(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
  本実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
 
【0014】
  図1は、実施形態に基づく半導体記憶装置の外観構成図である。
  
図1に示されるように、半導体記憶装置は、ドライバ&デコーダ17と、メモリアレイMAと、制御部19と、I/O回路群2とを含む。なお、デコーダは、アドレスデコーダを簡略化したものである。
 
【0015】
  制御部19は、半導体記憶装置の各機能ブロックを制御する。具体的には、制御部19は、アドレス信号の入力に基づいてロウアドレス信号をドライバ&デコーダ17に出力する。また、制御部19は、I/O回路群2を駆動するための各種の信号を出力する。
 
【0016】
  メモリアレイMAは、行列状に配置された複数のメモリセルを有する。メモリアレイMAのメモリセルは、書き換え可能に設けられる。
 
【0017】
  ドライバ&デコーダ17は、メモリアレイMAの行列状に配置されたメモリセルのメモリセル行にそれそれ対応して設けられたワード線WLを駆動する。
 
【0018】
  I/O回路群2は、複数のI/O回路で構成され、メモリアレイMAへのデータ読出あるいはデータ書込を行う入出力回路として設けられる。
 
【0019】
  図2は、実施形態に基づくメモリアレイMAおよび周辺回路の構成を説明する図である。
 
【0020】
  図2に示されるように、本例においては、メモリアレイMAと、メモリアレイMAに設けられたソース線の電位を調整するソース線電位制御回路等の構成について説明する。
 
【0021】
  メモリアレイMAは、行列状に配置された複数のメモリセルMCを有する。各メモリセルMCは、書き換え可能に設けられたSRAM(Static Random Access Memory)セルである。各メモリセルMCは、後述するが駆動トランジスタ、転送トランジスタおよび負荷素子とにより構成されたスタティック型メモリセルである。
 
【0022】
  本例においては、一例として2行4列のメモリセルMCが示されている。
  メモリアレイMAのメモリセル行にそれぞれ対応して複数のワード線WLが設けられる。
 
【0023】
  ドライバ&デコーダ17は、ワード線WLに対応して設けられるワード線ドライバWDを含む。
 
【0024】
  制御部19は、各種の制御回路を含む。本例においては、制御回路&アドレスデコーダ20と、スタンバイ制御回路21とを含む。
 
【0025】
  制御回路&アドレスデコーダ20は、通常時とスタンバイ時を制御するとともにアドレスデコーダによりアドレス信号をデコードしたロウアドレス信号をワード線ドライバWDに出力する。
 
【0026】
  ワード線ドライバWDは、ロウアドレス信号に基づいて選択されたワード線WLを活性化させる。
 
【0027】
  スタンバイ制御回路21は、制御回路&アドレスデコーダ20からの制御信号RSに従って制御信号RSB1,RSB2を出力し、ソース線の電位を調整する。
 
【0028】
  メモリアレイMAのメモリセル列にそれぞれ対応して複数のビット線対BL,/BLが設けられる。本例においては、4列のメモリセル列が示されている。4列のメモリセル列に対応して設けられた4個のビット線対が設けられる。
 
【0029】
  I/O回路2Aは、行列状に配置された4個のメモリセル列毎に設けられ、4列のうちの1つの列を選択する選択回路や、センスアンプ、ライトドライバ、ビット線プリチャージ回路等を含む。
 
【0030】
  また、各メモリセルMCのソース電極は、ソース線ARVSSと接続され、ソース線ARVSSに対して、複数のスイッチトランジスタが設けられる。
 
【0031】
  本例においては、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとの間に複数のスイッチトランジスタを設ける。メモリセルMCの動作時には、ソース線ARVSSと接地電圧とを接続し、メモリセルMCのスタンバイ時には、複数のスイッチトランジスタの一部のスイッチトランジスタは、ゲート電極とソース線ARVSSとを接続し、残りのスイッチトランジスタは非導通に設定する。
 
【0032】
  本例においては、第1のスイッチトランジスタ31と、第2のスイッチトランジスタ32とをそれぞれ設ける。
 
【0033】
  第1のスイッチトランジスタ31と第2のスイッチトランジスタ32とはそれぞれ並列に設けられる。
 
【0034】
  図3は、実施形態に基づくソース線電位制御回路の構成について説明する図である。
  
図3に示されるように、ソース線電位制御回路は、スタンバイ制御回路21と、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32とを含む。
 
【0035】
  また、
図3には、メモリセルMCの構成が示されている。メモリセルMCは、2つのアクセストランジスタAT0,AT1(転送トランジスタ)と、駆動トランジスタNT0,NT1と、負荷トランジスタPT0,PT1(負荷素子)とを含む、6トランジスタのSRAMセルが示されている。
 
【0036】
  アクセストランジスタAT0,AT1は、対応するワード線WLと電気的に接続されている。アクセストランジスタAT0,AT1は、メモリセルMCのデータ読出あるいはデータ書込を実行する際に活性化されたワード線WLに従って導通する。
 
【0037】
  スタンバイ制御回路21は、ドライバ41,42とを含む。
  ドライバ41,42は、インバータの構成であり、ドライバ41は、PチャネルMOSトランジスタ44およびNチャネルMOSトランジスタ45を含む。ドライバ42は、PチャネルMOSトランジスタ46およびNチャネルMOSトランジスタ47を含む。
 
【0038】
  PチャネルMOSトランジスタ44およびNチャネルMOSトランジスタ45は、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に設けられ、それぞれのゲートは、制御信号RSの入力を受ける。そして、ドライバ41の出力は、制御信号RSB1として第1のスイッチトランジスタ31のゲートに入力される。
 
【0039】
  PチャネルMOSトランジスタ46およびNチャネルMOSトランジスタ47は、電源電圧VDDとソース線ARVSSとの間に設けられ、それぞれのゲートは、制御信号RSの入力を受ける。そして、ドライバ42の出力は、制御信号RSB2として第2のスイッチトランジスタ32のゲートに入力される。
 
【0040】
  第1のスイッチトランジスタ31は、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとの間に設けられ、そのゲートは、制御信号RSB1の入力を受ける。
 
【0041】
  第2のスイッチトランジスタ32は、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとの間に設けられ、そのゲートは、制御信号RSB2の入力を受ける。
 
【0042】
  図4は、実施形態に基づくスタンバイ時の信号の電位レベルを説明する図である。
  
図4に示されるように、制御信号RSを「L」レベルから「H」レベルに立ち上げた場合、すなわちスタンバイ時の動作の動作について説明する。
 
【0043】
  制御回路&アドレスデコーダ20は、通常時には制御信号RSを「L」レベルに設定し、スタンバイ時に「H」レベルに設定する。
 
【0044】
  ドライバ41,42は、制御信号RSに応じて制御信号RSB1,RSB2を設定する。具体的には、制御信号RSが「L」レベルの場合に、PチャネルMOSトランジスタ44および46が導通して、制御信号RSB1,RSB2をともに「H」レベルに設定する。
 
【0045】
  これにより、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32のゲートの電位は「H」レベルに設定されるため、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32は導通する。したがって、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとが電気的に結合される。
 
【0046】
  制御信号RSが「H」レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ45が導通する。これにより、制御信号RSB1を「L」レベルに設定し、第1のスイッチトランジスタ31のゲート電位は「L」レベルに設定される。したがって、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとの電気的な結合が接離される。
 
【0047】
  また、制御信号RSが「H」レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ47が導通する。これにより、第2のスイッチトランジスタ32のゲートとソース線ARVSSとが電気的に結合される。したがって、制御信号RSB2は、ソース線ARVSSと同じ電位レベルに設定される。
 
【0048】
  この点で、ソース線ARVSSの電位は、メモリセルMCのリーク電流とダイオード接続された第2のスイッチトランジスタ32の通過電流によってバランスし、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間の中間電位に設定される。なお、電源電圧VDDと中間電位との電位差は、メモリセルMCがデータを保持できる電圧よりも高い電圧となるように設定する。
 
【0049】
  本実施形態に基づくソース線ARVSSは、スタンバイ時にソース線電位制御回路により中間電位に設定されるためリーク電流を抑制することが可能である。その際、第2のスイッチトランジスタ32のゲート長、ゲート幅、個数といったサイズを調整することによりその電位を容易に調整可能である。
 
【0050】
  また、通常モード時には、第2のスイッチトランジスタ32が導通するとともに、第1のスイッチトランジスタ31が導通してソース線ARVSSを接地電圧VSSに引き下げる。したがって、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32が導通する方式であるため、第1のスイッチトランジスタ31のサイズを大きくする必要が無く、トランジスタの面積を抑制することが可能である。また、スタンバイ時は、第1のスイッチトランジスタ31が非導通となり、第2のスイッチトランジスタ32のみがダイオード接続となるため、第2のスイッチトランジスタ32のサイズのみでソース線ARVSSのソース電位を調整することが可能である。
 
【0051】
  なお、本例においては、一例としてソース線ARVSSにそれぞれ少なくとも1つの第1および第2のスイッチトランジスタ31,32を設ける構成について説明したが、特にこれに限られず、ソース線ARVSSの電位を調整するために複数の第1および第2のスイッチトランジスタ31,32を設ける構成としても良い。
 
【0052】
  <変形例1>
  
図5は、実施形態の変形例1に基づくスイッチトランジスタを説明する図である。
 
【0053】
  図5に示されるように、変形例1は、メモリアレイMAの列方向の上辺および下辺にスイッチトランジスタを配置した構成である。
 
【0054】
  具体的には、少なくとも1つのメモリセル列毎にメモリアレイが分割されている場合が示されている。そして、分割されたメモリセル列毎にソース線が設けられ、当該ソース線の列方向の一端側および他端側にそれぞれ第1および第2のスイッチトランジスタ31,32を設けた構成である。本例においては、分割されたメモリセル列MCA0〜MCAnが示されている。
 
【0055】
  なお、本例においては、1つのメモリセル列毎にメモリアレイが分割された場合について説明しているが特にこれに限られず、複数のメモリセル列毎にメモリアレイMAを分割することも可能である。
 
【0056】
  当該構成によりソース線の一端側および他端側から電荷の引き抜きが可能となる。
  ソース線の一端側にのみスイッチトランジスタが設けられている場合には、スイッチトランジスタから遠い場所にあるソース線ARVSSの電位を接地電圧VSSに引き下げるために時間かかるが、両側からソース線ARVSSの電位を引き下げることにより、ソース線ARVSSに溜まった電荷の放電時間に差が生じにくく、メモリセルMCの動作タイミングの設計が容易になる。
 
【0057】
  また、同じ単位でメモリセル列が繰り返し配置されているためメモリセル列の個数によらず、ソース線ARVSSの電位を一定に保つことが可能である。
 
【0058】
  図6は、実施形態の変形例1に基づくメモリアレイのレイアウト構成を説明する図である。
 
【0059】
  図6に示されるように、メモリアレイのレイアウト構成として列方向の一端および他端側にスイッチトランジスタがレイアウトされている場合が示されている。
 
【0060】
  ここで、メモリセルMCのレイアウトとしてアクセストランジスタAT0,AT1(転送トランジスタ)と、駆動トランジスタNT0,NT1と、負荷トランジスタPT0,PT1(負荷素子)とを含む、6トランジスタのSRAMセルのレイアウトが示されている。
 
【0061】
  また、当該メモリセルMCと隣接して第1および第2のスイッチトランジスタ31,32が設けられている。
 
【0062】
  第1のスイッチトランジスタ31は、ゲート電極に制御信号RSB1の入力を受け、ソース電極が接地電圧VSS、ドレイン電極がソース線ARVSSと接続された3個のトランジスタ素子が互いに並列接続されている場合が示されている。
 
【0063】
  第2のスイッチトランジスタ32は、ゲート電極に制御信号RSB2の入力を受け、ソース電極が接地電圧VSS、ドレイン電極がソース線ARVSSと接続された2個のトランジスタ素子が互いに並列接続されている場合が示されている。
 
【0064】
  当該構成に示されるように、第1のスイッチトランジスタ31の方が第2のスイッチトランジスタ32よりもレイアウト面積が大きい場合が示されている。
 
【0065】
  <変形例2>
  
図7は、実施形態の変形例2に基づくスイッチトランジスタを説明する図である。
 
【0066】
  図7に示されるように、変形例1は、メモリアレイMAの列方向の上辺および下辺にスイッチトランジスタを配置した構成である。
 
【0067】
  具体的には、少なくとも1つのメモリセル列毎にメモリアレイが分割されている場合が示されている。そして、分割されたメモリセル列毎にソース線が設けられ、当該ソース線の列方向の一端側に第1のスイッチトランジスタ31を設け、他端側に第2のスイッチトランジスタ32を設けた構成である。
 
【0068】
  当該構成によりソース線の一端側および他端側から電荷の引き抜きが可能となる。
  ソース線の一端側にのみスイッチトランジスタが設けられている場合には、スイッチトランジスタから遠い場所にあるソース線ARVSSの電位を接地電圧VSSに引き下げるために時間かかるが、両側からソース線ARVSSの電位を引き下げることにより、ソース線ARVSSに溜まった電荷の放電時間に差が生じにくく、メモリセルMCの動作タイミングの設計が容易になる。
 
【0069】
  また、同じ単位でメモリセル列が繰り返し配置されているためメモリセル列の個数によらず、ソース線ARVSSの電位を一定に保つことが可能である。
 
【0070】
  図8は、実施形態の変形例2に基づくメモリアレイのレイアウト構成を説明する図である。
 
【0071】
  図8に示されるように、メモリアレイのレイアウト構成として列方向の一端および他端側にスイッチトランジスタがレイアウトされている場合が示されている。
 
【0072】
  また、メモリセルMCと隣接して列方向の一端側に第1のスイッチトランジスタ31と、他端側に第2のスイッチトランジスタ32が設けられている。
 
【0073】
  第1のスイッチトランジスタ31は、ゲート電極に制御信号RSB1の入力を受け、ソース電極が接地電圧VSS、ドレイン電極がソース線ARVSSと接続された3個のトランジスタ素子が互いに並列接続されている場合が示されている。
 
【0074】
  第2のスイッチトランジスタ32は、ゲート電極に制御信号RSB2の入力を受け、ソース電極が接地電圧VSS、ドレイン電極がソース線ARVSSと接続された1個のトランジスタ素子が設けられている場合が示されている。
 
【0075】
  当該構成に示されるように、第1のスイッチトランジスタ31の方が第2のスイッチトランジスタ32よりもレイアウト面積が大きい場合が示されている。
 
【0076】
  図9は、実施形態の変形例2に基づくドライバ41,42の配置を説明する図である。
  
図9に示されるように、ドライバ41は、第1のスイッチトランジスタ31が設けられた列方向の一端側に設けられ、ドライバ42は、第2のスイッチトランジスタ32が設けられた列方向の他端側に設けられる場合が示されている。
 
【0077】
  上記したように、メモリセル列の列方向の一端側に第1のスイッチトランジスタ31を配置し、他端側に第2のスイッチトランジスタ32を配置し、互いのソース線ARVSSは上層の配線で接続し、さらにメモリセル行毎に設けられる下層の配線を介して各メモリセルに接続する。当該第1および第2のスイッチトランジスタ31,32を駆動するドライバ41,42についてもそれに対応して、列方向の一端側および他端側にそれぞれ配置することにより、第1および第2のスイッチトランジスタを制御する制御信号RSB1,RSB2の配線レイアウトを容易に設計することが可能である。両側に第1のスイッチトランジスタがある場合には、両側に信号配線を設ける必要があるが、片側であるため片側にのみ信号配線を設けることが可能である。
 
【0078】
  また、第1のスイッチトランジスタ31は、メモリセルMCとI/O回路群2との間に配置され、ドライバ41はメモリセル列の列方向のI/O回路群に近い一端部に配置される。メモリセルMCとI/O回路群2とを接続するためにビット線等の多くの信号配線が必要となるため、単純なインバータであるドライバ41をI/O回路群に近い一端部に、スイッチトランジスタ32をスタンバイ時にダイオード接続になるよう制御するドライバ42を他端部に配置することにより、配線レイアウトを容易に設計することが可能である。
 
【0079】
  <変形例3>
  上記の実施形態においては、メモリセルMCの駆動トランジスタNT0,NT1と接続されるソース線ARVSSの電位を設定するソース線電位制御回路について説明したが、負荷トランジスタPT0,PT1のソース側と接続される電源電圧VDDが供給されるソース電源線についても上記ソース線電位制御回路を同様に適用可能である。
 
【0080】
  図10は、実施形態の変形例3に基づくソース線電位制御回路の構成について説明する図である。
 
【0081】
  図10に示されるように、ソース線電位制御回路としてスタンバイ制御回路21は、さらに、インバータ60と、ドライバ61,64と、第1および第2の電源スイッチトランジスタ71,72とを含む。
 
【0082】
  ドライバ61,64は、インバータの構成であり、ドライバ61は、PチャネルMOSトランジスタ62およびNチャネルMOSトランジスタ63を含む。ドライバ64は、PチャネルMOSトランジスタ65およびNチャネルMOSトランジスタ66を含む。
 
【0083】
  PチャネルMOSトランジスタ65およびNチャネルMOSトランジスタ66は、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に設けられ、それぞれのゲートは、インバータ60を介する制御信号RSの反転信号の入力を受ける。そして、ドライバ64の出力は、制御信号RPB1として第1の電源スイッチトランジスタ71のゲートに入力される。
 
【0084】
  PチャネルMOSトランジスタ62およびNチャネルMOSトランジスタ63は、ソース電源線ARVDDと接地電圧VSSとの間に設けられ、それぞれのゲートは、インバータ60を介する制御信号RSの反転信号の入力を受ける。そして、ドライバ61の出力は、制御信号RPB2として第2の電源スイッチトランジスタ72のゲートに入力される。
 
【0085】
  第1の電源スイッチトランジスタ71は、電源電圧VDDとソース電源線ARVDDとの間に設けられ、そのゲートは、制御信号RPB1の入力を受ける。
 
【0086】
  第2の電源スイッチトランジスタ72は、電源電圧VDDとソース電源線ARVDDとの間に設けられ、そのゲートは、制御信号RPB2の入力を受ける。
 
【0087】
  制御回路&アドレスデコーダ20は、通常時には制御信号RSを「L」レベルに設定し、スタンバイ時に「H」レベルに設定する。
 
【0088】
  ドライバ61,64は、制御信号RSに応じて制御信号RPB1,RPB2を設定する。具体的には、制御信号RSが「L」レベルの場合に、NチャネルMOSトランジスタ63および66が導通して、制御信号RPB1,RPB2をともに「L」レベルに設定する。
 
【0089】
  これにより、第1および第2の電源スイッチトランジスタ71,72のゲートの電位は「L」レベルに設定されるため、第1および第2の電源スイッチトランジスタ71,72は導通する。したがって、ソース電源線ARVDDと電源電圧VDDとが電気的に結合される。
 
【0090】
  制御信号RSが「H」レベルの場合には、PチャネルMOSトランジスタ65が導通する。これにより、制御信号RPB1を「H」レベルに設定し、第1の電源スイッチトランジスタ71のゲート電位は「H」レベルに設定される。したがって、ソース電源線ARVDDと電源電圧VDDとの電気的な結合が接離される。
 
【0091】
  また、制御信号RSが「H」レベルの場合には、PチャネルMOSトランジスタ62が導通する。これにより、第2の電源スイッチトランジスタ72のゲートとソース電源線ARVDDとが電気的に結合される。したがって、制御信号RPB2は、ソース電源線ARVDDと同じ電位レベルに設定される。
 
【0092】
  この点で、ソース電源線ARVDDの電位は、メモリセルMCのリーク電流とダイオード接続された第2の電源スイッチトランジスタ72の通過電流によってバランスし、電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間の中間電位に設定される。なお、電源電圧VDDと中間電位との電位差は、メモリセルMCがデータを保持できる電圧よりも高い電圧となるように設定する。
 
【0093】
  本実施形態に基づくソース電源線ARVDDは、スタンバイ時にソース線電位制御回路により中間電位に設定されるためリーク電流を抑制することが可能である。その際、第2の電源スイッチトランジスタ72のゲート長、ゲート幅、個数といったサイズを調整することによりその電位を容易に調整可能である。
 
【0094】
  また、通常モード時には、第2の電源スイッチトランジスタ72が導通するとともに、第1の電源スイッチトランジスタ71が導通してソース電源線ARVDDを電源電圧VDDに引き上げる。したがって、第1および第2の電源スイッチトランジスタ71,72が導通する方式であるため、第1の電源スイッチトランジスタ71のサイズを大きくする必要が無く、トランジスタの面積を抑制することが可能である。また、スタンバイ時は、第1の電源スイッチトランジスタ71が非導通となり、第2の電源スイッチトランジスタ72のみがダイオード接続となるため、第2の電源スイッチトランジスタ72のサイズのみでソース電源線ARVDDのソース電位を調整することが可能である。
 
【0095】
  なお、当該構成については、各変形例とも組み合わせることが可能である。
  <変形例4>
  上記の実施形態においては、スタンバイ時の動作を制御する制御信号RSに従ってソース線ARVSSの電位を設定する方式について説明した。具体的には、スタンバイ時にソース線ARVSSの電位を電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間に中間電位に設定してデータ保持しつつリーク電流を削減する方式について説明した。
 
【0096】
  一方で、半導体記憶装置の状況によっては、データを保持する必要が無い場合も考えられる。
 
【0097】
  実施形態の変形例4においては、データを保持する必要が無い場合にソース線の電位を制御する方式について説明する。
 
【0098】
  図11は、実施形態の変形例4に基づくソース線電位制御回路の構成について説明する図である。
 
【0099】
  図11に示されるように、実施形態の変形例4に基づくソース線電位制御回路は、
図3で説明したソース線電位制御回路と比較して、ドライバ42をドライバ42#に置換するとともに、さらに制御信号SDの入力を受ける点で異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
 
【0100】
  ドライバ42#は、PチャネルMOSトランジスタ46およびNチャネルMOSトランジスタ47と、AND回路50と、インバータ51と、NOR回路52と、NチャネルMOSトランジスタ53とを含む。
 
【0101】
  PチャネルMOSトランジスタ46およびNチャネルMOSトランジスタ47は、電源電圧VDDとソース線ARVSSとの間に設けられる。PチャネルMOSトランジスタ46のゲートは、制御信号RSの入力を受ける。NチャネルMOSトランジスタ47のゲートは、AND回路50の出力信号を受ける。AND回路50は、制御信号RSと制御信号SDとのAND論理演算結果をNチャネルMOSトランジスタ47のゲートに出力する。
 
【0102】
  NチャネルMOSトランジスタ53は、NチャネルMOSトランジスタ32のゲートとソース線ARVSSとの間に接続される。NチャネルMOSトランジスタ53のゲートは、NOR回路52の出力信号を受ける。NOR回路52は、インバータ51を介する制御信号RSの反転信号と、制御信号SDとのNOR論理演算結果をNチャネルMOSトランジスタ53のゲートに出力する。
 
【0103】
  制御回路&アドレスデコーダ20は、通常時には制御信号RSを「L」レベルに設定し、スタンバイ時に「H」レベルに設定する。
 
【0104】
  また、制御回路&アドレスデコーダ20は、通常時には制御信号SDを「L」レベルに設定し、データを保持する必要のないシャットダウン時には制御信号SDを「H」レベルに設定する。
 
【0105】
  ドライバ41,42#は、制御信号RSに応じて制御信号RSB1,RSB2を設定する。具体的には、制御信号RSが「L」レベルの場合に、PチャネルMOSトランジスタ44および46が導通して、制御信号RSB1,RSB2をともに「H」レベルに設定する。
 
【0106】
  これにより、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32のゲートの電位は「H」レベルに設定されるため、第1および第2のスイッチトランジスタ31,32は導通する。したがって、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとが電気的に結合される。
 
【0107】
  制御信号RSが「H」レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ45が導通する。これにより、制御信号RSB1を「L」レベルに設定し、第1のスイッチトランジスタ31のゲート電位は「L」レベルに設定される。したがって、ソース線ARVSSと接地電圧VSSとの電気的な結合が接離される。
 
【0108】
  一方、ドライバ42#において、制御信号RSが「H」レベルの場合には、制御信号SDの状態に応じて動作が異なる。
 
【0109】
  具体的には、制御信号RSが「H」レベルの場合に、制御信号SDが「L」レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ53が導通する。これにより、第2のスイッチトランジスタ32のゲートとソース線ARVSSとが電気的に結合される。したがって、制御信号RSB2は、ソース線ARVSSと同じ電位レベルに設定される。
 
【0110】
  一方、制御信号RSが「H」レベルの場合に、制御信号SDが「H」レベルの場合には、NチャネルMOSトランジスタ47が導通する。これにより、第2のスイッチトランジスタ32のゲート電位は「L」レベルとなり非導通に設定される。
 
【0111】
  したがって、ソース線ARVSSは開放状態となり、メモリセルMCはデータを保持することができなくなる。
 
【0112】
  当該構成により、半導体記憶装置の状況によっては、データを保持する必要が無い場合にソース線ARVSSへの電源供給を遮断することによりさらに消費電流を削減することが可能である。
 
【0113】
  以上、本開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。