【実施例】
【0147】
(実施例1)
通常の分子量分布の85/15ポリ(L(−)−ラクチド−コ−グリコリド):ポリマーの合成
撹拌手段を装備した好適な、従来の57リットル(15ガロン)ステンレス鋼オイルジャケット付反応器に、43.778kgのL(−)−ラクチド及び6.222kgのグリコリドを、121.07gのドデカノール及び9.02mlの0.33M第1スズオクトエートトルエン溶液と共に加えた。反応器を閉じ、12RPMの回転速度で上向き方向に撹拌しながらパージサイクルを開始した。反応器を、27パスカル(200mTorr)未満の圧力まで真空排気した後、1気圧を僅かに超える圧力まで窒素ガスを導入した。このサイクルを数回繰り返し、確実に乾燥雰囲気とした。
【0148】
窒素の最終導入の終了時に、圧力は、1気圧を僅かに超えるように調節された。油温がおよそ130℃に達するまで、器を180℃/時間の速度で加熱した。モノマーが完全に融解するまで器を130℃に保ち、バッチ温度は110℃に達した。この時点で、撹拌回転のスイッチを下方に入れた。バッチ温度が120℃に達した際、撹拌機の速度を7.5RPMに低下させ、およそ185℃の油温を用いて、およそ60℃/時間の加熱速度で、溶融塊が180℃に達するまで器を加熱した。油温を2.5時間の間、およそ185℃に維持した。
【0149】
反応時間の終了時に、撹拌機の速度を5RPM低下させ、油温を190℃に上昇させ、ポリマーを、続くアニーリングのために、器から好適な容器内に排出した。この容器を、105℃に設定した窒素アニーリング炉内におよそ6時間の間導入し、この工程中、炉内への窒素流を維持して、水分による分解を低減した。
【0150】
このアニーリングサイクルが完了した後、ポリマー容器を炉から除去し、室温に冷却させた。今冷却したポリマーを容器から除去し、袋に詰め、およそ−20℃に設定された冷凍庫に最低24時間配置した。ポリマーを冷凍庫から除去し、サイズ調整篩を装備したCumberland造粒機に入れて、およそ0.48cm(3/16インチ)のサイズのポリマー顆粒を生成した。次いで、顆粒を篩にかけてあらゆる「微粒子」を取り除き、次いで秤量した。粉砕ポリマーの正味重量は39.46kgであり、次いでこれを85リットル(3平方フィート)の従来のpatterson−Kelley回転式乾燥機内に配置した。
【0151】
乾燥機を閉めて、圧力を27パスカル(200mTorr)未満まで減じた。一旦圧力が27パスカル(200mTorr)を下回ったら、タンブラーの回転を8〜15RPMの回転速度で作動させ、バッチは10時間にわたって真空状態であった。10時間の真空調整の後、油温を32時間にわたって120℃の温度に設定した。この加熱期間の終了時、バッチは、少なくとも4時間にわたって冷却され、その間、回転及び真空を維持した。ポリマーは、器を窒素で加圧することによって乾燥機から取り出し、スライドゲートを開口し、ポリマー顆粒を長期保管用の待機容器に降下させた。
【0152】
長期保管容器は、樹脂が真空下で保管されるように、気密され、排気を可能にする弁が取り付けられた。樹脂の特性評価を行った。樹脂は、ヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃及び約0.10g/dLの濃度で測定した場合、1.79dL/gの固有粘度を示した。10℃/分の加熱速度を用いる示差走査熱量測定(DSC)は、59℃のガラス転移温度、及び150℃の融解転移を明らかにし、融解熱は約35J/gであった。核磁気共鳴(NMR)分析により、樹脂が重合したL(−)−ラクチド及びグリコリドのランダムコポリマーであり、モル基準で約85パーセントの重合L(−)−ラクチド及び約15パーセントの重合グリコリドの組成を有することを確認した。
【0153】
(実施例2)
キャップされた低分子量L/Gポリマー、85/15オリゴ(L(−)−ラクチド−コ−グリコリド)の合成
撹拌手段を装備した好適な、従来の8リットル(2ガロン)ステンレス鋼オイルジャケット付反応器に、4,728.6グラムのL(−)−ラクチド及び671.5グラムのグリコリドを、反応開始剤としての、204.63gのジエチレングリコール(DEG)、及び0.97mlの0.33Mスズオクトエートトルエン溶液と共に加えた。反応器を閉じて、25RPMの回転速度で上向き方向に撹拌しながらパージサイクルを開始した。反応器の圧力を27パスカル(200mTorr)まで低下させ、この条件で15分間保った後、乾燥窒素ガスを導入した。サイクルを再度繰り返し、確実に乾燥雰囲気とした。窒素の最終導入の終了時に、圧力は、1気圧を僅かに超えるように調節された。次に、3℃/分の平均加熱速度で油加熱温度を130℃まで上昇させた。バッチ温度が120℃に達したら撹拌器を停止し、下向き(逆)方向に20RPMで再開させた。次いで、加熱油コントローラを、1℃/分の平均加熱速度で185℃に設定した。バッチが180℃に達した際、反応を25RPMで更に3時間30分継続させると共に、185℃の公称バッチ温度を継続した。
【0154】
180℃〜185℃で3時間動作させた後、撹拌機を停止し、反応器に447.6グラムの無水ジグリコール酸を加えた。撹拌を下向き方向に20RPMで60分間継続させた。反応時間の終わりに、ポリマーを容器からアルミトレイに排出させ、冷凍庫で保管した。後に、0.48cm(3/16”)篩を取り付けた従来のCumberlandグラインダーを使用して、ポリマーを粉砕した。この材料の場合、高温での乾燥手順は行わなかった。
【0155】
樹脂を真空下で保管し、続いて特性評価を行った。樹脂は、ヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃にて濃度0.10g/dLで測定して、0.17dL/gの固有粘度を有した。10℃/分の加熱速度を用いた示差走査熱量測定(DSC)では、38℃のガラス転移温度が明らかとなった。結晶性は観察されなかったが、この樹脂は、適切な温度に適切な時間暴露された場合、結晶化可能である。核磁気共鳴(NMR)分析により、樹脂が重合したL(−)−ラクチド及びグリコリドのランダムコポリマーであり、モル基準で約85パーセントの重合L(−)−ラクチド及び約15パーセントの重合グリコリドの組成を有することを確認した。
【0156】
(実施例3)
ポリ(p−ジオキサノン):標準分子量ポリマーの合成
撹拌を備えた好適な、従来の246リットル(65ガロン)ステンレス鋼オイルジャケット付反応器内に、164.2kgのp−ジオキサノンモノマー(PO)を、509グラムのドデカノール、164グラムのD&C Violet No.2染料、及び100グラムの0.33Mスズオクトエートトルエン溶液と共に加えた。反応器を閉じ、12RPMの回転速度で上向き方向に撹拌しながらパージサイクルを開始した。反応器を、67パスカル(500mTorr)未満の圧力まで真空排気し、続いて、窒素ガスを導入した。このサイクルを数回繰り返し、確実に乾燥雰囲気とした。
【0157】
窒素の最終導入の終了時に、圧力は、1気圧を僅かに超えるように調節された。油温がおよそ100℃に達するまで、器を180℃/時間の速度で加熱した。バッチ温度が50℃に達するまで、油温を100℃に保ち、この時点で、撹拌機の回転を下方に変更した。バッチ温度が90℃に達した際、油温を95℃に再設定した。これらの条件を維持し、器からサンプルを取って、Brookfield粘度に関して測定した。ポリマーバッチ粘度が少なくとも110センチポアズに達した際、バッチは排出の準備が整った。撹拌機の速度を5RPMに低下させ、器排出ポートに予備加熱フィルターを取り付けた。ポリマーを窒素パージ下で器から好適な容器内に排出し、覆い、80℃に設定した窒素硬化炉内に移動した。固体重合をおよそ96時間の間、開始し、この工程中、炉内への窒素流を維持して、水分による分解を最少限にした。
【0158】
この固体硬化サイクルが完了した後、ポリマー容器を炉から除去し、室温に冷却させた。結晶化したポリマーを容器から取り出して、約−20℃に設定された冷凍庫に最低24時間配置した。次いで、ポリマーを冷凍庫から取り出して、ポリマー顆粒のサイズを約0.48cm(約3/16インチ)まで小さくするために、サイズ調整篩を装備したCumberland造粒機内で粉砕した。次いで、顆粒を篩にかけて任意の「微粒子」を除去し、次いで566リットル(20平方フィート)従来のpatterson−Kelley回転式乾燥機内に配置した。
【0159】
乾燥機を閉めて、圧力を267パスカル(2mmHg)未満まで減じた。一旦圧力が267パスカル(2mmHg)を下回ったら、乾燥機の回転を10RPMの回転速度で作動させ、加熱なしで6時間維持した。10時間の真空時間後、油温を120℃/時の昇温速度で95℃に設定した。油温を32時間にわたって95℃に維持した。この加熱期間の終了時、バッチは、少なくとも4時間、冷却され、その間、回転及び真空を維持した。窒素で器を加圧することによって、ポリマーを乾燥機から取り出し、放出弁を開口し、ポリマー顆粒を長期保管用の待機容器に降下させた。保管容器は、樹脂が真空下で保管されるように、気密され、排気を可能にする弁が取り付けられた。
【0160】
樹脂の特性評価を行った。樹脂は、ヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃及び約0.10g/dLの濃度で測定した場合、1.90dL/gの固有粘度を示した。10℃/分の加熱速度を用いる示差走査熱量測定(DSC)は、約−8℃(摂氏マイナス8度)のガラス転移温度、及び約114℃の融解転移を明らかにし、融解熱は約88J/gであった。核磁気共鳴分析により、樹脂がホモポリマーポリ(p−ジオキサノン)であり、残留モノマー含有率は2パーセント未満であることを確認した。
【0161】
(実施例4)
実施例2のキャップされたL/Gオリゴマーを使用した3元ブレンドの調製。
a)乾燥ブレンド調製
全て分割形態(粉砕)である適量の実施例1の標準分子量分布の85/15L/Gコポリマー、実施例2のキャップされた85/15L/Gオリゴマー、及び実施例3の標準分子量分布を有するポリ(p−ジオキサノン)を、乾燥ブレンにて混合した。これらの乾燥ブレンドの組成物を、重量基準で、特定の用途及び外科的必要性に応じて選択した。手順の例を直ぐ下に記載する。
【0162】
清浄な85リットル(3平方フィート)の従来のpatterson−Kelley乾燥機内に、3,652グラムの実施例1の85/15ラクチド/グリコリドコポリマーの顆粒、748グラムの実施例2の85/15ラクチド/グリコリドのキャップされたオリゴマーの顆粒、及び1,100グラムの実施例3の標準分子量分布を有するポリ(p−ジオキサノン)を加えた。乾燥機を閉めて、器圧力を27パスカル(200mTorr)未満まで減じた。回転を7.5RPMで開始し、最低1時間継続させた。次いで、乾燥ブレンドを携帯式真空保存容器に入れ、次の溶融ブレンド工程の準備が整うまで、これらの容器を真空下に置いた。この試験にて調製した乾燥ブレンドを、表2に列挙する。
【0163】
【表2】
【0164】
b)実施例2のキャップされたL/Gオリゴマーを使用した3元ブレンドの溶融ブレンド
一旦乾燥ブレンドが生成され、少なくとも3日間真空状態であると、溶融混合されることができる。実施例4A〜4Fの乾燥ブレンドを、以下の方法で溶融ブレンドした。従来のZSK−30 2軸押出機に、残留モノマーを揮発させるための二重真空ポートを利用して、溶融ブレンド用に設計されたスクリューを取り付けた。スクリューの設計は、当業者に明らかであろうように、運搬、圧縮、混合及び密閉要素を含む、いくつかの異なる種類の要素を含んだ。押出機に3つ穴のダイプレートを取り付け、4℃〜21℃(40°F〜70°F)に設定された水温で冷却された水浴が、押出機の吐出口付近に置かれた。ストランドペレタイザ及びペレット分類器が、水浴の端部に置かれた。押出機の温度ゾーンを160℃〜180℃の温度に加熱し、真空冷却トラップを−20℃にセットした。予備調整された乾燥ブレンド顆粒を真空から除去し、窒素パージ下で2軸フィードホッパー内に配置した。押出機スクリューを175RPM〜225RPMの速度に設定し、フィーダーのスイッチを入れ、乾燥ブレンドが押出機に供給されるようにした。
【0165】
ポリマーの溶融ブレンドは、供給が安定するまで押出機を通じてパージすることができ、そのとき、真空が2つの真空ポートに適用された。ポリマーブレンドの押出ストランドは、水浴を通ってストランドペレタイザに供給された。ペレタイザはストランドを適切にサイズ調整されたペレットに切断した。直径1mm及び長さおよそ3mmのペレットが十分であることが見出された。次いで、ペレットが分類器に送り込まれた。分類器は、通常、ペレット当たり約10〜15mgの重量である所望の大きさから、実質的に大きすぎる及び小さすぎるペレットを分離した。このプロセスは、全ポリマー乾燥ブレンドが、押出機において溶融ブレンドされ、実質的に均一のペレットに形成されるまで継続した。サンプルは、押出プロセスを通じて採取され、固有粘度、分子量、及び組成などのポリマー特性について測定された。溶融ブレンドのプロセスが完了したら、ペレット化されたポリマーをポリエチレンバッグに入れ、重さを計り、−20℃未満の冷凍庫の中で保管して、残留モノマーの脱揮を待った。
【0166】
次いで、ポリマー溶融ブレンドを85リットル(3立方フィート)の従来のPatterson−Kelley乾燥機に入れ、これを真空下に置いた。乾燥機を閉めて、圧力を27パスカル(200mTorr)未満まで減じた。一旦圧力が27パスカル(200mTorr)を下回ったら、乾燥機の回転を10RPMの回転速度で作動させ、加熱なしで6時間維持した。6時間後、油温を120℃/時の昇温速度で85℃に設定した。油温は12時間にわたって85℃に維持された。この加熱期間の終了時、バッチは、少なくとも4時間、冷却され、その間、回転及び真空を維持した。ポリマーの溶融ブレンドのペレットは、窒素で容器を加圧することによって乾燥機から取り出し、放出弁を開口し、ポリマーペレットを長期保管用の待機容器に降下させた。排気と、気密であることとを可能にする弁が装備された保管器によって、本発明の樹脂ブレンドは真空下で保管されることが可能となった。
【0167】
本発明の樹脂ブレンドの特性評価を行った。核磁気共鳴(NMR)分析により、ブレンドが、必要な重量で適切に混合され、全ブレンドに関する残留モノマー含有率が1パーセント未満であることが確認された。ブレンドを固有粘度に関して試験し、サンプルをヘキサフルオロイソプロパノール中で25℃及び0.10g/dLの濃度で測定した。得られた溶融ブレンド組成物を、メルトフローインデックス機器(MT987 Extrusion plastometer,Tinius Olsen,Willow Grove,pA,USA)を使用した溶融物粘度測定に供した。測定は、重量6,600gの円盤を使用して190℃で行った。ダイ直径は0.066センチメートル(0.0260インチ)である一方、ダイ長さは0.800センチメートル(0.315インチ)であった。固有粘度(IV)とメルトフローインデックス(MFI)との結果を、表3に要約する。
【0168】
【表3】
【0169】
(実施例5)
本発明のブレンド組成物の熱量測定による評価
示差走査熱量測定法(DSC)も用いて、本発明のブレンド及び対照の両方のブレンド組成物の熱転移及び結晶化動力学を調べた。以下の方法/条件を使用した。
a)第1の熱測定−5〜8ミリグラムの関心対象のサンプルを、窒素パージを備えたDSCパン内で−60℃[摂氏マイナス60度]にクエンチした後、一定の10℃/分の加熱速度走査を行った。
b)第2の熱測定−DSCパン内にて185℃で融解し、続いて−60℃に急速にクエンチ(−60℃/分)した関心対象のサンプルを、次いで5℃/分の一定の加熱速度で185℃に加熱した。
【0170】
対照及び本発明のブレンドのペレットに関して得られたDSC結果の概略は、下記の表4に見出すことができる。ペレットは、ほぼ最大レベルの結晶化度を発展させるのに十分である筈の高温脱揮を経た。これは「第1の熱」結果に反映されるであろう。「第2の熱」結果は、当該技術分野にて周知のように、熱履歴が消去されているため、試験サンプルの固有の結晶化特性を反映する。
【0171】
【表4】
【0172】
(実施例6A)
対照ポリマー及びブレンド、並びに本発明の二峰性ブレンドのストラップ及びダンベルへの射出成形
射出成形は、プラスチック工業分野において周知のプロセスである。射出成形は、プラスチックを溶解し、混合し、次いで、溶解樹脂を好適に成形された金型に射出することによって、様々な形状及び大きさの部品を生成するように設計されている。本発明の目的のために、2つの射出成形形状、ストラップ及びダンベルを探索した。これらの形状は、それぞれ
図1及び5に示されている。樹脂が固化した後、その部品は、一般に、金型から取り出され、そのプロセスを継続した。本発明の目的のために、従来の27,216kg(30トン)の電気的に制御された射出成形機を使用した。実施例1及び6のポリマー及びブレンドを、以下の方法で、射出成形機によって加工した。
【0173】
ポリマーを、ホッパーから重量によって、窒素パージ下で、加熱バレル内に供給し、溶融させた。このポリマーをスクリュー型プランジャーによってバレル中を前方に移動し、最終的に、バレルの遠位端におけるスクリューの前方の加熱チャンバ内に移動した。次いで、スクリューを平行移動動作にて前方に前進させ、これは金型に接して据え付けられたノズルを通って溶融ポリマーを押し進め、該ポリマーはゲート及びランナーシステムを通って、特別に設計された金型キャビティに入った。ポリマーは金型キャビティ内で部品に形成され、一定の時間、所定の温度で冷却された。次いで、部品は金型から取り外されるか、又は押し出され、ランナーから分離された。
【0174】
射出成形サイクルは、プロセス中、完全な一連の事象からなっていた。射出成形サイクルは、金型が閉鎖された際に開始し、続いて溶融ポリマーが金型キャビティ内に射出された。一旦キャビティが満たされたら、保持圧力を維持して、材料収縮を補償した。次に、スクリュー−プランジャーの向きを変え、後退させ、次の「ショット」をスクリューの前方に供給した。バレル内で次のショットを調製中、金型内の部品は十分な温度まで冷却され、金型が開放され、部品が押し出された。次のサイクルは、金型の閉鎖と同時に開始した。サイクル時間は、約25秒〜約75秒の範囲であり、部品サイズ及び材料組成物を含む多数の要因に基づいていた。
【0175】
(実施例6B)
成形部品のアニーリング
次いで、実施例6Aの射出成形物品を熱アニーリングサイクルに供して、ポリマー形態を成熟させた。物品が歪まないように部品を水平面内で支持するアニーリング治具を使用して、実施例6Aの物品をアニールした。このアニーリング治具は、高温での歪みに対する抵抗を補助することを意図するが、寸法的に不安定な部品の反りを防止しないであろう。実施例6Aの物品に用いたアニーリングサイクルは、60℃で8時間、70℃で4時間、次いで80℃で4時間の3つの工程から構成されていた。60℃の工程の目的は、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)相に関する結晶化温度に達する前に、ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)相を更に結晶化させることである。70℃の工程を開始して、サイクルの最終工程に達する前に、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)相を結晶化させる。最終的に、80℃の工程は、更にポリ(ラクチド−コ−グリコリド)相を結晶化させる。所定の装置及び所定の組成物に関して、所定の重要な性能特性を最適化するアニーリング条件が見出され得ることに留意するべきである。これらの有利なアニーリング条件は、実験、アニーリング温度及びアニーリング持続時間の変更、並びに応答の測定から開発することができる。
【0176】
実施例6Aの射出部品をアニールした後、それらを実施例6Bのアニール部品として特定した。
【0177】
(実施例7)
アニールされたダンベルの熱量測定特性
示差走査熱量測定(DSC)により、5mg〜8mgのサンプル重量を用いて加熱速度10℃/分で、多数のアニールされたダンベル(DB)に関する熱量測定データを得た。これらは、80重量パーセントの85/15L/Gコポリマー及び20重量パーセントのPDSの対照ブレンド[サンプルDB 6A];実施例1のニート85/15L/Gコポリマー[DB 6B];66.4重量パーセントの85/15L/Gコポリマー、13.6重量パーセントの85/15L/Gキャップオリゴマー及び20重量パーセントのPDSの本発明のブレンド[DB 6C];並びに74.7〜80.9重量パーセントの二峰性分子量分布の85/15L/Gコポリマー、15.3〜16.6重量パーセントの85/15L/Gキャップオリゴマー、及び2.5〜10重量パーセントの通常の分子量分布のPDS[それぞれ、サンプルDB 6D、DB 6E、及びDB 6F]の組成の範囲の本発明のブレンド、に基づくサンプルを含んでいた。これらの様々なブレンドから作製されたアニールされたダンベル(中心区分)に関して得られたDSC結果を、下記の表5に要約する。
【0178】
【表5】
1 アニーリング条件:60℃で8時間、次いで70℃で4時間、次いで80℃で4時間
【0179】
表5に示したDSC結果により、以下の結論が可能である。PDSのガラス転移温度は、この成分を5重量パーセント以上のレベルで含むブレンドで特定された。これは相分離形態を示している。85/15L/GコポリマーとPDSとのブレンドに基づいた物品において、溶融挙動により、重なり合ってはいるが、2つの融解転移温度、T
m1及びT
m2の観察がもたらされた。これらの融解転移温度の1つはPDSに対応し、1つはL/Gコポリマーに対応した。PDS系の溶融は102℃〜105℃の範囲であった一方、L/G系の溶融は147℃〜148℃の範囲であった。2つの吸熱の存在と、ブレンド成分の相対的な量が変動しているにも関わらず、温度に関してかなり不変のままであるという事実は、相分離形態を更に示す。組み合わされた溶融熱、2つの融解吸熱のΔH
mを、表5の最終列に報告する。融解熱が部品の結晶化度レベルに比例することが確立されている。それ故、本発明者らは、ΔH
mに従うことによって、結晶化レベルをモデル化することができる。
【0180】
表5に列挙したL/Gコポリマー、L/Gキャップオリゴマー、及びPDSの3元ブレンドに基づく樹脂から調製されたアニールされた成形ダンベルの全てが、L/Gコポリマー単独[サンプルDB 6B]と比較した場合、より高いΔH
m値を有したことに注目される。これらのより高いΔH
m値は、より高い結晶化度レベルが期待されることを示唆する。本発明の3元ブレンド(サンプル6C、6D、6E、及び6F)の全てが、正規分布に従う対照のサンプルDB 6Aと同等又は僅かにより高いΔH
m値を有することも見出された。
【0181】
(実施例8)
アニールされたダンベルの剛性及び強度の評価
ブレンド中のPDSの量を最小限にすることの利点が存在する。その利点としては、より剛性かつより強い物品の生産が挙げられ、該ブレンドから調製された物品の、埋め込み後の機械的強度保持も、より低いレベルのPDSブレンド成分により延長するであろう。
【0182】
アニールされたダンベルを、45kg(100lbs.)のロードセルを使用した機械的試験機、Instron Model 5544(Norwood,MA,USA)上で試験した。機器の全ては、試験時間において較正に関して最新であった。標本を破砕するまで速度1.3cm/分(0.5in/分)の張力を負荷した。最大力を標本の引張り強度として記録した。試験標本の力−伸長曲線の線形領域上に位置する2つの地点を結び付ける線の勾配としてヤング率を計算した。下記の式を使用した。
E=(ΔF/A
0)/(ΔL/L
0)
式中、Eは、計算されるヤング率であり、ΔFは、選択地点における、測定された力の変化であり、A
0は、標本の初期断面積であり、ΔLは、選択地点におけるクロスヘッド変位の変化であり、L
0は、標本のゲージ長である。計算で考慮した初期断面積及びゲージ長は、それぞれ0.0183cm
2(2.83×10
−3in
2)及び0.64センチメートル(0.25インチ)である。
【0183】
この試験で得られた引張り特性の概要を、下記の表6に示す。
【0184】
【表6】
【0185】
表6に生成及び要約した機械的特性データは、ブレンド中に同一レベルのポリ(p−ジオキサノン)が存在する場合、本発明のブレンドから作製されたダンベルが対照ブレンドよりも低い剛性を有することを示す(サンプルDB 6A対サンプルDB 6C参照)。しかしながら、PDS含有量を低減すると、本発明のブレンドから作製されたダンベルは、次第により強力及びより剛性となる。
【0186】
(実施例9)
アニールされたダンベルのインビトロでの加水分解データ
上記の表6に生成及び要約した機械的特性データの収集に使用したものと同一のアニールされたダンベルサンプルに関して、加水分解データを収集した。用いた手法は、参照により組み込まれる「In vitro methodology for predicting in vivo absorption time of bioabsorbable implants and devices」と題された米国特許出願第2013/0330827(A1)号に記載されているものと同様である。ここでは、データは、pH7.27のリン酸緩衝液中、70℃で自動滴定を用いて収集したものであり、下記の表7に要約する。
【0187】
【表7】
【0188】
上記の表7の加水分解データからいくつかの結論を出すことができる。例えば、同一の量のPDS(20%)の場合、キャップされたオリゴマーを含有するブレンドから作製されたダンベル(サンプルDB 6C)は、対照ブレンドから作製されたダンベル(サンプルDB 6A)よりも急速に加水分解した。
【0189】
PDS含有率を増大させるにつれて、キャップされたオリゴマーを含有するダンベルは、吸収が次第に長くなる。したがって、より急速な加水分解時間を達成するには、L/Gコポリマーの幾分かを、キャップされたL/Gオリゴマーで代替し得ることが見出された。例えば、90重量パーセントの85/15L/Gコポリマー(実施例1のような)、及び10重量パーセントのPDSの成分に基づくブレンドの代わりに、74.7重量パーセントの85/15L/Gコポリマー(実施例1のような)、15.3重量パーセントのキャップされた85/15L/Gオリゴマー(実施例2のような)、及び10重量パーセントPDSの成分に基づく本発明のブレンドを使用し得る。明確化のために、キャップされたオリゴマーの存在は、加水分解時間を短縮する。
【0190】
(実施例10)
アニールされたダンベルのインビトロでの破壊強度保持(BSR)データ
上記の表6に生成及び要約した機械的特性データと、上記の表7に要約したインビトロでの加水分解データとの収集に使用した、同一のアニールされたダンベルサンプルに関して、インビトロでの破壊強度保持データを収集した。明確化のために、このデータは、時間に伴う機械的特性の損失に向けられたものであり、この場合、引張り強度が観察された。pH7.27のリン酸緩衝液中、37℃でインキュベートした後、インビトロでの破壊強度保持データを室温で収集した。再度、データを下記の表8にまとめる。
【0191】
【表8】
【0192】
上記の表8に示した「強度残留」データからいくつかの結論を出すことができる。「ゼロ日」(0日)又はベースライン強度は、PDS含有率の低下とともに増大した。しかしながら、固定20% PDSレベルでは、キャップされたオリゴマーを含有するブレンドに基づくアニールされたダンベルは、キャップされたオリゴマーを有しないブレンドに基づく、対応するアニールされたダンベルよりも、遙かに急速な機械的特性の損失を有することが見出された。詳細には、アニールされたダンベルDB 6A、対照物品は、インキュベーションから14、28、及び56日後に、それぞれ、およそ43、28、及び17パーセントの強度の残留を有した。これと対照的に、対照サンプル、DB 6Aと同一の20重量パーセントのPDSを有するDB 6Cのアニールされたダンベルは、インキュベーションから14、28、及び56日後に、それぞれ、およそ27、15、及び8パーセントの強度の残留を有した。
【0193】
表8のデータを調べると、破壊強度保持は、PDS含有率の低下と共に著しく低下するという驚くべき、かつ予想外の結果が観察された。高ラクチドのラクチド/グリコリドコポリマー(又はポリラクチドホモポリマー)と、ポリ(p−ジオキサノン)とのブレンドから作製された試験物品は、通常、より低いPDSレベルで、より良好な破壊強度を保持し、本発明のブレンド挙動は、このことと驚くべき矛盾にある。
【0194】
先行技術よりも剛性である寸法安定性を示す、吸収性射出成形外科装置に関する機会及び必要性が存在する。先行技術のものよりも急速に吸収される、同様の装置に関する機会及び必要性が存在する。最後に、先行技術のものよりも急速に、それらの強度を損失する、同様の装置に関する機会及び必要性が存在する。本発明の装置と、本発明のブレンドとは、これらの必要性を満たす。
【0195】
(実施例11)
寸法安定性
ストラップ(AKAタック又はステープル、
図1及び2参照)の形態の実施例6A及び6Bの射出成形物品[即ち、アニーリング前及び後の成形物品]を、寸法安定性に関して試験した。アニーリングに先立って、及びアニーリング後に、成形物品の寸法を測定し、更に画像を撮影した[
図6〜
図9参照]。全寸法が正確に一致することは期待されないが、所定の寸法は装置が機能するのに重要であることは明らかである。いくつかの場合、容認できないレベルの歪みが見出されたが、本発明のブレンドから作製された本発明の物品は、容認可能な寸法安定性を示した。
【0196】
ストラップの形態の実施例6A及び6Bの試験物品は、幾何学的に複雑な多数の限界寸法を有する。例えば、成形物品の脚が過剰に歪むと、装置が組織を貫通及び保持する能力が低下するであろう。同様に、成形物品のかかりが著しく収縮した場合、組織を保持する能力が減少するため、機能性が低下するであろう。全ての設計は、それ自体の限界寸法を有するであろう。実施例6A及び6Bのストラップの設計は、寸法安定性に関する要求が厳しい装置の代表であると考えられ、このことは、一部は幾何学的複雑さのため、及びこれらの小部品の成形中に生じる、予想される高剪断のために感じられる。即ち、この微細部品のサイズは、射出成形中に分子配向を増大させ、排出された部品[即ち、金型キャビティから取り出された後の物品]の、アニーリング、及び/又は滅菌、及び/又は保管において見られる高温での歪みの推進力の増大に繋がる傾向があるであろう。部品を「合格/不合格」方法で評価及び特性評価した。成形物品の性質は全体的な反り効果に基づき、過剰な歪みが明らかではなかった場合、物品は合格であると考慮された。同様に、過剰な歪みが明らかであった場合、部品は不合格であるとされた。本来、射出成形物品の全ては、成形後にある程度の残留応力を有するため、許容レベルの歪みを示す物品は、寸法安定性試験に合格したとされる。実施例6A及び6Bの物品に関して、先端間(tip-to-tip)距離は限界寸法である。
図1を参照されたい。
【0197】
図2は、該装置の限界寸法を示す、
図1の装置の図面である。これらの寸法は、寸法安定性の欠如により変化した場合、装置の乏しい性能又は破損をもたらし得る。実施例6A及び6Bのストラップ物品における0.292センチメートル(0.115インチ)未満の先端間距離は、容認可能であるとされた一方、0.292センチメートル(0.115インチ)以上の先端間距離は、容認できないとされ、「破損モード1」又は「fm1」として示された。同様に、実施例6A及び6Bのストラップのかかり部材の長さも、限界寸法と考慮された。0.345センチメートル(0.136インチ)以下のかかりの長さは、容認できないと考慮され、「破損モード2」又は「fm2」として示された。画像及び寸法は、Keyenceデジタル顕微鏡、モデルVHX−600を使用して倍率20Xで捕捉された。試験結果の概要を下記の表9に示す。
【0198】
【表9】
(1)アニールされた成形ストラップの頂上部分上で行った分析。使用したアニーリング条件は、60℃で8時間、次いで70℃で4時間、次いで80℃で4時間であった。
(2)2つの値をここに列挙する。第1は、PDS系ブレンド成分の融点を表し、第2の値は、ラクチド系ブレンド成分に観察された融点を表す。
【0199】
上記の表9では、実施例6Bのアニールされたストラップの熱量測定特性を、寸法安定性試験の結果と共に提供した。熱量測定データは、本願にて前述したDSC(第1の熱)試験の結果である。「第1の熱」DSC測定を用いて、アニールされたストラップ[実施例6B参照]の融解熱、ΔH
m(J/g)を計算した。これらの値は、試験物品中に存在する相対的な結晶化度レベルと正比例する。
【0200】
表9に示したアニールされた物品は、3つの種類からなる。1つの場合では、アニールされたストラップは、ブレンド成分がキャップされたオリゴマー成分を有しないブレンド[サンプルSTR 11−2]に基づく。第2の場合では、アニールされたストラップは、実施例1のラクチド/グリコリドコポリマーのみ[STR 11−1]に基づく。第3の種類は、異なる量のキャップされたオリゴマー成分を含む一連の3元ブレンド[サンプルSTR 11−3、STR 11−4、STR 11−5及びSTR 11−6]に基づき、少量ブレンド成分、ポリ(p−ジオキサノン)のレベルは、2.5、7.5、10、又は20重量パーセントであった。
【0201】
実施例STR 11−1のストラップ物品の試験を行った。この物品は、85/15ラクチド/グリコリドコポリマーのみに基づく。サンプルSTR 11−1のストラップ物品は、対照グループ−対照1として機能した。物品はアニーリング後に結晶性を有したが、成形部品は、このプロセス中、形状保持せず、これらは寸法的に不安定であり、著しい歪みが観察された。
【0202】
実施例STR 11−2の射出成形ストラップは、80%(単峰性分子量分布)85/15 L/Gコポリマーと20% PDSとの先行技術によるブレンドに基づき、第2の対照グループ−対照2を表す。予想したように、これらの物品は寸法安定性を有した。寸法安定性は、20重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)の存在によって提供される。実施例STR 11−2のアニールされたストラップは、著しいレベルの結晶化度を示すΔH
m33.6J/gを有した。しかしながら、ポリ(p−ジオキサノン)ブレンド成分の存在は、物品の剛性を低下させる。ブレンド中に存在するポリ(p−ジオキサノン)の量を最少限にすることにより、所定の用途に有利な、より剛性の物品がもたらされるであろう。しかしながら、微細に装飾された(finely detailed)成形物品において寸法安定性を達成するには、最小約12.4重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)が必要であることが、先行技術に示されている。
【0203】
サンプルSTR 11−3〜STR 11−6の射出成形ストラップは、キャップされたオリゴマー85/15L/G成分が存在するブレンドに基づく。詳細には、これらは、13.6重量%〜16.6重量%の範囲の85/15L/Gキャップオリゴマーとブレンドされ、また標準分子量PDSとブレンドされた66.4重量%〜80.9重量%の範囲の標準分子量の85/15L/Gコポリマーから作製された3元ブレンドであった。PDSのポリマーは、それぞれ2.5、7.5、10及び20重量パーセントで存在する。サンプルSTR 11−5及びSTR 11−6の本発明の物品は、寸法安定性を有した。これはそれぞれ10及び20重量パーセントレベルで存在しているPDSに対応する。表9の熱量測定データに基づいて、本発明の3元ブレンドから作製されたこれら2つのアニールされたストラップは、比較的高いレベルの結晶化度を有した。サンプルSTR 11−5のアニールされたストラップは10重量パーセントのみのPDSを用いて作製されたが、2倍の量、20パーセントのPDSブレンド成分で作製された対照2、サンプルSTR 11−2が有した33.6J/gの値と近い31.2J/gのΔH
mを有したことに留意されたい。2.5及び7.5重量パーセントのPDSを用いて作製された対応するストラップは、表9に記すように寸法安定性を有せず、これら両方の場合において、結晶化度のレベルは、それぞれ21.2J/g及び30.7J/gのより低いΔH
m値から明らかであるように、より低い。寸法安定性は、物品のΔHm(又は結晶化度)に依存することが見出され、アニールされた物品が約31J/gを超えるΔH
mを有した場合、物品は寸法的に安定な傾向を有した。
【0204】
寸法安定性又は不安定性の更なる証拠は、7.5又は10重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)ブレンド成分を有する、実施例6Bの組成物から作製された射出成形ストラップが示されている
図6〜
図9の写真に存在する。
図6は、7.5重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)を有する実施例6Bのポリマー組成物から作製された、アニール前のサンプルSTR 11−4の射出成形されたタックの写真である。
図7は、7.5重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)を有する実施例6Bのポリマー組成物から作製された、アニール後のサンプルSTR 11−4の射出成形されたタックの写真である。これらの射出成形タックは、アニーリング後、容認できない反りを有した。
【0205】
図8は、10重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)を有する実施例6Bのポリマー組成物から作製された、アニール前のサンプルSTR 11−5の射出成形されたタックの写真である。
図9は、10重量パーセントのポリ(p−ジオキサノン)を有する実施例6Bのポリマー組成物から作製された、アニール後のサンプルSTR 11−5の射出成形されたタックの写真である。これらの射出成形タックは、アニール後、優れた寸法安定性と、容認可能なレベルの反りとを有した。
【0206】
表9に提示したデータに戻って、サンプルSTR 11−3〜11−6のアニールされたストラップの場合、2つの別個のガラス転移現象及び2つの別個の融解吸熱が観察された。これらは、ポリ(p−ジオキサノン)[PDS]ブレンド成分及びラクチド系ブレンド成分(対応するポリマー及びキャップされたオリゴマー成分)に対応していた。2つのガラス転移温度の観察は、成分の不混和性の一般に受け入れられる支持的証拠である。ポリ(p−ジオキサノン)系のガラス転移温度の全ては、約−7℃〜約−13℃であった一方、ラクチドに富む系のブレンド成分に関連したガラス転移温度は、約48℃〜約53℃であった。
【0207】
表9に示した様々なブレンドから作製されたアニールされた射出成形物品には、2つの融点が観察された。2つの融点の観察は、各ブレンド成分が結晶化可能であり、アニールされた物品中で半結晶性である証拠である。ポリ(p−ジオキサノン)系の溶融温度の全ては、103℃〜104℃であった一方、ラクチドに富む系のブレンド成分に関連した溶融温度は、146℃〜148℃であることが観察された。
【0208】
本願の発明の概念は、多様な方法で実践できると考えられる。更なる実践の実施例を以下に提供する。実施例12〜16は、ケースI、ケースII、及びケースIIIの3つの実践のカテゴリーを支持する。
【0209】
ケースIは、第1の吸収性ポリマータイプが、L/Gコポリマーと、カルボン酸基でキャップされたL/Gオリゴマーとの混合物から形成されている状況を指す。本発明の他の実施形態は、第1の吸収性ポリマータイプが、ポリラクチドホモポリマーと、カルボン酸基でキャップされたホモオリゴマーとの混合物から形成されている状況を含む。
【0210】
ケースIIは、第2の吸収性ポリマータイプが、ポリ(p−ジオキサノン)と、カルボン酸基でキャップされたp−ジオキサノンオリゴマーとの混合物から形成されている状況を指す。
【0211】
ケースIIIは、第1の吸収性ポリマータイプが、L/Gコポリマーと、カルボン酸基でキャップされたL/Gオリゴマーとの混合物から形成され、第2の吸収性ポリマータイプが、ポリ(p−ジオキサノン)と、カルボン酸基でキャップされたp−ジオキサノンオリゴマーとの混合物から形成されている状況を指す。再度、本発明の他の実施形態は、第1の吸収性ポリマータイプが、ポリラクチドホモポリマーと、カルボン酸基でキャップされたホモオリゴマーとの混合物から形成されている状況を含む。
【0212】
これらの様々な実施形態の概要を下記の表10に示す。
【0213】
【表10】
【0214】
(実施例12)
キャップされた低分子量L/Gポリマー、85/15オリゴ(L(−)−ラクチド−コ−グリコリド)の調製
撹拌手段を装備した好適な8ガロンのステンレス鋼オイルジャケット付反応器に、862.58gのL(−)−ラクチド及び6,137.4gのグリコリドを、223.8gのグリコール酸及び1.19mLの0.33M第1スズオクトエートトルエン溶液と共に加える。反応器を閉じ、7RPMの回転速度で上向き方向に撹拌しながらパージサイクルを開始する。27パスカル(200mTorr)未満の圧力まで反応器を排気し、この条件で少なくとも15分間保持した後、窒素ガスを導入する。サイクルを再度繰り返し、確実に乾燥雰囲気とする。窒素の最終導入の終了時に、圧力は、1気圧を僅かに超えるように調節される。加熱油温を平均加熱速度120℃/時間で130℃に上昇させる。バッチ温度が120℃に達したら撹拌器を停止し、下向き方向に7RPMで再開させる。油加熱コントローラを毎時60℃の平均加熱速度で180℃に設定する。バッチの溶融質量が180℃に達したら、反応を更に4時間30分、7RPMにて継続させる。撹拌機を停止し、290.2グラムの無水ジグリコール酸を反応器に加える。撹拌を下向き方向に10RPMで60分間継続させる。反応時間の終わりに、ポリマーを容器からアルミトレイに排出させ、冷凍庫で保管する。ポリマーを粉砕し、0.48cm(3/16”)篩を通してスクリーニングする。
【0215】
(実施例13)
キャップされた低MWポリ(p−ジオキサノン)オリゴマーの調製。
撹拌手段を装備した好適な8ガロンのステンレス鋼オイルジャケット付反応器に、862.58gのL(−)−ラクチド及び6,137.4gのグリコリドを、223.8gのグリコール酸及び1.19mLの0.33M第1スズオクトエートトルエン溶液と共に加える。反応器を閉じ、7RPMの回転速度で上向き方向に撹拌しながらパージサイクルを開始する。27パスカル(200mTorr)未満の圧力まで反応器を排気し、この条件で少なくとも15分間保持した後、窒素ガスを導入する。サイクルを再度繰り返し、確実に乾燥雰囲気とする。窒素の最終導入の終了時に、圧力は、1気圧を僅かに超えるように調節される。加熱油温を平均加熱速度120℃/時間で90℃に上昇させる。バッチ温度が90℃に達したら撹拌器を停止し、下向き方向に7RPMで再開させる。油加熱コントローラを毎時60℃の平均加熱速度で90℃に設定する。バッチが90℃に達した際、反応を7RPMで更に6時間継続する。撹拌機を停止し、398グラムの無水ジグリコール酸を反応器に加える。撹拌を下向き方向に10RPMで60分間継続させる。反応時間の終わりに、ポリマーを容器からアルミトレイに排出させ、冷凍庫で保管する。ポリマーを粉砕し、0.48cm(3/16”)篩を通してスクリーニングする。
【0216】
(実施例14)
実施例12のキャップされたL/Gオリゴマーを使用した3元ブレンドの調製。
[これは、ラクチド/グリコリドコポリマー成分が低分子量成分を有し、少なくとも一方の成分が、カルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされている、ケースIタイプの実施例である。]
【0217】
およそ80,000ダルトンの重量平均分子量を有するラクチド/グリコリドコポリマーの65キログラムのペレット又は粉砕材料を、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する実施例12の15キログラムのペレット又は粉砕材料と乾燥混合する。この混合物を溶融ブレンド操作にて混練して、高分子量ラクチド/グリコリドコポリマーと、カルボン酸末端基で末端キャップされた低分子量ラクチド/グリコリドとのブレンドをもたらす。このブレンドを更に、ポリ(p−ジオキサノン)が最終ブレンドの約20重量パーセントを占めるように、およそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有する20キログラムのポリ(p−ジオキサノン)と混練する。
【0218】
代替的に、フィードストックが、およそ80,000ダルトンの重量平均分子量を有する65キログラムのラクチド/グリコリドコポリマー、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する15キログラムの実施例12のペレット又は粉砕材料、及びおよそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有する20キログラムポリ(p−ジオキサノン)に基づく、単一の溶融混練操作を行ってもよい。それ故、ポリ(p−ジオキサノン)の量は、最終ブレンドの約20重量パーセントを占める。
【0219】
(実施例15)
実施例13のキャップされた(p−ジオキサノン)オリゴマーを使用した3元ブレンドの調製。
[これは、ポリ(p−ジオキサノン)ポリマー成分が低分子量成分を有し、少なくとも一方の成分が、カルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされている、ケースIIタイプの実施例である。]
【0220】
およそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)の10キログラムのペレット又は粉砕材料を、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する10キログラムの実施例13のペレット又は粉砕材料と乾燥混合する。この混合物を、高分子量ポリ(p−ジオキサノン)と溶融ブレンド操作にて混練して、カルボン酸末端基で末端キャップされた低分子量ポリ(p−ジオキサノン)ドとのブレンドをもたらす。このブレンドを更に、ポリ(p−ジオキサノン)ブレンドが最終ブレンドの約20重量パーセントを占めるように、およそ80,000ダルトンの重量平均分子量を有する80キログラムのラクチド/グリコリドコポリマーと混練する。
【0221】
代替的に、フィードストックが、およそ80,000ダルトンの重量平均分子量を有する80キログラムのラクチド/グリコリドコポリマー、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する13キログラムの実施例13のペレット又は粉砕材料、及びおよそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有する10キログラムポリ(p−ジオキサノン)に基づく、単一の溶融混練操作を行ってもよい。それ故、ポリ(p−ジオキサノン)の量は、最終ブレンドの約20重量パーセントを占める。
【0222】
(実施例16)
実施例12のキャップされたL/Gオリゴマーと、実施例13のキャップされた(p−ジオキサノン)オリゴマーとを使用する4元ブレンドの調製。
[これは、ラクチド/グリコリドコポリマー成分が低分子量成分を有し、少なくとも一方の成分がカルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされ、ポリ(p−ジオキサノン)ポリマー成分が低分子量成分を有し、少なくとも一方の成分がカルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされている、ケースIIIタイプの実施例である。]
【0223】
およそ80,000ダルトン重量平均分子量を有するラクチド/グリコリドコポリマーの70キログラムのペレット又は粉砕材料を、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する実施例12の10キログラムのペレット又は粉砕材料と乾燥混合する。この混合物を溶融ブレンド操作にて混練して、高分子量ラクチド/グリコリドコポリマーと、カルボン酸末端基で末端キャップされた低分子量ラクチド/グリコリドとのブレンドをもたらす。
【0224】
およそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)の15キログラムのペレット又は粉砕材料を、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する5キログラムの実施例13のペレット又は粉砕材料と乾燥混合する。この混合物を溶融ブレンド操作にて混練して、高分子量ポリ(p−ジオキサノン)と、カルボン酸末端基で末端キャップされた低分子量ポリ(p−ジオキサノン)ドとのブレンドをもたらす。上述した2つのブレンドを、ポリ(p−ジオキサノン)ブレンドが最終ブレンドの約20重量パーセントを占めるように、更に一緒に混練する。
【0225】
代替的に、フィードストックが、およそ80,000ダルトンの重量平均分子量を有する70キログラムのラクチド/グリコリドコポリマー、およそ5,000ダルトンの重量平均分子量を有する10キログラムの実施例12のペレット又は粉砕材料、及びおよそ72,000ダルトンの重量平均分子量を有する15キログラムポリ(p−ジオキサノン)に基づく、単一の溶融混練操作を行ってもよい。それ故、ポリ(p−ジオキサノン)の量は、最終ブレンドの約20重量パーセントを占める。
【0226】
組成が異なる類似するブレンドを、同様の方法で作成できることが当業者には明らかな筈である。
【0227】
(実施例17)
ラクチドに富むポリマーがキャップオリゴマーを含む場合の、本発明におけるポリ(p−ジオキサノン)の最大重量パーセントの計算
ラクチド系ポリマーがキャップオリゴマーを含む場合、ポリ(p−ジオキサノン)の重量パーセントは、下記に見出される等式を使用して計算することができる。
ポリ(p−ジオキサノン)重量パーセント=(215.6212/重合ラクチドモルパーセント)
2.7027−3.6273ここで、ラクチド系ポリマーは、キャップオリゴマーを含む。
【0228】
例えば、キャップオリゴマーを含むラクチドに富むラクチド−コ−グリコリドコポリマーの組成が82/8(モル基準で)であった場合、ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)[キャップオリゴマーを更に含むか又は含まないかのいずれか]の最小重量パーセントは、10.0パーセントであり、最大量は50であると計算された。同様に、二峰性ラクチド−コ−グリコリドコポリマーの組成が86/14(モル基準で)であった場合、ブレンド中の単峰性又は二峰性ポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、8.4パーセントであり、最大量は50であると計算された。表11は、主題の発明のブレンド中の最小及び最大重量パーセントとして表される、ポリ(p−ジオキサノン)の範囲のチャートを含む。この場合のポリ(p−ジオキサノン)は、キャップオリゴマーを含む場合も含まない場合もあることに留意するべきである。
【0229】
【表11-1】
【0230】
【表11-2】
【0231】
(実施例18)
ラクチドに富むポリマーがキャップオリゴマーを含まない場合の、本発明におけるキャップオリゴマーを含むポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントの計算
ラクチド系ポリマーがキャップオリゴマーを含まない場合、キャップオリゴマーを含むポリ(p−ジオキサノン)の重量パーセントは、下記に見出される等式を使用して計算することができる。
キャップオリゴマーを含むポリ(p−ジオキサノン)重量パーセント=(215.6212/重合ラクチドモルパーセント)
2.7027ここで、ラクチド系ポリマーは、キャップオリゴマーを含まない。
【0232】
例えば、キャップオリゴマーを含まないラクチドに富むラクチド−コ−グリコリドコポリマーの組成が82/8(モル基準で)であった場合、ブレンド中のキャップオリゴマーを含むポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、13.6パーセントであり、最大量は50であると計算された。同様に、キャップオリゴマーを含まないラクチド−コ−グリコリドコポリマーの組成が86/14(モル基準で)であった場合、ブレンド中のキャップオリゴマーを含むポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、120パーセントであり、最大量は50であると計算された。表12は、主題の発明のブレンド中の最小及び最大重量パーセントとして表される、キャップオリゴマーを含む一連のポリ(p−ジオキサノン)のチャートを含む。
【0233】
【表12-1】
【0234】
【表12-2】
【0235】
以上、本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細に様々な変更を行い得る点は理解されるであろう。本明細書に記載した実施形態は、単なる例示であり、当業者は、上述したものを含むがそれらに限定されない多数の変更及び修正を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなし得ることが理解されるであろう。全てのかかる変更及び修正を本発明の範囲内に含むことが意図される。
【0236】
〔実施の態様〕
(1) 吸収性ポリマーブレンドであって、
前記ブレンドの少なくとも50重量パーセントを構成し、約100モルパーセント〜約70モルパーセントの重合ラクチドと約0モルパーセント〜約30モルパーセントの重合グリコリドとを含む、第1の吸収性ポリマータイプと、
ポリ(p−ジオキサノン)を含む第2の吸収性ポリマータイプと、を含み、
前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最大重量パーセントは50重量パーセントであり、前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、前記ポリマーブレンドが製品に寸法安定性を効果的に提供するのに十分であり、更に、前記第1の吸収性ポリマータイプ、若しくは前記第2の吸収性ポリマータイプ、又は前記第1の吸収性ポリマータイプ及び前記第2の吸収性ポリマータイプは、ポリマー成分及びオリゴマー成分を含み、前記ポリマー成分は、前記オリゴマー成分よりも高い重量平均分子量を有し、前記成分のうちの少なくとも一方は、カルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされている、吸収性ポリマーブレンド。
(2) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、ポリ(L(−)−ラクチド)、ポリ(D(+)−ラクチド)、ポリ(L(−)−ラクチド)/ポリ(D(+)−ラクチド)ステレオコンプレックス、及びラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(3) 前記吸収性ポリマーブレンドが、少なくとも35,000ダルトンの重量平均分子量を有する、実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(4) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、カルボン酸末端キャップされたオリゴマーを含む、実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(5) 前記第2の吸収性ポリマータイプが、カルボン酸末端キャップされたオリゴマーを含まない、実施態様4に記載の吸収性ポリマーブレンド。
【0237】
(6) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、約42,000ダルトン〜約175,000ダルトンの第1の重量平均分子量を有する、ポリラクチド又はラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーの量と、約1,400ダルトン〜約24,000ダルトンの第2の重量平均分子量を有する、ポリラクチド又はラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーの第2の量とを含み、前記第1の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量のブレンドは、約50/50〜99/1重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様4に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(7) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、カルボン酸末端キャップされたオリゴマーを含まない、実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(8) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、ポリ(L(−)−ラクチド)、ポリ(D(+)−ラクチド)、ポリ(L(−)−ラクチド)/ポリ(D(+)−ラクチド)ステレオコンプレックス、及びラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含み、前記ブレンドが、約42,000ダルトン〜約175,000ダルトンの第1の重量平均分子量を有する、実施態様7に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(9) 前記第2の吸収性ポリマーが、カルボン酸末端キャップされたオリゴマーを含む、実施態様7に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(10) 前記第2の吸収性ポリマータイプが、約42,000ダルトン〜約175,000ダルトンの第1の重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの第1の量と、約1,400ダルトン〜約24,000ダルトンの第2の重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの第2の量とを含み、前記第2の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量のブレンドは、50/50〜99/1重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様9に記載の吸収性ポリマーブレンド。
【0238】
(11) 前記第1の吸収性ポリマータイプ及び第2の吸収性ポリマータイプのそれぞれが、カルボン酸末端キャップされたオリゴマーを含む、実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(12) 前記第1の吸収性ポリマータイプが、約42,000ダルトン〜約175,000ダルトンの第1の重量平均分子量を有する、ポリラクチド又はラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーの第1の量と、約1,400ダルトン〜約24,000ダルトンの第2の重量平均分子量を有する、ポリラクチド又はラクチドに富むラクチド/グリコリドコポリマーの第2の量とを含み、前記第1の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量のブレンドは、約50/50〜99/1重量/重量パーセントの比率で形成され、前記第2の吸収性ポリマータイプが、約42,000ダルトン〜約175,000ダルトンの第1の重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの第1の量と、約1,400ダルトン〜約24,000ダルトンの第2の重量平均分子量を有するポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの第2の量とを含み、各吸収性ポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの前記第1の量及び第2の量のブレンドは、約50/50〜99/1重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様11に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(13) 吸収性ポリマーブレンドであって、
前記ブレンドの少なくとも50重量パーセントを構成し、約100モルパーセント〜約70モルパーセントの重合ラクチドと約0モルパーセント〜約30モルパーセントの重合グリコリドとを含む、第1の吸収性ポリマータイプと、
ポリ(p−ジオキサノン)を含む第2の吸収性ポリマータイプと、を含み、
前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最大重量パーセントは50重量パーセントであり、前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、前記ポリマーブレンドが製品に寸法安定性を効果的に提供するのに十分であり、更に、前記第1の吸収性ポリマータイプ、若しくは前記第2の吸収性ポリマータイプ、又は前記第1の吸収性ポリマータイプ及び前記第2の吸収性ポリマータイプは、ポリマー成分及びオリゴマー成分を含み、前記ポリマー成分は、前記オリゴマー成分よりも高い重量平均分子量を有し、前記成分のうちの少なくとも一方は、カルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされ、
更に、前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の前記最小重量パーセントは、前記第1の吸収性ポリマータイプ中の重合ラクチドのモル量に依存し、以下の式:
ポリ(p−ジオキサノン)重量パーセント=(215.6212/重合ラクチドモルパーセント)
2.7027
により計算され、ここで、前記第1の吸収性ポリマータイプはカルボン酸キャップされたオリゴマーを含まず、前記ポリ(p−ジオキサノン)はカルボン酸キャップされたオリゴマーを含み、
前記ポリマーブレンドは、製品に寸法安定性を提供する、吸収性ポリマーブレンド。
(14) 吸収性ポリマーブレンドであって、
前記ブレンドの少なくとも50重量パーセントを構成し、約100モルパーセント〜約70モルパーセントの重合ラクチドと約0モルパーセント〜約30モルパーセントの重合グリコリドとを含む、第1の吸収性ポリマータイプと、
ポリ(p−ジオキサノン)を含む第2の吸収性ポリマータイプと、を含み、
前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最大重量パーセントは50重量パーセントであり、前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の最小重量パーセントは、前記ポリマーブレンドが製品に寸法安定性を効果的に提供するのに十分であり、更に、前記第1の吸収性ポリマータイプ、若しくは前記第2の吸収性ポリマータイプ、又は前記第1の吸収性ポリマータイプ及び前記第2の吸収性ポリマータイプは、ポリマー成分及びオリゴマー成分を含み、前記ポリマー成分は、前記オリゴマー成分よりも高い重量平均分子量を有し、前記成分のうちの少なくとも一方は、カルボン酸により少なくとも部分的に末端キャップされ、
前記ブレンド中のポリ(p−ジオキサノン)の前記最小重量パーセントは、前記第1の吸収性ポリマータイプ中の重合ラクチドのモル量に依存し、以下の式:
ポリ(p−ジオキサノン)重量パーセント=(215.6212/重合ラクチドモルパーセント)
2.7027−3.6273
により計算され、ここで、前記第1の吸収性ポリマータイプはカルボン酸キャップされたオリゴマーを含み、前記ポリ(p−ジオキサノン)は、カルボン酸キャップされたオリゴマーを含むか又は含まず、
前記ポリマーブレンドは、製品に寸法安定性を提供する、吸収性ポリマーブレンド。
(15) 実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンドを含む医療装置。
【0239】
(16) 実施態様13に記載の吸収性ポリマーブレンドを含む医療装置。
(17) 実施態様14に記載の吸収性ポリマーブレンドを含む医療装置。
(18) 実施態様1に記載の吸収性ポリマーブレンドを医療装置に加工する工程を含む、医療装置の製造方法。
(19) 実施態様13に記載の吸収性ポリマーブレンドを医療装置に加工する工程を含む、医療装置の製造方法。
(20) 実施態様14に記載の吸収性ポリマーブレンドを医療装置に加工する工程を含む、医療装置の製造方法。
【0240】
(21) 前記方法が、溶融加工を含む、実施態様18に記載の方法。
(22) 前記方法が、溶融加工を含む、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記方法が、溶融加工を含む、実施態様20に記載の方法。
(24) 前記第1の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量が、約78/22〜約88/12重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様6に記載の吸収性ポリマーブレンド。
(25) 前記第2の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量が、約78/22〜約88/12重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様10に記載の吸収性ポリマーブレンド。
【0241】
(26) 前記第1の吸収性ポリマータイプの前記第1の量及び第2の量が、約78/22〜約88/12重量/重量パーセントの比率で形成され、前記第2の吸収性ポリマータイプが、約78/22〜約88/12重量/重量パーセントの比率で形成されている、実施態様12に記載の吸収性ポリマーブレンド。