(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記潤滑剤量検出部は、前記現像部内の現像剤が付着する現像剤付着部を有し、前記現像剤付着部に付着した現像剤に光を照射した際に、当該現像剤から反射した光量から前記潤滑剤の量を検出する、
請求項1に記載の画像形成装置。
像担持体と、現像剤に含まれるトナーを前記像担持体に供給する現像部と、前記像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部とを備えた画像形成装置の潤滑剤排出制御方法であって、
前記潤滑剤供給部から前記像担持体に供給された後、前記像担持体から前記現像部に取り込まれた前記潤滑剤の量を取得し、
取得した前記潤滑剤の量に応じて前記潤滑剤を前記現像部内から排出するように前記現像部を制御する潤滑剤排出制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
【0014】
図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
【0015】
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0016】
画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部90を備える。
【0017】
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93等を備える。CPU91は、ROM92から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM93に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
【0018】
制御部90は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部90は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
【0019】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
【0020】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
【0021】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0022】
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部90から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部90に出力する。
【0023】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部90の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0024】
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
【0025】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示および説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、またはKを添えて示すこととする。
図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0026】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、ドラムクリーニング装置415および潤滑剤塗布装置416等を備える。感光体ドラム413は、本発明の「像担持体」に対応する。現像装置412は、本発明の「現像部」に対応する。潤滑剤塗布装置416は、本発明の「潤滑剤供給部」に対応する。
【0027】
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
【0028】
帯電装置414は、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0029】
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0030】
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。現像装置412が有する現像スリーブ412Aは、回転しながら現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム413に供給する。具体的には、現像スリーブ412Aは、図示しない現像バイアス印加部からACバイアスである現像バイアスが印加され、感光体ドラム413の表面との間で電位差が発生させられることにより、感光体ドラム413の表面にトナー像を形成する。
【0031】
また、
図3に示すように、現像装置412内に現像剤が収容される現像剤筐体412B内には、
図3における右から順に第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dが設けられている。第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dは、回転することで軸方向に現像剤を搬送するように構成されており、現像剤筐体412B内の現像剤を撹拌する。なお、
図3における現像装置412は、
図1における現像装置412よりも簡略化して図示している。
【0032】
なお、本実施の形態においては、現像剤筐体412Bに収容される現像剤量は、650g、現像スリーブ412Aにおける感光体ドラム413へのトナー搬送量は、250±100g/m
2、現像スリーブ412Aと感光体ドラム413との距離は、0.25±0.04mmに設定されている。
【0033】
また、現像装置412内には、潤滑剤濃度検出部100が設けられている。潤滑剤濃度検出部100は、第1撹拌部材412Cの上方である現像剤筐体412Bの上壁に配置され、現像装置412に収容されているトナーに付着した潤滑剤Gの濃度を検出し、その検出結果を制御部90に出力する。潤滑剤濃度検出部100の詳細については後述する。
【0034】
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード415A等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
【0035】
潤滑剤塗布装置416は、固形潤滑剤416Aと、ブラシローラー416Bと、ブレード416Cとを有している。
【0036】
固形潤滑剤416Aは、直方体状に形成されたステアリン酸亜鉛等の金属石鹸からなる潤滑剤である。ブラシローラー416Bは、固形潤滑剤416Aと感光体ドラム413の間に回転可能に配置されており、それぞれに当接している。ブラシローラー416Bは、回転することで固形潤滑剤416Aより潤滑剤Gを掻き取り、当該潤滑剤Gを保持して感光体ドラム413上に供給する。
【0037】
ブレード416Cは、ゴム状の均しブレードであり、固形潤滑剤416Aおよびブラシローラー416Bの下流側に配置され感光体ドラム413上に供給された潤滑剤Gを、感光体ドラム413に押し付けるように構成されている。このブレード416Cに潤滑剤Gが押し付けられることで、感光体ドラム413上に潤滑剤Gが塗布される。
【0038】
また、感光体ドラム413の表面に対向する適宜な位置には、潤滑剤供給量検出部416Dが設けられている。潤滑剤供給量検出部416Dは、例えば感光体ドラム413表面の反射光量等により潤滑剤Gの塗布量を検出し、検出した検出結果を制御部90に出力する。制御部90は、潤滑剤供給量検出部416Dにより検出された検出結果に基づいて感光体ドラム413上の潤滑剤Gの塗布量が一定量になるように潤滑剤塗布装置416を制御する。
【0039】
図1に示すように、中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423およびベルトクリーニング装置426等を備える。
【0040】
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421はA方向に一定速度で走行する。
【0041】
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、制御部90からの制御信号によって回転駆動される。
【0042】
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0043】
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0044】
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
【0045】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり、一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0046】
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、図示しないバイアス印加部によりバックアップローラー423Bに二次転写バイアスを印加し、用紙Sの表面側、つまり、中間転写ベルト421と当接する側にトナーと同極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
【0047】
定着部60は、用紙Sの定着面であるトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面である定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
【0048】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材または裏面側支持部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。
【0049】
上側定着部60Aは、定着面側部材である無端状の定着ベルト61、加熱ローラー62および定着ローラー63を有する。定着ベルト61は、加熱ローラー62と定着ローラー63とによって張架されている。
【0050】
加熱ローラー62は、加熱源(ハロゲンヒーター)を内蔵し、定着ベルト61を加熱する。加熱源によって加熱ローラー62が加熱され、その結果、定着ベルト61が加熱される。
【0051】
定着ローラー63は、制御部90によって駆動制御されることで時計回り方向に回転する。定着ローラー63が回転することにより、定着ベルト61および加熱ローラー62は、時計回り方向に従動回転する。
【0052】
下側定着部60Bは、裏面側支持部材である加圧ローラー64を有する。加圧ローラー64は、定着ベルト61との間で用紙Sを挟持して搬送する定着ニップを形成している。加圧ローラー64は、制御部90によって駆動制御されることで反時計回り方向に回転する。
【0053】
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
【0054】
搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対、用紙Sを画像形成部40および定着部60を通過させ機外に排出する通常搬送路53bと、定着部60を通った用紙Sの表裏を反転させた後、画像形成部40の上流で再び通常搬送路53bに合流させる反転搬送路53cとを有する。両面印刷時には、最初に通常搬送路53bを通る際に用紙Sの表面にトナー像が形成され、反転搬送路53cを通過した後、再び通常搬送路53bを通る際に用紙Sの裏面にトナー像が形成されるようになっている。
【0055】
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
【0056】
ところで、
図4に示すように、潤滑剤塗布装置416により感光体ドラム413に供給された潤滑剤Gは、感光体ドラム413の回転に伴い、現像スリーブ412Aと対向する位置まで移動する。このとき、潤滑剤Gは、現像剤に含まれるトナーTとキャリアーCからなる磁気ブラシにより感光体ドラム413の表面から掻き取られてしまう場合がある。磁気ブラシにより掻き取られた潤滑剤Gは、現像装置412内に取り込まれて現像装置412内に収容されているトナーTに付着する。トナーTに付着した潤滑剤Gは、トナーTとキャリアーCとの摩擦帯電を阻害する。その結果、現像装置412内で帯電量が低下したトナーが存在する状態や、正極負極に帯電したトナーが混在した状態が発生するので、カブリやトナー飛散等の画像不良が発生しやすくなる。
【0057】
そこで、本実施の形態では、潤滑剤濃度検出部100は、現像装置412内の現像剤に対する潤滑剤の濃度を検出する。そして、制御部90は、潤滑剤濃度検出部100により検出された潤滑剤の濃度が所定濃度(例えば、現像剤中の潤滑剤比率1at%)より大きい場合、感光体ドラム413上にトナー帯を排出することで潤滑剤を現像装置412から排出する。このようにすることで、現像装置412内に取り込まれた潤滑剤を減らすことができる。以下、潤滑剤濃度検出部100の詳細について説明する。潤滑剤濃度検出部100は、本発明の「潤滑剤量検出部」に対応し、潤滑剤の濃度は、本発明の「潤滑剤の量」に対応する。
【0058】
図5は、潤滑剤濃度検出部100を
図3におけるA−A線で切った断面で見た図である。
図6は、潤滑剤濃度検出部100を
図5におけるB−B線で切った断面で見た図である。
【0059】
図5に示すように、潤滑剤濃度検出部100は、筐体101と、発光部110と、受光部120と、現像剤付着部130と、バイアス印加部140とを有している。
【0060】
図5および
図6に示すように、筐体101は、下方に開口した箱状に形成されており、内部に発光部110および受光部120を収容している。また、筐体101の
図6における左側には堰き止め壁102が形成されている。堰き止め壁102は、現像剤付着部130(後述する蓋部131)よりも下方に突出しており、現像剤付着部130に付着したトナーTを後述する搬送部材150の回転に伴って堰き止め壁102よりも
図6における左側に行くのを堰き止めている。これにより、トナーT内における潤滑剤の濃度が検出される前に搬送部材150により当該トナーTが搬送されるのを抑制している。
【0061】
図5に示すように、発光部110は、光を発光する部分であり、筐体101の上壁の
図5における右端部に設けられている。受光部120は、発光部110が発光した光を受光する部分であり、筐体101の上壁の
図5における左端部に設けられている。現像剤付着部130は、透明に形成されており、蓋部131と、反射部132とを有している。
【0062】
蓋部131は、筐体101の開口を閉塞する位置に配置されており、バイアス印加部140に接続されている。バイアス印加部140は、制御部90の制御を受けて、トナーTとは逆極性のバイアスである所定バイアスを蓋部131に印加する。これにより、現像装置412内の現像剤に含まれるトナーTが、静電引力により蓋部131部分に付着する。
【0063】
反射部132は、蓋部131から突出しており、
図5において上方に向かうほど先細りとなるような三角柱状に形成されている。反射部132は、頂点から右斜め下に延びる第1斜面132Aと、頂点から左斜め下に延びる第2斜面132Bとを有している。第1斜面132Aは、発光部110と対向しており、発光部110から発光する光が入射するようになっている。第2斜面132Bは、受光部120と対向しており、第1斜面132Aに入射された光を受光部120に向けて反射するようになっている。
【0064】
潤滑剤濃度検出部100は、発光部110から反射部132に向けて光を照射した際に、蓋部131に付着したトナーTから反射した光量を受光部120にて受光し、当該光量を制御部90に出力する。制御部90は、トナーTから反射した光量から蓋部131に付着したトナーT内の潤滑剤の濃度を算出する。このように潤滑剤の濃度を算出することで、制御部90は、潤滑剤を現像装置412から排出する制御を実行する。
【0065】
また、潤滑剤濃度検出部100と対向する第1撹拌部材412Cには、搬送部材150が設けられている。搬送部材150は、蓋部131における反射部132が配置された部分に対向しており、トナーTを蓋部131の部分まで搬送する。搬送されたトナーTは、蓋部131に付着する。
【0066】
また、搬送部材150の内周面には2つの磁石151が互いに対向するように配置されている。搬送部材150は、磁石151により、蓋部131に付着したトナーTを保持するキャリアー(図示せず)を引き付けることにより、蓋部131からトナーTを除去する。現像装置412内には潤滑剤が取り込まれていくので、蓋部131にトナーTが付着したままだと、現在の潤滑剤の濃度を検出できない。しかし、搬送部材150により、蓋部131に付着するトナーTを除去できるので、蓋部131に付着するトナーTを最新のものにすることが可能となる。搬送部材150は、本発明の「清掃部材」に対応する。
【0067】
ところで、現像装置412内における潤滑剤の濃度が増加することで発生するカブリの発生量は、
図7に示すように、潤滑剤の濃度が大きくなるほど増加していくことが実験的に確認されている。そこで、制御部90は、現像装置412内の潤滑剤の濃度に応じて潤滑剤の排出量を変更する制御を実行する。具体的には、制御部90は、潤滑剤の濃度が大きいほど現像装置412内の潤滑剤の排出量を大きくするように現像装置412を制御する。制御部90は、例えば、
図8に示すように、潤滑剤の濃度と潤滑剤の排出量との関係が、
図7における潤滑剤の濃度とカブリの発生量との関係と同じになるように潤滑剤の排出量を制御する。このようにすることで、現像装置412内における潤滑剤の量に応じた適切な潤滑剤排出制御を行うことができる。
【0068】
また、画像形成の際に、トナーが感光体ドラム413に排出されるので、それに伴い、潤滑剤も感光体ドラム413に排出される。そのため、画像面積率が所定面積率(例えば、画像形成領域全体に対して3%)以上である場合、潤滑剤排出制御を行わなくても、現像装置412内の潤滑剤の濃度が比較的少ない濃度に抑えられる。そこで、制御部90は、感光体ドラム413に形成された画像の面積率に応じて潤滑剤の濃度を検出するか否かについて決定する。具体的に、制御部90は、感光体ドラム413における画像面積率が所定面積率以上である場合、現像装置412から潤滑剤を排出しない、つまり、潤滑剤の濃度を検出しないように制御する。これにより、潤滑剤濃度検出部100を無駄に動作させる必要がなくなり、消費電力を削減することが可能となる。感光体ドラム413における画像面積率は、例えば直近で画像形成された画像の平均画像面積率とすることができる。
【0069】
また、紙間のタイミング等のような非画像領域、つまり、感光体ドラム413にトナーが供給されないときでも、潤滑剤は感光体ドラム413に供給される。そのため、そのようなときでも、感光体ドラム413に供給された潤滑剤は、現像装置412内に取り込まれる。このようなとき、現像装置412内のトナーが排出されないので、現像装置412内の潤滑剤の濃度は増加していくことになる。しかし、例えば、ブラシローラー416Bが摩耗して感光体ドラム413への潤滑剤の供給量が不十分なものとなった場合、非画像領域のとき、感光体ドラム413上の潤滑剤の量が少ないことから、現像装置412に取り込まれる潤滑剤の量も小さくなるものと考えられる。
【0070】
そこで、制御部90は、感光体ドラム413にトナーが供給されないときにおける、現像装置412内の潤滑剤の濃度の変動量に基づいて、潤滑剤塗布装置416における感光体ドラム413への潤滑剤の供給量を変更する。制御部90は、例えば、現像装置412内の潤滑剤の濃度の変動量が小さい場合、感光体ドラム413への潤滑剤の供給量が不十分であると判断して、潤滑剤塗布装置416における感光体ドラム413への潤滑剤の供給量を大きくする。このようにすることで、感光体ドラム413への潤滑剤の供給量を適切な量とすることができる。また、制御部90は、例えばブラシローラー416Bの回転数を制御することで潤滑剤の供給量を制御することができる。
【0071】
また、固形潤滑剤416Aが枯渇したような場合、潤滑剤が感光体ドラム413に供給されなくなるので、このような場合には、非画像領域において現像装置412内に潤滑剤が取り込まれず、潤滑剤の濃度の変動が生じない。この点を鑑みて、制御部90は、感光体ドラム413にトナーが供給されないときにおける、現像装置412内の潤滑剤の濃度の変動量に基づいて感光体ドラム413に潤滑剤が供給されているか否かについて判断する制御を実行しても良い。制御部90は、感光体ドラム413へ潤滑剤が供給されていない、つまり、固形潤滑剤416Aが枯渇したと判断した場合、例えば表示部21等に潤滑剤塗布装置416の交換を促す警告を表示させると良い。
【0072】
また、現像剤付着部130にトナーが固着したような場合、潤滑剤濃度検出部100の検出精度が悪くなり、潤滑剤の濃度の変動が生じにくくなる。この場合、感光体ドラム413への潤滑剤の供給量が不十分であると判断してしまうと、感光体ドラム413へ潤滑剤が供給されているにも関わらず、感光体ドラム413への潤滑剤の供給量がさらに増やされてしまう可能性がある。そこで、制御部90は、感光体ドラム413にトナーが供給されないときにおける、潤滑剤供給量検出部416Dが検出した潤滑剤の濃度の変動量に基づいて潤滑剤濃度検出部100の検出精度の良否について判断する制御を実行しても良い。制御部90は、潤滑剤濃度検出部100の検出精度が悪いと判断した場合、例えば表示部21等に潤滑剤濃度検出部100の異常を知らせる警告を表示させると良い。
【0073】
次に、以上のような制御部90を備えた画像形成装置1における潤滑剤排出制御の動作例について説明する。
図9は、画像形成装置1における潤滑剤排出制御の動作例の一例を示すフローチャートである。
図9における処理は、連続印刷における紙間のタイミングで実行される。
【0074】
図9に示すように、制御部90は、画像面積率が所定面積率より小さいか否かについて判定する(ステップS101)。判定の結果、画像面積率が所定面積率以上である場合(ステップS101、NO)、制御部90は本制御を終了する。一方、画像面積率が所定面積率より小さい場合(ステップS101、YES)、制御部90は、蓋部131に所定バイアスを印加して蓋部131に現像剤を付着させる(ステップS102)。
【0075】
次に、制御部90は、潤滑剤の濃度が所定濃度より大きいか否かについて判定する(ステップS103)。判定の結果、潤滑剤の濃度が所定濃度以下である場合(ステップS103、NO)、制御部90は本制御を終了する。一方、潤滑剤の濃度が所定濃度より大きい場合(ステップS103、YES)、制御部90は、潤滑剤の濃度に応じた量のトナー帯を感光体ドラム413に排出する(ステップS104)。その後、制御部90は本制御を終了する。
【0076】
以上のように構成された本実施の形態に係る画像形成装置1によれば、現像装置412内の潤滑剤の濃度に応じて潤滑剤の排出制御を行うので、現像装置412内の潤滑剤の濃度が大きくなった場合に生じるカブリやトナー飛散等による画像不良が発生することを抑制することができる。
【0077】
また、現像剤付着部130に現像装置412内の現像剤を付着させて潤滑剤の濃度を検出するので、現像装置412内の潤滑剤の濃度を正確に検出することができる。
【0078】
また、現像剤付着部130に付着した現像剤を搬送部材150により蓋部131から除去するので、蓋部131に付着する現像剤を最新のものにすることができる。
【0079】
また、潤滑剤の濃度に応じて潤滑剤の排出量を変更するので、現像装置412内における潤滑剤の量に応じて適切な潤滑剤排出制御を行うことができる。
【0080】
また、画像面積率に基づいて潤滑剤の濃度検出をするか否かを決定するので、潤滑剤の濃度を検出しないと決定した場合、潤滑剤濃度検出部100を無駄に動作させるのを抑制することができる。
【0081】
なお、上記実施の形態では、トナー帯を感光体ドラム413に排出させることで、潤滑剤を現像装置412外に排出していたが、本発明はこれに限定されず、
図10に示すように、現像装置412内の現像剤を別の容器に排出することで潤滑剤を排出しても良い。
【0082】
この構成における現像装置412には、排出容器200が設けられている。排出容器200は、現像装置412の現像剤筐体412Bの底壁と連通している。排出容器200は、現像剤筐体412Bの第2撹拌部材412Dが配置された領域に対応する位置に位置している。
【0083】
図11に示すように、この構成における現像剤筐体412Bは、第1撹拌部材412Cが配置された領域よりも、第2撹拌部材412Dが配置された領域の方が
図11における左右方向に長くなるように構成されている。具体的には、現像剤筐体412Bは、第2撹拌部材412Dが配置された部分が、第1撹拌部材412Cが配置された部分よりも左側に突出して構成されている。現像剤筐体412Bにおける左側に突出した部分は、排出筐体412Eとなっている。
図12に示すように、排出容器200は、排出筐体412Eの底部に形成された開口部E1を介して現像剤筐体412B内と連通している。
【0084】
また、
図11に示すように、この構成における第2撹拌部材412Dは、第1撹拌部材412Cよりも
図11における左右方向に長く構成されており、現像剤筐体412Bにおける第1撹拌部材412Cに対応する領域および排出筐体412Eの領域に位置している。第2撹拌部材412Dは、回転軸D1と、回転軸D1に配置された第1羽部材D2および第2羽部材D3とを有している。
【0085】
第1羽部材D2は、
図11における左右方向において現像剤筐体412B内の第1撹拌部材412Cが配置された領域に位置している。第1羽部材D2は、第2撹拌部材412Dの回転により、現像剤が
図11における右から左に向かうような流れを発生させる。また、第1撹拌部材412Cは、回転することで左から右に向かう流れを発生させる。また、現像剤筐体412B内では、第1撹拌部材412Cの左右両端部に相当する位置において、第1撹拌部材412Cおよび第2撹拌部材412Dが配置された領域が繋がっているので、
図11に示すような現像剤筐体412B内を周回するように現像剤が流れる。これにより、現像剤筐体412B内の現像剤が撹拌される。
【0086】
第2羽部材D3は、現排出筐体412E内に配置されている。第2羽部材D3は、第1羽部材D2とは異なる方向を向いており、第2撹拌部材412Dの回転により、左から右に向かうような流れを発生させる。第2撹拌部材412Dが回転すると、トナーが右から左に向けて流されて、排出筐体412E内に現像剤が入り込もうとするが、第2羽部材D3により、入り込んだ現像剤が押し戻されるので、排出筐体412Eに現像剤が進入しない。
【0087】
ここで、潤滑剤の濃度が所定濃度よりも大きくなった場合、制御部90により、現像装置412内に現像剤が供給される。これにより、現像筐体412C内の現像剤量が大きくなるので、第2羽部材D3による押し戻し力に抗して現像筐体412C内から現像剤が溢れ出して排出筐体412Eに入り込む。
図12に示すように、排出筐体412E内に入り込んだ現像剤は、開口部E1を介して排出容器200に収容される。このようにして、現像剤に含まれるトナーに付着した潤滑剤が排出容器200に排出される。このような構成であっても、潤滑剤の濃度に応じて潤滑剤を現像装置412内から排出することができる。
【0088】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0089】
本発明は、画像形成装置を含む複数のユニットで構成される画像形成システムに適用できる。複数のユニットには、例えば後処理装置、ネットワーク接続された制御装置等の外部装置が含まれる。