特許第6618062号(P6618062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6618062
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】トグルピン
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/12 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
   F16B21/12 D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-9875(P2019-9875)
(22)【出願日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年4月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000106357
【氏名又は名称】サンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】久保 龍矢
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕之
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/074241(WO,A1)
【文献】 実開昭59−164814(JP,U)
【文献】 特開2001−165135(JP,A)
【文献】 特開平02−057711(JP,A)
【文献】 実開昭56−133111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 21/00−21/20
F16B 23/00−43/02
F16B 13/00−13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピン本体と、ピン本体の先端部に折り曲げ可能に連結された略軸状の先端抜け止め部材とを備えてなり、1つまたは複数の対象物品のピン挿通孔に挿通した状態で先端抜け止め部材を折り曲げることにより、先端抜け止め部が形成されるようになっているトグルピンであって、
先端抜け止め部材は、ピン本体の先端部に対して、ピン本体の長さ方向に沿って所定距離だけ移動可能となされているとともに、ピン本体の長さ方向と直交する方向にのびる軸を中心として回動可能となされており、
ピン本体の先端部および先端抜け止め部材の基端部に、先端抜け止部材を折り曲げていない状態でピン本体および先端抜け止め部材の長さ方向から互いに嵌め合わせられる嵌合部が形成されており、
嵌合部どうしが嵌め合わせられている時に先端抜け止め部材が折り曲げ不能となされ、嵌合部どうしが外れている時に先端抜け止め部材が折り曲げ可能となされており、
ピン本体の先端部に、ピン本体の長さ方向に沿ってのびる長孔を有する板状の薄肉部が形成されており、
先端抜け止め部材に、その基端面から先端側に向かって切り込まれかつ薄肉部が摺動可能に嵌め入れられるスリット部が形成されており、
先端抜け止め部材が、薄肉部の長孔に挿通されるように先端抜け止め部材におけるスリット部の両側部分にまたがって取り付けられた連結ピンによって、ピン本体の先端部に、ピン本体の長さ方向に沿って長孔の長さの範囲内で移動可能にかつ回動自在に連結されており、
前記嵌合部が、先端抜け止め部材の基端部およびピン本体における薄肉部の付け根部分のうちいずれか一方に形成された嵌合凹部と、同他方に形成された嵌合凸部とよりなる、トグルピン。
【請求項2】
ピン本体の基端部に、径方向外方に突出した基端抜け止め部が形成されている、請求項記載のトグルピン。
【請求項3】
ピン本体に、対象物品と基端抜け止め部との間に介在されて先端抜け止め部を対象物品に向かって付勢するための圧縮コイルばねが外挿されている、請求項記載のトグルピン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の機械部品等の対象物品どうしを相対回動可能に連結する際や、1つまたは複数の機械部品等の対象物品を所定箇所に回動可能に取り付ける際などに用いられるトグルピンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数の機械部品どうしを相対回動可能に連結する手段として、ピン本体と、ピン本体の先端部に折り曲げ可能に連結された略軸状の先端抜け止め部材とを備えてなるトグルピンが一般に知られている。先端抜け止め部材は、ピン本体の長さ方向と直交する方向にのびる連結ピンによって、ピン本体の先端部に回動自在に連結されている。(例えば下記の特許文献1参照)。
上記のトグルピンは、複数の機械部品に設けられたピン挿通孔にまたがって挿通した状態で、ピン挿通孔から飛び出した先端抜け止め部材をほぼ直角に折り曲げることにより、先端抜け止め部が形成されるようになっている。そのため、トグルピンを使用すれば、機械部品どうしの連結作業が容易であり、また、分解作業も容易に行いうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−79115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のトグルピンの場合、複数の機械部品のピン挿通孔に挿通する際にトグルピンが回転したりすると、先端抜け止め部材が自重等によって不用意に折れ曲がることがあり、先端抜け止め部材を一旦真っ直ぐに戻してから挿通作業をやり直す必要があった。
また、状況によっては、複数の機械部品のピン挿通孔の位置が合うように片手で両部品を保持しながら、もう一方の手で先端抜け止め部材が折れ曲がらないように押さえながら挿通作業を行う必要があるため、作業性に問題があった。さらに、複数の機械部品が重量物である時には、安全性の面でも問題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、機械部品等の対象物品のピン挿通孔に挿通する際に先端抜け止め部材が不用意に折れ曲がるおそれがなく、挿通作業を容易にかつ迅速に行うことが可能なトグルピンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0007】
1)ピン本体と、ピン本体の先端部に折り曲げ可能に連結された略軸状の先端抜け止め部材とを備えてなり、1つまたは複数の対象物品のピン挿通孔に挿通した状態で先端抜け止め部材を折り曲げることにより、先端抜け止め部が形成されるようになっているトグルピンであって、
先端抜け止め部材は、ピン本体の先端部に対して、ピン本体の長さ方向に沿って所定距離だけ移動可能となされているとともに、ピン本体の長さ方向と直交する方向にのびる軸を中心として回動可能となされており、
ピン本体の先端部および先端抜け止め部材の基端部に、先端抜け止部材を折り曲げていない状態でピン本体および先端抜け止め部材の長さ方向から互いに嵌め合わせられる嵌合部が形成されており、
嵌合部どうしが嵌め合わせられている時に先端抜け止め部材が折り曲げ不能となされ、嵌合部どうしが外れている時に先端抜け止め部材が折り曲げ可能となされている、トグルピン。
【0008】
2)ピン本体の先端部に、ピン本体の長さ方向に沿ってのびる長孔を有する板状の薄肉部が形成されており、
先端抜け止め部材に、その基端面から先端側に向かって切り込まれかつ薄肉部が摺動可能に嵌め入れられるスリット部が形成されており、
先端抜け止め部材が、薄肉部の長孔に挿通されるように先端抜け止め部材におけるスリット部の両側部分にまたがって取り付けられた連結ピンによって、ピン本体の先端部に、ピン本体の長さ方向に沿って長孔の長さの範囲内で移動可能にかつ回動自在に連結されており、
前記嵌合部が、先端抜け止め部材の基端部およびピン本体における薄肉部の付け根部分のうちいずれか一方に形成された嵌合凹部と、同他方に形成された嵌合凸部とよりなる、上記1)のトグルピン。
【0009】
3)ピン本体の基端部に、径方向外方に突出した基端抜け止め部が形成されている、上記1)または2)のトグルピン。
【0010】
4)ピン本体に、対象物品と基端抜け止め部との間に介在されて先端抜け止め部を対象物品に向かって付勢するための圧縮コイルばねが外挿されている、上記3)のトグルピン。
【発明の効果】
【0011】
上記1)のトグルピンにあっては、ピン本体の先端部および先端抜け止め部材の基端部に形成された嵌合部どうしが嵌合されている状態で対象物品のピン挿通孔に挿通すれば、特許文献1記載のトグルピンのように先端抜け止め部材が不用意に折れ曲がるおそれがなく、スムーズに挿通を行うことができる。そして、ピン挿通孔への挿通が完了した後に、先端抜け止め部材をピン本体から離れる方向に引っ張ると、嵌合部どうしが外れるので、先端抜け止部材を折り曲げることができ、それによって先端抜け止め部が形成される。
したがって、上記1)のトグルピンによれば、容易にかつ迅速に挿通作業を行うことができる。
【0012】
上記2)のトグルピンによれば、ピン本体の先端部および先端抜け止め部材の構造が単純であって、容易に組立・製造することができ、コストが抑えられる上、必要な強度も得られる。
【0013】
上記3)のトグルピンによれば、折り曲げた状態の先端抜け止部材よりなる先端抜け止め部と、ピン本体の基端部に形成された基端抜け止め部とによって、対象物品のピン挿通孔から抜け落ちるのが確実に防止され、したがって、特に、複数の機械部品等の対象物品どうしを相対回動可能に連結する際に好適に用いることができる。
【0014】
上記4)のトグルピンによれば、圧縮コイルばねの付勢力により、トグルピンの長さ方向のガタツキが防止されるので、異音等の発生しない安定した連結・取付状態が保持される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の第1の実施形態に係るトグルピンを示すものであって、(a)は側面図、(b)は(a)のb−b線に沿う部分断面図である。
図2】同トグルピンの斜視図である。
図3】同トグルピンを使用して2つの機械部品を連結する工程を順次示す断面図である。
図4】この発明の第2の実施形態に係るトグルピンの側面図である。
図5】同トグルピンを使用して2つの機械部品を連結した状態を示す断面図である。
図6】同トグルピンを使用して2つの機械部品を連結した状態の別の態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図1図6を参照して、この発明の実施形態を説明する。
なお、以下の説明(但し、図6に関する説明を除く)において、図1図3図4図5の各左を「前」、同各右を「後」、同各上下を「上下」といい、また、「左右」は前から見た場合をいうものとする。
【0017】
[第1の実施形態]
図1図3は、この発明による第1の実施形態のトグルピンを示したものである。
図示のトグルピン(1)は、ピン本体(2)と、ピン本体(2)の前端部(先端部)に折り曲げ可能に連結された略軸状の先端抜け止め部材(3)とを備えてなる。
【0018】
ピン本体(2)は、前後方向にのびる丸棒状のものである。
ピン本体(2)の前端部(先端部)には、左右両側が減肉されて垂直板状となされた薄肉部(21)が形成されている。薄肉部(21)の前端部は、側面より見て略半円形となされている。薄肉部(21)には、前後方向にのびる長孔(211)が形成されている。
ピン本体(2)における薄肉部(21)の左右両側の付け根部分には、それぞれ嵌合凹部(22)が形成されている。嵌合凹部(22)は、横断面L形であって、左右方向外方に開口させられている。
ピン本体(2)の後端部(基端部)には、ピン本体(2)のその他の部分よりも径が大きい大径部よりなる基端抜け止め部(23)が形成されている。なお、基端抜け止め部は、径方向外方に突出して抜け止め機能が得られるものであれば、上記のような大径部には限定されず、適宜変更可能である。
基端抜け止め部(23)の後端には、基端抜け止め部(23)よりも前側のピン本体(2)部分よりも径が小さい小径部よりなる取付基部(24)が形成されている。取付基部(24)には、一直径方向にのびる貫通孔(241)が形成されており、この貫通孔(241)にリング部材(5)が取り付けられている。そして、リング部材(5)に、ワイヤ等の線状体よりなる保持部材(6)の一端部が接続されている。保持部材(6)の他端部は、図示しない固定部に接続されている。
なお、基端抜け止め部は、例えば、ピン本体の基端部を機械の取付ベース等に連結固定するような場合には、必ずしも設けなくてもよい。また、取付基部についても、必要に応じて設ければよく、必須のものではない。
【0019】
先端抜け止め部材(3)は、ピン本体(2)の外径とほぼ同一の外径を有する短い丸棒状のものである。先端抜け止め部材(3)の前端部は、機械部品(A)(B)等のピン挿通孔(A11)(A21)(B11)への挿通がスムーズに行われるように(図3参照)、周縁部分が斜めに面取りされて先細状となされている。
先端抜け止め部材(3)には、その後端面(基端面)から前方(先端側)に向かって切り込まれたスリット部(31)が形成されている。スリット部(31)は、先端抜け止め部材(3)の中心軸を通るように形成されていて、先端抜け止め部材(3)の上下両側に開口させられている。このスリット部(31)に、ピン本体(2)の薄肉部(21)が摺動可能に嵌め入れられている。
先端抜け止め部材(3)の後端部(基端部)には、ピン本体(2)の左右2つの嵌合凹部(22)にそれぞれ嵌め入れられる左右2つの嵌合凸部(32)が形成されている。嵌合凸部(32)は、先端抜け止め部材(3)の後端部におけるスリット部(31)の左右両側部分から後方に突出した略直方体状のものである。
先端抜け止め部材(3)の長さ中間部には、左右方向にのびる連結ピン(4)が、スリット部(31)の左右両側部分にまたがって取り付けられている。連結ピン(4)は、ピン本体(2)の薄肉部(21)の長孔(211)に挿通されている。この連結ピン(4)により、先端抜け止部材(3)が、ピン本体(2)の前端部に、ピン本体(2)の長さ方向に沿って長孔(211)の長さの範囲内で前後移動可能に、かつ連結ピン(4)を中心として回動自在に連結されている。
【0020】
以上の構成により、この実施形態のトグルピン(1)にあっては、嵌合凹部(22)と嵌合凸部(32)とが嵌め合わせられている時に、先端抜け止め部材(3)が折り曲げ不能となされ、嵌合凹部(22)と嵌合凸部(32)とが外れている時に、先端抜け止め部材(3)が折り曲げ可能となされている。
【0021】
次に、上記トグルピン(1)を使用して2つの機械部品(対象物品)(A)(B)を相対回動可能に連結する手順を、図3を参照しながら説明する。
まず、一方の連結対象物品である第1の機械部品(A)は、互いに所定間隔をおいて配された左右1対の連結端部(A1)(A2)を有している。各連結端部(A1)(A2)には、前後方向にのびるピン挿通孔(A11)(A21)が形成されている。
また、他方の連結対象物品である第2の機械部品(B)は、第1の機械部品(A)の2つの連結端部(A1)(A2)どうしの間に介在される1つの連結端部(B1)を有している。連結端部(B1)には、前後方向にのびるピン挿通孔(B11)が形成されている。
【0022】
両機械部品(A)(B)の連結に際しては、それぞれの連結端部(A1)(A2),(B1)のピン挿通孔(A11)(A21),(B11)が直列状に並ぶように、例えば両機械部品(A)(B)を作業者が片方の手で保持しておく。
トグルピン(1)は、図3(a)に示すように、ピン本体(2)の嵌合凹部(22)と先端抜け止め部材(3)の嵌合凸部(32)とが嵌め合わせられて、ピン本体(2)および先端抜け止め部材(3)が直列状に配された状態としておく。
そして、例えば作業者が他方の手でトグルピン(1)を持って、先端抜け止め部材(3)の方から、両機械部品(A)(B)の連結端部(A1)(A2),(B1)のピン挿通孔(A11)(A21),(B11)に順次挿通させていく。この際、例えばトグルピン(1)が回転したとしても、嵌合凹部(22)と嵌合凸部(32)とが嵌め合わせられているため、自重等により先端抜け止め部材(3)が不用意に折れ曲がることがなく、ピン挿通孔(A11)(A21),(B11)にスムーズに挿通させることが可能である。
【0023】
図3(b)に示すように、トグルピン(1)を全てのピン挿通孔(A11)(A21),(B11)に挿通させて、先端抜け止め部材(3)が第1の機械部品(A)の前側連結端部(A2)の前方に飛び出した時点で、先端抜け止め部材(3)を前方に引っ張ると、嵌合凸部(32)が嵌合凹部(22)から外れる。
【0024】
この状態から、図3(c)に示すように、先端抜け止め部材(3)を折り曲げると、それによって先端抜け止め部(30)が形成される。
以上の工程により、第1の機械部品(A)の連結端部(A1)(A2)と、第2の機械部品(B)の連結端部(B1)とが、トグルピン(1)によって相対回動可能に連結される。
また、トグルピン(1)は、折り曲げた状態の先端抜け止め部材(3)よりなる先端抜け止め部(30)と、ピン本体(2)の基端抜け止め部(23)とによって、連結端部(A1)(A2),(B1)のピン挿通孔(A11)(A21),(B11)から抜け落ちないようになっている。
したがって、この実施形態のトグルピン(1)によれば、容易にかつ迅速に挿通作業を行うことができる。
なお、図示は省略したが、第1の機械部品(A)の連結端部(A1)(A2)と、第2の機械部品(B)の連結端部(B1)との連結を解除して分解する場合には、上記と逆の操作を行えばよく、その際にも、トグルピン(1)をピン挿通孔(A11)(A21),(B11)から引き抜く作業を容易にかつ迅速に行うことが可能である。
【0025】
[第2の実施形態]
図4図6は、この発明による第2の実施形態のトグルピンを示したものである。
この実施形態のトグルピン(1X)は、以下の点を除いて、図1および図3に示した第1の実施形態のトグルピン(1)と実質的に同一の構成を有している。
すなわち、図4に示すように、第2の実施形態のトグルピン(1X)は、ピン本体(2)の後部に外挿された圧縮コイルばね(7)をさらに備えているものである。圧縮コイルばね(7)の前後両端部(71)は、クローズドエンドとなされているとともに、前後方向外側の接触面がほぼ垂直な平坦面となるように研削加工されている。圧縮コイルばね(7)の後端部(71)は、ピン本体(2)の基端抜け止め部(23)にビス(9)で固定されたL形の保持金具(8)によって、基端抜け止め部(23)から離れないように係止保持されている。
【0026】
この実施形態のトグルピン(1X)を使用すれば、図3に示す場合と同様の手順によって、第1の機械部品(A)の連結端部(A1)(A2)および第2の機械部品(B)の連結端部(B1)を相対回動可能に連結することができる。
この場合において、図3(b)と同様に、トグルピン(1X)を、先端抜け止め部材(3)が第1の機械部品(A)の前側連結端部(A2)の前方に飛び出すまで、ピン挿通孔(A11)(A21),(B11)に挿通させる際、圧縮コイルばね(7)が圧縮させられた状態となる。
そして、図5に示すように、上記トグルピン(1X)を用いて第1の機械部品(A)の連結端部(A1)(A2)および第2の機械部品(B)の連結端部(B1)を連結した状態では、第1の機械部品(A)の後側連結端部(A1)と、ピン本体(2)の基端抜け止め部(23)との間に、圧縮コイルばね(7)が介在され、この圧縮コイルばね(7)の弾性力(付勢力)により、折り曲げた状態の先端抜け止め部材(3)よりなる先端抜け止め部(30)が、後方に付勢されて、第1の機械部品(A)の前側連結端部(A2)に押し付けられる。
したがって、上記第2の実施形態によれば、圧縮コイルばね(7)の付勢力により、トグルピン(1X)の長さ方向のガタツキが防止されるので、異音等の発生しない安定した連結状態が保持される。
【0027】
また、第2の実施形態のトグルピン(1X)によれば、図6に示すように、先端抜け止め部(30)が下側となる垂直状態においても、トグルピン(1X)の自重が圧縮コイルばね(7)の付勢力によって持ち上げられるため、上下に配置された第1の機械部品(A)の連結端部(A1)(A2)および第2の機械部品(B)の連結端部(B1)を支障なく連結することができる。
【0028】
なお、上述した各実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲に記載されたこの発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えた上で、この発明を実施することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明は、複数の機械部品等の対象物品どうしを相対回動可能に連結したり、1つまたは複数の機械部品等の対象物品を所定箇所に回動可能に取り付けたりするためのトグルピンとして好適に用いられる。
【符号の説明】
【0030】
(A):第1の機械部品(対象物品)
(A11)(A21):ピン挿通孔
(B):第2の機械部品(対象物品)
(B11):ピン挿通孔
(1)(1X):トグルピン
(2):ピン本体
(21):薄肉部
(211):長孔
(22):嵌合凹部(嵌合部)
(23):基端抜け止め部
(3):先端抜け止め部材
(30):先端抜け止め部
(31):スリット部
(32):嵌合凸部(嵌合部)
(4):連結ピン
(7):圧縮コイルばね
【要約】
【課題】機械部品等の対象物品のピン挿通孔に挿通する際に先端抜け止め部材が不用意に折れ曲がるおそれがなく、挿通作業を容易にかつ迅速に行うことができるトグルピンを提供する。
【解決手段】トグルピン1は、ピン本体2と、ピン本体2の先端部に折り曲げ可能に連結された先端抜け止め部材3とを備えてなる。先端抜け止め部材3は、ピン本体2の先端部に対して、ピン本体2の長さ方向に沿って所定距離だけ移動可能となされているとともに、ピン本体2の長さ方向と直交する方向にのびる軸を中心として回動可能となされている。ピン本体2の先端部および先端抜け止め部材3の基端部に、互いに嵌め合わせられる嵌合凹部22および嵌合凸部32が形成されている。嵌合凹部22および嵌合凸部32が嵌め合わせられている時に先端抜け止め部材3が折り曲げ不能となされ、嵌合凹部22および嵌合凸部32が外れている時に先端抜け止め部材3が折り曲げ可能となされている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6