(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6617895
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】エレベータ用操作盤
(51)【国際特許分類】
B66B 1/46 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
B66B1/46 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-169052(P2018-169052)
(22)【出願日】2018年9月10日
【審査請求日】2018年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和彦
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−315711(JP,A)
【文献】
特開2016−124684(JP,A)
【文献】
実開昭59−099481(JP,U)
【文献】
実開昭52−095047(JP,U)
【文献】
実開昭62−163987(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3048199(JP,U)
【文献】
実開昭60−025177(JP,U)
【文献】
実用新案登録第2544567(JP,Y2)
【文献】
中国実用新案第204518247(CN,U)
【文献】
特開2001−313476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 − 1/52
H05K 5/00 − 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ乗り場の壁に取り付けられたエレベータ用操作盤において、
前記壁に取り付けられたケースと、前記ケースの前面に嵌め込まれるフェースプレートとを備え、
前記ケースは平板状のケース本体と、前記ケース本体の上縁および下縁に設けられ前記ケース本体から前方へ突出するケース上板およびケース下板とを有し、
前記フェースプレートは平板状のフェースプレート本体と、前記フェースプレート本体の上縁および下縁に設けられ、前記ケース上板および前記ケース下板を外方から覆うフェースプレート上板およびフェースプレート下板とを有し、前記ケースは前記ケース本体の両側縁に設けられ、前記ケース本体から後方へ突出する一対のケース側板を有する、エレベータ用操作盤。
【請求項2】
前記フェースプレートは前記フェースプレート本体の両側縁に設けられ、前記ケースを側方から覆う一対のフェースプレート側板を有する、請求項1記載のエレベータ用操作盤。
【請求項3】
前記ケース本体に一対の突出板を設け前記フェースプレート本体に、前記一対の突出板に係止される一対の係止板を設けた、請求項1または2記載のエレベータ用操作盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施の形態は、エレベータ乗り場の壁に取り付けられたエレベータ用操作盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりエレベータ用操作盤として、エレベータ乗り場の壁に設けられたケースと、ケース前面に設けられたフェースプレートとを備えている。このようなエレベータ用操作盤において、一般にケースに対してフェースプレートを取り付けたり、取り外す場合、ケースに対してフェースプレートを上下方向に摺動して取り付けたり取り外している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−168545号公報
【特許文献2】特開2015−189518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施の形態はこのような点を考慮してなされたものであり、ケースに対してフェースプレートを上下方向に摺動させることなく、フェースプレートを取り付けたり取り外すことができるエレベータ用操作盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施の形態は、エレベータ乗り場の壁に取り付けられたエレベータ用操作盤において、前記壁に取り付けられたケースと、前記ケースの前面に嵌め込まれるフェースプレートとを備え、前記ケースは平板状のケース本体と、前記ケース本体の上縁および下縁に設けられ前記ケース本体から前方へ突出するケース上板およびケース下板とを有し、前記フェースプレートは平板状のフェースプレート本体と、前記フェースプレート本体の上縁および下縁に設けられ、前記ケース上板および前記ケース下板を外方から覆うフェースプレート上板およびフェースプレート下板とを有する、エレベータ用操作盤である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は本実施の形態によるエレベータ用操作盤を示す分解斜視図であってケース内を簡略化して示す図。
【
図2】
図2は本実施の形態によるエレベータ用操作盤を示す側断面図。
【
図3A】
図3Aはエレベータ用操作盤のフェースプレート上板を示す平面図。
【
図3B】
図3Bはエレベータ用操作盤のフェースプレート上板を示す断面図。
【
図4】
図4はエレベータ用操作盤を水平方向で切った断面図。
【
図5】
図5はエレベータ用操作盤のケース上板を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態におけるエレベータ用操作盤について説明する。
【0008】
ここで
図1乃至
図5は、本開示の実施の形態におけるエレベータ用操作盤を示す図である。
図1乃至
図5に示すように、エレベータ用操作盤10はエレベータ乗り場の壁1に設置されるものであり、壁1上に取り付けられた金属製のケース11と、ケース11の前面に嵌め込まれた合成樹脂製のフェースプレート21とを備えている。
【0009】
このうちケース11は矩形状をもつ平板からなるケース本体12と、ケース本体12の上縁に設けられケース本体12から前方(
図2の矢印D1方向)へ突出するケース上板13と、ケース本体12の下縁に設けられケース本体12から前方へ突出するケース下板14とを有する。またケース11のケース本体12の両側縁に、ケース本体12から後方(
図2の矢印D2方向)へ突出する一対のケース側板15,15が設けられている。
【0010】
本実施の形態において、ケース上板13およびケース下板14の突出高さh1は約8mmとなっており、一対のケース側板15,15の突出高さh2は約4mmとなっている。
【0011】
またケース11のケース本体12の前面には、一対の突出板16,16が、各々上下方向に延びて設けられており、突出板16,16の高さh3は4mmとなっている。
【0012】
またケース上板13およびケース下板14には、各々後述する止めビス30が装着されるねじ穴13a,14aが各々設けられている。
【0013】
他方、フェースプレート21は全体として箱型形状をもつ。このようなフェースプレート20は、矩形状をもつ平板からなるフェースプレート本体22と、フェースプレート本体22の上縁および下縁に設けられ、各々がケース上板13およびケース下板14を外方から覆うフェースプレート上板23およびフェースプレート下板24とを有する。またフェースプレート本体22の両側縁に、ケース本体12を側方から覆う一対のフェースプレート側板25,25が設けられている。
【0014】
さらに、フェースプレート本体22の内面には、ケース本体12の一対の突出板16,16に係止される一対の係止板26,26が設けられている。ケース本体12の各突出板16,16はケース本体12から前方へ突出し、上下方向に延びている。さらにフェースプレート本体22の一対の係止板26,26も、フェースプレート本体22の内面から後方へ突出し、上下方向に延びるとともに、ケース本体12の一対の突出板16,16に外方から嵌め込まれ、このようにして一対の突出板16,16に一対の係止板26,26が係止される(
図4参照)。
【0015】
またフェースプレート21のフェースプレート上板23およびフェースプレート下板24には、止めビス30が装着されるねじ穴23a,24aが各々設けられている。
【0016】
また、エレベータ用操作盤10のフェースプレート21は、使用者側を向いて配置され、フェースプレート21には使用者が押圧操作するための2個の押しボタン28が設置され、各押しボタン28の裏面には、押しボタン28に接続された基板29が設けられている(
図2参照)。なお、
図1はケース11とフェースプレート21の取り付け構造を簡略化して示すものであって、
図1において、フェースプレート21内に設けられた押しボタン28および基板29は便宜上省略して示されている。
【0017】
次に
図3A乃至
図3Cにより、フェースプレート上板23に設けられたねじ穴23aについて説明する。
【0018】
本実施の形態において、フェースプレート上板23に設けられたねじ穴23aとフェースプレート下板24に設けられたねじ穴24aとは略同一構造をもち、ここではフェースプレート上板23のねじ穴23aについて述べる。
【0019】
フェースプレート上板23にはねじ穴23aが設けられ、このねじ穴23aはざぐり加工により形成された大径部23a1と、大径部23a1に連続して止めビス30が係合される小径部23a2とを有する。フェースプレート上板23のねじ穴23aに止めビス30が装着されると、止めビス30のねじ部30bがねじ穴23aの小径部23a2に係合する。止めビス30がねじ穴23aに更にねじ込まれることにより、止めビス30の頭部30aがねじ穴23aの大径部23a1内に収まる。このため止めビス30の頭部30aがフェースプレート上板23から外方へ突出しないようになっている。このため止めビス30の頭部30aの厚みはなるべく小さく、例えば2mm程度となっており、このためねじ穴23aの大径部23a1の深さも止めビス30の頭部30aの厚さと同様、2mm程度と薄くなっている。
【0020】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0021】
まずケース11にフェースプレート21を組み込む作用について述べる。予めエレベータ乗り場の壁1に図示しない締結具によりケース11が取り付けられている。この場合、ケース11はケース本体12から後方へ延びる一対のケース側板15,15を有するため、このケース側板15,15が壁1に当接する。このためケース本体12は壁1に対してわずか前方に位置し、壁1から離間している。
【0022】
次にケース11に対してフェースプレート21を
図2の矢印D2方向へ接近させ、ケース11を外方から覆うように、ケース11にフェースプレート21を嵌め込む。このとき、フェースプレート上板23はケース上板13を上方から覆い、フェースプレート下板24はケース下板14を下方から覆う。また一対のフェースプレート側板25,25はケース本体12の側面およびケース側板15,15の側面を外方から覆う。
【0023】
またケース本体12の一対の突出板16,16に対して、フェースプレート本体22の一対の係止板26,26が外方から嵌め込まれる。このようにして一対の突出板16,16に対して一対の係止板26,26が係止される。
【0024】
次にフェースプレート21のフェースプレート上板23に設けられたねじ穴23aに、止めビス30が装着され、止めビス30はフェースプレート上板23のねじ穴23aとケース上板13に設けられたねじ穴13aの各々に係合する。このようにして止めビス30がフェースプレート上板23のねじ穴23aとケース上板13のねじ穴13aを貫通して係合され、ケース上板13に対してフェースプレート上板23が堅固に固定される。
【0025】
同様にして、フェースプレート21のフェースプレート下板24に設けられたねじ穴24aに、止めビス30が装着され、止めビス30はフェースプレート下板24のねじ穴24aとケース下板14に設けられたねじ穴14aの各々に係合する。このようにして止めビス30がフェースプレート下板24のねじ穴24aとケース下板14のねじ穴14aを貫通して係合され、ケース下板14に対してフェースプレート下板24が堅固に固定される。
【0026】
次にケース11からフェースプレート21を取り外す場合、上述と逆の順番でフェースプレート21を取り外す。まずフェースプレート上板23のねじ穴23aおよびケース上板13のねじ穴13aから止めビス30を取り外す。同様にしてフェースプレート下板24のねじ穴24aおよびケース下板14のねじ穴14aから止めビス30を取り外す。
【0027】
次にケース11に対してフェースプレート21を壁1から
図1の矢印D1方向に引き離す。このことによりケース11からフェースプレート21を容易に取り外すことができる。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば、フェースプレート21の取り付けあるいは取り外す際、ケース11に対してフェースプレート21を矢印D2方向に近づけたり、矢印D1方向へ引き離すことにより、ケース11に対してフェースプレート21を上下方向に摺動させることなく、容易かつ簡単にフェースプレート21を取り付けたり取り外すことができる。
【0029】
例えば、ケース11に対してフェースプレート21を取り外すためにケース11に対してフェースプレート21を上下方向に摺動させる比較例の場合、フェースプレート21とケース11とを係合する内部ツメ(図示せず)とフックの係合を予め外しておき、その後にフェースプレート21を上下方向に摺動させている。しかしながら、内部ツメとフックの係合を外方から外す作業は容易ではなく、かつフェースプレート21を摺動させた場合、フェースプレート21が壁1に擦られて壁1の表面に設けられた壁意匠を傷付けることも考えられる。
【0030】
これに対して本実施の形態によれば、フェースプレート21の取り付けまたは取り外しにあたり、フェースプレート21をケース11に対して上下方向に摺動させる必要はない。またフェースプレート21の取り外しにあたり、フェースプレート21とケース11を係合する内部ツメとフックの係合を外方から外す必要はない。本実施の形態において止めビス30を外してケース11からフェースプレート21を壁1から引き離すだけで、容易かつ簡単にフェースプレート21を取り外すことができる。このため壁1の表面に傷を付けることなく、容易かつ簡単にケース11に対してフェースプレート21を取り付けたり、取り外したりすることができる。
【0031】
なお、上記の実施の形態は単なる例示であり、発明の範囲はそれらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1 壁、10 エレベータ用操作盤、11 ケース、12 ケース本体、13 ケース上板、13a ねじ穴、14 ケース下板、14a ねじ穴、15 ケース側板、21 フェースプレート、22 フェースプレート本体、23 フェースプレート上板、23a ねじ穴、24 フェースプレート下板、24a ねじ穴、25 フェースプレート側板、30 止めビス
【要約】
【課題】エレベータ乗り場の壁を傷付けることなくフェースプレートを取り付け、あるいは取り外すこと。
【解決手段】エレベータ用操作盤10は、壁1に取り付けられたケース11と、ケース11に嵌め込まれたフェースプレート21とを備えている。フェースプレート21はケース上板13を外方から覆うフェースプレート上板23と、ケース下板14を外方から覆うフェースプレート下板24とを有する。
【選択図】
図1