特許第6618991号(P6618991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6618991
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】角膜上皮除去のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/013 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
   A61F9/013 100
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-510578(P2017-510578)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公表番号】特表2017-526436(P2017-526436A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】IL2015050894
(87)【国際公開番号】WO2016035087
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2018年8月23日
(31)【優先権主張番号】62/045,655
(32)【優先日】2014年9月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517053353
【氏名又は名称】オルカ サージカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バー‐オン,ヤリーブ
【審査官】 石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06149661(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0195127(US,A1)
【文献】 特表平10−506805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/013
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5〜13mmに及ぶ長さを有し、かつ、第1の制御刃の細長い縁部と平行に位置付けられた切断刃の細長い縁部によって形成された4〜10mmに及ぶ長さを有する遠位端を有する細長い頭部を備えるデバイスであって、
前記第1の制御刃および前記切断刃のそれぞれの細長い縁部は、0.02〜0.2mmに及ぶ幅を有し、かつ、前記頭部の前端から後端まで走る細長いチャネルに遠位開口を形成する均一な隙間によって分離され、
前記切断刃の細長い縁部は、前記第1の制御刃の細長い縁部を超えて遠位に延在し、前記切断刃の細長い縁部と前記第1の制御刃の細長い縁部との間に0.05〜0.5mmに及ぶ高低差を提供し、
前記切断刃の細長い縁部は鋭く、10°〜50°に及ぶ鋭角を形成する外縁を有し、かつ身体組織を切断するように構成され、
前記第1の制御刃の細長い縁部は鈍く、0.05〜0.1mmに及ぶ半径を有する丸みのある角部を形成する外縁を有し、かつ、前記切断刃の細長い縁部の前記身体組織内への侵入深さを制限する障壁を形成するように構成され、
前記細長いチャネルは、前記第1の制御刃および前記切断刃の2つの対面する内壁によって包囲され、
前記内壁は凹状であり、凹状の内壁によって形成された細長いチャネルは、広い近位基部および狭い遠位開口を有する袋状断面を有し、前記チャネルは、剥離された上皮組織および放出された残留物のあらゆる組み合わせを収集するように構成され、
前記チャネルは、流体を吸収するのに適している吸収性物質で少なくとも部分的に被覆され、
前記チャネルは、前記チャネルの内壁内に組み込まれ、かつ前記第1の制御刃および前記切断刃の細長い縁部に平行に延在し、かつ前記チャネルの内壁の表面積を増加させる1つ以上の細長い溝とともに配置される、デバイス。
【請求項2】
前記第1の制御刃の細長い縁部は、前記切断刃の細長い縁部に対して不均一な高低差を有する帯を備え、
前記隙間の幅および前記高低差の組み合わせは、前記切断刃の縁部の侵入深さを画定し、
前記身体組織の表面に対する前記頭部の角度の配向は、前記切断刃の縁部の侵入深さをさらに画定する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記高低差は、前記第1の制御刃および前記切断刃の細長い縁部の中央部においてより小さく、前記第1の制御刃および前記切断刃の細長い縁部の周辺部においてより大きい、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の制御刃の細長い縁部は、角膜の表面を平らにするために前記角膜上を圧迫するように構成され、前記隙間は、平らにされた角膜を包囲し、かつその中に包囲された平らにされた角膜が自然に凸形状に立ち戻るのを防ぐように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記溝は、前記チャネルの様々な高さに配置される、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の細長い溝は、流体を吸収するのに適している吸収性物質とともに配置される、請求項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記近位基部は、係合されたハンドルを解放するように構成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記頭部は、前記頭部を固定するように構成される1つ以上の突起と係合するように構成される1つ以上の凹部とともに配置され、前記凹部は前記頭部の近位端に配置され、前記突起と係合することは前記刃の遠位縁部と接触を全く持たないことを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記頭部の前端は先細であり、かつ、前記第1の制御刃および前記切断刃の外部に凸状の前壁および丸みのある前遠位角部によって形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の制御刃の前遠位の丸みのある角部の一部は空洞にされ、前記チャネルの前側開口を備える狭い溝を形成する、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは第2の制御刃をさらに備え、前記切断刃は両刃であり、前記第1の制御刃および前記第2の制御刃は両刃の切断刃の両側に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記隙間の幅は、角膜と前記チャネルとの間の接触領域で毛細管力をもたらす大きさにされる、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月4日に「Apparatus and Method for Removing Corneal Epithelium(角膜上皮除去のための装置および方法)」の名称で出願された米国特許仮出願第62/045,655号の利益を主張し、これらの内容は参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は眼科の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
角膜は、眼の虹彩、瞳孔、および前房を覆う透明の上皮層である。入射光は、目の焦点を合わせる力に寄与する角膜の屈曲によって屈折される。角膜は通常直径約10mm、厚さ50〜70μmの範囲の丸い形状であり、ボーマン膜または層の上部にあり、ボーマン膜は主要な角膜実質を覆う。上皮は急速に成長し容易に再生する細胞の層であり、この層は異物の通過を遮断し、涙から酸素および栄養を分配するために平滑面を提供する。上皮には血液の通った細胞がないが、神経細胞終末を有する。損なわれた、切断された、損傷した、変性した、または罹患した角膜上皮を除去すると、それ自体が約2〜3日で再生することができる。しかし上皮は再生されるが、その下部にあるボーマン膜は再生されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また上皮はレーザー屈折矯正手術の前駆体として除去されてもよい。レーザー屈折矯正手術は、近視、遠視、および乱視を矯正する目的で角膜の曲率を変えるためにエキシマレーザーを利用する視力矯正手術である。最近はより複雑な切除パターンでより高い高次収差を矯正することが可能になった。手術中の基本的なステップは、レーザーが角膜実質を再形成できるために、中央および中心傍角膜上皮、または角膜の表皮層を対称に迅速に除去することである。この処置を一貫して実行することにより、結果に直接影響を与える。現代のより大きい直径のエキシマレーザーを支持するように充分な上皮を取り除く一方で、治癒時間が長引き感染の危険性が増すはずである量を超えないことが理想的である。
【0005】
関連技術およびそれに関連した限定の前述の例は、例示であり限定を意図するものではない。関連技術の他の限定は、本明細書を読み図面を検討すると当業者には明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の実施形態およびその態様は、範囲を限定するものではなく例示および説明を意味するシステム、ツールおよび方法とともに記載され説明される。
【0007】
一実施形態によれば、5〜13ミリメートルの範囲の長さを有し、制御刃の細長い縁部と実質的に平行に位置付けられた切断刃の細長い縁部によって形成された、4〜10ミリメートルの範囲の長さを有する遠位端を有する、細長い頭部を備えるデバイスであって、制御刃および切断刃のそれぞれの細長い縁部は、0.02〜0.2mmの範囲の幅を有し、頭部の前端から後端まで走る細長いチャネルに遠位開口を形成する、実質的に均一な隙間によって分離され、切断刃の細長い縁部は制御刃の細長い縁部を超えて遠位に延在し、切断刃の細長い縁部と制御刃の細長い縁部との間に0.05〜0.5mmの範囲の高低差を提供し、切断刃の細長い縁部は鋭く、10°〜50°の範囲の鋭角を形成する外縁を有し、身体組織を切断するように構成され、制御刃の細長い縁部は鈍く、0.05〜0.1mmの範囲の半径の丸みを帯びた角部を形成する外縁を有し、切断刃の細長い縁部が身体組織に入る侵入深さを制限する障壁を形成するように構成される、デバイスが提供される。
【0008】
一部の実施形態では、制御刃の細長い縁部は、切断刃の細長い縁部に対して不均一な高低差を有する帯を備える。
【0009】
一部の実施形態では、隙間の幅と高低差の組み合わせは切断刃の縁部の侵入深さを画定する。
【0010】
一部の実施形態では、身体組織の表面に対する頭部の角度の配向は、切断刃の縁部の侵入深さをさらに画定する。
【0011】
一部の実施形態では、高低差は制御刃と切断刃の細長い縁部の中央部においてより小さく、制御刃と切断刃の細長い縁部の周辺部においてより大きい。
【0012】
一部の実施形態では、制御刃の細長い縁部は角膜の表面を平らにするために角膜上を圧迫するように構成され、隙間は平らにされた角膜を包囲し、その中に包囲された平らにされた角膜が自然に凸形状に跳ね返るのを防ぐ。
【0013】
一部の実施形態では、細長いチャネルは制御刃および切断刃の2つの対面する内壁によって包囲される。
【0014】
一部の実施形態では、内壁は凹状であり、凹状の内壁によって形成された細長いチャネルは、広い近位基部および狭い遠位開口を有する袋状断面を有し、チャネルは剥離された上皮組織と放出された残留物のあらゆる組み合わせを収集するように構成される。
【0015】
一部の実施形態では、チャネルは流体を吸収するのに適した吸収性物質で少なくとも一部が被覆される。
【0016】
一部の実施形態では、チャネルは、チャネルの内壁内に組み込まれ、制御刃および切断刃の細長い縁部に実質的に平行に延在し、チャネルの内壁の表面積を増加させる、1つまたは複数の細長い溝を具備して配置される。
【0017】
一部の実施形態では、溝はチャネルの様々な高さに配置される。
【0018】
一部の実施形態では、1つまたは複数の溝は流体を吸収するのに適した吸収性物質を具備して配置される。
【0019】
一部の実施形態では、デバイスはハンドルをさらに備え、頭部はハンドルと係合するように構成された近位凹部を具備して配置される。
【0020】
一部の実施形態では、近位凹部は係合されたハンドルを解放するように構成される。
【0021】
一部の実施形態では、ハンドルは堅固であり、ハンドルに加えられた動きを頭部に伝達する。
【0022】
一部の実施形態では、頭部は、頭部を固定するように構成された1つまたは複数の突起と係合するように構成された、1つまたは複数の凹部を具備して配置され、凹部は頭部の近位端に配置され、突起と係合することは刃の遠位縁部と接触しないことを含む。
【0023】
一部の実施形態では、頭部の前端は先細であり、制御刃および切断刃の外部に凸状の前壁および丸みを帯びた前遠位角部によって形成される。
【0024】
一部の実施形態では、制御刃の前遠位の丸みを帯びた角部の一部は空洞にされ、チャネルの前側開口を備える狭い溝を形成する。
【0025】
一部の実施形態では、身体組織は角膜である。
【0026】
一部の実施形態では、デバイスは第2の制御刃をさらに備え、切断刃は両刃であり、2つの制御刃は両刃の切断刃の両側に配置される。
【0027】
一実施形態によれば、5〜13ミリメートルの範囲の長さを有する1つまたは複数の細長い頭部であって、細長い頭部はそれぞれ制御刃の細長い縁部と実質的に平行に位置付けられた切断刃の細長い縁部によって形成された、4〜10ミリメートルの範囲の長さを有する遠位端を有し、制御刃および切断刃のそれぞれの細長い縁部は、0.02〜0.2mmの範囲の幅を有し、頭部の前端から後端まで走る細長いチャネルに遠位開口を形成する、実質的に均一な隙間によって分離され、切断刃の細長い縁部は制御刃の細長い縁部を超えて遠位に延在し、切断刃の細長い縁部と制御刃の細長い縁部との間に0.05〜0.5mmの範囲の高低差を提供し、切断刃の細長い縁部は鋭く、10°〜50°の範囲の鋭角を形成する外縁を有し、身体組織を切断するように構成され、制御刃の細長い縁部は鈍く、0.05〜0.1mmの範囲の半径の丸みを帯びた角部を形成する外縁を有し、切断刃の細長い縁部が身体組織に入る侵入深さを制限する障壁を形成するように構成される、1つまたは複数の細長い頭部と、ハンドルと、1つまたは複数の細長い頭部を保管するように構成され、それぞれの細長い頭部がハンドルと係合できる一方で、制御刃と切断刃の縁部は接触しないままである、回転可能なカートリッジを備えるカセットとを備えるキットが提供される。
【0028】
一部の実施形態では、制御刃の細長い縁部は、切断刃の細長い縁部に対して不均一な高低差を有する帯を備える。
【0029】
一部の実施形態では、隙間の幅と高低差の組み合わせは切断刃の縁部の侵入深さを画定する。
【0030】
一部の実施形態では、身体組織の表面に対する頭部の角度の配向は、切断刃の縁部の侵入深さをさらに画定する。
【0031】
一部の実施形態では、高低差は制御刃と切断刃の細長い縁部の中央部においてより小さく、制御刃と切断刃の細長い縁部の周辺部においてより大きい。
【0032】
一部の実施形態では、制御刃の細長い縁部は角膜の表面を平らにするために角膜上を圧迫するように構成され、隙間は平らにされた角膜を包囲し、その中に包囲され、平らにされた角膜が自然に凸形状に跳ね返るのを防ぐ。
【0033】
一部の実施形態では、細長いチャネルは制御刃および切断刃の2つの対面する内壁によって包囲される。
【0034】
一部の実施形態では、内壁は凹状であり、凹状の内壁によって形成された細長いチャネルは、広い近位基部および狭い遠位開口を有する袋状断面を有し、チャネルは剥離された上皮組織と放出された残留物のあらゆる組み合わせを収集するように構成される。
【0035】
一部の実施形態では、チャネルは流体を吸収するのに適した吸収性物質で少なくとも一部が被覆される。
【0036】
一部の実施形態では、チャネルは、チャネルの内壁内に組み込まれた1つまたは複数の細長い溝を具備して配置され、制御刃および切断刃の細長い縁部に実質的に平行に延在し、チャネルの内壁の表面積を増加させる。
【0037】
一部の実施形態では、溝はチャネルの様々な高さに配置される。
【0038】
一部の実施形態では、1つまたは複数の溝は流体を吸収するのに適した吸収性物質を具備して配置される。
【0039】
一部の実施形態では、キットはハンドルをさらに備え、頭部はハンドルと係合するように構成された近位凹部を具備して配置される。
【0040】
一部の実施形態では、近位凹部は係合されたハンドルを解放するように構成される。
【0041】
一部の実施形態では、ハンドルは堅固であり、ハンドルに加えられた動きを頭部に伝達する。
【0042】
一部の実施形態では、頭部は、頭部を固定する1つまたは複数の突起と係合するように構成された、1つまたは複数の凹部を具備して配置され、凹部は頭部の近位端に配置され、突起と係合することは刃の遠位縁部と接触しないことを含む。
【0043】
一部の実施形態では、頭部の前端は先細であり、制御刃および切断刃の外部に凸状の前壁および丸みを帯びた前遠位角部によって形成される。
【0044】
一部の実施形態では、制御刃の前遠位の丸みを帯びた角部の一部は空洞にされ、チャネルの前側開口を備える狭い溝を形成する。
【0045】
一部の実施形態では、キットは第2の制御刃をさらに備え、切断刃は両刃であり、2つの制御刃は両刃の切断刃の両側に配置される。
【0046】
一部の実施形態では、身体組織は角膜である。
【0047】
一実施形態によれば、5〜13ミリメートルの範囲の長さを有し、制御刃の細長い縁部と実質的に平行に位置付けられた切断刃の細長い縁部によって形成された4〜10ミリメートルの範囲の長さを有する遠位端を有する、細長い頭部を使用して角膜上皮を剥離することを含む、角膜上皮を修正する方法であって、制御刃および切断刃のそれぞれの細長い縁部は、0.02〜0.2mmの範囲の幅を有し、頭部の前端から後端まで走る細長いチャネルに遠位開口を形成する、実質的に均一な隙間によって分離され、切断刃の細長い縁部は制御刃の細長い縁部を超えて遠位に延在し、切断刃の細長い縁部と制御刃の細長い縁部との間に0.05〜0.5mmの範囲の高低差を提供し、切断刃の細長い縁部は鋭く、10°〜50°の範囲の鋭角を形成する外縁を有し、角膜上皮を切断するように構成され、制御刃の細長い縁部は鈍く、0.05〜0.1mmの範囲の半径の丸みを帯びた角部を形成する外縁を有し、切断刃の細長い縁部が角膜上皮に入る侵入深さを制限する障壁を形成するように構成される、方法が提供される。
【0048】
一部の実施形態によれば、角膜上皮の剥離された部分はボーマン層を含まない。
【0049】
一部の実施形態によれば、方法は頭部のチャネル内のあらゆる剥離された組織および放出された残留物を収集することをさらに含む。
【0050】
一部の実施形態によれば、放出された残留物は流体である。
【0051】
一部の実施形態によれば、収集することは、チャネルを少なくとも部分的に被覆する吸収材料で吸収することを含む。
【0052】
一部の実施形態によれば、方法は、切断刃の細長い縁部が角膜上皮に入る侵入深さを画定するために、角膜に対して細長い頭部を配向することをさらに含む。
【0053】
一部の実施形態によれば、細長い制御刃および切断刃を角膜の接線に実質的に平行に配向することにより、細長い切断刃が比較的浅い深さに侵入し、角膜上皮の薄層を除去する。
【0054】
一部の実施形態によれば、細長い制御刃および切断刃を角膜の接線に実質的に垂直に配向することにより、細長い切断刃が制御刃と切断刃との高低差に対応する深さに侵入し、侵入深さに対応して角膜上皮の層を除去する。
【0055】
一部の実施形態によれば、角膜上皮を切断刃の細長い縁部の中央部で剥離することにより、剥離される片が薄くなり、切断刃の細長い縁部の周辺部で剥離することにより、剥離される片が厚くなる。
【0056】
一部の実施形態によれば、方法は、角膜表面を平らにするために制御刃の細長い縁部が角膜上を圧迫することと、隙間内の平らにされた角膜の一部を包囲し、それによって上皮組織を均一な厚さに剥離することとをさらに含み、隙間はその中に包囲された角膜組織が自然に凸形状に跳ね返るのを防ぐように充分に小さい。
【0057】
一部の実施形態によれば、方法は、細長い頭部に結合された堅固なハンドルを介して角膜上皮の上で細長い頭部を操作することをさらに含む。
【0058】
一部の実施形態によれば、方法は、剥離するステップの後にあらゆる屈折性眼科手術、すなわち近視障害の治療、遠視障害の治療、乱視障害の治療、および円錐角膜障害の治療を実行することをさらに含む。
【0059】
上に説明された例示的態様および実施形態に加えて、図面を参照し、以下の詳述を検討することにより、さらなる態様および実施形態が明らかになろう。
【0060】
例示的実施形態は図面を参照して説明される。図面に示された構成要素および特徴の寸法は、概して便宜上かつ表しやすいために選択されたものであり、必ずしも原寸に比例するものではない。図面を以下に一覧にする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1A】一実施形態による、角膜上皮の表面層を除去するためのデバイスを示す図である。
図1B】一実施形態による、角膜上皮の表面層を除去するためのデバイスを示す図である。
図1C】一実施形態による、角膜上皮の表面層を除去するためのデバイスを示す図である。
図2A-I】一実施形態による、図1A図1Cのデバイスの複数の図であり、図2A図2Dおよび図2F図2I図2Eに示された断面に対応する断面図である。
図3A】一実施形態による、ハンドルに結合された図1A図1Cのデバイスをともに示す図である。
図3B】一実施形態による、ハンドルに結合された図1A図1Cのデバイスをともに示す図である。
図3C】一実施形態による、ハンドルに結合された図1A図1Cのデバイスをともに示す図である。
図4A-C】一実施形態による、図1A図1Cのデバイスの追加の3つの断面図である。
図5】一実施形態による、図1A図1Cの1つまたは複数のデバイスを保管するように構成された保持カセットの分解図である。
図6】一実施形態による、角膜上皮の表面層を除去するための三枚刃のデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
角膜上皮(「上皮組織」)の表面層を除去するためのデバイス、およびデバイスを操作するための方法が本明細書に開示される。制御刃と実質的に平行に配置された少なくとも1つの切断刃から形成された頭部は、角膜上皮を制御可能に剥離または擦り取るために提供される。切断刃は装置の遠位先端を形成し、上皮組織を剥離するように構成されるのに対して、制御刃は切断刃の侵入を制限し、それによってより深い、上皮ではない組織層を損傷しないように剥離された組織の厚さを制御する。2つの刃は、あらゆる除去された上皮組織または流体を収集するチャネルを包囲する。頭部は、使用者または自動ロボットが角膜の上で刃を操作できるハンドルに結合されてもよい。
【0063】
次に一実施形態による、角膜上皮の表面層を除去するためのデバイスを示す、図1A図1Cを参照する。実質的に台形の側面を有する細長い頭部100が示されており、台形の上部を形成する長い遠位端は、台形の底部を形成する短い近位端に実質的に平行である。頭部100の説明を簡単にするために、3つの直行軸が図1Cに示されている。「垂直軸」と標された軸は頭部100の近位端から遠位端に走る。「縦軸」と標された軸は頭部100の前端から後端に走る。「横軸」と標された軸は頭部100の奥行または厚さを示し、垂直軸および縦軸の両方に垂直である。
【0064】
頭部100の前側は長い遠位端から短い近位端に先細であり、台形の前遠位角部に丸みを帯びた鋭角、および台形の前近位角部に鈍角を形成する。鋭角は25°〜75°の範囲であってもよい。一実施形態では、鋭角は40°、または45°、または50°である。台形の前遠位角部における丸みを帯びた角度は、前先端が台形の遠位先端の下にあり、頭部100の前面で丸みを帯びた突出頂部を形成するように、外方に隆起してもよい。一部の実施形態では、丸みを帯びた突出頂部は、頭部100の遠位面の前縁部から縦軸に沿って0.2ミリメートル(mm)、または0.15〜2.5mm、または0.1〜0.3mmだけ突出する。一部の実施形態では、頭部100の丸みを帯びた突出頂部の前先端と遠位先端との間の垂直軸に沿った距離は、0.2mm、または0.15〜2.5mm、または0.1〜0.3mmである。頭部100の後側は、頭部100の遠位端に実質的に垂直であり、台形の平行な上部および底部に実質的に垂直な後壁を形成する。台形の後遠位角部は縦軸および垂直軸によって画定された平面に沿って丸みを帯びてもよく、それにより頭部100の後面上に凸表面がもたらされる。
【0065】
一部の実施形態では、頭部100の幅または厚さは、2〜5ミリメートル(mm)、または2.5〜4.5mm、または2.7〜4mm、または2.8〜3.5mmの範囲、または約3mmである。一部の実施形態では、近位先端から遠位先端までの頭部100の高さは、4〜10mm、または5〜8mm、または6〜7mm、または6.2〜6.7mmの範囲である。
【0066】
細長い頭部100の遠位端は、少なくとも1つの細長い切断刃104とともに縦軸に沿って実質的に平行に位置付けられた細長い制御刃102によって形成される。一実施形態では、制御刃と切断刃との間の縦軸に沿った角度は、10°〜45°、または任意で15°〜30°の範囲であってもよい。制御刃102および切断刃104は、それぞれ頭部100の前側から後側に及び、実質的に三角形断面を有する細長い楔を備え、狭く細長い遠位に配置された基部は三角形の「頂部」に対応し、広く細長い近位に配置された縁部は三角形の「基部」に対応する。細長い制御刃102および切断刃104の縦軸に沿ったそれぞれの外壁は凸状であり、三角形の湾曲側部を形成する。制御刃102および切断刃104の前遠位角部は先細であってもよく、頭部100の台形面の丸みを帯びた前遠位角部を形成する。同様に制御刃102および切断刃104の後遠位角部は先細であってもよく、頭部100の台形面の丸みを帯びた後遠位角部を形成する。
【0067】
切断刃104の細長い縁部は制御刃102の細長い縁部を超えて遠位に延在し、上皮組織を切断する、剥離する、または擦り取るように構成された鋭い縁部であり、頭部100の遠位先端を形成する。一部の実施形態では、切断刃104の外縁は、約10°〜50°、または15°〜45°、または20°〜40°、または25°〜35°、または約30°の鋭角を形成する。切断刃104の細長い縁部は頭部100の丸みを帯びた前遠位角部の上に延在してもよく、頭部100の遠位先端および前先端を備える凸状の切断面を提供する。
【0068】
制御刃102の細長い縁部は切断刃104の細長い縁部の下に配置され、上皮組織を切断することなく角膜を圧迫するように構成され、切断刃104の鋭い縁部の侵入深さを制限する障壁を形成する。制御刃102の外縁は、0.05〜0.1mmの範囲の半径を有する丸みを帯びた角部、または1つもしくは複数の平帯を形成してもよい。制御刃102の細長い縁部は、頭部100の丸みを帯びた前遠位角部の上に延在してもよく、切断刃104の細長い縁部に連続した障壁を提供する。非限定的な一実施形態では、制御刃102の細長い縁部は、切断刃104の細長い縁部より0.05〜0.1mm、または0.1〜0.15mm、または0.15〜0.2mm、または0.2〜0.25mm、または0.25〜0.3mm、または0.3〜0.5mm、または0.05〜0.5mm低く配置される。制御刃102および切断刃104の細長い遠位縁部は、横軸に位置合わせされた実質的に均一な隙間(例えばその長さに沿って±15%変化してもよい)によって分離され、頭部100の前端から後端に走り、頭部100の前遠位の丸みを帯びた角部に下がり、頭部100の前端から後端に走る細長いチャネル106に遠位および前開口を形成する。隙間の幅は、0.1〜1.0mm、または0.8〜0.2mm、または0.7〜0.3mm、または0.6〜0.3mm、または0.5〜0.3mmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、隙間の幅は0.4mmである。
【0069】
制御刃102の遠位縁部102aは、制御刃102の遠位表面に沿って延在する鈍いストリップまたは帯を備えてもよい。帯の可能な幅は、0.05〜0.25mmの範囲であってもよい。帯は撓んでもよく、切断刃104の鋭い縁部に対して不均一な高低差を有し、それによって細長い制御刃102と切断刃104との間に不均一な高低差をもたらす。非限定的な一実施形態では、遠位縁部102aは制御刃102の細長い縁部の中央部で高く隆起することにより、制御刃102および切断刃104の中央部での高低差は小さくなり、制御刃102および切断刃104の周辺部での高低差は大きくなる。一部の実施形態では、制御刃の遠位縁部102aと切断刃104の遠位縁部との間の隆起部における高低差は、制御刃102および切断刃104の周辺部における高低差より10%、または20%、または30%、または40%、または50%小さい。帯は頭部100の近位基部に平行であってもよく、または制御刃102の外部凸表面に従って緩やかに傾斜してもよい。一部の実施形態では、傾斜は10°〜15°、または15°〜20°、または20°〜25°、または25°〜30°、または30°〜35°の範囲である。
【0070】
切断刃104の侵入深さは、角膜表面、制御刃102と切断刃104との間の隙間の幅、およびそれらのそれぞれの高低差に対する、頭部100の角度の配向の組み合わせによって画定されてもよい。したがって切断刃104の侵入深さは、角膜に対して制御刃102および切断刃104の角度を調節することによって制御されてもよく、この場合制御刃102および切断刃104の配向が角膜の接線に実質的に平行であることにより、切断刃104は比較的浅い深さに侵入して上皮組織の層を薄く除去でき、制御刃102および切断刃104の配向が角膜の接線に垂直であることにより、切断刃104は制御刃102と切断刃104との間の高低差に侵入して、侵入した深さに対応して上皮組織の層を厚く除去する。同様に制御刃102と切断刃104との間の不均一な高低差は、角膜から深い、または浅い層を剥離するために利用されてもよく、この場合制御刃102との差が小さい切断刃104の中心部で切断することにより、剥離される片は薄くなり、制御刃102との差が大きい切断刃104の周辺部で切断することにより、剥離される片は厚くなる。
【0071】
一部の実施形態では、台形の上部を形成する頭部100の遠位端の長さは、4〜10mm、または5〜9mm、または6〜8mmの範囲、または約7mmであってもよい。一部の実施形態では、頭部100の長さは5〜13mm、または6〜12mm、または7〜11mmの範囲または約10mmであり、外方に突出する丸みを帯びた前頂部を有する。一部の実施形態では、縦軸に沿って台形の直角側部を形成する頭部100の後側部の高さは、2〜8mm、または4〜6mmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、制御刃102は、切断刃104の侵入が角膜上皮の厚さを50〜70ミクロン(μm)の範囲を超えることを防ぐ。一部の実施形態では、制御刃102と切断刃104との高低差の軸は、制御刃102と切断刃104との間の隙間の軸に実質的に垂直であり、それぞれの斜辺は、隙間の軸または高低差の軸に対して20°、または25°、または30°、または35°、または40°、または45°、または50°、または55°、または60°、または65°の角度である。
【0072】
加えてまたは別法として、制御刃104は角膜の表面を若干平らにするために角膜上を圧迫するように操作されてもよく、切断刃102が上皮組織を均一な厚さで剥離できる。切断刃104と制御刃102との間の隙間は平らにされた角膜の一部を包囲してもよく、その中に包囲された柔軟な角膜組織が自然に凸形状に跳ね返るのを防ぐように充分に小さくてもよい。
【0073】
制御刃102および切断刃104の細長い楔部の対面する内壁は、あらゆる剥離された上皮組織および/または他の放出されたもしくは分泌された残留物を収集するように構成された、チャネル106を包囲する。チャネル106は袋状断面を有してもよく、狭く細長い遠位開口は頭部100の前端から後端に及び、その間の隙間に対応する制御刃102および切断刃104の細長い遠位縁部によって形成され、広く細長い近位基部は制御刃102および切断刃104の楔部の凹形の内壁によって形成される。袋状形状により、切断された組織および/または放出された流体を角膜表面から近位に引き離すことができる。チャネル106は、チャネル106の内壁内に埋め込まれ、制御刃102および切断刃104の縁部に実質的に平行に頭部100の長さに亘って延在する、1つまたは複数の平行な細長い溝108を提供されてもよい。溝108はチャネル106の内壁の様々な高さに配置されてもよく、チャネル106の毛細管現象を高めるためにチャネル106の壁の表面積を増加させてもよい。一実施形態では、チャネル106は1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の溝108を提供されてもよい。
【0074】
一部の実施形態では、チャネル106の基部は、チャネル106の遠位開口を形成する隙間より300%、または400%、または500%、または600%、または700%、または800%、または900%、または1000%広い。一部の実施形態では、遠位開口から基部までのチャネル106の奥行または高さは、0.1〜0.8mm、または0.2〜0.7mm、または0.3〜0.6mm、または0.4〜0.5mmの範囲である。
【0075】
チャネル106は、涙液、水、切断治療中に角膜から放出され得る薬物流体などの流体および/またはあらゆる剥離された組織を吸収するのに適した、スポンジ状材料などの吸収性物質で少なくとも部分的に被覆されてもよい。吸収性物質は、切断治療中に角膜表面から流体排出の割合を増加させてもよく、角膜表面を比較的乾燥させることができ、切断治療中に角膜の切断刃104の制御されない摺動の機会を低減し得る。一実施形態では、吸収性物質は細長い吸収チャネルとして溝108内に配置される。加えてまたは別法として、チャネル106の細長い基部は、完全にまたは部分的に吸収性物質で被覆されてもよく、あらゆる切断された組織および/または放出された流体用吸収性ポケットを提供する。
【0076】
図1Aは頭部100の実質的に平らな後端を示す。チャネル106の後開口は上述されたように袋状形状を有し、狭い遠位開口は制御刃102および切断刃104の遠位縁部によって画定され、広い基部は制御刃102および切断刃104の近位楔の凸状内壁によって画定される。頭部100の後端は、チャネル106に対して近位に位置付けられたウィンドウ110を具備して配置されてもよい。ウィンドウ110は、直線側部および丸みを帯びた角部を有する正方形または長方形形状であってもよい。
【0077】
図1Bを参照すると、外側に向かって凸状の前壁、ならびに制御刃102および切断刃104の丸みを帯びた前遠位角部によって形成された、頭部100の先細の前端112が示されている。切断刃104の前遠位の丸みを帯びた角部の一部は空洞にされてもよく、チャネル106の前側部開口を備える狭い溝を形成する。チャネル106の狭い前開口は、その中に収集されたあらゆる剥離された上皮組織が頭部100の前端から落ちることを防ぎ得、それに応じて使用者が切断治療を実行中に頭部100を操作できる。同様に頭部100の丸みを帯びた先細の前遠位角部により、使用者は角膜表面上に制御刃102および切断刃104を正確に位置付けるために、切断処置中に角膜の上で頭部100を操作できる。
【0078】
次に、ハンドルと係合するように構成された凹部114を有する頭部100の底部近位面を示す図1Cを参照し、図1Cについて以下により詳しく説明する。凹部114はハンドルと係合するために適したあらゆる形状を有してもよい。一実施形態では、凹部114は頭部100の近位面上に十字形状を形成し、十字の長い長方形部はその長さに沿って縦方向に配置され、頭部100の近位面によって包囲され、十字の短い長方形部は水平に配置され、頭部100の近位面を2つの隙間114aを形成する2つの部分に分割する。隙間114aは、頭部100のそれぞれの台形面上に2つの空洞にされた唇部114bを形成するために、頭部100の両側に延在してもよい。唇部114bをもつ隙間114aは、横軸に沿って頭部100を貫通してもよく、空洞にされたウィンドウを形成する。頭部100に追加の凹部を備えてよく、例えば凹部116は頭部100の近位後角部で頭部100の両側に配置され、凹部118は頭部100の近位前角部で頭部100の両側に配置される。凹部116は平行四辺形形状を有してもよく、頭部100の平面上に位置付けられてもよいのに対し、凹部118は台形形状であってもよく、頭部100の曲線で先細の前面上に位置付けられてもよく、頭部100の外表面を中心にその先細の前縁部に向かって巻かれる。凹部116および/または118は頭部100を通って横軸に沿って貫通してもよく、1つまたは複数の空洞にされたウィンドウを形成する。
【0079】
制御刃102および切断刃104は生体適合性ポリマーまたは金属から構成されてもよく、チャンバ106内にあらゆる放出された流体をよりよく収集するために、親水性材料で被覆されてもよい。金属刃は、角膜の炎症および/または深堀効果を低減するために高度の表面仕上げで製造されてもよい。
【0080】
頭部100は、限定された数の治療、例えば1つ、2つ、またはそれ以上の治療に使用され、その後処分されるように構成されてもよい。別法として、頭部100は殺菌に適していてもよく、何回使用されてもよい。
【0081】
一実施形態では、頭部100は3つの遠位に配置された刃、すなわち中心切断刃104の両側に位置付けられた2つの制御刃102を有する。刃は上述の刃と実質的に同様であってもよく、顕著な違いは切断刃104が二枚刃であり、上皮の双方向の剥離を制御できることである。制御刃102は上述と同じ特徴を有する中心切断刃104を中心に対称に配置されてもよく、中心切断刃104を中心に対称に位置付けられる。別法として、制御刃102は中心切断刃104に対して異なる隙間および異なる高さを有してもよく、剥離される組織の厚さを大きく変化させて制御できる。
【0082】
任意で、三枚刃の頭部の接触面積は二枚刃の頭部の接触面積より小さい。刃の数および互いに対するそれぞれの刃の配置は、角膜との所望の接触面積を獲得するために選択されてもよい。
【0083】
次に図2Eに示された薄片に対応する頭部100の複数の断面図を示す、図2A図2Iを参照する。図2A図2Dはチャネル106の狭い前開口を示し、図2F図2Iはチャネル106の広い袋形状の後開口を示す。制御刃102と切断刃104との高低差ならびに隙間が明確に示されている。図2F図2Iはチャネル106の内壁に沿って様々な高さで配置された溝108を示す。
【0084】
図2B図2Dは凹部114の複数の断面図を示す。特に図2Dは頭部100に結合されたハンドルと係合して示されている。
【0085】
次に一実施形態による、使用者が角膜の上で頭部100を操作できる、ハンドル200に結合された頭部100とともに示す、図3A図3Cを参照する。図3Aは頭部100から係脱されたハンドル200を示し、図3Bは頭部100と係合されたハンドル200を示し、図3Cは頭部100と係合されたハンドル200の拡大部204を示す。ハンドル200はその遠位端に向かって先細であってもよく、ハンドル200の先細部より広い、2つの平らなディスク状頂部202を備えるクリップ状端部を具備して配置されてもよい。頂部202を使用して、頂部202の平坦側部を頭部100と縦方向に配向させて、頂部202を凹部114の十字形状の長い長方形部の中に挿入することにより、ハンドル200を頭部100に結合させてもよい。ハンドル200を90°回転させて、頂部202の平坦側部を凹部114の十字形状の短い長方形部に配向させて、頂部202を位置合わせしてもよい。頂部202は分離されてもよく、また長い長方形部のいずれかの端部に係止することにより頭部100と結合してもよい。別法として、頭部100とハンドル200は一体に形成される。任意で凹部116および118を使用して、ハンドル200を頭部100に係合する、かつ/または頭部100から解放してもよい。
【0086】
別法として、頭部100はあらゆる他の適切な手段を使用して、例えばネジ連結、取付具、継手および/またはあらゆる他の型の結合具を介して、ハンドル200と係合してもよい。頭部100とハンドル200との結合具は、頭部100の動きがハンドル200の使用者の操作のみによって作動するように、ハンドル200に対して頭部100の配向を固定してもよい。ハンドル200は頭部100上へ使用者の動きを伝達できるように堅固であってもよい。別法として、頭部100はハンドル200を中心に少なくとも部分的に回転可能であってもよい。
【0087】
任意で、ハンドル200は再利用可能または使い捨て可能であってもよく、殺菌に適していてもよい。
【0088】
次にハンドル200を頭部100と係合かつ/または頭部100から解放するように構成された、凹部114、116、および118の詳しい図を有する頭部100の3つの断面図を示す、図4A図4Cを参照する。凹部118は1つまたは複数のラチェット型特徴120を含んでもよく、これは別法としてハンドル200を頭部100と係止し、頭部100から解放してもよい。
【0089】
次に一実施形態による、1つまたは複数の頭部100を保管するように構成された、保持カセット300の分解図を示す、図5を参照する。カセット300は上部カバー302、回転可能なカートリッジ304、および底部カバー306を備える。上部カバー302および底部カバー306はカートリッジ304を包囲してもよく、カートリッジ304を露出する隙間を残すことにより、使用者はカートリッジ304を回転させ、ハンドル200を頭部100に結合させることができる。カートリッジ304はその中に包囲された複数の構成要素308を含んでもよく、それぞれは外方に面した凹部118に配向された頭部100の1つを保管するように構成される。カートリッジ304は、使用者が容易に把持できる鋸刃状縁部310を介して回転可能であってもよい。回転カートリッジ304は隙間内の頭部100を露出するために構成要素308の1つを開口310の1つに位置合わせしてもよく、頭部100をハンドル200に結合できる一方で、制御刃102および切断刃104の縁部は接触しない状態にする。
【0090】
カセット300はその中に保管された頭部100を保護してもよく、例えば制御刃102および切断刃104のいかなる遠位縁部とも接触することなく、あらゆる近位に配置されたウィンドウ110、および/または凹部116および118と係合することにより、頭部100をカセット内部に固定するように構成された1つもしくは複数のクリップまたは突起を提供されてもよい。別法として、クリップは圧力またはあらゆる他の適切な技法を使用して頭部100を固定してもよい。
【0091】
カセット300内に収容された複数の頭部100および1つまたは複数のハンドル200が使用者にキットとして提供されてもよく、使用者は必要に応じて頭部100をハンドル200に係合できる。
【0092】
カセット300は複数の頭部100を保管してもよく、それぞれは様々な角膜の大きさ、形状、および/または状況に対応して異なる大きさ、隙間、刃の高低差を有し、使用者は必要に応じて適正な大きさの頭部100を適用することができる。キットは、異なる大きさの複数の頭部100を保管する複数のカートリッジを含んでもよい。同様に、キットは異なる長さを有する複数の異なるハンドル200を含んでもよい。
【0093】
以下は一実施形態による角膜上皮を修正するための方法である。
【0094】
任意で方法は、近視、遠視、乱視、円錐角膜などの障害を治療するための屈折性眼科手術の前に実行されてもよい。屈折性眼科手術は、例えば角膜の屈折を、例えばレーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)(Photorefractive Keratectomy)、治療的角膜切除術(PTK)(Photo Therapeutic Keratectomy)、レーザー照射による角膜上皮下の切除術(LASEK)(Laser Assisted Sub Epithelium Keratomileusis)、エピレーシック(EPI−SASEK)、アドバンスト・サーフェス・アブレーション(ASA)(Advanced Surface Ablation)技法などの表面切除方法を使用して再形成するための治療を含んでもよい。
【0095】
任意で、方法は角膜表面上に2つ、3つ、または以上の数の刃などの複数の刃を位置付けることを含んでもよい。任意で、刃は上述されたようなデバイスの頭部上に構成される。任意で、頭部は使用者が手動で操作するハンドルに結合される。
【0096】
任意で、方法は上皮を修正することを含む。任意で、修正することは上皮を剥離すること/除去することを含む。任意で、修正することは上皮の厚さを低減することを含む。任意で、除去される層の厚さは角膜表面部分によって異なり、例えば厚い層は角膜の中央から除去され、薄い層は周辺から除去される。別法として、除去された層の厚さは一定であり、角膜表面の様々な治療した部分に対してさえも実質的に一様である。任意で、修正することは上皮を再形成することを含む。任意で、修正することは上皮の下のボーマン層に影響を与えない。別法として、修正することはボーマン層の少なくとも一部を除去することを含む。一部の実施形態では、修正することは支質に損傷をもたらさない。
【0097】
任意で、修正は上皮組織を収集することによって得られる。一部の実施形態では、修正は上皮組織を剥離することによって得られる。任意で、上皮組織を剥離することは刃が角膜表面を横断することによって実行される。任意で、移動することはストローク式移動、衝動移動、1方向移動、2方向移動を含む。一部の実施形態では、刃は角膜表面を横切って摺動される。
【0098】
一部の実施形態では、刃はそれらが動く間に上皮組織の傾斜、例えば角膜の中心と角膜の円周との間の傾斜を形成するように構成される。任意で、傾斜角度は10〜30°の範囲、例えば12°、18°、25°、またはその中間もしくは前後の角度である。角膜表面を横切る刃の動きにより傾斜を生成する潜在的利点には、細胞成長を誘発することを含むことができ、これにより例えば屈折治療の後の組織の治癒率を速め得る。傾斜の効果には、傾斜の底部、例えば角膜の中心で細胞のより速やかな再成長を含むことができ、これは治癒を促進できる。
【0099】
任意で、除去された上皮組織および/または流体は収集され、例えば刃の間のチャネルに排出される。
【0100】
任意で、角膜表面は乾燥される。一部の実施形態では、乾燥は、デバイスが角膜を横断する間に、例えば本明細書にさらに説明されるような、例えば1つまたは複数の吸収要素を例えば使用することにより、流体を収集することによって実行される。任意で、乾燥は、刃の間に画定されたチャネルの毛細管現象を利用して流体を排出することによって得られる。
【0101】
任意で、上皮組織の除去および/または他の修正後、かつ/または角膜が一旦乾燥すると(例えば角膜の自然状態に対して)、屈折矯正手術が実行される。
【0102】
図6は、本発明の一部の実施形態による3つの刃を備えるまたは3つの刃からなる、角膜上皮を修正するためのデバイスの例示的頭部の正面図である。
【0103】
一部の実施形態では、頭部401は、頭部401の遠位端に配置された、本明細書に示された刃405、407、409などの複数の刃を備える。一部の実施形態では、刃407は接触面423などの遠位接触面または縁部を備える。一部の実施形態では、2つのチャネルは隣接した刃の基部の壁の間に画定され、第1のチャネル411は刃409と407の基部の間に画定され、第2のチャネル413は刃405と407の基部の間に画定される。
【0104】
一部の実施形態では、チャネル411および413は近位方向に延在し、例えば頭部401の高さ415の8分の1〜2分の1に延在し、その高さは頭部の近位端と遠位端との間で測定される。
【0105】
一部の実施形態では、刃405、407、409は互いに対して異なる高さ(例えば刃の間に形成されたチャネルの近位端から角膜を係合する各刃の接触面まで測定される高さ)で形成される。任意で、刃の間の高低差は角膜表面に対する刃の貫通深さを決定する。一部の実施形態では、刃は、第1および/または第2の刃が角膜の表面に対する第3の刃の貫通深さを限定するように構成される。例えばこの図に示されたように、2つの最外刃405および409は、それぞれが両刃である中間刃407のための位置付け(「制御」とも言う)刃として働く。一部の実施形態では、位置付け刃は中央刃407の高さ419より短い、例えば10%、20%、30%、40%、またはその中間もしくは前後のパーセンテージほど短い、高さ417で形成される。任意で、中央刃407の高さ419は例えば2〜3mmの範囲内、例えば2mm、2.2mm、2.7mm、またはその中間もしくは前後の高さであり、位置付け刃405の高さ417は高さ419より例えば0.15〜0.2mmだけ短い。一部の実施形態では、刃の高低差は角膜の湾曲表面に対して刃の固定された位置付けを維持する。別の刃の侵入深さを限定するように構成された1つまたは複数の刃の潜在的利点には、刃が組織のより深い層、例えば上皮の下部にある層を損傷することを防ぐことを含むことができる。固定された位置付けは、追加の安全性を、例えば使用者が角膜の上でデバイスを操作時に過度の圧力を加えることによって引き起こされ得る、より深い組織層への損傷を低減させることによって提供できる。刃の配置の潜在的利点には、使用者が上皮の流体層内で刃の深さに加えた力の影響を低減することを含むことができる。位置付け刃405および/または位置付け刃409は、刃407を角膜表面上で安定させるように作用する。任意で、刃405は剥離が第1の方向に実行されると刃407を安定させるように作用し、刃407は剥離が反対方向に実行されると刃407を安定させるように作用する。潜在的に角膜を横切るデバイスの制御されない動きでさえも、より深い組織層を実質的に損傷することはなく、剥離中に角膜組織を引き裂く危険性を低減できる。
【0106】
一部の実施形態では、刃405などの位置付け刃は角膜に対する中央刃407の入射角αを画定する。入射角αは、例えば刃407の接触面423の縁部(縁部は図に示された接触面423の左右の角部である)の1つによって形成された点または線を通過する水平軸に対して画定される。任意で入射角αの開口は、水平軸に対して刃305の接触面の位置付けによって設定される。任意で入射角αは例えば38〜55°の範囲内、例えば40°、47°、52°またはその中間もしくは前後の角度である。
【0107】
一部の実施形態では、刃405および409は同一であり、対称の頭部を形成する。別法として、刃405は刃409と高さ、および/または接触面もしくは縁部の大きさ、および/または中央刃407の接触面から各刃の接触面までの距離が異なる。任意で非対称の構成の頭部は、一方向で他の方向と異なる手法で治療を提供し、例えば頭部を第1の方向に動かすときは組織の厚い層を剥離し、頭部を第2の方向に動かすときは薄い層を剥離する。任意で刃の配置およびそれぞれの刃の高さ、接触表面、刃の間の距離、および/または他のパラメータは、角膜表面のトポグラフィに応じて選択される。
【0108】
一部の実施形態では、デバイスは上皮組織を剥離するために角膜を横断する。任意で動きは角膜の屈曲に接した面上で、例えば頭部401の高さ415に実質的に横向きの1または2方向(左および/または右方向)に実行される。この図に示された例示的頭部に対して、右への動きにより、刃407の接触面423の右縁部が上皮組織を剥離し、上皮組織をチャネル413内に収集する一方で、左への動きにより、左縁部が上皮組織を剥離し、上皮組織をチャネル411内に収集する。右への動きは刃407および角膜に対する刃405の位置付けによって画定される一方で、左への動きは刃407および角膜に対する刃409の位置付けによって画定される。任意で剥離された組織は、デバイスが角膜表面を横切って前進する際に刃407の側壁上に収集され、任意で排出チャネル411および413内に堆積される。
【0109】
一部の実施形態では、チャネル411および313を画定する刃の壁は、1つまたは複数の切込み(この図には示されていない)を備える。切込みはチャネルを画定する壁の総表面積を増加する働きをし、チャネルの毛細管力を増加してもよく、それによって流体および/または除去された組織がチャネルに付着し、近位方向に吸い込まれて角膜表面から離れる。一部の実施形態では、チャネルは円錐形であり、近位方向に広がった開口を備える。円錐形状の潜在的利点には、流体および/または組織がチャネル壁に付着し、角膜とチャネルとの間の接触領域で、開口の直径が比較的小さいチャネルの中に引きずり込まれることが含まれ得る。毛細管現象は、チャネルが近位方向に広がるにつれて低減することがある。
【0110】
一部の実施形態では、刃405、407、および/または409は生体適合性ポリマーから構成される。別法として、一部の実施形態では、刃は金属から構成される。任意で金属刃は、角膜の炎症および/または深堀効果を低減するために高度の表面仕上げで製造される。一部の実施形態では、刃を構成する材料または刃を被覆する材料は、流体の収集効果を増加するために親水性である。
【0111】
用語「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「having(有する)」、およびそれらの変形は、「これに限定されないが含む」ことを意味する。
【0112】
用語「consisting of(からなる)」は、「including and limited to(を含み、かつこれに限定される)」ことを意味する。
【0113】
用語「consisting essentially of(から基本的になる)」は、組成物、方法、または構造が追加の成分、ステップ、および/または部分を含んでもよいが、追加の成分、ステップ、および/または部分が主張された組成物、方法、または構造の基本的かつ新規の特徴を著しく変えない場合に限ることを意味する。
【0114】
本明細書に使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないと指定しない限り複数の参照を含む。例えば用語「1つの化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物を、それら化合物の混合物も含めて含んでもよい。
【0115】
本明細書全体を通して、本発明の様々な実施形態は範囲の形で表されていることがある。範囲の形での説明は便宜上また簡潔であるために過ぎず、本発明の範囲の確固たる限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって範囲の説明は、具体的に開示されたすべての可能な部分的範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば1〜6の範囲の説明は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの具体的に開示された部分的範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば1、2、3、4、5、および6を有するとみなされるべきである。これは範囲の幅に関わらず適合する。
【0116】
数の範囲が本明細書に示されるときは、必ず示された範囲内のあらゆる引用された数(分数または整数)を含むことを意味する。語句第1の指示数と第2の指示数との間の「ranging(範囲)/ranges between(の間の範囲)」、および第1の指示数「から」第2の指示数「まで」の「ranging(範囲)/ranges between(の間の範囲)」は、本明細書で交換可能に使用され、第1の指示数および第2の指示数、ならびにその間のすべての分数および整数を含むことを意味する。
【0117】
本明細書で使用される場合、用語「方法」はこれに限定されないが、化学分野、薬理学分野、生物学分野、生化学分野、および医学分野の技術者に公知であるか、または公知の方式、手段、技法、および手順から容易に開発される、それらの方式、手段、技法、および手順を含む、所与の課題を達成するための方式、手段、技法、および手順を指す。
【0118】
本明細書で使用される場合、用語「治療すること」は、状態の進行を無効にすること、実質的に抑制すること、減速することもしくは逆転すること、状態の臨床症状もしくは美的症状を実質的に改善すること、または状態の臨床症状もしくは美的症状の外観を実質的に防止することを含む。
【0119】
わかりやすいように、個別の実施形態の状況で説明された本発明のある種の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況で説明された本発明の様々な特徴は、個別にもしくはあらゆる適切な副結合内に、または本発明のあらゆる他の説明された実施形態に適するように提供されてもよい。様々な実施形態の状況で説明されたある種の特徴は、実施形態がそれらの要素なしに動作不能でない限り、それらの実施形態の基本的な特徴であるとみなされるべきではない。本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図ならびに/またはブロック図を参照して本明細書に説明されている。フローチャート図および/またはブロック図のそれぞれのブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組合せを、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることが理解されよう。
【0120】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および作動を示す。これについて、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実行するための1つもしくは複数の実行可能な命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表してもよい。一部の代替的実装形態では、ブロック内に記された機能は、図内に記された順番以外で生じてもよい。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが、関与した機能に依存して、場合によって逆の順番で実行されてもよい。またブロック図および/またはフローチャート図のそれぞれのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組合せを、指定された機能もしくは作用、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実行することができることにも留意されよう。
【0121】
本発明の様々な実施形態の説明を例示目的で提示したが、開示された実施形態に網羅される、または限定されることを意図するものではない。多くの修正形態および変形形態が、記載された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかになろう。本明細書に用いられた用語は、実施形態の原理、その実際の適用、もしくは市場で見出される技術を超える技法の改良を最良に説明するため、または本明細書に開示された実施形態を理解するために当業者が理解できるために選択された。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6