3において配向膜非配置領域NALAの配置スペースが大きくされることで、シール部11pの剥離を抑制または防止する上で特に有用である。
【0048】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を
図11から
図14によって説明する。この実施形態2では、区画部125及び配向膜非配置領域NALAの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0049】
本実施形態に係るアレイ基板111bでは、
図11に示すように、第2層間絶縁膜122が配向膜非配置領域NALAを除いて非表示領域NAAのほぼ全域にわたるものとされており、その外周端がアレイ基板111bの外周端とほぼ面一状をなしている。これに伴い、配向膜非配置領域NALAは、第2層間絶縁膜122を部分的に凹ませて形成された凹部27からなり、区画部125は、凹部27の縁部からなるものとされる。なお、平坦化膜120は、上記した実施形態1と同様の形成範囲の主部120aのみからなる。
【0050】
詳しくは、凹部27は、
図12に示すように、第2層間絶縁膜122のうち、非表示領域NAAにおいて平坦化膜120(主部120a)よりも外周側の部分に設けられており、第2層間絶縁膜122の上記部分を平面に視て円環状に切り欠いて形成されている。従って、区画部125は、第2層間絶縁膜122のうち、上記した凹部27における外周縁部によって構成されている。つまり、区画部125は、
図13に示すように、第2層間絶縁膜122のみからなる単層構造とされる。凹部27の幅寸法(配向膜非配置領域NALAの開口間口)は、例えば12μm程度とされ、区画部125の内径寸法(凹部27の最大外径寸法)は、例えば75μm程度とされる。第2層間絶縁膜122のうち、凹部27によって取り囲まれた部分は、
図12及び
図13に示すように、島状に残された島状部28とされる。島状部28は、平面に視て円形状をなしており、その外周側に配された凹部27によって全周にわたって取り囲まれていて区画部125に対して凹部27の幅寸法分の間隔を空けて隔離されている。島状部28の径寸法は、例えば51μm程度とされる。なお、非表示領域NAAにおける区画部125及び配向膜非配置領域NALA(凹部27)の配置や設置数などは、上記した実施形態1と同様である。
【0051】
このように、第2層間絶縁膜122に形成された凹部27により配向膜非配置領域NALAが構成され、その配向膜非配置領域NALAが凹部27の縁部からなる区画部125によって区画されているので、上記した実施形態1のように区画部25の周りに絶縁膜非配置領域NIAが配される構成とした場合に比べると(
図9を参照)、アレイ基板111bにおける区画部125の周りの平坦性が高いものとなる。これにより、シール部111pの高さが均一化されるので、シール部111pの形成に際して行われるシール硬化工程においてシール部111pの材料が均一に硬化され易くなり、シール部111pに未硬化部分が生じ難いものとなる。しかも、島状部28によって配向膜非配置領域NALAの開口間口が狭められているので、配向膜111oの成膜時に配向膜111oの液滴が配向膜非配置領域NALA内により入り難くなる。
【0052】
また、
図14に示すように、仮に配向膜111oの成膜に際して配向膜111oの液滴がいずれかの区画部125を乗り越えてその内側の配向膜非配置領域NALA内に入ったとしても、その配向膜非配置領域NALAに対して残りの配向膜非配置領域NALAは、
図11及び
図13に示すように、区画部125によって分離された形で区画された状態に保たれ、残りの配向膜非配置領域NALAに配向膜111oの液滴が入ることを避けることが可能となっている。これにより、シール部111pが配向膜非配置領域NALAに対して配向膜111oを介することなく接する確実性が高いものとなり、シール部111pの剥離がより生じ難くなる。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、配向膜非配置領域NALAは、絶縁膜である平坦化膜120及び第2層間絶縁膜122を部分的に凹ませて形成された凹部27からなり、区画部125は、凹部27の縁部からなる。このようにすれば、絶縁膜である平坦化膜120及び第2層間絶縁膜122を部分的に凹ませて形成された凹部27により配向膜非配置領域NALAが構成され、その配向膜非配置領域NALAが凹部27の縁部からなる区画部125によって区画されている。このような構成によれば、仮に区画部の周りに、絶縁膜である平坦化膜及び第2層間絶縁膜が非配置とされる絶縁膜非配置領域が配される構成とした場合に比べると、アレイ基板111bにおける区画部25の周りの平坦性が高いものとなる。これにより、一対の基板11a,111b間に介在するシール部111pの高さが均一化される。
【0054】
また、絶縁膜である平坦化膜120及び第2層間絶縁膜122からなり、区画部125との間に間隔を空けて配されるとともに周りが配向膜非配置領域NALAにより囲まれた島状の島状部28を備える。このようにすれば、島状部28によって配向膜非配置領域NALAの間口が狭められるので、配向膜111oの成膜時に配向膜111oの材料が配向膜非配置領域NALA内により入り難くなる。
【0055】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を
図15または
図16によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2から凹部227の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0056】
本実施形態に係る凹部227(配向膜非配置領域NALA)は、
図15及び
図16に示すように、第2層間絶縁膜222のうち、非表示領域NAAにおいて平坦化膜220よりも外周側の部分を、平面に視て円形状をなすよう凹ませて形成されている。このような凹部227内には、上記した実施形態2のような島状部28(
図12参照)が存在することがないので、アレイ基板211bに対してシール部211pが第2層間絶縁膜222を介することなく接する接触面積が大きなものとなる。これにより、アレイ基板211bに対するシール部211pの接着強度がより高いものとなる。
【0057】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を
図17から
図19によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から区画部325及び配向膜非配置領域NALAの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0058】
本実施形態に係る区画部325は、
図17に示すように、アレイ基板311bの外端付近に配されており、平面に視て有端環状をなしている。そして、区画部325における両端部は、アレイ基板311bの外端に臨む形で配されている。従って、区画部325によって区画された配向膜非配置領域NALAは、
図17及び
図19に示すように、アレイ基板311bの外端に臨む部分が、X軸方向またはY軸方向に沿って外向きに開口している。詳しくは、複数の区画部325のうち、アレイ基板311bの長辺部311b1及び短辺部311b2のいずれかに臨んで配されるものは、
図17及び
図18に示すように、楕円状の円環における長軸方向の一端部を切り欠いたような平面形状を有しており、その区画部325により区画される配向膜非配置領域NALAは、楕円における長軸方向の一端部を切り欠いたような平面形状を有している。複数の区画部325のうち、アレイ基板311bの長辺部311b1及び短辺部311b2の双方に臨んで配されるものは、円環の3/4を切り欠いたような平面形状を有しており、その区画部325により区画される配向膜非配置領域NALAは、円形の3/4を切り欠いたような平面形状を有している。これら複数の区画部325は、アレイ基板311bにおける長辺部311b1や短辺部311b2に沿って一列に並んで間欠的に配されている。このような構成によれば、区画部325の配置スペースを小さくする上で好適となり、液晶パネル311の狭額縁化を図る上で有用となる。また、区画部325の配置スペースが小さくなった分、配向膜非配置領域NALAを大きくすることが可能となるので、シール部311pがアレイ基板311bに接する面積が大きくなり、もってシール部311pの接着強度をより高いものとすることが可能となる。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、区画部325は、有端環状をなしていて両端部がアレイ基板311bにおける外端に臨む形で配されている。このようにすれば、区画部325の配置スペースを小さくする上で好適となり、当該液晶パネル311の狭額縁化を図る上で有用となる。また、区画部325の配置スペースが小さくなった分、配向膜非配置領域NALAを大きくすることが可能となるので、シール部311pがアレイ基板311bに接する面積が大きくなり、もってシール部311pの接着強度をより高いものとすることが可能となる。
【0060】
<実施形態5>
本発明の実施形態5を
図20から
図22によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態1に記載した構成に、配向膜流通溝部29を追加したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0061】
本実施形態に係る平坦化膜420の主部420aのうち非表示領域NAAに配される部分には、
図20及び
図21に示すように、アレイ基板411bにおける外端側に向けて開口する配向膜流通溝部29が設けられている。この配向膜流通溝部29には、配向膜411oを成膜する際に表示領域AA側(アレイ基板411bの中央側)に供給された配向膜411oの液滴が流通するものとされ、配向膜流通溝部29内を流通する配向膜411oの液滴は、アレイ基板411bの外端へと導かれる。これにより、表示領域AA側において配向膜411oの液滴が滞留し難くなるので、配向膜411oの膜厚を均一化する上でより好適となる。
【0062】
詳しくは、配向膜流通溝部29は、
図20及び
図21に示すように、X軸方向に沿ってほぼ真っ直ぐに延在し、平坦化膜420の主部420aにおける長辺部420a1(外端)にてX軸方向に沿って外向きに開口している。配向膜流通溝部29は、Y軸方向に沿って複数が間欠的に並んで配されている。これら複数の配向膜流通溝部29は、
図20及び
図22に示すように、各溝部(連通溝部)426を横切るとともに各溝部426に連通している。従って、配向膜411oを成膜する際に各配向膜流通溝部29内を流通する配向膜411oの液滴は、各配向膜流通溝部29に連通する各溝部426にも流通される。これにより、配向膜411oの液滴の流動性がより良好なものとなるので、配向膜411oの膜厚を均一化する上でさらに好適となる。
【0063】
以上説明したように本実施形態によれば、絶縁膜である平坦化膜420及び第2層間絶縁膜422のうち非表示領域NAAに配される部分には、アレイ基板411bにおける外端側に向けて開口する配向膜流通溝部29が設けられている。このようにすれば、配向膜411oを成膜する際には、表示領域AA側に供給された配向膜411oの材料が配向膜流通溝部29内を流通することで、アレイ基板411bにおける外端側へと導かれる。これにより、表示領域AA側において配向膜411oが滞留し難くなるので、配向膜411oの膜厚を均一化する上でより好適となる。
【0064】
また、絶縁膜である平坦化膜420及び第2層間絶縁膜422のうち非表示領域NAAに配され且つシール部411pと重畳する部分には、アレイ基板411bにおける外端に倣って延在し配向膜流通溝部29に連通する溝部(連通溝部)426が設けられている。このようにすれば、配向膜411oを成膜する際に配向膜流通溝部29内を流通する配向膜411oの材料は、配向膜流通溝部29に連通する溝部426にも流通される。これにより、配向膜411oの材料の流動性がより良好なものとなるので、配向膜411oの膜厚を均一化する上でさらに好適となる。
【0065】
<実施形態6>
本発明の実施形態6を
図23または
図24によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から第2層間絶縁膜522の形成範囲及び区画部525の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
本実施形態に係る第2層間絶縁膜522は、
図23及び
図24に示すように、上記した実施形態2と同様に、配向膜非配置領域NALAを除いて非表示領域NAAのほぼ全域にわたるものとされており、その外周端がアレイ基板511bの外周端とほぼ面一状をなしている。区画部525は、平坦化膜520からなる第1区画部525aと、第2層間絶縁膜522からなる第2区画部525bと、の積層構造とされる。第2区画部525bは、その内周面が第1区画部525aの内周面と面一状をなしている。第2区画部525bの幅寸法は、例えば10μmとされるのに対し、第1区画部525aの幅寸法は、例えば20μmとされていて第2区画部525bの幅寸法の約2倍とされる。
【0067】
<実施形態7>
本発明の実施形態7を
図25によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態1から区画部625及び配向膜非配置領域NALAの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態に係る区画部625は、
図25に示すように、平面に視て正方形の枠状をなしている。この区画部625によって区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て正方形状をなしている。
【0069】
<実施形態8>
本発明の実施形態8を
図26によって説明する。この実施形態8では、上記した実施形態1から区画部725及び配向膜非配置領域NALAの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0070】
本実施形態に係る区画部725は、
図26に示すように、平面に視て縦長の長方形の枠状をなしている。この区画部725によって区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て縦長の長方形状をなしている。
【0071】
<実施形態9>
本発明の実施形態9を
図27によって説明する。この実施形態9では、上記した実施形態1から区画部825及び配向膜非配置領域NALAの構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0072】
本実施形態に係る区画部825は、
図27に示すように、平面に視て正三角形の枠状をなしている。この区画部825によって区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て正三角形状をなしている。
【0073】
<実施形態10>
本発明の実施形態10を
図28によって説明する。この実施形態10では、上記した実施形態4から区画部925の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0074】
本実施形態に係る区画部925のうち、アレイ基板911bの長辺部911b1及び短辺部911b2のいずれかに臨んで配されるものは、
図28に示すように、平面に視て半円環状の平面形状をなしており、その区画部925により区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て半円形状をなしている。
【0075】
<実施形態11>
本発明の実施形態11を
図29によって説明する。この実施形態11では、上記した実施形態4から区画部1025の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0076】
本実施形態に係る区画部1025のうち、アレイ基板1011bの長辺部1011b1及び短辺部1011b2のいずれかに臨んで配されるものは、
図29に示すように、平面に視て「V」字型の平面形状をなしており、その区画部1025により区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て三角形状をなしている。また、区画部1025のうち、アレイ基板1011bの長辺部1011b1及び短辺部1011b2の双方に臨んで配されるものは、平面に視て長辺部1011b1及び短辺部1011b2の双方に対して傾斜した直線状をなしており、その区画部1025により区画される配向膜非配置領域NALAは、平面に視て三角形状をなしている。
【0077】
<実施形態12>
本発明の実施形態12を
図30によって説明する。この実施形態12では、上記した実施形態1,4を組み合わせたものを示す。なお、上記した実施形態1,4と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0078】
本実施形態に係る区画部1125には、
図30に示すように、アレイ基板1111bの外端に臨んで配されて有端環状をなすものと、アレイ基板1111bの外端から離間した位置に配されて無端環状をなすものと、が含まれている。有端環状をなす区画部1125は、上記した実施形態4に記載された通りの構成であり、無端環状をなす区画部1125は、上記した実施形態1に記載された通りの構成である。
【0079】
<実施形態13>
本発明の実施形態13を
図31によって説明する。この実施形態13では、上記した実施形態1から区画部1225の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0080】
本実施形態に係る区画部1225のうち、アレイ基板1211bの角部1211b3に配されるものは、
図31に示すように、千鳥状に平面配置されている。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態にて図示した以外にも、アレイ基板の非表示領域における配向膜の具体的な形成範囲や配向膜非配置領域内に配向膜が入らなかった区画部の数や分布は、配向膜の塗布量、配向膜の材料における粘性、配向膜を成膜する際の環境温度などの諸条件によって様々に変動し得るものとされる。
(2)上記した各実施形態では、アレイ基板が第1層間絶縁膜や第2層間絶縁膜を有する構成を示したが、これらのいずれか一方または両方を省略することも可能である。第2層間絶縁膜を省略した場合には、区画部が平坦化膜のみからなる単層構造となる。
(3)上記した各実施形態では、アレイ基板が平坦化膜を有する構成を示したが、平坦化膜を省略することも可能である。平坦化膜を省略した場合には、区画部が第2層間絶縁膜のみからなる単層構造となる。
(4)上記した実施形態1,4〜13にて図示した構成以外にも、区画部を構成する第1区画部及び第2区画部の内周面間の距離と、外周面間の距離と、の具体的な大小関係は適宜に変更可能である。
(5)上記した実施形態1,4〜13の変形例として、区画部を第2層間絶縁膜または平坦化膜のみからなる単層構造とすることも可能である。
(6)上記した実施形態1,4〜13の変形例として、区画部を3層以上の絶縁膜からなる積層構造とすることも可能である。
(7)上記した実施形態1,4〜13の変形例として、区画部を、第1区画部の外周面が第2区画部の外周面と面一状をなす構成とすることも可能である。さらには、区画部を、第1区画部の内外両周面が第2区画部の内外両周面とそれぞれ面一状をなす構成とすることも可能である。
(8)上記した実施形態1,4〜13の変形例として、区画部の内側に、実施形態2に記載したような島状部が設けられる構成を採ることも可能である。その場合、島状部は、第2層間絶縁膜または平坦化膜のいずれか一方または両方からなる構成を採ることが可能であるが、必ずしもその限りではない。
(9)上記した実施形態1,4,5,7〜13に記載した構成に、実施形態6に記載した構成を組み合わせることも可能である。
(10)上記した実施形態2,3の変形例として、第2層間絶縁膜に代えて平坦化膜をアレイ基板の外端に至るまでベタ状に形成し、その平坦化膜に凹部を形成するようにしても構わない。
(11)上記した実施形態2,3の変形例として、第2層間絶縁膜に加えて平坦化膜をアレイ基板の外端に至るまでベタ状に形成し、それら第2層間絶縁膜及び平坦化膜に互いに重畳する形で凹部を形成するようにしても構わない。
(12)上記した実施形態4,10の変形例として、アレイ基板の長辺部及び短辺部の双方に臨む区画部の構成を、実施形態11に記載したものに変更することも可能である。同様に、アレイ基板の長辺部または短辺部に臨む区画部を、実施形態11に記載したものに変更することも可能である。
(13)上記した実施形態4,10〜13の変形例として、実施形態2,3に記載した構成(第2層間絶縁膜をアレイ基板の外端に至る範囲にまで形成し、そこに凹部を設ける構成)を適用することも可能である。実施形態2,3に記載した構成は、同様に実施形態5〜9にも適用可能である。
(14)上記した実施形態5の変形例として、配向膜流通溝部の平面形状が途中で屈曲したり湾曲したりする形状、つまり非直線形状であっても構わない。
(15)上記した各実施形態以外にも、区画部の具体的な平面形状は適宜に変更可能である。例えば、区画部の平面形状は、二等辺三角形状、横長の長方形状、楕円形状、台形状、菱形形状、五角形以上の多角形状などでもよい。
(16)上記した各実施形態以外にも、区画部及び配向膜非配置領域の具体的な設置数や平面配置などは適宜に変更可能である。
(17)上記した各実施形態以外にも、回路部の具体的な平面形状や形成範囲は適宜に変更可能である。同様に、平坦化膜及び第2層間絶縁膜の主部における具体的な平面形状や形成範囲は適宜に変更可能である。
(18)上記した各実施形態では、配向膜の成膜に際してインクジェット装置を用いるようにした場合を例示したが、インクジェット装置以外の成膜装置を用いて配向膜の成膜を行うことも勿論可能である。
(19)上記した各実施形態では、配向膜の材料としてポリイミドを用いた場合を示したが、配向膜の材料としてポリイミド以外の液晶配向材を用いることも可能である。
(20)上記した各実施形態では、配向膜の材料として光配向材料を用い、紫外線の照射によって配向処理がなされる光配向膜を形成するようにした場合を示したが、ラビングによって配向処理がなされる配向膜を形成したものにも本発明は適用可能である。
(21)上記した各実施形態では、回路部を備える液晶パネルを示したが、回路部を備えない液晶パネルにも本発明は適用可能である。
(22)上記した各実施形態では、平面形状が長方形とされる液晶パネルについて示したが、平面形状が正方形、円形、楕円形などとされる液晶パネルにも本発明は適用可能である。
(23)上記した各実施形態では、ドライバが液晶パネルのアレイ基板に対してCOG実装される場合を例示したが、ドライバがフレキシブル基板に対してCOF(Chip On Film)実装される構成であってもよい。
(24)上記した各実施形態では、TFTのチャネル部を構成する半導体膜が酸化物半導体材料からなる場合を例示したが、それ以外にも、例えばポリシリコン(多結晶化されたシリコン(多結晶シリコン)の一種であるCGシリコン(Continuous Grain Silicon))やアモルファスシリコンを半導体膜の材料として用いることも可能である。
(25)上記した各実施形態では、動作モードがFFSモードとされた液晶パネルについて例示したが、それ以外にもIPS(In-Plane Switching)モードやVA(Vertical Alignment:垂直配向)モードなどの他の動作モードとされた液晶パネルについても本発明は適用可能である。
(26)上記した各実施形態では、液晶パネルのカラーフィルタが赤色、緑色及び青色の3色構成とされたものを例示したが、赤色、緑色及び青色の各着色部に、黄色の着色部を加えて4色構成としたカラーフィルタを備えたものにも本発明は適用可能である。
(27)上記した各実施形態では、一対の基板間に液晶層が挟持された構成とされる液晶パネル及びその製造方法について例示したが、一対の基板間に液晶材料以外の機能性有機分子(媒質層)を挟持した表示パネルについても本発明は適用可能である。
(28)上記した各実施形態では、液晶パネルのスイッチング素子としてTFTを用いたが、TFT以外のスイッチング素子(例えば薄膜ダイオード(TFD))を用いた液晶パネルにも適用可能であり、カラー表示する液晶パネル以外にも、白黒表示する液晶パネルにも適用可能である。
(29)上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを例示したが、他の種類の表示パネル(PDP(プラズマディスプレイパネル)、有機ELパネル、EPD(電気泳動ディスプレイパネル)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)表示パネルなど)にも本発明は適用可能である。
(30)上記した各実施形態では、区画部が液晶パネルを構成する基板のうちのアレイ基板に設けられる場合を例示したが、表示パネル(液晶パネル)を構成しアレイ基板とは異なる他の基板(CF基板)に区画部を設ける場合にも本発明は適用可能である。その場合、具体的には、CF基板において設けられるフォトスペーサやオーバーコート膜などの絶縁膜を用いて区画部を形成すればよい。