【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、請求項1に係る方法と、請求項12に係るシステムとによって達成される。
【0009】
本方法に従うと、販売組織によりテクツタイルツールの種類に名称が付与され、これは説明的な名称であることが多い。この名称は、販売組織での材料フロー(material flow)を反映したソフトウェアシステム内に保持されることが多々ある。
【0010】
取引先により開始された注文プロセスの結果として、ある数量のテクスタイルツール(a quantity of textile tools)にラベルが付与されるが、それは名称とは異なるものである。更に、名称は、好都合なことにこのラベルから認識できず、ラベルが電子的に読まれても初めは明らかにならない。それよりも、このラベルは、当の取引先、当の注文、当の工場、及び/又は、当のテクスタイルツールの一群(batch)に特化している。このラベルは、ツールユーザ及び販売組織によって、より一層受け入れられることが多い。
【0011】
言及したある数量のテクスタイルツールはツールユーザへ発送され、このことは、通常、販売組織により責務を果たすように雇われた人物によって請け負われる。上述したソフトウェアシステムは、ここで大抵は役割を実行する:取引先の住所、注文番号、及び大抵は発送の詳細の、提供が自動で行われる。
【0012】
配達を目的として、販売組織の特別な配達サービスや商業用の郵便制度、或いは、このサービスを実行するためにビジネスパートナーにより採用された別の出荷サービスを利用できる。輸送及び/又は配達の間、少なくとも1つのラベルが、ある数量のテクスタイルツールに伴われ、又はそこへ付着される。販売組織は、ツールユーザが情報媒体にアクセスすることを承認する。この情報媒体上では、ある数量のテクスタイルツールに関する情報が、ラベル、すなわち、ラベル上の識別コードへ割り当てられている。上記で既に説明したように、この情報は、ツールの仕様(寸法、ツールの性質、ツールの材料、先端やフックの形状、又は、ツールの要求された使用についての情報であってもよい)で構成されている。
【0013】
ツールユーザ及び販売組織は、通常、責務を果たすように雇われた複数の従業員及び/又は人物を有する企業である。従って、原則として、ツールユーザは、販売組織により彼に与えられた情報キャリアへのアクセスを、責務を果たすように雇われた彼の従業員及び/又は人物のうちの何人かに付与するだけである。アクセスは、コードやパスワードの伝達によって承諾されるが、チップ、DVD、又はスティック(すなわち、電子データの格納手段)の形態や、ハードコピーの形態で有り得る情報媒体が、ツールユーザへ引き渡されるケースもある。これについての更なる詳細は、後に掲載している。限られたカテゴリの人物のみに、情報媒体へアクセスするための異なるレベルの権限を認めることは、ツールユーザにとって、更には販売組織にとっても頻繁に、適切であることが多い。
【0014】
業務の期間及び状況、価格、及び、ある数量のテクスタイルツールに関する類似の情報が、情報媒体に格納されていてもよい。一般的に言えば、販売組織によって初めに付与される名称は、組織内での名称であってもよく、必ずしもある数量のテクスタイルツールに取り付けられる(attached to)必要はない。原則として、ラベルが名称を含んでいない場合、及び、ラベルが名称をイメージさせるものではない場合は、好都合である。ある数量のテクスタイルツールにラベルを付着する場合は、得策であり好都合である。原則として、「ある数量のテクスタイルツール」という用語は、あらゆるタイプの多くのツールを示している。
【0015】
異なるあらゆるタイプのある数量のツールが、販売組織によって異なるツールユーザへ有利に供給される。更に、ここでは、少なくとも、様々なある数量のこのツールタイプが、販売組織で同じ名称で通っている場合も好都合である。しかしながら、代わりに又は加えて、材料フローを監視するためのソフトウェアを備えた販売組織が、ソフトウェアシステム内で、名称としてサブディレクトリへの参照を利用してもよい。この場合、様々なツールユーザ向けのラベルが、このサブディレクトリ内に記録されていなければならない。
【0016】
しかしながら、1つのタイプの全てのツールが、同じ名称で通っている場合も好都合である。これに関連して、異なるラベルを備えて異なる取引先へ供給されるある数量のツールを提供することは、更に有益である。ここで、それは意図された国固有の種々の製品名称(種々の言語)ではないが、それらのラベルが取引先によって異なるかもしれず、異なるべきであることは、強調しなければならない。
【0017】
本発明の目的について、ある数量のテクスタイルツールは、ラベルが取り付けられた1つのテクスタイルツールであってもよい。しかしながら、ある数量のテクスタイルツールは、ラベルが取り付けられた一群のテクスタイルツールであってもよい。幾つかのテクスタイルツールをパッケージで輸送することも、頻繁に行われる。この場合、パッケージにラベルを取り付けると好都合である。
【0018】
テクスタイルツールは、大抵、取引先の特有の要求を満たすように製造される。この場合、技術試験や協議の後に、販売組織は、テクスタイルツールをツールユーザへ提案するか、或いは、新しいツールの開発又は既存のツールの改造を引き受けさえする。続いて、2つのパートナーの一方が、このツールタイプのラベルを提案することが多い。
【0019】
情報媒体は、種々のラベルが付与された様々な種類の針の情報を、好適に含んでいる。様々な種類の針に関する情報が、ラベルへ割り当てられるため、ラベルにより針の情報が確認可能(locatable)になる。
【0020】
情報媒体は、ハードコピーであってもよい。それは表を含むか、又は表が添付されている。しかしながら、原則として、情報媒体は、電気的又は電子的に読み取り可能なものである。これに関して、ラベルが電子読み取り可能な識別コードを含んでいると好都合であり、情報媒体上の情報は、この識別コードを経て検出できる。特に、情報媒体が一般的に利用可能な情報手段(電子及び電気の通信手段)を経て接触可能なケースでは、情報媒体を暗号化するか、或いは、コードやパスワードの所有者のみに利用可能に構成すると、好都合である。
【0021】
情報媒体が、ツールユーザ及び販売組織の双方によって情報が提供され得る、バーチャルデータルームの一種であっても好適である。そのような情報は、ツールユーザの織物製品についての製造プロセスに関係するものであってもよい。ツールユーザと販売組織との間の、商取引の合意に関するデータであっても好適である。それらの中には、取引の価格及び条件がある。識別コードとして、可能な限り(all possible)自動で読み取り可能な情報媒体を考慮してもよい。
【0022】
例えば、本発明の方法は、以下の通り要約できる。
【0023】
第1項:テクスタイルツールに関する情報(9、12)を、ツール販売組織(1)からツールユーザ(2)へ伝達する方法であって、該方法は、
ツール販売組織のコンピュータ装置により、注文プロセス(4)を受けること、
該注文プロセス(4)を受けたことに応じて、パッケージ(6)の中身に特化した情報を含む注文の特定情報(9、12)へのアクセスを許容するように構成された識別コード(15)を、テクスタイルツールのパッケージ(6)に対して識別装置(27)によりマークすること、
前記パッケージ(6)についての前記注文の特定情報(9、12)の、少なくとも一部への要求を、情報媒体装置(10)によりツールユーザのコンピュータ装置から受信し、前記要求には、電子読み取り装置(13)による前記識別コードの電子読み取りから得られる情報が含まれていること、
前記要求と、前記ツールユーザのコンピュータ装置のユーザが、前記パッケージ(6)についての前記注文の特定情報(9、12)の、少なくとも一部へのアクセスを許容されていることを示す認可情報とを、受信したことに応じて、前記注文の特定情報(9、12)の少なくとも一部を、前記ツールユーザのコンピュータ装置を介して、前記ツールユーザに対して提供すること、を含んでいる。
【0024】
第2項:上記第1項の方法において、
更に、注文プロセス(4)を受けたことに応じて、前記ツール販売組織のコンピュータ装置により、前記注文の特定情報(9、12)を生成することを含んでいる。
第3項:上記第2項の方法において、
前記注文の特定情報(9、12)の生成は、種々の注文プロセス(4)に固有の注文の特定情報(9、12)を生成することを含んでいる。
第4項:上記第1項から第3項の何れか1項の方法において、
前記パッケージ(6)へマークすることは、種々の注文プロセス(4)に応じて準備したパッケージ(6)に対して、異なる識別コード(15)をマークすることを含んでいる。
第5項:上記第1項から第4項の何れか1項の方法において、
更に、前記認可情報が有効であるか否かを、前記情報媒体装置(10)により判定すること、及び、前記認可情報が有効であることの判定に対する応答において、前記認可情報に応じて、前記注文の特定情報(9、12)の少なくとも一部へのアクセスを、前記情報媒体装置(10)によりもたらすこと、を含み、アクセスは、種々の認可情報の受け取りに応じて、前記注文の特定情報(9、12)の種々の特徴(aspects)に提供される。
【0025】
販売組織がテクスタイルツールの情報をツールユーザに伝達できるようにする有利なシステムは、以下の特徴を含んでいる。
【0026】
販売組織内の材料フローを反映しているソフトウェアシステムは、しばしば現場にあり(in place)、それは種々のツールタイプに名称を割り当てる。それらの名称は、販売組織の外部にも知られた説明的な名称であることが多い。
【0027】
この或いは別のソフトウェアシステムが、ツールユーザからの注文を記録するものであると有利である。原則として、それらの注文は、SAPやOracleといった業務用システムで管理される。
【0028】
販売組織は、ある数量のテクスタイルツールにラベルを付与することができる識別装置を、効果的に有している。
【0029】
識別装置がソフトウェアシステムによって作動可能であり、ある数量のテクスタイルツールに、電子読み取り可能な識別コードを含むが前記の名称は含まないラベルを提供するように、ソフトウェアシステムが識別装置を促すならば、追加の利点が得られる。この目的のため、ソフトウェアシステムは、通常、販売組織及び/又はツールユーザにより選択されたラベルを付与するようにプログラムされる。
【0030】
原則として、テクスタイルツールの販売組織は、発送部門や自動化された発送設備を備えている。それらは、大抵、材料フローを反映したソフトウェアシステムから発送されることとなる、ある数量のテクスタイルツールに関する情報を受信する。
【0031】
この種の販売組織は、テクスタイルツールの配達に、内部又は外部の郵送及び/又は配達サービスを利用し、その選択は、本発明の目的の課題ではない。発送の間、ある数量の織物用品と共にラベルが運ばれる。更に、システムは、ツールユーザに利用可能に作られた情報媒体も含んでいる。ある数量のテクスタイルツールについての情報は、この情報媒体に置かれ、上述のある数量のテクスタイルツール用の識別コードに割り当てられるため、識別コードによって情報の読み取りが可能になる。
【0032】
情報媒体は、ツールユーザのコンピュータシステムの一部であってもよい。しかしながら、原則として、情報媒体がツールユーザ及び販売組織にとってアクセス可能であれば有利である。この目的のため、情報媒体は、ツールユーザ又は販売組織のウェブサイトであってもよい。代替的に又は付加的に、情報媒体への情報の提供や情報媒体からの情報の読み出しを許容する、ポータルソリューション(portal solution)として知られるものを使用すると好都合である。
【0033】
第三者が特に情報媒体へアクセスすることを防止するように、パスワード、コード、或いは、ツールユーザと販売組織との間の専用回線によっても、情報媒体を保護すると有利である。ツールユーザ及び/又は販売組織の企業の内部に、多様な度合いの権限を設置するか、或いは、権限を設置しないことによって、追加の利点が得られる。それらの方法は、(必要ならば種々の)コードの付与や、種々の企業のITシステム内の、階層や権限のレベルの付与によって試みられてもよい。それらの方法は、恐らくツールユーザの合意のもとで、販売組織によりもたらされてもよい。しかしながら、ツールユーザがアクセス権限(及び、場合によっては書き込み権限)を自律的に付与することができるように、情報媒体へのアクセスを設定することもはっきりと考えられる。
【0034】
ツールユーザが、識別コードについての少なくとも1つの読み出し装置を有していると、更に好都合である。この読み出し装置は、完全に自動的に機能してもよい。有利には、それは、情報媒体との接点、及び、場合によっては件の情報との直接的な接点を、自動的に確立してもよい。