(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィーダと、前記フィーダにより搬送された被計量物を夫々保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出される被計量物を夫々保持して重量を計測してから排出する複数の計量ホッパと、前記複数の計量ホッパで計測された被計量物の各重量及び目標組合せ重量に基づいて前記複数の計量ホッパのうち被計量物を排出させる計量ホッパの組合せを選択する組合せ演算器と、前記フィーダ、前記供給ホッパ及び前記計量ホッパの動作を制御する制御器と、を備えた組合せ秤であって、
前記複数の供給ホッパの各々は、第1方向又は第2方向に択一的に排出可能で且つ前記第1方向及び前記第2方向の両方向に同時に排出可能に構成されており、
前記複数の計量ホッパは、前記供給ホッパから前記第1方向に排出された被計量物を保持する第1計量ホッパと、前記供給ホッパから前記第2方向に排出された被計量物を保持する第2計量ホッパとを有し、
前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記供給ホッパの被計量物を増量するように前記フィーダを駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に同時に被計量物を排出させて、空の前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパに被計量物を分配する、組合せ秤。
前記制御器は、前記供給ホッパに所定の許容重量範囲内の目標個別重量が供給されるように前記フィーダを所定時間駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向又は前記第2方向に択一的に被計量物を排出させ、
前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記フィーダの前記所定時間の駆動の後に前記フィーダを追加駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に被計量物を排出させる、請求項1に記載の組合せ秤。
前記制御器は、前記供給ホッパに所定の許容重量範囲内の目標個別重量が供給されるように前記フィーダを所定の振幅で駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向又は前記第2方向に択一的に被計量物を排出させ、
前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記フィーダを前記所定の振幅よりも大きい振幅で駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に被計量物を排出させる、請求項1又は2に記載の組合せ秤。
前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの各々に前記許容重量範囲内の重量を夫々供給できる重量の被計量物が前記供給ホッパに蓄積されるまで前記フィーダを駆動する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組合せ秤。
前記制御器は、前記組合せ演算器により前記第1計量ホッパ又は前記第2計量ホッパの一方が選択されてから前記供給ホッパが被計量物を排出開始するまでの時間と、前記組合せ演算器により前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されてから前記供給ホッパが被計量物を排出開始するまでの時間とを同じに設定している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組合せ秤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、組合せ演算において各組の2個の計量ホッパが同時に最適組合せに選ばれることを禁止するため、計量ホッパの個数に対して組合せ候補数が減少し、定量精度が低下することになる。
【0006】
また、特許文献2の構成では、2個1組の計量ホッパの両方が同時に空になったとき、その2個の計量ホッパに対して供給ホッパから略半分ずつ被計量物を投下するため、各計量ホッパに保持される被計量物の重量が半減する。そのため、目標組合せ重量を得るための組合せ個数を増加させることになり、組合せ候補数が減少し、定量精度が低下することになる。
【0007】
また、2個1組の計量ホッパの両方が同時に空になったとき、供給ホッパから一方の計量ホッパに被計量物の全量を供給し、その後に供給ホッパに蓄積された被計量物を他方の計量ホッパに被計量物の全量を供給し、2個の計量ホッパの両方に被計量物が供給されてから組合せ演算を行うことも考えられる。しかし、この場合には、供給ホッパのゲートの開閉動作が倍に増えるため、組合せ演算の待機時間が長くなり、計量速度が低下する。
【0008】
そこで本発明は、1個の供給ホッパに対して2個の計量ホッパが設けられた組合せ秤において、組合せ演算で当該2個の計量ホッパが選択されることを許容しつつも、計量速度及び定量精度を低下させないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る組合せ秤は、フィーダと、前記フィーダにより搬送された被計量物を夫々保持して排出する複数の供給ホッパと、前記複数の供給ホッパから排出される被計量物を夫々保持して重量を計測してから排出する複数の計量ホッパと、前記複数の計量ホッパで計測された被計量物の各重量及び目標組合せ重量に基づいて前記複数の計量ホッパのうち被計量物を排出させる計量ホッパの組合せを選択する組合せ演算器と、前記フィーダ、前記供給ホッパ及び前記計量ホッパの動作を制御する制御器と、を備えた組合せ秤であって、前記複数の供給ホッパの各々は、第1方向又は第2方向に択一的に排出可能で且つ前記第1方向及び前記第2方向の両方向に同時に排出可能に構成されており、前記複数の計量ホッパは、前記供給ホッパから前記第1方向に排出された被計量物を保持する第1計量ホッパと、前記供給ホッパから前記第2方向に排出された被計量物を保持する第2計量ホッパとを有し、前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記供給ホッパの被計量物を増量するように前記フィーダを駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に同時に被計量物を排出させて、空の前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパに被計量物を分配する。
【0010】
前記構成によれば、組合せ演算で第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方が選択されると、供給ホッパの被計量物を増量するようにフィーダが駆動されるので、第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの同時排出の後に供給ホッパから第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの各々に供給される被計量物の重量が半減することを防止できる。そのため、組合せ候補数の減少が抑制されて、定量精度の低下を抑制できる。また、組合せ演算において第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方を同時に最適組合せに選ぶことを禁止する必要がないため、この観点からも、組合せ候補数の減少が抑制されて、定量精度の低下を抑制できる。しかも、第1計量ホッパ及び第2計量ホッパに両方に対して被計量物を供給するにあたり、供給ホッパの排出動作が1回でよいため、組合せ演算の待機時間の増加が抑制され、計量速度の低下を抑制できる。以上より、組合せ演算で第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方が選択されることを許容しつつも、計量速度及び定量精度を低下させないことが可能となる。
【0011】
前記制御器は、前記供給ホッパに所定の許容重量範囲内の目標個別重量が供給されるように前記フィーダを所定時間駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向又は前記第2方向に択一的に被計量物を排出させ、前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記フィーダの前記所定時間の駆動の後に前記フィーダを追加駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に被計量物を排出させてもよい。
【0012】
前記構成によれば、組合せ演算により第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方が選択されたときに、供給ホッパの被計量物の増量を簡易に行うことができる。
【0013】
前記制御器は、前記供給ホッパに所定の許容重量範囲内の目標個別重量が供給されるように前記フィーダを所定の振幅で駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向又は前記第2方向に択一的に被計量物を排出させ、前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記フィーダを前記所定の振幅よりも大きい振幅で駆動してから、前記供給ホッパから前記第1方向及び前記第2方向の両方向に被計量物を排出させてもよい。
【0014】
前記構成によれば、組合せ演算により第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方が選択されたときに、供給ホッパの被計量物の増量を迅速に行うことができる。
【0015】
前記制御器は、前記組合せ演算器により1個の前記供給ホッパに対応する前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されると、前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの各々に前記許容重量範囲内の重量を夫々供給できる重量の被計量物が前記供給ホッパに蓄積されるまで前記フィーダを駆動してもよい。
【0016】
前記構成によれば、第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの同時排出後の組合せ候補数の減少が防止されるので、定量精度の低下を防止できる。
【0017】
前記制御器は、前記組合せ演算器により前記第1計量ホッパ又は前記第2計量ホッパの一方が選択されてから前記供給ホッパが被計量物を排出開始するまでの時間と、前記組合せ演算器により前記第1計量ホッパ及び前記第2計量ホッパの両方が選択されてから前記供給ホッパが被計量物を排出開始するまでの時間とを同じに設定してもよい。
【0018】
前記構成によれば、組合せ演算で第1計量ホッパ又は第2計量ホッパの一方が選択された場合でも第1計量ホッパ及び第2計量ホッパの両方が選択された場合でも、組合せ秤1の計量サイクルを一定に保つことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1個の供給ホッパに対して2個の計量ホッパが設けられた組合せ秤において、組合せ演算で当該2個の計量ホッパが選択されることを許容しつつも、計量速度及び定量精度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0022】
図1は、第1実施形態に係る組合せ秤1の模式図である。
図1に示すように、組合せ秤1の前段側には、被計量物を組合せ秤1に供給するための供給装置2が設けられ、組合せ秤1の後段側には、組合せ計量された被計量物を包装する包装機3が設けられている。組合せ秤1の上部中央には、振動器を有する円錐形状の分散フィーダ4が設けられている。分散フィーダ4の上方には、分散フィーダ4上の被計量物の量を検出するセンサ、例えば、超音波式のレベルセンサ5が設けられている。
【0023】
分散フィーダ4は、供給装置2から供給される被計量物を振動器による振動によって放射状に分散させる。分散フィーダ4の周囲には、振動器を備えた直進フィーダ6が放射状に複数設けられている。各直進フィーダ6は、分散フィーダ4から送られてきた被計量物を振動によって搬送し、各直進フィーダ6の被計量物の送出側に設けられた各供給ホッパ7に送り出す。供給ホッパ7は、直進フィーダ6から供給された被計量物を保持して下方に排出する。
【0024】
供給ホッパ7の各々の下方には、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9が設けられている。即ち、1個の供給ホッパ7に対応して2個の計量ホッパ8,9が設けられている。供給ホッパ7の容量は、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々の容量よりも大きい。一例として、第1計量ホッパ8と第2計量ホッパ9とが並ぶ方向において、供給ホッパ7の幅は、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々の幅よりも大きい。
【0025】
第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々には、ロードセルが重量センサ10として設けられ、重量センサ10により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9内の各被計量物の重量が夫々計測される。第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9は、供給ホッパ7から供給された被計量物を夫々保持して重量を計測してから下方に排出する。第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の中間位置の下方には、1個のメモリホッパ11が設けられている。なお、メモリホッパ11は、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9に夫々対応するように2個設けてもよい。
【0026】
組合せ秤1は、直進フィーダ6と、供給ホッパ7と、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9と、重量センサ10と、メモリホッパ11とで構成される計量ユニット12を複数備え、複数の計量ユニット12は、上面視で円状に並べて配置されている。第1計量ホッパ8、第2計量ホッパ9及びメモリホッパ11の下方には、それらホッパから排出された被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる集合シュート13が設けられている。
【0027】
供給ホッパ7には、第1計量ホッパ8に向かう第1方向へ被計量物を排出するためのゲート7aと、第2計量ホッパ9に向かう第2方向へ被計量物を排出するためのゲート7bとが設けられている。即ち、供給ホッパ7は、各ゲート7a,7bのいずれか一方を開くことで、第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9のいずれか一方へ被計量物を択一的に排出でき、ゲート7a,7bの両方を開くことで、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に被計量物を半分ずつ排出できる。
【0028】
第1計量ホッパ8には、被計量物をメモリホッパ11へ排出するためのゲート8aと、被計量物を集合シュート13へ排出するためのゲート8bとが設けられている。第2計量ホッパ9にも、被計量物をメモリホッパ11へ排出するためのゲート9aと、被計量物を集合シュート13へ排出するためのゲート9bとが設けられている。第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9に被計量物が入っているとき、メモリホッパ11が空になると第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9のゲート8a,9aが開かれて被計量物がメモリホッパ11に供給される。メモリホッパ11には、被計量物を集合シュート13へ排出するためのゲート11a,11bが設けられている。また、組合せ秤1には、後述する制御装置14と操作表示器15とが設けられている。
【0029】
図2は、
図1に示す組合せ秤1の制御系統のブロック図である。
図2に示すように、制御装置14は、CPU等を含む演算制御部16と、RAM及びROM等のメモリを含む記憶部17とを備える。記憶部17には、運転プログラム、多数の運転パラメータを含む運転設定データ、計量値データ等が記憶されている。演算制御部16は、記憶部17に記憶されている運転用プログラムを実行して、供給装置2及び組合せ秤1の制御を行うとともに組合せ演算を行う。演算制御部16は、I/O回路18を介して入力されるレベルセンサ5の信号に基づいて、分散フィーダ4上の被計量物を一定量に保つように、振動制御駆動回路19を介して供給装置2の振動器を制御する。また、演算制御部16は、振動制御駆動回路19を介して分散フィーダ4及び直進フィーダ6の各振動器の動作を制御する。
【0030】
演算制御部16は、ゲート駆動回路20を介して、供給ホッパ7、第1計量ホッパ8、第2計量ホッパ9及びメモリホッパ11の夫々のゲート7a,7b,8a,8b,9a,9b,11a,11bの開閉装置7A,8A,9A,11Aのアクチュエータ(例えば、パルスモータ)の動作を制御する。演算制御部16は、各重量センサ10の計測値をA/D変換回路21を介して受け取る。演算制御部16は、操作表示器15からの入力信号を受けるとともに、操作表示器15へ表示するデータ等の信号を出力する。
【0031】
演算制御部16による組合せ演算では、重量センサ7で検出される各被計量物の各重量に基づいて、複数の計量ユニット12の計量ホッパ8,9及びメモリホッパ11の中から、被計量物の計量値の合計が所定の目標組合せ重量に最も近いホッパの組合せが1つ求められる。第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9からメモリホッパ11へ被計量物が供給されると、演算制御部16は、供給元の計量ホッパ(8又は9)において計量された被計量物の計量値を、メモリホッパ11が保持する被計量物の計量値として認識する。
【0032】
操作表示器15は、組合せ秤1の操作及び運転パラメータの設定等を行うための入力機能と、組合せ秤1の運転状況等を表示する表示機能とを備える。操作表示器15は、例えば、タッチスクリーン式のディスプレイを有し、その画面上で、ユーザが組合せ秤1の運転開始及び停止等の操作を行う。また、操作表示器15の表示画面を切り替えることで、ユーザが組合せ秤1の運転パラメータの設定等を行うことができる。操作表示器15は、運転中には、組合せ秤1の運転速度や組合せ演算結果等の運転状況等の表示を行う。
【0033】
次に、組合せ秤1の動作の概略を説明する。なお、組合せ秤1及び供給装置2の動作は制御装置14の制御によって実現される。
【0034】
図1及び2に示すように、まず、被計量物が、供給装置2によって組合せ秤1の上方に搬送されてきて分散フィーダ4に送られる。その被計量物は、分散フィーダ4の振動によって放射状に分散されて各直進フィーダ6に送られ、各直進フィーダ6から円状に並べられた各供給ホッパ7に被計量物が送られる。供給ホッパ7の下方に位置する第1計量ホッパ8及び/又は第2計量ホッパ9が空の場合に、供給ホッパ7の保持する被計量部がその空の計量ホッパ(第1計量ホッパ8及び/又は第2計量ホッパ9)に供給される。供給ホッパ7の一方のゲート7aが開閉されることで被計量物が第1計量ホッパ8へ供給され、他方のゲート7bが開閉されることで被計量物が第2計量ホッパ9へ供給される。また、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の下方に位置するメモリホッパ11が空の場合に、第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9のメモリホッパ11側のゲート8a,9aが開閉されることで、被計量物がメモリホッパ11に供給される。
【0035】
演算制御部16は、前述の組合せ演算を行うことにより、被計量物を排出すべきホッパの組合せを決定し、その組合せに選ばれたホッパから被計量物を集合シュート13へ排出させる。このとき、メモリホッパ11では、ゲート11a、11bが開閉されることで被計量物が排出され、計量ホッパ8,9では、夫々の集合シュート13側のゲート8b,9bが開閉されることで被計量物が排出される。その被計量物は、集合シュート13上を滑り落ち、その排出口から包装機3へ排出される。包装機3では、例えば、袋を製造しながら、この袋に集合シュート13から排出されてきた被計量物を充填して包装する。
【0036】
次に、組合せ秤1の動作の詳細を説明する。
図3は、
図1に示す組合せ秤1の制御タイミングチャートである。
図3に示すように、直進フィーダ6が所定時間A駆動されることで(t1)、供給ホッパ7に所定の許容重量範囲内の目標個別重量の被計量物が供給される。組合せ演算により、例えば第1計量ホッパ8が最適組合せに選択されると、第1計量ホッパ8が被計量物を排出する(t2:択一排出)。供給ホッパ7は、その空になった第1計量ホッパ8に対して当該目標個別重量の被計量物を供給する(t3)。また同様に、組合せ演算により、第2計量ホッパ9が最適組合せに選択されると、第2計量ホッパ9が被計量物を排出し(t4:択一排出)、その空になった第2計量ホッパ9に対して供給ホッパ7から被計量物が排出される(t5)。
【0037】
そして、組合せ演算により、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方が最適組合せに選択されると、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9が被計量物を夫々排出するとともに(t6:同時排出)、供給ホッパ7に被計量物を増量するように直進フィーダ6が駆動される。即ち、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出が選択されると、組合せ演算により第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9の択一排出が選択された場合に比べ、直進フィーダ6の駆動時間が所定の追加時間αだけ延長される。
【0038】
本実施形態では、追加時間αは、供給ホッパ7から被計量物を第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方向に同時に排出させる際に、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々に前記許容重量範囲内の重量を夫々供給できる重量の被計量物が供給ホッパ7に蓄積される時間である。追加時間αは、例えば、所定時間Aの80〜110%の範囲内の値とすることができ、より好ましくは、所定時間Aの90〜105%の範囲内の値とし得る。但し、追加時間αは、所定時間Aの20〜80%の範囲内の値でもよい。
【0039】
また、追加時間α中の直進フィーダ6の振幅を所定時間A中の直進フィーダ6の振幅と同一として、追加時間αを所定時間Aと同一としてもよいが、追加時間α中の直進フィーダ6の振幅を所定時間A中の直進フィーダ6の振幅よりも大きくすれば、供給ホッパ7の被計量物を十分に増量しながらも追加時間αを短縮できて好適である。また、直進フィーダ6の追加時間αの駆動は、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方が選択されたら、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出の完了(ゲート閉鎖)よりも前に開始すると、計量サイクルを短縮できて好適である。
【0040】
図3では、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出が選択された時点で直進フィーダ6の駆動(所定時間A)が終了しているため、新たに直進フィーダ6を起動して追加時間αの分だけ直進フィーダ6を駆動させている。但し、同時排出が選択された時点で直進フィーダ6の駆動(所定時間A)が終了していない場合には、直進フィーダ6の駆動動作を追加時間αだけ連続的に延長させるようにすればよい。そして、追加時間αが終了すると、供給ホッパ7から空になった第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に被計量物が分配される(t7)。
【0041】
計量サイクルにおいて、供給ホッパ7から被計量物を第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に排出させるときの排出タイミングは、供給ホッパ7から被計量物を第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9のいずれか一方に択一的に排出させるときの排出タイミングと同一になるように、直進フィーダ6の駆動時間及び振幅と供給ホッパ7の排出タイミングとが調整されている。即ち、組合せ演算により第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9の択一排出が選択されてから供給ホッパ7が被計量物を排出開始するまでの時間D1と、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出が選択されてから供給ホッパ7が被計量物を排出開始するまでの時間D2とは、互いに同一である。時間D1と時間D2とを同一にするための手法としては、例えば、追加時間α中の直進フィーダ6の振幅を増加させることや、第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9の択一排出が完了してから時間をおいて供給ホッパ7の排出を開始させること等が考えられる。なお、時間D2は、時間D1よりも長くなってもよい。
【0042】
図4(A)は
図1に示す組合せ秤1の動作ステップを説明する模式図であり、
図4(B)は比較例の組合せ秤の動作ステップを説明する模式図である。
図4(A)に示すように、本実施形態の組合せ秤1では、前述したように、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出が発生すると(#1)、直進フィーダ6から供給ホッパ7に被計量物が追加され(#2)、供給ホッパ7から第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に被計量物が排出され(#3)、供給ホッパ7のゲートが閉じられる(#4)。
【0043】
他方、
図4(B)に示すように、比較例の組合せ秤では、第1計量ホッパ8’及び第2計量ホッパ9’の同時排出が発生すると(#1)、第1計量ホッパ8’及び第2計量ホッパ9’のゲートを閉じ(#2)、供給ホッパ7’のゲートが開いて第1計量ホッパ8’に被計量物が排出され(#3)、その排出後に供給ホッパ7’のゲートを閉じ(#4)、直進フィーダから供給ホッパ7’に被計量物が補充され(#5)、供給ホッパ7’から第2計量ホッパ9’に被計量物が排出され(#6)、供給ホッパ7のゲートが閉じられる(#7)。
【0044】
図4(A)と
図4(B)との対比から分かるように、本実施形態の組合せ秤1によれば、比較例の組合せ秤に比べ、供給ホッパ7のゲートの開閉回数が少なく、かつ、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9のゲートの閉鎖を待たずに供給ホッパ7の被計量物の増量を開始できるため、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出が発生してから第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に被計量物を供給完了するまでの時間が短縮される。
【0045】
以上に説明した構成によれば、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方が選択されると、供給ホッパ7の被計量物を増量するように直進フィーダ6が駆動されるので、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出の後に供給ホッパ7から第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々に供給される被計量物の重量が半減することを防止できる。そのため、組合せ候補数の減少が抑制されて、定量精度の低下を抑制できる。より具体的には、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の各々に許容重量範囲内の重量を夫々供給できる重量の被計量物が供給ホッパ7に蓄積されるまで直進フィーダ6を駆動することで、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の同時排出後の組合せ候補数の減少が防止されるので、定量精度の低下が抑制される。
【0046】
また、組合せ演算において第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方を同時に最適組合せに選ぶことを禁止する必要がないため、この観点からも、組合せ候補数の減少が抑制されて、定量精度の低下を抑制でき、しかも、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9に両方に対して被計量物を供給するにあたり、供給ホッパ7の排出動作が1回でよいため、組合せ演算の待機時間の増加が抑制され、計量速度の低下を抑制できる。
【0047】
また、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方が選択されたときに、直進フィーダ6の所定時間Aの駆動の後に直進フィーダ6を追加駆動するので、供給ホッパ7の被計量物の増量を簡易に行うことができる。また、組合せ演算により第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方が選択されたときに、直進フィーダ6の振幅を大きくすることで、供給ホッパ7の被計量物の増量を迅速に行うことができる。また、時間D1と時間D2とを同一にすることで、組合せ秤1の計量サイクルを一定に保つことができる。なお、時間D2を時間D1よりも長くした場合には、供給ホッパ7から第1計量ホッパ8又は第2計量ホッパ9のいずれか一方に択一的に被計量物を排出するときの排出タイミングは極力早めながらも、供給ホッパ7から第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に被計量物を排出するときには、供給ホッパ7の被計量物を適切に増量できる。
【0048】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る組合せ秤101の模式図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の組合せ秤101は、メモリホッパを備えない点が第1実施形態と相違する。即ち、組合せ秤101の計量ユニット112は、直進フィーダ6と、供給ホッパ7と、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9と、重量センサ10とで構成される。組合せ秤101及び供給装置2の動作は制御装置114の制御によって実現される。
【0049】
図6は、
図5に示す組合せ秤101の動作ステップを説明する模式図である。
図6に示すように、組合せ秤101では、第1実施形態と同様に、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9から被計量物が集合シュートに同時に排出されると(#1)、直進フィーダ6から供給ホッパ7に被計量物が補充され(#2)、供給ホッパ7から第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に被計量物が排出され(#3)、供給ホッパ7のゲートが閉じられる(#4)。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0050】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る組合せ秤201の模式図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第3実施形態の組合せ秤201では、計量ユニット212が、直進フィーダ6と、供給ホッパ7と、第1計量ホッパ8と、第2計量ホッパ9と、重量センサ10とで構成されるが、第2計量ホッパ9が第1計量ホッパ8よりも下方に位置している。即ち、第2計量ホッパ9には、供給ホッパ7から被計量物を供給可能であり、且つ、第1計量ホッパ8から被計量物を供給可能である。組合せ秤201及び供給装置2の動作は制御装置214の制御によって実現される。
【0051】
図8は、
図7に示す組合せ秤201の動作ステップを説明する模式図である。
図8に示すように、組合せ秤201では、第1実施形態と同様に、第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9から被計量物が集合シュートに同時に排出されると(#1)、直進フィーダ6から供給ホッパ7に被計量物が補充され(#2)、供給ホッパ7から第1計量ホッパ8及び第2計量ホッパ9の両方に同時に被計量物が排出され(#3)、供給ホッパ7のゲートが閉じられる(#4)。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。