(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のナビゲーション装置は、路面電車を認識した場合に乗員に対して報知するのみであり、自車両の走行制御についての開示はない。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、路面電車の軌道を横断する際に適切な走行制御を行うことができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
自車両の周辺状態を認識する外界認識部と、
前記外界認識部が認識する前記周辺状態に基づいて前記自車両の目標停止位置を設定する停止位置設定部と、
前記停止位置設定部が設定した前記目標停止位置で前記自車両を一時停止させる停止制御を行う車両制御部と、を備える車両制御装置であって、
前記停止位置設定部は、
前記自車両が路面電車の軌道を横断する場合であり、かつ、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に停止線を認識する場合に、前記停止線を前記目標停止位置として設定し、
前記自車両が路面電車の軌道を横断する場合であり、かつ、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に前記停止線を認識しない場合に、前記軌道の手前の所定位置を前記目標停止位置として設定する
ことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、自車両が路面電車の軌道を横断する際に、停止線または軌道の手前の所定位置を目標停止位置とする。つまり、停止線が設定されているか否か、および、停止線を認識できるか否かに関わらず、自車両を路面電車の軌道の手前で一時停止させることができる。
【0009】
本発明において、
前記車両制御部が前記停止制御を行う場合に、前記自車両の乗員に対して停止理由を報知する報知制御を行う報知制御部を更に備えてもよい。
【0010】
上記構成によれば、乗員は、自車両が減速または停止した理由を把握することができる。
【0011】
本発明において、
前記軌道の手前で前記自車両を一時停止させるか否かの選択を促す報知制御を行う報知制御部を更に備え、
前記停止位置設定部は、乗員が前記自車両を停止させることを選択する場合に前記目標停止位置を設定してもよい。
【0012】
上記構成によれば、乗員の意志に沿った自動運転を行うことができる。例えば、自車両が軌道を横断する位置に路面電車が接近しないことを乗員が確認するのであれば、自車両を軌道の手前で一時停止させる動作を省略することができる。
【0013】
本発明において、
前記停止位置設定部は、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に前記停止線を認識しない場合に、前記軌道よりも所定距離だけ手前の位置を前記目標停止位置として設定してもよい。
【0014】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、軌道の位置を認識することができれば目標停止位置を設定することができる。
【0015】
本発明において、
前記停止位置設定部は、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に前記停止線を認識しない場合に、前記自車両と前記軌道との間で路面の色が変わる位置またはその位置から所定距離だけ離れた位置を前記目標停止位置として設定してもよい。
【0016】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、路面の色が変わる位置を認識することができれば目標停止位置を設定することができる。
【0017】
本発明において、
前記停止位置設定部は、前記自車両が直進して路面電車の軌道を横断する場合であり、かつ、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に前記停止線を認識しない場合に、前記自車両の前方を走行する先行車両が停止する位置を前記目標停止位置として設定してもよい。
【0018】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、先行車両が停止する位置を認識することができれば目標停止位置を設定することができる。
【0019】
本発明において、
前記停止位置設定部は、前記自車両が直進して路面電車の軌道を横断する場合であり、かつ、前記外界認識部が前記自車両と前記軌道との間に前記停止線を認識しない場合に、前記自車両に向かって走行する対向車両が停止する位置から所定距離だけ離れた位置を前記目標停止位置として設定してもよい。
【0020】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、対向車両が停止する位置を認識することができれば目標停止位置を設定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、停止線が設定されているか否か、および、停止線を認識できるか否かに関わらず、自車両を路面電車の軌道の手前で一時停止させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両制御装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[1.自車両10の構成]
図1に示されるように、自車両10は、各種情報を取得または記憶する入力系装置群14と、入力系装置群14から出力される情報を入力する制御機50と、制御機50から出力される各種指示に応じて動作する出力系装置群70と、を備える。本実施形態に係る車両制御装置12は、入力系装置群14と制御機50とを含む。自車両10は、制御機50により走行制御が行われる自動運転車両(完全自動運転車両を含む。)、または、一部の走行制御を支援する運転支援車両である。
【0025】
[1.1.入力系装置群14]
入力系装置群14には、外界センサ16と自車通信装置28と地図ユニット34とナビゲーション装置36と車両センサ44と選択スイッチ46とが含まれる。外界センサ16は、自車両10の周囲(外界)の状態を検出する。外界センサ16には、外界を撮像する複数のカメラ18と、自車両10と周囲の物体との距離および相対速度を検出する複数のレーダ24および1以上のLIDAR26と、が含まれる。自車通信装置28には、第1通信装置30と、第2通信装置32と、が含まれる。第1通信装置30は、他車両100に設けられる他車通信装置102との間で車車間通信を行い、他車両100の情報(車両の種類、走行状態、走行位置等)を含む外界情報を取得する。第2通信装置32は、道路110等のインフラに設けられる路側通信装置112との間で路車間通信を行い、道路情報(交通信号機に関する情報、渋滞情報等)を含む外界情報を取得する。地図ユニット34は、位置精度がセンチメートル単位以下である高精度地図を記憶する。ナビゲーション装置36は、衛星航法および/または自立航法で自車両10の位置を計測する測位部38と、地図情報42と、地図情報42に基づいて自車両10の位置から目的地までの予定経路を設定する経路設定部40と、を備える。車両センサ44は、自車両10の走行状態を検出する。車両センサ44には、図示しない車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、傾斜センサ、走行距離センサ等が含まれる。選択スイッチ46は、乗員の操作に応じて一時停止の要否の信号を出力する。
【0026】
[1.2.出力系装置群70]
出力系装置群70には、駆動力出力装置72と操舵装置74と制動装置76と報知装置78とが含まれる。駆動力出力装置72には、駆動力出力ECUと、エンジンや駆動モータ等の駆動源と、が含まれる。駆動力出力装置72は、乗員が行うアクセルペダルの操作または制御機50から出力される駆動の制御指示に応じて駆動力を発生させる。操舵装置74には、電動パワーステアリングシステム(EPS)ECUと、EPSアクチュエータと、が含まれる。操舵装置74は、乗員が行うステアリングホイールの操作または制御機50から出力される操舵の制御指示に応じて操舵力を発生させる。制動装置76には、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータと、が含まれる。制動装置76は、乗員が行うブレーキペダルの操作または制御機50から出力される制動の制御指示に応じて制動力を発生させる。報知装置78には、報知ECUと、情報伝達装置(表示装置、音響装置、触覚装置等)と、が含まれる。報知装置78は、制御機50または他のECUから出力される報知指示に応じて乗員に対する報知を行う。
【0027】
[1.3.制御機50]
制御機50はECUにより構成され、プロセッサ等の演算装置52と、ROMやRAM等の記憶装置68と、を備える。制御機50は、演算装置52が記憶装置68に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。
図2に示されるように、演算装置52は、外界認識部54と自車位置認識部56と行動計画部58と車両制御部64と報知制御部66として機能する。
【0028】
外界認識部54は、外界センサ16、自車通信装置28、地図ユニット34、ナビゲーション装置36から出力される情報に基づいて、自車両10の周辺状態を認識する。例えば、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、レーダ24およびLIDAR26により取得される情報、第1通信装置30により取得される外界情報に基づいて、自車両10の周辺で走行または停車する他車両100の存在、位置、大きさ、種類、進行方向を認識すると共に、自車両10と他車両100との距離、相対速度を認識する。また、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、レーダ24およびLIDAR26により取得される情報、地図ユニット34に記憶される高精度地図、ナビゲーション装置36に記憶される地図情報42、第2通信装置32により取得される外界情報に基づいて、道路環境に含まれる認識対象物(道路110、レーンマーク、中央分離帯、道路周辺の施設、スペース)の形状、位置を認識する。また、外界認識部54は、カメラ18により取得される画像情報、または、第2通信装置32により取得される外界情報に基づいて、交通信号機が示す信号(進行可能状態、進行不可状態)を認識する。
【0029】
自車位置認識部56は、地図ユニット34およびナビゲーション装置36から出力される情報に基づいて、自車両10の位置を認識する。
【0030】
行動計画部58は、外界認識部54および自車位置認識部56の認識結果と、入力系装置群14の検出情報および記憶情報と、に基づいて自車両10の最適な行動を計画する。行動計画部58には停止位置設定部60と行動決定部62とが含まれる。停止位置設定部60は、外界認識部54が認識する周辺状態に基づいて自車両10の目標停止位置128を設定する。行動決定部62は、発生するイベントに対応した行動を決めると共に走行制御を行う際に走行軌道および目標速度を生成する。
【0031】
車両制御部64は、行動計画部58により計画される行動に基づいて出力系装置群70を制御する。例えば、車両制御部64は、行動計画部58で生成される走行軌道に応じた操舵指令値、および、目標速度に応じた加減速指令値を算出し、駆動力出力装置72、操舵装置74、制動装置76に対して制御指示を出力する。
【0032】
報知制御部66は、行動計画部58により計画される報知行動に基づいて報知装置78に対して報知指示を出力する。
【0033】
図1に示される記憶装置68は、演算装置52により実行される各種プログラムの他に、各処理の比較や判定等に用いられる閾値等の数値を記憶する。
【0034】
[2.車両制御装置12の動作]
図3を用いて車両制御装置12の動作を説明する。本実施形態では
図4に示される2つの状況を想定する。1つは、自車両10が路面電車104の軌道124と平行する第1走行路116を走行し、第1走行路116から左折して路面電車104の軌道124を横断する状況である。1つは、自車両10が路面電車104の軌道124と交差する第2走行路118を走行し、直進して路面電車104の軌道124を横断する状況である。なお、
図4は右側通行の領域における状況を示す。
【0035】
ステップS1において、外界認識部54は、入力系装置群14から出力される最新の情報に基づいて自車両10の周辺状態を認識する。例えば、外界認識部54は、
図4に示されるような他車両100(路面電車104、先行車両106、対向車両108)、第1走行路116、第2走行路118、区画線120、軌道敷設領域122、軌道124等を認識する。
【0036】
ステップS2において、行動決定部62は、自車位置認識部56が認識する自車両10の位置と地図情報42または地図ユニット34の情報と予定経路とに基づいて自車両10に発生するイベントを判定する。
図4に示されるように、自車両10の進行方向の所定距離内に、軌道124と交差する走行予定経路がある場合、軌道124の横断というイベントが発生する。自車両10が軌道124を横断する場合(ステップS2:YES)、処理はステップS3に移行する。一方、自車両10が軌道124を横断しない場合(ステップS2:NO)、
図3に示される一連の処理は一旦終了する。
【0037】
ステップS2からステップS3に移行すると、行動決定部62は、乗員に対して報知を行うことを決定する。報知制御部66は、行動決定部62の決定に応じて報知指示を報知装置78に出力する。報知装置78、例えば表示装置または音響装置は、乗員に対して軌道124の手前で自車両10を一時停止させるか否かの選択を促すメッセージを出力する。
【0038】
ステップS4において、行動決定部62は、一時停止の要否を判定する。ステップS3で行われる報知に応じて乗員が選択スイッチ46を操作すると、選択スイッチ46から一時停止の要否信号が出力される。行動決定部62は、要信号が出力される場合または報知から所定時間内に要否信号が出力されない場合には一時停止要と判定し、否信号が出力される場合には一時停止不要と判定する。一時停止要である場合(ステップS4:YES)、処理はステップS5に移行する。一方、一時停止不要である場合(ステップS4:NO)、処理はステップS9に移行する。
【0039】
ステップS4からステップS5に移行すると、外界認識部54は、画像情報に基づいて自車両10と軌道124との間であって自車両10が軌道124を横断する位置の手前に停止線を認識できるか否かを判定する。
図4に示されるように、軌道敷設領域122と走行路114との間に区画線120が設けられる場所がある。本実施形態では、この区画線120を、自車両10が停止すべき停止線とする。外界認識部54は停止線を認識できる。外界認識部54が停止線としての区画線120を認識できる場合(ステップS5:YES)、処理はステップS6に移行する。一方、軌道敷設領域122と走行路114との間に区画線120が設けられない場所もある。このよう場所では外界認識部54は停止線を認識できない。外界認識部54が停止線としての区画線120を認識できない場合(ステップS5:NO)、処理はステップS7に移行する。
【0040】
なお、区画線120が薄い場合、外界認識部54は、信頼性が低い区画線120として認識する。ステップS5において、外界認識部54が区画線120を認識するもののその信頼性が低い場合、処理はステップS7に移行する。
【0041】
ステップS5からステップS6に移行すると、停止位置設定部60は、区画線120を目標停止位置128とする。対して、ステップS5からステップS7に移行すると、停止位置設定部60は、所定位置を目標停止位置128とする。所定位置は次のいずれかの方法により判定可能である。
【0042】
例えば、停止位置設定部60は、外界認識部54が認識する軌道124を基準位置とし、その基準位置から所定距離D1だけ手前に離れた位置を所定位置とすることができる。基準位置の手前に離れた位置というのは、基準
位置から自車両10の進入方向側に離れた位置のことをいう。外界認識部54は、カメラ18の画像情報に基づいて軌道124の位置を認識することができ、また、レーダ24の反射率の違いから軌道124の位置を認識することもできる。
【0043】
例えば、停止位置設定部60は、軌道124が敷設される軌道敷設領域122と走行路114との境界を基準位置とし、その基準位置から所定距離D2だけ手前に離れた位置を所定位置とすることができる。所定距離D2はゼロでもよい。すなわち、軌道敷設領域122と走行路114との境界自体を所定位置としてもよい。軌道敷設領域122と走行路114は路面の色が異なる。外界認識部54は、カメラ18の画像情報に基づいて軌道敷設領域122と走行路114との境界の位置を認識することができる。
【0044】
例えば、自車両10が第2走行路118を直進して路面電車104の軌道124を横断する際に、停止位置設定部60は、自車両10の前方を走行する先行車両106が停止する位置を所定位置とすることができる。
【0045】
例えば、自車両10が第2走行路118を直進して路面電車104の軌道124を横断する際に、停止位置設定部60は、自車両10に向かって走行する対向車両108が停止する位置126から所定距離D3だけ手前に離れた位置を所定位置とすることができる。
【0046】
ステップS6またはステップS7からステップS8に移行すると、行動決定部62は、自車両10を目標停止位置128で停止させるための走行軌道と目標速度を生成する。車両制御部64は、自車両10を走行軌道に沿って走行させた後に目標停止位置128で停止させるために必要な加減速指令値および操舵指令値を算出し、出力系装置群70に出力する。駆動力出力装置72、操舵装置74、制動装置76は、車両制御部64から出力される指示に応じて動作する。こうして自車両10は自車先端位置を目標停止位置128に合わせて停止する。
【0047】
また、ステップS6において、行動決定部62は、乗員に対して報知を行うことを決定する。報知制御部66は、行動決定部62の決定に応じて報知指示を報知装置78に出力する。報知装置78、例えば表示装置または音響装置は、乗員に対して停止理由を示すメッセージを出力する。
【0048】
ステップS4またはステップS8からステップS9に移行すると、行動決定部62は、自車両10に軌道124を横断させるための走行軌道と目標速度を生成する。車両制御部64は、自車両10が軌道124の手前で一時停止している場合には、自車両10の走行を開始して軌道124を横断させるための加速指令値および操舵指令値を算出し、出力系装置群70に出力する。一方、自車両10が軌道124の手前で停止していない場合には、自車両10を徐行させて軌道124を横断させるための減速指令値および操舵指令値を算出し、出力系装置群70に出力する。駆動力出力装置72、操舵装置74、制動装置76は、車両制御部64から出力される指示に応じて動作する。こうして自車両10は軌道124を横断する。
【0049】
なお、ステップS3で行われる報知処理、および、ステップS4で行われる判定処理を行うことなくステップS5移行の処理を行うようにしてもよい。
【0050】
[3.本実施形態の要点]
車両制御装置12は、自車両10の周辺状態を認識する外界認識部54と、外界認識部54が認識する周辺状態に基づいて自車両10の目標停止位置128を設定する停止位置設定部60と、停止位置設定部60が設定した目標停止位置128で自車両10を一時停止させる停止制御を行う車両制御部64と、を備える。停止位置設定部60は、自車両10が路面電車104の軌道124を横断する場合であり、かつ、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線(区画線120)を認識する場合に、停止線を目標停止位置128として設定する。また、停止位置設定部60は、自車両10が路面電車104の軌道124を横断する場合であり、かつ、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線を認識しない場合に、軌道124の手前の所定位置を目標停止位置128として設定する。
【0051】
上記構成によれば、自車両10が路面電車104の軌道124を横断する際に、停止線または軌道124の手前の所定位置を目標停止位置128とする。つまり、停止線が設定されているか否か、および、停止線を認識できるか否かに関わらず、自車両10を路面電車104の軌道124の手前で一時停止させることができる。
【0052】
車両制御装置12は、車両制御部64が停止制御を行う場合に、自車両10の乗員に対して停止理由を報知する報知制御を行う報知制御部66を更に備える。
【0053】
上記構成によれば、乗員は、自車両10が減速または停止した理由を把握することができる。
【0054】
車両制御装置12は、軌道124の手前で自車両10を一時停止させるか否かの選択を促す報知制御を行う報知制御部66を更に備える。停止位置設定部60は、乗員が自車両10を停止させることを選択する場合に目標停止位置128を設定する。
【0055】
上記構成によれば、乗員の意志に沿った自動運転を行うことができる。例えば、自車両10が軌道124を横断する位置に路面電車104が接近しないことを乗員が確認するのであれば、自車両10を軌道124の手前で一時停止させる動作を省略することができる。
【0056】
停止位置設定部60は、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線を認識しない場合に、軌道124よりも所定距離D1だけ手前の位置を目標停止位置128として設定する。
【0057】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、軌道124の位置を認識することができれば目標停止位置128を設定することができる。
【0058】
停止位置設定部60は、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線を認識しない場合に、自車両10と軌道124との間で路面の色が変わる位置またはその位置から所定距離D2だけ離れた位置を目標停止位置128として設定する。
【0059】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、路面の色が変わる位置を認識することができれば目標停止位置128を設定することができる。
【0060】
停止位置設定部60は、自車両10が直進して路面電車104の軌道124を横断する場合であり、かつ、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線を認識しない場合に、自車両10の前方を走行する先行車両106が停止する位置を目標停止位置128として設定する。
【0061】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、先行車両106が停止する位置を認識することができれば目標停止位置128を設定することができる。
【0062】
停止位置設定部60は、自車両10が直進して路面電車104の軌道124を横断する場合であり、かつ、外界認識部54が自車両10と軌道124との間に停止線を認識しない場合に、自車両10に向かって走行する対向車両108が停止する位置から所定距離D3だけ離れた位置を目標停止位置128として設定する。
【0063】
上記構成によれば、停止線を認識できなくても、対向車両108が停止する位置を認識することができれば目標停止位置128を設定することができる。
【0064】
なお、本発明に係る車両制御装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。