【実施例】
【0050】
[使用原料]
〔デンプン塗剤の配合種〕
デンプンには、ワキシーコーンスターチ(日本食品化工株式会社製)、バレイショデンプン(株式会社扇カネ安食品本舗製)、タピオカデンプン(株式会社ギャバン製)を使用した。
【0051】
実施例及び比較例にて使用した物理加工デンプンの作成に際し、前記のワキシーコーンスターチ(日本食品化工株式会社製)に適量の水を加え、ミニクッカー(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)により10%濃度の糊化液とした。次に、超音波分散機GSD1200CVP(株式会社ギンセン製)を用い、周波数20kHz、出力1200Wの条件の下、約50℃の液温を維持しながらデンプン糊化液に超音波照射し、粘度が約0.3Pa・sになるまで微分散化した。得られた液状物を乾燥機内に入れて100℃の熱風に晒して乾燥し物理加工デンプンの粉末状物を得た。以降、超音波照射を経由して調製した加工デンプンについては、酵素処理等の加工デンプンとは異なるため、「物理加工デンプン」として表等に表記する。
【0052】
粘度の測定は、日本薬局方の一般試験法における粘度測定法に準拠し、粘度分析装置(東機産業株式会社製:TVB−10M)を用い、50℃における粘度(Pa・s)として測定した。なお、上記の粘度の選択に際し、出願人が以前に出願した超音波照射により微分散化したデンプンの乳化安定剤(特許第5033553号)等の知見を参考とした。
【0053】
〔その他の原料〕
可塑剤として以下の3種を使用した。
グリセリン(健栄製薬株式会社製,品名「グリセリンPケンエー」)
グルコース(キシダ化学株式会社製,特級グルコース)
スクロース(キシダ化学株式会社製,特級スクロース)
塩化カルシウムは、キシダ化学株式会社製,特級塩化カルシウム二水和物を使用した。
アルギン酸ナトリウムは、和光純薬工業株式会社製,アルギン酸ナトリウム80−120mPa・Sを使用した。
ベース部材は、ポリエチレンテレフタレートのフィルム(PETフィルム)(フタムラ化学株式会社製,品名「FE2001」,膜厚25μm)を使用した。なお、各塗剤の塗工に際し、フィルム表面にはコロナ処理を施した。
【0054】
[水不溶性アルギン酸塩フィルムの作製]
発明者らは、後出の表1ないし表5の配合割合(重量%(wt%))に従い、条件を変えながら試作例1ないし27のフィルムを作製した。各成分の配合量は水を含む塗剤全体に占める濃度として表した。併せて、水不溶化評価の良否も検証した。
【0055】
〔試作例1〕
デンプン塗剤の調製に際し、デンプンとしてワキシーコーンスターチ8重量%、可塑剤としてグリセリン5重量%、及び塩化カルシウム二水和物2重量%(合計15重量%)とするように蒸留水中に溶解し試作例1のデンプン塗剤とした。ベース部材(PETフィルム)上にバーコーターを用いてデンプン塗剤を塗工し塗剤を乾燥してデンプン塗膜を形成した(第1層目)。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は20μmであった。
【0056】
増粘塗剤の調製に際し、蒸留水にアルギン酸ナトリウムを溶解し8重量%の溶液(増粘塗剤)を得た。前出のデンプン塗膜上にバーコーターを用いて増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した(第2層目)。増粘塗剤は塗工段階で20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例1の水不溶性フィルムとした。
【0057】
〔試作例2,3,4,5〕
試作例2及び3は、デンプン塗剤中のデンプンの種類のみを試作例1から変更した。その他の配合量は同量とし、同様の方法により水不溶性フィルムを作製した。試作例4ではデンプン塗剤の調製に際し、物理加工デンプン35重量%、グリセリン5重量%、及び塩化カルシウム二水和物2重量%(合計42重量%)となるように蒸留水中に溶解し試作例4のデンプン塗剤とした。試作例4も試作例1と同様に塗工して水不溶性フィルムを作製した。
【0058】
試作例5はデンプン塗剤中のデンプンを無配合(0重量%)とし、グリセリン5重量%、塩化カルシウム二水和物2重量%(合計7重量%)となるように蒸留水に溶解した。この塗剤をベース部材上にバーコーターを用いて塗工し乾燥した。しかし、乾燥は進まず膜状にならなかったため、以降の作製を取り止めた。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例2ないし4の水不溶性フィルムとした。試作例1ないし5の組成及び結果は表1に表記した。
【0059】
〔試作例6,7,8,9,10〕
試作例6,7,8,9及び10は、塗剤の塗工の順番を前記の試作例1等と逆にした。これらは第2実施形態に対応する。試作例6では、蒸留水にアルギン酸ナトリウムを溶解し8重量%の溶液(増粘塗剤)を得た。ベース部材上にバーコーターを用いて増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した(第1層目)。乾燥後の増粘塗膜の膜厚は20μmであった。次に、物理加工デンプン35重量%、グリセリン5重量%、及び塩化カルシウム二水和物2重量%(合計42重量%)となるように蒸留水中に溶解してデンプン塗剤を調製した。増粘塗膜上にバーコーターを用いてデンプン塗剤を塗工し塗剤を乾燥してデンプン塗膜を形成した(第2層目)。デンプン塗剤は塗工段階で20μmの膜厚に調整した。
【0060】
試作例7,8,9では、デンプン塗剤の組成成分と配合割合のみを試作例6から変更して塗工条件は同様に作製した。試作例10は、試作例6と同様に増粘塗膜を形成した。乾燥後の増粘塗膜上に試作例5にて調製の塗剤を塗工した。試作例7ないし10においても膜厚は試作例6と同様とした。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例6ないし10の水不溶性フィルムとした。試作例6ないし10の組成及び結果は表2に表記した。
【0061】
〔試作例11,12,13〕
試作例11,12,13は、試作例4と同等の層構成としつつ、第1層目のデンプン塗膜の乾燥後の膜厚を変化させた。試作例4と同組成のデンプン塗剤をベース部材上に塗工する際のバーコーターの設定のみを変更し、同様の方法で塗工した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は順に、7,40,88μmであった。デンプン塗膜上にバーコーターを用いて試作例4と同組成の増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した(第2層目)。増粘塗剤は塗工段階でいずれも20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例11,12,13の水不溶性フィルムとした。
【0062】
〔試作例14,15,16〕
試作例14,15,16は、試作例4と同等の層構成としつつ、第2層目の増粘塗膜の膜厚を変化させた。試作例4と同組成のデンプン塗剤を同様のバーコーターを使用してベース部材上に塗工し乾燥してデンプン塗膜を形成した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は20μmであった。デンプン塗膜上に試作例4と同組成の増粘塗剤をベース部材上に塗工する際のバーコーターの設定のみを変更し、同様の方法で塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した(第2層目)。増粘塗剤は塗工段階で順に5,50,100μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例14,15,16の水不溶性フィルムとした。試作例11ないし16の組成及び結果は表3に表記した。
【0063】
〔試作例17,18,19〕
試作例17,18,19は、配合する塩化カルシウム濃度を変化した例である。各試作例のデンプン塗剤は、塩化カルシウム二水和物の配合を0.5,10,32重量%と増加して調製した。試作例17及び18はデンプン塗剤を試作例4と同様のバーコーターを使用してベース部材上に塗工し乾燥してデンプン塗膜を形成した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚はいずれも20μmであった。続いて、デンプン塗膜上にバーコーターを用いて増粘塗剤を塗工して塗剤を乾燥し増粘塗膜を形成した。増粘塗膜は塗工段階においていずれも20μmの膜厚に調整した。試作例19は塩化カルシウムを高濃度で添加した場合の例である。高濃度の塩化カルシウムにより粘度上昇が生じるため、物理加工デンプンの濃度を下げた。そこで、物理加工デンプン18重量%、グリセリン5重量%、及び塩化カルシウム二水和物32重量%(合計55重量%)とするように蒸留水中に溶解しデンプン塗剤とした。当該デンプン塗剤をベース部材上に塗工する際のバーコーターの設定を変更し、試作例4と同様の方法で塗工した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は20μmであった。続いて、デンプン塗膜上にバーコーターを用いて増粘塗剤を塗工して塗剤を乾燥し増粘塗膜を形成した。増粘塗膜は塗工段階において20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例17,18,19の水不溶性フィルムとした。
【0064】
〔試作例20,21,22,23〕
試作例20,21,22,23は、配合するアルギン酸ナトリウム濃度を変化した例である。試作例4にて調製したデンプン塗剤を試作例4と同様のバーコーターを使用してベース部材上に塗工し乾燥してデンプン塗膜を形成した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚はいずれも20μmであった。各試作例の増粘塗剤は、アルギン酸ナトリウムの配合を1,5,12,15重量%と増加して調製した。デンプン塗膜上にバーコーターを用いて各試作例の増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した。増粘塗剤は塗工段階でいずれも20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例20,21,22,23の水不溶性フィルムとした。試作例17ないし23の組成及び結果は表4に表記した。
【0065】
〔試作例24,25,26,27〕
試作例24,25,26は、可塑剤の種類を変更して作製した例である。物理加工デンプン35重量%、可塑剤(順にグルコース、スクロース、グリセリン)10重量%、塩化カルシウム二水和物2重量%(合計47重量%)となるように蒸留水中に溶解して各試作例のデンプン塗剤を調製した。各試作例のデンプン塗剤を試作例4と同様のバーコーターを使用してベース部材上に塗工し乾燥してデンプン塗膜を形成した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚はいずれも20μmであった。デンプン塗膜上にバーコーターを用いて試作例4と同組成の増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した。増粘塗剤は塗工段階でいずれも20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例24ないし26の水不溶性フィルムとした。
【0066】
試作例27はデンプン塗剤において可塑剤のみを排除した組成である。物理加工デンプン35重量%、塩化カルシウム二水和物2重量%(合計37重量%)となるように蒸留水中に溶解してデンプン塗剤を調製した。乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は20μmであった。デンプン塗膜上にバーコーターを用いて試作例4と同組成の増粘塗剤を塗工し塗剤を乾燥して増粘塗膜を形成した。増粘塗剤は塗工段階で20μmの膜厚に調整した。一連の塗工を経た後、ベース部材から剥がして試作例27の水不溶性フィルムとした。試作例24ないし27の組成及び結果は表5に表記した。
【0067】
[評価内容]
〔水不溶化評価〕
100mLのビーカーに20℃の蒸留水80mLを入れてスターラーにより200rpmで攪拌した。各試作例の水不溶性フィルムを一辺2cmの正方形状に裁断し、攪拌中のビーカー内に投入した。投入から1分後に取り出して性状を目視により確認した。
【0068】
乾燥時と比較して水への浸漬によっても形状変化が生じなかったフィルムを「A」の評価とした。
乾燥時と比較して水への浸漬によってやや形状に変化が生じたフィルムを「B」の評価とした。
水への浸漬によって形状が維持できなくなった。またはフィルムの成形が困難であったフィルムを「C」の評価とした。
「A」と「B」の評価のフィルムが実需要に対応でき、「C」は不可である。
【0069】
〔フィルム性状〕
試作例24ないし27について、乾燥後のフィルムの外観を目視により観察した。
フィルム表面上に生じた「ひび」や「しわ」のある部分の面積が表面全体のおよそ1/5未満に留まったフィルムを「A」の評価とした。
フィルム表面上に生じた「ひび」や「しわ」のある部分の面積が表面全体のおよそ1/5ないし4/5に留まったフィルムを「B」の評価とした。
フィルム表面上に生じた「ひび」や「しわ」のある部分の面積が表面全体のおよそ4/5を超えたフィルムを「C」の評価とした。
「A」の評価のフィルムが実需要に対応でき、「B」と「C」は不可である。
【0070】
〔官能評価〕
試作例24ないし27について、一辺2cmの正方形状に裁断しそれぞれを被験者により口に含んでもらった。そこで、苦味、塩味の味覚上の違和感を評価した。
フィルムから苦味、塩味をほとんど感じなかったフィルムを「A」の評価とした。
フィルムから苦味、塩味を多少感じたに留まったフィルムを「B」の評価とした。
フィルムから苦味、塩味を強く感じ、口に含むことを躊躇したフィルムを「C」の評価とした。
「A」の評価のフィルムは食品用途をはじめとする各種用途に対応できる。「B」の評価のフィルムは食品以外の用途に対応できる。「C」の評価のフィルムについては使用不可である。
次に、表1ないし5として、試作例1ないし27の組成、配合、評価の結果を示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
[結果・考察(性能)]
〔表1について〕
試作例1ないし4は
図1に開示の第1実施形態に相当する層構造である。表1からは使用するデンプンの種類を変更しても十分な水不溶性フィルムに形成することが確認できた。また、デンプンについては糯種と粳種の区別なく使用することもできた。また、試作例4の物理加工デンプンは事前のアルファ化のため、デンプン塗剤調製時の水溶性は良好であった。このため、より多くの配合が可能となった。しかしながら、試作例5のように、デンプン自体を含まない場合、塗膜自体の形成不良となった。このことから、第1層目の塗膜形成のためには、賦形剤となるデンプンが必須である。
【0077】
試作例1ないし4のフィルム化可能な例を勘案すると、適切なデンプン配合量は5ないし40重量%である。5重量%を下回る場合、賦形剤としての効果は発揮されにくい。そのことから概ね5重量%を下限とした。物理加工デンプンについては配合量をより高めることができる。そこで、40重量%を上限とした。
【0078】
〔表2について〕
試作例6ないし9は
図2に開示の第2実施形態に相当する層構造である。表2からも使用するデンプンの種類を変更しても十分な水不溶性フィルムに形成することが確認できた。従って、塗剤を塗工する際の順序の入れ替えは可能である。ただし、乾燥に時間を要した。なお、試作例7ないし10については、膜厚を得ることはできたもののやや脆弱に仕上がった。試作例10は第2層目にデンプンを含まない塗剤組成であることからさらに脆弱となった。それゆえ、第2実施形態の場合であってもデンプンは必須である。
【0079】
〔表3について〕
試作例11,12,13の水不溶性フィルムの結果から、第1層目の乾燥後のデンプン塗膜の膜厚は増減可能である。試作例11については、膜厚が薄いため相対的に塩化カルシウム量は少なくなる。そのため、アルギン酸カルシウムの生成が減少したと考えられる。
【0080】
試作例14,15,16の水不溶性フィルムの結果から、第2層目の増粘塗膜の膜厚は増減可能である。試作例の増粘塗膜の膜厚であっても塩化カルシウムの浸透を確認することができた。ただし、増粘塗膜の膜厚が厚くなりすぎると、水不溶性部分が増大するため、消化には不向きと考える。そこで、用途に応じて選択する必要がある。
【0081】
〔表4について〕
試作例17,18,19の水不溶性フィルムの結果は、デンプン塗剤中の塩化カルシウム量の増減である。試作例17の塩化カルシウム量ではアルギン酸ナトリウムとの反応にやや足りない。しかし、試作例19まで塩化カルシウム量を増やしてしまうとアルギン酸ナトリウムとの反応に過剰である。水不溶性フィルムを喫食用途とする場合には苦味が強く不向きとなった。
【0082】
試作例20ないし23の水不溶性フィルムの結果は、増粘塗剤中のアルギン酸ナトリウム量の増減である。試作例20では根本的にアルギン酸ナトリウム量が少なすぎであり、フィルム化には向かない。また、試作例23ではアルギン酸ナトリウム量が多く粘度が非常に高くなった。それゆえ、塗膜の成形ができず評価に至らなかった。この結果から、アルギン酸ナトリウム量の適切な範囲を3ないし12重量%として規定した。
【0083】
〔表5について〕
試作例24,25,26の水不溶性フィルムの結果からは、フィルム形成の観点からは可塑剤の種類による相違はほとんど生じなかった。従って、多くの種類の糖類または糖アルコールを可塑剤として使用することができる。グルコースやスクロースの甘味はグリセリンよりも強い。そのため、カルシウムイオンに由来する苦味を上手くマスキングすることができた。おそらく、この差が試作例26の結果となった。試作例27では可塑剤無配合であるため、苦味のマスキングが無く不味さが際立った。加えて、可塑剤による延展性も伴わないため、フィルム性状も好ましくなくなった。それゆえ、フィルムの品質、味覚面から可塑剤の配合は必須である。
【0084】
[人工胃液による溶解]
人工胃液の調製は日本薬局方溶出試験第一液に準拠した。液調製には、特級塩化ナトリウム(キシダ化学株式会社製)、特級塩酸(同社製)を使用した。300mLのビーカーに人工胃液を注ぎ、液温を約37℃に保ちスターラーにより200rpmで攪拌した。この中に試作例25の水不溶性フィルムを一辺2cmの正方形状に裁断して浸漬した。
【0085】
所定時間経過ごとに水不溶性フィルムを人工胃液中から引き上げて、フィルムの性状を目視により観察した。
浸漬直後はフィルムに形状変化は無かった。
6時間の浸漬経過後でも、フィルムに形状変化は無かった。
21時間の浸漬経過後、フィルムに溶解が生じた。
この結果から、水不溶性フィルムは安易には水に溶けない。しかし、消化器官内での溶解は可能である。従って、喫食時には形状を維持しつつも消化可能なフィルムに仕上げることができた。
【0086】
[食品への応用]
試作例25の水不溶性フィルムを1.5cm×1.5cmの大きさに裁断し、当該フィルム片表面に食用インク(食紅)を用いて描画した。描画後のフィルム片を市販のカスタードプリン表面に貼着し、様子を観察した。描画後のフィルム片はカスタードプリンの水分によっては溶解せず、当初の描画も維持されたままであった。よって、食品への印刷、装飾においての有効性を確認することができた。