特許第6618283号(P6618283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6618283無線航空機、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6618283
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】無線航空機、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラム。
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/175 20060101AFI20191202BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20191202BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20191202BHJP
   G10L 21/0208 20130101ALI20191202BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   G10K11/175
   B64C39/02
   B64D47/00
   G10L21/0208
   H04R3/00 320
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-128437(P2015-128437)
(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公開番号】特開2017-9965(P2017-9965A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年3月25日
【審判番号】不服2017-17284(P2017-17284/J1)
【審判請求日】2017年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【合議体】
【審判長】 井上 信一
【審判官】 國分 直樹
【審判官】 山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−6435(JP,A)
【文献】 特開2010−81495(JP,A)
【文献】 特開平10−92121(JP,A)
【文献】 Sojeong Yoon,Sangil Park,Youmie Eom,Sumggeun Yoo,Advanced Sound Capturing Method with Adaptive Noise Reduction System for Broadcasting Muticopters,2015 IEEE International Conference on Consumer Electronics(ICCE),2015年1月9日,第26頁−第29頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K11/16-11/178
G10L21/0208-21/0264
A63H30/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機であって、
前記モータの回転音と、周辺の音を集音するマイク部と、
前記マイク部が集音した前記モータの回転音を記憶する記憶部と、
前記記憶部によって予め記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成する逆位相音波生成部と、
周辺の音を集音する集音指示を取得する取得部と、
前記集音指示を取得した際、前記マイク部が集音した周辺の音に対して、前記逆位相音波生成部によって生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うノイズキャンセル部と、
を備えることを特徴とする無線航空機。
【請求項2】
モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機が実行するノイズキャンセル方法であって、
前記モータの回転音を集音するステップと、
集音した前記モータの回転音を記憶するステップと、
前記記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成するステップと、
周辺の音を集音する集音指示を取得するステップと、
前記集音指示を取得した際、前記周辺の音を集音するステップと、
前記集音した周辺の音に対して、前記生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うステップと、
を備えることを特徴とするノイズキャンセル方法。
【請求項3】
モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機に、
前記モータの回転音を集音するステップ、
集音した前記モータの回転音を記憶するステップ、
前記記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成するステップ、
周辺の音を集音する集音指示を取得するステップ、
前記集音指示を取得した際、前記周辺の音を集音するステップ、
前記集音した周辺の音に対して、前記生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能な無線航空機用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータで回転するプロペラにより空中を走行する無線航空機、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータで回転するプロペラにより空中を走行する無線航空機が実用化されている。また、このような無線航空機において、走行中に音を集音することが行われている。
【0003】
このような無線航空機において、走行中の音の集音は、集音しようとする音に加えて、プロペラを回転させるモータの回転音も集音してしまい、集音された音は、集音しようとする音に、モータの回転音によるノイズが集音されていた。
【0004】
無線航空機とは異なるが、所望する音以外の騒音を低減する方法として、この騒音の逆位相の音波を生成し、騒音の低減を行うことが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−118334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、周囲の騒音を集音し、この集音した騒音の逆位相の音波を生成し、所定の空間に第1のスピーカにより出力するとともに、第1のスピーカとは異なる所定のスピーカから集音した音の逆位相の音波を生成し、マイクに向けて出力する第2のスピーカにより、騒音の低減を可能にしている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、騒音の低減に際して、複数のスピーカを用意する必要があり、装置本体のコストが増加するだけでなく、装置本体の重量が増加してしまうことにより、飛行性能が低下してしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明では、集音時に、モータの回転音により発生する騒音の逆位相の音波を合成することにより、モータの回転音によるノイズを低減することができる点に着目した。
【0009】
本発明は、装置本体の飛行性能を維持しつつ、ノイズを低減することが可能な無線航空機、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機であって、
前記モータの回転音と、周辺の音を集音するマイク部と、
前記マイク部が集音した前記モータの回転音を記憶する記憶部と、
前記記憶部によって予め記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成する逆位相音波生成部と、
周辺の音を集音する集音指示を取得する取得部と、
前記集音指示を取得した際、前記マイク部が集音した周辺の音に対して、前記逆位相音波生成部によって生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うノイズキャンセル部と、
を備えることを特徴とする無線航空機を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機は、マイク部が集音したモータの回転音を予め記憶し、記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成し、周辺の音を集音する集音指示を取得し、前記集音指示を取得した際、マイク部が周辺の音を集音し、集音した周辺の音に対して、前記生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行う。
【0013】
ここで、第1の特徴に係る発明は、無線航空機のカテゴリであるが、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【0016】
第2の特徴に係る発明は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機が実行するノイズキャンセル方法であって、
前記モータの回転音を集音するステップと、
集音した前記モータの回転音を記憶するステップと、
前記記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成するステップと、
周辺の音を集音する集音指示を取得するステップと、
前記集音指示を取得した際、前記周辺の音を集音するステップと、
前記集音した周辺の音に対して、前記生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うステップと、
を備えることを特徴とするノイズキャンセル方法を提供する。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機に、
モータで回転するプロペラにより空中を飛行する無線航空機に、
前記モータの回転音を集音するステップ、
集音した前記モータの回転音を記憶するステップ、
前記記憶されたモータの回転音を利用して、逆位相となる音波を生成するステップ、
周辺の音を集音する集音指示を取得するステップ、
前記集音指示を取得した際、前記周辺の音を集音するステップ、
前記集音した周辺の音に対して、前記生成された回転音の逆位相となる音波を合成することでノイズキャンセリングを行うステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能な無線航空機用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置本体の飛行性能を維持しつつ、ノイズを低減することが可能な無線航空機、ノイズキャンセル方法及び無線航空機用プログラムを提供するが可能となる、
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1の実施形態に係る無線航空機10の概念図である。
図2図2は、第2の実施形態に係る無線航空機10の概念図である。
図3図3は、無線航空機10の機能ブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る無線航空機10が実行するノイズキャンセリング処理を示すフローチャートである。
図5図5は、第2の実施形態に係る無線航空機10が実行するノイズキャンセリング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これらはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0021】
[第1の実施形態における無線航空機10の概要]
第1の実施形態における本発明の概要について、図1に基づいて説明する。無線航空機10は、マイク部100、逆位相音波生成部110及び通信部120から構成される。無線航空機10は、操作用端末又はコンピュータ等の外部端末からの遠隔操作や自身にプログラミングされた所定の行動に基づいた自動制御が可能な無人航空機である。無線航空機10は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する。
【0022】
無線航空機10は、後述するマイク部100により、マイク部100周辺の音を集音する。マイク部100が集音する音とは、音源200からの音と、モータ音源300の音である。音源200の音とは、遠隔操作による指示やプログラミングされた所定の行動に基づいて指定された場所の音である。モータ音源300の音とは、具体的には、無線航空機10のプロペラを回転するモータの回転音である。
【0023】
マイク部100は、遠隔操作による指示やプログラミングされた所定の行動に基づいて、音源200の音を集音するデバイスや、モータ音源300の音を集音するデバイス等を備える。また、通信部120は、近距離無線通信や、所定の帯域の電波を送受信するデバイス等を備える。
【0024】
はじめに、無線航空機10は、マイク部100により、遠隔操作による指示やプログラミングされた所定の行動に基づいて、音源200の音を集音する(ステップS01)。
【0025】
同時に、無線航空機10は、マイク部100により、モータ音源300の音を集音する(ステップS02)。
【0026】
無線航空機10は、逆位相音波生成部110により、ステップS02において集音したモータの回転音を解析し、この回転音の逆位相となる音波を生成し、マイク部100に出力する(ステップS03)。
【0027】
無線航空機10は、ステップS01において音源200から集音した音と、ステップS03において合成した逆位相となる音波とを合成し、ノイズキャンセリングを実行する(ステップS04)。ステップS04において、音源200から集音する音の音波と、モータの回転音の逆位相となる音波とを合成することにより、音源200に含まれるモータの回転音を打ち消すことが可能となる。
【0028】
無線航空機10は、通信部120により、ステップS04において実行したノイズキャンセリングを施した音のデータを外部端末に送信する(ステップS05)。
【0029】
以上が、第1の実施形態における無線航空機10の概要である。
【0030】
[第2の実施形態における無線航空機10の概要]
第2の実施形態における本発明の概要について、図2に基づいて説明する。無線航空機10は、マイク部100、逆位相音波生成部110、通信部120及びモータ音記憶部130から構成される。無線航空機10は、操作用端末又はコンピュータ等の外部端末からの遠隔操作や自身にプログラミングされた所定の行動に基づいた自動制御が可能な無人航空機である。無線航空機10は、モータで回転するプロペラにより空中を飛行する。
【0031】
無線航空機10は、後述するマイク部100により、マイク部100周辺の音を集音する。マイク部100が集音する音とは、音源200からの音と、モータ音源300の音である。音源200の音とは、遠隔操作による指示やプログラミングされた所定の行動に基づいて指定された場所の音である。モータ音源300の音とは、具体的には、無線航空機10のプロペラを回転するモータの回転音である。
【0032】
マイク部100は、遠隔操作による指示やプログラミングされた所定の行動に基づいて、音源200の音を集音するデバイスや、モータ音源300の音を集音するデバイス等を備える。また、通信部120は、近距離無線通信や、所定の帯域の電波を送受信するデバイス等を備える。また、モータ音記憶部130は、集音したモータ音源300の音を記憶するデバイス等を備える。
【0033】
はじめに、無線航空機10は、マイク部100により、モータ音源300の音を集音する(ステップS10)。ステップS10において、マイク部100は、プロペラを回転するモータの回転音をモータ音源300の音として集音する。
【0034】
無線航空機10は、モータ音記憶部130により、ステップS10において集音したモータ音源300の音を記憶する(ステップS11)。
【0035】
次に、無線航空機10は、マイク部100により、音源200の音を集音する(ステップS12)
【0036】
無線航空機10は、逆位相音波生成部110により、ステップS11において記憶したモータの回転音を取得し(ステップS13)、取得したモータの回転音の逆位相となる音波を生成し、この生成した逆位相となる音波をマイク部100に出力する(ステップS14)。
【0037】
無線航空機10は、ステップS12において音源200から集音する音の音波と、ステップS14において生成した逆位相の音波とを合成し、ノイズキャンセリングを実行する(ステップS15)。ステップS15において、音源200から集音する音の音波と、モータの回転音の逆位相となる音波とを合成することにより、音源200に含まれるモータの回転音を打ち消すことが可能となる。
【0038】
無線航空機10は、通信部120により、ステップS15において実行したノイズキャンセリングを施した音のデータを外部端末に送信する(ステップS16)。
【0039】
以上が、第2の実施形態における無線航空機10の概要である。
【0040】
[各機能の説明]
図3に基づいて、無線航空機10の構成について説明する。無線航空機10は、後述の機能を備え、モータで回転するプロペラにより空中を飛行し、マイク等により周辺の音を集音する。
【0041】
無線航空機10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス、赤外線通信等の近距離無線通信対応デバイス、所定の帯域の電波を送受信するためのデバイス等を備える。
【0042】
また、記憶部13として、例えば、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。記憶部13には、後述する無線航空機10のモータの回転音を記憶する機能が含まれる。また、生成部14として、後述するモータの回転音の逆位相の音波を生成するデバイス等を備える。また、集音部15として、周辺の音を集音するマイクデバイス等を備える。
【0043】
無線航空機10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、データ送信モジュール20を実現する。また、無線航空機10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部13と協働して、モータ音記憶モジュール30を実現する。また、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、生成部14と協働して、逆位相音波生成モジュール40を実現する。また、無線航空機10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、集音部15と協働して、集音モジュール50を実現する。
【0044】
[第1実施形態におけるノイズキャンセリング処理]
図4は、第1実施形態における、無線航空機10が実行するノイズキャンセリング処理のフローチャートである。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0045】
はじめに、集音モジュール50は、音の集音指示が行われたか否かを判断する(ステップS20)。ステップS20において、集音モジュール50は、操作用端末や操作用コンピュータ等の外部端末から、音の集音指示を受信したか否かを判断する。
【0046】
ステップS20において、集音モジュール50は、音の集音指示を受信していないと判断した場合(ステップS20 NO)、音の集音指示を受信するまで本処理を繰り返す。
【0047】
一方、ステップS20において、集音モジュール50は、音の集音指示を受信したと判断した場合(ステップS20 YES)、周辺の音の集音を開始する(ステップS21)。なお、ステップS21において、周辺の音の集音の開始とともに、周辺の動画や静止画等の画像を撮影開始するようにしても良い。この場合、後述する集音の終了とともに、画像の撮影を終了すれば良い。
【0048】
同時に、集音モジュール50は、プロペラを回転させるモータの回転音を集音する(ステップS22)。
【0049】
逆位相音波生成モジュール40は、集音モジュール50が集音したモータの回転音を解析し、解析した音の音波の逆位相となる音波を生成する(ステップS23)。
【0050】
逆位相音波生成モジュール40は、生成した逆位相となる音波をマイク周辺に出力する(ステップS24)。
【0051】
集音モジュール50は、集音した周辺の音の音波と、ステップS23において生成された逆位相となる音波とを合成し(ステップS25)、集音した周辺の音からモータの回転音を除外し、音データを生成する(ステップS26)。
【0052】
データ送信モジュール20は、ステップS26において生成した音データを外部端末へ送信する(ステップS27)。
【0053】
集音モジュール50は、音の集音終了指示が行われたか否かを判断する(ステップS28)。ステップS28において、集音モジュール50は、外部端末から、音の集音終了指示を受信したか否かを判断する。なお、ステップS28において、予め設定されたプログラム等に基づいて、集音開始から所定の時間の経過が経過した場合や、集音開始から所定の距離移動した場合や、その他の場合等に集音を終了させる指示を無線航空機10自身が生成しても良い。
【0054】
ステップS28において、集音モジュール50は、音の取得終了指示を受信していないと判断した場合(ステップS28 NO)、ステップS22以降の処理を繰り返す。
【0055】
一方、ステップS27において、集音モジュール50は、音の取得終了指示を受信したと判断した場合(ステップS20 YES)、集音を終了する(ステップS29)
【0056】
以上が、第1の実施形態におけるノイズキャンセリング処理である。
【0057】
[第2実施形態におけるノイズキャンセリング処理]
図5は、第2実施形態における、無線航空機10が実行するノイズキャンセリング処理のフローチャートである。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0058】
はじめに、集音モジュール50は、自身のプロペラを回転するモータの回転音を集音する(ステップS30)。
【0059】
モータ音記憶モジュール30は、集音したモータの回転音を記憶する(ステップS31)。
【0060】
逆位相音波生成モジュール40は、記憶したモータの回転音を解析し、この回転音の音波の逆位相となる音波を生成する(ステップS32)。
【0061】
次に、集音モジュール50は、音の集音指示が行われたか否かを判断する(ステップS33)。ステップS33において、集音モジュール50は、操作用端末や操作用コンピュータ等の外部端末から、音の集音指示を受信したか否かを判断する。
【0062】
ステップS33において、集音モジュール50は、音の集音指示を受信していないと判断した場合(ステップS33 NO)、音の集音指示を受信するまで本処理を繰り返す。
【0063】
一方、ステップS33において、集音モジュール50は、音の集音指示を受信したと判断した場合(ステップS33 YES)、周辺の音の集音を開始する(ステップS34)。なお、ステップS34において、周辺の音の集音の開始とともに、周辺の動画や静止画等の画像を撮影開始するようにしても良い。この場合、後述する集音の終了とともに、画像の撮影を終了すれば良い。
【0064】
逆位相音波生成モジュール40は、ステップS32において生成した逆位相となる音波をマイク周辺に出力する(ステップS35)。
【0065】
集音モジュール50は、集音した周辺の音の音波と、ステップS32において生成された逆位相となる音波とを合成し(ステップS36)、集音した周辺の音からモータの回転音を除外し、音データを生成する(ステップS37)。
【0066】
データ送信モジュール20は、ステップS37において生成した音データを外部端末へ送信する(ステップS38)。
【0067】
集音モジュール50は、音の集音終了指示が行われたか否かを判断する(ステップS39)。ステップS39において、集音モジュール50は、外部端末から、音の集音終了指示を受信したか否かを判断する。なお、ステップS39において、予め設定されたプログラム等に基づいて、集音開始から所定の時間の経過が経過した場合や、集音開始から所定の距離移動した場合や、その他の場合等に集音を終了させる指示を無線航空機10自身が生成しても良い。
【0068】
ステップS39において、集音モジュール50は、音の取得終了指示を受信していないと判断した場合(ステップS39 NO)、ステップS35以降の処理を繰り返す。
【0069】
一方、ステップS39において、集音モジュール50は、音の取得終了指示を受信したと判断した場合(ステップS39 YES)、集音を終了する(ステップS40)。
【0070】
以上が、第2の実施形態におけるノイズキャンセリング処理である。
【0071】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
10 無線航空機10
図1
図2
図3
図4
図5