(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
【0012】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係るプログラム実行支援システム500の構成について説明する。
プログラム実行支援システム500は、プログラム実行支援装置100と、製造設備200と、アプリケーションプログラムを実行するアプリケーション装置300とを有する。
プログラム実行支援装置100は、製造設備200との間で通信される設備データ22を用いたアプリケーションプログラム301の実行を支援する。プログラム実行支援装置100は、コンピュータである。プログラム実行支援装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0013】
プログラム実行支援装置100は、機能要素として、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160と記憶部170を備える。
【0014】
プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部170は、メモリ921に備えられる。
【0015】
プロセッサ910は、プログラム実行支援プログラムを実行する装置である。プログラム実行支援プログラムは、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0016】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0017】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0018】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続していてもよい。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。なお、通信装置950は、USB接続、あるいは、ツイストペアケーブルといった独自仕様のケーブルで製造設備200と接続されていてもよい。
【0019】
プログラム実行支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、プログラム実行支援プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、プログラム実行支援プログラムを実行する。プログラム実行支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置に記憶されているプログラム実行支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、プログラム実行支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0020】
プログラム実行支援装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、プログラム実行支援プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、プログラム実行支援プログラムを実行する装置である。
【0021】
プログラム実行支援プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0022】
プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。またプロファイル読取処理と設定提供処理と設定処理と接続処理と制御処理と通信管理処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。
プログラム実行支援プログラムは、上述の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、プログラム実行支援方法は、プログラム実行支援装置100がプログラム実行支援プログラムを実行することにより行われる方法である。
プログラム実行支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、プログラム実行支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0023】
また、アプリケーション装置300も、アプリケーションプログラム301を実行するコンピュータである。プログラム実行支援装置100と同様に、プロセッサ、メモリ、補助記憶装置、入力インタフェース、出力インタフェース、および通信装置といったハードウェアを備える。ハードウェアの機能についてはプログラム実行支援装置100と同様である。
【0024】
***機能の概要説明***
プロファイル読取部110は、アプリケーションプログラム301の入出力情報32を含むプロファイルをアプリケーションプロファイルとして読み取る。アプリケーションプロファイルは、アプリケーションプログラム301からプロファイル読取部110に渡される。
記憶部170は、アプリケーションプログラム301により製造設備200に読み書きされるデータを表す装置データの一覧をデータ一覧161として記憶部170に記憶する。なお、データ一覧161には、アプリケーションプログラムが読まないデータも含めて、製造設備200が持っているデータが並んでいる。すなわち、データ一覧161は、製造設備200が持つ装置データであって、アプリケーションプログラム301により読み書き可能な装置データの一覧である。
設定提供部120は、装置データを入出力情報32に割り付ける設定手段を提供する。設定提供部120は、入出力情報32に対し、データ一覧161の中から適切な装置データを割り付けるための設定手段を提供する。また、設定提供部120は、入出力情報32に装置データを割り付けた設定情報を取得する。
設定部130は、アプリケーションプロファイルと設定情報とに基づいて、アプリケーションプログラム301との接続設定を行う。
接続部140は、設定部130による接続設定に従って、プログラム実行支援装置100と製造設備200との間で通信される設備データ22を用いたアプリケーションプログラム301の実行を支援する。
【0025】
通信管理部160は、製造設備200と通信することにより、製造設備200との設備データの読み書きを行う。通信管理部160は、製造設備200と通信する通信方式を備え、必要な通信の管理を行う。
また、通信管理部160は、製造設備200から読み書き可能な設備データの項目の管理を行ってもよい。通信管理部160は、製造設備200と通信した設備データ22をデータベース171として蓄積してもよい。すなわち、通信管理部160は、読み書きした設備データ22をそのまま制御部150に渡すだけでなく、必要に応じて読み書きした設備データ22をデータベース171として記憶部170に記憶してもよい。また、通信管理部160と製造設備200との通信方式は、通信管理部160のデータベース171を製造設備200が更新および参照する方式でもよい。
具体的には、CC−Link IEのSLMP(Seamless Message Protocol)といったプロトコルを用いて通信管理部160が製造設備200の持つ設備データを読み書きしてもよい。あるいは、FL−netのサイクリック伝送のように製造設備200と通信管理部160間で周期的に更新し合う値を読み書きしてもよい。
また、通信方式は1種類に限らず、通信管理部160が複数種類の通信方式を使い分ける構成にしてもよい。
【0026】
図2は、本実施の形態に係るデータ一覧161の例である。
データ一覧161は、アプリケーションプログラム301により製造設備200に読み書きされるデータを表す装置データ61の一覧が設定される。装置データ61は、データ名と、通信の方式と、データ指定情報とが設定される。
なお、設備データは、運用時に製造設備200とプログラム実行支援装置100との間で通信されるデータである。つまり、設備データは、データ一覧161に含まれる装置データ61の各項目の現在値、もしくは、プログラム実行支援装置100から製造設備200に書き込まれる値である。
データ一覧161の装置データ61は、プログラム実行支援装置100と製造設備200との間で通信される設備データが、どのような方式で何を指定することで読み書きが可能かを表すデータである。具体例としては、
図2のデータ一覧161の2行目では、サーボモータα回転角度については、SLMPにより、通信相手XおよびメモリアドレスYを指定することにより、設備データの読み書きが可能であることを示している。
なお、データ一覧161は、予め記憶部170に記憶される。データ一覧161は、具体的には、標準フォーマットで記述された外部ファイルである。例えば、データ一覧161は、製造設備200のマニュアルに基づいて生成されてもよい。あるいは、データ一覧161は、マニュアルの添付されたCD(Compact Disc)に格納されているデータ、例えば装置CSP(Cryptographic Service Provider)+に基づいて生成されてもよい。装置CSP+は、XML形式ファイルで表現される。装置CSP+では、装置のスペックに関する情報、アプリケーションソフトウェア向けに公開する装置の情報、装置から取得するデータとその取得方法に関する情報、これらの情報の紐付け情報が保有される。
【0027】
***動作の説明***
図3を用いて、本実施の形態に係るプログラム実行支援処理S100について説明する。
ステップS101において、プロファイル読取部110は、アプリケーションプログラム301のプロファイルを表すアプリケーションプロファイル21を読み取る。アプリケーションプロファイル21は、アプリケーションプログラム301の性質および設定に応じて生成される。
【0028】
図4は、本実施の形態に係るアプリケーションプロファイル21の構成例を示す図である。
プログラム実行支援装置100は、具体的には、複数のアプリケーションプログラムの実行を支援する。アプリケーションプロファイル21は、接続方式31、入出力情報32、および接続条件33を含む共通フォーマットで記述されている。接続方式31には、複数のアプリケーションプログラムの各々が用いる接続方式が設定される。入出力情報32には、複数のアプリケーションプログラムの各々の入出力情報が設定される。接続条件33には、複数のアプリケーションプログラムの各々に接続する際の接続条件が設定される。アプリケーションプロファイル21は、フォーマットは共通であるが、その内容は複数のアプリケーションプログラムのアプリケーションプログラム毎に異なる。
【0029】
図4のアプリケーションプロファイル21では、接続方式31は、OPC(OLE(Object Linking and Embedding) for Process Control)サーバを用いたポーリングであることが示されている。また、入出力情報32として、アプリケーションプログラムには、振動値、モータ回転速度、および装置温度の3種類の入力情報が入力されることが示されている。また、接続条件33として、タイムスタンプの付加は不要であることが示されている。アプリケーションプログラムの入出力仕様が固定であれば、アプリケーションプロファイル21はアプリケーションプログラムで固定としてもよい。あるいは、アプリケーションプログラムの設定に応じて、アプリケーションプログラムがアプリケーションプロファイル21を生成してもよい。また、プログラム実行支援装置100からアプリケーションプログラムにデータを渡す条件として、通信周期といった接続条件が設定されてもよい。
【0030】
ステップS102において、設定提供部120は、アプリケーションプロファイル21で指定された入出力情報に装置データを割り付ける設定手段12を提供する。具体的には、設定提供部120は、入出力情報に、データ一覧161から適切な装置データを割り付ける設定画面121を設定手段12として提供する。また、設定提供部120は、入出力情報に割り付ける装置データを、データ一覧161から選択させる設定選択画面122を設定手段12として提供する。つまり、設定提供部120は、設定画面121あるいは設定選択画面122を表示することにより、設定者による入出力情報への装置データの設定を支援する。
そして、設定提供部120は、入出力情報に装置データを割り付けた設定情報13を取得する。
【0031】
図5は、本実施の形態に係る設定画面121の構成を示す図である。
図6は、本実施の形態に係る設定選択画面122の構成を示す図である。
具体的には、設定提供部120は、
図5に示すような設定画面121をディスプレイに表示する。あるいは、設定提供部120は、設定情報13が書かれたファイルを読み込んでもよい。
設定提供部120は、設定画面121をディスプレイに表示し、入出力情報に対応する装置データを、設定者に文字列で直接入力させてもよい。例えば、設定提供部120は、設定画面121とともにデータ一覧161もディスプレイに表示する。そして、設定者は、データ一覧161を参照しながら、入出力情報に対応する装置データを入力する。あるいは、
図6に示すように、設定提供部120は、設定選択画面122をディスプレイに表示し、入出力情報に対応する装置データをデータ一覧161から設定者に選択させてもよい。また、一定期間のデータをまとめてアプリケーションプログラムに送ることがアプリケーションプロファイル21に記述されている場合がある。このように製造設備200の条件によってデータを送る必要がある場合は、設定提供部120は、製造設備200のどのデータ値がどういった条件になった時に送るかといった条件設定を行う画面を表示する。
【0032】
ステップS103において、設定部130は、設定提供部120により取得された設定情報13とアプリケーションプロファイル21とに基づいて、アプリケーションプログラム301との接続に必要なインタフェースの設定を行う。設定部130は、インタフェース設定部ともいう。
図5の例を用いて、具体的には説明する。
図5の例では、通信管理部160が持つ通信方式により、設備データとして「ロボットA振動値」、「サーボモータα回転角度」、および「圧着部温度」が通信される。そして、設定部130は、設備データを接続部140が持つOPCサーバに入れる設定と、OPCサーバの各値を振動値、モータ回転角度、および装置温度としてアプリケーションプログラム301に入力する設定とを行う。
【0033】
ステップS104において、接続部140は、設定部130による接続設定に従って、設備データ22を用いたアプリケーションプログラム301の実行を支援する。具体的には、接続部140は、設定部130により設定されたインタフェースの設定方式に基づいて、アプリケーションプログラム301とのデータ入出力を行う。これにより、接続設定後の運用時には、アプリケーションプログラム301と製造設備200がプログラム実行支援装置100を介して通信をしながら、アプリケーションプログラム301が実行される。接続部140は、アプリケーションプログラム301とのインタフェースを実行するアプリケーションインタフェース部ともいう。
例えば、通信管理部160は、製造設備200と通信した設備データ22をデータベース171として蓄積していてもよい。この場合、接続部140は、データベース171に含まれる設備データを用いて、アプリケーションプログラム301とのデータ入出力を行ってもよい。
【0034】
なお、通信管理部160は、設定部130による接続設定に従って、製造設備200との通信を行う。
図2の例では、通信管理部160は、通信相手XのメモリアドレスYとZからサーボモータα回転角度と圧着部温度をSLMPで読出し、接続部140のOPCサーバにデータを書き込む処理を繰り返す。なお、ロボットA振動値は製造設備200がデータベース1の値を更新する設定がされているため、新たな通信処理を追加する必要は無い。そして、通信管理部160が通信したデータが接続部140を経由してアプリケーションプログラム301で読み書きされることで、アプリケーションプログラム301による製造設備200の監視、制御、および管理といった処理が行われる。
【0035】
***他の構成***
本実施の形態では、アプリケーションプログラムを実行する装置は、プログラム実行支援装置100とは別の装置であるとして説明した。しかし、アプリケーションプログラムは、プログラム実行支援装置100で実行される構成でもよい。プログラム実行支援装置100が、アプリケーションプログラムを実行する構成要素を備え、接続部によりアプリケーションプログラムが実行されてもよい。
つまり、接続部とアプリケーションプログラムは、同一ハードウェア内で動作するモジュールでも良いし、LANケーブルなどで接続された異なるハードウェアのそれぞれで動作し、TCP/IP通信などでデータを通信しあって動作するモジュールでも良い。また、対象となるアプリケーションは一つに限定しても良いし、複数のアプリケーションと同時に接続できるようにしても良い。
【0036】
また、本実施の形態では、設定部130による接続設定は、接続部140および通信管理部160といったプログラム実行支援装置100内の設定を想定している。しかし、プログラム実行支援装置100内の接続設定だけではなく、必要に応じてアプリケーション装置300側で読み込み可能な接続設定を生成してもよい。そして、アプリケーション装置300が接続設定を読み込むようにしてもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、接続部が持つOPCサーバに設備データを入れる設定を生成する例を示した。しかし、通信管理部でOPCサーバを持つ場合、あるいはアプリケーションプログラムがデータベースの値を要求して、かつその値を既に通信管理部で管理するデータベースで管理している場合のように、通信管理部が格納しているデータをそのまま使える場合がある。この場合は、接続部を素通りして設備データをアプリケーションプログラムに渡す設定を生成してもよい。
【0038】
また、設定部により生成される設定は単なる設定ではなく、設定手段により得られた設定情報に応じて予め定められたプログラム生成ルールによって生成されるプログラムであってもよい。
【0039】
本実施の形態では、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能がハードウェアで実現されてもよい。
【0040】
プログラム実行支援装置100は、電子回路、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、および出力インタフェース940を備える構成でもよい。すなわち、プログラム実行支援装置100は、プロセッサ910に代えて、電子回路を備えてもよい。
【0041】
電子回路は、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。
プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
【0042】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、プログラム実行支援装置100において、プロファイル読取部110と設定提供部120と設定部130と接続部140と制御部150と通信管理部160の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0043】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係るプログラム実行支援装置100では、使用者は、使用するアプリケーションプログラムが違っても、設定提供部から提供される汎用的な共通の設定手段により入出力情報に設備データを設定するだけで、アプリケーションプログラムが必要とするデータの入出力設定を行い、運用することができる。通常、新たにアプリケーションプログラムを使用する際にアプリケーションプログラムの入出力ルールを学び入出力ルールに適した入出力データを作成する仕組みを構築する必要がある。しかし、本実施の形態に係るプログラム実行支援装置100によれば、新たにアプリケーションプログラムを使用する場合でも、入出力ルールに適した入出力データを作成する仕組みを構築する手間を削減することができる。よって、本実施の形態に係るプログラム実行支援装置100によれば、アプリケーションプログラムを実行する際の入出力情報の割り付けの負担を低減するとともに、アプリケーションプログラムの実行の負担も低減することができる。
【0044】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0045】
***構成の説明***
本実施の形態では、記憶部170が、データ一覧161に含まれる装置データの属性情報をデータ属性情報162として記憶する。本実施の形態では、このデータ属性情報162により、設定提供部120aにおいて装置データを設定する際の選択肢を自動で限定したり、自動で選択したりすることが可能なプログラム実行支援装置100aについて説明する。
【0046】
図7は、本実施の形態に係るプログラム実行支援装置100aの構成を示す図である。
データ属性情報162は、データ一覧161に含まれる装置データの属性情報を含む。データ属性情報162は、標準フォーマットで記述された外部ファイルから取得されてもよい。
設定提供部120aは、入出力情報に割り付ける装置データを、データ属性情報162に基づいてデータ一覧161から選択させる設定手段を提供する。設定提供部120aは、入出力情報に割り付ける装置データを、データ属性情報162に含まれる属性情報に基づいてデータ一覧161から絞り込むための設定選択画面を設定手段として提供してもよい。あるいは、設定提供部120aは、入出力情報に割り付ける装置データを、データ属性情報162に含まれる属性情報に基づいてデータ一覧161から自動的に絞り込んでもよい。
【0047】
図8は、本実施の形態に係るアプリケーションプロファイル21aの構成を示す図である。また、
図9は、本実施の形態に係るデータ属性情報162の例を示す図である。
設定提供部120aは、アプリケーションプロファイル21aとデータ属性情報162に基づいて、入出力情報に装置データを割り付ける設定画面を表示する。
図8および
図9を用いて、以下に、自動あるいは半自動的に入出力情報に装置データを設定する方式について説明する。
【0048】
入力1に設定可能な項目は、通信種別からNo.1から5に絞られ、データ型からNo.1,3,4に絞られ、タイムスタンプの有無からNo.1,4に絞られる。さらに、収集周期はアプリケーションプログラムの求める周期より小さくなければならないとして、No.1に自動的に決定してもよい。あるいは、No.4はアプリケーションが求める周期より大きいことを警告表示した上で、使用者にNo.1とNo.4から選択可能としてもよい。
入力2に設定可能な項目は、入力1がNo.1ならNo.2、No.4ならNo.5に自動で決定する。
出力1に設定可能な項目は、通信種別とデータ型からNo.6とNo.8に絞られる。設定提供部120aは、出力1への設定項目として、「故障警告表示用1」と「品質警告表示用1」を選択肢として表示する。使用者は、名称から「故障警告表示用1」が適切であると判断し設定することができる。
【0049】
データ属性情報162は、入力インタフェース930を介して使用者により手入力で入力されてもよい。あるいは、製造システムあるいは製造装置の入出力情報が標準フォーマットで記述されたデータが外部ファイルとして読み込まれ、データ属性情報162として設定されてもよい。また、データ属性情報162とともにデータ一覧161が、上述の外部ファイルとして合わせて取得されてもよい。なお、標準フォーマットの具体例には、装置CSP+がある。装置CSP+は、XML形式ファイルで表現される。装置CSP+では、装置のスペックに関する情報、アプリケーションソフトウェア向けに公開する装置の情報、装置から取得するデータとその取得方法に関する情報、これらの情報の紐付け情報が保有される。
【0050】
以上の実施の形態1から2では、プログラム実行支援装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、プログラム実行支援装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。プログラム実行支援装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、プログラム実行支援装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1から2のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これら実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1から2では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0051】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
プロファイル読取部(110)は、アプリケーションプログラム(301)の入出力情報を含むプロファイルをアプリケーションプロファイルとして読み取る。設定提供部(120)は、アプリケーションプログラム(301)により製造設備(200)に読み書きされるデータを表す装置データを、入出力情報に割り付ける設定手段を提供する。また、設定提供部(120)は、入出力情報に装置データを割り付けた設定情報を取得する。設定部(130)は、アプリケーションプロファイルと設定情報とに基づいて、アプリケーションプログラム(301)との接続設定を行う。接続部(140)は、設定部(130)による接続設定に従って、設備データ(22)を用いたアプリケーションプログラム(301)の実行を支援する。