【実施例1】
【0009】
以下、本発明の実施例1として、本発明を封入球式遊技機であるパチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、
図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。
図1は本例のパチンコ機1(封入球式遊技機)の前面図である。
【0010】
このパチンコ機1は、いわゆる封入球式遊技機と称されるもので、遊技の進行等を管理制御する遊技制御装置(
図6参照)を備え、遊技機本体内に所定数(例えば、20個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット)15より入力された有価価値の情報(球貸度数)に基づいた持球数(遊技価値)を基に、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行い、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益である持球数(遊技価値)を増加させ、かつ遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構になっている。ここで、カードユニット15は、遊技用の記憶媒体(遊技カードなど)に記録される情報の読み出し及び書き込みを行う媒体制御ユニットに相当する。
【0011】
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(
図2に示す)が取り付けられている。
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。即ち、上記ガラス板を含むガラス枠5は、遊技盤20の前面(後述する遊技領域22を含む前面)を僅かな隙間で覆う通常の使用状態(閉状態)から、遊技盤20の前面を開放する状態(開状態)に動作可能となっている。そして、このガラス枠5の開状態では、例えば遊技盤20の前面に作業者が手を挿入して、遊技領域22における球詰まりを解除したり、不足している遊技球を投入したりすることが可能となっている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
【0012】
このガラス枠5の下側には下部パネル6が設けられ、下部パネル6には操作表示装置7、持球数表示器40及び装飾持球表示装置250が配置されている。装飾持球表示装置250は上部装飾持球表示装置250a及び下部装飾持球表示装置250bを有している。上部装飾持球表示装置250aは、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の上部側に配置され、多数のLEDで構成されている。上部装飾持球表示装置250aは、例えば遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
一方、下部装飾持球表示装置250bは、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の下部側(持球数表示器40よりも更に下側)に配置され、同じく多数のLEDで構成されている。下部装飾持球表示装置250bは、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するようにLED(後述のように、この部分は計数装飾部250cに相当)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる(詳細は作用のところで後述)。なお、持球数の計数中に下部装飾持球表示装置250bのLEDが移動点滅する部分を計数装飾部250cと言うことにする。
持球数表示器40は遊技者が獲得した持球数(すなわち、遊技者の利益としての遊技価値)を表示するものであり、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な構成になっている。
ここで、持球数表示器40は遊技機(具体的には、払出制御装置230)の管理により遊技者の遊技価値を表示する第1の遊技価値表示手段を構成する。また、持球数表示器40は持球数を表示できる第1の表示装置を構成する。
【0013】
また、下部パネル6には計数スイッチ311、休憩スイッチ312、計数球表示器313、計数球使用スイッチ314、演出操作スイッチ9が配置されている。
計数スイッチ311、休憩スイッチ312及び計数球使用スイッチ314は、遊技者がこれらスイッチの表面の操作部(ボタン)を押すと、オン(あるいはオン・オフの交互動作)するようになっている。また、計数球表示器313は小型のLEDからなり、計数球があれば、LEDを点灯する構成になっている。詳しくは、計数球表示器313は第2の表示装置に相当し、少なくとも計数球の有無をLEDの点灯/消灯により表示可能な構成であり、これは計数球を簡易表示することに相当する。
計数スイッチ311は遊技者が持球数の計数を望むときに操作するものであり、計数スイッチ311が押されると、持球数の計数が開始される。計数スイッチ311の内部には計数スイッチLEDが設けられており、計数スイッチLEDは計数スイッチ311の押下を促すときに点灯する。このように、計数スイッチ311は計数スイッチLEDを内蔵した構成になっている。
休憩スイッチ312は遊技者が休憩を望むときに操作するものであり、休憩スイッチ312が押されると、遊技機が休憩モードに移行する。休憩スイッチ312の内部には休憩スイッチ有効LEDが設けられており、休憩スイッチ有効LEDは休憩可能であるときに点灯する。このように、休憩スイッチ312は休憩スイッチ有効LEDを内蔵した構成になっている。
【0014】
計数球使用スイッチ314は遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときに操作するものであり、計数球使用スイッチ314が1回操作されると、計数球数より持球数へ球(例えば、所定量=100個の球)の移動が開始される。言い換えれば、計数球使用スイッチ314は玉箱から上皿へ球を移すような作業を開始させるために使用されるスイッチの概念に相当している。計数球使用スイッチ314の内部には計数球使用スイッチLEDが設けられており、計数球使用スイッチLEDは計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯する。このように、計数球使用スイッチ314は計数球使用スイッチLEDを内蔵した構成になっている。
演出操作スイッチ9は、一定範囲で演出に関与可能で遊技者が操作するもので、中央に押しボタン式のスイッチ(
図1ではボタンPと表記)を有する他、いわゆる十字キーに相当するような上下左右に配置された4つのスイッチを有している。中央の押しボタン式のスイッチ(ボタンP)は、遊技者が押すことで一定範囲で演出に関与できるとともに、上下左右に配置された4つのスイッチを押すことで、例えば表示装置41の画面に現れた数字や記号などを選択できる構成になっている。
一方、パチンコ機1には前述のカードユニット15(カード式媒体制御ユニット)が併設されている。カードユニット15は、カード投入口201に遊技カード(記憶媒体:遊技価値記憶媒体)を挿入して、遊技者が前記操作表示装置7の球貸ボタン303(
図7参照)を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(例えば球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)を行えるようになっている。
【0015】
カードユニット15には、その他に現金投入口202が設けられている。現金投入口202は現金を投入可能なもので、ここに所定の紙幣(例えば、1000円、5000円、1万円)を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した球貸度数の範囲内で遊技球の貸出し(即ち球貸し;持球数の増加)が行われる。
カードユニット15で使用できる遊技カードには、会員以外の一般遊技客も使用できるプリペイドカード(以下、ビジターカードという)に加えて、ハウスカードと称される遊技場独自の会員カードの使用も可能であり、その場合はカード投入口201に遊技カードとしての会員カードを投入する。この会員カードを挿入した場合、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面にて当該会員の暗証番号を入力することを条件に、貯球が使用できる構成としてもよい。なお、操作表示装置7の画面にはLCDタッチパネル方式のものが採用され、遊技者は指でタッチパネルに触れて、暗証番号を入力可能な構成である。
また、カードユニット15にはカードユニットエラー報知LED203が配置されており、カードユニットエラー報知LED203はカードユニット15に生じたエラーを報知する。
【0016】
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、入賞口の種類に応じて設定されている所定数の遊技球のデータが賞球として遊技者の持球数に加算される構成となっている。
また、
図1に戻って、前面枠4の開閉側(
図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
【0017】
また、ガラス枠5の下部に設けられた操作表示装置7は、球貸度数などを表示したり、球貸しなどの操作を行うためのものである(詳細は
図7参照)。操作表示装置7の横には、前述したように、遊技者が操作する押ボタン式であって、かつ上下左右に配置された4つのスイッチを有する演出操作スイッチ9(第1の演出操作部)が設けられている。
また、下部パネル6には、効果音等を出力する下スピーカ10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11と、灰皿12とが設けられている。
さらに、
図1において、符号13で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号14a、14bで示すものは、ガラス枠5の下部前面に設けられた複数のムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト14a、14bは、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ13とムービングライト14a、14bは
図6に示す装飾表示LED141を構成する。
また、
図1において、符号16a、16bで示すものは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた効果音等を出力する上スピーカである。
【0018】
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、
図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
【0019】
ここで、上記アウト球流入口23とは、遊技領域を通過して遊技の結果が外れ(アウト)になった球を流入させる部分であり、後述のアウト数とは異なる概念である。
すなわち、後述の発射ソレノイド173の操作によって遊技領域22に発射された球はファール球を除いて、全て遊技領域22を流下する過程で遊技を行うことになり、何れかの入賞口に入賞した球はセーフ(当たり)、何れの入賞口にも入賞しない球はアウト(外れ)という遊技結果になる。その場合、セーフ球は賞球を発生させるが、賞球数は封入球式遊技機の場合には電子的に持球数に加算されるのみで、実球の排出はない。そして、当該セーフ球は
図4に示すように、盤面(遊技盤22)からの回収球を取り入れる遊技球入口71に流入する。
一方、何れの入賞口にも入賞しないアウト球は外れ(アウト)の遊技結果となり、アウト球流入口23を通過した後、盤面(遊技盤22)からの回収球を取り入れる遊技球入口71に流入する。
また、発射ソレノイド173の操作によって遊技領域22に発射されたものの、ファールとなった球は、遊技領域22に到達しなかったので、遊技結果を発生させることなく、遊技球入口71に流入して、再び、発射位置に戻ることになる。
後述のアウト数とは、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であり、要するに、遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球のことであり、ファール球を含まない概念である。そのために、遊技を終了した後に、遊技盤20から盤外に出る球数のことをアウト数と称することにしている。一方、ファール球も一旦は遊技盤20から盤外に出るが、遊技を終了していないので、アウト数には含めていない。なお、アウト数は後述の
図6に示すアウト球検出スイッチ163によって検出され、ファール球は後述の
図6に示すファール球検出スイッチ162によって検出される構成になっている。
【0020】
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(
図6に示す)の表示部41a(
図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤装飾装置を構成する。また、センターケース24に設けられた電動役物は、盤演出装置を構成する。なお、盤演出装置を構成する電動役物は、遊技盤20のセンターケース24以外の箇所に設けられてもよい。
【0021】
表示装置41(演出手段)は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
ここで、表示装置41は遊技機が管理する第1の表示装置を構成する。
また、表示部41aには、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
【0022】
また始動入賞口25,26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では
図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、
図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25,26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
【0023】
前述したように、例えば表示装置41の表示部41a(画面)には、特図とは別に普図の画像も表示しており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。この場合、表示装置41は普図表示装置に相当する。
遊技球が普図始動ゲート32を通過したとき、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい)で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図始動記憶表示器を配置してもよい)で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。なお、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
【0024】
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、一定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。以下では、このような時短が実行されている状態を、普電サポート状態又は時短状態という。
【0025】
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
一括表示装置35の詳しい構成は、
図9で後述する。
【0026】
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」、「飾り普図」と表記する。
このように、この一括表示装置35(詳細は後述する
図6参照)は、遊技者に認識しにくいかもしれないが後述の遊技制御装置54が直接制御するもので、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、より遊技者に認識しやすい遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば前述したように表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
【0027】
C.パチンコ機の裏機構
次に、
図3は本実施例のパチンコ機1の裏機構を示す図である。
図3において、パチンコ機1における裏機構の主要な部品としては、外部情報端子板51、第1カードユニット接続端子板52A、第2カードユニット接続端子板52B、演出制御装置53、遊技制御装置54、払出制御装置230、循環装置55、研磨装置56、発射装置57、電源装置58、研磨制御装置59などがある。
なお、従来(封入球式でないタイプ)の貯留タンク(上タンク)やセーフユニットに相当する構成要素は無い。
【0028】
外部情報端子板51は、パチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板であり、パチンコ機1側からカードユニット15側へ一方的に情報を送信するのみで、カードユニット15側からパチンコ機1側への入力はないものである。特に、外部情報端子板51はパチンコ機1からの遊技情報をカードユニット15を経由してホールコンピュータ86(後述する)へ出力するために用いられる。
一方、第1カードユニット接続端子板52A及び第2カードユニット接続端子板52Bもパチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板であるが、パチンコ機1側からカードユニット15側へ情報を送信するのみならず、カードユニット15側からパチンコ機1側への入力も許容する配線接続のための基板である。すなわち、パチンコ機1とカードユニット15の間の双方から情報の伝達が可能である配線接続のための基板である。
また、第1カードユニット接続端子板52A及び第2カードユニット接続端子板52Bというように、2つの端子板に分けているのは、払出制御装置230と操作表示装置7とにそれぞれ区分してカードユニット15と接続するためである。すなわち、第1カードユニット接続端子板52Aは払出制御装置230とカードユニット15とを接続し、第2カードユニット接続端子板52Bは操作表示装置7とカードユニット15とを接続する構成になっている。
また、第2カードユニット接続端子板52Bには切替回路320からの配線が接続されるようになっており、そのため、カードユニット15は第2カードユニット接続端子板52Bを経由し切替回路320を介して演出制御装置53との間で相互に情報伝達が可能な構成になっている(詳細は
図6で後述)。
なお、本実施例では外部情報端子板51と第1カードユニット接続端子板52A及び第2カードユニット接続端子板52Bを別体で分離した構成としているが、例えば両者を合わせて1つの基板で構成するようにしてもよい。
演出制御装置53は、遊技制御装置54から出力される制御コマンドに基づき表示装置41や下スピーカ10や上スピーカ16a、16bなどを駆動制御するもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
【0029】
遊技制御装置54は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、特図等のゲーム進行に関連して遊技盤20に配設されている各種スイッチ、ソレノイド、ランプ等の電気部品(電気式役物)を電気的に制御するとともに、他の制御装置に制御情報を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するもので、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース61内に収納された構成となっている。ケース61は、4つのカシメ部62a、62b、62c、62dによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。遊技制御装置54の裏側には、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子63が配置されている。
【0030】
払出制御装置230は封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であり、その制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース64内に収納された構成となっている。ケース64は、4つのカシメ部65a、65b、65c、65dによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。払出制御装置230の裏側には、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子66、所定の異常時に点灯(あるいは点滅)するエラー表示LED67、エラーを解除するためのエラー解除スイッチ68が配置されている。
【0031】
循環装置55は、パチンコ機1の内部に封入された封入球を循環させるためのもので、その循環経路部に研磨装置56が配置されている(詳細は後述)。
発射装置57は球の発射を行うもので、所定のケース内にこの機能を実現する機器が収納されて構成されている。電源装置58は商用の交流電源(例えば、AC100V)を入力電源とし、この入力電源から上記各制御装置やパチンコ機1の各電子部品に必要な電源を供給する。なお、商用の交流電源はAC100Vに限らず、例えば島単位でAC24Vを各遊技機に供給し、AC24Vを入力電源とする構成でもよい。
【0032】
図4は、循環装置55の内部構成を示す図である。
図4において、循環装置55は所定の厚さを有する平板構造に形成され、内部に封入球(封入された遊技球)が循環するための流路(後述する)が形成されている。また、循環装置55には流路部に研磨装置56が配置されている。この循環装置55内の流路は、封入球の循環経路を構成する。なお、循環装置55の
図4における上部には、盤面(遊技盤22)からの回収球を取り入れる遊技球入口71が開口している。
遊技球入口71には上述したように、遊技盤22にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球として取り込まれるとともに、遊技盤22に発射されずにファールとなったファール球も回収球として取り込まれる。ファール球は遊技領域22に到達しなかったので、遊技結果を発生させることはないが、遊技球入口71に流入して、再び、発射位置に戻ることになる。
研磨装置56は、封入球を研磨するもので、下部入口72から流入した球を研磨モータ70の動力により揚送スクリュー73で揚送しつつ、内部に配置された研磨部材74(例えば、研磨布)により球を磨き、上部出口75から研磨出口スイッチ76を介して排出するようになっている。研磨出口スイッチ76は上部出口75から排出される球を検出するもので、研磨出口スイッチ76が一定時間以上、上部出口75からの球の排出を検出しないと研磨装置56における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置56の研磨モータ70が回り続けるのを回避するようになっている(詳細は後述)。
なお、球が研磨装置56に流入するのは、循環装置55におけるセンサ流路77に続いて設けられた球送り流路78を経て球が切替弁79により切り替えられた研磨流入誘導路80の方に誘導されて下部入口72に流れていく場合であり、それ以外は、切替弁79が研磨流入誘導路80への球の流入を塞ぐようになっている。
【0033】
すなわち、封入球が研磨装置56に流入しない状態(以下、封入球循環中という)では、循環装置55は、循環装置55の上部に開口した遊技球入口71からアウト球(セーフ球含む)及びファール球をセンサ流路77に流入させて重力によって球を下方に移動させ、このように遊技球入口71から流下した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ164(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ165(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路77を通過した後、センサ流路77に続いて設けられた球送り流路78を経て球を発射するための球送り装置(
図4の左端側に設けられた装置)の方へ送られる構成となっている。なお、球送り流路78における球送り装置(
図4の左端側に設けられた装置)の手前には切替弁79が設けられている。切替弁79は切替ソレノイド79S(
図6参照)を備えており、封入球循環中は球送り流路78の一部を切替ソレノイド79Sによりスライドさせて研磨誘導口80aを開口することを阻止する位置に留まり、封入球式を下方の研磨流入誘導路80に移動させない構成になっている。
したがって、封入球循環中にあっては、盤面(遊技盤20)からの回収球である封入球は遊技球入口71から流入し、センサ流路77を通過し、球送り流路78を経て球を発射するための球送り装置へ送られ、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド173(
図6に示す)の動力によってレール21に沿って遊技領域22に向けて発射され、アウト球(セーフ球含む)又はファール球となって再び回収球として遊技球入口71から流入するという経路を繰り返して循環する。
【0034】
ここで、上記のように切替弁79が切替ソレノイド79Sをスライドさせず、切替弁79がスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口80aを閉鎖して封入球が研磨装置56に流入しない状態(封入球循環中)は、研磨装置56を介させずにパチンコ機1の内部で遊技盤20を通して遊技球を循環させる通常状態に相当し、この経路を遊技循環経路という。したがって、遊技循環経路は盤面からの回収球である封入球が遊技球入口71、センサ流路77、球送り流路78、球送り装置、発射装置の発射ソレノイド173による球の盤面への発射、盤面流下、回収球として再び遊技球入口71を通過という経路になる。
【0035】
一方、封入球循環中でなく、封入球を研磨装置56に流入させて、球磨きを行うときには、球送り流路78における球送り装置(
図4の左端側に設けられた装置)の手前に設けられている切替弁79が球送り流路78の一部を切替ソレノイド79Sによりスライドさせて研磨誘導口80aを開口させ、封入球を重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動させるように作動する。これにより、センサ流路77や球送り流路78に存在する封入球は重力によって研磨誘導口80aを通過して下方の研磨流入誘導路80に誘導され、研磨流入誘導路80を流れて下部入口72から研磨装置56に流入し、球磨きが行われる。そして、研磨装置56による球磨きが終了すると、球は上部出口75から研磨出口スイッチ76を介してセンサ流路77に排出され、再び、上記の経路を経て下部入口72から研磨装置56に流入して球磨きが行われることになる。したがって、球磨き中は、上述した経路を循環して研磨装置56による球磨きが行われる。
ここで、上記のように切替弁79が球送り流路78の一部を切替ソレノイド79Sによりスライドさせて研磨誘導口80aを開口して、封入球を重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動させ、封入球が研磨装置56に流入する状態(封入球研磨中)は、封入球を研磨装置56へ誘導し研磨を行う球磨き状態に相当し、この経路を研磨循環経路という。したがって、研磨循環経路は封入球がセンサ流路77、球送り流路78、研磨誘導口80a、研磨流入誘導路80、下部入口72、研磨装置56、上部出口75、研磨出口スイッチ76、再びセンサ流路77に排出という経路になる。
切替弁79は、研磨循環経路又は遊技循環経路の何れかに切り替える経路切替手段を構成する。
【0036】
また、
図4に示すように、遊技球入口71から流入した球や研磨装置56の上部出口75から排出される球が流入するセンサ流路77は、球が流下する勢いを減らすために緩やかに傾斜した形状となっている。そして、センサ流路77に流入した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ164(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ165(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路77を通過した後、センサ流路77に続いて設けられた球送り流路78を経て球を発射するための球送り装置(
図4の左端側に設けられた装置)の方へ送られる。
ここで、第1封入球検出スイッチ164は、センサ流路77の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ165よりも低い位置にある球を検出するように設けられている。これに対して、第2封入球検出スイッチ165は、センサ流路77の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ164よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ164よりも高い位置にある球を検出するように設けられている。そして、第1封入球検出スイッチ164は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ165は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機1に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。センサ流路77と球送り流路78は、一体の流路として設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0037】
なお、封入球が循環する循環経路のうち、遊技領域から回収された遊技球が発射位置に向かって流れる下流側流路(上記センサ流路77と球送り流路78よりなる流路)は、発射位置近傍(
図4における左端の球送り装置の近傍)を最下位置として
図4に示すように発射位置近傍に向かって下り傾斜又は下降している。そして、第1封入球検出スイッチ164は、この下流側流路における第1位置にある遊技球を検出するように配置され、第2封入球検出スイッチ165は、前記下流側流路における前記第1位置よりも上流側の第2位置にある遊技球を検出するように配置されている。ここで、前記第1位置は、封入球数(封入された遊技球の数量)の適正範囲内の最低値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、最上流の遊技球を第1封入球検出スイッチ164が検出する位置に設定されている。また前記第2位置は、封入球数の適正範囲を超える数量の遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に第2封入球検出スイッチ165が遊技球を検出し、封入球数の適正範囲内の最大値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、第2封入球検出スイッチ165が遊技球を検出しない位置に設定されている。
【0038】
また、循環装置55における封入球の流路(上述のセンサ流路77、球送り流路78及び研磨流入誘導路80を含む流路)は、少なくともその一部(好ましくは全体)が、内部の遊技球を外部から(少なくとも、パチンコ機1の裏面側から)視認できる構成となっている。これにより、循環装置55における球の流れの状態や、球詰まりの発生の有無や、封入球数の状態が目視確認できるようになる。例えば、上記封入球の流路を、透明又は半透明の部材で構成するか、球が流出しない程度の大きさの内部視認用の開口(細いスリットや複数の微小な穴等)が所定数形成された部材で構成することによって、パチンコ機1の裏面側から内部の球が視認できる構成となっている。
詳細の図示は省略するが、例えば循環装置55の裏面側の壁全体を透明な部材で構成することによって、
図4に示すようにセンサ流路77、球送り流路78及び研磨流入誘導路80の内部全体が視認できる構成としてもよい。好ましくは、少なくとも上記下流側流路(センサ流路77及び球送り流路78)においては、外部から内部の球が視認可能となっており、これにより、封入球数を目視確認できる構成となっている。また、図示省略しているが、この目視確認によって封入球数が適正か否かの正確な判断が可能となるような目印を循環装置55に形成してもよい。例えば、封入球の所定数20個の位置にマーク(指示標識)を循環装置55の裏面側に形成してもよい。このようにすると、封入球不足時に球を追加する場合このマークまで追加すればよいのでわかりやすい。また封入球過剰の場合もこのマークまで球を抜けばよいのでわかりやすい。
【0039】
また球送り装置は、
図4及び
図6に示す球送りソレノイド172を駆動源として、球送り流路78を流下してきた球を1個ずつ発射装置57の発射位置に送る装置である。なお、発射位置に送られた球は、発射装置57の発射ソレノイド173(
図6に示す)の動力によって前述のレール21に沿って遊技領域22に向けて発射できる構成となっている。この球送り装置には、
図4に示すように、発射球検出SW161が設けられている。発射球検出SW161は、発射される球を1個ずつ検出するセンサである。
【0040】
D.遊技場のシステム構成
次に、
図5は本実施例のパチンコ機1が多数設置された遊技場のシステム構成を示す図である。
図5において、遊技場にはカード管理装置81、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、ホールコンピュータ86、多数のパチンコ機1a乃至1n及びカードユニット15a乃至15nが配置されている。
また、遊技場の外部には外部管理装置91が配置されている。
カード管理装置81は、カード会社(図示略)と電話回線(例えば、ISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社は、必要に応じてカード管理装置81の各種情報を受信したりする。遊技場は、カードの発行情報とか、必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせたりするために電話回線を介してカード会社と接続されている。
【0041】
カード管理装置81は、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、多数のカードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路87を介して接続されているとともに、ホールコンピュータ86と情報伝送路88を介して接続されている。
カード管理装置81は、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、多数のカードユニット15a乃至15nを端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うとともに、各端末装置に挿入/排出される遊技カード(会員カード又はビジターカード)の識別情報(カードID)や、各遊技カードに記憶された球貸度数や貯球数の情報(有価価値情報)を記憶管理するような制御処理を行う。例えば、カードID毎に球貸度数の残高等を更新記憶する処理などを、各カードユニットやカード発行機82等から必要な情報を得ることによって行う。
【0042】
カード発行機82は、カード会社から購入したカード(記憶媒体)を会員カードとして遊技者に発行するもので、例えば1000円、2000円、3000円、5000円の球貸度数(有価価値)を付加して前記カードを発行する。カード発行機82は、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報(例えば、前記カードのカードIDや球貸度数或いは売上情報等)の転送を行うとともに、前記カードの発行に必要な制御を行う。
なお、遊技カードとしては、会員カードとビジターカードがある。会員カードは、会員登録して発行するもので、球貸度数(球貸金額に相当)、持球数、及び貯球数が登録可能である。ビジターカードは、会員でない遊技者用のカードであり、カードユニット15内にストックされ、後述するようにカードユニット15に現金が投入された場合にカードユニット15内で発行される。このビジターカードは、球貸度数及び持球数が登録可能であるが、貯球数は登録できない。また、持球数は当日限り有効なものであり、貯球数は後日でも持球数に交換して使用可能なものである。本明細書では、持球数は遊技価値に相当するが、貯球数は球貸度数と同じ有価価値に相当するとして記載している。
【0043】
カード精算機83は、遊技カード(ビジターカード或いは会員カード)の球貸度数残高に基づいて、遊技カードを精算するためのもので、例えば球貸度数残高に応じた金額を現金で返却する。またカード精算機83は、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報(例えば、球貸度数の情報等)の転送を行う機能も有する。
景品交換装置84は、遊技カードの持球数に基づいて、遊技者が望む景品と交換するための処理を行うもので、例えば遊技場の店員が景品交換装置84を操作して、遊技者に景品を渡す。景品交換装置84では、会員カードの場合、持球数を貯球数に交換して記録する貯球化の処理も可能となっている。
景品交換する際、または貯球化する際に、景品交換装置84は持球管理装置85に遊技カードのカードIDと遊技カードに記憶されている持球数を送信する(本例の場合には、例えば景品交換装置84から持球管理装置85に送信する)。持球管理装置85は受信したカードIDや持球数と、後述する持球管理装置85のカード毎持球数ファイルに記憶されているカードID及び持球数と照合する。持球管理装置85が照合した結果を正否の情報として景品交換装置84に送信すれば、受信した景品交換装置84は遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
なお、景品交換装置84が持球管理装置85に遊技カードのカードIDのみを送信するようにして、後述する持球管理装置85のカード毎持球数ファイルに記憶されている持球数を送信するように要求してもよい。このようにすれば、景品交換装置84は受信した持球数と遊技カードに記憶されている持球数を照合することで、遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
【0044】
持球管理装置85は、カード管理装置81、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、多数のカードユニット15a乃至15nと接続され、これらの各装置からの情報に基づいて遊技者が獲得している持球数の情報(遊技価値情報)を記憶管理するような制御を行う。例えば、カード毎持球数ファイルという記憶領域に、カードID(カードの識別情報)に対応させて持球数を記憶するなどの制御処理を行う。
なお、カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nに併設されて配置されており、両者の間は前述したように接続されていて情報の伝送が可能になっている。そして、多数のパチンコ機1a乃至1nからカードユニット15a乃至15nへ持球数や外部情報(各パチンコ機1a乃至1nから外部に出力される各種遊技情報)を送信する構成である。
また、持球管理装置85は、カード管理装置81を介してホールコンピュータ86とも通信可能であり、ホールコンピュータ86からの持球数データの照合等に応じた処理を行う機能も有する。
【0045】
カードユニット15a乃至15nは、遊技カードが挿入されることにより、遊技カードの情報(球貸度数データ等)を読み取って球貸しのための処理を行ったり、遊技者の獲得した持球数データ(暗号化してもよい)を遊技カードに記憶したりするもので、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報の転送を行う。
カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nから定期的に持球数や外部情報(前述したように各種遊技情報)を受信する構成である。そして、カードユニット15a乃至15nは多数のパチンコ機1a乃至1nから集めた外部情報(各パチンコ機1a乃至1nから外部に出力される各種遊技情報)を情報伝送路87を介してホールコンピュータ86に送信する。
【0046】
ホールコンピュータ86は遊技場の管理室に設置されるとともに、各カードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路87を介して接続され、各カードユニット15a乃至15nを経由して各パチンコ機1a乃至1nからの各種データを収集するとともに、情報伝送路88を介してカード管理装置81と接続され、カード管理装置81を経由して持球管理装置85から必要なデータを収集し、各種遊技状態に対応するデータを整理し、遊技場の営業管理を行うものである。
具体的には、各カードユニット15a乃至15nを介して多数のパチンコ機1a乃至1nから必要なデータを収集するとともに、カード管理装置81を介して持球管理装置85から必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させ、営業上必要なデータの演算処理を行う。なお、実施例とは異なるが、カードユニット15a乃至1nを介してホールコンピュータ86に送信される外部情報(各種遊技情報)については、各パチンコ機1a乃至1nから直接ホールコンピュータ86へ送信する構成としてもよい。
【0047】
外部管理装置91は情報伝送路92を介してカード管理装置81と接続されており、遊技場の外部に配置されることで、第三者機関によって管理され、店外において遊技場の遊技カードに関する情報をバックアップする機能を有している。
例えば、カード管理装置81を介して遊技カード毎の貯球数、多数の遊技カードのID、多数の遊技機IDなどのデータを収集し、遊技カード毎の貯球数管理、遊技カードのID管理、遊技機ID管理などの各処理(データのバックアップを含む)を行う。そして、遊技場から問い合わせがあれば必要に応じてデータを供給したりする他、本実施例ではパチンコ機1a乃至1nの電源投入時等に遊技機ID(あるいは後述の実施例では払出固有ID(払出制御装置の固有ID)も含めて)を照合し、照合結果を遊技場に送信することも可能なようになっている。
また、外部管理装置91は遊技場が営業を辞めて閉店などした場合には、顧客の遊技カード毎の貯球数管理の情報を信用ある機関に提供したりする。
【0048】
E.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、
図6を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置54、演出制御装置53、払出制御装置230、研磨制御装置59、電源装置58を備えている。これらの各装置及び
図6に示す各電子部品には電源装置58から必要な電源が供給される。
実施例1では封入球制御(封入球数の監視や持球数の加算・減算処理などの制御)を行う装置(払出制御装置)を遊技の進行を統括的に制御する装置(従来の遊技制御装置)とは分離させて設けており、このように分離させることにより、各制御装置のプログラムが簡素化され、それぞれの制御負担が軽減する。なお、上記に限らず、例えば、このような払出制御装置と遊技制御装置を一体化した装置を遊技制御装置54として設ける構成にしてもよい。その場合には、遊技制御装置から払出制御装置へ送出していた信号やコマンドが不要となって、制御負担が軽減されとともに、省スペース化、省電力化を図ることもできる。
【0049】
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置54の構成と、この遊技制御装置54に接続される機器について説明する。
遊技制御装置54は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、CPU111、ROM112、RAM113、検査装置のための試射試験端子115及び検査装置接続端子63を備えている。
遊技制御装置54は制御装置、遊技制御手段を構成する。
【0050】
CPU111は、特図等のゲームの管理を行う遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM112は、遊技プログラムを格納しており、RAM113は遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
RAM113に対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM113のデータは保持される構成となっている。
なお、CPU111、ROM112、RAM113は、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。
また、上記アミューズメントチップ用のICは、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報としてのチップコードに加え、メーカコードや製品コードを記憶しており、これらコードを遊技機IDとして出力可能である。
【0051】
試射試験端子115は、CPU111から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子115及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される遊技制御装置54には未実装となる。
検査装置接続端子63は、パチンコ機1が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
【0052】
遊技制御装置54には、第1始動口スイッチ120(
図6では始動口1SW)、第2始動口スイッチ121(
図6では始動口2SW)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁石センサ142、電波センサ143、振動センサ144からの検出信号が入力される。
第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
カウントスイッチ124は前記変動入賞装置27の大入賞口27aに入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
【0053】
遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数コマンドを払出制御装置230へ送る。払出制御装置230では、遊技制御装置54から送られてきた入賞に対応する賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行う。
また、遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合に、入賞に対応する賞球数を一括表示装置35の入賞表示LED355に表示する処理を行う。
【0054】
具体的には、遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数を決定し、その賞球数を持球数に加算する賞球数コマンドを払出制御装置230に送信する処理を行う。入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口25,26、変動入賞装置27の大入賞口27a、一般入賞口28〜31がある。
そして、遊技制御装置54では入賞に伴う賞球数を下記のように設定している。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
【0055】
磁石センサ142はパチンコ機1に磁石が近接したことを検出するセンサであり、磁石による不正を検出するためのものである。電波センサ143は電波の送信を検出するセンサであり、例えば電波発振器などを用いてパチンコ機1に対して不正な電波が送信されたことを検出するためのものである。振動センサ144はパチンコ機1に振動が加えられたことを検出するセンサであり、特に台を揺する(あるいは異常に叩く)などの不正な振動を検出するためのものである。
遊技制御装置54は、これらの磁石センサ142、電波センサ143、振動センサ144からの検出信号に基づいて不正を判別し、不正と判断した場合には不正発生コマンドなどを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41にエラー表示の演出を行わせる等の処理を行う。また、遊技制御装置54は、これらの不正情報を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230は該不正情報をカードユニット15経由でホールコンピュータ86へ送信する。
【0056】
次に、遊技制御装置54は、遊技の進行や演出に関して必要な機器として、演出制御装置53、普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132及び一括表示装置35と接続されている。
普電ソレノイド131は第2始動入賞口26の開閉部材26aを開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド132は変動入賞装置27の開閉部材27bを開閉させるソレノイドである。遊技制御装置54は、これらの普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132、一括表示装置35に対して必要な制御信号を出力する。
また、遊技制御装置54からは演出制御装置53に対して、シリアル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
さらに、遊技制御装置54からは払出制御装置230に対して、シリアル通信でデータ(例えば、封入球の管理に必要なコマンド(例えば賞球数コマンド)等)が送信されるようになっている。
【0057】
(払出制御装置関係)
次に、払出制御装置230の構成と、この払出制御装置230に接続される機器について説明する。
払出制御装置230は、封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であって、CPU231、ROM232、RAM233、検査装置のための試射試験端子234、検査装置接続端子235、発射制御回路236、エラー解除スイッチ(エラー解除SW)68、エラー表示LED67を備えている。
払出制御装置230は遊技制御装置54からの信号(払出制御コマンド)に従って賞球を払い出すための制御を行う(賞球の払い出しは、持球数への加算となる)。一方、払出制御装置230からは枠開放情報(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報)をカードユニット15へ送信可能な構成となっている(詳細は後述)。
なお、
図6では図示を略しているが、後述の
図8に示すように払出制御装置230には前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に主電源を所定時間だけ遅延させて供給するスイッチ電源遅延回路541が設けられている(詳細は後述)。
払出制御装置230は制御装置、封入球制御手段、計数手段、計数作動制御手段、入力期間制限手段、遊技価値記憶手段、遊技価値表示制御手段、研磨制御手段、遅延手段、クリア制御手段を構成する。
【0058】
CPU231は、所定のプログラムを実行して封入球制御、遊技球の払出(賞球払出又は貸球払出)及び持球数の管理に必要な演算処理を行う。ROM232は、上記プログラムを格納しており、RAM233は上記プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
ここで、RAM233は遊技価値記憶手段を構成し、遊技価値である持球数を記憶するが、詳しくは遊技者の遊技価値の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していくことになる。発射した球の減算や賞球数の加算は、プログラムに基づく処理で行うので、RAM233(遊技価値記憶手段)は持球数のリアルタイム的な変化を記憶していくことになる。
また、RAM233に対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM233のデータは保持される構成となっている。
【0059】
なお、払出制御装置230は、詳しくは封入球遊技に必要な制御として、主に封入球の発射から回収までの処理を行う他、遊技制御装置54からの賞球数コマンドに応じた持球数加算処理、更に実施例1では球貸し制御(球貸加算処理)や持球数の計数処理等も行う構成である。
また、払出制御装置230は入賞口への入賞があった場合に遊技制御装置54から入賞に対応する賞球数コマンドが送られてくるので、この賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行うが(前述した通り)、例えば遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、RAM233(遊技価値記憶手段)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40(遊技価値表示手段)が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行うように制御する。
具体的には、内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく。一方、払出制御装置230は持球数に対して発射した球の減算、賞球数の加算、ファール球の加算は、遊技プログラムに基づく処理で行うことにより、RAM233は持球数のリアルタイム的な変化を記憶していく。これに対して払出制御装置230は、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御する。
試射試験端子234は、CPU231から得られる封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子234及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される払出制御装置230には未実装となる。
検査装置接続端子235は、パチンコ機1が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
【0060】
発射制御回路236は、払出制御装置230に内蔵される構成であり、払出制御装置230から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号を受けるようになっている。発射制御回路236は発射許可信号のオンデータを受信していることを必要条件として、発射ボリューム171の操作(即ち、発射操作ハンドル11の回転操作)に従って発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド173を制御する。また払出制御装置230には、タッチセンサ174や発射停止スイッチ175からの信号が入力されている。タッチセンサ174は、遊技者が発射ボリューム171を操作する発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ175は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
【0061】
なお、遊技球を発射位置まで送る球送りソレノイド172は、払出制御装置230によって直接制御される。その制御処理のため、タッチセンサ174からの信号は払出制御装置230に入力されている。
また、上記発射ソレノイド173を含み、発射位置(図示省略)にある遊技球を遊技領域に発射する装置を発射装置57という。この発射装置57は、発射制御回路236を含む払出制御装置230によって制御され、これら制御装置の制御処理によって遊技球の発射が許可されている状態(発射許可信号のオンデータが設定されている状態)でのみ遊技球を発射することができる。遊技球の発射が禁止されている状態(発射許可信号のオフデータが設定されている状態)では、たとえ発射位置に遊技球があり遊技者が発射操作ハンドル11を操作しても遊技球は発射されない。また発射装置57は、発射するために遊技球を打つ杵という部材を有しており、この杵の先(杵先)に発射位置がある。
なお、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、払出制御装置230及び発射制御回路236は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしている。
【0062】
エラー解除スイッチ(エラー解除SW)68は、払出制御の処理でエラーがあって処理が停止した場合などに、操作されるとエラーを解除する信号を出すものである。
エラー表示LED67は、払出制御の処理でエラーがある場合に、エラーの内容に応じて特定のナンバーを点灯させる。
また、払出制御装置230は下部パネル6に配置された機器との関連では、持球数表示器40、計数スイッチ311、休憩スイッチ312、計数球表示器313、計数球使用スイッチ314と接続されている。なお、操作表示装置7は後述のように、第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15と接続され、カードユニット15によって管理制御されるため、払出制御装置230の制御下にはない構成である。
払出制御装置230には計数スイッチ311、休憩スイッチ312及び計数球使用スイッチ314からの検出信号が入力されるとともに、持球数表示器40、計数球表示器313に対して必要な制御信号が出力され、かつ計数スイッチ311、休憩スイッチ312及び計数球使用スイッチ314に内蔵のLEDに対しても必要な制御信号が出力される。
例えば、持球数表示器40に対しては持球数を表示するために、持球数表示器40の7セグメントの6個のLEDを駆動可能な駆動信号が出力される。計数球表示器313に対しては計数球がある場合に、それを点灯させる信号を出力する構成になっている。また、計数スイッチ311、休憩スイッチ312及び計数球使用スイッチ314に内蔵のLEDに対しては、それぞれのLEDを点灯する条件が成立したときに、各LED点灯を可能な駆動信号が出力される。
【0063】
ここで、持球数や計数球数などの概念について整理して説明すると、以下の通りである。
・持球数:発射可能な球数
・計数球数:持球数から計数して移動した保管球数(一時的に発射できない保管された持球)
詳しくは、持球数は遊技者が獲得した球であって、発射可能な球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、玉箱に移動していない持球のことである。
一方、計数球数は遊技者が獲得した球であって、持球数から計数して移動した保管球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球数のイメージに相当し、玉箱にある持球のことである。計数スイッチ311を操作することで、持球数を計数球数に移動できる。
・トータル持球数:遊技者の総持球数のことで、持球数+計数球数=トータル持球数で表わされる。
・更新持球数:前回の持球数からの変化球数
・更新計数球数:前回の計数球数からの変化球数
・計数球使用:計数球数から持球数へ移動して球を使用すること
詳しくは、「計数球使用」とは、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球(計数球)を再び、上皿に移動させて(戻して)使用する概念に相当する。計数球を使用するには、計数球使用スイッチ314を操作すればよく、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動するようになっている。
・貯球数:遊技機での遊技を終了して、遊技者が会員カードにトータル持球数を貯球した球で、再プレイ可能な球数
なお、貯球は当日あるいは後日、貯球数を用いて再プレイ可能であったり、景品交換可能であったりする。台移動する場合は、当日での貯球を用いて再プレイすることになるが、ゲスト会員の場合には貯球でなく、単に遊技カードに記録した持球データを用いて別の台で再プレイすることになる。
また、精算する場合には、トータル持球数を全て遊技カードに書き込むことになる。このときは、トータル持球数をカードユニット15に送り、カードユニット15にて精算処理を行う。
なお、実施例1では上記の「発射可能球数」及び「計数球数」は広い概念で言えば、何れも遊技者が獲得した「持球数」に含まれるが、発射可能な状態か又は保管された状態かで分けて説明している。
【0064】
実施例1では、持球数及び計数球数は、払出制御装置230が管理する構成であり、これらのデータは払出制御装置230のRAM233の所定記憶エリアにて記憶保持される。
なお、これらの持球数及び計数球数のデータはカードユニット15にも送られて、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にて表示可能な構成になっている。ただし、持球数及び計数球数については操作表示装置7に表示されるが、持球数の増減や持球数から計数して移動した保管する計数球数の管理は、あくまでも払出制御装置230が制御するようになっている。カードユニット15は払出制御装置230から定期的にデータを受信し、受信したデータに基づいて操作表示装置7に持球数や計数球数の詳細を表示する。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にも送られて、演出制御装置53の制御により装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるようになっている。
【0065】
持球数及び計数球数は、具体的には下記のような機器で表示される。
・持球数表示器40:持球数をデジタルで表示(払出制御装置230で管理)
・計数球表示器313:計数球の有無を表示(計数球があるとき点灯)(払出制御装置230で管理)
・装飾持球表示装置250:持球数及び計数球数を多数のLEDでアナログ装飾表示(演出制御装置53で管理)
・操作表示装置7:持球数及び計数球数の詳細をデジタルやアナログで表示(カードユニット15で管理)
【0066】
払出制御装置230は第1カードユニット接続端子板52Aを介してカードユニット15と接続され、カードユニット15との間で双方向の情報の伝達ができるようになっている。したがって、第1カードユニット接続端子板52Aは主にカードユニット15とパチンコ機1側の払出制御装置230との間の情報や信号等の入出力に使用される。
そして、払出制御装置230は持球数表示器40に持球数を表示させたり、計数スイッチ311の操作によって持球数を計数して計数球数に移す(いわゆる玉箱に移す概念)制御等を行うことが可能になっている。また、払出制御装置230は持球数が計数されて計数球数に移された場合には、計数球数が有ると判断して計数球表示器313を点灯する制御を行う。
ここで、「持球数を計数して計数球数の玉箱に移す」という制御上の概念は、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことである(詳細は後述)。
また、払出制御装置230は計数球使用スイッチ314が操作された場合に、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球を持球数に移動させる制御も行う。
一方、払出制御装置230は持球数や計数球数のデータを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53により装飾持球表示装置250の点灯・点滅制御を行う構成になっている。
【0067】
ここで、情報の伝達について説明すると、上記のように、払出制御装置230は第1カードユニット接続端子板52Aを介してカードユニット15と接続されており、払出制御装置230からカードユニット15に対して封入球遊技における各種情報(例えば、持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば、400ms)毎に送られるようになっている。なお、持球数及び計数球数については、変化分ではなく、その時の実数を送信する構成になっており、データの取りこぼし対策を講じる必要がないようにしている。
そして、カードユニット15では払出制御装置230からの各種情報に基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部306に遊技者の持球数(遊技価値)や計数球数を表示したりする。
なお本例では、前述のように払出制御装置230からカードユニット15に対して遊技制御装置54からの各種遊技情報及び封入球遊技における各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているが、カードユニット15からの要求があった時に払出制御装置230から必要な情報を送信するようにしてもよい。また、これらの各種情報を払出制御装置230からでなく、遊技制御装置54からカードユニット15へ送信する構成にしてもよい。
【0068】
一方、払出制御装置230は外部情報端子板51を介してカードユニット15と接続され、カードユニット15に対して払出制御装置230から遊技情報を送信可能になっている。
また、カードユニット15はホールコンピュータ86及び持球管理装置85と接続されている。したがって、外部情報端子板51は主にパチンコ機1側の払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86や持球管理装置85に遊技情報を送信するために使用される。
具体的には、払出制御装置230からは外部情報端子板51を介し、カードユニット15を経由してホールコンピュータ86に遊技制御装置54からの各種遊技情報及び封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報が出力される。遊技情報としては、例えば遊技制御装置54に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を変動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が変動開始、或いは、図柄の変動停止をトリガに図柄変動を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等がある。
また、払出制御装置230からは外部情報端子板51を介し、カードユニット15へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力され、さらにカードユニット15から持球数管理装置85やホールコンピュータ86へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力される。
【0069】
次に、封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号として、払出制御装置230には、発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163、第1封入球検出スイッチ164(
図6では封入球検出1SW)、及び第2封入球検出スイッチ165(
図6では封入球検出2SW)からの検出信号が入力されている。
発射球検出スイッチ161は、発射ボリューム171(詳細は後述)の操作によって遊技領域22に発射される球を1個ずつ検出するセンサであり、ファール球検出スイッチ162は、発射されたものの遊技領域22に達せずにファールとなった球を1個ずつ検出するセンサである。アウト球検出スイッチ163は遊技領域22から回収した球(アウト球及びセーフ球の両方を含む)を1個ずつ検出するセンサである。
第1封入球検出スイッチ164及び第2封入球検出スイッチ165は、前述したように、循環装置55のセンサ流路77に配置され(
図4参照)、封入球数をチェックするためのものである。
払出制御装置230では、上記各スイッチ161乃至165からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、ファール球の有無、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うとともに、カードユニット15から送られてくる球貸し情報(貸球数コマンド)に基づいて持球数に加算する処理を行うなどの制御を行う。
【0070】
さらに、払出制御装置230にはガラス枠開放スイッチ(
図6ではガラス枠開放SW))125及び前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126(
図6では前面枠開放SW(夜間監視SW))が接続されている。
ガラス枠開放スイッチ125はガラス枠5が開放されていることを検出するセンサである。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4が開放されていることを検出するセンサであり、前面枠4の開放を検出した情報をパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持する構成になっている。特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の前面枠4が開放された場合には、前面枠4が開放されたことを検出した情報(例えば、開放ONデータ)を夜間においても保持している。なお、翌朝、パチンコ機1が起動された場合には、夜間に前面枠4が開放されたことを検出した情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの検出信号を払出制御装置230で読み込むことで、払出制御装置230に取り込まれる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、「夜間監視スイッチ」という名称も付している。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。このようにすると、ガラス枠開放スイッチ125を省いて低コストにしつつ、ガラス枠の開放による不正への対応も可能になる。
ここで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠開放検出手段を構成する。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126には払出制御装置230から主電源が払出制御装置230への主電源供給開始から所定時間だけ遅延して供給されるとともに、主電源の遮断時にはバックアップ電源が供給されるようになっている(詳細は
図8参照)。このバックアップ電源としては、例えば前述したRAM233と同様に、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が用いられ、パチンコ機1の電源がオフとなる夜間(あるいは停電時も同様)であってもバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続ける構成である。
そして、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの前面枠4の枠開放情報は払出制御装置230に入力されてRAM233に記憶され、払出制御装置230からカードユニット15に送信されるようになっている(詳細は後述のプログラム参照)。
【0071】
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置53の構成と、この演出制御装置53に接続される機器について説明する。
演出制御装置53は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
【0072】
演出制御装置53は、遊技制御装置54のCPU111からの制御コマンドを解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして下スピーカ10及び上スピーカ16a、16bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾表示LED141の駆動制御などの処理を実行するとともに、演出操作スイッチ9からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、演出制御装置53には払出制御装置230からの持球数や計数球数のデータが遊技制御装置54を経由して送信されるようになっており、演出制御装置53は装飾持球表示装置250に対して持球数や計数球数の増減等に応じて、上部装飾持球表示装置250a及び下部装飾持球表示装置250bにおける多数のLEDの点灯・点滅制御を行う。
さらに、演出制御装置53は切替回路320を介して操作表示装置7との間で情報や信号等の入出力が可能であり、演出制御装置53からは演出画面に関する情報等を切替回路320を介して操作表示装置7に送信し、操作表示装置7からはメッセージ・操作領域部306の画面上に配置された各種演出ボタンの操作情報等を切替回路320を介して演出制御装置53に送信する。
演出制御装置53は切替回路320を介して操作表示装置7から受信した各種演出ボタンの操作情報等に基づいて表示装置41の演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、第2カードユニット接続端子板52Bは切替回路320と接続されており、切替回路320を介してカードユニット15は操作表示装置7との間で情報や信号等の入出力が可能である。
このように、切替回路320は操作表示装置7に対する接続を演出制御装置53(遊技機:パチンコ機1、以下同様)と、カードユニット15(但し、第2カードユニット接続端子板52Bを介して)との間で切替可能になっている(
図7(b)を参照)。
【0073】
次に、演出制御装置53は遊技球の研磨の処理に関して必要な機器として、研磨制御装置59と接続されている。研磨制御装置59は内部にRTC(リアルタイムクロック)60を備えており、演出制御装置53からの指示に基づいて研磨装置56の作動を制御して遊技球を研磨するために必要な処理を行う。RTC60を設けているのは、日時などの情報に基づいて制御をできるようにするためである。例えば、演出制御装置53がRTC60の情報を読み込んで特別な演出を出現させたり、後述の実施例2のように遊技球を研磨する時間帯を自由に設定できるようにするためである。
演出制御装置53は研磨制御装置59との間で信号の授受をしており、研磨制御装置59は演出制御装置53からの指示に基づき、研磨モータ70に対して制御信号(例えば、順回転データ又は逆回転データに対応する信号)を適宜出力し、この制御信号を受けて研磨モータ70はパチンコ機1の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置56を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。
具体的には、払出制御装置230は電源投入時の所定期間を研磨期間とし、研磨開始時には、遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信するとともに、研磨停止時には遊技制御装置54へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。なお、研磨期間中は遊技球の発射は不可となる。
遊技制御装置54は払出制御装置230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送信し、研磨停止コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。
演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置59へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をする制御を行う。
【0074】
研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨を行うように研磨装置56を制御する。この場合、研磨制御装置59は後述の研磨装置プログラムに従って研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行する。
すなわち、研磨制御装置59には研磨モータ70、切替ソレノイド79S及び研磨出口スイッチ76が接続されており、研磨モータ70は研磨制御装置59からの制御信号に基づいてパチンコ機1の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置56を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。切替ソレノイド79Sは封入球の研磨を行うときに研磨誘導口80aを開口させるもので、通常(封入球を研磨しない状態のとき)は、切替弁79の弁体(詳細は図示略)により研磨誘導口80aを閉鎖(例えば、スプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口80aを閉鎖させる位置に変位)しており、研磨制御装置59から弁体の作動信号を受けると、閉鎖位置にある切替弁79の弁体を吸引して研磨誘導口80aを開口させる位置に変位させる。これにより、球送り流路78から研磨流入誘導路80への球の移動を閉鎖している研磨誘導口80aが開口し、球送り流路78にある封入球が重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動する。
研磨出口スイッチ76は、上述したように上部出口75から排出される球を検出するもので、上部出口75からの球の排出を検出すると、球の排出検出信号を研磨制御装置59に出力する。研磨制御装置59は球磨き制御中でもあるにもかかわらず、一定時間以上、研磨出口スイッチ76から球の排出検出信号を受信できない場合には、研磨装置56における球詰まり等の異常と判断し、必要な処理(例えば、研磨モータ70の停止)を行う。
【0075】
ここで、実施例1では前述したように、研磨制御装置59は演出制御装置53との間で信号の授受をしているが、遊技制御装置54や払出制御装置230へは信号の入力をしていない。また、研磨装置56も同じく遊技制御装置54や払出制御装置230へは信号の入力をしておらず、研磨装置56の研磨モータ70が研磨制御装置59の制御信号を受けて動作するに過ぎない。すなわち、研磨制御装置59及び研磨装置56から遊技制御装置54や払出制御装置230への情報の入力はなく、遊技制御装置54や払出制御装置230から単方向で研磨制御装置59や研磨装置56へ情報を伝達する構成になっている。
このように、研磨制御装置59は遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)を一切行わない構成であり遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成になっているが、このような構成を「サブ基板化」と言い、略して「サブ化」と称することにする。ここでは、信号の入力、データの入力等も含めて情報の入力としている。
遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230は遊技の進行や管理などの遊技の中枢に直接に係る機器であるのに対して、例えば演出制御装置53等は一般的に遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230からの指示を受けて受動的に作動する機器であるので、通常、サブ基板と称されている。
実施例1では、研磨制御装置59は演出制御装置53(サブ基板)との間で信号の授受をしているだけの構成であり、同じくサブ基板の範疇に入る。そして、実施例1では制御上、研磨制御装置59の動作が遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に直接影響を及ぼすことがなく、かつ、研磨制御装置59は遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に対して情報の入力を一切行わない構成であり遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成にすることで、研磨制御装置59(研磨装置56も含めて)を「サブ化」する構成にしている。したがって、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)から遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に直接影響を及ぼすことがないようになっている。
【0076】
このように、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)を「サブ化」することで、遊技制御装置54や払出制御装置230の制御の負担が軽減される。具体的には、遊技制御装置54や払出制御装置230から演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送るだけで良く、そうすると、演出制御装置53では研磨開始コマンドを受けると、研磨制御装置59に研磨開始を指示し、研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
このように、遊技制御装置54や払出制御装置230は演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送るだけで、「サブ化」した研磨制御装置59(研磨装置56も含む)を作動させることが可能となり、遊技制御装置54や払出制御装置230は封入球の研磨を行わせるのにコマンドの送信という簡単な処理だけで済むので、遊技制御装置54や払出制御装置230の制御負担が格段に軽くなる。
また、サブ化した装置に対しては、遊技への直接の影響がないので、搭載する部品の制約は少ない。すなわち、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。そのため、ROM容量を気にせずに設計ができるとともに、例えば部品の選択肢も広がり、RTC(リアルタイムクロック)の搭載も可能になり、演出の幅が広がる。また、センサ等の部品の選択肢も広がり、低コスト化にもつながる。さらに、「サブ化」することで、遊技への直接の影響がないので、検査が簡素化されるという利点もある。
なお、実施例1では遊技制御装置54と払出制御装置230とを別体化した構成にしているが、このような遊技制御装置54と払出制御装置230とを一体化した装置を遊技制御装置として配置する構成にしてもよく、その場合には払出制御装置230を含めた遊技制御装置が主基板となる。したがって、実施例1の払出制御装置230自体も主基板として扱い、主基板に含める概念がある。かかる概念に従って実施例1の払出制御装置230自体も主基板に含めたとしても、実施例1では研磨制御装置59は払出制御装置230に対して情報の入力が一切無い構成になっており、研磨制御装置59(研磨装置56も含めて)は「サブ化」された構成である。よって、上述のメリットを発揮できる。
【0077】
(電源装置)
次に、電源装置58の構成について説明する。
電源装置58は交流電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、遊技制御装置54、演出制御装置53、払出制御装置230や
図6に示す各電子部品に必要な電源を供給するとともに、電源スイッチ181及びRAMクリアスイッチ182を備えている。
ここで、上記のようにパチンコ機1における電源装置58から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源を主電源といい、主電源は遊技制御装置54を含むパチンコ機1の各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。
また、電源装置58は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時(つまり、主電源遮断時)に、遊技制御装置54のRAM113、払出制御装置230のRAM233、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給するバックアップ電源も備えている。
そのため、電源装置58はバックアップ電源部(バックアップ電源手段に相当)を有しており、バックアップ電源部は例えば電解コンデンサのような大容量のコンデンサで構成される。バックアップ電源は遊技制御装置54のRAM113、払出制御装置230のRAM233などの他、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM113、RAM233など(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126も含む)に記憶されたデータが保持されるようになっている。
電源スイッチ181は電源装置58へ供給される交流電源をオン・オフするもので、電源装置58の起動や停止に使用される。RAMクリアスイッチ182は遊技制御装置54内部のRAM113や払出制御装置230のRAM233などを初期化するものである。
【0078】
(操作表示装置)
次に、操作表示装置7の詳細について説明する。
前述したように、操作表示装置7は切替回路320を介して演出制御装置53に接続されるとともに、切替回路320及び第2カードユニット接続端子板52Bを順次介してカードユニット15とも接続されている。
図7(a)は、操作表示装置7を示す図である。
操作表示装置7は、遊技者が指でタッチパネルに触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
図7(a)に示すように、操作表示装置7には球貸レートを表示する球貸レート表示器301、プリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示する残金額表示器302が設けられているとともに、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている。
【0079】
球貸レート表示器301は、カードユニット15から遊技球を貸し出す際の球貸レートを表示するもので、例えば1球を4円で貸し出すときは、「球貸:1玉4円」という表示をする。また、1球を1円で貸し出すときは、「球貸:1玉1円」という表示をする。本例のパチンコ機1では、1玉4円又は1玉1円のどちらのレートでも球貸しが可能になっている。
残金額表示器302はプリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示するが、このとき、例えば残金額「5000円」というように1円単位で、残金額を表示する。
球貸ボタン303は遊技者が所定度数の球貸しを望むときに操作するものである。
【0080】
返却ボタン304は、遊技前に単に遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)を返却させる場合、及び精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作するもの(つまり、精算時に使用するもの)である。したがって、本実施例では精算ボタンは配置されていない。
持球数の精算を行う場合には、本実施例では返却ボタン304の操作で開始される。
すなわち、遊技者が返却ボタン304を押すと、カードユニット15では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置230へ送信する。払出制御装置230では、精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット15へ送信し、カードユニット15はトータル持球数データを遊技カードに記録し、排出する処理を行う。次いで、カードユニット15は遊技カードに対してトータル持球数データの記録が終了すると、その旨を払出制御装置230に伝達し、払出制御装置230は記憶(例えば、RAM233の所定エリアに記憶)している持球数、計数球数等のデータをクリアし、精算終了となり、遊技カードが返却される。なお、カードユニット15ではトータル持球数データを遊技カードに記録するが、遊技カードへの記録が終了するまでは、払出制御装置230で持球数、計数球数等のデータを記憶しているので、カードユニット15に持球数、計数球数の管理が移行するものではない。
【0081】
次に、貯球・再プレイボタン305はハウスカードと称される遊技場独自の会員カードを使用して遊技者が獲得した球の貯球をしたり、会員カードに貯球している球を使用して再プレイするときの他、台移動してきた持球数(貯球数と同様な扱いをする)を使用するときに操作されるものである。
メッセージ・操作領域部306は、貯球・再プレイ時に会員カードを有する会員が暗証番号を入力したり、営業上のメッセージを表示したりする他、貯球数表示、持球数や計数球数の詳細の表示などを行うところである。また、メッセージ・操作領域部306は球貸度数も表示する。
さらに、メッセージ・操作領域部306では、持球数及び計数球数をアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)することが可能な構成になっている(詳細は、具体例で後述)。
【0082】
また、メッセージ・操作領域部306は演出制御装置53(遊技機)からの演出に関する情報や表示装置41に出現するキャラクタ等の情報も表示する。
なお、操作表示装置7(メッセージ・操作領域部306も含む)はパチンコ機1に配置されているが、球貸、貯球、精算(ただし、上述のようにカードへの記録の処理)、再プレイ、遊技カードの返却などはカードユニット15によって制御・管理される構成である。一方、操作表示装置7(メッセージ・操作領域部306も含む)における演出制御装置53(遊技機)からの演出に関する情報や表示装置41に出現するキャラクタ等の情報の制御・演出については、演出制御装置53(遊技機)によって制御・管理される構成である。
【0083】
切替ボタン307(第2の演出操作部)は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示する情報の送り元を切り替える操作を行うもので、操作表示装置7を切替回路320、第2カードユニット接続端子板52Bを順次介してカードユニット15に接続するルート(後述のように、「カードユニットルート」)と、操作表示装置7を切替回路320を介して演出制御装置53(遊技機)に接続するルート(後述のように、「遊技機ルート」)の何れかに切り替えるために遊技者によって操作(タッチ)される。
【0084】
次に、カードユニット15によって制御・管理されるケースについて説明すると、例えば、遊技開始時の場合、遊技者がカードユニット15の現金投入口202に1000円の紙幣を投入すると、投入紙幣の金額に対応した球貸度数がメッセージ・操作領域部306に表示される。遊技者が球貸ボタン303を押すと、表示された球貸度数の範囲内で球貸加算処理が行われ、この球貸加算処理の結果として増加した持球数が持球数表示器40に表示される。例えば、球貸ボタン303を1回押すと、5度数の球貸しが行われ、持球数が例えば125個増加し、持球数表示器40に表示される持球数も125増加する。
この場合、球貸ボタン303を押したという操作情報は、操作表示装置7から切替回路320及び第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15へ送られ、カードユニット15から遊技機(つまり、遊技制御装置54)へ球貸指示(持球数への加算指示)を行う構成である。
【0085】
一方、遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)の度数の範囲内で球貸しを望む場合には、遊技者はカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、遊技カードに残存する球貸度数がメッセージ・操作領域部306に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部306の球貸ボタン303を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)が行われ、球貸し数が持球数表示器40に表示される。この場合、純粋な球貸し数だけが持球数表示器40に表示されるのではなく、以前の持球数に球貸し数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器40に表示される。したがって、以前の持球数=0の場合は、球貸し数だけが持球数表示器40に表示されることになる。
【0086】
さらに、遊技者が遊技カードに記録された貯球数の範囲内で貯球使用を望む場合には、遊技者はカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入し、メッセージ・操作領域部306の画面にて当該会員の暗証番号を入力すると、遊技カードに残存する貯球数がメッセージ・操作領域部306に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部306の貯球・再プレイボタン305を操作することにより、遊技カードに記録された貯球数の範囲内で、所定度数の貯球使用(持球数の増加)が行われ、貯球使用数が持球数表示器40に表示される。この場合、以前の持球数に貯球からの貯球使用数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器40に表示される。
【0087】
また遊技終了の場合、返却ボタン304にタッチすることで、精算処理が行われて、トータル持球数の記録された遊技カードがカードユニット15から排出される。したがって、精算スイッチの配置はない。
遊技者は排出された遊技カードを持ってカード精算機83に挿入することで、カード精算機83にて精算される(例えば、景品交換レシートが排出され、ホールのカウンタで景品と交換できる)。
また休憩スイッチ312を押すと、遊技カードが排出され、遊技機は遊技ができない状態になる。このとき、休憩スイッチ312に内蔵された休憩スイッチ有効LEDが点灯し、休憩可能であることを報知する。
【0088】
払出制御装置230は、遊技球が入賞したような場合には、遊技者の持球数を電子的に増加させ(即ち、持球加算処理を行い遊技価値記憶手段に記憶されている持球数を増加さ)、持球数表示器40に表示させる等の制御を行う。
また、前述した操作表示装置7は
図6に示すように、切替回路320及び第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15と接続されており、操作表示装置7に配置されている球貸ボタン303の操作信号は切替回路320及び第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15に送られ、操作表示装置7は第2カードユニット接続端子板52B及び切替回路320を介してカードユニット15から出力される信号に基づいてプリペイドカードの残金額を表示する。
一方、第1カードユニット接続端子板52Aは、主にパチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板であるが、この基板で両者の配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
【0089】
また、本例では操作表示装置7に遊技カードの返却操作を行うための返却ボタン304を設けている。返却ボタン304は遊技を開始する前に遊技者が遊技カードを返却させることを望む場合に操作される他、前述したように、精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作される。前者の例としては、例えば遊技カードを購入して、ある遊技機のカードユニット15に遊技カードを挿入したが、気が変わって他の台へ移るような場合である。
なお、遊技が開始されたら、操作表示装置7の画面から返却ボタン304を消す制御を行ってもよい。
また、実施例1とは異なるが、精算スイッチを配置する構成とし、精算スイッチを押せば、トータル持球数を遊技カードに移し、返却ボタン304で遊技カードを排出する構成にしてもよい。
【0090】
前述した操作表示装置7は
図6に示すように、切替回路320及び第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15と接続されており、操作表示装置7は第2カードユニット接続端子板52B及び切替回路320を介してカードユニット15から出力される制御信号に基づいてメッセージ・操作領域部306に持球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)する制御を行う他、パチンコ機1の払出制御装置230の管理下にある計数スイッチ311の操作に応じて持球数から移動した球を計数した計数球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)をする制御、精算時の表示制御等も行う。
また、カードユニット15は操作表示装置7の表示や球貸し、貯球等に必要な制御信号を操作表示装置7に出力し、操作表示装置7はカードユニット15からの制御信号に基づいて各種表示や球貸し、貯球等に必要な画面構成、各種ボタンの操作に対する応答を行う。
ここで、カードユニット15は遊技価値管理手段、返却操作手段、精算手段、切替制御手段、表示態様変更制御手段を構成する。また、操作表示装置7はカードユニットが管理する第2の表示装置を構成するとともに、カードユニット15の管理により遊技者の遊技価値を表示する第2の遊技価値表示手段を構成し、さらに第2の演出操作部を構成する。また、操作表示装置7は持球数と計数球の詳細を表示できるカードユニット15の管理になる第3の表示装置を構成する。
計数スイッチ311は遊技者の操作により計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を構成する。返却ボタン304は遊技者の操作により遊技価値記憶媒体をカードユニットから返却する作動を操作可能な返却操作手段を構成する。
【0091】
(切替回路)
次に、切替回路320(切替手段)の詳細な構成について、
図7(b)を参照して説明する。
図7(b)は、切替回路320のブロック構成図である。
図7(b)において、切替回路320は入出力インターフェース321、判定回路322、表示切替回路323、タッチ情報切替回路324を備えている。なお、
図7(b)では説明が煩雑になるので、第2カードユニット接続端子板52Bの図示を省いてデータ、情報、信号の流れを説明している。
入出力インターフェース321はデータ(例えば、表示データ等)、情報、信号の入出力処理を行うインターフェース回路である。判定回路322は遊技機からの優先信号があるか否かを判定し、優先信号があれば、遊技機からの情報を操作表示装置7に表示するように操作表示装置7を遊技機との送受信のルートに切り替えることを判断し、それを表示切替回路323に伝える。ここで、遊技機とは、遊技機側の回路を指し、例えば演出制御装置53のことである(以下、同様)。
なお、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット15からのデータや情報等を操作表示装置7に出力し、操作表示装置7からの情報(例えば、タッチ情報)をカードユニット15へ出力するという送受信のルートになり、この通常モードに従って判定回路322及び表示切替回路323は作動する。
【0092】
表示切替回路323は判定回路322からの指示に従って操作表示装置7に遊技機からのデータや情報を送るか、あるいはカードユニット15からのデータや情報を送るかを切り替えて、操作表示装置7の表示の切り替え制御を行うものである。前述したように、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット15からのデータや情報等を操作表示装置7に出力するという送受信のルートに表示切替回路323は表示のルートを切り替えている。
タッチ情報切替回路324は、操作表示装置7のタッチパネル方式の各種ボタンの操作状況に応じて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット15あるいは遊技機の何れかの送受信のルートに切り替えるものである。例えば、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力され、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づいて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット15あるいは遊技機の何れかの送受信のルートに切り替える。この場合、以前の接続ルート(つまり、それまでのルート)を変更して別の接続ルートに切り替えることになる。例えば、いままで操作表示装置7がカードユニット15と接続されていたル−トであった場合には、切替ボタン307にタッチして切替情報が発生したら、操作表示装置7を遊技機と接続するル−トに切り替えることになる。
【0093】
ここで、操作表示装置7の上記接続ルートについて、毎回、細かく説明すると煩雑になるので、以下のように短く表記できるように定義する。
(A)操作表示装置7をカードユニット15に接続するルート
このルートは、操作表示装置7を切替回路320、第2カードユニット接続端子板52Bを順次介してカードユニット15に接続するルートである。
以下、このルートを「カードユニットルート」と言う。
(B)操作表示装置7を遊技機に接続するルート
このルートは、操作表示装置7を切替回路320を介して演出制御装置53(遊技機)に接続するルートである。
以下、このルートを「遊技機ルート」と言う。
【0094】
次に、切替回路320を含めて全体的なデータ、情報、信号の流れを説明すると、以下の通りである。なお、
図7(b)では代表的なデータや信号の流れを矢印で示している。
まず、通常モ―ド(初期状態)では、カードユニット15からの表示データや情報等が切替回路320を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7からはタッチ情報や切替情報が切替回路320に入力され、切替回路320からカードユニット15にタッチ情報が出力される。この通常モードでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にはカードユニット15から出力される情報が表示される。また、切替ボタン307を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路320を介してカードユニット15に出力され、カードユニット15ではタッチ情報に応じた制御を行う。
【0095】
次に、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力され、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づいて操作表示装置7の接続ルートをカードユニット15から遊技機の方の送受信のルート(つまり、遊技機ルート)に切り替える。これにより、以前の接続ルート(つまり、それまでのルート)が変更されて、別の接続ルートに切り替えることになり、この場合はカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わる。
遊技機ルートに切り替わると、演出制御装置53から表示データが切替回路320を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7ではメッセージ・操作領域部306に演出制御装置53から出力される出力される情報を表示する。また、切替ボタン307を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路320を介して演出制御装置53に出力され、演出制御装置53ではタッチ情報に応じた制御を行う。
一方、演出制御装置53からは表示データが表示装置41に出力されており、表示装置41は演出制御装置53からの表示データに基づいて演出のための表示を行う。
【0096】
また、演出制御装置53からは優先信号が切替回路320に出力される構成であり、優先信号は必要な演出中等で遊技機ルートに優先的に切り替える場合に出力される。ただし、遊技機優先中(優先信号を出力して遊技機ルートに優先的に切り替えている場合)であっても、切替情報(例えば、タッチ情報)が発生したときは所定期間(例えば、5秒間)だけカードユニットルートに切り替わり、操作表示装置7はカードユニット15との間でデータなどの送受信を行う。
なお、カードユニット15からの情報に基づく球貸等の操作表示と、遊技機からの情報に基づく遊技機の演出用の操作表示とを同じ操作表示装置7で行うが、切替回路320によりカードユニット15と遊技機(パチンコ機1)の情報とが混在しないような構成になっている。ここでの遊技機とは、遊技機側の回路を指し、例えば演出制御装置53のことである。また、カードユニット15と遊技機(パチンコ機1)とは切替回路320を経由しては接続されない。さらに、遊技機(パチンコ機1)は切替回路320を介して操作表示装置7と接続されるが、遊技機と操作表示装置7との間の信号、情報等の入出力はあくまでも演出用に限定される。
【0097】
(スイッチ電源遅延回路)
次に、スイッチ電源遅延回路541(
図8ではSW電源遅延回路と表記)の詳細な構成について、
図8を参照して説明する。
図8に示すように、払出制御装置230の内部にはスイッチ電源遅延回路541が設けられており、スイッチ電源遅延回路541は水晶発振器542、カウンタ543、シフトレジスタ544、リレー545を備えている。
水晶発振器542は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ543は水晶発振器542によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ544に入力する。シフトレジスタ544は遅延回路として機能する構成になっている。
【0098】
そして、電源装置58から払出制御装置230に供給された主電源は払出制御装置230の内部にてシフトレジスタ544に入力データ(5V電源の主電源)として入力されており、シフトレジスタ544はカウンタ543からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(5V電源の主電源)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。ここでは、シフトレジスタ544は、例えば5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、on/off制御のための信号としてリレー545に出力する。具体的には、シフトレジスタ544は5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、遅延させている間はoff制御信号をリレー545に出力し、5秒後にon制御信号をリレー545に出力する。
リレー545には5V電源の主電源が印加されており、リレー545は通常(off制御信号が入力されている間)はオフしているが、シフトレジスタ544からon制御信号が入力されると、オン作動して、5V電源の主電源を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給する。
【0099】
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126には払出制御装置230から主電源が供給可能であるが、前述したようにスイッチ電源遅延回路541を介して主電源が供給される構成であるため、払出制御装置230への主電源供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源の供給が開始されるようになる。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置58からのバックアップ電源(5VBB)が払出制御装置230を経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給され、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)はスイッチ電源遅延回路541を経由しておらず、電源装置58から払出制御装置230を介して常時、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給されるようになっている。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)は払出制御装置230に出力され、払出制御装置230では前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート546で受けてCPU231に出力し、CPU231は前面枠4の枠開放情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である(詳細は後述)。
【0100】
このように、スイッチ電源遅延回路541では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の主電源となる5V電源を一定のクロックでシフトレジスタ544に入力し、シフトレジスタ544によって所定時間(例えば、5秒)だけ遅延を行う。そして、所定時間だけ遅らせて立ち上がることになるシフトレジスタ544から出力される5Vのon制御信号によってリレー545をオンするので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給される主電源の5Vも遅れ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126への主電源の供給開始は払出制御装置230上のCPU231や各種ICよりも遅くなる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力するタイミングも、払出制御装置230への主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して常時供給される構成である。そのバックアップ電源は払出制御装置230のRAM233に供給されるものと同じであり、RAM233も同様にバックアップされる。
ここで、スイッチ電源遅延回路541は遅延手段を構成する。
【0101】
なお、水晶発振器542、カウンタ543、シフトレジスタ544、リレー545等の上記の部品を使わず、例えば単純なCR回路(CR時定数による遅延)による遅延手段でスイッチ電源遅延回路541を実現する構成にしてもよい。
ただし、CR時定数による遅延の場合、コストは安くて済む利点があるが、誤差が大きいことも考えられるので、実施例1では例えばロジックICを用いた遅延回路でスイッチ電源遅延回路541を実現している。
したがって、実施例1では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの前面枠4の枠開放情報は異常検出情報であるので、正確に遅延させて取り込み、正確な遅延時間で外部装置に出力することができる利点がある。
なお、リレー545はメカ式のリレーでもよいが、これに限らず、例えばフォトリレーやその他のスイッチング手段でもよい。
【0102】
(一括表示装置)
次に、一括表示装置35の詳細な構成について、
図9を参照して説明する。
図9(a)は、一括表示装置35の拡大図である。
図9(a)において、一括表示装置35は特
図1表示器351、特
図2表示器352、特
図1保留LED353、特
図2保留LED354、入賞表示LED355、普
図LED356、普図保留LED357、ラウンド表示LED358、状態表示LED359を備えており、これらの素子は一括表示装置35の基板上に一体的に形成されている。
特
図1表示器351は7セグメントのLEDからなり、本特
図1の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特
図1について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
特
図2表示器352も同様に、7セグメントのLEDからなり、本特
図2の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特
図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
【0103】
なお、特
図1及び特
図2による変動表示ゲームとは、上述したように、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特
図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われ、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特
図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われるが、飾り特図ではなくて、本特
図1、本特
図2の変動表示ゲームの態様をそれぞれ表示するのが、一括表示装置35に配置されている特
図1表示器351、特
図2表示器352である。
【0104】
特
図1保留LED353は特
図1の保留数を表示するものであり、特
図1の保留数とは、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
同様に、特
図2保留LED354は特
図2の保留数を表示するものであり、特
図2の保留数とは、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
特
図1保留LED353及び特
図2保留LED354は、
図9(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の保留数を表示可能な構成になっている。すなわち、
図9(c)に示すように、下記の態様で1乃至4個の保留数を表示する。
・保留数=1:左端のLEDが1つ点灯
・保留数=2:左端から2番目のLEDが1つ点灯
・保留数=3:左端から3番目のLEDが1つ点灯
・保留数=4:3つのLEDが全て点灯
なお、LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
【0105】
入賞表示LED355は入賞口への入賞に対応する賞球数を表示するもので、入賞表示装置に相当する。ここでの入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口25,26、変動入賞装置27の大入賞口27a、一般入賞口28〜31を指す。
本実施例の場合、パチンコ機1は封入球式遊技機であるので、入賞口への入賞に対応する賞球は持球数に加算する処理を行うことになる。一方、通常の遊技機では、入賞口への入賞に対応する賞球は実際に球を上皿に排出(払い出す)する処理になる。
【0106】
なお、入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
入賞表示LED355は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。なお、賞球数の表示時間としては、下記のようになっている。
・通常モード(通常の遊技状態)=1秒(s)
(小当り、中当りは通常モードに含まれる)
・特別モード(大当り、確率変動、時短(普電サポート中)=0.5秒(s)
なお、特別モードとは、大当り中等のように連続して遊技球が入賞する可能性の高い状態を示す概念である。
【0107】
普
図LED356は単一のLEDからなり、本普図の状態表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。表示態様としては、例えば「はずれ」停止=消灯、「当り」停止=点灯、「変動中」=点滅中がある。
普図保留LED357は普図の保留数を表示するものであり、普図の保留数とは、遊技球が普図始動ゲート32を通過すると、一括表示装置35の普
図LED356が作動して本普図の状態表示を行い、同時に飾り普図の状態表示として表示部41aで普図の変動表示による普図変動表示ゲームが行われるが、このように遊技球が普図始動ゲート32を通過した場合に、4個を上限として記憶される保留の数のことである。
普図保留LED357は、前述した特
図1保留LED353及び特
図2保留LED354と同様に、
図9(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の普図の保留数を表示可能な構成になっている。なお、普図の保留数を表示態様は、
図9(c)の例と同様であり、詳細な説明は省く。
【0108】
ラウンド表示LED358は、特
図1又は特
図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、
図9(b)に示すように、共通化のために本例では4つのLEDで3種類のラウンドを表示可能な構成になっている。
具体的には、
図9(b)に示すように、下記の態様で3種類のラウンドを表示する。
・○+(2)=2ラウンドを表示
・○+(11)=11ラウンドを表示
・○+(16)=16ラウンドを表示
上記において、○は1つのLEDの点灯を示す。また、(2)、(11)、(16)とあるのは、LEDの前面側で一括表示装置35の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付け、3つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしたものである。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
【0109】
これにより、(2)のシールに対応するLEDが点灯すれば、2ラウンドであることが容易に分かるようにしたものである。以下同様に、(11)のシールに対応するLEDが点灯すれば、11ラウンドであることが分かり、(16)のシールに対応するLEDが点灯すれば、16ラウンドであることが分かりるようになる。
そして、2ラウンドの表示を行うときは、○に相当する1つのLEDと、(2)のシールに対応するLEDとの2つが同時に点灯することになる。これは、11ラウンドや16ラウンドの表示を行うときも同様で、○に相当する1つのLEDが合わせて点灯する。また、その他のラウンド遊技のときには、○に相当する1つのLEDのみが点灯する。なお、各LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
なお、ラウンド表示LED358は4つのLEDを有しており、そのうちの1つはシールに対応していないものであるが、そのLEDを予備として使用する構成にしてもよい。つまり、ラウンド数が4種類の場合は、4つのLEDをラウンド数に対応させて点灯させれば、4種類のラウンドを表現できる。
【0110】
また、LEDの前面側で一括表示装置35の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付けるのは、パチンコ機1の機種の違いによって、大当りのラウンド数も変わることがあるので、シールを変えさえすれば、ラウンド数の違い等に変更できるので、そのような柔軟な対応を可能にするためである。
さらに、上記シールには機種の性能表示も記載する。性能表示としては、例えば機種名、大当り確率(確率変動時の高確率、通常時の低確率を含む)、確率変動割合、最大大当り回数(大当り回数のリミット値)、賞球数などがある。なお、シールによる性能表示は一括表示装置35とは別の場所に記載してもよい(つまり、シールを別の場所に貼り付けてもよい)。
状態表示LED359は、パチンコ機1の遊技状態を表示するもので、2つのLEDにより構成される。遊技状態の表示としては、例えば「確率変動状態」、「時短状態」にあることを各1つのLEDの点灯(あるいは点滅)で表示する。
【0111】
F.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示装置41の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、遊技者がカードユニット15に例えば遊技カードを挿入して、所定単位度数の球貸し操作(操作表示装置7の球貸ボタン303を例えば1回押す)を行うと、所定数の持球数(例えば、125個)が加算されて、下部パネル6の持球数表示器40によって表示される。なおこの際、前記遊技カードの球貸度数データ(有価価値情報)は、前記所定数分(例えば、500円分に相当する5度数)だけ減額される。なお、持球数は既述したように遊技者の利益である遊技価値に相当し、この持球数のデータは、払出制御装置230では例えばRAM233(遊技価値記憶手段)に記憶される。
【0112】
そして、上記持球数が有る状態で遊技者が発射操作ハンドル11を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、一括表示装置35において本特
図1又は本特
図2の変動表示が行われるとともに、飾り特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aにおいて飾り特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。
遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に前記循環装置55の遊技球入口71に流下し、この循環装置55で回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
【0113】
この発明概念は、以下のように示される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させる制御手段を備え、前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機という概念である。
【0114】
ここで、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させるとは、いいかえると、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益(遊技価値)を増加させることであり、例えば、遊技球がセーフになるか、アウトになるかの判定を行い、セーフと判定されたときには例えば遊技者の持球数を増加させることである。セーフには、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることが対応する。
また、遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値(例えば持球数)を増加させる態様には、セーフ球に基づいて賞球が持球数に加算される他に、後述の大当り(特別遊技状態)が発生して大入賞口が開放され、大入賞口に遊技球が入賞することによって大量の賞球が持球数に加算される場合も含み、これらは遊技者の利益である遊技価値を増加させることに相当する。なお、遊技者の利益である遊技価値としては、必ずしも遊技球の個数に対応した持球数に限らず、このような持球数の代りにポイント数を用いてもよい。但し本例では、特に示さない限り、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数を用いた態様で説明している。
また、遊技価値(持球数、或いはポイント数)は、前述したように遊技結果に応じて加算される一方で、遊技球の発射球数分だけ減算される。例えば、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数が用いられている場合には、遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される。
【0115】
そして、前述した特図変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、前述の時短状態とする制御も行われる。
【0116】
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数等を遊技者に報知したりするための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
【0117】
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
【0118】
また、上記特図変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、特図変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0119】
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特
図1保留表示と特
図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特
図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特
図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特
図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。
【0120】
また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特
図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特
図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特
図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、前述した普図変動表示ゲームが行われる。この普図変動表示ゲームについては、前述したので、ここでは説明を省略する。
【0121】
ここで、遊技球がセーフと判定されて遊技者の持球数を増加させる場合には、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることになるとともに、さらに、大当りが発生して大当り状態に移行すると、変動入賞装置27の大入賞口27aが規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される大当たりラウンドが規定のラウンド数だけ繰り返し行われて、遊技者は大きな入賞数を獲得することになる。
この場合、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355によって表示される。ここでの入賞とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞のことであり、始動入賞口25,26、変動入賞装置27の大入賞口27a、一般入賞口28〜31が相当する。これらのどの入賞口に遊技球が入賞しても、即座に、その賞球数が7セグメントのLED2個からなる入賞表示LED355によって所定時間(通常モードは1秒、特別モードは0.5秒)だけ表示されるので、遊技者は盤面(遊技盤20)のどこに入賞して何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
【0122】
また、遊技者の持球数(遊技価値)は、払出制御装置230(遊技機側)の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する持球数表示器40(遊技価値表示手段)と、カードユニット15の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306(第2の遊技価値表示手段)との両方で表示可能である。
この場合、払出制御装置230からカードユニット15に対して遊技機(パチンコ機1)の各種情報(持球数を含む各種情報)が定期的に(例えば、400ms毎に)送られ、これにより、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306においても遊技者の持球数(遊技価値)の表示が可能である。
そして、遊技者の持球数は、常時、持球数表示器40によってデジタルで表示されている。これにより、遊技者は持球数の把握ができる。ただし、持球数表示器41は小型であるので、これだけでは持球数が多くなった場合に、持球数の直感的な把握がスムーズではない。
【0123】
一方、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306は持球数表示器40より大きな液晶表示器であり、メッセージ・操作領域部306に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示される。例えば、大当りが続いて遊技者の持球数が多くなった場合には、玉箱を摸した図形が2箱、3箱・・・というようにアナログ表示される。これにより、遊技者は持球数が多くなった場合に、メッセージ・操作領域部306に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、持球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。
【0124】
次に、遊技者が持球数を計数して計数球数とすることを望む場合、すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことを電子的に行いたい場合には、以下のような操作で可能となる。
遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されているとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押して持球数を順次計数して計数球数にすると、計数された持球数は計数球数となり、払出制御装置230によって保持・管理される。ただし、払出制御装置230からカードユニット15に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、400ms毎に)送られ、これにより、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面上に、計数球数のデジタル表示(数字)と、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)とで表示される。
なお、持球数表示器40に表示されている遊技者の持球数も同様に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面上に、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)で表示したり、持球数の説明を表示したりすることができる。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にも送られて、演出制御装置53の制御により装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、特に持球数及び計数球数を装飾性を発揮させながら、遊技者に容易に把握させることができる。
【0125】
操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面上における計数球数のデジタル表示(数字)又はアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)を見ることで、遊技者はどの程度、持球数から計数球数に移したかが簡単に分かる。すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的にどの程度を移したが分かることと同様である。
このようにして、計数スイッチ311を押して持球数を計数すれば、計数された持球数は計数球数として払出制御装置230によって保持・管理されるものの、払出制御装置230からカードユニット15に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、400ms毎に)送られるので、カードユニット15の制御によりメッセージ・操作領域部306の画面上に「さらに計数」、「遊技終了」、「遊技続行」の各ボタンが現れ、ここから「遊技終了」をタッチすると、「返却ボタンを押して下さい」というメッセージが現れて、精算を促すことになり、その後に返却ボタン304を押すと、トータル持球数(持球数+計数球数)が遊技カードに書き込まれて(記録されて)精算終了となり、遊技カードが返却されることになる。
【0126】
一方、「遊技続行」のボタンをタッチすると、「発射を開始して下さい」というメッセージが現れて、発射を促すことになり、その後に発射ハンドル11を操作すれば、遊技を続行できる。
また、計数球数を使用して再プレイを望む場合には、計数球使用スイッチ314を操作することにより、例えば1回の操作につき100個が持球数へ移動し、発射が可能となる。
このように、封入球式遊技機で遊技を行う場合であっても、獲得した遊技球を玉箱に移すことに近い感覚で、遊技者は違和感なく持球数を計数することができる。そして、持球数から計数した計数球数は保持され、その後は精算又は再プレイも簡単にできる。
【0127】
次に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面では、以下のような表示制御が行われる。
通常(初期状態)は、操作表示装置7をカードユニット15に接続するルート(カードユニットルート)となっており、操作表示装置7とカードユニット15との間でデータ等の送受信が行われる。これにより、カードユニット15からの表示データや情報等が切替回路320を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にはカードユニット15から出力される情報が表示される。また、切替ボタン307を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路320を介してカードユニット15に出力され、カードユニット15ではタッチ情報に応じた制御を行う。このようにして、カードユニット15の管理・制御の下で球貸、貯球、精算(カードへの記録処理)、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される。
【0128】
一方、演出中等で必要な場合(例えば、リーチ発生でのバトルモード等)に、演出制御装置53から優先信号が切替回路320に出力されると、切替回路320によりカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられて、演出制御装置53からの表示データに基づいて操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には演出に関する情報が優先的に表示される。
具体的には、優先信号が出力される場合とは、例えばリーチ発生でのバトルモード時に、メッセージ・操作領域部306にバトルモードでキャラクタが使用するアイテムを複数の中から1つを遊技者に選択させるような画面を表示し、それを画面上のタッチボタンで遊技者に選ばせるような演出の表示を行うケースである。また、大当り中に遊技者に好みの楽曲を選択させるような演出のケースもある。
また、上記優先信号が切替回路320に出力されている場合であっても、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力され、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートを所定期間(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替える。これにより、カードユニット15の制御に基づく処理(例えば、遊技途中での球貸等)が行われる。
【0129】
さらに、通常モ―ドで操作表示装置7がカードユニットルートとなっており、カードユニット15の制御により球貸、貯球、精算、再プレイなどの処理が可能な状態のとき、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力され、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートをカードユニットルートから遊技機ルートに切り替える。これにより、遊技機側の演出制御装置53の制御に基づく処理が行われる。具体的には、演出制御装置53からの表示データに基づき、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には、例えば機種名、ゲームの説明等が表示さされる。
【0130】
このように、通常は操作表示装置7はカードユニットルートであり、カードユニット15の管理・制御の下で球貸、貯球、精算(カードへの記録処理)、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、これらに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示されるが、演出中等で必要な場合(例えば、リーチ発生でのバトルモード等)には優先信号に基づきカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられて、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には演出に関する情報が優先的に表示される。
ただし、優先信号の発生中でも、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、所定期間(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替えられ、例えば、遊技途中での球貸や再プレイ等が可能になる。
したがって、球貸や再プレイ等に支障を及ぼすことなく、演出に関連する情報(例えば、リーチ発生でのバトルモード時におけるアイテム選択の情報、機種名、ゲームの説明等の情報)を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示することができ、遊技者に分かりやすく、多彩な演出を行うことができる。
【0131】
また、本実施例では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126が設けられており、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4が開放されたことを検出するセンサであり、前面枠4の開放を検出した情報をパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持する構成である。
そのため、特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の前面枠4が開放された場合には、前面枠4が開放されたことを検出した情報(例えば、開放ONデータ)を夜間においても保持している。なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4が開放されたこと、及び前面枠4が開放されないことの双方の状態を検出可能であり、以下の説明では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の検出信号を枠開放情報という。
【0132】
次いで、翌朝、パチンコ機1が電源投入(主電源の投入)により起動した場合に、夜間に前面枠4が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を払出制御装置230が読み込むことで、払出制御装置230に取り込まれることになるが、払出制御装置230では主電源が入った時点から立ち上げ準備(例えば、全ての割込みの禁止、CPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定等)にある程度の時間がかかる。そして、この立ち上げ準備期間に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126から枠開放情報が払出制御装置230に入力されたとき、当該枠開放情報を取り込めないおそれがある。
【0133】
そこで、電源装置58から供給される主電源の投入時に、払出制御装置230には主電源が直ちに供給されるが、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対しては主電源の供給を所定時間(例えば、5秒)だけ遅延させるスイッチ電源遅延回路541が設けられており、払出制御装置230への主電源の投入から所定時間経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給される。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
これにより、払出制御装置230における立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が外部に出力されて、払出制御装置230に入力され、払出制御装置230に取り込まれてRAM233に記憶され、次いで、RAM233に記憶した前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信される。
したがって、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれるので、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティが向上する。
【0134】
一方、遊技店の店員が開店準備のために当該パチンコ機1を初期状態に戻すべくRAMクリアスイッチ182をオン操作すると、遊技制御装置54内部のRAM113や払出制御装置230の内部のRAM233などが初期化されることになる。
ここで、本実施例ではRAMクリアスイッチ182がオン操作された場合には、払出制御装置230の内部のRAM233が初期化されてクリアされた後に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれて、RAM233に記憶される。その後、RAM233に記憶された枠開放情報が払出制御装置230からカードユニット15へ送信される。したがって、RAMクリアスイッチ182のオン操作により、RAM233の枠開放情報が消されるという不具合が発生しない。
RAM233に記憶しておいた情報がクリアされるのは、あくまでも前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を払出制御装置230に取り込む前の情報のみだからである。
そして、払出制御装置230ではカードユニット15から枠開放情報の受信通知を受けると、枠開放情報送信正常コマンドを遊技制御装置54に送信する。
【0135】
また、払出制御装置230では、前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信されていない場合(例えば、カードユニット15から枠開放情報の受信通知を受けていない場合)は、枠開放情報送信エラーフラグをセットし、枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置54に送信する。枠開放情報送信エラーコマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54に送信されると、遊技制御装置54では演出制御基板(演出制御装置53)に枠開放情報送信エラーコマンドを送信する。これにより、演出制御装置53では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知する。
なお、払出制御装置230からエラー表示LED67に対して異常の信号を出力し、エラー表示LED67を点灯(あるいは点滅)させるようにしてもよい。
一方、払出制御装置230では、前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信された場合(例えば、カードユニット15から枠開放情報の受信通知を受けた場合)は、枠開放情報送信正常コマンドを遊技制御装置54に送信する。枠開放情報送信正常コマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54に送信されると、遊技制御装置54では演出制御基板(演出制御装置53)に枠開放情報送信正常コマンドを送信する。
なお、演出制御装置53では枠開放情報送信正常コマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されたことを示すメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知してもよい。
【0136】
このように、遊技場が閉店している夜間に、例えば不審者がパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けたような場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放状態が検出され、当該開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。
そして、翌朝、パチンコ機1の主電源投入時に、払出制御装置230への主電源の投入から所定時間だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給されることから、その遅延時間の経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの検出信号(枠開放情報)を払出制御装置230が読み込むことで、RAM233に記憶され、RAM233に記憶した前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信され、例えばカードユニット15ではエラー報知する、あるいはホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置が取られる。また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生すると、そのエラー状態が表示装置41に表示される。
したがって、表示装置41やカードユニット15のエラー報知を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切な処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができ、不正に対するセキュリティを向上させることができる。
【0137】
また、本実施例ではパチンコ機1の稼働中に限らず、閉店して電源がオフになったときであっても、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)は遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われない。すなわち、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)が「サブ化」されている。したがって、サブ化されることで、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。
そして、パチンコ機1の電源投入時に、電源投入時の所定期間を研磨期間として研磨装置56が作動して遊技球の研磨が行われる。遊技球の研磨中は球の発射が停止され、遊技は行えない状態となる。
詳しくは、払出制御装置230は電源投入時の研磨開始時に遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送信する。演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置59へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。
研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
研磨の処理では、研磨制御装置59の制御により研磨装置56の研磨モータ70がオンして起動するとともに、切替弁79の切替ソレノイド79Sが球送り流路78の一部をスライドさせて研磨誘導口80aを開口させ、センサ流路77や球送り流路78に存在する封入球を重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動させ、研磨流入誘導路80を介して研磨装置56に導く。なお、このような切替ソレノイド79Sの作動(すなわち、変位:スライド)を封入球の経路を「研磨側」へ切り替えるという。すなわち、この場合は封入球が研磨装置56を循環して研磨されるルートとなる。
一方、切替ソレノイド79Sが球送り流路78の一部をスライドさせずに研磨誘導口80aを閉鎖するような作動を封入球の経路を「通常側」へ切り替えるという。すなわち、この場合は封入球が研磨装置56を循環せず、遊技盤20を通過して循環装置55に流入し、センサ流路77、球送り流路78を経て球を発射するための球送り装置へ送られ、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド173によってレール21に沿って遊技領域22に向けて発射され、アウト球(セーフ球含む)又はファール球となって再び回収球として遊技球入口71から流入するという経路を繰り返して循環するという通常の封入球循環ルートとなる。
【0138】
切替ソレノイド79Sが封入球の経路を「研磨側」へ切り替えることにより、封入球は研磨装置56へ流入開始し、流入した球は研磨モータ70の動力により揚送スクリュー73で揚送されつつ、内部に配置された研磨部材74により研磨されて、上部出口75から研磨出口スイッチ76を介して排出され、再び、センサ流路77に流入する。以後、球磨き中は、封入球がセンサ流路77、球送り流路78、研磨誘導口80a、研磨流入誘導路80という経路を通って再び研磨装置56に導かれて、研磨が繰り返し行われる。
なお、研磨出口スイッチ76が一定時間以上、上部出口75からの球の排出を検出しないと研磨装置56における球詰まり等の異常と判断され、研磨装置56の研磨モータ70が回り続けるのを回避する。
次いで、切替ソレノイド79Sが封入球の経路を「研磨側」へ切り替えてから、所定時間T1が経過すると、封入球の経路を「通常側」へ切り替える。その後、さらに所定時間T2が経過し、かつ研磨出口スイッチ76がオンした後より所定時間T3が経過した時点で、研磨モータ70の駆動が停止される。さらに、演出制御装置53は研磨停止コマンドを受信すると、表示装置41に画面に表示していた球の研磨中の表示を停止させる。
なお、研磨モータ70の駆動が停止すると、研磨モータ70は電力を消費しなくなる。また、切替ソレノイド79Sは封入球の経路を「通常側」へ切り替えた場合には、切替弁79の弁体により研磨誘導口80aを閉鎖(例えば、スプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口80aを閉鎖させる位置に変位)しており、この状態では切替ソレノイド79Sは電力を消費しない。
このように、パチンコ機1の電源投入時に、所定時間T1だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて封入球が研磨装置56によって研磨される。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置56を介さずに循環することになる。
また、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230は単に研磨開始コマンドや研磨停止コマンドを演出制御装置53に出すだけで、演出制御装置53の管理の下で研磨制御装置59(研磨装置56も含む)の制御が行われるから、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
【0139】
さらに、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生すると、装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDによる装飾が行われる。
例えば、上部装飾持球表示装置250aにおいては、遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
また、下部装飾持球表示装置250bにおいては、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するようにLED(すなわち、計数装飾部250cのLED)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。
このように、装飾持球表示装置250における多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
【0140】
また、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生した場合には、遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されるが、このとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押すと、前述したように、持球数が計数されて計数球数になり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示(例えば、計数球数のデジタル表示(数字))されるとともに、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)表示される。計数球数が存在するようになると、計数球表示器313が点灯して知らせる。
この状態において、遊技者が計数球数から持球数に戻したい場合には、計数球使用スイッチ314を押すことになる。すなわち、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときには、計数球使用スイッチ314を操作することが行われる。なお、計数球数が存在するときは計数球表示器313が点灯するので、それにより遊技者は分かる。また、計数球使用スイッチ314に内蔵の計数球使用スイッチLEDは計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯するので、これによっても遊技者は計数球数が存在することが分かる。なお、計数球数から持球数に戻す場合とは、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念に相当する。
計数球使用スイッチ314が1回操作されると、計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動する。これにより、遊技者は移動した持球数を用いて再び遊技ができる。なお、計数球数から持球数への移動は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される(詳細は後述)。
【0141】
さらに、遊技機(パチンコ機1)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器40と、計数球を簡易表示できる第2の表示装置としての計数球表示器313とを備え、カードユニット15は持球数と計数球の詳細を表示でき、かつカードユニット15の管理になる第3の表示装置としての操作表示装置7を備えて、遊技者に持球数等の情報を表示する。
ここでは、遊技機(パチンコ機1)側の制御により持球数表示器40で持球数がデジタル表示され、計数球表示器313で計数球の有無が簡易表示される。一方、カードユニット15側の制御により持球数と計数球の詳細が表示される。したがって、遊技者へ持球数と計数球を報知するに際して、遊技機(パチンコ機1)側では持球数や計数球を単にデジタル表示や簡易表示するのみで、詳細な表示までは行っていないので、遊技制御装置54と払出制御装置230の制御負担が軽減され、効率が良い。
また、遊技者にとって持球数や計数球数を上記第1乃至第3の多様な装置で把握することができ、便利であり、かつ分かりやすいという効果がある。
【0142】
G.制御系の動作
次に、遊技制御装置54の制御内容について、
図10〜
図23により説明する。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、
図10、
図11により、遊技制御装置54のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、CPU111に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、遊技制御装置54に電源を供給している電源装置58の電源スイッチ181がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置58からリセット信号が遊技制御装置54に入力されてCPU111のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU111が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU111が起動する。また、作業者が遊技制御装置54のRAM113等の初期化をしようとする場合には、電源装置58のRAMクリアスイッチ182(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ181をオン操作する必要がある。なおRAM113は、
図10ではRWMと表記されている。
【0143】
そしてCPU111が起動すると、まず全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止し、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM113へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS1乃至S4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS4が設けられている。
【0144】
ステップS4を経ると、次いで、ステップS5で他基板起動待ちタイマを設定する。これは、遊技制御装置54(主基板)以外の他の制御装置(例えば、演出制御装置53、払出制御装置230等)が起動して遊技制御装置54からのコマンドを確実に取り込むことができる状態になるためには所定の期間がかかるため、遅延時間を他基板起動待ちタイマで設定するものである。
次いで、ステップS6に進んで払出コマンド受信割込みを許可する。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へコマンドが送信されてくる場合があるので、そのコマンドを受信するための割込みを許可するものである(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS7に進んで停電発生か否かを判定する。ここでの判定は、例えば停電検出信号を用いて判定する(ステップS7では図示を省略しているが、後述のステップS33〜S35と同様な判定を行う)。ステップS7で停電発生ではないと判定すると、ステップS8に進み、他基板起動待ちタイマを「−1」だけ更新(デクリメント)する。次いで、ステップS9で他基板起動待ちタイマが「0」になった否かを判定し、「0」になっていなければ、ステップS7に戻ってル−プを繰り返す。そして、ル−プを繰り返し、他基板起動待ちタイマが「0」になったならば、ステップS9の判定結果がYESとなってステップS10以降の処理に進む。したがって、このときはパチンコ機1の各部が順次起動する処理を行うことになる。
一方、ステップS7で停電発生と判定されると、
図11に示すステップS37にジャンプし、ステップS37以降の処理を行う。このときは、停電に備える処理が順次行われる(詳細は後述)。
【0145】
停電発生でなく、ステップS9からステップS10に進んだ場合には、まずステップS10で遊技機ID送信要求があるか否かを判定する。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へ遊技機IDの送信を要求するコマンドが送られてくるときがあるので、その要求コマンドがあるかどうかを判定するものである。遊技機ID送信要求が無ければ、このステップS10で待機し、遊技機ID送信要求がきたならば、ステップS11に進んで主制御ID送信処理を行う。これにより、遊技制御装置54(主基板)の遊技機IDが払出制御装置230に送信されることになる。
次いで、ステップS12で枠開放情報を受信したか否かを判定する。これは、夜間に前面枠4が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を払出制御装置230が読み込むことで、払出制御装置230に取り込まれ、その後、遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にも送られることになるが、払出制御装置230からの枠開放情報を遊技制御装置54が受信したかどうかを判断するものである。枠開放情報を受信していなければ、このステップS12で待機し、枠開放情報を受信したならば、ステップS13に進んで枠開放情報送信エラーコマンドを受信したか否かを判定する。これは、夜間に前面枠4が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を払出制御装置230が読み込むことで、払出制御装置230に取り込まれ、その後、カードユニット15にも送信されるが、カードユニット15で一定時間内に受信していない場合に、枠開放情報送信エラーコマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送られてエラー報知を行うことになるので、払出制御装置230からの枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置54が受信したかどうかを判断するものである。
【0146】
ステップS13で枠開放情報送信エラーコマンドを受信していれば、ステップS14に進んで枠開放情報送信エラーフラグをセットし、続くステップS15で枠開放情報送信エラーコマンドを演出制御装置53(演出制御基板)に送信する。これにより、演出制御装置53ではカードユニット15に枠開放情報が送信されず、エラーが発生したことを表示装置41にて表示する演出を行うことになる。
ステップS15を経ると、ステップS16に進む。一方、ステップS13で枠開放情報送信エラーコマンドを受信していない場合には、ステップS16にジャンプする。
ステップS16に進むと、枠開放不正発生エラーコマンドを受信したか否かを判定する。これは、前面枠4の不正開放というエラー情報がある場合に、それを払出制御装置230から遊技制御装置54が受信したかどうかを判断するものである。なお、払出制御装置230が送信する「枠開放情報に関するコマンド」(払出制御装置230のメイン処理(
図24、25)参照)は、枠開放情報のあり/なしで2種類あり、枠開放情報ありの場合が「枠開放不正発生エラーコマンド」に対応している。ステップS16で枠開放不正発生エラーコマンドを受信していれば、ステップS17に進んで枠開放不正発生フラグをセットし、続くステップS18で枠開放不正発生コマンドを演出制御装置53(演出制御基板)に送信する。これにより、演出制御装置53では枠開放不正発生コマンドに基づいて前面枠4の不正開放というエラーが発生したことを表示装置41にて表示する演出を行うことになる。
ステップS18を経ると、ステップS19に進む。一方、ステップS16で枠開放不正発生エラーコマンドを受信していない場合には、ステップS19にジャンプする。
【0147】
ステップS19に進むと、電源装置58のRAMクリアスイッチ182を押しながら(操作しながら)の電源投入であるかを判断する。RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入であれば、ステップS20に進み、枠開放エラー状態中であるか否かを判定する。これは、RAMクリアスイッチ182を押した場合にはRAM113やCPU111のレジスタなどのデータが全てクリアされて初期化されるので、初期化される前に枠開放エラー状態にあるかどうかを判断するものである。このとき、枠開放エラー状態中であれば、枠開放エラーという情報が初期化(クリア)されて消えてしまうので、消さないようにするためである。
すなわち、ステップS20で枠開放エラー状態中であると判定すると、ステップS21に進み、RAM113の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップS22に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)ステップS26に分岐する。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS38で設定されるものである。このステップS21では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
【0148】
次にステップS22では、RAM113(RWM)のデータのチェックサムを算出し、ステップS23で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM113のデータが壊れているとき)には、ステップS26に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS24に進む。
ステップS24では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS25で遊技機の状態に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を演出制御装置53(演出制御基板)に送信する。このステップS25を経ると、
図11に示すステップS29に進む。
【0149】
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、休憩開始コマンドと同じものでもよい)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM113に記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
さらに、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、上述したように枠開放エラー状態中である場合には、そのエラー情報も含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた枠開放エラー状態中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開することになる。
【0150】
次に、ステップS20で枠開放エラー状態中でないと判定した場合やステップS21、S23からステップS26にジャンプした場合には、このステップS26を含めてステップS26以降の処理を行う。
ステップS26以降の処理に進むと、遊技制御装置54のRAM113内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS26では使用する全てのRAM113の領域をクリアする。具体的には、RAM113において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS27で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS28で電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置53(演出制御基板)に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、この電源投入コマンドを受けて、演出制御装置53は枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行う。このように、枠開放エラー状態中でないことを確認してからRAM113を初期化するので、電源遮断時の枠開放情報を無駄に失うことがなく、セキュリティが高い。
【0151】
ステップS28を経てステップS29に進む場合やステップS25からステップS29にジャンプした場合には、
図11に示すステップS29で、例えばCPU111の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップS30では、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路に設けられた乱数生成回路の起動設定を行う。この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップS32の処理によってソフト的に設定される。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS30、32で対象とする乱数は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特
図1と特
図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
【0152】
次いでステップS31では、全ての割込み(つまり、全割込み)を許可し、次のステップS32に進むと、ステップS32で初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に当り等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。
次いでステップS33に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS34で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS35に進み、オンしていなければステップS32に戻る。通常運転中は、ステップS34〜S32を繰り返す。
【0153】
そして、ステップS35に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS36に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS34に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS36以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS35で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
【0154】
そしてステップS36に進むと、全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止した後、次のステップS37で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS38で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS38を経ると、次のステップS39で、RAM113のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS40でRAM113へのアクセスを禁止した後、待機する。
なお、以上のステップS36〜S40の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU111の動作電圧未満に低下する前に行われる。
また、前述したように、ステップS7で停電発生と判定した場合には、ステップS37にジャンプし、上述したステップS37以降の処理を行い、最後にステップS40でRAM113へのアクセスを禁止した後、待機することになる。
【0155】
〔払出コマンド受信割込み処理〕
次に、遊技制御装置54の払出コマンド受信割込み処理を
図12により説明する。
この処理は、払出制御装置230から遊技制御装置54に対して送信されてくるコマンドを受信するための割込みを行うものである。
このルーチンが開始されると、まずステップS51でレジスタを退避する。次いで、ステップS52で払出用シリアル受信バッファステータスを読みだし、続くステップS53で受信データがあるか否かを判定する。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へコマンド(例えば、研磨開始コマンドなど)が送信されてくる場合があるので、そのコマンドの受信データの有無を判断するものである。
ステップS53で受信データがあると判定すると、ステップS54に進み、払出用シリアル受信バッファからコマンドを読みだす。次いで、ステップS55で払出コマンド判定テーブルを設定し、ステップS56でコマンドに対応する判定データを取得する。次いで、ステップS57で判定データは正常か否かを判定し、正常であれば、ステップS58でコマンドに対応する情報設定領域のアドレスを取得する。
【0156】
ここで、情報設定領域には、例えば研磨開始コマンドに対しては研磨開始フラグ、研磨終了コマンドに対しては研磨終了フラグというように、各種の領域がアドレスを割り付けて設定されているので、今回、払出制御装置230から受信したコマンドに対応する情報設定領域のアドレスを取得するものである。
例えば、今回、払出制御装置230から受信したコマンドが研磨開始コマンドであれば、研磨開始コマンドに対して割り付けられている研磨開始フラグのアドレスを取得することになる。
なお、情報設定領域には上述したようなコマンドの他に設定されているフラグとしては、例えばエラー状態のフラグ(例えば、封入球数エラー、浮遊球(いわゆるブドウ球エラー))に対応するフラグ等がある。
また、上記の場合、同種のコマンドに対しては同一の領域とし、値を変えるような構成にしてもよく、例えば以下のようにしてもよい。
封入球の研磨に関するコマンドであれば、以下のような値にする。
・「0」:封入球の研磨指示無し
・「1」:封入球の研磨開始の指示
・「2」:封入球の研磨終了の指示
【0157】
ステップS58を経ると、次いで、ステップS59に進み、コマンドが意味する値を情報設定領域にセーブする。これは、払出制御装置230から受信したコマンドの指示内容を解読して報設定領域に保持するものであり、例えば今回、払出制御装置230から受信したコマンドが研磨開始コマンドであれば、研磨開始コマンドに対して割り付けられている研磨開始フラグのアドレスを取得することで、研磨開始フラグというフラグを読み出し、これからコマンドが意味する値として「封入球の研磨開始の指示」を解読してセーブするものである。
ステップS59を経ると、ステップS52に戻ってル−プを繰り返す。そして、全ての払出用シリアル受信バッファステータスを読みだして、ステップS52〜ステップS59のル−プを繰り返して、ステップS53で受信データが無いと判定すると、ステップS53からステップS60に分岐する。
ステップS60に分岐すると、ステップS60ではメインルーチンを再開すべく、払出コマンド受信割込み要求をクリアし、ステップS61で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS62で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。なお、
図12等において、リターン=RETIとあるのは、割込時に中断した処理に復帰することを表わす。一方、RETとあるのはサブルーチンから元のルーチンへの復帰を表わす。
【0158】
〔遊技制御装置のタイマ割込処理〕
次に、遊技制御装置54のタイマ割込処理を
図13により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS29、S31の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップS71で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS72の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁石センサ142、電波センサ143、振動センサ144など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
なお、前面枠開放スイッチ126、ガラス枠開放スイッチ125や
図6において符号161乃至165で示すスイッチなどの封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号は、払出制御装置230に入力されるので、遊技制御装置54の入力処理では扱わない。
【0159】
次に、ステップS73で、後述するステップS80,S81、S82、S83、S84等で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行する。
次いで、ステップS74、S75で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」つずつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
【0160】
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類が有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置53が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置53が具体的な変動態様を決定する。
【0161】
次いで、ステップS76でタイマ更新処理を行う。これにより、遊技プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。例えば、初期値の設定、値の判定、判定結果に基づく処理は別のルーチンで行うが、初期値がセットされていれば、更新は当該タイマ更新処理で行うといったようにすればよい。また、後述する各判定に使用されるタイマは上記のように更新を行ってもよいし、例えば、該当するルーチンで更新を行ってもよい。
次いで、ステップS77でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、磁石センサ142、電波センサ143、振動センサ144などからの検出信号を監視するための処理である。なお、大入賞口27a、普電26の開放中以外での不正入賞については、後述するステップS79の処理で監視される。
【0162】
例えば、このエラー監視処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・磁石不正
・振動不正
・電波不正
【0163】
次いで、ステップS78に進み、精算中あるいは休憩中であるかを判定する。これは、払出制御装置230からの情報に基づいて判断する。
そして、精算中あるいは休憩中であれば、ステップS79乃至ステップS82をジャンプしてステップS83に進む。これは、精算中あるいは休憩中であれば、封入球遊技を行えないようにするため、遊技の進行に関わるステップS79乃至S82を実行しないで、ステップS83にジャンプするものである。
精算中あるいは休憩中でなければ、ステップS79に進み、入賞口スイッチ監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、及びカウントスイッチ124)を監視し、例えばカウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球の持球数加算(賞付与)を行うなどの処理を実行するものである(詳細後述する)。
【0164】
次いで、ステップS80で払出コマンド送信処理を行う。これは、遊技制御装置54から払出制御装置230へコマンドを送信する処理である(詳細後述)。
次いで、ステップS81に進んで特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
【0165】
次いで、ステップS82では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
ステップS82を経るとステップS83に進む。ステップS83に進むのは、ステップS82を経て進む場合の他、上述したようにステップS78の判別結果がYESのときがある。ステップS83では外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置54からホールコンピュータ86やカードユニット15などの外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
ただし、遊技制御装置54からは払出制御装置230を介して外部情報端子板51や第1カードユニット接続端子板52A経由でカードユニット15を介してールコンピュータ86や持球管理装置85に必要な情報が出力される。
【0166】
次いで、ステップS84でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、一括表示装置35の各種表示器及びLEDの表示に関する処理を行うものである。このLED編集処理には、ステップS81の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップS82の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置35を構成する各種表示器及びLEDにおいて表示するための処理も含まれる。
次いで、ステップS85で研磨装置制御処理を行う。これは、研磨制御装置59に指示を出して封入球の研磨装置56の作動を制御するものである(詳細は後述)。次いで、ステップS86で持球数コマンド送信処理を行う。これは、演出制御装置53にコマンドを送信して演出制御装置53により装飾持球表示装置250の制御を行わせるものである(詳細は後述)。
ステップS86を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS87でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS88で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS89で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0167】
〔エラー監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるエラー監視処理S77を
図14により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS101のスイッチ異常監視処理、ステップS102の電波不正監視処理、ステップS103の磁石不正監視処理、ステップS104の振動不正監視処理、を順次実行した後にリターンする。
スイッチ異常監視処理は、ステップS77(
図13)で説明したように、コネクタ抜け、スイッチ故障などの異常を監視する処理である。電波不正監視処理、磁石不正監視処理、及び振動不正監視処理は、ステップS77で説明した電波不正、磁石不正、振動不正をそれぞれ監視する処理である。
【0168】
〔入賞口スイッチ監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理における入賞口スイッチ監視処理S79を
図15により説明する。
入賞口スイッチ監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視を行う処理である。
入賞口スイッチ監視処理においては、まず大入賞口内の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS111)。大入賞口内の入賞口スイッチとしては、カウントスイッチ124がある。次いで、不正&入賞監視処理を行う(ステップS112)。これは、大入賞口27aへの正規(大当り時など)の遊技球の入賞を監視するとともに、大当り以外の不正な大入賞口27aへの入賞を監視するものである。
次いで、普電内の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS113)。普電内の入賞口スイッチとしては、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への入賞を検出する第2始動口スイッチ121がある。
次いで、不正&入賞監視処理を行う(ステップS114)。これは、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への正規の遊技球の入賞を監視するとともに、不正な第2始動入賞口26への入賞を監視するものである。次いで、不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えば、不正監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS115)。不正監視が不要な入賞口スイッチとしては、例えば第1始動口スイッチ120、一般入賞口28〜31に対して設けられた入賞口スイッチ123がある。
不正監視が不要な入賞口スイッチについては、不正監視はしないが入賞検出処理は行うので、その処理のために入賞監視テーブルを用意し、次のステップで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS116)を実行する。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後述する。
ステップS116を経ると、タイマ割込処理にリターンする。
【0169】
〔不正&入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS112、ステップS114)を
図16により説明する。
不正&入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121に対して行なわれる処理であり、ここでは入賞の検出の他に不正の監視をする。大入賞口(特別変動入賞装置27)や普電(普通変動入賞装置26)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いためである。
不正&入賞監視処理においては、まず対象の不正監視期間フラグをチェックし(ステップS121)、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップS122)。不正監視期間中でなければ、ステップS133にジャンプして、ステップS133以降の処理を行う。
一方、不正監視期間中であれば、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121)に入力があるかチェックする(ステップS123)。ここで、入力なし(ステップS123;NO)と判定すると、ステップS135へジャンプし、入力がある(ステップS123;YES)と判定すると、ステップS124へ進んで対象の不正入賞数を更新(+1)(加算)してステップS125へ進む。
【0170】
ステップS125では、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないため、つまり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。ここで、判定個数を超えていない(ステップS125;NO)と判定するとステップS133へジャンプし、判定個数を超えた(ステップS125;YES)と判定すると、ステップS126へ進む。
ステップS126では、不正入賞数を不正発生判定個数に留め、次のステップS127で対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000ms)をセーブしてから、対象の不正入賞発生コマンドを準備し(ステップS128)、さらに不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(ステップS129)。
【0171】
次いで、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較し(ステップS130)、一致していなければ(ステップS130;NO),ステップS131に進み、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブ(ステップS131)した後、ステップS132で演出コマンド設定処理を行い、当該不正&入賞監視処理を終了する。
したがって、上記のように不正が発生していると、不正報知コマンドが演出制御装置53へ送信され、不正報知がなされることになる。
一方、ステップS130でYESのとき、すなわち、準備した不正フラグが対象の不正フラグ領域の値と一致していれば、既に演出制御装置53に教えてある状態と同じと判断できるので、ステップS131、ステップS132の処理を行わずに、当該不正&入賞監視処理を終了する。これは、フラグが変化したその時だけコマンドを送信するからである。
【0172】
一方、ステップS122で不正監視中でないと判定してステップS133に分岐した場合やステップS125で判定個数を超えていない(ステップS125;NO)と判定してステップS133に分岐した場合には、ステップS133で不正監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ124又は普電内の第2始動口スイッチ121)の入賞監視テーブルを準備する。その後、入賞数カウンタを更新する処理、つまり賞球加算の対象として入賞数を計数する処理S134を実行してから、対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしたかをチェックし、不正入賞報知タイマが「0」でなければ、(−1)更新し(ステップS135)、チェック結果をステップS136で判定(つまり、不正入賞報知タイマ=「0」かを判定)する。
対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしていなければ、ステップS136の判定がNOとなり、リターンしてルーチンが繰り返される。
【0173】
対象の不正入賞報知タイマが既にタイムアップ又は(−1)更新後にタイムアップしていれば、ステップS137に進んで、対象の不正入賞解除コマンドを準備し、続くステップS138で不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備し、その後、ステップS139に進み、不正入賞報知タイマ=0になった瞬間か否かを判定し、瞬間でなければ、リターンしてルーチンを繰り返し、不正入賞報知タイマ=0になった瞬間になると、ステップS140に進んで対象の不正入賞数をクリアした後、ステップS130へ進み、以後はステップS130以降の処理を実行する。したがって、このときは不正入賞解除コマンドが演出制御装置53へ送信され、不正報知の解除がなされることになる。
【0174】
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS116)及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS134)を
図17により説明する。
入力数カウンタ更新処理においては、まず、上述の入賞口スイッチ監視処理にて取得した入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS151)。
ここで、入賞口スイッチ監視処理にて準備された入賞監視テーブルのうちの入賞テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
(a)繰り返し回数:監視するスイッチの個数
(b)入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット):各スイッチ毎に定義
(c)入賞数カウンタ領域の下位アドレス:各スイッチ毎に定義
次いで、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS152)。ここで、入力がない(S152;NO)と判定するとステップS157へジャンプし、入力がある(S152;YES)と判定すると、次のステップS153で、対象の入賞数カウンタ領域の値をロードする。
【0175】
それから、ステップS154で対象の入賞数カウンタを更新(+1)し、ステップS155でオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS155;NO)と判定すると、ステップS156へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブしてからステップS157へ進む。
一方、ステップS155でカウンタオーバーフローが発生している(S155;YES)と判定すると、ステップS156をスキップしてステップS157へジャンプする。設けられた入賞数カウンタ領域のサイズによって、最大記憶数(例えば、1バイトサイズなら255個、2バイトサイズなら65535個)が決まるので、それを超えると値が「0」に戻ってしまい、加算すべき大量の賞球数の情報を失ってしまうことになる。それを回避するためにステップS154、ステップS155では、いきなり領域の内容を更新せず、領域の外で(+1)して「0」になってしまわないかを確認した上で更新を行うようにしている。
ステップS157では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップ157;YES)には当該入力数カウンタ更新処理を終了し、終了していない場合(ステップS157;NO)には、ステップS152へ戻り上記処理を繰り返す。
【0176】
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS80)を
図18により説明する。
払出コマンド送信処理においては、まずステップS161でライトカウンタ=リードカンタであるか否かを判定する。これは、遊技制御装置54から払出制御装置230へシリアル通信でコマンドを送るので、シリアルバッファの書き込みと読み出しの各カウンタの値を判定するものである。ステップS161でライトカウンタ=リードカンタでないと判定した場合には、ステップS162に進む。一方、ライトカウンタ=リードカンタであると判定した場合には、ステップS172に分岐する。
まず、ステップS162に進んだ場合には、ステップS162で払出用シリアル送信バッファステータスを読み込み、ステップS163で送信バッファフル(送信バッファが満杯(フル))か否かを判定する。
送信バッファフルであれば、ルーチンを終了してリターンする。
一方、送信バッファフルでなければ、ステップS164に進んでリードカンタを(+1)だけ更新する。次いで、ステップS165でリードカンタに対応する払出コマンド領域からコマンドをロードし、続くステップS166では、ロードしたコマンド領域をクリアする。
【0177】
次いで、ステップS167でコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、コマンドが遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信されることになる。
次いで、ステップS168で払出用シリアル送信バッファステータスを読み出し、ステップS169で送信中(コマンドの送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ステップS161に戻ってル−プを繰り返す。そして、送信中でなければ(ステップS169の判定がNO)、ステップS170に進み、送信回路を初期化する。次いで、ステップS171に進み、コマンドを払出用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、ステップS161に戻ってル−プを繰り返す。
ここで、本フローチャートの場合、コマンドは1バイト構成で送信する例にしているが、これに限るものではなく、例えば演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成であってもよい。また、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
【0178】
次に、ステップS161でライトカウンタ=リードカンタであると判定した場合には、ステップS172に分岐することとなり、この場合は、ステップS172でコマンド送信調整タイマが「0」でなければ、(−1)更新する。次いで、ステップS173に進み、コマンド送信調整タイマが「0」であるか否かを判定し、コマンド送信調整タイマが「0」でなければリターンしてルーチンを繰り返す。そして、コマンド送信調整タイマが「0」になると、ステップS174に抜けて入賞口別に設けられている入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかチェックする。ここで、カウント数がない(ステップS174;NO)と判定した場合には、ステップS175へ進んでチェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか判定する(ステップS176)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS176;YES)と判定すると、当該払出コマンド送信処理を終了する。一方、ステップS176ですべてのチェックが終了していない(ステップS176;NO)と判定すると、ステップS174へ戻って上記処理を繰り返す。
【0179】
また、上記ステップS174で、カウント数がある(ステップS174;YES)と判定した場合には、ステップS177へ移行して、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)する。その後、ステップS178で賞球コマンドテーブルを設定する。
賞球コマンドテーブルでは、入賞に伴う賞球数を下記のように設定する。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
次いで、ステップS179で入賞数カウンタ領域のアドレスに対応する賞球コマンドを取得する。
ここで、コマンドについて説明すると、以下の通りである。
・払出コマンド:遊技制御装置54が払出制御装置230とやり取りするコマンドの総称であり、コマンドの種類によっては送受信、あるいは片側通信がある。
・賞球コマンド:賞球数を表わすコマンドであり、遊技制御装置54から払出制御装置230への片側通信である。なお、賞球コマンドはコマンドの総称を表わす払出コマンドよりも小さい概念であり、賞球コマンドは払出コマンドの中の1つである。
【0180】
ステップS179を経ると、続くステップS180に進み、払出用シリアル送信バッファステータスを読み出す。次いで、ステップS181で送信バッファフル(送信バッファが満杯(フル))か否かを判定する。送信バッファフルであれば、ルーチンを終了してリターンする。
一方、送信バッファフルでなければ、ステップS182に進んでコマンド(例えば、賞球コマンド)を払出用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、コマンド(例えば、賞球コマンド)が遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信されることになる。
次いで、ステップS183に進んで送信中(コマンドの送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ステップS186にジャンプする。一方、送信中でなければ、ステップS184に進んで送信回路を初期化し、続くステップS185でコマンドを払出用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、ステップS186に進む。ステップS186では、コマンド送信調整タイマに初期値(例えば、500ms)を設定する。次いで、ステップS187でメイン賞球残数更新処理を行う。これは、外部情報としての賞球数情報を賞球数10個毎に1パルス出力するためのデータの更新を行うものである。
このようにして、遊技制御装置54から払出制御装置230へシリアル通信でコマンドが送信される。シリアル通信は、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いて行うので、構成が簡単という利点がある。
なお、上記のフローチャートでは、
図18の左側の列(ステップS162からステップS171)は遊技機の状態情報、左側の列(ステップS172からステップS187)は賞球の指示コマンド(賞球コマンド)を送信する制御に対応している。これは、遊技機の状態情報はできるだけ早く払出制御装置230へ送るのがよく、設定されているコマンドを全て送信するためである。また、賞球の指示コマンド(賞球コマンド)は一気に送信することも可能であるが、遊技者に対して球を払い出しているという感覚を持たせるために、タイムラグを作り、1回分ずつ送信する処理にして、遊技への高揚感を高めている。
【0181】
なお、賞球コマンド以外に、遊技制御装置54から払出制御装置230に送信されるコマンドをまとめて説明すると、以下の通りである。
<遊技機の各種状態を知らせるためのコマンド:遊技機情報コマンド>
・図柄変動中か否かを知らせるコマンド
・図柄変動終了通知のコマンド
・大当り中通知のコマンド
・特別モード中通知のコマンド
・遊技機(主制御用)RAMクリア通知のコマンド
なお、上記は一例であり、これら以外もコマンドを含めてもよい。また、遊技機の各種状態を知らせるためのコマンド(遊技機情報コマンド)は1つで構成されていてもよいが、複数のコマンドで構成されていてもよい。
<遊技機の各種エラー状態を知らせるコマンド:遊技機エラー情報コマンド>
・スイッチ異常のコマンド
・大入賞口不正のコマンド
・普電不正のコマンド
・電波不正のコマンド
・磁石不正のコマンド
・振動不正のコマンド
その他、上記以外のエラー情報を通知するためのコマンドを含めてもよい。
【0182】
〔LED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるLED編集処理(ステップS84)を
図19により説明する。
このルーチンが開始されると、入賞表示LED編集処理(ステップS191)、特図・普図・遊技状態表示LED編集処理(ステップS192)が順次実行され、その後リターンする。
ここで、入賞表示LED編集処理では、一括表示装置35における入賞表示LED355の表示に関する処理が実行される(詳細はサブルーチンで後述)。特図・普図・遊技状態表示LED編集処理では、一括表示装置35を構成する各表示器で各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
【0183】
〔入賞表示LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理のステップS191における入賞表示LED編集処理を
図20により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS201で入賞表示出力制御タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」更新(デクリメント)し、ステップS202で入賞表示出力制御タイマが「0」であるか否かを判定する。これは、入賞表示出力制御タイマは後述のステップS211にて初期値(例えば、通常モードのときは1500ms)に設定されるので、その初期値から「−1」更新(デクリメント)してきて、同タイマが「0」になったかを判定するものである。
【0184】
ステップS202の判定結果がYESのときは、続くステップS203に進み、入賞表示リードカウンタが入賞表示ライトカウンタに等しいか否かを判定する。これは、入賞数を格納している入賞表示数格納領域から今回の賞球数を読み出し終えたかを判断するものである。ステップS203の判定結果がNOのときは、入賞表示リードカウンタが入賞表示ライトカウンタに等しくなく、入賞表示数格納領域から今回の賞球数を読み出し終えていないと判断して、ステップS204に進む。
一方、ステップS203の判定結果がYESのときは、入賞表示リードカウンタが入賞表示ライトカウンタに等しくなり、入賞表示数格納領域から今回の賞球数を読み出し終えたと判断して、ステップS215に分岐し、ステップS215で消灯データを入賞表示LED出力データ領域にセーブした後、リターンする。ステップS215の処理により、入賞表示LED355の賞球表示が消えることになる。
【0185】
ステップS204に進んだ場合には、まずステップS204で入賞表示リードカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、続いてステップS205で入賞表示リードカウンタに対応する入賞表示数格納領域から今回の賞球数をロードする。次いで、ステップS206では、ステップS205にてロードした賞球数に対応する入賞表示LEDパターンデータを設定する。入賞表示LEDパターンデータとは、一括表示装置35の入賞表示LED355が7セグメントのLED2個により構成されているので、その7セグメントのうちのどのセグメントを点灯(あるいは点滅)させるかを決めるためのデータである。例えば、賞球数=10個を表示する場合には、2個のLEDで2桁の「10」を表示させるように、各セグメントの点灯データを設定することになる。
続いてステップS207では、ステップS206で設定した入賞表示LEDパターンデータを入賞表示LEDパターンデータ領域にセーブした後、ステップS208へ進む。
【0186】
ステップS208では、現在の遊技状態が特別モード中であるか否かを判定する。
特別モード中とは、大当り中、確率変動中、時短中(普電サポート中:低確率でのサポート中)が相当する。一方、通常モードとは、特別モード以外の通常の遊技状態である。
ステップS208で特別モード中でなければ、ステップS209に進み、入賞表示LED点灯時間番号として「1」をセーブし、その後、ステップS211に進む。入賞表示LED点灯時間番号=「1」では、入賞表示LED355による入賞表示を1秒ON(点灯)、0.5秒OFF(消灯)のタイミングで制御する。
この場合、入賞表示出力制御タイマは初期値として「375」に設定される。これは、本ルーチンの繰り返しタイミングが4ms毎であることから、「375」×4ms=1500msとなり、1500msから1000ms(1秒間)はON、その後の500ms(「125」×4ms=500ms)はOFFとすることで、入賞表示を1秒ON(点灯)、0.5秒OFF(消灯)のタイミングで制御できるからである。
したがって、初期値1500msから「250」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が1秒ON(点灯)し、その後、「125」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.5秒OFF(消灯)のタイミングで制御されることになる。
【0187】
一方、ステップS208で特別モード中であると判定した場合には、ステップS210に進み、入賞表示LED点灯時間番号として「2」をセーブし、その後、ステップS211に進む。入賞表示LED点灯時間番号=「2」では、入賞表示LED355による入賞表示を0.5秒ON(点灯)、0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御する。
この場合、入賞表示出力制御タイマは初期値として「150」に設定される。これは、本ルーチンの繰り返しタイミングが4ms毎であることから、「150」×4ms=600msとなり、600msから500ms(0.5秒間)はON、その後の100ms(「25」×4ms=100ms)はOFFとすることで、入賞表示を0.5秒ON(点灯)、0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御できるからである。
したがって、初期値600msから「125」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.5秒ON(点灯)し、その後、「25」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御されることになる。
なお、特別モードのときは、入賞表示LED355による入賞表示時間を0.5秒ON(点灯)に設定しているので、遊技球の発射間隔(0.6秒)よりも短くなっている。すなわち、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、払出制御装置230は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしているが、この0.6秒という発射間隔よりも、入賞表示LED355による入賞表示時間=0.5秒ON(点灯)の方が短いので、大当り中等で入賞に伴う賞球が連続する場合であっても、入賞表示LED355による賞球数表示が滞ることがない。
【0188】
上記のように、ステップS209又はステップS210からステップS211に進むと、ステップS211では入賞表示LED点灯時間番号に対応するタイマ初期値を入賞表示制御タイマ領域にセーブする。上述したように、通常モードのときは、入賞表示LED点灯時間番号=「1」であるから、入賞表示出力制御タイマは初期値として「375」にセーブされる。これにより、本ルーチンの繰り返しタイミングが4ms毎であることから、「375」×4ms=1500msとなり、初期値1500msから「250」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が1秒ON(点灯)し、その後、「125」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.5秒OFF(消灯)のタイミングで制御されるようになる。
また、特別モードのときは、入賞表示LED点灯時間番号=「2」であるから、入賞表示出力制御タイマは初期値として「150」にセーブされる。これにより、本ルーチンの繰り返しタイミングが4ms毎であることから、「150」×4ms=600msとなり、初期値600msから「125」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.5秒ON(点灯)し、その後、「25」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御されるようになる。
【0189】
次いで、ステップS212に進み、ステップS206で設定した賞球数に対応する入賞表示LEDパターンデータをロードし、続いてステップS213では、ステップS212でロードした入賞表示LEDパターンデータを入賞表示LED出力データ領域にセーブした後、リターンする。これにより、入賞表示LED点灯時間番号=「1」又は「2」の何れかの制御タイミングで、ステップS20にて設定された入賞表示LEDパターンデータに従って一括表示装置35の入賞表示LED355の表示が制御されて、遊技者に入賞があった旨及び入賞に対応する賞球数が報知される。
【0190】
一方、ステップS202で入賞表示出力制御タイマが「0」でない場合には、ステップS214に分岐して入賞表示制御タイマは点灯区間中か否かを判定する。これは、入賞表示がON(点灯)の区間(期間)であるかどうかを判定するもので、点灯時間番号の値により、ステップS214の判定値が異なる。ステップS214の判定結果がONの区間であれば、ステップS212に進んで賞球数に対応する入賞表示LEDパターンデータをロードし、続いてステップS213の処理を行う。これにより、入賞表示がON(点灯)の区間が継続する。また、ステップS214で入賞表示制御タイマが点灯区間中でなければ、ステップS215に進み、消灯データを入賞表示LED出力データ領域にセーブした後、リターンする。これにより、入賞表示LED355の賞球表示が消えることになる。
【0191】
〔研磨装置制御処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における研磨装置制御処理(ステップS85)を
図21により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS221で研磨開始フラグがセットされているか否かを判定する。研磨開始フラグは払出制御装置230から研磨開始コマンドを受けることで設定されるもので、遊技制御装置54における払出コマンド受信割込み処理にて払出制御装置230から研磨開始コマンドを受信するようになっている。
ステップS221では、払出制御装置230から研磨開始コマンドを受けて研磨開始フラグが設定(セット)されているかどうかを判定するものである。
ステップS221で研磨開始フラグがセットされていると判定すると、ステップS222に進み、研磨開始コマンドを準備し、続くステップS223で演出コマンド設定処理を行う。演出コマンド設定処理は遊技制御装置54から演出制御装置53へコマンドをシリアル通信で送信するためのコマンドの設定を行うものである。
これにより、研磨開始コマンドがシリアル通信で演出制御装置53へ送られることになる。
【0192】
ステップS223を経ると、次いで、ステップS224で研磨開始フラグをクリアし、ステップS225で研磨中フラグをセットする。研磨中フラグは遊技制御装置54においても、封入球の研磨中であることを把握しておくためのものである。
次いで、ステップS226で研磨終了フラグがセットされているか否かを判定する。研磨終了フラグは払出制御装置230から研磨終了コマンドを受けることで設定されるもので、遊技制御装置54における払出コマンド受信割込み処理にて払出制御装置230から研磨終了フラグを受信するようになっている。
ステップS226では、払出制御装置230から研磨終了コマンドを受けて研磨終了フラグが設定(セット)されているかどうかを判定するものである。
ステップS226で研磨終了フラグがセットされていると判定すると、ステップS227に進み、研磨終了コマンドを準備し、続くステップS228で演出コマンド設定処理を行う。前述したように、演出コマンド設定処理は遊技制御装置54から演出制御装置53へコマンドをシリアル通信で送信するためのコマンドの設定を行うものである。
これにより、研磨終了コマンドがシリアル通信で演出制御装置53へ送られることになる。
【0193】
ステップS228を経ると、次いで、ステップS229で研磨終了フラグをクリアし、更にステップS230で研磨中フラグもクリアしてルーチンを終了し、リターンする。
一方、ステップS221で研磨開始フラグがセットされていなければ、ステップS226にジャンプする。したがって、この場合には研磨開始コマンドが準備されず、研磨開始コマンドが演出制御装置53へ送られることはない。
また、ステップS226で研磨終了フラグがセットされていなければ、ルーチンを終了してリターンする。したがって、この場合には研磨終了コマンドが準備されず、研磨終了コマンドが演出制御装置53へ送られない。なお、研磨開始から所定期間は封入球の研磨が継続している。
【0194】
〔演出コマンド設定処理〕
次に、上述の不正&入賞監視処理における演出コマンド設定処理(ステップS132)、研磨装置制御処理における演出コマンド設定処理(ステップS223)を
図22により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS241で演出コマンド(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、演出コマンド(MODE)が遊技制御装置54から演出制御装置53へ送信されることになる。
次いで、ステップS242で演出用シリアル送信バッファステータスを読み出し、ステップS243で送信中(演出コマンド(MODE)の送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ステップS246にジャンプする。一方、送信中でなければ(ステップS243の判定がNO)、ステップS244に進み、送信回路を初期化する。次いで、ステップS245に進み、演出コマンド(MODE)を演出用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、ステップS246に進む。
ここで、本フローチャートの場合、コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
【0195】
ステップS246に進むと、演出コマンド(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、演出コマンド(ACTION)が遊技制御装置54から演出制御装置53へ送信されることになる。
次いで、ステップS247で演出用シリアル送信バッファステータスを読み出し、ステップS248で送信中(演出コマンド(ACTION)の送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ルーチンを終了してリターンする。そして、送信中でなければ(ステップS248の判定がNO)、ステップS249に進み、送信回路を初期化する。次いで、ステップS250に進み、演出コマンド(ACTION)を演出用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、リターンする。
このようにして、遊技制御装置54から演出制御装置53へシリアル通信で演出コマンド(MODE)及び演出コマンド(ACTION)が送信される。演出制御装置53では、これらの各コマンドを受けて表示装置41の画面等で演出制御を行う。シリアル通信は、遊技制御装置54におけるCPU111のシリアル通信機能を用いて行うので、構成が簡単という利点がある。
【0196】
〔持球数コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込処理における持球数コマンド送信処理(ステップS86)を
図23により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS261で持球数コマンドを送信済みか否かを判定する。持球数コマンドや後述の計数球数コマンドは、遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、演出制御装置53により装飾持球表示装置250の装飾制御を行わせるためのものである。
ステップS261で持球数コマンドを送信済みでなければ、ステップS262に進んで持球数に対応する持球数コマンドを設定する。
ここで、持球数コマンドは、例えば装飾持球表示装置250のうちの上部装飾持球表示装置250aが以下のような装飾を行うように設定される。
・持球数が100個以上のとき:全LEDが点灯又は移動点滅
・持球数が50個以下のとき:全LEDのうちの半数が消灯するような装飾制御
・持球数が50個を超えて100個未満のとき:全LEDのうちの半数を超えて全LEDまで、持球数の大きさに応じた数のLEDが段階的に点灯又は移動点滅
全LEDとは、上部装飾持球表示装置250aが有する全てのLEDのことである。
したがって、ステップS262の処理に基づけば、そのときの持球数の大きさに応じて上部装飾持球表示装置250aのLEDが点灯又は移動点滅するような装飾制御が行われることになる。
【0197】
ステップS262を経ると、次いで、ステップS263で持球数コマンドを演出制御基板(演出制御装置53)に送信し、続くステップS264で持球数コマンド送信済みフラグをセットする。これにより、遊技制御装置54から演出制御装置53に持球数コマンドが送信されることとなり、演出制御装置53により装飾持球表示装置250の装飾制御が行われるようになる。また、遊技制御装置54では持球数コマンド送信済みフラグをセットすることにより、演出制御装置53への持球数コマンドの送信を確認できる。
なお、持球数コマンド送信済みフラグのクリアは、払出コマンド受信割込み処理での情報設定領域にデータをセットするときに行うが、この場合に、持球数領域や計数球数領域への持球数や計数球数のデータのセットもそこで行われる。
【0198】
一方、上記ステップS261で持球数コマンドを送信済みであれば、ステップS265にジャンプする。
また、ステップS264を経ると、次いで、ステップS265に進む。
ステップS265では、計数球数コマンドを送信済みか否かを判定する。計数球数コマンドは、遊技制御装置54から演出制御装置53に送信されて演出制御装置53により装飾持球表示装置250の装飾制御を行わせるためのものである。
ステップS265で計数球数コマンドを送信済みでなければ、ステップS266に進んで計数球数に対応する計数球数コマンドを設定する。
ここで、計数球数コマンドは、例えば装飾持球表示装置250のうちの下部装飾持球表示装置250bが以下のような装飾を行うように設定される。
・計数球数=0のとき:全LEDが消灯
・持球数の計数中:計数装飾部250cのLEDが移動点滅
すなわち、上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するようにLED(すなわち、計数装飾部250cのLED)が移動点滅
・計数球数の大きさに応じたLEDの装飾:
すなわち、玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御
全LEDとは、下部部装飾持球表示装置250bが有する全てのLEDのことである。
したがって、ステップS266の処理に基づけば、持球数の計数中や、そのときの計数球数の大きさに応じて下部装飾持球表示装置250bのLEDが点灯又は移動点滅するような装飾制御が行われることになる。
【0199】
ステップS266を経ると、次いで、ステップS267で計数球数コマンドを演出制御基板(演出制御装置53)に送信し、続くステップS268で計数球数コマンド送信済みフラグをセットする。これにより、遊技制御装置54から演出制御装置53に計数球数コマンドが送信されることとなり、演出制御装置53により装飾持球表示装置250の装飾制御が行われるようになる。また、遊技制御装置54では計数球数コマンド送信済みフラグをセットすることにより、演出制御装置53への計数球数コマンドの送信を確認できる。
一方、上記ステップS265で計数球数コマンドを送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
また、ステップS268を経ると、リターンする。
G.制御系の動作
次に、払出制御装置230の制御内容について、
図24〜
図63により説明する。
〔払出制御装置のメイン処理〕
まず、
図24、
図25により、払出制御装置230のメイン処理を説明する。
ここで、払出制御装置230のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップH」を用いて説明する。
このメイン処理は、CPU231に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、払出制御装置230に電源を供給している電源装置58の電源スイッチ181がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置58からリセット信号が払出制御装置230に入力されてCPU231のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU231が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU231が起動する。また、作業者が払出制御装置230のRAM233等の初期化をしようとする場合には、電源装置58のRAMクリアスイッチ182(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ181をオン操作する必要がある。なおRAM233は、
図24ではRWMと表記されている。
【0200】
そしてCPU231が起動すると、まず全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止し、CPU231に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM233へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップH1乃至H4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップB4が設けられている。
【0201】
ステップH4を経ると、次いで、ステップH5で他基板起動待ちタイマを設定する。これは、払出制御装置230(払出制御基板)以外の他の制御装置(例えば、遊技制御装置54等)が起動して払出制御装置230からのコマンドを確実に取り込むことができる状態になるためには所定の期間がかかるため、遅延時間を他基板起動待ちタイマで設定するものである。
ここで、遊技制御装置54は主制御基板、払出制御装置230は払出制御基板と呼ばれており、また、演出制御装置53は演出制御基板と呼ばれている。そして、サブ基板は、サブ制御基板というのが、これらに合わせた呼び名であるが、説明の都合上、サブ制御基板をサブ基板と略称して用いている。
そのため、明細書及び図面において、説明の都合上、遊技制御装置54を主基板、払出制御装置230を払出基板、サブ制御基板をサブ基板と短く略称することがある。
次いで、ステップH6に進んで電源装置58のRAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入であるかを判断する。RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入でなければ、ステップH7に進み、RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入であれば、ステップH11にジャンプする。
ステップH6の判定を行うのは、RAMクリアスイッチ182を押した場合にはRAM233やCPU231のレジスタなどのデータが全てクリアされて初期化されるので、初期化される前には枠開放情報に関するコマンドを払出制御装置230に取り込まないようにするためであり、そのためにステップH6でRAMクリアスイッチ182の操作を判断している。
まず、RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入でない場合、ステップH7でRAM233の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップH8に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)ステップH11に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップH46で設定されるものである。このステップH7では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
【0202】
次にステップH8では、RAM233(RWM)のデータのチェックサムを算出し、ステップH9で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM233のデータが壊れているとき)には、ステップH11に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップH10に進む。
ステップH10では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップH13に進む。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、後述するステップH414の休憩開始コマンドと同じものでもよい)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御措置54経由で停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御措置54経由で停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM233に記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
【0203】
一方、ステップH6でRAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入と判定した場合には、ステップH11にジャンプし、このステップH11を含めてステップH11以降の処理を行う。
ステップH11以降の処理に進むと、払出制御装置230のRAM233内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップH11では使用する全てのRAM233の領域をクリアする。具体的には、RAM233において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップH12で初期化すべき領域に電源投入時の初期値を設定する処理を行い、その後、ステップH13に進む。
このように、枠開放情報を払出制御装置230に取り込む前にRAM233を初期化するので、電源遮断時の枠開放情報を失うようなことがなく、セキュリティが高い。
【0204】
次に、ステップH10からステップH13に進む場合やステップH12からステップH13に進む場合には、このステップH13を含めてステップH13以降の処理を行う。
ステップH13以降の処理に進むと、まずステップH13で枠開放情報を読み込み、状態比較データとして保存する。枠開放情報とは、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126(遊技枠開放検出スイッチともいう)が前面枠4の開放(遊技機へ電源が供給されている通常時及び遊技機への電源供給が停止されているとき、つまり遊技場が閉店している夜間のとき)を検出したか否かを示す情報である。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報は十分長い時間だけ払出制御装置230に出力されているようになっている。枠開放情報の保存はRAM233でもよいし、あるいはCPU231のレジスタでもよい。
次いで、ステップH14で枠開放情報のチェック回数を設定する。これは、枠開放情報の読み込みを1回だけで済ませてしまうと、信頼性が落ちるおそれがあるので、複数回の読み込みを実行して状態比較データと比較することで、枠開放情報の信頼性を高めるものである。枠開放情報のチェック回数は2回又は3回に設定するが、それ以上であってもよい。
次いで、ステップH15で枠開放情報を読み込み、読み込んだ枠情報をステップH16で状態比較データと比較する。これは、先に読み込んだ1回目の枠情報を状態比較データとして保存しておいたので、ステップH15で読み込んだ枠情報を保存しておいた状態比較データと比較することで、枠情報に誤り(例えば、ノイズの影響などで、読み込んだ枠情報が正しくなかった等)がないかを確認するためである。
読み込んだ枠情報が状態比較データと等しくなければ、ステップH13に戻ってル−プを繰り返す。ル−プを繰り返し、読み込んだ枠情報が状態比較データと等しいと判定すると、ステップH16からステップH17に抜けて枠開放情報のチェック回数分だけ同じ状態を継続したか否かを判定する。ここでのチェック回数とは、ステップH14で設定した回数のことである。ステップH17の判定結果がNOなら、ステップH15に戻ってル−プを繰り返し、枠開放情報のチェック回数分だけ同じ状態を継続したならば、ステップH17の判定結果がYESとなって枠開放情報を確定させ、ステップH18に進む。
なお、ステップH15で読み込んだ枠開放情報は、枠がオン(開放)又は枠がオフ(閉鎖)の何れかが確定するまで上述したようにル−プを繰り返し、正確に枠開放情報を得るようにしている。
【0205】
ステップH18では、確定した枠開放情報をセーブする。次いで、ステップH19で主制御基板受信割込み、カードユニット受信割込みを許可する。これは、遊技制御装置54やカードユニット15と払出制御装置230との間の割込みを許可するものである。次いで、ステップH20で遊技機ID送信要求コマンドを準備する。
ステップH20の「遊技機ID送信要求コマンド」とは、遊技制御装置54(主制御基板)に対して遊技制御装置54(主制御基板)の遊技機IDを払出制御装置230に送信するように要求するコマンドのことである。
次いで、ステップH21で主制御コマンド設定処理を行う。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54にコマンドをシリアル通信で送信する場合の処理である。これによりステップH20で準備した遊技機ID送信要求コマンドが遊技制御装置54へ送信されることになる。
【0206】
ステップH21を経ると、次いで、ステップH22に進んで停電発生か否かを判定する。ここでの判定は、例えば停電検出信号を用いて判定する(H22では図示を省略しているが、後述のH41〜H43と同様な判定を行う)。ステップH22で停電発生ではないと判定すると、ステップH23で主制御基板(遊技制御装置54)から遊技機IDを受信したか否かを判定する。遊技機IDを受信していなければ、ステップH22に戻ってル−プを繰り返し、遊技機IDを受信したならば、ステップH24に抜ける。一方、ステップH22で停電発生であると判定すると、ステップH44にジャンプする。
ステップH24に進んだ場合には、ステップH24で停電発生か否かを判定する。ステップH24で停電発生ではないと判定すると、ステップH25でカードユニット15から遊技機ID送信要求があるか否かを判定する。カードユニット15から遊技機ID送信要求がなければ、ステップH24に戻ってル−プを繰り返し、カードユニット15から遊技機ID送信要求がきたならば、ステップH26に抜ける。一方、ステップH24で停電発生であると判定すると、ステップH44にジャンプする。
【0207】
ステップH26に進んだ場合には、ステップH26で遊技機ID出力処理を行う。これは、主制御基板(遊技制御装置54)の遊技機IDと、払出制御装置230の遊技機IDとを外部(カードユニット15)に出力する処理を行うものである。次いで、ステップH27に進み、遊技データについてRAM233のクリアを行ったか否かを判定する。
RAM233のクリアを行った場合には、ステップH28でRAMクリアに関するコマンドをカードユニット15に送信する。これは、RAM233をクリアした場合、持球数や計数球数などのデータがクリアされるので、その状態とカードユニット15のデータの状態とを合わせておくために、カードユニット15にRAMクリアに関するコマンドを送るものである。カードユニット15はRAMクリアに関するコマンドを受けると、カードユニット15側のRAMをクリアする。なお、ここでのRAMクリアとは、持球数や計数球数などのデータのクリアであり、枠開放情報はクリアされないようにしている。
【0208】
ステップH28を経ると、ステップH29に進む。一方、ステップH27でRAM233のクリアを行っていない場合には、ステップH28をジャンプしてステップH29に進む。
ステップH29では、枠開放情報に関するコマンドをカードユニット15に送信する。枠開放情報に対応するコマンドとは、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、不正の可能性があると判断してカードユニット15にエラー報知をしたり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)指令を出す等のコマンドのことであり、また、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放されていないときは、不正の可能性がないと判断してカードユニット15に球貸しを行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
次いで、ステップH30で送信制御タイマをセットする。送信制御タイマはカードユニット15から枠開放情報の受信の通知を受けるまでの時間をカウントするものであり、送信制御タイマは所定の初期値に設定される。送信制御タイマがカウントする時間内にカードユニット15から枠開放情報の受信の通知を受けると、枠開放情報は正常にカードユニット15に送信されたと判断でき、枠開放情報の受信の通知を受けないと、送信エラーと判断することになる(後述のステップH35等参照)。
【0209】
次いで、ステップH31で停電発生か否かを判定する。ステップH31で停電発生ではないと判定すると、ステップH32でカードユニット15から枠開放情報受信通知がありか否かを判定する。枠開放情報受信通知があれば、払出制御装置230からカードユニット15へ枠開放情報が正常に送信されたと判断してステップH37にジャンプする。
一方、ステップH32でカードユニット15から枠開放情報受信通知がなければ、ステップH33に進んで送信制御タイマを(−1)更新する。これにより、送信制御タイマがカウントダウンしていく。次いで、ステップH34で送信制御タイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしていなければ、ステップH31に戻ってル−プを繰り返す。ル−プの繰り返し中にカードユニット15から枠開放情報受信通知がきたら、ステップH32の判定がYESになってステップH37に抜ける。一方、ステップH34で送信制御タイマがタイムアップしたときは、ステップH35に進み、枠開放情報送信エラーフラグをセットし、ステップH36で枠開放情報送信エラーコマンドを主制御基板(遊技制御装置54)に送信する。これにより、枠開放情報送信エラーコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53へ送信され、演出制御装置53では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知することも可能になる。
【0210】
次いで、ステップH38に進み、枠開放情報に関するコマンドを主制御基板(遊技制御装置54)に送信する。枠開放情報に対応するコマンドとは、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、不正の可能性があると判断して遊技制御装置54を介して演出制御装置53の制御により表示装置41にてエラー報知をしたりする指令を出す等のコマンドのことであり、また、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放されていないときは、不正の可能性がないと判断して遊技制御装置54に遊技を行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
ステップH38を経ると、ステップH39に進む。一方、ステップH32でカードユニット15から枠開放情報受信通知がありと判定してステップH37にジャンプした場合には、ステップH37で枠開放情報送信正常コマンドを主制御基板(遊技制御装置54)に送信する。これにより、遊技制御装置54では枠開放情報が払出制御装置230からカードユニット15に正常に送信されたことを認識する。
次いで、ステップH38に進み、枠開放情報に関するコマンドを主制御基板(遊技制御装置54)に送信する。これにより、前述したように、枠開放情報の判定から不正の可能性があるときは遊技制御装置54を介して演出制御装置53の制御により表示装置41にてエラー報知をしたりすることができる。
【0211】
ステップH38を経ると、ステップH39に進み、例えばCPU231の内部に設けられたCTC(Counter/Timer
Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップH40では、全ての割込み(つまり、全割込み)を許可し、次のステップH41に進むと、ステップH41で停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップH42で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップH43に進み、オンしていなければステップH41に戻る。通常運転中は、ステップH42〜H41を繰り返す。
【0212】
そして、ステップH43に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップH44に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップH42に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップH44以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップH43で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
【0213】
そしてステップH44に進むと、全ての割込み(つまり、全割込み)を禁止した後、次のステップH45で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップH46で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップH46を経ると、次のステップH47で、RAM233のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップH48でRAM233へのアクセスを禁止した後、待機する。
なお、以上のステップH44〜H48の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU231の動作電圧未満に低下する前に行われる。
また、前述したように、ステップH22、H24で停電発生と判定した場合には、ステップH44にジャンプし、上述したステップH44以降の処理を行い、最後にステップH48でRAM233へのアクセスを禁止した後、待機することになる。
【0214】
〔主制御コマンド受信割込み処理〕
次に、払出制御装置230の主制御コマンド受信割込み処理を
図26により説明する。
この処理は、遊技制御装置54から払出制御装置230に対して送信されてくるコマンドを受信するための割込みを行うものである。
このルーチンが開始されると、まずステップH51でレジスタを退避する。次いで、ステップH52で主制御用シリアル受信バッファステータスを読みだし、続くステップH53で受信データがあるか否かを判定する。これは、遊技制御装置54から払出制御装置230へコマンド(例えば、賞球コマンドなど)が送信されてくる場合があるので、そのコマンドの受信データの有無を判断するものである。
ステップH53で受信データがあると判定すると、ステップH54に進み、主制御用シリアル受信バッファからコマンドを読みだす。次いで、ステップH55で主制御コマンド判定テーブルを設定し、ステップH56でコマンドに対応する判定データを取得する。次いで、ステップH57で判定データは正常か否かを判定し、正常であれば、ステップH58でコマンドに対応する情報設定領域のアドレスを取得する。
【0215】
ここで、情報設定領域には、例えば賞球コマンドに対してはコマンドが表す賞球数を賞球数領域に設定する等というように、各種の領域がアドレスを割り付けて設定されているので、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドに対応する情報設定領域のアドレスを取得するものである。
例えば、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドが賞球コマンドであれば、賞球コマンドが表す賞球数に対して割り付けられている賞球数領域のアドレスを取得することになる。
【0216】
ステップH58を経ると、次いで、ステップH59に進み、コマンドが意味する値を情報設定領域にセーブする。これは、遊技制御装置54から受信したコマンドの指示内容を解読して情報設定領域に保持するものであり、例えば今回、遊技制御装置54から受信したコマンドが賞球コマンドであれば、賞球コマンドが表す賞球数に対して割り付けられている賞球数領域のアドレスを取得することで、賞球コマンドが表す賞球数を読み出し、これからコマンドが意味する値として「賞球数」を解読してセーブするものである。
ステップH59を経ると、ステップH52に戻ってル−プを繰り返す。そして、全ての主制御用シリアル受信バッファステータスを読みだして、ステップH52〜ステップH59のル−プを繰り返して、ステップH53で受信データが無いと判定すると、ステップH53からステップH60に分岐する。
ステップH60に分岐すると、ステップH60ではメインルーチンを再開すべく、主制御コマンド受信割込み要求をクリアし、ステップH61で退避させたレジスタを復帰させ、ステップH62で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。なお、
図26等において、リターン=RETIとあるのは、割込時に中断した処理に復帰することを表わす。一方、RETとあるのはサブルーチンから元のルーチンへの復帰を表わす。
【0217】
〔払出制御装置のタイマ割込処理〕
次に、払出制御装置230のタイマ割込処理を
図27により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップH39、H40の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップH71で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップH72の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163、第1封入球検出スイッチ164、第2封入球検出スイッチ165、ガラス枠開放スイッチ125、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126等)からの検出信号の読み取りを実行する。
具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
ここで、前面枠開放スイッチ126は夜間(遊技機に主電源が供給されていない時)に前面枠4の開放を検出するが、通常状態(遊技機に主電源が供給されている時)でも前面枠4の開放を検出する。
【0218】
次に、ステップH73で、後述するステップH84、H85、H86等で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行する。
次いで、ステップH74でカードユニット接続確認処理を行う。カードユニット接続確認処理は、カードユニット15に電源が入っているか、カードユニット15とパチンコ機1との間の通信が正常にできるか等を確認するものである。
例えば、第1カードユニット接続端子板52Aを介してカードユニット15の電源ラインに接続された入力(VL入力)の電圧がオンになっているか(即ち、規定値よりも高い電圧になっているか)否かに基づいて判定し、その判定結果として前記VL入力の電圧がオンになっていれば、例えば、カードユニット15が電源投入されて払出制御装置230と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグをセットするような処理を行う。
次いで、ステップH75でタイマ更新処理を行う。これにより、払出制御プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。例えば、初期値の設定、値の判定、判定結果に基づく処理は別のルーチンで行うが、初期値がセットされていれば、更新は当該タイマ更新処理で行うといったようにすればよい。また、後述する各判定に使用されるタイマは上記のように更新を行ってもよいし、例えば、該当するルーチンで更新を行ってもよい。
次いで、ステップH76でスイッチ監視処理を行う。これは、前述したように設定される入力フラグ(発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163などの入力フラグ)を監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減など封入球制御のための処理を行うものである(詳細後述する)。
【0219】
次いで、ステップH77でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、ガラス枠5の開放状態などを監視するための処理である。
例えば、このエラー監視処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・ガラス枠開放(ガラス枠5開放)
・前面枠開放(前面枠4開放)
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・盤面球数エラー(
図37により後述する。)
・封入球数エラー(
図36により後述する。)
【0220】
封入球数エラーには、下記がある。
(a)封入球数不足エラー
(b)封入球数過剰エラー
(c)封入経路異常エラー
なおエラーには、他にも、カードユニット未接続エラーがあるが、これは前述のステップS74のカードユニット接続確認処理(詳細後述する)で監視される。
【0221】
次いで、ステップH78に進み、発射許可信号編集処理を行う。これは、発射可能な状態になったら発射許可信号オンデータを設定し、カードユニット15が接続されていない場合(例えば後述するカードユニット接続確認フラグ(ステップH74)がセットされていない場合)等には発射許可信号オフデータ(発射できない)を設定するものである。ここには、例えば停電時に発射杵先(発射杵は発射ソレノイド173で作動する)に残った球を電源投入時に空打ち発射する強制発射の処理も含まれる(詳細後述する)。
次いで、ステップH79で持球数加算処理を行う。これは、遊技制御装置54からの賞球コマンドを受けて持球数に加算する処理を行うものである(詳細後述する)。
次いで、ステップH80で、ステップH74における全てのカードユニット通信ライン確認がOKか否かを判別する。これは、パチンコ機1側(払出制御装置230側)とカードユニット15側との配線接続のための基板(第1カードユニット接続端子板52A)が接続されて、通信ラインの確認結果がOKであるか否かにより処理を分岐するものである。カードユニット通信ライン確認がOKであれば、ステップH81、ステップH82、ステップH83、ステップH84を順次実行してステップH85に進み、OKでなければステップH81乃至H84を実行しないでステップH85にジャンプする。
なお、ステップH81乃至H84は、後述するように、遊技を実質的に開始させ進行させるための処理であるため、ステップH80の判定が否定的な場合には、遊技が開始されず進行されないことを意味する。つまり本例では、払出制御装置230とカードユニット15の間の通信ラインが正常に接続されていないと、遊技が実質的に進行されない。これにより、この通信ラインを使った不正な払出制御装置230への入力等により不正に持球数を獲得するなどの行為が困難になり、セキュリティを高めることができるなどの効果が得られる。
【0222】
ステップH80で全てのカードユニット通信ライン確認がOKの場合には、ステップH81で球送り制御処理を行う。これには、球を発射位置まで送る条件が整った場合に球送りソレノイド172のオンデータを設定して、球を発射位置まで送る処理を行う他、停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射して対処するために球送りソレノイド172をオフにしておく処理も含まれる(詳細後述する)。
次いで、ステップH82で精算/休憩制御処理を行う。これは、休憩スイッチ312の挙動やカードユニット15からの精算指示等を監視して、精算や休憩に関する処理を行うものである(詳細後述する)。次いで、ステップH83でカードユニット受信解析処理を行う。これは、払出制御装置230がカードユニット15から受信した信号の解析などを行うものである(詳細後述する)。
【0223】
次いで、ステップH84に進み、定期コマンド送信処理を行う。これは、前述のように払出制御装置230からカードユニット15に対して遊技制御装置54からの各種遊技情報及び封入球遊技における各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)を所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているとともに、また払出制御装置230から遊技制御装置54に対して各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)を所定間隔(例えば400ms)毎に送信するようにしているので、その所定間隔毎の送信を定期コマンド送信処理で実行するものである。
ステップH84を経ると、ステップH85へ進む。また、前述したように、ステップH80の判定結果がNOのときにはステップH81乃至H84を実行しないで、ステップH85にジャンプする。
このようにしてステップH85に進むと、ステップH85で外部情報編集処理を実行する。これは、払出制御装置230からホールコンピュータ86やカードユニット15などの外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
ただし、遊技制御装置54からの情報は、払出制御装置230を介して外部情報端子板51や第1カードユニット接続端子板52A経由でカードユニット15を介してホールコンピュータ86や持球管理装置85に必要な情報が出力される。
【0224】
次いで、ステップH86でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、エラー表示LED67、持球数表示器40、計数スイッチLED311に内蔵のLED、休憩スイッチ312に内蔵のLED等)の表示に関する処理を行うものである。
次いで、ステップH87で研磨装置制御処理を行う。これは、遊技制御装置54を経由し、演出制御装置53を介して研磨制御装置59に指示を出して封入球の研磨装置56の作動を制御するものである(詳細は後述)。
ステップH87を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップH88でタイマ割込み要求をクリアし、ステップH89で退避させたレジスタを復帰させ、ステップH90で全割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0225】
〔スイッチ監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるスイッチ監視処理H76を
図28により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH101で発射球検出スイッチ監視処理を行い、次いでステップH102でファール球検出スイッチ監視処理を実行し、次にステップH103でアウト球検出スイッチ監視処理を実行し、次いでステップH104で計数スイッチ監視処理を実行し、さらにステップH105で計数球使用スイッチ監視処理を実行し、その後リターンする。なお、各処理の詳細は後述する。
【0226】
〔発射球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理における発射球検出スイッチ監視処理H101を
図29により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH111で発射球検出スイッチ161に入力があったか(即ち、発射される遊技球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップH112に進んで持球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)する。ここでの持球数とは、払出制御装置230(払出制御基板)の内部で管理するトータルの持球数情報である。ステップH112の処理は球の発射に伴い、持球数を1個減算する必要があるので、それを行うものである。
次いで、ステップH113に進み、更新持球数を「−1」だけ更新(デクリメント)する。更新持球数とは、前回の持球数から変化した持球数情報のことで、球の発射に伴い、更新持球数を1個減算するものである。
次いで、ステップH114で盤面球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH115に進む。
【0227】
上記ステップH111乃至ステップH114のルーチンによれば、遊技球が1個発射されるたびに、盤面球数が1個加算され、持球数が1個減算される。盤面球数は、発射されて回収されていない遊技球、即ち主に遊技盤面上(遊技領域内)を落下しつつある遊技球の数である。ここで、ステップH112の処理は、遊技領域に遊技球が発射されることに対応して持球数(遊技価値)を減らす発射減算処理を構成する。
次いで、ステップH115に進むと、持球数表示ライトカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH116でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「−1」をセーブする。これは、球の発射に伴う持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に球の発射に伴う「−1」を格納し、格納した「−1」を表示用持球数から減算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、持球数表示器40(7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能)に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは球の発射により1個だけ持球数が減るので、表示用更新持球数格納領域に「−1」を格納するものである。
ステップH116を経ると、リターンする。これにより、持球数が「1」だけ減算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる
【0228】
〔ファール球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理におけるファール球検出スイッチ監視処理H102を
図30により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH121でファール球検出スイッチ162に入力があったか(即ち、ファール球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップH122に進んで持球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップH123で更新持球数を「+1」だけ更新(インクリメント)する。ここでは、ファール球なので、球が1個回収されることになり、更新持球数に1個加算するためである。これにより、ファール球に対応して更新持球数が「1」だけ加算される。
【0229】
次いで、ステップH124に進み、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)する。
上記ステップH121乃至ステップH124のルーチンによれば、ファール球(発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技球)が1個回収されるたびに、盤面球数が1個減算され、持球数が1個加算される。持球数を加算するのは、ファールなので、遊技者の損失とならないよう、発射が無かったことにするためである。
次いで、ステップH125に進んで持球数表示ライトカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH126でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「+1」をセーブする。これは、球のファールに伴う持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に球のファールに伴う「+1」を格納し、格納した「+1」を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、ファール球が1個回収されるたびに、持球数を1個加算する必要があるので、表示用更新持球数格納領域の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、持球数表示器40を1個加算して表示させるためである。これにより、ファール球に対応して持球数が「1」だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる
ステップH126を経ると、リターンする。
【0230】
〔アウト球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理におけるアウト球検出スイッチ監視処理H103を
図31により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH131でアウト球検出スイッチ163に入力があったか(即ち、アウト球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップH132に進んでアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップH133でアウト数が10以上か判定し、10以上でなければ(10未満ならば)ステップH136に進む。アウト数が10以上ならば、ステップH134でアウト数信号出力回数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップH135でアウト数の値をゼロにする(0クリアする)処理を行い、ステップH136に進む。
ステップH136に進むと、盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、後述する
図37の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)ステップH137に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、後述する
図37の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)ステップH138に進む。
ステップH137に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、後述する
図38のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)リターンし、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、後述する
図38のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)ステップH138に進む。
ステップH138に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。
【0231】
このルーチンによれば、アウト球が1個回収されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップH138の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠が閉じられると、後述する
図35のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップH194)。
【0232】
なお、ステップH131で検出されるアウト球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球と、アウトになった(入賞しなかった)遊技球の両方を含む。即ち、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味する。また、アウト数信号とは、ホールコンピュータ86(管理装置)に出力される外部情報の一つである。このアウト数信号としては、アウト球10個分で1パルスの信号を出力している。そのため、上記ステップH132乃至H135では、アウト球の数をアウト数としてカウントし、このアウト数が10になるたびに、アウト数信号出力回数を1増加させてこのアウト数を0クリアしている。これにより、アウト数信号(アウト球10個分の信号)を出力する回数(上記パルスの数)がアウト数信号出力回数として計数される。
なお、後述するアウト数信号編集処理(ステップH485)でアウト数信号の編集が完了するとアウト数信号出力回数が1減算され、編集されたアウト数信号は前述の出力処理(ステップH73)にて出力される。
また、前記ステップH136及びH137により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップH138が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
【0233】
〔計数スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理における計数スイッチ監視処理H104を
図32により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH141で計数スイッチ311がオン状態か否かを判定する。計数スイッチ311がオン状態であれば、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数を計数する意図であると判断してステップH142に進み、計数中発射停止タイマに初期値(例えば、2秒)を設定する。これは、持球数の計数中は球の発射を停止するために、その発射停止期間を設定するものである。
なお、球の発射中は、例えば払出制御装置230による発射許可、タッチセンサ174のオン操作が前提となっている。
【0234】
次いで、ステップH143で計数スイッチオンタイマを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH144で計数スイッチオンタイマが上限値以上であるか否かを判定する。計数スイッチオンタイマは、遊技者が計数スイッチ311を押した時点からの経過時間をカウントしていくものである。
ステップH144での上限値とは、持球数を全て計数可能な時間に相当し、例えば6秒に設定される。ステップH144で計数スイッチオンタイマが上限値以上であれば、ステップH145に進んで計数スイッチオンタイマを上限値に留める。これは、持球数の全計数を行うことが可能な時間値(例えば、6秒)よりも大きい値に計数スイッチオンタイマがなれば、タイマがル−プしないように、上限値に抑えるものである。
ステップH145を経ると、ステップH146に進む。一方、ステップH144で計数スイッチオンタイマが上限値未満であれば、ステップH145をジャンプしてステップH146に進む。
【0235】
ステップH146では計数スイッチオンタイマが1秒に等しいか否かを判定し、計数スイッチオンタイマが1秒に等しい場合には、ステップH147に進む。ステップH146は、計数スイッチオンタイマが1秒の時に、ステップH147以降の処理で計数の単位数を設定するための判定である。また、計数スイッチオンタイマ=1秒という時間は、計数スイッチ311を押して持球数を計数する場合の最小時間に相当する。したがって、1秒よりも短い時間での計数スイッチ311の操作は無効になり、持球数の計数が開始されない。1秒未満は遊技者が間違って計数スイッチ311に触れることもあるので、誤動作防止のために無効とするものである。
ステップH146で計数スイッチオンタイマが1秒でないと判定すると、今回は計数の単位数設定を行わず、ステップH150にジャンプする。一方、計数スイッチオンタイマが1秒であれば、計数の単位数を設定するためステップH147に進むことになる。
【0236】
ステップH147以降の処理では、計数の単位数を以下のようにして決定する。計数の単位数とは、例えば1秒単位で何個の持球数を計数するかを表す数値(以下、単位計数値)である。
ステップH147に進むと、持球数が「1000個」以下であるか否かを判定する。持球数が「1000個」以下であれば、ステップH160に分岐して単位計数値として「50」を設定した後、ステップH150に進む。一方、ステップH147で持球数が「1000個」を超えていれば、ステップH148に進んで持球数が「10000個」以下であるか否かを判定する。持球数が「10000個」以下であれば、ステップH161に分岐して単位計数値として「100」を設定した後、ステップH150に進む。
一方、ステップH148で持球数が「10000個」を超えていれば、ステップH149で単位計数値として「1000」を設定し、ステップH150に進む。
次いで、ステップH150に進んだ場合、持球数が「0個」であるか否かを判定し、「0個」でなければステップH151以降の処理に進んで持球数の計数処理を行う。また、ステップH150で持球数が「0個」であればリターンする(計数は行わない)。
【0237】
ステップH151以降の処理に進んだ場合、まずステップH151で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値であるか否かを判定する。
単位計数を行うタイミングの値とは、計数スイッチ311を押して持球数を計数する場合の最小時間が1秒未満のときは計数スイッチ311の操作を無効にするので、計数スイッチ311の操作が有効となる1秒以上の時間であって、かつ1秒以降で0.5秒を単位区切りとするタイミングのことである。具体的には、1.0秒、1.5秒、2.0秒、2.5秒、・・・・を示すタイマ値に相当するタイミングである。
したがって、ステップH151の処理は上述したような、1.0秒、1.5秒、2.0秒、2.5秒、・・・・という0.5秒を単位区切りとするタイミング(すなわち、単位計数を行うタイミングの値)を判定するものである。
【0238】
ここで、上述した計数の単位数について説明すると、実施例1の持球数の計数方法は、後述の
図117と同様であるので、
図117を参照して説明する。
図117において、「押下時間」は計数スイッチ311の操作時間(押している時間)を示し、「押下時間」と持球数の範囲に対して計数をどのような方法で行うかを
図117が示している。
具体的には、以下の通りである。なお、下記の単位計数値は「計数単位」に相当する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は50個計数(単位計数値=50個の意味、以下同様)
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は50個を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個を計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
【0239】
上記のように、実施例1では0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としている。なお、前述したように、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をする。
【0240】
さて、フローに戻り、ステップH151で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値であれば、計数スイッチ311の操作による持球数の計数を行うと判断して続くステップH152に進み、持球数は単位計数値未満であるか否かを判定する。持球数が単位計数値未満であれば、ステップH153でそのときの持球数を単位計数値に差し替える。これは、持球数に単位計数値に満たない球数しか残っていない場合には、そのとき残っている持球数を単位計数値に差し替えて計数処理を簡単にするためである。
ステップH153を経ると、ステップH154に進む。一方、ステップH152で持球数が単位計数値未満でなければ、ステップH153をジャンプしてステップH154に進む。
【0241】
ステップH154に進むと、「計数球数+単位計数値」を計数球数とし、これを払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。このようにして計数スイッチ311操作時の計数球数の更新が行われる。
次いで、ステップH135で「持球数−単位計数値」を今回の持球数とし、これを払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。このようにして計数スイッチ311操作時の持球数の更新が行われる。
このように、本例では持球数と計数球数のどちらも払出制御装置230の方で管理するようにしている(カードユニット17には、単に持球数と計数球数のデータを送信して知らせているのみ)。
次いで、ステップH156に進み、持球数(ステップH155で処理した持球数)を表示用持球数としてルーチンを終了しリターンする。
ステップH155及びステップH156の処理により、持球数が計数される毎に単位計数値から減算されて持球数を記憶するRAM233の記憶領域に表示用持球数として格納されるとともに、RAM233の記憶領域に格納された表示用持球数(データ)に基づいて計数後の持球数が持球数表示器40に表示されることになる。
【0242】
次に、上記各ステップの判定で、上述した場合とは別のルートに分岐する場合について説明する。
ステップH141で計数スイッチ311がオン状態でなければ、遊技者が計数スイッチ311を押していない、又は計数スイッチ311を押したが一瞬離したと判断してステップH157に分岐し、計数中発射停止タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)する。
これは、遊技者が計数スイッチ311を全く押していない場合には。後述のステップH158、ステップH159を経てリターンするので、持球数の計数は開始されないが、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数を開始する意図がある場合に、計数中に何かの拍子に一瞬だけ、計数スイッチ311がオフになってしまっても持球数の計数を継続できるように猶予期間(例えば2秒)を設けているので、その猶予期間をカウントするために、計数中発射停止タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)するものである。
一方、計数中発射停止タイマが「0」であれば、遊技者が計数スイッチ311を押していないと判断する。
【0243】
ステップH157を経ると、続くステップH158で計数中発射停止タイマが「0」であるか否かを判定する。計数中発射停止タイマが「0」でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。上述したように、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数を開始する意図がある場合に、計数中に何かの拍子に一瞬だけ、計数スイッチ311がオフになってしまっても持球数の計数を継続できるように猶予期間を設けているが、ステップH157でNOとなるのは、その猶予期間をカウントするようなケースである。
一方、ステップH158で計数中発射停止タイマが「0」であれば、ステップH159に進んで計数スイッチオンタイマを「0」クリアしてリターンする。このケースは、遊技者が計数スイッチ311を全く押していない場合であり、持球数の計数は開始されない。
【0244】
次に、ステップH151で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値でないと判定した場合には、ステップH162に分岐し、計数スイッチオンタイマが全計数を行うタイミングの値であるか否かを判定する。全計数を行うタイミングとは、
図117に示すように計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になると、持球数が何個であっても、全ての持球数を計数することになるから、そのタイミング(つまり、6.0秒)のことである。そのため、ステップH162で計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になったタイミングの値でなければ、ルーチンを終了してリターンし、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になったタイミングの値であれば、ステップH163に進んで「計数球数+持球数」を計数球数とし、払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。
【0245】
なお、持球数の全計数を行って、遊技を終了して精算しようとする場合であれば、計数スイッチ311を押して持球数を計数して計数球数とした後、メッセージ・操作領域部306の画面上の「遊技終了」のボタンをタッチし、次いで、返却ボタン304にタッチすることで、持球数の全て(ここでは計数球数の全て)の記録された遊技カードがカードユニット15から排出されることになる。したがって、このときは精算時に相当するから、払出制御装置230では精算時のタイミングでトータル持球数(持球数+計数球数)のデータをカードユニット15へ送信することになる。
次いで、ステップH164で持球数を「0」クリアするとともに、ステップH165で表示用持球数を「0」クリアしてルーチンを終了しリターンする。
ステップH162乃至ステップH165の処理により、持球数の全てが計数されて計数球数領域にセーブされるので、その後は持球数及び表示用持球数が共に「0」クリアされることになる。
【0246】
〔計数球使用スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理における計数球使用スイッチ監視処理H105を
図33により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH171で計数球使用スイッチ314が押されたか否かを判定する。計数球使用スイッチ314は遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときに操作するものであり、計数球使用スイッチ314が1回操作されると、計数球数より持球数へ球(例えば、所定量=100個の球)の移動が開始される構成である。そのため、ステップH171では計数球使用スイッチ314が押されて、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を要求したか否か判断するものである。
計数球使用スイッチ314が押されていなければ、ルーチンを終了してリターンする。
一方、計数球使用スイッチ314が押されていれば、ステップH172に進んで計数球数が「0」でないかを判定する。ステップH172の判定でNOであれば、計数球数が「0」であるから、持球数への移動はできないと判断してルーチンを終了し、リターンする。
【0247】
ステップH172の判定でYESであれば、計数球が存在しているから持球数への移動が可能であると判断してステップH173に進み、計数球数が「100」以上であるか否かを判定する。計数球数が「100」以上であれば、ステップH174で計数球数のうちの「100」(つまり、100個の計数球数)を計数球使用数とする。これにより、計数球数のうちの100個の球が持球数へ移動することになる。ステップH174を経ると、ステップH175に進む。
一方、ステップH173で計数球数が「100」未満であるときは、ステップH179に分岐して計数球数の全てを計数球使用数とする。これにより、計数球数の全て球が持球数へ移動することになる。
これは、計数球使用スイッチ314が1回操作されると、計数球数より持球数へ所定量(例えば、100個)の球の移動を行うが、所定量未満であれば、全ての計数球を持球数へ移動させても差し支えないからである。
ステップH179を経ると、ステップH175に進む。
【0248】
ステップH174からステップH175に進む場合やステップH179からステップH175に進む場合には、ステップH175で「持球数+計数球使用数」の合計が設計上の記憶数上限値(例えば、25万個)以上となっているか判定し、設計上の記憶数上限値以上であればステップH176で「25万−持球数」を新たな計数球使用数として更新登録し、その後、ステップH177へ進む。これは、実際上、持球数+計数球使用数が25万個を超えることはないと考えられるが、超えた場合に遊技者の持球数や計数球数が消失しないようにするためである。
一方、ステップH175で「持球数+計数球使用数」の合計が設計上の記憶数上限値(例えば、25万個)未満であれば、ステップH177にジャンプする。
次いで、ステップH177に進んだ場合には、ステップH177で「持球数+計数球使用数」を新たな持球数として更新し、続くステップH178で「計数球数−計数球使用数」を新たな計数球数として更新する。これは、計数球使用スイッチ314を操作して計数球数より持球数へ球を移動したので、その状況に対応して持球数及び計数球数の値を更新しておくためである。
ステップH178を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
【0249】
この計数球使用スイッチ監視処理によれば、計数球使用スイッチ314が1回操作されると、計数球数より持球数へ所定量(例えば、100個)の球が移動する。また、計数球数が所定量(例えば、100個)未満であれば、全ての計数球数が持球数へ移動する。
したがって、遊技者は計数球数から持球数に戻すことにより、発射可能な球数が増加するとともに、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念の遊技感覚を味わうことができ、便利である。
【0250】
〔エラー監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるエラー監視処理H77を
図34により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップH181のエラー解除スイッチ監視処理、ステップH182の封入球数監視処理、ステップH183の盤面球数エラー監視処理、ステップH184の枠開放エラー監視処理を順次実行した後にリターンする。
なお、エラー解除スイッチ監視処理、封入球数監視処理、盤面球数エラー監視処理、及び枠開放エラー監視処理については、詳細後述する。
【0251】
〔エラー解除スイッチ監視処理〕
次に、前記エラー監視処理におけるエラー解除スイッチ監視処理H181を
図35により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH191で、エラー解除スイッチ68がオン操作されたか否か判定し、オン操作されたならばステップH192に進み、オン操作されていなければリターンする。ステップH192に進むと、ガラス枠5が開状態から閉状態に変化する動作(ガラス枠の開閉動作)が、ガラス枠開放スイッチ125の出力に基づいてエラー解除スイッチ68がオン操作される前に検出されていたか否か判定する(即ち、例えば後述する
図38のステップH252でセットされる開閉の情報に基づいて、ガラス枠の開閉の履歴を確認する)。そして、この動作(ガラス枠の開閉動作)が検出されていた場合には、ステップH193に進み、検出されていない場合にはリターンする。
【0252】
ステップH193に進むと、上記ガラス枠5の開閉動作が検出されていたという情報をクリアし(即ち、そのような情報が無い状態に戻し)、次にステップH194で盤面球数をクリアし(即ち、盤面球数のデータをゼロの状態に戻し)、次にステップH195で遊技制御装置54(主制御基板)にエラー復旧中コマンドを送信し、その後リターンする。また、エラー復旧中コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53によりエラー復旧中であること(即ち、後述する盤面球数エラー等を解消すべく作業中であること)を報知するために、例えば「エラー復旧の確認中です」という文字表示を表示装置41で実行させる構成となっている。
なお、本実施例では遊技制御装置54と払出制御装置230を別体として分けて構成しているが、遊技制御装置54と払出制御装置230を1つの主制御基板で一体的に構成した場合には、主基板からコマンド(例えば、エラー復旧中コマンド等)が演出制御装置53に送信され、同コマンドを受けた演出制御装置53では受信したコマンドに基づいて所定の表示(例えば、上記のような「エラー復旧の確認中です」という文字表示)を表示装置41で実行させる制御を行う構成となる。それと同様に、本実施例のように遊技制御装置54と払出制御装置230を別体として分けて構成した場合においては、払出制御装置230からのコマンドは遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信され、演出制御装置53では同コマンドを受信し、同コマンドに基づき表示装置41の表示を制御するという構成である。すなわち、払出制御装置230から遊技制御装置54(主制御基板)に送信されるコマンドは、遊技制御装置54を介して演出制御装置53に送信されて、演出制御装置53により同コマンド基づく表示装置41の表示制御が行われる構成である。
【0253】
ここで、ステップH194の処理により盤面球数がクリアされてゼロになると、後述する
図36のステップH201の判定結果が否定的になり、ステップH202で封入球数過剰エラーフラグがクリアされる。またこの場合、後述する
図37のステップH231の判定結果も否定的になり、ステップH235で盤面球数エラーフラグもクリアされる。但し、後述する封入球数過剰エラーが生じていて、この封入球数過剰エラーが実際には解消されていないと(例えば、ガラス枠5を開けて遊技領域の球詰まりを解除してガラス枠5を閉じ、エラー解除スイッチ68をオン操作したけれども、封入球数が全体として過剰な状態が継続していると)、後述する如く実行される封入球数確認判定の処理(
図36のステップH209以降)において、例えばステップH212が実行されて封入球数過剰のエラーフラグが再度セットされることになる。
【0254】
このため、
図35のルーチンによれば、ガラス枠5が開けられた後に閉められ、その後エラー解除スイッチ68がオン操作されることによって、盤面球数がクリアされて前述の盤面球数エラーフラグの解除などが実行される。これにより、遊技球の詰まりなどによって盤面球数が規定数より多くなる異常(盤面球数エラー)、或いは封入球数エラー(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラー)が発生した場合、遊技場の店員等がガラス枠5を開けて手作業で球詰まり(或いは球不足等)を解消した後にガラス枠5を閉め、かつ、その後にエラー解除スイッチ68をオン操作すると、このエラー検出状態(エラーフラグがセットされた状態)が自動的に解除される。したがって、的確かつ円滑なエラー解除が行える効果がある。
【0255】
即ち、エラー解除スイッチ68をオン操作するだけでは、エラー検出状態を解除できず、球詰まり等を実際に解消しないと解除できないのでエラー解除の的確性が高まる。また、この的確性を高めるために、さらに別の操作を必須とするのではなく、球詰まり等を解除するのに必ず必要となる動作であるガラス枠5の開閉を追加条件としているので、円滑なエラー解除が実現できる。また
図35の処理では、エラーフラグ(例えば、封入球数過剰エラーフラグや盤面球数エラーフラグ)をクリアするのではなく、ステップH194で盤面球数をクリアする条件を設定することで実質的に封入球に関する前述した各種のエラー検出状態が解除される構成としている。このため、少ないステップ数で多数のエラーフラグ(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラー、盤面球数エラーの各フラグ)についてのエラー検出状態の解除処理が実質的に実現されることになって、処理が簡素化される効果がある。また、エラー解除操作(ステップH191、H192の動作を含む操作)が為された後、封入球数確認の処理を実行して封入球数等が正常であること(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラーでないこと)を確認した上でエラーフラグを解除することになるので、エラー解除の的確性をより向上できるという効果がある。
【0256】
また、盤面球数エラーが発生し、ガラス枠5を開けて手作業で解消しようとした場合に、詰まりを解消された遊技球が遊技領域内の遊技釘等に衝突し、遊技領域外に飛び出してしまうことがある。このようにアウト球流入口23から回収されずに遊技球を紛失した状態にある場合でも、ステップH194で盤面球数はクリアされるので、後述するステップH231で盤面球数が規定数以上と判定されることがなく、後述するステップH216、ステップH219で封入球数不足エラーと判定されない限り、遊技を再開することができるので、遊技者が不満を感じる等の不具合が回避される。なお、ステップH137、ステップH138でガラス枠5開放中はアウト球検出スイッチを通過しても、盤面球数を更新しないようにしているので、ガラス枠5を開けた場合はエラー解除スイッチ68を操作し、エラーを解除することを必要とする。さらに、ステップH194で盤面球数をクリアすることで、盤面球数エラーが解消されるようになっているので、盤面上に遊技球がないにもかかわらず、盤面球数はプラスの状態にあるといった矛盾を抱えたまま動作することがないので、正常な状態にあるにもかかわらず盤面球数エラーが頻発するというような問題に発展することがない。
【0257】
なお、盤面球数エラーや封入球数エラーの要因(球詰まり、球不足、球過剰)を解消するための作業は、例えば次のようにして行うことができる構成となっている。まず、例えば盤面(遊技領域22を含む遊技盤20の前面)における球詰まり(いわゆるブドウ等と呼ばれるもの)は、ガラス枠5を開けて手作業で詰まっている球を押したり引いたり衝撃を加えたりして流下させることによって解消できる。また封入球数過剰は、必要に応じてガラス枠5に加えて前面枠4を開けて、前述した球送り装置を手動で作動させて発射位置に球を送り出し、発射位置に送り出された球を手で抜き取ることによって、球を1個ずつ機外へ排出することによって解消できる。また封入球数不足は、ガラス枠5を開けて、盤面側より遊技領域22内に機外からの球(補給する球)を差し入れて流下させる(例えばアウト球流入口23に流入させる)ことによって解消できる。
【0258】
〔封入球数監視処理〕
次に、前記エラー監視処理における封入球数監視処理H182を
図36により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH201で盤面球数がゼロ未満か否か判定し、ゼロ未満ならステップH203に進み、ゼロ未満でなければステップH202に進む。ステップS202では、盤面球数がゼロ未満でないために封入球数過剰エラーフラグをクリアし、ステップH204に進む。一方、ステップS203では、盤面球数がゼロ未満であって不正に球が盤面に投入されたなどの異常状態であるので、封入球数過剰エラーフラグをセットし、ステップH205に進む。
【0259】
ステップH204に進むと、封入球数過剰エラーフラグは前回処理時と同じか判定し、前回処理時と同じであれば(即ち、前回以前のシーケンスで既にクリアされており、直前のステップH202でクリアされる前に既にクリアされていたのであれば)ステップH208に進み、前回処理時と同じでなければ(即ち、直前のステップH202でセットされた状態からクリアされたのであれば)ステップH207に進む。そして、ステップH207では、遊技制御装置54(主制御基板)に封入球数過剰エラー解除コマンドを送信してステップH208に進む。ここでステップH204は、不必要にステップH207を実行して封入球数過剰エラー解除コマンドを重複して送信しないために設けられている。
【0260】
ステップH205に進むと、封入球数過剰エラーフラグは前回処理時と同じか判定し、前回処理時と同じであれば(即ち、前回以前のシーケンスで既にセットされており、直前のステップH203でセットされる前に既にセットされていたのであれば)ステップH208に進み、前回処理時と同じでなければ(即ち、直前のステップH205でクリアされた状態からセットされたのであれば)ステップH206に進む。そして、ステップH206では、遊技制御装置54(主制御基板)に封入球数過剰エラーコマンドを送信してステップH208に進む。ここでステップH205は、不必要にステップH206を実行して封入球数過剰エラーコマンドを重複して送信しないために設けられている。
なお、封入球数過剰エラーコマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53により、例えば「余分な球が混入しています」というエラー表示を表示装置41で実行し、封入球数過剰エラー解除コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53により、このエラー表示を消す制御を行わせる構成となっている。
【0261】
ステップH208に進むと、封入球数の確認要求があるか否か(即ち、封入球数確認要求フラグがセットされているか否か)判定し、あればステップH209に進み、無ければステップH209以降の処理をジャンプして(即ち、実行しないで)リターンする。なお、封入球数確認要求フラグは、電源投入時と、エラー解除スイッチ68で解除する必要のあるエラーが発生していない場合にガラス枠5を開閉した時と、エラー解除スイッチ68で解除する必要のあるエラーが発生している場合にガラス枠5を開閉してエラー解除スイッチ68をオンした時に、セットされるフラグである。
ステップH209に進むと、封入球数確認要求フラグをクリアし、次いでステップH210で最小封入球数検出スイッチ(即ち、第1封入球検出スイッチ164)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップH211に進み、オンしていなければステップH216に進む。
【0262】
そして、ステップH211に進むと、最大封入球数検出スイッチ(即ち、第2封入球検出スイッチ165)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップH212に進み、オンしていなければステップH214に進む。ステップH212に進んだ場合は、各スイッチ164,165が両方ともオンしており封入球数過剰エラーであるので封入球数過剰エラーフラグをセットし、次のステップH213で封入球数過剰エラーコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後リターンする。
ステップH214に進んだ場合は、封入球数が正常範囲(即ち、最小以上で最大以下)であるので、封入球数は正常であるとして封入球数過剰エラーフラグ以外のエラーフラグ(即ち、後述する封入球数不足エラーフラグ及び封入経路異常エラーフラグ)をクリアし、次のステップH215で封入球数エラー解除コマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後リターンする。
【0263】
なお、フラグをセットするとはフラグを立てることを意味し、フラグをクリアするとはフラグが立っていない状態(セットされていない状態)にすることを意味する。
また、封入球数過剰エラーフラグがセットされている状態(封入球数過剰エラーのエラー検出状態)を解除するには、
図35で説明したように、ガラス枠5を開けてエラーの原因を解消し(例えば余分な球を取り出し)、その後ガラス枠5を閉め、エラー解除スイッチ68を押す必要がある。他の封入球数エラー(封入球数不足エラー及び封入経路異常エラー)も同様である。なお、単にガラス枠5を開閉してエラー解除スイッチ68を押すだけでも、
図35のステップH194及び本ルーチン(
図36)のステップH201、H202によって封入球数過剰エラーフラグはクリアされるが、エラーの原因が解消されていない場合(封入球数が過剰な場合)には、その後に、本ルーチン(
図36)のステップH209以降の処理が実行され、そのうちのステップH212により再度封入球数過剰エラーフラグがセットされることになる。
【0264】
一方、ステップH210の判定がNOとなり、ステップH216に進むと、最大封入球数検出スイッチ(即ち、第2封入球検出スイッチ165)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップH217に進み、オンしていなければステップH219に進む。ステップH217に進んだ場合は、第1封入球検出スイッチ164がオンしていないのに第2封入球検出スイッチ165がオンしており、例えば前述のセンサ流路77で球詰まりが生じているなどの異常と考えられるので、封入経路異常エラーフラグをセットし、次のステップH218で封入経路異常エラーコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後リターンする。ステップH219に進んだ場合は、封入球数が不足(即ち、最小よりも少ない)であるので、封入球数不足エラーフラグをセットし、次のステップH220で封入球不足エラーコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後リターンする。
なお、封入経路異常エラーコマンドを受信した遊技制御装置54(主制御基板)は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、例えば「経路異常が発生しました」というエラー表示を表示装置41で実行し、封入球数不足エラーコマンドを受信した遊技制御装置54(主制御基板)は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、例えば「球が不足しています」というエラー表示を表示装置41で実行し、さらに、封入球数エラー解除コマンドを受信した遊技制御装置54(主制御基板)は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、これらのエラー表示を消す制御を行う構成となっている。
【0265】
〔盤面球数エラー監視処理〕
次に、前記エラー監視処理における盤面球数エラー監視処理H183を
図37により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH231で盤面球数が規定数以上か否か判定し、規定数以上であればステップH232に進み、規定数以上でなければステップH235に進む。ここで、規定数は1以上の値であり、例えば10個である。一般に、盤面球数が10個以上もあると遊技上問題がある程度に遊技球の流れが滞っていると考えられるためである。なお、この規定数は10に限らず、遊技機によって最適値が異なる。
【0266】
そして、ステップH232に進むと、盤面球数エラーフラグをセットし、ステップH233に進む。ステップH233では、盤面球数エラーフラグは前回処理時と同じか判定し、前回処理時と同じであれば(即ち、前回以前のシーケンスで既にセットされており、直前のステップH233でセットされる前に既にセットされていたのであれば)リターンし、前回処理時と同じでなければ(即ち、直前のステップH233でクリアされた状態からセットされたのであれば)ステップH234に進む。そして、ステップH234では、遊技制御装置54(主制御基板)に盤面球数エラーコマンドを送信し、その後リターンする。ここでステップH233は、不必要にステップH234を実行して盤面球数エラーコマンドを重複して送信しないために設けられている。
【0267】
一方、ステップH235に進むと、盤面球数エラーフラグをクリアし、ステップH236に進む。ステップH236では、盤面球数エラーフラグは前回処理時と同じか判定し、前回処理時と同じであれば(即ち、前回以前のシーケンスで既にクリアされており、直前のステップH235でクリアされる前に既にクリアされていたのであれば)リターンし、前回処理時と同じでなければ(即ち、直前のステップH235でセットされた状態からクリアされたのであれば)ステップH237に進む。そして、ステップH237では、遊技制御装置54(主制御基板)に盤面球数エラー解除コマンドを送信し、その後リターンする。ここでステップH236は、不必要にステップH237を実行して盤面球数エラー解除コマンドを重複して送信しないために設けられている。
なお、盤面球数エラーコマンドを受信した遊技制御装置54(主制御基板)は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、例えば「盤面球数エラーが発生しました」というエラー表示を表示装置41で実行し、盤面球数エラー解除コマンドを受信した遊技制御装置54(主制御基板)は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、このエラー表示を消す構成となっている。
このルーチンによれば、遊技領域等での球詰まり等によって盤面球数が異常に多くなると、ステップH231の判定結果が肯定的になり、ステップH232で盤面球数エラーフラグがセットされて盤面球数エラーとなる。また、球詰まり等が解消されて盤面球数が正常に戻ると、ステップH231の判定結果が否定的になり、ステップH235で盤面球数エラーフラグがクリアされて盤面球数エラーのエラー検出状態が解除される。
【0268】
なお、盤面球数エラーになるとセキュリティ信号がカードユニット15を介してホールコンピュータ86などに出力されるが、盤面球数エラーになってもそれだけでは遊技球の発射は不能とされない(後述の
図39)。これにより、遊技領域での単なる球詰まり等(封入球数等は正常な場合)によって遊技球の発射(即ち遊技)ができなくなり、遊技者が不満を感じる等の不具合が回避される。但し、盤面球数エラーとともに遊技を継続させるべきでない他のエラー(例えば封入球数不足エラー)も生じている場合には、遊技球の発射は不能とされる(後述の
図39参照)。
【0269】
〔枠開放エラー監視処理〕
次に、前記エラー監視処理における枠開放エラー監視処理H184を
図38により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH241で、ガラス枠5(前枠)の開放を検出するガラス枠開放スイッチ125の状態が前回処理時と同じか否か判定し、同じであればステップH243に進み、同じでなければステップH242でガラス枠開放監視タイマにガラス枠開放監視タイマ初期値(例えば、100msecに対応する値)をセットした後に、ステップH243に進む。
ステップH243に進むと、ガラス枠開放監視タイマがゼロでなければ、ガラス枠開放監視タイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新処理を実行した後、ステップH244に進んでガラス枠開放監視タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロならばステップH245に進み、ゼロでなければステップH245乃至H252をジャンプしてステップH253に進む。
【0270】
これらステップH241乃至H244では、ガラス枠開放スイッチ125の状態によりガラス枠5の開閉状態を監視しており、同じ状態がガラス枠開放監視タイマ初期値に相当する所定時間(例えば、100msec)継続した場合にはじめて、ステップH245以降の処理でガラス枠5の開閉状態を確定させるようにしている。これにより、ガラス枠5の開閉状態が信頼性高く判定される。つまり、例えばガラス枠開放スイッチ125の信号がノイズ等によって瞬間的に変動しても、これによってガラス枠5の開閉状態を誤って判定することが防止される。
【0271】
ステップH245に進むと、ガラス枠開放スイッチ125の状態は、ガラス枠5の開放状態に対応するものか判定し、開放状態ならばステップH246でガラス枠開放エラーフラグをセットした後にステップH248に進み、開放状態でないならば(即ち、閉鎖状態ならば)ステップH247でガラス枠開放エラーフラグをクリアした後にステップH248に進む。
ステップH248では、今回確定したガラス枠開放エラーフラグの状態(セットされた状態か、或いはクリアされた状態か)が前回処理時と同じか判定し、同じであればそれに対する処理は不要なのでステップH249乃至H252をジャンプしてステップH253に進み、同じでなければステップH249に進む。
【0272】
ステップH249に進むと、今回確定したガラス枠開放エラー状態(即ち、ステップH246又はH247で設定されたガラス枠開放エラーフラグの状態)に対応するコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後ステップH250に進む。ここでは、例えばガラス枠開放エラーフラグがセットされていれば、ガラス枠開放エラーの状態であることを示すコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、遊技制御装置54は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、このコマンドを受けて例えば表示装置41にガラス枠5が開放されているエラー状態であることを報知するエラー表示を行う構成となっている。また、ガラス枠開放エラーフラグがクリアされていれば、ガラス枠開放エラーが解除された状態であることを示すコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、遊技制御装置54は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、このコマンドを受けて例えば表示装置41での前記エラー表示を消す構成となっている。
【0273】
ステップH250に進むと、ガラス枠5が開けられて閉められたという情報(以下、開閉動作情報という)をクリアし、次いでステップH251で今回確定したガラス枠5(前枠)の開閉状態を判定し、閉鎖状態(即ち、ガラス枠開放エラーフラグがクリアされた状態)であればステップH252に進み、閉鎖状態でなければ(即ち、ガラス枠開放エラーフラグがセットされた開放状態であれば)ステップH252をジャンプしてステップH253に進む。
ステップH252では、ガラス枠5についての前記開閉動作情報をセットし、ステップH253に進む。なお、この開閉動作情報は、前述のエラー解除スイッチ監視処理(
図35)におけるステップH192の判定に使用される。
【0274】
次にステップH253に進むと、前面枠4について、ステップH241乃至H249と同様の処理を行い、その後リターンする。
即ち、ステップH253では、前面枠4の開放を検出する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の状態が前回処理時と同じか否か判定し、同じであればステップH255に進み、同じでなければステップH254で前面枠開放監視タイマに前面枠開放監視タイマ初期値(例えば、100msecに対応する値)をセットした後に、ステップH255に進む。
【0275】
ステップH255に進むと、前面枠開放監視タイマがゼロでなければ、前面枠開放監視タイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新処理を実行した後、ステップH256に進んで前面枠開放監視タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロならばステップH257に進み、ゼロでなければリターンする。
これらステップH253乃至H256では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の状態により前面枠4の開閉状態を監視しており、同じ状態が前面枠開放監視タイマ初期値に相当する所定時間(例えば、100msec)継続した場合にはじめて、ステップH257以降の処理で前面枠4の開閉状態を確定させるようにしている。これにより、前面枠4の開閉状態が信頼性高く判定される。
【0276】
ステップH257に進むと、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の状態は、前面枠4の開放状態に対応するものか判定し、開放状態ならばステップH258で前面枠開放エラーフラグをセットした後にステップH260に進む、開放状態でないならば(即ち、閉鎖状態ならば)ステップH259で前面枠開放エラーフラグをクリアした後にステップH260に進む。
ステップH260では、今回確定した前面枠開放エラーフラグの状態(セットされた状態か、或いはクリアされた状態か)が前回処理時と同じか判定し、同じであればそれに対する処理は不要なのでリターンし、同じでなければステップH261に進む。
【0277】
ステップH261に進むと、今回確定した前面枠開放エラー状態(即ち、ステップH258又はH259で設定された前面枠開放エラーフラグの状態)に対応するコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、その後リターンする。
ここでは、例えば前面枠開放エラーフラグがセットされていれば、前面枠開放エラーの状態であることを示すコマンドを遊技制御装置54(主制御基板)に送信し、遊技制御装置54は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、このコマンドを受けて例えば表示装置41に前面枠4が開放されているエラー状態であることを報知するエラー表示を行う構成となっている。
【0278】
〔発射許可信号編集処理〕
次に、前記タイマ割込処理における発射許可信号編集処理H78を
図39により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH271でカードユニット接続OKか判定し、OKであればステップH272に進み、OKでなければステップH285に進む。この判定は、前述のカードユニット接続確認処理(
図27のステップH74)の確認結果に基づいて行われる。即ち、ステップH74において、第1カードユニット接続端子板52Aを介してカードユニット15の電源ラインに接続された入力(VL入力)の電圧がオンになってる(即ち、規定値よりも高い電圧になっている)と判定され、例えば、カードユニット15が電源投入されて払出制御装置230と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグがセットされていれば、このステップH271ではカードユニット接続確認OKと判定される。
【0279】
ステップH272に進むと、電源投入時強制発射タイマを更新する処理(即ち、電源投入時強制発射タイマの値をタイマ割込周期の1サイクル分だけ減少させる処理)を実行し、ステップH273に進む。なお、電源投入時強制発射タイマは、停電時に発射装置57の杵先に残った球を電源投入時に強制発射(遊技者の操作によらない自動的な発射)をするための強制発射時間を計時するためのタイマである。なお、上記強制発射は、遊技結果に影響しない空打ち発射である。
【0280】
ステップH273では、電源投入時強制発射タイマの値がゼロでなければステップH284にジャンプし、ゼロならばステップH274乃至H283の判定処理に進む。
ステップH274乃至H283の判定処理では、各判定で判定結果が肯定的であると、それ以降の判定処理を実行しないでステップH285に進み、ステップH274乃至H283の各判定で判定結果が否定的であると次の判定処理を順次実行し、最後のステップH283の判定結果が否定的である場合にはステップH284に進む。
【0281】
そして、ステップH274では持球数がゼロであるか、ステップH275では精算中か、ステップH276では休憩中か、ステップH277では封入球数不足エラー発生中か、ステップH278では封入球数過剰エラー発生中か、ステップH279では封入経路異常エラー発生中か、ステップH280ではガラス枠開放中(ガラス枠5開放中)か、ステップSH281では前面枠開放中(前面枠4開放中)か、ステップH282では不正行為発生中か、ステップH283では封入球の研磨中フラグがセットか、をそれぞれ判定する。
【0282】
ここで、精算中かの判定は、後述の精算制御処理番号により判定する。例えば、精算制御処理番号が2乃至4の何れかであれば精算中と判定する。また、精算制御処理番号が1であれば精算中でないと判定する。また、休憩中かの判定は、後述の休憩制御処理番号により判定する。例えば、休憩制御処理番号が2乃至3の何れかであれば休憩中と判定する。また、休憩制御処理番号が1であれば休憩中でないと判定する。
次に、封入球数不足エラー発生中かの判定は前述のステップH219でセットされる封入球数不足エラーフラグ、封入球数過剰エラー発生中かの判定は前述のステップH203及びH212でセットされる封入球数過剰エラーフラグ、封入経路異常エラー発生中かの判定は前述のステップH217でセットされる封入経路異常エラーフラグ、にそれぞれ基づいて判定する。
【0283】
また、ガラス枠開放中(ガラス枠5開放中)かの判定と、前面枠開放中(前面枠4開放中)かの判定は、それぞれ、前記ステップH246とステップH258でセットされるガラス枠開放エラーフラグと前面枠開放エラーフラグに基づく。これら判定は、フラグがセットされていれば発生中であり、クリアされていれば発生中でないと判定される。
また、不正行為発生中かの判定は、例えば遊技制御装置54のエラー監視処理で、磁石不正、振動不正、電波不正という判断がされてエラーコマンドが送信されてくることで、不正行為発生中と判定される。
また、封入球の研磨中フラグがセットかの判定は、後述の研磨装置制御処理において研磨中フラグがセットされているかどうかに基づいて判断する。
【0284】
そして、ステップH285では、発射許可信号オフデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オフデータが設定されると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)とされる。この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ174がオンし、発射ボリューム171が操作されること)があっても、発射ソレノイド173は作動せず、球は発射されない。
一方、ステップH284では、発射許可信号オンデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オンデータが設定されると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)とされる。
【0285】
以上説明した発射許可信号編集処理によれば、カードユニット15が接続されていない(或いはカードユニット15の電源が投入されていない)などによって、カードユニット接続確認OKでない場合には、無条件に発射不許可状態になる。また、パチンコ機1が電源投入されて前記強制発射時間を経過した後は、ステップH274乃至H283の各条件(持球数がゼロ、精算中、休憩中、封入球数エラーの何れかのエラー発生中、ガラス枠開放中、前面枠開放中、不正行為発生中、研磨フラグセット中)の何れか一つでも成立すると、球が発射できない発射不許可状態になる。但し、パチンコ機1が電源投入されて前記強制発射時間を経過するまでの期間は、ステップH274乃至H283の各条件の何れかが成立していても、ステップH273、H284の処理によって球が発射できる発射許可状態とされる。前述の強制発射を行うためである。
なお、計数中(持球数から計数球数への移動中)は、封入球の発射を許可しないように制御してもよい。
【0286】
〔持球数加算処理〕
次に、前記タイマ割込処理における持球数加算処理H79を
図40により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH291で賞球数領域の値が「0」でないか否かを判定する。これは、遊技制御装置54から賞球コマンドを受けて賞球数領域の賞球数データを記憶し、クリアする前である場合には賞球数領域の値が「0」でないことになるので、それに基づいて判定する。ステップH291で賞球数領域の値が「0」でなければ、ステップH292に進み、球数領域の値が「0」であれば、持球数に加算する賞球はないので、ルーチンを終了してリターンする。
ステップH292に進むと、遊技制御装置54からの賞球コマンドに対応して取得する今回の賞球数を持球数に加算する。すなわち、今回取得された賞球数を現在の持球数に加算し、この加算結果を新たな持球数として更新登録する。このステップH292の処理は、遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて持球数(遊技価値)を増加させる賞付与処理を構成する。
【0287】
次いで、ステップH293で「更新持球数+賞球数」を今回の更新持球数に更新する。これは、入賞に伴う賞球があるたびに、更新持球数に賞球数を加算する必要があるので、更新持球数格納領域の値を「賞球数」だけ加算更新する。
次いで、ステップH294で持球数表示ライトカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH295でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「賞球数」をセーブする。これは、入賞に伴う賞球がある場合に、持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に入賞に伴う「賞球数」を格納し、格納した「賞球数」を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、持球数表示器40に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは入賞に伴う賞球があれば、その分だけ持球数が増加するので、表示用更新持球数格納領域に「賞球数」を格納するものである。これにより、持球数に「賞球数」だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる。
なお、持球数表示器40への表示用持球数に加算するデータ(賞球数)は、リングバッファ形式の領域に入賞順に保存されているものである。リングバッファ形式の格納領域のサイズは単位時間当たり最大の賞球数(例えば、大当りラウンドのときの単位時間当たりの賞球数)に対応する大きさに設定しておく。例えば、サイズは32バイト分程度に設定する。
【0288】
次いで、ステップH296では、ステップH292で更新された持球数が持球数上限値(例えば、25万個)以上となっているか判定し、持球数上限値以上であればステップH297で持球数上限値(25万個)を新たな持球数として更新登録してステップH298に進み、持球数上限値以上でなければステップH297を実行しないでステップH298に進む。
【0289】
ステップH298に進むと、遊技制御装置54からの賞球コマンドに対応して取得された今回の賞球数を現在の未出力賞球数に加算し、この加算結果を新たな未出力賞球数として更新登録し、ステップH299に進む。未出力賞球数とは、ホールコンピュータ86に賞球信号として出力していない賞球数を意味する。ステップH299では、ステップH298で更新された未出力賞球数が、1回の賞球信号に対応する所定個数(例えば、10個)以上になっているか判定し、所定個数以上ならばステップH300に進み、所定個数以上でないならばステップH303に進む。
ステップH300に進むと、現在の未出力賞球数から10個分を減算した結果を新たな未出力賞球数として更新登録し、ステップH301に進む。ステップH301では、賞球信号出力回数が上限値(例えば、255回)未満であるか判定し、上限値未満ならばステップH302に進み、上限値未満でないならばステップH299に戻る。そしてステップH301では、賞球信号出力回数を1回分増加させてステップH299に戻る。
一方、ステップH299で未出力賞球数が1回の賞球信号に対応する所定個数(例えば、10個)以上でないと判定されてステップH303に進んだ場合には、ステップH303で賞球数領域を「0」クリアしてリターンする。これにより、次回の賞球数の記憶に」備える。
【0290】
この持球数加算処理によれば、ステップH292乃至H296の処理により、持球数が持球数上限値以上とならない限り、賞球数分だけ持球数及び表示用持球数が増加する。また、ステップH298乃至H301の処理によれば、賞球信号出力回数が上限値に到達するまで、所定個数(例えば、10個)の賞球数が取得される毎に賞球信号出力回数が1回分増える。なお、表示用持球数は、持球数表示器40に持球数を表示するために持球数を記憶するRAM233の記憶領域のデータである。
【0291】
〔球送り制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理における球送り制御処理H81を
図41により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH311で電源投入時強制発射タイマの値がゼロでないか否か判定し、ゼロでないならば(即ち、前記強制発射時間を経過していないならば)ステップH318に進み、ゼロならばステップH312に進む。ステップH312では、球送り制御タイマの値がゼロか判定し、ゼロならばステップH313に進み、ゼロでなければステップH315に進む。
【0292】
ステップH313に進むと、遊技球を発射中であるか否か判定し、発射中ならばステップH314に進み、発射中でなければステップH318に進む。ここで、発射中か否かの判定は、発射許可中(即ち、前述の発射許可信号オンデータが設定されている発射許可状態)で、かつ、タッチセンサ174がオンしている状態であれば、発射中であると判定することによって行う。即ち、発射許可中でもタッチセンサ174がオンしていなければ(遊技者が発射操作ハンドル11にタッチしていなければ)発射中とは判定されないし、また、タッチセンサ174がオンしていても発射許可中でなければ発射中とは判定されない。これにより、遊技球を実際に発射している最中であることが的確に判定される。
【0293】
ステップH314では、球送り制御タイマの値に規定の初期値(発射間隔時間に相当する値)をセットし、ステップH315に進む。ステップH315に進むと、球送り制御タイマの値をタイマ割込周期の1サイクル分だけ減少させる更新処理を実行し、ステップH316に進む。ステップH316では、球送り制御タイマの値が球送りオンタイミングとして設定された設定値に一致しているか否か判定し、一致していれば球送りオンタイミングであるとしてステップH317で球送りソレノイド172のオンデータを設定して球送りソレノイド172を作動させ、一致していなければ球送りオンタイミングでないとしてステップH318に進んで球送りソレノイド172のオフデータを設定して球送りソレノイド172を停止させる。
なお、ステップH314で設定される球送り制御タイマの初期値は、球の発射頻度(時間当りの発射数)が所定値以下になるように設定される。
【0294】
以上の球送り制御処理によれば、電源投入から前記強制発射時間が経過するまでの期間は、球送りソレノイド172が停止状態に維持される。停電時に杵先に残った球を前述の強制発射により処理するために、その強制発射の期間は球を杵先(発射位置)に新たに送らないようにするためである。そして、この強制発射の期間が終わり発射中になると、発射中が続く限り、球送り制御タイマの値がゼロになる毎にステップH314でこの球送り制御タイマの値が初期値に設定される動作が繰り返され、この球送り制御タイマの値が前記設定値になる毎に(即ち、球送りオンタイミングになる毎に)ステップH317の処理により球送りソレノイド172が作動して毎回1個の球が杵先(発射位置)に送られる。
【0295】
〔精算/休憩制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理における精算/休憩制御処理H82を
図42により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH321で精算制御処理(詳細後述する)を行い、次いでステップH322で休憩制御処理(詳細後述する)を実行し、その後リターンする。
【0296】
〔精算制御処理〕
次に、前記精算/休憩制御処理における精算制御処理を
図43により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH331で精算制御処理番号による分岐を行う。この場合、精算制御処理番号が1ならばステップH332の精算開始監視処理(詳細後述する)を、精算制御処理番号が2ならばステップH333で精算書込完了監視処理(詳細後述する)を、精算制御処理番号が3ならばステップH334で精算終了監視処理(詳細後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。なお、精算制御処理番号の初期値は、例えばメイン処理のステップH10において、1に設定される。
なお、精算制御処理番号は1、2、3、・・・としてもよいが、0、1、2、・・・としてもよく、そのようにしておくと、RAM233の領域がクリアされた場合に初期値として1を設定する処理を省略することができる。
【0297】
〔休憩制御処理〕
次に、前記精算/休憩制御処理における休憩制御処理H322を
図44により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH341で休憩制御処理番号による分岐を行う。この場合、休憩制御処理番号が1ならばステップH342の休憩開始監視処理(詳細後述する)を、休憩制御処理番号が2ならばステップH343で休憩開始ACK監視処理(詳細後述する)を、休憩制御処理番号が3ならばステップH344で休憩終了監視処理(詳細後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。なお、休憩制御処理番号の初期値は、例えばメイン処理のステップH10において、1に設定される。
なお、休憩制御処理番号は1、2、3、・・・としてもよいが、0、1、2、・・・としてもよく、そのようにしておくと、RAM233の領域がクリアされた場合に初期値として1を設定する処理を省略することができる。
【0298】
〔精算開始監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算開始監視処理H332を
図45により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH351乃至H356で精算が可能な条件(精算可能条件)が成立しているか判定する処理を行い、一つでも精算可能条件が成立していない場合にはステップH358で精算可能フラグをクリアした後にステップH359に進み、精算可能条件が全て成立している場合にはステップH357で精算可能フラグをセットした後にステップH359に進む。つまり、精算が可能とされる状態であると精算可能フラグがセットされる。
【0299】
ここで、精算可能条件には次の6個の条件がある。即ち、休憩処理中でないこと(ステップH351で判定)、持球数の計数中でないこと(計数スイッチオンタイマがゼロでないこと:ステップH352で判定)、エラー発生中でないこと(ステップH353で判定)、盤面球数がゼロで盤面に球がないこと(ステップH354で判定)、タッチセンサ174がオンしていないこと(ステップH355で判定)、及び客待ちデモ中であること(ステップH356で判定)がある。ここで、休憩処理中であるか否かの判定は、例えば前述のステップH276と同様に行えばよい。また、エラー発生中か否かの判定は、例えば前述のステップH271及びステップH277乃至H282と同様に行えばよい。
【0300】
次にステップH359に進むと、精算指示コマンド受信があるか否かを判定する。これは、カードユニット15から精算指示コマンドを受信したかどうかを判定するものである。カードユニット15では、精算処理中でないときに操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面上の返却ボタン304が押されると、精算可能状態であれば、精算指示コマンドを遊技制御装置54へ送ることになる(
図67参照)。ここで、精算指示コマンドは、平文による通信である第1通信方式(通信方式1)で送信される。
ステップH359で精算指示コマンド受信があればステップH360に進み、精算指示コマンド受信がなければリターンする。
ステップH360に進むと、精算可能フラグがオンか否か(即ち、セットされているか否か)判定し、オンならばステップH361に進み、ステップH361以降の処理を実行する。一方、精算可能フラグがオンでないならばリターンする。
【0301】
ステップH361以降の処理に進んだ場合、まず、ステップH361で「持球数+計数球数」をトータル持球数とする。これは、遊技者が獲得している持球数及び計数球数を全て計数して、トータルの持球数にするもので、精算指示コマンドに基づいて自動的に精算を行うためである。すなわち、返却ボタン304を押して遊技カードの返却を求めるときは、自動的に精算を行う必要があるので、遊技者の持球数及び計数球数を全て計数してトータルの持球数とし、そのトータルの持球数をカードユニット15へ送信するためである。
次いで、ステップH362に進み、トータル持球数コマンドをカードユニット15へ送信する。これは、精算時に払出制御装置230からカードユニット15へトータル持球数を知らせるためのコマンドであり、精算時にカードユニット15に送るのはトータル持球数(持球数+計数球数)としている。カードユニット15ではトータル持球数を基に精算処理を行う。
次いで、ステップH363でトータル持球数を表示用持球数とする。これは、トータル持球数を精算完了するまで持球数表示器40に表示しておくためである。なお、表示用持球数は、持球数表示器40に持球数を表示するために持球数を記憶するRAM233の記憶領域に記憶される。
【0302】
次いで、ステップH364で持球数を「0」クリアする。これは、遊技機(ここでは払出制御装置230)から持球数と計数球数を合算したトータル持球数コマンドとしてカードユニット15へ送り、遊技機側では前述のトータル持球数として持球数を格納したので、持球数をクリアしても差し支えないので、そのようにするものである。カードユニット15側では持球数の精算で遊技カードに記録することになるが、遊技機側では精算処理が終了するまで持球数と計数球数を合算した球数をRAM233の記憶領域にトータル持球数として格納しておくことになる。カードユニット15側でトラブルがあっても、遊技機側で持球数と計数球数を合算した球数のデータをRAM233の記憶領域にトータル持球数として格納しておけば、照合などにより、トラブルに対処可能だからである。
【0303】
次いで、ステップH365で計数球数を「0」クリアする。これは、遊技機(ここでは払出制御装置230)では「持球数+計数球数」をトータル持球数として計数球数も含めて遊技者の保有している持球数を全て算出し、それをトータル持球数コマンドとしてカードユニット15へ送り、遊技機側では前述のトータル持球数として持球数を格納したので、計数球数をクリアしても差し支えないので、そのようにするものである。
次いで、ステップH366で精算書込完了監視タイマのタイマ初期値(例えば、2秒)をセットする。精算書込完了監視タイマはカードユニット15からの応答にタイムアウトを設けるためのタイマである。次いで、ステップH367で精算制御処理番号に精算書込完了監視処理番号をセットした後、リターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算書込完了監視処理のルーチンに移行することになる。
【0304】
以上説明した精算開始監視処理によれば、全ての精算可能条件が成立していると、精算可能フラグがセットされ、この状態で操作表示装置7の画面上の返却ボタン304が押されると、精算が開始する。一方、精算可能条件が一つでも成立していないと、精算可能フラグはクリアされ、この状態で返却ボタン304をオン操作しても精算は開始されない。ここで、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306(また、表示装置41を含めてもよい)に精算不能であることなどが表示する構成としてもよい。なお、上述のように精算許可能条件が設定されていることによって、不用意な精算開始の操作によって制御処理が適正に機能しなくなるなどの不具合を防止することができる。
【0305】
〔精算書込完了監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算書込完了監視処理H333を
図46により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH371で精算書込完了監視タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップH372で同タイマが「0」になったか否かを判定する。精算書込完了監視タイマが「0」になっていなければ、ステップH373に進み、カードユニット15から精算書込完了を受信したか否かを判定する。精算書込完了の受信は、カードユニット15から例えば精算書込完了コマンドを受信したか否かで判定する。カードユニット15から精算書込完了を受信していなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、ステップH373でカードユニット15から精算書込完了を受信したと判定すると、ステップH374に抜けてトータル持球数を「0」クリアする。これは、カードユニット15側で精算書込を完了(つまり、遊技カードに全てのトータル持球数を記録完了)して遊技カードに記録が保持されたので、トータル持球数を「0」クリアしても差し支えないからである。
次いで、ステップH375で精算制御処理番号に精算終了監視処理番号をセットしてリターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算終了監視処理のルーチンに移行することになる。
【0306】
一方、ステップH372で精算書込完了監視タイマが「0」になっていた場合には、精算書込完了監視タイマでカウントする所定時間内にカードユニット15から精算書込完了を受信できていないことになるので、ステップH376に分岐して精算書込失敗フラグをセットする。次いで、ステップH377でトータル持球数を表示用持球数にする。これは、カードユニット15で遊技カードに全てのトータル持球数を記録することに失敗したと推測されるので、トータル持球数を一旦表示用持球数に戻すものである。
ただし、この時点では正式な持球数とせず、見た目の証拠用に持球数として持球数表示器40に表示することとする。その後、店員が精算に関する確認作業(カードユニット15や遊技カードを含む各部の点検、確認等)をして精算処理を一旦解除することで、トータル持球数を持球数として正式に復帰させ、持球数表示器40に表示させるようにする。
【0307】
次いで、ステップH378で精算書込失敗時のコマンドを遊技制御装置54(主基板)に送信する。精算書込失敗時のコマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では精算書込失敗時のコマンドを受けて表示装置41に精算失敗であることなどを表示する制御を行うことになる。
次いで、ステップH379で精算制御処理番号に精算開始監視処理番号をセットしてリターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算開始監視処理のルーチンに移行することになる。
【0308】
〔精算終了監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算終了監視処理H334を
図47により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH381でカードユニット15からのカード抜取コマンドを受信済みか判定し、受信済みであればステップH382乃至H383を実行した後にリターンし、受信済みでなければステップH382以降を実行しないでリターンする。カード抜取コマンドは、遊技カードが抜き取られるとカードユニット15から送信されるコマンドである。この精算カード抜取コマンドは、平文による通信である第1通信方式(通信方式1)で送信される。
【0309】
また、ステップH382では持球数表示タイマに初期値を設定し、ステップH383では精算制御処理番号に精算開始監視処理番号をセットする。
ここで、持球数表示タイマは、タイムアップした時点で持球数表示器40での持球数の後述する点滅表示が終了される構成となっている(後述する
図59のステップH534参照)。持球数表示タイマに初期値を設定するのは、遊技カードをカードユニット15から排出した後も少しの間(同タイマの初期値)だけ、持球数表示器40のLEDに精算した持球数を点滅表示するための準備を行うためである。
【0310】
〔休憩開始監視処理〕
次に、前記休憩制御処理における休憩開始監視処理H342を
図48により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH391乃至H396で休憩ができる条件(休憩許可条件)が成立しているか判定する処理を行い、一つでも休憩許可条件が成立していない場合にはステップH398で休憩スイッチ有効フラグをクリアした後にステップH399に進み、休憩許可条件が全て成立している場合にはステップH397で休憩スイッチ有効フラグをセットした後にステップH399に進む。つまり、休憩が許可される状態であると休憩スイッチ有効フラグがセットされる。なお、休憩スイッチ有効フラグがセットされると、図示省略した処理によって、休憩スイッチ312に内蔵のLEDが点灯する制御が実行され、遊技者に休憩が可能であることが報知される。また逆に、休憩スイッチ有効フラグがクリアされると、この休憩スイッチ312に内蔵のLEDは消灯され、休憩不能であることが遊技者に報知される。
【0311】
ここで、休憩許可条件には次の6個の条件がある。即ち、精算処理中でないこと(ステップH391で判定)、エラー発生中でないこと(ステップH392で判定)、盤面球数がゼロで盤面に球がないこと(ステップH393で判定)、タッチセンサ174がオンしていないこと(ステップH394で判定)、持球数がある(1個以上ある)こと(ステップH395で判定)、及び客待ちデモ中であること(ステップH396で判定)がある。ここで、精算処理中であるか否かの判定は、例えば前述のステップH275と同様に行えばよい。また、エラー発生中か否かの判定は、例えば前述のステップH271及びステップH277乃至H282と同様に行えばよい。
【0312】
ステップH399では、休憩スイッチ312がオン操作されたか判定し、オン操作されたならばステップH400に進み、オン操作されていない場合はリターンする。ステップH400では、前述の休憩スイッチ有効フラグがオンか否か(即ち、セットされているか否か)判定し、オンならば休憩開始すべくステップH401に進み、オンでないならばステップH404に進む。ステップH404では、遊技制御装置54(主基板)に休憩操作無効コマンドを送信し、その後リターンする。休憩操作無効コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では休憩操作無効コマンドを受けて、例えば表示装置41に休憩不能であることなどを表示する制御を行うことになる。
なお、休憩操作無効コマンドを休憩不能の理由(ステップH391乃至H396の各条件のうち、どの条件が成立していないのか)毎に異なるデータを含むものとし、このコマンドを遊技制御装置54(主基板)を経由して受信した演出制御装置53が、さらに休憩不能の理由も表示装置41に表示する構成としてもよい。
【0313】
一方、ステップH401に進むと、休憩スイッチ有効フラグをクリアし、次いでステップH402で休憩を開始すべくカードユニット15に休憩要求コマンドを送信し、次にステップH403で休憩制御処理番号に2(休憩開始ACK監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここで、休憩要求コマンドは、平文による通信である第1通信方式(通信方式1)で送信される。
【0314】
以上説明した休憩開始監視処理によれば、全ての休憩許可条件が成立していると、休憩スイッチ有効フラグがセットされ、この状態で休憩スイッチ312がオン操作されると休憩開始のための処理(ステップH402、H403)が実行される。休憩許可条件が一つでも成立していないと、休憩スイッチ有効フラグはクリアされ、この状態で休憩スイッチ312をオン操作しても休憩開始のための処理は実行されないで、表示装置41に休憩不能であることなどが表示される。
【0315】
なお、上述のように休憩許可条件が設定されていることによって、不用意な休憩開始の操作によって制御処理が適正に機能しなくなるなどの不具合を防止することができる。特にステップH395の条件によれば、持球数が無いと休憩が開始できないため、持球数が無いのにパチンコ台を他人が使用できないように確保するなどの休憩機能の悪用ができなくなるという利点がある。というのは、休憩中の台に他の遊技者が遊技カードを挿入しても、返却されて使用できないようになっているため、この休憩機能は、パチンコ台を他人が使用できないように確保することに使えることになるが、本例では持球数が無い場合はこのようなことができない構成となっている。また本例では、長時間休憩のままにしているなどの悪質な遊技者(或いは休憩していたことを忘れて帰ってしまった遊技者)が居る場合には、スタッフカードを使って休憩を強制解除できる構成になっており、このような悪質な休憩の利用等は店員がいつでも阻止できるようになっている。また、ステップH395の条件は持球数が規定数以上あるか否かを条件としてもよく、そのようにすることで少量の持球数でパチンコ台を確保することを防止することができる。
【0316】
〔休憩開始ACK監視処理〕
次に、前記休憩制御処理における休憩開始ACK監視処理H343を
図49により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH411で前述のステップH353やH392と同様にエラー発生中か判定し、エラー発生中であればステップH416に進み、エラー発生中でなければステップH412に進む。ステップH412では、カードユニット15からの休憩開始ACK受信タイムアウトか否か判定し、タイムアウトならばステップH416に進み、タイムアウトしていない場合にはステップH413に進む。なお、例えば前述のステップH402で休憩要求コマンドを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、カードユニット15からの休憩開始ACK(休憩要求コマンドに対する応答信号)が受信されないまま、この経過時間が規定時間を超えると、ステップH412で休憩開始ACK受信タイムアウトと判定される。
【0317】
ステップH413に進むと、カードユニット15から休憩開始ACKを受信済みか判定し、受信済みであればステップH414及びH415を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければステップH414以降を実行しないでリターンする。ステップH414では遊技制御装置54(主基板)に休憩開始コマンドを送信し、ステップH415では休憩制御処理番号に3(休憩終了監視処理の番号)をセットする。休憩開始コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では例えば「休憩中です」といった表示を表示装置41で行う制御を実行する。なお、払出制御装置230は、休憩開始ACKを受信すると、休憩スイッチ312の操作ボタン部分が内蔵されたLED等の発光源の点灯によって発光する制御を実行し、この休憩スイッチ312の発光によっても休憩中であることを報知するようにしてもよい。
【0318】
一方、ステップH416に進むと、カードユニット15に休憩操作取消コマンドを送信し、次いでステップH417で遊技制御装置54(主基板)に休憩操作取消コマンドを送信し、次のステップH418で休憩制御処理番号に1(休憩開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここで、カードユニット15への休憩操作取消コマンドは、平文による通信である第1通信方式(通信方式1)で送信される。また、休憩操作取消コマンドを受信したカードユニット15は、休憩のための処理を中止する構成となっている。同様に、休憩操作取消コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では休憩のための処理を中止する構成となっている。
【0319】
〔休憩終了監視処理〕
次に、前記休憩制御処理における休憩終了監視処理H344を
図50により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS421で、カードユニット15からの休憩強制解除コマンドを受信済みか否か判定し、受信済みならばステップH426に進み、受信済みでないならばステップH422に進む。なお、休憩強制解除コマンドは、前述したように、スタッフカードがカードユニット15に挿入されると通信方式1で送信される。
【0320】
ステップH422に進むと、カードユニット15から休憩解除コマンドを受信済みか判定し、受信済みであればステップH423乃至H425を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければステップH423以降を実行しないでリターンする。なお、この休憩解除コマンドは、休憩開始前に使用されていた遊技カードがカードユニット15に挿入されると、平文による通信である第1通信方式(通信方式1)でカードユニット15から払出制御装置230へ送信されるコマンドである。
【0321】
ステップH423ではカードユニット15に休憩解除ACK(休憩解除コマンドに対する応答信号)を通信方式1で送信し、ステップH424では遊技制御装置54(主基板)に休憩解除コマンドを送信し、ステップH425では休憩制御処理番号に1(休憩開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。なお、休憩解除コマンドを受信した遊技制御装置54(主基板)は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では休憩のための処理を終了させる構成となっている。
一方、ステップH426に進むと、カードユニット15に休憩強制解除ACK(休憩強制解除コマンドに対する応答信号)を通信方式1で送信し、次いでステップH427で強制精算要求フラグをセットし、次にステップH425を実行した後にリターンする。
なお、強制精算要求フラグは図示省略しているが、遊技者が休憩の規定時間内に戻って来ない場合に、休憩を強制解除し、強制精算を行う処理で使用する。
【0322】
〔カードユニット受信解析処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるカードユニット受信解析処理H83を
図51により説明する。
このルーチンが開始されると、カードユニット受信解析処理1(ステップH431)、カードユニット受信解析処理2(ステップH432)が順次実行され、その後リターンする。
カードユニット受信解析処理1は、通信方式1でカードユニット15から送信される情報の解析処理であり、カードユニット受信解析処理2は、通信方式2でカードユニット15から送信される情報の解析処理である。
【0323】
〔カードユニット受信解析処理1〕
次に、前記カードユニット受信解析処理1H431を
図52により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH441でシリアル受信バッファ(カードユニット15との間でシリアル通信を行うための受信バッファ)にデータがあるか判定し、あればステップH442に進み、無ければリターンする。ステップH442に進むと、前記シリアル受信バッファのデータを受信データとして読み込み、次いでステップH443では、この受信データが貸球数/貯球使用数コマンドであるか判定し、貸球数/貯球使用数コマンドであればステップH449に進み、貸球数/貯球使用数コマンドでなければステップH444に進む。
【0324】
貸球数/貯球使用数コマンドは、カードユニット15の図示省略した制御処理により、球貸ボタン303が押されることによってカードユニット15から送信されるコマンドである。カードユニット15では、送信した貸球数/貯球使用数コマンド(球貸し情報)に対応する値だけ、遊技カードに記録されている球貸度数又は貯球数を減額更新する処理を行う構成となっている。
そしてステップH449では、貸球数/貯球使用数コマンドに対応する数を持球数に加算する加算処理を実行し、その後リターンする。このステップH449の加算処理は、遊技カードに記録された球貸度数又は貯球数(有価価値情報)のデータがカードユニット15において減額更新されることに対応して、パチンコ機1(払出制御装置230)における持球数(遊技価値)のデータ(RAM233に記憶している持球数のデータ)を増加させる球貸加算処理を構成する。この球貸加算処理は、封入球式でないパチンコ機の場合であれば、貸球としての遊技球を上皿に排出する貸球払出処理に対応するものである。
【0325】
ステップH444に進むと、前記受信データが休憩開始ACKであるか判定し、休憩開始ACKであればステップH450に進み、休憩開始ACKでなければステップH445に進む。ステップH450では、休憩開始ACK受信済みフラグをセットし、その後リターンする。休憩開始ACK受信済みフラグは、前述のステップH413の判定で使用される。
ステップH445に進むと、前記受信データが休憩強制解除コマンドであるか判定し、休憩強制解除コマンドであればステップH451に進み、休憩強制解除コマンドでなければステップH446に進む。ステップH451では、休憩強制解除コマンド受信済みフラグをセットし、その後リターンする。休憩強制解除コマンド受信済みフラグは、前述のステップH421の判定で使用される。
【0326】
ステップH446に進むと、前記受信データが休憩解除コマンドであるか判定し、休憩解除コマンドであればステップH452に進み、休憩解除コマンドでなければステップH447に進む。ステップH452では、休憩解除コマンド受信済みフラグをセットし、その後リターンする。休憩解除コマンド受信済みフラグは、前述のステップH422の判定で使用される。
ステップH447に進むと、前記受信データが精算書込完了ACKであるか判定し、精算書込完了ACKであればステップH453に進み、精算書込完了ACKでなければステップH448に進む。ステップH453では、精算書込完了ACK受信済みフラグをセットし、その後リターンする。精算書込完了ACK受信済みフラグは、前述のステップH373の判定で使用される。
ステップH448に進むと、前記受信データが精算カード抜取コマンドであるか判定し、精算カード抜取コマンドであればステップH454に進み、精算カード抜取コマンドでなければリターンする。ステップH454では、精算カード抜取コマンド受信済みフラグをセットし、その後リターンする。精算カード抜取コマンド受信済みフラグは、前述のステップH381の判定で使用される。
【0327】
〔カードユニット受信解析処理2〕
次に、前記カードユニット受信解析処理2H432を
図53により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH461で、シリアル受信バッファ(カードユニット15との間でシリアル通信を行うための受信バッファ)にデータがあるか判定し、あればステップH462に進み、無ければリターンする。
ステップH462に進むと、前記シリアル受信バッファのデータを受信データとして読み込み、次いでステップH463では、この受信データが会員カードIDであるか判定し、会員カードIDであればステップH467に進み、会員カードIDでなければステップH464に進む。
ステップH464に進むと、前記受信データがビジターカードIDであるか判定し、ビジターカードIDであればステップH467に進み、ビジターカードIDでなければステップH465に進む。
ステップH465に進むと、前記受信データがスタッフ(休憩解除)カードIDであるか判定し、スタッフカードIDであればステップH467に進み、スタッフカードIDでなければステップH466に進む。
【0328】
ステップH467に進むと、カードユニット15にカードIDACKを送信し、その後リターンする。このカードIDACKのカードユニット15への送信は、払出制御装置230で暗号化し、カードユニット15側で復号化できる第2通信方式(通信方式2)で行われる。
一方、ステップH466に進むと、前記受信データが遊技機IDACK(遊技機IDの送信に対するカードユニット15からの応答信号)であるか判定し、遊技機IDACKであればステップH468に進み、遊技機IDACKでなければリターンする。ステップH468では、遊技機IDACK受信済みフラグをセットして、その後リターンする。なお、図示省略しているが、遊技機IDACKは、例えば遊技機IDを受信した直後に送信される。
【0329】
〔定期コマンド送信処理〕
次に、前記タイマ割込処理における定期コマンド送信処理H84を
図54により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH471で定期送信制御タイマが「0」であるか否かを判定する。これは、払出制御装置230は第1カードユニット接続端子板52Aを介してカードユニット15と接続されており、払出制御装置230からカードユニット15に対して封入球遊技における各種情報(例えば、持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば、400ms)毎に送られ、カードユニット15では払出制御装置230からの各種情報に基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部306に遊技者の持球数(遊技価値)や計数球数を表示したりする構成になっているので、上記所定間隔(例えば、400ms)をカウントするものとして定期送信制御タイマを使用しているものである。
定期送信制御タイマが「0」であれば、ステップH472に進んで定期送信制御タイマにタイマ初期値(例えば、400ms)をセットし、続くステップH473で持球数を基にカードユニット15への持球数コマンドを設定し、送信する。これにより、持球数コマンドがカードユニット15へ送信される。カードユニット15では払出制御装置230からの持球数コマンドに基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部306に遊技者の持球数を表示することが可能になる。
【0330】
次いで、ステップH474で持球数を基に遊技制御装置54(主基板)への持球数コマンドを設定し、送信する。これにより、持球数コマンドが遊技制御装置54へ送信される。持球数コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では持球数コマンドに基づき装飾持球表示装置250を装飾制御して多数のLEDを用いて持球数の装飾表示が行われることになる。
次いで、ステップH475で計数球数を基にカードユニット15への計数球数コマンドを設定し、送信する。これにより、計数球数コマンドがカードユニット15へ送信される。カードユニット15では払出制御装置230からの計数球数コマンドに基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部306に遊技者の計数球数を表示することになる。
【0331】
次いで、ステップH476で計数球数を基に遊技制御装置54(主基板)への計数球数コマンドを設定し、送信する。これにより、計数球数コマンドが遊技制御装置54へ送信される。計数球数コマンドを受信した遊技制御装置54は演出制御装置53に同コマンドを送り、演出制御装置53では計数球数コマンドに基づき装飾持球表示装置250を装飾制御して多数のLEDを用いて計数球数の装飾表示が行われることになる。
次いで、ステップH477で各種情報を基にカードユニット15への遊技機情報コマンドを設定し、送信する。これにより、遊技機情報コマンドがカードユニット15へ送信される。カードユニット15では払出制御装置230からの遊技機情報コマンドに基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部306に遊技機(パチンコ機1)の各種情報を表示したり、各種情報をホールコンピュータ86へ送信することになる。ステップH477を経ると、リターンする。
【0332】
一方、上記ステップH471で定期送信制御タイマが「0」でなければ、ステップH478に分岐し、定期送信制御タイマを(−1)更新し、リターンする。そして、ルーチンを繰り返し、ステップH471でYESの判定になると、ステップH472乃至ステップH477の処理を実行する。
このように、払出制御装置230からカードユニット15や遊技制御装置54(主基板)に対して封入球遊技における各種情報(例えば、持球数、計数球数を含む各種情報)が定期送信制御タイマによってカウントされる所定間隔(例えば、400ms)毎に送られ、上述のようにカードユニット15の制御により操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に遊技者の持球数(遊技価値)や計数球数を表示したり、遊技制御装置54を経由したコマンドに基づき演出制御装置53の制御により装飾持球表示装置250の装飾が行われることになる。
【0333】
〔外部情報編集処理(払出)〕
次に、前記タイマ割込処理における外部情報編集処理H85を
図55により説明する。
このルーチンが開始されると、遊技機ID信号編集処理(ステップH481)、セキュリティ信号編集処理(ステップH482)、枠開放信号編集処理(ステップH483)、休憩信号編集処理(ステップH484)、アウト信号編集処理(ステップH485)、賞球数信号編集処理(ステップH486)を順次実行し、その後リターンする。
ここで、ステップH481は、カードユニット15(或いは、さらにホールコンピュータ86)へ遊技機ID信号を出力するための処理である。また、ステップH482乃至H486は、ホールコンピュータ86又は試射試験端子234を介して試験装置へ、その他の各種信号を出力するための処理である。なお、ステップH481、482については、遊技制御装置54においても同様の処理が行われる。
【0334】
〔遊技機ID信号編集処理(払出)〕
次に、前記外部情報編集処理における遊技機ID信号編集処理H481を
図56により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップH491でカードユニット15(或いは、さらにホールコンピュータ86)に対するシリアル通信中か判定し、シリアル通信中であればリターンし、シリアル通信中でなければステップH492に進む。これは、払出制御装置230と遊技機IDの送信先(カードユニット15)との間で、シリアル通信が実行中かどうかをチェックするものである。シリアル通信中であれば、今回は遊技機IDを出力することはできないので、ルーチンを終了してリターンする。
一方、シリアル通信中でなければステップH492に進んで、遊技機ID信号の出力要求フラグがセットされているかチェックする。
【0335】
ここで、遊技機ID信号の出力要求フラグは、以下のようなパチンコ機1の状態を示す信号(払出制御装置230からカードユニット15やホールコンピュータ86などの外部装置に出力される信号)の発生時に対応してそれぞれ独立にセットされる。
「電源投入時のセキュリティ信号」(電源投入時に1パルス出力される信号)
「枠開放信号」(ガラス枠や前面枠の開放時に出力される信号)
これは、払出制御装置230自身でチェックしている枠開放(エラー)が発生した時にセットされる。
「大当り1信号」(特
図1が大当りになったときに出力される信号)
これは、遊技制御装置54から送信されてくる大当り状態の情報を受信した時にセットされる。
ここで、遊技機ID信号の出力要求フラグは、上記「枠開放信号」や「大当り1信号」等の期間の開始時に1回だけ送信されるようにするためのフラグである(つまり、期間中ずっと遊技機ID送信を繰り返す必要はないため)。また、上記期間の開始時とは限らず、例えば枠開放が終了した時に遊技機IDが送信されるように、閉鎖した時にフラグをセットする構成にしてもよい。
なお、複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応する。この場合に、一度に全部の要求フラグをクリアすることはない。
【0336】
さて、ステップH492で遊技機ID信号の出力要求フラグがセットされているかのチェックを行うと、そのチェック結果に基づき出力要求フラグがあればステップH493に進んで遊技機ID信号の出力要求フラグをクリアする。これは、既に遊技機ID信号の出力要求フラグがセットされて、遊技機IDを出力するための処理を行う(ステップH494にて)ことができるから、上記出力要求フラグをクリアするものである。なお、遊技機ID信号の出力要求フラグは、遊技機IDを外部装置に出力すべきタイミング(遊技機IDの出力契機)において、各処理で設定される。遊技機IDを外部へ出力するのは、例えば遊技制御装置54が改造、或いは交換されて不正な遊技を行われるおそれがあるので、正規な遊技機IDであるかどうかを外部装置(例えば、カードユニット15や外部管理装置91)にて確認するためである。したがって、不正された場合に可能性の高い電源投入時、枠開放時、大当り時等のタイミングで遊技機IDを出力するようにしている。
次いで、ステップH494で遊技機ID出力処理(後述する)を行った後、リターンする。これにより、遊技機IDの出力が行われて、シリアル送信バッファに書き込まれることになる。一方、ステップH492で出力要求フラグがなければ、ステップH493、H494をジャンプしてリターンする。したがって、この場合は遊技機IDの出力は行われない。なお、シリアル送信バッファは、CPU231を構成するICチップに設けられたシリアル通信回路内の送信バッファである。
また、遊技機IDの出力契機としては、例えば前述したように、電源投入時、枠開放時、大当り時があるが、その時々に応じて遊技機IDを出力する信号のデータ長が異なる。例えば、遊技機IDの内容としては、電源投入時は全てのコード(チップコード、メーカコード、及び製品コード)を含んだものを送信するが、枠開放時及び大当り時はチップコードのみを送信する。なお、電源投入時には遊技制御装置54と払出制御装置230の両方の遊技機IDを出力し、枠開放時及び大当り時には遊技制御装置54の遊技機IDのみを出力するようにしてもよい。これは、営業中には遊技制御装置54を不正される可能性はあるが、払出制御装置230までを不正される可能性は低いためである。
また、遊技機IDの出力先は基本的にカードユニット15であるが、ホールコンピュータ86でもよい(但し、実施例とは異なるが、ホールコンピュータ86とも接続する構成とする)。
【0337】
〔遊技機ID出力処理〕
次に、前記遊技機ID信号編集処理における遊技機ID出力処理H494を
図57により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップH501でスタートコードをシリアル送信バッファに書き込む。スタートコードは、シリアル通信の開始であることを受け側であるカードユニット15等に特定させるためのコードである。次いで、ステップH502で主制御チップのチップ識別コードをシリアル送信バッファに書き込む。
主制御チップとは、遊技制御装置54(主基板)のCPU111のことである。「○○識別コード」とは、これからどの情報(コード)を送信するかを示すコードであり、固体に対してユニークなものでなく、共通のコードである。このコードを書き込んだ後、対応する個のユニークな情報を書き込むこととなる。
【0338】
次いで、ステップH503で主制御チップのチップコード(チップID)を読み出し、シリアル送信バッファに書き込む。これは、遊技制御装置54(主基板)の遊技機ID(主基板固有ID)を読み出すもので、具体的には、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111を構成するICチップの個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出すものである。そして、読み出したチップコード(チップID)をシリアル送信バッファに書き込むものである。これにより、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111のチップコード(チップID)が取得されてカードユニット15等に出力されることになる。
次いで、ステップH504で主制御チップのメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップH505で主制御チップのメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)を読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップH506で主制御チップの型式識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップH507で主制御チップの型式コード(機種名に関するコード)を読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップH508に進む。これにより、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111のメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)及び型式コード(機種名に関するコード)が取得されてカードユニット15等に出力されることになる。
【0339】
ステップH508に進むと、払出制御チップのチップ識別コードをシリアル送信バッファに書き込む。払出制御チップとは、払出制御装置230(払出基板)のCPU231のことである。
次いで、ステップH509で払出制御チップのチップコード(チップID)を読み出し、シリアル送信バッファに書き込む。これは、払出制御装置230(払出基板)の遊技機ID(払出基板固有ID)を読み出すもので、具体的には、払出制御装置230(払出基板)におけるCPU231を構成するICチップの個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出すものである。そして、読み出したチップコード(チップID)をシリアル送信バッファに書き込むものである。これにより、払出制御装置230(払出基板)におけるCPU231のチップコード(チップID)が取得されてカードユニット15等に出力されることになる。
次いで、ステップH510で払出制御チップのメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップH511で払出制御チップのメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)を読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップH512で払出制御チップの型式識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップH513で払出制御チップの型式コード(当該払出制御装置を特定するコード)を読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、リターンする。これにより、払出制御装置230(払出基板)におけるCPU231のメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)及び型式コード(当該払出制御装置を特定するコード)が取得されてカードユニット15等に出力されることになる。
【0340】
なお、少なくともカードユニット15に遊技機IDが送信される場合には、既述したように第2通信方式(通信方式2)で送信されるため、遊技機IDを構成する各コードデータは、この通信方式2に対応した暗号化が為された上でシリアル送信バッファに書き込まれる。
また本実施例では、電源投入時のセキュリティ信号、枠開放信号、大当り1信号の発生時には、遊技機IDとして遊技制御装置54のチップコード(主基板固有ID)及び払出制御装置230のチップコード(払出基板固有ID)に加えて、メーカコードや型式コードも出力する態様であるので、メーカコードや型式コードを含めた細かな情報まで使用してセキュリティを高めることができる。
また、この電源投入時の場合、例えば、メーカコード、型式コード、チップコードの順番でシリアル送信される。
また、各識別コードには、各コードのデータの種類とデータ長が分かる情報が含まれている。
さらに、
図57に示すフローチャートでは、出力タイミングに出力されるコードは全て同じものとしているが、タイミングによって出力するコードが異なる場合、識別コードがないと、何のコードが出力されたのかが判別し難いため、このように識別コードを含めた構成として区別が容易になっている(例えば、いきなりコードが出力されても、そのコードが主制御チップのものなのか、払出制御チップのものなのか、あるいはチップコードなのか、メーカコードなのか等の判別が困難となる)。
【0341】
〔LED編集処理(払出)〕
次に、前記タイマ割込処理におけるLED編集処理H86を
図58により説明する。
このルーチンが開始されると、エラー表示LED編集処理(ステップH521)、持球数LED編集処理(ステップH522)、計数スイッチLED編集処理(ステップH523)、計数球数LED編集処理(ステップH524)、休憩スイッチ有効状態LED編集処理(ステップH525)が順次実行され、その後リターンする。
【0342】
ここで、エラー表示LED編集処理では、払出制御装置230の裏側に配置されたエラー表示LED67を所定のエラー発生時に点灯又は点滅させるための表示データの設定が実行される。
持球数LED編集処理では、持球数表示器40で各種表示を行うための表示データの設定が実行される(詳細後述する)。
【0343】
計数スイッチLED編集処理では、計数スイッチ311に内蔵のLEDで各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
計数球数LED編集処理では、計数球表示器313で各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
休憩スイッチ有効表示LED編集処理では、休憩スイッチ312に内蔵のLEDで各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
【0344】
なお、休憩スイッチ有効表示LED編集処理では、例えば、次のような表示動作が実現される構成となっている。
即ち、前述の休憩開始監視処理(
図48)で説明した休憩許可条件が成立していると、休憩スイッチ312に内蔵のLEDが点灯し、休憩が可能であることが報知される。また、休憩中は休憩スイッチ312に内蔵のLEDのみが点滅して、計数スイッチ311と休憩スイッチ312の押し間違いが分かるように点灯する。
【0345】
〔持球数LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理における持球数LED編集処理を
図59により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH531でカードユニット未接続エラーが発生中であるか判定し、発生中ならばステップH538に進み、発生中でなければステップH532に進む。このカードユニット未接続エラーの判定は、前述したステップH271と同様に、例えばカードユニット接続確認フラグに基づいて行われる。
【0346】
ステップH532に進むと、封入系スイッチ異常エラーが発生中か判定し、発生中ならばステップH538に進み、発生中でなければステップH533に進む。封入系スイッチ異常エラーは、封入系スイッチ(発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163、封入球数検出スイッチ164,165)についてのスイッチ異常である。
ステップH538では、持球数表示器40によって封入系スイッチ異常エラー或いはカードユニット未接続エラーを報知する表示を行うための表示データを設定し、リターンする。
【0347】
ステップH533に進むと、精算中(精算中又は遊技カード抜取待ち中を含む)であるか判定し、精算中ならばステップH539に進み、精算中でなければステップH534に進む。精算中であるか否かの判定は、例えば前述のステップH391やH275と同様に行えばよい。
ステップH539では、持球数表示器40によって持球数を点滅表示させるための表示データ(持球数表示点滅データ)を設定して、リターンする。
一方、ステップH534に進むと、持球数表示タイマの値がゼロでないか判定し、ゼロでない場合(タイムアップしていない場合)にはステップH540に進み、ゼロである場合(タイムアップしている場合)にはステップH535に進む。持球数表示タイマは、前述のステップH382(
図47)で精算終了時に設定されるタイマである。
ステップH534で持球数表示タイマの値がゼロでない(タイムアップしていない)と判定してステップH540に進むと、ステップH540で持球数表示器40によって持球数を点滅表示させるための持球数表示点滅データを設定し、続くステップH541で持球数表示タイマを「−1」更新(デクリメント)する。これにより、持球数表示タイマがカウントされていく。次いで、ステップH542で持球数表示タイマの値がゼロになったか否かを判定し、ゼロになっていなければリターンしてルーチンを繰り返す。そして、持球数表示タイマの値がゼロ(カウントアップ)になれば、ステップH543に進んで表示用持球数をクリアした後、ステップH537に進んで、後述のように持球数表示器40でデモ表示を行うためのデモ表示データを設定し、その後、リターンする。
これらステップH533、H534、H539及びステップH540乃至ステップH543の処理により、返却ボタン304が押されて精算処理が開始されてから遊技カードが抜き取られて持球数表示タイマがカウントアップするまでの間、持球数表示器40において持球数が点滅表示される。
【0348】
一方、H535に進むと、休憩中か判定し判定し、休憩中ならばステップH544に進み、休憩中でなければステップH536に進む。休憩中か否かの判定は、例えば前述のステップH351やH276と同様に行えばよい。
ステップH544では、持球数表示器40で休憩中であることを報知する表示を行うための休憩表示データを設定し、リターンする。
【0349】
ステップH536に進むと、遊技中(遊技者が着席中)か判定し、遊技中ならばステップH545に進み、遊技中でなければステップH537に進む。遊技中か否かの判定は、カードユニット15に遊技カードが挿してあれば遊技中と判定し、挿してなければ遊技中でないと判定することにより行う。
ステップH545では、持球数表示データ設定処理を行い、その後、リターンする。これは、持球数を持球数表示器40に表示するための処理を行うもので、詳細は後述する。
またステップH537では、持球数表示器40でデモ表示を行うためのデモ表示データを設定し、リターンする。
【0350】
本ルーチンによれば、遊技中は基本的に持球数表示器40において持球数の表示が為されるが、カードユニット未接続エラー又は封入系スイッチ異常エラーが生じるとそれを示すエラー表示が、精算中は精算中であることを示す表示が、休憩中は休憩中であることを示す表示が、それぞれ、持球数表示器40において実行される。そして、これら何れの状態でもない場合には、持球数表示器40ではデモ表示が実行される。本実施例では、このように持球数表示器40での表示についてのデータ設定処理を、持球数表示以外の表示についても全て本ルーチンで一括処理している。このため、処理が簡素化されコスト低減できる効果がある。
【0351】
〔持球数表示データ設定処理〕
次に、前記持球数LED編集処理のステップH545における持球数表示データ設定処理を
図60により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH551で持球数表示更新タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」更新(デクリメント)し、ステップH552で持球数表示更新タイマが「0」であるか否かを判定する。これは、持球数表示更新タイマは後述のステップH557にて初期値(例えば、300ms)に設定されるので、その初期値から「−1」更新(デクリメント)してきて、同タイマが「0」になったかを判定するものである。
【0352】
ステップH552の判定結果がYESのときは、続くステップH553に進み、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しいか否かを判定する。これは、持球数を格納している持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えたかを判断するものである。ステップH553の判定結果がNOのときは、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しくなく、持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えていないと判断して、ステップH554に進む。
次いで、ステップH554で持球数表示リードカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、続いてステップH555で持球数表示リードカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域から今回の更新数をロードする。次いで、ステップH556では、ステップH555にてロードした更新数を表示用持球数に加えて今回の表示用持球数に更新する。すなわち、「表示用持球数+更新数」を今回の表示用持球数に更新する。
【0353】
次いで、ステップH557で持球数表示更新タイマ初期値(例えば、300ms)を持球数表示更新タイマ領域にセーブする。ここでの初期値としては、例えば、300msが設定される。
ここでの初期値=300mは、持球数表示器40(遊技価値表示手段)が遊技者の持球数を表示する場合における持球数の更新の間隔(所定期間(0.3秒)の間隔)に相当する。
これは、内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していくが、これに対して持球数表示器40における持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御するからである。
すなわち、払出制御装置230は持球数に対して発射した球の減算、賞球数の加算、ファール球の加算は、遊技プログラムに基づく処理で行うことにより、RAM233については持球数のリアルタイム的な変化を記憶していくように制御するが、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御する。
【0354】
次いで、ステップH558に進み、ステップH556で更新した表示用持球数に対応するLED表示データを設定する。これは、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な持球数表示器40のLEDに表示するデータを設定するものである。そのため、表示するLEDが6個あれば、6桁分のデータを設定する。
続いてステップH559では、ステップH558にて設定した表示用持球数に対応するLED表示データを持球数出力データ領域にセーブし、その後、リターンする。
これにより、持球数表示器40に今回の持球数(更新された持球数のこと)が表示されることになる。
一方、ステップH552で持球数表示更新タイマが「0」でない場合には、ステップH558にジャンプして、ステップH558、ステップH559を順次実行してリターンする。したがって、このときは持球数表示器40により前回の持球数の表示が継続する。
【0355】
上記ステップH553に戻って、ステップH553の判定結果がYESのときは、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しくなり、持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えたと判断して、ステップH560に分岐し、ステップH560で今回の持球数を表示用持球数に更新した後、ステップH557に進み、ステップH557以降の処理を実行する。
なお、ステップH560の処理を行う際には、持球数についての表示データと内部データにズレが出ないようにするため、加算するデータ(加算する持球数データ)がないときは、定期的に内部の持球数に合わせる処理を行う。
【0356】
〔計数球数LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理(払出)のステップH524における計数球数LED編集処理を
図61により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH571で計数球数が「0」であるか否かを判定し、計数球数が「0」でなければ、ステップH572に進んで計数球数LEDのオンデータを設定し、その後、リターンする。これにより、計数球表示器313が点灯することになる。
一方、ステップH571で計数球数が「0」であれば、ステップH573に進んで計数球数LEDのオフデータを設定し、その後、リターンする。これにより、計数球表示器313が消灯することになる。
このように、計数球数の有無に応じて計数球表示器313が点灯・消灯し、遊技者に対して計数球の有無を報知するとともに、計数球使用スイッチ314を使用して計数球数から持球数への移動が可能かどうかを報知することが行われる。ここで、計数球表示器313はその点灯・消灯により遊技者に対して計数球数に関する簡易表示を行い、計数球数の詳細については、カードユニット15が管理する操作表示装置7にて表示する。なお、計数球表示器については、LED数個(例えば6個)で構成し、おおよその計数球数を報知するようにしてもよい。
【0357】
〔研磨装置制御処理(払出)〕
次に、上述のタイマ割込み処理における研磨装置制御処理H87を
図62により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップH581で研磨開始フラグがセットされているか否かを判定する。研磨開始フラグは払出制御装置230におけるプログラム起動時の初期化処理において設定される。したがって、特に遊技機(パチンコ機1)の電源供給開始時に設定されるのが通常である。研磨開始コマンドは封入球の研磨の開始を指示するコマンドである。
ステップH581で研磨開始フラグがセットされていれば、ステップH582に進み、研磨開始フラグがセットされていなければ、ステップH587にジャンプする。
ステップH582に進むと、研磨開始フラグをクリアする。これは、研磨開始フラグがセットされると、払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に研磨開始コマンドが送られ、演出制御装置53では研磨開始コマンドを受けると、研磨制御装置59を制御して研磨装置56により封入球の研磨が開始されるようになるので、研磨開始フラグをクリアしておくものである。
【0358】
ステップH582を経ると、続くステップH583で研磨中フラグをセットする。研磨中フラグは払出制御装置230においても封入球の研磨中であることを把握しておくためと、遊技制御装置54に封入球の研磨中であることを知らせるものである。
次いで、ステップH584で研磨中タイマに初期値を設定する。研磨中タイマは研磨期間をカウントするためのもので、研磨期間を表すタイマとしての機能を有する。この場合、研磨中タイマの初期値としては、例えば10分間に対応する値が設定される。したがって、パチンコ機1への電源供給開始から研磨中タイマの初期値(例えば、10分間)で設定された期間(研磨期間)だけ封入球の研磨が行われることになる。
次いで、ステップH585で研磨開始コマンドを準備し、ステップH586で主制御コマンド設定処理を行う。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へシリアル通信でコマンドを送信するためのコマンドの設定を行うものである(詳細は後述)。これにより、研磨開始コマンドがシリアル通信で遊技制御装置54へ送られることになる。
【0359】
ステップH586を経ると、ステップH587へ進む。また、前述したように、ステップH581で研磨開始フラグがセットされていない場合にも、ステップH587にジャンプする。
ステップH587では、研磨中タイマが「0」でなければ、(−1)更新する。これにより、研磨中タイマがカウントダウンしていく。次いで、ステップH588で研磨中タイマが「0」であるか否かを判定し、「0」でなければリターンしてルーチンを繰り返す。そして、研磨中タイマが「0」になると、ステップH588からステップH589に抜けて、研磨中フラグがセットされているか否かを判定する。研磨中フラグがセットされていれば、ステップH590に進んで研磨中フラグをクリアする。一方、ステップH589で研磨中フラグがセットされていないと判定すると、リターンする。
ステップH590で研磨中フラグをクリアした後は、続いてステップH591で研磨終了コマンドを準備し、続くステップH592で主制御コマンド設定処理を行う。研磨終了コマンドは封入球の研磨の終了を指示するコマンドである。前述したように、主制御コマンド設定処理は払出制御装置230から遊技制御装置54へコマンドをシリアル通信で送信するためのコマンドの設定を行うものである。
これにより、研磨終了コマンドがシリアル通信で遊技制御装置54へ送られることになる。
このように、パチンコ機1(遊技機)の電源供給開始時に研磨開始コマンドがセットされて封入球の研磨の開始が指示され、研磨中タイマの初期値(例えば、10分間)で設定された期間(研磨期間)だけ封入球の研磨が行われた後、研磨終了コマンドにより封入球の研磨の終了が指示される。
本実施例では、研磨開始コマンドにより研磨装置56の作動が所定期間行われ、研磨終了コマンドにより演出制御装置53における研磨中の表示が終了する。なお、研磨開始コマンドにより研磨装置56の作動を開始し、研磨終了コマンドにより研磨装置56の作動を終了させるようにしてもよい。
【0360】
〔主制御コマンド設定処理〕
次に、上述の研磨装置制御処理における主制御コマンド設定処理H586、H592を
図63により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップH601で主制御コマンド(MODE)を主制御用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230におけるCPU231のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、主制御コマンド(MODE)が払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信されることになる。
次いで、ステップH602で主制御用シリアル送信バッファステータスを読み出し、ステップH603で送信中(主制御コマンド(MODE)の送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ステップH606にジャンプする。一方、送信中でなければ(ステップH603の判定がNO)、ステップH604に進み、送信回路を初期化する。次いで、ステップH605に進み、主制御コマンド(MODE)を主制御用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、ステップH606に進む。
ここで、本フローチャートの場合、主制御コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
【0361】
ステップH606に進むと、主制御コマンド(ACTION)を主制御用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230におけるCPU231のシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、主制御コマンド(ACTION)が払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信されることになる。
次いで、ステップH607で主制御用シリアル送信バッファステータスを読み出し、ステップH608で送信中(主制御コマンド(ACTION)の送信中)であるか否かを判定し、送信中であれば、ルーチンを終了してリターンする。そして、送信中でなければ(ステップH608の判定がNO)、ステップH609に進み、送信回路を初期化する。次いで、ステップH610に進み、主制御コマンド(ACTION)を主制御用シリアル送信バッファスに再書き込みし、その後、リターンする。
このようにして、払出制御装置230から遊技制御装置54へシリアル通信で主制御コマンド(MODE)及び主制御コマンド(ACTION)が送信される。遊技制御装置54では、これらの各コマンドを受けて
図22に示すフローチャートの処理により、演出コマンド(MODE)及び演出コマンド(ACTION)を演出制御装置53へ送信し、演出制御装置53ではこれらの各コマンドを受けて表示装置41の画面等で演出制御を行い、また研磨制御装置59への指示を行う。シリアル通信は、払出制御装置230におけるCPU231のシリアル通信機能を用いて行うので、構成が簡単という利点がある。
【0362】
次に、演出制御装置53の制御内容について、
図64により説明する。
ここで、演出制御装置53のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップP」を用いて説明する。
〔研磨装置制御処理(演出制御)〕
まず、
図64により、演出制御装置53の研磨装置制御処理(演出制御)を説明する。
研磨装置制御処理は、定期的に繰り返されるタイマ割込み処理によって実行されるもので、その内容は遊技制御装置54からのコマンドを受けて研磨装置56の作動を制御するものである。
なお、研磨装置制御処理はタイマ割込み処理に限らず、例えば演出制御装置53のメイン処理において描画フレーム周期(例えば、33.3ms)で実行されるループ処理内から呼び出す形式で実行される構成であってもよい。
このルーチンが開始されると、まずステップP1で封入球の研磨中であるか否かを判定する。これは、後述の研磨中フラグ(ステップP4参照)により判定する。すなわち、研磨中フラグがセットされていれば(ステップP4参照)研磨中と判定する。
ステップP1で封入球の研磨中でないと判定すると、ステップP2へ進み、研磨開始フラグがセットされているか否かを判定する。これは、遊技制御装置54から送信されてくるコマンドを解析して判定し、例えば、遊技制御装置54から研磨開始コマンドを受信した場合には、演出制御装置53で研磨開始フラグをセットする構成になっているので、それに基づいて判定する。そのため、演出制御装置53が遊技制御装置54から研磨開始コマンドを受信していた場合には、演出制御装置53にて研磨開始フラグがセットされ、ステップP2の判定がYESとなる。
【0363】
ステップP2で研磨開始フラグがセットされていれば、ステップP3へ進み、研磨開始フラグをクリアする。これは、ステップP2で研磨開始フラグを確認したので、同じルーチンを繰り返さないために研磨開始フラグをクリアしておくものである。一方、ステップP2で研磨開始フラグがセットされていなければ、リターンする。
ステップP3を経ると、ステップP4へ進み、研磨中フラグをセットする。研磨中フラグは演出制御装置53においても封入球の研磨中であることを把握しておくためである。
次いで、ステップP5で「研磨中」の表示開始設定を行う。これにより、表示装置41に「研磨中」という演出が表示されることになる。次いで、ステップP6で研磨開始コマンドを準備し、続くステップP7で研磨装置コマンド送信処理を行う。これにより、研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されて研磨装置56による封入球の研磨が開始される。ステップP7を経るとリターンする。
なお、研磨制御装置59のフローチャートは後述する(
図65参照)。
また、本フローチャートでは研磨制御装置59に対して封入球の研磨開始の指示のみを出し、研磨制御装置59では演出制御装置53から送られる研磨開始の指示から所定期間だけ封入球の研磨処理を行う。
【0364】
次に、ステップP1で封入球の研磨中であると判定すると、ステップP8へ分岐し、研磨終了フラグがセットされているか否かを判定する。これは、遊技制御装置54から送信されてくるコマンドを解析して判定する。例えば、遊技制御装置54から研磨終了コマンドを受信して解析し、研磨終了コマンドであると解析すると、研磨終了フラグが設定されるので、その場合にはステップP8の判定結果がYESとなる。一方、遊技制御装置54から研磨終了コマンドを未だ受信していない場合には、研磨終了フラグが設定されず、その場合にはステップP8の判定結果がNOとなる。
ステップP8で研磨終了フラグがセットされていなければ、ルーチンを終了してリターンする。一方、ステップP8で研磨終了フラグがセットされていれば、ステップP9に進み、研磨終了フラグをクリアする。これは、ステップP8で研磨終了フラグを確認したので、同じルーチンを繰り返さないために、研磨終了フラグをクリアしておくものである。
ステップP9を経ると、ステップP10へ進み、研磨中フラグをクリアする。研磨中フラグは演出制御装置53において封入球の研磨中であることを把握しておくためのものであるが、研磨終了フラグがセットされたので、封入球の研磨中であることの認識が不要になるので、研磨中フラグをクリアするものである。
次いで、ステップP11で「研磨中」の表示終了設定を行う。これにより、表示装置41に「研磨中」という演出が表示されていたのが終了することになる。ステップP11を経るとリターンする。
【0365】
このように、
図64に示すフローチャートでは、遊技制御装置54から研磨開始コマンドを受信した場合に演出制御装置53で研磨開始フラグをセットし、研磨開始コマンドを研磨制御装置59に送信することで、封入球の研磨が開始される。この場合、研磨制御装置59では演出制御装置53から送られる研磨開始コマンドに基づいて封入球の研磨を開始し、研磨開始の指示から所定期間だけ封入球の研磨を行うように研磨装置56を制御する。
そして、封入球の研磨中は、演出制御装置53の制御により表示装置41に「研磨中」という演出が表示されて、店員等に報知される。
研磨開始から所定期間が経過すると、研磨制御装置59の指示により研磨装置56による封入球の研磨が終了する。
このとき、遊技制御装置54から研磨終了コマンドを受信した場合に、演出制御装置53では研磨終了フラグをセットし、研磨終了コマンドに基づき表示装置41に「研磨中」という演出が表示していたのを終了させる。また、本例では遊技制御装置54からの研磨終了コマンドは、表示装置41に「研磨中」という演出を表示していたのを終了させるために使用される。封入球の研磨の終了は、あくまでも研磨制御装置59の判断で行われ、研磨開始から所定期間が経過した時点で、研磨制御装置59は研磨装置56に対して研磨の終了を指示する。そのため、遊技制御装置54からの研磨終了コマンドが無くても封入球の研磨は終了するようになっている。したがって、封入球の研磨終了の制御に関しては、遊技制御装置54からの研磨終了コマンドは無くてもよい。
なお、遊技制御装置54からの研磨開始コマンドにより封入球の研磨を開始し、研磨終了コマンドにより封入球の研磨を終了させる構成でもよい。
【0366】
〔研磨制御処理〕
次に、研磨制御装置59の制御内容について、
図65により説明する。
ここで、研磨制御装置59のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップP」を用いて説明する
このルーチンが開始されると、ステップP21で研磨開始指示があるか否かを判定する。これは、演出制御装置53から研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されてきたか否かで判断する。すなわち、演出制御装置53から研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されてきたならば、ステップP21の判定がYESとなってステップP22以降の処理を実行する。一方、演出制御装置53から研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されてこなければ、ステップP21に留まり、研磨開始コマンドの受信を待つ。
そして、演出制御装置53から研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されてきたならば、ステップP21からステップP22に進む。
【0367】
ステップP22に進むと、所定時間T0のウエイトを置く。所定時間T0のウエイトを置くのは、封入球の研磨を開始するまでの準備期間を考慮したものである。したがって、所定時間T0が経過した後に、封入球の研磨が開始することになる。
そのため、ステップP22を経ると、続くステップP23に進み、切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」に切り替える。これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sが球送り流路78の一部をスライドさせて研磨誘導口80aを開口させ、センサ流路77や球送り流路78に存在する封入球を重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動させ、研磨流入誘導路80を介して研磨装置56に導き、封入球が研磨装置56に流入開始する。この場合は後述のステップP25を実行することで、封入球が研磨装置56を通過して研磨されるルートを循環することになる。
【0368】
次いで、ステップP24で所定時間T1をカウントするT1タイマを起動する。ここでの所定時間T1とは、切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」に切り替えて、封入球を研磨装置56に流入させて球の研磨を実行している期間に相当するものである。所定時間T1は、パチンコ機1に封入されている封入球の全てを十分に研磨できて、当日の稼働(例えば、当日の1日分の稼働)に十分な通用する磨き程度に対応している。
次いで、ステップP25に進み、研磨モータ70を起動する。これにより、研磨装置56へ流入した球は研磨モータ70の動力により揚送スクリュー73で揚送されつつ、内部に配置された研磨部材74により研磨されて、上部出口75から研磨出口スイッチ76を介して排出され、封入球の研磨が順次行われることになる。
次いで、ステップP26で所定時間T1が経過したか否かを判定する。これは、所定時間T1をカウントしているT1タイマが所定時間T1までカウントアップしたかどうかで判断する。所定時間T1が経過していなければ、ステップP29にジャンプして研磨出口スイッチ76からの入力(すなわち、研磨出口スイッチ76が上部出口75から排出される球を検出した信号)が研磨制御装置59にあるか否かを判定する。これは、研磨出口スイッチ76が上部出口75からセンサ流路77に排出される球を検出しているかどうかを判断するものである。ここでは、研磨出口スイッチ76が一定時間以上、上部出口75からの球の排出を検出しないと研磨装置56における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置56の研磨モータ70が回り続けるのを回避するために、ステップP29の判定を行う。なお、研磨出口スイッチ76が一定時間以上、上部出口75からの球の排出を検出しない場合には、後述のステップP32でT3タイマがタイムアップを判定し、タイムアップしたときはステップP33に抜けて研磨モータ70を停止させてルーチンを終了することになる。これにより、研磨装置56における球詰まり等の異常時に、研磨モータ70を停止させることができ、研磨モータ70の異常加熱等を防止する。
【0369】
ステップP29で研磨出口スイッチ76からの入力があれば、研磨装置56における球詰まり等の異常は無いと判断してステップP30に進む。ステップP30では、所定時間T3をカウントするT3タイマをリセット起動する。ここでの所定時間T3とは、研磨モータ70の起動中に研磨出口スイッチ76が最後にオンしてから、研磨モータ70を停止させるまでの期間に相当するものである。所定時間T3は、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後、研磨流入誘導路80にある一つの球が球磨きされて研磨出口スイッチ76を通過するのに十分な期間に対応している。したがって、所定時間T3を設けることで、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されてから、研磨モータ70を停止することになる。そのためにステップP30では、T3タイマを初期値=0に戻した上で、起動させるものである。
なお、ステップP30では研磨出口スイッチ76からの入力がある度に、T3タイマを毎回、初期値に戻してリセット起動して、カウント開始する。
【0370】
ステップP30を経ると、次いで、ステップP31でT2タイマは起動済みであるか否かを判定する。ここでの所定時間T2とは、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後、研磨モータ70を停止させるまでの期間に相当している。したがって、所定時間T2を設けることで、切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」から「通常側」に切り替えた後、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されてから、研磨モータ70を停止することになる。そのためにステップP31では、T2タイマが起動済みかを判断している。
ステップP31でT2タイマを起動済みでなければ、ステップP26に戻ってル−プを繰り返す。したがって、上述したように切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」に切り替えて、封入球を研磨装置56に流入させて球の研磨を実行している間は、ステップP26、ステップP29、ステップP30、ステップP31のル−プを繰り返して研磨装置56により球の研磨が継続される。そして、所定時間T1が経過すると、十分に封入球の研磨が行われたと判断してステップP26の判定結果がYESとなって、ステップP27に進む。
【0371】
ステップP27に進むと、切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」から「通常側」に切り替える。これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sがオフし、切替弁59はスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口80aを閉鎖させる位置に変位させる。したがって、球送り流路78に存在する封入球は研磨誘導口80aが閉鎖されたため、下方の研磨流入誘導路80に移動せず、封入球が研磨装置56に流入しなくなる。
次いで、ステップP28に進み、T2タイマを起動する。T2タイマは前述したように、所定期間T2をカウントするもので、この期間T2は切替弁79の切替ソレノイド79Sを「研磨側」から「通常側」に切り替えた後、研磨流入誘導路80及び研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されるまでの期間を考慮したものになっている。次いで、ステップP29に進み、研磨出口スイッチ76からの入力があるか否かを判定する。T2タイマを起動して暫くは、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が排出されるので、球が排出されている間はステップP29の判定結果がYESとなり、ステップP30に進むことになる。ステップP30ではT3タイマをリセット起動した後、ステップP31に進み、T2タイマは起動済みであるか否かを判定する。このケースでは、T2タイマは起動済みであるので、ステップP32に進み、T2タイマ、T3タイマが共にタイムアップか否かを判定する。T2タイマ、T3タイマが共にタイムアップしていなければ、ステップP26に戻ってル−プを繰り返す。なお、ステップP32ではT3タイマが起動していない場合もタイムアップとみなす。普通に(つまり、異常なく)研磨装置56が作動していれば、研磨出口スイッチ76からの入力があるので、ステップP30で必ずT3タイマは起動する。一方、研磨装置56における球詰まり等の異常があれば、研磨出口スイッチ76からの入力がなくなるので、その場合は後述のようにステップP33で研磨モータ70を停止させることになる。
【0372】
そして、ル−プの繰り返しにより、ステップP32でT2タイマ、T3タイマが共にタイムアップしたならば、ステップP32の判定結果がYESとなって、ステップP33に進む。なお、この場合のル−プの繰り返し時に、ステップP29の判定で研磨出口スイッチ76からの入力が無ければ、ステップP29の判定結果がNOとなり、ステップP30をジャンプしてステップP31に進むことになる。
ステップP32からステップP33に進むと、ステップP33で研磨モータ70を停止してルーチンを終了する。これにより、研磨装置56の作動が停止する。
また、ステップP29で研磨出口スイッチ76からの入力が無いと判定され、この状態が一定時間続くと、ステップP32でT3タイマがタイムアップしたと判定し、タイムアップしたときはステップP33に抜けて研磨モータ70を停止させてルーチンを終了する。これにより、研磨装置56における球詰まり等の異常時に、研磨モータ70を停止させて、研磨モータ70の異常加熱等を防止する。
【0373】
このように、演出制御装置53から研磨制御装置59に研磨開始コマンドが送信されてきたときは、所定時間T0のウエイトの後、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」に切り替えられて、研磨モータ70が起動し、研磨装置56により封入球の研磨が開始される。その後、所定時間T1が経過すると、十分に封入球の研磨が行われたと判断して、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられ、続いて研磨出口スイッチ76オンより所定期間T3が経過していることを確認し、かつ所定期間T2が経過すると、研磨モータ70が停止する。
したがって、パチンコ機1の電源投入時に、所定時間T1だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて封入球が研磨装置56によって研磨される。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置56を介さずに循環することになる。
また、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230は単に研磨開始コマンドや研磨停止コマンドを演出制御装置53に出すだけで、演出制御装置53の管理の下で研磨制御装置59(研磨装置56も含む)の制御が行われるから、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
【0374】
次に、カードユニット15の制御内容について、
図66乃至
図69により説明する。
ここで、カードユニット15のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップA」を用いて説明する。
〔操作表示装置編集処理〕
まず、
図66により、カードユニット15の操作表示装置編集処理を説明する。
図66はカードユニット15のカードユニット操作表示装置制御処理を示すフローチャートである。このルーチンは、カードユニット15の管理の下で操作表示装置7の各種制御を行う処理であり、所定間隔毎に繰り返して実行される。
このルーチンが開始されると、まずステップA1で共通表示エリアの基本表示データを設定する。これは、操作表示装置7における各種ボタン(球貸ボタン303や返却ボタン304等)やメッセージ・操作領域部306を含む全体の液晶表示部分における共通表示エリアのボタン配置やボタンの大きさ、メッセージ・操作領域部306の画面など全体に共通する表示データを予め設定するものである。
【0375】
次いで、ステップA2で球単価情報に対応する球単価表示データを設定する。これは、カードユニット15から遊技球を貸し出す際の球貸レート(つまり、球単価)を表示する際のデータを設定するもので、本実施例では1玉4円又は1玉1円のどちらのレートでも球貸しが可能になっているので、例えば1球を4円で貸し出すときは、「球貸:1玉4円」という表示をするためのデータを設定する。
次いで、ステップA3で遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)がカードユニット15に挿入(詳しくは、カード投入口201に挿入)されているか否かを判定する。遊技カードが挿入されていれば、ステップA4で「貯球・再プレイ」ボタン有効時の表示データを設定する。これは、操作表示装置7に配置される貯球・再プレイボタン305を有効にして表示するためのデータを設定するものである。これにより、遊技者がカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入し、メッセージ・操作領域部306の画面にて当該会員の暗証番号を入力する操作を経た後、貯球・再プレイボタン305を押せば、会員カードを使用して遊技者が獲得した球の貯球をしたり、会員カードに貯球している球を使用して再プレイすることが可能になる。
【0376】
次いで、ステップA5で「返却」ボタン有効時の表示データを設定する。これは、操作表示装置7に配置される返却ボタン304を有効にして表示するためのデータを設定するものである。これにより、遊技を開始する前に遊技者が遊技カードを返却させることを望む場合には返却ボタン304を押せば、遊技カードが返却されることになる。また、返却ボタン304は遊技者が持球数の精算を望む場合に使用される。
次いで、ステップA6で残金額情報に対応する金額表示データを設定する。これは、挿入されている遊技カードの残り度数(残金額情報)に対応した金額を表示するためのデータを設定するものである。例えば、遊技カードの残り度数が10であれば、1度数=100円の計算で、金額として1000円を表示するためのデータを設定することになる。
【0377】
次いで、ステップA7に進み、遊技カードの残金額情報(残り度数)が球貸し可能額以上であるか否かを判定し、残金額情報が球貸し可能額以上であれば、ステップA8で「球貸」ボタン有効時の表示データを設定する。これは、操作表示装置7に配置される球貸ボタン303を有効にして表示するためのデータを設定するものである。これにより、遊技者が球貸ボタン303を押せば、遊技カードの残り度数(残金額情報)の範囲内で球貸しが行われることになる。
次いで、ステップA9で表示モードは持球数表示であるか否かを判定する。これは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に持球数や計数球数の詳細(持球数や計数球に関する説明や持球数のアナログ表示等も含む)を表示するモードであるかどうかを判定するものである。計数球がある場合や遊技者が持球数のアナログ表示(玉箱を模した表示)を選択した場合は、ステップA9の判定結果がYESとなり、持球数がない場合、計数球がない場合や遊技者が持球数のアナログ表示を選択していない場合はNOとなる。
【0378】
ステップA9で表示モードが持球数表示でなければ、判定結果がNOとなり、ステップA11に進み、遊技中デモ表示の表示データを設定する。これは、表示モードとして持球数や計数球数に関する表示が選択されていないので、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に通常遊技時のメッセージ(例えば、登場するキャラクタの説明メッセージ、あるいは遊技ゲームの進行メッセージ)などを表示するためのデータを設定するものである。
次いで、ステップA12に進み、液晶表示制御処理を行う。これは、上記各ステップで各種表示データを設定したので、これらの表示データに対応して液晶表示器で構成される操作表示装置7に実際に各種画面(ボタン画面を含む)を表示したり、各種ボタンが押された場合の制御処理等を行うものである。ステップA12を経ると、リターンする。
【0379】
次に、上記各ステップの判定で、上述した場合とは別のルートに分岐する場合について説明する。
まず、ステップA3で遊技カードがカードユニット15に挿入されていないと判定したときは、ステップA13に分岐し、ステップA13で「貯球・再プレイ」ボタン無効時の表示データを設定する。これにより、操作表示装置7に配置される貯球・再プレイボタン305が表示されないことになる。
ステップA13を経ると、続いてステップA14で「返却」ボタン無効時の表示データを設定する。これにより、操作表示装置7に配置される返却ボタン304が表示されないことになる。次いで、ステップA15で「球貸」ボタン無効時の表示データを設定する。これにより、操作表示装置7に配置される球貸ボタン303が表示されないことになる。次いで、ステップA16で客待ちメッセージの表示データを設定する。これは、球貸ボタン303等が無効に設定されており、遊技開始の状態ではないので、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に客待ちメッセージとして、例えば、「いらっしゃいませ」等のメッセージを表示するためのデータを設定するものである。
ステップA16を経ると、リターンする。
【0380】
一方、ステップA7で遊技カードの残金額情報(残り度数)が球貸し可能額未満であるかと判定した場合には、ステップA17に分岐し、「球貸」ボタン無効時の表示データを設定する。これにより、操作表示装置7に配置される球貸ボタン303が表示されないことになり、遊技者に対する球貸しは行われなくなる。なお、、この時には残金額(残り度数)が不足である旨を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306部に表示するようにしてもよい。ステップA17を経ると、ステップA9に進む。
一方、ステップA9で表示モードが持球数表示であると判定した場合、例えば計数球がある場合や遊技者が持球数のアナログ表示(玉箱を模した表示)を選択した場合には、ステップA9の判定結果がYESとなり、このときはステップA18に分岐し、ステップA18の処理を行う。ステップA18では持球数に対応する表示データを設定する。これは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に持球数を表示(例えば、玉箱を摸したアナログ表示、球数を表す数字、持球数の説明等を含む)するためのデータを設定するものである。ステップA18を経ると、続くステップA19に進み、計数球数に対応する表示データを設定する。これは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に計数球数を表示(例えば、玉箱を摸したアナログ表示、球数を表す数字、計数球の説明等を含む)するためのデータを設定するものである。ステップA19を経ると、ステップA12を実行した後、リターンする。
このようにして、カードユニット15の管理の下で操作表示装置7の各種制御を行う処理が実行される。
【0381】
〔返却ボタン監視処理〕
図67はカードユニット15の返却ボタン監視処理を示すフローチャートである
このルーチンが開始されると、まずステップA31で精算処理中であるか否かを判定し、精算処理中であればリターンする。一方、精算処理中でなければ、ステップA32に進み、返却ボタン304が押されたか否かを判定する。ステップA32で返却ボタン304が押されていなければリターンし、返却ボタン304が押されていれば、ステップA33に進み、精算可能状態か否かを判定する。これは、前述した払出制御装置230から送信される遊技機情報コマンドを用いて判定する。
ステップA33で精算可能状態でなければリターンし、精算可能状態であれば、ステップA34に進み、払出制御装置230への精算指示フラグをセットする。これは、返却ボタン304が押され、かつ精算可能状態であることから、払出制御装置230に対する指示として精算を開始するための精算指示フラグをセットするものである。
すなわち、ステップA34は払出制御装置230へのコマンド設定を行うためのもので、この精算指示フラグをチェックして、カードユニット15では指示コマンドを設定する。
ステップS34を経ると、ステップA35に進み、精算処理中フラグをセットする。精算処理中フラグは精算処理中であることを表すフラグであり、前述のステップA31や後述の精算処理のルーチン等で使用される。ステップA35を経ると、リターンする。
【0382】
〔精算処理〕
図68はカードユニット15の精算処理を示すフローチャートである
このルーチンが開始されると、まずステップA41で精算処理中であるか否かを判定する。これは、精算処理中フラグに基づいて判断する。精算処理中フラグがセットされていれば、精算処理中であると判定し、ステップA42へ進む。一方、精算処理中フラグがセットされていなければ、精算処理中でないと判定してリターンする。
ステップA42へ進むと、払出制御装置230から全持球数の情報を受信完了したか否かを判定する。これは、払出制御装置230からトータル持球数(持球数+計数球数)情報を受信したどうかを判定するものである。
【0383】
ステップA42で払出制御装置230から全持球数の情報を受信完了していなければ、リターンしてルーチンを繰り返す、そして、払出制御装置230から全持球数の情報を受信完了してと判定されると、ステップA42からステップA43に進み、トータル持球数(持球数+計数球数)を遊技カードに書き込む(遊技カードに記録する)。
ステップA43を経ると、続いてステップA44に進み、払出制御装置230への精算書込完了通知フラグをセットする。精算書込完了通知フラグは払出制御装置230に精算書込完了を知らせるもので、これを受けた払出制御装置230ではトータル持球数(持球数+計数球数)を「0」クリアする等の精算完了に対応する処理を行うことになる。
【0384】
次いで、ステップA45に進み、遊技カードをカード投入口201から排出する。次いで、ステップA46で遊技カードは抜き取られたか否かを判定する。これは、カード投入口201から排出された遊技カードが遊技者によって抜き取られたかどうかを判断するもので、遊技カードが抜き取られていなければ、ステップA46に留まり、遊技カードが遊技者によって抜き取られるのを待つ。そして、遊技カードが遊技者によって抜き取られたと判定すると、ステップA47に進み、払出制御装置230へのカード抜取完了通知フラグをセットする。カード抜取完了通知フラグは払出制御装置230に遊技カードがカードユニット15から抜き取られたことを知らせるもので、これを受けた払出制御装置230では持球数表示器40に少しの間だけ精算した持球数を点滅表示する等、精算終了に対応する処理を行うことになる。
次いで、ステップA48に進み、精算処理中フラグをクリアし、その後、リターンする。これにより、先のステップA35でセットされた精算処理中フラグがクリアされ、次の精算に備えられることになる。
このようにして、トータル持球数(持球数+計数球数)が遊技カードに記録されてカード投入口201から排出され、遊技者によって遊技カードが抜き取られて精算が終了する。
【0385】
〔遊技機ID照合処理〕
図69はカードユニット15の遊技機ID照合処理を示すフローチャートである
このルーチンが開始されると、まずステップA61で遊技機IDを受信したか否かを判定する。ここでは、パチンコ機1の電源投入時に払出制御装置230から出力される遊技機IDをカードユニット15が受信したかを判定する。
また、ここでの遊技機IDとは、遊技制御装置54(主基板)の遊技機ID(主基板固有ID)及び払出制御装置230(払出基板)の遊技機ID(払出基板固有ID)の双方の固有識別情報を含む概念である(以下、本フローチャートにおいて同様)。
カードユニット15が払出制御装置230から出力される遊技機IDを受信していれば、ステップA62に進んで、カードユニット15から外部管理装置91に遊技機IDを送信する。これは、パチンコ機1の電源投入時(例えば、遊技店の開店時)に遊技機ID(遊技制御装置54(主基板)の遊技機ID(主基板固有ID)及び払出制御装置230(払出基板)の遊技機ID(払出基板固有ID))をカードユニット15を経由して外部の第三者機関が管理する外部管理装置91に送信するようになっており、外部管理装置91では保管する正規の遊技機IDと照合(遊技機IDの正当性の判定のための照合)し、その照合結果(ID照合結果)をカードユニット15を経由してパチンコ機1に返信してくる構成になっているので、ステップA62で遊技機IDをカードユニット15を経由して外部の第三者機関が管理する外部管理装置91に送信するものである。
外部管理装置91では、保管する正規の遊技機IDと照合(遊技機IDの正当性の判定のための照合)し、その照合結果(ID照合結果)をカードユニット15に返信する。外部管理装置91は遊技店とは別の独立した第三者機関が管理するので、ID照合の正確性、公平性が担保される。
ステップA62を経ると、リターンする。
【0386】
一方、ステップA61で遊技機IDを受信していない状態のときは、NOに抜けてステップA63に分岐し、カードユニット15にて外部管理装置91から遊技機IDの照合結果を受信したか否かを判定する。ステップA61で遊技機IDを受信していない状態のときには、既に遊技機IDを受信しており、あとは外部管理装置91から遊技機IDの照合結果を待っている状態も含まれる。
ステップA63で遊技機IDの照合結果を受信していなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、遊技機IDの照合結果を受信したならば、ステップA64に進み、遊技機IDの照合結果がOKであるか否かを判定する。遊技機IDの照合結果がOKであれば、遊技制御装置54の固有識別情報(主基板ID:つまり遊技機ID)と、払出制御装置230の固有識別情報(払出基板ID:つまり遊技機ID)は正規のものであると判断し、ステップA65で遊技機(ここでは、払出制御装置230)に遊技機IDの照合結果がOKであるとの情報を送信する。払出制御装置230では、カードユニット15から遊技機IDの照合結果がOKであるとの情報を受信すると、遊技機IDの照合結果がOKに対応した処理を行う。具体的には、前述したように、ID照合結果OKをカードユニット15から受信したならば、夜間枠開放不正終了のコマンドを遊技制御装置54を経由して演出制御基板(演出制御装置53)に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41での夜間に前面枠4が開放されたという情報の表示を行っている場合は、これを終了させる。これにより、枠開放の報知をして店員に点検を促したものの、不正の可能性が低いと判断して枠開放の報知が終了することになる。なお、夜間枠開放不正報知中でなければ、ID照合結果OKの受信は不要であり、もとより表示装置41において夜間に前面枠4が開放されたという表示も行われない。
ステップA65を経ると、リターンする。
【0387】
一方、ステップA64で遊技機IDの照合結果がOKでなければ(つまり照合結果がNGであれば)、ステップA66に分岐し、ステップA66でカードユニットエラー処理を行う。遊技機IDの照合結果がOKでない状態とは、遊技制御装置54の固有識別情報(主基板ID)と、払出制御装置230の固有識別情報(払出基板ID)の何れか、あるいは双方が正規のものではないと判断されるので、不正の可能性が高いことになる。例えば、夜間に前面枠4が不正に開放されて遊技制御装置54(あるいは払出制御装置230)の基板が不正基板と交換された可能性が高い。そのため、ステップA66におけるカードユニットエラー処理では、カードユニットエラー報知LED203や操作表示装置7の画面にてエラー報知を行うとともに、球貸しや精算、遊技カードの受け入れ等の機能を停止する処理を行う。カードユニットエラー報知LED203や操作表示装置7の画面に表示されたエラー報知を見た店員は、パチンコ機1を点検する等の対応を取り、不正に対処することができる。
また、カードユニット15が球貸しや精算、遊技カードの受け入れ等の機能を停止する処理を行うことにより、パチンコ機1を稼働させずに済み、遊技店の被害を防止することができる。
ステップS66を経ると、リターンする。
なお、ステップA66におけるカードユニットエラー処理は、上述したような処理に限らず、不正を防止するために、その他の有効な処理を併用、あるいは単独で行う構成にしてもよい。
【0388】
次に、実施例1の動作について説明する。
まず、封入球の研磨制御の動作について説明する。
図70は、パチンコ機1の起動時における封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートを示している。
通常、遊技店では午後11時頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
いま、遊技店の開店にあたり、パチンコ機1が起動され、電源装置58が電源の供給を開始すると、払出制御装置230(払出基板)は電源投入時に遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置54(主基板)は払出制御装置230からの研磨開始コマンドを受信すると、タイミングt1で演出制御装置53へ研磨開始コマンド(
図70では単一パルスで示す)を送信する。演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置59へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。
一方、払出制御装置230は電源投入時に研磨開始コマンドを送信した時点では封入球の発射を停止し、
図70に示すように、球の発射不可となっている。球の発射不可は遊技制御装置54から演出制御装置53に研磨停止コマンドが送信されるまで継続する。
【0389】
研磨制御装置59は演出制御装置53から研磨指示を受けると、
図65に示すフローチャートにおけるステップP21の判定(研磨開始指示ありか)結果がYESとなってステップP22以降の処理が実行される。
次いで、タイミングt1から所定時間T0のウエイトが経過して、タイミングt2になると、
図70に示すように、切替弁79の切替ソレノイド79Sが封入球の循環経路を「通常側」から「研磨側」に切り替える。これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sが球送り流路78の一部をスライドさせて研磨誘導口80aを開口させ、センサ流路77や球送り流路78に存在する封入球を重力によって研磨誘導口80aを通して下方の研磨流入誘導路80に移動させ、研磨流入誘導路80を介して研磨装置56に導き、封入球が研磨装置56に流入開始する。
また、同じタイミングt2で研磨モータ70が起動(OFFからONになる)する。これにより、研磨装置56へ流入した球は研磨モータ70の動力により揚送スクリュー73で揚送されつつ、内部に配置された研磨部材74により研磨されて、上部出口75から研磨出口スイッチ76を介して排出され、封入球の研磨が順次行われる。
【0390】
一方、前述したように、演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置59へ研磨開始を指示する他に、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。これにより、表示装置41には
図71(a)に示すように、「封入球の研磨中です。お待ち下さい」というメッセージが表示され、店員等に報知される。また、
図71(a)に示すように、上記メッセージの下方には封入球の研磨の進行状況(ハッチング部分が研磨完了を表し、残りは研磨がまだの状態を表す)を示す進行表示SJが行われる。したがって、店員は封入球の研磨の進行状況を容易に把握することができる。
なお、封入球の研磨中や研磨の進行状況の報知は、表示装置41による表示演出に限らず、例えば表示装置41以外の装飾ランプ等で報知する構成にしてもよい。あるいは、音声や効果音で報知する構成であってもよい。
【0391】
研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間T1だけ研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
すなわち、封入球の研磨は、タイミングt2から所定時間T1が経過するまで実行される。その間、研磨出口スイッチ76により研磨装置56の上部出口75からセンサ流路77に排出される球が検出される。研磨出口スイッチ76は上部出口75からセンサ流路77に排出される球を1ケ宛て検出する度にOFFからONとなるので、
図70に示すようにパルス信号の形で研磨制御装置59に入力される。
研磨出口スイッチ76が一定時間以上、上部出口75からの球の排出を検出しない場合には、研磨装置56における球詰まり等の異常であるので、研磨モータ70を停止させることになり、研磨モータ70の異常加熱等を防止する。
図70は研磨出口スイッチ76が正常に上部出口75から排出される球を検出している場合を示している。
次いで、タイミングt2から所定時間T1が経過してタイミングt3になると、十分に封入球の研磨が行われたと判断して、切替弁79の切替ソレノイド79Sが封入球の循環経路を「研磨側」から「通常側」に切り替える。これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sがオフし、切替弁59はスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口80aを閉鎖させる位置に変位させ、球送り流路78に存在する封入球は研磨誘導口80aが閉鎖されたため、下方の研磨流入誘導路80に移動せず、封入球が研磨装置56に流入しなくなる。なお、この間も研磨モータ70は作動している。
【0392】
すなわち、タイミングt3が経過しても研磨モータ70は作動しており、これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後も研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されるまでの期間が確保される。
なお、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されると、研磨出口スイッチ76の検出信号がオフし、以後は、検出信号がオフのままになる。
次いで、タイミングt3から所定時間T2が経過してタイミングt4になると、研磨モータ70が作動を停止(OFF)する。タイミングt4は、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられてから所定期間T2が経過し、かつ研磨出口スイッチ76の検出信号が最後にオフしてから所定期間T3が経過した時点となる。このように、研磨出口スイッチ76の検出信号が最後にオフしてから所定期間T3が経過した時点(タイミングt4)で、研磨モータ70の作動を停止させることにより、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出された状態を確認した後に、研磨モータ70が停止することになり、研磨装置56に封入球を残さないようにできる。
【0393】
一方、払出制御装置230は所定期間T1+T2が経過するタイミングで遊技制御装置54へ研磨終了コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230から研磨終了コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨終了コマンド(
図70では単一パルスで示す)を送信する。演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨終了コマンドを受信すると、表示装置41の画面に研磨終了の表示をするように制御する。このタイミングはt4となる。
すなわち、タイミングt4になると、表示装置41には
図71(b)に示すように、「封入球の研磨が終了致しました」というメッセージが表示され、店員等に報知される。また、
図71(b)に示すように、上記メッセージの下方には封入球の研磨の進行状況を示す進行表示SJにより研磨が終了した状態の表示が行われる。ここでは、進行状況としてハッチング部分が研磨完了を表すように、進行表示SJの全てがハッチング表示となって、研磨が終了した状態の表示が行われる。したがって、店員は封入球の研磨が終了したことを容易に把握することができる。
【0394】
このように、パチンコ機1の電源投入時に、所定時間T1だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて研磨装置56により封入球の研磨が行われる。遊技球の研磨中は球の発射が停止され、遊技は行えない状態となる。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置56を介さずに循環することになる。
遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230は単に研磨開始コマンドや研磨停止コマンドを演出制御装置53に出すだけで、演出制御装置53の管理の下で研磨制御装置59(研磨装置56も含む)の制御が行われて封入球の研磨が実行されるから、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
また、本実施例ではパチンコ機1の稼働中に限らず、閉店して電源がオフになったときであっても、遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230は研磨開始コマンドを演出制御装置53に送信することはなく、演出制御装置53からも研磨制御装置59への封入球の研磨開始の指示はない。これは、例えば閉店後にバッテリ等で研磨装置により封入球の研磨を行うとした場合であっても、「サブ化」された研磨制御装置59に外部からの指示入力等が一切なく、内部のRTCの情報に基づいて研磨制御装置59の制御により研磨装置56を作動して封入球の研磨を行う構成にすればよく、このようにすると、同様に遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなるとともに、「サブ化」の効果も得られる。
さらに、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)は遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われず、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)が「サブ化」されている。したがって、サブ化されることで、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。
【0395】
次に、
図72は持球数及び計数球数の表示に関する操作表示装置7の動作例を示す図である。
図72の説明では遊技の進行において場面という概念を用いており、
図72に示す場面P1乃至場面P4は遊技進行中における操作表示装置7及び持球数表示器40の持球数表示、演出画面、ボタン画面等を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、
図72の場面P1は通常時における操作表示装置7及び持球数表示器40の動作を示している。すなわち、場面P1では操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている様子が示されているとともに、操作表示装置7の下方には持球数表示器40が配置されている。
また、
図72の場面P1では持球数表示器40の側方に計数スイッチ311、休憩スイッチ312、計数球使用スイッチ314、計数球表示器313が配置されている様子を示している。
なお、場面P2以降の説明では、上記の符号付けは煩雑になるので、略す。
【0396】
場面P1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「5000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「5000円」であることを知ることになる。また、操作表示装置7の下方に配置されている持球数表示器40には持球数として「6500」という数字がデジタルで表示されている。これにより、遊技者は現在の持球数が6500個であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「計数する場合は計数ボタンを押して下さい」のメッセージが表示されているとともに、このメッセージの下方には「持球数↓発射可能です」というメッセージが表示されて、遊技者に対して持球数に基づく遊技が可能であることを知らせている。これにより、遊技者は自分の持球数が6500個であり、その持球数を発射してパチンコ遊技ができることが分かる。
なお、場面P1の状態では計数球数は無く、計数球数の表示はない。そのため、計数球表示器313も点灯していない。
【0397】
次に、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数をすると、場面P2に移行する。場面P2は遊技者が計数スイッチ311を押して持球数6500個のうちから6000個を計数した場合を示している。したがって、持球数が500個残り、計数球数が6000個となっており、その状態は持球数表示器40に500個と表示され、メッセージ・操作領域部306にデジタルで「計数球6000個」という表示がされることで遊技者に報知される。また、メッセージ・操作領域部306にデジタルで表示されている計数球球(6000個)と同じ計数球数が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306において玉箱Tを摸した図形でアナログ表示される。なお、玉箱に付ける符号Tは、煩雑になるので、説明の都合上、必要と思わる場合に付けてある。
場面P2では、玉箱Tが4つ表示され、その4つの玉箱Tの中に6000個の計数球が存在することを摸した図形でアナログ表示されている。6000個の計数球であるから、4つの玉箱Tの全てに計数球が溜まっている様子の図形になっている。
また、
図72の場面P2では直接に示していないが、操作表示装置7に発射可能数(持球数)が存在することがメッセージにて表示される他、発射可能数(持球数)も操作表示装置7にデジタルで「持球数500個」というようにデジタル(数字)で表示がされるようになっている。
これにより、遊技者は計数スイッチ311を押という簡単な操作で、持球数を容易に計数して計数球に移動させることができ、便利である。また、持球数から移動させた計数球がメッセージ・操作領域部306に玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、計数球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。特に、メッセージ・操作領域部306は持球数表示器40よりも大きいので、より分かりやすく計数球数を把握できる。
また、場面P2に移行すると、計数球数が発生したので、計数球表示器313が点灯(LED点灯)する。これにより、遊技者は計数球表示器313を見ることで、計数球数が存在することを容易に確認できる。
【0398】
なお、メッセージ・操作領域部306に玉箱Tを摸した図形で球数をアナログ表示する場合、本実施例では以下のような表示態様にしている。
・玉箱満杯表示:球数=1500個
・玉箱半分位の表示:球数=750〜1500個未満
・玉箱に少しある表示:球数=750個未満
また、球貸し関係は常時表示しておくようになっており、そのため、球貸レート表示器301には「球貸:1玉4円」というレートが常時表示されている。また、残金額表示器302にも残金額(例えば、「5000円」)が常時表示されている。
【0399】
次いで、遊技者が持球数を発射して遊技を開始すると、場面P3に移る。
場面P3では、遊技者が持球数を発射して残りの持球数が30個になった状態を示している。このとき、持球数が30個残り、計数球数が6000個となっているから、場面P2の持球数500個から470個を発射して、残りの持球数が30個となった状態である。この状態は持球数表示器40に30個と表示され、メッセージ・操作領域部306にデジタルで「計数球6000個」という表示がされることで遊技者に報知される。
持球数の残りが30個と少ないので、メッセージ・操作領域部306には「計数球を使用する場合は、計数球数使用ボタンを押して下さい→1回につき100個持球数に移動します」というメッセージが表示される。これは、残りの持球数が少なくなったので、計数球数から持球数への移動が可能であることを報知するものである。
【0400】
次いで、場面P4に示すように、遊技者が計数球使用スイッチ314を押して計数球数から持球数への移動を選択すると、1回の操作で100個の計数球が持球数へ移動する。このとき、計数球使用スイッチ314は内蔵のLEDが点灯して、計数球使用スイッチ314が使用可能(つまり、計数球数から持球数への移動が可能)であることを報知する。
遊技者が計数球使用スイッチ314を1回操作すると、場面P4に示すように、100個の計数球が持球数へ移動した結果、持球数が130個となり、計数球数が5900個となるから、この状態は持球数表示器40に130個と表示され、メッセージ・操作領域部306にデジタルで「計数球100が持球数に移動しました」という表示がされることで遊技者に報知される。
【0401】
このように、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生した場合には、遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されるが、このとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押すと、持球数が計数されて計数球数になり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示(例えば、計数球数のデジタル表示(数字))されるとともに、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)表示される。計数球数が存在するようになると、計数球表示器313が点灯して知らせる。
この状態において、遊技者が計数球から持球数に戻したい場合には、計数球使用スイッチ314を押すことにより、計数球使用スイッチ314を1回操作すると、100個の計数球が持球数へ移動する。なお、計数球数が存在するときは計数球表示器313が点灯するので、それにより遊技者は分かる。また、計数球使用スイッチ314に内蔵の計数球使用スイッチLEDは計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯するので、これによっても遊技者は計数球数が存在することが分かる。なお、計数球から持球数に戻す場合とは、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念に相当する。
これにより、遊技者は移動した持球数を用いて再び遊技ができる。また、計数球から持球数への移動は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される。
したがって、遊技者は計数球使用スイッチ314を押すという簡単な操作で計数球から持球数に移動させることができ、便利である。また、持球数の説明や計数球数の表示及び使用説明はカードユニット15が管理する操作表示装置7で行うので、パチンコ機1の遊技制御装置54や払出制御装置230の負担が軽減され、効率がよい。
【0402】
次に、
図73を参照して装飾持球表示装置250の動作について説明する。
パチンコ機1の遊技中に持球数が発生すると、装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDによる装飾が行われる。
具体的には、
図73に示すように、装飾持球表示装置250は上部装飾持球表示装置250a、下部装飾持球表示装置250b及び計数装飾部250cに区分される構成であり、各部の装飾は以下のようにして行われる。
<上部装飾持球表示装置250a>
上部装飾持球表示装置250aは、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の上部側に配置されており、多数のLEDで構成されている。上部装飾持球表示装置250aは、例えば遊技者の持球数が0個のときは全LEDが消灯している。そして、球の発射遊技中は全LEDが移動点滅する。また、遊技者の持球数が100個以上のときは
図73に矢印で示すように、全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
図73の例は、遊技者の持球数が100個以上で、上部装飾持球表示装置250aの全LEDが点灯している様子を示している。これにより、遊技者は上部装飾持球表示装置250aにおける全LEDの点灯状態を見るだけで、およその持球数を瞬時に、かつ簡単に知ることができる。
特に、上部装飾持球表示装置250aは上皿のイメージで、操作表示装置7の上部側に配置されているから、発射可能な持球数の感覚にマッチして遊技者の遊技の興趣を高めることができる。
【0403】
<下部装飾持球表示装置250b>
下部装飾持球表示装置250bは、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の下部側(持球数表示器40よりも更に下側)に配置されており、多数のLEDで構成されて計数球数の量に合わせてLEDが点灯するようになっている。
すなわち、下部装飾持球表示装置250bは、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯している。そして、下部装飾持球表示装置250bでは計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。
例えば、
図73に示すように、下部装飾持球表示装置250bは全LEDが6段に積み重ねられたように構成され、持球数を計数した球が下部より順にLEDを点灯させながら、玉箱に溜まっていくイメージを出すようになっている。
図73の例は、計数球数が下部装飾持球表示装置250bの下部側より2段目のLEDの位置まで溜まり、
図73に矢印で示すように、それら2段目のLEDの列まで点灯している様子を示している。これにより、遊技者は下部装飾持球表示装置250bの全LEDがどの部分まで点灯しているかを見るだけで(すなわち、LEDの点灯数量により)、およその計数球数が瞬時に分かるという効果がある。
【0404】
<計数装飾部250c>
計数装飾部250cは、上部装飾持球表示装置250aと下部装飾持球表示装置250bを連結させるような部分に配置され、上部装飾持球表示装置250aから下部装飾持球表示装置250bに向けて持球数を計数した球が流れていくイメージを醸し出すようにデザインされている。このとき、遊技者が計数スイッチ311を操作した場合には、持球数を計数した球は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ向けて球が移動するように計数装飾部250cのLEDを移動点滅させるような装飾制御が行われる。したがって、遊技者はあたかも持球数が計数されて、上皿のイメージである上部装飾持球表示装置250aから玉箱のイメージである下部装飾持球表示装置250bに計数球が移動するような感覚を持つことができ、遊技を楽しくすることができる。
このように、装飾持球表示装置250における多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
なお、装飾持球表示装置250については上記のような装飾制御に限らず、例えば計数球数の数量に応じて点灯するLEDの色を変えたり、あるいは点灯から点滅に変えたりするような装飾制御を行ってもよい。また、装飾持球表示装置250は演出制御装置53により制御されるので、遊技制御装置54や払出制御装置230の負担が軽減され(持球数や計数球数を送信するだけでよい)、効率がよい。
【0405】
次に、実施例1の動作のうち、パチンコ機1の不正対策の動作について説明する。
実施例1では、パチンコ機1に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126が設けられており、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4が開放されたことを検出するセンサであり、前面枠4の開放を検出した情報をパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持する構成である。
そのため、特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の前面枠4が開放された場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4が開放されたことを検出した枠開放情報として、例えばONデータを夜間においても保持することになる。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は前面枠4の開放を検出しない場合には、枠開放情報として、例えば、OFFデータを夜間においても保持することになる。なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、パチンコ機1の電源が遮断された状態(例えば、夜間)でも電源装置58から遊技制御装置54を経由して供給されるバックアップ電源により前面枠4の開放を検出し、そのデータを保持することが可能である。
【0406】
次いで、翌朝、パチンコ機1が電源投入(主電源の投入)により起動した場合に、夜間に前面枠4が開放されたことを検出した枠開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を払出制御装置230が読み込むことで、払出制御装置230に取り込まれることになるが、払出制御装置230では主電源が入った時点から立ち上げ準備(例えば、全ての割込みの禁止、CPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定等)にある程度の時間がかかる。そして、この立ち上げ準備期間に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126から枠開放情報が払出制御装置230に入力されたとき、当該枠開放情報を取り込めないおそれがある。
そこで、電源装置58から供給される主電源の投入時に、払出制御装置230には主電源が直ちに供給されるが、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対しては主電源の供給を所定時間(例えば、5秒)だけ遅延させるスイッチ電源遅延回路541が設けられており、払出制御装置230への主電源の投入から所定時間経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
したがって、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができるようになる。
【0407】
このような前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートを
図74に示す。
なお、
図74ではタイミングt1乃至t4を用いて動作を説明しているが、これらのタイミングt1乃至t4は
図74の動作独自のもので、
図70に示した各タイミングt1等とは関連がないものである。説明の都合上、小文字の「t」を使用して動作のタイミングを説明しているに過ぎない。また、
図74に限らず、後述するタイミングチャートを示す各図面においても、
図70に示した各タイミングt1等とは関連がないものである。
図74において、主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置58(
図6参照)から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、払出制御装置230を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、電源装置58は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時に遊技制御装置54のRAM113や払出制御装置230のRAM233、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給するバックアップ電源も備えている。主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
図74では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
【0408】
通常、遊技店では午後11時頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
ところが、遊技店が閉店している夜間に不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けるような不正が行われることがある。
図74に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126自体により保持されている。なお、
図74の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0409】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で主電源がONすると、電源装置58から払出制御装置230、遊技制御装置54、演出制御装置53や
図6に示す各電子部品に必要な電源の供給が開始される(なお、回路各部への電源供給は、各装置間で若干の時間差があるが、説明が複雑になるので、詳細は略す)。
ただし、払出制御装置230には主電源が直ちに供給されるが、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対しては主電源の供給を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延させるスイッチ電源遅延回路541が設けられているため、払出制御装置230への主電源の投入から所定時間Taの経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給されることになる(詳細はタイミングt3で後述)。
すなわち、払出制御装置230は電源の供給が開始されると、
図74に示すように払出制御装置230のプログラムが起動して初期設定等が行われるとともに、各部品が動作開始して作動準備が行われて徐々に作動ON状態となり、その後、やや時間が経過してからタイミングt3に至る。
一方、払出制御装置230では初期設定などの処理が行われた後、遊技機IDを取得し、遊技機IDをカードユニット15を経由して外部の第三者機関が管理する外部管理装置91に送信し、遊技機IDの照合結果をカードユニット15経由で待つことになる(ステップH29,ステップH32等)。
そして、タイミングt3になると、この時点t3でようやく前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給される。
【0410】
タイミングt3は、払出制御装置230への主電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。これは、
図8に示すように払出制御装置230の内部にスイッチ電源遅延回路541が設けられており、電源遅延回路541により払出制御装置230への主電源の投入から所定時間Taの経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源が供給されることになるからである。
すなわち、払出制御装置230は電源遅延回路541を作動させることで、主電源が供給されてから所定時間Taの経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源を供給する。ここで、所定時間Taは払出制御装置230の主電源の投入処理等が終了する時間(つまり、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。
次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126はタイミングt3で主電源の供給が開始されると、その時点から所定時間Tbだけ、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に(ここでは払出制御装置230に)出力する。所定時間Tbは予め定められた期間(例えば、払出制御装置230が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、
図74に示すように前面枠4の開放時にはON出力し、前面枠4の閉鎖時にはOFFとなっているが、当該スイッチの断線対策として出力を反転させるようにしてもよい。すなわち、前面枠4の開放時にはOFFとし、前面枠の閉鎖時にはON出力し、OFF状態を監視する。このようにすれば、当該スイッチの断線時にはOFFであるので、前面枠4の開放時と同様に異常であることを認識することができる。
【0411】
ここでは、上述したように、タイミングt1で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126によって前面枠4の開放が検出され、その開放情報が保持されている場合を例にとり、この情報が枠開放情報になるが、枠開放情報自体は前面枠4の開放が検出された場合、前面枠4の開放が検出されていない場合の双方を含む概念である。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号を払出制御装置230が判定しても、前面枠4の開放が検出されていない場合(例えば、OFFデータ)もあるが、そのときでも遊技制御装置54は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を読み込む。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源がONしたタイミングt1で前面枠4の開放を検出して保持していれば、主電源が供給されてから所定時間Tbが経過するまでは、枠開放情報を外部に出力する状態を継続している。
次いで、払出制御装置230に出力された前面枠4の枠開放情報は払出制御装置230に入力され、入力ポート546を介してCPU231に取り込まれ、RAM233に記憶されることになる。
したがって、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。
【0412】
次いで、払出制御装置230では、入力ポート546を介してCPU231に取り込んだ枠開放情報を判定する処理(例えば、
図24のステップH13乃至ステップH17)を行って枠開放情報を確定させ、確定した枠開放情報をRAM233にセーブ(記憶)する。次いで、RAM233に記憶した前面枠4の枠開放情報をカードユニット15に送信する。詳しくは、枠開放情報に対応するコマンドをカードユニット15に送信する。枠開放情報に対応するコマンドは、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、不正の可能性があると判断してカードユニット15にエラー報知をしたり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)指令を出す等のコマンドのことであり、また、枠開放情報を判定し、前面枠4が開放されていないときは、不正の可能性がないと判断してカードユニット15に球貸しを行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
また、払出制御装置230では前面枠4の不正な開放による枠開放情報が発生すると、そのエラー状態を遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41に表示して、店員にパチンコ機1の点検を促す。これは、枠開放情報がONデータのときは不正された可能性があるというだけなので、先ずはパチンコ機1やカードユニット15でエラー報知をしたり、カードユニット15経由でホールコンピュータ86へエラー情報を出力したりして店員に点検を促す趣旨だからである。
なお、前面枠4の不正な開放による枠開放情報が発生した場合には、払出制御装置230では球が発射できない発射不許可状態にしてもよい。そのようにすると、前面枠4が不正に開放されても、パチンコ機1を稼働させずに、遊技店の被害を防止できる。
また、エラー状態表示を表示装置41で行う他、表示装置41以外のLED等でエラー報知してもよいし、音声等の報知を行ってもよい。
【0413】
なお、上記のように前面枠4が開放(例えば、夜間に枠が開放)された形跡があるときは、カードユニット15にエラー報知をしたり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)指令を出す等のコマンドを送信するが、このとき、カードユニット15の制御により操作表示装置7の画面に「前面枠4が不正に開放された情報」を表示するような構成にしてもよいし、あるいは、この構成を付加してもよい。また、カードユニット15でのエラー報知は、LED等で表示する他、音声等の報知でもよい。
次いで、払出制御装置230では枠開放情報に関するコマンドはカードユニット15へ正常に送信完了か否かを判定する。
【0414】
また、払出制御装置230は枠開放情報に関するコマンドが正常に送信完了していなければ、枠開放情報送信エラーフラグをセットし、枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信する。これにより、演出制御装置53では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知する。なお、エラーメッセージを表示装置41に表示する他、表示装置41以外のLED等でエラー報知してもよいし、音声等の報知を行ってもよい。
【0415】
一方、遊技店の店員が開店準備のために当該パチンコ機1を初期状態に戻すべくRAMクリアスイッチ182をオン操作することがある(いわゆるRAMクリアを行う)。
RAMクリアを行う台は、例えば遊技店の閉店時に大当り、あるいは確率変動状態などの遊技状態にあった遊技機を翌日に初期化して、通常営業に備えるような場合である。このような台は、RAMクリアで初期化しないと、前日の大当り、あるいは確率変動状態などの遊技状態のままで復旧してしまい、営業形態にマッチしないからである。
RAMクリアを行うには、電源装置58のRAMクリアスイッチ182を押しながら、電源装置58の電源スイッチ181をオンして電源投入を行う。これにより、払出制御装置230内部のRAM233などが初期化される。
【0416】
ここで、実施例1では上記のようにRAMクリアスイッチ182をオン操作して電源投入が行われた場合には、払出制御装置230では、RAMクリア(RAM233などの初期化)を行ってから、前面枠4の枠開放情報(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号)を読み込むようにしている。そして、払出制御装置230ではRAMクリア後に前面枠4の枠開放情報を読み込んで、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信する。
したがって、RAMクリアスイッチ182をオン操作しても前面枠4の枠開放情報を取りこぼすことがなく、確実にカードユニット15に前面枠4の枠開放情報を送信することができる。
なお、上記構成に関しては、以下のような変形例としてもよい。
(RAMクリアの変形例)
すなわち、RAMクリアスイッチ182をオン操作して電源投入が行われた場合には、払出制御装置230では、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信したことを確認するまでは、RAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしてもRAM233をクリアしないような構成としてもよい。
この場合、払出制御装置230では、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信したことを確認すると、その後に、RAM233をクリア(初期化)する。このとき、RAM233に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報もクリアされる。
なお、払出制御装置230は、カードユニット15へ前面枠4の枠開放情報を送信した後、カードユニット15が当該枠開放情報を受信したことを示す受信ACKを確認するまではRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしてもRAM233をクリアせず、当該受信ACKを確認すると、その後に前面枠4の枠開放情報を含むRAM233をクリア(初期化)するようにしてもよい。
【0417】
一方、払出制御装置230では、前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信されていない場合は、RAMクリアスイッチ182が押された場合であっても、RAM233をクリアせずに、エラー情報を出力する。エラー情報の出力としては、例えば枠開放情報送信エラーフラグをセットし、枠開放情報送信エラーコマンドを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信する。これにより、演出制御装置53では枠開放情報送信エラーコマンドに基づき、例えば枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知する。
なお、エラー情報の出力としては、上記に例に限らず、例えば払出制御装置230からエラー表示LED67に対して異常の信号を出力し、エラー表示LED67を点灯(あるいは点滅)させる構成にしてもよいし、あるいは、この構成を付加してもよい。
以上、ここまでが変形例の説明である。
【0418】
このように、遊技場が閉店している夜間に、例えば不審者がパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けたような場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放状態が検出され、当該枠開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。そして、翌朝、パチンコ機1の電源投入時に、払出制御装置230では電源遅延回路541を作動させることで、主電源が供給されてから所定時間Taの経過後に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源を供給する。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126では主電源の供給が開始されると、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を払出制御装置230に出力する。そして、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの出力信号を払出制御装置230が読み込むことで、RAM233に記憶され、RAM233に記憶した前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信され、例えばカードユニット15ではエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置が取られる。また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生すると、そのエラー状態が遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信され、演出制御装置53の制御により表示装置41に表示される。したがって、表示装置41を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切は処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができる。
【0419】
また、RAMクリアスイッチ182がオン操作して電源投入が行われた場合には、払出制御装置230では、RAMクリア(RAM233などの初期化)を行ってから、前面枠4の枠開放情報(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号)を読み込み、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信するので、RAMクリアスイッチ182をオン操作しても前面枠4の枠開放情報を取りこぼすことがなく、確実にカードユニット15に前面枠4の枠開放情報を送信することができる。
したがって、カードユニット15が前面枠4の開放情報を受信しないうちに、例えばRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしても、払出制御装置230ではRAMクリア後に前面枠4の枠開放情報を読み込むことで、不正に前面枠4が開放された枠開放情報が確実にRAM233に保持されるので、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。その後、払出制御装置230から前面枠4の枠開放情報が確実にカードユニット15に送信されるので、不正に対して確実に対応することができる。
なお、払出制御装置230は、カードユニット15へ前面枠4の枠開放情報を送信した後、カードユニット15が当該枠開放情報を受信したことを示す受信ACKを確認するまではRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしてもRAM233をクリアせず、当該受信ACKを確認すると、その後に前面枠4の枠開放情報を含むRAM233をクリア(初期化)するようにしてもよい。このようにすれば、不正に対してより確実に対応することができる。
【0420】
ここで、遊技機IDを使用して不正へのセキュリティをより一層高める構成として、実施例1に下記の構成を追加するようにしてもよい。
そこで、遊技機IDを使用する構成に関して、以下に変形例として示す。
(遊技機ID使用の変形例)
すなわち、実施例1の変形例として、パチンコ機1の電源投入時(例えば、遊技店の開店時)に遊技機ID(遊技制御装置54の固有識別情報:主基板ID、及び払出制御装置230の固有識別情報:払出基板ID)をカードユニット15を経由して外部の第三者機関が管理する外部管理装置91に送信し、夜間枠開放不正報知中であると判定した場合には、外部管理装置91からID照合結果がOKという情報をカードユニット15を経由して受信したかどうかを判定する構成にしてもよい。
この構成の場合、ID照合結果OKをカードユニット15から受信したならば、演出制御装置53では表示装置41を制御して夜間に前面枠4が開放されたという情報の表示を終了させるようにする。これは、枠開放情報がONデータのときは不正された可能性があるため、パチンコ機1で枠開放の報知をして店員に点検を促す趣旨であるところ、ID照合結果OKをカードユニット15から受信したので、前面枠4が開放されたとしても、不正の可能性が低いと判断して枠開放の報知を終了させるためである。
一方、夜間枠開放不正報知中でなければ、不正の可能性が少ないので、ID照合結果OKを受信したことの判定までは行われない。
また、ID照合結果OKをカードユニット15から受信していない場合は、表示装置41等にて夜間に前面枠4が開放されたという情報の表示が継続される。これにより、店員により遊技制御装置54などの点検が行われ、不正の有無も含めて必要な処置が取られる。
したがって、この変形例では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報と、遊技機IDの照合結果という2つの情報で不正の可能性を判断することにより、枠開放情報だけで不正を判定する場合に比べて、より一層、不正の可能性判定の精度を高めることができ、セキュリティの高い遊技機を提供することができる。
なお、カードユニット15では外部管理装置91からID照合結果を受信(ID照合結果OKを受信しない場合も含む)したならば、その情報をホールコンピュータ86に送信し、ホールコンピュータ86ではID照合結果を受信又は受信していないという情報を多数の遊技機毎に管理して保存する。また、ホールコンピュータ86はカードユニット15経由で送信された枠開放情報も保存する。したがって、ホールコンピュータ86にてID照合結果情報及び枠開放情報が保存されるので、エラー報知が終了してもID照合結果情報及び枠開放情報を確認することは容易である。
以上、ここまでが変形例の説明である。
【0421】
さて再び
図74の説明に戻り、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。
また、通常時に、例えばタイミングt4で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4が開放された場合には、その開放を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126が検出し、前面枠4が開放されている期間Tcだけ、枠開放情報が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126から出力されて遊技制御装置54に入力され、エラー監視処理で前面枠開放(前面枠4開放エラー)として監視される。
【0422】
次に、実施例1におけるパチンコ機1の遊技ゲームの動作について説明する。
パチンコ機1の遊技ゲームでは、上述した各プログラムを実行することにより、遊技制御装置54からコマンドが演出制御装置53に送信され、コマンドを受けた演出制御装置53ではプログラムに基づいて表示装置41による変動表示ゲームが実行される。
具体的には、遊技者が発射操作ハンドル11を操作して遊技球が遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(特図の始動入賞があると)、飾り特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aにおいて飾り特図が変動する表示(いわゆる変動表示)が行われて、飾り特図の変動表示ゲームが行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に循環装置55の遊技球入口71に流下し、この循環装置55で回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されて封入球によるパチンコ遊技が行われる。
また、遊技制御装置54から一括表示装置35に対しては本特図、本普図等の変動表示等の制御が行われる。
【0423】
ここで、遊技球がセーフと判定されて遊技者の持球数を増加させる場合には、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることになるとともに、さらに、大当りが発生して大当り状態に移行すると、変動入賞装置27の大入賞口27aが規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される大当たりラウンドが規定のラウンド数だけ繰り返し行われて、遊技者は大きな入賞数を獲得する。
この場合、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355のよって表示される。
【0424】
図75は、一括表示装置35における入賞表示LED355の表示制御のタイミングチャートである。
図75において、入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
図75では、これらの入賞があった場合には、例えば「入賞(賞球13)」というように示しており、他の入賞態様の場合も同様である。
【0425】
いま、通常モード(
図75では通常と表示)のとき、始動入賞口25への入賞があると、賞球数=3個であるから、遊技制御装置54は一括表示装置35の入賞表示LED355に対して駆動信号を出力し(以下、制御は同様)、入賞表示LED355にて賞球3(賞球数=3個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「3」の表示を行う。
このとき、「3」の入賞表示は1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
また同じく、通常モードのときに、一般入賞口28〜31の何れかへの入賞があると、賞球数=10個であるから、入賞表示LED355にて賞球10(賞球数=10個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では2桁で「10」の表示を行う。
このとき、「10」の入賞表示は1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
【0426】
次いで、通常モードから大当りが発生して、特別モード(大当り中)に移行すると、大入賞口27aへの入賞(賞球数=13個)が連続して4回発生した。このとき、大入賞口27aへの入賞があると、賞球数=13個であるから、遊技制御装置54は一括表示装置35の入賞表示LED355に対して駆動信号を出力し、入賞表示LED355にて賞球13(賞球数=13個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では2桁で「13」の表示を行う。この場合、「13」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、大入賞口27aへの入賞が連続して4回発生しているから、これが4回連続して行われる。
また、特別モード中に始動入賞口25への入賞(賞球数=3個)が1回発生した。
このとき、始動入賞口25への入賞があると、賞球数=3個であるから、入賞表示LED355にて賞球3(賞球数=3個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「3」の表示を行う。この場合、「3」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
【0427】
次いで、大当りのラウンドが終了して、確率変動中に移行する。確率変動も特別モードであるから、入賞表示LED355による入賞表示に対しては、特別モード中における制御が継続する。そして、確率変動中に始動入賞口26(普電)への入賞(賞球数=1個)が連続して3回発生した。このとき、始動入賞口26(普電)への入賞があると、賞球数=1個であるから、入賞表示LED355にて賞球1(賞球数=1個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「1」の表示を行う。この場合、「1」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、始動入賞口26(普電)への入賞が連続して3回発生しているから、これが3回連続して行われる。
このように、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355によって表示される。そして、どの入賞口に遊技球が入賞しても、即座に、その賞球数が7セグメントのLED2個からなる入賞表示LED355によって所定時間(通常モードは1秒、特別モードは0.5秒)だけ表示されるので、遊技者は盤面(遊技盤20)のどこに入賞して何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
【0428】
次に、持球数の表示更新制御について説明する。
図76は、持球数の表示更新制御を示すタイミングチャートである。
図76において、持球数に変化が生ずるのは、下記のような場合である。
(a)遊技球の発射で持球数は1個減少
(b)ファール球になると持球数は1個加算
(つまり、発射で1個減算したが、ファール球になると、1個加算で、結局元に戻る)
(c)入賞に伴う賞球数があると持球数に加算
入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
【0429】
いま、遊技球を1分間にほぼ100発のペースで遊技領域22に発射しているとき、この様子は
図76に発射パルスで示されている。
いま、持球数=11であって、払出制御装置230の制御により持球数表示器40の表示が「11」になっている状態のときに、1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるが、内部メモリ(払出制御装置230のRAM233)における持球数の更新(正確には持球数の記憶の更新であるが、ここでは持球数の更新と言う。以下、同様)は直ちに(リアルタイムで)行われ、持球数の記憶は直ぐに「10」となる(
図76では、球の発射とほぼ同時に内部メモリ(RAM233)での持球数の更新があるので、「10」という記憶数で表示している)。
一方、持球数表示器40の表示更新(払出制御装置230により持球数表示器40における遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新制御のこと。以下、単に持球数表示器40の表示更新と言う)。は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われる。そのため、
図76に示すように遊技球の発射から0.3秒後に持球数表示器40の表示が「10」に更新される。
【0430】
0.3秒という時間は、1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の半分の時間に相当する。これは、前述したように、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、発射制御装置57は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしていることから、導かれるものである。
ここで、例えば大当りが発生しているような場合、上述した1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が入賞して賞球数=13個が生じ、さらに連続して、1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が連続入賞して賞球数=13個が生じたときには、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「9」となる(
図76では、「発射の1個を減算」と表示している)。
そして、上記の2つの発射球が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合には、内部メモリ(RAM233)では、13個の賞球数を持球数記憶数「9」に直ぐに加算して「22」として持球数の更新を直ちに行い、その直後に、同じく13個の賞球数を持球数記憶数「22」に直ぐに加算して「35」として持球数の更新を直ちに行う。
【0431】
一方、持球数表示器40の表示更新は、2つの発射球が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合であっても、直ぐには行われず、表示更新のタイミングは所定期間(例えば、0.3秒)の間隔となる。そのため、
図76に示すように
持球数表示器40の表示が「10」に更新されてから0.3秒後に持球数表示器40の表示が「9」に更新される。
その後、1回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個が持球数に加算されて、持球数表示器40の表示更新が行われ、持球数表示器40の表示が「22」(9+13)に更新される。
次いで、その0.3秒後に、2回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個が持球数に加算されて、持球数表示器40の表示更新が行われ、持球数表示器40の表示が「35」(22+13)に更新される。
【0432】
次いで、1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(35−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、
持球数表示器40の表示が「35」に更新されてから0.3秒後に持球数表示器40の表示が「34」に更新される。
次いで、さらに1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、
持球数表示器40の表示が「34」に更新されてから0.3秒後に持球数表示器40の表示が「33」に更新される。
【0433】
ところで、上記の発射球がファール球になってしまった場合には、発射で1個減算したもののファール球は持球数に戻す必要があるので、持球数に1個加算することになり、結局、元の持球数に戻ることになる。そのため、ファール球に対応するための内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は、ファール球であると判明した時点で直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(33+1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるが、ファール球であると判明した時点が前回の更新間隔から既に0.3秒経過しているので、このケースに限っては、直ちに持球数の表示更新が行われることになり、よって、持球数表示器40の表示が「34」(33+1)に更新される。
次いで、ファールにより持球数が34になってから、次の遊技球の発射が行われると、持球数を球の発射で1個減算する必要があるため、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新については、ファールにより持球数が34になってから、0.3秒後なので、発射による1個の減算(「−1」)に対応して持球数表示器40の表示が「33」に更新される。なお、持球数表示器40における次の「33」という表示は、持球数に変化がないので、0.3秒後に更新する必要がないことから、そのまま「33」という表示を維持している状態を示すものである。
【0434】
このように、遊技ゲームの進行中、払出制御装置230の内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく一方、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御される。この所定期間(例えば、0.3秒)は遊技球の連続発射間隔(0.6秒)の概ね半分の時間である。
したがって、連続して入賞があったような場合においても、持球数表示器40での持球数の表示更新は所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕が生まれ、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
【0435】
次に、操作表示装置7の動作について説明する。
まず、最初に実施例1における切替回路320の動作について、
図77のタイミングチャートを参照して説明する。
図77で表示データとは、操作表示装置7に表示されるデータの送り元がどこであるかを示すもので、表示データが「カードユニット」であると、カードユニット15から送信される情報を操作表示装置7で表示する状態を言う。一方、表示データが「遊技機」であると、遊技機(具体的には、演出制御装置53)から送信される情報を操作表示装置7で表示する状態を言う。
また、タッチ情報とは、切替ボタン307(第2の演出操作部)にタッチして操作表示装置7の接続先を切り替えた場合の当該接続先を示すものである。具体的には、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすることにより、切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力され、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートを切り替えた場合における操作表示装置7の接続先を示す情報を便宜上、タッチ情報としている。ここでのタッチ情報は後述のように切替ボタン307を除く操作表示装置7の各種ボタンに遊技者がタッチした場合のタッチ情報とは意味合いが異なるもので、あくまでも便宜上、操作表示装置7の接続先を示す情報をタッチ情報としているだけのものである。
【0436】
図77に示すように、最初(例えば、遊技機の電源ONからの初期状態)は通常モードからスタートし、遊技機からの優先信号は出力されず、操作表示装置7をカードユニット15に接続するルート(カードユニットルート)となっている。すなわち、通常モ―ド(初期状態)では、操作表示装置7をカードユニット15に接続するルート(カードユニットルート)となっており、操作表示装置7とカードユニット15との間でデータ等の送受信が行われる。これにより、カードユニット15からの表示データや情報等が切替回路320を介して操作表示装置7に出力され、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にはカードユニット15から出力される情報が表示される。
この様子は、
図77に表示データの送り元が「カードユニット」であるとして表されている。また、切替ボタン307にはタッチされていないので、操作表示装置7の接続先を切り替えることは行われず、当該接続先はカードユニット15のままである。したがって、タッチ情報は、「カードユニット」として示されている。
【0437】
この状態で、切替ボタン307を除く操作表示装置7の各種ボタン(例えば、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305)に遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路320を介してカードユニット15に出力され、カードユニット15ではタッチ情報に応じた制御を行う。このようにして、カードユニット15の管理・制御の下で球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される。
【0438】
次いで、遊技が進行して演出中等で優先信号を出力するのに必要な場合(特別演出の場合)になると、具体的には、例えばリーチ発生でのバトルモードになると、演出制御装置53から優先信号が切替回路320に出力される。この様子は
図77において、優先信号がLレベルから立ち上がってHレベルとなって、アクティブになった状態で示される。優先信号のアクティブ期間は、例えばリーチ発生でのバトルモードが終了する迄継続する。
優先信号が切替回路320に入力されると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられて、演出制御装置53からの表示データに基づいて操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には演出に関する情報が優先的に表示されるようになる。
これにより、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には、例えばバトルモードでキャラクタが使用するアイテムを複数の中から1つを遊技者に選択させるような画面が表示され、それを画面上のタッチボタンで遊技者に選ばせるような演出が行われる。
また、大当り中に遊技者に好みの楽曲を選択させるような演出を行う必要がある場合にも、演出制御装置53から優先信号が切替回路320に出力されて、上記同様に操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面上のタッチボタンで遊技者に好みの楽曲を選ばせるような演出が行われる。
【0439】
一方、上記優先信号が切替回路320に出力されている場合であっても、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307にタッチすると、これに応じて切替情報が操作表示装置7から切替回路320に出力される。この様子は
図77において、切替情報がLレベルから立ち上がってHレベルとなって、アクティブになった状態で示される。
切替情報が切替回路320に入力されると、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が切替情報に基づき作動して操作表示装置7の接続ルートを所定期間(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替える。これにより、カードユニット15からの情報を表示する画面に変わる。
【0440】
カードユニット15の制御に基づく処理としては、例えば、遊技途中での球貸処理がある。例えば、リーチ発生によるバトルモードでキャラクタが使用するアイテムを複数の中から1つを遊技者が選び終えたときに、持球数が残り少ないことに気づいて球貸しを得ようとする場合、現在のメッセージ・操作領域部306の画面はバトルモードが表示されており、球貸ボタン303の表示が無いので、直ちに遊技者はメッセージ・操作領域部306の画面上の切替ボタン307にタッチする。これにより、上述したように切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが所定期間a(例えば、5秒間)だけ遊技機ルートからカードユニットルートに切り替わり、カードユニット15からの情報を表示する画面に変わる。次いで、遊技者は同画面上の球貸ボタン303にタッチすることで、所望の球貸しを得て、持球数が増加する(球貸しによる持球数の増加は125個単位であり、持球数表示器40にて表示)。なお、球貸しでなく、貯球による再プレイを望む場合には貯球・再プレイボタン305にタッチし、メッセージ・操作領域部306の画面上で会員番号や暗証番号などを入力することで、同様に持球数が125個単位で増加する。
【0441】
次いで、上記所定期間a(例えば、5秒間)が経過すると、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が作動して自動的に操作表示装置7の接続ルートをカードユニットルートから遊技機ルートに戻す。これにより、メッセージ・操作領域部306の画面では、再び演出制御装置53からの情報に基づく表示(例えば、上記バトルモードの演出)が行われる。
したがって、球貸や再プレイ等に支障を及ぼすことなく、演出に関連する情報(例えば、リーチ発生でのバトルモード時におけるアイテム選択の情報)を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示することができ、遊技者に分かりやすく、多彩な演出を行うことができる。
その後、上記バトルモードの演出が終了するタイミングで、優先信号がHレベルからLレベルとなってノンアクティブになると、切替回路320では内部のタッチ情報切替回路324が作動して自動的に操作表示装置7の接続ルートを遊技機ルートからカードユニットルートに変更する。これにより、メッセージ・操作領域部306の画面では、再びカードユニット15からの情報に基づく表示が行われる。
【0442】
次いで、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306の画面でカードユニット15からの情報に基づく表示が行われている状態のとき、遊技者がメッセージ・操作領域部306の画面上の切替ボタン307にタッチすると、上述した場合と同様に、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わり、演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わる。例えば、遊技者がゲーム進行中で登場するキャラクタの情報を得たいと思うときに、切替ボタン307にタッチすると、メッセージ・操作領域部306の画面が演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わり、そこにゲーム進行中で登場するキャラクタに関する情報が表示される。
次いで、操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートであるときに、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートからカードユニットルートに切り替わり、カードユニット15からの情報を表示する画面に変わる。
【0443】
次に、操作表示装置7における具体的な動作例について説明する。
図78は切替表示に関する操作表示装置7の動作例を示す図である。
図78の説明では遊技の進行において場面という概念を用いており、場面J1乃至場面J4は遊技進行中における操作表示装置7の演出画面、ボタン画面等を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、
図78の場面J1は通常時における操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面J1では通常時のルートとして、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートになっており、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。具体的には、操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている様子が示されているとともに、操作表示装置7の下方には持球数表示器40(ここでは図示略)が配置されている。
ただし、残金額表示器302の表示形態については、説明の都合上、前述した
図7(a)と異なり、残金額を下段に表示している(後述の図についても同様)。
なお、場面J2以降の説明では、上記の符号付けは煩雑になるので、略す。
【0444】
場面J1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「10000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「10000円」であることを知ることになる。また、メッセージ・操作領域部306には「いらっしゃいませ」のメッセージが表示されている。
さらに、操作表示装置7には通常時における情報としてカードユニット15からの情報が表示され、例えば球貸、貯球、計数球数などが表示される(ただし、画面J1では略)。
また、操作表示装置7には切替ボタン307が配置されており、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに変更可能である(その逆ルートへの変更も可能)。
【0445】
次いで、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わる。操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートに切り替わると、操作表示装置7では演出制御装置53からの情報に基づく表示が行われ、その1つを示すと、場面J2がある。
場面J2は、演出制御装置53(遊技機)からの情報に基づく表示の一例であり、ここでは遊技機(パチンコ機1)の機種名やゲーム説明を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示している。例えば、機種名として「CR○○○○」、ゲーム説明として「大当り後、特
図100回転まで高確率」という表示がされる。
これにより、遊技者は切替ボタン307にタッチするという簡単な操作のみで、機種名やゲーム説明を受けることができ、便利である。
さらに、遊技機側の制御になる表示装置41でゲームの演出を続行しながら、機種名やゲーム説明については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、ゲーム進行の演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、ゲーム進行の演出と機種名やゲーム説明とを両立させることができ、極めて好都合である。
【0446】
次に、場面J3は遊技機からの情報を表示する別の例であり、例えばゲームの進行中にリーチ発生でバトルモードになって優先信号が切替回路320に出力され、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられた場合の例を示している。
場面J3では、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には、演出制御装置53(遊技機)の表示演出と連動した表示がされ、例えばバトルモードでキャラクタが使用するアイテムを複数の中から1つを遊技者に選択させるような画面が表示される。具体的には、「バトルモード」の表示とともに、「アイテムを選んでください」の表示がされ、さらにアイテムの種類として「剣」、「弓」、「石」の3つが表示される。
【0447】
このとき、メッセージ・操作領域部306の画面上で、例えば「剣」というアイテムを選ぶために当該「剣」にタッチすると、選択したタッチ情報は切替回路320を経由して演出制御装置53に入力され、演出制御装置53では入力されたタッチ情報に基づいてキャラクタが「剣」のアイテムを使用したバトルモードを展開する演出を表示装置41に表示する。
したがって、遊技者の意思が反映されたアイテムで演出が進行するので、ゲームが面白くなって遊技の興趣が高まる。
さらに、演出制御装置53の制御になる表示装置41でゲームの演出としてバトルモードを続行しながら、アイテムの選択画面については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、表示装置41においてバトルモードの演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、表示装置41におけるバトルモードの演出と操作表示装置7におけるアイテムの選択とを両立させることができ、バトルモードの演出迫力を十分に発揮させることができる。
【0448】
次に、場面J4は遊技機からの情報を表示する別の例であり、例えばゲームの進行中に大当りが発生して優先信号が切替回路320に出力され、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに優先的に切り替えられた場合に、大当りの演出を盛り上げる楽曲を選択させる例を示している。
なお、上記のようにリーチ発生でバトルモードになる場合や大当りが発生した場合は、特別演出の場合に相当する。
場面J4では、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306には、演出制御装置53(遊技機)の表示演出と連動した表示がされ、例えば大当り中に演奏される楽曲を複数の中から1つを遊技者に選択させるような画面が表示される。具体的には、「大当り」の表示とともに、「楽曲を選んでください」の表示がされ、さらに楽曲の種類として「A」乃至「F」の6つが表示される。
【0449】
このとき、メッセージ・操作領域部306の画面上で、例えば「A」という楽曲を選ぶために当該「A」にタッチすると、選択したタッチ情報は切替回路320を経由して演出制御装置53に入力され、演出制御装置53では入力されたタッチ情報に基づいて楽曲として「A」を大当り中に演奏する演出を表示装置41に表示し、かつスピーカ10、16a、16bから楽曲「A」の演奏音が流れて大当り演出を盛り上げることが行われる。
したがって、遊技者の意思が反映された楽曲で演出が進行するので、ゲームが面白くなって遊技の興趣が高まる。
さらに、演出制御装置53の制御になる表示装置41でゲームの進行として大当りを続行しながら、楽曲の選択画面については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、表示装置41において大当りの演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、表示装置41における大当りの演出と操作表示装置7における楽曲の選択とを両立させることができ、大当りの演出迫力を十分に発揮させることができる。
【0450】
次に、
図79は操作表示装置7にてキャラクタの紹介を行う場合の動作例である。
図79において、場面K1は通常時における操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面K1では通常時のルートとして、前述した場面J1の場合と同様に、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートになっており、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。具体的には、操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている様子が示されている。
【0451】
場面K1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「10000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「10000円」であることを知ることになる。また、メッセージ・操作領域部306には「いらっしゃいませ」のメッセージが表示されている。
さらに、操作表示装置7には通常時における情報としてカードユニット15からの情報が表示され、例えば球貸、貯球、計数球数などが表示される(ただし、画面K1では略)。
また、操作表示装置7には切替ボタン307が配置されており、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに変更可能である(その逆ルートへの変更も可能)。
【0452】
次いで、遊技者が切替ボタン307にタッチすると、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わる。操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートに切り替わると、操作表示装置7では演出制御装置53からの情報に基づく表示が行われ、その1つとして表示装置41のゲームで登場するキャラクタの紹介を行う場面K2に切り替わる。
特に、実施例1では表示装置41で行われる特図ゲーム(詳しくは、飾り特図ゲーム)の演出に連動し、特図ゲームでキャラクタが登場する演出画面になったときに、切替ボタン307にタッチすると、特図ゲームで登場するキャラクタの紹介を行う場面K2に切り替わるような構成である。
場面K2は、演出制御装置53(遊技機)からの情報に基づき表示装置41のゲームで登場するキャラクタを紹介するものであり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にキャラクタを紹介する説明を表示している。例えば、「キャラクタ紹介その1」、「名前:タロー」、「好物:ケーキ」、「得意技:弓」という表示により、キャラクタが紹介される。
【0453】
次いで、一定時間が経過すると場面K3に移り、場面K3で他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その2」、「名前:ジロー」、「好物:肉」、「得意技:パンチ」という表示により、キャラクタが紹介される。
次いで、一定時間が経過すると場面K4に移り、場面K4でさらに他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その3」、「名前:ドラゴン」、「好物:ウイスキー」、「得意技:火炎」という表示により、キャラクタが紹介される。
【0454】
このように、遊技者は切替ボタン307にタッチするという簡単な操作のみで、遊技ゲームで登場するキャラクタを紹介する説明を見ることができ、便利である。
また、特図ゲームの演出に連動して切替ボタン307にタッチすると、特図ゲームで登場するキャラクタの紹介を行うので、演出がより分かりやすくなり、遊技の興趣が高まる。
さらに、遊技機側の制御になる表示装置41でゲームの演出を続行しながら、キャラクタの紹介に関する説明については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、ゲーム進行の演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、ゲーム進行の演出とキャラクタの紹介の説明とを両立させることができ、極めて好都合である。
【0455】
実施例1では、持球数や計数球の報知に関して、以下のような効果がある。
(1)実施例1では、遊技機(パチンコ機1)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器40と、計数球を簡易表示できる第2の表示装置としての計数球表示器313とを備え、カードユニット15は持球数と計数球の詳細を表示でき、かつカードユニット15の管理になる第3の表示装置としての操作表示装置7を備えるので、遊技機(パチンコ機1)側の制御により持球数表示器40で持球数がデジタル表示され、計数球表示器313で計数球の有無が簡易表示される一方、カードユニット15側の制御により持球数と計数球の詳細が表示される。
したがって、遊技者へ持球数と計数球を報知するに際して、遊技機(パチンコ機1)側では持球数や計数球を単にデジタル表示や簡易表示するのみで、詳細な表示までは行っていないので、遊技制御装置54と払出制御装置230の制御負担が軽減され、効率が良い。
また、遊技者にとって持球数や計数球数を上記第1乃至第3の多様な装置で把握することができ、便利であり、かつ分かりやすいという効果がある。
【0456】
この背景を説明する。
発射可能球数と一時的に発射できない保管された持球数に分けて表示する封入球式遊技機の例があることは、前述した通りである。
しかしながら、発射可能球数と持球数に分けて表示する場合、例えば7セグメントLEDを用いて双方の情報を表示するだけでは、遊技者にとってわかりにくいという問題がある。
このため、例えば液晶表示器等を使用して発射可能球数と持球数の説明等を遊技者にわかりやすく表示することが考えられるが、この方法であると、遊技機の制御の負担が大きくなるという新たな問題が生じる。
ところで、封入球式遊技機は、ゲームの制御、遊技球の発射及び循環に関する制御、持球数の管理、不正防止に関する制御等、制御しなければならない要素は多く、また複雑になっている。その結果、持球数に関連する表示をわかりやすくしようとすると、さらに制御の負担が増える。したがって、遊技機の制御装置は効率よく制御できることが求められている。
そこで本発明は、封入球式遊技機において発射可能球数と持球数の表示を効率よく制御できる制御装置の構成を案出したものである。なお、実施例1では上記の「発射可能球数」は「持球数」とし、上記の「持球数」は「計数球数」とする概念にしている。すなわち「持球数」は発射可能な球数、「計数球数」は一時的に発射できない保管球数という概念である。
そして、実施例1では、遊技機(パチンコ機1)側では持球数や計数球を単にデジタル表示や簡易表示するのみで詳細な表示までは行わず、カードユニット15の管理になる操作表示装置7で持球数と計数球の詳細を表示するので、特に遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230の負担軽減という目的を達成できる。
【0457】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数と計数球を管理する遊技機において、
持球数を表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できるカードユニットの管理になる第3の表示装置と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行い、持球数と計数球を管理する封入球式遊技機において、
持球数を表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できるカードユニットの管理になる第3の表示装置と、
を備えていることを特徴とする封入球式遊技機。
【0458】
(2)また、第1の表示装置としての持球数表示器40は持球数をデジタル(数字)で表示し、第2の表示装置としての計数球表示器313は少なくとも計数球の有無をLEDの点灯/消灯により表示可能な構成であり、これは計数球を簡易表示することに相当している。一方、第3の表示装置としての操作表示装置7はカードユニット15の管理下にあり、遊技機から定期的に送信される情報(持球数及び計数球の情報を含む)に基づいて持球数及び計数球の詳細をカードユニット15の制御により表示する。
具体的には、操作表示装置7には計数球(一時的に発射できない保管された持球数)の詳細がデジタル(数字)と玉箱Tを摸した図形(アナログ図形)とで表示されるととともに、発射可能数(持球数)が存在することがメッセージにて表示される他、前述したように、
図72の場面P2では直接に示していないが、発射可能数(持球数)も操作表示装置7にデジタルで「持球数500個」というようにデジタル(数字)で表示がされる構成である。
したがって、遊技者に対して簡易な情報と、詳細な情報とを効率良く、提供することふができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
第1の表示装置は、持球数をデジタル表示可能であり、
第2の表示装置は、少なくとも計数球の有無を表示可能であり、
第3の表示装置は、カードユニットの管理下にあり、遊技機から送られた情報によりカードユニットの制御により持球数及び計数球の詳細を表示することを特徴とする遊技機。
【0459】
(3)実施例1では、持球数を計数球へ移動させる計数スイッチ311と、計数球を持球数へ移動させる計数球使用スイッチ314とを備えているので、遊技者は簡単な操作で、発射可能な持球数を計数して保管球へ移動させることができる。また、逆に、簡単な操作で、保管球から発射可能な持球数へ移動させる(戻す)ことができる。
特に、実球を使用する遊技機の例で言えば、持球数は上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、計数球は持球数から計数して移動した保管球であって、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球のイメージに相当しているので、計数スイッチ311を操作するだけで、簡単に持球数を計数球に移動でき、同じく計数球使用スイッチ314を操作するだけで、簡単に計数球を持球数に移動でき、実球を使用する遊技機に近い感覚で、封入球式遊技を行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数を計数球へ移動させる計数スイッチと、
計数球を持球数へ移動させる計数球使用スイッチと、を備え、
払出制御装置は、
計数スイッチが操作されると、持球数を計数球へ移動させる制御を行い、
計数球使用スイッチが操作されると、計数球を持球数へ移動させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
また、実施例1では計数球があるときに点灯する計数球表示器313を配置しているので、遊技者は計数球の存在を容易に知ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数球の存在を報知する計数球表示器を設け、
払出制御装置は、
計数球が存在するとき、計数球表示器により計数球の存在を報知(例えば、点灯)する制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0460】
(4)実施例1では、持球数及び計数球の両方を払出制御装置230で管理してデータを記憶し、カードユニット15に対しては定期的(例えば、400ms)に持球数及び計数球の情報を送信して、カードユニット15の制御により第3の表示装置としての操作表示装置7に表示可能に構成しているので、持球数を遊技機が管理し、計数球をカードユニット15が管理する方式に比べてセキュリティを高くすることができる。
すなわち、実施例1の構成によれば、持球数及び計数球の両方のデータを払出制御装置230のみ(遊技機側)で管理しているので、持球数を遊技機(パチンコ機1)が管理し、計数球をカードユニット15が管理する方式に比べてセキュリティが高い。また、例えば遊技機とカードユニット間の通信の不具合等による持球数や計数球数の各データの消失や不整合のおすれがない。また、カードユニット15側では計数球数データを管理していないので、計数球数データを外部から不正にカードユニット15に入力されるというおそれもない。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数及び計数球の両方を管理する制御装置を設け、
カードユニットに対しては、持球数及び計数球の情報を送信して、カードユニットの制御により第3の表示装置に表示可能に構成したことを特徴とする遊技機。
【0461】
実施例1によれば、封入球の研磨制御やサブ化等に関して、以下のような効果がある。
(5)実施例1では、パチンコ機1の稼働中に限らず、閉店して電源がオフになったときであっても、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)は遊技制御装置54(主基板)や払出制御装置230(払出基板)に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われない構成である。
すなわち、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)が「サブ化」(サブ化の詳細は前述した通り)されている。
このように、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)を「サブ化」することで、遊技制御装置54や払出制御装置230の制御の負担を軽減することができる。
具体的には、遊技制御装置54や払出制御装置230から演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送るだけで良く、そうすると、演出制御装置53では研磨開始コマンドを受けると、研磨制御装置59に研磨開始を指示し、研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
【0462】
また、遊技制御装置54や払出制御装置230は演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送るだけで、「サブ化」した研磨制御装置59(研磨装置56も含む)を作動させることが可能となり、遊技制御装置54や払出制御装置230は封入球の研磨を行わせるのにコマンドの送信という簡単な処理だけで済むので、遊技制御装置54や払出制御装置230の制御負担を格段に軽くすることができる。
さらに、サブ化した装置に対しては、遊技への直接の影響がないので、搭載する部品の制約は少ない。すなわち、サブ化した装置については、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。
したがって、サブ化した装置はROM容量を気にせずに設計ができるとともに、例えば部品の選択肢も広がり、RTC(リアルタイムクロック)の搭載も可能になり、演出の幅が広がる。また、サブ化した装置はセンサ等の部品の選択肢も広がり、低コスト化にもつながる。さらに、「サブ化」することで、遊技への直接の影響がないので、検査が簡素化されるという利点もある。
また、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)のサブ化により、遊技球の研磨を行う装置(制御装置を含む)に関する型式試験の時間が短縮される利点がある。
【0463】
この背景を説明する。
一般に、封入球式遊技機に研磨装置を設置する場合、試験機関で研磨装置の検査をすることになるが、研磨装置は従来の遊技機には無い装置であるので、試験に時間がかかるおそれがある。
従来、遊技球の研磨装置は補給設備の範疇に入るものであり、補給設備として設置されている。そして、補給設備は遊技機による遊技の結果に直接影響がないものであるので、遊技機の検査という観点では試験は省略される。
そこで本実施例では、研磨装置を遊技機内に組み込むものの、サブ化することで、遊技への直接の影響をなくし、検査が簡素化されるという利点を得るようにしたものである。
【0464】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備えた遊技機において、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、遊技制御装置又は払出制御装置からの指示により研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
【0465】
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
封入球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備え、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、遊技制御装置又は払出制御装置からの指示により研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする封入球式遊技機。
【0466】
(6)パチンコ機1の電源投入時に、払出制御装置230は遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送信し、演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置59へ研磨開始を指示することにより、研磨制御装置59は演出制御装置53からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ封入球の研磨を行う。
このため、払出制御装置230は単に研磨開始コマンドを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に出すだけで、演出制御装置53の管理の下で研磨制御装置59(研磨装置56も含む)より封入球の研磨が行われるから、払出制御装置230(払出基板)や遊技制御装置54(主基板)の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
制御負担を軽減は、ハード面、ソフト面の双方に及び、何れも軽減することができる。
また、研磨制御装置59はRTC60を搭載しているので、このRTC60を演出制御装置53の演出用に利用できるという利点がある。そうした場合、特に演出制御装置にRTCを搭載しなくてよいので、遊技機の機種入替え時のコスト低減になる。
さらに、研磨制御装置59はサブ化されているので、いわゆる枠要素として部品の共通化が図れる。
【0467】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記研磨制御装置は、
研磨開始指示があると、予め定められた所定期間だけ球の研磨を行うように前記研磨装置を制御することを特徴とする遊技機。
ここで、所定期間とは、例えば遊技機の電源投入時の一定期間である。
【0468】
また、払出制御装置230は電源投入時の研磨開始時に遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送信し、演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨開始コマンド受信からで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御するので、店員等は表示装置41の画面を見るだけで、封入球の研磨中であることを容易に知ることができ、便利である。
一方、払出制御装置230は研磨開始時から所定期間の経過後に、研磨停止コマンドを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53へ送信し、演出制御装置53は研磨停止コマンドを受けると、表示装置41における研磨中の表示を停止するように制御するので、店員等は表示装置41の画面を見るだけで、封入球の研磨が終了したことを容易に知ることができ、便利である。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
研磨装置が球の研磨を行っている間は、演出制御装置に研磨中であることを表示装置に表示させる制御を行うように指示することを特徴とする遊技機。
なお、遊技制御装置が演出制御装置を制御している場合は、上記構成のうち、払出制御装置を遊技制御装置に変えればよい。
また、遊技制御装置と払出制御装置が一体化されて1つの遊技制御装置として構成されている場合には、上記の発明概念において払出制御装置という構成要件を遊技制御装置に変更した構成にすればよい(これは、以降の発明概念においても同様である)。
【0469】
(7)封入球の研磨中、すなわち、払出制御装置230が遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、次いで、所定期間経過後に研磨停止コマンドを送信するまでの間は、封入球の研磨中であるので、遊技球の発射を停止する制御を行うので、遊技への支障をなくすことができる。言い換えれば、遊技中は研磨装置56を作動させないので、遊技に対して研磨装置56の作動に基づく影響がないようにできる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
研磨装置が球の研磨を行っている間は、遊技を停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
なお、遊技制御装置が球の発射を制御している場合は、上記構成のうち、払出制御装置を遊技制御装置に変えればよい。
【0470】
(8)パチンコ機1の電源投入時に、研磨制御装置59の指示により研磨装置56では所定時間T1だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて封入球が研磨装置56によって研磨される。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置56を介さずに循環することになる。
したがって、経路の切替えという簡単な制御で封入球の研磨を行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技球を研磨装置に誘導し研磨を行う球磨き状態と、研磨装置を経由させずに遊技球を循環させる通常状態とを切り替え可能な経路切替手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0471】
(9)遊技中(台の稼働時で、大当り時等も含む)においては、研磨制御装置59の制御により封入球が研磨装置56を介さずに循環するように制御される。したがって、遊技中は研磨装置56を通過しないので、遊技に対して研磨装置56の作動に基づく影響がないようにできる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技中は、前記経路切替手段により研磨装置を経由させずに遊技球を循環させる通常状態とするように構成したことを特徴とする遊技機。
【0472】
(10)実施例1では、演出制御装置53(サブ基板)の制御により装飾持球表示装置250によって持球数や計数球数を装飾表示するので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。すなわち、装飾持球表示装置250は実球式に近い持球の表現が多数のLEDによる装飾制御でできるので、感覚的に分かりやすい。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
特に、持球数は装飾持球表示装置250のうちの上部装飾持球表示装置250aにより、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて多数のLEDで装飾制御されるので、遊技者に持球数のおよその量が分かりやすいという効果がある。
一方、計数球数は、装飾持球表示装置250のうちの下部装飾持球表示装置250cにより、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて多数のLEDで装飾制御されるので、遊技者に計数球数のおよその量が分かりやすいという効果がある。
さらに、装飾持球表示装置250はサブ基板である演出制御装置53によって制御されるので、払出制御装置230や遊技制御装置54の制御負担を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を設け、
前記装飾持球表示装置は、サブ基板としての演出制御装置によって制御される構成であることを特徴とする遊技機。
【0473】
また、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するように計数装飾部250cのLEDが移動点滅させるように装飾の制御が行われるので、計数中であることが遊技者にとって感覚的に分かりやすい効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を設け、
演出制御装置は、
持球数が計数されるときに、前記装飾持球表示装置にて持球数が計数球に移動する様子を演出表示するように、装飾持球表示装置を装飾制御することを特徴とする遊技機。
【0474】
(11)実施例1では、遊技機(パチンコ機1)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器40と、持球数や計数球を装飾表示できる第2の表示装置としての装飾持球表示装置250を備えるので、持球数は持球数表示器40でデジタル表示され、持球数や計数球数は装飾持球表示装置250でアナログ表示されることとなり、遊技者にとって持球数は詳しく知ることができるとともに、持球数や計数球数はアナログ表示により瞬時におよその量を把握することができ、便利である。
この場合、払出制御装置230は、第1の表示装置としての持球数表示器40に持球数のデジタル表示を行うように制御し、演出制御装置53は第2の表示装置としての装飾持球表示装置250に持球数や計数球数をアナログ表示すように制御するので、表示制御に一部がサブ基板たる演出制御装置53の分担されることとなり、払出制御装置230の制御負担が軽減される。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置(又は遊技制御装置)は、
第1の表示装置により持球数のデジタル表示を行うように制御し、
演出制御装置は、
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を制御し、装飾持球表示装置により持球数及び計数球のアナログ表示を行わせることを特徴とする遊技機。
【0475】
(12)実施例1では、払出制御装置230はRAMクリアスイッチ182がオン操作された場合には、払出制御装置230の内部のRAM233が初期化されてクリアされた後に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を払出制御装置230に取り込んでRAM233に記憶する。その後、RAM233に記憶した枠開放情報を払出制御装置230からカードユニット15へ送信する。
したがって、RAMクリアスイッチ182のオン操作により、RAM233の枠開放情報が消されるという不具合が発生しないという効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
RAMクリアスイッチが押された場合は、払出制御装置のRAMをクリアした後に、前面枠開放検出手段からの枠開放情報を取り込んでRAMに記憶し、
その後、RAMに記憶した枠開放情報をカードユニットへ送信するように構成したことを特徴とする遊技機。
【0476】
(13)実施例1では、払出制御装置230からカードユニット15へ定期的(例えば、400ms毎)に持球数や計数球数をはじめとして各種遊技情報を送信しているが、特に、持球数及び計数球数については、変化分ではなく、その時の実数を送信する構成であるので、データの取りこぼし対策を講じる必要がなく、正確に持球数及び計数球数をカードユニット15へ送信することができ、データの信頼性を高めることができる。
因みに、持球数及び計数球数について、これらの変化分(つまり、更新持球数と更新計数球数)を払出制御装置230からカードユニット15へ送信する方式であると、データを取りこぼした場合には、カードユニット15側の持球数及び計数球数が正確に更新されず、データの信頼性が低くなる。そのため、データの取りこぼし対策を講じる必要があり、制御も複雑になってしまう。
これに対して実施例1では、持球数及び計数球数については、その時の実数を送信する構成であるから、データの取りこぼし対策を講じる必要がないという利点がある。
【0477】
また、実施例1によれば、不正への対処に関して、以下のような効果がある。
(1)主電源遮断時であっても前面枠4が開放されていることが検出可能であり、前面枠4の開放を検出した枠開放情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126を設け、電源装置58から供給される主電源の投入時に、払出制御装置230には主電源が直ちに供給されるが、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対しては主電源が所定時間Ta(例えば、5秒:払出制御装置230の立ち上げ準備期間を超える期間)だけ遅延して供給され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部(例えば、払出制御装置230)に出力する。
したがって、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。その結果、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の機能を十分に発揮して、セキュリティを向上させることができる。
【0478】
この背景を説明する。
遊技機に対する不正の1つに、夜間、遊技機の電源遮断時に遊技店に侵入し、遊技機の制御装置を改造したり、あるいは不正な装置(例えば、基板)に交換したりすることが行われることがある。
これに対応して、例えば遊技機の電源遮断時に遊技機が開放(特に、前面枠の開放)されたことをセンサー(例えば、夜間監視SW)にて検出・記憶し、翌日の開店時における遊技機の電源投入時に当該センサーが検出した前面枠の開放情報を遊技制御装置に出力する例がある。
しかしながら、夜間監視SWによって記憶された枠開放情報を取り込む遊技制御装置は、主電源が入った時点から立ち上げ準備にある程度時間がかかる。この立ち上げ準備期間に夜間監視SWからの枠開放情報が入力されたとき、当該情報を取り込めないおそれがあり、それでは前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の機能を十分に発揮できない。
枠開放情報がうまく取り込めなければ、折角、遊技機の電源遮断時に前面枠が開放されたことをセンサー(例えば、夜間監視SW)で検出・記憶していたとしても、セキュリティの低下を招き、対策が求められている。
なお、上記の例は前面枠の開放情報を遊技制御装置が取り込む場合であるが、前面枠の開放情報を払出制御装置が取り込む場合であっても同様の問題がある。
【0479】
本実施例は、上記課題を解決できるものである。
すなわち、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Taだけ遅延して供給開始することで、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
なお、実施例1の構成の説明において、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出する構成にしてもよいと説明したが、その場合には、同様に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Taだけ遅延して供給開始することで、払出制御装置230の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126によるガラス枠5の開放情報が払出制御装置230に取り込まれることとなり、取り込んだガラス枠5の開放情報に基づいて前面枠4が開放情報の場合と同じような処理を行う。そうすると、当該ガラス枠5の開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実にガラス枠5の開放情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
【0480】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
電源装置から供給される主電源の投入時に、前記前面枠開放検出手段への主電源の供給を遅延させる遅延手段と、を設け、
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を出力することを特徴とする遊技機。
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、電源を供給する電源装置と、を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
電源装置から供給される主電源の投入時に、前記前面枠開放検出手段への主電源の供給を遅延させる遅延手段と、を設け、
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を出力することを特徴とする封入球式遊技機。
【0481】
(2)払出制御装置230はパチンコ機1の電源投入時に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延して供給するが、例えばRAMクリアスイッチ182をオン操作して電源投入が行われた場合には、払出制御装置230では、RAMクリア(RAM233などの初期化)を行ってから、前面枠4の枠開放情報(前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号)を読み込むようにし、払出制御装置230ではRAMクリア後に前面枠4の枠開放情報を読み込んで、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信するという構成であるから、RAMクリアスイッチ182をオン操作しても前面枠4の枠開放情報を取りこぼすことがなく、確実にカードユニット15に前面枠4の枠開放情報を送信することことができるので、前面枠4の枠開放情報をカードユニット15が受信することで、例えばカードユニット15ではエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置を取って、不正遊技を予め防ぐことができる。
【0482】
(3)また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生すると、そのエラー状態が表示装置41に表示されるので、表示装置41を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切は処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができる。
なお、表示装置41を店員が見ないような場合でも、上述したように前面枠4の不正な枠開放情報をカードユニット15が受信することで、例えばカードユニット15でもエラー報知したり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する等の処置を取るので、店員が気がつき易くなり、不正に対するセキュリティが向上する。また、カードユニット15では球貸しを行わない等の処置を取るようにすれば、遊技者がカードユニット15にて球貸し操作を行っても球貸しが行われず、これを遊技者が店員に告げることで、カードユニット15の不具合を店員が気づき、その点検をするうちに、前面枠4の不正な枠開放に店員が気づいて、例えば、不正基板等の取り外し等の適切な処置を取ることができ、不正に対するセキュリティが向上する。
【0483】
(4)払出制御装置230に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延して供給するスイッチ電源遅延回路541(遅延手段)を設けているので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に遅延手段を配置しなくて済み、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126を小型化できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遅延手段は、遊技制御装置に設けられ、
前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を遊技制御装置に出力することを特徴とする遊技機。
【0484】
(5)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延して供給するスイッチ電源遅延回路541は、
図8に示すように、CPUを使用しないでハード回路によって構成される。
したがって、遅延手段(ここではスイッチ電源遅延回路541)にCPUを使用しないので、払出制御装置230におけるCPU231の負担を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遅延手段は、CPUを使用しないハード回路で構成され、
主電源の供給が開始されたら、所定時間遅延させて主電源を前面枠開放検出手段に供給することを特徴とする遊技機。
【0485】
(6)電源装置58は主電源と、バックアップ電源を供給可能であり、電源装置58は主電源の遮断時には、バックアップ電源を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給するので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126自体にバックアップ電源を備える必要がなく、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126を小型化できる。また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126自体にバックアップ電源を備えた場合には、バックアップ電源の容量に注意を払って設計する必要があるが、外部の大容量の電源装置58からバックアップ電源を供給する構成であるので、設計が楽で、コスト低下にもつながる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
電源装置は、
主電源と、バックアップ電源を供給可能であり、
前記電源装置は、
主電源の遮断時には、バックアップ電源を前記前面枠開放検出手段に供給することを特徴とする遊技機。
【0486】
(7)遊技機IDを使用する構成に関して、以下のような変形例とした場合には、下記の効果がある。
すなわち、変形例として、例えばパチンコ機1では、電源投入時に遊技機ID(遊技制御装置54の固有識別情報:主基板ID及び払出制御装置230の固有識別情報:払出固有ID)をカードユニット15を経由して外部の外部管理装置91に送信して予め管理している正規の遊技機IDと照合(IDの真偽の照合)してもらい、夜間枠開放不正報知中であると判定した場合には、外部管理装置91からID照合結果がOKという情報をカードユニット15を経由して受信したかどうかを判定する。
そして、ID照合結果OKをカードユニット15から受信していない場合は、表示装置41にて夜間に前面枠4が開放されたという情報の表示が継続し、店員により払出制御装置230や遊技制御装置54などの点検が行われ、不正の有無も含めて必要な処置を取る。
したがって、このような変形例を採用した場合には前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報と、遊技機IDの照合結果という2つの情報で不正の可能性を判断することにより、枠開放情報だけで不正を判定する場合に比べて、より一層、不正の可能性判定の精度を高めることができ、セキュリティの高い遊技機を提供することができる。
【0487】
特に、遊技店外の第三者が管理する外部管理装置91で遊技機IDの真偽を照合するので、遊技機の不正改造等の確認をより正確に行うことができる。
また、変形例では夜間枠開放不正報知中であるときは、ID照合結果がOKとなるまで夜間枠開放不正のエラー報知を継続するが、これにより、以下の効果が得られる。
第1に、エラー報知する状況下では、遊技店が開店準備に忙しい期間なので、所定時間だけのエラー報知であると、店員が見逃してしまうおそれがあるが、変形例実施例1ではID照合結果がOKとなるまで夜間枠開放不正のエラー報知を継続するので、店員が見逃してしまうおそれが少なく、確実に不正への対処(例えば、不正点検等)を行うことができる。
第2に、前面枠4の開放を検出したときの枠開放情報は遊技店が点検等で単に前面枠を開放しただけの場合も考えられ、その場合には多くの遊技機がエラー報知をするおそれがある。変形例では、遊技機の前面枠を開放しただけの場合なら、ID照合結果OKを受信すればエラー報知を終了するので、エラー報知は単に表示装置41に一時的に表示されるだけに留まり、多くの遊技機が長時間にわたってエラー報知をするおそれはない。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
電源装置による主電源の投入時に、
遊技機を特定して識別可能な主固有識別情報をカードユニットを経由して第3者機関が管理する外部管理装置へ送信する送信手段を設け、
外部管理装置は、
送信された主固有識別情報を予め管理している当該遊技機の主固有識別情報と照合し、照合結果をカードユニットへ返信するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0488】
(8)払出制御装置230では、パチンコ機1の電源投入時に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して主電源を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延して供給するが、その後は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126から前面枠4の枠開放情報を取り込み、夜間に前面枠4の不正な開放による枠開放情報が発生したことを前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の検出信号に基づいて判定すると、エラー状態の情報を出力するので、エラーの報知を速やかに行うことができる。
上記構成のうち、エラー状態を出力する発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報がある場合に、前面枠異常のエラー情報を出力することを特徴とする遊技機。
また、上記では払出制御装置230からのエラー状態の情報を遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に出力し、演出制御装置53の制御により表示装置41にてエラー報知をするので、エラーの確認を効率良く行うことができる。
上記構成のうち、表示装置41でエラー報知を行う発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報がある場合に、前面枠異常のエラー情報を演出制御装置に出力し、
演出制御装置は、表示装置にて前面枠異常のエラー情報を表示させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0489】
(9)遊技機IDを使用する構成に関して、以下のような変形例とした場合には、下記の効果がある。
すなわち、変形例として、例えば払出制御装置230では、パチンコ機1の電源投入時に、夜間に前面枠4の不正な開放による枠開放情報が発生したことを判定すると、不正の可能性があると判断して払出制御装置230からエラー状態の情報を遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に出力し、演出制御装置53の制御により表示装置41にてエラー報知を行い、さらに、遊技機IDの照合結果OKをカードユニット15経由で外部管理装置91から受信するまで、エラー報知を継続させる構成を採用した場合には、前面枠4の不正な開放を確実に報知でき、払出制御装置230や遊技制御装置54の真偽を含めて、不正かどうかを確実に点検することができる。
特に、遊技店外の第三者が管理する外部管理装置91で遊技機IDの真偽を照合するので、遊技機の不正改造等の確認をより正確に行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
電源装置による主電源の投入時に、
遊技機を特定して識別可能な主固有識別情報をカードユニットを経由して第3者機関が管理する外部管理装置へ送信する送信手段を設け、
遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報がある場合に、前面枠異常のエラー情報を出力し、
当該遊技機の主固有識別情報の照合結果が外部管理装置から送られてくるまで、前記エラー情報の出力を継続することを特徴とする遊技機。
【0490】
(10)RAMクリアに関して、以下のような変形例とした場合には、下記の効果がある。
すなわち、変形例として、例えば店員がRAMクリアの操作を行った場合、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を払出制御装置230から送信しないうちに、例えばRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしても、RAMクリアが行われず、不正に前面枠4が開放された枠開放情報がRAM233に保持される構成を採用した場合には、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
すなわち、夜間に遊技機の前面枠4を開放して不正基板等の取り付けを行い、その後、遊技機の電源を入れ、RAMクリアスイッチ182を押してRAMクリアを行って不正の痕跡を消そうとしても、前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信されないと、RAM233がクリアされず、前面枠4の枠開放情報が依然としてRAM233に保持されるので、不正に対するセキュリティが高まる。
そして、上記変形例の構成によれば、払出制御装置230から前面枠4の枠開放情報が確実にカードユニット15に送信されてから、RAM233がクリア(初期化)され、このとき、RAM233に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報もクリアされるので、不正に対して確実に対応することができる。
なお、払出制御装置230は、カードユニット15へ前面枠4の枠開放情報を送信した後、カードユニット15が当該枠開放情報を受信したことを示す受信ACKを確認するまではRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしてもRAM233113をクリアせず、当該受信ACKを確認すると、その後に前面枠4の枠開放情報を含むRAM233をクリア(初期化)するようにしてもよい。このようにすれば、不正に対してより確実に対応することができる。
以上のことから、よりセキュリティの高い遊技機を提供できる。
【0491】
この背景を説明する。
遊技機に対する不正の1つに、夜間、遊技機の電源遮断時に遊技店に侵入し、遊技機の制御装置を改造したり、あるいは不正な装置(例えば、基板)に交換したりすることが行われることがある。
これに対応して、例えば遊技機の電源遮断時に遊技機が開放(特に、前面枠の開放)されたことをセンサー(例えば、夜間監視SW)にて検出・記憶し、翌日の開店時における遊技機の電源投入時に当該センサーが検出した前面枠の開放情報を遊技制御装置に出力する例がある。
しかしながら、上記センサー(夜間監視SW)によって検出・記憶された枠開放情報を遊技制御装置に取り込んで記憶したとしても、店員によるRAMクリアスイッチの操作により遊技制御装置に記憶しておいた枠開放情報が消去される可能性がある。
すなわち、遊技機の主電源遮断時に、前面枠の開放を検出して保持する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)を設け、それを遊技機に読み込んで不正を監視すれば、セキュリティは高いが、遊技機の電源投入時にRAMクリアスイッチが押されると、折角、監視して得られた前面枠の枠開放情報が消えてしまうおそれがあり、それでは前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の機能を発揮できない。
枠開放情報が消去されてしまうと、遊技機の電源遮断時に前面枠が開放されたことをセンサー(例えば、夜間監視SW)で検出・記憶していたとしても、セキュリティの低下を招き、対策が求められている。
特に、枠開放情報が消去されてしった場合、異常検出情報が無くなり、確実に不正を発見することができなくなってしまう。
【0492】
本実施例は、上記課題を解決できるものである。
すなわち、店員がRAMクリアの操作を行った場合であっても、カードユニット15へ前面枠4の開放情報を送信したことを払出制御装置230が確認しないうちはRAMクリアが行われず、不正に前面枠4が開放された枠開放情報がRAM233に保持されるので、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
また、払出制御装置230から前面枠4の枠開放情報が確実にカードユニット15に送信されてから、RAM233がクリアされ、同時にRAM233に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報もクリアされる。したがって、不正に対して確実に対応することができる。
なお、払出制御装置230は、カードユニット15へ前面枠4の枠開放情報を送信した後、カードユニット15が当該枠開放情報を受信したことを示す受信ACKを確認するまではRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしてもRAM233をクリアせず、当該受信ACKを確認すると、その後に前面枠4の枠開放情報を含むRAM233をクリア(初期化)するようにしてもよい。このようにすれば、不正に対してより確実に対応することができる。
以上より、不正に強い遊技機を提供できる。
【0493】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
遊技制御装置のRAMをクリアするRAMクリアスイッチと、を備えた遊技機において、
電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
RAMクリアスイッチの作動を制御するクリア制御手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報をカードユニットに送信し、
前記RAMクリアスイッチが押された場合は、前記前面枠の開放情報をカードユニットに送信したことを確認してからクリア制御手段によりRAMをクリアするように構成したことを特徴とする遊技機。
【0494】
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、遊技制御装置のRAMをクリアするRAMクリアスイッチと、を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
RAMクリアスイッチの作動を制御するクリア制御手段と、を備え、
前記遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報をカードユニットに送信し、
前記RAMクリアスイッチが押された場合は、前記前面枠の開放情報をカードユニットに送信したことを確認してからクリア制御手段によりRAMをクリアするように構成したことを特徴とする封入球式遊技機。
【0495】
(11)RAMクリアに関して、以下のような変形例とした場合には、下記の効果がある。
すなわち、変形例として、例えば払出制御装置230はパチンコ機1の電源投入時に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの検出信号の出力は所定時間だけ遅延するものの、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放状態が検出されている場合に、前面枠4の枠開放情報がカードユニット15に送信されていないときは、RAMクリアスイッチ182が押された場合であっても、RAM233のクリアをせず、エラー情報を遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に出力する構成を採用した場合には、演出制御装置53により枠開放情報に関するコマンドがカードユニット15に送信されていないことを示すエラーメッセージを表示装置41に表示するなどの制御を行い、店員に報知することにする。
したがって、この変形例によれば、表示装置41を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切は処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができる。すなわち、不正に対して確実に対応することができる。
【0496】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報がカードユニットに送信されていない場合は、
前記RAMクリアスイッチが押された場合であっても、クリア制御手段によりRAMのクリアをせずに、エラー情報を出力することを特徴とする遊技機。
【0497】
(12)RAMクリアに関して、以下のような変形例とした場合には、下記の効果がある。
すなわち、変形例として、例えば払出制御装置230はパチンコ機1の電源投入時に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの検出信号の出力は所定時間だけ遅延するものの、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放状態が検出されている場合に、前面枠4の枠開放情報をRAM233に記憶してカードユニット15に送信し、カードユニット15からの受信ACKを確認したら、RAM233に記憶しておいた当該枠開放情報をクリアするようにした場合は、カードユニット15が前面枠4の開放情報を払出制御装置230から受信しないうちはRAMクリアが行われず、不正に前面枠4が開放された枠開放情報がRAM233に保持されるので、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
すなわち、枠開放情報がRAM233に保持されている限り、店員は不正の可能性をさぐりながら、不正を除去する処置をとることができる。
特に、主電源遮断時に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により前面枠4の開放状態が検出された枠開放情報をカードユニット15が受信したことを示す受信ACKを確認してから、RAM233に記憶しておいた枠開放情報をクリアするので、主電源遮断時に検出した貴重な枠開放情報を失うことなく、有効に利用でき、セキュリティを高めることができる。
また、前面枠4の開放情報を払出制御装置230からカードユニット15に送信したら、枠開放情報をクリアしてしまうと、カードユニット15が当該枠開放情報を受信できなかった場合は、枠開放情報が消えてしまうが、変形例では枠開放情報をカードユニット15が受信したことを示す受信ACKを確認した後に、RAM233に記憶しておいた枠開放情報をクリアするので、この点からもセキュリティを格段に高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記遊技制御装置は、
遊技機の電源投入時に、前記前面枠開放検出手段による前面枠の開放情報をカードユニットに送信し、
カードユニットからの受信ACKを確認したら、当該開放情報をクリアすることを特徴とする遊技機。
【0498】
(13)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126はパチンコ機1の電源遮断時(例えば、遊技店が閉店中の夜間)に前面枠4の開放を検出した場合は、その枠開放情報を保持し、パチンコ機1の電源投入時に、スイッチ電源遅延回路541により前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対する主電源の供給が所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延するものの、主電源が供給されると、直ちに、保持しておいた前面枠4の枠開放情報を払出制御装置230に出力し、払出制御装置230は前面枠4の枠開放情報を読み込んでRAM233に記憶し、RAM233に記憶した前面枠4の枠開放情報をカードユニット15に送信するので、カードユニット15では例えば夜間に前面枠4が不正に開放された可能性があると判断してカードユニット15でエラー報知したり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力したり、さらに球貸しを行わないようにしたりして、不正に適切に対処することができる。その結果、エラー報知により店員がパチンコ機1の点検を行うことができ、さらに球貸しが行われないようにすることもできるので、不正があったとしても、不正基板等を発見することが可能であり、さらにパチンコ機1を稼働させないことも可能であり、遊技店の被害を未然に防ぐことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記前面枠開放検出手段は、
遊技機の電源遮断時に前面枠の開放を検出した場合は、その開放情報を保持し、遊技機の電源投入時に、保持しておいて前面枠の開放情報を外部に出力し、
遊技制御装置は、
電源投入時、前面枠開放検出手段で検出し保持された前面枠の開放情報をRAMに記憶し、RAMに記憶した前面枠の開放情報をカードユニットに送信することを特徴とする遊技機。
【0499】
また、実施例1によれば、遊技ゲームに関して以下のような効果がある。
(1)本実施例のパチンコ機1(封入球式遊技機)は、演出制御装置53(遊技機:パチンコ機1)が管理する表示装置41(第1の表示装置)と、カードユニット15が少なくとも一部を制御する操作表示装置7(第2の表示装置)とを備え、操作表示装置7はカードユニット15が制御する球貸に関する情報の表示の他に、遊技機が制御する遊技情報を表示可能に構成しているので、表示装置41で特図ゲームの演出を行いながら、その他の遊技情報(例えば、演出用の操作画面情報、遊技者の選択画面情報、特図ゲームに登場するキャラクタ紹介等の演出補助情報など)については操作表示装置7で表示することができ、遊技者に分かりやすい多彩な演出表示が可能となって、遊技の興趣を高めることができる。
【0500】
この背景を説明する。
液晶表示器等の表示装置を搭載して演出を行う遊技機では、例えば図柄変動表示を行うとともにゲーム説明を表示したり、様々なキャラクタを登場させたり、また押しボタンにより遊技者に演出を選択させる画面を表示する等している。
しかしながら、1つの表示装置に上記のような様々な表示を行うと、図柄変動表示、ゲーム説明、キャラクタ登場等が混在して、遊技者に分かりにくい表示となっている。
【0501】
具体例で示すと、以下の通りである。
例えば、演出用の操作ボタンを複数設け、演出に変化を与えるようにする遊技機がある。
しかしながら、このような場合、複数の操作ボタンの役割や操作方法が分かりにくいと、逆に遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。
また、別の遊技機では、例えば演出用の押しボタンが複数あったり、あるいは十字キーと組み合せて演出用に使用したりして色々な演出に対応させている。
しかしながら、このような場合、遊技者にしてみれば操作が複雑化して分かりにくいという面がある。そのため、対策が必要である。
【0502】
また、遊技盤中央部に対応する領域に、タッチパネル(タッチセンサーを配置した構成)を設けた遊技機がある(例えば、特開2004−16292号公報参照)。
しかしながら、このような遊技機の場合、遊技者がガラス部を指で触れるので、ガラス部の汚れが目立つという問題がある。遊技場側は、遊技機の目立つところが汚れるので、ガラス部の掃除をこまめに行う必要があり、面倒である。
本実施例は、上記課題を解決できるものである。
【0503】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機が管理する第1の表示装置と、
カードユニットが少なくとも一部を制御する第2の表示装置と、を備えた遊技機であって、
前記第2の表示装置は、カードユニットが制御する球貸に関する情報の表示の他に、遊技機が制御する遊技情報を表示可能に構成したことを特徴とする遊技機。
【0504】
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技機が管理する第1の表示装置と、
カードユニットが少なくとも一部を制御する第2の表示装置と、を備え、
前記第2の表示装置は、カードユニットが制御する球貸に関する情報の表示の他に、遊技機が制御する遊技情報を表示可能に構成したことを特徴とする封入球式遊技機。
【0505】
(2)操作表示装置7の制御は主にカードユニット15が管理するが、切替回路320によりカードユニット15から遊技機側に操作表示装置7の接続ルートを切り替えた場合には、遊技機(演出制御装置53)が制御する遊技情報(例えば、演出用の操作画面情報、遊技者の選択画面情報、特図ゲームに登場するキャラクタ紹介等の演出補助情報など)を操作表示装置7に表示するので、操作表示装置7の制御につき、球貸に関する情報も含めて全て遊技機で表示制御する場合に比べれば、遊技機の制御負担が少なくて済むという効果がある。
【0506】
(3)遊技機側の制御になる表示装置41でゲームの演出を続行しながら、特図ゲームの演出とは別の遊技情報については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、ゲーム進行の演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、ゲーム進行の演出とキャラクタの紹介の説明とを両立させることができ、極めて好都合である。
また、表示装置41と操作表示装置7とで演出内容を使い分けできるので、演出の幅が広がる。
【0507】
(4)遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ9とタッチ式の操作表示装置(タッチパネル)とを備え、切替ボタン307は操作表示装置7に配置されているので、遊技者に対する演出の幅を広げることができる。
例えば、演出操作スイッチ9は表示装置41の演出画面の内容に合わせて、遊技者に連打することを促す表示を表示装置41に表示することで、遊技者が演出操作スイッチ9を連打して遊技の面白みを出す一方、操作表示装置7に配置されている切替ボタン307は
機種名やゲーム説明などの表示を選択する際に使用することで、連打用と選択用に、演出操作スイッチ9と切替ボタン307とをそれぞれ使い分けることができ、演出の幅が広がる。
また、連打用と選択用に、演出操作スイッチ9と切替ボタン307や操作表示装置7上の演出用の各種ボタンとをそれぞれ使い分けることで、演出の自由度が広がる。
【0508】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者が操作する第1の演出操作部と第2の演出操作部と、を備え、
前記第2の演出操作部は、前記第2の表示装置に配置されることを特徴とする遊技機。
ここで、演出操作スイッチ9は第1の演出操作部を構成し、操作表示装置7(タッチパネル方式の各種ボタンを含む)は第2の演出操作部を構成する。
また、構造に着目すると、上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第1の演出操作部は、遊技者が押下可能な機械式の押ボタンで構成され、
前記第2の演出操作部は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成されることを特徴とする遊技機。
【0509】
(5)操作表示装置7に表示する情報を切り替える切替回路320を設け、切替回路320はカードユニット15からの情報と、遊技機(演出制御装置53)からの情報とを切替可能であるので、以下の効果がある。
通常は、切替回路320が操作表示装置7の接続先をカードユニットルートに切り替えるので、カードユニット15の管理・制御の下で、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される一方、切替ボタン307にタッチすると、操作表示装置7の接続先が遊技機ルートに変更されて、遊技機からの情報が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される。したがって、球貸等の操作表示と遊技機の演出用の操作表示とを同じ操作表示装置7で行うことができ、便利であるとともに、演出の幅を広げることができる。
また、球貸等の操作表示と遊技機の演出用の操作表示とを同じ操作表示装置7で行うが、切替回路320によりカードユニット15と遊技機(パチンコ機1)の情報とを分けて混在しないように表示することができ、表示情報を分かりやすくすることができる(つまり、情報の混在を避けることができる)。
【0510】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
第2の表示装置に表示する情報を切り替える切替手段を設け、
前記切替手段は、カードユニットからの情報と、遊技機からの情報とを切替可能であることを特徴とする遊技機。
【0511】
(6)操作表示装置7は、通常はカードユニット15からの情報(球貸や貯球関係の情報)を表示するが、表示装置41での演出に連動して演出制御装置53から優先信号が切替回路320に出力されると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが優先的に遊技機ルートに切り替えられて遊技機(演出制御装置53)からの情報(演出用の操作表示情報)を表示するので、特に表示装置41での演出が盛り上がるような場合(例えば、リーチ発生や大当り発生時)に、操作表示装置7の演出に関係する各種ボタン(例えば、アイテム選択ボタンや大当り時の楽曲選択ボタン)を遊技者が操作することで、遊技者の意思が反映された内容で演出が進行するので、ゲームが面白くなって遊技の興趣が高まる。
【0512】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、
通常はカードユニットからの情報を表示し、
前記第1の表示装置での演出に連動して切替手段が作動して切り替えを行った場合には、遊技機からの情報を表示することを特徴とする遊技機。
【0513】
(7)演出操作スイッチ9は前述したように、表示装置41の演出画面の内容に合わせて遊技者が演出操作スイッチ9を連打して遊技の面白みを出す一方、操作表示装置7の演出に関係するタッチパネル式の各種ボタン(例えば、アイテム選択ボタンや大当り時の楽曲選択ボタン)は、演出で使用するアイテムの選択や大当り演出時の楽曲の選択等に使用することで、連打用と選択用に、演出操作スイッチ9と操作表示装置7のタッチパネル式の各種ボタンとをそれぞれ使い分けることができ、演出の幅が広がる。
特に、演出操作スイッチ9は遊技者が押下可能な機械式の押ボタンで構成されるので、連打で使用しても破壊しにくいという利点がある。
一方、操作表示装置7の演出に関係するタッチパネル式の各種ボタンは、タッチパネル方式であるので、複数の項目から選択するような操作がワンタッチででき、分かりやすいという利点がある。また、様々な演出に応じて操作表示装置7の画面上に表示する各種ボタンを変更できるので、各種ボタンを分かりやすく変更すれば、遊技者に選択操作をきめ細かく表示でき、分かりやすくすることができる。
さらに、操作表示装置7は本来的にカードユニット15によって管理・制御されるために、球貸や貯球の操作・表示に対応して遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成されており、その構成を利用して遊技機の演出の操作・表示をするのにも利用されるので、演出・表示の効率が良いという利点がある。
【0514】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者が操作する第1の演出操作部は、遊技者が押下可能な機械式の押ボタンで構成されて連打演出に使用され、
遊技者が操作する第2の演出操作部は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成されて遊技者の選択演出に使用されることを特徴とする遊技機。
ここで、演出操作スイッチ9は第1の演出操作部を構成し、操作表示装置7のタッチパネル式の各種ボタンは第2の演出操作部を構成する。
【0515】
(8)操作表示装置7は遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、遊技者の操作(例えば、切替ボタン307の操作)により操作表示装置7の表示画面を切り替えることが可能であるので、カードユニット15によって管理・制御される操作表示装置7に遊技者の操作で簡単に遊技機からの情報を表示されることができ、表示装置41の他にも遊技機の演出に関連する情報を遊技者に知らせることができ、あたかも表示装置41の画面が複数になったような使い方もできて、演出の幅を広げることができる。
【0516】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
遊技者の操作により、第2の表示装置の表示画面を切り替えることが可能であることを特徴とする遊技機。
ここで、操作表示装置7は第2の表示装置に相当し、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成される。
【0517】
(9)遊技者が操作可能で演出用の操作部(タッチパネル)としても使用される操作表示装置7は、ガラス枠5の下方の下部パネル6に配置される。すなわち、封入球式遊技機以外の通常の遊技機であれば、操作表示装置7は前面枠の上皿を設けてある部材と同じ部材に配置され、ガラス枠には操作表示装置7を配置しない構成である。したがって、以下の効果がある。
表示装置41の近傍(ここはガラス枠5の部署に相当)に演出用の操作部(タッチパネル)としても使用される操作表示装置7を設けていないので、ガラス枠5のような目立つところに通常は遊技者が触れることが無く、そのため、ガラス枠5が汚れず、遊技場側の清掃作業を軽減することができる。
【0518】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者が操作する第2の演出操作部は、ガラス枠の下方の下部パネルに設けられることを特徴とする遊技機。
ここで、操作表示装置7は第2の演出操作部を構成する。
【0519】
また、実施例1によれば、以下のような付随的効果がある。
(1)本実施例のパチンコ機1(封入球式遊技機)は、遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、内部メモリとしてのRAM233における持球数の記憶の更新は直ちに行われるが、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われる。
したがって、連続して入賞があったような場合においても、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
【0520】
この背景を説明する。
遊技中の持球数表示器の表示は、入賞による賞球数の加算や発射による減算があるため、更新される必要がある、
しかし、連続して入賞があったような場合に持球数表示器の表示が直ぐに行われると、遊技者にしてみれば、入賞に対応して持球数が本当に更新されたのかどうかを把握することは難しい。
すなわち、遊技者の持球数(遊技価値)に変化があった場合、内部メモリとしてのRAM233における持球数の記憶の更新は直ちに行われ、これと同時に持球数表示器40に持球数の表示を更新すると、特に、連続して入賞したときには、持球数表示器40の表示更新が瞬時に行われることから、遊技者にとって入賞が確実に持球数に反映されたかどうかを認識しにくいという問題がある。
【0521】
そこで本実施例では、持球数の更新表示をどうすればよいかに着目し、内部メモリの記憶更新と持球数表示器40の表示更新とに時間差を設けることで、解決を図った。
具体的には、連続して入賞があって持球数(遊技価値)が連続して変化するような場合でも、内部メモリ(RAM233)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40における持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔(時間差)をおいて行うことで、持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕が生まれ、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
【0522】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
遊技者の遊技価値の変化を記憶する遊技価値記憶手段と、
遊技者の遊技価値を表示する遊技価値表示手段を制御する遊技価値表示制御手段と、を備え、
前記遊技価値表示制御手段は、
遊技者の遊技価値の変化が連続してあった場合、前記遊技価値記憶手段における遊技価値の記憶の更新は、直ちに行うように制御し、
前記遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新は、所定期間の間隔をおいて行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0523】
(2)遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、内部メモリ(RAM233)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40における持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行う。この場合、0.3秒という時間は1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の半分の時間に相当するので、遊技球の発射間隔とのバランスを保ちながら、持球数表示器40の表示更新を行うことができ、遊技者への持球数の認識と、球の発射とをうまく調整することができる。
すなわち、1分間に100発以上のペースでは遊技領域22に遊技球を発射できないので、発射から最大限0.3秒の間隔をおいて持球数表示器40の表示更新を行えば、遊技者が持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕の時間を確保することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技価値表示制御手段は、
遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新の間隔は、少なくとも遊技球の連続発射間隔の半分より短い時間に設定することを特徴とする遊技機。
【0524】
(3)入賞表示LED355による賞球数の表示は、通常モードでは1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、特別モードでは0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
したがって、大当り中等の特別モードのときに入賞が連続し、賞球も連続して発生する場合であっても、入賞表示LED355による入賞表示時間が通常モードのときよりも短くなり、賞球数の表示が滞ることがなく、遊技者は何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
【0525】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞口への入賞があった場合、対応する賞球数を所定時間表示する入賞表示装置を備え、
前記遊技制御装置は、
通常モードでは、入賞毎に対応する賞球数を前記入賞表示装置に所定時間表示し、特別モードになると、前記賞球数の入賞表示装置への表示時間を通常モードより短縮する表示時間制御手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0526】
(4)大当り中等の特別モードのときに入賞が連続する場合には、入賞表示LED355による賞球数の表示時間を遊技球の発射間隔(0.6秒)(100発/分(0.6秒に1球を発射)よりも短縮して0.5秒にしているので、入賞表示LED355による賞球数の表示が滞ることがなく、遊技者は何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
表示時間制御手段は、
特別モードにおける前記賞球数の入賞表示装置への表示時間を、遊技球の連続発射間隔より短い時間に設定することを特徴とする遊技機。
【0527】
(5)入賞表示LED355を特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置35と一体に構成しているので、賞球数の表示に関する遊技制御装置54の制御が容易であり、また、配置スペースが少なくて済む。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と一体に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0528】
(6)入賞表示LED355の制御は遊技制御装置54が行うので、制御効率が良い。また、入賞表示LED355を制御する特別な制御装置が不要で、制御も容易であり、かつコスト低下にもつながる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置は、
賞球数を所定時間表示する入賞表示装置の制御を行う入賞表示制御手段を有することを特徴とする遊技機。
【0529】
次に、実施例1の各種変形例について説明する。
<実施例1の変形例1>
実施例1では、封入球の研磨開始に際して払出制御装置230→遊技制御装置54→演出制御装置53→研磨制御装置59の順に研磨開始の指示をする構成であるが、これに限らず、例えば次のようにしてもよい。
(1)研磨指示:遊技制御装置54→演出制御装置53→研磨制御装置59の順に研磨開始の指示をしてもよい。
(2)発射停止指示:遊技制御装置54→払出制御装置230の順に遊技球の発射停止を指示してもよい。
上記(1)(2)のようにすると、払出制御装置230の負担を軽減できる。
【0530】
<実施例1の変形例2>
変形例1と異なり、例えば次のようにしてもよい。
(1)封入球の研磨開始に際して演出制御装置を介さない構成でもよい。
すなわち、払出制御装置230→遊技制御装置54→研磨制御装置59の順に研磨開始の指示をする構成であってもよい。このようにすると、演出制御装置53の負担を軽減できる。
【0531】
<実施例1の変形例3>
封入球の研磨開始に際して遊技制御装置54や演出制御装置53を介さない構成であってもよい。これは、払出制御装置230A→研磨制御装置59Aの順に研磨開始の指示をするものであり、
図80を参照して詳細に説明する。
図80は実施例1の変形例3を示す図であり、払出制御装置から研磨制御装置に直接指示を出す例である。
図80は実施例1の変形例3におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図であり、この図に示す構成が
図6に示す実施例1と相違する点は、払出制御装置230Aから研磨制御装置59Aに直接指示を出す点である。その他の構成は
図6と同様であり、同一の部材番号を付して重複説明は略す。
図80において、払出制御装置230Aは研磨制御装置59Aに対して直接、研磨開始の指示を出す構成になっている。すなわち、パチンコ機1が起動され、電源装置58が電源の供給を開始すると、払出制御装置230A(払出基板)は電源投入時に遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230Aからの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨開始コマンドを送信する。演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。
【0532】
また、払出制御装置230Aは電源投入時に遊技制御装置54に研磨開始コマンドを送信するタイミングで、研磨制御装置59Aに封入球の研磨の開始を指示する。なお、実施例1と異なり、研磨制御装置59Aは演出制御装置53との接続が無い構成になっている。
研磨制御装置59Aは払出制御装置230Aから研磨の開始の指示を受けると、実施例1と同様に封入球の研磨処理を開始する。これにより、研磨装置56が作動して封入球の研磨が行われる。そして、研磨開始の指示から所定期間が経過すると、研磨制御装置59Aは実施例1と同様に封入球の研磨を終了する。
また、同時に、このタイミングにおいて、払出制御装置230Aは遊技制御装置54に研磨終了コマンドを送信し、遊技制御装置54は払出制御装置230Aからの研磨終了コマンドを受信すると、演出制御装置53へ研磨終了コマンドを送信する。演出制御装置53は遊技制御装置54からの研磨終了コマンドを受信すると、表示装置41における研磨中の表示を停止するように制御する。
【0533】
この変形例3では、払出制御装置230Aは研磨制御装置59Aに対して直接、研磨開始の指示を出す構成であり、かつ研磨制御装置59Aは遊技制御装置54との接続がなく、さらに払出制御装置230Aへの入力がない構成である。したがって、研磨制御装置59Aは「サブ化」された構成であり、この点で、実施例1と同様に「サブ化」に基づく効果が得られる。
また、払出制御装置230Aから研磨制御装置59Aに直接指示を出す構成であるから、遊技制御装置54や演出制御装置53の制御負担を軽減することができる。
【0534】
<実施例1の変形例4>
研磨制御装置59のRTC60を利用して営業中の所定期間は研磨装置56を作動させないようにしてもよい。
実施例1では、遊技機(パチンコ機1)の電源投入時に、払出制御装置230→遊技制御装置54→演出制御装置53→研磨制御装置59の順に研磨開始の指示をする構成であるが、この構成であると、例えば営業中に点検等のため遊技機の電源を切り、再度電源投入した場合に、研磨制御装置59に研磨開始の指示が出されることになる。
そうすると、遊技機の稼働時間が短くなり、遊技店の利益にも影響が及ぶ。
そこで変形例4では、研磨制御装置59のRTC60を利用して営業中の所定期間は研磨装置56を作動させないようにする。ここでの所定期間としては、遊技店の開店から閉店を考慮し、かつ開店前に遊技機(パチンコ機1)の電源を投入して封入球の研磨を行うような営業スタイルであれば、営業中の所定期間として、例えば開店(午前9時)から閉店(午後11時)までとすればよい。そのため、研磨制御装置59のRTC60を利用することとし、営業中の所定期間として、例えば午前9時から午後11時までを設定し、このRTC60による実時間(カレンダ機能を含む)の出力に基づいて、研磨制御装置59のプログラムが営業中の所定期間(午前9時から午後11時)は研磨装置56を作動させないように制御する。
具体的には、午前9時から午後11時までに間は、仮に営業中に点検等のため遊技機の電源を切り、再度電源投入した場合であっても、研磨制御装置59のプログラムがRTC60による実時間の出力を参照しながら研磨装置56に研磨開始の指示を出さないようにする。
【0535】
また、通常は開店前に遊技機(パチンコ機1)の電源を投入して封入球の研磨を行うような営業スタイルをとるので、開店前には封入球の研磨が終了するように、例えば開店の30分前に遊技機の電源を投入して研磨装置56による封入球の研磨を終わらせておく。
このように、変形例4によれば、研磨制御装置59のRTC60を利用したプログラムを設定しておくだけで、営業中の所定期間は研磨装置56を作動させないようにできるので、営業中に点検等のために遊技機の電源を切り再度電源投入した場合であっても、研磨装置56が作動せず、遊技機の稼働が落ちることがなく、効率(台の稼働効率)がよい。
【0536】
<実施例1の変形例5>
実施例1では、定期的に持球数、計数球数を払出制御装置230→遊技制御装置54→演出制御装置53の順に送信し、装飾持球表示装置250による装飾制御等を行っているが、これに限らず、例えば払出制御装置(払出基板)230から演出制御装置53に直接に装飾持球数表示装置250への表示指示コマンド(例えば、装飾制御の指示コマンド)を送信するようにしてもよい。
具体的には、以下のようなコマンドを送る。
(1)発射開始、発射停止、入賞(賞球)あり、持球数なし、持球数あり等、遊技に関するコマンド
(2)持球数A(100個〜500個)、持球数B(500個〜1000個)・・・・等のように持球数の量に関するコマンド
(3)計数開始、計数停止等のように計数に関するコマンド
このように、払出制御装置230から演出制御装置53に直接にコマンドを送ることで、遊技制御装置54の負担を軽減できる。
また、払出制御装置230では遊技制御装置54にコマンドを送らないことで、制御が楽になり、その分、装飾持球数表示装置250への表示指示コマンドを細かくすることができ、装飾制御の指示コマンドについても、上記のように発射開始、発射停止、入賞(賞球)あり、持球数なし、持球数あり、持球数A(100個〜500個)、持球数B(500個〜1000個)・・・・等のように持球数の量、計数開始、計数停止等の情報に基づいて装飾持球数表示装置250をきめ細かく装飾制御することも可能になる。
【0537】
<実施例1の変形例6>
図81乃至
図83は実施例1の変形例6を示す図であり、切替回路から遊技機(演出制御装置)への入力が無いもので、操作表示装置7にキャラクタ紹介等の演出補助情報を表示する例である。
図81は実施例1の変形例6におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図であり、この図に示す構成が
図6に示す実施例1と構成が相違する点は、切替回路330(切替手段)が遊技機側の演出制御装置53と接続されているものの、片方向通信であって演出制御装置53から一方的に演出補助情報を切替回路330を介して操作表示装置7に送信するが、操作表示装置7から演出制御装置53への情報の送信は行わない点である。したがって、操作表示装置7から演出制御装置53へ操作表示装置7(第2の演出操作部)のタッチ情報の送信は行われない。
【0538】
そのため、
図81では演出制御装置53から切替回路330に延びる矢印が片方向(演出制御装置53から切替回路330に信号が流入する方向)のみ示されて、切替回路330から演出制御装置53に信号が流入しない構成になっている。そして、操作表示装置7では演出制御装置53から送られてくるキャラクタ紹介等の演出補助情報を表示する制御が行われる。また、操作表示装置7の切替ボタン307C(
図8397参照)は演出制御装置53から送られてくる演出補助情報を操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示する/表示しない(非表示)ということのみを切り替えるような構成になっている。
【0539】
図82(a)は、変形例6における切替回路330の詳細な構成を示す図である。
図82(a)において、変形例6の場合、切替回路330は入出力インターフェース331、判定回路332、表示切替回路333を備えているものの、タッチ情報切替回路を備えていない点で実施例1と異なる。なお、
図82(a)では説明が煩雑になるので、第2カードユニット接続端子板52Bの図示を省いてデータ、情報、信号の流れを説明している。
また、演出制御装置53から優先信号が切替回路330に出力されない点も実施例1と異なる構成である。
【0540】
変形例6では、タッチ情報切替回路を備えていないので、操作表示装置7のタッチパネル方式の各種ボタンの操作状況に応じたタッチ情報を出力するために、操作表示装置7の接続ルートをカードユニット15あるいは遊技機の何れかの送受信のルートに切り替えるという構成になっていない。そのため、操作表示装置7のタッチパネル方式の各種ボタンを操作しても、操作表示装置7の接続ルートはカードユニット15のままである。したがって、演出制御装置53には各種ボタンの操作状況に応じたタッチ情報は出力されず、タッチ情報はカードユニット15のみに出力される。
【0541】
次に、変形例6における切替回路330の作動について、
図82(b)のタイミングチャートを参照して説明する。
通常(初期状態)は、操作表示装置7をカードユニット15に接続するルート(カードユニットルート)となっており、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示される。
この状態で、切替ボタン307Cを除く操作表示装置7の各種ボタン(例えば、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305)に遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路330を介してカードユニット15に出力され、カードユニット15ではタッチ情報に応じた制御を行う。このようにして、カードユニット15の管理・制御の下で球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示される。
【0542】
次いで、遊技が進行して演出中等で特別演出の場合になっても、変形例6では演出制御装置53から優先信号は出力されない。したがって、特別演出の場合でも操作表示装置7の接続ルートはカードユニットルートのままで、遊技機ルートへの切り替えはない。そのため、カードユニット15からの情報が継続して操作表示装置7に表示されている。
次いで、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン307Cにタッチすると、切替回路330により操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わり、演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わる。例えば、遊技者がゲーム進行中で登場するキャラクタの情報を得たいと思うときに、切替ボタン307Cにタッチすると、メッセージ・操作領域部306の画面が演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わり、そこにゲーム進行中で登場するキャラクタに関する情報が表示される。
【0543】
その後、操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートであるときに、遊技者が切替ボタン307Cにタッチすると、切替回路330により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートからカードユニットルートに切り替わり、カードユニット15からの情報を表示する画面に変わる。
次いで、遊技者が切替ボタン307Cにタッチすると、切替回路330により操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに切り替わり、演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わる。
図82(b)では、ここまでの作動を示している。
【0544】
このように、切替回路330は遊技機からの表示データとカードユニット15からの表示データを切り替え、何れかの表示データを操作表示装置7に表示する。そして、切替ボタン307Cを除く操作表示装置7の各種ボタン(例えば、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305)に遊技者がタッチした場合には、そのタッチ情報が切替回路330を介してカードユニット15のみに出力され、カードユニット15によりタッチ情報に応じた制御が行われる。
また、遊技者が切替ボタン307Cにタッチすると、切替回路330により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルート又はカードユニットルートに切り替わり、何れかの表示データが操作表示装置7に表示される。
【0545】
次に、
図83は変形例6の操作表示装置7にてキャラクタの紹介を行う場合の動作例である。
図83において、場面M1は通常時における操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面M1では通常時のルートとして、前述した場面K1の場合と同様に、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートになっており、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。具体的には、操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306が配置されている様子が示されている。
また、操作表示装置7には切替ボタン307Cが配置されており、遊技者が切替ボタン307Cにタッチすると、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートから遊技機ルートに変更可能である(その逆ルートへの変更も可能)。
【0546】
特に、変形例6では遊技機の演出に連動してキャラクタ紹介表示データを演出制御装置53から切替回路330を介して操作表示装置7に出力しておき、切替ボタン307Cの操作により操作表示装置7にキャラクタ紹介の画面を表示させる構成である。
すなわち、変形例6は遊技機の演出に連動してキャラクタ紹介表示データを演出制御装置53から切替回路330を介して操作表示装置7に出力しておき、いつでもキャラクタ紹介の画面を表示可能に準備しておく構成である。これにより、操作表示装置7では切替ボタン307Cさえ操作されれば、操作表示装置7にキャラクタ紹介の画面が表示されることになる。
【0547】
具体的には、表示装置41で行われる特図ゲーム(詳しくは、飾り特図ゲーム)の演出に連動し、特図ゲームでキャラクタが登場する演出画面になったときに、切替ボタン307Cにタッチすると、操作表示装置7が特図ゲームで登場するキャラクタの紹介を行う場面M2に切り替わる。
場面M2は、演出制御装置53(遊技機)からの演出補助情報に基づき表示装置41のゲームで登場するキャラクタを紹介するものであり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にキャラクタを紹介する説明を表示している。例えば、「キャラクタ紹介その1」、「名前:タロー」、「好物:ケーキ」、「得意技:弓」という表示により、キャラクタが紹介される。
この状態で、切替ボタン307Cを操作すると、切替ボタン307Cは演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成であるから、場面M2から再び場面M1に復帰する。
【0548】
次に、場面M2のとき、切替ボタン307Cを操作しないまま、一定時間が経過すると場面M3に移り、場面M3で他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その2」、「名前:ジロー」、「好物:肉」、「得意技:パンチ」という表示により、キャラクタが紹介される。
次いで、一定時間が経過すると場面M4に移り、場面M4でさらに他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その3」、「名前:ドラゴン」、「好物:ウイスキー」、「得意技:火炎」という表示により、キャラクタが紹介される。
また、場面M3、M4の状態から切替ボタン307Cを操作すると、切替ボタン307Cは演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成であるから、場面M3、M4から再び場面M1に復帰することになる。
【0549】
なお、キャラクタの紹介を行う場面M2乃至M4に切り替わった場合、画面を全てキャラクタの紹介に使用してもよいが、球貸関係の表示は遊技中も必要となる場合があるので、キャラクタの紹介を行う場面M2乃至M4に切り替わっても、画面の一部に球貸関係の表示を残す構成にしてもよい。
また、大当り中など球貸の必要がないときは、球貸関係の表示を消してもよい。
【0550】
変形例6では、以下の効果がある。
(1)遊技者は遊技機の演出に連動して切替ボタン307Cにタッチするという簡単な操作のみで、遊技ゲームで登場するキャラクタを紹介する説明を見ることができ、便利である。
特に、特図ゲームの演出に連動して切替ボタン307Cにタッチすることで、登場キャラクタの紹介を行うので、演出がより分かりやすくなり、遊技の興趣が高まる。
また、キャラクタの紹介を必要とする遊技者は、切替ボタン307Cを操作することで、必要な情報を得られて演出を楽しむことができる。
遊技機の表示装置41に登場するキャラクタについて、良く知っている人はよいが、知らない人にとっては何が何だかわからない状況になる。つまり、遊技ゲームの演出内容が分からないことがある。そのため、表示装置41自体で登場するキャラクタを紹介することも考えられるが、これでは通常の演出の邪魔になるおそれがある。これに対して変形例6では、登場するキャラクタの紹介を切替ボタン307Cにタッチすることで、表示装置41とは別に設置された操作表示装置7で行うので、簡単に見れて便利であるとともに、表示装置41での演出の邪魔にならない。
【0551】
(2)操作表示装置7の制御は主にカードユニット15が管理するが、切替回路330によりカードユニット15から遊技機側に操作表示装置7の接続ルートを切り替えた場合には、遊技機(演出制御装置53)が制御するキャラクタの紹介に関する演出補助情報を操作表示装置7に表示するので、操作表示装置7の制御につき、球貸に関する情報も含めて全て遊技機で表示制御する場合に比べれば、遊技機の制御負担が少なくて済むという効果がある。
(3)さらに、遊技機側の制御になる表示装置41でゲームの演出を続行しながら、キャラクタの紹介に関する説明については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、ゲーム進行の演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、ゲーム進行の演出とキャラクタの紹介の説明とを両立させることができ、極めて好都合である。
【0552】
(4)また、変形例6では
図6に示す実施例1と構成が相違し、切替回路330が遊技機側の演出制御装置53と接続されているものの、片方向通信であって演出制御装置53から一方的に演出補助情報を切替回路330を介して操作表示装置7に送信するが、操作表示装置7から演出制御装置53への情報の送信は行わず、操作表示装置7から演出制御装置53へ操作表示装置7のタッチ情報の送信は行われない構成なので、実施例1に比べて演出制御装置53の制御がシンプルで簡単であるという利点がある。
(5)また、切替ボタン307Cは演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成なので、制御も簡単になる。
(6)キャラクタの紹介を必要としない遊技者は、切替ボタン307Cを操作しなければよいので、表示装置41における演出に集中できる。すなわち、切替ボタン307Cを演出補助情報が非表示の状態のままにしておけばよい。
(7)パチンコ機1の遊技盤面に2つの表示装置を設置する場合に比べて、操作表示装置7は本来、球貸や精算等に使用されるものであるところ、その操作表示装置7を第2の表示装置として遊技盤外の下部パネル6に配置する構成であるので、コストが低減され、制御の効率も良い。
【0553】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
前記液晶表示器に、遊技者の操作により第2の表示装置に遊技機からの情報の内容に切り替えて表示するように切替操作を行う切替ボタンを配置し、
遊技機の演出に連動して演出補助情報が第2の表示装置に送信されたとき、前記切替ボタンが操作されると、前記演出補助情報を第2の表示装置で表示することを特徴とする遊技機。
ここで、操作表示装置7は第2の表示装置に相当し、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成される。また、切替ボタン307Cは切替ボタンに相当する。
また、変形例6においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
【0554】
<実施例1の変形例7>
図84乃至
図86は実施例1の変形例7を示す図であり、変形例7は切替回路を無くし、キャラクタ紹介等の演出補助情報を機種入れ替え時にカードユニット経由で操作表示装置に送信しておくものである。
図84は変形例7におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図であり、この図に示す変形例7が
図6に示す実施例1と構成が相違する点は、切替回路が無く、キャラクタ紹介等の演出補助情報(機種説明等の他の情報も含む)を遊技機の機種入れ替え時にカードユニット15を経由して操作表示装置7に送信しておく構成になっている点である。
したがって、切替回路に関わる構成はなく、また、操作表示装置7から演出制御装置53へ切替ボタン307D(第2の演出操作部)(
図85(b)参照)のタッチ情報の送信も無い。切替ボタン307Dのタッチ情報の送信はカードユニット15に対して行われ、カードユニット15の制御により、切替ボタン307Dの操作に応じて演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)の切り替えを行う構成である。
【0555】
そのため、
図84に示すように、操作表示装置7は切替回路がないので、直接に第2カードユニット接続端子板52Bに接続され、第2カードユニット接続端子板52Bを介してカードユニット15との間で情報の送受信を行う構成である。また、操作表示装置7は切替回路がないので、演出制御装置53との接続はない。キャラクタ紹介等の演出補助情報は遊技機の機種入れ替え時に予めカードユニット15に入力されるが、これは
図85(a)を参照して後述する。その他の構成は、
図6に示す実施例1と同じ構成であり、同一番号を付している。
【0556】
次に、
図85(a)はカードユニット15の接続関係を示す図である。
図85(a)において、カードユニット15には画像入力用パソコン700が接続されており、画像入力用パソコン700はUSBメモリ端子やDVD装置を備えている。キャラクタ紹介等の演出補助情報は、USBメモリやDVD等の記憶媒体に格納されており、これらの記憶媒体を画像入力用パソコン700に装着してアクセス可能にし、装着した記憶媒体にアクセスしてキャラクタ紹介等の演出補助情報を画像入力用パソコン700にて読み込む、内部のRAM等に一旦記憶する。キャラクタ紹介等の演出補助情報の記憶が完了すると、USBメモリやDVD等の記憶媒体を画像入力用パソコン700から取り外す。
【0557】
なお、上記のように画像入力用パソコン700を用いてUSBメモリやDVD等の記憶媒体からキャラクタ紹介等の演出補助情報を当該画像入力用パソコン700に取り込んで記憶しておく作業は、遊技機の機種入れ替え時に行う。
また、キャラクタ紹介等の演出補助情報は、USBメモリやDVD等の記憶媒体に格納する例に限らず、他の記憶媒体、例えばCD、ハードディスク装置、SSD等でもよく、画像入力用パソコン700とアクセス可能なものであれば何でもよい。さらに、画像入力用パソコン700をインターネット接続した環境におき、インターネット回線を通して遠隔地からキャラクタ紹介等の演出補助情報を画像入力用パソコン700に入力して、記憶するような構成であってもよい。
【0558】
次いで、画像入力用パソコン700に記憶されたキャラクタ紹介等の演出補助情報は、カードユニット15に送信される構成になっており、これは遊技機の機種入れ替え時に画像入力用パソコン700をカードユニット15に接続し、カードユニット15にて画像入力用パソコン700に記憶されているキャラクタ紹介等の演出補助情報を読み込むことで行われる。読み込まれたキャラクタ紹介等の演出補助情報はカードユニット15にて保存(例えば、内部の記憶装置で、特に不揮発性のフラッシュメモリ等)される。カードユニット15は遊技店の閉店で電源がオフされたとき、あるいは停電時であっても、保存したキャラクタ紹介等の演出補助情報を保持可能である。
図85(a)では、キャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15に保存する場合のデータの流れを便宜上、表示データの矢印で示している。
【0559】
カードユニット15は操作表示装置7と接続されており、ここでは説明が煩雑になるので、第2カードユニット接続端子板52Bは図示を略している。カードユニット15からは表示データ(球貸関係、貯球・再プレイ等の各種データの他に、キャラクタ紹介等の演出補助情報を含む)が操作表示装置7に送信され、操作表示装置7からは各種ボタンのタッチ情報や切替ボタン307Dの操作に基づく切替情報がカードユニット15に送信される構成である。切替情報はタッチ情報の1つであるが、切替ボタン307Dの操作を明確にするため、切替情報として別にしてある。
そして、切替ボタン307Dが操作(タッチ)されると、キャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15から操作表示装置7に送信し、操作表示装置7で表示する構成である。
【0560】
一方、演出制御装置53は表示装置41に接続されており、演出制御装置53からは表示データが表示装置41に出力され、表示装置41は表示データに基づいて特図(飾り特図)ゲームの演出を表示する。したがって、変形例7では演出制御装置53は操作表示装置7に接続されていない構成であり、また、切替回路も無い。そのため、キャラクタ紹介等の演出補助情報は全てカードユニット15を経由して操作表示装置7に送信されるようになっている。
【0561】
次に、
図85(b)は変形例7における操作表示装置7の表示例を示す図である。
図85(b)に示す場面N5では、操作表示装置7がカードユニットルートに接続されており(説明の便宜上、第2カードユニット接続端子板52Bは略)、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。具体的には、操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307Dが配置されている様子が示されている。
【0562】
そして、遊技者が切替ボタン307Dにタッチすると、キャラクタ紹介等の演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信され、操作表示装置7で表示される。
図85(b)の場面N5では、遊技者が切替ボタン307Dにタッチした場合、遊技機(パチンコ機1)の機種名やゲーム説明が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に表示されている。例えば、機種名として「CR○○○○」、ゲーム説明として「大当り後、特
図100回転まで高確率」という表示がされる。
これにより、遊技者は切替ボタン307Dにタッチするという簡単な操作のみで、機種名やゲーム説明を受けることができ、便利である。
この状態で、切替ボタン307Dに再度タッチすると、切替ボタン307Dは演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成であるから、場面N5から再び場面N1(後述)のような通常の表示に戻る。
なお、機種名やゲーム説明を行う場面N5に切り替わった場合、画面を全て機種名やゲーム説明の紹介に使用してもよいが、球貸関係の表示は遊技中も必要となる場合があるので、機種名やゲーム説明を行う場面N5に切り替わっても、画面の一部に球貸関係の表示を残す構成にしてもよい。
また、大当り中など球貸の必要がないときは、球貸関係の表示を消してもよい。
【0563】
次に、
図86は変形例7の操作表示装置7にてキャラクタの紹介を行う場合の動作例である。
図86において、場面N1は通常時における操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面N1では操作表示装置7がカードユニットルートに接続されたルートとなっており、カードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。
なお、変形例6のように、操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルート又は遊技機ルートに切り替わるようなことはなく、常にカードユニット15からの情報が操作表示装置7に表示されている。そのため、操作表示装置7に配置される各種ボタンは
図85(b)に示す場面N5と同様である。
【0564】
場面N1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「10000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「10000円」であることを知ることになる。また、メッセージ・操作領域部306には「いらっしゃいませ」のメッセージが表示されている。
さらに、操作表示装置7には通常時における情報としてカードユニット15からの情報が表示され、例えば球貸、貯球、計数球数などが表示される(ただし、画面N1では略)。
また、操作表示装置7には切替ボタン307Dが配置されており、遊技者が切替ボタン307Dにタッチすると、キャラクタ紹介等の演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信され、操作表示装置7で表示される。
【0565】
次いで、遊技者が切替ボタン307Dにタッチした場合を説明すると、この場合には表示装置41のゲームで登場するキャラクタの紹介を行う演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信されて操作表示装置7で表示され、場面N2に切り替わる。
場面N2は、カードユニット15からの情報に基づき表示装置41のゲームで登場するキャラクタを紹介するものであり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306にキャラクタを紹介する説明を表示している。例えば、「キャラクタ紹介その1」、「名前:タロー」、「好物:ケーキ」、「得意技:弓」という表示により、キャラクタが紹介される。
【0566】
次いで、一定時間が経過すると場面N3に移り、場面N3で他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その2」、「名前:ジロー」、「好物:肉」、「得意技:パンチ」という表示により、キャラクタが紹介される。
次いで、一定時間が経過すると場面N4に移り、場面N4でさらに他のキャラクタを紹介する。ここでは、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306に、例えば、「キャラクタ紹介その3」、「名前:ドラゴン」、「好物:ウイスキー」、「得意技:火炎」という表示により、キャラクタが紹介される。
このように、遊技者は切替ボタン307Dにタッチするという簡単な操作のみで、遊技ゲームで登場するキャラクタを紹介する説明を見ることができ、便利である。
【0567】
変形例7では、以下の効果がある。
(1)遊技機の演出に連動させることはできないが、遊技者は切替ボタン307Dにタッチするという簡単な操作のみで、遊技ゲームで登場するキャラクタを紹介する説明を見ることができ、便利である。特に、遊技者の好きな時に、切替ボタン307Dにタッチすることで、簡単にキャラクタを紹介する説明を見ることができ、遊技者にとって使い勝手が
良い。
また、機種名やゲーム説明についても、遊技者は切替ボタン307Dにタッチするという簡単な操作のみで、それらの説明を見ることができ、便利である。
【0568】
(2)操作表示装置7の制御はカードユニット15が管理し、キャラクタ紹介等の演出補助情報もカードユニット15から操作表示装置7に送信するので、遊技機側の負担が変形例6と比べて格段に軽減される。
すなわち、変形例6ではキャラクタ紹介等の演出補助情報を演出制御装置53から操作表示装置7に送信し、また、操作表示装置7の接続ルートを切り替えるための切替回路330も設けていたが、これに対して変形例7では、切替回路を無くし、キャラクタ紹介等の演出補助情報はカードユニット15だけから操作表示装置7に送信する構成であるので、演出制御装置53の制御負担が減り(プログラムの作成・容量等も減る)、かつ切替回路やその接続配線も不要となり、それらの分だけコストを低減できる。
【0569】
(3)キャラクタ紹介等の演出補助情報は遊技機の機種入れ替え時に予めカードユニット15に入力しておく構成なので、演出補助情報を演出制御装置53に予め格納しておく必要がなくなり、遊技機のコスト低減にもつながる。
(4)さらに、遊技機側の制御になる表示装置41でゲームの演出を続行しながら、キャラクタの紹介に関する説明については、表示装置41とは別の機器である操作表示装置7によって表示するので、ゲーム進行の演出の表示が邪魔されたり、表示スペースが減少したりする等の不都合もなく、ゲーム進行の演出とキャラクタの紹介の説明とを両立させることができ、極めて好都合である。
【0570】
(5)変形例7では
図6に示す実施例1と構成が相違し、切替回路が無く、そのため、操作表示装置7から演出制御装置53への情報の送信は無く、操作表示装置7から演出制御装置53へ切替ボタン307Dのタッチ情報の送信も無い構成なので、実施例1に比べて演出補助情報(キャラクタの紹介)の制御がシンプルで簡単であるという利点がある。
(6)また、切替ボタン307Dは演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成なので、制御も簡単になる。
(7)キャラクタの紹介を必要としない遊技者は、切替ボタン307Dを操作しなければよいので、表示装置41における演出に集中できる。すなわち、切替ボタン307Dを演出補助情報が非表示の状態のままにしておけばよい。
(8)パチンコ機1の遊技盤面に2つの表示装置を設置する場合に比べて、操作表示装置7は本来、球貸や精算等に使用されるものであるところ、その操作表示装置7を第2の表示装置として遊技盤外の下部パネル6に配置する構成であるので、コストが低減され、制御の効率も良い。
【0571】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
前記液晶表示器に、遊技者の操作により第2の表示装置にカードユニットからの情報の内容を切り替えて表示するように切替操作を行う切替ボタンを配置し、
遊技機の演出に関連する演出補助情報を入力装置からカードユニットに予め保存しておき、前記切替ボタンが操作されると遊技機の演出に関連する演出補助情報をカードユニットから第2の表示装置に送信して第2の表示装置で表示することを特徴とする遊技機。
また、変形例7においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
【0572】
<実施例1の変形例8>
次に、本発明の変形例8を
図87に基づいて説明する。
変形例8は、切替回路を無くし、操作表示装置701の制御エリアを複数に区分したものである。
図87(a)は操作表示装置701の接続関係を示す図である。ここでは説明が煩雑になるので、第2カードユニット接続端子板52Bは図示を略している。
図87(a)において、変形例8では切替回路が無く、カードユニット15からは表示データ(球貸関係、貯球・再プレイ等の各種データ)が操作表示装置701に送信され、操作表示装置701では表示データに基づいて球貸関係、貯球・再プレイ等の表示を行う。ただし、操作表示装置701の制御エリアを複数に区分されており、球貸関係、貯球・再プレイ等の表示はカードユニット制御エリア701Aにて行われるが、詳細は後述する。
【0573】
一方、操作表示装置701からは各種ボタンのタッチ情報がカードユニット15に送信され、カードユニット15ではタッチ情報に基づいて必要な制御(例えば、球貸ボタン303のタッチ情報を受信すれば、球貸動作に必要な制御等)を行う。
また、操作表示装置701からは表示変更ボタン702のタッチ情報がカードユニット15に送信され、例えば貯球使用時の画面に切替えたりする(詳細は後述)。
演出制御装置53からは、表示データ(機種名、ゲーム説明、キャラクタ紹介等の演出補助情報等の遊技機からの情報)が操作表示装置701に送信され、操作表示装置701では表示データに基づいて遊技機からの情報の表示を行う。ただし、操作表示装置701の制御エリアは複数に区分されており、遊技機からの情報の表示は遊技機制御エリア701Bにて行われるが、詳細は後述する。操作表示装置701からは、タッチ情報が演出制御装置53に送信され、演出制御装置53ではタッチ情報に基づいて必要な制御を行う(詳細は後述)。
さらに、演出制御装置53は表示装置41に接続されており、演出制御装置53からは表示データが表示装置41に出力され、表示装置41は表示データに基づいて特図(飾り特図)ゲームの演出を表示する。
【0574】
次に、
図87(b)は変形例8における操作表示装置701の制御エリアを示す図である。
図87(b)に示すように、操作表示装置701の画面は2つの制御エリアに区分されており、それらはカードユニット制御エリア701Aと、遊技機制御エリア701Bになっている。これは、操作表示装置701は遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成されることから、液晶表示器の画面領域を2つのエリアに区分して制御可能なようにしたものである。
なお、操作表示装置701の画面は2つの制御エリアに区分されているが、その区分は表示データの送り元に基づくものであり、カードユニット制御エリア701Aはカードユニット15からの表示データに基づいて画面に必要な情報を表示し、遊技機制御エリア701Bは遊技機(ここでは演出制御装置53)からの表示データに基づいて画面に必要な情報を表示する。
ここで、カードユニット制御エリア701Aはカードユニット15により制御が行われ、遊技機制御エリア701Bは遊技機(ここでは演出制御装置53)により制御が行われる構成である。したがって、操作表示装置701全体をカードユニット15の管理下で制御を行う構成としている前記実施例1、変形例6、7とは制御形態が異なる。
【0575】
まず、カードユニット制御エリア701Aは操作表示装置701における画面の上方部に位置し、カードユニット15からの表示データに基づいて画面構成が行われ、球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、表示変更ボタン702が配置されている。
なお、メッセージ・操作領域部306は設けられていない。そして、表示変更ボタン702を除き、実施例1と同様の部分は同一番号を付している。
【0576】
表示変更ボタン702は、例えば貯球を使用するときに画面の表示を切り替えて、カードユニット制御エリア701A全体が貯球を使用するために会員の暗証番号を入力する画面になったり、遊技カードに残存する貯球数を表示したり、貯球・再プレイボタンを表示する画面になったりする(これらの画面が実施例1のメッセージ・操作領域部の画面に相当する)。
遊技機制御エリア701Bは演出制御装置53からの表示データに基づきキャラクタ紹介等の演出補助情報を表示するもので、メッセージ・操作領域部306が形成されている。
図87(b)に示す場面N6では、演出補助情報の一例として機種名やゲーム説明を表示する場合を示している。
具体的には、操作表示装置701の遊技機制御エリア701Bには、例えば機種名として「CR○○○○」、ゲーム説明として「大当り後、特
図100回転まで高確率」という表示がされる。
【0577】
次いで、一定時間が経過すると他の場面に移り、他の場面でキャラクタを紹介する等の表示を行う。
なお、変形例8では遊技機制御エリア701Bに画面を切り替えるための画面切替ボタンを設けていないが、これに限るものではなく、例えば遊技機制御エリア701Bに画面切替ボタンを設け、遊技者が画面切替ボタンにタッチすると、別の演出補助情報を表示する画面に切り替わるような構成にしてもよい。例えば、場面N6では機種名やゲーム説明を表示する画面になっているが、画面切替ボタンにタッチすると、キャラクタを紹介する画面に切り替わり、その後、画面切替ボタンにタッチする度に次々と他のキャラクタを紹介する画面に切り替わっていくような構成にしてもよい。
また、遊技機制御エリア701Bにメニューボタンを設け、遊技者はメニューボタンにタッチすることで、演出補助情報の中から所望の情報を選択可能な構成にしてもよい。
さらに、実施例1のように遊技機の演出に連動させて演出に関係する各種ボタン(例えば、アイテム選択ボタンや大当り時の楽曲選択ボタン)を遊技機制御エリア701Bに表示し、これらのボタンを遊技者が操作するようにしてもよい。これら遊技者が操作したタッチ情報は、操作表示装置701から演出制御装置53に送信され、演出制御装置53は、対応する演出の制御を行うことが可能である。
【0578】
変形例8では、以下の効果がある。
なお、実施例1、変形例6、7と構成が共通する部分の効果は、既に上述したので、以下では変形例8に特有の効果を説明する。
(1)カードユニット制御エリア701Aはカードユニット15により制御が行われ、遊技機制御エリア701Bは遊技機(ここでは演出制御装置53)により制御が行われる構成というように各制御エリアを制御する装置を別体に分けているので、切替回路が不要でコストを低減できるとともに、特に、遊技機制御エリア701Bは遊技機により直接に制御が行われることから、遊技機制御エリア701Bにおける表示処理が速くなる。
また、カードユニット15の制御負担が遊技機制御エリア701Bの分だけ軽くなる。
【0579】
(2)球貸関係の表示は遊技中も必要となる場合があるが、変形例8では遊技機制御エリア701Bでキャラクタの紹介等を行いながら、カードユニット制御エリア701Aでは球貸関係の表示を行うので、画面の切り替え操作をしなくても、球貸関係の操作を容易にすることができる。
すなわち、実施例1のように切替ボタン307にタッチして画面を球貸関係の表示に切り替える必要もないので、遊技者にとって煩わしくなく、便利である。
(3)遊技機制御エリア701Bでは、いつも演出補助情報を表示できるので、前記実施例1、変形例6、7と比べて、遊技者が演出補助情報の触れる機会が多くなり、遊技を盛り上げることができる。
【0580】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
前記液晶表示器の画面は、複数の領域に区分され、
一方の領域は、カードユニットで制御するとともにカードユニットからの情報を表示し、
他方の領域は、遊技機で制御するとともに遊技機からの情報を表示するように構成したことを特徴とする遊技機。
【0581】
なお、変形例8では操作表示装置701について、カードユニット制御エリア701Aはカードユニット15により制御を行い、遊技機制御エリア701Bは遊技機により制御を行う構成としているが、これに限るものではない。例えば、操作表示装置の画面を変形例8のように複数に区分したとしても、操作表示装置全体をカードユニットの管理下で制御を行う構成としてもよい。このようにすると、変形例8の効果を確保しつつ、遊技機側の制御負担が減る。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
前記液晶表示器の画面は、複数の領域に区分され、
一方の領域にはカードユニットからの情報を表示し、他方の領域には遊技機からの情報を表示するように構成し、
第2の表示装置全体の制御はカードユニットにより行われる構成としたことを特徴とする遊技機。
【0582】
<実施例1の変形例9>
図88は実施例1の変形例9を示す図であり、変形例9は主基板の取り外しを監視する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)を配置した例である。
図88は変形例9におけるパチンコ機1(遊技機の全体図は無いが、説明の都合上、パチンコ機1という番号を付けて説明する)の制御系を示すブロック図であり、この図に示す変形例9が
図6に示す実施例1と構成が相違する主な点は、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ(
図88では遊技制御装置監視SW(夜間監視SW)127と表記)を新たに配置し、払出制御装置230Bが遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視SW)127からの信号に基づいて遊技制御装置54の取り外しを判定し、必要な処理を行う構成になっている点である。
その他の構成は、
図6に示す実施例1と同じ構成であり、同一番号を付している。
【0583】
図88において、払出制御装置230Bには遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127が接続されている。遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は主基板(遊技制御装置54)が取り外されたことを検出するセンサであり、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報(遊技制御装置監視情報)をパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持する構成になっている。遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は主電源の供給が開始されてから、電源遮断時に記憶しておいた主基板(遊技制御装置54)の取り外しに関する遊技制御装置監視情報を所定期間だけ外部(例えば、払出制御装置230B)に出力する。
具体的には、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1から主基板(遊技制御装置54)が取り外された場合には、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出した情報を夜間においても保持している。そして、翌朝、パチンコ機1が起動された場合には、夜間に主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報(遊技制御装置監視情報)は遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127からの検出信号を払出制御装置230Bで読み込むことで、払出制御装置230Bに取り込まれる。そのため、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は、「夜間監視スイッチ」という名称も付している。
ここで、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は主基板監視手段を構成する。
【0584】
また、払出制御装置230Bは主基板(遊技制御装置54)の取り外しを監視する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127により主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否かを示す情報(遊技制御装置監視情報)を取り込むと、この情報をカードユニット15へ送信可能な構成となっている。
遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127には払出制御装置230Bから主電源が払出制御装置230Bへの主電源供給開始から供給されるとともに、主電源の遮断時にはバックアップ電源が供給されるようになっている。このバックアップ電源としては、例えば前述したRAM233と同様に、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が用いられ、パチンコ機1の電源がオフとなる夜間(あるいは停電時も同様)であってもバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続ける構成である。
【0585】
以上の構成において、変形例9では夜間に主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報(遊技制御装置監視情報)は遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127からの検出信号を払出制御装置230Bで読み込むことで、払出制御装置230Bに取り込まれ、RAM233に記憶される。次いで、払出制御装置230Bでは遊技制御装置監視情報に関するコマンドをカードユニット15に送信する。遊技制御装置監視情報に関するコマンドとは、遊技制御装置監視情報を判定し、主基板(遊技制御装置54)が取り外された(例えば、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外された)形跡があるときは、不正の可能性があると判断(つまり、異常と判断)してカードユニット15に夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたことを表すエラー報知をしたり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)指令を出す等のコマンドのことであり、また、遊技制御装置監視情報を判定し、主基板(遊技制御装置54)が取り外されていないときは、不正の可能性がないと判断してカードユニット15に球貸しを行っても支障がない旨の指令を出す等のコマンドのことである。
カードユニット15でのエラー報知は、例えばカードユニット15に配置されているカードユニットエラー報知LED203(
図1参照)の青色LEDを点滅させ、これにより、カードユニット15にて主基板(遊技制御装置54)が取り外された形跡があることや不正の可能性があることのエラー報知を行う。
店員は、カードユニットエラー報知LED203の青色LEDが点滅しているのを見ると、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外された形跡があり、不正の可能性があると判断して、当該パチンコ機1の点検を行う等の必要な対策を取ることができる。
なお、青色LEDの点滅だけに限らず、例えば操作表示装置7に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたことを表す表示をしたり、カードユニット15からホールコンピュータ86へエラー情報を出力したり、さらに球貸しを行わないようにしてもよい。
【0586】
また、主基板(遊技制御装置54)が取り外された(例えば、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外された)形跡があるときは、カードユニット15では、LED等でエラー報知する他、音声等でエラー報知してもよい。また、パチンコ機1でも、払出制御装置230Bがエラー表示LED67、持球数表示器40、計数スイッチ311に内蔵のLED、休憩スイッチ312に内蔵のLED等を点滅させてエラー報知するようにしてもよいし、音声等の報知をしてもよい。
【0587】
変形例9によれば、以下のような効果がある。
(1)主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127を設け、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出した情報を主電源が遮断された状態でも保持する構成であり、パチンコ機1が起動した場合に、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置監視情報(検出信号)を外部に出力するので、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の検出信号を監視すれば、不正の可能性がある主基板(遊技制御装置54)の取り外しを効率良く監視することができる。
また、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の検出信号を払出制御装置230Bで判定すれば、払出制御装置230Bにて主基板(遊技制御装置54)の取り外しを効率良く監視することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
主電源遮断時であっても遊技制御装置の取り外しを監視することが検出可能であり、遊技制御装置の取り外しを検出した情報を主電源遮断時でも保持する主基板監視手段を設け、
前記主基板監視手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた遊技制御装置の取り外しに関する遊技制御装置監視情報を出力することを特徴とする遊技機。
【0588】
(2)主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127を設け、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127は主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出した情報を主電源が遮断された状態でも保持する構成であり、パチンコ機1が起動した場合に、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かを検出した遊技制御装置監視情報を払出制御装置230Bで読み込み、主基板(遊技制御装置54)の取り外しがあったか否かを監視しているので、不正の可能性がある主基板(遊技制御装置54)の取り外しを払出制御装置230Bで効率良く監視することができる。
また、払出制御装置230Bから外部(例えば、カードユニット15)へ遊技制御装置監視情報の判定に基づくエラー情報を出力するようにすれば、エラー情報に気付いた店員が不正に対処した点検などの適切な対応を取ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
主電源遮断時であっても遊技制御装置の取り外しを監視することが検出可能であり、遊技制御装置の取り外しを検出した情報を主電源遮断時でも保持する主基板監視手段を設け、
前記主基板監視手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた遊技制御装置の取り外しに関する遊技制御装置監視情報を払出制御装置に出力し、
前記払出制御装置は、遊技制御装置監視情報に基づいて遊技制御装置の取り外しを監視することを特徴とする遊技機。
【0589】
(3)払出制御装置230Bを遊技制御装置54と分離して設け、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127を払出制御装置230Bで管理する構成なので、遊技制御装置54が不正に改造され正常に機能しない場合でも、払出制御装置230Bで確実に主基板(遊技制御装置54)の取り外しを監視することができる。例えば、遊技制御装置54を不正に取り外して、不正改造した主基板を取り付ける等)を監視することができる。
(4)遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127を配置しているが、払出制御装置230Bを遊技制御装置54と分離して設けているので、遊技進行に関する制御と、封入球数の監視や持球数の加算・減算処理、持球数の計数処理などの制御を分けることができ、実施例1に比べてプログラムが簡単で済む。
また、払出制御装置230B及び遊技制御装置54の各CPU231、111の処理負担を軽減できる。
【0590】
(5)払出制御装置230Bはパチンコ機1が起動した場合に、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かを検出した遊技制御装置監視情報を払出制御装置230Bで読み込み、主基板(遊技制御装置54)の取り外しがあったか否かを判定し、不正の可能性がある主基板(遊技制御装置54)の取り外しと判定した場合には、払出制御装置230Bからカードユニット15へ遊技制御装置監視情報の判定に基づくエラー情報を出力するので、カードユニット15にてエラー報知(例えば、カードユニットエラー報知LED203の青色LEDの点滅)をすることにより、エラー報知に気付いた店員が不正に対処した点検などの適切な対応を取ることができる。
したがって、不正へのセキュリティを高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
主電源遮断時であっても遊技制御装置の取り外しを監視することが検出可能であり、遊技制御装置の取り外しを検出した情報を主電源遮断時でも保持する主基板監視手段を設け、
前記主基板監視手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた遊技制御装置の取り外しに関する遊技制御装置監視情報を払出制御装置に出力し、
前記払出制御装置は、遊技制御装置監視情報に基づいて遊技制御装置の取り外しを監視し、異常の場合にカードユニットにエラー情報を出力することを特徴とする遊技機。
また、カードユニット15でのエラー報知に関して、上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記カードユニットは、
払出制御装置から遊技制御装置の取り外しに関するエラー情報を受信した場合、所定のエラー報知を行うことを特徴とする遊技機。
【0591】
次に、前面枠4の開放を検出する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126と、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の2つのセンサーを設けた効果について、以下のようなものがある。
(6)変形例9では、前面枠4の開放を検出する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126と、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の2つのセンサーを設け、これら2つの検出情報、すなわち、夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かに関する枠開放情報と、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置監視情報とを払出制御装置230Bで読み込み、払出制御装置230Bにて異常を監視しているので、不正の可能性がある形跡を払出制御装置230Bで効率良く監視することができる。
特に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報だけで不正を監視する実施例1に比べて、上記枠開放情報に加えて遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の遊技制御装置監視情報を併用することで、不正の可能性がある形跡を格段に高い精度で監視することができるようになる。
【0592】
この背景を説明する。
例えば、主電源断時に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126による枠開放情報があり、それが前面枠4の開放であっても不正でない場合もある。例えば、閉店後に店員が点検のために、前面枠4を開放したときは点検のために必要な開放であって、不正ではない。したがって、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126による枠開放情報のみでは信頼性が十分でない場合もある。
これに比べて、主基板(遊技制御装置54)を取り外した情報がある場合は、不正に主基板(遊技制御装置54)を交換或いは改造された可能性が高い。
そこで、両方の情報を取り込むことでよりセキュリティが高くなる。
変形例9では、上記の観点に着目し、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報のみならず、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127からの遊技制御装置監視情報も加えて不正を監視しているので、前面枠4が開放され、かつ主基板(遊技制御装置54)が取り外されたという情報がある場合は、不正に主基板(遊技制御装置54)を交換或いは改造された可能性が極めて高いという状況にマッチした監視結果になり、不正の可能性がある形跡を格段に高い精度で監視することができ、不正へのセキュリティが向上する。
特に、開店中でも遊技機の電源断後に、店員が前面枠を開放して作業することもあり、これについて、その後の遊技機の電源投入時に所定の不正報知処理や遊技開始規制等の処理を遊技機の制御装置で行うとなると、電源立ち上げ時の作業が非常に煩雑となる。これは、通常の作業過程として行った電源遮断時の枠開放についても、遊技機の電源投入時に、その枠開放に対して不正報知処理等が行われる可能性があるからである。
そのため、前面枠の開放のみの検出では、通常の作業過程でも電源を落として前面枠を開放するという作業が行われるため、不正が行われていた場合でも、通常の枠開放と判断して、不正確認をおろそかにしてしまうことが考えられる(枠開放の報知のみだから)。
これに対して変形例9では、枠開放情報のみならず、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視情報も加えて不正を監視するので、従来のような枠開放報知のみで遊技を開始させてしまい、主基板の不正交換等が行われたことに気づかずに不利益を被るという事態を防止できる。
また、開店中に遊技機の電源断後に、店員が前面枠を開放して作業するような場合には、不正の可能性が低いので、変形例9では遊技制御装置監視情報も加えて不正を監視することで、不正の可能性が低く、それだけでは遊技開始規制等の処理が遊技機の制御装置で行われず、電源投入時における制御装置の処理負担を軽減できる。
なお、前面枠4の開放のみでエラー報知を行う処理を規制(例えば、キャンセル)するための手段(例えば、スイッチ等)を設けてもよい。
遊技店の営業中に、何らかの不具合により遊技機の電源を一旦落として、前面枠を開放して作業を行った後に、電源投入を行う場合等も考えられるため、上記のようなエラー報知を行う処理を規制(例えば、キャンセル)するための手段を設けていれば、当該手段を操作してエラー報知を行わないようにすれば、電源投入時における制御装置の処理負担を一層軽減できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源回路と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
主電源遮断時であっても遊技制御装置の取り外しを監視することが検出可能であり、遊技制御装置の取り外しを検出した情報を主電源遮断時でも保持する主基板監視手段と、
を備え、
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を外部に出力し、
前記主基板監視手段は、
主電源の供給が開始されてから、電源遮断時に記憶しておいた遊技制御装置の取り外しに関する遊技制御装置監視情報を出力するように構成したことを特徴とする遊技機。
【0593】
なお、上記(6)の構成において、両者の情報(前面枠4の開放情報と、遊技制御装置54の取り外しに関する遊技制御装置監視情報)の対応に差をつけるようにしてもよい。
具体的には、遊技店の多数の遊技機につき、遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127により主基板(遊技制御装置54)が取り外されたという情報がある遊技機から優先的にエラー情報を出力し、エラー情報にもその旨を区別可能な構成にしてもよい。例えば、通常のエラー情報と区別すると、以下の通りである。
・第1優先エラー情報:主基板の取り外し情報+前面枠4の開放情報
・第2優先エラー情報:主基板の取り外し情報
・第3優先エラー情報:前面枠4の開放情報
エラー情報に基づくエラー報知は、カードユニット15や演出制御装置53の制御による表示装置41で行い、第1優先エラー情報の遊技機から優先して点検を開始するようにする。
このようにエラー情報を差別化すると、より緊急性が高く、不正の可能性の高い遊技機から点検を開始でき、不正へ迅速にかつ効率良く対処することができる。
【0594】
(7)夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かに関する枠開放情報と、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置監視情報とを払出制御装置230Bで読み込み、払出制御装置230Bにて異常を監視し、異常の場合にはエラー情報をカードユニット15に出力し、カードユニット15にてエラー処理を行うので、パチンコ機1から離れたカードユニット15という装置でエラー処理が行われることとなり、不正に対するセキュリティを信頼性良く、高めることができる。
この背景を説明する。
遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の検出信号を判定した結果、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外した可能性がある場合、不正基板と交換された可能性も高い。そうなると、主基板が存在したとしても、それは不正基板であり、主基板は信用できないことになる。
したがって、主基板(遊技制御装置)からの指示で演出制御装置53が表示装置41にエラー無し等の表示(あるいは、エラー報知が全く無い表示状態でも)をしても、信用できないおそれがある。また、主基板(遊技制御装置)54と払出制御装置230Bは接続されているので、不正された主基板(遊技制御装置)から、払出制御装置230Bに対しても、エラー報知の出力を停止させる等の不正を施されるおそれがある。
そうすると、払出制御装置230Bも信用できないおそれがある。
そこで変形例9では、主基板(遊技制御装置54)や払出制御装置230Bに不正が施されたという信用できない状態を鑑みて、払出制御装置230Bは主基板(遊技制御装置)54からの割込みを許可する前に監視スイッチ情報をカードユニット15に送信し、カードユニット15においてエラー処理を行う構成にしている。
このため、パチンコ機1から離れたカードユニット15という装置でエラー処理が行われるので、不正に対するセキュリティを信頼性良く、高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
前記前面枠開放検出手段及び前記主基板監視手段の各検出情報は払出制御装置に入力され、
払出制御装置は、
前記前面枠開放検出手段及び前記主基板監視手段の各検出情報に基づいて異常を監視し、異常の場合にカードユニットにエラー情報を出力し、
カードユニットは、エラー情報を受信すると、所定のエラー処理を行うように構成したことを特徴とする遊技機。
【0595】
(8)カードユニット15では、夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かに関する枠開放情報に関するコマンドと、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置監視情報に関するコマンドを払出制御装置230Bから受信した場合、各コマンドに対応してエラー処理の内容(例えば、カードユニットエラー報知LED203の赤色LED又は青色LEDの点滅)を変えているので、店員が迅速にエラーの状況を把握することができ、不正への対応を効率良く行うことができる。
(9)また、カードユニット15では上記のようなエラー報知だけでなく、例えば上述したようなLEDの点滅によるエラー報知をすることに加えて、球貸しを行わないとか、精算や遊技カードの受け入れ等の機能を停止する処理を行う構成にした場合には、不正に対して実質的に自動的に遊技機を稼働停止させることができ、不正発生の場合における遊技店の損害を未然に防ぐことが可能になる。
【0596】
(10)払出制御装置230Bはパチンコ機1の電源投入時に、夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かに関する枠開放情報と、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置監視情報とをRAM233に記憶するとともに、枠開放情報と遊技制御装置監視情報に基づき、夜間に前面枠4の開放が検出されていると判定した場合や夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたと判定した場合には、これらに関するコマンドをカードユニット15に送信し、RAMクリアスイッチ182が押された場合は、これらに関するコマンドをカードユニット15に送信完了してから、RAM233をクリアするので、例えばRAMクリアスイッチ182がオン操作されたとしても、RAMクリアが行われず、枠開放情報と遊技制御装置監視情報(すなわち、監視スイッチ情報)が払出制御装置230BのRAM233等に保持されるので、不正に対するセキュリティの低下を避けることができる。
そして、払出制御装置230Bから枠開放情報と遊技制御装置監視情報(すなわち、監視スイッチ情報)に関するコマンドが確実にカードユニット15に送信完了すると、RAM233等がクリア(初期化)され、このとき、RAM233に記憶しておいた枠開放情報と遊技制御装置監視情報(すなわち、監視スイッチ情報)もクリアされるので、不正に対して確実に対応することができる。
(11)また、遊技制御装置54は枠開放情報と遊技制御装置監視情報(すなわち、監視スイッチ情報)が払出制御装置230Bからカードユニット15へ送信完了したことを確認してからRAM113をクリアするので、不正に対するセキュリティを向上できる。
【0597】
なお、変形例9においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
【0598】
<実施例1の変形例10>
図89は実施例1の変形例10を示す図であり、封入球の循環構造の変形例である。
<通常状態>
図89(a)は封入球の循環構造を示す図であり、特に通常状態(研磨装置を介さずに球を循環させて遊技を行う状態のこと。以下、同様)の様子を示している。なお、図中の○印は球を表し、複数の○印により球の移動の様子を示している。
図89(a)において、7021は封入球の循環流路(遊技循環経路)を示し、循環流路7021には盤面(
図1の遊技盤20参照)からの回収球が流入するようになっている。循環流路7021の途中には切替弁7022(経路切替手段)が配置されており、通常状態では切替弁7022の切替ソレノイド(図示略)が作動せず、封入球は研磨装置7023に流入せずに循環流路7021を更に流下して揚送装置7024に向けて流れるようになっている。
揚送装置7024の入口には揚送入口スイッチ7025が配置されており、揚送入口スイッチ7025は揚送装置7024の入口に球が有るか否かを検出する。揚送入口スイッチ7025により球有りが検出されると、揚送装置7024が作動し、球を揚送スクリュー7025で揚送して下方から上方に移動させ、揚送された球は揚送出口スイッチ7026を経て発射装置の球送り部(図示略)へ誘導される。盤面の左上部には発射装置があり、球送り部により送られてきた球は発射装置により遊技領域に向けて発射される。
遊技領域に向けて発射された球は、アウト球(セーフ球含む)となって再び回収されて循環流路7021に流入するという経路を繰り返して循環する。
なお、揚送出口スイッチ7026で球止まりを検出すると、揚送装置7024は作動を停止する。
また、切替弁7022、研磨装置7023、揚送装置7024の制御は、例えば実施例1と同様に研磨制御装置によって行う。ただし、これに限らず、例えば払出制御装置を遊技制御装置と分離して設ける構成の場合には、払出制御装置によって切替弁7022、研磨装置7023、揚送装置7024の作動を制御する構成にしてもよい。
さらに、切替弁7022、研磨装置7023、揚送装置7024、発射装置(球送り部も含む)などの球の循環に必要な機器(例えば、揚送入口スイッチ7025、揚送出口スイッチ7026なども含む)への電源供給は電源装置58にて行う。
【0599】
<球磨き状態>
図89(b)は封入球の球磨き状態(研磨装置を介して球磨きを行って球を循環させる状態のこと。以下、同様)の様子を示している。
図89(b)において、パチンコ機1の電源投入時の所定期間(例えば、実施例1と同様に遊技店開店前のパチンコ機1の電源投入時の予め定められた所定期間になると、切替弁7022の切替ソレノイド(図示略)が作動して、弁体により循環流路7021を塞ぎ、封入球を研磨装置7023に流入させるようにする。これにより、封入球は切替弁7022の箇所から循環流路7021より研磨装置7023に流入するようになり、研磨装置7023によって研磨される。すなわち、研磨装置7023は内部に配置された研磨部材(例えば、研磨布)によって球を磨き、下部側の出口から排出するようになっている。研磨を終えた球は研磨装置7023の出口から出ると、再び、循環流路7021に流れ、循環流路7021より揚送装置7024に向けて流れる。次いで、揚送入口スイッチ7025により球有りが検出されると、揚送装置7024が作動して球を揚送し、揚送された球は揚送出口スイッチ7026を経て発射装置の球送り部へ誘導され、発射装置により遊技領域に向けて発射される。
遊技領域に向けて発射された球は、再び回収されて循環流路7021に流入するという経路を繰り返して循環する。
なお、この変形例10の構造では、研磨装置7023の他、揚送装置7024、発射装置(球送り部も含む)なども作動させて封入球を循環させながら、球磨きを行う。
【0600】
そして、上記所定期間が終了すると、切替弁7022の切替ソレノイドの作動が停止して弁体が例えばスプリングなどの付勢力を受けて循環流路7021を開口する位置に変位する。これにより、封入球が研磨装置7023に流入するのが阻止される。また、所定期間の終了により、切替弁7022、研磨装置7023、揚送装置7024、発射装置(球送り部も含む)などの球の循環に必要な機器(例えば、揚送入口スイッチ7025、揚送出口スイッチ7026なども含む)の作動も停止する。
なお、封入球の研磨終了後は、切替弁7022の切替ソレノイドの作動を停止して弁体をスプリングなどの付勢力を受けて循環流路7021を開口する位置に変位(元の位置に戻す)させているが、これに限らず、封入球の研磨終了後も例えば弁体が循環流路7021を閉鎖する位置のままの状態にしておいてもよい。弁体をそのままの位置にした場合、次回の遊技機の電源投入時(例えば、開店時)に、弁体を元の位置(循環流路7021を開口する位置)に戻すようにする。また、弁体を元の位置に戻さない場合には、次回にもう一度、球磨きを行うような構成にしてもよい。
【0601】
実施例1の変形例10では、以下の効果がある。
(1)発射装置(球送り部も含む)が遊技機の上部に配置されているタイプの遊技機に簡単に適用できて、便利である。
また、発射装置(球送り部も含む)が遊技機の上部に配置され、盤面に向けて球を直接に発射するので、ファール球の発生が無く、実施例1に比べて封入球の計算処理が容易になる。さらに、発射装置(球送り部も含む)も作動させて封入球を循環させながら球磨きを行うので、球送り部の構造に関係なく全ての封入球を磨くことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技盤の上部から遊技球を発射する発射装置と、
遊技球が遊技機の内部で遊技盤を通して循環する遊技循環経路と、
遊技機の下部に位置する遊技循環経路の遊技球を遊技盤の上部に揚送する揚送装置と、を備え、
前記遊技循環経路の近傍に遊技球を研磨する研磨装置を配置し、
遊技球が研磨装置を経由する経路又は遊技球が研磨装置を経由しない経路の何れかに切り替える経路切替手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0602】
<実施例1の変形例11>
図90は実施例1の変形例11を示す図であり、切替ボタンを2つ設けた例である。
図90(a)において、変形例11の操作表示装置7には2つの切替ボタン307A(第2の演出操作部)、切替ボタン307B(第2の演出操作部)が配置される構成である。操作表示装置7の画面上では切替ボタン307Aに対応して「遊技機」という表示がされており、このボタンにタッチすると、遊技機ルートに切り替わることが分かりやすく表示されている。一方、切替ボタン307Bに対応して「カード」という表示がされており、このボタンにタッチすると、カードユニットルートに切り替わることが分かりやすく表示されている。
そして、切替ボタン307Aにタッチすると、切替回路320が作動して操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートに切り替えられて遊技機(演出制御装置53)からの情報を操作表示装置7に表示し、切替ボタン307Bにタッチすると、切替回路320が作動して操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートに切り替えられてカードユニット15からの情報を操作表示装置7に表示するようになっている。
その他の構成は
図7と同様であり、同一番号を付している。
【0603】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第2の表示装置は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、
前記液晶表示器に、遊技者の操作により第2の表示装置に遊技機からの情報の内容に切り替えて表示するように切替操作を行う第1切替ボタンと、
遊技者の操作により第2の表示装置にカードユニットからの情報の内容に切り替えて表示するように切替操作を行う第2切替ボタンと、
を配置したことを特徴とする遊技機。
ここで、操作表示装置7は第2の表示装置に相当し、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成される。また、切替ボタン307Aは第1切替ボタンに相当し、切替ボタン307Bは第2切替ボタンに相当する。
【0604】
図90(b)は、2つの切替ボタン307A、切替ボタン307Bの作動に基づき切替回路320が作動して操作表示装置7の接続ルートを切り替える場合のタイミングチャートである。
図90(b)において、表示データやタッチ情報の定義は
図77の場合と同様である。
通常(初期状態)は遊技機からの優先信号は出力されず、カードユニットルートとなって操作表示装置7はカードユニット15からの情報を表示している。
遊技が進行して特別演出(例えば、リーチ発生でのバトルモード)になると、演出制御装置53から優先信号が切替回路320に出力され、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートに優先的に切り替えられ、演出制御装置53からの情報に基づく演出情報が操作表示装置7される。
【0605】
この状態で、遊技者が切替ボタン307Bにタッチすると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが所定期間a(例えば、5秒間)だけカードユニットルートに切り替えられ、操作表示装置7はカードユニット15からの情報を表示する。
次いで、上記所定期間a(例えば、5秒間)が経過すると、切替回路320は自動的に操作表示装置7の接続ルートをカードユニットルートから遊技機ルートに戻す。
その後、優先信号がノンアクティブになると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートからカードユニットルートに切り替わり、操作表示装置7では再びカードユニット15からの情報に基づく表示が行われる。
【0606】
次いで、操作表示装置7にてカードユニット15からの情報に基づく表示が行われている状態のとき、遊技者が切替ボタン307Aにタッチすると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートに切り替わり、操作表示装置7では演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わる。例えば、遊技者がゲーム進行中で登場するキャラクタの情報を得たいと思うときに、切替ボタン307Aにタッチすると、操作表示装置7では演出制御装置53からの情報を表示する画面に変わり、そこにゲーム進行中で登場するキャラクタに関する情報が表示される。
次いで、操作表示装置7の接続ルートが遊技機ルートであるときに、遊技者が切替ボタン307Bにタッチすると、切替回路320により操作表示装置7の接続ルートがカードユニットルートに切り替わり、カードユニット15からの情報を表示する画面に変わる。この状態で、球貸を望む場合には球貸ボタン303にタッチすることで、持球数が125個単位で増加する。
【0607】
このように、操作表示装置7に2つの切替ボタン307A、切替ボタン307Bが配置される構成であり、各ボタンの上には画面上で「遊技機」、「カード」という表示がされるので、実施例1に比べてより一層分かりやすく、かつ簡単に操作表示装置7の接続ルートを切り替えることができる。
【0608】
<実施例1の変形例12>
図91は実施例1の変形例12を示す図であり、遅延手段をソフトウエアで実現する例である。
図91において、変形例12では払出制御装置230Cに出力ポート551、リレー552、入力ポート553が設けられており、CPU231はROM232に格納されているプログラムを実行(つまり、ソフトエウアを実行)し、払出制御装置230Cへの主電源の供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源の供給を開始するために、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126への主電源の供給をオンさせるon制御信号を主電源の供給開始から所定時間(例えば、5秒)が経過した後にリレー552に出力するようになっている。
リレー552には5V電源の主電源が印加されており、リレー552は通常(off制御信号が入力されている間)はオフしているが、CPU231からon制御信号が入力されると、オン作動して、5V電源の主電源を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給する。なお、実際にはCPU231の周辺回路には上記on制御信号を出力するためのドライバ等が配置されるが、煩雑になるので、周辺回路を含めてCPU231で代表して示している。
【0609】
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126には払出制御装置230Cから主電源が供給可能であるが、前述したように払出制御装置230Cへの主電源供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源の供給が開始されるようになる。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置58からのバックアップ電源(5VBB)が払出制御装置230Cを経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給され、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)はリレー552を経由しておらず、電源装置58から払出制御装置230Cを介して常時、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給されるようになっている。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)は払出制御装置230Cに出力され、払出制御装置230Cでは前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート553で受けてCPU231に出力し、CPU231は前面枠4の枠開放情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
【0610】
このように、CPU231は所定のプログラムを実行し、払出制御装置230Cへの主電源の供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126へ主電源の供給を開始するためのon制御信号をリレー552に出力し、これにより、リレー552をオンするので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給される主電源の5Vも遅れ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126への主電源の供給開始は払出制御装置230C上のCPU231や各種ICよりも遅くなる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力するタイミングも、払出制御装置230Cへの主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対して常時供給される構成である。
ここで、払出制御装置230Cは遅延手段を構成する。
【0611】
このように、実施例1の変形例12においては、電源装置58から供給される主電源の投入時に、払出制御装置230Cには主電源が直ちに供給されるが、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に対してはメイン処理を実行する過程で、払出制御装置230Cの立ち上げ準備期間(例えば、5秒)が経過するまで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126への主電源の供給を遅延し、立ち上げ準備期間(例えば、5秒)が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126への主電源の供給が開始され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
したがって、払出制御装置230Cの立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報が払出制御装置230Cに取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができるようになる。
特に、実施例1の変形例12では遅延手段をソフトウエアで実現するので、実施例1に比べると、ハード回路の部品が減り、コストを抑制できる。
なお、実施例1の変形例12においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
「実施例2」
【0612】
次に、本発明の実施例2を
図92乃至
図94に基づいて説明する。
実施例2は、遊技場の事情に合わせて封入球の研磨期間を設定できるようにした例である。実施例2においては、払出制御装置230D(実施例2では、払出制御装置の図面は無いが、説明の都合上、払出制御装置230Dという番号を付けて説明する)の発射許可信号編集処理の内容が実施例1と異なる他、研磨装置56の動作、表示装置41の表示演出の内容が実施例1と異なる。
まず、発射許可信号編集処理の内容から説明する。
図92は実施例2における払出制御装置230Dの発射許可信号編集処理を示すフローチャートである。
このルーチンが開始されると、まずステップH271乃至ステップH285までの各処理は実施例1と同様であり、同一のステップ番号が付されている。実施例1と異なる処理はステップH710からステップH710までの処理である。
【0613】
すなわち、ステップH284で発射許可信号オンデータが設定されると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)になる。この状態になると、次いで、ステップH701へ進み、研磨不可コマンドを送信済みか否かを判定する。
研磨不可コマンドは払出制御装置230Dから遊技制御装置54に対して遊技中は封入球式の研磨が不可であることを知らせるコマンドであり、研磨不可情報に相当する。研磨不可コマンド(研磨不可情報)は払出制御装置230Dから遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送られる構成であり、演出制御装置53では研磨不可コマンドを受けると、研磨制御装置59に研磨不可コマンドを送るとともに、表示装置41に対して研磨中の表示は行わず、その他の情報(例えば、
図93に示すような研磨の設定画面等)を表示するように制御する。また、研磨制御装置59では研磨不可コマンドを受けると、封入球式の研磨が不可であることを認識し、この研磨不可コマンドを受けた場合には封入球の研磨は行わない。
ステップH701で研磨不可コマンドを送信済みでなければ、ステップH702で研磨不可コマンドを準備し、続くステップH703で主制御コマンド設定処理を行う。これにより、払出制御装置230Dから遊技制御装置54に研磨不可コマンドがシリアル通信で送信されることになる。
次いで、ステップH704で研磨不可コマンド送信済みフラグをセットし、ステップH705で研磨不可コマンド送信済みフラグをクリアする。これは、ステップH702で研磨不可コマンドを準備し、ステップH703の主制御コマンド設定処理で研磨不可コマンドを遊技制御装置54に送信したので、同じルーチンを繰り返さないために研磨不可コマンドをクリアしておくものである。ステップH705を経るとリターンする。
一方、ステップH701で研磨不可コマンドを送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
【0614】
次に、ステップH285で発射許可信号オフデータが設定されると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)となり、この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ174がオンし、発射ボリューム171が操作されること)があっても、発射ソレノイド173は作動せず、球は発射されない状態になる。この状態になると、次いで、ステップH706へ進み、研磨可能コマンドを送信済みか否かを判定する。
研磨可能コマンドは払出制御装置230Dから遊技制御装置54に対して遊技可能状態でないとき(球の発射不可のとき)は封入球式の研磨が可能であることを知らせるコマンドであり、研磨可能情報に相当する。研磨可能コマンド(研磨可能情報)は払出制御装置230Dから遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送られる構成であり、演出制御装置53では研磨可能コマンドを受けると、研磨制御装置59に研磨可能コマンドを送るとともに、研磨制御装置59からの研磨中信号を受信したときに表示装置41に対して研磨中の表示を行うように制御する。また、研磨制御装置59では研磨可能コマンドを受けると、封入球式の研磨が可能であることを認識し、この研磨可能コマンドを受け、かつ設定された研磨期間である場合に限り、封入球の研磨を行うことになる。このとき、研磨制御装置59では研磨中信号を演出制御装置53に送信する。
研磨可能コマンドを送信済みでなければ、ステップH707で研磨可能コマンドを準備し、続くステップH708で主制御コマンド設定処理を行う。これにより、払出制御装置230Dから遊技制御装置54に研磨可能コマンドがシリアル通信で送信されることになる。
次いで、ステップH709で研磨可能コマンド送信済みフラグをセットし、ステップH710で研磨可能コマンド送信済みフラグをクリアする。これは、ステップH707で研磨不可コマンドを準備し、ステップH708の主制御コマンド設定処理で研磨可能コマンドを遊技制御装置54に送信したので、同じルーチンを繰り返さないために研磨可能コマンドをクリアしておくものである。ステップH710を経るとリターンする。
一方、ステップH706で研磨可能コマンドを送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
【0615】
以上説明した発射許可信号編集処理によれば、遊技中(球の発射可)は研磨不可コマンド(研磨不可情報)が払出制御装置230Dから遊技制御装置54に送信され、遊技制御装置54では払出制御装置230Dからの研磨不可コマンド(研磨不可情報)を演出制御装置53へ送信し、演出制御装置53では研磨不可コマンド(研磨不可情報)を研磨制御装置59へ送信し、研磨制御装置59では研磨不可コマンドを受けると、研磨装置56を作動させず封入球式の研磨を行わない。
一方、遊技中でないとき(発射不可)は研磨可能コマンド(研磨許可情報)が払出制御装置230Dから遊技制御装置54に送信され、遊技制御装置54では払出制御装置230Dからの研磨可能コマンド(研磨許可情報)を演出制御装置53へ送信し、演出制御装置53では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を研磨制御装置59へ送信し、研磨制御装置59では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨を行うように研磨装置56を制御する。
すなわち、研磨制御装置59は設定された研磨期間(例えば、閉店後から翌日の開店時までの間のある特定された期間)であり、かつ研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ研磨を行うように研磨装置56を制御する。
また、演出制御装置53では研磨制御装置59からの研磨中信号を受信したときに表示装置41に研磨中の表示を行うように制御する。
【0616】
次に、
図93は表示装置41における研磨期間の設定例を示す図である。表示装置41における研磨期間の設定画面は演出制御装置53によって制御され、操作者(例えば、店員)による研磨期間の設定操作の結果は演出制御装置53から研磨制御装置59へ送信され、研磨制御装置59では設定された研磨期間に基づき、演出制御装置53から研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ研磨を行うように研磨装置56を制御する。
図93(a)は表示装置41における研磨期間の設定画面であり、特にパスワードを設定する画面である。
図93(a)の例では、表示装置41の画面上に、「遊技場様 設定画面」、「パスワードを設定して下さい」というメッセージが表示されるとともに、0から9までの数字が表示されている。
【0617】
ここで、研磨期間の設定は表示装置41と演出操作スイッチ9を使用して例えば、遊技機の電源投入時に遊技場(例えば、店員)が設定する。なお、表示装置41の代わりに持球数表示器40を使用して設定するようにしてもよい。
次いで、操作者(店員)が演出操作スイッチ9の上下左右に配置された4つのスイッチを押すことで、例えば表示装置41の画面上の「パスワードを設定して下さい」というメッセージ部分を選択して演出操作スイッチ9の中央の押しボタン式のスイッチを押すと、
図93(b)に示すパスワード入力画面が現れる。例えば、4桁のパスワードの入力を終了すると、演出制御装置53がパスワードの設定を受け付ける。なお、遊技者などが勝手に研磨期間の設定ができないようにするためにパスワードが設けられている。
次いで、
図93(c)の画面に移ると、研磨期間の設定を行う画面になる。ここでは遊技場の事情に合わせて研磨期間を設定する。例えば、
図93(c)の例では「午後10時30分乃至11時30分(つまり、特定の1時間)が研磨期間に設定される。
なお、研磨制御装置59はRTC60を搭載しているので、このRTC60により実時間の情報を得て、毎日、カレンダー機能を発揮させながら、「午後10時30分乃至11時30分」を研磨期間として設定し、封入球の研磨の制御が可能になっている。
研磨期間とは、その間であれば、封入球の研磨を行っても差し支えないと、遊技場が判断した期間のことであり、「設定された研磨期間」に相当する。設定した研磨期間中であって、遊技中でなければ研磨装置56が作動可能になるが、実際に研磨が行われるのは予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけである。所定期間(例えば、10分間)は、1台の遊技機に封入されている球を十分に磨いて、翌日の1日の営業中に球磨きをしないで済むような期間に設定される。所定期間(例えば、10分間)は研磨制御装置59のプログラムにより予め設定される。
【0618】
次に、
図94は実施例2における封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートを示している。
通常、遊技店では午後10時30分頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
いま、遊技店の開店にあたり、タイミングt1(例えば、午後10時30分)でパチンコ機1の稼働による営業を停止したとすると、この時点から研磨期間(つまり、「設定された研磨期間」)に入る。
次いで、払出制御装置230Dは球の発射を不可とするように発射制御回路236を制御する。このタイミングをt2とする。これにより、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)となる。
【0619】
また、このタイミングt2で払出制御装置230Dから研磨可能コマンド(研磨許可情報)が遊技制御装置54に送信され、遊技制御装置54では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、このコマンドを演出制御装置53へ送信する。演出制御装置53では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、このコマンドを研磨制御装置59へ送信し、研磨制御装置59では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間だけ封入球の研磨を行うように研磨装置56を制御することになる。そのため、タイミングt2から所定時間T0のウエイトが経過して、タイミングt3になると、
図94に示すように切替弁79の切替ソレノイド79Sが封入球の循環経路を「通常側」から「研磨側」に切り替えて、封入球が研磨装置56に流入開始するとともに、研磨モータ70が起動して封入球の研磨が開始されるようになる。また、封入球の研磨開始により、研磨制御装置59から研磨中信号が演出制御装置53に送信される。
一方、研磨制御装置59からの研磨中信号を演出制御装置53が受けると、演出制御装置53では表示装置41に研磨中の表示を行うように制御する。したがって、タイミングt3から表示装置41におる研磨中の表示が開始される。
【0620】
研磨制御装置59は予め定められた所定期間T1+T2だけ研磨モータ70の駆動や切替ソレノイド79Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
すなわち、封入球の研磨は、タイミングt3から所定時間T1が経過するまで実行される。その間、研磨出口スイッチ76により研磨装置56の上部出口75からセンサ流路77に排出される球が検出される。研磨出口スイッチ76は上部出口75からセンサ流路77に排出される球を1ケ宛て検出する度にOFFからONとなるので、
図94に示すようにパルス信号の形で研磨制御装置59に入力される。
次いで、タイミングt3から所定時間T1が経過してタイミングt4になると、十分に封入球の研磨が行われたと判断して、切替弁79の切替ソレノイド79Sが封入球の循環経路を「研磨側」から「通常側」に切り替える。これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sがオフして封入球が研磨装置56に流入しなくなる。なお、この間も研磨モータ70は作動している。
すなわち、タイミングt4が経過しても研磨モータ70は作動しており、これにより、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後も研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されるまでの期間が確保される。
なお、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出されると、研磨出口スイッチ76の検出信号がオフし、以後は、検出信号がオフのままになる。
次いで、タイミングt4から所定時間T2が経過してタイミングt5になると、研磨モータ70が作動を停止(OFF)する。タイミングt4は、切替弁79の切替ソレノイド79Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられてから所定期間T2が経過し、かつ研磨出口スイッチ76の検出信号が最後にオフしてから所定期間T3が経過した時点となる。このように、研磨出口スイッチ76の検出信号が最後にオフしてから所定期間T3が経過した時点(タイミングt5)で、研磨モータ70の作動を停止させることにより、研磨装置56の内部にある球磨き中の球が全て排出された状態を確認した後に、研磨モータ70が停止することになり、研磨装置56に封入球を残さないようにできる。
【0621】
一方、演出制御装置53は研磨モータ70が停止するタイミングt5で研磨制御装置59からの研磨中信号が送信されなくなるので、演出制御装置53では表示装置41に研磨中の表示を行っていたのを終了する。したがって、タイミングt5にて表示装置41におる研磨中の表示が終了する。
その後、タイミングt6になると、「設定された研磨期間」が終了する。次いで、タイミングt7は、払出制御装置230Dにおいて研磨可能状態から研磨不可状態へ変化するタイミングを表している。この時、払出制御装置230Dは発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動を許可し、球が発射できる状態(発射許可状態)にする。また、タイミングt7で払出制御装置230Dは遊技制御装置54へ研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送信する。遊技制御装置54は研磨不可コマンド(研磨不可情報)を受けると、演出制御装置53に研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送信する。演出制御装置53は研磨不可コマンド(研磨不可情報)を受けると、研磨制御装置59に研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送る。
【0622】
このように、遊技中でないとき(発射不可)に、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨が行われる。すなわち、設定された研磨期間(例えば、閉店後から翌日の開店時までの間のある特定された期間)であり、かつ研磨可能コマンド(研磨許可情報)を研磨制御装置59が受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨が行われる。
【0623】
実施例2では、以下の効果がある。
(1)研磨期間の設定は、遊技場の店員の操作により、演出制御装置53及び研磨制御装置59が行うので、遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230D(払出制御基板)の負担が軽減され、効率が良くなる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備えた遊技機において、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、設定された研磨期間内に研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
また、表示装置41の画面で研磨期間を設定する構成の発明概念は、下記のように表される。
球の研磨を実行可能な研磨期間を設定する研磨期間設定手段を設け、
研磨制御装置は、
研磨期間設定手段によって設定された研磨期間内に研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
ここで、実施例2の演出制御装置53及び研磨制御装置59は研磨期間設定手段を構成する。
【0624】
(2)研磨制御装置59に研磨期間設定のためのRTC60を搭載したり、封入球の研磨に関する情報を入力したりしても、遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230D(払出制御基板)への入力がない構成であるので、不正がされにくく、セキュリティが高い。
すなわち、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)は遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230D(払出制御基板)に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われない構成であり、「サブ化」しているので、不正がされにくく、セキュリティが高い。
【0625】
(3)また、遊技場の事情に合わせて封入球の研磨期間を設定できるので、遊技場毎に異なる営業時間に対応して柔軟に研磨期間を設定可能となり、便利である。
この背景を説明する。
封入球式遊技機に封入球の研磨装置を設置する場合、遊技場としては遊技に影響を及ぼさないように、営業開始前や営業終了後に封入球の研磨を行うことを要望することが考えられる。
この場合、遊技場の営業時間は地域や遊技場毎に異なるので、遊技場の実情に応じて研磨期間を設定できると便利である。
しかしながら、主制御基板や払出制御基板で研磨装置を制御する構成では、実時間をカウントするRTCの搭載や遊技場の営業時間等の設定のための情報の入力(例えば、外部からの時間情報等の入力)がセキュリティ上問題がある。すなわち、不正に使用されるおそれがある。
そこで本発明では、その対策を案出し、研磨装置を「サブ化」することで、解決できるようにした。
【0626】
特に、研磨制御装置59(研磨装置56も含む)を「サブ化」することにより、RTC60の搭載や研磨制御装置59(研磨装置56も含む)への情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)についてはセキュリティ上の問題がなくなり、研磨装置56を作動させる期間を自由に設定することができ、遊技場の実情に沿わせることができる。したがって、例えば営業終了後に封入球の研磨をしたい場合、遊技場毎に営業時間が異なっても対応することができる。
その他の「サブ化」した効果は、実施例1と同様である。
(4)研磨制御装置59はRTC60を搭載しているので、このRTC60により実時間の情報を得て、毎日、カレンダー機能を発揮させながらを研磨期間を設定できるとともに、封入球の研磨の制御も日時を指定して行わせることができる。
【0627】
次に、実施例1及び実施例2の変形例について説明する。
<実施例1及び実施例2の変形例>
変形例として、例えば封入球を常時、研磨装置を介して循環させる構成(
図4とは異なる構成)とし、研磨制御装置59は遊技制御装置54や払出制御装置230(又は230D)からの指示によらずに、研磨装置56を制御する(すなわち封入球の研磨を行う)構成にしてもよい。
このようにすれば、遊技制御装置54や払出制御装置230(又は230D)は封入球の研磨に関しては何もしない(何の制御もしない)ので、さらに負担軽減になる。
「実施例3」
【0628】
次に、本発明の実施例3を
図95、
図96に基づいて説明する。
実施例3は、持球数と計数球数を遊技機側の制御で簡易表示する例である。
図95は実施例3におけるパチンコ機801(封入球式遊技機)の正面図である。
図95において、パチンコ機801には操作表示装置7の下方に持球数表示器802及び計数球表示器803が配置されている。持球数表示器802及び計数球表示器803は実施例1の持球数表示器40に比べて小型であり、何れも6個のLEDを備えている。
持球数表示器802及び計数球表示器803の各LEDは、例えば矩形状の小さなもので、6個が横方向に一列に配列して設けられている。また、各LEDは消灯・点灯・点滅が可能なものである。なお、持球数表示器802及び計数球表示器803の点灯制御は払出制御装置230によって管理される。したがって、持球数表示器802及び計数球表示器803の制御は遊技機(払出制御装置230)側で行われることになる。
そして、持球数表示器802は遊技者の持球数を6個のLEDが点灯することで、最大、6桁の数量まで概略表示可能な構成である。例えば、持球数=100個から持球数=999個の範囲の場合には右側から3個目までの3つのLEDが点灯することで、持球数がおよそ3桁の数量であることをおよその持球数として表示する。同じく、持球数=1000個から持球数=9999個の範囲の場合には右側から4個目までの4つのLEDが点灯することで、持球数がおよそ4桁の数量であることをおよその持球数として表示する。
【0629】
一方、計数球表示器803は持球数から計数した計数球数を6個のLEDが点灯することで、最大、6桁の数量まで概略表示可能な構成である。例えば、計数球数=10個から計数球数=99個の範囲の場合には右側から2個目までの2つのLEDが点灯することで、計数球数がおよそ2桁の数量であることをおよその持球数として表示する。同じく、計数球数=10000個から計数球数=99999個の範囲の場合には右側から5個目までの5つのLEDが点灯することで、計数球数がおよそ5桁の数量であることをおよその計数球数として表示する。
持球数表示器802は持球数を簡易表示する第1の表示器を構成し、計数球表示器803は計数球数を簡易表示する第2の表示器を構成する。
一方、操作表示装置7(液晶表示器で構成)は実施例1と同様にカードユニット15によって管理される構成であり、操作表示装置7には持球数や計数球数が詳細にデジタル表示(例えば、数字)で表示されるとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示される。
操作表示装置7は持球数と計数球数の詳細を表示するカードユニット15の管理になる第3の表示器を構成する。
【0630】
ここで、第1の表示器としての持球数表示器802は少なくとも持球数の有無を表示できるものとし、第2の表示器としての計数球表示器803は少なくとも計数球数の有無を表示できるものとする。また、特に実施例3では第1の表示器としての持球数表示器802は持球数のおよその数量を表示できるものとし、第2の表示器としての計数球表示器803は計数球数のおよその数量を表示できるものとする。
また、その他のパチンコ機801の構成のうち、計数球表示器313が実施例2では配置されていない点が実施例1と異なるものの、その他の構成は実施例1の
図1と同様であり、同一の部材には同一番号を付している。実施例2では計数球表示器313を無くした代わりに計数球表示器803を配置しているからである。
なお、パチンコ機801はカードユニット15を併設しており、カードユニット15の各部構成は実施例1と同様であり、同一番号を付している。
【0631】
次に、
図96は持球数及び計数球数の表示に関して持球数表示器802、計数球表示器803及び操作表示装置7の動作例を示す図である。
図96の説明では遊技の進行において場面という概念を用いており、
図96に示す場面R1乃至場面R4は遊技進行中における持球数表示器802、計数球表示器803及び操作表示装置7における持球数表示、計数球表示、演出画面、ボタン画面等を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、
図96の場面R1は通常時における持球数表示器802、計数球表示器803及び操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面R1では操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている様子が示されているとともに、操作表示装置7の下方には持球数表示器802、計数球表示器803が配置されている。
また、
図95の場面R1では持球数表示器802、計数球表示器803の側方に計数スイッチ311、休憩スイッチ312、計数球使用スイッチ314が配置されている様子を示している。
なお、場面R2以降の説明では、上記の符号付けは煩雑になるので、略す。
【0632】
場面R1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「5000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「5000円」であることを知ることになる。また、操作表示装置7の下方に配置されている持球数表示器802は右側から4個目までのLEDが点灯している。これにより、遊技者は現在の持球数がおよそ4桁の数量であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数:6500個 発射可能です」というメッセージが表示されるとともに、「計数する場合は計数ボタンを押して下さい」のメッセージが表示されている。これにより、遊技者は自分の現在の持球数が6500個であることを詳細に知り、その持球数を発射してパチンコ遊技ができることが分かる。
すなわち、持球数表示器802による持球数の簡易表示でおよその持球数の数量が分かり、操作表示装置7によるデジタル(数字)の持球数表示により、持球数の詳細を知ることができる。
なお、場面R1の状態では計数球数は無く、メッセージ・操作領域部306に計数球数の表示もない。また、計数球表示器803のLEDは1つも点灯していない。
【0633】
次に、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数をすると、場面R2に移行する。場面R2は遊技者が計数スイッチ311を押して持球数6500個のうちから6000個を計数した場合を示している。したがって、持球数が500個残り、計数球数が6000個となっている。この場合、持球数の状態は持球数表示器802が右側から3個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の持球数がおよそ3桁の数量であることが分かる。また、計数球の状態は計数球表示器803が右側から4個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の計数球がおよそ4桁の数量であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数:500個 発射可能です」という表示がされるとともに、「計数球:6000個」の表示がされる。これにより、デジタルで「計数球:6000個」という表示がされることで、遊技者は現在の計数球が6000個であることを詳細に知ることができる。
【0634】
また、メッセージ・操作領域部306にデジタルで表示されている計数球球(6000個)と同じ計数球数が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306において玉箱Tを摸した図形でアナログ表示される。なお、玉箱に付ける符号Tは、煩雑になるので、説明の都合上、必要と思わる場合に付けてある。
場面R2では、玉箱Tが4つ表示され、その4つの玉箱Tの中に6000個の計数球が存在することを摸した図形でアナログ表示されている。6000個の計数球であるから、4つの玉箱Tの全てに計数球が溜まっている様子の図形になっている。
これにより、遊技者は持球数表示器802による持球数の簡易表示でおよその持球数の量が分かり、操作表示装置7によるデジタル(数字)の持球数表示により、持球数の詳細を知ることができる。また、持球数から移動させた計数球がメッセージ・操作領域部306に玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、計数球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。特に、メッセージ・操作領域部306は計数球表示器803よりも大きいので、より分かりやすく計数球数を把握できる。
【0635】
なお、メッセージ・操作領域部306に玉箱Tを摸した図形で持球数をアナログ表示する場合、実施例3においても、実施例1と同様に以下のような表示態様にしている。
・玉箱満杯表示:球数=1500個
・玉箱半分位の表示:球数=750〜1500個未満
・玉箱に少しある表示:球数=750個未満
また、球貸し関係は常時表示しておくようになっており、そのため、球貸レート表示器301には「球貸:1玉4円」というレートが常時表示されている。また、残金額表示器302にも残金額(例えば、「5000円」)が常時表示されている。
【0636】
次いで、遊技者が持球数を発射して遊技を開始すると、場面R3に移る。
場面R3では、遊技者が持球数を発射して残りの持球数が30個になった状態を示している。このとき、持球数が30個残り、計数球数が6000個となっているから、場面R2の持球数500個から470個を発射して、残りの持球数が30個となった状態である。この状態は持球数表示器802が右側から2個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の持球数がおよそ2桁の数量であることが分かる
また、計数球の状態は計数球表示器803が右側から4個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の計数球がおよそ4桁の数量であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数:30個 発射可能です」という表示がされるとともに、「計数球:6000個 計数球を使用する場合は、計数球使用ボタンを押して下さい→1回につき100個持球数に移動します」の表示がされる。これにより、デジタルで「計数球:6000個」という表示がされることで、遊技者は現在の計数球が6000個であることを詳細に知ることができる。
また、持球数の残りが30個と少ないので、メッセージ・操作領域部306には「計数球を使用する場合は、計数球数使用ボタンを押して下さい→1回につき100個持球数に移動します」というメッセージが表示されることで、遊技者は残りの持球数が少なくなったことが分かり、計数球数から持球数への移動が可能であることも容易に分かる。
【0637】
次いで、場面R4に示すように、遊技者が計数球使用スイッチ314を押して計数球数から持球数への移動を選択すると、1回の操作で100個の計数球が持球数へ移動する。このとき、計数球使用スイッチ314は内蔵のLEDが点灯して、計数球使用スイッチ314が使用可能(つまり、計数球数から持球数への移動が可能)であることを報知する。
遊技者が計数球使用スイッチ314を1回操作すると、場面R4に示すように、100個の計数球が持球数へ移動した結果、持球数が130個となり、計数球数が5900個となるから、この状態は持球数表示器802が右側から3個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の持球数がおよそ3桁の数量であることが分かる。
また、計数球の状態は計数球表示器803が右側から4個目までのLEDが点灯することで表示される。これにより、遊技者は現在の計数球がおよそ4桁の数量であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数:130個 発射可能です」という表示がされるとともに、「計数球:5900個 計数球100個が持球数に移動しました」という表示がされる。これにより、デジタルで「計数球:5900個」という表示がされることで、遊技者は現在の計数球が5900個であることを詳細に知ることができる。また、計数球100個が持球数に移動したことも、メッセージ・操作領域部306を見ることで、遊技者は容易に知ることができる。
【0638】
このように、実施例3のパチンコ機801では持球数表示器802により持球数を簡易表示し、計数球表示器803により計数球数を簡易表示することが行われる。また、操作表示装置7により持球数及び計数球を詳細にデジタル表示(例えば、数字)で表示するとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示することが行われる。
【0639】
実施例3では、以下の効果がある。
(1)持球数表示器802及び計数球表示器803は実施例1の持球数表示器40に比べて小型であり、何れも6個のLEDを備え、それぞれ持球数、計数球をLEDの点灯により簡易表示して、およその数量を知らせるだけの構成であり、カードユニット15の管理により操作表示装置7で持球数及び計数球を詳細にデジタル表示するので、遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230(払出制御基板)の負担が軽減される。
【0640】
この背景を説明する。
封入球式遊技機において、遊技の結果得られた持球数と計数球(一時的に発射できない保管された持球)は遊技機で管理するべきであるが、持球数及び計数球について遊技機で分かりやすい表示を行おうとすると、遊技機の制御の負担が大きいという問題がある。
例えば、持球数の分かりやすい表示を行うには、表示器に7セグメントのLEDを6列配置して、デジタル数字で6桁までの持球数を表示することが考えらるが、7セグメントのLEDを細かく制御して数字を表示させるとなると、制御負担が大きい。これを持球数と計数球の双方で表示制御することは、遊技制御装置(主制御基板)又は払出制御装置(払出制御基板)の何れで実行しても、負担になる。特に、持球数は遊技の経過に伴って刻々変化するものであるから、とりわけ制御の負担になる。
そこで実施例3では、遊技機側では7セグメントのLEDを採用せず、単に複数のLEDの点灯・消灯だけの簡易表示で持球数及び計数球を報知し、詳細な報知はカードユニット15の管理に任せることで、上記問題を解決した。
詳しくは、遊技機側では払出制御装置230により持球数表示器802及び計数球表示器803を制御することで、単に複数のLEDの点灯・消灯だけの簡易表示で持球数及び計数球のおよその数量を報知し、カードユニット15の管理により操作表示装置7で持球数及び計数球を詳細にデジタル表示するので、払出制御装置230(払出制御基板)の負担を軽減できる。なお、遊技制御装置54(主制御基板)により持球数表示器802及び計数球表示器803を制御する構成であれば、遊技制御装置54(主制御基板)の負担を軽減できる。
すなわち、持球数と計数球を遊技機で管理する場合、遊技機(例えば、払出制御装置230)では持球数と計数球を簡易表示するだけなので、遊技機(例えば、払出制御装置230)の制御の負担を軽減できるとともに、カードユニット15の制御で持球数と計数球の詳細を表示するので、遊技者にとって分かりやすい表示をすることができる。
【0641】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数を簡易表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できる第3の表示装置と、
を備え、
第1の表示装置は、少なくとも持球数の有無を表示可能であり、
第2の表示装置は、少なくとも計数球の有無を表示可能であり、
第3の表示装置は、カードユニットの制御により持球数及び計数球を表示することを特徴とする遊技機。
ここで、持球数表示器802は第1の表示器を構成し、計数球表示器803は第2の表示器を構成し、さらに操作表示装置7は第3の表示器を構成する。
「実施例4」
【0642】
次に、本発明の実施例4を
図97に基づいて説明する。
実施例4は、持球数=発射可能持球数+計数球球というように持球数を定義して、持球数を遊技機側の制御で表示する例である。
すなわち、実施例4では、以下のように持球数を定義する。
「持球数=発射可能持球数+計数球球」
ここで、発射可能持球数とは、発射可能な球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、玉箱に移動していない持球のことである。
計数球数とは、発射可能持球数から計数して移動した保管球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球数のイメージに相当し、玉箱にある持球のことである。計数スイッチ311を操作することで、発射可能持球数を計数球数に移動できる。
したがって、実施例4で言う持球数とは、遊技者の総持球数のことで、実施例1の例であれば、持球数+計数球数=トータル持球数に相当するものである。
【0643】
実施例4では、持球数の表示は払出制御装置230で制御する構成であり、持球数は持球数表示器40Aによって表示するようになっている。持球数表示器40Aは遊技者が獲得した持球数(すなわち、「持球数=発射可能持球数+計数球球」)を表示するものであり、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な構成になっており、払出制御装置230によって表示が制御される。
また、実施例4ではLEDからなる計数球表示器313が配置されており、計数球表示器313は計数球があれば、点灯する構成になっている。計数球表示器313は払出制御装置230によって点灯が制御される
ここで、第1の表示器としての持球数表示器40Aは計数球を含む持球数を表示できるものとし、第2の表示器としての計数球表示器313は計数球を簡易表示できるものとする構成である。
一方、操作表示装置7(液晶表示器で構成)は実施例1と同様にカードユニット15によって管理される構成であり、操作表示装置7には発射可能持球数や計数球数が詳細にデジタル表示(例えば、数字)で表示されるとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示される。
【0644】
次に、
図97は持球数及び計数球数の表示に関して持球数表示器40A、計数球表示器313及び操作表示装置7の動作例を示す図である。
図97の説明では遊技の進行において場面という概念を用いており、
図97に示す場面S1乃至場面S4は遊技進行中における持球数表示器40A、計数球表示器313及び操作表示装置7における持球数表示、計数球表示、演出画面、ボタン画面等を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、
図97の場面S1は通常時における持球数表示器40A、計数球表示器313及び操作表示装置7の動作を示している。すなわち、場面S1では操作表示装置7には球貸レート表示器301、残金額表示器302、球貸ボタン303、返却ボタン304、貯球・再プレイボタン305、メッセージ・操作領域部306、切替ボタン307が配置されている様子が示されているとともに、操作表示装置7の下方には持球数表示器40A、計数球表示器313が配置されている。
また、
図97の場面S1では持球数表示器40A、計数球表示器313の近傍に計数スイッチ311、休憩スイッチ312、計数球使用スイッチ314が配置されている様子を示している。
なお、場面S2以降の説明では、上記の符号付けは煩雑になるので、略す。
【0645】
場面S1では、通常時の一例として残金額表示器302には残金額が「5000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「5000円」であることを知ることになる。また、操作表示装置7の下方に配置されている持球数表示器40Aには6500という数字がデジタルで表示されている。これにより、遊技者は現在の持球数が6500個であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数の内訳は次のとおりです」というメッセージが表示されるとともに、「発射可能数:6500個 計数球:0個」という表示がされるとともに、「計数する場合は計数ボタンを押して下さい」というメッセージが表示されている。これにより、遊技者は現在の持球数の内訳として発射可能数が6500個、計数球が0個であることが分かり、その結果、トータルの持球数は発射可能数の6500個と、計数球の0個を足したもので、6500個であることが分かる。また、6500個の数字は持球数表示器40Aにデジタルで表示されていることからも明らかであり、そのため、遊技者は「持球数=発射可能持球数+計数球球」であることが容易に理解でき、かつ持球数の総数が6500個であることが分かる。
すなわち、持球数表示器40Aにより持球数の総数が分かり、操作表示装置7によるデジタル(数字)の表示により、持球数の内訳を知ることができる。
また、場面S1の状態では計数球が0個であるので、計数球表示器313は点灯していない。
【0646】
次に、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数をすると、場面S2に移行する。場面S2は遊技者が計数スイッチ311を押して持球数6500個のうちから6000個を計数した場合を示している。したがって、発射可能数が500個残り、計数球数が6000個となっている。この場合、持球数表示器40Aには6500の数字がデジタル表示されていることから、遊技者は持球数の総数が6500個であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部306には「持球数の内訳は次のとおりです」というメッセージが表示されるとともに、「発射可能数:500個 計数球:6000個」という表示がされている。これにより、遊技者は現在の持球数の内訳として発射可能数が500個、計数球が6000個であることが分かり、その結果、トータルの持球数は発射可能数の500個と、計数球の6000個を足したもので、6500個であることが分かる。また、6500個の数字は持球数表示器40Aにデジタルで表示されていることからも明らかであり、そのため、遊技者は「持球数=発射可能持球数+計数球球」であることが容易に理解でき、かつ持球数の総数が6500個であることが分かる。
すなわち、持球数表示器40Aにより持球数の総数が分かり、操作表示装置7によるデジタル(数字)の表示により、持球数の内訳を知ることができる。
また、場面S1の状態では計数球が6000個であるので、計数球表示器313が点灯して、計数球が有ることを報知している。
【0647】
さらに、メッセージ・操作領域部306にデジタルで表示されている計数球球(6000個)と同じ計数球数が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部306において玉箱Tを摸した図形でアナログ表示される。なお、玉箱に付ける符号Tは、煩雑になるので、説明の都合上、必要と思わる場合に付けてある。
場面S2では、玉箱Tが4つ表示され、その4つの玉箱Tの中に6000個の計数球が存在することを摸した図形でアナログ表示されている。6000個の計数球であるから、4つの玉箱Tの全てに計数球が溜まっている様子の図形になっている。
【0648】
次いで、遊技者が持球数を発射して遊技を開始すると、場面S3に移る。
場面S3では、遊技者が持球数を発射して残りの持球数が30個になった状態を示している。このとき、発射可能数が30個残り、持球数が6030個となっているから、場面S2の発射可能数500個から470個を発射して、残りの発射可能数が30個となった状態である。
このとき、メッセージ・操作領域部306には「持球数の内訳は次のとおりです」というメッセージが表示されるとともに、「発射可能数:30個 計数球:6000個」という表示がされ、さらに持球数表示器40Aには6030とデジタル数字が表示されるので、遊技者は持球数の総数が6030個であるとともに、持球数の内訳もメッセージ・操作領域部306の表示を見ることで、容易に分かる。
また、メッセージ・操作領域部306には「計数球を使用する場合は、計数球使用ボタンを押して下さい→1回につき100個持球数に移動します」の表示がされる。これにより、遊技者は残りの持球数が少なくなったことが分かり、計数球数から持球数への移動が可能であることも容易に分かる。
【0649】
次いで、場面S4に示すように、遊技者が計数球使用スイッチ314を押して計数球数から発射可能数への移動を選択すると、1回の操作で100個の計数球が発射可能数へ移動する。遊技者が計数球使用スイッチ314を1回操作すると、場面S4に示すように、100個の計数球が発射可能数へ移動した結果、発射可能数が130個となり、計数球数が5900個となるから、この状態は持球数の総数として持球数表示器40Aに6030とデジタル数字で表示される。
また、メッセージ・操作領域部306には「持球数の内訳は次のとおりです」というメッセージが表示されるとともに、「持球数:130個 計数球:5900個」という表示がされ、さらに「計数球100が持球数に移動しました」という表示がされる。これにより、デジタルで「計数球:5900個」という表示がされることで、遊技者は現在の計数球が5900個であることを詳細に知ることができる。また、計数球100個が持球数に移動したことも、メッセージ・操作領域部306を見ることで、遊技者は容易に知ることができる。
【0650】
このように、実施例4では「持球数=発射可能持球数+計数球球」と定義した上で、
持球数表示器40Aにより持球数が表示される。また、操作表示装置7により持球数の内訳として発射可能数及び計数球が詳細にデジタル(例えば、数字)で表示されるとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示される。
【0651】
実施例4では、以下の効果がある。
(1)「持球数=「持球数=発射可能持球数+計数球球」と定義した上で、払出制御装置230の制御により持球数表示器40Aによって持球数を表示し、カードユニット15の管理により持球数の内訳として発射可能持球数と計数球球の詳細を表示するので、遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230(払出制御基板)の負担が軽減される。
詳しくは、遊技機側では払出制御装置230により持球数表示器40Aを制御することで、トータルの持球数を表示し、カードユニット15の管理により操作表示装置7で持球数の内訳を詳細に表示することにより、払出制御装置230(払出制御基板)の負担を軽減できる。なお、遊技制御装置54(主制御基板)により持球数表示器40Aを制御する構成であれば、遊技制御装置54(主制御基板)の負担を軽減できる。
(2)持球数表示器40Aは計数球も含めて持球数を表示するので、遊技者が有しているトータルの持球数を把握しやすい効果がある。
【0652】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数球を含む持球数を表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できる第3の表示装置と、
を備え、
第1の表示装置は、計数球を含む持球数をデジタル表示可能であり、
第2の表示装置は、少なくとも計数球の有無を表示可能であり、
第3の表示装置は、カードユニットの制御により持球数及び計数球を表示することを特徴とする遊技機。
ここで、持球数表示器40Aは第1の表示器を構成し、計数球表示器313は第2の表示器を構成し、さらに操作表示装置7は第3の表示器を構成する。
「実施例5」
【0653】
次に、本発明の実施例5を
図98、
図99に基づいて説明する。
実施例5は、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の検出信号(枠開放情報)を直接に外部のカードユニットに出力する例である。
図98は実施例5における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の出力系統を示す図である。
図98において、実施例5の電源装置7500はスイッチ電源遅延回路7510を内蔵している。また、電源装置7500にはRAMクリアスイッチ(RAMクリアSW)7501及び電源スイッチ(電源SW)7502が設けられており、これらの機能は実施例1と同様である。
なお、実施例5では遊技制御装置54は実施例1に示すような払出制御装置230を含めて一体化した構成としており、以下の説明では遊技制御装置54は払出制御装置を含めた構成として記載している。なお、これに限らず、遊技制御装置と払出制御装置を分離した構成にする場合には、実施例5に示す遊技制御装置を払出制御装置に置き換えて前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の検出信号に関する制御を行えばよい(以降の実施例においても、この趣旨が当てはまるものは同様)。
電源装置7500は遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBB、夜間監視SW用5VBB、演出制御装置用主電源を生成して各部に供給可能であり、具体的な電圧値としては、AC100Vの交流電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、遊技制御装置54、演出制御装置53、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600、発射制御装置や各電子部品に必要な電源を供給する。
【0654】
すなわち、電源装置7500からは遊技制御装置54に遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBBが供給されており、遊技制御装置54は遊技制御装置用主電源(以下、単に主電源)の供給を受けて動作を開始するとともに、遊技制御装置用5VBBはRAM等のバックアップ電源として使用する。また、電源装置7500からは演出制御装置53に演出制御装置用主電源が供給されている。
さらに、電源装置7500からは前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に夜間監視SW用5VBBが供給されており、この夜間監視SW用5VBBは遊技機の営業が終わった夜間になっても、バックアップ電源として継続して供給されている。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600への夜間監視SW主電源は電源装置7500に内蔵されたスイッチ電源遅延回路7510から供給されるようになっており、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は夜間監視SW主電源(以下、単に主電源)の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部(例えば、カードユニット7610)に出力する。
【0655】
電源装置7500に内蔵されたスイッチ電源遅延回路7510は、水晶発振器7511、カウンタ7512、シフトレジスタ7513、リレー7514を備えている。
水晶発振器7511は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ7512は水晶発振器7511によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ7513に入力する。シフトレジスタ7513は遅延回路として機能する構成になっている。
そして、電源装置7501で生成された主電源はスイッチ電源遅延回路7510の内部にてシフトレジスタ7513に入力データ(5V電源の主電源)として入力されており、シフトレジスタ7513はカウンタ7512からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(5V電源の主電源)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。ここでは、シフトレジスタ7513は、例えば5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、on/off制御のための信号としてリレー7514に出力する。具体的には、シフトレジスタ7513は5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、遅延させている間はoff制御信号をリレー7514に出力し、5秒後にon制御信号をリレー7514に出力する。
リレー7514には5V電源の主電源が印加されており、リレー7514は通常(off制御信号が入力されている間)はオフしているが、シフトレジスタ7513からon制御信号が入力されると、オン作動して、5V電源の主電源を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給する。
【0656】
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600には上述したようにスイッチ電源遅延回路7510を介して主電源が供給される構成であるため、遊技制御装置54への主電源供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600へ主電源の供給が開始されるようになる。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部情報端子板51を経由(以下、「外部情報端子板51を経由」は略すことがある)してカードユニット7610に出力する。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置7500からのバックアップ電源(5VBB)が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給され、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)はスイッチ電源遅延回路7510を経由しておらず、電源装置7500から常時、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給されるようになっている。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)はカードユニット7610に出力され、カードユニット7610では前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート7612で受けてCPU7611に出力し、CPU7611は前面枠4の枠開放情報をRAMなどに記憶させ、その後、報知などの処理を行う構成である。
【0657】
このように、スイッチ電源遅延回路7510では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600の主電源となる5V電源を一定のクロックでシフトレジスタ7513に入力し、シフトレジスタ7513によって所定時間(例えば、5秒)だけ遅延を行う。そして、所定時間だけ遅らせて立ち上がることになるシフトレジスタ7513から出力される5Vのon制御信号によってリレー7514をオンするので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給される主電源の5Vも遅れ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600への主電源の供給開始は遊技制御装置54上のCPUや各種ICよりも遅くなる。そのため、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力するタイミングも、遊技制御装置54への主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に対して常時供給される構成である。そのバックアップ電源は遊技制御装置54のRAMに供給されるものと同じであり、RAMも同様にバックアップされる。
ここで、スイッチ電源遅延回路7510は電源遅延手段を構成する。
【0658】
一方、電源装置7500からはカードユニット7610にAC100Vの電源が供給される。電源装置7500の入力側にはAC100Vの商用電源が供給されており、電源装置7500はAC100Vの商用電源から上述したような遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBB、夜間監視SW用5VBBの他に演出制御装置用主電源を生成して、各部に供給するとともに、カードユニット7610に対してはAC100Vの商用電源を電源装置7500を経由してカードユニット7610に供給する。
なお、カードユニット7610には電源スイッチを備えていない構成である。したがって、遊技機側における電源装置7500の電源スイッチ(電源SW)7502をオン操作すると、遊技機及びカードユニット7610に電源が供給される。
上述したように、主電源供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600へ主電源の供給が開始され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部のカードユニット7610に出力するが、ここでの所定時間(例えば、5秒)は、カードユニット7610にAC100Vが供給開始されてから、カードユニット7610の初期化等の立ち上げ準備期間が経過するのに十分な期間に設定されている。
したがって、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600からの枠開放情報がカードユニット7610に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれることになる。
カードユニット7610には前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600からの枠開放情報が直接に入力されるようになっており、カードユニット7610は前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート7612で受けてCPU7611に取り込むと、CPU7611により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理を行う。
なお、電源装置7500からカードユニット7610へ電源を供給する構成でなく、カードユニット7610に遊技機の電源装置7500とは別に商用電源を供給する構成でもよい。通常、遊技機とカードユニットの電源は遊技機が設置される島毎にまとめてオン・オフするので、遊技機からカードユニットへ電源を供給しなくても両者の電源は、ほぼ同時にオン・オフをされることになる。
【0659】
次に、
図99は実施例5における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートである。なお、説明の都合上、
図99では実施例1と同様の部材には同じ番号を用いて説明する。
図99において、遊技制御装置の主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置7500から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、遊技制御装置54を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、電源装置7500は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時に遊技制御装置54のRAMや前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給するバックアップ電源(夜間監視SW用5VBB)も備えている。主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
図99では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
【0660】
図99に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600により保持されている。なお、
図99の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0661】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で電源装置7500の主電源がON(例えば、電源スイッチ7502のオン)すると、同じタイミングt2で遊技制御装置54へ主電源が供給されるとともに、演出制御装置53にも主電源が供給される。また、カードユニット7610にも同じタイミングt2で電源装置7500からAC100Vの電源の供給が開始される(作動準備などは後述)。遊技制御装置54は主電源の供給が開始されると、プログラムが起動して初期設定等が行われて作動ON状態となる。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600への夜間監視SW主電源(主電源)はスイッチ電源遅延回路7510を介して供給される構成であるため、スイッチ電源遅延回路7510では電源装置7500の主電源がONしたタイミングt2から所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延したタイミングt3で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600へ主電源を供給する。
そして、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、タイミングt3で主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)を所定期間Tb(例えば、1秒)だけ外部情報端子板51を経由してカードユニット7610に出力する。タイミングt3は、カードユニット7610への電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。
ここで、所定時間Taはカードユニット7610の電源の投入処理等が終了する時間(つまり、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。また、上記所定時間Tbは予め定められた期間(例えば、カードユニット7610が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
なお、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は夜間に前面枠4の開放を検出しなければ、枠を開放したという情報(検出信号)は出力しない。
【0662】
次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600から出力された前面枠4の枠開放情報はカードユニット7610に入力され、入力ポート7612を介してCPU7611に取り込まれる。
したがって、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600からの枠開放情報がカードユニット7610に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、夜間に不正に前面枠4が開放されているような場合には、CPU7611により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理が行われる。また、カードユニット7610によるエラー報知では、例えばエラー表示LEDで所定期間エラーを報知する。
一方、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。例えば、タイミングt4で前面枠4が開放された場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600によって前面枠4の開放状態が検出され、その枠開放情報はカードユニット7610に取り込まれることになる。
なお、カードユニット7610に取り込まれた枠開放情報をホールコンピュータ86に送り、ホールコンピュータ86で枠開放情報を蓄積して管理する構成にしてもよい(これはその他の実施例においても同様)。
また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600にエラー報知用のLEDを配置する構成にしてもよい。このようにすると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600自体でエラーを報知することができ、簡単で低コストとなる。
【0663】
実施例5では、以下の効果がある。
(1)カードユニット7610の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600の枠開放情報がカードユニット7610に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。その結果、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600の機能を十分に発揮して、セキュリティを向上させることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
電源装置から供給される主電源の投入時に、前記前面枠開放検出手段への主電源の供給を遅延させる電源遅延手段と、を設け、
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を外部に出力することを特徴とする遊技機。
【0664】
(2)実施例5では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600が遊技制御装置54、演出制御装置53を含む各種制御制御と接続されておらず、主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の開放情報を外部のカードユニット7610に直接に出力する構成であるので、主基板(遊技制御装置54)や演出制御装置53を含む各種制御制御(例えば、払出制御装置)が不正に改造されていたとしても、監視した枠開放情報を外部へ出力することができ、セキュリティを格段に高くすることができる。
特に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は遊技機の各制御装置に制御を依存していないので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600の検出情報を確実に外部に出力することができる。
【0665】
この背景を説明する。
主電源の遮断時に遊技機の枠(例えば、前面枠)を開放する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)を設ける意味は、主に主基板を不正に改造、あるいは交換されたことを検出するためである。
すなわち、夜間、遊技機の電源遮断時に遊技場にて遊技機の制御装置を改造したり、不正な装置に交換したりすることが考えられる。そのため、遊技機の電源遮断時に遊技機の枠が開放されたことを検出・記憶し、電源投入時に当該枠の開放情報を出力する夜間監視スイッチの例がある。
しかしながら、夜間に遊技機の枠が開放され、遊技制御装置(主基板)や払出制御装置(遊技制御装置と分離した構成の場合)が不正に改造された場合は、遊技制御装置(主基板)や払出制御装置は夜間監視スイッチの情報を正確に出力しないおそれがある。
また、主基板が不正に改造されていた場合、主基板は信用できない。さらに払出制御基板(払出制御装置)も不正な主基板に接続されているので、正常に動作しないおそれがある。したがって、夜間の監視で遊技機の枠(例えば、前面枠)が開放されたことを前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)が検出し、その枠開放情報が存在したとしても、不正な主基板に枠開放情報を検出できないおそれがある。
そこで実施例5では、その対策として前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600が遊技制御装置54、演出制御装置53を含む各種制御制御と接続されておらず、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の開放情報はカードユニット7610に直接に出力する構成とすることで、上記課題を解決できるようにした。
例えば、主基板が不正に改造、あるいは交換されていたとしても、前面枠4の開放情報は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600からカードユニット7610に直接に出力されるので、不正に改造された主基板等の影響を受けず、正確に枠開放を検知でき、かつ報知できる。その結果、セキュリティを格段に高くすることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記前面枠開放検出手段は、
少なくとも遊技制御装置、演出制御装置を含む各種制御制御と接続されておらず、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を外部のカードユニットに直接に出力することを特徴とする遊技機。
【0666】
(3)電源装置7500は前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に直接、主電源及びバックアップ電源を供給するとともに、電源装置7500に主電源を遅延させて前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600に供給するスイッチ電源遅延回路7510を備える構成であるので、主基板(遊技制御装置54)や演出制御装置53を含む各種制御制御(例えば、払出制御装置)に電源供給を依存することなく、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600を正常に動作させることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
電源装置は、
前面枠開放検出手段に直接、主電源及びバックアップ電源を供給するとともに、
前記電源装置に、主電源を遅延させて前面枠開放検出手段に供給する電源遅延手段を備える構成であることを特徴とする遊技機。
また、実施例5においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7600は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
「実施例6」
【0667】
次に、本発明の実施例6を
図100に基づいて説明する。
実施例6は、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の出力信号の形態を変えたものである。
図100は実施例6における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートである。なお、説明の都合上、
図100では実施例5と同様の電源装置7500から主電源等が供給される構成を前提として動作の説明を行い、かつ実施例5と同様の部材には同じ番号を用いて説明する。また、説明の都合上、実施例6では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)に7700の符号を使用して動作を説明する。
実施例6の前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は、その出力信号の形態が実施例1、5に比べて変更した構成になっている。具体的には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部情報端子板51を経由(以下、「外部情報端子板51を経由」は略すことがある)してカードユニット7610に出力するが、この場合、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号の形態は、断線対策として、以下のようになっている。
・枠開放を検出した場合
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からの信号はOFFレベルとなる。これは、断線対策上このような信号形態をとるので、実際上はOFFレベルの時は信号の外部出力はないことになる。つまり、枠開放を検出した場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から信号は外部に出力されない。
・枠開放を検出しない場合
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は、ONレベルの出力信号を外部に出力する。
すなわち、前面枠4の閉鎖時にはONとなる信号を外部に出力する一方、前面枠4の開放時にはOFFとなり、信号は外部に出力されない。
【0668】
また、実施例6では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号の形態として2つの構成例を示しており、それらを
図100では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号の形態として形態(a)と、形態(b)とで表している。
まず、形態(a)は下記のような出力信号の構成である。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は枠開放を検出した場合、OFFとなって、信号は外部に出力されないが、このとき、主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報として所定期間(Td)だけ信号がOFFとなる。また、その後の通常の電源供給状態では、前面枠4の枠開放を検出しない間は枠検出情報としてONレベルの信号を外部に出力し、前面枠4の枠開放を検出すると、枠検出情報として前面枠4の開放期間に対応した期間(Te)だけ信号がOFFとなる。この様子は、
図100に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の形態(a)として示している。
【0669】
一方、形態(b)は下記のような出力信号の構成である。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は枠開放を検出した場合、OFFとなって、信号は外部に出力されないが、このとき、主電源の供給が開始されると、第1の所定期間(Tf)だけONレベルの信号を出力してから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報として第2の所定期間(Tg)だけ信号がOFFとなる。また、その後の通常の電源供給状態では、前面枠4の枠開放を検出しない間は枠検出情報としてONレベルの信号を外部に出力し、前面枠4の枠開放を検出すると、枠検出情報として前面枠4の開放期間に対応した期間(Te)だけ信号がOFFとなる。この様子は、
図100に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の形態(b)として示している。
このように、何れの形態(a)、(b)であっても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700のケーブル(特に、内部ケーブル)やスイッチ自体が断線した場合には、同スイッチ自体がOFFになって、信号は外部に出力されないので、前面枠4が開放していないにも拘わらず、出力信号がOFFになっていたら、ケーブルの断線の可能性があると速やかに判断できる。したがって、この判断に基づきケーブルの点検・修繕をすれば、ケーブルが断線した状態を速やかに正常に戻すことができ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の機能を発揮できるようにすることができる。
【0670】
次に、実施例6の動作を説明する。
図100では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
図100に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700により保持されている。なお、
図100の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0671】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で電源装置7500の主電源がON(例えば、電源スイッチ7502のオン)すると、同じタイミングt2で遊技制御装置54へ主電源が供給されるとともに、演出制御装置53にも主電源が供給される。また、カードユニット7610にも同じタイミングt2で電源装置7500からAC100Vの電源の供給が開始される。遊技制御装置54は主電源の供給が開始されると、プログラムが起動して初期設定等が行われて作動ON状態となる。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700への夜間監視SW主電源(主電源)はスイッチ電源遅延回路7510を介して供給される構成であるため、スイッチ電源遅延回路7510では電源装置7500の主電源がONしたタイミングt2から所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延したタイミングt3で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700へ主電源を供給する。
【0672】
ここで、まず前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号が形態(a)である構成例の動作から説明する。
<形態(a)の構成の場合>
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、タイミングt3で主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)を出力信号の形態(a)の態様で出力する。
この場合、例えば夜間に前面枠4の開放を検出したときであれば、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700はタイミングt3で所定期間(Td)だけOFFレベルとなって、信号は外部のカードユニット7610には出力されない。タイミングt3は、カードユニット7610への電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。
次いで、タイミングt3から所定期間(Td)が経過すると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号はONレベルとなる。
ここで、所定時間Taはカードユニット7610の電源の投入処理等が終了する時間(つまり、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。また、上記所定時間Tdは予め定められた期間(例えば、カードユニット7610が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は夜間に前面枠4の開放を検出しない場合には、タイミングt3から出力信号がONレベルとしてカードユニット7610へ出力される。
【0673】
次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からの出力信号はカードユニット7610に入力され、入力ポート7612を介してCPU7611に取り込まれる。カードユニット7610では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から送られてきた出力信号のレベルを判定し、その信号レベルがOFFであれば、前面枠4が夜間に開放されたと判断し、また、信号レベルがONであれば、前面枠4は夜間に開放されていないと判断する。
したがって、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からの枠開放情報がカードユニット7610に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、夜間に不正に前面枠4が開放されているような場合には、CPU7611により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理が行われる。また、カードユニット7610によるエラー報知では、例えばエラー表示LEDで所定期間エラーを報知する。
一方、不正に前面枠4が開放されていない場合には、エラー報知は行わない。
次いで、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。例えば、タイミングt4で前面枠4が開放された場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700によって前面枠4の開放状態が検出され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からはタイミングt4で所定期間(Te)だけ信号がOFFレベルとなって外部のカードユニット7610には信号が出力されなくなる。カードユニット7610では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から送られてきた出力信号のレベルがOFF(つまり、信号が出力されていない状態)であれば、前面枠4が開放されたと判断する。タイミングt4から所定期間(Te)が経過すると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号は再びONレベルに戻り、次回の前面枠4の開放検出に備えられる。
【0674】
次に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号が形態(b)である構成例の動作について説明する。
<形態(b)の構成の場合>
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、タイミングt3で主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)を出力信号の形態(b)の態様で出力する。
この場合、例えば夜間に前面枠4の開放を検出したときであれば、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700はタイミングt3から第1の所定期間(Tf)だけONレベルの信号を出力した後、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放を検出した情報として第2の所定期間(Tg)だけ信号がOFFレベルとなる(このとき、信号は出力されない状態になる)。タイミングt3は、カードユニット7610への電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。
次いで、第2の所定期間(Tg)が経過すると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号はONレベルとなる。
ここで、上記所定時間Tgは予め定められた期間(例えば、カードユニット7610が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は夜間に前面枠4の開放を検出しない場合には、タイミングt3から出力信号がONレベルとしてカードユニット7610へ出力される。
【0675】
次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からの出力信号はカードユニット7610に入力され、入力ポート7612を介してCPU7611に取り込まれる。カードユニット7610では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から送られてきた出力信号のレベルを判定し、その信号レベルがOFFであれば、前面枠4が夜間に開放されたと判断し、また、信号レベルがONであれば、前面枠4は夜間に開放されていないと判断する。
ここで、形態(b)の構成の場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700に主電源が供給されると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号は第1の所定期間(Tf)だけONレベルとなり、その後、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放を検出した情報として第2の所定期間(Tg)だけOFFレベルとなる信号形態になるので、主電源オフ時と、前面枠4の枠開放を検出した場合における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号のオフ時との区分けをし易いという利点がある。
したがって、カードユニット7610の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からの枠開放情報がカードユニット7610に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、夜間に不正に前面枠4が開放されているような場合には、CPU7611により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理が行われる。また、カードユニット7610によるエラー報知では、例えばエラー表示LEDで所定期間エラーを報知する。
一方、不正に前面枠4が開放されていない場合には、エラー報知は行わない。
【0676】
次いで、第1の所定期間(Tf)及び第2の所定期間(Tg)が経過した後は、通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。例えば、タイミングt4で前面枠4が開放された場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700によって前面枠4の開放状態が検出され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700からはタイミングt4で所定期間(Te)だけ信号がOFFレベルとなって外部のカードユニット7610には信号が出力されなくなる。カードユニット7610では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から送られてきた出力信号のレベルがOFF(つまり、信号が出力されていない状態)であれば、前面枠4が開放されたと判断する。タイミングt4から所定期間(Te)が経過すると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号は再びONレベルに戻り、次回の前面枠4の開放検出に備えられる。
【0677】
実施例6では、セキュリティを向上させることができるという実施例5と同様の効果の他に、以下の効果がある。
(1)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号は、前面枠4の閉鎖時にはONレベル、前面枠4の開放時にはOFFレベルとなる信号形態であるので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700のケーブル(特に、内部ケーブル)やスイッチ自体が断線した場合には、信号がOFFとなって、信号が出力されていない状態になるので、前面枠4が開放していないにも拘わらず、出力信号がOFFになっていたら、ケーブルやスイッチ自体の断線の可能性があると速やかに認識することができる。したがって、日常に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700により前面枠4の開放を検出しているだけで、カードユニット7610では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700のケーブルやスイッチ自体の断線を判断でき、便利である。また、ケーブルが断線した状態を速やかに正常に戻すことで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の機能を発揮できるようにすることができる。
すなわち、ケーブルやスイッチ自体の断線との判断に基づきケーブル等の点検・修繕をすれば、ケーブル等が断線した状態を速やかに正常に戻すことができ、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7610の機能を発揮できるようにすることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠が開放されていることが検出可能であり、前面枠の開放を検出した情報を主電源遮断時でも保持する前面枠開放検出手段と、
電源装置から供給される主電源の投入時に、前記前面枠開放検出手段への主電源の供給を遅延させる電源遅延手段と、を設け、
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を外部に出力するとともに、前面枠開放検出手段の出力信号は前面枠の開放を検出した場合にOFFとなり、前面枠の開放を検出しない場合にONとなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0678】
(2)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700は夜間等の主電源遮断時に前面枠4の枠開放を検出していた場合に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700に主電源が供給されると、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号は第1の所定期間(Tf)だけONレベルとなり、その後、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放を検出した情報として第2の所定期間(Tg)だけOFFレベルとなる信号形態になるので、主電源オフ時と、前面枠4の枠開放を検出した場合における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700の出力信号のオフ時との区分けをし易すくすることができる。すなわち、主電源遮断時のオフ(OFF)と、枠開放を検出した情報のオフ(OFF)との区分けが明確になり、確実に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)7700から出力される枠開放情報を認識することができる。したがって、セキュリティをより一層高めることができる。
【0679】
この背景を説明する。
主電源遮断時に遊技機の枠(例えば、前面枠)の開放を監視する夜間監視スイッチの断線対策として、通常時、つまり枠閉鎖時にオン(ON)し、枠開放時にオフ(OFF)するという信号の形態が考えられる。
しかしながら、上記の信号形態であると、主電源遮断時の枠開放情報がある場合、夜間監視スイッチからの出力信号は主電源が供給されてから所定期間OFFの形態になる。そのため、主電源オフ時と、前面枠4の枠開放を検出した場合における夜間監視スイッチの出力信号のオフ時との区分けがしにくいという課題がある。
そこで実施例6では、その対策として主電源遮断時に検出した枠開放情報がある場合は、主電源供給時に一旦オン信号を出力してから枠開放情報として所定期間オフするという信号の形態を案出したものである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記前面枠開放検出手段は、
主電源の供給が開始されたとき、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を外部に出力する場合に、主電源遮断時に前面枠の開放を検出していた場合には第1の所定期間だけ出力信号をONとした後、枠開放情報として第2の所定期間だけOFFとし、
その後は、前面枠開放検出手段の出力信号は前面枠の開放を検出した場合にOFFとなり、前面枠の開放を検出しない場合にONとなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
「実施例7」
【0680】
次に、本発明の実施例7を
図101、
図102に基づいて説明する。
実施例7は、電源遅延回路(遅延手段)を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)に設けた例である。
図101は実施例7における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の構成を示す図である。
図101において、遊技制御装置1100にはCPU1101及び入力ポート1102が設けられている。
なお、実施例7においても遊技制御装置1100が払出制御装置を含めて一体化した構成であり、以下の説明では遊技制御装置1100は払出制御装置を含めた構成として記載している。
電源装置58から遊技制御装置1100に供給された主電源(5V)及びバックアップ電源(5VBB)は遊技制御装置1100を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150に供給されるようになっている。ただし、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150には電源遅延回路1151が配置されているので、主電源が供給されても、直ぐに前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150から枠開放情報が出力されるものではない。
【0681】
すなわち、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150には電源遅延回路1151及び枠開放情報検出出力手段1156が配置されており、電源遅延回路1151は水晶発振器1152、カウンタ1153、シフトレジスタ1154、リレー1155を備えている。
水晶発振器1152は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ1153は水晶発振器1152によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ1154に入力する。シフトレジスタ1154は遅延回路として機能する構成になっている。
そして、電源装置58から遊技制御装置1100を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150に供給された主電源は、電源遅延回路1151に供給される。電源遅延回路1151では主電源がシフトレジスタ1154に入力データ(5V電源の主電源)として入力されており、シフトレジスタ1154はカウンタ1153からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(5V電源の主電源)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。ここでは、シフトレジスタ1154は、例えば5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、on/off制御のための信号としてリレー1155に出力する。具体的には、シフトレジスタ1154は5秒間だけ入力データ(5V電源の主電源)を遅延させ、遅延させている間はoff制御信号をリレー1155に出力し、5秒後にon制御信号をリレー1155に出力する。
リレー1155には5V電源の主電源が印加されており、リレー1155は通常(off制御信号が入力されている間)はオフしているが、シフトレジスタ1154からon制御信号が入力されると、オン作動して、5V電源の主電源を枠開放情報検出出力手段1156に供給する。
【0682】
枠開放情報検出出力手段1156は主電源の供給が開始されると、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力する。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置58からのバックアップ電源(5VBB)が遊技制御装置1100を経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の内部の枠開放情報検出出力手段1156に供給されており、枠開放情報検出出力手段1156は主電源遮断時に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150が前面枠4の開放を検出した場合には、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)は電源遅延回路1151を経由しておらず、電源装置58から遊技制御装置1100を介して常時、枠開放情報検出出力手段1156に供給されるようになっている。
また、枠開放情報検出出力手段1156の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)は遊技制御装置1100に出力され、遊技制御装置1100では前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート1102で受けてCPU1101に出力し、CPU1101は前面枠4の枠開放情報をRAM(図示略)に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
【0683】
このように、電源遅延回路1151では枠開放情報検出出力手段1156への主電源となる5V電源を一定のクロックでシフトレジスタ1154に入力し、シフトレジスタ1154によって所定時間(例えば、5秒)だけ遅延を行う。そして、所定時間だけ遅らせて立ち上がることになるシフトレジスタ1154から出力される5Vのon制御信号によってリレー1155をオンするので、枠開放情報検出出力手段1156に供給される主電源の5Vも遅れ、枠開放情報検出出力手段1156への主電源の供給開始は遊技制御装置1100上のCPU1101や各種ICよりも遅くなる。そのため、枠開放情報検出出力手段1156が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力するタイミングも、遊技制御装置1100への主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は枠開放情報検出出力手段1156に対して常時供給される構成である。そのバックアップ電源は遊技制御装置1100のRAMに供給されるものと同じであり、RAMも同様にバックアップされる。
ここで、電源遅延回路1151は遅延手段を構成する。また、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の枠開放情報検出出力手段1156は、前面枠開放検出手段の内部回路に相当する。
【0684】
なお、水晶発振器1152、カウンタ1153、シフトレジスタ1154、リレー1155等の上記の部品を使わず、例えば単純なCR回路(CR時定数による遅延)による遅延手段で電源遅延回路1151を実現する構成にしてもよい。
ただし、CR時定数による遅延の場合、コストは安くて済む利点があるが、誤差が大きいことも考えられるので、実施例7では例えばロジックICを用いた遅延回路で電源遅延回路1151を実現している。
したがって、実施例7では枠開放情報検出出力手段1156からの前面枠4の枠開放情報は異常検出情報であるので、正確な遅延時間で外部装置に出力することができる利点がある。
なお、リレー1155はメカ式のリレーでもよいが、これに限らず、例えばフォトリレーやその他のスイッチング手段でもよい。
【0685】
次に、
図102は実施例7における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートである。なお、説明の都合上、
図102では実施例1と同様の部材には同じ番号を用いて説明する。
図102において、主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置58から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、遊技制御装置1100を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、電源装置58は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時に遊技制御装置1100のRAMや前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150に供給するバックアップ電源も備えている。主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
図102では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
【0686】
図102に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150により保持(詳しくは、枠開放情報検出出力手段1156にて保持)されている。なお、
図102の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0687】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で電源装置58の主電源がONすると、同じタイミングt2で遊技制御装置1100へ主電源が供給されるとともに、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の電源遅延回路1151にも主電源が供給される。これらの様子につき、
図102では遊技制御装置1100の主電源ON、電源遅延回路1151の主電源ONと表示している。
遊技制御装置1100は主電源の供給が開始されると、
図102に示すように遊技制御装置1100のプログラムが起動して初期設定等が行われるとともに、各部品が動作開始して作動準備が行われて徐々に作動ON状態となり、その後、やや時間が経過してからタイミングt3に至る。
一方、電源遅延回路1151は主電源が供給されると、それから所定時間Taの経過後に枠開放情報検出出力手段1156への主電源の供給を開始する。すなわち、電源遅延回路1151は主電源が供給されると、所定時間Taだけ遅延させてタイミングt3で枠開放情報検出出力手段1156に主電源の供給を開始する。タイミングt3は、遊技制御装置1100への主電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。これらの様子につき、
図102では電源遅延回路1151へ供給する主電源ON、電源遅延回路1151から出力される電源ON(つまり、枠開放情報検出出力手段1156への主電源ON)と表示している。
ここで、所定時間Taは遊技制御装置1100の主電源の投入処理等が終了する時間(つまり、遊技制御装置1100の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。
次いで、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の枠開放情報検出出力手段1156はタイミングt3で主電源の供給が開始されると、その時点から所定時間Tbだけ、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に(ここでは遊技制御装置1100に)出力する。所定時間Tbは予め定められた期間(例えば、遊技制御装置1100が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
【0688】
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の枠開放情報検出出力手段1156は主電源がONしたタイミングt1で前面枠4の開放を検出して保持していれば、主電源が供給されてから所定時間Tbが経過するまでは、枠開放情報を外部に出力する状態を継続している。
次いで、枠開放情報検出出力手段1156から出力された前面枠4の枠開放情報は遊技制御装置1100に入力され、入力ポート1102を介してCPU1101に取り込まれ、RAMに記憶されることになる。
したがって、遊技制御装置1100の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の枠開放情報検出出力手段1156の枠開放情報が遊技制御装置1100に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、実施例1と同様である。
【0689】
一方、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。
また、通常時に、例えばタイミングt4で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150により前面枠4が開放された場合には、その開放を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150が検出し、前面枠4が開放されている期間Tcだけ、枠開放情報が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150から出力されて遊技制御装置1100に入力され、エラー監視処理で前面枠開放(前面枠4開放エラー)として監視される。
【0690】
実施例7では、以下の効果がある。
(1)遊技制御装置1100の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の枠開放情報が遊技制御装置1100に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。その結果、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の機能を十分に発揮して、セキュリティを向上させることができる。
(2)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150は内部に電源遅延回路1151を備え、当該前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150の外部から主電源が供給されると、電源遅延回路1151により所定時間Taだけ遅延させて枠開放情報検出出力手段1156に主電源の供給を開始するので、遊技制御装置1100に主電源の供給を遅延させる遅延手段を設ける必要がないことから、実施例1やその変形例に比べて、遊技制御装置1100の制御負担を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前面枠開放検出手段に遅延手段を設け、
前記遅延手段は、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、所定時間遅延させて主電源を前面枠開放検出手段の内部回路に供給し、
内部回路は、
主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠の開放情報を遊技制御装置に出力することを特徴とする遊技機。
なお、実施例7においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1150は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
「実施例8」
【0691】
次に、本発明の実施例8を
図103、
図104に基づいて説明する。
実施例8は、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の検出信号(枠開放情報)を遅延させて外部に出力する例である。
図103は実施例8における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250の構成を示す図である。
図103において、遊技制御装置1200にはCPU1201及び入力ポート1202が設けられている。
なお、実施例8においても遊技制御装置1200が払出制御装置を含めて一体化した構成であり、以下の説明では遊技制御装置1200は払出制御装置を含めた構成として記載している。
電源装置58から遊技制御装置1200に供給された主電源(5V)及びバックアップ電源(5VBB)は遊技制御装置1200を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250に供給されるようになっている。
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250には出力遅延回路1251が配置されているので、主電源が供給されても、直ぐに前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250から枠開放情報が外部に出力されるものではない。
【0692】
すなわち、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250には出力遅延回路1251及び枠開放情報検出出力手段1255が配置されており、出力遅延回路1251は水晶発振器1252、カウンタ1253、シフトレジスタ1254を備えている。
水晶発振器1252は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ1253は水晶発振器1252によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ1254に入力する。シフトレジスタ1254は遅延回路として機能する構成になっている。
そして、電源装置58からの主電源は遊技制御装置1200を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250に供給され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250自体は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、枠開放情報検出出力手段1255からは主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)が出力遅延回路1251に入力される。
出力遅延回路1251では枠開放情報検出出力手段1255からの枠開放情報(主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報)がシフトレジスタ1254に入力データとして入力されており、シフトレジスタ1254はカウンタ1253からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(ここでは枠開放情報)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。具体的には、シフトレジスタ1254は、例えば5秒間だけ入力データ(枠開放情報)を遅延させて外部に出力する。
したがって、出力遅延回路1251は主電源が供給されてから所定時間(例えば、5秒)が経過した後に、枠開放情報検出出力手段1255からの枠開放情報(主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報)を外部に出力する。
【0693】
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置58からのバックアップ電源(5VBB)が遊技制御装置1200を経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250の内部の枠開放情報検出出力手段1255に供給されており、枠開放情報検出出力手段1255は主電源遮断時に前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250が前面枠4の開放を検出した場合には、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(5VBB)は電源装置58から遊技制御装置1200を介して常時、枠開放情報検出出力手段1255に供給されるようになっている。
また、枠開放情報検出出力手段1255の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)は遊技制御装置1200に出力され、遊技制御装置1200では前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート1202で受けてCPU1201に出力し、CPU1201は前面枠4の枠開放情報をRAM(図示略)に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
【0694】
このように、出力遅延回路1251では枠開放情報検出出力手段1255からの枠開放情報をシフトレジスタ1254に入力データとして入力し、シフトレジスタ1254によって所定時間(例えば、5秒)だけ遅延を行う。したがって、シフトレジスタ1254から出力される枠開放情報は主電源の供給開始から所定時間(例えば、5秒)だけ遅延して遊技制御装置1200に出力されることになる。そのため、枠開放情報検出出力手段1255が主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に出力するタイミングは遊技制御装置1200への主電源の供給開始よりも遅くなる。
また、バックアップ電源は枠開放情報検出出力手段1255に対して常時供給される構成である。そのバックアップ電源は遊技制御装置1200のRAMに供給されるものと同じであり、RAMも同様にバックアップされる。
ここで、出力遅延回路1251は出力遅延手段を構成する。
【0695】
なお、水晶発振器1252、カウンタ1253、シフトレジスタ1254等の上記の部品を使わず、例えば単純なCR回路(CR時定数による遅延)による遅延手段で出力遅延回路1251を実現する構成にしてもよい。
ただし、CR時定数による遅延の場合、コストは安くて済む利点があるが、誤差が大きいことも考えられるので、実施例8では例えばロジックICを用いた遅延回路で出力遅延回路1251を実現している。
したがって、実施例8では枠開放情報検出出力手段1255からの前面枠4の枠開放情報は異常検出情報であるので、正確な遅延時間で外部装置に出力することができる利点がある。
【0696】
次に、
図104は実施例8における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートである。なお、説明の都合上、
図104では実施例1と同様の部材には同じ番号を用いて説明する。
図104において、主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置58から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、遊技制御装置1200を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、電源装置58は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時に遊技制御装置1200のRAMや前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250に供給するバックアップ電源も備えている。主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
図104では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
【0697】
図104に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250により保持(詳しくは、枠開放情報検出出力手段1255にて保持)されている。なお、
図104の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0698】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で電源装置58の主電源がONすると、同じタイミングt2で遊技制御装置1200へ主電源が供給されるとともに、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250にも主電源が供給される。
遊技制御装置1200は主電源の供給が開始されると、
図104に示すように遊技制御装置1200のプログラムが起動して初期設定等が行われるとともに、各部品が動作開始して作動準備が行われて徐々に作動ON状態となり、その後、やや時間が経過してからタイミングt3に至る。この場合、主電源の供給開始タイミングt2とタイミングt3との間の時間差は所定時間Ta(例えば、5秒)となる。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250自体は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、枠開放情報検出出力手段1255からは主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)が出力遅延回路1251に入力される。出力遅延回路1251では枠開放情報検出出力手段1255からの枠開放情報を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延させ、タイミングt3で遊技制御装置1200に出力する。タイミングt3は、遊技制御装置1200への主電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。
ここで、所定時間Taは遊技制御装置1200の主電源の投入処理等が終了する時間(つまり、遊技制御装置1200の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。
出力遅延回路1251はタイミングt3で枠開放情報の出力を開始するが、タイミングt3から所定時間Tbだけ、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に(ここでは遊技制御装置1200に)出力する。所定時間Tbは予め定められた期間(例えば、遊技制御装置1200が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
【0699】
次いで、出力遅延回路1251から出力された前面枠4の枠開放情報は遊技制御装置1200に入力され、入力ポート1202を介してCPU1201に取り込まれ、RAMに記憶されることになる。
したがって、遊技制御装置1200の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250からの枠開放情報が遊技制御装置1200に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、実施例1と同様である。
【0700】
一方、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。
また、通常時に、例えばタイミングt4で前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250により前面枠4が開放された場合には、その開放を前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250が検出し、前面枠4が開放されている期間Tcだけ、枠開放情報が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250から出力されて遊技制御装置1200に入力され、エラー監視処理で前面枠開放(前面枠4開放エラー)として監視される。
【0701】
実施例8では、以下の効果がある。
(1)遊技制御装置1200の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250の枠開放情報が遊技制御装置1200に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。その結果、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250の機能を十分に発揮して、セキュリティを向上させることができる。
(2)前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250は内部に出力遅延回路1251を備え、当該前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250の外部から主電源が供給されると、出力遅延回路1251により所定時間Taだけ遅延させて枠開放情報検出出力手段1255からの枠開放情報を外部に出力するので、遊技制御装置1200に出力遅延回路1251のような回路を設ける必要がないことから、実施例1やその変形例に比べて、遊技制御装置1200の制御負担を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前面枠開放検出手段の出力を遅延させる出力遅延手段を設け、
前記出力遅延手段は、前面枠開放検出手段に配置され、
前記出力遅延手段は、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、前面枠開放検出手段の出力を所定時間遅延させて出力することを特徴とする遊技機。
なお、実施例8においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)1250は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
「実施例9」
【0702】
次に、本発明の実施例9を
図105、
図106に基づいて説明する。
実施例9は、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)の検出信号(枠開放情報)を遅延させて外部に出力する出力遅延回路を遊技制御装置に設けた例である。
図105は実施例9における出力遅延回路1302の構成を示す図である。
図105において、遊技制御装置1300にはCPU1301及び出力遅延回路1302が設けられている。
なお、実施例9においても遊技制御装置1300が払出制御装置を含めて一体化した構成であり、以下の説明では遊技制御装置1300は払出制御装置を含めた構成として記載している。
また、電源装置1360からは遊技制御装置1300に遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBB、夜間監視SW用5VBBが供給されており、遊技制御装置1300は遊技制御装置用主電源(以下、単に主電源)の供給を受けて動作を開始するとともに、遊技制御装置用5VBBはRAM等のバックアップ電源として使用する。
一方、夜間監視SW用5VBBについては遊技制御装置1300は、これを経由させて前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給するとともに、遊技制御装置用主電源については、自らも供給を受けながら前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126にも供給する構成である。
したがって、電源装置1360から遊技制御装置1300に供給された主電源(5V)及びバックアップ電源(夜間監視SW用5VBB)は遊技制御装置1300を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給されるようになる。前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の構成は実施例1と同様である。
【0703】
また、電源装置1360からはカードユニット1350にAC100Vの電源が供給される。電源装置1360の入力側にはAC100Vの商用電源が供給されており、電源装置1360はAC100Vの商用電源から上述したような遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBB、夜間監視SW用5VBBの他に演出制御装置用主電源を生成して、各部に供給するとともに、カードユニット1350に対してはAC100Vの商用電源を電源装置1360を経由してカードユニット1350に供給する。
なお、カードユニット1350には電源スイッチを備えていない構成である。したがって、遊技機側における電源装置1360の電源スイッチ(電源SW)1361をオン操作すると、遊技機及びカードユニット1350に電源が供給される。
演出制御装置用主電源は電源装置1360から演出制御装置53に供給される。演出制御装置53の構成は実施例1と同様である。
なお、上述したように電源装置1360は遊技制御装置用主電源、遊技制御装置用5VBB、夜間監視SW用5VBBの他に演出制御装置用主電源を生成するが、具体的な電圧値としては、AC100Vの交流電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、遊技制御装置1300、演出制御装置53、発射制御装置や各電子部品に必要な電源を供給する。
電源装置1360には電源スイッチ(電源SW)1361及びRAMクリアスイッチ(RAMクリアSW)1362が設けられており、これらの機能は実施例1と同様である。
【0704】
実施例9では、遊技制御装置1300に出力遅延回路1302が配置されており、出力遅延回路1302は水晶発振器1303、カウンタ1304、シフトレジスタ1305を備えている。
水晶発振器1303は所定周期(所定周波数)の発振信号を生成し、カウンタ1304は水晶発振器1302によって生成された所定周波数の発振信号をクロック分周により一定の使い勝手の良い適度な低い周波数に分周し、これをシフトレジスタ1305に入力する。シフトレジスタ1305は遅延回路として機能する構成になっている。
そして、電源装置1360からの主電源は遊技制御装置1300を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給され、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部(例えば、遊技制御装置1300)に出力する。
ここで、前面枠開放スイッチ126からの枠開放情報は遊技制御装置1300を経由するものの、出力遅延回路1302を通過し、CPU1301を介さないでカードユニット1350へ出力される構成になっている。
一方、遊技店の夜間時などのように、主電源の遮断時には電源装置1360からのバックアップ電源(夜間監視SW用5VBB)が遊技制御装置1300を経由して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給され、前面枠4の枠開放情報を保持する構成になっている。なお、バックアップ電源(夜間監視SW用5VBB)は電源装置1360から遊技制御装置1300を介して常時、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給されるようになっている。
【0705】
前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)は遊技制御装置1300に出力されるようになっており、遊技制御装置1300では前面枠4の枠開放情報を内部の出力遅延回路1302で受けて、枠開放情報を所定時間(例えば、5秒)だけ遅延させて、カードユニット1350に出力する構成である(上述したように、前面枠開放スイッチ126からの枠開放情報は遊技制御装置1300を経由するが、CPU1301を介さないでカードユニット1350へ出力される)。
出力遅延回路1302では、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)がシフトレジスタ1305に入力データとして入力され、シフトレジスタ1305はカウンタ1304からの出力信号(クロック分周された一定の低い周波数の信号)をシフトパルスとして用い、入力データ(ここでは枠開放情報)を一定時間シフトさせて(遅延させて)、出力するように作動する。具体的には、シフトレジスタ1305は、例えば5秒間だけ入力データ(枠開放情報)を遅延させて外部に出力する。
したがって、出力遅延回路1302は主電源が供給されてから所定時間(例えば、5秒)が経過した後に、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報(主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報)を外部に出力する。
ここで、遊技制御装置1300は遅延手段を構成する。出力遅延回路1302は遅延手段に相当する。
【0706】
出力遅延回路1302の出力信号(前面枠4の枠開放情報:つまり異常検出情報)はカードユニット1350に出力され、カードユニット1350では前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート1352で受けてCPU1351に出力する。
ここで、出力遅延回路1302の出力信号(前面枠4の枠開放情報)は主電源が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給されてから所定時間(例えば、5秒)だけ遅延してカードユニット1350に入力される。ここでの所定時間(例えば、5秒)は、カードユニット1350にAC100Vが供給開始されてから、カードユニット1350の初期化等の立ち上げ準備期間が経過するのに十分な期間に設定されている。
したがって、カードユニット1350の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報が出力遅延回路1302を経由してカードユニット1350に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれることになる。
カードユニット1350では、出力遅延回路1302を経由して前面枠4の枠開放情報を内部の入力ポート1352で受けてCPU1351に取り込むと、CPU1351により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理を行う。
【0707】
次に、
図106は実施例9における前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートである。なお、説明の都合上、
図106では実施例1と同様の部材には同じ番号を用いて説明する。
図106において、遊技制御装置の主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置1360から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、遊技制御装置1300を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、電源装置1360は、主電源の他にパチンコ機1の電源が遮断された状態の時に遊技制御装置1300のRAMや前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に供給するバックアップ電源(夜間監視SW用5VBB)も備えている。主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
また、カードユニットの主電源とあるのは、電源装置1360からカードユニット1350に供給されるAC100Vの電源のことである。
図106では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
【0708】
図106に示すように、主電源がONするタイミングt2(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt1において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126により保持されている。なお、
図106の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
【0709】
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt2で電源装置1360の主電源がON(例えば、電源スイッチ1361のオン)すると、同じタイミングt2で遊技制御装置1300へ主電源が供給されるとともに、遊技制御装置1300を介して前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126にも主電源が供給される。また、演出制御装置53にも主電源が供給される。さらに、カードユニット1350にも同じタイミングt2で電源装置1360からAC100Vの電源の供給が開始される(作動準備などは後述)。
遊技制御装置1300は主電源の供給が開始されると、プログラムが起動して初期設定等が行われて作動ON状態となる。
一方、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は主電源の供給に伴って動作を直ぐに開始し、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報(検出信号)を外部に出力し、前面枠4の枠開放情報(検出信号)は遊技制御装置1300の出力遅延回路1302に入力される。出力遅延回路1302では前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報を所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延させ、タイミングt3でカードユニット1350に出力する。タイミングt3は、カードユニット1350への電源の供給開始のタイミングt2から、丁度、所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延した期間になっている。
ここで、所定時間Taはカードユニット1350の電源の投入処理等が終了する時間(つまり、カードユニット1350の立ち上げ準備期間が終了する時間)よりも長い期間に設定される。
出力遅延回路1302はタイミングt3で枠開放情報を出力を開始するが、タイミングt3から所定時間Tbだけ、主電源遮断時に記憶しておいた前面枠4の枠開放情報を外部に(ここではカードユニット1350に)出力する。所定時間Tbは予め定められた期間(例えば、カードユニット1350が前面枠4の枠開放情報を取り込むのに十分な期間)に設定される。
【0710】
次いで、出力遅延回路1302から出力された前面枠4の枠開放情報はカードユニット1350に入力され、入力ポート1352を介してCPU1351に取り込まれる。
したがって、カードユニット1350の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報(出力遅延回路1302を経由して)がカードユニット1350に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報が取り込まれる。その後の処理は、夜間に不正に前面枠4が開放されているような場合には、CPU1351により前面枠4の枠開放情報に基づいてエラー報知する、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処理が行われる。
一方、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。
なお、カードユニット1350に取り込まれた枠開放情報をホールコンピュータ86に送り、ホールコンピュータ86で枠開放情報を蓄積して管理する構成にしてもよい(これはその他の実施例においても同様)。
【0711】
実施例9では、以下の効果がある。
(1)カードユニット1350の立ち上げ準備期間が経過してから、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報がカードユニット1350に取り込まれることとなり、当該枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。その結果、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の機能を十分に発揮して、セキュリティを向上させることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記出力遅延手段は、遊技制御装置に配置され、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、前面枠開放検出手段の出力を所定時間遅延させてカードユニットへ送信することを特徴とする遊技機。
【0712】
(2)実施例9の構成では、カードユニット1350が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を取り込んで不正に前面枠4が開放された可能性がある場合に、カードユニット1350にてエラー報知したり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力したり、あるいは球貸しを行わないようにしたりするので、不正に未然に対処することができる。
(3)カードユニット1350が前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を取り込んでエラー報知等をするので、遊技制御装置1300のCPU1301の制御負担を軽減できる。
【0713】
(4)遊技制御装置1300は内部に出力遅延回路1302を備え、出力遅延回路1302により主電源の供給から所定時間Taだけ遅延させて前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を外部に出力するので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126に出力遅延回路1251のような回路を設ける必要がないことから、実施例7や実施例8に比べて、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の構成が簡単で済む。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前面枠開放検出手段の出力を遅延させる出力遅延手段を設け、
前記出力遅延手段は、遊技制御装置に配置され、
前記出力遅延手段は、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、前面枠開放検出手段の出力を所定時間遅延させて出力することを特徴とする遊技機。
【0714】
(5)遊技制御装置1300は内部に出力遅延回路1302を備え、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報を出力遅延回路1302により主電源の供給から所定時間Taだけ遅延させ、遊技制御装置1300のCPU1301を介さずに外部(例えば、カードユニット1350)へ出力するので、遊技制御装置1300のCPU1301の制御負担を軽減できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記出力遅延手段は、遊技制御装置に配置され、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、前面枠開放検出手段の出力を所定時間遅延させ、かつ遊技制御装置のCPUを介さずにカードユニットへ送信することを特徴とする遊技機。
【0715】
(6)遊技機内の電源装置1360を経由してカードユニット1350にAC100Vの電源を供給する構成なので、遊技機の電源スイッチ1361をオン操作すれば、遊技機及びカードユニット1350に全て電源が供給されることとなり、カードユニット1350の電源の入れ忘れを防止でき、便利である。
また、遊技機内の電源装置1360を経由してカードユニット1350にAC100Vの電源を供給する構成であるから、遊技機は電源が供給されているが、カードユニット1350には電源が供給されていないという状態がないので、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126の枠開放情報をカードユニット1350は確実に受け取ることができる。
この背景を説明する。
現状、遊技機にはAC24V、カードユニットにはAC100Vの電源を供給する構成が多い。
しかしながら、遊技機の起動には電源スイッチを入れて必要な電源(例えば、DC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧)を遊技機各部に供給し、カードユニットの起動にはカードユニットに設けられた電源スイッチを入れてカードユニットにAC100Vの電源を供給する構成なので、カードユニットの電源スイッチを入れ忘れることがあり、不便であった。
また、従来、遊技機では100Vからトランスを介して24V電源を各部に供給し、カードユニットでは100Vの電源を使用しているケースもある。
したがって、遊技機とカードユニットとでは電源(特に、電圧)が異なるので、遊技機の電源が入っていても、カードユニットの電源は入っていないことも考えられる。このような場合、遊技機からカードユニットへ出力した前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126からの枠開放情報がカードユニットで受信できないおそれがある。したがって、その対策が求められている。
これに対して実施例9では、遊技機に商用電源のAC100Vを供給し、内部の電源装置1360で必要な電源(例えば、DC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧)に変換して遊技機各部に供給する一方、カードユニット1350には遊技機内部の電源装置1360を経由してAC100Vを供給する構成であり、遊技機の電源スイッチ1361をオン操作するだけで、遊技機及びカードユニット1350に全て電源が供給されるので、カードユニット1350へ電源を供給することが容易になり、カードユニット1350への電源スイッチの入れ忘れを防止できる。
【0716】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記出力遅延手段は、
遊技制御装置への主電源の供給が開始されたら、前面枠開放検出手段の出力を所定時間遅延させてカードユニットへ送信し、
カードユニットには、遊技機内の電源装置を経由して主電源が供給される構成であることを特徴とする遊技機。
なお、実施例9ではカードユニット1350には電源スイッチを備えていない構成であり、遊技機側における電源装置1360の電源スイッチ(電源SW)1361をオン操作すると、遊技機及びカードユニット1350に電源が供給されるが、カードユニット1350に電源スイッチを備える構成にしてもよい。
また、実施例9においても、前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126は、前面枠4が開放されたことを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。
「実施例10」
【0717】
次に、本発明の実施例10を
図107に基づいて説明する。
実施例10は、主基板の取り外しを監視する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)を配置し、特にカードユニットで主基板の取り外しをエラー報知する例である。
実施例10では、
図88に示す遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)が配置され、払出制御装置230Bが前面枠4の開放を検出する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126と、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の2つのセンサーからの検出情報に基づいて、前面枠4の開放や主基板(遊技制御装置54)の取り外しを判定し、その判定結果をカードユニット15に送信し、カードユニット15がエラー報知するようになっている。
図88に示すようなブロック図は省略し、カードユニット15のフローチャートを
図107に示す。
【0718】
次に、実施例10におけるカードユニット15の監視スイッチ情報受信処理について説明する。
実施例10におけるカードユニット15の監視スイッチ情報受信処理では、ステップ番号にFを用いて処理内容を説明する。
図107はカードユニット15の監視スイッチ情報受信処理を示すフローチャートである。
ルーチンが開始すると、ステップF1で枠開放情報を受信したか否かを判定する。これは、払出制御装置230Bから枠開放情報に関するコマンドを受信したかどうかを判断するものであり、図面では説明の都合上、短く表記している。枠開放情報に関するコマンドを受信していれば、ステップF2で枠開放エラー処理を行う。枠開放エラー処理では、カードユニット15に配置されているカードユニットエラー報知LED203(
図1参照)の赤色LEDを点滅させ、これにより、カードユニット15にてエラー報知を行う。
ここでのエラー報知は、夜間に前面枠4が開放された形跡があるので、不正の可能性があると判断してカードユニット15において夜間に前面枠4が開放されたことを表すエラー報知をカードユニットエラー報知LED203を使用して行うものである。
店員は、カードユニットエラー報知LED203の赤色LEDが点滅しているのを見ると、夜間に前面枠4が開放された形跡があり、不正の可能性があると判断して、当該パチンコ機1の点検を行う等の必要な対策を取ることができる。
なお、赤色LEDの点滅だけに限らず、例えば操作表示装置7に枠開放エラー表示をしたり、カードユニット15からホールコンピュータ86へエラー情報を出力したり、さらに球貸しを行わないようにしてもよい。
【0719】
ステップF2を経ると、ステップF3へ進む。また、ステップF2で枠開放情報に関するコマンドを受信していなければ、ステップF2をジャンプしてステップF3へ進む。
ステップF3に進むと、遊技制御装置監視情報を受信したか否かを判定する。これは、払出制御装置230Bから遊技制御装置監視情報に関するコマンドを受信したかどうかを判断するものであり、図面では説明の都合上、短く表記している。遊技制御装置監視情報に関するコマンドを受信していれば、ステップF4で遊技制御装置監視エラー処理を行う。遊技制御装置監視エラー処理では、カードユニット15に配置されているカードユニットエラー報知LED203(
図1参照)の青色LEDを点滅させ、これにより、カードユニット15にてエラー報知を行う。
ここでのエラー報知は、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外された形跡があるので、不正の可能性があると判断してカードユニット15において夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたことを表すエラー報知をカードユニットエラー報知LED203を使用して行うものである。
店員は、カードユニットエラー報知LED203の青色LEDが点滅しているのを見ると、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外された形跡があり、不正の可能性があると判断して、当該パチンコ機1の点検を行う等の必要な対策を取ることができる。
なお、青色LEDの点滅だけに限らず、例えば操作表示装置7に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたことを表す表示をしたり、カードユニット15からホールコンピュータ86へエラー情報を出力したり、さらに球貸しを行わないようにしてもよい。
【0720】
なお、前面枠4の開放エラーと、主基板(遊技制御装置54)の取り外しエラーの両方がある場合には、カードユニットエラー報知LED203の赤色LEDと青色LEDの両方が点滅することになる。
また、カードユニットエラー報知LED203の赤色LEDの点滅又は青色LEDの点滅がある場合、若しくは両方のLEDの点滅がある場合には、店員が当該パチンコ機1を点検し、不正等の異常がなければ、例えばカードユニット15をリセット(電源の再投入など)してLEDの点滅を停止させ、当該パチンコ機1を稼働可能にする。
一方、店員が当該パチンコ機1を点検した結果、不正等の異常が発見されれば、カードユニット15の電源をオフしてLEDの点滅を停止させ、当該パチンコ機1を稼働させずに、営業を停止して例えば「整備中」などの札を掲げて遊技者に知らせる。
このようにして、カードユニット15が払出制御装置230Bから枠開放情報に関するコマンドや遊技制御装置監視情報に関するコマンドを受信した場合には、カードユニット15にてエラー報知を行うことで、不正に対する対応を取ることができる。
ステップF4を経ると、ルーチンを終了する。一方、ステップF3で遊技制御装置監視情報に関するコマンドを受信していなければ、ステップF4をジャンプし、ルーチンを終了する。
なお、ステップF2やステップF4のエラー処理では、上述したようなLEDの点滅によるエラー報知をすることに加えて、カードユニット15では球貸しを行わないのみならず、例えば精算や遊技カードの受け入れ等の機能を停止する処理を行うようにしてもよい。
【0721】
実施例10によれば、
図88に示したブロック図の払出制御装置230Bからの情報
(すなわち、前面枠4の開放を検出する前面枠開放スイッチ(夜間監視スイッチ)126と、主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出する遊技制御装置監視スイッチ(夜間監視スイッチ)127の2つのセンサーからの検出情報)をカードユニット15でエラー報知する処理を
図107のフローチャートによって実現できる。したがって、
図107のフローチャートによれば、前述した実施例1の変形例9と同様の効果を得ることができる。
「実施例11」
【0722】
次に、本発明の実施例11を
図108に基づいて説明する。
実施例11は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置を変更した例である。
図108において、401はパチンコ機であり、実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。パチンコ機401が実施例1と異なる点は、実施例1で一括表示装置に配置していた入賞表示LED402を分離してパチンコ機401の枠部に配置した点であり、その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付している。
具体的には、入賞表示LED402(入賞表示装置)は前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側に配置されている。入賞表示LED402の機能は実施例1と同様であり、入賞口への入賞に対応する賞球数を表示する。また、入賞表示LED402は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
【0723】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と分離されて、枠部材に配置されていることを特徴とする遊技機。
【0724】
以上の構成において、実施例11では以下の効果がある。
(1)入賞表示LED402を前面枠4の下部に配置しているので、入賞に伴う賞球数の表示が遊技盤20の近くで行われるので、分かりやすく見やすいという効果がある。
一般的に、遊技者は遊技盤20を見つめ、球の挙動を目線で追うことが多く、遊技盤20の下方の枠部に入賞表示LED402があれば、視線をあまり動かさずに、入賞に伴う賞球数を容易に認識できる。
(2)また、入賞表示LED402の近傍に持球数表示器40も配置してあるので、入賞による賞球が持球数に加算されたことも認識しやすい。
(3)さらに、入賞表示LED402を前面枠4(つまり、枠部)に配置するので、遊技盤20のコスト抑制につながる効果がある。
【0725】
(4)遊技球が遊技領域に発射されるエリアが遊技盤20の左上になる場合、遊技盤20の左下の場所、すなわち、前面枠4(遊技枠)で言えば、前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側(遊技盤20の左下の場所に近接)の場所を確保可能となる。さらに、この前面枠の左下の領域は主基板である遊技制御装置54の配置箇所にも近いので、この箇所に主基板(遊技制御装置54)で制御される入賞表示LED402を配置する構成であると、両者間の配線処理も煩雑にならず、短くて済むという利点がある。
なお、この利点は入賞表示装置を一括表示装置35と一体で構成する場合も同様に得られる。主基板(遊技制御装置54)で制御される一括表示装置35の配置場所も、主基板に近いところであればいいからである。
「実施例12」
【0726】
次に、本発明の実施例12を
図109に基づいて説明する。
実施例12は、入賞表示LED(入賞表示装置)の構成を変更した例である。
図109において、501はパチンコ機であり、実施例11と同様に封入球式遊技機として構成されている。パチンコ機501には入賞表示LED502(入賞表示装置)が設けられており、入賞表示LED502は実施例11と構成が異なっている。
すなわち、パチンコ機501の前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側には開口部503が形成されており、この開口部503を臨む位置に入賞表示LED502が配置され、入賞表示LED502は遊技盤20に固定(つまり、遊技盤20に配置)されている。したがって、入賞表示LED502は遊技盤20に設置された状態であり、入賞表示LED502の前面側が開口部503を通してパチンコ機1の前面側から見えるような構成になっている。
【0727】
入賞表示LED502は4個の小さなドットタイプのLEDからなり、4個のLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例12は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。実施例12では、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
なお、実施例12のパチンコ機501は入賞表示LED502の構成が実施例11と異なる以外は、実施例11と同様であるので、その他の構成は実施例11と同一番号を付して、重複説明は略す。
【0728】
実施例12では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED502を前面枠4の下部に配置しているので、入賞に伴う賞球数の表示が分かりやすく見やすい。
(2)入賞表示LED502は4個のLEDで構成するので、7セグメントタイプよりも低コストで済む。
(3)入賞表示LED502の4個のLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールを貼るのみで賞球数を報知できるから、低コストである。
(4)入賞表示LED502は4個の小さなドットタイプのLEDからなり、4個のLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールを貼るだけの構成であるので、機種により賞球数が変わる場合は賞球数を表示するシールを変えればよいので、汎用性の高い入賞表示装置を実現できる。
「実施例13」
【0729】
次に、本発明の実施例13を
図110に基づいて説明する。
実施例13は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置場所を変更した例である。
図110は実施例13の遊技盤511を示す図であり、この遊技盤511を備えたパチンコ機も実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。遊技盤511には一括表示装置512が設けられており、一括表示装置512の右側近傍には入賞表示LED513(入賞表示装置)が単独で配置されている。
実施例13の一括表示装置512は、実施例1の構成から入賞表示LED513だけを除いて外部に移動させて配置した構成になっている。入賞表示LED513の機能は実施例1と同様であり、7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付して、重複説明は略す。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と分離されて、遊技盤に配置されていることを特徴とする遊技機。
【0730】
実施例13では、以下の効果がある。
(1)一括表示装置512から入賞表示LED513を除くだけで、その他の変更はないので、変更にもかかわらず、一括表示装置512の制御も簡単ですみ、構成も大きく変更せずに、使用できる。
(2)入賞表示LED513が別途外部に配置されるので、一括表示装置512と分離されて賞球数の認識がし易くなる。
(3)一括表示装置512から入賞表示LED513を分離したので、入賞表示LED513の取付スペースの自由度が増す。例えば、入賞表示LED513を遊技盤511の左側下部に配置する構成にしてもよい。
「実施例14」
【0731】
次に、本発明の実施例14を
図111に基づいて説明する。
実施例14は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置場所を変更した例である。
図111は実施例14の遊技盤521を示す図であり、この遊技盤521を備えたパチンコ機も実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。遊技盤521には一括表示装置522が設けられており、実施例13と異なって、一括表示装置522から離れた遊技盤521の盤面内に入賞表示LED523(入賞表示装置)が単独で配置されている。
すなわち、遊技盤521のセンターケース524には入賞表示LED523が単独で配置されており、入賞表示LED523は遊技領域531の周囲を囲むバンド532の内側(特に、右側下方)に設けられている。
実施例14においても、実施例13と同様に、一括表示装置522は、実施例1の構成から入賞表示LED523だけを除いて外部に移動させて配置した構成になっている。入賞表示LED523の機能は実施例1と同様であり、7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付して、重複説明は略す。
【0732】
実施例14では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED523は遊技領域524の周囲を囲むバンド532の内側に設置するので、バンド532の外側に設置スペースがないような場合に、入賞表示LED523の取付スペースの自由度が増す。
なお、入賞表示LED523は遊技領域531の周囲を囲むバンド532の内側で、右側下方に設置する例に限らず、例えばバンド532の内側で、左側下方に設置してもよい。
「実施例15」
【0733】
次に、本発明の実施例15を
図112に基づいて説明する。
実施例15は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図112(a)は実施例15の一括表示装置601を示す図である。一括表示装置601は実施例1と同様の構成部分として、特
図1表示器351、特
図2表示器352、特
図1保留LED353、特
図2保留LED354、普
図LED356、普図保留LED357、ラウンド表示LED358を備えており、これらは同一番号を付している。
一方、実施例1と異なる部分として入賞表示LED602(入賞表示器)の構成が異なっている。入賞表示LED602は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。7セグメントのLED2個を符号602A、602Bで表す。
【0734】
詳細を説明するために、入賞表示LED602の拡大図を
図112(b)に示す。
図112(b)に示すように、入賞表示LED602の構成のうち、1桁の数字を表示するLED602Bは実施例1と同じ構成であるが、10の桁の数字を表示するLED602Aは実施例1と構成が異なり、7セグメントのうちのセグメントa、bは10の桁の数字を表示するセグメントとして使用されるものの、その他のセグメントc乃至fは状態表示等に使用される。
すなわち、実施例1で示した状態表示LEDを実施例15では不要とし(
図112(a)では「不要」と図示)、その代わりに、10の桁の数字を表示するLED602Aのセグメントのうちのセグメントa、b以外のセグメントを状態表示LEDの機能を持つように使用する構成となっている。例えば、以下の通りである。
・セグメントa:点灯で10の桁の数字の1片を表示
・セグメントb:点灯で10の桁の数字の1片を表示
・セグメントc:点灯で「確率変動状態」を表示
・セグメントd:点灯で「時短状態」を表示
・セグメントe:例えば普図の確率変動を表示
・セグメントf:例えば突確を表示
【0735】
なお、2つのセグメントe、fは使用しなくてもよいが、使用する場合には、これらは例えば普図の確率変動、あるいは突確(突然確率変動)の表示等に使用してもよい。
これらの表示の説明のために、例えばシールを一括表示装置601に貼って分かりやすくするとよい。
また、10の桁の数字を表示するLED602Aについては、中央のセグメントgやドットhも何らかの表示のために使用してもよい。例えば、状態表示の他、「右打ち表示」等に使用可能である。「右打ち表示」とは、機種によってはゲームの進行上、遊技者に遊技盤20の右側方向に球の発射を促す表示であり、例えば遊技盤20面における演出制御装置53の制御下で表示装置41(液晶表示器)に「右打ちして下さい」とメッセージを表示する場合、規則上、遊技制御装置54(主基板)の制御下でも表示する必要がある。そこで、遊技制御装置54にて制御される一括表示装置35等のどこかで表示するのが良く、そのため、セグメントgにて「右打ち表示」をする構成にするようにしてもよい。
【0736】
実施例15では、以下の効果がある。
(1)一括表示装置601における入賞表示LED602のLEDにつき、全てのセグメントを有効に活用できる。
(2)一括表示装置601から状態表示LEDを不要にするので、その分、コスト低下になる。
「実施例16」
【0737】
次に、本発明の実施例16を
図113に基づいて説明する。
実施例16は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図113は実施例16の一括表示装置611を示す図である。一括表示装置611は実施例1と同様の構成部分として、特
図1表示器351、特
図2表示器352、特
図1保留LED353、特
図2保留LED354、普
図LED356、普図保留LED357を備えており、これらは同一番号を付している。
【0738】
一方、実施例1と異なる部分として入賞表示LED612(入賞表示器)の構成が異なっている。入賞表示LED612は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成されている。入賞表示LED612における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例16は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。実施例16では、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
また、実施例1と異なる部分としてラウンド表示LED613、状態表示LED614の配置場所が
図113に示すように若干異なっている。ただし、ラウンド表示LED613及び状態表示LED614の構成や機能は実施例1と同様である。
【0739】
実施例16では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED612を小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成しているので、7セグメントタイプのLEDよりもコスト低下を図れる。
「実施例17」
【0740】
次に、本発明の実施例17を
図114に基づいて説明する。
実施例17は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図114は実施例17の一括表示装置650を示す図である。一括表示装置650は特
図1表示器651、特
図2表示器652、特
図1保留LED653、特
図2保留LED654、普
図LED655、普図保留LED656、ラウンド表示LED657、状態表示LED658、入賞表示LED659を備えている。
【0741】
一括表示装置650における各表示器やLEDのうち、特
図1保留LED653、特
図2保留LED654、普
図LED655、普図保留LED656、状態表示LED658については、実施例1と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が
図114に示すように、実施例1と若干異なっている(同一構成部分については、重複説明を略す)。
一方、実施例1と構成が異なるものとして、特
図1表示器651、特
図2表示器652、入賞表示LED659、ラウンド表示LED657がある。ラウンド表示LED657は特
図1又は特
図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、
図114に示すように、本例では4つのLEDで4種類のラウンドを表示可能な構成になっている。そして、ラウンド表示LED657の各LEDの前面側で一括表示装置650の本体表面に(2)、(4)、(11)、(16)というラウンド数を表す(例えば、(2)という数字は2ラウンドを表す)数字を描いたシールを貼り付け、4つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしている。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
【0742】
特
図1表示器651は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の7個のLEDから構成されている。特
図1表示器651は、本特
図1の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行い、ドットタイプの7個のLEDのうち、どのLEDが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特
図1について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等を7個のLEDのうちの1個又は2個以上の点灯(あるいは点滅)の組み合せにより表示可能になっている。
同様に、特
図2表示器652も7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の7個のLEDから構成されている。特
図2表示器652は、本特
図2の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行い、ドットタイプの7個のLEDのうち、どのLEDが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特
図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等を7個のLEDのうちの1個又は2個以上の点灯(あるいは点滅)の組み合せにより表示可能になっている。
【0743】
また、入賞表示LED659(入賞表示装置)は一括表示装置650と一体的に構成されている。そして、入賞表示LED659は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成されている。入賞表示LED659における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例17は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。実施例17は、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
【0744】
また、実施例17では入賞表示LED659と特
図1表示器651とを近接して配置し、あたかも両者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、入賞表示LED659のドットタイプの単体の4個のLEDと、特
図1表示器651のドットタイプの単体の7個のLEDとが近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、特
図1の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
同様に、ラウンド表示LED657と特
図2表示器652とを近接して配置し、あたかも両者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、ラウンド表示LED657のドットタイプの単体の4個のLEDと、特
図2表示器653のドットタイプの単体の7個のLEDとが近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、特
図2の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と一体に構成され、特図を表示する特図表示器に近接して配置され、特図表示器と入賞表示装置とが一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0745】
実施例17では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED659を特
図1表示器651に近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(2)また、入賞表示LED659を特
図1表示器651に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、特
図1の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
ここで、背景を説明する。
近時、遊技機ではゲーム性の多様化に伴い、特図結果態様はできるだけ遊技者に判別し難くさせる傾向にある。簡単に一目で特図結果態様が分かってしまうと、つまらなく感じるからである。
そこで実施例17では、点灯頻度の高い入賞表示LED659を特
図1表示器651に近接して一体的に配置し、かつ入賞表示LED659を11個のドットLEDの群として点灯等する構成にすることで、入賞口毎に設定された獲得遊技球数を報知するのに加えて、導出された特図結果態様をより判別し難くすることが可能になり、ゲーム性の多様化を図ることができるようにしたものである。
また、特図結果態様を判別し難くしても、ある程度知識のある遊技者であれば、ラウンド表示LED657が点灯するか否かで判定可能となるため、同じようにドットタイプのLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている入賞表示LED659をラウンド表示LED657に近接させてほぼ一体化させる構成にすることで、特図結果態様をより判別し難くするのを可能にし、これにより、ゲーム性の多様化に貢献できるようにしている。
【0746】
(3)ラウンド表示LED657を特
図2表示器652に近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(4)また、ラウンド表示LED657を特
図2表示器652に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド表示の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
(5)入賞表示LED659を特
図1表示器651に近接して一体的に配置し、かつ入賞表示LED659は4個のドットLEDの群として構成しているので、大型の7セグメントタイプのLEDで入賞表示装置を実現する場合に比べて、省スペース化を図ることができる。そのため、入賞表示装置の設置のために新たな配置スペースを確保することなく、入賞表示装置を設置可能となる。
「実施例18」
【0747】
次に、本発明の実施例18を
図115に基づいて説明する。
実施例18は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図115は実施例18の一括表示装置680を示す図である。一括表示装置680は特
図1表示器681、特
図2表示器682、特
図1保留LED683、特
図2保留LED684、普
図LED685、普図保留LED686、ラウンド表示LED687、状態表示LED688、入賞表示LED689を備えている。
【0748】
一括表示装置680における各表示器やLEDのうち、特
図1保留LED683、特
図2保留LED684、普
図LED685、状態表示LED688については、実施例17と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が
図115に示すように、実施例17と若干異なっている(同一構成部分については、重複説明を略す)。
特
図1表示器681及び特
図2表示器682は、何れも実施例1と同様に、7セグメントのLEDからなり、それぞれ本特
図1の表示、本特
図2の表示を行い、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、それぞれ特
図1、特
図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
【0749】
一方、一括表示装置680における各表示器やLEDのうち、入賞表示LED689(入賞表示装置)については実施例17と同様の構成であり、一括表示装置680と一体的に構成されている。そして、入賞表示LED689は小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成され、入賞表示LED689における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。
また、ラウンド表示LED687は特
図1又は特
図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、
図115に示すように、本例では4つのLEDで4種類のラウンドを表示可能な構成になっている。そして、ラウンド表示LED687の各LEDの前面側で一括表示装置680の本体表面に(2)、(4)、(11)、(16)というラウンド数を表す数字を描いたシールを貼り付け、4つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしている。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
【0750】
さらに、普図保留LED686については、実施例1と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が
図115に示すように、実施例1と若干異なっている(同一構成部分につき、重複説明を略す)。
そして、上記の普図保留LED686、ラウンド表示LED687及び入賞表示LED689については、これらのLEDを近接して配置し、あたかも全者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、普図保留LED686のドットタイプの単体の3個のLEDと、ラウンド表示LED687のドットタイプの単体の4個のLEDと、入賞表示LED689のドットタイプの単体の4個のLEDとの総計11個のLEDが相互に近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド数や普図保留の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
【0751】
実施例18では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED689を普図保留LED686とラウンド表示LED687とに近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(2)また、ラウンド表示LED687と、普図保留LED686と、入賞表示LED689とを相互に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド数や普図保留の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
「実施例19」
【0752】
次に、本発明の実施例19を
図116に基づいて説明する。
実施例19は、持球数の表示更新制御の他の態様の例である(制御系の構成は実施例1と同様)。
図116は、実施例19における持球数の表示更新制御を示すタイミングチャートである。
図116において、持球数に変化が生ずるのは、下記のような場合である。
(a)遊技球の発射で持球数は1個減少
(b)ファール球になると持球数は1個加算
(つまり、発射で1個減算したが、ファール球になると、1個加算で、結局元に戻る)
(c)入賞に伴う賞球数があると持球数に加算
入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
【0753】
いま、遊技球を1分間にほぼ100発のペースで遊技領域22に発射しているとき、この様子は
図116に発射パルスで示されている。発射パルスの下には、説明の都合上、1乃至5の数字を描いており、これらは1発目から5発目の発射球をそれぞれ表すことにしている。
いま、持球数=11であって、持球数表示器40の表示が「11」になっている状態のときに、1発目の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるが、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新(正確には持球数の記憶の更新であるが、ここでは持球数の更新と言う。以下、同様)は直ちに(リアルタイムで)行われ、持球数の記憶は直ぐに「10」となる(
図116では、1発目の球の発射とほぼ同時に内部メモリ(RAM233)での持球数の更新があるので、「10」という記憶数で表示している)。
一方、持球数表示器40の表示更新(払出制御装置230により持球数表示器40における遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新制御のこと。以下、単に持球数表示器40の表示更新と言う)。は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて行われる。そのため、
図116に示すように1発目の遊技球の発射から0.6秒後に持球数表示器40の表示が「10」に更新される。
【0754】
0.6秒という時間は、1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の時間に相当する。これは、前述したように、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、発射制御回路236は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしていることから、導かれるものである。
ここで、例えば大当りが発生しているような場合、上述した1発目の1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が入賞して賞球数=13個が生じ、さらに連続して、2発目の1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が連続入賞して賞球数=13個が生じたときには、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「9」となる(
図116では、「発射の1個を減算」と表示している)。
そして、上記の2つの発射球(1発目と2発目の球)が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合には、内部メモリ(RAM233)では、13個の賞球数を持球数記憶数「9」に直ぐに加算して「22」として持球数の更新を直ちに行い、その直後に、同じく13個の賞球数を持球数記憶数「22」に直ぐに加算して「35」として持球数の更新を直ちに行う。
そして、内部メモリ(RAM233)による持球数の順次の更新は、上記所定期間(例えば、0.6秒)に全て行う。上記の例であれば、2発目の発射の1個の減算、1回目の13個の賞球数の加算、2回目の13個の賞球数の加算という3つの更新が全て所定期間(例えば、0.6秒)内に実行される(
図116参照)。
【0755】
一方、持球数表示器40の表示更新は、2つの発射球(1発目と2発目の球)が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合であっても、直ぐには行われず、表示更新のタイミングは所定期間(例えば、0.6秒)の間隔となる。そのため、
図116に示すように2発目の遊技球の発射から0.6秒を経過した次の所定期間内に2発目の発射球を減算する演算を行うことになるが、ただし、実施例19では加算(例えば、賞球による加算)がある場合には、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔で加算を先にしてから、減算をする構成であるので、1回目の13個の賞球数と2回目の13個の賞球数の加算を行って、持球数表示器40の表示を「36」(10+26)に更新し、その後、同じ所定期間内に2発目の発射球を減算する演算を行って、持球数表示器40の表示を「35」(36−1)更新して表示する。
【0756】
すなわち、実施例19では持球数に加算する変化の場合(例えば、入賞に伴う賞球数の加算)には上記所定期間毎のタイミングで更新する際に、まず持球数に加算(2回の複数加算を含む)する演算を行い、その加算演算結果を持球数の更新として表示し、かつ同じ所定期間内で発射による減算の演算も行って持球数の更新として持球数表示器40に表示することが行われる。
細かくは、賞球数の2回の加算(賞球加算)と発射減算は同じ所定期間で行って、持球数表示器40の表示更新を行うことになる。つまり、下記の通りである。
・所定期間の前半:1回目の13個の賞球数と2回目の13個の賞球数の加算(計26個)
・所定期間の後半:発射1個の減算
【0757】
そのため、
図116に示すように、持球数表示器40においては所定期間(0.6秒)にて前回の持球数表示=10個に対して賞球数=13個が2回生じた場合の賞球数合計=26個を加算して更新持球数=36個とする更新を行って持球数表示器40の表示を「36」とし、その後、36個から発射1個(直前の所定期間(0.6秒)で発射した1個の球)を減算し、それを同じ所定期間(0.6秒)内に持球数表示器40の表示を「35」とする処理が行われる。
【0758】
このように、1回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個と、2回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個とが持球数10個に加算されて、持球数表示器40の表示が「36」(10+26)に更新されるとともに、その後に、直前の所定期間(0.6秒)で発射した1個の球を持球数36個から減算する演算が行われ、それが同じ所定期間(0.6秒)内で持球数表示器40の表示が「35」(36−1)に更新される。
【0759】
次いで、3発目の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(35−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて行われるので、遊技球の発射から0.6秒後に持球数表示器40の表示が「34」に更新される。
次いで、さらに次の4発目の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる(ただし、この発射球は後述のようにファール球になる。この処理は後述)。
一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて行われるので、4発目の遊技球の発射の次の所定期間で後述のように、ファール球加算と、発射減算に対応するように持球数表示器40の表示が更新されることになる。
【0760】
ところで、上記4発目の発射球がファール球になってしまった場合には、発射で1個減算したもののファール球は持球数に戻す必要があるので、持球数に1個加算することになり、結局、元の持球数に戻ることになる。そのため、ファール球に対応するための内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は、ファール球であると判明した時点で直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(33+1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新については、ファール球の発生した所定期間内に「34」(33+1)となる持球数への加算と、4発目の発射に伴う減算の両方の演算は行われるものの、実際に持球数表示器40に表示されるのは、ファール球の発生した所定期間の次の所定期間になる。そのため、このケースではファール球になってしまった所定期間の次の所定期間内で、ファール球に伴う持球数の表示更新が行われることになり、よって、次の所定期間で持球数表示器40の表示が「35」(34+1:つまり、ファール球加算)に更新される。また、同じ所定期間では加算と減算の表示更新が可能であるから、4発目の発射に伴う減算も行われ、持球数表示器40の表示は「34」(35−1:つまり、発射減算)に更新される。
【0761】
次いで、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新タイミングでいうと、ファールにより持球数が34になってから、次の5発目の遊技球の発射が行われると、持球数を球の発射で1個減算する必要があるため、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる。一方、5発目の遊技球の発射に対する持球数表示器40の表示更新については、5発目の遊技球の発射タイミングから0.6秒が経過後に発射による1個の減算(「−1」)に対応して持球数表示器40の表示が「33」に更新される。このため、5発目の遊技球の発射タイミングから0.6秒が経過した時点で、内部メモリ(RAM233)における持球数と、持球数表示器40の持球数表示とが同じ値(33個)となって同一になる。
【0762】
このように、遊技ゲームの進行中、内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく一方、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御される。この所定期間(例えば、0.6秒)は遊技球の連続発射間隔(0.6秒)に相当する時間である。
また、持球数表示器40による持球数の更新表示につき、持球数に加算する以外の変化の場合(例えば、発射による持球数の減算など)には、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔毎に持球数の表示を更新するが、持球数に加算する変化の場合(例えば、入賞に伴う賞球数の加算やファール球に伴う加算)には上記所定期間内で更新表示をする際に、まず持球数に加算する更新を行い、その後に、減算の更新が行われる。
【0763】
さらに、上記所定期間内で持球数を更新する際には、持球数への加算1回と、持球数からの減算1回の最大2回の更新を行う持球数の更新表示の制御が行われる。
そのため、連続入賞による賞球加算と遊技球の発射による減算とが重なったような場合であっても、上記所定期間(例えば、0.6秒)内に持球数への加算と、持球数からの減算とが区別して持球数表示器40に表示されることとなる。
したがって、遊技者は持球数がきちんと更新されたことを個別(賞球加算と遊技球の発射による減算という個別的事実)に把握して、持球数の更新を遊技者が容易に認識することができる。
【0764】
実施例19によれば、以下のような効果がある。
(1)実施例19のパチンコ機1(封入球式遊技機)は、遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて行われ、かつ持球数表示器40による持球数の更新表示につき、持球数に加算する以外の変化の場合(例えば、発射による持球数の減算など)には、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔毎に持球数の表示を更新するが、持球数に加算する変化の場合(例えば、入賞に伴う賞球数の加算やファール球に伴う加算)には上記所定期間内で更新表示をする際に、まず持球数に加算する更新を行い、その後に、減算の更新が行われる。
したがって、連続入賞による賞球加算と遊技球の発射による減算とが重なったような場合であっても、上記所定期間(例えば、0.6秒)内に持球数への加算と、持球数からの減算とが区別して持球数表示器40に表示されることとなる。
特に、入賞による加算と発射による減算とが全く同じタイミングになったような場合でも、持球数に加算されたことと、持球数から減算されたことを区分けして持球数表示器40で更新して表示が行われる。
その結果、遊技者は持球数がきちんと更新されたことを個別(賞球加算と遊技球の発射による減算という個別的事実)に把握して、持球数の更新を遊技者が容易に認識することができる。
【0765】
この背景を説明する。
遊技中の持球数表示器の表示は、入賞による賞球数の加算や発射による減算があるため、更新される必要がある、
しかし、連続して入賞があったような場合に持球数表示器の表示が直ぐに行われると、遊技者にしてみれば、入賞に対応して持球数が本当に更新されたのかどうかを把握することは難しい。
すなわち、遊技者の持球数(遊技価値)に変化があった場合、内部メモリとしてのRAM233における持球数の記憶の更新は直ちに行われ、これと同時に持球数表示器40に持球数の表示を更新すると、特に、連続して入賞したときには、持球数表示器40の表示更新が同時期で瞬時に行われることから、遊技者にとって入賞が確実に持球数に反映されたかどうかを認識しにくい。
特に、連続入賞による賞球加算と遊技球の発射による減算とが重なったような場合、遊技者は持球数(遊技価値)がきちんと更新されたのかどうかを把握することが難しい。したがって、遊技の興趣を低下させるおそれがある。
【0766】
そこで本発明では、持球数の更新表示をどうすればよいかに着目し、賞球加算と遊技球の発射による減算とを区別して持球数表示器40の表示更新を行うことで、解決を図った。
具体的には、連続入賞による賞球加算と遊技球の発射による減算とが重なったような場合、所定期間の更新タイミングでは、まず持球数に加算する更新を行い、その後に、減算の更新を行うことで、持球数表示器40による持球数の更新表示を行うことにより、上記所定期間(例えば、0.6秒)内に持球数への加算と、持球数からの減算とが区別して持球数表示器40に表示されることになり、その結果、遊技者は持球数がきちんと更新されたことを個別(賞球加算と遊技球の発射による減算という個別的事実)に把握して、持球数の更新を遊技者が容易に認識することができるようにした。
したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
【0767】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、複数の識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、遊技者の遊技価値を表示する遊技価値表示手段と、を備え、
始動口に遊技球を入球させて前記表示装置の識別情報を変動表示させ、前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると特別遊技状態を発生させ、
前記遊技制御装置により、遊技結果が前記特別遊技状態を含む所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記遊技価値表示手段を制御する遊技価値表示制御手段を備え、
前記遊技価値表示制御手段は、
前記遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新は、遊技者の遊技価値の変化のうち、遊技価値に加算する以外の変化の場合には、所定期間毎に遊技価値を更新し、
遊技価値に加算する変化の場合には前記所定期間内で更新する際に、遊技価値に加算する更新を行い、加算の更新後に、減算の更新を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0768】
また、いわゆる羽物装置を有する2種と呼ばれるタイプの遊技機へ適用する場合、上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記遊技価値表示手段を制御する遊技価値表示制御手段を備え、
前記遊技価値表示制御手段は、
前記遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新は、遊技者の遊技価値の変化のうち、遊技価値に加算する以外の変化の場合には、所定期間毎に遊技価値を更新し、
遊技価値に加算する変化の場合には前記所定期間内で更新する際に、遊技価値に加算する更新を行い、加算の更新後に、減算の更新を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0769】
(2)また、上記所定期間内で持球数表示器40の持球数を更新する際には、持球数への加算1回と、持球数からの減算1回の最大2回の更新を行う持球数の更新表示の制御が行われる。
したがって、上記所定期間(例えば、0.6秒)内に持球数への加算と、持球数からの減算とによる表示の更新が最大でも2回の範囲に抑えられて、持球数表示器40に表示されるので、遊技者は持球数の変化を適度な速さで明確に(賞球加算と発射減算の区別を明確に)に把握することができ、持球数の更新を遊技者が容易に認識することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技価値表示制御手段は、
前記所定期間内で遊技価値を更新する際には、遊技価値への加算1回と、遊技価値からの減算1回の最大2回の更新を行うことを特徴とする遊技機。
【0770】
(3)持球数表示器40における持球数の更新は、所定期間(例えば、0.6秒)の間隔をおいて行う。この場合、0.6秒という時間は1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の時間(遊技球の連続発射間隔)と概ね同一であるので、遊技球の発射間隔とのバランスを保ちながら、持球数表示器40の表示更新を行うことができ、遊技者への持球数の認識と、球の発射とをうまく調整することができる。
すなわち、1分間に100発以上のペースでは遊技領域22に遊技球を発射できないので、発射から最大限0.6秒の間隔をおいて持球数表示器40の表示更新を行えば、遊技者が持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕の時間を確保することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の前記所定期間は、遊技球の連続発射間隔と概ね同一に設定することを特徴とする遊技機。
「実施例20」
【0771】
次に、本発明の実施例20を
図117に基づいて説明する。
実施例20は、遊技者による持球数の把握をスムーズに行えるようにしたものである。
実施例20の持球数の計数方法を説明すると、これは
図117に示される。
図117において、「押下時間」は計数スイッチ311の操作時間(押している時間)を示し、「押下時間」と持球数の範囲に対して計数をどのような方法で行うかを
図117が示している。
【0772】
具体的には、以下の通りである。なお、下記の単位計数値は「計数単位」に相当する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は50個計数(単位計数値=50個の意味、以下同様)
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は50個を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個を計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
【0773】
上記のように、実施例20は0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としている。なお、前述したように、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をする。
【0774】
このように、実施例20では0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としており、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。また、持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をするようになっている。
【0775】
次に、実施例20における持球数の計数方法の効果について説明すると、以下の通りである。なお、実施例1でも
図117に示す計数方法を使用していると説明したが、その効果を具体的に述べていないので、ここで、共通の効果を説明しておく。
(1)実施例20では、例えば持球数が1000個以下は、計数スイッチ311の操作時間(押している時間)により、1.0秒では50個計数し、以後、0.5秒毎に50個を計数し、6.0秒で全てを計数するので、計数スイッチ311の操作時間に応じて持球数の計数量を変えることとなり、持球数の計数時間が適切な時間となって、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
前記計数操作手段の操作時間に応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
ここで、計数スイッチ311は遊技者の操作により計数手段の作動を操作可能な計数操作手段に相当する。
【0776】
(2)実施例20では、持球数の大きさに応じて持球数の計数球数を変えるので、すなわち、持球数が多い場合は大きい単位で計数し、持球数が少ない場合は小さい単位で計数するので、持球数が多い場合でも少ない場合でも、適切な時間で持球数を計数することができ、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
遊技者の遊技価値の大きさに応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
【0777】
(3)実施例20では、計数スイッチ311の操作時間(押している時間)と持球数の大きさとに応じて、持球数の計数量を変えているので、具体的には、
図117に示すように例えば、持球数が1000個以下では、計数スイッチ311の操作時間により、1.0秒では50個計数し、以後、0.5秒毎に50個を計数し、6.0秒で全てを計数するが、持球数が1001個から10000個までは0.5秒毎に100個計数し、持球数が10001個以上は0.5秒毎に1000個を計数するので、持球数の計数時間が適切な時間となって、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
前記計数操作手段の操作時間と、遊技者の遊技価値の大きさとに応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
【0778】
(4)実施例20では、0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としており、計数スイッチ311の操作開始から1秒未満は計数スイッチ311の操作を無効としているので、例えば誤って計数スイッチ311の触れた場合のような計数スイッチ311の誤動作を防止することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始から所定期間は、当該計数操作手段の操作を無効にするように制御することを特徴とする遊技機。
【0779】
(5)計数スイッチ311により持球数が計数されている間は、遊技球の発射を停止するので、遊技球の発射に伴う持球数の変動をなくし、持球数の計数を支障なくスムーズに行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
計数操作手段が操作されて計数手段により遊技者の遊技価値が計数されている間は、遊技球の発射を停止するように制御することを特徴とする遊技機。
【0780】
(6)また、持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になると全て持球数の計数を完了するので、持球数が極めて多い場合であっても、持球数の計数時間が長くなることはなく、遊技者が違和感なく持球数を計数することができる。
【0781】
次に、実施例20の各種変形例について説明する。
<変形例1>
図117に示した持球数の計数方法では、0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としているが、これに限るものではない。
変形例1として、例えば計数スイッチ311の操作開始から3.0秒後に持球数の半数を計数し、6.0秒後に全ての持球数の計数をするような構成にしてもよい。
このようにすると、実施例20の場合に比べて持球数を計数する際の全体バランスが良くなり、遊技者に計数の把握が分かりやすくなる。
【0782】
<変形例2>
図118(a)は実施例20の変形例2を示す図であり、特に持球数の計数方法を示している。
図118(a)において、計数スイッチ311の「押下時間」と持球数とに応じて変形例2では、以下のように持球数を計数する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は、持球数の半数を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の半数を計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の半数を計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は、持球数の3/4を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の3/4を計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の3/4を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
【0783】
上記のように、変形例2では計数スイッチ311の操作が開始すると、初めに持球数を多く計数し、最後の方は持球数を残しやすくなるような計数方法となる。ただし、持球数を残すためには6.0秒前に持球数の計数を停止する必要がある。
変形例2では、以下の効果がある。
(1)変形例2では、初めに持球数を多く計数し、最後の方は持球数を残しやすくなるように計数するので、6.0秒前に持球数の計数を停止すれば、持球数を少し残して遊技ができるようになり、遊技者にとって便利である。
(2)持球数の多い又は少ないに拘わらず、持球数の計数方法が同じなので、遊技者に計数の進行が分かりやすい。
【0784】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始の所定期間は、遊技者の遊技価値を多い量で計数するように制御することを特徴とする遊技機。
【0785】
<変形例3>
図118(b)は実施例20の変形例3を示す図であり、特に持球数の計数方法を示している。
図118(b)において、計数スイッチ311の「押下時間」と持球数とに応じて変形例3では、以下のように持球数を計数する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒を含み、以後1.0秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は100個単位で計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の1/10個単位で計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の1/10個単位で計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
【0786】
上記のように、変形例3では計数スイッチ311の操作が開始すると、1.0秒を含み、以後1.0秒毎に持球数に応じた一定個数の球を計数単位として計数していき、6.0秒後に全てを計数するような計数方法となる。
変形例3では、以下の効果がある。
(1)変形例3では、持球数に応じた一定個数の球を計数単位として計数していくので、最初に少しずつ持球数を計数していく流れになり、持球数の計数が同じような割合で進行していき、遊技者に計数が分かりやすい利点がある。
(2)少しずつ持球数を計数していく流れであるから、持球数を残したい場合に、どのような量の持球数であっても、持球数を残すための計数スイッチ311の操作が楽に行える。
【0787】
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始の所定期間は、遊技者の遊技価値を少ない量で計数するように制御することを特徴とする遊技機。
【0788】
次に、本発明の変形例について説明する。
本発明は、以下のような変形例であってもよい。
(1)上記いくつかの実施例では、入賞表示装置を一括表示装置と分離した実施例を提示しているが、入賞表示装置を分離した設置先としては、遊技盤の下部、センターケースに限らず、例えば遊技盤の上部や大入賞口に取り付けてもよい。
取り付けるスペースが少ない機種では、このように分離した方が有利な場合もある。
(2)また、入賞表示装置を一括表示装置から分離して、上記実施例に開示の場所以外の遊技機の枠に設置してもよく、その場合、入賞表示装置が枠要素になり、遊技盤としてはコストダウンになる。
【0789】
(3)入賞表示装置の表示方法のバリエーションとしては、上記各実施例に開示のものに限らない。
例えば、上記各実施例では、遊技球の入賞口への入賞があった時に、所定期間だけ入賞表示装置により賞球数を表示しているが、これに限らず、例えば入賞に関するエラー時には、入賞表示装置での入賞表示(賞球数の表示)を消灯(LEDであれば、点灯を継続)しないように制御してもよい。例えば、入賞口での球づまりエラーを検出した時、球づまり解消するまで、入賞表示装置での入賞表示を点灯のままとする制御を行う。
このようにすると、入賞口での球づまりエラーがどこの入賞口で発生したのかを入賞表示装置の賞球数表示(点灯中)で、簡単に認識でき、球づまりエラーに速やかに対応できて、便利である。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
表示時間制御手段は、
入賞に関するエラーが発生したときは、前記賞球数の入賞表示装置への表示を、一定時間消さないように制御することを特徴とする遊技機。
【0790】
(4)上記各実施例は、媒体制御ユニット(カードユニット15)が遊技機(パチンコ機1)に付設された例であるが、媒体制御ユニットは遊技機に内蔵されていてもよい(即ち、遊技機の一部として媒体制御ユニットが設けられていてもよい)。例えば、上記実施例1では、遊技カードをカードユニットに挿入しているが、遊技機(パチンコ機1)に遊技カードを挿入する態様(遊技機がカードユニットとしても機能する態様)でもよい。
(5)記憶媒体は、上記実施例のようなカード(磁気カード、ICカードなど)でもよいが、カード型のものに限られない。例えば、USBメモリのようなものでもよい。或いは、非接触で読み書きできるものでもよい。
【0791】
(6)また、封入球式といっても、遊技球が全く遊技機本体の外部に出ない構成である必要はない。例えば、遊技球が一旦パチンコ機から外部に出て外部の研磨装置で研磨された後、パチンコ機内に再び戻されるような態様でもよい。
【0792】
(7)また、遊技球が循環使用されるといっても、遊技機内での完全な循環である必要はない。持球数を電子データで管理し、遊技機内部で発射位置に遊技球を供給できる機能があり、実物としての遊技球を遊技者が投入したり貸球として払い出したりしなくても、遊技球を発射して遊技を行える遊技機であれば、本発明を適用することができる。
(8)また、遊技者の利益である遊技価値としての持球数は、持球数といっても、必ずしも遊技球の個数として扱われる必要はない。例えば、1ポイント、2ポイントといったようにポイントとして扱われ、例えば「100ポイント」というように表示されてもよい。この場合、賞球の1個に対して1ポイントという関係に限らず、例えば賞球10個で1ポイント、賞球1個で10ポイントといったように、賞球数とポイント数の関係は各種の態様が有り得る。なお、「ポイント」でなく、「点」などの他の単位名称であってもよい。
【0793】
(9)また、遊技制御装置が送受信する各種情報通信で使用する通信方式は、必ずしも上記実施例の態様に限られない。例えば、カードユニット15から遊技制御装置54に送信される貸球数コマンドや貯球使用数コマンドは、第1通信方式(平文で送る方式)ではなく、第2通信方式(暗号化して送り遊技制御装置54で復号化する方式)で送信して、このコマンドを利用した不正を困難にしてもよい。
(10)また、遊技球が発射されることに対応して遊技価値を減らす発射減算処理は、必ず実行する態様でなくてもよい。例えば、所定条件が成立している期間中は、持球数が減ることなく遊技球が発射できる態様もあり得る。
(11)遊技球を研磨する研磨装置は、研磨布の代わりにペレットを用いたペレット方式で、遊技球の研磨を行うようにしてもよい。ペレット方式では、遊技球よりも小さい多数の研磨剤としてのペレットを研磨装置に入れ、遊技球と一緒に揚送しながら研磨する。
【0794】
次に、本発明の適用範囲について説明する。
(1)本発明は封入球式遊技機でなく、通常(現行)の遊技機にも適用できる。
第2の表示装置(タッチパネル方式の液晶表示器)は、遊技機のいわゆる受皿部に配置し、カードユニットが管理するものでも本発明を適用できる。
(2)また、同様に本発明は封入球式遊技機でなく、通常(現行)の遊技機にも適用できるが、以下のような構成であってもよい。
すなわち、第2の表示装置(タッチパネル方式の液晶表示器)は、遊技機の受皿部に配置され、カードユニットではなく、遊技機(例えば、演出制御装置)が管理する構成であってもよい。
この場合、球貸関係の操作・表示を行う操作表示器はカードユニットの管理とし、上記第2の表示装置(実施例では操作表示装置に相当)とは、別機器として設ける。
【0795】
(3)第1の表示装置と第2の表示装置を備えた遊技機であれば、全ての封入球式遊技機に本発明を適用できる。例えば、封入球式遊技機はパチンコ球を使用して遊技を行うものであれば、上記各実施例のような封入球式遊技機の例に限らず、上記各実施例とは内部構成や制御基板の構成が異なるものであっても、封入球式遊技機であれば適用できる。
また、封入球式遊技機であれば、以下の(4)乃至(6)に示すような態様であっても本発明を適用できる。
(4)封入球式遊技機として本特図等の表示を行う一括表示装置とは別の飾り特図を表示可能な表示装置を備えた封入球式遊技機にも適用できる。表示装置として液晶表示器等の映像装置を設けた封入球式遊技機を対象として、幅広く適用できる。
(5)飾り特図の表示装置は表示内容を変化可能であればよく、画像はキャラクタ表示、映像表示などで画面内容を変化できる構成になっていればよい。
(6)飾り特図の表示装置は液晶を用いた表示装置に限らず、例えば有機EL、ブラウン管、ドットLED、7セグメントLED、電子ペーパのように曲がる素材を用いた装置など表示内容を変化させて演出できる部材であれば何でもよい。
【0796】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。