【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係る横形製袋充填機を概略的に示すものであって、横形製袋充填機は、フィルムロール(フィルム供給源)10から引き出した帯状フィルム(帯状のフィルム)11を、その長手方向両端縁部を合掌状に重合して筒状フィルム(筒状のフィルム)11aとして成形する製袋手段12と、筒状フィルム11aに向けて物品13を所定間隔毎に供給する物品供給手段としての供給コンベヤ14と、前記合掌状に重合した筒状フィルム11aの重合部に縦シールを施す縦シール手段15と、前記筒状フィルム11aの重合部を挟持して縦シール手段15に向けて筒状フィルム11aを搬送するフィルム搬送手段16と、筒状フィルム11a中に供給された物品13の筒状フィルム11aの移送方向(搬送方向)における前後位置で筒状フィルム11aを挟み、該搬送方向と交差する左右方向に横シールを施す横シール手段17を備える。また、横形製袋充填機は、フィルムロール10と製袋手段12との間のフィルムの移送経路に、帯状フィルム11を巻き掛け案内する周知の案内ローラ50と、製袋手段12に向けた帯状フィルム11の進入角度を調節する進入角調節手段25を備えると共に、フィルムロール10と進入角調節手段25との間のフィルムの移送経路に、フィルムロール10から帯状フィルム11を引き出して移送経路の下流側に設けられた製袋手段12に向けて送るフィルム繰出し手段18を備える。なお、フィルムの移送経路とは、横シール手段17に埋設されたカッタ21などからなるフィルム切断手段の作動切替えによってフィルムが切断されるまでの連続しているフィルム(帯状フィルム11および筒状フィルム11a)が移送される経路の全体を指称するものである。
【0018】
ここで、前記帯状フィルム11には、包装対象となる物品13の品種毎に品種名や包装デザインや、消費期限、賞味期限、製造年月日などの日付、バーコードなどの各種の商品情報が、物品13を個々に包装する1包装長分に対応する1カットピッチの定間隔毎に、かつ1カットピッチにおいて、夫々予め設定されたフィルム位置に直接、またはラベルを介して間接的に印刷される。また、帯状フィルム11によっては、前記商品情報とは別に、供給コンベヤ14から筒状フィルム11aに供給される物品13の供給位置とのタイミングを図るためや横シール手段17やカッタ21の作動タイミングを合わせるためにレジマークが、1カットピッチに対応して定間隔毎に印刷されている。実施例1では、フィルムに直接またはラベルを介して間接的に印刷された前述の各種の商品情報、レジマーク、あるいはラベルそのものの何れかが、後述する付設情報読取手段32で読み取られる付設情報として設定される。また、実施例1では、レジマークを基準位置として、その他の付設情報の有無、あるいは良否などの後述する適合判定を行うよう構成されており、レジマーク以外の付設情報が特定の付設情報である。そして、これら特定の付設情報が、フィルム11における1カットピッチ毎の所定領域に施されている。
【0019】
前記フィルム繰出し手段18は、帯状フィルム11を挟持する一対の繰出しローラ19,20を備え、サーボモータからなる第1のモータM1によって繰出しローラ19を回転駆動することで、フィルムロール10から帯状フィルム11を引き出して下流側に送り出すよう構成される。前記フィルム搬送手段16は、筒状フィルム11aの前記重合部を挟持する一対の送りローラ16a,16a(
図1に一方のみ図示)を備え、サーボモータからなる第2モータM2によって送りローラ16a,16aを回転することで、筒状フィルム11aを下流側に送るよう構成される。また、前記横シール手段17は、筒状フィルム11aの移送路を挟む上下位置に回転自在に支持された一対のシール体17a,17bを備え、該シール体17a,17bは、サーボモータからなる第3のモータM3により回転位置および回転速度を制御可能に駆動されて、前記筒状フィルム11aの1包装長分のフィルム送り量に対してシール体17a,17bが1回転し、かつ筒状フィルム11a中に供給された各物品13間でシール体17a,17bのシール面が噛合して、筒状フィルム11aに横シールを施すよう構成される。一方のシール体17aに、シール面から出没可能にカッタ21が設けられ、横シール手段17は、一対のシール体17a,17bのシール面が噛合したときにエアシリンダなどによってカッタ21を突出することで筒状フィルム11aを切断する。そして、横シール手段17で横シール・切断されて筒状フィルム11aから切り離された包装品22が、搬出コンベヤ23で搬出される。実施例1では、フィルム繰出し手段18やフィルム搬送手段16が、フィルムを下流側に移送するフィルム移送手段となる。
【0020】
前記供給コンベヤ14は、サーボモータからなる第4のモータM4によって無端ベルト14aを走行するよう構成される。供給コンベヤ14における下流端部側には、無端ベルト14aから前記製袋手段12で成形中の筒状フィルム11aに載り移る前の物品13を順次検出する物品検出手段24が配設され、該物品検出手段24から出力された各検出信号は制御部34に入力される。
【0021】
前記進入角調節手段25は、
図1において、紙面奥側に設けられたメインフレーム(不図示)と、該メインフレームと平行に、かつ離間するようにメインフレームに取り付けられたサブフレーム(不図示)によって両側が支持されており、前記製袋手段12に向けて帯状フィルム11を案内する後述する進入角調節ローラ29の製袋手段12に対する水平位置および高さ位置を2種類の調節手法を用いて変えることによって、該製袋手段12への帯状フィルム11の進入角度を調節し得る。その調節手法の1つとして、進入角調節手段25は、前記フィルム繰出し手段18から送られる帯状フィルム11を巻き掛け案内する案内ローラ26における回転軸と同心の回転軸26aが一対の回動アーム27(
図1に一方のみ図示)と夫々一体的に設けられて、各回転軸26aによって各回動アーム27の長手方向における一端部がメインフレームおよびサブフレームからなる設置部に対して回動可能に支持されており、一対の回動アーム27,27を、回動中心である回転軸26a,26aを基点に回動して回動アーム27,27の傾斜角度を変更し得るように角度調節機構(不図示)を備える。なお、両回動アーム27,27には、2つの案内ローラ28,29が回転可能に架設されており、前記案内ローラ26を経た帯状フィルム11が、案内ローラ28に巻き掛け案内されてから、進入角調節ローラとしての案内ローラ29に巻き掛けられた後に前記製袋手段12に至るようになっている。角度調節機構は、回動アーム27,27に配設された係合部材(不図示)が、サブフレームに設けられた複数の位置決め溝(不図示)のうち、選択された一つの位置決め溝と係合することによって、回動アーム27,27の傾斜角度を規定の角度に設定し得ると共に、係合部材が係合する位置決め溝の位置を変えることで、一対の回動アーム27,27の傾斜角度を別の各規定角度に変更し得るように構成される。もう1つの調節手法として、両案内ローラ28,29が一体となって、回動アーム27,27に対して回動アーム27,27の長手方向に沿って配設されたボール螺子機構(不図示)によって、各回動アーム27の長手方向(回転軸26aの回動中心に対する接近離間方向)に移動自在に支持されており、サブフレームに配設されると共にボール螺子機構に連繋する操作ハンドル(不図示)を回転操作してボール螺子機構を作動することで、回動アーム27,27の長手方向に両案内ローラ28,29を移動調節し得るように移動調節機構を備える。これら2種類の調節手法によって、すなわち、回動アーム27,27の角度変更および回動アーム27,27に対する案内ローラ28,29の支持位置変更により、品種切替えなどで包装する物品13の高さなど、サイズが変わっても、各サイズに応じて製袋手段12に至る直前の案内ローラである進入角調節ローラ29から製袋手段12に進入する帯状フィルム11の進入角度を調節し得るよう構成される。
【0022】
前記回転軸26aの一方は、メインフレームから、その裏面側に延出しており、その延出した回転軸26aには、光学式ロータリーエンコーダにおけるスリットを持った回転円盤が配設されることにより、メインフレームに配設されたロータリーエンコーダ本体部との間で前記回動アーム27,27の傾斜角度を検出する角度検出手段30を構成している。奥側の回動アーム27には、回動アーム27,27の長手方向に沿った案内ローラ28,29の直線的な支持位置を検出し得るアブソリュータイプの変位検出手段31が設けられている。両検出手段30,31の検出信号は、前記制御部34に入力される。実施例1では、角度検出手段30と変位検出手段31とから、進入角調節ローラ29の、前記製袋手段12に対する水平方向および高さ方向の位置(座標)に関する情報を取得するローラ位置情報取得手段が構成される。
【0023】
前記フィルム繰出し手段18と進入角調節手段25との間のフィルムの移送経路に、帯状フィルム11に1包装長分毎に設けられた前記付設情報を読み取る付設情報読取手段32が配設される。付設情報読取手段32として、実施例1では、帯状フィルム11を全幅に亘ってスキャンするCIS(Contact Image Sensor)からなる光学方式の情報読取手段が用いられ、付設情報読取手段32では、帯状フィルム11に設けられている前述した各種の商品情報、レジマークあるいはラベルそのものなどの付設情報を読み取り、その読み取った付設情報が前記制御部34に入力される。実施例1では、進入角調節手段25より上流側に位置する付設情報読取手段32で帯状フィルム11の付設情報を読み取る位置が、第1処理位置X1である。
【0024】
図1に示す如く、前記横シール手段17の下流側に排出手段33が設けられ、後述するように、前記付設情報読取手段32で読み取った付設情報が、予め記憶されている基準情報と適合しているか否かを判定する適合判定に基づいて不良と判定(判定結果が否の場合)された付設情報を含む1包装長分のフィルムで包装された包装品22を、不良包装品として排出手段33によって系外に排出し得るよう構成される。実施例1では、排出手段33が処理手段とされて、該排出手段33で不良包装品を排出する処理が所定の処理で、該所定の処理が行われる位置が、第2処理位置X2である。この第2処理位置X2は、横シール手段17により筒状フィルム11aが切断される位置より下流側であり、前記第1処理位置X1から連続するフィルムの移送経路の終端より下流側の包装品22が搬出コンベヤ23により搬送される搬送経路に位置している。なお、フィルムの移送経路の終端は、具体的には、横シール手段17による横シール位置(シール体17a,17bが噛み合う位置)から1包装長分だけ下流側の位置となる。
【0025】
図1に示す如く、前記第1のモータM1、第2のモータM2、第3のモータM3および第4のモータM4には、対応して第1のエンコーダE1、第2のエンコーダE2、第3のエンコーダE3および第4のエンコーダE4が付設され、各エンコーダE1,E2,E3,E4から出力されるパルス信号は、横形製袋充填機の制御部34に入力される。また、前記付設情報読取手段32で読み取られた各付設情報(入力信号)も制御部34に入力される。制御部34は、付設情報読取手段32が付設情報を読み取った時点からの前記第1のエンコーダE1から入力されるパルス信号の数(パルス数)によって、フィルム11における当該付設情報が下流側に移動した送り位置(移送経路を下流側に送られた送り量)に関する情報を得ることができる。そして、制御部34は、前記読み取られた付設情報、パルス信号、検出信号などに基づき、フィルム繰出し手段18、フィルム搬送手段16、横シール手段17および供給コンベヤ14が連係動作するよう各モータM1,M2,M3,M4を駆動制御する。すなわち、製袋手段12で成形された筒状フィルム11aのレジマークからレジマークまでの1包装長分毎に供給コンベヤ14から物品13が供給されるように、筒状フィルム11aに物品13が所定間隔毎に供給されると共に、筒状フィルム11aに供給されて前後に離間する物品13,13の間が横シール手段17による横シール位置(シール体17a,17bが噛み合う位置)に合うように筒状フィルム11aが移送される。なお、実施例1では、第1のエンコーダE1が、第1処理位置X1から第2処理位置X2に向けて移動する付設情報の送り位置に関する情報を取得する送り位置情報取得手段として機能するが、第2のエンコーダE2を送り位置情報取得手段とすることもできる。
【0026】
前記制御部34に、供給コンベヤ14、フィルム繰出し手段18、フィルム搬送手段16、横シール手段17、搬出コンベヤ23などの各種作動機構の運転動作パラメータ等のデータの設定や運転状況や各種設定条件などを入力し得ると共に、設定したデータや入力した条件などを表示可能なタッチパネルからなる入力・表示手段(表示手段)35が接続される。また、入力・表示手段35では、物品13の品種に対応する1包装長分のフィルム長さを表わす「カットピッチ」などのデータも入力される。制御部34は、入力・表示手段35で入力された各種データを記憶部36に記憶するよう構成される。そして、制御部34は、前記物品検出手段24からの入力信号(物品検出信号)に基づいて、前記第1〜第4のモータM1〜M4を駆動制御し、1包装長分(1カットピッチ)のフィルムを移送する1包装サイクル毎に、前記横シール手段17およびカッタ21により筒状フィルム11aを横シール・切断する。
【0027】
前記制御部34は、前記角度検出手段30および変位検出手段31から入力される検出信号(進入角調節ローラ29の位置情報)に基づき、前記付設情報が前記第1処理位置X1から第2処理位置X2まで移動する総経路(フィルムの移送経路、包装品の搬送経路)の内で、前記進入角調節ローラ29の位置調節に伴ってフィルムの移送経路が可変する可変領域を含んで、前記総経路と一致する領域または該総経路の一部の領域として定められた特定領域の経路長さに関する情報を生成する経路長さ情報生成部(経路長さ情報生成手段)39を備える。実施例1では、前記案内ローラ26から製袋手段12におけるフィルム進入端までのフィルムの移送経路が可変領域である。また、第2処理位置X2をフィルムの移送経路の終端より下流側に設定している構成では、第1処理位置X1からフィルムの移送経路の終端までの領域(総経路の一部の領域)が特定領域である。なお、第2処理位置X2をフィルムの移送経路内に設定した場合は、経路長さ情報生成部39は、角度検出手段30および変位検出手段31から入力される検出信号に基づき、第1処理位置X1から第2処理位置X2までの移送経路の全域(総経路と一致する領域)を特定領域として、該特定領域の経路長さに関する情報を生成する。また、フィルムに設けられている付設情報が第1処理位置X1から下流側に移動する経路長さは、フィルムが第1処理位置X1から下流側に移送される長さに対応することから、実施例1では、前記経路長さに関する情報として、第1処理位置X1から移送経路の終端までの特定領域に存在可能なフィルムの長さ寸法(寸法情報)を生成するものとして説明する。
【0028】
前記特定領域に存在可能なフィルムの長さ寸法を「フィルム長さ」Lとした場合に、前記進入角調節ローラ29の位置調節によって移送するフィルム長さが可変する案内ローラ26から製袋手段12のフィルム進入端までの可変領域の「変動長さ」をL1とすると共に、進入角調節ローラ29の位置調節によってはフィルム長さが変化しない第1処理位置X1から案内ローラ26までと、製袋手段12のフィルム進入端からフィルムの移送経路の終端までとの不変領域の「不変長さ」をL2とすると、L=L1+L2となる。そして、「不変長さ」L2は、機械的に定まる固定値であって、予め記憶部36に記憶されている。そして、「不変長さ」L2は、機械的に定まる固定値であって、予め記憶部36に記憶されている。すなわち、前記経路長さ情報生成部39は、前記進入角調節ローラ29が位置調節された場合には、前記角度検出手段30および変位検出手段31により取得した進入角調節ローラ29の位置情報に基づいて「変動長さ」L1と、記憶部36に記憶されている「不変長さ」L2とから特定領域の「フィルム長さ」Lを特定する。そして、制御部34は、進入角調節ローラ29の位置調節前の古い「フィルム長さ」を、経路長さ情報生成部39で生成した特定領域の新しい(位置調節後の)「フィルム長さ」Lに更新して記憶部36に記憶する。また、制御部34は、経路長さ情報生成部39で生成した新しい「フィルム長さ」Lを、寸法表示形態で前記入力・表示手段35に表示するよう構成される。
【0029】
ここで、前記制御部34は、前記移送経路の終端まで移送された筒状フィルム11aが横シール手段17で横シール・切断されて切り離された包装品22が、搬出コンベヤ23で搬送されて第2処理位置X2に到来する時期については、搬出コンベヤ23を走行、駆動するサーボモータ(不図示)に付設されたエンコーダ(不図示)のパルスから得た送り量に関する情報、あるいは搬出コンベヤ23の搬送速度と移送経路の終端から第2処理位置X2までの寸法から推測し得る。また、制御部34は、前記経路長さ情報生成部39で生成した特定領域の「フィルム長さ」と、前記付設情報読取手段32が付設情報を読み取ってからの前記第1のエンコーダE1から入力されるパルス信号の数(パルス数)によって、付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが移送経路の終端に到来する時期を得ることができる。そして、制御部34は、前述したようにして得られる付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが移送経路の終端に到来する時期および筒状フィルム11aから切り離されて搬出コンベヤ23で搬送される包装品22が第2処理位置X2に到来する時期から、第1処理位置X1において付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが第2処理位置X2に到来する時期を得ることができる。なお、第1処理位置X1において付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが第2処理位置X2に到来する時期とは、第1処理位置X1において付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが、フィルム移送手段16,18により第2処理位置X2に到来することになるフィルム送り量分だけ移送されることである。
【0030】
また、前記記憶部36には、前記角度検出手段30で検出される回動アーム27,27の基準姿勢(基準となる規定角度となる姿勢)に対する角度変位と、変位検出手段31で検出される回動アーム27,27に対する進入角調節ローラ29の原点位置から支持位置までの変位(変位量)との関係毎に、前記「変動長さ」L1のデータが記憶されている。具体的に、回動アーム27,27の傾斜角度が複数段階で変位する構成では、傾斜角度段階毎(規定角度毎)に、変位検出手段31で検出される支持位置の変位量に応じた「変動長さ」L1の数値を、予め記憶部36に記憶しておき、進入角調節ローラ29を位置調節した場合に、角度検出手段30および変位検出手段31で検出された傾斜角度および変位量に応じた「変動長さ」L1の数値を記憶部36から取得して「フィルム長さ」Lを求める。なお、「変動長さ」L1については、ピタゴラスの定理などを用いた「式」を記憶部36に記憶させておき、前記角度検出手段30および変位検出手段31で検出された進入角調節ローラ29の位置情報(座標)と前記「式」を用いて算出することもできる。例えば、角度検出手段30および変位検出手段31で検出された回動アーム27,27の傾斜角度および進入角調節ローラ29の支持位置の変位量とから、鉛直面における案内ローラ28および進入角調節ローラ29の軸心の座標を求め、該ローラ28,29の軸心の座標および位置固定の案内ローラ26の軸心の座標から、案内ローラ26と案内ローラ28とに巻き掛けられているフィルムの長さおよび案内ローラ29から製袋手段12までのフィルムの長さを算出すると共に、案内ローラ26,28,29の周面に巻かれているフィルムの長さを案内ローラ26,28,29の半径などから算出することで、「変動長さ」L1を求めることができる。なお、案内ローラ28および進入角調節ローラ29は一体で位置調節されるので両ローラ28,29の相対位置は変化することはなく、両ローラ28,29間のフィルムの長さは固定値となっている。
【0031】
前記制御部34は、前記付設情報読取手段32で読み取った付設情報が、前記帯状フィルム11に1包装長毎に設けられる付設情報に関して予め前記記憶部36に記憶された基準情報と適合しているか否かを判定する付設情報判定手段としての判定部40を備える。そして、判定部40での適合判定で否の判定(不良と判定)された場合に、制御部34は、前述したように、付設情報読取手段32が読み取った付設情報を含む1包装長分のフィルムが移送経路の終端に到来する時期および筒状フィルム11aから切り離されて搬出コンベヤ23で搬送される包装品22が第2処理位置X2に到来する時期から、第1処理位置X1において付設情報読取手段32で読み取られて判定部40で不良と判定された付設情報を含む1包装長分のフィルムが第2処理位置X2に到来する時期を得て、該時期に合わせて前記排出手段33を作動制御して不良包装品を系外に排出するよう構成される。なお、制御部34は、レジマークを基準とする1包装長のフィルムに設けられた複数の付設情報の何れか1つが適合判定において否の場合に、その否と判定された付設情報を含む1包装長のフィルムの基準となったレジマークの送り位置のみを前記エンコーダE1,E2で取得して、前記第2処理位置X2に到来する時期を得る。
【0032】
実施例1の判定部40で行われる適合判定は、ラベルが正規位置にあるか否かの判定(検査)、日付印刷が正規位置にあるか否かの判定(検査)などである。そして、ラベルや日付印刷が正規位置にあるか否かの判定(検査)では、ラベルの貼付け位置や日付の印刷位置がズレているか否か、あるいは、ラベルそのものが貼られているか否か、日付そのものが印刷されているか否かについて判定(検査)される。具体的に、前記記憶部36には、前記レジマークを基準とする他の付設情報の相対位置や内容に関する正しい基準情報が記憶されており、前記判定部40は、付設情報読取手段32で読み取った各付設情報と対応する基準情報とを夫々比較して適合しているか否かを各付設情報毎に判定するよう構成される。なお、判定部40での適合判定では、付設情報読取手段32で読み取られた付設情報と基準情報とが完全一致する場合に限らず、基準情報に対して予め設定された適合度合の範囲内(例えば90%以上一致する場合など)であれば、適合していると判定するよう設定することができる。例えば、付設情報読取手段32で読み取ったラベルの位置が、レジマークを基準として±5%の誤差の範囲内に位置している場合でれば適合すると判定する一方で、誤差が±6%以上であれば不適合と判定する。また、基準情報について、実施例1のように付設情報読取手段32としてCIS(Contact Image Sensor)を用いる場合は、横形製袋充填機による通常運転前に、全ての付設情報が正しく設けられている帯状フィルム11を用いたテーチィング運転を行って、レジマークを基準位置とする1包装長分の帯状フィルム11をCISでスキャンし、該スキャンすることで読み取った情報を基準情報として記憶部36に記憶する。
【0033】
次に、実施例1に係る横形製袋充填機の作用について説明する。
前記供給コンベヤ14により搬送される物品13を前記物品検出手段24が検出すると、前記制御部34は前記第1〜第3のモータM1〜M3を駆動制御し、1包装長分のフィルムを移送する1包装サイクルを行う。すなわち、フィルムロール10から引き出されて前記進入角調節ローラ29で案内されて所定の進入角度で製袋手段12に供給された帯状フィルム11が筒状に成形されて、その筒状フィルム11aに供給コンベヤ14から物品13が供給される。また、筒状フィルム11aの重合部に縦シール手段15により縦シールが施されると共に、筒状フィルム11aの物品13を挟む前後位置に横シール手段17により横シールが施されると共に切断されることで、包装品22が得られ、この包装品22は搬出コンベヤ23で搬出される。
【0034】
前記フィルム繰出し手段18から下流側に送り出される帯状フィルム11は、前記付設情報読取手段32で付設情報が読み取られ、その読み取られた付設情報が制御部34に入力される。制御部34の判定部40は、入力された付設情報と記憶部36に記憶されている基準情報とを比較して適合判定を行う。すなわち、付設情報読取手段32で読み取られたレジマークを基準位置として、1包装長分のフィルム毎に設けられている各種の商品情報やラベルなどが基準情報と適合しない場合(一致している部分が予め設定された適合度合未満の場合など)に、判定部40は不良と判定する。そして、制御部34は、前記付設情報読取手段32で読み取ったレジマークの情報、前記第1のエンコーダE1から入力されるパルス信号から得られる前記送り位置に関する情報(フィルム送り量)、記憶部36に記憶されている前記特定領域の「フィルム長さ」L、前記搬出コンベヤ23の搬送速度などから、不良と判定された付設情報を含む1包装長分のフィルムで包装された包装品22が前記第2処理位置X2に到来する時期を得て、該時期に合わせて前記排出手段33を制御部34が作動制御することで、当該不良包装品は系外に排出される。
【0035】
品種変更に伴い前記進入角調節手段25における回動アーム27,27の傾斜角度や、該回動アーム27,27に対する進入角調節ローラ29の支持位置が変更されると、前記角度検出手段30や変位検出手段31の検出信号が制御部34に入力され、前記経路長さ情報生成部39は、角度検出手段30および変位検出手段31で取得した進入角調節ローラ29の位置情報に基づいて、前記特定領域の「フィルム長さ」Lを生成する。そして、制御部34は、位置調節前の古い「フィルム長さ」を、経路長さ情報生成部39で生成した新しい「フィルム長さ」Lに更新して記憶部36に記憶する。制御部34は、品種変更後の包装運転中において、前記判定部40が不良と判定した場合は、更新された「フィルム長さ」L、前記付設情報読取手段32で読み取ったレジマークの情報、前記第1のエンコーダE1から入力されるパルス信号から得られる前記送り位置に関する情報(フィルム送り量)、前記搬出コンベヤ23の搬送速度などから、第1処理位置X1において付設情報読取手段32で読み取られて判定部40で不良と判定された付設情報を含む1包装長分のフィルムで包装された包装品22が前記第2処理位置X2に到来する時期を得て、該時期に合わせて排出手段33を作動制御して不良包装品を系外に排出する。
【0036】
実施例1の横形製袋充填機では、前記進入角調節ローラ29を位置調節した場合は、前記角度検出手段30および変位検出手段31で取得した進入角調節ローラ29の位置情報に基づいて、経路長さ情報生成部39が特定領域の新しい「フィルム長さ」Lを自動的に生成する。従って、進入角調節ローラ29を位置調節する毎に、作業者が特定領域に存在するレジマークなどのマークを目視により計数して前記経路長さに関する情報を変更する作業を不要とすることができ、変更作業の省力化および効率化を図ることができる。また、第1処理位置X1において付設情報読取手段32で読み取られて判定部40で不良と判定された付設情報を含むフィルムで物品13が包装された不良包装品を確実に系外に排出することができる。また、進入角調節手段25では、回動アーム27,27の傾斜角度の調節と、回動アーム27,27に対する進入角調節ローラ29の支持位置の調節とによって、製袋手段12に向かうフィルムの進入角度を変化させるよう構成したので、品種の異なる各種物品13に応じて進入角度を細かく調節することができる。
【0037】
(実施例1の別例について)
ここで、実施例1では、経路長さ情報生成部39で生成した新しい「フィルム長さ」Lを、前記入力・表示手段35に寸法表示形態で表示するよう構成したが、経路長さ情報生成部39で生成した前記経路長さに関する情報を、1包装長分のフィルム送りを1包装サイクルとする包装サイクル数(シフト数)で表示することができる。すなわち、「包装サイクル数」をAとし、前記「カットピッチ」をPとすると、「包装サイクル数」Aは、A=L/Pとして算出することができる。また、前述したように、「フィルム長さ」Lは、L=L1+L2と表わすことができ、「包装サイクル数」Aは、A=(L1+L2)/Pとなる。そして、前記進入角調節ローラ29が位置調節された場合は、長さが変化する前記「変動長さ」L1の変化に応じて新しい「包装サイクル数」Aを算出することができ、該新しい「包装サイクル数」Aを入力・表示手段35に包装サイクル数として表示する。これにより作業者は、進入角調節ローラ29を位置調節した場合に、特定領域に存在するレジマークを目視により計数することなく、第1処理位置X1において付設情報読取手段32で読み取られて判定部40で不良と判定された付設情報を含む1包装長分のフィルムが、フィルムの移送経路の終端に至るまでの包装サイクル数を把握することができる。このように、経路長さ情報生成部39で生成する経路長さに関する情報は、経路の長さ寸法、経路の長さに対応するシフト数、あるいは経路分だけフィルムを送るのに必要なモータ回転数に換算したパルス値などであってもよい。
【実施例2】
【0038】
次に、実施例2に係る横形製袋充填機について説明する。なお、実施例2については、前記実施例1と異なる部分についてのみ説明する。実施例1の横形製袋充填機では、前記進入角調節ローラ29を位置調節した場合は、経路長さ情報生成部39が生成した「フィルム長さ」Lを自動更新するよう構成したが、実施例2の横形製袋充填機では、経路長さ情報生成部39が生成した「フィルム長さ」Lを、作業者が更新するか否かを選択し得るよう構成される。また、実施例2では、横シール手段17により筒状フィルム11aに横シールを施す処理を、前記判定部40での適合判定の結果に応じて行われる所定の処理とした場合で説明する。すなわち、実施例2では、横シール手段17が処理手段であり、横シール手段17による横シール位置が第2処理位置X2であり、付設情報としてのレジマークが第1処理位置X1から第2処理位置X2(横シール位置)まで移動する総経路が特定領域となる。
【0039】
図2は、実施例2の横形製袋充填機における入力・表示手段35の画面35aに、包装対象となる物品13の品種変更に伴い、前記進入角調節ローラ29を位置調節した際の画像を表示したものである。具体的に、画面35aの表示欄41Aに、前記角度検出手段30および変位検出手段31で検出された進入角調節ローラ29の位置情報に基づいて、前記経路長さ情報生成部39で自動的に生成した特定領域(第1処理位置X1から横シール位置まで)の「フィルム長さ」(経路長さに関する情報)が寸法で数値表示され、表示欄41Bに、包装対象となる物品13を包装するための1包装長のフィルム長さに対応する「カットピッチ」が寸法で数値表示される。また、前記画面35aには、「更新」の表示欄42に、「YES」のスイッチ42aと、「NO」のスイッチ42bとが表示され、「YES」のスイッチ42aがタッチ操作されると、制御部34は、古い「フィルム長さ」を、自動的に生成した新しい「フィルム長さ」に更新して記憶部36に記憶する。また、「NO」のスイッチ42bがタッチ操作されると、制御部34は、古い「フィルム長さ」を更新することなく、そのまま維持する。実施例2では、スイッチ42a,42bが、経路長さに関する情報を更新するかしないかを選択操作可能な選択手段となる。
【0040】
実施例2の横形製袋充填機では、実施例1と同様に、前記進入角調節ローラ29を位置調節した場合は、経路長さ情報生成部39が特定領域の新しい「フィルム長さ」を自動的に生成するので、変更作業の効率化を図ることができる。また、自動的に生成された「フィルム長さ」を入力・表示手段35に表示すると共に、該「フィルム長さ」に更新するかしないかを作業者が選択可能な「YES」のスイッチ42aおよび「NO」のスイッチ42bの表示を入力・表示手段35に併せて表示するようにしたので、作業者は自動的に生成された「フィルム長さ」を確認して、更新するか否かを判断できる。そして、新たに生成された「フィルム長さ」(経路長さに関する情報)を作業者が更新する操作を行うだけで、以後の包装運転では、更新された「フィルム長さ」および送り位置情報取得手段E1,E2で取得される送り位置に関する情報に基づいて横シール手段17が変速制御されて、筒状フィルム11aの適正な位置(レジマークの付設位置)に横シールを施すことができる。また、経路長さ情報生成部39で生成した「フィルム長さ」と、1包装長分のフィルム長さに対応する「カットピッチ」とを、寸法で数値表示するので、第1処理位置X1において付設情報読取手段32で読み取られて判定部40で適合と判定されたレジマーク(付設情報)が、横シール位置(第2処理位置X2)に至るまでの包装サイクル数(「フィルム長さ」をカットピッチで割った値の小数点を切り捨てた整数値)として簡単に求めることができる。
【0041】
(実施例2の別例について)
図3および
図4は、前記進入角調節ローラ29を位置調節した際の、前記入力・表示手段35の画面35aにおける表示形態の別例を示す。
図3の別例では、画面35aの表示欄41Aに、前記角度検出手段30および変位検出手段31で検出された進入角調節ローラ29の位置情報に基づいて、前記経路長さ情報生成部39で自動的に生成した第1処理位置X1から横シール位置(第2処理位置X2)までの総経路に一致する特定領域の経路長さを寸法で数値表示する。また、当該表示欄41Aの側方に、上下に並ぶように可変値表示欄41aおよび固定値表示欄41bを設け、可変値表示欄41aに、第1処理位置X1から製袋手段12のフィルム進入端までの可変領域の経路長さを寸法で数値表示すると共に、固定値表示欄41bに、第1処理位置X1から横シール位置までの特定領域における可変領域を除く機械的に定まる不変領域の経路長さを、その他の経路長さとして寸法で数値表示する。そして、作業者が加算すれば、前記総経路に一致する特定領域の経路長さとして理解し得る可変値表示欄41aと固定値表示欄41bとの間に、両表示欄41a,41bに表示された数値を足すことを示す「+」の記号を表示すると共に、表示欄41Aと表示欄41a,41bとの間に、表示欄41Aに向けた矢印を表示することで、可変値表示欄41aと固定値表示欄41bとに表示された数値を足した合計の数値を、表示欄41Aに表示していることが認識可能とされる。なお、可変値表示欄41aに表示される可変領域の経路長さは、経路長さ情報生成部39で自動的に生成されるものであり、固変値表示欄41bに表示される不変領域の経路長さは、入力・表示手段35を用いて作業者が予め入力して記憶部36に記憶されている。
【0042】
また、
図3の別例では、固定値表示欄41bの下側に前記表示欄41Bを設けてカットピッチを寸法で数値表示する。更に、表示欄41Aの下側に、包装サイクル数を表示するシフト数表示欄43を設け、該シフト数表示欄43に、前記経路長さ情報生成部39で生成された特定領域の総経路長さと、カットピッチの長さとから該経路長さ情報生成部39が自動計算した包装サイクル数を、シフト数○包装分として表示する。また、シフト数表示欄43の側方に、包装サイクル数を「+」側に整数値で1づつ補正する上シフト数補正マーク44aと、包装サイクル数を「−」側に整数値で1づつ補正する下シフト数補正マーク44bとが表示され、該シフト数補正マーク44a,44bをタッチ操作することで、手動によってシフト数表示欄43に表示された包装サイクル数を補正し得るよう構成される。そして、画面35aに、「決定(更新)」のスイッチ42aおよび「戻る」のスイッチ42bが表示され、「決定(更新)」のスイッチ42aがタッチ操作されると、制御部34は、画面35aに表示されている各種の数値を、進入角調節ローラ29の調節前の古い数値から更新して記憶部36に記憶する。一方で、「戻る」のスイッチ42bがタッチ操作されると、制御部34は、画面35aに表示されている各種の数値をキャンセルして進入角調節ローラ29の調節前の古い数値をそのまま維持する。
図3の別実施例では、「決定(更新)」のスイッチ42aおよび「戻る」のスイッチ42bが、経路長さに関する情報を更新するかしないかを選択操作可能な選択手段となる。なお、シフト数補正マーク44a,44bは、自動計算された包装サイクル数で運転して不都合が生じた場合に、作業者が調節する際に用いられる。
【0043】
図4の別例では、画面35aに、可変値表示欄41aおよび固定値表示欄41bが上下に並んで設けられ、可変値表示欄41aに、第1処理位置X1から製袋手段12のフィルム進入端までの可変領域の経路長さが寸法で数値表示され、固定値表示欄41bに、製袋手段12のフィルム進入端から横シール位置(第2処理位置X2)までの、可変領域より下流側におけるの第2処理位置X2までの機械的に定まる不変領域の経路長さが寸法で数値表示される。なお、可変値表示欄41aには、可変領域の経路長さであることを示す「レジマーク読取位置(X1)から製袋手段まで」の寸法情報が表示され、固定値表示欄41bには、不変領域の経路長さであることを示す「製袋手段から横シール位置(X2)まで」の寸法情報が表示される。また、固定値表示欄41bの下側に、前記表示欄41Bを設けてカットピッチを寸法で数値表示する。なお、
図4の別例において可変値表示欄41aおよび固変値表示欄41bに表示される各経路長さは、
図3の別例と同様に、経路長さ情報生成部39で自動的に生成された長さおよび作業者が予め入力して記憶部36に記憶されている長さである。
【0044】
図4の別例では、可変値表示欄41aの側方に並んで、包装サイクル数を表示する可変領域シフト数表示欄45を設け、該可変領域シフト数表示欄45に、可変領域における包装サイクル数をシフト数○包装分として表示する。すなわち、
図4の別例では、経路長さ情報生成部39で生成された可変領域の経路長さと、カットピッチの長さとから経路長さ情報生成部39が自動計算した可変領域での包装サイクル数を、シフト数○包装分として表示する。また、可変領域シフト数表示欄45の側方に、包装サイクル数を「+」側に整数値で1づつ補正する上シフト数補正マーク46aと、包装サイクル数を「−」側に整数値で1づつ補正する下シフト数補正マーク46bとが表示され、該シフト数補正マーク46a,46bをタッチ操作することで、手動によって可変領域シフト数表示欄45に表示される包装サイクル数を補正し得るよう構成される。同様に、固定値表示欄41bの側方に並んで、包装サイクル数を表示する不変領域シフト数表示欄47を設け、該不変領域シフト数表示欄47に、不変領域における包装サイクル数をシフト数○包装分として表示する。この不変領域シフト数表示欄47には、記憶部36に記憶されている不変領域の経路長さと、カットピッチの長さとから経路長さ情報生成部39が自動計算した不変領域での包装サイクル数が、シフト数○包装分として表示される。また、不変領域シフト数表示欄47の側方に、包装サイクル数を「+」側に整数値で1づつ補正する上シフト数補正マーク48aと、包装サイクル数を「−」側に整数値で1づつ補正する下シフト数補正マーク48bとが表示され、該シフト数補正マーク48a,48bをタッチ操作することで、手動によって不変領域シフト数表示欄47に表示される包装サイクル数を補正し得るよう構成される。このように、可変領域シフト数表示欄45に表示される数値と、不変領域シフト数表示欄47に表示される数値を見て加算すれば、前記総経路に一致する特定領域の経路長さを知ることができるように構成されている。なお、可変値表示欄41aと可変領域シフト数表示欄45との間に、該可変領域シフト数表示欄45に向けた矢印が表示されると共に、固定値表示欄41bと不変領域シフト数表示欄47との間に、該不変領域シフト数表示欄47に向けた矢印が表示される。
【0045】
そして、
図4の別例では、
図3の別例と同様に、画面35aに、「決定(更新)」のスイッチ42aおよび「戻る」のスイッチ42bが表示され、「決定(更新)」のスイッチ42aがタッチ操作されると、制御部34は、画面35aに表示されている各種の数値を、進入角調節ローラ29の調節前の古い数値から更新して記憶部36に記憶する。一方で、「戻る」のスイッチ42bがタッチ操作されると、制御部34は、画面35aに表示されている各種の数値をキャンセルして進入角調節ローラ29の調節前の古い数値をそのまま維持する。実施例2および
図3と
図4の別例において、各表示欄41A,41a,41b,43,45,47には、経路長さ情報生成部39で生成された特定領域の経路長さ情報(寸法情報または包装サイクル数情報(シフト数情報))が表示されるよう構成されており、各表示欄41A,41a,41b,43,45,47が、対応する寸法情報または包装サイクル数情報を表示する表示部となる。また、カットピッチの寸法情報を表示する表示欄41Bが、カットピッチの表示部となる。
【0046】
(変更例)
本発明は実施例1,2などの構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例1,2などに記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 位置情報取得手段は、光学式ロータリーエンコーダからなる角度検出手段30およびアブソリュータイプの変位検出手段31によって進入角調節ローラ29の位置情報を取得したが、レーザー式、LED式などの各種方式の光電センサなど、進入角調節ローラ29の位置情報を取得し得る各種の検出手段を採用し得る。例えば、進入角調節ローラ29と一体で移動する部材に、フレームに設けた固定部に対する水平方向の距離を光伝播時間法などにより測定する反射式の第1の光電センサと、フレームに設けた固定部に対する垂直方向の距離を光伝播時間法などにより測定する反射式の第2の光電センサとを設け、両光電センサでの測定距離から進入角調節ローラ29の位置情報(座標)を求める。
(2) レジマークが印刷されていないフィルムを用いる場合は、経路長さ情報生成手段は、日付やバーコードやラベルなど、1包装長分のフィルム毎の所定領域に設けられた特定の付設情報を基準に、特定領域におけるフィルムの移送経路の寸法や包装サイクル数などの経路長さに関する情報を生成するようにしてもよい。
(3) 実施例では、製袋手段12の取付け位置やフィルムの案内角度などを変更しないことを前提として特定領域の経路長さに関する情報を生成するようにしたが、製袋手段12について、取り扱う包装品種に応じて取付け位置やフィルムの案内角度などを変更可能に構成する場合は、製袋手段12の取付け位置や案内角度などの情報をセンサで検出し、検出した情報を併せて経路長さに関する情報を生成するようにすれば、経路長さに関する情報の精度を高めることができる。
【0047】
(4) 処理手段による所定の処理は、不良の付設情報を含む1包装長のフィルムで物品13が包装された不良包装品の系外排出に限らず、横シール手段17に設けられたカッタ21の作動切替えによって、規定数の包装袋を繁げた連包袋として包装する処理でもよく、この場合における付設情報判定手段の判定は、第1処理位置X1で付設情報読取手段32が読み取ったレジマーク(付設情報)がカッタ21で切断する1包装長のフィルムに設けられたレジマークか否かを判定する態樣になり、処理手段がカッタ21となる。また、処理手段による所定の処理としては、供給コンベヤ14から筒状フィルム11aに物品13を供給する処理であってもよく、第1処理位置X1から筒状フィルム11aにおける物品13が供給される位置(第2処理位置X2)までの特定領域の経路長さに関する情報を、進入角調節ローラ29が位置調節された場合にローラ位置情報取得手段30,31が取得した位置情報に基づき経路長さ情報生成手段39で生成し、生成された経路長さに関する情報および送り位置情報取得手段E1,E2で取得される送り位置に関する情報に基づいて供給コンベヤ14を変速制御することで、フィルムに対して適正な物品13の供給を行うことができる。この場合の処理手段は、供給コンベヤ14となる。
(5) CISからなる光学方式の取得情報読取手段によって、1包装長の基準となるレジマークの読み取りと、他の付設情報の読み取りを同じ位置で行うようにしたが、レジマークを読み取るマークセンサと、他の付設情報を読み取る読取装置とをフィルム移送方向に離間して設けてもよい。なお、このようにフィルム移送方向に離間した位置で、日付やバーコードなど複数種類の付設情報を読み取り、その読み取った付設情報が基準情報と適合するか否かの判定を行った結果に基づいて、共通の第2処理位置X2で不良包装品を排出するようにしてもよい。また、第1処理位置X1を共通にして、第2処理位置X2を検査内容ごとに分けて設けるようにしてもよい。
【0048】
(6) 進入角調節手段25は、製袋手段12に対する進入角調節ローラ29の位置を可変し得る構成であれば、進入角調節ローラ29を鉛直面において直交するX軸方向およびY軸方向に移動させる各種の構成を採用することができる。また、X軸方向およびY軸方向の何れか一方のみに移動させる構成も採用可能である。
(7) 経路長さ情報生成手段39は、進入角調節ローラ29の位置調節に伴ってフィルムの移送経路が可変する可変領域と、機械的に定まる不変領域とを含む特定領域の経路長さに関する情報を生成するようにしたが、可変領域のみの経路長さに関する情報を生成するようにしてもよく、この場合は可変領域=特定領域となる。そして、入力・表示手段35に、経路長さ情報生成手段39が生成した可変領域の経路長さに関する情報のみを表示したり、あるいは既知の値である不変領域の経路長さに関する情報と並列で表示することができる。なお、実施例のようにフィルムの移送経路の終端より下流側に第2処理位置X2を設定した構成において、移送経路の終端から第2処理位置X2までの領域の寸法は機械的に定まる固定値であるので、該移送経路の終端から第2処理位置X2までの領域を不変領域に含ませて、第1処理位置X1から第2処理位置X2までの全域の経路長さ(総経路長さ)に関する情報を、経路長さ情報生成手段39で生成する構成を採用することができる。
(8) 入力・表示手段35の画面構成は、実施例や別例に限定されず、各表示欄の配列や表示方法は、適宜に設定すればよい。