特許第6618368号(P6618368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6618368
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】配信システム及びその配信方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20191202BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20191202BHJP
   G06F 8/65 20180101ALI20191202BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20191202BHJP
【FI】
   G06F13/00 530B
   G06F9/445
   G06F8/65
   G06Q50/18 310
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-7958(P2016-7958)
(22)【出願日】2016年1月19日
(65)【公開番号】特開2017-129967(P2017-129967A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】特許業務法人ひのき国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(74)【代理人】
【識別番号】100145827
【弁理士】
【氏名又は名称】水垣 親房
(72)【発明者】
【氏名】中本 尚志
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−134706(JP,A)
【文献】 特開2014−085759(JP,A)
【文献】 特開2017−45302(JP,A)
【文献】 特開2015−41355(JP,A)
【文献】 特開2015−118621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 8/65
G06F 9/445
G06Q 50/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器とネットワークを介して通信する配信システムであって、
配信対象のアプリケーションと該アプリケーションを配信する対象のネットワーク機器とが選択された際に、ライセンス管理システムに、前記選択されたネットワーク機器を特定する識別子、前記選択されたネットワーク機器に対応する仕向け識別子、前記選択されたアプリケーションの識別子、及び、前記選択されたアプリケーションのバージョンを示す情報を含む問合せを送信する送信手段と、
前記問合せの応答として、前記ライセンス管理システムからバージョン属性を受信する受信手段と、
前記バージョン属性に基づき、前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用可能か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断の結果に基づき、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行う予約手段と、を有し、
前記予約手段は、前記判断手段により前記バージョン属性に基づき前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用できないと判断された場合、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行わないことを特徴とする配信システム。
【請求項2】
前記判断手段は、バージョン属性がなし、または、前記バージョン属性で示すバージョンの範囲に前記選択されたアプリケーションのバージョンが含まれる場合は、前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用可能と判断することを特徴とする請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記受信手段は、さらに、前記問合せの応答として、前記ライセンス管理システムから仕向け情報を受信し、
前記判断手段は、さらに、前記仕向け情報に基づき、前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用可能か判断し、
前記予約手段は、前記判断手段により前記仕向け情報に基づき前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用できないと判断された場合、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記判断手段は、さらに、前記選択されたネットワーク機器から通知されたアプリケーションのインストール許可フラグに基づきアプリケーションが適用可能か判断し、
前記予約手段は、前記判断手段により前記インストール許可フラグに基づき前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用できないと判断された場合、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行わないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記ライセンス管理システムは、
前記配信システムから受信したネットワーク機器を特定する識別子に基づき、前記選択されたアプリケーションのライセンス発行履歴があることが確認できた場合は、前記バージョン属性を配信システムに応答する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配信システム。
【請求項6】
ネットワーク機器とネットワークを介して通信する配信システムにおける配信方法であって、
配信対象のアプリケーションと該アプリケーションを配信する対象のネットワーク機器とが選択された際に、ライセンス管理サーバーに、前記選択されたネットワーク機器を特定する識別子、前記選択されたネットワーク機器に対応する仕向け識別子、前記選択されたアプリケーションの識別子、及び、前記選択されたアプリケーションのバージョンを示す情報を含む問合せを送信する送信ステップと、
前記問合せの応答として、前記ライセンス管理サーバーからバージョン属性を受信する受信ステップと、
前記バージョン属性に基づき、前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用可能か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおける判断の結果に基づき、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行う予約ステップと、を有し、
前記予約ステップでは、前記判断ステップにより前記バージョン属性に基づき前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用できないと判断された場合、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約が行われないことを特徴とする配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置などのネットワーク機器に対してソフトウェアを配信する配信システム及びその配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置のファームウェアを含むソフトウェアのアップデートは、機能アップもしくは障害等の理由により更新する必要が生じた場合に行われていた。ここで、画像形成装置には、プリンタや複写機、複合機(MFP)などが含まれる。また、以降、画像形成装置をはじめとする本発明を適用可能なネットワーク上の情報処理装置を、ネットワーク機器と呼ぶ。
また、ソフトウェアのアップデート方法としては、インターネット経由で所定の配信管理サーバーから配信を行うか、USB経由/イントラネット経由のアップデートツールを使用する方法がある。
【0003】
前述した配信管理サーバーで、ネットワーク機器のソフトウェアのアップデートを行う場合、Web画面で配信対象のネットワーク機器を指定し、配信日時を設定してインターネット経由で配信が行われる。
配信管理サーバーは、ネットワーク機器に対してインターネットを利用してソフトウェアの配信を行う。そして、配信管理サーバーは、ソフトウェアを高速に配信するため、インターネットに接続されたストレージにソフトウェアを転送して、外部サーバーに配信する機能を持たせている。
【0004】
配信管理サーバーはネットワーク機器に対して、ファームウェア、アプリケーション(以下単に「アプリ」ということもある。)、ソフトウェアのライセンスを配信する機能がある。
一方、配信管理サーバーと連携するライセンス管理サーバーは、アプリを商品として管理している。市場の機器にインストールされているアプリのライセンスは、ネットワーク機器を特定する識別であるシリアルNo.に紐づけられたライセンスと、シリアルNo.に紐づけられていないライセンスの二種類に分類される。
【0005】
従来技術として、ネットワーク機器にインストールされているアプリのライセンス状態を判別して、アプリケーションのアクティベートを判断する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、ネットワーク機器内にインストールされている複数のアプリ毎のライセンスの必要性を判別してアプリのアクティベートを実施するか否かを判断する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5332628号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ネットワーク機器は、搭載されている配信管理サーバーのクライアントモジュールにより、ネットワーク機器内でインストールされているアプリの情報が、再起動時もしくは、アップデート時のタイミングで配信管理サーバーに通知する。そして、配信管理サーバーは、その情報を元にアプリの配信予約を行って配信処理を実行する。
【0008】
一方、ライセンス管理サーバーで管理されているアプリの商品情報テーブルはバージョンアップ属性を持っており、アップデート可能なバージョンが決められている。バージョンアップ属性とはアプリのバージョンアップの許容範囲を示しており、どのバージョンからどのバージョンへのバージョンアップが可能かを示す属性値である。
そのため、配信管理サーバーのみの判断で配信を行ってしまうと不適切なアプリ配信となる課題がある。 また、ネットワーク機器の中には、アプリの情報が配信管理サーバーに通知されていない場合があり、こうしたアプリが不明のネットワーク機器にはアプリの配信予約ができないという課題がある。
また、ライセンスの形態として、ネットワーク機器に紐づいていないライセンスがある。このようなライセンスの場合にも、適切に各ネットワーク機器にアプリをバージョンアップできるようなシステムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の特徴を有する。
ネットワーク機器とネットワークを介して通信する配信システムであって、配信対象のアプリケーションと該アプリケーションを配信する対象のネットワーク機器とが選択された際に、ライセンス管理システムに、前記選択されたネットワーク機器を特定する識別子、前記選択されたネットワーク機器に対応する仕向け識別子、前記選択されたアプリケーションの識別子、及び、前記選択されたアプリケーションのバージョンを示す情報を含む問合せを送信する送信手段と、前記問合せの応答として、前記ライセンス管理システムからバージョン属性を受信する受信手段と、前記バージョン属性に基づき、前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用可能か否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づき、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行う予約手段と、を有し、前記予約手段は、前記判断手段により前記バージョン属性に基づき前記選択されたアプリケーションが前記選択されたネットワーク機器に対して適用できないと判断された場合、前記選択されたアプリケーションの前記選択されたネットワーク機器に対する配信予約を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の配信システムによれば、ライセンス管理システムから取得したライセンス情報に基づきネットワーク機器に対してアプリケーションを適切に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態における全体図を示すものである。
図2】配信システムを構成する機器のハードウェア構成図
図3】本発明のシステム全体のブロック図
図4】配信システムを構成する機器のソフトウェア構成図
図5】本発明のシーケンス図
図6】ネットワーク機器から通知されるアプリ情報
図7】配信管理サーバーが保持するアプリの管理テーブル
図8】ライセンス管理サーバーが保持する商品情報テーブル
図9】配信管理サーバーが保持する配信予約情報
図10】配信管理サーバーのアプリ配信処理のフローチャート
図11】ライセンス管理サーバーの仕向け識別子等を判断するフローチャート
図12】監視センターホストのアプリ配信のフローチャート
図13】ネットワーク機器のアプリのアップデートにおけるフローチャート
図14】配信管理サーバーのアプリアップデートにおけるフローチャート
図15】配信管理サーバーのアプリ配信処理のフローチャート
図16】配信管理サーバーが保持する配信予約情報
図17】ネットワーク機器のアプリのアップデートにおけるフローチャート
図18】配信管理サーバーのアプリのアップデートにおけるフローチャート
図19】ライセンス管理サーバーのアプリのアップデートにおけるフローチャート
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、本発明では、アプリケーションがインストール可能であって、ネットワークに接続された情報処理装置であれば何でもよく、以下ネットワーク機器と称して、説明する。
図1は本発明におけるネットワークを介して接続されたネットワーク機器と配信システムの全体図を示すものである。図1には複数会社のシステムがネットワークで接続されているものが示されている。
【0013】
販売会社システム101には、PC102、103、104が含まれる。PC102、103、104は配信管理サーバー111、ライセンス管理サーバー114、監視センターホスト117が提供するWebサイトへアクセスしてソフトウェアの配信予約、ネットワーク機器のデータの閲覧、アプリの登録等を行う。PC102、103、104はLAN105で接続されている。
なお、本発明は、図1と同等機能を達成できれば同一の構成でなくても実施可能である。
外部サーバー106には、PC107,ホスト108、データベース109が、LAN110で接続されている。外部サーバー106は、配信管理サーバー111のソフトウェアを高速に配信するためサービスを持っている。
【0014】
次に、配信システムを構成する配信管理サーバー111を説明する。データベース112は、ネットワーク機器に適用するためのソフトウェアを蓄積する記憶手段としてのデータベースである。
配信管理サーバー111とデータベース112はLAN113で接続されており、LAN113は、インターネット120に接続されている。なお、データベース112は、物理的に配信管理サーバー111内に存在してもよい。さらに、配信管理サーバー111からアクセス可能であれば、インターネット120を経由した別の場所に存在しても構わない。なお、LAN113とLAN116、LAN119は同一としてもよく、データベース112とデータベース115とデータベース118はデータを送受信してデータを共有しても構わない。
また、配信管理サーバー111は、複数の情報処理装置からなる配信システムとして実現することが可能である。各情報処理装置に配信管理サーバー111の機能を分けて配置しても良いし、各情報処理装置にそれら全ての機能を配置して負荷分散されるように協調動作しても良い。
【0015】
配信管理サーバー111には、配信用のファームウェアが登録され、101の販売会社システム向けに公開処理がなされる。販売会社システム101のPC102、103、104及び販売会社システムが管轄するネットワーク機器123、124、130、131、134、135、136、137、128は、公開処理されたファームウェアを、ダウンロードすることが可能となる。
【0016】
次に、ライセンス管理システムを構成するライセンス管理サーバー114について説明する。ライセンス管理サーバー114は、データベース115を持ち、ネットワーク機器のソフトウェアに対してライセンスを発行し、ソフトウェアを登録するサーバーである。データベース115は、ライセンス情報や、アプリ情報などを蓄積する記憶手段としてのデータベースである。ライセンス管理サーバー114とデータベース115はLAN116で接続されており、LAN116はインターネット120に接続されている。なおデータベース115は、物理的にライセンス管理サーバー114内に存在してもよい。さらに、ライセンス管理サーバー114からアクセス可能であれば、インターネット120を経由した別の場所に存在しても構わない。
【0017】
次に、監視センターホスト117を説明する。監視センターホスト117は、データベース118を持つ、ネットワーク機器の監視システムである。データベース118は、監視のための情報や、ネットワーク機器の稼働状態などを蓄積する履歴記憶手段としてのデータベースである。監視センターホスト117とデータベース118はLAN119で接続されており、LAN119はインターネット120に接続されている。
なおデータベース118は、物理的に監視センターホスト117内に存在してもよい。さらに、監視センターホスト117からアクセス可能であれば、インターネット120を経由した別の場所に存在しても構わない。
【0018】
監視センターホスト117は、監視装置122、132、133やネットワーク機器128から監視対象としてのネットワーク機器の情報、稼働状態を示す情報を収集、蓄積、加工し、警告等を外部に提供する機能を有する。
図1には、配信管理サーバー111とデータベース112およびライセンス管理サーバー114とデータベース115および監視センターホスト117とデータベース118が1つずつしか示されていない。しかし、実際には、多くのネットワーク機器および監視装置からの情報収集や、ライセンス管理や、ソフトウェア配信の負荷分散を行なうために、複数のシステムに分散処理をさせるケースもある。
【0019】
次に、顧客側のシステム構成について説明する。顧客側のシステムは、顧客により構成が異なる。図1では、顧客システム121、126、129が示されている。顧客システム121(A社X事業所)においては、インターネット120に接続されたLAN125に接続されたネットワーク機器123、124が監視装置122により監視されている。また、監視装置122はインターネット120経由で監視センターホスト117と通信している。
【0020】
一方、顧客システム129(A社Y事業所)においては、監視装置132、133によってLAN138上のネットワーク機器が管理されている。監視装置132により、ネットワーク機器130、131、134、135が、監視装置133によりネットワーク機器136、137が夫々管理されている。
【0021】
顧客126システム(B社)においては、インターネット120に接続されたLAN127に接続されたネットワーク機器128自身が、直接インターネット120経由で監視センターホスト117と通信している。ネットワーク機器128は、監視装置122、132、133と同等の機能を有しており、自身の稼働情報を監視センターホスト117に送信している。また、ネットワーク機器128は、配信管理サーバー111からダウンロードしたファームウェアを適用するためのコントローラを持っている。同様に、ネットワーク機器123、124、130、131、134、135、136、137も配信管理サーバー111からダウンロードしたファームウェアを適用するためのコントローラを持っている。
【0022】
図2(a)は、監視センターホスト117のハードウェア構成図を示す。また、配信管理サーバー111、ライセンス管理サーバー114、ホスト108、監視装置122、132、133、PC102、103、104のハードウェア構成図も同一である。
図2(a)において、CPU201は本装置上の各処理を司る。
書換え不可能なROM202は本装置の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。
【0023】
RAM203は、本装置の各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶でき、かつ書き換え可能である。
HDD204は、本装置の各処理に関わるプログラムやデータ、および一時的なデータ、監視対象のネットワーク機器に関する情報、およびネットワーク機器から収集した情報などを記憶する。たとえば、稼働情報などがハードディスクに保存される。
監視センターホスト117、ライセンス管理サーバー114、配信管理サーバー111の場合、種々のプログラム(後述する図4(a)の処理を含む)をHDD204に記憶している。このプログラムは、RAM203を一時保存領域として使用し、CPU201によって呼び出され実行される。
【0024】
操作部205は、本装置への指示入力を受け付けるキーボードである。
表示部206は、本装置の動作状況や、本装置上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。
NetworkI/F208は、ネットワーク経由でLANおよびインターネット120に接続し、外部と情報交換を行う。
外部機器I/F207は外部記憶機器等を接続する。それら要素がシステムバス209により結び付き、データをやりとりしている。
【0025】
図2(b)は、ネットワーク機器123、124、128、130、131、134、135、136、137におけるハードウェア構成図を示す。ネットワーク機器としては、プリンタ及びファクシミリ機能が統合的に設けられた複合機、PCなどからデータを受信し印刷するプリンタ(電子写真方式及びインクジェット方式を含む)や、スキャナーや、ファクシミリなどの画像形成処理装置が挙げられる。本図では、ネットワーク機器の一例として複合機の構成を示している。
【0026】
イメージリーダ302は、原稿給送部301で原稿を読み込む。
画像形成部303は、イメージリーダ302で読み込んだ原稿やNetworkI/F305からネットワーク経由で受信したデータを印刷画像に変換・印刷出力する。
排紙部304は印刷出力した紙を排出し、ソートやステイプルといった処理を施す。
NetworkI/F305はネットワーク経由でLANおよびインターネット120に接続し、外部と情報交換を行う。
【0027】
CPU306は本装置上の各処理を司る。ネットワーク機器の動作状態を監視し、障害等の特定のイベントが発生した場合には、その状態を示す状態情報を、あらかじめ定めた宛先へと送信する。宛先はたとえば、監視センターホスト117や監視装置などである。
【0028】
書換え不可能なROM307は本装置の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。
RAM308は、本装置の各処理に関わる一時的なデータを電気的に記憶でき、かつ書き換え可能である。
HDD309は本装置の各処理に関わるプログラムやデータ、および一時的なデータ、本装置へ送信されてきたユーザデータなどを記憶する。
【0029】
ネットワーク機器は、種々のプログラム(後述する図4(b)の処理を含む)をHDD309に記憶している。このプログラムは、RAM308を一時保存領域として使用し、CPU306によって呼び出され実行される。
操作部310は本装置への指示入力を受け付ける。表示部311は本装置の動作状況および操作部310に対する操作に関わる情報を表示する。そしてそれらがシステムバス312により結び付き、データをやりとりしている。
なお、ネットワーク機器自身が監視のための情報を送信する機能を持つネットワーク機器128では、ROM307或いはHDD309内に、前記監視データ送出処理にかかわるプログラムやデータを保持している。
【0030】
図3は、本発明のシステム全体のブロック図を示す。
702から707は、コントローラ701のシステムの構成を表す。ネットワーク機器128は、コントローラ701とコントローラ701に制御されるエンジン708から構成される。
702は通信I/F部であり、コントローラ701と配信管理サーバー111、外部サーバー106との通信を司る。
703は、コントローラ701の通信データ制御部であり、通信I/F部702から受信した通信データを制御する。ネットワーク機器128は、配信管理サーバー111等とSOAPメッセージにより通信を行い、通信データ制御部703は、SOAP通信の制御を実行するものである。具体的なSOAP通信に係る処理については、図4(b)とともにまとめて後述する。
【0031】
704は、ソフトウェア管理部であり、配信管理サーバー111から受信したURL情報を元に、外部サーバー106からソフトウェアを受信し、705のエンジン制御部や、706のアクセサリ制御部にインストールする役割を持つ。
707は、データ記憶部であり、コントローラ内のソフトウェアデータの記憶や、一時記憶領域として使用する。
【0032】
709から714は、ライセンス管理サーバー114のシステムの構成図を表している。
709は、ライセンス管理サーバー114の通信I/F部であり、ネットワーク機器のコントローラとライセンス管理サーバー114との通信を司る。
710は、ライセンス管理サーバー114の通信データ制御部であり、通信I/F部709から受信した通信データを制御する。ライセンス管理サーバー114は、配信管理サーバー111等とSOAPメッセージにより通信を行い、通信データ制御部710は、SOAP通信の制御を実行するものである。具体的なSOAP通信に係る処理については、図4(a)とともにまとめて後述する。
711は、データ制御部であり、ライセンス管理サーバー114内のデータの制御を司る。
712は、アプリ登録部であり、アプリの情報をデータ記憶部714に登録する。
713は、アプリ検索部であり、アプリの検索をデータ記憶部714より行う。
714は、データ記憶部であり、ライセンス管理サーバー114内にアプリ情報を記憶する。
【0033】
715から720は、監視センターホスト117のシステムの構成図を表している。
715は、監視センターホスト117の通信I/F部であり、ネットワーク機器のコントローラと監視センターホスト117との通信を司る。
716は、監視センターホスト117の通信データ制御部であり、通信I/F部715から受信した通信データを制御する。監視センターホスト117は、配信管理サーバー111等とSOAPメッセージにより通信を行い、通信データ制御部710は、SOAP通信の制御を実行するものである。具体的なSOAP通信に係る処理については、図4(a)とともにまとめて後述する。
【0034】
717は、データ制御部であり、監視センターホスト117内のデータの制御を司る。
718は、機器データ登録部であり、ネットワーク機器の情報をデータ記憶部720に登録する。
719は、機器データ検索部であり、ネットワーク機器のデータ検索をデータ記憶部720より行う。
720は、データ記憶部であり、監視センターホスト117内にネットワーク機器のデータ情報を記憶するデータベース118に記憶される。
【0035】
721から726は、配信管理サーバー111のシステムの構成図を表している。
721は、配信管理サーバー111の通信I/F部であり、ネットワーク機器のコントローラと配信管理サーバー111との通信を司る。
722は、配信管理サーバー111の通信データ制御部であり、通信I/F部721から受信した通信データを制御する。配信管理サーバー111は、ライセンス管理サーバー114等とSOAPメッセージにより通信を行い、通信データ制御部710は、SOAP通信の制御を実行するものである。具体的なSOAP通信に係る処理については、図4(a)とともにまとめて後述する。
723は、データ制御部であり、配信管理サーバー111内のデータの制御を司る。
【0036】
724は、ファームデータ登録部であり、ソフトウェアの情報をデータ記憶部726に登録する。
725は、ファームデータ検索部であり、ソフトウェアの検索をデータ記憶部726より行う。
726は、データ記憶部であり、配信管理サーバー111内に配信用のファームデータの情報を記憶するデータベース112のデータが記憶される。
【0037】
727から730は、外部サーバー106のシステムの構成図を表している。
前述したように、外部サーバー106は、配信管理サーバー111のソフトウェアを高速に配信するためサービスを持ち、配信管理サーバー111より定期的にソフトウェアデータが転送されている。
【0038】
727は、データ受信部であり、配信管理サーバー111によりソフトウェアデータが転送される。
728は、配信部であり、データ記憶部730に登録されているデータをコントローラ701に高速に配信する。
729は、データ管理部であり、データ受信部727から受信したデータをデータ記憶部730に記憶させる。また、配信部728に配信用のデータを供給する。
730は、データ記憶部である。
【0039】
図4(a)は、監視センターホスト117、配信管理サーバー111の通信データ制御部において実行される通信部分のソフトウェア構成図を示す。SOAP通信部401は、監視装置122、132、133またはネットワーク機器128よりNetworkI/F208を介して受信したSOAPデータをSOAPメッセージ解析部402に渡す。また、SOAPメッセージ作成部403により作成したSOAPデータをNetworkI/F208を介して監視装置122、132、133またはネットワーク機器128に送信する。
収集情報処理部404では、監視装置122、132、133またはネットワーク機器128から受信した情報をそのまま、または加工し、データベースアクセス部406を介してデータベース112、あるいはデータベース118に格納する。
【0040】
監視制御部405は、監視センターホスト117においては、監視装置122、132、133またはネットワーク機器128のスケジュール管理などの制御を行う。配信管理サーバー111においては、監視装置122、132、133またはネットワーク機器128のポーリング処理などの制御を行う。
【0041】
図4(b)は、監視装置122、132、133またはネットワーク機器128の通信データ制御部において実行される通信部分のソフトウェア構成図を示す。
SOAP通信部501は、監視センターホスト117もしくは、配信管理サーバー111によりNetworkI/F208を介して受信したSOAPデータを、SOAPメッセージ解析部503に渡す。また、SOAPメッセージ作成部502により作成したSOAPデータをNetworkI/F208を介して監視センターホスト117、配信管理サーバー111に送信する。
【0042】
監視制御部504は、情報蓄積部506に保持する監視対象のネットワーク機器情報の更新や、ネットワーク機器123、124の情報取得を行う。
機器情報処理部505は、ネットワーク機器の稼働情報を、情報蓄積部506に蓄積する。
情報蓄積部506に蓄積したデータは、機器情報処理部505を介してそのままSOAPメッセージ作成部502に渡され、監視センターホスト117へ送信される。
【0043】
図5に、本発明のシーケンス図を示す。
本シーケンスは、配信管理サーバー111がネットワーク機器128に対して、アプリを配信するまでの流れについて説明する。
【0044】
S801において、ネットワーク機器128は自身が登録しているアプリ情報を配信管理サーバー111に通知する。ネットワーク機器128から通知される情報は図6に示す。
S802において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128から受信したアプリ情報をデータベース112に登録する。
S803において、監視センターホスト117の画面から配信対象のネットワーク機器128がユーザにより選択され、選択されたネットワーク機器128を特定する識別子であるシリアルNo.が配信管理サーバー111に通知される。
S804において、配信管理サーバー111は配信対象ネットワーク機器128のライセンス状態を調べるために、S803で通知されたシリアルNo.をライセンス管理サーバー114に通知する。
【0045】
S805において、ライセンス管理サーバー114はシリアルNo.を元に図8(a)のライセンス管理サーバーの商品情報テーブルを参照してライセンスの発行履歴を確認する。そして、ライセンスの発行履歴があった場合、アプリのバージョン属性(1104、1105)を確認する。バージョン属性とはアプリの適用範囲を示しており、その属性によってどのバージョンまで適用してよいかをライセンス管理サーバー114は管理している。
S806において、ライセンス管理サーバー114はS805で確認した結果の情報を返す。
S807において、配信管理サーバー111は、S806の情報を参照して配信対象のアプリの配信可否を判断する。
【0046】
S808において、配信管理サーバー111は、S807で配信可能と判断した場合に監視センターホスト117に配信指示通知を行う。
S809において、ネットワーク機器128はポーリング通信により監視センターホスト117に配信指示情報を要求する。
S810において、監視センターホスト117は配信指示情報をポーリング通信のレスポンス情報として返す。
S811において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111に配信予約情報を要求する。配信予約情報は図9に示すように、配信する日時情報を指す。
S812において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128に配信予約情報を通知する。
S813において、ネットワーク機器128は、配信予約日時になったため配信要求通知を配信管理サーバー111に対して通知する。
【0047】
S814において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128に要求されたアプリを配信する。
S815において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111に対してアップデート完了通知を行う。
S816は、時間の区切り符号を示す。この符号がついている箇所は連続的な処理ではなく、各々の通知があるまで待機することを示す。
【0048】
図6は、ネットワーク機器128から通知されるアプリ情報901を示す。
902は、ネットワーク機器128を一意に識別する識別子であるネットワーク機器128のシリアルNo.を示す。
903は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリ名を示す。
904は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリのアプリIDを示す。アプリIDとはアプリを一意に識別する番号である。
905は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリのバージョンを示す。
【0049】
906は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリの仕向け識別子を示す。仕向け識別子とはアプリの仕向け情報を示す識別子である。
907は、ネットワーク機器128がアプリのインストールを許可しているかどうかを司るインストール許可フラグを示す。ONの場合はインストール可能であり、OFFの場合はインストールをすることが不可能となる。
【0050】
図7は、配信管理サーバー111が保持するアプリの管理テーブルを示す。このテーブルはネットワーク機器128からアプリ情報が通知されたタイミング(S801およびS802)で更新される。
1002は、ネットワーク機器128を一意に識別する識別子であるネットワーク機器128のシリアルNo.を示す。
【0051】
1003は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリ名を示す。
1004は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリのアプリIDを示す。
1005は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリのバージョンを示す。
【0052】
1006は、ネットワーク機器128にインストールされているアプリの仕向け識別子を示す。
1007は、ネットワーク機器128がアプリのインストールを許可しているかどうかを司るインストール許可フラグを示す。
【0053】
図8(a)は、ライセンス管理サーバー114で保持する商品情報テーブル1101を示す。商品情報テーブル1101はシリアルNo.を特定してライセンス発行を行う商品のライセンステーブルである。
本実施例では、シリアルNo.が存在する商品(図8(a))と、存在しない商品(図8(b))のライセンス形態を1107、1207の識別子で表現している。
ライセンス管理サーバー114では商品という単位でライセンスを発行しており、商品の中には複数のアプリが存在する。
1102は、商品の名称である商品名を示す。
1103は、アプリの名称であるアプリ名を示す。
【0054】
1104は、アプリのアプリIDを示す。
1105は、アプリのバージョン属性のFromバージョンを示す。
1106は、アプリのバージョン属性のToバージョンを示す。
1105と1106はアプリのアップデート処理を実行可能なアプリバージョン範囲を示しており、図8(a)の商品においてFromバージョンとToバージョンの範囲でアップデート指示をライセンス管理サーバー114では許可している。Toバージョンとはバージョンアップの終点となるバージョンを示す。
1107は、商品のライセンス形態を示す。商品のライセンス形態には本実施例ではネットワーク機器128に関連づいているもの、関連づいていないものの2つに大別される。
【0055】
1108は、ネットワーク機器128のシリアルNo.を示す。
1109は、商品の販売地域を特定するための仕向け情報を示す。
1110は、ライセンス発行履歴を示す。発行履歴とはライセンスが発行された日時を示す。
1111は、ライセンスが発行された際に発番される番号であるライセンスIDを示す。
【0056】
図8(b)は、ライセンス管理サーバー114で保持する商品情報テーブル1201を示す。商品情報テーブル1201ではシリアルNo.を特定せずライセンス発行を行う商品のライセンステーブルである。
1202は、商品の名称である商品名を示す。
1203は、アプリの名称であるアプリ名を示す。
1204は、アプリのアプリIDを示す。
1205は、アプリのバージョン属性のFromバージョンを示す。
1206は、アプリのバージョン属性のToバージョンを示す。
1207は、商品のライセンス形態を示す。
【0057】
1208は、商品の仕向け情報を示す。
1209は、ライセンス発行履歴を示す。
1210は、ライセンスIDを示す。
図8(a)にはシリアルNo.1108が存在するが図8(b)にはシリアルNo.は存在しない。
【0058】
図9は、配信管理サーバー111が保持する配信予約情報1301を示す。配信予約情報1301は、配信管理サーバー111でアプリ配信を行う際に作成される。
1302は、ネットワーク機器128を一意に識別する識別子であるネットワーク機器128のシリアルNo.を示す。
1303は、1302で指定されているネットワーク機器128に対する配信スケジュールを示す。
1304は、1302で指定されているネットワーク機器128に対する配信対象アプリのアプリIDを示す。
1305は、配信対象アプリのバージョンを示す。
1306は、強制アップデートの可否を示す。
【0059】
図10は配信管理サーバー111のアプリ配信処理のフローチャートを示す。
本フローは、配信管理サーバー111が監視センターホスト117より配信対象のネットワーク機器128が選択されたことの通知を受けてから、配信予約の可否を判断する処理について説明する。
S1401において、配信管理サーバー111は監視センターホスト117からネットワーク機器128が選択されたことを示す情報を受信する。
S1402において、配信管理サーバー111の画面で配信対象となるアプリが選択される。
【0060】
S1403において、配信管理サーバー111はライセンス管理サーバー114に対して、選択されたネットワーク機器128のシリアルNo.、ネットワーク機器に対応する仕向け識別子、アプリID、バージョンを含む問合せを送信する。
S1404において、配信管理サーバー111はライセンス管理サーバー114からバージョン属性と、仕向け情報を含む応答(結果情報)を受信する。なお、S1403とS1404の処理については追って、図11で説明する。
【0061】
S1405において、配信管理サーバー111の画面にて、ユーザにより通常アップデートか強制アップデートかが選択される。通常アップデートは、ネットワーク機器128から受信したアプリ情報に基づいて実行の可否を判断する配信である。強制アップデートは、ネットワーク機器128から受信した情報に基づかず実行される配信である。
S1406において、配信管理サーバー111で通常アップデートが選択された場合、S1407に進み、そうでなければS1415に進む。
S1407において、配信管理サーバー111は、強制アップデートフラグをOFFに設定する。強制アップデートフラグとは強制アップデートであることを示す識別子であり、図12に示す1301の配信予約情報に含まれる。
【0062】
S1408において、配信管理サーバー111は、S1404で受信した仕向け情報から、適用アプリが適用可能かを判断する。
S1409において、配信管理サーバー111は、適用可能かを判断し、適用可能であればS1410に進み、適用不可能であればS1416に進む。
S1410において、配信管理サーバー111は、S1404でライセンス管理サーバー114から受信したバージョン属性から、現在選択されているアプリが適用可能かを判断する。シリアルNo.に紐づくライセンスであれば、図8(a)に示すようにバージョン属性(From)1105と、バージョン属性(To)1106が返却されるので、その情報を元に配信管理サーバー111は適用可否を判断する。判断方法としては、現在選択されているアプリのバージョンがバージョン属性(From)1105からバージョン属性(To)1106の範囲内に存在するかを確認する。存在すれば適用可能とし、存在しなければ適用不可能と判断する。
【0063】
シリアルNo.に紐づかないライセンスであれば、図8(b)に示すようにバージョン属性はシリアルNo.をキーとして検索できないため、バージョン属性なしとなる。本実施形態ではバージョン属性なしの場合は、図8(b)のシリアルNo.の紐づけなしのライセンスと判断してバージョン属性チェックをスキップしてアプリを適用可能とする。
【0064】
S1411において、配信管理サーバー111は、現在選択されているアプリが適用可能かを判断し、適用可能であればS1412に進み、適用不可能であればS1416に進む。
S1412において、配信管理サーバー111は、ネットワーク機器128のインストール許可フラグから、現在選択されているアプリが適用可能かを判断する。
S1413において、配信管理サーバー111は、適用可能かを判断し、適用可能であればS1414に進み、適用不可能であればS1416に進む。
S1414において、配信管理サーバー111は、配信予約を許可する。
S1415において、配信管理サーバー111は、強制アップデートと認識して強制アップデートフラグをONに設定して、S1414に進み、配信を許可する。
S1416において、配信管理サーバー111は、配信予約を不許可にする。
【0065】
図11はライセンス管理サーバー114が配信管理サーバーから通知された情報を元に、バージョン属性と仕向け識別子を判断するフローチャートを示す。
本フローはライセンス管理サーバー114に配信管理サーバー111からS1403にて情報が送信されてから、そのレスポンスであるS1404で返すまでの処理について説明を行う。
S1501において、ライセンス管理サーバー114は配信管理サーバー111から、ネットワーク機器128のシリアルNo.、仕向け識別子、アプリID及びバージョンを受信する。
【0066】
S1502において、ライセンス管理サーバー114はS1501で受信したネットワーク機器128のシリアルNo.からライセンス形態を識別するためにライセンス発行履歴を参照する。ライセンス発行履歴は図8(a)のライセンス管理サーバーの商品情報テーブル1101からシリアルNo.をキーにして検索を行う。
S1503において、ライセンス管理サーバー114はライセンス発行履歴があるかを判断し、ライセンス発行履歴がある場合はS1504に進み、ない場合はS1505に進む。
S1504において、ライセンス管理サーバー114は商品情報テーブル1101からバージョン属性をアプリIDとバージョンをキーにして検索を行う。そして、検索した情報であるバージョン属性(From)1105と、バージョン属性(To)1106をメモリに記憶する。
【0067】
S1505において、ライセンス管理サーバー114はバージョンアップ属性が存在しないとメモリに記憶する。
S1506において、ライセンス管理サーバー114は仕向け識別子をキーとして、ライセンス管理サーバーの商品情報テーブル1101から仕向け情報を検索する。
S1507において、ライセンス管理サーバー114は仕向け情報が一致するのであればS1508に進み、そうでなければS1509に進む。
S1508において、ライセンス管理サーバー114は図8(a)のライセンス管理サーバーの商品情報テーブル1101から仕向け識別子と合致したとメモリに記憶する。
S1509において、ライセンス管理サーバー114は図8(a)のライセンス管理サーバーの商品情報テーブル1101から仕向け識別子と合致しなかったとメモリに記憶する。
S1510において、ライセンス管理サーバー114は、メモリに記憶した内容を配信管理サーバーに通知する。
【0068】
図12は監視センターホスト117のアプリ配信のフローチャートを示す。
本フローは、監視センターホスト117からネットワーク機器128に配信指示する処理について説明する。
S1601において、監視センターホスト117は配信管理サーバー111からの配信指示通知を受信する。
S1602において、監視センターホスト117はネットワーク機器128からの配信指示情報の要求の受信を待機する。ネットワーク機器128は一定間隔で監視センターホスト117とポーリング通信をしている。監視センターホスト117がネットワーク機器128からの配信指示情報の要求を受信した場合、S1603の配信指示はポーリング通信のレスポンスとしてネットワーク機器128に配信指示を通知する。
【0069】
図13はネットワーク機器128のアプリのアップデートにおけるフローチャートを示す。
本フローは、ネットワーク機器128のアプリのアップデート処理を説明する。
S1701において、ネットワーク機器128はポーリングを行い監視センターホスト117から配信指示情報を受信する。
S1702において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111に配信予約情報を要求する。
【0070】
S1703において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111から配信予約情報1301を受信する。
S1704において、ネットワーク機器128は配信予約情報1301のアプリIDと、自身にインストールされているアプリのアプリIDを比較して一致するアプリIDがあるかを判断する。一致するアプリIDがあればS1705に進み、なければS1710に進む。
S1705において、ネットワーク機器128は配信予約情報1301に登録されている日時で配信管理サーバー111に配信要求を行う。配信要求とはアップデート後のアプリに関する情報をサーバーから取得するリクエスト通知である。
【0071】
S1706において、ネットワーク機器128は配信要求の応答として、配信管理サーバー111からアプリのダウンロード用URLを受信する。
S1707において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111からアプリをダウンロードする。
S1708において、ネットワーク機器128はアプリのアップデートを行う。
S1709において、ネットワーク機器128はアプリのアップデートを完了して、その結果を配信管理サーバー111に通知する。
S1710において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111にエラー通知を行う。
【0072】
図14は配信管理サーバー111のアプリアップデートにおけるフローチャートを示す。
本フローは、配信管理サーバー111のアプリアップデート処理を説明する。
S1801において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128から配信予約情報要求を受信する。
S1802において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128に配信予約情報を送信する。
【0073】
S1803において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128から配信要求を受信する。
S1804において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128にアプリのURLを返信する。
S1805において、配信管理サーバー111は、ネットワーク機器128からアプリのアップデート完了通知を受信する。
【0074】
以上の各サーバー、ネットワーク機器のアップデートに関する処理を実行することにより、各ネットワーク機器にインストールされているアプリケーションを、ライセンス情報に基づいて適切にアップデートすることができるのである。
【実施例2】
【0075】
実施例1では、ネットワーク機器(シリアルNo.)に紐づいているライセンスに関してのアプリケーションのアップデートシステムであった。
実施例2は実施例1をベースとした発展形であり、図8(b)のシリアルNo.が紐づいていないライセンスに関しても、バージョンアップ属性を判断するための方法を説明している。図15から図17は本発明の実施例2を示す。
【0076】
図15は配信管理サーバー111のアプリ配信処理のフローチャートを示す。S1401〜S1416は図10と同様の操作を示しているので説明を省略する。
S1901において、配信管理サーバー111は、S1404でライセンス管理サーバー114から返却された情報に、バージョン属性がないかどうか判断する。前述した通り、バージョン属性がない場合は、本発明では図8(b)のシリアルNo.に紐づいていないライセンスであることを示している。シリアルNo.に紐づいていないライセンスの場合はS1902に進み、紐づいたライセンスの場合はS1414の配信予約許可の処理を行い終了する。
【0077】
S1902において、配信管理サーバー111はライセンスIDフラグをONにして図9の配信予約情報1301に情報を加える(具体的には、図16のようになる)。ライセンスIDフラグとは、ネットワーク機器128にライセンスIDを要求するフラグを指す。ライセンスIDとはアプリに紐づくライセンスの識別子であり、ネットワーク機器128は自身にインストールされているライセンスを参照することで取得できる。
【0078】
図16は、配信管理サーバー111が保持するシリアルNo.に紐づいていないライセンスの配信予約情報2001を示す。配信予約情報2001は、配信管理サーバー111でアプリ配信を行う際に作成される。
2002は、ネットワーク機器128を一意に識別する番号であるネットワーク機器128のシリアルNo.を示す。
2003は、2002で指定されているネットワーク機器128に対する配信スケジュールを示す。
2004は、2002で指定されているネットワーク機器128に対する配信対象アプリのアプリIDを示す。
2005は、配信対象アプリのバージョンを示す。
2006は、強制アップデートの可否を示す。
2007は、ライセンスIDフラグを示す。先の図9の配信予約情報とは、この点が異なっている。
【0079】
図17はネットワーク機器128のアプリのアップデートにおけるフローチャートを示す。S1701〜S1710は図13と同様の操作を示しているので説明を省略する。
S2101において、ネットワーク機器128はS1703で受信した配信管理サーバー111からの配信予約情報を参照してライセンスIDフラグがONになっているかを確認する。ライセンスIDフラグがONの場合はS2102に進み、そうでない場合はS1704に進む。
【0080】
S2102において、ネットワーク機器128は配信管理サーバー111にライセンスIDを送信する。
S2103において、ネットワーク機器128は配信管理サーバーからキャンセル指示がきていないかを判断する。キャンセル指示がきていなければS1706以降の処理に進み、きていたら、S1710に進み、配信管理サーバー111にエラー通知を行い終了する。
【0081】
図18は配信管理サーバー111のアプリアップデートにおけるフローチャートを示す。
S1801〜S1805は図14と同様の操作を示しているので説明を省略する。
S2201において、配信管理サーバー111はネットワーク機器128からライセンスIDを受信したかを判断し、受信した場合はS2202に進み、そうでない場合はS1803に進む。
【0082】
S2202において、配信管理サーバー111はライセンス管理サーバーにライセンスIDを通知する。
S2203において、配信管理サーバー111は配信予約情報1301のライセンスIDフラグをOFFに変更する。
S2204において、配信管理サーバー111は、ライセンス管理サーバー114からバージョン属性の結果を受信する。
【0083】
S2205において、配信管理サーバー111は、S2204でライセンス管理サーバー114から受信したバージョン属性から、現在選択されているアプリが適用可能かを判断する。バージョン属性はバージョン属性(From)1205と、バージョン属性(To)1206の情報を元に配信管理サーバー111は適用可否を判断する。判断は図10の1410と同じである。
【0084】
S2206において、配信管理サーバー111は、現在選択されているアプリが適用可能かを判断し、適用可能であれば配信予約は許可されたと判断し1803以降の処理を行う。適用不可能であれば配信予約は不許可と判断して2207以降の処理を行う。
S2207において、配信管理サーバー111は、ネットワーク機器から配信要求を受信する。
S2208において、配信管理サーバー111は、ネットワーク機器128にキャンセル指示を通知して処理を終了する。
【0085】
図19はライセンス管理サーバー114のアプリアップデートにおけるフローチャートを示す。
S2301において、ライセンス管理サーバー114は配信管理サーバー111からライセンスIDを受信する。S2302において、ライセンス管理サーバー114はライセンスIDからライセンス形態を識別するためにライセンス発行履歴を参照する。ライセンス発行履歴は図8(b)のライセンス管理サーバーの商品情報テーブル1201からライセンスIDをキーにして検索を行う。
S2303において、ライセンス管理サーバー114はライセンス発行履歴があるかを判断し、ライセンス発行履歴がある場合はS2304に進み、ない場合はS2305に進む。
【0086】
S2304において、ライセンス管理サーバー114は商品情報テーブル1201からバージョン属性を、ライセンスIDをキーにして検索を行い、検索した情報であるバージョン属性(From)1205と、バージョン属性(To)1206をメモリに記憶する。
S2305において、ライセンス管理サーバー114はバージョンアップ属性が存在しないとメモリに記憶する。
S2306において、ライセンス管理サーバー114はメモリに記憶した内容を配信管理サーバー111に通知する。
【0087】
実施例2によれば、ネットワーク機器のシリアルNo.に紐づかないライセンスについてもバージョン属性をチェックして適切にアプリのアップデートを行うことができる。
【0088】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0089】
また、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0090】
また、本発明には、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0091】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた場合についても、本発明は適用される。その場合、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
図1
図2
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