(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図14は、従来の鼻パッドのない眼鏡8の外観の一例を示す図(その1)である。
図14(A)は、装着された眼鏡8の右側面図であり、
図14(B)は装着された眼鏡8の平面図である。眼鏡8は、フロント部811と、腕部812と、を有する。フロント部811はレンズを保持する部分であって、腕部812はいわゆる「つる」である。
【0025】
腕部812は、テンプル813と、モダン814とを有する。鼻パッドのある一般的な眼鏡は、テンプル813とモダン814とが一直線になるように接続され、モダン814の一端が下側にカーブした形状となっており、耳背面の湾曲に沿うよう形成されている。
図14に示す眼鏡8のモダン814は、テンプル813との取付け部分eの後方のみならず前方にも延びた形状となっている。
【0026】
モダン814は、上から見た際に、左右とも頭部に沿って湾曲した形状をしており、頭部側面に密着するよう形成されている。側面から見ると、モダン814は、テンプル813との取付け部分eの前方、及び後方において、各々二股に分かれている。モダン814の前方は、頬骨体部に係止するよう、眼窩近傍に当接する。従って、モダン814の前方は髪の生え際を超えて顔の皮膚部分にまで延び、顔を正面から見た際にモダン814の前方が目視される。
【0027】
また、モダン814の後方は側頭骨の後方に延伸している。従来鼻パッドにかかっていた荷重が、モダン814の前方及び後方に分散される。
【0028】
本例において、眼鏡8は頭部が左右のモダン814に挟持されることにより支持されるため、顔の皮膚部分にあるモダン814の前方から荷重がかかり、当該皮膚部分に負担が生じる。また、顔を見た際に目視できる位置にモダン814の前方があるため、見た目にも支障を生じる。
【0029】
また、使用者の頬骨体部がモダン814の前方を支持する形状をなしていない場合、又はモダン814が頭部を挟持する力が弱い場合には、眼鏡8が下方にずり落ちる。一方で、モダン814が頭部を挟持する力が強ければ、頭痛が生じる可能性がある。
【0030】
図15は、従来の鼻パッドのない眼鏡9の外観の一例を示す図(その2)である。
図15(A)は、装着された眼鏡9の右側面図であり、
図15(B)は装着された眼鏡9の平面図である。眼鏡9は、フロント部911と、腕部912と、を有する。フロント部911はレンズを有する部分であって、腕部912は「つる」である。
【0031】
腕部912は、テンプル913と、モダン914とを有する。
図15に示す眼鏡9のモダン914は、
図14に示すモダン814と同様に、テンプル913の取付け部分fの後方のみならず前方にも延びた形状となっている。なお、モダン914の前方及び後方とも、二股に分かれていない点において、眼鏡8と相違する。
【0032】
モダン914の前方は、
図14のモダン814と同様に、頬骨体部に係止するよう眼窩近傍まで延伸し、顔を正面から見た際にモダン914の前方が目視される。また、モダン914の後方は側頭骨の後方に延伸しているため、眼鏡9は左右のモダン914により頭部を挟持することで、フロント部911を眼前に支持する。しかしながら、条件が整わない場合に眼鏡9が下方にずり落ちる可能性があることは
図14に示す眼鏡8と同様である。特に、眼鏡8又は眼鏡9の重心がフロント部811・911寄りにあれば、フロント部811・911を支持しきれずに下方に落ちる可能性が上がる。
【0034】
図1は、第1の実施形態における眼鏡1の外観の一例を示す図である。
図1(A)は、眼鏡1の右側面図の一例であって、
図1(B)は、眼鏡1の平面図の一例である。眼鏡1は、眼鏡支持部材100と、眼鏡本体部110と、を有する。
【0035】
眼鏡本体部110は、レンズを有するフロント部111と、フロント部111の両端から略垂直に延伸する一組の腕部112と、を有する。フロント部111には、1又は複数のレンズが備え付けられている。好ましくは、フロント部111は鼻パッドを有さない。
【0036】
腕部112は、テンプル113と、モダン114とを有する。テンプル113は、金属や樹脂等により形成される。モダン114は、外耳の付け根の上部に当接する部材であって、シリコンやラバーなどの樹脂等で形成される。モダン114はテンプル113と一体であってもよく、テンプル113及びモダン114の素材は限定されない。
【0037】
眼鏡支持部材100は、各腕部112と連結する一組の部材であって、各々頬骨弓当接部101と、頭頂骨支持部102と、を有する。一例として、眼鏡支持部材100は、一端に頬骨弓当接部101を有し、他端に頭頂骨支持部102を有する一対の筋状の部材よりなる。眼鏡支持部材100は、頭部に装着した際に腕部112の下方から上方に向かって延伸し、かつ頭部の前方から後方に向かって延伸する。また、眼鏡支持部材100は、頭部に沿うよう内側に湾曲する曲線形状である(
図3参照)。
【0038】
一例として、眼鏡支持部材100は、一部又は全部が樹脂により形成される。しかしながら、眼鏡支持部材100の素材はこれに限定されない。
【0039】
頬骨弓当接部101は、眼鏡支持部材100の内側(頭部に当接する側)に設けられており、側頭部に当接する。頬骨弓とは、眼窩の外側に略水平に延伸する骨である。頬骨弓当接部101は、頬骨弓に係止するよう側頭部に当接する。
【0040】
頭頂骨支持部102は、眼鏡支持部材100の内側に設けられ、頭頂骨の外側位置に当接して眼鏡1を上から支持する。一例として、頭頂骨支持部102は、装着した際に頭頂骨の外側に位置する頭の表面(頭皮及び頭髪を含む)に沿って密着するように広がる面を有しており、頭の表面に対して上から下に荷重がかかる。これにより、頭頂骨支持部102は眼鏡1を上から支持する。
【0041】
眼鏡支持部材100は、頬骨弓当接部101付近又は頬骨弓当接部101より上方において、モダン114又はテンプル113と連結されている。以下、眼鏡支持部材100がモダン114と連結している例を用いて説明する。眼鏡支持部材100とモダン114とは、回動自在又は着脱自在に連結されていてもよいし、着脱又は回動しないよう固定されていてもよい。眼鏡支持部材100とモダン114とは、一体成型されていてもよい。
【0042】
図2は、眼鏡1の斜視図の一例を示す図である。一対の眼鏡支持部材100は、左右対称の形状である。本例における眼鏡支持部材100は、モダン114よりも内側に位置する。
図2において、眼鏡支持部材100とモダン114とは小さなビスで連結しているが、眼鏡支持部材100とモダン114との連結方法はこれに限定されない。
【0043】
眼鏡支持部材100は、内側面に滑り止めの機能のある複数の溝を有する形状であってもよい。当該溝は、眼鏡支持部材100の内側面全体に渡って設けられていてもよい。また、眼鏡支持部材100の内側面の全部又は一部には、髪の毛に眼鏡支持部材100を係止させるための櫛歯が設けられていてもよい。櫛歯は、眼鏡支持部材100の内側面に立つように設けられていてもよい。また、櫛歯は、眼鏡支持部材100の後側面又は前側面から、使用者の後方又は前方に向かって伸びるよう設けられていてもよい。
【0044】
また、眼鏡支持部材100は、横から見た場合に、
図1(A)に示すような直線形状でなくてもよく、前後に波打つ形状であってもよい。また、前後に鋸刃のような複数の角部を有する、ギザギザした形状であってもよい。また、眼鏡支持部材100は、横から見た場合に細長い輪のような形状をしていてもよい。
【0045】
直線形状である場合に比べて頭の表面との接触面積が増すことにより、眼鏡支持部材100が頭の表面とずれることを防ぐことができる。また、形状の自由度が増すことにより、デザインに多様性が生まれ、デザイン性が向上する。
【0046】
図3は、頭部に装着した際の眼鏡1の外観の一例を示す図である。
図3(A)は、頭部に装着した際の眼鏡1の右側面図の一例であって、
図3(B)は、頭部に装着した際の眼鏡1の平面図の一例である。
図3(C)は、眼鏡1を装着した人の左側に位置する眼鏡支持部材100の有する頬骨弓当接部101を正面から見た図の一例である。
図3(C)は、モダン114の断面のみを示しており、モダン114のその他の部分は図示を省略している。
【0047】
図3(A)に示すように、頬骨弓当接部101は、頬骨弓に係止するよう側頭部に当接する結果、一般的な髪の生え際よりも後側に位置する。また、眼鏡支持部材100は、腕部112の下方から上方に、かつ頭部の前方から後方に向かって斜めに延伸する。また、
図3(A)及び
図3(C)から明らかなように、本例における眼鏡支持部材100は、モダン114よりも内側(頭部側)に位置している。本例における眼鏡支持部材100は、外側面に前後が開口している凹部115を有し、凹部115にモダン114の一部分が嵌合することにより、眼鏡支持部材100とモダン114とが連結している。
【0048】
なお、本実施形態に係る眼鏡1は、頭頂骨まで延伸する眼鏡支持部材100を有することにより、眼鏡支持部材100を有さない眼鏡に比べて重心が後部に位置する。この構成により、レンズを有するために荷重のかかり易いフロント部111が適切に眼前に保持される。これは、眼鏡1が鼻パッドを有さない場合に特に有用である。
【0049】
図4は、頭部に装着した際の眼鏡1の外観の他の一例を示す図である。
図4(A)は、頭部に装着した際の眼鏡1の他の一例における右側面図であって、
図4(B)は、頭部に装着した際の眼鏡1の他の一例における平面図である。
図4(C)は、眼鏡1を装着した人の左側に位置する眼鏡支持部材100の有する頬骨弓当接部101を正面から見た際の他の一例における図である。
図4(C)は、
図3(C)と同様に、モダン114の断面のみを示しており、モダン114のその他の部分は図示を省略している。
【0050】
本例において、眼鏡支持部材100は、内側面に凹部115を有し、凹部115にモダン114の一部分が嵌合することにより、眼鏡支持部材100とモダン114とが連結している。モダン114と頭部とが適切な間隔を維持するために、眼鏡支持部材100の有する頬骨弓当接部101は、
図4(C)に示すよりも内側に膨らんだ形状をしていてもよい。
【0052】
図5は、第1の変形例における眼鏡支持部材100の外観の一例を示す図である。
図5(A)は、第1の変形例における眼鏡1を装着した人の左側に位置する眼鏡支持部材100を正面から見た図の一例である。
図5(B)は、
図5(A)に示す眼鏡支持部材100の使用状況を示す図である。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。なお、一対の眼鏡支持部材100の各々は、特記しない限り、左右対称の形状である。また、x軸は頭部の左右方向を示すものであり、y軸は頭部の上下方向を示すものであり、z方向は頭部の前後方向を示すものである。他の図においても同様である。
【0053】
眼鏡支持部材100は、貫通孔103を有しており、貫通孔103にはテンプル113又はモダン114が貫通する。
図5に示す例では、貫通孔103にはモダン114が貫通する。貫通孔103は、その内周面に複数の凹部を有していてもよく、モダン114はその外周面に該凹部に各々嵌合する複数の凸部を有していてもよい。
【0054】
貫通孔103の有する凹部と、モダン114の有する凸部とが嵌合することにより、モダン114を軸とする眼鏡支持部材100の回転角度が定まる。即ち、
図5(A)又は
図5(B)に示すz軸に平行な軸(即ちモダン114と一致する軸)をp軸とすると、眼鏡支持部材100のp軸周りの回転角度が定まる。頭部に眼鏡1を装着した場合に、頭頂骨支持部102と頭部との密着性に欠ける場合など、装着性が好ましくない場合に、貫通孔103の有する他の凹部にモダン114の凸部を嵌合させることにより、眼鏡支持部材100の回転角度を調節することができる。なお、貫通孔103が凸部を有し、モダン114が凹部を有していてもよい。
【0055】
なお、モダン114を軸とする眼鏡支持部材100の回転角度を固定することができれば、眼鏡1は本構造に限定されない。例えば、貫通孔103が、モダン114の有する凸部に引っ掛かる爪を内周面に有しており、一方向への回転(例えば、
図5(A)又は
図5(B)に示す右回転)を阻止し、逆方向への回転を許容するよう係止する構造であってもよい。
【0057】
図6は、第2の変形例における眼鏡1の斜視図の一例(その1)を示す図である。本変形例では、一対の眼鏡支持部材100は、各々の頭頂骨支持部102で互いに連結している。即ち、眼鏡支持部材100は、一端に右側の側頭部に当接する頬骨弓当接部101を有し、他端に左側の側頭部に当接する頬骨弓当接部101を有する筋状の部材である。眼鏡支持部材100は、中央付近に頭頂骨支持部102を有する。
【0058】
図7は、第2の変形例における眼鏡1の斜視図の一例(その2)を示す図である。第2の変形例における眼鏡支持部材100は、
図7に示すように、内側面に1又は複数の突起104を有していてもよい。突起104と髪の毛とが接触することにより、眼鏡支持部材100が頭頂骨の外側付近に係止しやすくなる。
【0059】
なお、第2の変形例における眼鏡1の眼鏡支持部材100も、横から見た場合に直線形状でなくてもよく、前後に波打った形状や、前後に鋸刃のような複数の角部を有する形状であってもよいことはいうまでもない。
【0061】
図8は、第2の実施形態における眼鏡2を頭部に装着した際の外観の一例を示す図である。
図8(A)は、第2の実施形態における眼鏡2を頭部に装着した際の右側面図の一例であり、
図8(B)は、第2の実施形態における眼鏡2を頭部に装着した際の平面図の一例である。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0062】
眼鏡2は、眼鏡支持部材200と、眼鏡本体部210と、を有する。眼鏡本体部210は、フロント部211及び腕部212を有しており、腕部212はテンプル213及びモダン214を有する。眼鏡支持部材200は、頬骨弓当接部201と、頭頂骨支持部202を有するほか、連結部材203を有する点が、第1の実施形態と異なる。
【0063】
図8に示す例において、連結部材203は、眼鏡支持部材100の外側に設けられている。なお、
図8における連結部材203は、使用者の横側から見て楕円形状をしているが、連結部材の形状はこれに限定されない。円形であっても、多角形であってもよい。
【0064】
図9は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200を詳細に説明するための図である。
図9(A)は、装着時に使用者の左側に位置する眼鏡支持部材200及び腕部212を左側から見た図の一例であって、
図9(B)は当該眼鏡支持部材200の一部を正面から示した図である。
【0065】
連結部材203は、複数の嵌合部分204を有しており、該嵌合部分204のいずれかと腕部212とが着脱自在に嵌合する。連結部材203は、眼鏡支持部材200に対して回動可能に設けられる。
図9(A)及び
図9(B)に示すx軸に平行な軸をq軸とすると、眼鏡支持部材200は、連結部材203に対してq軸周りに回動可能である。即ち、眼鏡2を装着することにより腕部212が固定され、腕部212と嵌合する連結部材203も同様に固定されるが、眼鏡支持部材200は連結部材203に対してq軸周りに回動可能となる。
【0066】
連結部材203は、異なる高さの複数の嵌合部分204を有している。
図9に示す連結部材203は、頬骨弓当接部201の外側に位置しており、外側に窪んだ3つの嵌合部分204を有している。嵌合部分204は、正面から見て略中央に他の部分よりも窪んだ凹部を有する。当該形状を嵌合部分204Aとするが、嵌合部分204の形状については後述する。なお、
図9に示す例において、嵌合部分204は連結部材203の外側面に設けられているが、嵌合部分204は連結部材203の内側面(頭部側の面)に設けられていてもよい。以下に示す変形例においても同様である。
【0067】
また、第2の実施形態における眼鏡支持部材200は、連結部材203よりも幅方向(使用者の左右方向、即ち
図9(B)におけるx軸方向)に突出した凸部205を、連結部材203の上側に有する。凸部205は、眼鏡支持部材200の本体部分と連結部材203との間に隙間がある場合に、隙間に髪の毛が入ることを防ぐ。また、凸部205は、嵌合部分204とモダン214との間に髪の毛が入ることを防ぐ。
【0068】
図10は、第2の実施形態における嵌合部分204Aの一例を説明するための図である。
図10(A)は、装着時に使用者の左側に位置する眼鏡支持部材200の一部及び連結部材203の断面を正面から示した図である。嵌合部分204Aは、z方向に延伸し、その両端は開口している。また、嵌合部分204Aは、凹部207Aを有する。凹部207Aは、連結部材203に対して窪んだ形状の嵌合部分204Aの底面でさらに窪んだ部分である。一方で、モダン214は凸部215を有する。凸部215は凹部207Aに嵌合し、連結部材203とモダン214との連結をより強固なものとする。
【0069】
図10(B)は、眼鏡本体部210の平面図の一例である。眼鏡本体部210のモダン214の有する凸部215は、凹部207Aに嵌合するよう内側に突出し、かつ前後に延びている。なお、凸部215は、モダン214に対して着脱自在であってもよい。その場合、凸部215は例えばモダン214に対し着脱自在な樹脂製の筒に一体成型されていてもよい。
【0070】
なお、上述したように、嵌合部分204Aは、連結部材203の内側面に設けられていてもよい。その場合、眼鏡2の有する凸部215は、外側に突出する。
【0071】
モダン214の内側面を、嵌合部分204Aのx方向の開口部分の上下の縁部に当接させ、一定の力を加えることにより、モダン214が嵌合部分204Aに嵌合し固定される。なお、嵌合部分204Aの開口部分の高さ方向の寸法sは、嵌合部分204Aの内部の高さ方向の寸法t、及びモダンの高さ方向の寸法uより小さいことが望ましい。
【0072】
モダン214は高さの異なる複数の嵌合部分204Aの各々と嵌合可能であるため、嵌合の際に好ましい高さの嵌合部分204Aを選んでモダン214を嵌合させることができる。また、嵌合部分204Aはz方向に延伸しているため、必要に応じてモダン214(即ち腕部212)をずらして位置を調整することができる。
【0073】
なお、連結部材203は、嵌合部分204を有するのではなく、
図5に示すような1又は複数の貫通孔を有するものであってもよい。連結部材203の有する貫通孔は、
図5に示すものと同様に、
図5におけるz方向に延伸する。貫通孔に腕部212を貫通させることにより、
図9に示すq軸周りの回転角度だけでなく、腕部212を軸とする回転角度の調節を行うことができる。
【0074】
図11は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の変形例の一例を示す図(その1)である。
【0076】
図11(A)は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の第1の変形例を示す図である。
図11(A)は、装着時に使用者の左側に位置する眼鏡支持部材200の一部を正面から示した図である。本変形例における眼鏡支持部材200は、凸部205を有さない。
【0078】
図11(B)は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の第2の変形例を示す図である。
図11(B)は、装着時に使用者の左側に位置する第2の実施形態における眼鏡支持部材200の一部を正面から示した図である。本変形例における眼鏡支持部材200は、連結部材203の外面の少なくとも一部を覆う覆い部206を有する。
【0079】
連結部材203と眼鏡支持部材200の本体部分との隙間がある場合に、覆い部206により隙間が覆われ、隙間に髪の毛が入り込むことを防ぐことができる。また、嵌合部分204が覆われるため、嵌合部分に髪の毛等が入り込むことを防ぐだけでなく、見た目にもすっきりとした印象を与える。
【0080】
図12は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の変形例の一例を示す図(その2)である。
【0082】
図12(A)は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の第3の変形例を示す図である。第3の変形例における連結部材203は、嵌合部分204Bを有する。嵌合部分204Bは底面に凹部を有さない点で嵌合部分204Aと異なる。嵌合部分204Bには、一般的な眼鏡2のモダン214が嵌合可能である。
【0084】
図12(B)は、第2の実施形態における眼鏡支持部材200の第4の変形例を示す図である。第4の変形例における連結部材203は、複数の穴状の嵌合部分204Cを有する。また、第4の変形例における眼鏡2は、アタッチメント216を腕部212に有する。一例として、アタッチメント216は、腕部212に対して着脱自在である。腕部212に対するアタッチメント216の設置方法は限定されない。アタッチメント216は、複数の凸部215Bを有する。
【0085】
複数の凸部215Bの一部が、嵌合部分204Cに嵌合することにより、腕部212と連結部材203とが連結する。一例として、アタッチメント216及び凸部215Bは樹脂により一体成型され、樹脂により形成された連結部材203の嵌合部分204Cに嵌合する。また、嵌合部分204Cと凸部215Bとは、互いに係合するよう形成されている。一例として、凸部215Bは、付け根よりも先端の方が高さ方向の寸法が大きく、断面が略台形形状であって、嵌合部分204Cは該形状の凸部215Bに係合する形状である。
【0087】
図13は、第3、第4、第5の実施形態における眼鏡3の外観の一例を示す図である。
図13(A)は、第3の実施形態における眼鏡3の右側面図の一例である。第3の実施形態における眼鏡3の眼鏡支持部材300は、外側に凹部320を有する。凹部320は貫通孔であってもよい。
【0088】
凹部320には、突起を有する付属品rを接続することができる。突起にはかえしが付いていてもよく、凹部320に嵌合することで付属品rを眼鏡支持部材300に固定することができる。付属品rは、例えばアクセサリーであって、眼鏡支持部材300を装飾することができる。
【0090】
図13(B)は、第4の実施形態における眼鏡3の使用例を示す図である。本図は、使用者から見て左側に位置する眼鏡支持部材300の一部と眼鏡3とを示すものである。一組の眼鏡支持部材300は、各々の頬骨弓当接部301の反対側の面に、上後方に向けて尖った鉤状部材321を有する。鉤状部材321は、
図13(B)に示すように、マスクのゴムを係止することができる。
【0091】
従来のマスクは、2本のゴムを左右の耳にかけることで、布部分を鼻及び口に当てることができるが、ゴムの弾性力により耳が痛むことがある。第1の変形例における鉤状部材321にゴムをかけることにより、耳に負担をかけずにマスクを着用することができる。
【0092】
<第5の実施形態>
図13(C)は、第5の実施形態における眼鏡3の右側面図の一例である。第2の変形例における眼鏡支持部材300は、一組の中空の筋状の部材であって、一部が開閉することにより、中空部分に内容物を入れることができる。
【0093】
また、第2の変形例における眼鏡支持部材300は、孔322と、かえし323と、管324とを有する。孔322は、眼鏡支持部材300の外側の面に穿たれた穴であって、眼鏡支持部材300の内部の空気を出し入れすることができる。かえし323は、眼鏡支持部材300の内部に設けられ、内容物が下方向に落ちることを防止する。
図13(C)には、眼鏡支持部材300の内部に入れられたドライアイスdを、かえし323が保持する様子が示されている。
【0094】
管324は、一端が眼鏡支持部材300の中空部分に連結した中空の管である。管324の他端は、使用者の口元に届く位置まで延伸している。使用者は、管324の端をくわえることにより、管324及び眼鏡支持部材300を経由して呼吸することができる。
【0095】
眼鏡支持部材300の内部にドライアイスdを入れ、管324から空気を吹き込むと、ドライアイスdから気化したCO
2が孔322から噴出する。見た目の面白さを演出したい場合に、特に有用である。
【0096】
また例えば、眼鏡支持部材300の内容物から出る気体を吸い込むこともできる。例えば刻みタバコを入れて吸引することもできる。また例えば、固体の薬品を入れることで、気化した薬品を吸引することができる。
【0098】
図16は、第6の実施形態における眼鏡4の斜視図の一例を示す図である。眼鏡4は、眼鏡支持部材400と、眼鏡本体部410と、を有する。眼鏡本体部410は、フロント部411と、腕部412とを有している。
図16に示す腕部412は、モダンとテンプルとが一体となっているが、上述の他の実施形態と同様に、モダンとテンプルとが接続されて腕部412を形成してもよい。眼鏡支持部材400が、頬骨弓当接部401と、頭頂骨支持部402とを有する点は、上述の他の実施形態と同様である。
【0099】
第6の実施形態における腕部412は、固定部材431と、スリット432と、複数の当接部材433と、1又は複数の貫通孔434とを有する。スリット432は、腕部412の長手方向に延伸するよう設けられる。
【0100】
眼鏡支持部材400は、スリット432に貫通する固定部材431により、腕部412の長手方向の任意の位置に固定される。即ち、固定部材431による固定位置を変更することにより、眼鏡本体部410に対する眼鏡支持部材400の前後方向(z方向)の位置を調節することができる。
【0101】
また、固定部材431は、眼鏡支持部材400の有する貫通孔434と、スリット432とを貫通することにより、眼鏡支持部材400を腕部412に固定する。眼鏡支持部材400が複数の貫通孔434を有する場合、固定部材431を異なる貫通孔434に貫通させて固定することにより、眼鏡本体部410に対する眼鏡支持部材400の上下方向の位置を調節することができる。
【0102】
また、眼鏡支持部材403は、幅方向(
図16におけるx軸方向)に突出した複数の当接部材433を内側に有する。当接部材433は、固定部材431の幅方向(内側)の突出高さよりも突出しており、固定部材431が肌に接触することを防ぐ。本例において、内側にネジ頭を有する固定部材431により眼鏡支持部材400を固定するが、ネジ頭が直接肌に触れないよう、ネジ頭(即ち貫通孔434)を挟んで両側に当接部材433が設けられることが望ましい。
【0103】
なお、
図16に示す当接部材433は、眼鏡支持部材400の長手方向に沿って延伸する筋状の部材だが、当接部材433の形状はこれに限定されず、固定部材431が肌に触れるのを防ぐよう突出していればよい。例えば当接部材433は、貫通孔434の両側に連なる連続した複数の突起であってもよい。この場合、眼鏡支持部材400の有する1又は複数の貫通孔434について、1つの貫通孔434を介して一対の突起が向かい合うよう当接部材433を構成してもよい。
【0104】
なお、眼鏡支持部材403は、当接部材433を設ける代わりに、ネジ頭を埋め込める深さの窪みを貫通孔434の周縁に設けてもよい。この場合、眼鏡支持部材403の内側面とネジ頭を構成する面とは、出来るだけ段差のない面一の状態となるよう窪みを設けることが望ましい。
【0105】
なお、腕部412は、スリット432に代えて、長手方向に連続して配置される複数の貫通孔を有していてもよい。異なる貫通孔に固定部材431を貫通させれば、スリット432を用いた場合と同様に、眼鏡支持部材400を腕部412の長手方向の任意の位置に固定させることができる。
【0106】
また、眼鏡支持部材400は、貫通孔434に代えて、スリット432を貫通する突起を有していてもよい。スリット432を貫通した突起に対し、スリット432の幅より大きい直径のナット状又はキャップ状の部材を用いて、眼鏡支持部材400を腕部412に固定させることができる。
【0107】
なお、眼鏡支持部材400は、
図16に示すように腕部412の内側に固定されてもよいし、腕部412の外側に固定されてもよい。
【0108】
図17は、固定部材431の一例を説明するための図である。固定部材431は、ネジ435と、ワッシャー436・438と、カバーパーツ437と、ナット439と、を有する。カバーパーツ437は、腕部412の一部を覆う部材である。
図16及び
図17に示すように、眼鏡支持部材400を腕部412の内側に固定する場合、ネジ435を眼鏡支持部材400の内側からワッシャー436を介して貫通孔434、スリット432、カバーパーツ437の有する貫通孔、の順に貫通させる。カバーパーツ437の有する貫通孔を貫通したネジ435の先にワッシャー438を通し、ナット439を締めることにより、眼鏡支持部材400が腕部412に固定される。
【0109】
図18は、第6の実施形態における眼鏡4の一部の右側面図の一例を示す図である。本図は、ワッシャー438及びナット439の表記を省略している。スリット432が貫通しており、腕部412に対する眼鏡支持部材400の前後方向(z方向)の位置の調整が可能な構造となっている。
【0110】
なお、第6の実施形態における眼鏡4は、眼鏡支持部材400と腕部412との接続部分近傍に重心が来ることが望ましい。フロント部411の近傍に重心のある眼鏡に比べ、眼鏡4を頭部に装着する場合のバランスが良く、眼鏡4を安定して頭部に支持することができる。
【0112】
図19は、第6の実施形態の第1の変形例における眼鏡4の斜視図の一例を示す図である。本変形例における眼鏡支持部材400は、内側に複数の当接部材440を有する。当接部材440は、眼鏡支持部材400の長手方向に連続配置される複数の突起441を有する。
【0113】
当接部材440は、上述の当接部材433と同様に、固定部材431の突出高さよりも幅方向に突出しており、固定部材431が肌に触れるのを防ぐ。突起441は、眼鏡支持部材400の長手方向に連続して配置されることにより、眼鏡支持部材400及び頬骨弓当接部401の位置ずれを防ぐ。突起441は、例えば
図19に示すように、眼鏡4を正面から見た場合に半円形状をしており、こめかみ付近の皮膚及び髪の毛に係止することにより、眼鏡支持部材400が上下方向及び前後方向にずれるのを防ぐ。
【0114】
図20は、第6の実施形態の第1の変形例における眼鏡4の右側面図の一例を示す図である。本変形例におけるスリット432は、テンプル部分にまで延伸している点が、第6の実施形態(
図18参照)と異なる。なお、スリット432の長さは
図18及び
図20に示す例に限定されず、例えば腕部412のうち、フロント部411と反対側の端(
図20における右端)の近傍にまで延伸してもよい。
【0116】
図21は、第6の実施形態の第2の変形例における眼鏡4の斜視図の一例を示す図である。本変形例における眼鏡支持部材400は、開口部422と、装飾部材460とを有する。開口部422は、眼鏡支持部材400の外側面に穿たれた1又は複数の穴であって、眼鏡支持部材400の内部にある空洞と接続しており、空洞内の空気を出し入れすることができる。即ち、開口部422は、上述の第5の実施形態(
図13(C))の孔322と同様の機能を有する。
【0117】
また、本変形例における眼鏡支持部材400は、1又は複数の装飾部材460を有する。装飾部材460は、少なくとも一部に、使用者の頭部に沿うよう湾曲した形状を有する。
図21に示す装飾部材460は、木の葉の形状をしており、主脈付近が頭部に沿うよう内側に湾曲している。
【0118】
なお、
図21に示す装飾部材460は、眼鏡支持部材400の外側面に接続され、使用者の後方に向かって伸びるように設けられている。しかしながら、眼鏡支持部材400に対する装飾部材460の接続位置はこれに限定されず、例えば眼鏡支持部材400の後側面や前側面、又は内側面であってもよい。装飾部材460は、使用者の前方に向かって伸びるよう設けられていてもよい。
【0119】
図22は、第6の実施形態の第2の変形例における眼鏡支持部材400を説明するための図である。本図は、第6の実施形態の第2の変形例における眼鏡4の一部を右斜め後方から見た図の一例である。
【0120】
本図に示す装飾部材460は、適度な厚みを有し、眼鏡支持部材400に食い込むように一体化している。この構成により、頭部との接触面を広くすることができ、摩擦が生じるため、眼鏡支持部材400がずれるのを防ぐことができる。また、眼鏡4の荷重により、装飾部材460には外方向に向かう力が働くが、この構成により、装飾部材460の強度が増加する。
【0121】
なお、
図13(A)に示す第3の実施形態における付属品rは、頭部に接触するよう構成することにより、本例における装飾部材460として機能してもよい。
【0122】
図23は、第6の実施形態の第2の変形例における眼鏡支持部材400の内部を説明するための図である。眼鏡支持部材400は、内部に管状の空洞450を有する。空洞450は、眼鏡支持部材400の外側面に開口する1又は複数の開口部422を有し、開口部422を介して内部の空気が換気される。
【0123】
図23に示す眼鏡支持部材400は、4つの開口部422を有しており、2つの開口部422は頬骨弓当接部401の近傍であって、眼鏡支持部材400の下部近傍に設けられている。また、他の2つの開口部422は、眼鏡支持部材400の頭頂部付近の外側面に設けられている。空洞450は略U字形状であって、開口部422の各々と接続している。例えば、第5の実施形態(
図13(C))と同様に、使用者の口元まで延伸する中空の管(図示せず)を眼鏡支持部材400の下部の開口部422に連結することにより、空洞450及び管を経由して呼吸することができる。
【0124】
なお、管の内部に内容物を入れることにより、内容物から出る気体を使用者が吸い込んだり、開口部422から排出したりすることができるのは、第5の実施形態と同様である。
【0125】
また、
図22における空洞450は、眼鏡支持部材400を腕部412に固定するための貫通孔434とは接続されておらず、空洞450の内部の気体は貫通孔434から輩出されない。しかしながら、空洞450と貫通孔434とが接続されていてもよい。
【0126】
以上、本実施形態に係る眼鏡は、眼鏡支持部材を有することにより、頬骨弓当接部と側頭部との接触面、頭頂骨支持部と頭頂骨との接触面、モダンと耳との接触面、以上3つの面で眼鏡の荷重を適切に分散させることができる。また、頭頂骨支持部により眼鏡を上から支持することができるため、左右両側面のみから頭部を挟持することにより眼鏡を支持する従来技術に比べ、頭部側面に与える負担を軽減することができる。
【0127】
付言すれば、頬骨体部付近まで支持部材が延伸する場合、顔の皮膚への負担を軽減すべく、支持部材を滑らかな形状とするなど、デザイン上の制限を余儀なくされる。頭部を挟持することにより眼鏡を支持するため、眼鏡がずり落ちないように支持部材に凹凸を加えれば、眼鏡を外した際に跡が残るだけでなく、不慮の際に顔の皮膚に傷がつく可能性がある。また、支持部材との接触箇所に汗をかくため、顔の皮膚への負担を考慮する必要がある。
【0128】
本実施形態に係る眼鏡は、頬骨弓当接部が目の近傍にまで延伸するものでないため、形状の自由度が増す。例えば、下方へずり落ちることを防ぐために頬骨弓当接部に凹凸を設けても、より目立たない箇所に頬骨弓当接部が位置するため、外観に与える影響は少ない。
【0129】
特に、本実施形態では、頬骨弓当接部が当接する箇所は、ヘアピン等を留める位置に近いため、髪飾り程度の大きさや太さを採用することもできる。汗をかいた場合でも、顔の皮膚に支持部材が当接する場合に比べ、外観に与える影響を低減することができる。
【0130】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。