特許第6617612号(P6617612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6617612
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】トルク角度検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20191202BHJP
   H02K 24/00 20060101ALI20191202BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20191202BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20191202BHJP
   B62D 1/16 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   G01L3/10 317
   H02K24/00
   G01B7/30 M
   B62D5/04
   B62D1/16
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-42155(P2016-42155)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-120247(P2017-120247A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2019年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-255201(P2015-255201)
(32)【優先日】2015年12月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】村上 俊明
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−051702(JP,A)
【文献】 特開2005−257364(JP,A)
【文献】 特開2015−089255(JP,A)
【文献】 特開2010−261739(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0152034(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
G01B 7/30
G01D 5/20
B62D 1/16
B62D 5/04
H02K 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーションバーを介して連結された第1回転軸および第2回転軸と、
前記第1回転軸に設けられた第1ロータに対向配置された第1ステータと、
前記第2回転軸に設けられた第2ロータに対向配置された第2ステータと、
前記第1回転軸および前記第2回転軸のいずれか一方に固定された回転歯車と、
前記回転歯車と係合して且つ磁石が設けられた検出用歯車と、
前記回転歯車の回転に伴った前記検出用歯車の回転による前記磁石との相対的な回転に応じた出力信号を出力する磁気検出素子と、を備え、
前記第1ステータは、第1コアと、前記第1コアを覆う第1インシュレータと、前記第1インシュレータを介して前記第1コアに巻かれる第1コイルと、を有し、
前記第2ステータは、第2コアと、前記第2コアを覆う第2インシュレータと、前記第2インシュレータを介して前記第2コアに巻かれる第2コイルと、を有し、
前記第1回転軸と前記第2回転軸との回転角度差に応じた前記第1コイルの電気信号および前記第2コイルの電気信号が前記トーションバーに加わるトルクの検出値とされ、
前記磁気検出素子の出力信号が、前記第1回転軸および前記第2回転軸の前記いずれか一方の回転角度とされ、
前記回転歯車が前記第1ステータおよび前記第2ステータの間に配置され、
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータが結合されて前記第1ステータと前記第2ステータと前記回転歯車とが同軸となるように配置されているトルク角度検出装置。
【請求項2】
前記第1コアおよび前記第2コアのそれぞれには、周方向に沿ってティースが形成されており、
前記第1インシュレータのうち前記ティースを覆う部分であるティース被覆部には、前記第1コイルが巻かれて且つ、該第1コイルが前記第1インシュレータの径方向内側に変位することを規制する突起部が形成されており、
前記第2インシュレータのうち前記ティースを覆う部分であるティース被覆部には、前記第2コイルが巻かれて且つ、該第2コイルが前記第2インシュレータの径方向内側に変位することを規制する突起部が形成されており、
前記回転歯車には、当該回転歯車の軸方向において段差を生じさせる回転側段差部が当該回転歯車の周方向の全周に渡って形成され、該回転側段差部と、前記第1ステータおよび前記第2ステータのうちの少なくとも一方の前記突起部とが、前記径方向において対向して配置されている請求項1記載のトルク角度検出装置。
【請求項3】
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの径方向外側には、前記検出用歯車を収容する収容部が結合されており、
前記磁石は、前記検出用歯車の回転中心軸線上に設けられており、
前記磁気検出素子は、前記回転中心軸線上において前記検出用歯車を挟んだ両側のそれぞれに設けられた第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を含む請求項1または2記載のトルク角度検出装置。
【請求項4】
前記検出用歯車の径方向において前記磁石の外側に前記検出用歯車の軸受部を備える請求項3記載のトルク角度検出装置。
【請求項5】
前記収容部は、前記第1インシュレータの径方向外側に配置された第1収容部と、前記第2インシュレータの径方向外側に配置された第2収容部と、を備え、
前記検出用歯車は、当該検出用歯車の軸方向において段差を生じさせる検出側段差部が当該検出用歯車の全周に渡って形成されており、
前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記軸受部が形成されており、
前記検出側段差部と前記軸受部とが前記検出用歯車の径方向において互いに対向して配置されており、
前記第1収容部と前記第2収容部とが結合されている請求項4記載のトルク角度検出装置。
【請求項6】
前記収容部は、前記第1インシュレータの径方向外側に配置された第1収容部と、前記第2インシュレータの径方向外側に配置された第2収容部と、を備え、
前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記軸受部が形成されており、
前記軸受部は、前記検出用歯車の歯の径方向外側に位置する外周面に対向しており、
前記第1収容部と前記第2収容部とが結合されている請求項4記載のトルク角度検出装置。
【請求項7】
前記第1収容部は、前記第1インシュレータに結合されており、
前記第2収容部は、前記第2インシュレータに結合されている請求項5または6記載のトルク角度検出装置。
【請求項8】
前記第1磁気検出素子は、基板に実装されており、
前記基板は、その主面が、前記検出用歯車の軸方向において当該検出用歯車と対向して配置されており、
前記基板は、前記第1収容部に収容されており、
前記第1収容部には、屈曲することにより前記径方向外側および前記軸方向外側に延びるコネクタ側リードが設けられており、
前記基板の前記主面から突出するようにして延びる基板側リードが、前記コネクタ側リードのうち前記軸方向外側に延びる部分に接合されている請求項7記載のトルク角度検出装置。
【請求項9】
前記磁気検出素子は、基板に実装されており、
前記基板は、その主面が、前記検出用歯車の軸方向において当該検出用歯車と対向して配置されており、
前記第1インシュレータには、前記第1ステータの径方向外側に前記検出用歯車を収容する歯車ハウジングが結合されており、
前記第2インシュレータには、前記第2ステータの径方向外側に前記基板を収容する基板ハウジングが結合されており、
前記歯車ハウジングと前記基板ハウジングとが結合されている請求項1または2記載のトルク角度検出装置。
【請求項10】
前記回転歯車の軸と前記検出用歯車の軸とは、互いに平行に配置されている請求項9記載のトルク角度検出装置。
【請求項11】
前記基板ハウジングには、屈曲することにより前記径方向外側および前記軸方向外側に延びるコネクタ側リードが設けられており、
前記基板の前記主面から突出するようにして延びる基板側リードが、前記コネクタ側リードのうち前記軸方向外側に延びる部分に接合されている請求項9または10記載のトルク角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トーションバーに加わるトルクと、トーションバーの一方の端部の回転角度とを検出するトルク角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、ステアリングに連結された磁性体と、トーションバーを介してステアリングに連結された回転体に連結された磁石との相対位置の変化を、磁性体の磁束の変化として検出し、これをトルクの検出値とするものが記載されている。この装置では、上記回転体に回転歯車が連結されており、回転歯車に検出用歯車が係合されている。そして、検出用歯車には、磁石が設けられており、磁石に対向配置された磁気検出素子が、磁気検出素子と磁石との相対的な回転角度に応じた信号を上記回転体の回転角度の検出値として出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−65367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記装置の場合、回転歯車や検出用歯車は、トルク検出のための部材に対して外側に設けられているため、トルクを検出する装置と回転角度を検出する装置とを単に隣接配置したものとほとんど変わらない。このため、トルクを検出する装置と回転角度を検出する装置とを一体的にすることにより、装置が大型化する。
【0005】
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転角度およびトルクの双方を検出可能としつつも装置の大型化を極力抑制できるようにしたトルク角度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.トルク角度検出装置は、トーションバーを介して連結された第1回転軸および第2回転軸と、前記第1回転軸に設けられた第1ロータに対向配置された第1ステータと、前記第2回転軸に設けられた第2ロータに対向配置された第2ステータと、前記第1回転軸および前記第2回転軸のいずれか一方に固定された回転歯車と、前記回転歯車と係合して且つ磁石が設けられた検出用歯車と、前記回転歯車の回転に伴った前記検出用歯車の回転による前記磁石との相対的な回転に応じた出力信号を出力する磁気検出素子と、を備え、前記第1ステータは、第1コアと、前記第1コアを覆う第1インシュレータと、前記第1インシュレータを介して前記第1コアに巻かれる第1コイルと、を有し、前記第2ステータは、第2コアと、前記第2コアを覆う第2インシュレータと、前記第2インシュレータを介して前記第2コアに巻かれる第2コイルと、を有し、前記第1回転軸と前記第2回転軸との回転角度差に応じた前記第1コイルの電気信号および前記第2コイルの電気信号が前記トーションバーに加わるトルクの検出値とされ、前記磁気検出素子の出力信号が、前記第1回転軸および前記第2回転軸の前記いずれか一方の回転角度とされ、前記回転歯車が前記第1ステータおよび前記第2ステータの間に配置され、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータが結合されて前記第1ステータと前記第2ステータと前記回転歯車とが同軸となるように配置されている。
【0007】
上記構成では、第1ステータと第2ステータとの間に回転歯車が配置されている。そして、第1ステータと第2ステータとは、同軸に配置されて互いのインシュレータ同士が結合されている。このため、回転歯車のハウジングを、インシュレータを流用することによって構成することができる。したがって、回転角度およびトルクの双方を検出可能としつつも装置の大型化を極力抑制できる。
【0008】
2.上記1記載のトルク角度検出装置において、前記第1コアおよび前記第2コアのそれぞれには、周方向に沿ってティースが形成されており、前記第1インシュレータのうち前記ティースを覆う部分であるティース被覆部には、前記第1コイルが巻かれて且つ、該第1コイルが前記第1インシュレータの径方向内側に変位することを規制する突起部が形成されており、前記第2インシュレータのうち前記ティースを覆う部分であるティース被覆部には、前記第2コイルが巻かれて且つ、該第2コイルが前記第2インシュレータの径方向内側に変位することを規制する突起部が形成されており、前記回転歯車の外周面には、当該回転歯車の軸方向において段差を生じさせる回転側段差部が当該回転歯車の周方向の全周に渡って形成され、該回転側段差部と、前記第1ステータおよび前記第2ステータのうちの少なくとも一方の前記突起部とが、前記径方向において対向して配置されている。
【0009】
上記構成では、回転歯車の回転側段差部と、突起部とが径方向において対向して配置されることによって、回転歯車が径方向に変位することが、突起部によって規制される。ここで、突起部は、コイルが径方向内側に変位するのを規制するために用いられるものであるため、回転歯車の径方向への変位を規制するために新たに部材を設けることなく、回転歯車の径方向への変位を規制することができる。
【0010】
3.上記1または2記載のトルク角度検出装置は、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの径方向外側には、前記検出用歯車を収容する収容部が結合されており、前記磁石は、前記検出用歯車の回転中心軸線上に設けられており、前記磁気検出素子は、前記回転中心軸線上において前記検出用歯車を挟んだ両側のそれぞれに設けられた第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を含む。
【0011】
上記構成では、磁気検出素子および磁石の双方を回転中心軸線上に設けるために、それらの少なくとも一方を回転中心軸線から外れた位置に設ける場合と比較して、検出用歯車の回転に伴って第1磁気検出素子および第2磁気検出素子によって検出される磁束の変化が複雑化することを抑制できる。また、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子の双方を回転中心軸線上に配置することにより、検出用歯車の回転に伴って第1磁気検出素子で検出される磁束の変化と、第2磁気検出素子で検出される磁束の変化とを互いに近似させやすい。このため、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を備えた冗長設計において、それらの検出値同士の相違から少なくとも一方の異常の有無を判定しやすい。
【0012】
4.上記3記載のトルク角度検出装置において、前記検出用歯車の径方向において前記磁石の外側に前記検出用歯車の軸受部を備える。
上記構成では、磁石の外側に軸受部を備えるため、第1磁気検出素子と磁石との距離と、第2磁気検出素子と磁石との距離とを同一としやすい。このため、第1磁気検出素子によって検出される磁束と、第2磁気検出素子によって検出される磁束とを極力同一とすることができる。
【0013】
5.上記4記載のトルク角度検出装置において、前記収容部は、前記第1インシュレータの径方向外側に配置された第1収容部と、前記第2インシュレータの径方向外側に配置された第2収容部と、を備え、前記検出用歯車は、当該検出用歯車の軸方向において段差を生じさせる検出側段差部が当該検出用歯車の全周に渡って形成されており、前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記軸受部が形成されており、前記検出側段差部と前記軸受部とが前記検出用歯車の径方向において互いに対向して配置されており、前記第1収容部と前記第2収容部とが結合されている。
【0014】
上記構成では、検出用歯車の検出側段差部と軸受部とが径方向において対向して配置されることによって、検出用歯車が径方向に変位することが、軸受部によって規制される。
6.上記4記載のトルク角度検出装置は、前記収容部は、前記第1インシュレータの径方向外側に配置された第1収容部と、前記第2インシュレータの径方向外側に配置された第2収容部と、を備え、前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記軸受部が形成されており、前記軸受部は、前記検出用歯車の歯の径方向外側に位置する外周面に対向しており、前記第1収容部と前記第2収容部とが結合されている。
【0015】
上記構成では、検出用歯車の歯の外周面と軸受部とが径方向において対向して配置されることによって、検出用歯車が径方向に変位することが、軸受部によって規制される。
7.上記5または6記載のトルク角度検出装置は、前記第1収容部は、前記第1インシュレータに結合されており、前記第2収容部は、前記第2インシュレータに結合されている。
【0016】
上記構成では、第1インシュレータに第1収容部が結合されており、第2インシュレータに第2収容部が結合されているため、第1インシュレータと第2インシュレータとを結合することによって、第1収容部と第2収容部とを結合させることが可能となる。
【0017】
8.上記7記載のトルク角度検出装置において、前記第1磁気検出素子は、基板に実装されており、前記基板は、その主面が、前記検出用歯車の軸方向において当該検出用歯車と対向して配置されており、前記基板は、前記第1収容部に収容されており、前記第1収容部には、屈曲することにより前記径方向外側および前記軸方向外側に延びるコネクタ側リードが設けられており、前記基板の前記主面から突出するようにして延びる基板側リードが、前記コネクタ側リードのうち前記軸方向外側に延びる部分に接合されている。
【0018】
上記構成に代えて、コネクタ側リードを設けず、基板側リードを径方向外側に延ばす場合、基板側リードがメス端子に嵌め込まれる際に基板に応力が加わる。これに対し、上記構成では、コネクタ側リードをメス端子に嵌め込むことによって基板側リードとメス端子とを電気的に接続することができるため、基板側リードとメス端子とを電気的に接続する際、基板に応力が加わることを好適に抑制することができる。
【0019】
9.上記1または2記載のトルク角度検出装置において、前記磁気検出素子は、基板に実装されており、前記基板は、その主面が、前記検出用歯車の軸方向において当該検出用歯車と対向して配置されており、前記第1インシュレータには、前記第1ステータの径方向外側に前記検出用歯車を収容する歯車ハウジングが結合されており、前記第2インシュレータには、前記第2ステータの径方向外側に前記基板を収容する基板ハウジングが結合されており、前記歯車ハウジングと前記基板ハウジングとが結合されている。
【0020】
上記構成では、基板ハウジングおよび歯車ハウジングが結合されて且つ、それらがインシュレータに結合されているため、たとえばインシュレータと、基板ハウジング等とが結合されていない場合と比較すると、インシュレータおよび基板ハウジングを備えるトルク角度検出装置を小型化しやすい。
【0021】
10.上記9記載のトルク角度検出装置において、前記回転歯車の軸と前記検出用歯車の軸とは、互いに平行に配置されている。
上記構成では、歯車ハウジングがインシュレータの径方向外側に延びて配置されることとなり、ひいては基板ハウジングもインシュレータの径方向外側に延びて配置されることとなる。このため、インシュレータの軸方向におけるトルク角度検出装置の長さが、基板ハウジングおよび歯車ハウジングに起因して長くなることを抑制することができる。
【0022】
11.上記9または10記載のトルク角度検出装置において、前記基板ハウジングには、屈曲することにより前記径方向外側および前記軸方向外側に延びるコネクタ側リードが設けられており、前記基板の前記主面から突出するようにして延びる基板側リードが、前記コネクタ側リードのうち前記軸方向外側に延びる部分に接合されている。
【0023】
上記構成に代えて、コネクタ側リードを設けず、基板側リードを径方向外側に延ばす場合、基板側リードがメス端子に嵌め込まれる際に基板に応力が加わる。これに対し、上記構成では、コネクタ側リードをメス端子に嵌め込むことによって基板側リードとメス端子とを電気的に接続することができるため、基板側リードとメス端子とを電気的に接続する際、基板に応力が加わることを好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施形態にかかるステータの構成を示す分解斜視図。
図2】同実施形態にかかるステータおよび角度検出装置の構成を示す分解斜視図。
図3】同実施形態にかかるステータへの歯車の組みつけ構造を示す平面図。
図4】同実施形態にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図5】第2の実施形態にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図6】(a)および(b)は、同実施形態にかかる軸受部の平面図および断面図。
図7】同実施形態にかかる磁気検出素子による磁石の磁束の検出処理を模式的に示す断面図。
図8】第1の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図9】第1の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図10】第1の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図11】第2の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図12】第2の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図13】第2の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図14】(a)および(b)は、第2の実施形態にかかる軸受部の平面図および断面図。
図15】第2の実施形態の変形例にかかるトルク角度検出装置の断面構成を示す断面図。
図16】同実施形態にかかる軸受部を示す斜視図。
図17】第2の実施形態の変形例にかかる磁気検出素子による磁石の磁束の検出処理を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
以下、トルク角度検出装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1に、本実施形態にかかるトルク角度検出装置のステータの構成を示す。図1に示すように、トルク角度検出装置は、ステアリングに連結された回転軸である入力軸の回転角度を検出するための第1レゾルバの第1ステータS1と、トーションバーを介して入力軸に連結された出力軸の回転角度を検出するための第2レゾルバの第2ステータS2とを備えている。これら第1ステータS1および第2ステータS2は、軸方向Daにおいて互いに結合される。
【0027】
第1ステータS1は、電磁鋼板によって構成されている第1コア10aと、樹脂製の第1外側インシュレータ20aと、樹脂製の第1内側インシュレータ30aとを備えている。第1コア10aは、リング状のバックヨーク14aと、バックヨーク14aから径方向内側に突出したティース12aとを備えている。
【0028】
第2ステータS2は、第1ステータS1の第1コア10a、第1外側インシュレータ20a、および第1内側インシュレータ30aのそれぞれに対応する第2コア10b、第2外側インシュレータ20b、および第2内側インシュレータ30bを備えている。第2コア10bは、リング状のバックヨーク14bと、バックヨーク14bから径方向内側に突出したティース12bとを備えている。
【0029】
トルク角度検出装置は、また、角度を検出するための部材として、入力軸に連結される回転歯車50および、回転歯車50に係合される検出用歯車60、検出用歯車60に係合される検出用歯車70、および基板80を備えている。基板80は、検出用歯車60,70の回転角度を検出することによって、回転歯車50の回転角度を検出する磁気検出素子が実装されたものである。
【0030】
上記第1外側インシュレータ20aには、径方向Drに突出するようにして、樹脂製の歯車ハウジング22aが第1外側インシュレータ20aと一体的に形成されている。同様、第2外側インシュレータ20bには、径方向Drに突出するようにして、樹脂製の基板ハウジング22bが第2外側インシュレータ20bと一体的に形成されている。
【0031】
第1内側インシュレータ30aや第2内側インシュレータ30bは、嵌合部44を備え、嵌合部44に、中空円筒状のブッシュ42が嵌め込まれることにより、軸方向Daにおいて結合される。また、第1コア10aおよび第2コア10bには、挿入孔46が形成されており、ブッシュ42および挿入孔46を貫通するようにしてボルトが挿入されることにより、第1ステータS1および第2ステータS2を備えるステータユニット40が、ステータユニット40を収容するハウジングに固定される。
【0032】
図2に示すように、第1外側インシュレータ20aおよび第1内側インシュレータ30aは、上記第1コア10aに第1コイル18aが巻かれた状態において、第1コア10aと第1コイル18aとの間に介在して第1コイル18aが第1コア10aに直接接触しないようにしている。これにより、第1外側インシュレータ20aおよび第1内側インシュレータ30aは、第1コイル18aを保護する保護部材となっている。また、第2外側インシュレータ20bおよび第2内側インシュレータ30bは、上記第2コア10bに第2コイル18bが巻かれた状態において、第2コア10bと第2コイル18bとの間に介在して第2コイル18bが第2コア10bに直接接触しないようにしている。これにより、第2外側インシュレータ20bおよび第2内側インシュレータ30bは、第2コイル18bを保護する保護部材となっている。
【0033】
詳しくは、第1内側インシュレータ30aのうちティース12aを覆う部分であるティース被覆部24aには、第1コイル18aが第1内側インシュレータ30aの径方向内側に変位することを規制する突起部25aが形成されている。突起部25aは、軸方向Daに突出した部分である。同様、第2内側インシュレータ30bのうちティース12bを覆う部分であるティース被覆部24bには、第2コイル18bが第2内側インシュレータ30bの径方向内側に変位することを規制する突起部25bが形成されている。突起部25bは、軸方向Daに突出した部分である。
【0034】
また、検出用歯車60には、その外周に、径方向外側に突出した歯62が形成されており、検出用歯車70には、その外周に、径方向外側に突出した歯72が形成されている。そして、歯62および歯72が係合することによって、検出用歯車60から検出用歯車70に回転動力を伝達可能となっている。また、検出用歯車60の回転中心付近には、永久磁石90が固定されており、検出用歯車70の回転中心付近には、永久磁石92が固定されている。
【0035】
永久磁石90は、基板80に実装された磁気検出素子82に対向して配置され、永久磁石92は、基板80に実装された磁気検出素子84に対向して配置される。
上記回転歯車50には、その外周に径方向外側に突出した歯52が形成されている。また、回転歯車50には、その外周付近において、軸方向Daに窪んだ溝54が周方向Dcの全周に渡って連続的に形成されている。上記検出用歯車60の歯62の数と、検出用歯車70の歯72の数とは互いに相違している。そしてこれにより、検出用歯車60の回転角度と検出用歯車70の回転角度とを0〜360°の角度とした場合、回転歯車50が時計回りや反時計回りに最大限回転するまでの間に検出用歯車60の回転角度と検出用歯車70の回転角度との同じ組が複数出現することがないようになっている。
【0036】
図3に、第1内側インシュレータ30aの突起部25aが溝54に挿入された状態を示す。この状態においては、回転歯車50は、第1ステータS1の第1コア10aと同軸に配置される。そして、回転歯車50の歯52は、検出用歯車60の歯62と係合している。
【0037】
図4に、第1ステータS1および第2ステータS2を結合した状態における断面図を示す。図4に示す断面は、軸方向Daおよび図1に示した径方向Drの双方に平行な断面である。
【0038】
図4に示すように、入力軸112には、ロータ114が設けられており、第1ステータS1の内周面は、ロータ114に対向して配置されている。また、入力軸112にトーションバー110を介して連結された出力軸116には、ロータ118が設けられている。そして、第2ステータS2の内周面は、ロータ118に対向して配置されている。
【0039】
歯車ハウジング22aには、コネクタ側リード100が設けられている。詳しくは、コネクタ側リード100は、1つの導体がL字状に折れ曲がって、径方向Dr外側に延びる部分と軸方向Da外側に延びる部分とを有している。ここで、コネクタ側リード100は、径方向Dr外側の部分と、軸方向Da外側の部分とが、歯車ハウジング22aから露出し、それ以外の部分が、歯車ハウジング22aに埋め込まれている。径方向Dr外側に露出した部分は、メス端子に嵌め込まれる部分であり、メス端子に接続されたケーブルは、転舵輪を転舵させる転舵モータのトルクを制御する制御装置に接続される。本実施形態では、歯車ハウジング22aをインサート成形にて形成した。詳しくは、第1外側インシュレータ20aと歯車ハウジング22aとをインサート成形によって一体成型した。
【0040】
基板ハウジング22bには、コネクタ側リード102が設けられている。詳しくは、コネクタ側リード102は、1つの導体がL字状に折れ曲がって、径方向Dr外側に延びる部分と軸方向Da外側に延びる部分とを有している。ここで、コネクタ側リード102は、径方向Dr外側の部分と、軸方向Da外側の部分とが、基板ハウジング22bから露出し、それ以外の部分が、基板ハウジング22bに埋め込まれている。径方向Dr外側に露出した部分は、メス端子に嵌め込まれる部分であり、メス端子に接続されたケーブルは、上記制御装置に接続される。本実施形態では、基板ハウジング22bをインサート成形にて形成した。詳しくは、第2外側インシュレータ20bと基板ハウジング22bとをインサート成形によって一体成型した。
【0041】
なお、コネクタ側リード100が挿入されるメス端子と、コネクタ側リード102が挿入されるメス端子とは、同一のコネクタに形成されるものである。
基板80のうち磁気検出素子82が実装される主面80aとは逆側の主面80bからは、基板側リード86が屈曲しつつ軸方向Da外側まで延びており、ここで、複数のコネクタ側リード102のうちのいくつかの軸方向Da外側に露出した部分にTIG溶接されている。なお、主面とは、板を構成する互いに対向する一対の面のうち最も面積の大きい面のこととする。
【0042】
ここで、本実施形態の作用を説明する。
入力軸112にトルクが加わると、トーションバー110が捩れ、入力軸112の回転に遅れつつ出力軸116が回転する。この際、トーションバー110の捩れ量は、入力軸112のトルクと正の相関を有する。換言すれば、入力軸112の回転角度と出力軸116の回転角度との角度差は、入力軸112のトルクと正の相関を有する。入力軸112の回転角度は、ロータ114の回転角度として、第1コイル18a内の電気信号の変化として検出され、コネクタ側リード100を介して上記制御装置に出力される。出力軸116の回転角度は、ロータ118の回転角度として、第2コイル18b内の電気信号の変化として検出され、コネクタ側リード102を介して上記制御装置に出力される。ただし、ここでのコネクタ側リード102は、基板側リード86に溶接されていないもののこととする。第1コイル18aおよび第2コイル18bの一対の電気信号は、トーションバー110に加わるトルクの検出値を表現する信号として、制御装置によって処理される。
【0043】
また、入力軸112が回転すると、入力軸112に連動して回転歯車50が回転する。この際、回転歯車50は、溝54によって径方向Drへの変位が規制される。すなわち、溝54は、回転側段差部51および底部53を備えており、回転側段差部51が突起部25a,25bに径方向Drにおいて対向しているため、回転側段差部51によって、突起部25a,25bの径方向Drへの変位が規制される。回転歯車50が回転すると、回転歯車50の歯52に歯62が係合した検出用歯車60が回転し、検出用歯車60の回転によって、検出用歯車60の歯62に歯72が係合した検出用歯車70が回転する。そして、検出用歯車60の回転角度は、永久磁石90と磁気検出素子82との相対回転角度に応じた磁気検出素子82の磁気検出値として検出され、コネクタ側リード102のうち基板側リード86に接続されたものを介して制御装置に出力される。また、検出用歯車70の回転角度は、永久磁石92と磁気検出素子84との相対回転角度に応じた磁気検出素子84の磁気検出値として検出され、コネクタ側リード102のうち基板側リード86に接続されたものを介して制御装置に出力される。
【0044】
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)第1ステータS1と第2ステータS2との間に回転歯車50を配置し、第1ステータS1と第2ステータS2とを、同軸に配置して互いの第1内側インシュレータ30aと第2内側インシュレータ30bとをブッシュ42によって結合した。このため、回転歯車50のハウジングを、第1ステータS1および第2ステータS2のインシュレータを流用することによって構成することができる。したがって、回転角度およびトルクの双方を検出可能としつつも装置の大型化を極力抑制できる。
【0045】
(2)回転歯車50に、軸方向Daに窪んだ溝54を周方向Dcの全周に渡って連続的に形成し、溝54に、突起部25a,25bを挿入した。これにより、回転歯車50が径方向Drに変位することが、突起部25a,25bによって規制される。ここで、突起部25a,25bは、第1コイル18aや第2コイル18bが径方向Dr内側に変位するのを規制するために用いられるものであるため、回転歯車50の径方向Drへの変位を規制するために新たに部材を設けることなく、回転歯車50の径方向Drへの変位を規制することができる。
【0046】
(3)第1外側インシュレータ20aと、検出用歯車60,70を収容する歯車ハウジング22aとを一体成型し、第2外側インシュレータ20bと、基板80を収容する基板ハウジング22bとを一体成型し、歯車ハウジング22aと基板ハウジング22bとを結合した。これにより、たとえば第2外側インシュレータ20bと基板ハウジング22bとが結合されていない場合等と比較すると、第1外側インシュレータ20aおよび基板ハウジング22bを備えるトルク角度検出装置を小型化しやすい。
【0047】
(4)回転歯車50の軸と検出用歯車60,70の軸とを、互いに平行に配置した。これにより、検出用歯車60,70が第1コア10aや第2コア10bに対して径方向Dr外側に延びて配置されることになるため、歯車ハウジング22aが第1外側インシュレータ20aの径方向外側に延びて配置されることとなる。また、検出用歯車60,70の永久磁石90,92に対向する磁気検出素子82,84が実装された基板80の主面80a,80bも、第1コア10aや第2コア10bに対して径方向Dr外側に延びて配置されることになるため、基板ハウジング22bも第2外側インシュレータ20bの径方向外側に延びて配置されることとなる。このため、軸方向Daにおけるトルク角度検出装置の長さが、基板ハウジング22bおよび歯車ハウジング22aに起因して長くなることを抑制することができる。
【0048】
(5)基板ハウジング22bに、屈曲することにより径方向Dr外側および軸方向Da外側に延びるコネクタ側リード102を設け、基板80の主面80bから突出するようにして延びる基板側リード86を、コネクタ側リード102のうち軸方向Da外側に延びる部分にTIG溶接した。基板側リード86を径方向Dr外側に延ばしてメス端子に挿入する場合、基板側リード86がメス端子に嵌め込まれる際に基板80に応力が加わる。これに対し、本実施形態では、コネクタ側リード102をメス端子に嵌め込むことによってメス端子と基板側リード86とを電気的に導通状態とすることができるため、メス端子と基板側リード86とを電気的に導通状態とする際、基板80に応力が加わることを好適に抑制することができる。
【0049】
<第2の実施形態>
以下、トルク角度検出装置にかかる第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0050】
上記実施形態では、角度検出装置部分を、回転歯車50と、検出用歯車60,70と、永久磁石90,92と、磁気検出素子82とを備えて構成した。この場合、磁気検出素子82に異常が生じたことを検知することが困難である。これに対し、検出用歯車60,70と、永久磁石90,92と、磁気検出素子82とを、それぞれ2組ずつ備える場合には、トルク角度検出装置の大型化やコスト高を招く。そこで、本実施形態では、角度検出装置部分の信頼性を高めるために角度検出装置部分を冗長化しつつもその体格が大きくなることを抑制できるようにする。
【0051】
図5に、第1ステータS1および第2ステータS2を結合した状態における断面図を示す。図5に示す断面は、図4に示した断面に対応する。なお、図5において、図4等に記載した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。
【0052】
図5に示すように、本実施形態では、検出用歯車60の回転中心軸線La上であって永久磁石90を挟む両側のそれぞれに第1磁気検出素子82aおよび第2磁気検出素子82bのそれぞれを備えている。
【0053】
また、第1外側インシュレータ20aには、第1コア10aの径方向外側において第1収容部26aが結合されている。詳しくは、第1外側インシュレータ20aと第1収容部26aとは、インサート成形によって一体成形されている。
【0054】
第1収容部26aには、第1磁気検出素子82aが実装された基板81が収容されている。また、第1収容部26aには、コネクタ側リード100が設けられている。基板81のうち第1磁気検出素子82aが実装される主面81aとは逆側の主面81bからは、基板側リード87が軸方向Da外側まで延びており、ここで、複数のコネクタ側リード100のうちのいくつかの軸方向Da外側に露出した部分にTIG溶接されている。
【0055】
一方、第2外側インシュレータ20bには、第2コア10bの径方向外側において第2収容部26bが結合されている。詳しくは、第2外側インシュレータ20bと第2収容部26bとは、インサート成形によって一体成形されている。
【0056】
第2収容部26bには、第2磁気検出素子82bが実装された基板80が収容されている。また、第2収容部26bには、コネクタ側リード102が設けられている。基板80のうち第2磁気検出素子82bが実装される主面80aとは逆側の主面80bからは、基板側リード86が軸方向Da外側まで延びており、ここで、複数のコネクタ側リード102のうちのいくつかの軸方向Da外側に露出した部分にTIG溶接されている。
【0057】
図5に示すように、検出用歯車60は、永久磁石90や第1磁気検出素子82a、第2磁気検出素子82bよりも検出用歯車60の径方向外側に、検出用歯車の軸方向Daにおいて段差を生じさせる検出側段差部64a,64bが、検出用歯車60の全周に渡って連続的に形成されている。一方、第1収容部26aは、検出用歯車60の径方向において検出側段差部64aと対向する軸受部27aが形成されている。軸受部27aは、検出用歯車60の径方向内側が検出側段差部64aとなるようにして検出側段差部64aに接触している。また、第2収容部26bは、検出用歯車60の径方向において検出側段差部64bと対向する軸受部27bが形成されている。軸受部27bは、検出用歯車60の径方向内側が検出側段差部64bとなるようにして検出側段差部64bに接触している。
【0058】
図6(a)に、第2収容部26bのうち特に軸受部27bを、図5の左側方向から見た平面図を示し、図6(b)に、軸受部27bの断面図を示す。
ここで、本実施形態の作用について説明する。
【0059】
図7に示すように、永久磁石90は、回転中心軸線La上に、中心が位置するようにして配置されている。ここで、物体の中心とは、その物体の密度を一定とした場合の重心のこととする。そして、第1磁気検出素子82aと第2磁気検出素子82bとは、永久磁石90に対して対称的に配置されている。すなわち、第1磁気検出素子82aと第2磁気検出素子82bとは、いずれもそれらの中心が回転中心軸線La上に配置されている。しかも、第1磁気検出素子82aと永久磁石90との距離と、第2磁気検出素子82bと永久磁石90との距離とは、互いに等しい。これは、検出用歯車60の径方向において、第1磁気検出素子82aおよび第2磁気検出素子82bの長さD1と、永久磁石90の長さD2とのいずれよりも、図5に示した軸受部27a,27bの上記径方向において対向する部分同士の距離を長くしたために可能となったことである。換言すれば、検出用歯車60の径方向において永久磁石90の外側に軸受部27a,27bを備えたために可能となったことである。
【0060】
この場合、永久磁石90から第1磁気検出素子82aに入る磁束量と、永久磁石90から第2磁気検出素子82bに入る磁束量とは、互いに等しい。したがって、第1磁気検出素子82aと第2磁気検出素子82bとのそれぞれによる磁束の検出精度を同等とすることができる。なお、図7においては、永久磁石90の磁束をLmfとして模式的に示している。
【0061】
しかも、第1磁気検出素子82aおよび第2磁気検出素子82bの一対の磁気検出素子によって磁束が検出される対象となる永久磁石を、単一の永久磁石90とすることにより、一対の磁気検出素子を備えつつも部品点数を低減することができる。このため、たとえば、磁束検出のSN比を向上させるうえで磁束密度が高い永久磁石90を用いるべく、高価な希土類元素を材料として用いた永久磁石90を用いたとしても、コストの増大を抑制することができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、永久磁石92の磁束検出についても、検出用歯車70の回転中心軸線上であって且つ検出用歯車70の永久磁石92を両側から挟むようにして設けられた一対の磁気検出素子によって行う。また、検出用歯車70についても検出側段差部64a,64bと同様の段差部を備え、第1収容部26aや第2収容部26bに設けられた軸受部と対向して配置されている。
【0063】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態の上記(1),(2),(5)の効果に準じた効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(6)検出側段差部64a,64bと軸受部27a,27bとを検出用歯車60の径方向において互いに対向して配置した。これにより、検出用歯車60が径方向に変位することを、軸受部27a,27bによって規制することができる。
【0064】
(7)第1収容部26aを第1外側インシュレータ20aと一体的に形成し、第2収容部26bを第2外側インシュレータ20bと一体的に形成した。これにより、第1ステータS1と第2ステータS2とを結合することによって、第1収容部26aと第2収容部26bとを結合させることが可能となる。
【0065】
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。ちなみに、「課題を解決するための手段」の欄における第1回転軸は、入力軸112に対応し、第2回転軸は、出力軸116に対応し、第1ロータは、ロータ114に対応し、第2ロータは、ロータ118に対応する。
【0066】
・「歯車ハウジングについて」
歯車ハウジング22aとしては、第1外側インシュレータ20aと一体成形されたものに限らない。たとえば、図8に示すように、検出用歯車60,70の収容部分23aを第1内側インシュレータ30aと一体成形し、コネクタ側リード100の収容部分21aを第1外側インシュレータ20aに一体成形し、これら一対の収容部分21a,23aを結合することによって、歯車ハウジング22aとしてもよい。
【0067】
さらに、コネクタ側リード100、第1コア10a、歯車ハウジング22a、第1外側インシュレータ20a、および第1内側インシュレータ30aを、インサート成形にて一体成型してもよい。
【0068】
・「基板ハウジングについて」
基板ハウジング22bとしては、第2外側インシュレータ20bと一体成形されたものに限らない。たとえば、図8に示すように、基板80の収容部分23bを第2内側インシュレータ30bと一体成形し、コネクタ側リード102の収容部分21bを第2外側インシュレータ20bに一体成型し、これら一対の収容部分21b,23bを結合することによって、基板ハウジング22bとしてもよい。
【0069】
さらに、コネクタ側リード102、第2コア10b、基板ハウジング22b、第2外側インシュレータ20b、および第2内側インシュレータ30bを、インサート成形にて一体成型してもよい。
【0070】
・「コネクタ側リードについて」
上記実施形態において例示したものに限らない。たとえば、図9に例示するように、2重に屈曲したものであってもよい。この場合、コネクタ側リード100のうち検出用歯車60に対して径方向Dr外側に突出した部分を、歯車ハウジング22aから露出させ、コネクタ側リード102のうち基板80に対して径方向Dr外側に突出した部分を、基板ハウジング22bから露出させることができる。このため、歯車ハウジング22aおよび基板ハウジング22bを結合した状態において、それらの軸方向Daの長さを極力短くすることができる。
【0071】
・「検出用歯車について」
互いに歯数の異なる2個の検出用歯車60,70からなるものに限らない。たとえば、互いに歯数が等しい2個の検出用歯車からなるものであってもよい。この場合であっても、たとえば、入力軸112の最大回転量が、検出用歯車の1回転以内のであれば、磁気検出素子82,84の出力値と、入力軸112の回転角度とを1対1に対応付けることができる。また、検出用歯車を単一の歯車としてもよい。この場合であっても、入力軸112の最大回転量が、検出用歯車の1/2回転以内のであれば、検出用歯車の磁石の磁束を検出する単一の磁気検出素子の出力値を、入力軸112の回転角度に1対1に対応付けることができる。
【0072】
検出用歯車としては、樹脂製に限らず、たとえば非磁性体である金属にて構成してもよい。
・「回転歯車について」
回転歯車50としては、入力軸112に固定するものに限らず、出力軸116に固定してもよい。また、回転歯車50を、樹脂製とする代わりに、たとえば非磁性体である金属にて構成してもよい。
【0073】
・「回転側段差部について」
上記実施形態では、溝54によって回転側段差部51を形成したが、これに限らない。たとえば、図10に例示するように、径方向Dr内側に突起部25a,25bが対向する回転側段差部51を有しつつも、径方向Dr外側に突起部25a,25bが対向する回転側段差部51を有しない構成であってもよい。逆に、径方向Dr外側に突起部25a,25bが対向する回転側段差部51を有しつつも、径方向Dr内側に突起部25a,25bが対向する回転側段差部51を有しない構成であってもよい。
【0074】
回転側段差部51としては、周方向Dcの全周に渡って連続的に形成されているものに限らず、たとえば、図14に例示した軸受部27bのように、全周に渡って断続的に形成されているものであってもよい。ただし、この場合、隣接する回転側段差部51間の隙間は、周方向Dcにおける突起部25a,25bの長さよりも短くする。
【0075】
・「軸受部について」
第2の実施形態では、第1収容部26aと第2収容部26bとの双方に軸受部(軸受部27a,27b)を備えたが、これに限らない。たとえば、図11に第2収容部26bが軸受部27bを備えて且つ第1収容部26aが軸受部27aを備えない例を示すように、いずれか一方のみが軸受部を備える構成であってもよい。なお、図11は、第1収容部26aと第2収容部26bとの断面図であり、図11において、図5に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。
【0076】
軸受部としては、検出用歯車の径方向において検出側段差部よりも外側に位置するものに限らず、内側に位置するものであってもよい。図12に、これについて例示する。図12は、第1収容部26aと第2収容部26bとの断面図であり、図12において、図5に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。図12においては、検出用歯車60の径方向において、検出側段差部65a,65bよりも内側に、第1収容部26aの軸受部28aと第2収容部26bの軸受部28bとを備える。
【0077】
さらに、軸受部が、検出用歯車の径方向において検出側段差部よりも外側に位置するものと内側に位置するものとの双方を含んでもよい。図13に、これについて例示する。図13は、第1収容部26aと第2収容部26bとの断面図であり、図13において、図5に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。図13においては、検出用歯車60の径方向において、検出側段差部64a,64bが内側となり軸受部27a,27bが外側となるようにして互いに対向しており、検出側段差部65a,65bが外側となり軸受部28a,28bが内側となるようにして互いに対向している。
【0078】
なお、第2の実施形態や上記各変形例において、軸受部27a,27b,28a,28b等の軸受部を、検出用歯車60や検出用歯車70の周方向の全周に渡って連続的に形成する代わりに、たとえば図14に軸受部27bの変形例について例示するように、軸受部を周方向の全周に渡って断続的に形成してもよい。なお、図14(a)、図14(b)は、図6(a)、図6(b)に対応するものである。
【0079】
軸受部としては、検出側段差部と対向するものに限らない。たとえば、図15に示すように、検出用歯車の径方向における外周に形成された歯62に対向しているものであってもよい。図15に、これについて例示する。図15は、第1収容部26aと第2収容部26bとの断面図であり、図15において、図5に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。図15に示すように、検出用歯車60の歯62の外周面62aは、第1収容部26aの軸受部29aと、第2収容部26bの軸受部29bとのそれぞれに対向している。図16に、軸受部29a,29bの斜視図を示す。なお、軸受部が検出用歯車の歯の外周面に対向するものである場合であっても、軸受部は、第1収容部26aと第2収容部26bとの双方に形成されることは必須ではなく、いずれか一方のみに形成されてもよい。
【0080】
さらに、軸受部を、第1収容部26aと第2収容部26bとの少なくとも一方に形成するものにも限らず、たとえば、基板80の主面80aから突出させたり、基板81の主面81aから突出させたものであってもよい。
【0081】
・「検出側段差部について」
上記第2の実施形態やその変形例では、検出側段差部64a,64b,65a,65bを、検出用歯車60の全周に渡って連続的に形成したが、これに限らない。たとえば、図14に例示した変形例における場合を除き、検出側段差部を全周に渡って断続的に形成してもよい。
【0082】
なお、検出用歯車70に形成される検出側段差部についても、検出側段差部64a,64b,65a,65bと同様の変更が可能である。
・「磁石について」
永久磁石90,92の配向としては、図7に例示したものに限らず、たとえば、図17に例示したものであってもよい。
【0083】
・「回転歯車の径方向への変位を規制する手法について」
上記実施形態では、第1ステータS1側の突起部25aおよび第2ステータS2側の突起部25bを、ともに溝54に挿入したが、これに限らず、たとえば、第1ステータS1側の突起部25aおよび第2ステータS2側の突起部25bのいずれか一方のみを溝54に挿入してもよい。
【0084】
上記実施形態では、溝54に、突起部25aが挿入されることによって、回転歯車50が径方向Drに変位することを規制したが、これに限らない。たとえば、回転歯車50に、その軸方向に突出した突起部を、全周に沿って設け、突起部25aとバックヨーク14aの被覆部との間に、突起部を収容してもよい。この場合、回転歯車50の突起部によって、回転歯車50が径方向Drに変位することを規制することができる。
【0085】
・「歯車の配置について」
回転歯車50の軸と検出用歯車60,70の軸とを平行に配置するものに限らない。たとえば、検出用歯車60,70の軸を回転歯車50の軸に直交して配置してもよい。この場合、歯車ハウジング22aや基板ハウジング22bを、回転歯車50の軸方向に平行に延びるようにして配置すればよい。
【符号の説明】
【0086】
S1…第1ステータ、S2…第2ステータ、10a,10b…コア、12a,12b…ティース、14a,14b…バックヨーク、18a,18b…コイル、20a,20b…外側インシュレータ、21a,21b…収容部分,22a…歯車ハウジング、22b…基板ハウジング、23a,23b…収容部分、24a,24b…ティース被覆部、25a,25b…突起部、30a,30b…内側インシュレータ、40…ステータユニット、42…ブッシュ、44…嵌合部、46…挿入孔、50…回転歯車、52…歯、54…溝、60…検出用歯車、62…歯、70…検出用歯車、72…歯、80…基板、80a,80b…主面、82,84…磁気検出素子、86…基板側リード、90,92…永久磁石、100,102…コネクタ側リード、110…トーションバー、112…入力軸、114…ロータ、116…出力軸、118…ロータ。
図1
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