(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1嵌合部は、前記枠部に設けられた第1係合突部と、前記蓋部に設けられ前記蓋部が前記開口部を閉塞したときに前記第1係合突部が嵌合して前記蓋部の回動を規制する第1係合凹部とを含み、
前記第2嵌合部は、前記枠部に設けられた第2係合突部と、前記蓋部に設けられ前記蓋部が前記開口部を閉塞したときに前記第2係合突部が嵌合して前記蓋部の回動を規制する第2係合凹部とを含み、
前記蓋部は、前記第1係合凹部よりも回動方向の閉塞側に延出する第1把持部と、前記第2係合凹部よりも回動方向の閉塞側に延出する第2把持部とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の容器。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の容器の実施形態を、
図1ないし
図8を参照して説明する。ここでは、容器が平面視略矩形である場合の例を用いて説明する。
図1は、容器1の外観斜視図である。なお、以下の説明においては、
図1に示す容器1の高さ方向であり鉛直方向をZ方向(Z軸)、平面視したときの容器1の長辺方向(
図1の左右方向)をX方向(X軸)、Z方向およびX方向と直交する方向(短辺方向)をY方向(Y軸)として適宜説明する。
【0015】
図1に示す容器1は、容器本体50と蓋体10とを備えている。容器本体50は、例えば、ポリスチレン等の合成樹脂材で形成されている。容器本体50としては、内容物が視認可能な透明または半透明であっても不透明であってもよい。容器本体50は、収容物の種類によっては紫外線吸収剤を含んでもよい。容器本体50は、例えば、ブロー成形やインジェクション成形によって成形されている。
【0016】
容器本体50は、底壁部60および側壁部70を有している。底壁部60は、側壁部70の−Z側(一端側)にXY平面と平行に配置されている。側壁部70は、底壁部60の周縁から+Z側に立設されている。容器本体50は、底壁部60および側壁部70によって囲まれた収容空間55を有している。側壁部70は、+Z側(他端側)に収容空間55が開口する開口部56を形成している(
図2参照)。
【0017】
図2は、
図1におけるA−A線視断面図(部分断面図)である。
図2に示されるように、側壁部70の+Z側の端部には、XY平面と平行に外側に張り出す張り出し部51が全周に亘って設けられている。
【0018】
図3は、
図1に示した容器1の右側面図である。
図4は、
図3に示す容器1において、蓋部20が開いた状態を示す図である。
図5は、蓋部20の図示を略した容器1の平面図である。
【0019】
図3に示されるように、蓋体10は、蓋部20、枠部40、ヒンジ部30、第1嵌合部60A、60Bおよび第2嵌合部70A、70Bを有している。蓋体10は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材で形成されている。蓋体10は、例えば、インジェクション成形によって一体的に成形されている。
【0020】
枠部40は、側壁部70の+Z側端部に開口部56に沿って全周に亘って結合されている。枠部40は、
図5に示されるように、長辺部48A、48Bと短辺部49A、49Bとを有する平面視略矩形の枠状に形成されている。隣り合う長辺部48A、48Bと短辺部49A、49Bとは、円弧状に湾曲する湾曲部47で接続されている。枠部40は、
図2に示すように、内側壁部41、外側壁部42および上側壁部44とを有している。上側壁部44は、張り出し部51の上方に、側壁部70の内側および外側に跨る長さでXY平面と平行に配置されている。内側壁部41は、上側壁部44の内側端部から−Z側に延出している。外側壁部42は、上側壁部44の外側端部から−Z側に延出し、張り出し部51に外側から嵌合する。外側壁部42は、側壁部70と対向する位置に爪部43が設けられている。爪部43は、−Z側から張り出し部51に係合するものであり、周方向に間隔をあけて複数設けられている。爪部43は、内側(側壁部70)に向かうに従って漸次+Z側に向かう斜面を有している。
【0021】
枠部40は、内側壁部41と外側壁部42との間に側壁部70および張り出し部51が位置した状態で−Z側に相対移動したときに、爪部43の斜面が張り出し部51の外側に摺動しながら外側壁部42が外側に弾性変形する。そして、爪部43が張り出し部51よりも−Z側の位置に達すると、外側壁部42の弾性復元力により爪部43が張り出し部51の−Z側に移動して係合することにより、枠部40と張り出し部51とが結合される。すなわち、枠部40と容器本体50とが結合される。
【0022】
ヒンジ部30は、X軸方向(第1方向)に延びて形成されており、枠部40と蓋部20とを接続している。ヒンジ部30は、枠部40の長辺部48Aの外側に接続されている。ヒンジ部30は、長辺部48Aの長さよりも短い長さに形成されている。ヒンジ部30は、例えば、外側壁部42の−Z側端部に外側壁部42よりも薄く形成されていることにより、ヒンジ部30を支点とする蓋部20の枠部40に対する回動を可能としている。
【0023】
蓋部20は、枠部40と同様に、
図1に示すように、長辺部28A、28Bと短辺部29A、29Bとを有する平面視略矩形に形成されている。隣り合う長辺部28A、28Bと短辺部29A、29Bとは、円弧状に湾曲する湾曲部27で接続されている。蓋部20は、ヒンジ部30を支点としてX軸と平行な軸周りに回動することにより、容器本体50の開口部56を開閉可能である。
【0024】
蓋部20は、天壁部80と外側壁部(側壁)25とを有している。天壁部80は、蓋部20が開口部56を閉塞したときに開口部56と対向する。天壁部80は、平面視で中央部分に配置された平板部21と、平板部21の周囲に配置された湾曲部22と、湾曲部22の周囲に配置された内側壁部24と、内側壁部24の周囲に配置された周辺部23とを有する。内側壁部24は、蓋部20が開口部56を閉塞した際に枠部40の内側壁部41に内側から当接する。周辺部23は、蓋部20が開口部56を閉塞した際に枠部40の上側壁部44と対向する。
【0025】
外側壁部25は、天壁部80の端縁から−Z側に延出し、蓋部20が開口部56を閉塞した際に、枠部40の外側壁部42に外側から当接する。短辺部29A、29Bにおける外側壁部25には、切欠部85が設けられている。切欠部85は、短辺部29A、29Bにおける外側壁部25、すなわち、+X側および−X側に位置する外側壁部25に、Y方向の同一位置に配置されている。
【0026】
切欠部85は、Y方向に関して、第1嵌合部60A、60Bと第2嵌合部70A、70Bとの間に配置されている。切欠部85は、蓋部20のY軸方向(第2方向)の長さが1/2となる位置よりも第1嵌合部60A、60B側の位置に配置されている。すなわち、
図1に示されるように、蓋部20のY軸方向(第2方向)の長さをL1とし、ヒンジ部30側からの切欠部85のY軸方向の位置をL2とすると、切欠部85は、下式(1)を満足する位置に配置されている。
L2>(1/2)×L1 …(1)
【0027】
また、切欠部85は、蓋部20が開口部56を閉塞した際の開口部56側である−Z側に向かうに従って幅が大きくなり、当該開口部56側で開口している。切欠部85は、天板部80に至る長さに形成されている。蓋部20には、一方の切欠部85と他方の切欠部85とを結ぶ方向に配置され、ヒンジ部30側に対する回動先端側(第1嵌合部60A、60B側)の蓋部20の屈曲を容易化する屈曲補助部20aが設けられている。屈曲補助部20aは、天壁部80(すなわち、平板部21、湾曲部22、内側壁部24、および周辺部23)の裏面側(−Z側)に形成された凹溝である。
図6に示されるように、屈曲補助部20aの断面は略半円形状である。屈曲補助部20aの断面形状としては、半円形状に限られず矩形状や三角形状等の他の形状としてもよいが、蓋部20の屈曲時の応力集中を緩和するためには半円等の曲線であることが好ましい。
【0028】
第1嵌合部60A、60Bは、蓋部20の回動先端側の位置で蓋部20と枠部40とを着脱自在に嵌合させる。第1嵌合部60A、60Bは、容器1のX方向の中心を挟んだ略等距離に間隔をあけて配置されている。なお、第1嵌合部60A、60Bの構成は同様であるため、第1嵌合部60Bの構成要素については、図中、第1嵌合部60Aの構成要素の符号に対して「B」の添字を付し、以下では第1嵌合部60Aについてのみ説明する。
【0029】
図6は、
図1におけるB−B線視断面図であり、第1嵌合部60Aの要部詳細図である。第1嵌合部60Aは、第1係合突部46Aと第1係合凹部62Aとを含む。第1係合突部46Aは、枠部40における外側壁部42の長辺部48Bから外側(−Y側)に突出して設けられている。第1係合突部46Aは、−Y側に向かうに従って、漸次−Z側に向かう方向に湾曲する形状に形成されている。
【0030】
第1係合凹部62Aは、蓋部20における外側壁部25の長辺部28Bから−Z側に延出して設けられている。第1係合凹部62Aは、X方向について、第1係合突部46Aと同一位置に配置されている。第1係合凹部62Aは、蓋部20が開口部56を閉塞したときに、第1係合突部46Aと対向する位置に第1係合突部46Aと嵌合する孔部31Aと、孔部31Aの−Z側に延出して配置された第1把持部32Aを有している。第1係合突部46Aが孔部31Aに嵌合することにより、第1係合凹部62Aにおける第1把持部32Aの+Z側の端面が第1係合突部46Aの−Z側の端面と係合する係合面36Aが形成され、開口部56が開放される方向への蓋部20の回動が規制される。
【0031】
第1嵌合部60A、60Bにおける周辺部23の−Z側の面には、リブ14が設けられている。リブ14は、Y方向に延びて内側壁部24と外側壁部25とを接続するものと、X方向に延びるものがそれぞれ間隔をあけて格子状に設けられている。リブ14が設けられていることにより、蓋部20は第1嵌合部60A、60Bが配置された領域の変形が抑制される。
【0032】
第2嵌合部70A、70Bは、切欠部85よりもヒンジ部30側(+Y側)の位置で蓋部20と枠部40とを着脱可能に嵌合させる。
第2嵌合部70Aと第2嵌合部70Bとは、Y軸方向については同一位置に配置され、X軸方向については第2嵌合部70Aは短辺部29A、49Aに配置され、は第2嵌合部70Bは短辺部29B、49Bに配置されている。なお、第2嵌合部70A、70Bの構成は同様であるため、以下では第2嵌合部70Aについてのみ説明する。
【0033】
図7は、
図1におけるC−C線視断面図であり、第2嵌合部70Aの要部詳細図である。第2嵌合部70Aは、第2係合突部26Aと第2係合凹部21Aとを含む。第2係合突部26Aは、枠部40における外側壁部42の短辺部29Aから外側(+X側)に突出して設けられている。第2係合突部26Aは、+X側に向かうに従って、漸次−Z側に向かう方向に湾曲する形状に形成されている。
【0034】
第2係合凹部21Aは、蓋部20における外側壁部25の短辺部29Aに設けられている。第2係合凹部21Aは、蓋部20が開口部56を閉塞したときに、第2係合突部26Aと対向する位置に第2係合突部26Aと嵌合する孔部33Aを有している。孔部33Aよりも−Z側に位置する外側壁部25には、第2把持部34Aが−Z側に突出して設けられている。第2係合突部26Aが孔部33Aに嵌合することにより、第2係合凹部21Aにおける第2把持部34Aの+Z側の端面が第2係合突部26Aの−Z側の端面と係合する係合面35Aが形成され、開口部56が開放される方向への蓋部20の回動が規制される。係合面35AのZ方向の位置は、第1嵌合部60Aにおける係合面36AのZ方向の位置よりも+Z側であることが好ましいが、その位置は同等でも同様の機能を有する。
【0035】
次に、上記構成の容器1の作用について説明する。
容器1において、開口部56を閉塞するには、例えば、
図4に示される開放状態の蓋部20を操作して、ヒンジ部30を支点として反時計回り方向に回動する。蓋部20の回動により、回動中心であるヒンジ部30に近く、蓋部20と枠部40との回動方向の距離が第1嵌合部60A、60Bよりも短い第2嵌合部70A、70Bが先に嵌合を始める。
【0036】
すなわち、第2嵌合部70A、70Bの外側壁部25のうち、孔部33A、33Bよりも−Z側に位置する第2把持部34A、34Bが、蓋部20の回動が進むのに従って第2係合突部26A、26Bとそれぞれ当接し、第2係合突部26A、26Bの湾曲形状に沿って外側に弾性変形して撓む。さらに蓋部20の回動が進み第2係合突部26A、26Bと孔部33A、33Bとが対向する位置に達すると、弾性復元力により第2把持部34A、34Bが内側に移動して第2係合突部26A、26Bが孔部33A、33Bにそれぞれ嵌合する。これにより、第2嵌合部70A、70Bにおいて、開口部56が開放される方向への蓋部20の回動が規制される。
【0037】
また、第2嵌合部70A、70Bにおいて、第2把持部34A、34Bが第2係合突部26A、26Bとそれぞれ当接した後に、第1嵌合部60A、60Bにおいては、孔部31A、31Bよりも−Z側に位置する第1把持部32A、32Bが、蓋部20の回動が進むのに従って第1係合突部46A、46Bとそれぞれ当接し、第1係合突部46A、46Bの湾曲形状に沿って外側に弾性変形して撓む。さらに蓋部20の回動が進み第1係合突部46A、46Bと孔部31A、31Bとが対向する位置に達すると、弾性復元力により第1把持部32A、32Bが内側に移動して第1係合突部46A、46Bが孔部31A、31Bにそれぞれ嵌合する。これにより、第1嵌合部60A、60Bにおいて、開口部56が開放される方向への蓋部20の回動が規制される。
【0038】
第2嵌合部70A、70Bにおける周辺部23の−Z側の面には、リブ15が設けられている。リブ15は、X方向に延びて内側壁部24と外側壁部25とを接続するものと、Y方向に延びるものがそれぞれ間隔をあけて格子状に設けられている。リブ15が設けられていることにより、蓋部20は第2嵌合部70A、70Bが配置された領域の変形が抑制される。
【0039】
ここで、蓋部20の回動を第1嵌合部60A、60Bの近傍を操作して行う場合、第2嵌合部70A、70Bが蓋部20のY軸方向の長さが1/2となる位置よりもヒンジ部30側ではなく回動先端側に配置されていると、第2嵌合部70A、70Bは、回動操作部およびヒンジ部30の両方から離れた位置となる。そのため、第2把持部34A、34Bと第2係合突部26A、26Bとの当接による抵抗で、第2嵌合部70A、70Bの位置において回動方向とは逆側への蓋部20の撓みが大きくなる。その結果、第1嵌合部60A、60Bにおいて第1係合突部46A、46Bと孔部31A、31Bとの嵌合が完了しても第2嵌合部70A、70Bにおいて第2係合突部26A、26Bと孔部33A、33Bとの嵌合が完了せず、蓋部20による開口部56の閉塞(密封性)が不十分の状態となる可能性がある。
【0040】
これに対して、本実施形態では、第2嵌合部70A、70Bが蓋部20のY軸方向の長さが1/2となる位置よりもヒンジ部30側に配置されヒンジ部30との距離が短くなっているため、第2把持部34A、34Bと第2係合突部26A、26Bとの当接時に生じる第2嵌合部70A、70Bの位置における回動方向とは逆側への蓋部20の撓みが小さくなる。そのため、第1嵌合部60A、60Bにおいて第1係合突部46A、46Bと孔部31A、31Bとの嵌合が完了したときに、第2嵌合部70A、70Bにおいても第2係合突部26A、26Bと孔部33A、33Bとの嵌合が完了し、蓋部20による開口部56の閉塞が完了する。
【0041】
容器1において、開口部56を開放するには、第1嵌合部60A、60Bにおける第1把持部32A、32Bを把持して外側に撓ませて、第1係合突部46A、46Bと孔部31A、31Bとの嵌合を解除させつつ、ヒンジ部30を中心にして蓋部20を
図3における時計回り方向に回動させる。
【0042】
ここで、外側壁部25には切欠部85が設けられ、天壁部80には、屈曲補助部20aが設けられているため、蓋部20は切欠部85が設けられた位置の曲げ強度が他の位置よりも小さくなっている。そのため、第1把持部32A、32Bを把持して蓋部20を回動させると、
図8に示すように、蓋部20は、回動先端側(−Y側)がヒンジ部30側に対して切欠部85が設けられた位置において屈曲補助部20aを屈曲線として屈曲する。そのため、第1把持部32A、32Bを把持して蓋部20を回動させるために付与した力が第2嵌合部70A、70Bに伝わりづらくなる。従って、蓋部20を回動させて開口部56を開放するためには、第1嵌合部60A、60Bにおける嵌合を解除した後に、あらためて第2嵌合部70A、70Bにおける第2把持部34A、34Bを把持して外側に撓ませて、第2係合突部26A、26Bと孔部33A、33Bとの嵌合を解除する。これにより、第1嵌合部60A、60Bおよび第2係合突部26A、26Bにおける嵌合が解除されるため、蓋部20を回動させて開口部56を開放することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の容器1は、第1嵌合部60A、60Bおよび第2嵌合部70A、70Bに対する嵌合解除を、一貫した連続的な作業で行うことができず、開口部56を開放するためには手間が掛かってしまうため、子供では容易に開封することができずチャイルドプルーフとして機能することになる。また、本実施形態の容器1は、切欠部85が第1嵌合部60A、60B側に設けられているため、仮に蓋部20が切欠部85を介して開口しても、手指で容器本体50内に収容された内容物を取り出し難くすることができる。
【0044】
また、本実施形態の容器1では、蓋部20のY軸方向の長さが1/2となる位置よりもヒンジ部30側に切欠部85が設けられているため、第1嵌合部60A、60Bにおける第1把持部32A、32Bと切欠部85との距離が長くなり、開口部56を開放する際に蓋部20の天壁部80を撓みやすくできる。そのため、本実施形態の容器1では、さらに子供では容易に開封することができなくなる。また、本実施形態の容器1では、第2嵌合部70A、70Bも蓋部20のY軸方向の長さが1/2となる位置よりもヒンジ部30側に位置することになり、開口部56の開閉を確実に行って容器1の密封性を確保しつつ、容易に開封ができないチャイルドプルーフに対応させることができる。
【0045】
また、本実施形態の容器1では、第2嵌合部70A、70Bが第1嵌合部60A、60Bよりも+Z側に配置されているため、第1嵌合部60A、60Bよりも先に第2嵌合部70A、70Bにおける嵌合動作を開始させることができ、より確実に蓋部20によって開口部56を閉塞することができる。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態では、切欠部85を短辺部29A、29Bにおける外側壁部25にそれぞれ一つずつ設ける構成としたが、各辺部に一つ以上設ける構成であってもよい。また、短辺部29A、29Bではなく長辺部28A、28Bに設けることにより、長辺部28A、28Bにおける外側壁部25が撓むことにより開封に手間が掛かる構成としてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、切欠部85を第1嵌合部60A、60B側に設ける構成を例示したが、これに限られるものではなく、ヒンジ部30側に設ける構成としてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、屈曲補助部20aが凹溝である構成を例示したが、この構成に限定されず、凸形状や凹形状のリブや、X方向に延びる連続的に、あるいは間欠的に設けられた薄肉部としてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、枠部40に第1係合突部46A、46Bおよび第2係合突部26A、26Bが設けられ、蓋部20に第1係合凹部62A、62Bおよび第2係合凹部21A、21が設けられる構成を例示したが、これに限定されるものではなく、枠部40に第1係合凹部62A、62Bおよび第2係合凹部21A、21が設けられ、蓋部20に第1係合突部46A、46Bおよび第2係合突部26A、26Bが設けられる構成であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、長辺部48A、48Bおよび長辺部28A、28Bにヒンジ部30および第1嵌合部60A、60Bが設けられ、短辺部49A、49Bおよび短辺部29A、29Bに第2嵌合部70A、70Bが設けられる構成を例示したが、この構成の他に、長辺部48A、48Bおよび長辺部28A、28Bに第2嵌合部70A、70Bが設けられ、短辺部49A、49Bおよび短辺部29A、29Bにヒンジ部30および第1嵌合部60A、60Bが設けられる構成であってもよい。
【0052】
また、第2嵌合部70A、70Bとしては、ヒンジ部30に近い側の湾曲部27、47に少なくとも一部が配置される構成であってもよい。湾曲部27、47は、直線部と比較して曲げ強度が大きいため、蓋部20の回動による開口部56の閉塞動作に生じる撓みを小さくすることができ、蓋部20の回動による開口部56の閉塞をより確実に行うことが可能となる。
【0053】
また、上記実施形態では、容器1が平面視矩形状である構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば、平面視円形状、平面視楕円形状、平面視長円形状等の他の形状である構成としてもよい。容器1が平面視矩形状の他の形状である場合でも、第1嵌合部60A、60Bをヒンジ部30を支点とする回動先端側に設け、第2嵌合部70A、70Bを蓋部20の長さが1/2となる位置よりもヒンジ部30側の位置に設ければよい。
【0054】
また、上記実施形態では、第2嵌合部は短辺部29A、49Aおよび29B、49Bの双方に設けているが、片側一方のみでもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、蓋部20、枠部40、およびヒンジ部30を一体的に成形する構成を例示したが、この構成の他に蓋部20と枠部40とを個別に成形したヒンジ構造としてもよい。
【0056】
上記実施形態で示した容器1としては、収容空間55に小分けした洗剤を収容する容器の他に、食品用の容器にも適用可能である。