(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような治療方法から考察した場合、人などの皮膚に微弱電流を流すことで、細胞の活性化などの効果を期待することができる。
【0004】
そこで、本発明は、人や動物の皮膚に微弱電流を流すことができる電極掃除具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る電極掃除具は、皮膚に接触する先端側を輪っか状に湾曲させた負極の第1の電極部と正極の第2の電極部とを有する作用部を有し、前記作用部は、接触した前記皮膚内部に電流を流す。
【0006】
また、前記作用部は、前記先端側が所定の角度で立ち上がっていても良い。
【0007】
また、前記作用部は、前記第1の電極部と前記第2の電極部との間に絶縁体を有していても良い。
【0008】
前記第1の電極部および前記第2の電極部は、金属ワイヤーから形成されていても良い。
【0009】
また、前記絶縁体は、金属ワイヤーまたは板材から形成されていても良い。
【0010】
また、前記第1の電極部および前記2の電極部は、平行に向かい合って配置され、前記先端側に凹凸が形成されていても良い。
【0011】
また、前記作用部は、先端側を輪っか状のヘアピン状に湾曲させた芯材周りに金属ワイヤーを巻き付けて形成した前記第1の電極部および前記第2の電極部を有していても良い。
【0012】
また、前記第1の電極部および第2の電極部は、板材の表面から立ち上がる1対の支持部と、支持部の先端同士を繋ぐ波型の掻き部とを有していても良い。
【0013】
また、前記作用部が固定された持ち手部を備え、前記持ち手部は、滑り止めの突起を有していても良い。
【0014】
また、前記作用部は、針状の前記第1の電極部が1列に連なった第1の列と、前記第2の電極部が1列に連なった第2の列とを有していても良い。
【0015】
また、前記作用部は、先端が輪っか状の前記第1の電極部が1列に連なった第1の列と、前記第2の電極部が1列に連なった第2の列とを有していても良い。
【0016】
また、前記作用部は、放射状に配置された前記第1の列と、前記第1の列同士の間に放射状に配置された前記第2の電極部とを有していても良い。
【0017】
また、前記作用部は、先端が所定方向に出っ張った輪っか状であり、前記所定方向に傾斜している前記第1の電極部および前記第2の電極部を有していても良い。
【0018】
また、前記作用部は、前記第1の電極部が1列に連なった第1の列と、前記第2の電極部が連なった第2の列とを有し、当該第2の電極部の各々は、前記第1の電極部同士の間に位置していても良い。
【0019】
また、前記作用部は、一列上に交互に配置された前記第1の電極部および前記第2の電極部を有していても良い。
【0020】
また、前記作用部は、所定半径の円の円周に沿って配置された前記第1の電極部と、当該半径とは異なる径の円周に沿って配置された前記第2の電極部とを有していても良い。
【0021】
また、太陽電池を備え、前記電流は、前記太陽電池から供給されても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態に係る電極掃除具によれば、人や動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、細胞の活性化という効果を期待することができる。
【0023】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の例である各実施形態について図面を用いて説明する。
【0026】
<第一実施形態>
(電極掃除具:耳かき)
図1(a)は、第一実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図1(b)は、電極掃除具の持ち手部の構造を示した透視図である。
図1(c)は、電極掃除具の側面を示した図である。図示するように、電極掃除具100は、持ち手部101と、作用部102とを備えている。持ち手部101は、電極掃除具100の使用時にユーザが手で握る柄の部分である。持ち手部101は、例えばプラスチック樹脂や金属で形成されている。
【0027】
作用部102は、電極掃除具100の先端側に設けられており、使用時に人の肌(皮膚)に接触する部位である。具体的には、作用部102は、電極掃除具100の先端側を輪っか(閉ループ)状に湾曲させたヘアピン型の金属ワイヤーから形成されている。より具体的には、作用部102は、同一平面上にある最外周の第1ワイヤー103と、最内周の第2ワイヤー104と、第1ワイヤー103および第2ワイヤー104の間に位置する第3ワイヤー105と、から構成されている。
【0028】
第1ワイヤー103、第2ワイヤー104および第3ワイヤー105の湾曲している部分は、水平部位106に対して所定の角度(例えば、40度〜75度程度)で上方向に立ち上がっている。また、第1ワイヤー103、第2ワイヤー104および第3ワイヤー105の端部107は、第1ワイヤー103と第2ワイヤー104とが相互に電気的に接続した状態で持ち手部101内に固定されている。
【0029】
第1ワイヤー103、第2ワイヤー104および第3ワイヤー105は各々、ステンレス材などの導電性金属(例えば、バネ材など)から形成されている。第2ワイヤー104の表面には例えば金(Au)メッキが施されている。第3ワイヤー105の表面には絶縁部材が塗布されている。第1ワイヤー103の表面は、ステンレス材が露出していても良く、例えば亜鉛(Zn)メッキが施されていても良い。
【0030】
このような第1ワイヤー103は、負極の第1の電極部110となる。また、第2ワイヤー104は、正極の第2の電極部120となる。また、第3ワイヤー105は、第1の電極部および第2の電極部を相互に絶縁する絶縁体130である。なお、第1の電極部110および第2の電極部120は、例えば半田、金属製リベットによるカシメあるいはその他の方法による導電部108を介して相互に電気的に接続された状態で持ち手部101内に固定される。
【0031】
電極掃除具100は、通常、耳かきとして使用されるが、用途および使用方法は特に限定されない。例えば、耳かきとして使用する場合、ユーザは、耳の内部に挿入した作用部102の先端で耳垢などを掻き出すようにして使用する。なお、電極掃除具100の大きさや先端形状、線形および線形断面形状は、用途に応じて適宜設計されれば良い。
【0032】
電極掃除具100は、作用部が相互にイオン化傾向の異なる金属が露出した第1の電極部110および第2の電極部120と、これらを相互に絶縁する絶縁体130と、から構成されているため、作用部102に接触した身体の一部(例えば、第1ワイヤー103および第2ワイヤー104の先端付近が外耳道に押圧されて触れた部分)が電池における電解質の役割を果たし、皮膚(肌)を介して第1の電極部110(負極)から第2の電極部120(正極)に向かって微弱電流が流れる。微弱電流は、皮膚面の状況、外部環境(温度や湿度など)あるいは押圧強度などによって異なり、例えば0.3〜50マイクロアンペアのマイクロカレントであり、好ましくは0.5マイクロアンペア〜20マイクロアンペアである。また、両極間に発生する電圧は、例えば100mV〜3Vであり、好ましくは200mV〜2.6Vである。また、正電極は、例えば金、銀、銅やこれらの素材を含むバネ材などから形成しても良く、負電極は、アルミニウム、チタン、銀、銅、タングステンやこれらを含むバネ材などから形成しても良い。さらに、導電性のゴム材に上記材料の粉末を練り込んだものであっても良い。すなわち、正電極と負電極間で電位差が発生すれば良く、そのために上記材料あるいはこれらの材料を含むバネ材などが適宜選択されて用いられれば良い。
【0033】
なお、半田などの導電部108を介して、第2の電極部120から第1の電極部110に向かって電流が流れる。
【0034】
このように、電極掃除具100は、人(あるいは動物)の肌などを清掃する際、皮膚の接触部分に微弱電流を流すことができる。そのため、電極掃除具100の使用により肌を活性化させる効果を期待することができる。例えば、銀ゼオライトの銀イオンの抗菌作用は、主に以下の作用機構が考えられると言われている。
(1)銀イオンは、細胞内に取り込まれて抗菌性を発揮する。
(2)取り込まれた銀イオンはタンパク質などに結合し、その機能を阻害する。
(3)タンパク質の機能阻害によって活性酸素種が発生する。
また、銅イオンの抗菌機構は、銀イオンと略同じであると推察されている。基本的には、細胞内に金属イオンが取り込まれ、タンパク質などの機能を阻害し、死滅させるものである。一般に、重金属の抗菌性は、有機物、特に生体成分によって阻害される傾向が強いと言われている。一方で、正電極や負電極に重金属を設けると共に金属間の電位差を設けることで、肌表面付近の抗菌効果を期待することができる。
【0035】
図2(a)は、本実施形態に係る電極掃除具の第1変形例を示した図である。図示するように、電極掃除具100の作用部102は、第1の電極部110および第2の電極部120から構成され、第1の電極部110と第2の電極部120との間に絶縁体130を有していない。なお、第1の電極部110および第2の電極部120は、相互に電気的に接続した状態で持ち手部101内に固定されている。
【0036】
第1の電極部110および第2の電極部120の間には、比較的広い隙間L1が形成されている。かかる隙間L1が第1の電極部110と第2の電極部120とを分離させる無接触部の働きをする。
【0037】
このような第1変形例に係る電極掃除具100によっても、作用部102に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0038】
図2(b)は、本実施形態に係る電極掃除具の第2変形例を示した図である。図示するように、電極掃除具100は、第1の電極部110および第2の電極部120に電流を流すための電源となる太陽電池140を持ち手部101内に有している。第1の電極部110および第2の電極部120は各々、太陽電池140の負極と正極に接続されている。なお、第1の電極部110および第2の電極部120には太陽電池140を用いて電流を流すため、第1ワイヤー103および第2ワイヤー104の表面には必ずしもメッキ加工などを施す必要はない。しかし、一方で、例えば金メッキ、銀メッキ、銅メッキあるいはそれらの素材で構成することで、抗菌性をも期待することができる。
【0039】
なお、電極掃除具100は、電流のON/OFFを切り替えるスイッチが持ち手部101に設けられていても良い。
【0040】
太陽電池140を用いて第2の電極部120から第1の電極部110に向かって電流を流すことで、作用部102に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができる。そのため、微弱電流による肌を活性化させる効果が期待できる。また、抗菌効果を期待することができる。なお、太陽電池140以外の電池が用いられても良い。この場合、微弱電流は、1マイクロアンペア〜100マイクロアンペアの範囲としても良い。また、印加電圧は、例えば±100mV〜±5V、好ましくは±200mV〜±3.5Vとする。また、波長を持った電流や、電流をオンオフする制御を可能としても良い。さらには、電流強度や周波数を変更できる制御を可能としても良い。
【0041】
<第二実施形態>
(電極掃除具:耳かき)
図3(a)は、第二実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。図示するように、電極掃除具200は、第一実施形態の電極掃除具100と同様、持ち手部101と、作用部102とを備えている。なお、本実施形態を含む以降の実施形態では、第一実施形態と同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0042】
作用部102は、電極掃除具200の先端側を輪っか(閉ループ)状に湾曲させたヘアピン型に形成され、縮れによる凹凸形状が先端付近に形成された第1の電極部110と、第1の電極部110と略同様の形状を有する第2の電極部120と、から構成されている。第1の電極部110および第2の電極部120は、所定幅の隙間を空けて平行に向かい合って配置され、持ち手部101内で相互に電気的に接続した状態で固定されている。
【0043】
図3(b)は、第二実施形態に係る電極掃除具の第1変形例を示した図である。図示するように、電極掃除具200の作用部102は、平行に向かい合って配置された第1の電極部110と第2の電極部120との間に、これらに平行な絶縁体130を有している。絶縁体130は、電極掃除具200の先端側を輪っか(閉ループ)状に湾曲させたヘアピン状の金属ワイヤーであって、表面に絶縁部材が塗布されている。なお、図示する絶縁体130には、凹凸形状が形成されていないが、第1の電極部110や第2の電極部120と同様、電極掃除具200の先端付近に縮れによる凹凸を設けても良い。
【0044】
第1の電極部110と第2の電極部120とは、持ち手部101内で相互に電気的に接続した状態で固定されている。
【0045】
図3(c)は、第二実施形態に係る電極掃除具の第2変形例を示した図である。図示するように、電極掃除具200の作用部102は、平行に向かい合って配置された第1の電極部110と第2の電極部120との間に、第1の電極部110および第2の電極部120に平行な板状の絶縁体130を有している。板状の絶縁体130は、第1の電極部110や第2の電極部120と略同じ輪郭形状を有している。また、第1の電極部110と第2の電極部120とは、持ち手部101内で相互に電気的に接続した状態で固定されている。
【0046】
これらの電極掃除具200の使用方法は特に限定されない。例えば、耳かきとして使用しても良く、人や動物の皮膚を撫でて使用するのでも良い。
【0047】
このような第二実施形態に係る電極掃除具によっても、作用部に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0048】
<第三実施形態>
(電極掃除具:耳かき)
図4(a)は、第三実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図4(b)は、電極掃除具を横方向から見た側面図である。図示するように、電極掃除具300は、1枚の導電性の金属板を切り抜くことで先端が輪っか(閉ループ)状に形成された第1の電極部110および第2の電極部120から構成される作用部102を有している。なお、加工方法は特に限定されないが、例えばブラストや振動バレルで表面の角を丸めても良い。
【0049】
第1の電極部110および第2の電極部120は各々、電極掃除具300の先端側を輪っか状にした形状をしている。また、作用部102の先端側において、第1の電極部110と第2の電極部120との間には隙間301が形成されている。隙間301は、第1の電極部110と第2の電極部120の先端側においてより広く形成され、持ち手部101側では略一定の細い隙間になっている。
【0050】
また、第2の電極部120は、内側の金属板を切り抜いて中空部302を形成することで、中空部302と隙間301との間に挟まれた先端側が輪っか状に形成されている。
【0051】
また、第1の電極部110および第2の電極部120の先端は、持ち手部101から伸びる水平部位106に対して所定の角度(例えば、40度〜75度程度)で上方向に立ち上がっている。
【0052】
電極掃除具300は、例えば、耳かきとして使用しても良く、人や動物の皮膚を撫でて使用するのでも良い。
【0053】
第三実施形態に係る電極掃除具によっても、作用部に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。なお、
図4(a)、(b)では、第1の電極部110および第2の電極部120を各々、単体で示したが、各電極部を複数本ずつ設けても良い。また、第1の電極部110および第2の電極部120を各々複数設けた場合、例えば、
図1に示す絶縁体130のように、両電極部の間であって、両電極部に沿って複数の絶縁体を設けても良い。
【0054】
<第四実施形態>
(電極掃除具:耳かき)
図5は、第四実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。図示するように、電極掃除具400は、先端側を輪っか(閉ループ)状のヘアピン型に湾曲させた芯材401周りに導電性の金属ワイヤーをバネ状に巻き付けた作用部102を有している。
【0055】
具体的には、作用部102は、かかる芯材401の片側半分(例えば、左側半分)に第1の電極部110となる金属ワイヤー402を巻き付け、芯材401が貫通するリング状の絶縁部材403を隔てて、もう一方の片側半分(例えば、右側半分)に第2の電極部120となる金属ワイヤー404を巻き付けた構造となっている。また、第1の電極部110と第2の電極部120との間には、所定幅の隙間405が形成されている。
【0056】
なお、芯材401は、導電性の金属ワイヤーにより形成されている。そのため、芯材401を介して、第1の電極部110と第2の電極部120とは導通している。
【0057】
電極掃除具400の使用方法の一例としては、例えば耳かきとして、第1の電極部110および第2の電極部120を構成するバネ状の金属ワイヤー402、404で耳垢などを掻き出すようにして使用する。なお、使用方法は特に限定されない。
【0058】
このような第四実施形態に係る電極掃除具によっても、作用部に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0059】
<第五実施形態>
(電極掃除具:背中掻き、肌掻き)
図6は、第五実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。図示するように、電極掃除具500は、所定形状(例えば、
図6に示すしゃもじ型)の板材501の表面から電極掃除具500の先端方向に向かって上方向に立ち上がる1対の支持部502と、支持部502の先端において持ち手部101側に向かって立ち上がり、支持部502間を繋ぐ波型の掻き部503と、から構成される2つ1組の作用部102を有している。作用部102の一方は第1の電極部110であり、作用部の他方は第2の電極部120である。
【0060】
掻き部503は、一方の支持部502から他方の支持部502に向かって電極掃除具500の幅方向に伸びる波型形状をしている。また、作用部102は、掻き部503の先端504Aと、掻き部503の先端504Bとが略同一平面に位置するように板材501の表面からの立ち上がり角や長さが設定されている。
【0061】
第1の電極部110と、第2の電極部120とは、相互に電気的に接続した状態で持ち手部101内に固定されている。
【0062】
ユーザは、波型である掻き部503の先端504A、504Bで背中や肌を引っ掻くようにして電極掃除具500を使用する。
【0063】
このような第五実施形態に係る電極掃除具によっても、作用部に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0064】
<第六実施形態>
(電極掃除具:鼻くそ取り)
図7(a)は、第六実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図7(b)は、電極掃除具の使用方法を示した図である。図示するように、電極掃除具600は、先端側を輪っか(閉ループ)状に湾曲させ、上方向に立ち上げられている第1の電極部110、第2の電極部120および絶縁体130から構成された作用部102を有している。
【0065】
作用部102は、第1の電極部110と第2の電極部120との間の同一平面上に絶縁体130を配置し、第1の電極部110と第2の電極部120とは、持ち手部101内で電気的に接続した状態で固定されている。
【0066】
作用部102は、持ち手部101の上面側の一端付近に取り付けられている。また、持ち手部101の上面側中央付近には、電極掃除具600を指で持った際に滑らないように、複数の突起601からなる滑り止め602が設けられている。また、持ち手部101の下面側603は、指で持ちやすいように中央付近が凹んだ形状をしている。このような電極掃除具600の表面は、鼻腔内で皮膚に触れた場合でもユーザが怪我をしないように触り心地の柔らかいエラストマーなどによって覆われている。ユーザは、作用部102の先端で鼻くそを掻き出すようにして電極掃除具600を使用する。
【0067】
このような第五実施形態に係る電極掃除具によっても、作用部に接触した身体の一部に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0068】
<第七実施形態>
(電極掃除具:肌掻きブラシ)
図8(a)は、第七実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図8(b)は、電極掃除具を横方向から見た側面図である。図示するように、電極掃除具700は、先端が丸みを帯びている針状の第1の電極部110が1列に連なった第1の列701と、第2の電極部120が1列に連なった第2の列702と、を交互に配置した作用部102を有している。なお、第1の電極部110と第2の電極部120の各々は、接続部703において相互に電気的に接続された状態で固定されている。
【0069】
具体的には、第1の電極部110および第2の電極部120は、接続部703に設けられた複数の貫通穴に通して固定されている。第1の列701を形成する貫通穴には第1の電極部110が挿入され、第2の列702を形成する貫通穴には第2の電極部120が挿入されて固定されている。第1の電極部110と、第2の電極部120とは各々、所定の間隔(例えば、数mm)を空けて接続部703に固定されている。また、第1の電極部110同士および第2の電極部120同士も各々、所定の間隔(例えば、数mm)を空けて接続部703に固定されている。接続部703から各々の電極部110、120の先端までの長さは、例えば7mm〜80mm、好ましくは10mm〜60mmとする。
【0070】
接続部703は、導電性の金属板から形成されている。そのため、第1の電極部110と第2の電極部120とは、接続部703において相互に電気的に接続されている。
【0071】
このような電極掃除具700は、人や動物の肌や頭皮を撫でて使用する。
【0072】
電極掃除具700の使用時において、皮膚に接触した第1の電極部110および第2の電極部120の端部同士の間には隙間が形成される。そのため、電極掃除具700は、第1の電極部110から第2の電極部120に向かって皮膚を流れる微弱電流を発生させることができる。微弱電流により、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0073】
<第八実施形態>
(電極掃除具:肌掻きブラシ)
図9(a)は、第八実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図9(b)は、電極掃除具の作用部を下方向から見た底面図である。図示するように、電極掃除具800は、先端が輪っか(閉ループ)状の第1の電極部110が1列に連なった第1の列801と、第1の電極部110と同一形状の第2の電極部120が1列に連なった第2の列802とを交互に配置した作用部102を有している。なお、第1の電極部110と第2の電極部120の各々は、接続部803において相互に電気的に接続された状態で固定されている。
【0074】
接続部803には、第1の電極部110および第2の電極部120を固定する孔が複数設けられている。第1の列801を形成する孔には第1の電極部110が固定され、第2の列802を形成する孔には第2の電極部120が固定されている。第1の電極部110と、第2の電極部120とは各々、所定の間隔(例えば、2mm〜10mm、好ましくは2mm〜8mm)を空けて接続部803に固定されている。また、第1の電極部110同士および第2の電極部120同士も各々、所定の間隔(2mm〜10mm、好ましくは2mm〜8mm)を空けて接続部803に固定されている。また、第1の電極部110および第2の電極部120のループは、略円形(楕円形を含む)または多角形のワイヤーを使用する。また、ワイヤーの太さは、例えば断面積が直径0.3mm円形断面積〜2mm円形断面積相当、好ましくは直径0.5mm円形断面積〜1.5mm円形断面積相当とする。また、接続部803は、金属製で第1の電極部110および第2の電極部120を差し込むなどして直接導通させても良く、接続部803をプラスチックで成型し、第1の電極部110および第2の電極部120を接続部803の内部で結線するようにしても良い。
【0075】
このような電極掃除具によっても、第1の電極部および第2の電極部に接触した人や動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0076】
図9(c)は、第八実施形態に係る電極掃除具の変形例を示した図である。図示するように、変形例に係る電極掃除具800は、接続部803の中央付近から外側に向かって第1の電極部110と第2の電極部120とを交互かつ放射状に配置した作用部102を有している。なお、第1の電極部110と第2の電極部120の各々は、接続部803において相互に電気的に接続された状態で固定されている。
【0077】
第1の電極部110は、接続部803の中央付近から外側に向かって放射状に所定数(
図9(c)では、2つ)連続して配置されており、第1の列801を形成している。また、第2の電極部120は、第1の列801同士の間に所定数ずつ(
図9(c)では、1つずつ)放射状に配置されている。なお、第2の電極部120は、第1の電極部110と同様、連続して配置することで第2の列を形成しても良い。なお、第1の電極部110および第2の電極部120の先端までの長さは、例えば7mm〜80mm、好ましくは10mm〜60mmで適宜設定されるものとする。また、各々の電極部110、120の先端までの長さは、接続部803の中央に掛けて異なる長さが設定されても良い。例えば、接続部803の外周側よりも中央側に向かって両電極部110、120の長さを長く(あるいは短く)設定することにより、電極掃除具800の作用部の形状を中央が凸状あるいは凹状にすることができ、平面、球面あるいは湾曲面に対する使用に対応することができる。
【0078】
このような電極掃除具によっても、第1の電極部および第2の電極部に接触した人や動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0079】
<第九実施形態>
(電極掃除具:肌掻きブラシ)
図10(a)は、第九実施形態に係る電極掃除具の作用部の一例を示した図である。
図10(b)は、電極掃除具の作用部を下方向から見た底面図である。図示するように、電極掃除具900は、第1の電極部110が1列に連なった第1の列901と、第2の電極部120が1列に連なった第2の列902とが交互に配置され、第1の電極部110同士の間に第2の電極部120が位置するように配置された作用部102を有している。なお、第1の電極部110と第2の電極部120の各々は、接続部903において相互に電気的に接続された状態で固定されている。
【0080】
第1の電極部110および第2の電極部120は各々、先端が輪っか(閉ループ)状であり、所定角(例えば、80度〜90度)で持ち手部101側に傾斜して接続部903に固定されている。また、第1の電極部110および第2の電極部120の先端付近の形状は、持ち手部101側にやや出っ張った形状をしている。このように、両電極部110、120の形状は、肌への接触面が、水平方向でハンドル側に向かって下方向に傾いているため、肌面の毛などを掻き分けやすくなっている。なお、傾き角度は、肌接触平面(接続部903において両電極部110、120が固定される面)に対して、例えば3°〜80°であり、好ましくは5°〜45°である。
【0081】
接続部903には、第1の電極部110および第2の電極部120を固定する孔が複数設けられている。第1の列901を形成する孔には第1の電極部110が固定され、第2の列902を形成する孔には第2の電極部120が固定されている。第1の電極部110と、第2の電極部120とは各々、所定の間隔(例えば、2mm〜10mm、好ましくは2mm〜8mm)を空けて接続部903に固定されている。また、第1の電極部110同士および第2の電極部120同士も各々、所定の間隔(数mm)をずらして接続部903に固定されている。また、第1の電極部110および第2の電極部120のループは、略円形(楕円形を含む)または多角形のワイヤーを使用する。また、ワイヤーの太さは、例えば断面積が直径0.3mm円形断面積〜2mm円形断面積相当、好ましくは直径0.5mm円形断面積〜1.5mm円形断面積相当とする。また、接続部903は、金属製で第1の電極部110および第2の電極部120を差し込むなどして直接導通させても良く、接続部903をプラスチックで成型し、第1の電極部110および第2の電極部120を接続部803の内部で結線するようにしても良い。また、第1の電極部110および第2の電極部120の先端までの長さは、例えば7mm〜80mm、好ましくは10mm〜60mmで適宜設定されるものとする。また、各々の電極部110、120の先端までの長さは、接続部803の中央に掛けて異なる長さが設定されても良い。例えば、接続部803の外周側よりも中央側に向かって両電極部110、120の長さを長く(あるいは短く)設定することにより、電極掃除具800の作用部の形状を中央が凸状あるいは凹状にすることができ、平面、球面あるいは湾曲面に対する使用に対応することができる。
【0082】
このような電極掃除具によっても、第1の電極部および第2の電極部に接触した人や動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0083】
<第十実施形態>
(電極掃除具:ペットのグルーミングブラシ)
図11(a)は、第十実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。図示するように、電極掃除具1000は、先端側が先細る突起状に形成された第1の電極部110と第2の電極部120とを1列上に交互に配置した作用部102を有している。なお、第1の電極部110と第2の電極部120の各々は、接続部1001において相互に電気的に接続された状態で固定されている。
【0084】
交互に配置された第1の電極部110と第2の電極部120との間には所定の間隔(例えば、0.5mm〜8mm、好ましくは0.6mm〜6mm)を空けて接続部1001に設けられている孔に固定されている。接続部1001から各々の電極部110、120先端までの長さは適宜設定されるものとする。なお、図示しないが、複数の第1の電極部110と複数の第2の電極部120とを別体で構成し、各々を第1の電極部群と第2の電極部群とした場合、第1の電極部110同士の間および第2の電極部120同士の間に隙間を設け、第1の電極部110と第2の電極部120とが交互に噛み合うように第1の電極部群と第2の電極部群とを接続部1001に差し込むなどして配置しても良い。
【0085】
このような電極掃除具1000は、猫などの動物のグルーミングブラシとして使用する。具体的には、作用部を動物の身体に押し付けつつ持ち手部側に引くことで、突起状の第1の電極部110と第2の電極部120との間に体毛を挟み込み、抜け毛などを取り除く。なお、電極掃除具1000は、人や動物の肌を撫でるように使用しても良く、用途および使用方法は限定されない。
【0086】
このような電極掃除具によっても、第1の電極部および第2の電極部に接触した動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0087】
<第十一実施形態>
(電極掃除具:頭皮ブラシ)
図12(a)は、第十一実施形態に係る電極掃除具の一例を示した図である。
図12(b)は、電極掃除具の下側から見た底面図である。図示するように、電極掃除具1100は、所定半径の円の円周(楕円も含む)に沿って配置された第1の電極部110と、第1の電極部110が配置された円とは異なる径の円周に沿って配置された第2の電極部120とから構成される作用部102を有している。なお、円は略円であれば良く、楕円や多角形であっても良い。
【0088】
第1の電極部110および第2の電極部120は、一端が接続部1101に固定され、他端である先端方向に向かって先細る突起1102の先端に取り付けられている。第1の電極部110および第2の電極部120は各々、半球形の丸みを帯びた形状をしている。なお、突起1102は、エラストマーなど弾力性のある素材により形成されている。
【0089】
第1の電極部110と第2の電極部120との間には各々、所定の間隔(例えば、数mm)が設けられている。また、第1の電極部110同士および第2の電極部120同士の間にも、所定の間隔(例えば、数mm)が設けられている。
【0090】
また、突起1102内部および接続部1101を通る金属製の接続線(図示せず)により、第1の電極部110および第2の電極部120は各々、相互に電気的に接続されている。
【0091】
このような電極掃除具1100は、第1の電極部110および第2の電極部120を頭に押し付けて動かすことにより、頭皮の汚れを取り除くことができる。なお、第1の電極部110および第2の電極部120の先端までの長さは、例えば10mm〜80mm、好ましくは15mm〜60mmとする。また、各々の電極部110、120の先端までの長さは、接続部803の中央に掛けて異なる長さが設定されても良い。例えば、接続部803の外周側よりも中央側に向かって両電極部110、120の長さを長く(あるいは短く)設定することにより、電極掃除具800の作用部の形状を中央が凸状あるいは凹状にすることができ、平面、球面あるいは湾曲面に対する使用に対応することができる。また、シャンプーなどの液体洗剤を付けて頭皮を洗浄する際など、使用時に電極と皮膚との間の抵抗が小さくなる場合には、人体に過度の電流が流れることを防ぐために接続部1101内における両電極部110、120の結線を切断するためのスイッチを設けても良い。あるいは、接続部1101内に電流量を制御する電流制限ダイオードや抵抗などを設けても良い。また、電流制限ダイオードや抵抗などによって電流量を制御する場合、それらを設けた制御回路を両電極部110、120に接続することで一つにまとめて電流量を制御しても良い。
【0092】
このような電極掃除具によっても、第1の電極部および第2の電極部に接触した動物の皮膚に微弱電流を流すことができ、肌を活性化させる効果を期待することができる。また、抗菌効果を期待することができる。
【0093】
なお、第一実施形態〜第十一実施形態において、第1の電極部を正極とし、第2の電極部を負極としても良い。また、第1の電極部および第2の電極部に電池(太陽電池を含む)を用いて電流を流すようにしても良い。また、第六実施形態に係る電極掃除具には、滑り止めの突起が形成されているが、他の実施形態に係る電極掃除具の持ち手部にも同様の滑り止めの突起が形成されていても良い。また、前述の全ての実施形態においても、使用時に人体に過度の電流が流れることを防ぐために接続部内における両電極部110、120の結線を切断するためのスイッチを設けても良い。あるいは、接続部内に電流量を制御する電流制限ダイオードや抵抗などを設けても良い。また、電流制限ダイオードや抵抗などによって電流量を制御する場合、それらを設けた制御回路を両電極部110、120に接続することで一つにまとめて電流量を制御しても良い。
【解決手段】電極掃除具100は、作用部が相互にイオン化傾向の異なる金属が露出した第1の電極部110および第2の電極部120と、これらを相互に絶縁する絶縁体130と、から構成されているため、作用部102に接触した身体の一部、第1ワイヤー103および第2ワイヤー104の先端付近が外耳道に押圧されて触れた部分が、電池における電解質の役割を果たし、皮膚又は肌を介して第1の電極部110から第2の電極部120に向かって微弱電流が流れる。