(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
加熱調理器用操作装置においては、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際には、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させ、その後、操作部カバーを操作部支持枠に向けて上方側に揺動させることになるが、複数の外嵌支持部の一部又は全部が枢支軸に外嵌していない状態で、操作部カバーを操作部支持枠に向かって上方側に揺動させてしまう場合がある。
【0008】
つまり、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際には、先ず、操作部カバーを横倒れ姿勢等の装着に適した姿勢にし、弾性外嵌式に構成された複数の外嵌支持部の開口部を枢支軸に向けた状態で、枢支軸に向かって操作部カバーを押圧移動操作することにより、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させ、その後、操作部カバーを操作部支持枠の前面側に向かって上方側に揺動させることになる。
【0009】
しかしながら、操作カバーを枢支軸に向けて押圧移動操作することが不十分である等の場合には、複数の外嵌支持部の一部又は全部が枢支軸に適正通り外嵌されずに、外嵌支持部の開口部形成部が枢支軸に載置された状態のままで、操作部カバーを操作部支持枠の前面側に向かって上方側に揺動させてしまう場合がある。
【0010】
その結果、外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部が枢支軸に載置された状態で、複数の係合部が操作部支持枠の複数の被係合部に係合した状態となる装着形態で、操作部カバーが操作部支持枠の前面側に装着される虞がある。
【0011】
このように、外嵌支持部が枢支軸に外嵌されずに、複数の係合部が操作部支持枠の複数の被係合部に係合する装着形態で操作部カバーが操作部支持枠に装着されてしまうと、操作部カバーの設置位置が適正位置からずれること等により、美観が悪くなることや、操作部支持枠を揺動させるときに操作部カバーが加熱調理器を構成する他の部材と接触すること等の不具合が発生する虞がある。また、係合部と被係合部との係合だけで、操作部カバーが操作部支持枠に対して保持されることとなるので、係合部に大きな応力がかかって、係合部が破壊する虞もある。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、操作部支持枠に対する操作部カバーの装着を、外嵌支持部が枢支軸に外嵌された適正状態に適切に行うことができる加熱調理器用操作装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の加熱調理器用操作装置は、
加熱調理器本体に設けられた横倒れ姿勢の枢支軸と、
上端部に備えた運転操作部を前記加熱調理器本体の前方に突出させる突出位置と前記運転操作部を前記加熱調理器本体の内方に引退させる引退位置とに前後揺動により切換えるべく、下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させた操作部支持枠と、
下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させかつ前記操作部支持枠に一体揺動するように連結した状態で前記操作部支持枠の前面側に設けられる板状の操作部カバーと、を設け、
前記操作部カバーの下端部に、前記枢支軸に揺動自在に外嵌する複数の外嵌支持部を設け、前記操作部カバーの前記外嵌支持部よりも上方箇所に、前記操作部支持枠に設けた複数の被係合部に係合させる複数の係合部を設け、
前記外嵌支持部を、前記操作部カバーの上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部を備える弾性外嵌式に構成し、
前記係合部を、前記枢支軸を支点として前記操作部カバーを揺動させることにより、前記被係合部に弾性的に係合する弾性係合式に構成した加熱調理器用操作装置であって、その特徴構成は、
前記外嵌支持部の開口部形成部を前記枢支軸に載置した状態で前記操作部カバーを前記操作部支持枠に近接する側に揺動させたときに、前記操作部支持枠に設けた被当接部との当接により前記操作部カバーを下方側に押圧移動させる当接部を、前記外嵌支持部に設けてある点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、弾性外嵌式に構成された複数の外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部を枢支軸に載置した状態で、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させれば、操作部カバーの外嵌支持部に設けた当接部が、操作部支持枠に設けた被当接部に当接して、操作部カバーの外嵌支持部が下方側に押圧移動される。
操作部カバーの外嵌支持部が下方側に押圧移動されると、枢支軸に載置された状態となっている外嵌支持部が、枢支軸に向かって移動して、枢支軸に外嵌することになる。
【0015】
したがって、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際に、複数の外嵌支持部の開口部を枢支軸に向けた状態で、枢支軸に向かって操作部カバーを押圧移動操作する操作力が不十分である等により、複数の外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部が枢支軸に載置した状態となっているままで、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させても、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させるようにしながら、複数の係合部を複数の被係合部に係合させることができる。
【0016】
しかも、本特徴構成によれば、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させるに伴って、枢支軸に載置された状態となっている外嵌支持部を枢支軸に向かって移動させるにあたり、外嵌支持部に設けた当接部を操作部支持枠に設けた被当接部に当接させるものであるから、外嵌支持部を的確に枢支軸に向かって移動させることができるものとなるため、外嵌支持部を適切に枢支軸に外嵌させることができる。
【0017】
つまり、例えば、当接部を係合部に設け、被当接部を係合部に設けた当接部に当接させる形態で操作部支持枠に設けることが考えられるが、この場合、係合部と外嵌支持部とが操作カバーの上下幅方向に離れていることにより、係合部に与えられた力にて外嵌支持部を枢支軸に向けて的確に移動させ難い場合があること等に起因して、外嵌支持部を的確に枢支軸に向かって移動させることができない虞があるが、外嵌支持部に設けた当接部を操作部支持枠に設けた被当接部に当接させることによって、外嵌支持部を的確に枢支軸に向かって的確に移動させることができるのである。
【0018】
また、外嵌支持部に設けた当接部を操作部支持枠に設けた被当接部に当接させながら、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させる際には、外嵌支持部に設けた当接部が被当接部に当接することにより、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させることに抵抗が与えられるものとなるが、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させることを良好に行うことができる。
【0019】
つまり、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させるときには、外嵌支持部が設けられる下端部とは上下反対側の操作部カバーにおける上端側部分を支持しながら、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動操作することになるから、操作部カバーの上下長さを利用したモーメント力が得られるため、外嵌支持部に設けた当接部を被当接部に当接させるものでありながらも、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させる操作力が大きくなることを抑制でき、その結果、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させることを良好に行うことができる。
【0020】
要するに、本願発明の加熱調理器用操作装置の特徴構成によれば、操作部支持枠に対する操作部カバーの装着を、外嵌支持部が枢支軸に外嵌された適正状態に適切に行うことができる。
【0021】
本発明に係る加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成は、前記操作部支持枠が、前面側に支持枠開口部が形成された本体部と、前記支持枠開口部を覆う内蓋とから構成され、
前記内蓋に前記外嵌支持部が挿通する挿通口を設け、前記挿通口の周縁部が前記被当接部を構成する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、支持枠開口部を覆う内蓋が設けられているので、操作部支持枠の内部に装備した電子機器等の機器類を内蓋によって保護することができる。
つまり、操作カバーを外した状態においても、内蓋によって、操作部支持枠の内部に装備した電子機器等の機器類が露出することを抑制できるため、操作部支持枠の内部に装備した電子機器等の機器類が不必要に触られて損傷することを抑制できる。
【0023】
そして、本特徴構成によれば、外嵌支持部を挿通させるために内蓋に設けられた挿通口における周縁部を被当接部として利用するものであるから、内蓋を有効利用した簡素な構成にて被当接部を構成することができる。
【0024】
要するに、本発明の加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成によれば、内蓋を有効利用した簡素な構成にて、操作部カバーの操作部支持枠に対する装着を適切に行うことができる。
【0025】
本発明に係る加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成は、前記内蓋が、下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させかつ上端側部分を前記本体部に接続する形態で設けられている点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、内蓋の下端部を枢支軸に揺動自在に枢支させ、内蓋の上端側部分を本体部に接続する形態で、内蓋が設けられているから、操作部支持枠の内部に装備した電子機器等の機器類を点検するとき等においては、内蓋の上端側部分と本体部との接続を解除することにより、枢支軸を支点にして内蓋を揺動開閉させることができる。
【0027】
そして、操作部カバーの外嵌支持部及び内蓋の下端部が、同じ枢支軸に枢支されるものであるから、両者の位置関係が枢支軸を基準にして適切な関係に位置決めされるものとなるため、被当接部としての、内蓋に設けられた挿通口における周縁部と、外嵌支持部の当接部との位置関係を、枢支軸を基準にして適切な関係に位置決めでき、その結果、外嵌支持部に設けた当接部と被当接部との当接を良好に行うことができる。
【0028】
要するに、本発明の加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成によれば、外嵌支持部に設けた当接部と被当接部との当接を良好に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る加熱調理器用操作装置を加熱調理器としてのガスコンロに適用する場合の実施形態について、以下、図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1及び
図2に示すように、加熱調理器としてのガスコンロGCが、加熱調理器本体としての調理器本体Hの上面部に、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを備え、且つ、調理器本体Hの横幅方向中央部にグリル部Gを備える形態に構成されている。
【0031】
調理器本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成されるものであって、ケーシング2の内部には、図示は省略するが、グリル部Gを構成するグリル庫、コンロバーナ1の混合管、グリル部Gに装備したグリルバーナの混合管等、種々の機器類が装備されている。
また、調理器本体Hの前面部の左右両側部には、加熱調理器用操作装置としての操作装置Mが組み付けられている。
左側の操作装置Mは、主として、グリル部Gに対する操作を行い、右側の操作装置Mは、主として、コンロバーナ1に対する操作を行うことになる。
【0032】
調理器本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、調理器本体Hの上面部の後部側には、グリル部Gの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
また、天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の調理容器を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
【0033】
このガスコンロGCは、ビルトインタイプとして構成されるものであり、具体的には、調理器本体Hが、
図12及び
図13に示すように、キッチンキャビネットKNの上方開口部K1から下方に挿入されて、調理器本体Hの前面部をキッチンキャビネットKNの前面開口K2に臨ませた状態に組み付けられるように構成されている。
尚、詳述はしないが、調理器本体Hの上部の周縁部には、キッチンキャビネットKNの上面に載置する鍔部が形成されている。
【0034】
また、調理器本体Hの横端部と前面開口K2との間の隙間を塞ぐ左右一対の隙間挿入部材Pが、調理器本体Hの横側壁における前方側箇所に装着されている(
図1参照)。
ちなみに、隙間挿入部材Pは、ABS樹脂又はPBT樹脂等の樹脂を射出成型して、柱状に構成されている。
【0035】
(操作装置の詳細)
次に、操作装置Mについて説明するが、左右の操作装置Mは同様に構成されるものであるため、以下、右側の操作装置Mを代表にして説明する。
図3〜5及び
図7〜9に示すように、調理器本体Hに組み付けられた状態でケーシング2内に位置する装置本体枠Bが装備されている。装置本体枠Bは、コンロ前後幅方向に向かう角筒状に構成された下方側部分BSと、この下方側部分BSの上部に接続され、下方側部分BSよりもコンロ前後幅方向に向かう長さが短い角筒状に構成された上方側部分BUとを備える形態に構成されている。
【0036】
図1及び
図3に示すように、装置本体枠Bの上方側部分BUに、上方側操作装置部MUが設けられ、また、装置本体枠Bの下方側部分BSに、下方側操作装置部MSが出退自在に設けられている。尚、左側の操作装置Mも、右側の操作装置Mと同様に、上方側操作装置部MUと下方側操作装置部MSが設けられている。
【0037】
装置本体枠Bの上方側部分BUには、調理器本体Hに電源を供給する電源スイッチ9、及び、左側から右側に向けて、標準火力バーナ1Aに対する標準火力用操作具8A、小火力バーナ1Bに対する小火力用操作具8B、及び、大火力バーナ1Cに対する大火力用操作具8Cが設けられている。尚、以下の記載において、標準火力用操作具8A、小火力用操作具8B、及び、大火力用操作具8Cを区別する必要がないときには、単に、操作具8と記載する。
【0038】
各操作具8は、対応するコンロバーナ1を点火する点火指令及び消火する消火指令を指令し、且つ、対応するコンロバーナ1の火力調節指令を指令するものであって、具体的には、各操作具8が後方側に押し込み操作されるごとに、点火指令と消火指令とを交互に指令し、また、前後方向軸心周りで正逆に回動操作されることにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
【0039】
また、
図1及び
図2に示すように、装置本体枠Bの上方側部分BUの前面側を覆う上側カバー6が、上方側部分BUに対して着脱自在に装備され、下方側操作装置部MSの前面側を覆う操作部カバーとしての下側カバー7が、下方側操作装置部MSに対して着脱自在に装備されている。
そして、
図12及び
図13に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着する際には、上側カバー6及び下側カバー7を外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着した後において、上側カバー6及び下側カバー7を装着できるように構成されている。
【0040】
ちなみに、上側カバー6及び下側カバー7は、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うべく調理器本体Hの横外方に張り出す状態で設けられている。つまり、上側カバー6には、調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分6aが設けられ、また、下側カバー7には、調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分7aが設けられている。
そして、上側カバー6の上側張出部分6a及び下側カバー7の下側張出部分7aが、上述した隙間挿入部材Pの前部相当箇所を覆う状態で、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うように構成されている。
【0041】
図3及び
図7に示すように、枢支軸11が、装置本体枠Bにおける下方側部分BSの左右の側壁部分12の間に横倒れ姿勢で架設されている。
そして、下方側操作装置部MSが、枢支軸11に揺動自在に支持されて、調理器本体Hに対して出退自在に構成されている。
【0042】
つまり、下方側操作装置部MSは、上端部に備えた運転操作部Nを調理器本体Hの前方に突出させる突出位置(
図2参照)と運転操作部Nを調理器本体Hの内方に引退させる引退位置(
図1参照)とに前後揺動により切換えるべく、下端部を調理器本体Hに設けられた枢支軸11に揺動自在に枢支させた操作部支持枠13を備えている。
【0043】
ちなみに、下方側操作装置部MSに設けられた運転操作部Nは、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cに対する自動運転情報を指令するように構成されている。つまり、例えば、燃焼している標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転等、各種の運転を実行するための自動運転情報を指令するものであるが、その詳細は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明は省略する。
【0044】
尚、左側の操作装置Mの下方側操作装置部MSには、図示は省略するが、グリルバーナに対する運転情報を指令する運転操作部が設けられて、この運転操作部によって、燃焼しているグリルバーナを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転等、各種の運転を実行するための自動運転情報が指令されることになる。
【0045】
(操作部支持枠の詳細)
下方側操作装置部MSに設けられた操作部支持枠13は、
図5及び
図6に示すように、正面視形状が逆U字状に形成されて、前面側に支持枠開口部13aが形成された本体部としての支持枠本体部13bと、支持枠開口部13aを覆う内蓋13dとを備える形態に構成されている。
【0046】
図3及び
図7に示すように、内蓋13dの下端部の左右両側箇所には、枢支軸11に外嵌する一対の枢支部14aが設けられ、内蓋13dの上端部には、支持枠本体部13bの上縁部に弾性的に係合する状態に接続される接続部(図示を省略)が設けられている。
したがって、内蓋13dが、下端部を枢支軸11に揺動自在に枢支されて、枢支軸11を中心とした前後揺動により支持枠開口部13aを開く状態と支持枠開口部13aを閉じる状態とに切換え自在に構成され、且つ、支持枠開口部13aを閉じる状態においては、上端部の接続部が、支持枠本体部13bの上縁部に弾性的に係合するように構成されている。
【0047】
図5及び
図6に示すように、内蓋13dの上方側部分の左右両側箇所には、下側カバー7の上方側部分の左右両側箇所に設けた係合片7bが挿通する係合片用挿通口15が設けられている。
ちなみに、下側カバー7の上方側部分の左右両側箇所に設けた係合片7bの詳細については後述する。
尚、係合片用挿通口15は、内蓋13dの左右の端縁部に、横外方側が開口する状態に形成され、支持枠本体部13bの左右の側壁部分13cにて、開口する横外方側が閉じられるようになっている。
【0048】
図3に示すように、内蓋13dの下端部には、下側カバー7の下端部に設けた左右一対の外嵌支持部7cが挿通する左右一対の挿通口14bが形成されている。
ちなみに、下側カバー7の下端部に設ける左右一対の外嵌支持部7cについては後述する。
【0049】
(下側カバーの詳細)
図3及び
図7に示すように、板状の下側カバー7は、その下端部を枢支軸11に揺動自在に枢支させかつ操作部支持枠13に一体揺動するように連結した状態で操作部支持枠13の前面側に設けられている(
図1及び
図2参照)。
つまり、下側カバー7の上下幅方向における下端部の左右両側に、上述した一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に揺動自在に外嵌する形態で設けられており、これらの外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌することにより、下側カバー7が操作部支持枠13と同様に枢支軸11を中心に揺動自在に構成されている。
【0050】
尚、下側カバー7の下端部に設けられた突起部10は、内側に導電性部材(図示せず)が備えられており、使用者の手指から下側カバー7に伝えられた静電気を、枢支軸11に伝えるものである。これにより、操作部支持枠13の運転操作部Nにおける放電の発生やそれに伴うノイズの発生を防止するものである。
【0051】
外嵌支持部7cは、下側カバー7の上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部7eを備える弾性外嵌式に構成されている。
したがって、開口部7eを枢支軸11に向ける状態で、下側カバー7を枢支軸11に向かう方向に押圧移動操作することにより、外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌するように構成されている。これとは逆に、外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌する状態で、下側カバー7を枢支軸11から離間する方向に移動操作することにより、外嵌支持部7cを枢支軸11から取り外すことができる。
【0052】
また、
図6に示すように、下側カバー7には、一対の外嵌支持部7cよりも下側カバー7の上下幅方向における上方箇所に、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに設けた一対の被係合部としての一対の貫通孔Eに係合させる一対の係合部Fが設けられている。
【0053】
一対の係合部Fの夫々は、下側カバー7に設けた上述した係合片7bに、貫通孔Eに係合する係合突起17を備える形態に構成されている。この係合片7bは、上下幅が横幅よりも大きい板状で、かつ、後方に伸びる長尺状に形成されている。
そして、係合突起17が、下側カバー7の左右幅方向において下側カバー7の外方に向かって突出する状態で、係合片7bの先端側に設けられている。
【0054】
係合部Fは、枢支軸11を支点として下側カバー7を揺動させることにより、係合突起17が貫通孔Eに弾性的に係合する弾性係合式に構成されている。
つまり、
図4、
図6及び
図8に示すように、枢支軸11を支点として下側カバー7を揺動させることにより、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cの内面に、一対の係合片7bの係合突起17が当接して、一対の係合片7bが下側カバー7の横幅方向の内方に向かって弾性変形した状態で、一対の係合片7bが操作部支持枠13に挿入する。
【0055】
この状態でさらに下側カバー7を揺動させることにより、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに設けた一対の貫通孔Eに、一対の係合片7bに設けられた夫々の係合突起17が、下側カバー7の内方に向かって弾性変形している一対の係合片7bの復元力によって係合するように構成されている。
尚、支持枠本体部13bの左右の側壁部分13cにおける係合片用挿通口15に対向する箇所には、係合片7bを受止め案内する傾斜面Sが形成されている。
【0056】
したがって、下側カバー7を操作部支持枠13の前面側に装着するときには、下側カバー7に設けた左右の一対の外嵌支持部7cを、枢支軸11に外嵌させ、その状態で、枢支軸11を支点として下側カバー7を上方側に揺動させて、係合部Fを被係合部としての貫通孔Eに係合させることになる。
また、下側カバー7を外すときには、枢支軸11を支点として下側カバー7を下方側に揺動させて、係合部Fを被係合部としての貫通孔Eから離脱させ、その後、下側カバー7を枢支軸11から離間する方向に移動操作して、外嵌支持部7cを枢支軸11から外すことになる。
【0057】
(当接部及び被当接部の詳細)
図10及び
図11に示すように、外嵌支持部7cにおける開口部7eが形成される開口部形成部を枢支軸11に載置した状態で下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させたときに、操作部支持枠13の内蓋13dに設けられた被当接部Yとの当接により下側カバー7を下方側に押圧移動させる当接部Xが、外嵌支持部7c設けられている。
尚、開口部形成部は、外嵌支持部7cの開口部7eの周縁部によって構成されている。
【0058】
本実施形態においては、当接部Xが、外嵌支持部7cにおける開口部7eよりも上側部分の外周部にて構成され、そして、被当接部Yが、挿通口14bの周縁部にて構成されている。
つまり、外嵌支持部7cにおける開口部7eよりも上側部分の外周部のうちで、下側カバー7に隣接する隣接部分が、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させた状態で下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させたときに、挿通口14bの周縁部にて構成される被当接部Yに当接する外径となるように、下側カバー7に近づくほど大径となるカム面状に形成されている。
【0059】
したがって、下側カバー7を操作部支持枠13に装着する際において、複数の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌するときに、外嵌支持部7cにおける開口部7eを枢支軸11に向けた状態で、枢支軸11に向かって下側カバー7を押圧移動操作する操作力が不十分である等のために、左右一対の外嵌支持部7cの一部又は全部における開口部形成部が枢支軸11に載置した状態となっている場合でも、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させることにより、下側カバー7に設けられた当接部Xが被当接部Yに当接して、下側カバー7が下方側に押圧移動される。
【0060】
その結果、下側カバー7を操作部支持枠13に装着する際において、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させても、開口部形成部が枢支軸11に載置した状態の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
【0061】
そして、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させるに伴って、枢支軸11に載置された状態となっている外嵌支持部7cを枢支軸11に向かって移動させるにあたり、外嵌支持部7cに設けた当接部Xを操作部支持枠13に設けた被当接部Yに当接させるものであるから、外嵌支持部7cを的確に枢支軸11に向かって移動させることができるものとなるため、外嵌支持部7cを適切に枢支軸11に外嵌させることができる。
【0062】
また、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させるときには、外嵌支持部7cが設けられる下端部とは上下反対側の下側カバー7における上端側部分を支持しながら、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動操作することになるから、下側カバー7の上下長さを利用したモーメント力が得られるため、外嵌支持部7cに設けた当接部Xを被当接部Yに当接することによって、下側カバー7の揺動に抵抗が与えられても、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させる操作力が大きくなることを抑制でき、その結果、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させることを良好に行うことができる。
【0063】
(当接部と被当接部との作用の詳細)
次に、下側カバー7に設けられた当接部Xと内蓋13dに設けられた被当接部Yとの当接により、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13の前面部に装着するときの動作の一例について説明する。
【0064】
図10及び
図11には、下側カバー7に設けられた一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌せず、その一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態であり、かつ、外嵌支持部7cに設けられた当接部Xが内蓋13dに設けられた被当接部Yに当接したときの状態が示されている。
【0065】
一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させると、当接部Xが被当接部Yと当接させることにより、下側カバー7の下方側に向かう押圧力が付与され、下側カバー7を下方側に押圧移動させることができる。これにより、枢支軸11に載置された一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌した状態となる(
図9参照)。
【0066】
ちなみに、下側カバー7を水平姿勢(横倒れ姿勢)にする状態で、外嵌支持部7cの開口部形成部を枢支軸11に当て付けた状態は、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態ではないが、下側カバー7を水平姿勢(横倒れ姿勢)から上方側に揺動させることにより、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態となるから、下側カバー7を水平姿勢(横倒れ姿勢)とする状態で、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させる際に、適正通り外嵌できないときにも、下側カバー7を水平姿勢(横倒れ姿勢)から上方側に揺動させることにより、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態となって、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
【0067】
このように、下側カバー7を操作部支持枠13に装着する場合において、一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌していない状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させた場合においても、下側カバー7が、操作部支持枠13の前面部に、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させた状態で適切に装着される。よって、下側カバー7の操作部支持枠13に対する装着を良好に行うことができる。
【0068】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0069】
(1)上記実施形態においては、左右一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させると、当接部Xが被当接部Yと当接させることにより、枢支軸11に載置された一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌した状態となる例を示したが、これに限らず、一対の外嵌支持部7cのうち一方が枢支軸11に載置され、他方が枢支軸11に外嵌された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させる場合においても、当接部Xが被当接部Yと当接することにより、枢支軸11に載置された一方の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
【0070】
(2)上記実施形態においては、外嵌支持部7cの外周部を当接部Xに構成する場合を例示したが、例えば、外嵌支持部7cの横側面部に、当接部Xを構成する部材を付設するようにする等、当接部Xを形成する具体構成は各種変更でき、そして、当接部Xの構成に合わせて、被当接部Yの構成も各種変更できる。
【0071】
(3)上記実施形態においては、操作部支持枠13の内蓋13dに形成されている係合片用挿通口15の周縁部を有効利用して、被当接部Yを構成する場合を例示したが、例えば、内蓋13dが備えられていないときには、支持枠本体部13bに被当接部Yを構成する部材を設けるようにする等、被当接部Yを形成する具体構成は各種変更できる。
【0072】
(4)上記実施形態においては、操作部支持枠13が、支持枠本体部13bと内蓋13dとから構成される場合を例示したが、内蓋13dを備えない支持枠本体部13bにて操作部支持枠13を構成する等、操作部支持枠13の具体構成は各種変更できる。
【0073】
(5)上記実施形態においては、下側カバー7の下端部の左右両側に、枢支軸11に揺動自在に外嵌する一対の外嵌支持部7cを設ける場合を例示したが、下側カバー7の下端部に3つ以上の外嵌支持部7cを設けてもよい。
【0074】
(6)上記実施形態では、加熱調理器として、加熱手段としてコンロバーナ1やグリルバーナを備えるガスコンロGCを例示したが、加熱手段として電磁誘導加熱部を備えた電磁調理器にも本発明は適用できるものである。