(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6618559
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】電気コネクタ及び電気コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6471 20110101AFI20191202BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20191202BHJP
【FI】
H01R13/6471
H01R12/71
【請求項の数】31
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-42267(P2018-42267)
(22)【出願日】2018年3月8日
(65)【公開番号】特開2018-156936(P2018-156936A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年3月9日
(31)【優先権主張番号】201710156405.8
(32)【優先日】2017年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】チョン ティアム チョー
(72)【発明者】
【氏名】ハルヤティ エルヴィ
(72)【発明者】
【氏名】フーン チャン ゴー
(72)【発明者】
【氏名】セル キアト トー
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−513207(JP,A)
【文献】
特表2008−543023(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0291803(US,A1)
【文献】
中国実用新案第204947118(CN,U)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0057493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/646−13/6471
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタであって、
絶縁ハウジングと、
該絶縁ハウジングに配置された複数の端子列であって、各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、前記グランド端子及び前記差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されており、前記端子列は、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置され、かつ互いに離間している、複数の端子列と、を含み、
各グランド端子は、本体部分と、2つの弾性接触部分と、を有し、前記2つの弾性接触部分は、前記本体部分から延びており、かつ互いに離間しており、
各差分信号端子対は、2つの信号端子からなり、互いに横並びに配置された、各差分信号端子対の前記2つの信号端子の隣接する側部は、各信号端子の内向き側部を画定し、各信号端子の前記内向き側部と反対側の側部は、外側反対側部を画定し、各信号端子は、本体部分と、該本体部分から延びた弾性接触部分と、を有し、前記第1の方向における、各差分信号端子対の2つの本体部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記本体部分の幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つの本体部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記本体部分の幅が占める範囲内に位置しており、前記第1の方向における、各差分信号端子対の前記2つの弾性接触部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記2つの弾性接触部分の合計幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つの弾性接触部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記2つの弾性接触部分の合計幅が占める範囲内に位置している、電気コネクタ。
【請求項2】
各グランド端子は、各グランド端子の前記本体部分から延びており、かつ互いに離間した2つのテール部分を更に有し、各グランド端子の前記2つのテール部分及び前記2つの弾性接触部分は、各グランド端子の前記本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、各差分信号端子対の各信号端子は、各信号端子の前記本体部分から延びたテール部分を更に有し、各信号端子の前記テール部分及び前記弾性接触部分は、各信号端子の前記本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、前記第1の方向における、各差分信号端子対の2つのテール部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記2つのテール部分の合計幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つのテール部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
各差分信号端子対の各信号端子の前記弾性接触部分の中心線は、各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分の中心線に対して、前記内向き側部の方向にずれている、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記第2の方向に沿った、各端子列の前記グランド端子の前記本体部分の正射影と、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列の前記グランド端子の前記本体部分の正射影とは、部分的に重なり合っている、請求項2又は3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
各差分信号端子対の前記2つの信号端子間の中心線は、前記第2の方向において隣接する端子列における、前記対応するグランド端子の中心線と位置合わせされている、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記端子列の前記グランド端子の前記テール部分、及び前記差分信号端子対の前記テール部分は、同じ方向に向かって曲がっている、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、各信号端子の前記テール部分に近接した保持セグメントと、該保持セグメントに隣接しており、かつ該保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、前記保持セグメントの両側には、前記絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている、請求項2又は3に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
各信号端子の前記本体部分は、前記幅狭セグメントが形成されるように、少なくとも各信号端子の前記外側反対側部から内側へ凹んでいる、請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、前記幅狭セグメントが形成されるように、各信号端子の前記外側反対側部から内側へ凹んでおり、かつ、前記2つの信号端子の前記弾性接触部分間の間隔と、前記2つの信号端子の前記本体部分間の間隔とは、前記内向き側部において、実質的に同じに維持されている、請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
各グランド端子の前記本体部分は、各グランド端子の前記テール部分に近接した保持セグメントと、各グランド端子の前記保持セグメントに隣接しており、かつ各グランド端子の前記保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、前記保持セグメントの両側には、前記絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている、請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記グランド端子の前記幅狭セグメントは、前記グランド端子の前記本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されており、各信号端子の前記幅狭セグメントは、各信号端子の前記本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記絶縁ハウジングは、底壁を有し、該底壁は、第1の側部と、第2の側部と、を有し、前記第1の側部及び前記第2の側部は、前記第1の方向に対して平行であり、かつ両端に位置しており、前記絶縁ハウジングは、複数の突出バーを更に有し、該複数の突出バーは、互いに対して平行であり、互いに離間しており、前記底壁から突出しており、前記第1の側部と前記第2の側部との間に位置しており、前記第1の方向に沿って延びており、かつ、それぞれ細長形状を呈しており、前記底壁及び前記突出バーは一緒になって複数の挿込スロットを画定し、前記突出バー及び前記挿込スロットは、前記第2の方向に沿って、交互に配置されており、前記絶縁ハウジングは、前記グランド端子をそれぞれ受容する複数のグランド端子受容溝と、前記信号端子をそれぞれ受容する複数の信号端子受容溝と、を更に有し、前記グランド端子受容溝及び前記信号端子受容溝は、前記挿込スロットに隣接した前記突出バーの壁面に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、各信号端子の前記弾性接触部分に近接し、かつ各信号端子の前記外側反対側部から突出している、止めブロックを有し、前記絶縁ハウジングは、各信号端子受容溝に対応する前記絶縁ハウジングの領域において、スリット状の細溝部分が形成されており、該細溝部分は、各信号端子の前記本体部分が前記第2の方向に動かないように前記止めブロックとラッチ係合している、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記絶縁ハウジングは、前記第1の側部に隣接しており、かつ前記第1の方向における両端に位置している、2つの位置決め溝と、前記底壁から突出しており、前記第2の側部に隣接しており、前記第1の方向に沿って延びており、かつ細長形状を呈している側壁と、前記底壁から突出しており、かつ前記側壁の両端からL字状にそれぞれ延びている、2つの位置決めキーと、を更に有し、該2つの位置決めキーは、同一構造の他の電気コネクタの前記2つの位置決め溝とそれぞれラッチ係合する、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
同一構造を有し、互いに係合される2つの電気コネクタを含む、電気コネクタアセンブリであって、各電気コネクタは、
絶縁ハウジングと、
該絶縁ハウジングに配置された複数の端子列であって、各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、前記グランド端子及び前記差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されており、前記端子列は、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置され、かつ互いに離間している、複数の端子列と、を含み、
各グランド端子は、本体部分と、2つの弾性接触部分と、を有し、前記2つの弾性接触部分は、前記本体部分から延びており、かつ互いに離間しており、
各差分信号端子対は、2つの信号端子からなり、互いに横並びに配置された、各差分信号端子対の前記2つの信号端子の隣接する側部は、各信号端子の内向き側部を画定し、各信号端子の前記内向き側部と反対側の側部は、外側反対側部を画定し、各信号端子は、本体部分と、該本体部分から延びた弾性接触部分と、を有し、前記第1の方向における、各差分信号端子対の2つの本体部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記本体部分の幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つの本体部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記本体部分の幅が占める範囲内に位置しており、前記第1の方向における、各差分信号端子対の前記2つの弾性接触部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記2つの弾性接触部分の合計幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つの弾性接触部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記2つの弾性接触部分の合計幅が占める範囲内に位置している、電気コネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記2つの電気コネクタが互いに係合されたとき、係合されたグランド端子では、前記係合されたグランド端子の2つの弾性接触部分の各々が互いに係合させられ、係合された2つの弾性接触部分の各々は、2つの接触箇所を形成し、係合された信号端子では、前記係合された信号端子の2つの弾性接触部分が互いに係合させられて、2つの接触箇所を形成する、請求項15に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項17】
各電気コネクタの各グランド端子は、各グランド端子の前記本体部分から延びており、かつ互いに離間した2つのテール部分を更に有し、各グランド端子の前記2つのテール部分及び前記2つの弾性接触部分は、各グランド端子の前記本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、各差分信号端子対の各信号端子は、各信号端子の前記本体部分から延びたテール部分を更に有し、各信号端子の前記テール部分及び前記弾性接触部分は、各信号端子の前記本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、前記第1の方向における、各差分信号端子対の2つのテール部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記2つのテール部分の合計幅よりも狭く、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の前記2つのテール部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の前記2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している、請求項16に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項18】
各差分信号端子対の各信号端子の前記弾性接触部分の中心線は、各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分の中心線に対して、前記内向き側部の方向にずれている、請求項17に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の方向に沿った、各端子列の前記グランド端子の前記本体部分の正射影と、前記第2の方向に沿った、隣接する端子列の前記グランド端子の前記本体部分の正射影とは、部分的に重なり合っている、請求項17又は18に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項20】
各差分信号端子対の前記2つの信号端子間の中心線は、前記第2の方向において隣接する端子列における、前記対応するグランド端子の中心線と位置合わせされている、請求項19に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項21】
各電気コネクタにおける前記端子列の前記グランド端子の前記テール部分、及び前記差分信号端子対の前記テール部分は、同じ方向に向かって曲がっている、請求項20に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項22】
各電気コネクタの各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、各信号端子の前記テール部分に近接した保持セグメントと、該保持セグメントに隣接しており、かつ該保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、前記保持セグメントの両側には、前記絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている、請求項17又は18に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項23】
各信号端子の前記本体部分は、前記幅狭セグメントが形成されるように、少なくとも各信号端子の前記外側反対側部から内側へ凹んでいる、請求項22に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項24】
各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、前記幅狭セグメントが形成されるように、各信号端子の前記外側反対側部から内側へ凹んでおり、かつ、前記2つの信号端子の前記弾性接触部分間の間隔と、前記2つの信号端子の前記本体部分間の間隔とは、前記内向き側部において、実質的に同じに維持されている、請求項23に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項25】
各電気コネクタの各グランド端子の前記本体部分は、各グランド端子の前記テール部分に近接した保持セグメントと、各グランド端子の前記保持セグメントに隣接しており、かつ各グランド端子の前記保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、前記保持セグメントの両側には、前記絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている、請求項23に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項26】
前記グランド端子の前記幅狭セグメントは、前記グランド端子の前記本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されており、各信号端子の前記幅狭セグメントは、各信号端子の前記本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている、請求項25に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項27】
各電気コネクタの前記絶縁ハウジングは、底壁を有し、該底壁は、第1の側部と、第2の側部と、を有し、前記第1の側部及び前記第2の側部は、前記第1の方向に対して平行であり、かつ両端に位置しており、前記絶縁ハウジングは、複数の突出バーを更に有し、該複数の突出バーは、互いに対して平行であり、互いに離間しており、前記底壁から突出しており、前記第1の側部と前記第2の側部との間に位置しており、前記第1の方向に沿って延びており、かつ、それぞれ細長形状を呈しており、前記底壁及び前記突出バーは一緒になって複数の挿込スロットを画定し、前記突出バー及び前記挿込スロットは、前記第2の方向に沿って、交互に配置されており、前記絶縁ハウジングは、前記グランド端子をそれぞれ受容する複数のグランド端子受容溝と、前記信号端子をそれぞれ受容する複数の信号端子受容溝と、を更に有し、前記グランド端子受容溝及び前記信号端子受容溝は、前記挿込スロットに隣接した前記突出バーの壁面に設けられている、請求項15〜18のいずれか1項に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項28】
各差分信号端子対の各信号端子の前記本体部分は、各信号端子の前記弾性接触部分に近接し、かつ各信号端子の前記外側反対側部から突出している、止めブロックを有し、前記絶縁ハウジングは、各信号端子受容溝に対応する前記絶縁ハウジングの領域において、スリット状の細溝部分が形成されており、該細溝部分は、各信号端子の前記本体部分が前記第2の方向に動かないように前記止めブロックとラッチ係合している、請求項27に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項29】
各電気コネクタの前記絶縁ハウジングは、前記第1の側部に隣接しており、かつ前記第1の方向における両端に位置している、2つの位置決め溝と、前記底壁から突出しており、前記第2の側部に隣接しており、前記第1の方向に沿って延びており、かつ細長形状を呈している側壁と、前記底壁から突出しており、かつ前記側壁の両端からL字状にそれぞれ延びている、2つの位置決めキーと、を更に有し、該2つの位置決めキーは、他方の電気コネクタの前記2つの位置決め溝とそれぞれラッチ係合させるために用いられている、請求項27に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項30】
前記2つの電気コネクタは、メザニン型電気コネクタである、請求項15に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項31】
電気コネクタであって、
絶縁ハウジングと、
該絶縁ハウジングに配置された複数の端子列であって、各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、前記グランド端子及び前記差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されている、複数の端子列と、を含む、電気コネクタであって、
各グランド端子は、互いに離間している2つのテール部分を有し、各差分信号端子対の各信号端子は、テール部分を有し、前記第1の方向における、各差分信号端子対の前記2つのテール部分の合計幅は、前記第1の方向における、各グランド端子の前記2つのテール部分の合計幅よりも狭く、
前記端子列は、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置されており、かつ互いに離間しており、前記端子列の端子の配置パターンにおいて、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の端子は、1つのグランド端子、1つの差分信号端子対、そして1つのグランド端子となるように交互に配置されており、これにより、1つのグランド端子の2つのテール部分、2つの信号端子の2つのテール部分、1つのグランド端子の2つのテール部分が前記第1の方向に沿って交互に配置されており、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列の端子は、1つの差分信号端子対、1つのグランド端子、そして1つの差分信号端子対となるように交互に配置されており、これにより、2つの信号端子の2つのテール部分、1つのグランド端子の2つのテール部分、2つの信号端子の2つのテール部分が前記第1の方向に沿って交互に配置されており、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の前記差分信号端子対は、前記第2の方向における位置的に、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列の前記グランド端子に対応しており、前記第2の方向に沿った、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の各差分信号端子対の2つのテール部分の正射影は、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列において対応する1つのグランド端子の2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している、電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタに関し、具体的には、高速信号伝送用の電気コネクタ、及び電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル情報科学技術の進歩により、データ伝送量は増加している。データ伝送では、各種のポートを接続するために電気コネクタが必要な場合が多いことから、電気コネクタの信号伝送速度及び品質は、データ伝送の速度及び安定性に大きく影響することとなる。
【0003】
既存の電気コネクタとして、例えば、日本の特公平5−7829号公報では、係合させた2つの端子の接触部分により、一方の端子の接触部分が他方の端子の固定部分と接触可能となっており、これら2つの端子間で2つの接触箇所を形成することにより、端子の接触安定性を向上させた、係合端子構造が開示されている。例えば、米国特許第7,798,852(B2)号は、複数の端子列を含む、メザニン型の電気コネクタを開示しているが、ここでは、各端子列のグランド端子と差分信号端子対は、交互に配列されており、各端子列の差分信号端子対は、位置的に、隣接する端子列のグランド端子に対応しており、グランド端子の本体部分は、グランド端子の本体部分の幅が、グランド端子の本体部分と横並びに配置されている差分信号端子対の幅よりも広くなるように、幅広であり、これによって、各差分信号端子対に対して個別のグランド遮蔽が形成されている。
【0004】
信号伝送速度を更に増大させるためには、信号伝送におけるクロストークを更に減らすこと、端子のインピーダンスを更に小さくすること、及び信号端子間の遮蔽性を更に高めることが必要である。しかしながら、既存の電気コネクタは依然として十分なものではない。
【発明の概要】
【0005】
それ故、本開示の目的の1つは、信号伝送速度及びシグナルインテグリティを向上させ得る電気コネクタを提供することである。
【0006】
それ故、本開示の他の目的は、電気コネクタアセンブリを提供することである。
【0007】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気コネクタは、絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配置された複数の端子列と、を含む。各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、グランド端子及び差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されており、端子列は、第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置され、かつ互いに離間している。各グランド端子は、本体部分と、2つの弾性接触部分と、を有し、これら2つの弾性接触部分は、本体部分から延びており、かつ互いに離間している。各差分信号端子対は、2つの信号端子からなり、互いに横並びに配置された、各差分信号端子対の2つの信号端子の隣接する側部は、各信号端子の内向き側部を画定し、各信号端子の内向き側部と反対側の側部は、外側反対側部を画定し、各信号端子は、本体部分と、本体部分から延びた弾性接触部分と、を有し、第1の方向における、各差分信号端子対の2つの本体部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の本体部分の幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つの本体部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の本体部分の幅が占める範囲内に位置しており、第1の方向における、各差分信号端子対の2つの弾性接触部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の2つの弾性接触部分の合計幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つの弾性接触部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の2つの弾性接触部分の合計幅が占める範囲内に位置している。
【0008】
いくつかの実施形態では、各グランド端子は、各グランド端子の本体部分から延びており、かつ互いに離間した2つのテール部分を更に有し、各グランド端子のこれら2つのテール部分及び2つの弾性接触部分は、各グランド端子の本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、各差分信号端子対の各信号端子は、各信号端子の本体部分から延びたテール部分を更に有し、各信号端子のテール部分及び弾性接触部分は、各信号端子の本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、第1の方向における、各差分信号端子対の2つのテール部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の2つのテール部分の合計幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つのテール部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している。
【0009】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の弾性接触部分の中心線は、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分の中心線に対して、内向き側部の方向にずれている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2の方向に沿った、各端子列のグランド端子の本体部分の正射影と、第2の方向に沿った、隣接する端子列のグランド端子の本体部分の正射影とは、部分的に重なり合っている。
【0011】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の2つの信号端子間の中心線は、第2の方向において隣接する端子列における、対応するグランド端子の中心線と位置合わせされている。
【0012】
いくつかの実施形態では、端子列のグランド端子のテール部分、及び差分信号端子対のテール部分は、同じ方向に向かって曲がっている。
【0013】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、各信号端子のテール部分に近接した保持セグメントと、保持セグメントに隣接しており、かつ保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、保持セグメントの両側には、絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、各信号端子の本体部分は、幅狭セグメントが形成されるように、少なくとも各信号端子の外側反対側部から内側へ凹んでいる。
【0015】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、幅狭セグメントが形成されるように、各信号端子の外側反対側部から内側へ凹んでおり、かつ、2つの信号端子の弾性接触部分間の間隔と、2つの信号端子の本体部分間の間隔とは、内向き側部において、実質的に同じに維持されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、各グランド端子の本体部分は、各グランド端子のテール部分に近接した保持セグメントと、各グランド端子の保持セグメントに隣接しており、かつ各グランド端子の保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、保持セグメントの両側には、絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、グランド端子の幅狭セグメントは、グランド端子の本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されており、各信号端子の幅狭セグメントは、各信号端子の本体部分の両側部を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、絶縁ハウジングは、底壁を有し、底壁は、第1の側部と、第2の側部と、を有し、第1の側部及び第2の側部は、第1の方向に対して平行であり、かつ両端に位置しており、絶縁ハウジングは、複数の突出バーを更に有し、複数の突出バーは、互いに対して平行であり、互いに離間しており、底壁から突出しており、第1の側部と第2の側部との間に位置しており、第1の方向に沿って延びており、かつ、それぞれ細長形状を呈しており、底壁及び突出バーは一緒になって複数の挿込スロットを画定し、突出バー及び挿込スロットは、第2の方向に沿って、交互に配置されており、絶縁ハウジングは、グランド端子をそれぞれ受容する複数のグランド端子受容溝と、信号端子をそれぞれ受容する複数の信号端子受容溝と、を更に有し、グランド端子受容溝及び信号端子受容溝は、挿込スロットに隣接した突出バーの壁面に設けられている。
【0019】
いくつかの実施形態では、絶縁ハウジングは、位置的に弾性接触部分にそれぞれ対応する、複数の収容凹部を更に有し、各差分信号端子対に対応する各2つの収容凹部は、各信号端子の弾性接触部分のテール端部にそれぞれ対応して接近した、2つの部分で互いに連通している。
【0020】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、各信号端子の弾性接触部分に近接し、かつ各信号端子の外側反対側部から突出している、止めブロックを有し、絶縁ハウジングは、各信号端子受容溝に対応する絶縁ハウジングの領域において、止めブロックとラッチ係合する、スリット状の細溝部分が形成されており、このラッチ係合は、各信号端子の本体部分が第2の方向に動くことがないようにする。
【0021】
いくつかの実施形態では、絶縁ハウジングは、第1の側部に隣接しており、かつ第1の方向における両端に位置している、2つの位置決め溝と、底壁から突出しており、第2の側部に隣接しており、第1の方向に沿って延びており、かつ細長形状を呈している側壁と、底壁から突出しており、かつ側壁の両端からL字状にそれぞれ延びている、2つの位置決めキーと、を更に有し、これら2つの位置決めキーは、同一構造の他の電気コネクタの2つの位置決め溝とそれぞれラッチ係合する。
【0022】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気コネクタアセンブリは、同一構造を有し、かつ互いに係合される2つの電気コネクタを含み、各電気コネクタは、絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配置された複数の端子列と、を含む。各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、グランド端子及び差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されており、端子列は、第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置され、かつ互いに離間している。各グランド端子は、本体部分と、2つの弾性接触部分と、を有し、これら2つの弾性接触部分は、本体部分から延びており、かつ互いに離間している。各差分信号端子対は、2つの信号端子からなり、互いに横並びに配置された、各差分信号端子対の2つの信号端子の隣接する側部は、各信号端子の内向き側部を画定し、各信号端子の内向き側部と反対側の側部は、外側反対側部を画定し、各信号端子は、本体部分と、本体部分から延びた弾性接触部分と、を有し、第1の方向における、各差分信号端子対の2つの本体部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の本体部分の幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つの本体部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の本体部分の幅が占める範囲内に位置している。第1の方向における、各差分信号端子対の2つの弾性接触部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の2つの弾性接触部分の合計幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つの弾性接触部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の2つの弾性接触部分の合計幅が占める範囲内に位置している。
【0023】
いくつかの実施形態では、2つの電気コネクタが互いに係合されたとき、係合されたグランド端子では、係合されたグランド端子の2つの弾性接触部分の各々が互いに係合させられ、係合された2つの弾性接触部分の各々は、2つの接触箇所を形成し、係合された信号端子では、係合された信号端子の2つの弾性接触部分が互いに係合させられて、2つの接触箇所を形成する。
【0024】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの各グランド端子は、各グランド端子の本体部分から延びており、かつ互いに離間した2つのテール部分を更に有し、各グランド端子のこれら2つのテール部分及び2つの弾性接触部分は、各グランド端子の本体部分の対向する両側部からそれぞれ延びており、各差分信号端子対の各信号端子は、各信号端子の本体部分から延びたテール部分を更に有し、各信号端子のテール部分及び弾性接触部分は、各信号端子の本体部分の対向する両側からそれぞれ延びており、第1の方向における、各差分信号端子対の2つのテール部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の2つのテール部分の合計幅よりも狭く、第2の方向に沿った、隣接する端子列における、各差分信号端子対の2つのテール部分の正射影は、隣接する端子列において対応する1つのグランド端子の2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している。
【0025】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の弾性接触部分の中心線は、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分の中心線に対して、内向き側部の方向にずれている。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2の方向に沿った、各端子列のグランド端子の本体部分の正射影と、第2の方向に沿った、隣接する端子列のグランド端子の本体部分の正射影とは、部分的に重なり合っている。
【0027】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の2つの信号端子間の中心線は、第2の方向において隣接する端子列における、対応するグランド端子の中心線と位置合わせされている。
【0028】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタにおける端子列のグランド端子のテール部分、及び差分信号端子対のテール部分は、同じ方向に向かって曲がっている。
【0029】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、各信号端子のテール部分に近接した保持セグメントと、保持セグメントに隣接しており、かつ保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、保持セグメントの両側には、絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、各信号端子の本体部分は、幅狭セグメントが形成されるように、少なくとも各信号端子の外側反対側部から内側へ凹んでいる。
【0031】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、幅狭セグメントが形成されるように、各信号端子の外側反対側部から内側へ凹んでおり、かつ、2つの信号端子の弾性接触部分間の間隔と、2つの信号端子の本体部分間の間隔とは、内向き側部において、実質的に同じに維持されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの各グランド端子の本体部分は、各グランド端子のテール部分に近接した保持セグメントと、各グランド端子の保持セグメントに隣接しており、かつ各グランド端子の保持セグメントに対して幅狭になった幅狭セグメントと、を有し、保持セグメントの両側には、絶縁ハウジングに干渉する複数の保持突出部が形成されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、グランド端子の幅狭セグメントは、グランド端子の本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されており、各信号端子の幅狭セグメントは、各信号端子の本体部分の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの絶縁ハウジングは、底壁を有し、底壁は、第1の側部と、第2の側部と、を有し、第1の側部及び第2の側部は、第1の方向に対して平行であり、かつ両端に位置しており、絶縁ハウジングは、複数の突出バーを更に有し、複数の突出バーは、互いに対して平行であり、互いに離間しており、底壁から突出しており、第1の側部と第2の側部との間に位置しており、第1の方向に沿って延びており、かつ、それぞれ細長形状を呈しており、底壁及び突出バーは一緒になって複数の挿込スロットを画定し、突出バー及び挿込スロットは、第2の方向に沿って、交互に配置されており、絶縁ハウジングは、グランド端子をそれぞれ受容する複数のグランド端子受容溝と、信号端子をそれぞれ受容する複数の信号端子受容溝と、を更に有し、グランド端子受容溝及び信号端子受容溝は、挿込スロットに隣接した突出バーの壁面に設けられている。
【0035】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの絶縁ハウジングは、位置的に弾性接触部分にそれぞれ対応する、複数の収容凹部を更に有し、各差分信号端子対に対応する各2つの収容凹部は、各信号端子の弾性接触部分のテール端部にそれぞれ対応して接近した、2つの部分で互いに連通している。
【0036】
いくつかの実施形態では、各差分信号端子対の各信号端子の本体部分は、各信号端子の弾性接触部分に近接し、かつ各信号端子の外側反対側部から突出している、止めブロックを有し、絶縁ハウジングは、各信号端子受容溝に対応する絶縁ハウジングの領域において、止めブロックとラッチ係合する、スリット状の細溝部分が形成されており、このラッチ係合は、各信号端子の本体部分が第2の方向に動くことがないようにする。
【0037】
いくつかの実施形態では、各電気コネクタの絶縁ハウジングは、第1の側部に隣接しており、かつ第1の方向における両端に位置している、2つの位置決め溝と、底壁から突出しており、第2の側部に隣接しており、第1の方向に沿って延びており、かつ細長形状を呈している側壁と、底壁から突出しており、かつ側壁の両端からL字状にそれぞれ延びている、2つの位置決めキーと、を更に有し、これら2つの位置決めキーは、他方の電気コネクタの2つの位置決め溝とそれぞれラッチ係合させるために用いられる。
【0038】
いくつかの実施形態では、2つの電気コネクタは、メザニン型電気コネクタである。
【0039】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の電気コネクタは、絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに配置された複数の端子列と、を含む。各端子列は、第1の方向に沿って配置された、複数のグランド端子及び複数の差分信号端子対を含み、グランド端子及び差分信号端子対は、各端子列において交互に配置されている。各グランド端子は、互いに離間している2つのテール部分を有し、各差分信号端子対の各信号端子は、テール部分を有し、第1の方向における、各差分信号端子対の2つのテール部分の合計幅は、第1の方向における、各グランド端子の2つのテール部分の合計幅よりも狭い。端子列は、第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置されており、かつ互いに離間しており、端子列の端子の配置パターンは、以下のようなものである。即ち、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の各端子は、1つのグランド端子、1つの差分信号端子対、そして1つのグランド端子となるように交互に配置されており、これにより、1つのグランド端子の2つのテール部分、2つの信号端子の2つのテール部分、1つのグランド端子の2つのテール部分が第1の方向に沿って交互に配置されており、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列の各端子は、1つの差分信号端子対、1つのグランド端子、そして1つの差分信号端子対となるように交互に配置されており、これにより、2つの信号端子の2つのテール部分、1つのグランド端子の2つのテール部分、2つの信号端子の2つのテール部分が第1の方向に沿って交互に配置されており、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の差分信号端子対は、第2の方向における位置的に、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列のグランド端子に対応しており、第2の方向に沿った、隣接する各2つの端子列のうちの一方の端子列の各差分信号端子対の2つのテール部分の正射影は、隣接する各2つの端子列のうちの他方の端子列において対応する1つのグランド端子の2つのテール部分の合計幅が占める範囲内に位置している。
【0040】
本開示の効果は以下のとおりである。即ち、本開示のグランド端子及び信号端子の構造的デザイン、及びグランド端子及び差分信号端子対の配置パターンにより、各差分信号端子対に対して、より完全で総合的な遮蔽効果が形成され、クロストークが低減されるとともに、信号伝送速度が向上する。また、本開示によれば、端子のインピーダンスを減少させ、各差分信号端子対の2つの信号端子間での結合性を向上させることにより、シグナルインテグリティを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示の他の特徴及び効果は、添付図面と組み合わせて、実施形態を通して明らかになるであろう。
【0042】
【
図1】本開示の電気コネクタアセンブリの第1の実施形態の側面図である。
【
図3】第1の実施形態の2つの電気コネクタのうちの一方の斜視図である。
【
図4】第1の実施形態の電気コネクタの上面図である。
【
図6】第1の実施形態の電気コネクタの斜視断面図である。
【
図10】底面側から見た第1の実施形態の電気コネクタの部分斜視図である。
【
図11】第1の実施形態の端子列の部分斜視図であり、ここでは、絶縁ハウジングは図示されていない。
【
図14】端子列が形成された後、かつ端子列を絶縁ハウジングに対して組み立てる前の、ストリップに接続された、第1の実施形態の端子列を示す部分平面図である。
【
図15】組み立てた状態にある、第1の実施形態の2つの電気コネクタの斜視断面図である。
【
図16】組み立てた状態にある、第1の実施形態の2つの電気コネクタの断面図である。
【
図17】組み立てた状態にある、第1の実施形態の2つの電気コネクタの、別角度から見た断面図である。
【
図19】本開示の電気コネクタアセンブリの第2の実施形態の部分的な斜視断面図である。
【
図22】組み立てた状態にある、本開示の電気コネクタアセンブリの第3の実施形態の斜視図である。
【
図24】第3の実施形態の2つの電気コネクタのうちの一方の部分的な斜視断面図である。
【
図29】組み立てた状態にある、第3の実施形態の2つの電気コネクタの斜視断面図である。
【符号の説明】
【0043】
参照番号は、以下のように表されている。
【0044】
100 電気コネクタ
1 絶縁ハウジング
11 底壁
111 第1の側部
112 第2の側部
113 位置決め溝
114 当接ブロック
115 細溝部分
13 側壁
14 突出バー
15 挿込スロット
16 グランド端子受容溝
17 信号端子受容溝
18 収容凹部
181 間隔保持リブ
19 位置決めキー
2 グランド端子
21 本体部分
211 保持セグメント
211a 保持突出部
212 幅狭セグメント
22 弾性接触部分
23 テール部分
3 差分信号端子対
4 信号端子
41 本体部分
411 保持セグメント
411a 保持突出部
412 幅狭セグメント
413 止めブロック
42 弾性接触部分
43 テール部分
5 はんだボール
6 回路基板
7 ストリップ
71 ストリップ本体
72 第1の接続セグメント
73 第2の接続セグメント
74 第3の接続セグメント
G グランド信号
S 差分信号
T 端子列
D1 第1の方向
D2 第2の方向
C1 中心線
C2 中心線
C3 中心線
C4 中心線
HB1 幅
HB2 合計幅
HC1 合計幅
HC2 合計幅
HT1 合計幅
HT2 合計幅
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示を詳細に説明する前に、以下の内容において、類似の要素は、同様の参照符号で示されることに留意されたい。
【0046】
図1〜
図3を参照すると、本開示の電気コネクタアセンブリの第1の実施形態は、同一構造であり、かつ互いに係合される2つの電気コネクタ100を含み、各電気コネクタ100は、絶縁ハウジング1と、絶縁ハウジング1に配置された複数の端子列Tと、を含む。
【0047】
図3〜
図5を参照すると、各電気コネクタ100の絶縁ハウジング1は、底壁11を有し、底壁11は、第1の側部111と、第2の側部112と、を有し、第1の側部111及び第2の側部112は、第1の方向D1に対して平行であり、かつ両端に位置する。絶縁ハウジング1は、複数の突出バー14を更に有し、複数の突出バー14は、互いに対して平行であり、互いに離間しており、底壁11から突出しており、第1の側部111と第2の側部112との間に位置しており、第1の方向D1に沿って延びており、かつ、それぞれ細長形状を呈しており、底壁11及び突出バー14は一緒になって複数の挿込スロット15を画定し、突出バー14及び挿込スロット15は、第1の方向D1に対して垂直な第2の方向D2に沿って交互に配置されている。
【0048】
各端子列Tは、第1の方向D1に沿って配置された複数のグランド端子2及び複数の差分信号端子対3を含み、各差分信号端子対3は、2つの信号端子4からなり、グランド端子2及び差分信号端子対3は、各端子列Tにおいて交互に配置されている。突出バー14の壁面は、それぞれ1つの端子列Tが設けられた挿込スロット15にそれぞれ隣接しており、これによって、端子列Tは、第2の方向D2に沿って配置され、かつ互いに離間している。
【0049】
図6〜
図9を参照すると、各グランド端子2は、本体部分21と、本体部分21から延びており、かつ互いに離間している2つの弾性接触部分22と、本体部分21から延びており、かつ互いに離間している2つのテール部分23と、を有し、2つのテール部分23及び2つの弾性接触部分22は、本体部分21の対向する両側からそれぞれ延びている。これらの図の向きを基準として、弾性接触部分22は、本体部分21から上方に延びており、テール部分23は、本体部分21から下方に延びている。本体部分21は、テール部分23に近接した保持セグメント211と、保持セグメント211に隣接しており、かつ保持セグメント211に対して幅狭になった幅狭セグメント212と、を有し、保持セグメント211の両側には、絶縁ハウジング1に干渉する複数の保持突出部211aが形成されている。即ち、幅狭セグメント212は、保持セグメント211の上に位置しており、保持セグメント211は、幅狭セグメント212とテール部分23との間に位置している。実施形態では、グランド端子2の幅狭セグメント212は、本体部分21の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている。各信号端子4は、本体部分41と、本体部分41から延びている弾性接触部分42と、本体部分41から延びているテール部分43と、を有し、テール部分43及び弾性接触部分42は、本体部分41の対向する両側からそれぞれ延びている。各信号端子4の本体部分41は、テール部分43に近接した保持セグメント411と、保持セグメント411に隣接しており、かつ保持セグメント411に対して幅狭になった幅狭セグメント412と、を有し、保持セグメント411の両側には、絶縁ハウジング1に干渉する複数の保持突出部411aが形成されている。同様に、信号端子4の弾性接触部分42は、本体部分41から上方に延びており、テール部分43は、本体部分41から下方に延びている。幅狭セグメント412は、保持セグメント411の上に位置しており、保持セグメント411は、幅狭セグメント412とテール部分43との間に位置している。互いに横並びに配置された、各差分信号端子対3の2つの信号端子4の隣接する側部は、各信号端子4の内向き側部として画定され、内向き側部と反対側の各信号端子4の側部は、外側反対側部として画定されており、実施形態では、各差分信号端子対3の各信号端子4の本体部分41は、各信号端子4の外側反対側部から内側へ凹んで幅狭セグメント412を形成しており、2つの信号端子4の弾性接触部分42間の間隔と、2つの信号端子4の本体部分41間の間隔とは、内向き側部において、実質的に同じに維持されている。グランド端子2の本体部分21には、保持セグメント211の両側において保持突出部211aが形成されているため、保持セグメント211の幅が比較的広く、これにより、インピーダンスが増大するが、インピーダンスは、幅狭セグメント212の幅を狭くすることによって小さくなり、これによって、保持セグメント211により増大されたインピーダンスを均衡させる。同様に、信号端子4の本体部分41には、保持セグメント411の両側において保持突出部411aが形成されているため、保持セグメント411の幅が比較的広く、これにより、インピーダンスが増大するが、インピーダンスは、幅狭セグメント412の幅を狭くすることによって小さくなり、これによって、保持セグメント411により増大されたインピーダンスを均衡させる。
【0050】
絶縁ハウジング1は、グランド端子2をそれぞれ受容する複数のグランド端子受容溝16と、信号端子4をそれぞれ受容する複数の信号端子受容溝17と、位置的に弾性接触部分22、42にそれぞれ対応する複数の収容凹部18と、を更に有し、グランド端子受容溝16、信号端子受容溝17及び収容凹部18は、挿込スロット15に隣接した突出バー14の壁面に設けられており、各差分信号端子対3に対応する各2つの収容凹部18は、各信号端子4の弾性接触部分42のテール端部にそれぞれ対応して接近した、2つの部分で互いに連通している。即ち、各差分信号端子対3に対応する2つの収容凹部18間の間隔保持リブ181の高さは、各信号端子4の弾性接触部分42の高さよりも低く、2つの弾性接触部分42のテール端部にそれぞれ接近している各差分信号端子対3の2つの弾性接触部分42の2つの箇所は、間隔保持リブ181によって遮られることはなく、これにより、各差分信号端子対3の2つの信号端子間の結合性を高めることができ、シグナルインテグリティが増大する。グランド端子2がグランド端子受容溝16に組み付けられる際、グランド端子2は、底壁11側から下から上へとグランド端子受容溝16内に挿し込まれ、グランド端子2の保持突出部211aが、グランド端子受容溝16を画定する溝壁に干渉して、グランド端子2が固定され、グランド端子2の本体部分21の側面が、挿込スロット15に面した溝壁の表面に当接する。同様に、信号端子4が信号端子受容溝17に組み付けられる際、信号端子4は、底壁11側から下から上へと信号端子受容溝17内に挿し込まれ、信号端子4の保持突出部411aが信号端子受容溝17を画定する溝壁に接触して、信号端子4が固定され、信号端子4の本体部分41の側面が、挿込スロット15に面した溝壁の表面に当接する。
【0051】
実施形態では、グランド端子2のテール部分23は、本体部分21の下端部から直角に曲がり、底壁11の外側に延びて露出しており、テール部分23は、はんだボール5(
図1、
図17及び
図18参照)によって回路基板6(
図1参照)にはんだ付けされている。同様に、信号端子4のテール部分43は、本体部分41の下端部から直角に曲がり、底壁11の外側に延びて露出しており、これにより、はんだボール5によってはんだ付けされる。
図10及び
図17を参照すると、実施形態では、グランド端子2のテール部分23及び差分信号端子対3のテール部分43は、同じ方向に向かって曲がっている。変形実施形態では、これらのテール部分は、ニードルアイタイプの圧入脚部、スルーホールタイプのはんだ付け脚部及び表面はんだ付け脚部などの、他の構成を有していてもよい。
【0052】
図11〜
図13を参照すると、実施形態では、隣接する各2つの端子列Tのうちの一方の端子列Tの差分信号端子対3は、第2の方向D2における位置的に、隣接する各2つの端子列Tのうちの他方の端子列Tのグランド端子2に対応している。端子列の端子の配置パターンは、以下のようなものである。即ち、隣接する各2つの端子列Tのうちの一方の端子列Tの端子は、1つのグランド端子2、1つの差分信号端子対3、1つのグランド端子2...が交互に配置されるように配置されており、これにより、1つのグランド端子2の2つの弾性接触部分22、2つの信号端子4の2つの弾性接触部分42、1つのグランド端子2の2つの弾性接触部分22...が第1の方向D1に沿って交互に配置され、かつ、1つのグランド端子2の2つのテール部分23、2つの信号端子4の2つのテール部分43、1つのグランド端子2の2つのテール部分23...が第1の方向D1に沿って交互に配置され、その結果、グランド信号G及び差分信号Sの配置パターンが、G、G、S、S、G、G、...となり、隣接する各2つの端子列Tのうちの他方の端子列Tの端子は、1つの差分信号端子対3、1つのグランド端子2、1つの差分信号端子対3...が交互に配置されるように配置されており、これにより、2つの信号端子4の2つの弾性接触部分42、1つのグランド端子2の2つの弾性接触部分22、2つの信号端子4の2つの弾性接触部分42...が第1の方向D1に沿って交互に配置され、かつ、2つの信号端子4の2つのテール部分43、1つのグランド端子2の2つのテール部分23、2つの信号端子4の2つのテール部分43...が第1の方向D1に沿って交互に配置され、その結果、グランド信号G及び差分信号Sの配置パターンが、S、S、G、G、S、S、...となる。
【0053】
実施形態では、第1の方向D1における、各差分信号端子対3の2つの本体部分41の合計幅HB2は、第1の方向D1における、各グランド端子2の本体部分21の幅HB1よりも狭く、2つの本体部分41の合計幅HB2は、2つの本体部分41の2つの外側反対側部間の距離であり、かつ2つの本体部分41間の間隔を含み、第2の方向D2に沿って隣接する端子列Tにおける、各差分信号端子対3の2つの本体部分41の正射影は、隣接する端子列Tにおいて対応する1つのグランド端子2の本体部分21の幅HB1が占める範囲内に位置している。第1の方向D1における、各差分信号端子対3の2つの弾性接触部分42の合計幅HC2は、第1の方向D1における、各グランド端子2の2つの弾性接触部分22の合計幅HC1よりも狭い。同様に、2つの弾性接触部分42の合計幅HC2は、2つの弾性接触部分42の2つの外側反対側部間の距離であり、かつ2つの弾性接触部分42間の間隔を含み、2つの弾性接触部分22の合計幅HC1は、2つの弾性接触部分22の2つの外側反対側部間の距離であり、かつ2つの弾性接触部分22間の間隔を含み、第2の方向D2に沿った、隣接する端子列Tにおける各差分信号端子対3の2つの弾性接触部分42の正射影は、隣接する端子列Tにおいて対応する1つのグランド端子2の2つの弾性接触部分22の合計幅HC1が占める範囲内に位置している。第1の方向D1における、各差分信号端子対3の2つのテール部分43の合計幅HT2は、第1の方向D1における、各グランド端子2の2つのテール部分23の合計幅HT1よりも狭く、同様に、2つのテール部分43の合計幅HT2は、2つのテール部分43の2つの外側反対側部間の距離であり、かつ2つのテール部分43間の間隔を含み、2つのテール部分23の合計幅HT1は、2つのテール部分23の2つの外側反対側部間の距離であり、かつ2つのテール部分23間の間隔を含み、第2の方向D2に沿った、隣接する端子列Tにおける各差分信号端子対3の2つのテール部分43の正射影は、隣接する端子列Tにおいて対応する1つのグランド端子2の2つのテール部分23の合計幅HT1が占める範囲内に位置している。そのため、第2の方向D2に沿った、各差分信号端子対3の幅の正射影は、対応する1つのグランド端子2の幅が占める範囲内に位置している。一実施形態では、各差分信号端子対3の2つの信号端子間の中心線C2は、第2の方向D2において隣接する端子列Tにおける、対応するグランド端子2の中心線C1と位置合わせされている。一実施形態では、第2の方向D2に沿った、各端子列Tのグランド端子2の本体部分21の正射影と、第2の方向D2に沿った、隣接する端子列Tのグランド端子2の本体部分21の正射影とは、部分的に重なり合っている。グランド端子2の本体部分21の幅HB1が、各差分信号端子対3の2つの本体部分41の合計幅HB2よりも広いことから、グランド端子2が属するものと同じ端子列Tに位置している各2つの差分信号端子対3間の距離を大きくすることができ、また、対角方向に沿って隣接する端子列Tの差分信号端子対3間の距離を大きくすることができ、これにより、対角方向に沿って隣接する端子列Tの差分信号端子対3間のクロストークを抑制することができる。グランド端子2の、2つの弾性接触部分22の合計幅HC1、本体部分21の幅HB1及び2つのテール部分23の合計幅HT1がそれぞれ、差分信号端子対3の、2つの本体部分41の合計幅HB2、2つの弾性接触部分42の合計幅HC2及び2つのテール部分43の合計幅HT2よりも広い、即ち、グランド端子2の全幅が、差分信号端子対3の全幅よりも広いことから、同じ端子列Tにおける差分信号端子対3間の仮想シールドと、隣接する端子列Tにおける差分信号端子対3間の仮想シールドとを強化することができ、これにより、クロストークが低減される。更に、ほとんどの差分信号端子対3が、それぞれ、同じ端子列のグランド端子2と、隣接する端子列のグランド端子2とによって囲まれており、このことも、クロストークを低減させる仮想シールドを強化することができる。また、実施形態における、グランド端子2及び信号端子4のテール部分23、43の配置パターンは、回路基板6(
図1参照)上のはんだ付けパッド(図示せず)の配置パターンに対応している。即ち、はんだ付けパッドの配置パターンは、各2つの隣接する端子列のうちの一方の端子列が、G、G、S、S、G、G...となっており、各2つの隣接する端子列のうちの他方の端子列が、S、S、G、G、S、S、...となっており、このような配置パターンにより、テール部分23、43がそれぞれ接続される回路基板6のはんだ付けパッド間のシールドが強化されて、クロストークを低減することができる。したがって、上述したグランド端子2及び信号端子4の構造的デザイン並びにグランド端子2及び差分信号端子対3の配置パターンにより、各差分信号端子対3に対して、より完全で総合的なシールド効果が形成され、クロストークを低減させるとともに、信号伝送速度を向上させることができる。
【0054】
図14を参照すると、実施形態では、各端子列Tは、ストリップ7の上に予め形成されており、各グランド端子2とストリップ本体71との間に第1の接続セグメント72が接続され、各差分信号端子対3とストリップ本体71との間に第2の接続セグメント73が接続され、各グランド端子2の本体部分21の両側はそれぞれ、第3の接続セグメント74を介して、隣接する1つの信号端子4の本体部分41と接続されている。各端子列Tが絶縁ハウジング1に対して組み付け可能な状態になると、接続セグメント72、73、74とグランド端子2及び信号端子4との間の接続部分が切断され、グランド端子2及び信号端子4は、対応するグランド端子受容溝16及び対応する信号端子受容溝17(
図8参照)にそれぞれ挿し込まれ、これにより、端子列Tと絶縁ハウジング1との組み立てプロセスがより簡便になる。
【0055】
図2、
図4及び
図15を参照すると、各電気コネクタ100の絶縁ハウジング1は、第1の側部111に隣接しており、かつ第1の方向D1における両端に位置している、2つの位置決め溝113と、底壁11から突出しており、第2の側部112に隣接しており、第1の方向D1に沿って延びており、かつ細長形状を呈している側壁13と、底壁11から突出しており、かつ側壁13の両端からL字状にそれぞれ延びている、2つの位置決めキー19と、を更に有する。一方の電気コネクタ100の2つの位置決めキー19は、他方の電気コネクタ100の2つの位置決め溝113とそれぞれラッチ係合されている。実施形態では、2つの電気コネクタ100は、メザニン型の電気コネクタであり、上述の構造的デザインを用いれば、2つの電気コネクタ100が互いに対して不適切に嵌合することを防ぐことができ、係合させた端子を適切に位置合わせすることができる。
【0056】
図16〜
図18を参照すると、2つの電気コネクタ100が互いに係合されると、一方の電気コネクタ100の突出バー14が他方の電気コネクタ100の挿込スロット15に対応して挿し込まれるため、2つの電気コネクタ100の対応するグランド端子2を互いに係合させ、2つの電気コネクタ100の対応する信号端子4を互いに係合させることができる。また、係合されたグランド端子2では、2つの弾性接触部分22の各々が互いに係合させられ、係合された2つの弾性接触部分22の各々は、2つの接触箇所を形成し、2組の係合された弾性接触部分22が全体として4つの接触箇所を形成する。係合された信号端子4では、2つの弾性接触部分42が互いに係合させられ、2つの接触箇所を形成する。具体的には、実施形態では、係合された2つのグランド端子2のうちの一方のグランド端子2の弾性接触部分22の各々は、係合された2つのグランド端子2のうちの他方のグランド端子2の1つの本体部分21に接触して、接触箇所を形成し、グランド端子2の本体部分21は、グランド端子受容溝16(
図8参照)を画定する溝壁に当接し、これによって、弾性接触部分22に対して安定かつ確実な接触法線力を提供することができ、係合された2つのグランド端子2間には、全体として4つの接触箇所があり、これにより、係合されたグランド端子2が安定した電気的接続を維持することが保証される。同様に、実施形態では、係合された2つの信号端子4のうちの一方の信号端子4の弾性接触部分42の各々は、係合された2つの信号端子4のうちの他方の信号端子4の本体部分41に接触して、接触箇所を形成し、信号端子4の本体部分41は、信号端子受容溝17(
図8参照)を画定する溝壁に当接し、これによって、弾性接触部分42に対して安定かつ確実な接触法線力を提供することができ、係合された2つの信号端子4間には、全体として2つの接触箇所があり、これにより、係合された信号端子4が安定した電気的接続を維持することが保証される。
【0057】
図19〜
図21を参照すると、本開示の電気コネクタアセンブリの第2の実施形態は、第1の実施形態と実質的に同じである。しかしながら、第2の実施形態では、各信号端子4の幅狭セグメント412は、本体部分41の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成されている。更に、第2の実施形態では、各差分信号端子対3に対応する、連通していない2つの収容凹部18が実装されてもよい、即ち、2つの収容凹部18間に完全な間隔保持リブ181が存在する。しかしながら、第1の実施形態において、2つの収容凹部18が部分的に連通していることが好ましい。加えて、同じグランド端子2に対応する収容凹部18はまた、グランド端子2の2つの弾性接触部分22に同時に対応するように、より幅広の領域であってもよい。
【0058】
図22〜
図25を参照すると、本開示の電気コネクタアセンブリの第3の実施形態は、第1の実施形態と実質的に同じである。しかしながら、第3の実施形態における各電気コネクタ100の高さは、より高くなっている、即ち、第3の実施形態における絶縁ハウジング1の高さは、第1の実施形態における絶縁ハウジング1の高さよりも高くなっており、グランド端子2の長さは、グランド端子2の長さよりも長くなっており、第3の実施形態における信号端子4の長さは、第1の実施形態における信号端子4の長さよりも長くなっている。更に、第3の実施形態では、絶縁ハウジング1の底壁11は、より厚くなっており、グランド端子受容溝16及び信号端子受容溝17はそれぞれ、底壁11を通過し、突出バー14まで延びており、当接ブロック114は、各グランド端子受容溝16に対応する壁面の領域において、対応する突出バー14に面した底壁11の壁面から突出して、弾性接触部分22に近接したグランド端子2の本体部分21の領域に当接し、これによって、グランド端子受容溝16におけるグランド端子2の位置決めがより強固に行われ、グランド端子2が第2の方向D2に動かない。
【0059】
図26〜
図28を参照すると、第3の実施形態では、各差分信号端子対3の各信号端子4の本体部分41は、弾性接触部分42に近接し、かつ外側反対側部から突出している止めブロック413を更に有する。また、絶縁ハウジング1には、各信号端子受容溝17に対応する絶縁ハウジング1の領域において、止めブロック413とラッチ係合するスリット状の細溝部分115が形成されており、このラッチ係合により、本体部分41が第2の方向D2に動かず、信号端子受容溝17における信号端子4の位置決めがより強固に行われる。更に、第3の実施形態では、各差分信号端子対3の各信号端子4の弾性接触部分42の中心線C3は、本体部分41の中心線C4に対して、内向き側部の方向にずれている。
【0060】
図24〜
図27を再度参照すると、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、各差分信号端子対3の2つの弾性接触部分42に対応する2つの収容凹部18間の間隔保持リブ181の高さは、弾性接触部分42の高さよりも低くなっており、2つの弾性接触部分42のテール端部にそれぞれ接近している各差分信号端子対3の2つの弾性接触部分42の2つの箇所は、間隔保持リブ181によって遮られず、各差分信号端子対3の2つの信号端子4の止めブロック413は、信号端子4の2つの外側反対側部にそれぞれ位置しており、2つの信号端子4が互いに対してより近接し得るように、2つの信号端子4の各弾性接触部分42の中心線C3が本体部分41の中心線C4に対して内向き側部に向かってずれると同時に、2つの信号端子4間の距離が小さくなり、これにより、各差分信号端子対3の2つの信号端子間の結合性が更に高まり、シグナルインテグリティが増大する。更に、第3の実施形態では、各信号端子4の幅狭セグメント412は、本体部分41の両側を互いに向かって内側へ凹ませることにより形成され、幅狭セグメントは、インピーダンスを調整するためにも使用される。
【0061】
図29及び
図30を参照すると、第3の実施形態では、2つの電気コネクタ100が互いに係合されたとき、2つの絶縁ハウジング1の係合関係、端子2間の係合関係及び端子4間の係合関係は、第1の実施形態と同じであるため、本明細書において、詳細な説明は省略する。
【0062】
しかしながら、上の説明は、本開示の実施形態に対してのみ関連しており、本開示を実施する範囲を制限することを意図しておらず、本開示の範囲及び本明細書の内容に従う任意の単純な同等の変更及び修正は、本開示の範囲に帰属する。