特許第6618923号(P6618923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6618923
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/173 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
   H02K5/173 B
   H02K5/173 A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-560696(P2016-560696)
(86)(22)【出願日】2015年4月3日
(65)【公表番号】特表2017-510240(P2017-510240A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】KR2015003360
(87)【国際公開番号】WO2015152676
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年4月2日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0040565
(32)【優先日】2014年4月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0193902
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】パク,キョンサン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】シム,ウソプ
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−195281(JP,A)
【文献】 特開2007−274826(JP,A)
【文献】 特開2003−301913(JP,A)
【文献】 特開2004−060866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に形成された第1収容部を含むハウジング;
前記ハウジングの内部に配置されるステータ;
前記ハウジングの内部に配置されるロータ;
前記ロータと共に回転する回転軸;
前記ハウジングの一側に結合されるホルダ;および
前記第1収容部と前記ホルダに固定されて前記ロータの回転を支持するベアリングを含み、
前記ロータは、コア部と前記ベアリングによって支持される回転支持部を含むロータコアおよび前記コア部の外面に配置されるロータマグネットを含み、
前記第1収容部は、前記ベアリングの一端を固定する第1突出受部および内周面に形成された第1ねじ山を含むモータ。
【請求項2】
前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの他端を固定する第2突出受部、および前記ハウジングの一側に固定される結合部を含む、請求項に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1突出受部の厚さは、前記第2突出受部の厚さよりも小さい、請求項に記載のモータ。
【請求項4】
前記回転軸の回転によって直線運動する運動部材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1収容部と前記ホルダとの間に配置されるシーリング部材を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項6】
前記第1収容部は、外周面に形成された第2ねじ山を含み、
前記ホルダは、前記第2ねじ山と結合される結合部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記第1収容部と前記ホルダとの間に配置されたシーリング部材を含む、請求項に記載のモータ。
【請求項8】
一側に形成された第1収容部を含むハウジング;
前記ハウジングの内部に配置されるステータ;
前記ハウジングの内部に配置されるロータ;
前記ロータと共に回転する回転軸;
前記第1収容部と前記ステータとの間に配置されるホルダ;および
前記第1収容部と前記ホルダに固定されて前記ロータの回転を支持するベアリングを含み、
前記ロータは、コア部と前記ベアリングによって支持される回転支持部を含むロータコアおよび前記コア部の外面に配置されるロータマグネットを含み、
前記第1収容部は、前記ベアリングの他端を固定する第1突出受部および内周面に形成された第3ねじ山を含むモータ。
【請求項9】
前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの一端を固定する第2突出受部、および前記ハウジングの内側に固定される結合部を含む、請求項に記載のモータ。
【請求項10】
前記ホルダは、前記ステータと向かい合う領域に形成された溝を含む、請求項8または9に記載のモータ。
【請求項11】
前記回転軸の回転によって直線運動する運動部材を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記ベアリングは、第1支持リングと第2支持リング、および前記第1支持リングと前記第2支持リングとの間に配置されるベアリングボールを含み、
前記第1支持リングと前記第2支持リングは、半径方向に延びて前記ベアリングボールが配置される支持溝を含み、前記支持溝の中央部は前記ベアリングボールと所定間隔離隔する、請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記回転支持部の外径は、前記コア部の外径よりも小さい、請求項1〜12のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸荷重に対する信頼性が向上したモータ(MOTOR)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にモータは、ハウジングの内周面にステータが配置され、ステータ中央にはロータが配置される。ロータは、ステータとの電磁気的な相互作用により回転して外部に動力を伝達する。
【0003】
一例として、モータの回転軸に結合された運動部材が外部のマスタシリンダを加圧することによってブレーキシステムを作動させることができる。しかし、マスタシリンダを加圧する過程でモータは軸方向に大きな荷重を受けることになるが、このような軸荷重は回転軸を支持するベアリングに伝達される。
【0004】
よって、軸方向に荷重を受けることになるモータは、ベアリングを確実に支持できなければ信頼性を維持することができない。従来のモータは、ハウジングにベアリングが挿入される溝を形成してベアリングを支持する。しかしながら、このような構造は軸方向の荷重に対してベアリングを確実に支持できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、軸方向に荷重が加えられても安定的にベアリングを支持することができるモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるモータは、一側に形成された第1収容部を含むハウジングと、該ハウジング内部に配置されるステータ及びロータと、前記ロータとともに回転する回転軸と、前記ハウジングの一側に結合されるホルダと、前記第1収容部と前記ホルダとの間に配置されて前記ロータの回転を支持するベアリングとを含む。
【0007】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記ロータは、内部に前記運動部材が収容されるコア部と、前記ベアリングにより支持される回転支持部を含むロータコアと、前記コア部の外面に配置されるロータマグネトとを含む。
【0008】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記回転支持部の外径は、前記コア部の外径よりも小さく形成することができる。
【0009】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記第1収容部は、前記ベアリングの一端を固定する第1突出受部を含む。
【0010】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの他端を固定する第2突出受部、及び前記ハウジングの一側に固定される結合部を含む。
【0011】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記第1突出受部の厚さは、前記第2突出受部の厚さよりも小さく形成することができる。
【0012】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記第1収容部は、内周面に形成された第1ねじ山を含み、前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの他端を固定する第2突出受部、及び前記第1ねじ山と結合される結合部を含む。
【0013】
本発明の他の態様によるモータは、一側に形成された第1収容部を含むハウジングと、該ハウジング内部に配置されるステータ及びロータと、該ロータとともに回転する回転軸と、該回転軸の回転により直線運動する運動部材と、前記第1収容部と前記ステータとの間に配置されるホルダと、第1収容部と前記ホルダとの間に配置されて前記ロータの回転を支持するベアリングと、を含む。
【0014】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記第1収容部は、前記ベアリングの他端を固定する第1突出受部を含む。
【0015】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの一端を固定する第2突出受部、及び前記ハウジングの内側に固定される結合部を含む。
【0016】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記ホルダは、前記ステータと対向する領域に形成された溝を含む。
【0017】
本発明の一態様によるモータにおいて、前記第1収容部は、内周面に形成された第3ねじ山を含み、前記ホルダは、前記ベアリングが収容される第2収容部、前記ベアリングの他端を固定する第2突出受部、及び前記第3ねじ山と結合される結合部を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、深絞りによりハウジングの製作が可能であるため、モータ製造コストを節減することができる。
【0019】
また、軸荷重が加えられても安定的にベアリングを支持することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施例に係るモータの概念図である。
図2図1に示されるモータの分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施例に係るハウジングとホルダの多様な結合手段を示す図である。
図4】本発明の第1実施例に係るモータの変更例である。
図5】本発明の第2実施例に係るモータの概念図である。
図6】本発明の第2実施例に係るモータの第1変更例である。
図7】本発明の第2実施例に係るモータの第2変更例である。
図8】本発明の第2実施例に係るモータの第3変更例である。
図9】本発明の第3実施例に係るモータの概念図である。
図10図9に示されるモータの一部分解図である。
図11】本発明の第3実施例に係るモータのシーリング部材とホルダの斜視図である。
図12】本発明の第3実施例に係るモータのハウジングとホルダの結合状態を説明するための一部拡大図である。
図13】本発明の第3実施例に係るモータのベアリング構造を説明するための概念図である。
図14】本発明の第4実施例に係るモータの概念図である。
図15】本発明の第4実施例に係るモータのハウジングとホルダの結合状態を説明するための一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施形態を有することができので、特定の実施形態を図示して説明することとする。しかしながら、これが本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる、すべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解すべきである。
【0022】
「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに用いられるが、上記構成要素は、上記用語に限定されない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに用いられる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲で、「第2構成要素」は「第1構成要素」と命名することができ、同様に、「第1構成要素」も「第2構成要素」と命名することができる。「及び/または」の用語は、複数の関連した、記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した、記載された項目のいずれかの項目を含む。
【0023】
ある構成要素が他の構成要素に「連結される」または「接続される」と言及した場合には、その他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在し得ることも理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結される」または「直接接続される」と言及した場合は、中間に他の構成要素が存在しないものと理解すべきである。
【0024】
本出願に用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数表現は、文脈上に明確に相違する意味をなさない限り、複数表現も含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解すべきである。
【0025】
以下、添付図面を参照しながら実施形態を詳細に説明し、図面符号とは関係なしに、同一であるか、または対応する構成要素は同一の参照番号を付し、これに対する重複する説明は省略する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施例に係るモータの概念図であり、図2は、図1に示されるモータの分解斜視図であり、図3は、本発明の第1実施例に係るハウジングとホルダの多様な結合手段を示す図であり、図4は、本発明の第1実施例に係るモータの変更例である。
【0027】
図1及び図2に示すように、本発明に係るモータは、一側に形成された第1収容部111を含むハウジング100と、ハウジング100内部に配置されるステータ300と、ステータ300の内部に配置されるロータ200と、ロータ200と連動回転する回転軸400と、回転軸400の回転により直線運動する運動部材410と、ハウジング100の一側に結合されるホルダ810と、第1収容部111とホルダ810との間に配置されてロータ200の回転を支持するベアリング700とを含む。
【0028】
ハウジング100には、内部にステータ300とロータ200が収容される内部空間が設けられる。ハウジング100には、一側にベアリング700が挿入される第1収容部111が形成される。ハウジング100は、深絞り(Deep Drawing)により製作してもよい。深絞り(Deep Drawing)は、鋼鉄(Steel)材質の板材を加圧して所定の形状を製作する方法である。加圧は、一側だけから加えられても、または両側から加えられてもよい。
【0029】
一例として、一側から板材を加圧してステータ300とロータ200が収容される内部空間を形成し、他側から加圧して凹んだ第1収容部111を形成することができる。第1収容部111は加圧により折曲してベアリング700が挿入される程度の幅を有し、終端に第1突出受部112が形成されていてもよい。しかし、必ずしもこれに限定されず、ハウジング100は、ダイキャスティング(Diecasting)により製作してもよい。
【0030】
ステータ300は、ステータコア310にコイル320が巻かれた公知の形状であってもよい。ステータ300は、一体型ステータコア310にコイル320が巻線されるか、または複数個の分割ステータコア310にコイル320が巻線されていてもよい。
【0031】
ロータ200は、内部に運動部材410が収容されるコア部211、ベアリング700により支持される回転支持部212を含むロータコア210、及びコア部211の外面に配置されるロータマグネト220を含む。
【0032】
コア部211は、内部に運動部材410が直線運動することができる空間が設けられ、外周面にはロータマグネト220が付着される。必要に応じてロータマグネト220は、別のモールディング材によりコア部211の外周面に固定されていてもよい。
【0033】
回転支持部212は、コア部211と連結され、コア部211に比べて直径が小さく形成されていてもよい。回転支持部212は、内部に回転軸400が挿入固定される。よって、ロータ200回転時に回転軸400が一体に回転することになる。
【0034】
ロータ200の上部には、円筒状の支持部材600が配置されていてもよい。支持部材600は、ロータ200の回転を検知するセンシングマグネット(図示せず)が付着されていてもよい。
【0035】
運動部材410は、回転軸400とボールスクリュー結合されて回転軸400の回転時にコア部211の内部で直線運動する。一例として、運動部材410は、車両用ブレーキシステムのマスタシリンダを加圧することによって、ブレーキシステムを作動させることができる。このような加圧過程で反発力によりモータに軸荷重が発生する。モータに加えられる軸荷重は、最大600〜800kgfとすることができる。
【0036】
ベアリング700は、ロータコア210の回転支持部212を支持する。具体的にベアリング700は、ロータ200を軸方向及び半径方向に支持するダブルアンギュラ接触ボールベアリング(Double Angular Contact Bearing)であってもよい。または4ポイント接触ボールベアリング(4 Point Contact Ball Bearing、4PCB)を複数個積層して構成してもよい。
【0037】
ホルダ810は、ハウジング100の一側に結合されてベアリング700を拘束する。ホルダ810は、ベアリング700が収容される第2収容部811、ベアリング700の他端720を固定する第2突出受部812、及びハウジング100の一側に固定される結合部814を含む。
【0038】
第2収容部811は、軸方向に折曲されて形成されていてもよく、第2突出受部812は、軸方向と垂直した方向に折曲されて形成されていてもよい。第2突出受部812の間には、回転軸400が貫通する孔813が形成されていてもよい。
【0039】
第1突出受部112が形成された第1収容部111は、ベアリング700の一部が収容される第1収容空間H1を形成し、第2突出受部812が形成された第2収容部811はベアリング700の残り部分が収容される第2収容空間H2を形成する。
【0040】
すなわち、第1収容部111と第2収容部811は、互いに反対方向に折曲されてベアリング700を収容することができる空間(H1+H2)を形成する。また、第1突出受部112と第2突出受部812は、互いに同一方向に折曲されてベアリング700を拘束する。
【0041】
ベアリング700の一端710は第1突出受部112に支持され、他端720は第2突出受部812に支持され、側面は第1収容部111と第2収容部811によりそれぞれ支持される。よって、軸方向(軸を基準として上下方向)に荷重が発生してもベアリング700を十分に支持することができる。
【0042】
結合手段900により結合部814をハウジング100に固定する。具体的に結合手段900はボルト910とナット920であってもよいが、必ずしもこれに限定されない。一例として、図3の(a)のように、リベット構造901であってもよく、図3の(b)のように、ハウジングの突起Pにナット920が結合されて形成されていてもよい。
【0043】
図3の(a)に示すように、第2突出受部812の厚さD2は、第1突出受部112の厚さD1よりも厚く製作してもよい。上述のように、ハウジング100を深絞り方法で製作した場合、第1突出受部112の厚さD1を厚く制御することが難しいので、相対的に第2突出受部812の厚さD2を厚く製作することで、ベアリング支持力を補完することができる。
【0044】
図4に示すように、本発明に係るホルダ820は、円筒状に形成されて第1収容部111に嵌合され得る。具体的に第1収容部111は、内周面に形成された第1ねじ山111aを含み、ホルダ820は、ベアリング700が収容される第2収容部821と、ベアリング700の他端を固定する第2突出受部822と、第1ねじ山111aと結合される結合部824とを含む。結合部824は、第1ねじ山111aに結合される第2ねじ山824aを含むことができる。
【0045】
このような構造によれば、第1収容部111の側面強度をホルダ820が補強することができる。すなわち、第1収容部111と第2収容部821の側面が二重でベアリング700を支持するので、ベアリング支持力が増加する。また、ホルダ820が第1収容部111にねじ結合されるので、結合力が向上する。
【0046】
図5は本発明の第2実施例に係るモータの概念図であり、図6は本発明の第2実施例に係るモータの第1変更例であり、図7は本発明の第2実施例に係るモータの第2変更例であり、図8は本発明の第2実施例に係るモータの第3変更例である。
【0047】
図5に示すように、本発明の他の実施例に係るモータは、一側に形成された第1収容部121を含むハウジング100と、ハウジング100内部に配置されるステータ300と、ステータ300の内部に配置されるロータ200と、ロータ200と連動回転する回転軸400と、回転軸400の回転により直線運動する運動部材410と、第1収容部121とステータ300との間に配置されるホルダ830と、第1収容部121とホルダ830との間に配置されてロータ200の回転を支持するベアリング700とを含む。
【0048】
本実施例のロータ200及びステータ300の構造は、上述と同じであるので、それ以上の説明は省略し、本実施例の特徴的な部分だけを具体的に記述する。
【0049】
ハウジング100の底面120にはベアリング700が固定される第1収容部121が突出して形成される。第1収容部121は加圧により折曲してベアリング700が挿入される程度の幅を有し、終端にベアリング700の他端を固定する第1突出受部122が形成されていてもよい。
【0050】
ホルダ830はハウジング100に圧入されてベアリング700を拘束する。具体的にホルダ820は、ベアリング700が収容される第2収容部831、ベアリング700の一端を固定する第2突出受部832、及びハウジング100の内側に固定される結合部834を含む。また、ステータ300と対向する領域に形成された溝833を含む。
【0051】
結合部834は、ステータ300とハウジング100の底面120との間に配置され、ハウジング100の側面及び/または底面120に圧入される。よって、第2突出受部832は、ベアリング700をハウジング100の底面120に加圧する。
【0052】
このような構造によれば、ハウジング100の底厚が相対的に薄くてもホルダ830によりベアリング700を十分に支持することができる。必要に応じてハウジング100とホルダ830にねじ結合またはリベットなどにより結合力を付与することができる。
【0053】
図6及び図7に示すように、ハウジング100とホルダ840、850の形状は多様に変形してもよい。例えば、図6のように、ハウジング100の第1収容部121が直接ベアリング700の側面を支持することができ、図7のように、ハウジングの底面120が傾くように形成されていてもよい。このとき、ホルダ850の上端に、ステータ300に巻線されたコイル320が収容される溝853が設けられてもよい。
【0054】
図8に示すように、ハウジング100の第1収容部121は、内周面に形成された第3ねじ山121aを含み、ホルダ860は、ベアリング700が収容される第2収容部861、ベアリング700の他端を固定する第2突出受部862、及び第3ねじ山121aと結合される結合部864を含む。結合部864は、第3ねじ山121aに結合する第4ねじ山864aを含むことができる。
【0055】
このような構造によれば、収容部121とホルダ860が二重でベアリング700の側面を支持するので、側面強度が向上し、ねじ結合程度を調節してベアリング700の支持力を向上させることができる。
【0056】
図9は、本発明の第3実施例に係るモータの概念図であり、図10は、図9に示されるモータの一部分解図である。
【0057】
図9及び図10に示すように、本発明に係るモータは、一側に形成された第1収容部111を含むハウジング100と、ハウジング100内部に配置されるステータ300と、ステータ300の内部に配置されるロータ200と、ロータ200と連動回転する回転軸400と、回転軸400の回転により直線運動する運動部材410と、ハウジング100の一側に結合されるホルダ870と、第1収容部111とホルダ870との間に配置されてロータ200の回転を支持するベアリング700とを含む。
【0058】
ハウジング100には、内部にステータ300とロータ200が収容される内部空間が設けられる。ハウジング100の一側にはベアリング700が挿入される第1収容部111が形成される。ハウジング100は深絞り(Deep Drawing)により製作してもよい。深絞り(Deep Drawing)は、鋼鉄(Steel)材質の板材を加圧して所定の形状を製作する方法である。加圧は一側のみから加えられてもよく、両側から加えられてもよい。深絞り(Deep Drawing)方式は、ダイキャスティング(Diecasting)方式に比べて製造コストが節減され得る。
【0059】
一例として、一側から板材を加圧してステータ300とロータ200が収容される内部空間を形成し、他側から加圧して凹んだ第1収容部111を形成することができる。第1収容部111は加圧により折曲してベアリング700が挿入される程度の幅を有し、終端に第1突出受部112が形成されていてもよい。第1収容部111及び第1突出受部112は、ベアリング700の少なくとも一部が収容される第1収容空間H1を形成する。しかし、必ずしもこれに限定されず、ハウジング100はダイキャスティング(Diecasting)により製作してもよい。
【0060】
ステータ300は、ステータコア310にコイル320が巻かれた公知の形状であってもよい。ステータ300は一体型ステータコア310にコイル320が巻線されるか、または複数個の分割ステータコア310にコイル320が巻線されていてもよい。
【0061】
ロータ200は、内部に運動部材410が収容されるコア部211と、ベアリング700により支持される回転支持部212を含むロータコア210と、コア部211の外面に配置されるロータマグネト220とを含む。
【0062】
コア部211には、内部に運動部材410が直線運動することができる空間が設けられ、外周面にはロータマグネト220が付着される。必要に応じてロータマグネト220は、別のモールディング材によりコア部211の外周面に固定されていてもよい。
【0063】
ロータマグネト220の外周面とステータコア310の内周面との間には、所定の間隔(G)が形成される。この間隔は、0.05〜10.0mmであってもよい。好ましくは0.1〜1.0mmであってもよい。
【0064】
本発明に係るモータは、回転支持部212だけがベアリング700に支持されるので、ロータ200回転時に軸方向を基準として傾いて回転するティルティング(Tilting)が発生することがある。したがって、前記間隔を満たすことで、ロータのティルティング発生時にロータマグネト220の外周面とステータコア310の内周面が干渉する問題を防止することができる。
【0065】
回転支持部212は、コア部211と連通し、コア部211に比べて直径が小さく形成される。回転支持部212は、内部に回転軸400が挿入固定される。よって、ロータ200回転時に回転軸400は一体に回転することになる。
【0066】
ロータ200の上部には、円筒状の支持部材600が配置されていてもよい。支持部材600は、ロータ200の回転を検知するセンシングマグネトが付着されるか、または外部のオブジェクトが挿入されて運動部材410と結合する空間を提供することができる。
【0067】
運動部材410は、回転軸400とボールスクリュー結合されて回転軸400回転時にコア部211の内部で直線運動する。一例として、運動部材410は、車両用ブレーキシステムのマスタシリンダを加圧することによって、ブレーキシステムを作動させることができる。このような加圧過程において反発力によりモータに軸荷重が発生する。モータに加えられる軸荷重は、最大600〜800kgfであってもよい。
【0068】
ベアリング700は、ロータコア210の回転支持部212を支持する。ベアリング700は、ロータ200を軸方向及び半径方向に支持することができる。
【0069】
結合手段900はホルダの結合部874をハウジング100に固定する。具体的に結合手段900はボルトであってもよいが、必ずしもこれに限定されない。一例として、リベット構造であるか、またはハウジングに突起が形成されて結合されていてもよい。
【0070】
シーリング部材500は、第1収容部111とホルダ870との間に配置されて気密性を向上する。シーリング部材500は、リング状の本体510と複数個の孔520を含む。図11に示すように、複数個の孔520はホルダ870に形成された孔875と対応する位置に形成される。
【0071】
図12に示すように、ホルダ870は、ハウジング100の一側に結合されてベアリング700を拘束する。ホルダ870は、ベアリング700の他端720を固定する第2突出受部871と、ハウジング100の一側に固定される結合部874と、第2突出受部871と結合部874を連結する連結部872とを含む。第2突出受部871の間には、回転軸400が貫通する孔873が形成されていてもよい。必要に応じて第2突出受部871はベアリング700の一側を収容するように折曲されていてもよい。
【0072】
ベアリング700の一端710は、第1収容部111の第1突出受部112に支持され、他端720はホルダ870の第2突出受部871に支持され、側面は第1収容部111により支持される。よって、軸方向(軸を基準として上下方向)に荷重が発生してもベアリング700を十分に支持することができる。
【0073】
このとき、第2突出受部871の厚さD2は、第1突出受部112の厚さD1よりも厚く製作してもよい。上述のように、ハウジング100を深絞り方法で製作した場合、第1突出受部112の厚さD1を厚く制御することが難しいので、相対的に第2突出受部871の厚さD2を厚く製作することによって、ベアリング支持力を補完することができる。
【0074】
図13に示すように、ベアリング700は、第1支持リング700a及び第2支持リング700bと、その間に配置される複数個のベアリングボール730で構成され、第1支持リング700aと第2支持リング700bは、半径方向に延長されてベアリングボール730が配置される支持溝711、721が形成される。
【0075】
このとき、第1支持溝711の側面713は、中央部712を基準として互いに対称となるように形成され、ベアリングボール730の曲率よりも大きい曲率を有するように形成される。中央部712は、前記ベアリングボール730と所定間隔で離隔されて接触しない。よって、各側面713の一地点はベアリングボール730と接触する。第2支持溝721も同様に構成される。よって、ベアリングボール730は、第1支持溝711及び第2支持溝721の各側面に接触するので、軸方向と半径方向をすべて支持されることができる。
【0076】
図14は、本発明の第4実施例に係るモータの概念図であり、図15は、本発明の第4実施例に係るモータのハウジングとホルダの結合状態を説明するための一部拡大図である。
【0077】
本発明に係るモータは、一側に形成された第1収容部111を含むハウジング100と、ハウジング100内部に配置されるステータ300と、ステータ300の内部に配置されるロータ200と、ロータ200と連動回転する回転軸400と、回転軸400の回転により直線運動する運動部材410と、ハウジング100の一側に結合されるホルダ880と、第1収容部111とホルダ880との間に配置されてロータ200の回転を支持するベアリング700とを含む。このような構成は、上述と同じであるので、それ以上の詳しい説明は省略する。
【0078】
ホルダ880は、第2突出受部881と、ハウジング110と結合する結合部884と、第2突出受部881と結合部884を連結する連結部882と、中央に形成された貫通孔883とを含む。結合部884は、第1収容部111の外周面に形成された第1ねじ山111aと結合する。このとき、第1収容部111とホルダ880との間には、シーリング部材501が配置される。
【0079】
ハウジングの底面を形成する傾斜面113は、第1収容部111に行くほど幅が細くなるように形成される。すなわち、傾斜面113は、中心に行くほどテーパされるように形成される。このような構成によれば、軸荷重によるハウジングの変形が最小化される。具体的に、ハウジングの傾斜面113を延長した仮想線L1は、軸方向と垂直する線L2と5〜60度の角度θ1を有する。
【0080】
ベアリング700の一端は、第1突出受部112に支持され、他端は第2突出受部881に支持され、側面は第1収容部111により支持される。したがって、軸方向(軸を基準として上下方向)に荷重が発生してもベアリングが支持される。
【符号の説明】
【0081】
100 ハウジング
111、121 第1収容部
112、122 第1突出受部
200 ロータ
300 ステータ
400 回転軸
410 運動部材
700 ベアリング
810、820、830、840、850、860、870、880 ホルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15