(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記携帯情報端末の表示部に、原稿の配置位置及び方向の少なくとも一方が異なる複数の原稿台の画像を並べて表示するとともに前記複数の原稿台の画像のいずれかを選択するために設けられた複数個の設定キーの画像を表示する請求項1に記載の画像形成システム。
前記相対位置特定部は、前記携帯情報端末で撮影された画像に基づいて、前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成システム。
前記相対位置特定部は、使用者による前記携帯情報端末の入力操作に基づいて、前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成システム。
原稿台にセットされている原稿の画像を読み取る読取部を備えた画像形成装置と、情報を表示可能な表示部を備えた携帯情報端末とを接続して前記表示部に前記画像形成装置を示す画像と原稿を示す画像とを表示する原稿配置設定方法であって、
前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定するための情報を取得する情報取得工程と、
前記相対位置を特定するための情報に基づいて前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定する相対位置特定工程と、
前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置の情報に基づいて、前記携帯情報端末の表示部に、相対位置が特定された携帯情報端末からの前記原稿台の位置及び方向を示す画像と、前記原稿台にセットする原稿の配置位置及び方向を示す画像と、の表示を行う位置表示工程と、
前記携帯情報端末に対する使用者の入力操作に基づいて、前記原稿台にセットする原稿の位置及び方向を設定する情報を前記画像形成装置に送信する設定情報送信工程と、を含むことを特徴とする原稿配置設定方法。
前記位置表示工程において、前記携帯情報端末の表示部に、原稿の配置位置及び方向の少なくとも一方が異なる複数の原稿台の画像を並べて表示するとともに前記複数の原稿台の表示のいずれかを選択するために設けられた複数個の設定キーの画像を表示し、
前記複数個の設定キーのうちいずれかを選択する入力操作を受け付ける原稿設定工程を有する請求項6に記載の原稿配置設定方法。
前記相対位置特定工程には、前記携帯情報端末で前記画像形成装置を撮像した撮像データの取得を含み、前記撮像データの画像処理によって、撮像されている前記画像形成装置の特徴部分を抽出し、特徴部分の形状及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定する処理が行われる請求項6又は請求項7に記載の原稿配置設定方法。
前記相対位置を特定するための情報は、前記携帯情報端末に対する使用者による入力操作に基づく情報である請求項6又は請求項7のいずれかに記載の原稿配置設定方法。
原稿台にセットされている画像を読み取る読取部を備えた画像形成装置と、情報を表示可能な表示部を備えた携帯情報端末とを接続し、前記携帯情報端末に対する入力に基づいて動作する原稿配置設定プログラムであって、
前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定するための情報を取得し、前記相対位置を特定するための情報に基づいて前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定した後、前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置の情報に基づいて、前記携帯情報端末の表示部に、相対位置が特定された携帯情報端末からの前記原稿台の位置及び方向を示す画像と、前記原稿台における原稿の配置位置及び方向を示す画像と、の表示を行い、前記携帯情報端末に対する使用者の入力操作に基づいて、前記原稿台にセットする原稿の位置及び方向を設定する情報を前記画像形成装置に送信する機能を有することを特徴とする原稿配置設定プログラム。
前記携帯情報端末の表示部に、原稿の配置位置及び方向の少なくとも一方が異なる複数の原稿台の画像を並べて表示するとともに前記複数の原稿台の表示のいずれかを選択するために設けられた複数個の設定キーの画像を表示し、前記複数個の設定キーのうちいずれかを選択する入力操作を受け付ける機能を含む請求項10に記載の原稿配置設定プログラム。
前記携帯情報端末で前記画像形成装置を撮像した撮像データの取得を含み、前記撮像データの画像処理によって、撮像されている前記画像形成装置の特徴部分を抽出し、特徴部分の形状及び大きさの少なくとも一方に基づいて、前記画像形成装置に対する前記携帯情報端末の相対位置を特定する処理が行われる請求項10又は請求項11に記載の原稿配置設定プログラム。
前記相対位置を特定するための情報は、前記携帯情報端末に対する使用者による入力操作に基づく情報である請求項10又は請求項11のいずれかに記載の原稿配置設定プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本実施形態にかかる画像形成システムについて説明する。本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0010】
(第1実施形態)
(画像形成システムSys)
図1は本発明にかかる複合機及び携帯情報端末を含む画像形成システムの主要構成を示す機能ブロック図である。
図2は
図1の画像形成システムに含まれる複合機の一例の概略構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成システムSysは、複合機100と、複合機100と無線接続される携帯情報端末200とを含む。
【0011】
複合機100は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能及びFAX機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。しかしながら、これに限定されるものではなく、少なくとも、スキャナー機能(原稿読み取り機能)を備えた画像形成装置を広く採用することができる。
【0012】
また、携帯情報端末200は、例えば、スマートフォーン、タブレットPC等の表示部81及び操作部82を兼用するタッチ操作部と、撮像部83とを備えた携帯情報端末である。なお、携帯情報端末200は、これらに限定されるものではなく、表示部及び撮像部を備えたものを広く採用することができる。
【0013】
(複合機100)
図1に示すように、複合機100には制御部1(メイン制御基板)、印刷部2、記憶部3が設けられる。また、複合機100は、画像読取部4、原稿搬送部5、操作パネル6を含む。
図2に示すように、複合機100では、印刷部2の上方に画像読取部4が設けられ、画像読取部4の上方に原稿搬送部5が設けられる。
【0014】
制御部1は、複合機100の全体制御を司る。制御部1は、CPU11を含む。また、複合機100には、ROM、HDDやフラッシュROMのような不揮発性メモリーとRAMのような揮発性のメモリーを含む記憶部3が設けられる。記憶部3は、制御に関するプログラムやデータを記憶する。制御部1は、記憶部3のプログラムやデータを利用して各部を制御する。制御部1は、コピーや送信のようなジョブのときに行われるスキャン、印刷、送信、画像データの記憶を制御する。
【0015】
(制御部1)
制御部1には、画像読取部4から出力される画像データ、通信部7を介してコンピューター300、サーバー400及びFAX装置500等から送られた画像データ、さらには、携帯情報端末200の撮像部83で撮像された画像データ等に、基づき画像処理を行う画像処理部12が設けられる。画像処理部12は、画像データに含まれる画像の内容を読み取る。例えば、画像データが写真データであった場合、画像処理部12は、撮影画像に含まれる物体の形状、色等を判別することができる。
【0016】
また、制御部1には、携帯情報端末200の撮像部83で撮像された画像を画像処理部12で処理した後、撮像された画像の内容に基づいて、複合機100に対する携帯情報端末200(すなわち、使用者)の相対位置を特定する相対位置特定部13を備えている。なお、画像処理部12及び相対位置特定部13の動作については、後述する。
【0017】
(操作パネル6)
操作パネル6は、表示パネル61、タッチパネル62、ハードキー63を含む。タッチパネル62は、使用者のタッチ位置を検知するためのものである。制御部1は、タッチパネル62の出力に基づき、表示パネル61に表示されたキーやボタンのような操作画像のうち、操作されたものを認識する。ハードキー63は、ジョブの実行開始を指示するためのスタートキーや、数字を入力するためのテンキーを含む。制御部1は、操作パネル6の状態や各種メッセージや設定用画面を表示パネル61に表示させる。また、操作パネル6は、スキャンやコピーのようなジョブに関し、タッチパネル62、ハードキー63に対する設定操作を受け付ける。
【0018】
(印刷部2)
印刷部2は、給紙部2a、搬送部2b、画像形成部2c、定着部2d及び用紙排出部2eを含む。給紙部2aは、用紙を供給する。搬送部2bは、用紙を搬送し、印刷済み用紙を機外に排出する。画像形成部2cは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部2dは、転写されたトナー像を用紙に定着させる。制御部1は印刷部2の動作を制御する。
【0019】
図2に示すように、給紙部2aは、複数の給紙カセット21を備える。複数の給紙カセット21には用紙が収容されている。複数の給紙カセット21のそれぞれに収容された用紙は、互いに大きさ又は方向の少なくとも一方が異なる。制御部1は、使用者の指示に基づいて用紙の適切な大きさ、方向等を選択する。そして、適切な用紙が収容された給紙カセット21を選択する。そして、給紙部2aは、制御部1からの指示に従って、選択された給紙カセット21から用紙を繰り出す。
図2に示すように、給紙カセット21は、複合機100の前面側から前方(
図2において、紙面手前)に引き出し可能であり、把持部211が前面に露出している。
【0020】
図2に示すように、印刷部2と画像読取部5との間に設けられた隙間に配される排出トレイ22を備えており、定着部2dで画像が定着された用紙は、用紙排出部2eによって、排出トレイ22に排出される。排出トレイ22は、複合機100の右側に開口221を有する。
【0021】
(画像読取部4)
画像読取部4は、制御部1の制御に基づいて、画像読取部筐体の上面に装着された、原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。
図2に示すように、画像読取部4は、原稿を載置するためのコンタクトガラス41(原稿台)を備えている。画像読取部4は、さらに、コンタクトガラス41に載置された原稿を押える開閉自在の原稿押えカバー42と、コンタクトガラス41に載置された原稿又はコンタクトガラス41へ搬送される原稿の各画像を読み取る読取機構43とを備えている。
【0022】
(原稿搬送部5)
原稿搬送部5は、制御部11の制御に基づいて、原稿を画像読取部4のコンタクトガラス41に搬送する。原稿搬送部5は、原稿が載置される原稿載置台51と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部52と、原稿搬送機構53と、を備える(
図2参照)。原稿搬送機構53は、図略の給紙ローラー及び搬送ローラー等を備える。原稿搬送機構53は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台51に載置された原稿を1枚ずつ繰り出してコンタクトガラス41へ搬送する。コンタクトガラス41に搬送された原稿は読取機構43によって読み取られた後、原稿排出部52に排出される。
【0023】
さらに原稿搬送部5は、
図2の紙面奥側にヒンジ(不図示)を備えている。原稿搬送部5は、ヒンジを中心として前方がコンタクトガラス41に対して接近又は離間するように回動する。原稿搬送部5の前方側を上方に移動させてコンタクトガラス41上面を開放することにより、コンタクトガラス41の上面に原稿を使用者が載置できるようになっている。また、コンタクトガラス41の上面に原稿を載置した状態で、原稿搬送部5の前方をコンタクトガラス41に接近させる。これにより、原稿をコンタクトガラス41に押し付けることができ、画像読取部4は正確に原稿を読み取ることができる。
【0024】
複合機100では、原稿搬送部5により搬送された原稿又はコンタクトガラス41に載置された原稿を画像読取部4が光学的に読み取り、画像データを生成する。画像読取部4により生成された画像データは内蔵の記憶部3又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
【0025】
(通信部7)
複合機100は、通信部7を含む。通信部7は、無線通信が可能な構成を有しており、携帯情報端末200と無線回線を通じて接続される。また、通信部7は、PCのようなコンピューター300、サーバー400及びFAX装置500等と、有線及び(又は)無線ネットワーク、公衆回線等を介して通信可能に接続される。なお、コンピューター300、サーバー400及びFAX装置500が通信部7と無線接続される場合、これらの機器と、携帯情報端末200とは同じ無線ネットワーク上に接続されてもよい。また、携帯情報端末200だけ、他の機器とは異なるプロトコルの無線通信回線を介して通信部7と接続されてもよい。
【0026】
(携帯情報端末200)
図1に示すように、携帯情報端末200は、制御部8、表示部81、操作部82、撮像部83、記憶部84及び無線接続部85を備える。制御部8は、携帯情報端末200の全体制御を司る。制御部8は、CPUを含む。また、携帯情報端末200には、ROM、HDDやフラッシュROMのような不揮発性メモリーとRAMのような揮発性のメモリーを含む記憶部84が設けられる。記憶部84は、制御に関するプログラムやデータを記憶する。制御部8は、記憶部84のプログラムやデータを利用して各部を制御する。
【0027】
表示部81は、携帯情報端末200の状態、記憶部84に記憶されている各種情報、撮像部83で撮像した画像データ等を表示する。表示部81は、ここでは、液晶パネルを用いたものを例示できるが、それに限定されない。操作部82は、表示部81に表示されたキーやボタンに触れることで、操作を認識するタッチ入力装置を挙げることができる。また、タッチ入力装置に加えて、押しボタンのようなハードキーを備えていてもよい。
【0028】
撮像部83は、撮像素子、レンズ等(いずれも不図示)を備えており、使用者の操作に基づいて、被写体の撮像(撮影)を行う。本発明にかかる画像形成Sysでは、撮像部83で、複合機100を撮像する。そして、その撮像データを複合機100に送信し、画像処理部12で画像処理し、その後、相対位置特定部13で複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を特定する。なお、相対位置特定部13は、携帯情報端末200に対する複合機100の相対位置を特定するようにしてもよい。
【0029】
無線接続部85は、複合機100の通信部7と接続し、通信部7との間でデータの送受信を行う。なお、無線接続部85は、通信部7と直接無線接続してもよいし、無線ハブ等の機器を介して接続してもよい。無線ハブ等の機器を介して接続する場合、上述した、コンピューター300、サーバー400及びFAX装置500と同じネットワークを介して接続してもよい。本実施形態において、無線接続部85と通信部7とは、近距離無線通信を利用して接続するものであり、例えば、携帯情報端末200が複合機100に接近したときに、自動的に接続が開始されるものとする。
【0030】
(携帯情報端末200の相対位置の特定)
携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置の特定方法について説明する。
【0031】
図3は、相対位置を特定する流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、複合機100の制御部1は、通信部7が携帯情報端末200の無線接続部85と接続しているか否か確認する(ステップS101)。なお、以下の説明において、複合機100の通信部7と、携帯情報端末200の無線接続部85との接続を、単に、複合機100と携帯情報端末200との接続と称する場合がある。
【0032】
複合機100と携帯情報端末200とが接続していない場合(ステップS101でNoの場合)、制御部1は、複合機100の近傍に携帯情報端末200が存在しないと判断する。そして、制御部1は、複合機100と携帯情報端末200との接続が検出されるまで、接続の確認(すなわち、ステップS101)を繰り返す。
【0033】
通信部7が携帯情報端末200の無線接続部85との接続を確認した場合(ステップS101でYesの場合)、制御部1は、携帯情報端末200の個体識別用のIDを取得する(ステップS102)。そして、取得した個体識別用IDの携帯情報端末200に対して、予め決めた時間(例えば、現在より数分前から現在まで)の間に相対位置の特定の要否の確認を行ったか否か確認する(ステップS103)。これにより、同じ携帯情報端末200に対する相対位置の特定の要否の確認の頻度を下げることができるため、使用者が煩わしく感じるのを抑制することができる。相対位置の特定の要否の確認を行った場合(ステップS103でYesの場合)、制御部1は、複合機100と携帯情報端末200との接続の確認(すなわち、ステップS101)を繰り返す。
【0034】
予め決められた時間の間に相対位置の特定の要否の確認を行っていない場合(ステップS103でNoの場合)、制御部1は、取得した個体識別用IDの携帯情報端末200に対して、相対位置の特定を行うか否か確認する(ステップS104)。制御部1からの確認が送付されると、携帯情報端末200の制御部8は、表示部81に、
図4に示すような、使用者に対する質問画面を表示する。
図4は、携帯情報端末200の表示部81を示す図である。
図4に示すように、携帯情報端末200の表示部81には、「相対位置の特定を行いますか?」等のメッセージ401と、OKボタンM1と、キャンセルボタンM2が表示される。なお、携帯情報端末200には、複合機100からのメッセージを表示可能な機能(例えば、アプリケーション)が含まれているものとする。
【0035】
使用者によりキャンセルボタンM2が操作された場合(ステップS104でNoの場合)、制御部1は確認を送信した携帯情報端末200の個体識別IDと確認を送信した時間とを関連付けて記憶部3に記憶する(ステップS105)。そして、制御部1は、携帯情報端末200との接続の確認に戻る(ステップS101に戻る)。
【0036】
そして、使用者によりOKボタンM1が操作された場合(ステップS104においてYesの場合)、制御部1は、使用者が相対位置の特定を行うことを選択したと判断する。そして、制御部1は、携帯情報端末200の撮像部83で複合機100の撮影を行うことを使用者に促す表示を行う指示を携帯情報端末200に送る(ステップS106)。
図5に示すように、携帯情報端末200の撮像部83で複合機100の撮影を行うことを使用者に促す表示として、例えば、「複合機を撮影して、データを送信してください」等のメッセージ402の表示を挙げることができる。
【0037】
制御部1は、携帯情報端末200から複合機100の撮像データが送信されたか否か確認する(ステップS107)。制御部1は、撮像データの送信が確認されない場合(ステップS107でNoの場合)、撮像データが確認されるまで撮像データの送信の確認(ステップS107)を繰り返す。送信された撮像データを確認した場合(ステップS107でYesの場合)、制御部1は、画像処理部12で撮像データの画像処理を行い、撮像データ内に撮像された複合機100の特定を行う(ステップS108)。
【0038】
制御部1は、画像処理部12が撮像データ内で複合機100を特定できたか否か確認する(ステップS109)。複合機100が確認できなかった場合(ステップS109でNoの場合)、制御部100は、撮像の指示の送信(ステップS106)からやり直す。なお、やり直しの場合には、メッセージ402として、例えば、後述の
図15に示すような。「複合機が特定できませんでした、撮影しなおしてください」のような、やり直しの内容に変更してもよい。
【0039】
撮像データ内に複合機100が特定できた場合(ステップS109でYesの場合)、制御部1は、相対位置特定部13を起動して、特定された複合機100の撮像画像から、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置の特定を行う(ステップS110)。なお、相対位置の特定のステップの詳細については、後述する。
【0040】
以上のようにして、画像形成システムSysは、複合機100に対する携帯情報端末200、すなわち、使用者の相対位置を特定している。そして、複合機100の制御部1は、複合機100に対する携帯情報端末200の位置を、携帯情報端末200を特定するIDと関連付けて記憶部3に記憶する(ステップS111)。
【0041】
次に、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置の特定方法について具体的な例を挙げて説明する。なお、以下に示す相対位置の特定方法は、一例である。
図6は、相対位置の特定手順を示すフローチャートである。
図7は、複合機100を右側から撮像した場合の概略図であり、
図8は、複合機100を左側から撮像した場合の概略図である。なお、正面から撮像した図については、
図2を参照するものとする。
【0042】
図2、
図7及び
図8に示すように、複合機100は、正面、右面及び左面のいずれも、異なる形状、構成が撮影される。例えば、
図2に示すように、正面から撮像した撮像画像には、給紙カセット21の把持部211が表示される。また、
図7に示すように、右側から撮像した撮像画像には、排紙トレイ22の開口221が表示される。さらに、左側から撮像した撮像画像には、把持部211や開口221等の特徴部分が表示されない。把持部211は、複合機100の正面を特定する特徴部分であり、開口221は、複合機100の右側面を特定する特徴部分であるといえる。
【0043】
複合機100の相対位置特定部13は、画像処理部12にて特定された複合機100の画像から上述のような特徴部分の有無に基づいて、撮像データが撮像された画角を特定し、その画角から複合機100に対する撮像した位置、すなわち、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を特定する。なお、本実施形態では、画像処理部12と相対位置特定部13とを分けて記載しているが、実際には、一体であってもよい。
【0044】
このことに基づいた、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を特定し、携帯情報端末200の表示部に相対位置を表示する手順について説明する。なお、
図6のフローチャートは、
図3に示すフローチャートのステップS110における処理を詳細に示すものであり、
図3に示す処理に含まれるものである。
【0045】
図6に示すように、相対位置特定部13は、複合機100の画像に、把持部211が表示されているか否か確認する(ステップS1101)。把持部211が表示されている場合(ステップS1101でYesの場合)、把持部211は正面の特定部であるため、相対位置特定部13は、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を複合機100の正面と特定する(ステップS1102)。
【0046】
複合機100の画像に把持部211が表示されていない場合(ステップS1101でNoの場合)、相対位置特定部13は、複合機100の画像に排出トレイ22の開口221が表示されているか否か確認する(ステップS1103)。複合機100の画像に開口221が表示されている場合(ステップs1103でYesの場合)、開口221は、右面の特定部であるため、相対位置特定部13は、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を複合機100の右側と特定する(ステップS1104)。また、開口221が表示されていない場合(ステップS1103でNoの場合)、複合機100の画像には特定部が含まれていないことから、相対位置特定部13は、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を複合機100の左側と特定する(ステップS1105)。
【0047】
以上のようにして、制御部1の画像処理部12及び相対位置特定部13とを利用して、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置を特定している。なお、上述の相対位置の特定では、複合機100の正面、右面及び左面を特定しているが、これに限定されず、背面を特定するような処理を行ってもよい。この場合、左面又は背面にも何らかの特徴部分を有していることが好ましい。また、複合機100の外形で上述の面を決定するようにしてもよい。この場合、特徴部分は、複合機100の外形である。また、上述の特徴部分の判別については、複合機100の記憶部3に記憶されている複合機100の画像データとの照合にて行う方法を挙げることができるが、これに限定されない。
【0048】
画像形成システムSysでは、複合機100が特定した携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置の情報に基づいて、(特定した携帯情報端末200を持っている)使用者から見たコンタクトガラス41の位置及び方向と、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向を携帯情報端末200に表示できる。以下に、携帯情報端末200の表示部81に、コンタクトガラス41及びコンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向を表示する手順について説明する。
【0049】
図9は、携帯情報端末の表示部に使用者から見た複合機及び原稿を表示する手順を示すフローチャートである。
【0050】
図9に示すように、使用者から見た複合機100及び原稿の画像の表示を行う入力操作が携帯情報端末200に対してあったか否か確認する(ステップS112)。なお、画像表示の手順は、相対値の手順と分けて説明しているが、実際には、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を特定した後に行うようにしてもよい。直接行う場合には、位置情報の記憶(ステップS111)を省略して、画像表示の手順を行うようにしてもよい。
【0051】
使用者から見たコンタクトガラス41と原稿の位置及び方向の画像の表示を行う入力操作が携帯情報端末200に対して行われない場合(ステップS112でNoの場合)、入力操作の確認(ステップS112)を繰り返す。なお、入力操作が無い或いは一定期間無い場合には、表示を行わないものとして、処理を終了するようにしてもよい。
【0052】
使用者から見たコンタクトガラス41と原稿の位置及び方向の画像の表示を行う入力操作が携帯情報端末200に対して行われた場合(ステップS112でYesの場合)、制御部1は、携帯情報端末200が入力操作を受け付けた旨の情報を受け取る。そして、制御部1は、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置の情報を記憶部3から呼び出す(ステップS113)。そして、携帯情報端末200の複合機100に対する相対位置に基づいて、携帯情報端末200を持った使用者から見たときのコンタクトガラス41の位置及び方向と、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向の情報を携帯情報端末200に送信する(ステップS114)。携帯情報端末200の制御部8は、使用者から見たコンタクトガラス41の位置及び方向の情報と、コンタクトガラス41に原稿をセットする位置及び方向の情報とから表示部81に表示する画像を生成する(ステップS115)。生成した画像を表示部81に表示する(ステップS116)。
【0053】
なお、本実施形態では、携帯情報端末200の制御部8で、表示部81に表示する画像を生成しているが、これに限定されない。例えば、予め、複合機と原稿とを組み合わせた画像が用意されていて、使用者から見た複合機100や原稿の位置及び方向の情報に基づいて、これらの画像を呼び出して表示するようにしてもよい。また、表示部81で表示する画像を携帯情報端末200で生成するものとしているが、これに限定されない。携帯情報端末100と使用者との相対位置に基づいて、制御部1で画像を生成し、画像と共に位置の情報を送信するようにしてもよい。
【0054】
そして、表示部81に画像を表示した後、携帯情報端末200の制御部8は、使用者による設定の選択、確認等の入力操作があるか否か確認する(ステップS117)。設定の選択、確認とは、例えば、携帯情報端末200に表示されているコンタクトガラス41の位置、方向等が正確であるか否かの判断(選択)やコンタクトガラス41に原稿をセットする位置及び方向の確認等を挙げることができるがこれに限定されない。入力操作が無い場合(ステップS117でNoの場合)、入力操作があるまで待つ(ステップS117を繰り返す)。なお、入力操作がない場合或いは一定期間ない場合には、処理自体を終了するようにしてもよい。
【0055】
入力操作があった場合(ステップS117でYesの場合)、携帯情報端末200の制御部8は、使用者による設定の選択及び(又は)確認の情報を複合機100に送信する(ステップS118)。複合機100の制御部1は、送信された情報に基づき処理を実行する。
【0056】
以上のように、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置から、使用者から見たコンタクトガラス41の位置及び方向の画像と、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向の画像を携帯情報端末200の表示部81の表示できる。そして、使用者は、表示部81に表示された画像を確認して、携帯情報端末200を操作することで、複合機100の操作を行うことが可能となっている。なお、携帯情報端末200は操作パネル6と同様の操作が可能であってもよい。
【0057】
本実施形態のように、撮像された画像データを複合機100の画像処理部12で画像処理し、相対位置特定部13で相対位置を特定する場合、特徴部分の情報(画像データ)を複合機100の記憶部3に記憶させることができる。例えば、携帯情報端末200の使用者が複数箇所のオフィスで仕事をする場合、各オフィスで異なる複合機100が使用される場合がある。この場合でも、携帯情報端末200の記憶部84に複数の複合機100の全ての特徴部分の情報を記憶させなくてもよい。
【0058】
(表示画像)
次に、携帯情報端末200の表示部81で表示する画像データについて図面を参照して説明する。
図10は、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置が正面のときに表示部で表示する画像データを示す。
図11は、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置が右側のときに表示部で表示する画像データを示す。
図12は、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置が左側のときに表示部で表示する画像データを示す。なお、表示部81で表示する画像の生成は、携帯情報端末200の制御部8で行われるものとする。また、
図10〜
図12は表示部81で表示している状態を示す。
【0059】
記憶部84には、コンタクトガラス41の模式画像411と、横長の原稿の模式画像413と、縦長の原稿の模式画像414とが収納されている。
図10等に示すように、コンタクトガラス41の模式画像411は、長方形である。また、横長の原稿の模式画像413及び縦長の原稿の模式画像414はいずれも長方形である。ここで、縦長の原稿及び横長の原稿とは、文字が上下正方向となるように、原稿を回転させたとき、使用者から見て縦辺が長いものを縦長の原稿とし、横辺が長いものを横長の原稿とする。
【0060】
携帯情報端末200が複合機100の正面にあると判断された場合、制御部8は、記憶部84からコンタクトガラス41の模式画像411を呼び出し、後側が上になるように、すなわち、横長になるように配置する。そして制御部1は、コンタクトガラス41の模式画像411の左上に密着するように横長の原稿の模式画像413を配置した画像データDp1を作成する。なお、画像データDp1は、複合機100に対する相対位置が特定された携帯情報端末200から見た、コンタクトガラス41の位置及び方向と原稿の位置及び方向を示す平面図である。
【0061】
横長の原稿の模式画像413には、「ABC」等の文字画像が含まれており、文字画像によって原稿の方向を指定する。
図10に示すように、複合機100に対して携帯情報端末200が正面にあるときには、横長の原稿は文字画像の上部が上に向くように配置する。
【0062】
そして、コンタクトガラス41の模式画像411と縦長の原稿の模式画像414を組み合わせた画像データDp2を作成する。縦長の原稿の模式画像414にも、横長と同様に「ABC」等の文字画像が含まれている。そして、縦長の原稿の模式画像414は、コンタクトガラス41の模式画像411の左上に密着させるとともに、文字画像の上部が左向くように配置される。
【0063】
制御部8は、以上示した2種類の画像データDp1、Dp2を用意し、その画像データDp1、Dp2を表示部81の上部に表示する。なお、
図10では、画像データDp1と画像データDp2を表示部81の上部に左右に並べて表示しているが、表示部81に上下に並べて表示するようにしてもよい。また、画像データDp1と画像データDp2とを同時に表示しているが、これに限定されない。例えば、画像データDp1と画像データDp2を一定の時間毎に切り替えて表示するようにしてもよい。
【0064】
表示部81において、画像データDp1が表示されている部分の下方に、設定キー412aが配置される。設定キー412aは、画像データDp1を選択するときに操作される設定キーである。設定キー412aが操作されることで、画像データDp1が選択される。すなわち、設定キー412aの操作によって、複合機100の正面に使用者がいて、コンタクトガラス41に横長の原稿をセットする設定が選択される。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412aには「上辺が奥」のメッセージ403が重ねて表示される。
【0065】
表示部81において、画像データDp2が表示されている部分の下方に、設定キー412bが配置される。設定キー412bは、画像データDp2を選択するときに操作される設定キーである。設定キー412bが操作されることで、画像データDp2が選択される。すなわち、設定キー412bの操作によって、複合機100の正面に使用者がいて、コンタクトガラス41に縦長の原稿をセットする設定が選択される。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412bには「上辺が左」のメッセージ404が重ねて表示される。また、表示部81には、設定キー412a及び412bの下方にOKボタンM1とキャンセルボタンM2も表示される。
【0066】
設定キー412a又は412bが選択された後にOKボタンM1が操作されることで、携帯情報端末200から複合機100に原稿の向きの情報が送信される。また、設定キー412a又は412bが選択された後にキャンセルボタンM2が操作されることで、設定が解除されて選択に戻る。さらに、設定キー412a及び412bの両方が選択されていない状態でキャンセルボタンM2が操作されることで、設定自体が中止(キャンセル)される。
【0067】
ここで、OKボタンM1、キャンセルボタンM2、設定キー412a及び設定キー412bは、いわゆる、タッチキーであり、使用者の指、タッチペン等が接触することで入力操作を受け付ける。以上ようにして、本発明にかかる画像形成システムSysでは、使用者の複合機100に対する位置に基づいて、コンタクトガラス41における原稿をセットする位置及び向きを使用者に示す。そして、使用者が原稿をセットした後に、携帯情報端末200に表示されている設定キーの入力操作を受け付けることで、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び向きを制御部1に対して設定することが可能である。
【0068】
なお、本実施形態では、原稿のコンタクトガラス41に対する配置位置が同じで、原稿の方向が異なるものを例に説明しているが、これに限定されない。例えば、コンタクトガラス41に対する原稿の位置が異なるもの、原稿の向きが異なるもの等を組み合わせてさらに多くを表示するようにしてもよい。また、画像ではなく、「左上左向き」等のように、文字だけで表示するようにしてもよい。また、設定キーを備えずに、選択された時に背景の色を変化させる、いわゆる、ハイライト化させ、OKボタンM1の操作、或いは、ダブルクリック等で決定するようにしてもよい。
【0069】
図10は、使用者が複合機100の正面にいるときについて説明したが、複合機の右側にいる場合(
図11参照)、左側にいる場合(
図12参照)も同様の表示が行われる。
【0070】
図11に示す表示部81は、複合機100に対して携帯情報端末200が右側にあるときを示している。複合機100に対して携帯情報端末200が右側にあるとき、使用者から見て複合機100の正面は、左側に現れる。そのため、制御部8は、画像データDp3、Dp4において、コンタクトガラス41の模式画像411の正面を左側に、すなわち、縦長に配置している。
【0071】
画像データDp3は、横長の原稿を載置する状態を示す画像データであるため、横長の原稿の模式画像413の文字画像の上部を右に向けて、コンタクトガラス41の模式画像411の右上に密着させて配置する。また、画像データDp4は、縦長の原稿を載置する状態を示す画像データであるため、縦長の原稿の模式画像414の文字画像の上部を上に向けて、コンタクトガラス41の模式画像411の右上に密着させて配置する。
【0072】
表示部81において、画像データDp3が表示されている部分の下方に、設定キー412cが配置される。設定キー412cは、画像データDp3を選択するときに操作される設定キーである。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412cには「上辺が右」のメッセージ405が重ねて表示される。
【0073】
表示部81において、画像データDp4が表示されている部分の下方に、設定キー412dが配置される。設定キー412dは、画像データDp4を選択するときに操作される設定キーである。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412dには「上辺が奥」のメッセージ406が重ねて表示される。また、
図11に示す、表示部81には、設定キー412c及び412dの下方にOKボタンM1とキャンセルボタンM2も表示される。
【0074】
設定キー412c及び設定キー412dを操作したときの動作及び操作方法については、選択される画像データが異なるだけで、実質的には、設定キー412a及び412bの操作と同じであるため詳細は省略する。
【0075】
図12に示す表示部81は、複合機100に対して携帯情報端末200が左側にあるときを示している。複合機100に対して携帯情報端末200が左側にあるとき、使用者から見て複合機100の正面は、右側に現れる。そのため、制御部8は、画像データDp5、Dp6において、コンタクトガラス41の模式画像411の正面を左側に、すなわち、縦長に配置している。
【0076】
画像データDp5は、横長の原稿を載置する状態を示す画像データであるため、横長の原稿の模式画像413の文字画像の上部を左に向けてコンタクトガラス41の模式画像411の左下に密着させて配置する。また、画像データDp6は、縦長の原稿を載置する状態を示す画像データであるため、縦長の原稿の模式画像414の文字画像の上部を下に向けて、コンタクトガラス41の模式画像411の左下に密着させて配置する。
【0077】
表示部81において、画像データDp5が表示されている部分の下方に、設定キー412eが配置される。設定キー412eは、画像データDp5を選択するときに操作される設定キーである。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412eには「上辺が左」のメッセージ407が重ねて表示される。
【0078】
表示部81において、画像データDp6が表示されている部分の下方に、設定キー412fが配置される。設定キー412fは、画像データDp6を選択するときに操作される設定キーである。そして、原稿の位置及び向きをより正確にするために、設定キー412fには「上辺が手前」のメッセージ408が重ねて表示される。また、
図12に示す、表示部81には、設定キー412e及び412fの下方にOKボタンM1とキャンセルボタンM2も表示される。
【0079】
設定キー412e及び設定キー412fを操作したときの動作及び操作方法については、選択される画像データが異なるだけで、実質的には、設定キー412a及び412bの操作と同じであるため詳細は省略する。
【0080】
以上のように生成された画像データDp1〜Dp6を携帯情報端末200の表示部81に表示することで、使用者は、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向を正確に確認することができる。また、設定キー412a〜412fの入力操作を行うことで、原稿の配置位置及び向きの設定を完了することが可能である。これらのことより、コンタクトガラス41に対する原稿の配置位置及び方向を直感的に認識することができるとともに、載置した原稿の方向の設定を容易かつ正確に行うことができる。
【0081】
以上のようにして、画像形成システムSysでは、携帯情報端末200の表示部81で、使用者から見たコンタクトガラス41の位置及び方向と、コンタクトガラス41にセットする原稿の位置及び方向とを表示するため、原稿のセット位置及び方向を間違いにくい。そして、そのときのセット方向についても直感的に選択可能であるため、誤った設定(ここでは、原稿の位置及び向きの設定)が入力されるのを抑制することが可能である。
【0082】
本実施形態では、コンタクトガラス41の模式画像411、原稿の模式画像413、414を予め記憶部84に記憶しておき、それらを組み合わせて、画像データDp1〜Dp6を生成しているが、これに限定されない。例えば、予め、画像データDp1〜Dp6を記憶しておき、複合機100からの情報に基づいて、画像データを選択するようにしてもよい。また、複合機100の制御部1で画像を生成又は選択して、携帯情報端末200に送信し、携帯情報端末200で表示を行うようにしてもよい。このようにすることで、携帯情報端末200に記憶する情報を減らすことが可能である。
【0083】
本実施形態では、画像データDp1〜Dp6は、原稿の位置と方向を示すものとして説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷可能な原稿の大きさ、カラーへの対応(カラー印刷、グレースケール印刷)等の情報が含まれていてもよい。このように、画像データに複数の情報を含む場合、複合機100によって、情報が異なる場合もある。このような場合には、画像データも複合機100(制御部1)で生成して、携帯情報端末200に送信することで、携帯情報端末200の処理を減らすことが可能である。
【0084】
(変形例1)
本実施形態では、複合機100の正面、右面には、それぞれ、特徴となる部分が設けられており、画像処理によって、その特徴部分を判別する。しかしながら、周囲の環境等によっては、特徴部分を判別しにくい場合もある。そこで、正面、右面、左面にそれぞれ、異なる標示(例えば、数字、文字、星マーク、円マーク、ひし形マーク等)を予めつけておき、標示の種類、形状及び大きさの少なくとも一つの情報に基づいて、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を特定するようにしてもよい。各面に複数個の標示を取り付けておくことで、家具や人が一部重なったとしても、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を確実に特定することが可能である。なお、面を特定するものとしては、標示に限定されるものではなく、例えば、面毎に色を変えておき、色を判別することで、面を特定するようにしてもよい。
【0085】
(変形例2)
本実施形態では、複合機100の正面、右面には、それぞれ、特徴となる部分が設けられており、画像処理によって、その特徴部分を判別する。そして、撮像データの複合機100に表示される特徴部分によって正面、右面を特定し、特徴部分が無いことで左面を特定していた。携帯情報端末200による撮像位置によっては、撮像データの複合機100に複数の特徴部分が含まれる場合もある。このような場合、画像処理によって、特徴部分の形状、大きさを判別することで、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を特定することが可能である。このとき、複合機100の周囲を範囲ごとに、正面、右面、左面に分割して、そのいずれかの範囲に入っているかを判別する。そして、その範囲の面であると特定して画像データを生成してもよい。また、複合機100(コンタクトガラス41)の中心部に対する携帯情報端末200の位置の角度を特定して、その角度に対応した、画像データを作成するようにしてもよい。
【0086】
(第2実施形態)
本発明にかかる画像形成システムの他の例について図面を参照して説明する。
図13は、本発明にかかる複合機及び携帯情報端末を含む画像形成システムの他の例の主要構成を示す機能ブロック図である。
図13に示す、画像形成システムSys2は、画像処理部86及び相対位置特定部87が、携帯情報端末200に設けられている点で、
図1に示す画像形成システムSysと異なるが、その他の点については、同じであり、実質上同じ部分には、同じ符号が付してある。
【0087】
図13に示すように、携帯情報端末200には、画像処理部86及び相対位置特定部87が設けられる。なお、画像処理部86及び相対位置特定部87の動作については、第1実施形態の複合機100に設けられていた画像処理部12及び相対位置特定部13と同等のものであり、詳細な説明は省略する。
【0088】
本実施形態では、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置の特定を携帯情報端末200の画像処理部86及び相対位置特定部87で行う。複合機100に対する携帯情報端末200の位置の特定手順について図面を参照して説明する。
図14は、相対位置の特定手順を示すフローチャートである。
【0089】
図14に示すように、操作部82が使用者による操作されたことに基づいて、制御部8は、相対位置を特定する対象の複合機100の撮像データを取得する(ステップS201)。すなわち、使用者によって、携帯情報端末200で複合機100の撮像が行われた後に、撮像データを取得する。制御部8は、インターネット上のサーバー等から複合機100の特徴部分の情報(画像情報、形状等)を取得する(ステップS202)。なお、複合機100が特徴部分の情報を有する場合、複合機100に接続して複合機100から直接取得するようにしてもよい。また、すでに、携帯情報端末200の記憶部84に複合機100の特徴部分の情報がある場合には、特徴部分の情報の取得ステップ(ステップS202)を省略可能である。
【0090】
そして、制御部8は、画像処理部86で撮像データの画像処理を行い、撮像データ内に撮像された複合機100の特定を行う(ステップS203)。制御部8は、画像処理部86が撮像データ内で複合機100を特定できたか否か確認する(ステップS204)。複合機100が確認できなかった場合(ステップS204でNoの場合)、制御部100は、撮像の指示の送信(ステップS205)を行う。なお、やり直しの場合、
図15に示すように、「複合機が特定できませんでした、撮影しなおしてください」等のメッセージ420を表示する。この後、一定時間をおいて、撮像モード(カメラモード)に切り替わってもよい。撮像の指示の送信の後、撮像データの取得(ステップS201に戻る)。
【0091】
撮像データ内に複合機100が特定できた場合(ステップS204でYesの場合)、制御部8は、相対位置特定部87を起動して、特定された複合機100の撮像画像から、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置の特定を行う(ステップS206)。ステップS206では、
図6のフローで示す処理を行ってもよいし、第1実施形態の変形例1又は変形例2のような処理を行ってもよい。
【0092】
複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置の情報に基づいて、複合機100のコンタクトガラス41と原稿の位置を示す画像データ(
図10〜
図12に示す画像データDp1〜Dp6)を生成し(ステップS207)、記憶部84に記憶させる(ステップS208)。画像データの生成については、第1実施形態と同じであるため省略する。
【0093】
そして、携帯情報端末200に対して、コンタクトガラス41及び原稿を表示する入力操作が行われた時には、制御部8は、その操作に応じて、使用者から見たコンタクトガラス41と原稿の位置を示す画像を生成して、その画像を表示し、入力操作に応じて、操作の情報を複合機100に送信する。
【0094】
本実施形態の画像形成システムSys2では、使用者の好きなタイミングで複合機100を撮像するため、必要でないときに、位置特定の要否についての確認がされないので、煩わしさがない。また、複合機100と携帯情報端末200との通信回数を減らすことができるので、処理に要する時間を減らすことが可能である。
【0095】
第1実施形態及び第2実施形態では、複合機100の特徴部分の情報として、予め記憶されているものを用いているが、これに限定されない。例えば、携帯情報端末200の撮像部83を利用して、複合機100の各面を撮像し、その撮像データを、各面を特徴付ける特徴部分の情報として、記憶部3又は記憶部84に記憶するようにしてもよい。このようにすることで、特徴部分の情報が準備されていない複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置の特定も可能となる。また、携帯情報端末200だけで、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置を特定する場合には、複合機100との接続やインターネットの接続等が不要になる。
【0096】
また、原稿の位置及び方向の表示については、使用者の選択に基づいて行ってもよいし、行わなくてもよい。また、一端、複合機100(コンタクトガラス41)と携帯情報端末200の相対位置を表示した後に、使用者の指示等に基づいて、表示部81に表示されている画像データに追加して原稿の位置及び方向を表示するようにしてもよい。
【0097】
(第3実施形態)
上述の各実施形態では、携帯情報端末200に設けられた撮像部83で複合機100を撮像し、その撮像データに基づいて、複合機100に対する携帯情報端末200の位置を特定していた。一方で、使用者は、複合機100に対する自分の位置を容易に認識することが可能な場合もある。そのような場合であっても、原稿のセット場所及び向きについては、迷うことがあり、また、方向や向きを間違ってセットしてしまう場合もある。
【0098】
そこで、第3実施形態では、使用者が携帯情報端末200を操作して、複合機100に対する自分の位置を入力するようにしている。
図16は、使用者が複合機に対する位置を入力するときの携帯情報端末の表示部に表示される操作画面である。なお、携帯情報端末200は、
図13に示す携帯情報端末と同じ、すなわち、相対位置特定部87を備えている構成と同じであるとする。
【0099】
図16に示す表示部81は、平面図であり中央部にコンタクトガラス41の模式画像411が表示される。そして、コンタクトガラス41の模式画像411は長方形であり、四辺のそれぞれには、「正面」、「右側」、「左側」、「後側」の表示が行われる。そして、そして、表示部81は、各面と対応する部分が、領域Ar1〜Ar4に分割されている。使用者は、表示部81を確認して、複合機100に対する自分の立ち位置の最も適当と思われる位置と対応する領域Ar1〜Ar4をタップして、位置を入力する。例えば、使用者は、自分が複合機100(コンタクトガラス41)の正面にいると判断したときには、領域Ar1をタップすることで、相対位置が複合機100(コンタクトガラス41)の正面に特定される。相対位置特定部87は入力された領域Ar1〜Ar4に基づいて、複合機100に対する携帯情報端末200の相対位置と特定する。
【0100】
その後、
図10、
図11及び
図12に示したように、コンタクトガラス41の模式画像411、横長の原稿の模式画像413及び縦長の原稿の模式画像414を組み合わせた画像を生成して、表示部81に表示する。このとき、原稿の向きのメッセージとともに設定キー412a〜412fの表示も行う。
【0101】
このように、使用者の操作によって、複合機100に対する携帯情報端末200の位置の情報を特定することで、画像処理が不要になる。それだけ、処理に要する時間を短くすることができるとともに、処理能力が低い携帯情報端末200でも、上述の表示が可能である。
【0102】
(第4実施形態)
上述の各実施形態では、演算回路としての相対位置特定部13や相対位置特定部87を備えた構成としていた。しかしながら、制御部1や制御部8の演算能力に余裕がある構成の場合、相対位置特定部13や相対位置特定部87は、制御部1や制御部8の処理部(プロセッサー)で動作するプログラムであってもよい。
【0103】
本発明にかかる画像形成システムの一例は、原稿に形成されている画像を読み取る読取部(4)を備えた画像形成装置(100)と、情報を表示可能な表示部を備えた携帯情報端末200と、を含む画像形成システム(Sys)であって、画像形成装置(100)及び携帯情報端末(200)の少なくとも一方に、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末200の相対位置を特定する相対位置特定部(13、87)が設けられており、相対位置特定部(13、87)は、画像形成装置(100)と携帯情報端末(200)との相対位置を取得し、携帯情報端末(200)は、表示部(81)に、画像形成装置(100)の使用者から見た位置及び方向を示す画像と、前記画像形成装置における原稿の配置位置及び方向を示す画像と、の表示を行い、携帯情報端末(200)に対する使用者の入力操作を受け付けて、画像形成装置(100)に配置された原稿の位置及び方向を設定する情報が画像形成装置(100)に送信されることを特徴とする。
【0104】
このような構成によると、使用者は、画像形成装置に対する位置を正確に把握することができるとともに、原稿を正しい位置に正しい方向でセットすることができる。そして、原稿台(41)における原稿の位置を確認した携帯情報端末(200)を操作することで、原稿台(41)への原稿のセットの設定を実行することが可能であるため、使用者の利便性を高めることが可能である。
【0105】
上記構成において、携帯情報端末(200)の表示部(81)に、原稿の配置位置及び方向の少なくとも一方が異なる複数の画像形成装置(Dp1〜Dp6)の画像とを並べて表示するとともに複数の原稿の表示のいずれかを選択するために設けられた複数個の設定キー(412a〜412f)の画像を表示する。この構成によると、使用者は、原稿の位置及び向きを容易に選択できるので、簡単な操作で原稿のセット向きと設定とを間違いにくい。
【0106】
上記構成において、携帯情報端末(200)の表示部(81)が、接触式入力部を兼ねていてもよい。
【0107】
上記構成において、相対位置特定部(13、87)は、携帯情報端末(200で撮影された画像に基づいて、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置を特定する。この構成によると、使用者は、画像形成装置を撮像するだけでよく、簡単な操作で画像形成装置に対する携帯情報端末の相対位置を特定できる。
【0108】
上記構成において、相対位置特定部(87)は、携帯情報端末(200)に対する使用者による入力操作に基づいて、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置を特定するようにしてもよい。このようにすることで、処理を簡略化することができ、携帯情報端末(200)の処理能力が低くても、画像形成装置に対する携帯情報端末の相対位置を正確に特定することができる。
【0109】
本発明にかかる原稿配置設定方法の一例は、上記構成において、原稿に形成されている画像を読み取る読取部(4)を備えた画像形成装置(100)と、情報を表示可能な表示部(81)を備えた携帯情報端末(200)とを接続し、携帯情報端末(200)の表示部(81)に画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置、原稿の位置及び方向を指示する原稿配置設定方法であって、相対位置を特定するための情報に基づいて画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置を特定する相対位置特定工程と、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置の情報に基づいて、携帯情報端末(200)の表示部(81)に、使用者から見た画像形成装置(100)の位置及び方向を示す画像と、画像形成装置(100)における原稿の配置位置及び方向を示す画像と、の表示を行う位置表示工程と、携帯情報端末(200)に対する使用者の入力操作に基づいて、画像形成装置(100)に配置した原稿の位置及び方向を設定する情報を前記画像形成装置に送信する設定情報送信工程と、を含む。
【0110】
上記構成において、位置表示工程には、携帯情報端末(200)の表示部(81)に、原稿の配置位置及び方向の少なくとも一方が異なる複数の画像形成装置(100)の画像とを並べて表示するとともに複数の原稿の表示のいずれかを選択するために設けられた複数個の設定キー(412a〜412f)の画像を表示し、原稿設定工程において、複数個の設定キー(412a〜412f)のうちいずれかを選択する入力操作を受け付けてもよい。
【0111】
上記構成において、前記相対位置特定工程には、携帯情報端末(200)で画像形成装置(100)を撮像した撮像データの取得を含み、撮像データの画像処理によって、撮像されている画像形成装置(100)の特徴部分を抽出し、特徴部分の形状及び大きさの少なくとも一方に基づいて、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置を特定する処理が行われていてもよい。
【0112】
上記構成において、相対位置を特定するための情報は、携帯情報端末200に対する使用者による入力操作に基づく情報であってもよい。
【0113】
本発明にかかる相対位置通知プログラムの一例は、原稿に形成されている画像を読み取る読取部(4)を備えた画像形成装置(100)と、情報を表示可能な表示部(81)を備えた携帯情報端末(200)とを接続し、携帯情報端末(200)に対する入力に基づいて動作する原稿配置設定プログラムであって、相対位置を特定するための情報を取得し、相対位置を特定するための情報に基づいて画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(200)の相対位置を特定した後、画像形成装置(100)に対する携帯情報端末(100)の相対位置の情報に基づいて、携帯情報端末(100)の表示部(81)に、使用者から見た画像形成装置(100)の位置及び方向を示す画像と、原稿の配置位置及び方向を示す画像と、の表示を行い、携帯情報端末(200)に対する使用者の入力操作に基づいて、画像形成装置(100)に配置した原稿の位置及び方向を設定する情報を前記画像形成装置に送信する機能を有することを特徴とする。
【0114】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。