(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の容器の配管接続構造を備える固相合成装置1は、合成ユニットEと第1容器ユニットAと第2容器ユニットBとを備えている。合成ユニットEと第1容器ユニットAとは、複数の送液用配管3A1〜3A7を備える第1配管群3Aにより接続されている。合成ユニットEと第2容器ユニットBとは、複数の送液用配管3B1〜3B5を備える第2配管群3Bにより接続されている。
【0016】
合成ユニットEは、反応容器5と、第1計量器7A及び第2計量器7Bとを備えている。反応容器5と第1計量器7Aとは、第1薬液供給配管9Aにより接続されている。反応容器5と第2計量器7Bとは、第2薬液供給配管9Bにより接続されている。これにより、第1計量器7Aまたは第2計量器7Bから薬液が反応容器5に供給される。反応容器5には、表面で合成反応を生じさせるための粒子状の樹脂(ビーズ、レジン)が投入される。
【0017】
第1計量器7Aは、第1配管群3Aを介して第1容器ユニットAに接続され、第2計量器7Bは、第2配管群3Bを介して第2容器ユニットBに接続される。第1容器ユニットAは、複数の薬液容器A1〜A7を備えている。各薬液容器A1〜A7に収容される液体である薬液が第1配管群3Aの各送液用配管3A1〜3A7を通して第1計量器7Aに個別に送られる。第2容器ユニットBは、複数の薬液容器B1〜B5を備えている。各薬液容器B1〜B5に収容される薬液が第2配管群3Bの各送液用配管3B1〜3B5を通して第2計量器7Bに個別に送られる。第1計量器7A及び第2計量器7Bは、薬液が送給される送液先容器を構成している。
【0018】
すなわち、第1容器ユニットAの薬液容器A1〜A7に収容された薬液は、第1配管群3Aを通して第1計量器7Aに送られ、後述するロードセルにより計量された後、反応容器5に送られる。同様にして、第2容器ユニットBの薬液容器B1〜B5に収容された薬液は、第2配管群3Bを通して第2計量器7Bに送られ、後述するロードセルにより計量された後、反応容器5に送られる。
【0019】
次に、合成ユニットEについて
図2を用いて詳細に説明する。
【0020】
反応容器5と第1計量器7Aとを接続する第1薬液供給配管9Aには、第1計量器7A側から順に、第1薬液開閉弁11A及び第1薬液三方弁13Aがそれぞれ設けられている。なお、第1薬液開閉弁11A及び第1薬液三方弁13Aは、黒で塗り潰した部分がノーマルクローズ(通常では閉)である。以下に示す他の開閉弁、三方弁及び逆止弁ついても同様である。第1薬液三方弁13Aのノーマルクローズとなるポートは、第1排液配管15Aの一端に接続されている。第1排液配管15Aの他端は、第1排液逆止弁17Aを介して排液配管19に接続されている。
【0021】
反応容器5と第2計量器7Bとを接続する第2薬液供給配管9Bには、第2計量器7B側から順に、第2薬液開閉弁11B及び第2薬液三方弁13Bがそれぞれ設けられている。第2薬液三方弁13Bのノーマルクローズとなるポートは、第2排液配管15Bの一端に接続されている。第2排液配管15Bの他端は、第2排液逆止弁17Bを介して排液配管19に接続されている。
【0022】
反応容器5の下部には、合成物を残して、反応済みの薬液を排液するためのフィルタ21が設けられている。反応容器5の下部には、フィルタ21を介して上述した排液配管19が接続されている。排液配管19には、反応容器5から下流側に向けて順に、排液逆止弁23、排液開閉弁25及び排液ポンプ27がそれぞれ設けられている。排液ポンプ27は、例えばダイヤフラム式であり、作動して反応容器5の内部を減圧することで、反応容器5内に収容された薬液または、反応容器5を洗浄するための液体である洗浄剤を廃液WLとして外部へ排出する。排液ポンプ27は、第1排液配管15A及び第2排液配管15Bの排液配管19への接続部よりも上流側に設けられている。
【0023】
反応容器5の内部には、反応容器5内に供給された薬液を撹拌するための撹拌機29が設けられている。撹拌機29は、モータ31によって回転する回転軸33に連結されており、図示しない制御部により回転が制御される。具体的には、モータ31を例えば角度180°毎に正転、逆転を繰り返すことにより、撹拌機29が往復するように回転させて反応容器5内に収容された薬液を撹拌する。なお、上記した制御部は、本実施形態に係る固相合成装置の全体を制御する。
【0024】
反応容器5の上部には、反応容器5内を陽圧(プラスの圧力)とするための不活性ガス(例えば、窒素ガス)CGを供給する不活性ガス配管35が接続されている。不活性ガス配管35には不活性ガス開閉弁37が設けられている。不活性ガスが、不活性ガス開閉弁37を経由して反応容器5内に供給されることで、反応容器5内が陽圧となって大気の流入を抑制できる。
【0025】
反応容器5の上部には、反応容器5内に存在するガスを外部に排気するための排気配管39が接続されており、排気配管39は排気開閉弁41を介して外部に連通している。排気開閉弁41に対して並列的に安全弁43が設けられている。反応容器5内に薬液が供給された後の、合成反応が行われる前、または、合成反応が行われている間に排気開閉弁41を開放して、反応容器5内の液面上の空間に充満しているガスを排気EGとして排出する。また、反応容器5内の圧力が過多となった場合には、安全弁43を開放して異常な圧力上昇を回避する。
【0026】
反応容器5の上部には、洗浄剤開閉弁45を備えた洗浄剤配管47が接続されている。洗浄剤配管47は、図示しない洗浄剤容器に接続されており、洗浄剤配管47を介して反応容器5内に洗浄剤CSが供給される。すなわち、洗浄剤開閉弁45の開閉を制御することにより、反応容器5内への洗浄剤の供給、停止を制御することができる。
【0027】
第1計量器7Aには、第1計量器7Aに供給された薬液を撹拌する第1撹拌機49Aが設けられている。第1撹拌機49Aは、第1モータ51Aによって回転する第1回転軸53Aに連結されており、第1モータ51Aにより回転駆動される。第1撹拌機49Aは、一定の方向に回転させてもよいし、前述した撹拌機29と同様に角度180°毎に正転、反転を繰り返すようにしてもよい。
【0028】
第1計量器7Aの上部には、第1計量器7A内を洗浄するための洗浄剤CSを供給する洗浄剤配管46Aが接続されている。洗浄剤配管46Aには、洗浄剤開閉弁48Aが設けられており、洗浄剤CSは、洗浄剤開閉弁48Aを経由して第1計量器7A内に供給される。これにより、第1計量器7A内を洗浄できる。
【0029】
第1計量器7Aの上部には、第1計量器7A内で発生したガスを外部に排気EGとして排出するための第1排気配管55Aが設けられており、第1排気配管55Aは第1排気開閉弁57Aを介して外部に連通している。第1排気開閉弁57Aに対して並列的に第1排気安全弁59Aが設けられている。したがって、第1排気開閉弁57Aの開閉を制御することにより、第1計量器7A内に充満したガスを排気EGとして外部に排出することができる。第1計量器7A内の圧力が過多となった場合には、第1排気安全弁59Aが開放されて第1計量器7A内の異常な圧力上昇を回避する。
【0030】
第1計量器7Aには第1ロードセル61Aが取り付けられている。第1ロードセル61Aによって第1計量器7Aに送られた薬液の重量を検出し、薬液の重量が設定値に達したら、第1計量器7Aへの薬液の送給を停止する。
【0031】
なお、第2計量器7Bは、第1計量器7Aと同等の構造であり、第2計量器7Bの周辺の配管及び弁等も第1計量器7Aと同様に設けられているため、詳細な説明は省略する。第2計量器7Bの周辺の各種部品には、例えば第1計量器7Aの第1撹拌機49Aに対しては第2撹拌機49Bというように、アルファベットの大文字「B」を「A」の代わりに付してある。
【0032】
図1に示す第1容器ユニットAの各薬液容器A1〜A7には、各種の薬液が収容されており、薬液容器A1〜A7から第1計量器7Aに薬液を供給するための供給ラインとなる第1配管群3Aは、前述したように複数の送液用配管3A1〜3A7を備えている。同様にして、第2容器ユニットBの各薬液容器B1〜B5には、各種の薬液が収容されており、薬液容器B1〜B5から第2計量器7Bに薬液を供給するための供給ラインとなる第2配管群3Bは、前述したように複数の送液用配管3B1〜3B5を備えている。
図2では、このうち送液用配管3A1,3B1のみを代表して示している。
【0033】
図2に示すように、第1計量器7Aに接続される第1送液用配管3A1には、第1送液逆止弁63Aが設けられている。同様にして、第2計量器7Bに接続される第2送液用配管3B1には、第2送液逆止弁63Bが設けられている。第1送液逆止弁63A及び第2送液逆止弁63Bは、第1容器ユニットA及び第2容器ユニットBから第1計量器7A及び第2計量器7Bへの薬液の流れを許容し、第1計量器7A及び第2計量器7Bから第1容器ユニットA及び第2容器ユニットBへの薬液の流れを規制する。
【0034】
次に、
図3も参照して第1送液用配管3A1周辺の配管接続構造について説明する。なお、
図3の特に第1計量器7A周辺は簡略化しており、
図2に示してある第1撹拌機49Aや第1不活性ガス配管46A等は省略している。第2送液用配管3B1周辺の配管接続構造は、第1送液用配管3A1周辺の配管接続構造と同様なので説明は省略する。
【0035】
図3に示すように、第1送液用配管3A1には、薬液容器A1側から順に、上流側弁付カプラ65、下流側弁付カプラ67及び送液開閉弁69がそれぞれ設けられている。すなわち、下流側弁付カプラ67は送液開閉弁69よりも薬液容器A1側に設けられている。下流側弁付カプラ67及び上流側弁付カプラ65は、ワンタッチで着脱可能な弁内蔵のカップリングであって、フッ素系の材質で構成されている。下流側弁付カプラ67及び上流側弁付カプラ65は、連結部及び第2連結部をそれぞれ構成している。なお、下流側弁付カプラ67及び上流側弁付カプラ65は、その全体をフッ素系の材質で構成してもよく、その表面をフッ素系の材質でコーティングしてもよい。
【0036】
送液開閉弁69は、第1計量器7Aに対し極力近い位置に配置してある。これにより、送液開閉弁69と第1計量器7Aとの間の配管の長さがより短くなる。第1送液用配管3A1は、上流側弁付カプラ65及び下流側弁付カプラ67の接続を解除することで、これら両カプラ65,67相互間の第1送液用配管3A1を取り外すことができる。
【0037】
ここで、第1送液用配管3A1において、上流側弁付カプラ65より上流側を上流配管U、上流側弁付カプラ65と下流側弁付カプラ67との間を中間配管M、下流側弁付カプラ67より下流側を下流配管Dとする。中間配管Mは、両端部に上流側弁付カプラ65及び下流側弁付カプラ67として、例えば雌側となるソケット65a及び67aをそれぞれ備えている。これに対応して、上流配管Uの端部に上流側弁付カプラ65として、雄側となるプラグ65bが設けられ、下流配管Dの端部に下流側弁付カプラ67として、雄側となるプラグ67bが設けられている。
【0038】
すなわち、ソケット65aとプラグ65bとが対となって上流側弁付カプラ65を構成し、ソケット67aとプラグ67bとが対となって下流側弁付カプラ67を構成している。
【0039】
第1送液用配管3A1は、薬液71が収容された薬液容器A1の底部に挿入されている。薬液容器A1には、第1送液用配管3A1のほか、不活性ガス配管73と排気配管75とが接続されている。不活性ガス配管73及び排気配管75の端部は、第1計量器7A内において上部に位置しており、薬液71の中に挿入されていない。
【0040】
不活性ガス配管73には、薬液容器A1側から順に、不活性ガス弁付カプラ77、逆止弁79及び三方弁81がそれぞれ設けられている。逆止弁79は、三方弁81から薬液容器A1への流体の流れを許容し、薬液容器A1から三方弁81への流体の流れを規制する。逆止弁79は、フッ素系の材質で構成されている。
【0041】
三方弁81は、流体がそれぞれ個別に供給される第1ポート81a及び第2ポート81bと、第1ポート81aまたは第2ポート81bから流れてくる流体が逆止弁79に向けて流れる第3ポート81cと、を備えている。すなわち、三方弁81は、上流側に第1ポート81a及び第2ポート81bが設けられる一方、下流側に第3ポート81cが設けられている。第1ポート81aはノーマルクローズである。第2ポート81bに接続される不活性ガス配管82には逆止弁84が設けられている。排気配管75には、薬液容器A1に近い側から順に、排気用弁付カプラ86及び排気開閉弁83がそれぞれ設けられている。
【0042】
三方弁81の第1ポート81a及び第2ポート81bには、不活性ガス(例えば、窒素ガス)CG1及びCG2が、図示しない不活性ガスタンクからそれぞれ加圧して供給される。第1ポート81aに供給される不活性ガスCG1は、第2ポート81bに供給される不活性ガスCG2よりも加圧力が高い。開とした状態の第1ポート81aに不活性ガスCG1を供給することで、薬液容器A1内の圧力が高まり、薬液71が第1送液用配管3A1を通して第1計量器7Aに送液される。このとき、送液開閉弁69は開、排気開閉弁83は閉である。
【0043】
第2ポート81bに不活性ガスCG2を供給する際には、排気開閉弁83を開とした状態で、薬液容器A1内のガスを、図示しない吸引ポンプにより排気配管75を通して吸引し、排気EGとして排気しておく。排気後に、排気開閉弁83を閉じた状態で、第2ポート81bに不活性ガスCG2を供給することで、薬液容器A1内を陽圧に保持して大気の流入を抑制する。第2ポート81bに不活性ガスCG2を供給する際には、第1ポート81aは閉じている。
【0044】
なお、上記した吸引ポンプによる排気は、
図2に示す排気配管39、第1排気配管55A及び第2排気配管55Bに対しても同時に行って、反応容器5、第1計量器7A及び第2計量器7Bの内部のガスも吸引して排気することができる。また、第2ポート81bに不活性ガスCG2を供給して陽圧にする際には、
図2に示す不活性ガス配管35に対しても同時に窒素ガスを供給し、反応容器5の内部を陽圧にすることができる。
【0045】
第1送液用配管3A1における第1送液逆止弁63Aと送液開閉弁69との間には、第2洗浄用配管85が接続されている。第2洗浄用配管85には、第1送液逆止弁63A側から順に、逆止弁87及び三方弁89がそれぞれ設けられている。逆止弁87は、三方弁89から第1計量器7Aへの流体の流れを許容し、第1計量器7Aから三方弁89への流体の流れを規制する。逆止弁87は、前述した逆止弁79と同様にフッ素系の材質で構成されている。なお、逆止弁79及び逆止弁87は、その全体をフッ素系の材質で構成してもよく、その表面をフッ素系の材質でコーティングしてもよい。
【0046】
三方弁89は、流体がそれぞれ個別に供給される第1ポート89a及び第2ポート89bと、第1ポート89aまたは第2ポート89bから流れてくる流体が逆止弁87に向けて流れる第3ポート89cと、を備えている。すなわち、三方弁89は、上流側に第1ポート89a及び第2ポート89bが設けられる一方、下流側に第3ポート89cが設けられている。第1ポート89aはノーマルクローズである。
【0047】
開となった状態の第1ポート89aには、後述する計量器接続配管99を洗浄するために、図示しない洗浄剤容器から洗浄剤CSが供給される。第2ポート89bには、逆止弁91を備える不活性ガス配管93が接続されている。第2ポート89bには、不活性ガス(例えば、窒素ガス)CG3が図示しない不活性ガスタンクから逆止弁91を通して供給される。不活性ガスCG3を第2ポート89bに供給するときには、第1ポート89aは閉じている。不活性ガスCG3を第2ポート89bから第2洗浄用配管85に流すことで、薬液容器A1から第1計量器7Aへの薬液送給停止後に、第1送液用配管3A1に残る薬液(残液)を第1計量器7Aへ押し出すことができる。
【0048】
次に、第1計量器7Aに薬液を送液する作業について説明する。
【0049】
前述したように、
図3に示す第1計量器7Aに薬液を送液するときには、送液開閉弁69を開、排気開閉弁83を閉とし、かつ、第1ポート81aを開いた状態で、第1ポート81aから不活性ガスCG1を供給し、薬液容器A1内を加圧する。薬液容器A1内の圧力が高まることで、薬液71が第1送液用配管3A1を通して第1計量器7Aに送液される。
【0050】
第1計量器7Aでは、第1ロードセル61Aによって、送液された薬液の重量が精度よく計量される。薬液の重量が設定値に達したら、第1計量器7Aへの薬液の送給を停止する。第1計量器7Aで計量された薬液は、
図2に示す第1薬液開閉弁11Aを開、第1薬液三方弁13Aのノーマルクローズ部を閉としたままで、第1薬液供給配管9Aから反応容器5へ送られる。反応容器5では、このような薬液の供給を第1容器ユニットAまたは第2容器ユニットBから適宜行うことで、予め投入されている粒子状の樹脂(ビーズ、レジン)と薬液とが反応して合成される。
【0051】
第1計量器7Aへの薬液の送給を停止する際には、
図3に示す送液開閉弁69を閉じる。このとき、送液開閉弁69と第1計量器7Aとの間の配管の長さを極力短くしているため、送液開閉弁69と第1計量器7Aとの間に残る薬液(残液)の第1計量器7Aへの流入をより少なくすることができる。
【0052】
薬液71を第1計量器7Aへ送給する際には、送給初期は、第1ポート81aから高圧の不活性ガスCG1を供給して送液速度を高くする。第1計量器7Aでの薬液の量が設定値に近づくに従って第2ポート81bからから低圧の不活性ガスCG2を供給して送液速度を低くする。これにより、送液時間の短縮化を達成できると共に、第1ロードセル61Aによる検出精度を高めることができる。なお、第1ポート81aに供給される不活性ガスCG1の圧力を変化させることで、送液速度変化させてもよい。
【0053】
次に、薬液容器A1の内部を陽圧に保持する作業について説明する。
【0054】
薬液容器A1の内部を陽圧に保持する作業は、前述したように薬液容器A1内のガスを排気配管75を通して排気した後に行う。薬液容器A1の内部を陽圧に保持する際には、第1ポート81aを閉じた状態で排気開閉弁83を閉じる。この状態で、不活性ガスCG2を第2ポート81bから逆止弁79及び不活性ガス弁付カプラ77を通して薬液容器A1に供給する。これにより、薬液容器A1の内部を陽圧に保持して大気の流入を抑制する。
【0055】
この場合、薬液容器A1に供給する二種の流体(不活性ガスCG1,CG2)は、三方弁81を介し、逆止弁79を備える1本の共通の配管である不活性ガス配管73を利用して流れる。このとき、三方弁81の下流側の不活性ガス配管73に、フッ素系の材質で構成した逆止弁79を配置している。フッ素系の材質は耐薬品性が高いため、薬液もしくは薬液の雰囲気が、逆止弁79に接触しても、逆止弁79を薬液もしくは薬液の雰囲気から保護することができる。
【0056】
次に、第1計量器7Aへの薬液送給停止後に、送液開閉弁69から先の第1送液用配管3A1に残る薬液(残液)を第1計量器7Aへ押し出す作業につて説明する。
【0057】
第1送液用配管3A1に残る薬液(残液)を第1計量器7Aへ押し出す際には、第1ポート89aを閉じた状態で、送液開閉弁69も閉じたままとする。この状態で、不活性ガスCG3を第2ポート89bから第3ポート89cを経て、逆止弁87,第1送液逆止弁63Aを通して第1計量器7Aに供給する。これにより、送液開閉弁69から先の第1送液用配管3A1に残る薬液(残液)を第1計量器7Aに押し出すことができる。このとき、送液開閉弁69と第1計量器7Aとの間の配管の長さを極力短くしているため、残液の押出作業が容易となる。
【0058】
次に、第1送液逆止弁63Aと逆止弁87との間の配管95及び、配管95と送液開閉弁69との間の配管97を洗浄する作業について説明する。ここで、配管95及び配管97を含む配管を、計量器接続配管99とする。
【0059】
計量器接続配管99を洗浄する場合には、送液開閉弁69を閉じたままで、三方弁89は第1ポート89aを開く。この状態で、第1ポート89aから洗浄剤CSを第2洗浄用配管85に流し込む。洗浄剤CSは、第3ポート89cを経て、逆止弁87及び第1送液逆止弁63Aを通して第1計量器7Aへ向けて流れ、このとき配管97にも流れるので、計量器接続配管99内が洗浄される。洗浄後の洗浄剤CSは、
図2に示す第1薬液開閉弁11Aを開、第1薬液三方弁13Aのノーマルクローズのポートを開とした状態で、第1排液配管15A及び排液配管19を通して廃液WLとして外部に排出される。
【0060】
このとき、第1計量器7Aと送液開閉弁69との間の配管の長さを極力短くしており、第1送液逆止弁63Aと送液開閉弁69との間の配管(配管95の一部と配管97)の長さについてもより短くなるため、洗浄作業が容易となる。この場合、第1計量器7Aに向けて流れる二種の流体(洗浄剤CS、不活性ガスCG3)は、三方弁89を介し、逆止弁87を備える1本の共通の配管である第2洗浄用配管85を利用して流れる。
【0061】
このとき、三方弁89の下流側の第2洗浄用配管85に、フッ素系の材質で構成した逆止弁87を配置している。フッ素系の材質は耐薬品性が高いため、薬液もしくは薬液の雰囲気が、逆止弁87に接触しても、逆止弁87を薬液もしくは薬液の雰囲気から保護することができる。
【0062】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0063】
本実施形態の固相合成装置は、薬液71を収容する薬液容器A1と、薬液容器A1に一端が接続される第1送液用配管3A1と、第1送液用配管3A1の他端が接続され、薬液容器A1から薬液71が送給される第1計量器7Aと、を有する。固相合成装置は、さらに第1送液用配管3A1に設けられた送液開閉弁69と、第1送液用配管3A1の送液開閉弁69よりも薬液容器A1側に設けられた下流側弁付カプラ67と、を有する。第1送液用配管3A1は、下流側弁付カプラ67よりも薬液容器A1側が第1計量器7A側に対して着脱自在である。
【0064】
上記構成の固相合成装置において、第1計量器7Aへ送給する薬液を変える際には、下流側弁付カプラ67のソケット67aとプラグ67bとの結合を解除する。これにより、中間配管M及び上流配管Uを薬液容器A1と共に、下流配管Dに対し
図4に示すように外すことができる。その後、
図5に示す別の薬液容器A1aを備える送液用配管3A1aの中間配管Maを下流配管Dに接続する。薬液容器A1aには、薬液71とは別の薬液71aが収容されている。下流側弁付カプラ67は、ソケット67a及びプラグ67bの両方を弁付とすることで、ソケット67aとプラグ67bとの結合を解除したときの液漏れやガス漏れを抑制できる。
【0065】
このとき、中間配管Maのソケット67aaを下流配管Dのプラグ67bに接続する。この場合、ソケット67aaとプラグ67bとで下流側弁付カプラ67を構成することになる。中間配管Maの薬液容器A1側は、弁付カプラ95を介して上流配管Uaに着脱自在に接続されている。弁付カプラ95は、例えば中間配管Ma側がソケット95aで、薬液容器A1側がプラグ95bである。
【0066】
このように、本実施形態の固相合成装置は、異なる薬液を使用する際には、中間配管Mを下流側弁付カプラ67にて取り外すことで、下流側弁付カプラ67よりも薬液容器A1側の配管(中間配管M、上流配管U)及び薬液容器A1を、一つのユニットとして交換することができる。このため、使用する可能性のある全薬液の薬液容器及び送液用配管を設置しておく必要がなく、設備スペースの増大を抑制することができて設備コストも減少する。この場合、中間配管M及び上流配管Uを中間配管Ma及び上流配管Uaに交換しているので、前回使用した薬液に対する配管内全域の洗浄が不要となる。
【0067】
本実施形態の固相合成装置は、
図6に示すように、洗浄剤97を収容する洗浄容器99と、洗浄容器99に一端が接続される洗浄用配管101と、を有する。
図3に示すように、第1送液用配管3A1の下流側弁付カプラ67よりも薬液容器A1側に、上流側弁付カプラ65が設けられ、
図6に示す洗浄用配管101は、他端が上流側弁付カプラ65において着脱自在である。洗浄用配管101には雄側のプラグ103が設けられている。
【0068】
この場合、
図3に示す、上流側弁付カプラ65の結合を解除して、
図7に示すように、プラグ65bを含む薬液容器A1をソケット65aに対して取り外す。その後、
図6に示す洗浄容器99のプラグ103を
図7に示すソケット65aに接続する。この場合、ソケット65aとプラグ103とで上流側弁付カプラ65を構成することになる。これにより、洗浄容器99を薬液容器A1に換えて中間配管Mに取り付けることができる。上流側弁付カプラ65は、ソケット65a及びプラグ65bの両方を弁付とすることで、ソケット65aとプラグ65bとの結合を解除したときの液漏れやガス漏れを抑制できる。
【0069】
図3の薬液容器A1に換えて取り付けた洗浄容器99から、洗浄剤97を、第1送液用配管3A1を通して第1計量器7Aに送り込む。このとき、洗浄剤97は、送液開閉弁69を開とした状態で、前述した不活性ガスCG1の加圧によって第1送液用配管3A1を流れ、第1送液用配管3A1内、第1送液用配管3A1に設けられた各部品及び第1計量器7A内をそれぞれ洗浄することができる。
【0070】
洗浄後の洗浄剤97は、
図2に示す第1薬液開閉弁11Aを開、第1薬液三方弁13Aのノーマルクローズのポートを開とした状態で、第1排液配管15A及び排液配管19を通して廃液WLとして外部に排出される。すなわち、本実施形態は、第1送液用配管3A1内を洗浄したいときに、洗浄容器99を薬液容器A1に換えて取り付けることで、容易に洗浄作業が行える。
【0071】
本実施形態の固相合成装置は、第1計量器7Aと送液開閉弁69との間の第1送液用配管3A1に第2洗浄用配管85が接続されている。送液開閉弁69は、下流側弁付カプラ67よりも第1計量器7Aに近い位置に設けられている。この場合、第1計量器7Aと送液開閉弁69との間の第1送液用配管3A1の長さがより短くなるので、洗浄作業が容易となる。
【0072】
本実施形態は、下流側弁付カプラ67のプラグ67bよりも第1計量器7A側の第2洗浄用配管85を含む配管構成を、薬液によらず共通としている。このため、設備スペースの増大が抑制され、設備コストも削減される。
【0073】
なお、上記した実施形態では、
図3に示すように第1計量器7Aを例にとって説明したが、第1計量器7Aに代えて第2計量器7Bを、送液先容器として用いてもよい。また、第1計量器7A及び第2計量器7Bを用いずに、
図1に示す反応容器5を送液先容器として用いてもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
【解決手段】固相合成装置は、薬液71を収容する薬液容器A1と、薬液容器A1に一端が接続される第1送液用配管3A1と、第1送液用配管3A1の他端が接続され、薬液容器A1から薬液が送給される第1計量器7Aと、を有する。固相合成装置は、さらに第1送液用配管3A1に設けられた送液開閉弁69と、送液用配管3A1の送液開閉弁69よりも薬液容器A1側に設けられた下流側弁付カプラ67と、を有する。第1送液用配管3A1は、下流側弁付カプラ67よりも薬液容器A1側が第1計量器7A側に対して着脱自在である。