(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口部の直径は、前記開口部から放射若しくは検出されるテラヘルツ波の波長の0.1倍〜数倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ素子モジュール。
前記能動素子は、共鳴トンネルダイオード、タンネットダイオード、インパットダイオード、GaAs系電界効果トランジスタ、GaN系FET、高電子移動度トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、若しくはCMOSFETのいずれかを備えることを特徴とする請求項9〜17のいずれか1項に記載のテラヘルツ素子モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールの模式的上面図。
【
図2】(a)
図1のI−I線に沿う模式的断面構造図(リードピン20A・20Kを用いる例)、(b)
図1のI−I線に沿う模式的断面構造図(リードピン20A・20Kを用いない例)。
【
図3】(a)実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の模式的平面パターン構成図、(b)
図3(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図。
【
図4】(a)実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに適用可能な能動素子の模式的断面構造図、(b)実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに適用可能な能動素子の別の模式的断面構造図。
【
図5】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の詳細な平面パターン構成図。
【
図7】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の等価回路構成図。
【
図8】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子のデバイス表面顕微鏡写真例。
【
図9】
図8の拡大されたデバイス表面顕微鏡写真例。
【
図10】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の発振周波数特性。
【
図11】(a)ダイポールアンテナ計算モデルに用いた実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の模式的鳥瞰図、(b)フィード線およびパッド電極を含むダイポールアンテナ計算モデルに用いた実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の模式的鳥瞰図。
【
図12】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールに搭載可能なテラヘルツ素子の放射パターンであって、(a)発振周波数300GHzにおけるシミュレーション結果、(b)発振周波数320GHzにおけるシミュレーション結果。
【
図13】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とサブマウント高さhとの関係。
【
図14】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、サブマウントとテラヘルツ素子の配置構成を示す模式的上面図。
【
図15】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、(a)X軸に沿い、パッケージステムに対して垂直面で切断した模式的断面構造図、(b)Y軸に沿い、パッケージステムに対して垂直面で切断した模式的断面構造図。
【
図16】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、(a)X軸に平行な面におけるHFSS電磁界シミュレーションの説明図、(b)X軸に平行な面における高周波3次元電磁界シミュレータ(HFSS)による電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)。
【
図17】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、(a)Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーションの説明図、(b)Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)。
【
図18】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1000μm)。
【
図19】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1000μm)。
【
図20】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)。
【
図21】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)。
【
図22】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)。
【
図23】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)。
【
図24】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=400μm)。
【
図25】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=400μm)。
【
図26】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、キャップの有無による相対強度比とサブマウント高さhとの関係。
【
図27】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とサブマウント高さhおよびガラスからの距離Dとの関係。
【
図28】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)。
【
図29】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)。
【
図30】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)。
【
図31】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、サブマウント16上に配置されるテラヘルツ素子の平面内位置による変位dx、dyを説明する上面図。
【
図32】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とX軸方向の変位dxとの関係を説明する図。
【
図33】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とY軸方向の変位dyとの関係を説明する図。
【
図34】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とガラス直径Wとの関係を説明する図。
【
図35】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=1200μm)。
【
図36】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=1600μm)。
【
図37】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールにおいて、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=2000μm)。
【
図38】実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールを送信器および受信器として機能させた送受信動作を説明する模式的断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本実施の形態を説明する。以下において、同じブロックまたは要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
(テラヘルツ素子モジュール)
図1・
図2は、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100を示した図である。
【0014】
図2(a)は、
図1のI−I線に沿う模式的断面構造であり、テラヘルツ素子モジュール100がリードピン20A・20Kを用いた例を示した図である。
図2(b)は、
図1のI−I線に沿う模式的断面構造であり、テラヘルツ素子モジュール100がリードピン20A・20Kを用いていない例を示した図である。
【0015】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100は、
図1及び
図2(a)・
図2(b)に示すように、基板としてのパッケージステム10と、サブマウント16と、テラヘルツ素子30と、キャップ12と、封止材14とを備える。
【0016】
パッケージステム10は、表面と裏面とを備えており、例えば、Fe、FeNi、ガラス、またはこれらの組み合せ等から構成されている。パッケージステム10の形状は、表面と垂直の方向(以下「上面」)から見て、円形状であり、例えば、直径は、5.6mmである。ただし、パッケージステム10の上面から見た形状は、円形状に限られず、矩形であっても良いし、これらに限定されない。なお、パッケージステム10は、例えば表面から裏面に貫通して設けられたリードピン20A・20Kを備えていても良い。
【0017】
サブマウント16は、パッケージステム10の表面上に形成されており、例えば接着剤を介してパッケージステム10の表面に接着されて形成されている。サブマウント16は、例えば、窒化アルミニウム、アルミナ等の絶縁材料から構成されている。サブマウント16の上面から見た形状は、円形状であり、例えば、約1mmである。ただし、サブマウント16の上面から見た形状は、円形状に限られず、直方体であってもよいし、これに限られない。なお、サブマウント16は形成されていなくても良い。言い換えれば、テラヘルツパッケージ100は、サブマウント16を有していなくても良い。また、サブマウントの高さhの値は、例えば約200μm〜1500μm程度であっても良い。
【0018】
テラヘルツ素子30は、表面と裏面とを備えており、サブマウント16の表面上において裏面がサブマウント16の表面と対向して形成されている。テラヘルツ素子30は、例えば接着剤を介してパッケージステム10の表面に接着されて形成されている。テラヘルツ素子30は、自己の表面から電磁波を発振することで自己の表面上に向かうテラヘルツ波を放射する面発光放射型、又は自己の表面にテラヘルツ波を受信する面受信型である。
【0019】
テラヘルツ素子30は、リードピン20Aとリードピン20Kとを備えている場合には、テラヘルツ素子30のアノード電極Aがボンディングワイヤ18Aを介してリードピン20Aと接続され、テラヘルツ素子30のカソード電極Kがワイヤボンディング18Kを介してリードピン20Kはと接続されていても良い。また、リードピン20Aとリードピン20Kとを備えていない場合には、テラヘルツ素子30は、裏面に図示しない外部端子を備えた構成となっていてもよく、この場合には、該外部端子を介してパッケージステム10の表面に形成された図示しない配線や端子等と電気的に接続されていても良い。
【0020】
ここで、例えば、ボンディングワイヤ18A・18Kは、テラヘルツ素子30のアノード電極A・カソード電極Kに接続され、リードピン20A・20Kは、それぞれアノード端子・カソード端子として適用可能である。
【0021】
なお、テラヘルツ素子30は、テラヘルツ素子モジュール100がサブマウント16を有していない場合には、パッケージステム10の表面上に直接的に形成されていても良いが、テラヘルツ素子モジュール100はサブマウント16を有していることが好ましい。テラヘルツ素子モジュール100がサブマウント16を有していることで、パッケージステム10からテラヘルツ素子30に伝わる外部からの電気的干渉を抑制することができる。
【0022】
キャップ12は、パッケージステム10の表面上に、サブマウント16とテラヘルツ素子30とを覆いかつ少なくともテラヘルツ素子30から離間して形成されており、例えばFeNi合金をベースに表面がAuめっき加工されている。キャップ12は、筒形状であり一端がパッケージステム10の表面と接続された側壁部12Sと、側壁部12Sの他端と接続されて、パッケージステム10の表面と平行であり、テラヘルツ素子30の表面と対向する位置であって上面から見て少なくともテラヘルツ素子30に対応する位置が開口された天井部12TOPとを備えている。ここで、該開口を開口部OPと称する。開口部OPは、円形状であり、その直径を直径Wと称する。直径Wの値は、例えば、1200μm、1600μm、2000μm、2400μmなどに選定可能であり、これらに限られない。キャップ12は、例えば〜から構成されているが、これに限られない。また、キャップ12は、上記に限られず種々金属を適用可能である。なお、ここで、キャップ12のパッケージステム10の表面から天井部12TOPの上面までの高さを高さHと称する。高さHは、例えば約2300μm程度である。
【0023】
また、開口部OPの直径Wは、開口部OPから放射若しくは検出されるテラヘルツ波の波長0.1倍〜数倍であっても良い。さらに、開口部OPの直径Wは、開口部OPから放射若しくは検出されるテラヘルツ波の波長と実質的に等しい、およそ1mmに設定されていても良い。
【0024】
また、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100は、
図1及び
図2(a)・
図2(b)に示すように、パッケージステム10上に配置され、テラヘルツ素子30を搭載するサブマウント16を備え、サブマウント16の高さは、開口部OPから放射若しくは検出されるテラヘルツ波の波長の0.2倍〜1.5倍程度であることが望ましい。
【0025】
封止材14は、キャップ12の天井部12TOPの裏面側から開口部OPを覆って形成されている。封止材14は、例えば天井部12TOPの一部に接着剤を介して接着されている。封止材14は、例えばガラス基板であるが、これに限られずシリコン基板でも良く、その他〜の透過性を有する基板であれば種々適用可能である。封止材14は、アンテナとして機能し、開口部からテラヘルツ波の放射若しくは検出が可能である。ここで、封止材14の厚さを厚さTと称する。また、封止材14からテラヘルツ素子30までの距離を距離Dと称する。なお、距離Dは、テラヘルツ素子30の基板厚さがサブマウント16の厚さに比べて十分に小さいことから、封止材14からサブマウント16表面までの距離と実質的に同等である。
【0026】
ここで、本実施形態におけるテラヘルツ素子モジュール100におけるテラヘルツ素子30の表面から封止材14までの距離Dは、テラヘルツ素子30から放射されるテラヘルツ波によって生じる電界が、テラヘルツ素子30の表面から封止材14まで途切れずに達するニアフィールド以下、すなわち、テラヘルツ素子30から放射されるテラヘルツ波の1波長よりも短い距離に設定されている。これにより、テラヘルツ素子30から放射されるテラヘルツ波が、封止材14から反射することで発生するキャップ12内における乱反射を抑制することができる。
【0027】
以上のように構成されたテラヘルツパッケージ100は、下記の特徴を備えていても良い。
【0028】
また、後述するシミュレーション結果(
図27)より、パッケージステム10上に配置されるサブマウント16から封止材14までの距離Dは、開口部から放射若しくは検出されるテラヘルツ波の波長の1/2以下であることが望ましい。
【0029】
開口径1mm程度のパッケージは、半導体レーザで一般的に良く使われている。一方、テラヘルツ波は、半導体レーザに比べて波長が数100倍〜1000倍程度長い。つまり、本実施の形態においては、半導体レーザで一般的に良く使われている開口径1mm程度と同程度のパッケージを使用することが可能である。
【0030】
すなわち、実施の形態によれば、半導体レーザに比べて波長が数100倍〜1000倍程度長いテラヘルツ素子を搭載可能な、例えば、開口部の直径W=1mm程度のテラヘルツ素子モジュール100を提供可能である。
【0031】
以上、実施形態にかかるテラヘルツ素子モジュール100によれば、テラヘルツ素子30の表面から封止材14までの距離Dは、テラヘルツ素子30から放射されるテラヘルツ波の強度が最大時の電界がテラヘルツ素子30の表面から封止材14まで途切れずに達するニアフィールド以下の距離に設定されている。このため、キャップ12の開口部OPから効率良くテラヘルツ波の放射および検出可能となる。
【0032】
(テラヘルツ素子)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に搭載可能なテラヘルツ素子30の模式的平面パターン構成は、
図3(a)に示すように表され、
図3(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、
図3(b)に示すように表される。
【0033】
また、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に適用可能な能動素子90の模式的断面構造は、
図4(a)に示すように表され、別の模式的断面構造は、
図4(b)に示すように表される。能動素子90の詳細については後述する。
【0034】
(テラヘルツ発振素子)
テラヘルツ発振素子として動作可能なテラヘルツ素子30は、
図3(a)・
図3(b)に示すように、半導体基板1と、半導体基板1上に配置された第1の半導体層91aと、第1の半導体層91a上に積層化形成された能動素子90と、第1の半導体層91aに接続されて能動素子90の主電極の一方に接続され、かつ半導体基板1上に配置された第2の電極2と、能動素子90の主電極の他方に接続され、かつ半導体基板1上に第2の電極2に対向して配置された第1の電極4とを備え、サブマウント16上に搭載される。ここで、能動素子90は、第2の電極2と第1の電極4間において共振器を形成し、放射された電磁波は、サブマウント16に反射されて、半導体基板1に対して垂直方向の面発光放射パターンを有する。ここで、図示は省略されているが、サブマウント16上には金属層が配置されており、テラヘルツ素子30の半導体基板1は、この金属層上に配置される。
【0035】
また、テラヘルツ素子30は、
図3(a)に示すように、第1の電極4および第2の電極2は、ダイポールアンテナを備えていても良い。
【0036】
テラヘルツ素子30の詳細な平面パターン構成は、
図5に示すように表され、
図5における寄生素子パラメータの説明は、
図6に示すように表される。
【0037】
また、テラヘルツ素子30の等価回路構成は、
図7に示すように表される。
【0038】
テラヘルツ素子30は、
図5・
図6に示すように、ダイポールアンテナに接続された第1フィード線40Fおよび第2フィード線20Fと、第1フィード線40Fおよび第2フィード線20Fに接続された第1パッド電極40Pおよび第2パッド電極20Pとを備えていても良い。
【0039】
また、
図5・
図6に示すように、第1パッド電極40Pと第2パッド電極20Pとの間に接続されたMIMリフレクタ50を備えていても良い。パッド電極20P・40Pの一部分を絶縁層を介して積層化することで、MIMリフレクタ50が形成可能である。
【0040】
また、
図3(a)・
図5・
図6に示すように、第1の電極4と第2の電極2間に接続された抵抗素子114を備えていてもい良い。ここで、抵抗素子114は、金属配線を備えていても良い。例えば、金属配線は、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、若しくは白金(Pt)を備えていても良い。
【0041】
また、テラヘルツ素子30において、能動素子90は、マルチチップ化して配置されていても良い。
【0042】
また、テラヘルツ素子30において、能動素子90は、セルアレイ化して配置されていても良い。
【0043】
能動素子90としてはRTDが代表的なものであるが、これ以外のダイオードやトランジスタでも構成可能なものである。その他の能動素子としては、例えば、タンネット(TUNNETT:Tunnel Transit Time)ダイオード、インパット(IMPATT:Impact Ionization Avalanche Transit Time)ダイオード、GaAs系電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、GaN系FET、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)若しくはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)FETなどを適用することもできる。
【0044】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に適用可能な能動素子90として、RTDの負性抵抗を用いたテラヘルツ発振素子若しくはテラヘルツ検出素子を構成可能である。
【0045】
さらに詳細には、第1の電極4・第2の電極2は、例えば、Au/Pd/Ti若しくはAu/Tiを備えていても良い。
【0046】
(テラヘルツ検出素子)
テラヘルツ検出素子として動作可能なテラヘルツ素子30は、
図3(a)・
図3(b)に示すように、半導体基板1と、半導体基板1上に配置された第1の半導体層91aと、第1の半導体層91a上に積層化形成された能動素子90と、第1の半導体層91aに接続されて能動素子90の主電極の一方に接続され、かつ半導体基板1上に配置された第2の電極2と、能動素子90の主電極の他方に接続され、かつ半導体基板1上に第2の電極2に対向して配置された第1の電極4と、サブマウント16上に搭載される。ここで、図示は省略されているが、サブマウント16上には金属層が配置されており、テラヘルツ素子30の半導体基板1は、この金属層上に配置される。ここで、能動素子90は、第2の電極2と第1の電極4間において共振器を形成し、受信した電磁波は、サブマウント16上の金属層に反射されて、半導体基板1に対して垂直方向の面受光パターンを有する。
【0047】
また、テラヘルツ素子30は、
図3(a)に示すように、第1の電極4および第2の電極2は、ダイポールアンテナを備えていても良い。テラヘルツ検出素子のその他の構成は、テラヘルツ発振素子と同様である。
【0048】
(並列抵抗)
能動素子90としてRTDを有するテラヘルツ素子30は、RTDの負性抵抗に起因する外部回路との寄生発振によって、テラヘルツ帯での本発振を規制される。寄生発振を抑制する方法として、
図3(a)・
図5・
図6に示すように、RTDに対して並列に抵抗素子114を配置し、外部回路に対して負性抵抗が見えないようにすることができる。
【0049】
RTDの抵抗R
RTDに対して、抵抗素子114の抵抗R
Biは、RTDのアノード・カソード間に並列に接続される。結果として、RTDのアノードA・カソードK間の合成抵抗R
tは、RTDの抵抗R
RTDと抵抗素子114の抵抗R
Biの並列接続された抵抗R
RTD・R
Bi/(R
RTD+R
Bi)で表される。抵抗素子114の抵抗R
Biは、
図6における並列抵抗R
pに相当している。
【0050】
RTDの抵抗R
RTDに対して、抵抗素子114の抵抗R
Biを並列に配置することによって、負性抵抗(−ΔV/ΔI)の発生が、相対的に大きな電圧および相対的に大きな電流側にシフトし、寄生発振の抑制効果がある。
【0051】
負性抵抗領域において外部回路との間に寄生発振が生じてしまうため、RTDに並列に抵抗を配置することで、外部回路から負性抵抗を見えにくくする。こうすると、本発振以外の寄生発振を抑えることができる。
【0052】
そのための要求条件は、合成抵抗R
t>=0より、
R
Bi<=ΔV/ΔI(=R
RTD) (1)
で表される。
【0053】
抵抗値の比較的高いBiや半導体プロセスでも一般的に使われるNi、Ti、Pt等のメタルで配線を行い、寄生発振を抑制して本発振を得ている。
【0054】
テラヘルツ素子30においては、寄生発振を抑制するための抵抗配線をダイポールアンテナ部に直接接続している。
【0055】
(等価回路構成)
テラヘルツ素子30において、並列抵抗R
pが有る場合の簡易的な等価回路構成は、
図7に示すように表される。
図7において、L1・L2は、フィード線40F・20Fに相当する部分のインダクタンスに相当している。また、C
pは、RTD部の寄生容量を示す。また、RTD部のRTDは、ダイオード表示で示されている。また、アンテナ部は、アンテナインダクタンスLAとアンテナ抵抗RAの並列回路で表されている。また、C
Mは、MIMリフレクタ50のキャパシタに対応している。また、アノードA・カソードK間には、コネクタや駆動回路等の外部回路が接続される。
【0056】
(外部回路との寄生発振)
RTDを用いてテラヘルツ波の発振器を作製しようとした場合、RTDから見て回路的に外部に当たる部分との間で寄生発振が発生する。外部回路に対して、RTDの負性抵抗が見えていると、RF基本発振する共振回路よりも、外部と低周波で発振する方がQ値が高く、発振しやすい条件となる。そのため、外部回路との寄生発振が顕著に生じる。
【0057】
(並列抵抗)
一般的に寄生発振を抑える方法として、
図3(a)・
図5・
図6・
図7に示すように、RTDに対して並列抵抗R
pを配置することで、寄生発振のQ値を低下させて発振を抑制し、効率よく本発振側へ電力をまわしてやるといった工夫がなされる。
【0058】
並列抵抗R
pを配置して、外部から負性抵抗が見えなくなると、外部と低周波で発振する寄生発振のQが低くなり、RF基本発振よりも発振しにくくなる。そのため、本来のRF基本発振がおきる。
【0059】
(Q値)
Q値を簡単に説明すると、発振状態がどれだけ安定して存在しているかを示す指標である。並列共振回路を考えたときのQ値を示す式を以下に記す。
【0060】
Q=1/R
t・√(LA/C
p) (2)
並列抵抗R
pを配置することは、合成抵抗R
tを大きくすることに相当する。
【0061】
仮にこの(2)式から、上に示すような寄生発振のQ値を考えると、並列抵抗R
pを配置することは、R
tを大きくすることに相当し、結果としてQ値の減少が得られる。並列抵抗R
pを配置することによって、寄生発振を抑制可能であることがわかる。
【0062】
(RTDのデバイス表面顕微鏡写真例)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に搭載可能なテラヘルツ素子30のデバイス表面顕微鏡写真例は、
図8に示すように表され、
図8の拡大されたデバイス表面顕微鏡写真例は、
図9に示すように表される。
図8・
図9の例は、
図5に示されたテラヘルツ素子30の詳細な平面パターン構成例に対応している。尚、
図8・
図9では、MIMリフレクタ50が形成されていない例が示されているが、
図5と同様に、パッド電極20P・40Pの一部分を絶縁層を介して積層化することで、MIMリフレクタ50が形成可能である。
【0063】
テラヘルツ素子30においては、相対的に抵抗値の高いBiや半導体プロセスで一般的に使用されるTi、Pt,Ni等のメタルを用いて並列抵抗R
pを作製可能である。デバイスの構造上、段差のある部分も、斜め蒸着などうまく覆膜性を改良し、デバイスの動作実証を達成可能である。
【0064】
(発振周波数特性)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に搭載可能なテラヘルツ素子30の発振周波数特性例は、
図10に示すように表される。
図10に示す例では、約0.27THzにおいて、発振強度(任意単位)のピークが得られている。
【0065】
(シミュレーション結果)
ダイポールアンテナ計算モデルに用いた実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に搭載可能なテラヘルツ素子30の模式的鳥瞰図は、
図11(a)に示すように表され、フィード線40F・20Fおよびパッド電極40P・20Pを含むダイポールアンテナ計算モデルに用いたテラヘルツ素子30の模式的鳥瞰図は、
図11(b)に示すように表される。いずれもサブマウント16上に配置される金属層を備えるものとして計算している。
【0066】
ここで、パッド電極40P・20Pは、伝送線路を構成している。パッド電極40P・20Pの幅(伝送線路の幅)は、例えば75μmとし、パッド電極40P・20P間の間隔(伝送線路の間隔)は、例えば5μmとし、パッド電極40P・2Pの長さ(伝送線路の長さ)は、例えば300μmとした。
【0067】
また、フィード線40F・20Fは、ダイポールアンテナ(2・4)と、パッド電極40P・20Pとの間の接続部を構成しており、その長さは、例えば、20μm〜100μmとし、その幅は、例えば、1μm〜10μmとした。
【0068】
また、ダイポールアンテナ(2・4)のアンテナ長DA(
図5参照)は、例えば320μmとした。
【0069】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100に搭載可能なテラヘルツ素子30の放射パターンであって、発振周波数300GHzにおけるシミュレーション結果は、
図12(a)に示すように表され、発振周波数320GHzにおけるシミュレーション結果は、
図12(b)に示すように表される。
図12(a)・
図12(b)のシミュレーション結果は、
図11(b)に示すフィード線40F・20Fおよびパッド電極40P・20Pを含むダイポールアンテナ計算モデルに基づき計算した結果である。
【0070】
テラヘルツ素子30においては、シミュレーション結果より、例えば約330GHz以下において、良好な面発光型の放射パターンのが得られている。
【0071】
比較例として、テーパースロットアンテナを備えるテラヘルツ素子のチップ面積(1.5mm×3.0mm)と比較すると、ダイポールアンテナを備えるテラヘルツ素子30のチップ面積は、例えば約0.5mm×0.5mmであり、比較例に比べて、約1/18に微細化可能である。さらに、チップサイズは、約0.5mm×0.5mm以下にも微細化可能である。
【0072】
テラヘルツ素子30においては、サブマウント上に配置される金属層上に配置し、この金属層よる反射を用いて、半導体基板表面側にテラヘルツ波を面発光放射することができる。アンテナ長DAを変化することによって、発振周波数を制御することができる。また、接続部を構成するフィード線40F・20Fの長さ・幅・配置位置を調整することによってアンテナ効率を制御することも可能である。
【0073】
―RTD―
テラヘルツ素子30に適用可能な能動素子90として、RTDの構成例は、
図4(a)に示すように、半絶縁性のInP基板からなる半導体基板1上に配置され、n型不純物を高濃度にドープされたGaInAs層91aと、GaInAs層91a上に配置され、n型不純物をドープされたGaInAs層92aと、GaInAs層92a上に配置されたアンドープのGaInAs層93aと、GaInAs層93a上に配置されたAlAs層94a/InGaAs層95/AlAs層94bから構成されたRTD部と、AlAs層94b上に配置されたアンドープのGaInAs層93bと、GaInAs層93b上に配置され、n型不純物をドープされたGaInAs層92bと、GaInAs層92b上に配置され、n型不純物を高濃度にドープされたGaInAs層91bと、GaInAs層91b上に配置された第1の電極4と、GaInAs層91a上に配置された第2の電極2とを備える。
【0074】
テラヘルツ素子30に適用可能な能動素子90として、RTDの別の構成例は、
図4(b)に示すように、GaInAs層91b上に配置され、n型不純物を高濃度にドープされたGaInAs層91cを備え、第1の電極4は、GaInAs層91c上に配置される。このように、第1の電極4とGaInAs層91bとのコンタクトをさらに良好にするために、GaInAs層91cを形成しても良い。
【0075】
ここで、各層の厚さは、例えば以下の通りである。
【0076】
n
+型のGaInAs層91a、91b・91cの厚さは、それぞれ例えば、約400nm、15nm・8nm程度である。n型のGaInAs層92aおよび92bの厚さは、略等しく、例えば、約25nm程度である。アンドープGaInAs層93a・93bの厚さは、例えば、上述の非対称性を実現可能とする厚さであって、約2nm・20nm程度である。AlAs層94aおよび94bの厚さは、等しく、例えば、約1.1nm程度である。GaInAs層95の厚さは、例えば、約4.5nm程度である。
【0077】
なお、
図4(a)および
図4(b)に示す積層構造の側壁部には、SiO
2膜、Si
3N
4膜、SiON膜、HfO
2膜、Al
2O
3膜など、若しくはこれらの多層膜からなる絶縁膜を堆積することもできる。絶縁層は、化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
【0078】
MIMリフレクタ50は金属/絶縁体/金属からなる積層構造により、パッド電極40P・20Pは高周波的に短絡される。また、MIMリフレクタ50は、直流的には開放(オープン)でありながら、高周波を反射させることが可能となるという効果を有する。
【0079】
第1の電極4・第2の電極2は、いずれも例えば、Au/Pd/TiやAu/Tiのメタル積層構造からなり、Ti層は、半絶縁性のInP基板からなる半導体基板1との接触状態を良好にするためのバッファ層である。第1の電極4・第2の電極2の各部の厚さは、例えば、約数100nm程度であり、全体として、平坦化された積層構造が得られている。なお、第1の電極4・第2の電極2は、いずれも真空蒸着法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
【0080】
MIMリフレクタの絶縁層は、例えば、SiO
2膜で形成することができる。その他、Si
3N
4膜、SiON膜、HfO
2膜、Al
2O
3膜などを適用することもできる。なお、絶縁層の厚さは、MIMリフレクタ50の幾何学的な平面寸法と、回路特性上の要求されるキャパシタ値を考慮して決めることができ、例えば、数10nm〜数100nm程度である。絶縁層は、CVD法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
【0081】
テラヘルツ素子30は、第1トンネルバリア層/量子井戸(QW:Quantum Well)層/第2トンネルバリア層が、AlAs/InAlAs/AlAsの構成を有する例が示されているが、このような材料系に限定されるものではない。例えば、第1トンネルバリア層/量子井戸層/第2トンネルバリア層が、AlGaAs/GaAs/AlGaAsの構成を有する例であっても良い。また、第1トンネルバリア層/量子井戸層/第2トンネルバリア層が、AlGaN/GaN/AlGaNの構成を有する例であっても良い。また、第1トンネルバリア層/量子井戸層/第2トンネルバリア層が、SiGe/Si/SiGeの構成を有する例であっても良い。
【0082】
(相対強度とサブマウント高さの関係)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とサブマウント高さhとの関係は、
図13に示すように表される。
図13においては、サブマウント高さh=200μmの時を1とした相対強度を表している。
図13に示すように、パッケージステム実装シミュレーションにおける計算パラメータとして、サブマウント高さhを200μm〜1500μmまで50μmずつ可変にしている。
【0083】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100においては、
図13に示すように、サブマウントの高さhを変えることで、相対強度の向上を見込むことができる。例えば、h=200μmに対して、h=1200μmとすることで、約1.55倍出力の向上が可能である。
【0084】
(HFSS電磁界シミュレーション)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、サブマウント16とテラヘルツ素子30の配置構成を示す模式的上面図は、
図14に示すように表される。
図14においては、テラヘルツ素子30は、模式的に長方形のブロックで示されているが、詳細な構成は、前述の
図5・
図8・
図9と同様の構成を備え、面発光放射若しくは面受光可能である。
図14に示す座標軸X−Yの中心にRTDなどの能動素子が配置される。
図14に示すように、テラヘルツ素子30のX軸方向に沿う幅はX1で表され、Y軸方向に沿う幅はY1で表される。
【0085】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に沿い、パッケージステム10に対して垂直面で切断した模式的断面構造は、
図15(a)に示すように表され、Y軸に沿い、パッケージステムに対して垂直面で切断した模式的断面構造は、
図15(b)に示すように表される。
図15(a)・
図15(b)において、各部の構成は、
図1(a)と同様であるため、重複説明は省略する。
図15(a)・
図15(b)の構成は、以下に説明するHFSS電磁界シミュレーションの基本構造に対応している。
【0086】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に平行な面におけるHFSS電磁界シミュレーションの説明図は、
図16(a)に示すように表され、X軸に沿う平行な面における高周波3次元電磁界シミュレータ(HFSS)による電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)は、
図16(b)に示すように表される。
【0087】
また、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーションの説明図は、
図17(a)に示すように表され、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)は、
図17(b)に示すように表される。。
【0088】
同様に、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1000μm)は、
図18に示すように表され、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1000μm)は、
図19に示すように表される。
【0089】
同様に、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)は、
図20に示すように表され、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)は、
図21に示すように表される。
【0090】
同様に、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)は、
図22に示すように表され、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)は、
図23に示すように表される。
【0091】
同様に、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、X軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=400μm)は、
図24に示すように表され、Y軸に平行な面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=400μm)は、
図25に示すように表される。
【0092】
以上のシミュレーション計算結果によれば、サブマウント高さh=1200μmおよび800μmにおいて、テラヘルツ素子モジュール100に搭載されるテラヘルツ素子30を構成するダイポールアンテナからの電界がニアフィールドで封止材(ガラス)14に伝搬可能であることがわかる。
【0093】
(キャップの有無による相対強度比とサブマウント高さとの関係)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、キャップ12の有無による相対強度比とサブマウント高さhとの関係は、
図26に示すように表される。
図26のA部分のプロットが、キャップ12を備える場合に対応している。
【0094】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100においては、
図26に示すように、キャップ12を備える構成を採用することで、逆に相対強度比が上昇することがわかる。例えば、最大で約5.7倍程度も相対強度比が上昇する。
【0095】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100によれば、テラヘルツ素子30を構成するダイポールアンテナと封止材(ガラス)14によって、効率の高いアンテナとして機能し、電界がニアフィールドで封止材(ガラス)14に伝搬可能であることがわかる。
【0096】
(相対強度とサブマウント高さhおよびガラスからの距離Dとの関係)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とサブマウント高さhおよび封止材(ガラス)14からの距離Dとの関係は、
図27に示すように表される。
【0097】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100においては、また、相対強度は、
図27内の幅CAに示すように、キャップ12内での多重反射の影響により、複雑な周期で変化することがわかる。
【0098】
また、
図27内の幅GLに示すように、封止材(ガラス)14からの距離が500μm(λ/2)以下で、テラヘルツ素子30の電界がニアフィールドで封止材(ガラス)14に入ることがわかる。
【0099】
(放射アンテナとして機能するガラス面)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=1200μm)は
図28に示すように表され、HFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=800μm)は
図29に示すように表され、HFSSによる電磁界シミュレーション結果(サブマウント高さh=500μm)は
図30に示すように表される。
【0100】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100においては、
図28〜
図30に示すように、開口部の封止材14のガラス面が、出射面内での共振により、アンテナとして機能していることがわかる。
【0101】
(相対強度とサブマウント上に配置されるテラヘルツ素子の平面内変位の関係)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、サブマウント16上に配置されるテラヘルツ素子30の平面内位置による変位dx、dyの説明図は、
図31に示すように表される。
【0102】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とX軸方向の変位dxとの関係は、
図32に示すように表され、相対強度とY軸方向の変位dyとの関係は、
図33に示すように表される。いずれも、サブマウント高さh=1200μmで計算した結果である。パッケージステム実装シミュレーションにおいては、パッケージステム内位置(x,y)を50μmずつのステップで変位させている。
【0103】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100においては、
図32・
図33に示すように、平面内位置による比較では、テラヘルツ素子30を中心(dx=0、dy=0)に置いた時が最も効率が高い。また、
図32・
図33に示すように、dx方向およびdy方向において、約250μm(=1/4波長)だけシフトすると、相対強度はピークレベルからボトムレベルに変化することがわかる。
【0104】
(相対強度とガラス直径Wとの関係)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、パッケージステム実装シミュレーション例として、相対強度とガラス直径Wとの関係は、
図34に示すように表される。
【0105】
また、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュール100において、放射アンテナとして機能するガラス面におけるHFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=1200μm)は、
図35に示すように表され、HFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=1600μm)は、
図36に示すように表され、HFSSによる電磁界シミュレーション結果(ガラス直径W=2000μm)は、
図37に示すように表される。
図35〜
図37のHFSSによる電磁界シミュレーション結果は、それぞれ
図34におけるプロットP1〜P3に対応している。
【0106】
発振周波数300GHzのときのテラヘルツ波の波長は1mmであり、ガラス直径W=2000μmの結果が、良好な面内共振の電磁界シミュレーション結果(
図37)を示している。
図35〜
図37のHFSSによる電磁界シミュレーション結果より、発振周波数とガラス直径のマッチングが重要であることがわかる。
【0107】
(送受信動作)
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールは、
図38に示すように、それぞれ送信器モジュール100Tおよび受信器モジュール100Rとして構成可能である。
【0108】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールを送信器モジュール100Tおよび受信器モジュール100Rとして機能させた送受信動作を説明する模式的断面構造は、
図38に示すように表される。
【0109】
送信器モジュール100Tは、
図38に示すように、パッケージステム10Tと、パッケージステム10T上に配置されたサブマウント16Tと、サブマウント16T上に配置されたテラヘルツ素子30Tと、パッケージステム10T上に配置され、サブマウント16Tおよびテラヘルツ素子30Tを内蔵すると共に、開口部を有するキャップ12Tと、キャップ12Tに接続され、開口部を封止する封止材14Tとを備える。ここで、封止材14Tは、アンテナとして機能し、開口部からテラヘルツ波の放射が可能である。
【0110】
受信器モジュール100Rは、
図38に示すように、パッケージステム10Rと、パッケージステム10R上に配置されたサブマウント16Rと、サブマウント16R上に配置されたテラヘルツ素子30Rと、パッケージステム10R上に配置され、サブマウント16Rおよびテラヘルツ素子30Rを内蔵すると共に、開口部を有するキャップ12Rと、キャップ12Rに接続され、開口部を封止する封止材14Rとを備える。ここで、封止材14Rは、アンテナとして機能し、開口部からテラヘルツ波の検出が可能である。
【0111】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールを送信器モジュール100Tおよび受信器モジュール100Rとして機能させ、
図38に示すように互いに対向して配置すことによって、送信器モジュール100Tから放射されたテラヘルツ波を受信器モジュール100Rによって、効率よく検出可能である。
【0112】
実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールを送信器モジュール100T・受信器モジュール100Rとして機能させ、送信器モジュール100Tには、面内発光放射パターンを有するテラヘルツ素子30Tを搭載し、受信器モジュール100Rには、面内受光パターンを有するテラヘルツ素子30Rを搭載し、それぞれの封止材14T・14Rがアンテナとして機能することで、波長と同程度の開口部から効率良くテラヘルツ波の放射および検出が可能である。
【0113】
以上説明したように、本実施の形態によれば、キャップの開口部から効率良くテラヘルツ波の放射又は検出可能としてキャップの大型化を抑制できるテラヘルツ素子モジュールを提供することができる。
【0114】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態に係るテラヘルツ素子モジュールについて記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0115】
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。