(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記膜形成ユニットおよび前記周縁部除去ユニットの少なくとも一方は、回転される基板の前記被処理面の周縁部に前記塗布液を溶解させる第2の除去液を吐出する第2の除去液ノズルをさらに含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
前記膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後でかつ前記周縁部除去ユニットによる前記第1の除去液の吐出前に、熱処理により前記金属含有塗布膜を硬化させる熱処理部をさらに備え、
前記周縁部除去ユニットは、
前記第1の除去液ノズルにより前記被処理面の周縁部に前記第1の除去液が吐出されているときに、吐出される前記第1の除去液よりも前記基板の中心に近い位置に気体を吐出する気体吐出部をさらに含む、請求項2〜8のいずれか一項に基板処理装置。
前記第3の回転保持部により回転される基板の前記被処理面と反対側の裏面に前記金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を供給する裏面除去液供給ユニットをさらに備える、請求項15〜27のいずれか一項に記載の膜形成ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、より微細なパターンを形成するために、金属を含有する塗布膜(以下、金属含有塗布膜と呼ぶ。)を適用することが研究されている。しかしながら、発明者の実験によると、基板上に形成された金属含有塗布膜の周縁部に有機溶剤を吐出することにより基板の周縁部の塗布膜を除去した場合でも、基板の周縁部上に金属成分が除去されず残存することが分かっている。そのため、基板の周縁部に残存した金属成分により基板処理装置および隣接する露光装置が汚染することとなる。
【0005】
本発明の目的は、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能な基板処理装置、膜形成ユニット、基板処理方法および膜形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として基板の被処理面に供給することにより被処理面に金属含有塗布膜を形成する膜形成ユニットと、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後に、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように金属を溶解させる第1の除去液を基板の周縁部に供給する周縁部除去ユニットと、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後に基板を周縁部除去ユニットに搬送する搬送機構とを備え
、膜形成ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第1の回転保持部と、第1の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属含有塗布液を吐出する塗布液ノズルとを含む。
【0007】
この基板処理装置においては、金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として膜形成ユニットにより基板の被処理面に供給される。これにより、基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成される。金属含有塗布膜の形成後の基板が搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送される。また、金属を溶解させる第1の除去液が周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給される。これにより、基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
【0008】
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
また、膜形成ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第1の回転保持部と、第1の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属含有塗布液を吐出する塗布液ノズルとを含む。この場合、簡単な構成で周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜を形成することができる。
(2)第1の除去液は、アルカリ性除去液または酸性除去液を含んでもよい。
【0009】
(
3)周縁部除去ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第2の回転保持部と、第2の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に第1の除去液を吐出する第1の除去液ノズルとを含んでもよい。この場合、簡単な構成
で基板の周縁部の金属を除去することができる。
(4)第1の除去液ノズルは、基板の被処理面と対向するように配置されてもよい。
(5)第2の回転保持部は、基板の被処理面が上方を向くように基板を保持し、第1の除去液ノズルは、基板の被処理面の上方に配置されてもよい。
【0010】
(
6)膜形成ユニットおよび周縁部除去ユニットの少なくとも一方は、回転される基板の被処理面の周縁部に塗布液を溶解させる第2の除去液を吐出する第2の除去液ノズルをさらに含んでもよい。
【0011】
この場合、基板の周縁部の塗布液は、膜形成ユニットおよび周縁部除去ユニットの少なくとも一方により除去される。それにより、基板の周縁部の金属含有塗布膜が確実に除去される。これにより、基板処理装置がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
(7)第2の除去液は、有機溶媒、水酸化テトラメチルアンモニウムを含有する水溶液、またはアンモニアと過酸化水素水とを含有する水溶液を含んでもよい。
【0012】
(
8)周縁部除去ユニットは、回転される基板の被処理面と反対側の裏面に第1の除去液を吐出する第3の除去液ノズルをさらに含んでもよい。この構成によれば、金属含有塗布液が基板の裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板の裏面に付着した金属含有塗布液中の金属は、周縁部除去ユニットにより除去される。これにより、基板処理装置が金属により汚染されることを十分に防止することができる。
【0013】
(
9)基板処理装置は、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後でかつ周縁部除去ユニットによる第1の除去液の吐出前に、熱処理により金属含有塗布膜を硬化させる熱処理部をさらに備え、周縁部除去ユニットは、第1の除去液ノズルにより被処理面の周縁部に第1の除去液が吐出されているときに、吐出される第1の除去液よりも基板の中心に近い位置に気体を吐出する気体吐出部をさらに含んでもよい。
【0014】
この場合、気体吐出部により基板の中心から外方に向かって気体が吐出される。これにより、第1の除去液が周縁部を除く基板の被処理面に飛散することが防止される。また、熱処理部により金属含有塗布膜が硬化されているので、気体吐出部から基板に気体を吐出しても、金属含有塗布膜の膜厚は変化しない。これらの結果、基板の被処理面に金属含有塗布膜を均一な厚みに形成することができる。
【0015】
(
10)周縁部除去ユニットは、第2の回転保持部により回転される基板の被処理面に現像液を吐出する現像ノズルをさらに含んでもよい。この場合、周縁部除去ユニットにおいて基板を現像することができる。
【0016】
(
11)現像液と第1の除去液とは同一の処理液であってもよい。この場合、現像液により基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
【0017】
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【0018】
また、基板の周縁部の金属の除去と基板の現像とが同一の処理液により行われるので、現像液を他の液と分離して回収する必要がない。これにより、現像液の廃棄コストを低減することができる。
【0019】
(
12)現像ノズルと第1の除去液ノズルとは共通のノズルにより構成されてもよい。この場合、周縁部除去ユニットに現像ノズルと第1の除去液ノズルとを別個に設ける必要がない。これにより、基板処理装置の大型化を抑制することができる。
【0020】
(
13)膜形成ユニットは、周縁部除去ユニットに隣接するように配置されてもよい。この場合、基板の周縁部の金属含有塗布膜中の金属が、膜形成ユニットに隣接する周縁部除去ユニットにより即座に除去される。これにより、基板処理装置が金属により汚染されることを十分に防止することができる。
【0021】
(
14)搬送機構は、周縁部除去ユニットにより基板の周縁部の金属が除去される前の基板を保持して搬送する除去前基板保持部と、周縁部除去ユニットにより基板の周縁部の金属が除去された後の基板を保持して搬送する除去後基板保持部とを含んでもよい。
【0022】
この場合、周縁部の金属が除去される前の基板と周縁部の金属が除去された後の基板とが搬送機構の異なる保持部により保持される。これにより、周縁部の金属が除去された後の基板に搬送機構の保持部を介して金属が付着することが防止される。
【0023】
(
15)第2の発明に係る膜形成ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第3の回転保持部と、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として吐出する塗布液ノズルと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように、金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を第3の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に供給する周縁部除去液供給ユニットとを備える。
【0024】
この膜形成ユニットにおいては、第3の回転保持部により基板が水平姿勢で保持され、回転される。回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出される。回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液が周縁部除去液供給ユニットにより供給される。これにより、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
【0025】
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
(16)周縁部除去液供給ユニットは、基板の被処理面と対向するように配置されかつ第3の除去液を吐出する1または複数の除去液ノズルを含んでもよい。
(17)第3の回転保持部は、基板の被処理面が上方を向くように基板を保持し、1または複数の除去液ノズルは、基板の被処理面の上方に配置されてもよい。
【0026】
(
18)第3の除去液は、金属を溶解させる第
1の除去液と塗布液を溶解させる第
2の除去液とを含み、
1または複数の除去液ノズルは、第
1および第
2の除去液を基板の被処理面の周縁部に供給
してもよい。
【0027】
この場合、金属含有塗布液における金属が第
1の除去液により除去されるとともに、金属含有塗布液における塗布液が第
2の除去液により除去される。それにより、基板の周縁部の金属含有塗布膜が確実に除去される。これにより、基板処理装置がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
(19)第1の除去液は、アルカリ性除去液または酸性除去液を含んでもよい。
(20)第2の除去液は、有機溶媒、水酸化テトラメチルアンモニウムを含有する水溶液、またはアンモニアと過酸化水素水とを含有する水溶液を含んでもよい。
【0028】
(
21)膜形成ユニットは、基板に吐出された使用済みの第
1の除去液と基板に吐出された使用済みの第
2の除去液とを分離して回収するように設けられた除去液回収ユニットをさらに備えてもよい。
【0029】
この場合、使用者は、使用済みの第
1の除去液と使用済みの第
2の除去液とを分離するための作業を行う必要がない。これにより、第3の除去液の廃棄コストを低減することができる。
【0030】
(
22)複数の除去液ノズルは、第
1および第
2の除去液を互いに異なる第1および第2の期間において吐出し、除去液回収ユニットは、使用済みの第
1の除去液を回収する第1の回収部と、使用済みの第
2の除去液を回収する第2の回収部と、第1の期間において基板に吐出された使用済みの第
1の除去液を第1の回収部に導き、第2の期間において基板に吐出された使用済みの第
2の除去液を第2の回収部に導くように切り替えられる切り替え経路とを含んでもよい。
【0031】
この場合、第
1および第
2の除去液が吐出される期間に基づいて、簡単な構成で使用済みの第
1の除去液と使用済みの第
2の除去液とを分離することができる。
【0032】
(
23)切り替え経路は、基板から飛散する第
1および第
2の除去液を受け止めるカップと、カップと第1の回収部との間に接続された第1の回収配管と、カップと第2の回収部との間に接続された第2の回収配管と、第1の回収配管に介挿された第1の回収バルブと、第2の回収配管に介挿された第2の回収バルブと、第1の回収部に第
1の除去液を回収するために第1の回収バルブを開放するとともに第2の回収バルブを閉止し、第2の回収部に第
2の除去液を回収するために第2の回収バルブを開放するとともに第1の回収バルブを閉止するように第1および第2の回収バルブを制御する制御部とを含んでもよい。
【0033】
この場合、簡単な制御で使用済みの第
1の除去液を第1の回収部に回収し、使用済みの第
2の除去液を第2の回収部に回収することができる。
【0034】
(
24)第
1の除去液の比重は第
2の除去液の比重よりも大きく、除去液回収ユニットは、使用済みの第
1および第
2の除去液を貯留する貯留部と、貯留部に貯留された第
1および第
2の除去液を比重に基づいて分離する除去液分離機構とを含んでもよい。
【0035】
この場合、第
1および第
2の除去液の比重に基づいて、簡単な構成で使用済みの第
1の除去液と使用済みの第
2の除去液とを分離することができる。
【0036】
(
25)除去液分離機構は、基板から飛散する第
1および第
2の除去液を受け止めるカップと、カップと貯留部との間に接続された回収配管と、貯留部から使用済みの第
1の除去液を排出するように設けられた第1の排出配管と、貯留部から使用済みの第
2の除去液を排出するように設けられた第2の排出配管と、第1の排出配管に介挿された第1の排出バルブと、貯留部内に貯留された第
1の除去液と第
2の除去液との境界面を検出する境界面検出部と、境界面検出部により検出された境界面を取得し、取得した検出面が予め定められた下限位置以下である場合には第1の排出バルブを閉止し、取得した検出面が下限位置よりも大きい場合には第1の排出バルブを開放するように第1の排出バルブを制御する制御部とを含み、第1の排出配管は下限位置よりも下方における貯留部に接続され、第2の排出配管は下限位置よりも上方における貯留部に接続されてもよい。
【0037】
この場合、簡単な制御で使用済みの第
1の除去液を貯留部から第1の排出配管を通して回収し、使用済みの第
2の除去液を貯留部から第2の排出配管を通して回収することができる。
【0038】
(
26)除去液分離機構は、第2の排出配管に介挿された第2の排出バルブをさらに含み、制御部は、取得した検出面が予め定められかつ下限位置よりも大きい上限位置以下である場合には第2の排出バルブを開放し、取得した検出面が上限位置よりも大きい場合には第2の排出バルブを閉止してもよい。
【0039】
この場合、簡単な構成で使用済みの第
1の除去液が貯留部から第2の排出配管を通して回収されることを防止することができる。
【0040】
(
27)第3の除去液は、金属および塗布液を溶解させてもよい。この場合、第3の除去液により金属含有塗布液における金属および塗布液が同時に除去される。これにより、基板の周縁部における金属および塗布液を効率よく除去することができる。また、第3の除去液を分離して回収する必要がない。これらの結果、基板の処理コストを低減することができる。
【0041】
(
28)膜形成ユニットは、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面と反対側の裏面に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を供給する裏面除去液供給ユニットをさらに備えてもよい。
【0042】
この構成によれば、金属含有塗布液が基板の裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板の裏面に付着した金属含有塗布液は、裏面除去液供給ユニットにより除去される。これにより、膜形成ユニットが金属により汚染されることを十分に防止することができる。
【0043】
(
29)第3の発明に係る基板処理方法は、
膜形成ユニットの第1の回転保持部により基板を水平姿勢で保持して回転させるステップと、第1の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として膜形成ユニット
の塗布液ノズルにより
吐出することにより被処理面に金属含有塗布膜を形成するステップと、金属含有塗布膜の形成後の基板を搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送するステップと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように金属を溶解させる第1の除去液を周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給するステップとを含む。
【0044】
この基板処理方法によれば、
膜形成ユニットの第1の回転保持部により基板が水平姿勢で保持され、回転される。第1の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として膜形成ユニット
の塗布液ノズルにより
吐出される。これにより、基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成される。金属含有塗布膜の形成後の基板が搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送される。また、金属を溶解させる第1の除去液が周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給される。これにより、基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
【0045】
この方法によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【0046】
(
30)第4の発明に係る膜形成方法は、第3の回転保持部により基板を水平姿勢で保持して回転させるステップと、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出するステップと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を周縁部除去液供給ユニットにより供給するステップとを含む。
【0047】
この膜形成方法によれば、第3の回転保持部により基板が水平姿勢で保持され、回転される。回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出される。回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液が周縁部除去液供給ユニットにより供給される。これにより、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
【0048】
この方法によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置および基板処理方法について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板またはフォトマスク用基板等をいう。また、本実施の形態で用いられる基板は、少なくとも一部が円形の外周部を有する。例えば、位置決め用のノッチを除く外周部が円形を有する。
【0052】
[1]第1の実施の形態
(1)基板処理装置
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図1および
図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0053】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、第1の処理ブロック12、第2の処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェイスブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。
【0054】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。搬送部112には、メインコントローラ114および搬送機構115が設けられる。メインコントローラ114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0055】
第1の処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向するように設けられる。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1〜PASS4(
図7参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127,128(
図7参照)が設けられる。
【0056】
第2の処理ブロック13は、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5〜PASS8(
図7参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137,138(
図7参照)が設けられる。
【0057】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向するように設けられる。搬送部163には、搬送機構141,142が設けられる。搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図7参照)が設けられる。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、複数の基板Wを収容可能に構成される。
【0058】
また、搬送機構141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9、後述のエッジ露光部EEW(
図7参照)および後述の載置兼冷却部P−CP(
図7参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPは、基板Wを冷却する機能(例えば、クーリングプレート)を備える。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。
【0059】
(2)塗布処理部、現像処理部および洗浄乾燥処理部
図2は、
図1の塗布処理部121、現像処理部131および洗浄乾燥処理部161の内部構成を示す模式的側面図である。
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。各塗布処理室21〜24には、塗布処理ユニット129が設けられる。現像処理部131には、現像処理室31〜34が階層的に設けられる。各現像処理室31〜34には、現像処理ユニット139が設けられる。
【0060】
図3は、塗布処理ユニット129の構成を示す模式的平面図である。
図3に示すように、各塗布処理ユニット129は、待機部20、複数のスピンチャック25、複数のカップ27、複数の塗布液ノズル28、ノズル搬送機構29および複数のエッジリンスノズル41を備える。本実施の形態においては、スピンチャック25、カップ27およびエッジリンスノズル41は、各塗布処理ユニット129に2つずつ設けられる。
【0061】
各スピンチャック25は、基板Wを保持した状態で、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。カップ27はスピンチャック25の周囲を取り囲むように設けられる。待機時には、各塗布液ノズル28は待機部20に挿入される。各塗布液ノズル28には、図示しない塗布液貯留部から塗布液配管を通して種々の塗布液が供給される。複数の塗布液ノズル28のうちのいずれかの塗布液ノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動される。スピンチャック25が回転しつつ塗布液ノズル28から塗布液が吐出されることにより、回転する基板W上に塗布液が塗布される。
【0062】
本実施の形態においては、
図2の塗布処理室22,24の塗布液ノズル28からは、反射防止膜用の塗布液(反射防止液)が吐出される。塗布処理室21,23の塗布液ノズル28からは、レジスト膜用の塗布液(レジスト液)が吐出される。
【0063】
反射防止液およびレジスト液には、高感度化を実現するための金属分子または金属酸化物等の金属成分が組成物として含有されている。本例では、金属成分として、例えばSn(スズ)、HfO
2(酸化ハフニウム)またはZrO
2(二酸化ジルコニウム)が反射防止液およびレジスト液に含有される。以下、金属成分を含有する反射防止液またはレジスト液等の塗布液を金属含有塗布液と総称する。また、金属含有塗布液により形成される膜を金属含有塗布膜と呼ぶ。
【0064】
エッジリンスノズル41は、スピンチャック25により保持された基板Wの被処理面の周縁部を向くように配置される。ここで、被処理面とは回路パターン等の各種パターンが形成される基板Wの面をいう。基板Wの周縁部とは、基板Wの被処理面において、基板Wの外周部に沿った一定幅の領域をいう。
【0065】
エッジリンスノズル41からは、基板Wの周縁部から金属含有塗布膜を除去する除去液を吐出可能である。かかる除去液として、例えばシンナー、酢酸ブチル(butyl acetate)、PGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(propyleneglycol monomethyl ether:プロピレングリコールモノメチルエーテル)を含む有機溶媒のほか、TMAH(tetra methyl ammonium hydroxide:水酸化テトラメチルアンモニウム)または、アンモニアおよび過酸化水素水を含む水溶液等の除去液が吐出されてもよい。以下、エッジリンスノズル41から吐出される除去液を膜除去液と呼ぶ。
【0066】
スピンチャック25により基板Wが回転された状態で、エッジリンスノズル41から基板Wの周縁部に膜除去液が吐出される。この場合、基板Wの周縁部に塗布された塗布液が溶解される。それにより、基板Wの周縁部の塗布膜が除去される。これにより、搬送アームが基板Wの周縁部を把持しても、パーティクルの発生を回避でき、基板処理装置100がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
【0067】
図2に示すように、現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、複数のスピンチャック35および複数のカップ37を備える。また、
図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つのスリットノズル38およびそれらのスリットノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0068】
ここで、露光装置15により露光された領域が現像液に可溶するポジティブトーン現像処理用の現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることができる。アルカリ性水溶液は、例えば、TMAHまたはKOH(potassium hydroxide:水酸化カリウム)を含む。一方、露光装置15により露光されなかった未露光領域が現像液に可溶するネガティブトーン現像処理用の現像液としては、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒は、例えば酢酸ブチルを含む。
【0069】
現像処理ユニット139においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転される。それにより、基板Wが回転される。この状態で、スリットノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。これにより、基板Wの現像処理が行われる。
【0070】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では3つ)の洗浄乾燥処理ユニットBSSが設けられる。各洗浄乾燥処理ユニットBSSにおいては、前述した有機溶媒、前述した水溶液または純水を用いて露光処理前の基板Wの周縁部および裏面の洗浄ならびに乾燥処理が行われる。ここで、裏面とは基板Wの被処理面と反対側の面をいう。
【0071】
(3)熱処理部
図4は、
図1の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162の内部構成を示す模式的側面図である。
図4に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0072】
熱処理部123の最上部にはローカルコントローラLC1が設けられる。ローカルコントローラLC1は、
図1のメインコントローラ114からの指令に基づいて、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123の動作を制御する。
【0073】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理および冷却処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0074】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、冷却ユニットCPおよび複数の熱処理ユニットPHPが設けられる。
【0075】
熱処理部133の最上部には、ローカルコントローラLC2が設けられる。ローカルコントローラLC2は、
図1のメインコントローラ114からの指令に基づいて、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133の動作を制御する。
【0076】
(4)金属除去ユニット
上記のように、
図3のスピンチャック25により基板Wが回転された状態で、エッジリンスノズル41から基板Wの周縁部に膜除去液が吐出されることにより、基板Wの周縁部に塗布された金属含有塗布液が溶解される。それにより、基板Wの周縁部の金属含有塗布膜が除去される。しかしながら、基板Wの周縁部には金属含有塗布液に含有されていた金属成分が残存している。また、基板Wの裏面に金属含有塗布液が回り込んだ場合には、基板Wの裏面には金属含有塗布液に含有されていた金属成分が残存している。
【0077】
基板Wの周縁部または裏面に金属成分が付着した状態で基板Wが基板処理装置100内で搬送されると、基板処理装置100の内部および露光装置15の内部に金属成分による汚染が発生する。そこで、洗浄乾燥処理部162には、露光処理前の基板Wの周縁部および裏面に付着した金属成分を除去する複数(本例では6つ)の金属除去ユニットMRが設けられる。
【0078】
金属除去ユニットMRにおいては、除去液としてアルカリ性除去液または酸性除去液が用いられる。アルカリ性除去液は、例えばアンモニアおよび過酸化水素を含む水溶液である。アルカリ性除去液は、例えばTMAHであってもよい。酸性除去液は、例えば希フッ酸を含む水溶液である。酸性除去液は、例えば硫酸および過酸化水素を含む水溶液であってもよいし、酢酸またはキレート剤を含む水溶液であってもよい。キレート剤は、有機酸、有機酸の塩、アミノ酸、アミノ酸の誘導体、無機アルカリ、無機アルカリの塩、アルキルアミン、アルキルアミンの誘導体、アルカノールアミンおよびアルカノールアミンの誘導体よりなる群から選択された一種または複数種を含む。以下、アルカリ性除去液または酸性除去液を金属用除去液と呼ぶ。金属用除去液は、反射防止液またはレジスト液に含有された金属成分を溶解可能である。
【0079】
本例では、3つの金属除去ユニットMRと残り3つの金属除去ユニットMRとでは、異なる金属用除去液が用いられる。この場合、金属含有塗布液に含有された金属成分の種類に応じて、適した金属除去ユニットMRにより基板Wの周縁部および裏面に付着した金属成分を除去することができる。
【0080】
図5は、金属除去ユニットMRの第1の構成例を示す図である。
図5に示すように、金属除去ユニットMRには、モータ1、スピンチャック3、カップ4、2つの裏面洗浄ノズル7、周縁部洗浄ノズル8および気体供給部9が設けられる。スピンチャック3は、鉛直軸の周りで回転可能にモータ1の回転軸2の上端に取り付けられる。カップ4は、スピンチャック3に保持された基板Wの周囲を取り囲むように配置される。カップ4の下部には排液部5および排気部6が形成される。
【0081】
2つの裏面洗浄ノズル7は、スピンチャック3により保持された基板Wの裏面を向くように配置される。裏面洗浄ノズル7から基板Wの裏面に金属用除去液が吐出される。周縁部洗浄ノズル8は、スピンチャック3により保持された基板Wの周縁部を向くように配置される。周縁部洗浄ノズル8から基板Wの周縁部に金属用除去液が吐出される。
【0082】
気体供給部9は、スピンチャック3により保持された基板Wの略中央部の上方に配置される。気体供給部9から基板Wの被処理面の略中央部に不活性ガス、例えば窒素ガスが噴出される。この場合、気体供給部9から噴出される気体は、基板Wの被処理面の略中央部に拡散する。これにより、周縁部洗浄ノズル8から吐出される金属用除去液が基板Wの被処理面に形成された塗布膜に付着することが防止される。
【0083】
図6は、金属除去ユニットMRの第2の構成例を示す図である。
図6に示すように、第2の構成例における金属除去ユニットMRは、
図5の周縁部洗浄ノズル8および気体供給部9に代えて気液供給ノズル10が設けられる。気液供給ノズル10は、水平方向に並ぶ液体ノズル10aおよび気体ノズル10bを含む。気液供給ノズル10は、スピンチャック3により保持された基板Wの周縁部を向くように配置される。ここで、気体ノズル10bは、液体ノズル10aよりも基板Wの中心に位置する。
【0084】
液体ノズル10aから基板Wの周縁部に金属用除去液が吐出される。気体ノズル10bから基板Wの周縁部に不活性ガス、例えば窒素ガスが噴出される。この場合、気体ノズル10bから気体が噴出される基板Wの位置は、液体ノズル10aから金属用除去液が吐出される位置よりも基板Wの中心に近い。そのため、液体ノズル10aから吐出される金属用除去液は、気体ノズル10bから噴出される気体により基板Wの中心に向かうことが妨げられる。これにより、液体ノズル10aから吐出される金属用除去液が基板Wの被処理面に形成された塗布膜に付着することが防止される。
【0085】
また、金属除去ユニットMRの第1または第2の構成例においては、熱処理部123により金属含有塗布膜が硬化されているので、気体供給部9または気体ノズル10bから基板Wに気体を吐出しても金属含有塗布膜の膜厚に影響しない。これらの結果、基板Wの被処理面に金属含有塗布膜を均一な厚みに形成することができる。
【0086】
(5)搬送部
図7は、搬送部122,132,163の内部構成を示す模式的側面図である。
図7に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0087】
塗布処理室21,22(
図2)と上段熱処理部301(
図4)とは上段搬送室125を挟んで対向し、塗布処理室23,24(
図2)と下段熱処理部302(
図4)とは下段搬送室126を挟んで対向する。同様に、現像処理室31,32(
図2)と上段熱処理部303(
図4)とは上段搬送室135を挟んで対向し、現像処理室33,34(
図2)と下段熱処理部304(
図4)とは下段搬送室136を挟んで対向する。
【0088】
搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0089】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9、複数のエッジ露光部EEWおよび複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0090】
載置兼バッファ部P−BF1は、搬送機構137および搬送機構141,142(
図1)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。載置兼バッファ部P−BF2は、搬送機構138および搬送機構141,142(
図1)による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。また、基板載置部PASS9、エッジ露光部EEWおよび載置兼冷却部P−CPは、搬送機構141,142(
図1)および搬送機構146による基板Wの搬入および搬出が可能に構成される。
【0091】
エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。基板Wにエッジ露光処理が行われることにより、後の現像処理時に、基板Wの周縁部上のレジスト膜が除去される。それにより、現像処理後において、基板Wの周縁部が他の部分と接触した場合に、基板Wの周縁部上のレジスト膜が剥離してパーティクルとなることが防止される。
【0092】
基板載置部PASS1および基板載置部PASS3には、インデクサブロック11から第1の処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS2および基板載置部PASS4には、第1の処理ブロック12からインデクサブロック11へ搬送される基板Wが載置される。
【0093】
基板載置部PASS5および基板載置部PASS7には、第1の処理ブロック12から第2の処理ブロック13へ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS6および基板載置部PASS8には、第2の処理ブロック13から第1の処理ブロック12へ搬送される基板Wが載置される。
【0094】
載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2には、第2の処理ブロック13から洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置され、載置兼冷却部P−CPには、洗浄乾燥処理ブロック14Aから搬入搬出ブロック14Bへ搬送される基板Wが載置され、基板載置部PASS9には、搬入搬出ブロック14Bから洗浄乾燥処理ブロック14Aへ搬送される基板Wが載置される。
【0095】
次に、搬送機構127について説明する。
図8は、搬送機構127を示す斜視図である。
図7および
図8に示すように、搬送機構127は、長尺状のガイドレール311,312を備える。
図7に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0096】
ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0097】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wの外周部を保持するためのハンドH1,H2,H3が取り付けられる。ハンドH1〜H3は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。ハンドH1はハンドH2よりも上方に配置され、ハンドH2はハンドH3よりも上方に配置される。
【0098】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向およびZ方向に自在に移動することができる。また、ハンドH1〜H3を用いて塗布処理室21,22(
図2)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(
図7)および上段熱処理部301(
図4)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0099】
なお、
図7に示すように、搬送機構128,137,138は搬送機構127と同様の構成を有する。また、本実施の形態においては、
図1の搬送機構141は、搬送機構127と同様の3つのハンドH1〜H3を有する。
【0100】
(6)基板処理
図1、
図2、
図4および
図7を参照しながら基板処理を説明する。インデクサブロック11のキャリア載置部111(
図1)には、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、キャリア113から基板載置部PASS1,PASS3(
図7)に未処理の基板Wを搬送する。また、搬送機構115は、基板載置部PASS2,PASS4(
図7)に載置された処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。
【0101】
第1の処理ブロック12において、搬送機構127(
図7)は、中段および下段のハンドH2,H3を用いて基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図4)、冷却ユニットCP(
図4)および塗布処理室22(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構127は、ハンドH2,H3を用いて塗布処理室22の基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図4)、冷却ユニットCP(
図4)、塗布処理室21(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図4)および基板載置部PASS5(
図7)に順に搬送する。
【0102】
この場合、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板Wに密着強化処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、反射防止膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室22において、塗布処理ユニット129(
図2)により基板W上に反射防止膜が形成される。続いて、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、レジスト膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室21において、塗布処理ユニット129(
図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS5に載置される。
【0103】
また、搬送機構127は、上段のハンドH1を用いて基板載置部PASS6(
図7)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(
図7)に搬送する。
【0104】
搬送機構128(
図7)は、中段および下段のハンドH2,H3を用いて基板載置部PASS3に載置された未処理の基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図4)、冷却ユニットCP(
図4)および塗布処理室24(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構128は、ハンドH2,H3を用いて塗布処理室24の基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図4)、冷却ユニットCP(
図4)、塗布処理室23(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図4)および基板載置部PASS7(
図7)に順に搬送する。
【0105】
また、搬送機構128(
図7)は、上段のハンドH1を用いて基板載置部PASS8(
図7)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS4(
図7)に搬送する。塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図4)における基板Wの処理内容は、上記の塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図4)における基板Wの処理内容とそれぞれ同様である。
【0106】
第2の処理ブロック13において、搬送機構137(
図7)は、下段のハンドH3を用いて基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wを載置兼バッファ部P−BF1(
図7)に搬送する。
【0107】
また、搬送機構137(
図7)は、上段および中段のハンドH1,H2を用いて洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図4)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構137は、ハンドH1,H2を用いてその基板Wを冷却ユニットCP(
図4)、現像処理室31,32(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図4)および基板載置部PASS6(
図7)に順に搬送する。
【0108】
この場合、冷却ユニットCPにおいて、現像処理に適した温度に基板Wが冷却された後、現像処理室31,32のいずれか一方において、現像処理ユニット139により基板Wの現像処理が行われる。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS6に載置される。
【0109】
搬送機構138(
図7)は、下段のハンドH3を用いて基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wを載置兼バッファ部P−BF2(
図7)に搬送する。
【0110】
また、搬送機構138(
図7)は、上段および中段のハンドH1,H2を用いてインターフェイスブロック14に隣接する熱処理ユニットPHP(
図4)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構138は、ハンドH1,H2を用いてその基板Wを冷却ユニットCP(
図4)、現像処理室33,34(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図4)および基板載置部PASS8(
図7)に順に搬送する。現像処理室33,34および下段熱処理部304における基板Wの処理内容は、上記の現像処理室31,32および上段熱処理部303における基板Wの処理内容とそれぞれ同様である。
【0111】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141(
図1)は、下段のハンドH3を用いて載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図7)に載置された基板Wを金属除去ユニットMR(
図4)に搬送する。また、搬送機構141は、上段および中段のハンドH1,H2を用いて、金属除去ユニットMRの基板Wを洗浄乾燥処理ユニットBSS(
図2)、エッジ露光部EEWおよび載置兼冷却部P−CP(
図7)に順に搬送する。
【0112】
この場合、金属除去ユニットMRにおいて、基板Wの周縁部および裏面に残存する金属成分の除去が行われる。また、洗浄乾燥処理ユニットBSSにおいて、基板Wの周縁部および裏面の洗浄ならびに乾燥処理が行われる。続いて、エッジ露光部EEWにおいて基板Wのエッジ露光処理が行われる。その後、載置兼冷却部P−CPにおいて露光装置15(
図1)による露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0113】
搬送機構142(
図1)は、基板載置部PASS9(
図7)に載置された露光処理後の基板Wをおよび上段熱処理部303または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(
図4)に順に搬送する。この場合、熱処理ユニットPHPにおいて露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0114】
搬入搬出ブロック14Bにおいて、搬送機構146(
図1)は、載置兼冷却部P−CP(
図7)に載置された露光処理前の基板Wを露光装置15(
図1)の基板搬入部に搬送する。また、搬送機構146は、露光装置15の基板搬出部から露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9(
図7)に搬送する。
【0115】
上記の基板Wの搬送によれば、金属成分が除去される前の基板Wと金属成分が除去された後の基板Wとが搬送機構127,128,137,138,141の異なるハンドにより保持される。これにより、金属成分が除去された後の基板Wに搬送機構127,128,137,138,141のハンドを介して金属成分が付着することが防止される。
【0116】
本実施の形態においては、上段に設けられた塗布処理室21,22、現像処理室31,32および上段熱処理部301,303における基板Wの処理と、下段に設けられた塗布処理室23,24、現像処理室33,34および下段熱処理部302,304における基板Wの処理とを並行して行うことができる。それにより、フットプリントを増加させることなく、スループットを向上させることができる。
【0117】
(7)効果
本実施の形態に係る基板処理装置100においては、金属含有塗布液が塗布液ノズル28により基板Wの被処理面に供給される。これにより、基板Wの被処理面に金属含有塗布膜が形成される。金属含有塗布膜の形成後の基板Wが搬送機構127,128,137,138,141により金属除去ユニットMRに搬送される。
【0118】
金属用除去液が金属除去ユニットMRにより基板Wの周縁部に供給される。これにより、基板Wの周縁部における金属含有塗布膜中の金属成分が溶解され、基板Wの被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。また、金属含有塗布液が基板Wの裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板Wの裏面に付着した金属含有塗布液中の金属成分は、金属除去ユニットMRにより除去される。
【0119】
この構成によれば、周縁部を除く基板Wの被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板Wの周縁部および裏面に金属成分が残存することが防止される。そのため、基板Wの周縁部を搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146が保持した場合でも、搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146には金属成分が付着しない。これにより、基板W上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【0120】
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る基板処理装置について、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図9に示すように、本実施の形態においては、第2の処理ブロック13がインデクサブロック11と第1の処理ブロック12との間に配置される。
【0121】
図9の基板処理装置100においては、第2の処理ブロック13の搬送機構137,138により基板Wがインデクサブロック11から第1の処理ブロック12に搬送される。第1の処理ブロック12において、基板Wに反射防止膜およびレジスト膜が形成される。その後、基板Wは、インターフェイスブロック14を通して露光装置15に搬送され、露光装置15により露光される。
【0122】
露光後の基板Wは、第1の処理ブロック12の搬送機構127,128により第2の処理ブロック13に搬送される。第2の処理ブロック13において、基板Wに現像処理が行われる。現像後の基板Wは、搬送機構137,138によりインデクサブロック11に搬送される。
【0123】
上記の構成によれば、基板Wの周縁部の金属含有塗布膜中の金属は、塗布処理部121に隣接する洗浄乾燥処理部162の金属除去ユニットMRにより即座に除去される。これにより、基板処理装置100が金属により汚染されることを十分に防止することができる。
【0124】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係る基板処理装置について、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図10に示すように、本実施の形態においては、第1の処理ブロック12と第2の処理ブロック13との間に洗浄乾燥処理ブロック14Aと同一の構成を有する洗浄乾燥処理ブロック14Cが配置される。
【0125】
図10の基板処理装置100においては、第1の処理ブロック12において反射防止膜およびレジスト膜が形成された基板Wは、隣接する洗浄乾燥処理ブロック14Cに搬送される。洗浄乾燥処理ブロック14Cにおいては、金属除去ユニットMRにより基板Wの周縁部および裏面に残存する金属成分の除去が行われる。また、洗浄乾燥処理ユニットBSSにより基板Wの周縁部および裏面の洗浄および乾燥処理が行われる。その後、基板Wは、隣接する第2の処理ブロック13に搬送される。
【0126】
[4]第4の実施の形態
第4の実施の形態に係る基板処理装置について、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。
図11は、本発明の第4の実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図11に示すように、本実施の形態においては、基板処理装置100に
図1の第2の処理ブロック13およびインターフェイスブロック14が設けられない。また、インデクサブロック11と第1の処理ブロック12との間に洗浄乾燥処理ブロック14Aと同一の構成を有する洗浄乾燥処理ブロック14Dが配置される。
【0127】
図11の基板処理装置100においては、洗浄乾燥処理ブロック14Dの搬送機構141によりインデクサブロック11から第1の処理ブロック12に基板Wが搬送される。第1の処理ブロック12においては、基板Wに反射防止膜およびレジスト膜が形成される。
【0128】
第1の処理ブロック12の基板Wは、洗浄乾燥処理ブロック14Dの搬送機構141により洗浄乾燥処理ブロック14Dの洗浄乾燥処理部162の金属除去ユニットMR(
図4)に搬送される。その後、金属除去ユニットMRの基板Wは、搬送機構142により洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットBSS(
図2)に搬送される。
【0129】
洗浄乾燥処理ブロック14Dにおいては、金属除去ユニットMRにより基板Wの周縁部および裏面に残存する金属成分の除去が行われる。また、洗浄乾燥処理ユニットBSSにより基板Wの周縁部および裏面の洗浄および乾燥処理が行われる。その後、基板Wは、搬送機構142によりインデクサブロック11に搬送される。
【0130】
本実施の形態においては、
図7のエッジ露光部EEWが、洗浄乾燥処理ブロック14Dに設けられてもよいし、第1の処理ブロック12に設けられてもよい。あるいは、基板処理装置100において基板Wにエッジ露光処理を行う必要がない場合には、基板処理装置100にエッジ露光部EEWは設けられなくてもよい。
【0131】
[5]第5の実施の形態
(1)塗布兼金属除去ユニット
第5の実施の形態に係る基板処理装置について、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。本実施の形態においては、
図1の洗浄乾燥処理ブロック14Aに洗浄乾燥処理部162(金属除去ユニットMR)が設けられない。また、
図2の塗布処理ユニット129に代えて、以下の塗布兼金属除去ユニットが設けられる。
【0132】
図12は、本発明の第5の実施の形態における塗布兼金属除去ユニットの構成を示す模式的側面図である。
図12に示すように、各塗布兼金属除去ユニット129MRは、各スピンチャック25に対応するエッジリンスノズル41,43およびバックリンスノズル42,44を備える。エッジリンスノズル41,43は、スピンチャック25により保持された基板Wの被処理面の周縁部を向くように配置される。バックリンスノズル42,44は、スピンチャック25により保持された基板Wの裏面を向くように配置される。
【0133】
エッジリンスノズル41,43には、それぞれ供給配管41p,43pが接続される。供給配管41p,43pには、それぞれ供給バルブ41v,43vが介挿される。バックリンスノズル42,44には、それぞれ供給配管42p,44pが接続される。供給配管42p,44pには、それぞれ供給バルブ42v,44vが介挿される。
【0134】
エッジリンスノズル41およびバックリンスノズル42には、図示しない第1の除去液供給タンクから前述した膜除去液と同様の除去液がそれぞれ供給配管41p,42pを通して基板Wの周縁部への膜除去液および基板Wの裏面への洗浄液として供給される。エッジリンスノズル43およびバックリンスノズル44には、図示しない第2の除去液供給タンクからそれぞれ供給配管43p,44pを通して金属用除去液が供給される。
【0135】
塗布兼金属除去ユニット129MRには、異なる種類の金属用除去液がそれぞれ貯留された2つの第2の供給タンクが設けられてもよい。この場合、各塗布兼金属除去ユニット129MRの2つのエッジリンスノズル43からそれぞれ異なる種類の金属用除去液を吐出することができる。同様に、各塗布兼金属除去ユニット129MRの2つのバックリンスノズル44からそれぞれ異なる種類の金属用除去液を吐出することができる。金属用除去液は、例えば30℃〜40℃に温度調整された状態でエッジリンスノズル43およびバックリンスノズル44から吐出されてもよい。
【0136】
スピンチャック25により基板Wが回転された状態で、エッジリンスノズル41から基板Wの周縁部に膜除去液が吐出されるとともに、バックリンスノズル42から基板Wの裏面に洗浄液が吐出される。この場合、基板Wの周縁部および裏面に塗布された塗布液が溶解される。それにより、基板Wの周縁部および裏面の塗布膜が除去される。
【0137】
また、スピンチャック25により基板Wが回転された状態で、エッジリンスノズル43から基板Wの周縁部に金属用除去液が吐出されるとともに、バックリンスノズル44から基板Wの裏面に金属用除去液が吐出される。この場合、基板Wの周縁部および裏面に残存した金属成分が溶解される。それにより、基板Wの周縁部および裏面に残存した金属成分が除去される。
【0138】
(2)除去液の回収
上記のように、塗布兼金属除去ユニット129MRの基板処理においては、膜除去液およびそれと同じ液である洗浄液と金属用除去液とが用いられる。そのため、カップ27から使用済みの膜除去液および洗浄液と金属用除去液とを分離して回収することが好ましい。そこで、
図12に示すように、カップ27の排液部に回収配管50が接続される。回収配管50は、下流において2つの分岐配管51,52に分岐する。分岐配管51,52には、それぞれ回収バルブ51v,52vが介挿される。分岐配管51,52は、それぞれ回収タンク53a,53bに接続される。
【0139】
このように、本実施の形態においては、カップ27、分岐配管51,52、回収バルブ51v,52v、回収タンク53a,53bおよび
図4のローカルコントローラLC1により除去液回収ユニット50Aが構成される。
【0140】
図13は、供給バルブ41v〜44vおよび回収バルブ51v,52vの動作を示すタイムチャートである。なお、供給バルブ41v〜44vおよび回収バルブ51v,52vの動作は、ローカルコントローラLC1により制御される。
【0141】
図13に示すように、初期時点t0において、供給バルブ41v〜44vおよび回収バルブ52vが閉止され、回収バルブ51vが開放される。その後、時点t1において、供給バルブ42v,41vが順次開放される。これにより、バックリンスノズル42およびエッジリンスノズル41から基板Wの裏面および周縁部にそれぞれ洗浄液および膜除去液が順次吐出される。
【0142】
基板Wに吐出された洗浄液および膜除去液は基板Wの回転により振り切られ、カップ27の排液部から回収配管50を通して下流に導かれる。ここで、分岐配管51の回収バルブ51vは開放され、分岐配管52の回収バルブ52vは閉止されている。そのため、洗浄液および膜除去液は、分岐配管51を通して回収タンク53aに回収される。
【0143】
時点t1よりも後の時点t2に供給バルブ41vが閉止され、時点t2よりも後の時点t3に供給バルブ42vが閉止される。これにより、エッジリンスノズル41およびバックリンスノズル42から基板Wへの膜除去液および洗浄液の吐出は順次停止される。
【0144】
時点t3よりも後の時点t4において、供給バルブ44v,43vが順次開放される。バックリンスノズル44およびエッジリンスノズル43から基板Wの裏面および周縁部にそれぞれ金属用除去液が順次吐出される。時点t4よりも後の時点t5において、回収バルブ51vが閉止されるとともに、回収バルブ52vが開放される。
【0145】
基板Wに吐出された金属用除去液は基板Wの回転により振り切られ、カップ27の排液部から回収配管50を通して下流に導かれる。ここで、分岐配管52の回収バルブ52vは開放され、分岐配管51の回収バルブ51vは閉止されている。そのため、金属用除去液は、分岐配管52を通して回収タンク53bに回収される。
【0146】
時点t5よりも後の時点t6に供給バルブ43vが閉止され、時点t6よりも後の時点t7に供給バルブ44vが閉止される。これにより、エッジリンスノズル43およびバックリンスノズル44から基板Wへの金属用除去液の吐出は順次停止される。時点t7よりも後の時点t8において回収バルブ52vが閉止され、時点t8よりも後の時点t9に回収バルブ51vが開放される。その後、時点t0〜t9の処理が繰り返される。
【0147】
このように、本実施の形態における除去液の回収方式においては、洗浄液および膜除去液および金属用除去液が吐出される期間に基づいて、使用済みの洗浄液および膜除去液と使用済みの金属用除去液とが分離される。この方式によれば、ほとんど全ての使用済みの洗浄液および膜除去液が回収タンク53aに回収され、ほとんど全ての使用済みの金属用除去液が回収タンク53bに回収される。この場合、使用者は、洗浄液および膜除去液と金属用除去液とを分離するための作業を行う必要がない。これにより、除去液の廃棄コストを低減することができる。
【0148】
また、上記の除去液の回収方式においては、供給バルブ42vの開放期間は供給バルブ41vの開放期間よりも長いが、本発明はこれに限定されない。供給バルブ42vの開放期間は供給バルブ41vの開放期間と等しくてもよいし、短くてもよい。同様に、上記の除去液の回収処理においては、供給バルブ44vの開放期間は供給バルブ43vの開放期間よりも長いが、本発明はこれに限定されない。供給バルブ44vの開放期間は供給バルブ43vの開放期間と等しくてもよいし、短くてもよい。
【0149】
さらに、上記の除去液の回収方式においては、分岐配管51,52の下流が回収タンク53a,53bにそれぞれ接続されるが、本発明はこれに限定されない。分岐配管51の下流は図示しない洗浄液および膜除去液回収部に接続されてもよい。同様に、分岐配管52の下流は、図示しない金属用除去液回収部に接続されてもよい。
【0150】
(3)効果
本実施の形態に係る基板処理装置100においては、スピンチャック25により回転される基板Wの被処理面に金属含有塗布液が塗布液ノズル28により吐出される。回転される基板Wの被処理面の周縁部および裏面に金属用除去液がエッジリンスノズル43およびバックリンスノズル44によりそれぞれ供給される。
【0151】
この場合、基板Wの周縁部における金属含有塗布膜中の金属成分がエッジリンスノズル43により溶解され、基板Wの被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。また、金属含有塗布液が基板Wの裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板Wの裏面に付着した金属含有塗布液中の金属成分は、バックリンスノズル44により除去される。
【0152】
この構成によれば、周縁部を除く基板Wの被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板Wの周縁部および裏面に金属が付着することが防止される。これにより、基板W上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【0153】
また、回転される基板Wの被処理面の周縁部および裏面に洗浄液および膜除去液がエッジリンスノズル41およびバックリンスノズル42によりそれぞれ供給されるので、基板Wの周縁部および裏面に塗布された塗布液が溶解される。それにより、基板Wの周縁部の塗布膜が除去される。その結果、搬送アームが基板Wの周縁部を把持しても、パーティクルの発生を回避でき、基板処理装置100がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
【0154】
[6]第6の実施の形態
第6の実施の形態に係る基板処理装置について、第5の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。
図14は、本発明の第6の実施の形態における塗布兼金属除去ユニットの構成を示す模式的側面図である。
【0155】
図14に示すように、本実施の形態においては、塗布兼金属除去ユニット129MRは、
図12の回収タンク53a,53bに代えて回収タンク53を含む。また、回収配管50は分岐せずに回収タンク53に接続される。この場合、カップ27からの使用済みの洗浄液および膜除去液と金属用除去液とが共通の回収タンク53に導かれる。
【0156】
ここで、洗浄液および膜除去液と金属用除去液とは互いに異なる比重を有し、金属用除去液の比重は洗浄液および膜除去液の比重よりも大きい。そのため、回収タンク53内においては、金属用除去液の層と洗浄液および膜除去液の層とが上下に分離するように形成される。そこで、回収タンク53には、金属用除去液と洗浄液および膜除去液との境界面を検出する境界検出部54が設けられる。本実施の形態では、境界検出部54は静電容量式の液面レベルセンサであるが、本発明はこれに限定されない。境界検出部54は、フロート式、光学式、超音波式、電導率式、ピエゾ共振式等の他の方式の液面レベルセンサであってもよい。
【0157】
回収タンク53には、金属用除去液と洗浄液および膜除去液との境界面の下限高さL1および上限高さL2が設定される。上限高さL2は下限高さL1よりも上方に位置する。回収タンク53には、下限高さL1よりも低い位置に回収配管55が取り付けられ、上限高さL2よりも高い位置に回収配管56が取り付けられる。回収配管55,56は、それぞれ図示しない金属用除去液回収部および洗浄液・膜除去液回収部に接続される。回収配管55,56には、それぞれ回収バルブ55v,56vが介挿される。
【0158】
本実施の形態においては、カップ27、回収配管50、回収タンク53、境界検出部54、回収配管55,56および回収バルブ55v,56vおよび
図4のローカルコントローラLC1により除去液回収ユニット50Aが構成される。
【0159】
図15は、回収バルブ55v,56vの制御を示すフローチャートである。なお、回収バルブ55v,56vの動作は、ローカルコントローラLC1により制御される。また、供給バルブ41v〜44vの動作は、
図13のタイムチャートに示される動作と同様である。
【0160】
図15に示すように、ローカルコントローラLC1は、境界検出部54から回収タンク53内の金属用除去液と洗浄液および膜除去液との境界面を取得する(ステップS1)。次に、ローカルコントローラLC1は、取得した境界面の高さが下限高さL1未満であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0161】
ステップS2において、境界面の高さが下限高さL1未満である場合、ローカルコントローラLC1は回収バルブ55vを閉止する(ステップS3)。その後、ローカルコントローラLC1はステップS1の処理に戻る。なお、ステップS3の時点においては、回収バルブ56vは開放されていてもよいし、閉止されていてもよい。一方、ステップS2において、境界面の高さが下限高さL1以上である場合、ローカルコントローラLC1は、境界面の高さが上限高さL2未満であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0162】
ステップS4において、境界面の高さが上限高さL2未満である場合、ローカルコントローラLC1は、回収バルブ55vを開放するとともに回収バルブ56vを開放する(ステップS5)。その後、ローカルコントローラLC1はステップS1の処理に戻る。一方、ステップS4において、境界面の高さが上限高さL2以上である場合、ローカルコントローラLC1は、回収バルブ55vを開放するとともに回収バルブ56vを閉止する(ステップS6)。その後、ローカルコントローラLC1はステップS1の処理に戻る。
【0163】
この処理においては、境界面の高さが下限高さL1未満である場合、回収バルブ55vが閉止される。これにより、回収配管55から洗浄液および膜除去液が排出されることが防止される。境界面の高さが下限高さL1以上でかつ上限高さL2未満である場合、回収バルブ55v,56vが開放される。これにより、回収配管55から金属用除去液が排出され、回収配管56から洗浄液および膜除去液が排出される。境界面の高さが上限高さL2である場合、回収バルブ56vが閉止される。これにより、回収配管56から金属用除去液が排出されることが防止される。
【0164】
このように、本実施の形態における除去液の回収方式においては、洗浄液および膜除去液と金属用除去液との比重に基づいて、使用済みの洗浄液および膜除去液と使用済みの金属用除去液とが分離される。この回収方式によれば、洗浄液および膜除去液と金属用除去液とを完全に分離して回収することが可能となる。この場合、使用者は、洗浄液および膜除去液と金属用除去液とを分離するための作業を行う必要がない。これにより、除去液の廃棄コストを低減することができる。
【0165】
上記の除去液の回収方式においては、回収配管56に回収バルブ56vが介挿されるが、本発明はこれに限定されない。回収配管56が上限高さL2よりも十分に上方に取り付けられ、金属用除去液が回収配管56から排出されないように構成されている場合には、回収配管56に回収バルブ56vが介挿されなくてもよい。この場合、
図15のステップS4,S6の処理は行われず、ステップS5の処理では回収バルブ55vのみが開放される。
【0166】
[7]第7の実施の形態
(1)現像兼金属除去ユニット
第7の実施の形態に係る基板処理装置について、第1の実施の形態に係る基板処理装置100と異なる点を説明する。本実施の形態においては、
図1の洗浄乾燥処理ブロック14Aに洗浄乾燥処理部162(金属除去ユニットMR)が設けられない。また、
図2の現像処理室31〜34の現像処理ユニット139に代えて、以下の現像兼金属除去ユニットが設けられる。
【0167】
図16は、本発明の第7の実施の形態における現像兼金属除去ユニットの構成を示す模式的側面図である。
図16に示すように、現像兼金属除去ユニット139MRは、各スピンチャック35に対応するエッジリンスノズル45およびバックリンスノズル46を備える。エッジリンスノズル45は、スピンチャック35により保持された基板Wの被処理面の周縁部を向くように配置される。バックリンスノズル46は、スピンチャック35により保持された基板Wの裏面を向くように配置される。
【0168】
本実施の形態における基板処理について、
図2、
図7および
図16を参照しながら第1の実施の形態における基板処理と異なる点を説明する。上記のように、第1の処理ブロック12によりレジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置される。第2の処理ブロック13において、搬送機構137は、下段のハンドH3を用いて基板載置部PASS5に載置された基板Wを現像処理室31または現像処理室32に搬送する。
【0169】
現像処理室31,32において、現像兼金属除去ユニット139MRにより基板Wの洗浄が行われる。具体的には、スピンチャック35により基板Wが回転された状態で、エッジリンスノズル45から基板Wの周縁部に金属用除去液が吐出される。また、バックリンスノズル46から基板Wの裏面に金属用除去液が吐出される。この場合、基板Wの周縁部および裏面に残存した金属成分が溶解される。それにより、基板Wの周縁部および裏面に残存した金属成分が除去される。金属用除去液による基板Wの洗浄後、基板Wの周縁部および裏面が純水等によりさらに洗浄されてもよい。
【0170】
現像兼金属除去ユニット139MRにより基板Wが洗浄された後、搬送機構137は、上段および中段のハンドH1,H2を用いて洗浄後の基板Wを現像処理室31,32から載置兼バッファ部P−BF1に搬送する。その後の基板処理は、第1の実施の形態における基板処理と同様である。
【0171】
同様に、第2の処理ブロック13において、搬送機構138は、下段のハンドH3を用いて基板載置部PASS7に載置された基板Wを現像処理室33または現像処理室34に搬送する。その後、搬送機構137は、上段および中段のハンドH1,H2を用いて洗浄後の基板Wを現像処理室33,34から載置兼バッファ部P−BF2に搬送する。
【0172】
(2)効果
本実施の形態に係る基板処理装置100においては、基板Wの被処理面の周縁部および裏面に金属用除去液がエッジリンスノズル45およびバックリンスノズル46によりそれぞれ供給される。この場合、基板Wの周縁部における金属含有塗布膜中の金属成分がエッジリンスノズル45により溶解され、基板Wの被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。また、金属含有塗布液が基板Wの裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板Wの裏面に付着した金属含有塗布液中の金属成分は、バックリンスノズル46により除去される。
【0173】
この構成によれば、周縁部を除く基板Wの被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板Wの周縁部および裏面に金属が残存することが防止される。これにより、基板W上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
【0174】
また、本実施の形態においては、現像液と金属用除去液とで同じ種類の処理液(例えばTMAH)を用いることができる。この場合、現像液と金属用除去液とを分離して回収する必要がない。これにより、処理液の廃棄コストを低減することができる。
【0175】
一方で、現像液と金属用除去液とで異なる種類の処理液を用いることも可能である。例えば、現像液としてネガティブトーン現像処理用の酢酸ブチルを用い、金属用除去液としてTMAHを用いてもよい。この場合、現像液と金属用除去液とを分離して回収するために、
図12または
図14の除去液回収ユニット50Aを現像兼金属除去ユニット139MRに設けることが好ましい。
【0176】
また、金属用除去液としてTMAHを用いる場合には、金属成分を溶解するとともに、基板Wにわずかに付着した金属含有塗布膜を金属成分と一体的に除去することができる。これにより、基板Wの周縁部および裏面に付着した金属成分を効率よく除去することができる。
【0177】
また、露光後の基板Wの現像処理後、リンス処理時に基板Wの裏面を金属用除去液により金属成分を除去した後、純水等によりリンス処理を行ってもよい。これにより、現像処理において基板Wの裏面に付着した金属成分を確実に除去することができる。
【0178】
[8]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、反射防止液およびレジスト液の両方に金属成分が含有されているが、本発明はこれに限定されない。反射防止液およびレジスト液の一方に金属成分が含有されなくてもよい。この場合、第5および第6の実施の形態においては、塗布処理室21,23または塗布処理室22,22の一方には、塗布兼金属除去ユニット129MRが設けられず、塗布処理ユニット129が設けられる。
【0179】
(2)上記実施の形態において、塗布液として反射防止液およびレジスト液に金属成分が含有されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハードマスク(HM)膜を形成するための塗布液に金属成分が含有されていてもよい。この場合、金属成分として、例えば酸化チタン(TiO
x)、酸化タングステン(WO
x)または酸化ジルコニウム(ZrO
x)が塗布液に含有される。
【0180】
(3)上記実施の形態において、塗布処理室21〜24に2つのスピンチャック25が設けられ、現像処理室31〜34に3つのスピンチャック35が設けられるが、本発明はこれに限定されない。塗布処理室21〜24に1つまたは3つ以上のスピンチャック25が設けられてもよい。また、現像処理室31〜34に2つ以下または4つ以上のスピンチャック35が設けられてもよい。
【0181】
(4)上記実施の形態において、搬送機構127,128,137,138,141のハンドH1〜H3は基板Wの外周部を保持するが、本発明はこれに限定されない。送機構127,128,137,138,141のハンドH1〜H3は、基板Wを吸着することにより基板Wの裏面を保持してもよい。
図17は、搬送機構127の吸着式のハンドH1を示す平面図である。吸着式のハンドH2,H3は、
図17の吸着式のハンドH1と同様の構成を有する。
【0182】
図17に示すように、吸着式のハンドH1は、ガイド部Haおよびアーム部Hbを含む。ガイド部Haは略C字形状を有し、アーム部Hbは長方形状を有する。ガイド部Haの内周部には、ガイド部Haの内周部に沿って形成される円の中心に対して等角度間隔で、ガイド部Haの内側に向かうように複数(本例では3つ)の突出部prが形成されている。各突出部prの先端部に、吸着部smが設けられている。吸着部smは、図示しない吸気系に接続される。
【0183】
ハンドH1においては、3つの突出部prの3つの吸着部sm上に基板Wが載置される。
図17においては、ハンドH1により保持される基板Wが二点鎖線で示される。この状態で、3つの吸着部smに接続された吸気系が制御され、基板Wの裏面の3箇所の部分がそれぞれ3つの吸着部smにより吸着される。これにより、基板Wの裏面が保持が保持される。なお、ハンドH1は4つの吸着部smを有してもよい。この場合、基板Wの裏面の4箇所の部分がそれぞれ4つの吸着部smにより吸着される。
【0184】
(5)第1〜第4の実施の形態において、搬送機構127,128,137,138,141は3つのハンドH1〜H3を有することが好ましいが、本発明はこれに限定されない。搬送機構127,128,137,138,141は2つ以下のハンドを有してもよいし、4つ以上のハンドを有してもよい。
【0185】
特に、
図17に示される吸着式のハンドにより基板Wを保持する場合において、基板Wの裏面に金属含有塗布液が付着しない場合には、搬送機構127,128,137,138,141は3つ以上のハンドを有する必要がない。また、洗浄前の基板Wを保持するハンドと洗浄後の基板Wを保持するハンドとを使い分ける必要がない。
【0186】
第2の実施の形態においては、搬送機構137,138は3つ以上のハンドを有する必要がないし、洗浄前の基板Wを保持するハンドと洗浄後の基板Wを保持するハンドとを使い分ける必要がない。第3の実施の形態においては、搬送機構137,138,141は3つ以上のハンドを有する必要がないし、洗浄前の基板Wを保持するハンドと洗浄後の基板Wを保持するハンドとを使い分ける必要がない。第5および第6の実施の形態においては、搬送機構127,128,137,138,141は3つ以上のハンドを有する必要がないし、洗浄前の基板Wを保持するハンドと洗浄後の基板Wを保持するハンドとを使い分ける必要がない。
【0187】
(6)第1〜第4の実施の形態において、洗浄乾燥処理部161に複数の洗浄乾燥処理ユニットBSSが配置され、洗浄乾燥処理部162に複数の金属除去ユニットMRが配置されるが、本発明はこれに限定されない。一部または全部の洗浄乾燥処理ユニットBSSが洗浄乾燥処理部162に配置されてもよいし、一部または全部の金属除去ユニットMRが洗浄乾燥処理部161に配置されてもよい。
【0188】
(7)第1〜第4の実施の形態において、塗布処理ユニット129にエッジリンスノズル41が設けられるが、本発明はこれに限定されない。塗布処理ユニット129にエッジリンスノズル41が設けられなくてもよい。あるいは、エッジリンスノズル41は、塗布処理ユニット129に設けられず、金属除去ユニットMRに設けられてもよい。この場合、金属除去ユニットMRには、第5または第6の実施の形態と同様の除去液回収ユニットが設けられてもよい。
【0189】
同様に、第5および第6の実施の形態において、塗布兼金属除去ユニット129MRにエッジリンスノズル41およびバックリンスノズル42が設けられるが、本発明はこれに限定されない。塗布兼金属除去ユニット129MRにエッジリンスノズル41およびバックリンスノズル42の一方または両方が設けられなくてもよい。
【0190】
(8)第5および第6の実施の形態において、塗布兼金属除去ユニット129MRに膜除去液を吐出するエッジリンスノズル41と金属用除去液を吐出するエッジリンスノズル43とが別個に設けられるが、本発明はこれに限定されない。塗布兼金属除去ユニット129MRに膜除去液と金属用除去液とを選択的に吐出する共通のエッジリンスノズルが設けられてもよい。
【0191】
同様に、塗布兼金属除去ユニット129MRに洗浄液を吐出するバックリンスノズル42と金属用除去液を吐出するバックリンスノズル44とが別個に設けられるが、本発明はこれに限定されない。塗布兼金属除去ユニット129MRに洗浄液と金属用除去液とを選択的に吐出する共通のバックリンスノズルが設けられてもよい。
【0192】
あるいは、金属用除去液が塗布液を溶解させる性質を有してもよい。この場合、塗布兼金属除去ユニット129MRにエッジリンスノズル41が設けられなくてもよいし、バックリンスノズル42が設けられなくてもよい。また、塗布兼金属除去ユニット129MRに除去液回収ユニットが設けられなくてもよい。
【0193】
金属用除去液が塗布液を溶解させる性質を有する場合には、単一の除去液により金属含有塗布液における金属および塗布液が同時に除去される。これにより、基板Wの周縁部および裏面に付着した金属および塗布液を効率よく除去することができる。また、除去液を分離して回収する必要がない。これらの結果、基板Wの処理コストを低減することができる。
【0194】
(9)第5および第6の実施の形態において、塗布兼金属除去ユニット129MRはそれぞれ
図12および
図13の除去液回収ユニット50Aを含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、カップ27が2種類の除去液を分離して回収可能な2重カップである場合には、塗布兼金属除去ユニット129MRは
図12または
図13の除去液回収ユニット50Aを含まなくてもよい。この場合、カップ27が除去液回収ユニット50Aとして機能する。
【0195】
(10)第1〜第3、第5および第6の実施の形態において、インターフェイスブロック14にエッジ露光部EEWが設けられるが、本発明はこれに限定されない。エッジ露光部EEWはインターフェイスブロック14に設けられず、第1の処理ブロック12の上段熱処理部301および下段熱処理部302に設けられてもよい。この場合、レジスト膜の形成後、基板Wが基板載置部PASS5,PASS7に載置される前に基板Wにエッジ露光処理が行われる。
【0196】
あるいは、エッジ露光部EEWは第2の処理ブロック13に設けられてもよい。この場合、第1〜第3の実施の形態においては、第2の処理ブロック13の搬送機構137,138は、ハンドH1〜H3に加えて第4のハンドを有することが好ましい。
図18は、他の実施の形態における熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162の内部構成を示す模式的側面図である。
図19は、他の実施の形態における搬送部122,132,163の内部構成を示す模式的側面図である。
【0197】
図18および
図19に示すように、本実施の形態にはおいては、エッジ露光部EEWはインターフェイスブロック14に設けられず、第2の処理ブロック13の上段熱処理部303および下段熱処理部304に設けられる。また、
図19に示すように、第2の処理ブロック13の搬送機構137,138は、ハンドH1〜H3に加えてハンドH4を有する。ハンドH4は、ハンドH3の下方に位置する。他の実施の形態における基板処理について、
図1、
図2、
図18および
図19を参照しながら第1の実施の形態における基板処理と異なる点を説明する。
【0198】
上記のように、第1の処理ブロック12によりレジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置される。第2の処理ブロック13において、搬送機構137は、下段の2つのハンドH3,H4を用いて基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図18)および載置兼バッファ部P−BF1(
図19)に順に搬送する。この場合、エッジ露光部EEWにおいて、基板Wにエッジ露光処理が行われる。エッジ露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1に載置される。
【0199】
また、搬送機構137(
図19)は、上段の2つのハンドH1,H2を用いて洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図18)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構137は、ハンドH1,H2を用いてその基板Wを冷却ユニットCP(
図18)、現像処理室31,32(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図18)および基板載置部PASS6(
図19)に順に搬送する。
【0200】
同様に、搬送機構138(
図19)は、下段の2つのハンドH3,H4を用いて基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図18)および載置兼バッファ部P−BF2(
図19)に順に搬送する。また、搬送機構138(
図19)は、上段の2つのハンドH1,H2を用いてインターフェイスブロック14に隣接する熱処理ユニットPHP(
図18)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構138は、上段の2つのハンドH1,H2を用いてその基板Wを冷却ユニットCP(
図18)、現像処理室33,34(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図18)および基板載置部PASS8(
図19)に順に搬送する。
【0201】
この構成においては、第1の処理ブロック12からインターフェイスブロック14への基板Wの搬送は下段の2つのハンドH3,H4を用いて行われる。一方、インターフェイスブロック14から第1の処理ブロック12への基板Wの搬送は上段の2つのハンドH1,H2を用いて行われる。そのため、洗浄前の基板Wを保持するハンドH3,H4と洗浄後の基板Wを保持するハンドH1,H2とを使い分けつつスループットを向上させることができる。
【0202】
(11)第1の実施の形態において、洗浄乾燥処理部162(金属除去ユニットMR)が洗浄乾燥処理ブロック14Aに設けられるが、本発明はこれに限定されない。洗浄乾燥処理部162は、第2の処理ブロック13に設けられてもよい。
【0203】
この場合、搬送機構137は、下段のハンドH3を用いて基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wを洗浄乾燥処理部162に搬送する。これにより、洗浄乾燥処理部162の金属除去ユニットMRにより基板Wの周縁部および裏面に残存した金属成分が除去される。金属除去ユニットMRにより基板Wが洗浄された後、搬送機構137は、上段および中段のハンドH1,H2を用いて洗浄後の基板Wを洗浄乾燥処理部162から載置兼バッファ部P−BF1に搬送する。
【0204】
(12)第7の実施の形態において、現像兼金属除去ユニット139MRにエッジリンスノズル45が設けられるが、本発明はこれに限定されない。
図1のスリットノズル38が基板Wの被処理面の周縁部に金属用除去液を吐出可能である場合には、現像兼金属除去ユニット139MRにエッジリンスノズル45が設けられなくてもよい。この場合、基板処理装置100の大型化を抑制することができる。
【0205】
[9]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0206】
上記の実施の形態では、基板Wが基板の例であり、金属除去ユニットMRまたは現像兼金属除去ユニット139MRが周縁部除去ユニットの例であり、搬送機構127,128,137,138,141が搬送機構の例である。基板処理装置100が基板処理装置の例である。スピンチャック25が第1または第3の回転保持部の例であり、スピンチャック3またはスピンチャック35が第2の回転保持部の例であり、塗布液ノズル28が塗布液ノズルの例である。
【0207】
熱処理部123が熱処理部の例であり、気体供給部9または気体ノズル10bが気体吐出部の例であり、搬送機構127,128のハンドH2,H3または搬送機構137,138,141のハンドH3が除去前基板保持部の例である。搬送機構127,128のハンドH1または搬送機構137,138,141のハンドH1,H2が除去後基板保持部の例であり、除去液回収ユニット50Aが除去液回収ユニットの例であり、スリットノズル38が現像ノズルの例である。
【0208】
回収タンク53b,53aがそれぞれ第1および第2の回収部の例であり、カップ27、分岐配管51,52、回収バルブ51v,52vおよびローカルコントローラLC1が切り替え経路の例である。カップ27がカップの例であり、分岐配管52,51がそれぞれ第1および第2の回収配管の例であり、回収バルブ52v,51vがそれぞれ第1および第2の回収バルブの例であり、ローカルコントローラLC1が制御部の例である。
【0209】
回収タンク53が貯留部の例であり、カップ27、回収配管50、境界検出部54、回収配管55,56、回収バルブ55v,56vおよびローカルコントローラLC1が除去液分離機構の例であり、回収配管50が回収配管の例である。回収配管55,56がそれぞれ第1および第2の排出配管の例であり、回収バルブ55v,56vがそれぞれ第1および第2の排出バルブの例であり、境界検出部54が境界面検出部の例であり、下限高さL1が下限位置の例であり、上限高さL2が上限位置の例である。
【0210】
第1〜第4の実施の形態においては、塗布処理ユニット129が膜形成ユニットの例であり、周縁部洗浄ノズル8または液体ノズル10aが第1の除去液ノズルの例である。エッジリンスノズル41が第2の除去液ノズルの例であり、裏面洗浄ノズル7が第3の除去液ノズルの例である。
【0211】
第5および第6の実施の形態においては、塗布兼金属除去ユニット129MRが膜形成ユニットの例であり、エッジリンスノズル41,43および供給バルブ41v,43vが周縁部除去液供給ユニットの例である。エッジリンスノズル41,43が除去液ノズルの例であり、バックリンスノズル42,44および供給バルブ42v,44vが裏面除去液供給ユニットの例である。第7の実施の形態においては、エッジリンスノズル45が第1の除去液ノズルの例である。
【0212】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
[10]参考形態
(1)第1の参考形態に係る基板処理装置は、金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として基板の被処理面に供給することにより被処理面に金属含有塗布膜を形成する膜形成ユニットと、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後に、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように金属を溶解させる第1の除去液を基板の周縁部に供給する周縁部除去ユニットと、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後に基板を周縁部除去ユニットに搬送する搬送機構とを備える。
この基板処理装置においては、金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として膜形成ユニットにより基板の被処理面に供給される。これにより、基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成される。金属含有塗布膜の形成後の基板が搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送される。また、金属を溶解させる第1の除去液が周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給される。これにより、基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
(2)膜形成ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第1の回転保持部と、第1の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属含有塗布液を吐出する塗布液ノズルとを含み、周縁部除去ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第2の回転保持部と、第2の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に第1の除去液を吐出する第1の除去液ノズルとを含んでもよい。この場合、簡単な構成で周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜を形成するとともに、基板の周縁部の金属を除去することができる。
(3)膜形成ユニットおよび周縁部除去ユニットの少なくとも一方は、回転される基板の被処理面の周縁部に塗布液を溶解させる第2の除去液を吐出する第2の除去液ノズルをさらに含んでもよい。
この場合、基板の周縁部の塗布液は、膜形成ユニットおよび周縁部除去ユニットの少なくとも一方により除去される。それにより、基板の周縁部の金属含有塗布膜が確実に除去される。これにより、基板処理装置がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
(4)周縁部除去ユニットは、回転される基板の被処理面と反対側の裏面に第1の除去液を吐出する第3の除去液ノズルをさらに含んでもよい。この構成によれば、金属含有塗布液が基板の裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板の裏面に付着した金属含有塗布液中の金属は、周縁部除去ユニットにより除去される。これにより、基板処理装置が金属により汚染されることを十分に防止することができる。
(5)基板処理装置は、膜形成ユニットによる金属含有塗布膜の形成後でかつ周縁部除去ユニットによる第1の除去液の吐出前に、熱処理により金属含有塗布膜を硬化させる熱処理部をさらに備え、周縁部除去ユニットは、第1の除去液ノズルにより被処理面の周縁部に第1の除去液が吐出されているときに、吐出される第1の除去液よりも基板の中心に近い位置に気体を吐出する気体吐出部をさらに含んでもよい。
この場合、気体吐出部により基板の中心から外方に向かって気体が吐出される。これにより、第1の除去液が周縁部を除く基板の被処理面に飛散することが防止される。また、熱処理部により金属含有塗布膜が硬化されているので、気体吐出部から基板に気体を吐出しても、金属含有塗布膜の膜厚は変化しない。これらの結果、基板の被処理面に金属含有塗布膜を均一な厚みに形成することができる。
(6)周縁部除去ユニットは、第2の回転保持部により回転される基板の被処理面に現像液を吐出する現像ノズルをさらに含んでもよい。この場合、周縁部除去ユニットにおいて基板を現像することができる。
(7)現像液と第1の除去液とは同一の処理液であってもよい。この場合、現像液により基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
また、基板の周縁部の金属の除去と基板の現像とが同一の処理液により行われるので、現像液を他の液と分離して回収する必要がない。これにより、現像液の廃棄コストを低減することができる。
(8)現像ノズルと第1の除去液ノズルとは共通のノズルにより構成されてもよい。この場合、周縁部除去ユニットに現像ノズルと第1の除去液ノズルとを別個に設ける必要がない。これにより、基板処理装置の大型化を抑制することができる。
(9)膜形成ユニットは、周縁部除去ユニットに隣接するように配置されてもよい。この場合、基板の周縁部の金属含有塗布膜中の金属が、膜形成ユニットに隣接する周縁部除去ユニットにより即座に除去される。これにより、基板処理装置が金属により汚染されることを十分に防止することができる。
(10)搬送機構は、周縁部除去ユニットにより基板の周縁部の金属が除去される前の基板を保持して搬送する除去前基板保持部と、周縁部除去ユニットにより基板の周縁部の金属が除去された後の基板を保持して搬送する除去後基板保持部とを含んでもよい。
この場合、周縁部の金属が除去される前の基板と周縁部の金属が除去された後の基板とが搬送機構の異なる保持部により保持される。これにより、周縁部の金属が除去された後の基板に搬送機構の保持部を介して金属が付着することが防止される。
(11)第2の参考形態に係る膜形成ユニットは、基板を水平姿勢で保持して回転させる第3の回転保持部と、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として吐出する塗布液ノズルと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように、金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を第3の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に供給する周縁部除去液供給ユニットとを備える。
この膜形成ユニットにおいては、第3の回転保持部により基板が水平姿勢で保持され、回転される。回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出される。回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液が周縁部除去液供給ユニットにより供給される。これにより、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
この構成によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
(12)第3の除去液は、金属を溶解させる第4の除去液と塗布液を溶解させる第5の除去液とを含み、周縁部除去液供給ユニットは、第4および第5の除去液を基板の被処理面の周縁部に供給する1または複数の除去液ノズルを含んでもよい。
この場合、金属含有塗布液における金属が第4の除去液により除去されるとともに、金属含有塗布液における塗布液が第5の除去液により除去される。それにより、基板の周縁部の金属含有塗布膜が確実に除去される。これにより、基板処理装置がパーティクルにより汚染されることを防止することができる。
(13)膜形成ユニットは、基板に吐出された使用済みの第4の除去液と基板に吐出された使用済みの第5の除去液とを分離して回収するように設けられた除去液回収ユニットをさらに備えてもよい。
この場合、使用者は、使用済みの第4の除去液と使用済みの第5の除去液とを分離するための作業を行う必要がない。これにより、第3の除去液の廃棄コストを低減することができる。
(14)複数の除去液ノズルは、第4および第5の除去液を互いに異なる第1および第2の期間において吐出し、除去液回収ユニットは、使用済みの第4の除去液を回収する第1の回収部と、使用済みの第5の除去液を回収する第2の回収部と、第1の期間において基板に吐出された使用済みの第4の除去液を第1の回収部に導き、第2の期間において基板に吐出された使用済みの第5の除去液を第2の回収部に導くように切り替えられる切り替え経路とを含んでもよい。
この場合、第4および第5の除去液が吐出される期間に基づいて、簡単な構成で使用済みの第4の除去液と使用済みの第5の除去液とを分離することができる。
(15)切り替え経路は、基板から飛散する第4および第5の除去液を受け止めるカップと、カップと第1の回収部との間に接続された第1の回収配管と、カップと第2の回収部との間に接続された第2の回収配管と、第1の回収配管に介挿された第1の回収バルブと、第2の回収配管に介挿された第2の回収バルブと、第1の回収部に第4の除去液を回収するために第1の回収バルブを開放するとともに第2の回収バルブを閉止し、第2の回収部に第5の除去液を回収するために第2の回収バルブを開放するとともに第1の回収バルブを閉止するように第1および第2の回収バルブを制御する制御部とを含んでもよい。
この場合、簡単な制御で使用済みの第4の除去液を第1の回収部に回収し、使用済みの第5の除去液を第2の回収部に回収することができる。
(16)第4の除去液の比重は第5の除去液の比重よりも大きく、除去液回収ユニットは、使用済みの第4および第5の除去液を貯留する貯留部と、貯留部に貯留された第4および第5の除去液を比重に基づいて分離する除去液分離機構とを含んでもよい。
この場合、第4および第5の除去液の比重に基づいて、簡単な構成で使用済みの第4の除去液と使用済みの第5の除去液とを分離することができる。
(17)除去液分離機構は、基板から飛散する第4および第5の除去液を受け止めるカップと、カップと貯留部との間に接続された回収配管と、貯留部から使用済みの第4の除去液を排出するように設けられた第1の排出配管と、貯留部から使用済みの第5の除去液を排出するように設けられた第2の排出配管と、第1の排出配管に介挿された第1の排出バルブと、貯留部内に貯留された第4の除去液と第5の除去液との境界面を検出する境界面検出部と、境界面検出部により検出された境界面を取得し、取得した検出面が予め定められた下限位置以下である場合には第1の排出バルブを閉止し、取得した検出面が下限位置よりも大きい場合には第1の排出バルブを開放するように第1の排出バルブを制御する制御部とを含み、第1の排出配管は下限位置よりも下方における貯留部に接続され、第2の排出配管は下限位置よりも上方における貯留部に接続されてもよい。
この場合、簡単な制御で使用済みの第4の除去液を貯留部から第1の排出配管を通して回収し、使用済みの第5の除去液を貯留部から第2の排出配管を通して回収することができる。
(18)除去液分離機構は、第2の排出配管に介挿された第2の排出バルブをさらに含み、制御部は、取得した検出面が予め定められかつ下限位置よりも大きい上限位置以下である場合には第2の排出バルブを開放し、取得した検出面が上限位置よりも大きい場合には第2の排出バルブを閉止してもよい。
この場合、簡単な構成で使用済みの第4の除去液が貯留部から第2の排出配管を通して回収されることを防止することができる。
(19)第3の除去液は、金属および塗布液を溶解させてもよい。この場合、第3の除去液により金属含有塗布液における金属および塗布液が同時に除去される。これにより、基板の周縁部における金属および塗布液を効率よく除去することができる。また、第3の除去液を分離して回収する必要がない。これらの結果、基板の処理コストを低減することができる。
(20)膜形成ユニットは、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面と反対側の裏面に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を供給する裏面除去液供給ユニットをさらに備えてもよい。
この構成によれば、金属含有塗布液が基板の裏面に回り込んだ場合でも、裏面の基板の裏面に付着した金属含有塗布液は、裏面除去液供給ユニットにより除去される。これにより、膜形成ユニットが金属により汚染されることを十分に防止することができる。
(21)第3の参考形態に係る基板処理方法は、金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として膜形成ユニットにより基板の被処理面に供給することにより被処理面に金属含有塗布膜を形成するステップと、金属含有塗布膜の形成後の基板を搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送するステップと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように金属を溶解させる第1の除去液を周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給するステップとを含む。
この基板処理方法によれば、金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として膜形成ユニットにより基板の被処理面に供給される。これにより、基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成される。金属含有塗布膜の形成後の基板が搬送機構により周縁部除去ユニットに搬送される。また、金属を溶解させる第1の除去液が周縁部除去ユニットにより基板の周縁部に供給される。これにより、基板の周縁部における金属含有塗布膜中の金属が溶解され、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
この方法によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。そのため、基板の周縁部を搬送機構が保持した場合でも、搬送機構には金属が付着しない。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。
(22)第4の参考形態に係る膜形成方法は、第3の回転保持部により基板を水平姿勢で保持して回転させるステップと、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液を金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出するステップと、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存するように、第3の回転保持部により回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液を周縁部除去液供給ユニットにより供給するステップとを含む。
この膜形成方法によれば、第3の回転保持部により基板が水平姿勢で保持され、回転される。回転される基板の被処理面に金属を含有する塗布液が金属含有塗布液として塗布液ノズルにより吐出される。回転される基板の被処理面の周縁部に金属含有塗布液を溶解させる第3の除去液が周縁部除去液供給ユニットにより供給される。これにより、基板の被処理面の周縁部を除く領域に金属含有塗布膜が残存する。
この方法によれば、周縁部を除く基板の被処理面に金属含有塗布膜が形成され、基板の周縁部に金属が残存することが防止される。これにより、基板上に金属含有塗布膜を形成するとともに金属汚染の発生を防止することが可能となる。