【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、基板を略水平姿勢に保持した状態で回転する基板保持部と、
前記基板保持部が回転した状態で前記基板に所定の処理を加える処理制御部と、
前記基板保持部による前記基板の保持状態の異常を検査する異常検査部と、
を備え、
前記異常検査部は、
前記基板保持部に保持される前記基板を水平方向から撮影して第1画像を取得する撮像手段と、
前記基板保持部により適正に保持されたときの前記基板から上方に位置する検査領域に対応する第2画像を前記第1画像から切り出す切り出し手段と、
前記第2画像について、前記基板保持部による前記基板の保持状態を示す特徴量を求め、該特徴量に基づいて前記保持状態の異常判定を行う判定手段と、
を有する、
基板処理装置における、基板保持状態の異常検査の検査領域の自動決定方法であって、
前記第1画像において、前記基板保持部に正常に保持された状態の前記基板の上端面を確定する上端面確定工程と、
前記上端面確定工程によって確定された前記第1画像における前記基板の上端面の位置に基づいて、前記検査領域の上下方向の位置を決定する垂直位置決定工程と、
前記上下方向の位置が決定された前記検査領域の候補について、前記基板保持部の回転開始時における濃度を求め、前記基板保持部の初期状態における同一領域の濃度との間の差分絶対値の積分値である差分画像積分値を求め、求められた差分画像積分値に基づいて、前記検査領域の水平位置を決定する水平位置決定工程と、
を有することを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明においては、基板保持部により適正に保持されたときの基板から上方に位置し、基板の保持状態の異常を検査するための検査領域を、
上端面確定工程によって、第1画像において基板保持部に正常に保持された状態の基板の上端面を確定し、
垂直位置決定工程によって、確定された基板の上端面の位置に基づいて検査領域の上下方向の位置を決定し、
さらに、水平位置決定工程によって、上下方向の位置が決定された検査領域の候補について、基板保持部の回転開始時における濃度を求め、基板保持部の初期状態における同一領域の濃度との間の差分絶対値の積分値である差分画像積分値を求め、求められた差分画像積分値に基づいて、検査領域の水平位置を決定する。
【0012】
これによれば、検査領域を、基板保持部に正常に保持された状態の基板の上端面を基準として、基板の上端面から所定のギャップ量の分だけ高い場所に自動設定することができる。その結果、ギャップ量を予め適切に設定することで、基板の保持状態の異常をより精度良く判定可能な検査領域を自動的に決定することが可能となる。
【0013】
また、検査領域は、なるべく基板の面振れ以外の要因による画像の変化が少ない場所に設定することが望ましい。よって、上下方向の位置が決定された検査領域の候補について、基板保持部の回転開始時における濃度を求め、基板保持部の初期状態における同一領域の濃度との間の差分絶対値の積分値である差分画像積分値に基づいて検査領域の水平位置を決定することで、基板の面振れその他の要因で、初期状態に対して画像が大きく変化してしまうような位置に、検査領域を自動設定してしまう不都合を抑制することが可能である。
【0014】
また、本発明においては、前記水平位置決定工程では、前記検査領域の水平位置を、前記差分画像積分値が最小となる位置としてもよい。
【0015】
これによれば、より確実に、検査領域における第2画像が、基板保持部が回転する時の影の移動等による影響を受ける可能性を低くすることが可能である。また、基板の面振れによる第2画像への影響の度合いを相対的に大きくすることができ、より感度良く、基板の保持状態の異常判定を行うことが可能である。
【0016】
また、本発明では、前記上端面確定工程においては、前記第1画像の所定の水平位置における画素の、垂直方向に関する隣接画素との濃度の差分値が、該垂直方向に関する各画素における濃度の標準偏差の所定倍数以上となる位置として、前記基板の上端面の位置を確定するようにしてもよい。これによれば、より容易なアルゴリズムで、自動的に基板保持部に正常に保持された基板の上端面を確定することができる。
【0017】
また、本発明においては、前記特徴量は、前記差分画像積分値に基づいて決定され、前記基板保持部の回転中の前記第1画像の前記検査領域における前記差分画像積分値の平均値及び標準偏差に基づいて、前記基板の保持状態の異常判定のための前記特徴量の閾値を決定するようにしてもよい。これによれば、基板の保持状態が異常か否かを判定する際に、特徴量と比較する閾値を、基板保持部の回転中の第1画像の検査領域における、差分画像積分値の統計的なデータに基づいて決定することができる。
【0018】
また、本発明においては、前記基板保持部の回転開始時の前記第1画像は、所定の回転開始判定領域内の、前記差分画像積分値が所定の第2閾値を超えた時点に、前記撮像手段によって、前記基板保持部に保持される前記基板を水平方向から撮影した画像としてもよい。
【0019】
すなわち、基板保持部の回転開始時を画像から判断するための判断基準として、回転開始判定領域における差分画像積分値に着目する。そして、回転開始判定領域における差分
画像積分値が第2閾値を超えた時点を、回転開始時と判断する。これによれば、特定の領域における画像の初期状態(停止時の状態)からの変化がある程度以上大きくなる時をもって、回転開始時とすることができる。すなわち、基板保持部が回転することによって画像に生じる変化を捉えて、回転開始時とすることができるので、より簡単なアルゴリズムでより精度よく、回転開始時を判定することが可能となる。
【0020】
また、本発明においては、前記回転開始判定領域の位置は、前記基板保持部の停止状態から回転開始後に亘って所定期間毎に撮影された複数の前記第1画像のうち、前記第1画像全体についての前記差分画像積分値が最大となるものより前に撮影され、一つ前の前記第1画像からの前記差分画像積分値の変化が、所定の第3閾値を超える直前の前記第1画像において、前記差分画像積分値が最大となる位置に決定されてもよい。
【0021】
これによれば、先ず、差分画像積分値が最大となる前の増加途中であって、まだ、あまり大きくなっていない時点、すなわち、基板保持部の回転開始によって画像が変化し始めた状態における、第1画像について着目することができる。そして、このような第1画像において、差分画像積分値が最大となる領域、すなわち、回転開始によって画像が最も大きく変化する領域を、回転開始判定領域に設定することが可能である。その結果、より感度良くまたは、より正確に、基板保持部の回転開始を検知することが可能となる。
【0022】
また、本発明においては、前記第2閾値は、前記基板保持部の停止中の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の平均値及び標準偏差に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0023】
これによれば、前述のような基板保持部の回転によって最も画像が変化する領域としての回転開始判定領域に着目した上で、回転開始判定領域における差分画像積分値が所定量(第2閾値)を超えて変化したことをもって、回転が開始したと判定することができる。そして、第2閾値は、基板保持部の停止中の第1画像の回転開始判定領域における差分画像積分値の統計データに基づいて、適切に決定することが可能になる。
【0024】
例えば、第2閾値を、基板保持部の停止中における差分画像積分値の平均値+3*標準偏差と設定すれば、基板保持部が停止中であるにも拘わらず、差分画像積分値の統計的なバラツキによって、基板保持部の回転が開始したと誤判定してしまうような不都合を抑制することができる。
【0025】
また、本発明においては、前記第2閾値は、さらに、前記基板保持部の停止中の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の最大値(MaxV)及び、回転開始時の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の最小値(MinV)に基づいて、決定されるようにしてもよい。
【0026】
ここで、基板及び基板保持部の回転開始前後についての複数枚の第1画像が、複数セットある場合には、複数セットのデータ全体に関して、回転開始時の第1画像の回転開始判定領域における差分画像積分値の最小値(MinV)が、停止中の差分画像積分値の平均値+3*標準偏差より小さくなってしまうことがあり得る。このような状況は、停止中または回転開始時の第1画像の回転開始判定領域における差分画像積分値のバラツキが異常に大きいために生じると考えられる。
【0027】
本発明では、このような場合には、第2閾値を、差分画像積分値の平均値+3*標準偏差等で特定するのではなく、例えば、MaxV+(MinV−MaxV)*α(0<α<1
)と特定することが可能である。そうすれば、第2閾値を、停止中の差分画像積分値以上であり回転開始時の差分画像積分値以下である数値に設定することが可能となり、より確
実に、基板及び基板保持部の回転開始を判定することが可能となる。
【0028】
また、本発明は、基板を略水平姿勢に保持した状態で回転する基板保持部と、
前記基板保持部が回転した状態で前記基板に所定の処理を加える処理制御部と、
前記基板保持部による前記基板の保持状態の異常を検査する異常検査部と、
を備え、
前記異常検査部は、
前記基板保持部に保持される前記基板を水平方向から撮影して第1画像を取得する撮像手段と、
前記基板保持部により適正に保持されたときの前記基板から上方に位置する検査領域に対応する第2画像を前記第1画像から切り出す切り出し手段と、
前記第2画像について、前記基板保持部による前記基板の保持状態を示す特徴量を求め、該特徴量に基づいて前記保持状態の異常判定を行う判定手段と、
を有する、基板処理装置であって、
前記基板の保持状態の異常を検査するための前記検査領域を決定する検査領域決定部をさらに備え、
前記検査領域決定部は、
前記第1画像において、前記基板保持部に正常に保持された状態の前記基板の上端面を確定する上端面確定手段と、
前記上端面確定手段によって確定された前記第1画像における前記基板の上端面の位置に基づいて、前記検査領域の上下方向の位置を決定する垂直位置決定手段と、
前記上下方向の位置が決定された前記検査領域の候補について、前記基板保持部の回転開始時における濃度を求め、前記基板保持部の初期状態における同一領域の濃度との間の差分絶対値の積分値である差分画像積分値を求め、求められた差分画像積分値に基づいて、前記検査領域の水平位置を決定する水平位置決定手段と、
を有することを特徴とする、基板処理装置であってもよい。
【0029】
また、本発明は、前記水平位置決定手段は、前記検査領域の水平位置を、前記差分画像積分値が最小となる位置とすることを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0030】
また、本発明は、前記第1画像の所定の水平位置における画素の、垂直方向に関する隣接画素との濃度の差分値が、該垂直方向に関する各画素における濃度の標準偏差の所定倍数以上となる位置として、前記基板の上端面の位置を確定することを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0031】
また、本発明は、前記特徴量は、前記差分画像積分値に基づいて決定され、
前記基板保持部の回転中の前記第1画像の前記検査領域における前記差分画像積分値の平均値及び標準偏差に基づいて、前記基板の保持状態の異常判定のための前記特徴量の閾値を決定することを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0032】
また、本発明は、前記基板保持部の回転開始時の前記第1画像は、
所定の回転開始判定領域内の、前記差分画像積分値が所定の第2閾値を超えた時点に、前記撮像手段によって、前記基板保持部に保持される前記基板を水平方向から撮影した画像であることを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0033】
また、本発明は、前記回転開始判定領域の位置は、前記基板保持部の停止状態から回転開始後に亘って所定期間毎に撮影された複数の前記第1画像のうち、前記第1画像全体についての前記差分画像積分値が最大となるものより前に撮影され、一つ前の前記第1画像からの前記差分画像積分値の変化が、所定の第3閾値を超える直前の前記第1画像において、前記積分値が最大となる位置に決定されることを特徴とする、上記の基板処理装置で
あってもよい。
【0034】
また、本発明は、前記第2閾値は、前記基板保持部の停止中の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の平均値及び標準偏差に基づいて決定されることを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0035】
また、本発明は、前記第2閾値は、さらに、前記基板保持部の停止中の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の最大値及び、回転開始時の前記第1画像の前記回転開始判定領域における前記差分画像積分値の最小値に基づいて、決定されることを特徴とする、上記の基板処理装置であってもよい。
【0036】
なお、上述した、課題を解決するための手段は適宜組み合わせて使用することが可能である。