(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データ編集部は、ある作業の開始時点から終了時点までに亘って前記ある作業の様子を記録した作業映像を示す前記映像データを編集することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像データ編集装置。
前記データ編集部は、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集し、
前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声とが互いに異なっていることを特徴とする請求項5に記載の映像データ編集装置。
前記データ編集部は、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中に前記区切れ目に応じた音声が前記区切れ目に応じた音声以外の音声よりも大きい音量にて発生するように前記映像データを編集することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の映像データ編集装置。
前記データ編集部によって、ある作業の開始時点から終了時点までに亘って前記ある作業の様子を記録した作業映像を示す前記映像データを編集させることを特徴とする請求項9又は10に記載のコンピュータプログラム。
前記データ編集部によって、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集させ、
前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声とが互いに異なっていることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータプログラム。
前記データ編集部によって、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中に前記区切れ目に応じた音声が前記区切れ目に応じた音声以外の音声よりも大きい音量にて発生するように前記映像データを編集させることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のように、ある作業映像の中から所定の工程に関する説明箇所を特定して再生するのではなく、ある作業映像における一連の工程すべてを連続的に再生する場合がある。かかる場合には、ある作業の流れや手順を把握し易くするために、その作業映像の再生期間を工程毎に区切ることがある。このように区切れ目が設定された映像については、当該映像を見ている者が上記の区切れ目を的確に認識し得るように再生される必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像の再生期間中の区切れ目が的確に認識されるように当該映像のデータを編集することが可能な映像データ編集装置、映像データ編集方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の映像データ編集装置によれば、(A)映像を示す映像データを編集するデータ編集部と、(B)前記映像の再生期間を区切るために設定された区切れ目を記憶している区切れ目記憶部と、を有し、(C)前記データ編集部は、編集後の前記映像データが示す前記映像の再生期間中、前記区切れ目に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集することにより解決される。
【0008】
上記のように構成された本発明の映像データ編集装置では、編集後の映像データが示す映像の再生期間中、区切れ目に相当する時点に当該区切れ目に応じた音声が発生するように映像データを編集する。これにより、映像を見ている者は、上記の音声を通じて、映像の再生期間中における区切れ目を的確に認識することが可能となる。
【0009】
また、上記の映像データ編集装置において、操作者の指定操作を受け付ける操作受け付け部を有し、該操作受け付け部は、編集前の前記映像データが示す前記映像が再生されている間に前記操作者によって行われる前記指定操作を受け付け、前記区切れ目記憶部は、編集前の前記映像データが示す前記映像の再生期間中、前記操作受け付け部が前記指定操作を受け付けた時点を前記区切れ目として記憶しているとよい。
上記の構成では、操作者が映像を見ながら行った指定操作を受け付けた時点が区切れ目として設定される。これにより、区切れ目が操作者の意思を反映して設定されるようになる。そして、本発明の映像データ編集装置の機能により、上記の要領で設定された区切れ目を的確に認識することが可能となる。
【0010】
また、上記の映像データ編集装置において、前記データ編集部は、ある作業の開始時点から終了時点までに亘って前記ある作業の様子を記録した作業映像を示す前記映像データを編集してもよい。
上記の構成では、ある作業の様子を記録した映像(作業映像)のデータを編集対象とする。これにより、本発明の効果がより有意義なものとなる。具体的に説明すると、上記の構成では、ある作業の手順や流れを把握し易くする等の目的のために、当該ある作業の作業映像の再生期間を区切ることになっている。かかる構成において、区切り目が設定された作業映像を再生している期間中、当該区切り目に相当する時点で所定の音声が発生すれば、映像を見ている者は、当該区切れ目を的確に認識するようになる。この結果、ある作業の手順や流れが把握し易くなる。
【0011】
また、上記の映像データ編集装置において、前記データ編集部は、複数の工程からなる前記ある作業の前記作業映像を示す前記映像データを編集し、前記区切れ目記憶部は、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点を前記区切れ目として記憶していてもよい。
上記の構成では、複数の工程からなる作業の作業映像を示す映像データを編集対象とする。そして、上記の構成では、工程の開始時点又は終了時点に相当する時点が区切れ目として設定される。かかる構成であれば、本発明の映像データ編集装置の機能により、作業映像の再生期間中、工程の開始時点又は終了時点を的確に認識することが可能となる。
【0012】
また、上記の映像データ編集装置において、前記データ編集部は、複数の前記工程のうちの少なくとも一つが複数の単位作業からなる前記ある作業の前記作業映像を示す前記映像データを編集し、前記区切れ目記憶部は、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点を前記区切れ目として記憶していてもよい。
上記の構成では、複数の工程のうちの少なくとも一つが複数の単位作業からなる作業の作業映像を示す映像データを編集対象とする。そして、上記の構成では、工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点が区切れ目として設定される。かかる構成であれば、本発明の映像データ編集装置の機能により、作業映像の再生期間中、工程の開始時点又は終了時点、及び単位作業の開始時点又は終了時点を的確に認識することが可能となる。
【0013】
また、上記の映像データ編集装置において、前記データ編集部は、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集し、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声とが互いに異なっているとよい。
上記の構成では、作業映像の再生期間中、工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点で所定の音声が発生する。また、工程の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、が異なっている。これにより、工程の開始時点又は終了時点を報知する音声と、単位作業の開始時点又は終了時点を報知する音声と、を容易に聞き分けることが可能となる。
【0014】
また、上記の映像データ編集装置において、前記データ編集部は、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中に前記区切れ目に応じた音声が前記区切れ目に応じた音声以外の音声よりも大きい音量にて発生するように前記映像データを編集するとよい。
上記の構成では、作業映像が再生されている間、区切れ目に応じた音声は、それ以外の音声よりも大きい音量にて発生する。これにより、区切れ目に応じた音声が聞き取り易くなる結果、作業映像を見ている者は、区切れ目をより的確に認識することが可能となる。
【0015】
また、前述した課題は、本発明の映像データ編集方法によれば、コンピュータが、映像の映像データを編集する映像データ編集方法であって、前記コンピュータは、編集後の前記映像データが示す前記映像の再生期間中、当該再生期間を区切るために設定された区切れ目に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集することにより解決される。
上記の方法によれば、コンピュータを用いて、映像の再生期間中の区切れ目が的確に認識されるように当該映像のデータを編集することが可能となる。
【0016】
また、前述した課題は、本発明のコンピュータプログラムによれば、コンピュータによって読み取られて実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、映像を示す映像データを編集するデータ編集部と、前記映像の再生期間を区切るために設定された区切れ目を記憶している区切れ目記憶部と、を有する映像データ編集装置として機能させ、編集後の前記映像データが示す前記映像の再生期間中、当該再生期間を区切るために設定された区切れ目に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを前記データ編集部によって編集させることにより解決される。
上記のコンピュータプログラムを用いれば、コンピュータを本発明の映像データ編集装置として利用することが可能となる。この結果、映像の再生期間中の区切れ目が的確に認識されるように当該映像のデータを編集することが可能となる。
【0017】
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記コンピュータを、操作者の指定操作を受け付ける操作受け付け部を更に有する前記映像データ編集装置として機能させ、前記操作受け付け部によって、編集前の前記映像データが示す前記映像が再生されている間に前記操作者によって行われる前記指定操作を受け付けさせ、前記区切れ目記憶部に、編集前の前記映像データが示す前記映像の再生期間中、前記操作受け付け部が前記指定操作を受け付けた時点を前記区切れ目として記憶させてもよい。
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記データ編集部によって、ある作業の開始時点から終了時点までに亘って前記ある作業の様子を記録した作業映像を示す前記映像データを編集させてもよい。
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記データ編集部によって、複数の工程からなる前記ある作業の前記作業映像を示す前記映像データを編集させ、前記区切れ目記憶部に、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点を前記区切れ目として記憶させてもよい。
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記データ編集部によって、複数の前記工程のうちの少なくとも一つが複数の単位作業からなる前記ある作業の前記作業映像を示す前記映像データを編集させ、前記区切れ目記憶部に、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点を前記区切れ目として記憶させてもよい。
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記データ編集部によって、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に前記区切れ目に応じた音声が発生するように前記映像データを編集させ、前記工程の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声と、前記単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点に発生する音声とが互いに異なっていてもよい。
また、上記のコンピュータプログラムについては、前記データ編集部によって、編集後の前記映像データが示す前記作業映像の再生期間中に前記区切れ目に応じた音声が前記区切れ目に応じた音声以外の音声よりも大きい音量にて発生するように前記映像データを編集させてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、映像の再生期間中の区切れ目が的確に認識されるように当該映像のデータを編集することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にその等価物が含まれることは勿論である。
【0021】
また、以降の説明や図面に記載された画面の構成例(画面のデザインやレイアウト、及び当該画面に表示される情報)については、あくまでも一例であり、製品仕様やユーザの好み等に応じて任意に設定することが可能である。さらに、表示された画面にてユーザの入力操作を受け付けるために提供されるグラフィックユーザインターフェース(GUI)についても、本発明の趣旨を逸脱しない限り、任意に設定可能である。
【0022】
<<本実施形態に係る映像データ編集装置の概要>>
先ず、本実施形態に係る映像データ編集装置(以下、本装置10)について、その概要を説明する。本装置10は、カメラ等により撮影された映像を示すデータ(映像データ)を編集する装置である。なお、本実施形態において、「編集」とは、ある映像データを素材として新たな映像データを生成することを意味する。ただし、「編集」の意味としては、上記の内容に限定されるものではなく、ある映像データに対して所定の処理を施して当該映像データを更新することであってもよい。
【0023】
本実施形態では、ある作業の様子を記録した作業映像の映像データを編集するために本装置10が用いられる。「作業」とは、一連の流れに従って行われる複数の所作(動作)によって構成されるものである。なお、本実施形態では、複数の工程からなる作業の映像を示す映像データを編集対象とする。「工程」とは、作業を構成する単位に相当する。また、本実施形態では、複数の工程のうちの少なくとも一つが複数の単位作業からなる作業の映像を示す映像データを編集対象とする。「単位作業」とは、工程を構成する単位に相当する。
【0024】
ちなみに、以下では、4つの工程(工程A、B、C、D)からなり、そのうちの一つの工程(具体的には、三番目の工程C)が3つの単位作業(単位作業C1、C2、C3)からなる作業Pの作業映像を示す映像データを編集するケースを例に挙げて説明することとする。ただし、当然ながら、編集対象とする映像データの内容(厳密には、当該映像データが示す作業映像の構成)については、上記の内容に限定されるものではなく、作業中に含まれる工程の数や各工程中に含まれる単位作業の数については任意に決めることが可能である。
【0025】
また、作業の構成単位について付言すると、当該構成単位は、階層的に分類されており、具体的には「工程」、「単位作業」、「要素作業」、「単位動作」及び「要素動作」という階層に分けられる。本実施形態では、上述したように、2番目の階層である「単位作業」まで細分化することが可能な作業の映像を示す映像データを編集対象としている。ただし、これに限定されるものではなく、より下位の階層まで細分化することが可能な映像を示す映像データを編集対象としてもよい。
【0026】
本装置10による映像データ編集の内容について概説すると、本装置10は、作業映像の再生期間中の区切り目に相当する時点に所定の音声が発生するように、当該作業映像を示す映像データを編集する。「区切れ目」とは、作業映像の再生期間を区切るために設定されたものである。より具体的に説明すると、作業を構成する各工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、工程を構成する各単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点が区切れ目として設定されている。「所定の音声」とは、区切れ目を報知するための報知音であり、区切れ目に応じて設定された音声に相当する。なお、報知音としては、ブザー音、チャイム音、アラーム音、短い音楽(ジングル)等が利用可能である。
【0027】
そして、本装置10によって編集された映像データ(編集後映像データ)に基づいて作業映像を再生すると、その再生期間において上記の区切れ目に相当する時点に到達すると、上記の報知音が発生する(鳴る)ようになる。このように映像の再生期間中の区切れ目に相当する時点で報知音が発生することにより、映像を見る者(視聴者)は、映像再生期間中の区切れ目を的確に認識することが可能となる。これにより、例えば、ある作業Pの作業映像を見ている視聴者は、当該映像の再生期間中、ある作業Pを構成する工程や単位作業の開始時点又は終了時点に到達すると、その時点を報知音にて認知するようになる。この結果、視聴者は、ある作業Pがどのような手順にて進行するのか、及び、各工程や各単位作業がどのような要領で行われるのかを把握することが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態では、作業映像の再生期間中、最初に現れる区切れ目が一番目の工程の開始時点に相当し、最後に現れる区切れ目が最終工程(具体的には四番目の工程D)の終了時点に相当する。また、それ以外の区切れ目は、ある工程若しくは単位作業の終了時点に相当し、かつ、その直後の工程若しくは単位作業の開始時点に相当する。つまり、本実施形態において、ある工程若しくは単位作業の終了時点に相当する区切れ目は、その直後の工程若しくは単位作業の開始時点と一致している。ただし、これに限定されるものではなく、ある工程若しくは単位作業の終了時点と、その直後の工程若しくは単位作業の開始時点とが互いに異なるタイミングであり、それぞれの時点が別々の区切れ目として設定されてもよい。
【0029】
<<本実施形態に係る映像データ編集装置の構成及び機能>>
次に、本装置10の構成について説明する。本装置10は、コンピュータによって構成され、例えばパソコンによって構成されている。ただし、これに限定されるものではなく、本装置10がネットワーク上のサーバコンピュータによって構成されてもよい。すなわち、サーバコンピュータが本装置10の機能を備え、当該機能を利用するためのサービス(ASPサービスやクラウドサービス)を提供し、スマートフォンやタブレット等のクライアント端末でそのサービスを利用する構成であってもよい。
【0030】
以下の説明では、本装置10がパソコンによって構成されていることとする。すなわち、本装置10は、
図1に示すように、CPU1、メモリ2、ハードディスクドライブ3(
図1では、HDDと表記)、キーボードやマウス等の入力装置4、ディスプレイ5及びスピーカ6を有する。
図1は、本装置10の構成を示す図であり、厳密には、本装置10を構成するパソコンのハードウェア構成を示している。
【0031】
また、ハードディスクドライブ3には、パソコンを本装置10として機能させるためのコンピュータプログラム(以下、データ編集プログラム)が格納されている。このデータ編集プログラムは、本発明のコンピュータプログラムに相当する。そして、データ編集プログラムがCPU1によって読み出されて実行されることで、本装置10を構成するパソコンは、本装置10の機能を発揮し、映像データを編集するための一連の処理を実行する。
【0032】
次に、本装置10の機能について説明する。本装置10は、
図2に図示された複数の機能部、具体的には映像データ記憶部11、映像再生部12、音声発生部13、操作受け付け部14、区切れ目記憶部15及びデータ編集部16を有する。
図2は、本装置10の構成を機能面から示した図である。
【0033】
上述した各機能部は、本装置10を構成するパソコンのハードウェア機器とデータ編集プログラムとが協働することで実現される。以下、各機能部について説明する。
【0034】
(映像データ記憶部11)
映像データ記憶部11は、本装置10が取得した映像データを記憶する。映像データ記憶部11が記憶する映像データは、2種類あり、本装置10による編集処理が未だ行われていない編集前映像データD1、及び編集済みの編集後映像データD2である。編集前映像データD1は、カメラ等によって撮影された映像及び音声をそのまま再生するためのデータ(厳密には、動画ファイル)である。編集後映像データD2は、区切れ目に相当する時点に報知音が組み込まれるように編集前映像データD1を編集したものである。
【0035】
本実施形態において、映像データ記憶部11には、作業Pの作業映像を示す映像データが記憶されている。この映像データは、作業Pの開始時点から終了時点までに亘って当該作業Pの様子を記録した作業映像を示すデータとなっている。すなわち、映像データ記憶部11に記憶されている映像データが示す作業Pの作業映像は、作業Pの実施期間全体を含んだ期間に撮影された映像となっている。なお、本実施形態において、映像データ記憶部11に記憶されている映像データが示す作業Pの作業映像は、作業Pの開始時点よりも幾分早い時点に撮影され、かつ、作業Pの終了時点よりも幾分遅い時点まで撮影され続けたものとなっている。
【0036】
(映像再生部12)
映像再生部12は、映像データ記憶部11に記憶された映像データが示す映像を再生させ、当該映像をディスプレイ5に表示させる。なお、映像データ記憶部11に記憶された映像データのうち、編集前映像データD1を読み出すことで表示される映像と、編集後映像データD2を読み出すことで表示される映像とは、同一である。
【0037】
(音声発生部13)
音声発生部13は、映像データが示す映像中に組み込まれた音声を発生させ、スピーカ6から当該音声を発する。なお、映像データ記憶部11に記憶された映像データのうち、編集前映像データD1が示す映像中に組み込まれた音声は、当該映像の撮影時に集音された音声であり、作業Pの実施期間の中で発生した作業音や作業者の声等である。他方、編集後映像データD2が示す映像中に組み込まれた音声は、当該映像の撮影時に集音された音と、区切れ目を報知するための報知音である。つまり、音声発生部13は、編集後映像データD2が示す映像の再生期間中、区切れ目に相当する時点で報知音を発生させる。
【0038】
より具体的に説明すると、ある作業Pの作業映像を示す編集後映像データD2を読み出して当該作業映像を再生する間、音声発生部13は、ある作業Pにおける作業音や作業者の声に相当する音声を発生させる。それと共に、音声発生部13は、ある作業Pを構成する工程の開始時点又は終了時点に相当する時点、及び、各工程を構成する単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点で報知音を発生させる。なお、以下では、工程の開始時点又は終了時点に相当する時点で発生させる報知音を、「第一報知音」と呼び、単位作業の開始時点又は終了時点に相当する時点で発生させる報知音を、「第二報知音」と呼ぶ。
【0039】
なお、本実施形態では、前述したように、ある工程を構成する単位作業のうち、最終の単位作業の終了時点に相当する区切れ目が次の工程の開始時点と一致する。そして、本実施形態では、当該区切れ目を報知するために第一報知音を発生させることにしている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の区切れ目を報知する際に第二報知音を発生させてもよく、あるいは、第一報知音及び第二報知音の双方を発生させてもよい。
【0040】
(操作受け付け部14)
操作受け付け部14は、本装置10の操作者の指定操作を受け付ける。「指定操作」とは、編集前映像データD1が示す映像の再生期間において区切れ目の設定箇所を指定するために操作者が行う操作である。
【0041】
より具体的に説明すると、操作者が指定操作を行うに際して、
図3に図示の操作画面がディスプレイ5に描画される。
図3は、操作画面の一例を示す図である。そして、操作受け付け部14は、上記の操作画面を通じて操作者の指定操作を受け付ける。以下、
図3を参照しながら、操作画面及び指定操作について詳しく説明する。
【0042】
操作画面は、データ編集プログラムを起動した上で操作者が所定の画面操作を行うことによりディスプレイ5に描画される。この操作画面の構成について説明すると、
図3に示すように、画面左側には映像再生領域S1が設けられている。この映像再生領域S1には、映像データ記憶部11に記憶された映像データが示す映像が表示される。なお、指定操作を行うに際して、映像再生領域S1には編集前映像データD1が示す映像が表示される。
【0043】
また、映像再生領域S1の右上には、映像データが示す映像の開始時からの経過時点が表示されている。また、映像再生領域S1の下方位置には、映像再生に関わる各種の操作ボタン及び再生バーが配置されている。
【0044】
そして、操作者が映像データ記憶部11に記憶された映像データ(厳密には、編集前映像データD1)の中から一つを選択して操作画面中の再生ボタンを押すと、選択された映像データが示す映像が再生されて映像再生領域S1に表示されるようになる。映像再生領域S1に映像が表示されている間、操作者は、当該映像を視聴しながら、区切り目に相当する時点に達したときに所定の操作(例えば、入力装置4としてのマウスの左ボタンをクリック操作)を行う。かかる操作が指定操作に該当する。
【0045】
指定操作について具体例を挙げながらより詳しく説明すると、作業Pの作業映像を示す編集前映像データD1を選択して再生ボタンを押すと、作業Pの作業映像が映像再生領域S1に表示されるようになる。操作者は、当該作業映像を視聴しながら、区切れ目に相当する時点に達したときに上記の指定操作を行う。
【0046】
より具体的に説明すると、操作者は、先ず、作業映像の再生期間中、作業Pを構成する工程のうちの最初の工程Aの開始時点で指定操作を行う。その後、操作者は、工程Aの終了時点で指定操作を行い、引き続き作業映像を視聴しながら、二番目の工程B、三番目の工程C及び最後の工程Dのそれぞれの終了時点で指定操作を行う。以上の手順により、作業Pの作業映像の再生期間に対して、各工程の開始時点又は終了時点に相当する区切れ目が設定される。
【0047】
なお、本実施形態において、区切れ目は、映像開始時からの経過時間tによって表される。例えば、
図4に図示するように、工程Aの開始時点に相当する区切れ目は、映像開始時からの経過時間tがTAとなる時点に設定され、工程Dの終了時点に相当する区切れ目は、映像開始時からの経過時間tがTEとなる時点に設定される。
図4は、作業Pの作業映像の再生期間に対して設定される区切れ目についての説明図であり、各区切れ目の設定箇所を模式的に示した図である。なお、
図4中、記号Tedは、作業Pの作業映像の終了時点(つまり、撮影終了時点)を示している。
【0048】
次に、操作者は、上記の工程のうち、複数の単位作業からなる工程(具体的には、三番目の工程C)を特定する。そして、操作者は、特定した工程の映像が再生される期間に対して更に区切れ目を設定するために指定操作を行う。具体的に説明すると、操作者は、作業Pの作業映像のうち、三番目の工程Cの映像を特定するための操作として、後述する動作リスト領域S2に表示されたレコードのうち、工程Cのレコードを選択する。その上で操作者が操作画面中の再分割ボタンBtをクリックすると、工程Cの映像(厳密には、工程Bの終了時点として設定された区切れ目から、工程Cの終了時点として設定された区切れ目に相当する期間の映像)が映像再生領域S1に表示されるようになる。操作者は、工程Cの映像を視聴しながら、区切れ目に相当する時点に達したときに上記と同様の手順にて指定操作を行う。
【0049】
より具体的に説明すると、操作者は、工程Cの映像の再生期間中、一番目の単位作業C1及び二番目の単位作業C2の終了時点で指定操作を行う。以上の手順により、作業Pの作業映像(より厳密には、工程Cの映像)の再生期間に対して、工程Cを構成する各単位作業の終了時点に相当する区切れ目が設定される。具体的には、
図4に示すように、単位作業C1の終了時点に相当する区切れ目は、映像開始時からの経過時間tがTC1となる時点に設定され、単位作業C2の終了時点に相当する区切れ目は、映像開始時からの経過時間tがTC2となる時点に設定される。ちなみに、工程Cを構成する単位作業のうち、最終の単位作業C3の終了時点に相当する区切れ目については、工程Cの終了時点として既に設定されているため、単位作業C3の終了時点として改めて設定されることはない。
【0050】
操作画面の説明に戻ると、操作画面の右側には、
図3に示すように動作リスト領域S2が設けられている。この動作リスト領域S2には、区切れ目にて映像を区切った際の区切れ目間の範囲(以下、動作と呼ぶ)のレコードが表示されている。各動作のレコードには、動作番号、動作の内容、該当する工程、該当する単位作業、開始時点及び終了時点が収録されている。ただし、各動作のレコードに収録される情報については上記の情報に限定されるものではなく、上記以外の情報(例えば、各動作の所定時間等)が含まれてもよい。
【0051】
動作番号は、各動作に対して割り当てられた番号であり、最初の動作から順に大きくなるように割り当てられる。動作の内容は、何を行っている動作であるのかを示した文字情報であり、入力装置4であるキーボードによって入力される。該当する工程は、複数の工程からなる作業の作業映像を区切れ目にて動作毎に区切った場合に各動作が何の工程に属するのかを示している。該当する単位作業は、作業中のある工程の映像を区切れ目にて動作毎に区切った場合に各動作が何の単位作業に属するのかを示している。開始時点は、各動作の開始時点であり、厳密には、工程又は単位作業の開始時点に相当する区切れ目として設定された時点である。終了時点は、各動作の終了時点であり、厳密には、工程又は単位作業の終了時点に相当する区切れ目として設定された時点である。なお、開始時点及び終了時点は、いずれも映像開始時からの経過時間tによって表される。
【0052】
動作レコードについて
図3を参照しながらより詳しく説明すると、
図3に図示した操作画面の動作リスト領域S2には、作業Pの作業映像を上述した区切り目にて動作毎に区切ったときの各動作のレコードが表示されている。
【0053】
具体的に説明すると、動作番号が「1」の動作に関するレコードは、工程Aに関する情報を示している。動作番号が「2」の動作に関するレコードは、工程Bに関する情報を示している。動作番号が「3」〜「5」の動作に関するレコードは、工程Cに関する情報を示している。このうち、動作番号が「3」の動作に関するレコードは、工程C中の一番目の単位作業C1に関する情報を示しており、動作番号が「4」の動作に関するレコードは、二番目の単位作業C2に関する情報を示しており、動作番号が「5」の動作に関するレコードは、三番目の単位作業C3に関する情報を示している。動作番号が「6」の動作に関するレコードは、工程Dに関する情報を示している。
【0054】
また、動作リスト領域S2に表示された動作レコードの中から、いずれかのレコードを選択する操作を行い、その後に操作画面中の再分割ボタンBtをクリックすると、前述したように、選択された動作の映像が再生されて映像再生領域S1に表示されるようになる。そして、選択された動作映像が再生されている間に操作者が指定操作を行うと、選択された動作の映像の再生期間に対して区切れ目が設定されるようになる。すなわち、選択された動作が新たに設定された区切れ目によって細分化されるようになる。このため、操作者が工程に相当する動作を選択して再分割ボタンBtを押した上で指定操作を行うと、当該工程の映像が単位作業毎に区切られるようになる。
【0055】
(区切れ目記憶部15)
区切れ目記憶部15は、上述した要領にて設定された区切れ目を記憶している。厳密に説明すると、区切れ目記憶部15は、編集前映像データD1が示す映像の再生期間中に操作受け付け部14が指定操作を受け付けた時点を区切れ目として記憶している。また、本実施形態において、各区切れ目は、前述したように映像開始時からの経過時間tにて表されている。このため、区切れ目記憶部15は、映像開始時から各区切れ目までの経過時間tを、区切れ目毎に記憶していることになる。
【0056】
図4を参照しながら、作業Pの作業映像の再生期間に対して設定された区切れ目を例に挙げて説明すると、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTAとなる時点に設定された区切れ目を、工程Aの開始時点に相当する区切れ目として記憶している。また、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTBとなる時点に設定された区切れ目を、工程Aの終了時点(換言すると、工程Bの開始時点)に相当する区切れ目として記憶している。同様に、映像開始時からの経過時間tがTCとなる時点は、工程Bの終了時点(換言すると、工程Cの開始時点)に相当する区切れ目として記憶されている。
【0057】
また、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTC1となる時点を、工程C中の一番目の単位作業C1の終了時点(換言すると、二番目の単位作業C2の開始時点)に相当する区切れ目として記憶している。同様に、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTC2となる時点を、工程C中の二番目の単位作業C2の終了時点(換言すると、最終の単位作業C3の開始時点)に相当する区切れ目として記憶している。また、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTDとなる時点を、工程Cの終了時点(換言すると、工程Dの開始時点)に相当する区切れ目として記憶している。また、区切れ目記憶部15は、映像開始時からの経過時間tがTEとなる時点を、工程Dの終了時点に相当する区切れ目として記憶している。
【0058】
(データ編集部16)
データ編集部16は、映像データ(厳密には、編集前映像データD1)を編集するものである。本実施形態において、データ編集部16は、編集後映像データD2が示す映像の再生期間中、区切れ目に相当する時点に音声発生部13が報知音を発生させるように映像データを編集する。
【0059】
データ編集部16による映像データの編集について説明すると、本実施形態において、データ編集部16は、作業Pの作業映像を示す映像データを編集する。作業Pは、前述したように、4つの工程からなり、そのうちの一つの工程が3つの単位作業によって構成されている。また、作業Pの作業映像の再生期間に対して設定される区切り目は、各工程の開始時点又は終了時点、及び、各単位作業の開始時点又は終了時点に設定される。また、設定された各区切れ目は、区切れ目記憶部15に記憶される。
【0060】
データ編集部16は、作業Pの作業映像の再生期間に対して設定された区切り目を、区切れ目記憶部15から読み出して特定する。そして、データ編集部16は、作業Pの作業映像の再生期間中、特定した区切れ目に相当する時点に報知音を発生させるように、作業Pの作業映像を示す映像データ(編集前映像データD1)を編集する。
【0061】
より詳しく説明すると、データ編集部16は、特定した区切れ目が作業Pを構成する工程の開始時点又は終了時点に相当する場合には、当該区切れ目に相当する時点に第一報知音を発生させるように、作業Pの作業映像を示す映像データを編集する。他方、特定した区切れ目がある工程中の単位作業の開始時点又は終了時点に相当する場合には、当該区切れ目に相当する時点に第二報知音を発生させるように、作業Pの作業映像を示す映像データを編集する。
【0062】
また、本実施形態では、第一報知音と第二報知音とが互いに異なる音声となっている。これにより、報知音が発生した際に、その報知音が第一報知音及び第二報知音のどちらであるのかを容易に聞き分けることが可能となる。この結果、報知音により区切れ目を認識する際に、工程の開始時点又は終了時点に相当する区切れ目であるのか、あるいは単位作業の開始時点又は終了時点に相当する区切れ目であるのかを容易に識別することが可能となる。ちなみに、「異なる音声」とは、メロディや音色若しくは音階等が異なる音声を意味する。
【0063】
なお、本実施形態では、前述したように、ある工程を構成する単位作業のうち、最終の単位作業の終了時点に相当する区切れ目が次の工程の開始時点と一致する。そして、データ編集部16は、当該区切れ目に相当する時点に第一報知音が発生するように映像データを編集する。ただし、これに限定されるものではなく、上記の区切れ目に相当する時点に第二報知音が発生するように映像データを編集してもよく、あるいは、第一報知音及び第二報知音の双方が発生するように映像データを編集してもよい。
【0064】
また、データ編集部16は、作業Pの作業映像を示す編集後映像データD2を読み出して当該作業映像が再生されている間、上記の報知音がそれ以外の音声よりも大きい音量にて発生するように編集前映像データD1(厳密には、作業Pの作業映像を示す編集前映像データD1)を編集する。これにより、作業映像の再生期間中において報知音が聞き取り易くなり、区切れ目に相当する時点を容易に認識することが可能となる。
【0065】
<<本実施形態に係る映像データ編集装置の動作例>>
次に、本装置10の動作例として、本装置10による映像データの編集処理(以下、映像データ編集フローと呼ぶ)について
図5を参照しながら説明する。
図5は、映像データ編集フローの流れを示す図である。なお、映像データ編集フローでは、本発明の映像データ編集方法が採用されている。つまり、映像データ編集フローに関する以降の説明中には、本発明の映像データ編集方法に関する説明が含まれている。
【0066】
また、以下では、作業Pの作業映像を示す映像データを編集対象として映像データ編集フローを実行するケースを例に挙げて説明することとする。
【0067】
映像データ編集フローに際して、本装置10の操作者が
図3に図示の操作画面を通じて指定操作を行う。これにより、編集対象の映像データが示す映像(具体的には、作業Pの作業映像)の再生期間に対して区切れ目が設定される。そして、設定された区切れ目は、区切れ目記憶部15に記憶される。
【0068】
その後、操作者が操作画面を通じて所定の操作(編集開始操作)を行うと、これをトリガーとして本装置10(より詳しくは、データ編集部16)が映像データ編集フローを開始する。映像データ編集フローでは、先ず、
図5に示すように本装置10が映像データ記憶部11に記憶された映像データのうち、作業Pの作業映像を示す編集前映像データD1を読み出す(S001)。その後、本装置10は、区切れ目記憶部15に記憶されている区切れ目、厳密には、作業Pの作業映像の再生期間に対して設定された区切れ目を特定する(S002)。この際、本装置10は、作業Pの作業映像の開始時から各区切れ目までの経過時間tを特定することで各区切れ目を特定する。
【0069】
そして、本装置10は、特定された各区切れ目に対して順番(作業Pの作業映像の開始時から数えたときの順番)を付した上で、最初の区切れ目から順に以降のステップを実施する。具体的に説明すると、本装置10は、先ず、順番を示すパラメータiを「1」に設定した上で(S003)、i番目の区切れ目が作業Pを構成する各工程の開始時点又は終了時点に相当するか否かを判定する(S004)。i番目の区切れ目が各工程の開始時点又は終了時点に相当すると判定した場合、本装置10は、作業Pの作業映像中、i番目の区切れ目に相当する箇所に第一報知音を組み込むように編集前映像データD1(厳密には、編集途中の映像データ)を編集する(S005)。
【0070】
一方、i番目の区切れ目が各工程の開始時点又は終了時点に相当しないと判定した場合、本装置10は、さらに、i番目の区切れ目がある工程中の単位作業の終了時点に相当するか否かを判定する(S006)。i番目の区切れ目が単位作業の終了時点に相当すると判定した場合、本装置10は、作業Pの作業映像中、i番目の区切れ目に相当する箇所に第二報知音を組み込むように編集前映像データD1(厳密には、編集途中の映像データ)を編集する(S007)。
【0071】
その後、本装置10は、順番を示すパラメータiを「+1」だけインクリメントした上で(S008)、i番目の区切れ目が存在するか否かを判定する(S009)。そして、i番目の区切れ目が存在する場合、本装置10は、ステップS004〜S008を繰り返し実行する。他方、i番目の区切れ目が存在しない場合、映像データ編集フローが終了する。
【0072】
以上のような手順により映像データ編集フローが実行される結果、作業Pの作業映像の再生期間中、設定された区切れ目すべてにおいて報知音が発生するように編集された映像データ(すなわち、編集後映像データD2)が生成される。なお、生成された編集後映像データD2は、映像データ記憶部11に記憶されるようになる。
【0073】
次に、編集後映像データD2を読み出して当該データが示す映像をディスプレイ5に表示させる処理(以下、映像表示フローと呼ぶ)について
図6を参照しながら説明する。
図6は、映像表示フローの流れを示す図である。
【0074】
映像表示フローは、
図6に示すように、本装置10(厳密には、映像再生部12)が映像データ記憶部11に記憶されている編集後映像データD2を読み出すところから始まる(S011)。本装置10は、読み出した編集後映像データD2が示す映像、具体的には作業Pの作業映像を再生しディスプレイ5に表示させる(S012)。
【0075】
作業映像の再生期間中、区切れ目に相当する時点に到達すると(S013)、本装置10は、当該時点に組み込まれている報知音が第一報知音であるか否かを判定する(S014)。判定の結果、区切れ目に相当する時点に組み込まれている報知音が第一報知音である場合には、音声発生部13が第一報知音を発生させる(S015)。他方、区切れ目に相当する時点に組み込まれている報知音が第二報知音である場合には、音声発生部13が第二報知音を発生させる(S016)。
【0076】
なお、報知音を発生させる際、音声発生部13は、報知音以外の音声よりも大きい音量にて報知音を発生させる。また、音声発生部13は、第二報知音を発生させる際には、第一報知音とは異なる音声の報知音を発生させる。
【0077】
上述したステップS013〜S016は、最後の区切れ目に到達するまでの間、各区切れ目に到達する度に繰り返し実施される(S017)。そして、最後の区切れ目に到達した時点で、音声発生部13が最後の報知音(第一報知音)を発生させる。その後、作業映像の再生位置が終了位置に達した時点で(S018)、映像表示フローが終了する。
【0078】
以上のような手順により映像表示フローが実行される結果、視聴者は、作業Pの作業映像に対して設定された区切れ目、分かり易くは、作業Pを構成する工程の開始時点又は終了時点、及びある工程中の単位作業の開始時点又は終了時点を的確に認識するようになる。
【0079】
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の映像データ編集装置の構成及び動作について具体例を挙げて説明した。しかしながら、上記の実施形態は本発明の一例に過ぎず、上記以外の実施形態も考えられる。例えば、上記の実施形態では、ある映像の再生期間に対して複数の区切れ目を設定する場合、当該複数の区切れ目がすべて設定された後に、ある映像を示す映像データを編集することとした。ただし、これに限定されるものではなく、区切れ目を新たに設定する都度、上述したデータ編集処理を映像データに対して実行してもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、編集後の映像データが示す映像を再生する間、区切れ目に到達すると、その時点で報知音を発生させることになっているが、報知音のみならず、映像中に区切れ目であることを示す標識を併せて表示させてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、映像データを編集する処理(映像データ編集フロー)と、編集後映像データD2が示す映像を再生する処理(映像表示フロー)とが、共通のコンピュータによって実行されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、各処理がそれぞれ異なるコンピュータによって実行されてもよい。
【0082】
また、上記の実施形態では、ディスプレイ5に表示可能な映像が一つのみであるケースを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ディスプレイ5に複数の映像を同時表示させてもよい。かかる場合において、編集後の映像データが示す映像(すなわち、報知音が組み込まれた映像)を複数同時にディスプレイ5に表示させるときには、映像間で報知音が異なっていることが望ましい。