(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップは、前記感熱性量子ドット材料層が形成されているキャリア基板を、前記感熱性量子ドット材料層が前記量子ドット受容層に向くように、前記量子ドット受容層に位置合わせして載せることを含む、
請求項1に記載の方法。
前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップは、前記感熱性量子ドット材料層が形成されている熱伝導性マスク板を、前記感熱性量子ドット材料層が前記量子ドット受容層に向くように、前記量子ドット受容層に位置合わせして載せることを含む、
請求項1に記載の方法。
前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、加熱する前に、熱伝導性マスク板を前記感熱性量子ドット材料層に位置合わせして載せてから、前記熱伝導性マスク板を加熱することを含む、
請求項1、2、7、8のいずれか1項に記載の方法。
前記感熱性量子ドット材料層における前記有機配位子は1、3−ブタジエン基を含み、前記量子ドット受容層はアルケニル基を含む、又は、前記感熱性量子ドット材料層における前記有機配位子はアルケニル基を含み、前記量子ドット受容層は1、3−ブタジエン基を含む、
請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
前記方法は、2種類以上の感熱性量子ドット材料を対応するサブピクセル領域に形成するために利用され、前記方法において、前記量子ドット受容層の形成ステップの後に、前記2種類以上の感熱性量子ドット材料毎に対してそれぞれ前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップと前記感熱性量子ドット材料の転移ステップを実行する、
請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
前記キャリア基板に形成された前記感熱性量子ドット材料層は、2種類以上の感熱性量子ドット材料層の積層であり、前記積層における最も前記キャリア基板から離れている層である第1層は相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、前記積層における最も前記キャリア基板と近接している層は相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層であり、
前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、
第1温度で前記積層の前記所定領域を加熱することによって、前記所定領域において前記積層のうち前記第1層と隣接する第2層が暴露されるように、前記所定領域の積層における前記第1層を前記量子ドット受容層の第1サブピクセル領域に転移することと、
前記所定領域の積層において暴露されている前記第2層を第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、前記キャリア基板を1つのサブピクセル領域の分だけ移動し、第1温度より高い第2温度で前記所定領域を加熱することによって、前記第2層を前記量子ドット受容層の第2サブピクセル領域に転移することと、を含み、
前記方法で、次第に上昇する温度を使用して前記所定領域の積層における各層の感熱性量子ドット材料を前記量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移する、
請求項3又は4に記載の方法。
前記熱伝導性マスク板に形成された前記感熱性量子ドット材料層は、2種類以上の感熱性量子ドット材料層の積層であり、前記積層における最も前記熱伝導性マスク板から離れている層である第1層は相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、前記積層における最も前記熱伝導性マスク板と近接している層は相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層であり、
前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、
第1温度で前記積層の前記所定領域を加熱することによって、前記所定領域において前記積層のうち前記第1層と隣接する第2層が暴露されるように、前記所定領域の積層における前記第1層を前記量子ドット受容層の第1サブピクセル領域に転移することと、
前記所定領域の積層において暴露されている前記第2層を第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、前記熱伝導性マスク板を1つのサブピクセル領域の分だけ移動し、第1温度より高い第2温度で前記所定領域を加熱することによって、前記第2層を前記量子ドット受容層の第2サブピクセル領域に転移することと、を含み、
前記方法で、次第に上昇する温度を使用して前記所定領域の積層における各層の感熱性量子ドット材料を前記量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移する、
請求項5又は6に記載の方法。
前記2種類以上の感熱性量子ドット材料層は、RGBピクセルレイアウト又はRGBWピクセルレイアウトにおける異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層である、
請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
前記2種類以上の感熱性量子ドット材料層は、RGB又はRGBWピクセルレイアウトにおけるサブピクセル面積が不等な異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層である、
請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、量子ドット発光ダイオード(QD−LED)サブピクセルアレイを製造する方法、当該方法を利用して製造した量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイ、及び当該サブピクセルアレイを備える表示装置を提供する。本発明の実施例は、現在溶液プリント方法を採用してQD−LEDサブピクセルを製造するプロセスでの困難を避けているとともに、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオード(AM−QD−LED)の製造難易度を大幅に低減させることによって、AM−QD−LED技術のコストをAMOLED技術のコストより大幅に低減させ、既存のLCD製品との価格競争を可能にしている。
【0006】
本発明の実施例の第1態様による方法は、量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法であって、
基板上に量子ドット受容層を形成する量子ドット受容層の形成ステップと、
前記量子ドット受容層に、感熱性の有機配位子を含む感熱性量子ドット材料層を適用する感熱性量子ドット材料層の適用ステップと、
加熱により前記感熱性量子ドット材料層の所定領域の感熱性量子ドット材料の前記有機配位子に化学反応を発生させることで、前記所定領域の前記感熱性量子ドット材料を前記量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移する感熱性量子ドット材料の転移ステップと、を含む。
【0007】
本発明の例示的な実施例によれば、前記方法は、さらに、前記感熱性量子ドット材料の転移ステップの後に、前記感熱性量子ドット材料層において反応が発生していない残りの感熱性量子ドット材料を除去してもよい。
【0008】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップは、前記感熱性量子ドット材料層が形成されているキャリア基板を、前記感熱性量子ドット材料層が前記量子ドット受容層に向くように、前記量子ドット受容層に位置合わせして載せることを含んでもよい。
【0009】
本発明の例示的な実施例によれば、前記方法は、さらに、前記感熱性量子ドット材料の転移ステップの後に、前記キャリア基板を取り除いてもよい。
【0010】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップは、前記感熱性量子ドット材料層が形成されている熱伝導性マスク板を、前記感熱性量子ドット材料層が前記量子ドット受容層に向くように、前記量子ドット受容層に位置合わせして載せることを含んでもよい。
【0011】
本発明の例示的な実施例によれば、前記方法は、さらに、前記感熱性量子ドット材料の転移ステップの後に、前記熱伝導性マスク板を取り除いてもよい。
【0012】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップは、前記量子ドット受容層に前記感熱性量子ドット材料層を塗布することを含んでもよい。
【0013】
本発明の例示的な実施例によれば、前記方法は、さらに、前記感熱性量子ドット材料の転移ステップの後に、前記感熱性量子ドット材料層において反応が発生していない残りの感熱性量子ドット材料を洗浄プロセスで洗浄してもよい。
【0014】
本発明の例示的な実施例によれば、前記加熱は、レーザ加熱、赤外線光源加熱、加熱炉による加熱のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0015】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、加熱する前に、熱伝導性マスク板を前記感熱性量子ドット材料層に位置合わせして載せてから、前記熱伝導性マスク板を加熱することを含んでもよい。
【0016】
本発明の例示的な実施例によれば、前記加熱は、感熱性量子ドット材料に対するレーザによる定期的なスキャンを含んでもよい。
【0017】
本発明の例示的な実施例によれば、前記加熱は、前記基板全体に対する加熱と、前記感熱性量子ドット材料に対するレーザによる定期的なスキャンとを含んでもよい。
【0018】
本発明の例示的な実施例によれば、前記加熱は、さらに、前記基板全体に対する加熱を含んでもよい。
【0019】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層と前記基板との間に位置するホール輸送層又は電子輸送層は、前記量子ドット受容層として用いられてもよい。
【0020】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層における前記有機配位子は、熱により容易に分解してアミン基、水酸基、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成する基を含んでもよい。
【0021】
本発明の例示的な実施例によれば、前記量子ドット受容層は、アミン基、ピリジン基、カルボキシル基又は水酸基を有するポリマー層であってもよい。
【0022】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層における前記有機配位子は1、3−ブタジエン基を含み、前記量子ドット受容層はアルケニル基を含む、又は、前記感熱性量子ドット材料層における前記有機配位子はアルケニル基を含み、前記量子ドット受容層は1、3−ブタジエン基を含んでもよい。
【0023】
本発明の例示的な実施例によれば、前記熱伝導性マスク板は、油溶性材料からなってもよい。
【0024】
本発明の例示的な実施例によれば、前記感熱性量子ドット材料層の前記キャリア基板は、油溶性材料からなってもよい。
【0025】
本発明の例示的な実施例によれば、前記方法は、2種類以上の感熱性量子ドット材料を対応するサブピクセル領域に形成するために利用され、前記方法において、前記量子ドット受容層の形成ステップの後に、前記2種類以上の感熱性量子ドット材料毎に対してそれぞれ前記感熱性量子ドット材料層の適用ステップと前記感熱性量子ドット材料の転移ステップを実行してもよい。
【0026】
本発明の例示的な実施例によれば、前記キャリア基板に形成された前記感熱性量子ドット材料層は、2種類以上の感熱性量子ドット材料層の積層であり、前記積層における最も前記キャリア基板から離れている層である第1層は相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、前記積層における最も前記キャリア基板と近接している層は相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層であり、
前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、
第1温度で前記積層の前記所定領域を加熱することによって、前記所定領域において前記積層のうち前記第1層と隣接している第2層が暴露されるように、前記所定領域の積層における前記第1層を前記量子ドット受容層の第1サブピクセル領域に転移することと、
前記所定領域の積層において暴露されている前記第2層を第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、前記キャリア基板を1つのサブピクセル領域の分だけ移動し、第1温度より高い第2温度で前記所定領域を加熱することによって、前記第2層を前記量子ドット受容層の第2サブピクセル領域に転移することと、を含み、
前記手法で、次第に上昇する温度を使用して前記所定領域の積層における各層の感熱性量子ドット材料を前記量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移してもよい。
【0027】
本発明の例示的な実施例によれば、前記熱伝導性マスク板に形成された前記感熱性量子ドット材料層は、2種類以上の感熱性量子ドット材料層の積層であり、前記積層における最も前記熱伝導性マスク板から離れている層である第1層は相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、前記積層における最も前記熱伝導性マスク板と近接している層は相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層であり、
前記感熱性量子ドット材料の転移ステップは、
第1温度で前記積層の前記所定領域を加熱することによって、前記所定領域において前記積層のうち前記第1層と隣接する第2層が暴露されるように、前記所定領域の積層における前記第1層を前記量子ドット受容層の第1サブピクセル領域に転移することと、
前記所定領域の積層において暴露されている前記第2層を第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、前記熱伝導性マスク板を1つのサブピクセル領域の分だけ移動し、第1温度より高い第2温度で前記所定領域を加熱することによって、前記第2層を前記量子ドット受容層の第2サブピクセル領域に転移することと、を含み、
前記手法で、次第に上昇する温度を使用して前記所定領域の積層における各層の感熱性量子ドット材料を前記量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移してもよい。
【0028】
本発明の例示的な実施例によれば、前記2種類以上の感熱性量子ドット材料層は、RGBピクセルレイアウト又はRGBWピクセルレイアウトにおける異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層であってもよい。
【0029】
本発明の例示的な実施例によれば、前記2種類以上の感熱性量子ドット材料層は、RGB又はRGBWピクセルレイアウトにおけるサブピクセル面積が不等な異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層であってもよい。
【0030】
本発明の例示的な実施例によれば、前記量子ドット発光ダイオードのサブピクセル領域の少なくとも1つ又は全ては感熱性量子ドット材料で形成され、残りのサブピクセル領域は有機発光材料で形成されてもよい。
【0031】
本発明の実施例の第2態様によれば、上記の方法のうちの1つによって製造した量子ドット発光ダイオードのサブピクセルアレイを提供する。
【0032】
本発明の実施例の第3態様によれば、上記の量子ドット発光ダイオードのサブピクセルアレイを備える表示装置を提供する。
【0033】
本発明の実施例は、感熱性の量子ドット材料を利用して、加熱プロセスで量子ドット受容層に例えば赤、緑、青などのサブピクセルを形成し、有機発光ダイオード(OLED)のような解像度を向上させる点での技術的ハードル、例えば、OLED蒸着マスク板のマスクプロセス線幅をさらに減少させる必要があるというニーズや、より高精度のプリンターノズルを必要とすることなどを避けている。本発明の実施例は、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオード(AM−QD−LED)の製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができ、大規模のAM−QD−LEDの産業化のために道を開いている。
【0034】
以下、本発明の実施例の態様をより明確に説明するために、実施例の図面に対して簡単に紹介する。以下で説明している図面は本発明の一部の実施例に係るものであり、本発明を制限するものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】本発明の実施例による感熱性量子ドット材料の有機配位子が熱によって量子ドット受容層へ転移することを断面図で例示する原理図である。
【
図1B】本発明の実施例による感熱性量子ドット材料の有機配位子が熱によって量子ドット受容層へ転移することを断面図で例示する原理図である。
【
図1C】本発明の実施例による感熱性量子ドット材料の有機配位子が熱によって量子ドット受容層へ転移することを断面図で例示する原理図である。
【
図2A】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2B】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2C】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2D】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2E】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2F】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2G】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2H】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2I】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2J】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図2K】本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3A】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3B】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3C】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3D】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3E】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3F】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3G】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図3H】本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4A】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4B】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4C】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4D】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4E】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4F】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4G】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図4H】本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5A】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5B】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5C】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5D】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5E】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5F】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図5G】本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6A】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6B】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6C】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6D】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6E】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【
図6F】本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施例の目的、態様及び利点をより明確にするように、本発明の実施例の図面と結合しながら、本発明の実施例の態様を明確で完全に説明する。説明している実施例が本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例の説明に基づいて、当業者の進歩的な労働を必要としない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護の範囲に属する。
【0037】
本発明の説明において、「上」、「下」、「頂」、「底」などの用語が示す方向又は位置関係は、図面で示している方向又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明することと説明の簡略化を図るものであるだけで、示している装置又は素子が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構造と操作されることを示す又は暗示するものではないため、本発明に対する制限ではないこと、について説明しておく必要がある。
【0038】
なお、本発明の説明において、「複数」とは、別途説明がない限り2つ又は2つ以上を意味する。
【0039】
本発明の実施例の第1態様によれば、量子ドット発光ダイオード(QD−LED)サブピクセルアレイを製造する方法を提供する。
【0040】
具体的に、本発明の実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法は、
基板上に量子ドット受容層を形成する量子ドット受容層の形成ステップと、
量子ドット受容層に、感熱性の有機配位子を含む感熱性量子ドット材料層を適用する感熱性量子ドット材料層の適用ステップと、
加熱により感熱性量子ドット材料層の所定領域の感熱性量子ドット材料の有機配位子に化学反応を発生させることで、所定領域の感熱性量子ドット材料を量子ドット受容層の対応するサブピクセル領域に転移する感熱性量子ドット材料の転移ステップと、を含む。
【0041】
上記のように、本発明の実施例は、感熱性の量子ドット材料を利用して、加熱プロセスで量子ドット受容層に例えば赤、緑、青などのサブピクセルを形成する。
図1A−1Cは、本発明の実施例による感熱性量子ドット材料層の有機配位子が熱によって量子ドット受容層へ転移する原理図を示している。感熱性有機配位子を含む感熱性量子ドット材料層は量子ドット受容層106に適用される。一部の実施例において、感熱性量子ドット材料層はキャリア基板112に載置されてもよい(
図1A)。一部の実施例において、感熱性量子ドット材料層は熱伝導性マスク板114に載置されてもよい(
図1B)。しかし、感熱性量子ドット材料層のキャリア基板112又は熱伝導性マスク板114は必須ではない。一部の実施例において、感熱性量子ドット材料層は量子ドット受容層106に直接塗布されてもよい(
図1C)。感熱性量子ドット材料層は、熱を受ける前に、選択可能なキャリア基板112又は選択可能な熱伝導性マスク板114の材料と良い相溶性を有し、キャリア基板112又は熱伝導性マスク板114の表面に密着できるが、感熱性量子ドット材料層の所定領域の感熱性量子ドット材料が熱を受けると、当該領域の感熱性量子ドット材料の感熱性有機配位子に化学反応が発生し、キャリア基板112又は熱伝導性マスク板114と相溶しなくなることで、キャリア基板112又は熱伝導性マスク板114の表面から脱落される。そして、反応後の所定領域の感熱性量子ドット材料の有機配位子は、QD−LEDの背板(バックボード)に位置している量子ドット受容層の表面の官能基と例えば水素結合等のような弱い結合力の接続を形成することができて、QD−LEDの背板に位置している量子ドット受容層に転移する。このように、熱の作用によって、所定領域の感熱性量子ドット材料が、選択可能なキャリア基板112又は選択可能な熱伝導性マスク板114の表面から量子ドット受容層(即ち、QD−LEDの背板)への転移を完成し、又は、量子ドット受容層(即ち、QD−LED背板)に直接転移されている。
【0042】
ここで注意すべきことは、
図1A−1Cに示されているのは例示的な実例だけであり、その中の感熱性量子ドット材料層の有機配位子に含まれる基、及び量子ドット受容層106に含まれる官能基は、
図1A−1Cに示されている−O―R
1基と−NH
2基に限らない。当業者は、その他の、熱を受けた後に反応が発生し弱い結合力によって量子ドット受容層に転移できる感熱性量子ドット材料と、対応する量子ドット受容層材料を使用することを想定してもよい。
【0043】
以下、本発明の実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法、それにより製造した量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイ、及び当該量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを備える表示装置について、具体的な実施例を結合しながら説明する。しかし、本開示はこれらの具体的な実施例に限らない。
【0044】
(第1実施例)
図2A−2Kは、本発明の第1実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。具体的な実施例において、例を挙げると、レーザ加熱法によって基板上にそれぞれ緑、青、赤の三色の量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造することができる。
【0045】
まず、
図2Aには本実施例の初期構成を示している。当該初期構成は基礎基板202であり、その材料は例えばガラスや石英などの本分野公知のものである。当該基礎基板202は透明であってもよいし、又は不透明であってもよい。標準方法を採用して当該基礎基板202を洗浄する。
【0046】
次に、
図2Bに示すように、基礎基板202の上に選択可能な薄膜トランジスタ(TFT)アレイ204を製造する。TFTアレイの具体的な製造方法と構成に対しては制限しておらず、本分野公知の方法と構成であればよい。例えば、以下のようにTFT部分を形成してもよい。ゲート金属Moの200nmを堆積して図形化し、ゲート媒体SiO
2の150nmを堆積し、アクティブレイヤIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)の40nmを堆積して図形化し、ソース・ドレイン金属Moの200nmを堆積して図形化し、パッシベーション層SiO
2の300nmを堆積して図形化し、画素電極ITO(酸化インジウムスズ)の40nmを堆積して図形化し、アクリル系材料をスピンオン堆積してリソグラフィと硬化により略1.5umの画素定義層を得ることによって、TFT背板構成を形成する。無論、当業者は、その他の材料、厚さ、構成の常規TFT背板構成を使用することを想定してもよい。
【0047】
ここで注意すべきことは、基礎基板202の上のTFTアレイ204は必須ではなく、選択可能である。実際のニーズに応じて、基礎基板202の上に選択可能な1つ又は複数の回路構成やデバイス構成を形成してもよく形成しなくてもよいことは、当業者にとって自明である。選択可能な1つ又は複数の回路構成やデバイス構成はTFT又はそのアレイを含んでいるが、これらに限らず、当業者は、その他の回路構成やデバイス構成を想定してもよい。本願では、基礎基板自体、又は基礎基板とその上に形成された選択可能な回路構成やデバイス構成の組み合わせを、基板と通称する。
【0048】
LEDデバイスの効率をより高く、寿命をより長くなるように、QD−LED部分を製造する前に、プラズマを採用して選択可能なTFTの背板表面を処理することによって、画素電極の仕事関数を調整してもよい。そして、例えば蒸着、スピンオン又はスパッタリングなどのプロセスを採用して選択可能な第1共通層を製造してもよい。画素のアノードが底層に位置している場合、当該第1共通層はホール注入層とホール輸送層であってもよく、画素のカソードが底層に位置している場合、当該第1共通層は電子注入層と電子輸送層であってもよい。例えば、第1共通層がホール注入層とホール輸送層である場合には、それぞれPEDOT:PSSとTFBのスピンコートなどが可能である。第1共通層が電子注入層と電子輸送層である場合には、例えば、それぞれLiF:Alを蒸着し、ZnO層のスピンコート又はスパッタリングなどが可能である。第1共通層の全体の厚さは例えば50−100nmであってもよい。
【0049】
その後、
図2Bに示すように、得られた構成に、特定の官能基を有する量子ドット受容層206を適用(例えば、スピンコート)する。特定の官能基は、後述する感熱性量子ドット材料層の所定領域の感熱性量子ドット材料が熱を受けてから、当該領域の量子ドット材料と弱い作用力の結合を形成できる。例えば、官能基はアミン基、ピリジン基、カルボキシル基又は水酸基などであってもよい。
【0050】
次に、
図2Cに示すように、量子ドット受容層206に、感熱性の有機配位子を含む第1感熱性量子ドット材料層210を適用する。本実施例において、第1感熱性量子ドット材料層210の適用は、第1感熱性量子ドット材料層210が形成されている第1キャリア基板212を、第1感熱性量子ドット材料層210が量子ドット受容層206に向くように、量子ドット受容層206に位置合わせして載せることによって実現している。上記のように、第1感熱性量子ドット材料層210は熱を受ける前に第1キャリア基板212と良い相溶性を有し、第1キャリア基板212の表面に密着できる。
【0051】
具体的な実施例において、例を挙げると、第1感熱性量子ドット材料層210は緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0052】
図2Dに示すように、第1感熱性量子ドット材料層210を適用してから、第1熱伝導性マスク板214を、第1熱伝導性マスク板214のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第1感熱性量子ドット材料層210を転移させる第1サブピクセル領域と位置が合わせられるように、第1感熱性量子ドット材料層210が載置されている第1キャリア基板212に載せる。そして、
図2Dに示すように、レーザ216を採用して第1熱伝導性マスク板214を加熱する。よって、第1感熱性量子ドット材料層210においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第1感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第1キャリア基板212と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第1キャリア基板212から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第1感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層206の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層206に転移する。
【0053】
よって、
図2Eに示すように、第1感熱性量子ドット材料層210のうちレーザの照射を受けた領域の第1感熱性量子ドット材料210’は対応する第1サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第1感熱性量子ドット材料は、第1キャリア基板212全体と共に取り除かれて、第1サブピクセル領域(具体的な実施例において、緑色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第1感熱性量子ドット材料210’が残る。
【0054】
次に、
図2Fに示すように、第1感熱性量子ドット材料210’が形成されている量子ドット受容層206の上に、感熱性の有機配位子を含む第2感熱性量子ドット材料層220を適用する。本実施例において、第2感熱性量子ドット材料層220の適用は、第2感熱性量子ドット材料層220が形成されている第2キャリア基板222を、第2感熱性量子ドット材料層220が量子ドット受容層206に向くように、量子ドット受容層206に位置合わせして載せることによって実現している。上記のように、第2感熱性量子ドット材料層220は熱を受ける前に第2キャリア基板222と良い相溶性を有し、第2キャリア基板222の表面に密着できる。
【0055】
具体的な実施例において、例を挙げると、第2感熱性量子ドット材料層220は青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0056】
図2Gに示すように、第2感熱性量子ドット材料層220を適用してから、第2熱伝導性マスク板224を、第2熱伝導性マスク板224のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第2感熱性量子ドット材料層220を転移させる第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、第2感熱性量子ドット材料層220が載置されている第2キャリア基板222に載せる。そして、
図2Gに示すように、レーザ226を採用して第2熱伝導性マスク板224を加熱する。よって、第2感熱性量子ドット材料層220においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第2キャリア基板222と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第2キャリア基板222から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第2感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層206の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層206に転移する。
【0057】
よって、
図2Hに示すように、第2感熱性量子ドット材料層220のうちレーザの照射を受けた領域の第2感熱性量子ドット材料220’は対応する第2サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第2感熱性量子ドット材料は、第2キャリア基板222全体と共に取り除かれて、第2サブピクセル領域(具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第2感熱性量子ドット材料220’が残る。
【0058】
次に、
図2Iに示すように、第1感熱性量子ドット材料210’と第2感熱性量子ドット材料220’が形成されている量子ドット受容層206の上に、感熱性の有機配位子を含む第3感熱性量子ドット材料層230を適用する。本実施例において、第3感熱性量子ドット材料層230の適用は、第3感熱性量子ドット材料層230が形成されている第3キャリア基板232を、第3感熱性量子ドット材料層230が量子ドット受容層206に向くように、量子ドット受容層206に位置合わせして載せることによって実現している。上記のように、第3感熱性量子ドット材料層230は熱を受ける前に第3キャリア基板232と良い相溶性を有し、第3キャリア基板232の表面に密着できる。
【0059】
具体的な実施例において、例を挙げると、第3感熱性量子ドット材料層230は赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0060】
図2Jに示すように、第3感熱性量子ドット材料層230を適用してから、第3熱伝導性マスク板234を、第3熱伝導性マスク板234のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第3感熱性量子ドット材料層220を転移させる第3サブピクセル領域と位置が合わせられるように、第3感熱性量子ドット材料層230が載置されている第3キャリア基板232に載せる。そして、
図2Jに示すように、レーザ236を採用して第3熱伝導性マスク板234を加熱する。よって、第3感熱性量子ドット材料層230においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第3キャリア基板232と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第3キャリア基板232から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第3感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層206の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層206に転移する。
【0061】
よって、
図2Kに示すように、第3感熱性量子ドット材料層230のうちレーザの照射を受けた領域の第3感熱性量子ドット材料230’は対応する第3サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第3感熱性量子ドット材料は、第3キャリア基板232全体と共に取り除かれて、第3サブピクセル領域(具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第3感熱性量子ドット材料230’が残る。
【0062】
それによって、基板上の第1、第2、第3サブピクセル領域において、加熱法によりそれぞれ第1感熱性量子ドット材料210’、第2感熱性量子ドット材料220’、第3感熱性量子ドット材料230’のアレイ(具体的な実施例において、それぞれ緑色光、青色光、赤色光サブピクセルのアレイであってもよい)を形成することができる。
【0063】
さらに、各サブピクセルのアレイの形成を完成してから、サブピクセルアレイの上に選択可能な第2共通層を形成(例えば、スピンコートや蒸着などのプロセスによる)可能である。画素のアノードが底層に位置している場合、当該第2共通層は電子輸送層と電子注入層であってもよく、画素のカソードが底層に位置している場合、当該第2共通層はホール輸送層とホール注入層であってもよい。第2共通層が電子輸送層と電子注入層である場合には、例えば、ZnOナノ粒子又はLiFをスピンコート又は蒸着するなどし、第2共通層がホール輸送層とホール注入層である場合には、例えば、それぞれTFB、PEDOT:PSSをスピンコートなどが可能である。
【0064】
次に、第2電極の金属薄層を形成(例えば、蒸着プロセスによる)する。例えば、上記の画素電極(第1電極)がアノードである場合、当該第2電極はカソードであり、逆の場合においても同じ原理に従う。カソードは例えばLiF:Al層などを採用でき、略500−1000nmであり、アノードはAl、Ag又はAl/ITOなどを採用でき、略30−100nmである。第2電極を形成してからDam&Fritz(ダム型融材パッケージ法)を行って封止して切削し、AM−QD−LED全体の面板部分を完成して、AM−QD−LEDに基づく表示装置を実現する。
【0065】
なお、上記のプロセスには、必要に応じて各機能層に対する修飾を入れてもよい。そして、例えば、実際のニーズに応じて、電子阻止層やホール阻止層を増加したり、ホール注入層や電子注入層などを省略したり、プロセスの完成に役に立つために基板全体に対して補足加熱を行ったりしてもよい。
【0066】
上記により製造されたAM−QD−LEDデバイスの解像度は大幅に向上されている。例えば、そのサブピクセルの最も小さい面積は10−30ミクロン以下であり、解像度は略300−800ppi以上である。
【0067】
上記のように、本実施例によれば、感熱性量子ドット材料を利用して加熱プロセスで例えば赤、緑、青などのサブピクセルを直接に形成し、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオードの製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができる。
【0068】
(第2実施例)
第2実施例において、第1実施例と類似する方法を使用して、各感熱性量子ドット材料層の対応するサブピクセル領域への転移をそれぞれ独立に実現している。第2実施例が第1実施例と区別されるところは、感熱性量子ドット材料層のキャリア基板を使用せず、直接に熱伝導性マスクを使用して感熱性量子ドット材料を載置することである。以下の説明において、第2実施例における第1実施例と類似する部分に対しては詳しく説明しない。
【0069】
図3A−3Hは、本発明の第2実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【0070】
図3Aと
図3Bに示すように、洗浄後の基礎基板302に選択可能なTFTアレイ304を製造し、選択可能なTFTアレイ304の上に量子ドット受容層306を形成しているが、これは第1実施例における
図2Aと
図2Bに示されている手順と同じである。
【0071】
次に、
図3Cに示すように、量子ドット受容層306に、感熱性の有機配位子を含む第1感熱性量子ドット材料層310を適用する。本実施例において、第1感熱性量子ドット材料層310の適用は、第1感熱性量子ドット材料層310を載置している第1熱伝導性マスク板314を、第1感熱性量子ドット材料層310が量子ドット受容層306に向くように、かつ、第1熱伝導性マスク板314のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第1感熱性量子ドット材料層310を転移させる第1サブピクセル領域と位置が合わせられるように、量子ドット受容層306に位置合わせして載せることによって実現している。第1感熱性量子ドット材料層310は熱を受ける前に熱伝導性マスク板314と良い相溶性を有し、熱伝導性マスク板314の表面に密着できる。
【0072】
具体的な実施例において、例を挙げると、第1感熱性量子ドット材料層310は緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0073】
その後、
図3Cに示すように、レーザ316を採用して第1熱伝導性マスク板314を加熱する。よって、第1感熱性量子ドット材料層310においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第1感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第1熱伝導性マスク板314と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第1熱伝導性マスク板314から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第1感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層306の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層306に転移する。よって、
図3Dに示すように、第1感熱性量子ドット材料層310のうちレーザの照射を受けた領域の第1感熱性量子ドット材料310’は対応する第1サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第1感熱性量子ドット材料は、第1熱伝導性マスク板314全体と共に取り除かれて、第1サブピクセル領域(具体的な実施例において、緑色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第1感熱性量子ドット材料310’が残る。
【0074】
次に、
図3Eに示すように、第1感熱性量子ドット材料310’が形成されている量子ドット受容層306の上に、感熱性の有機配位子を含む第2感熱性量子ドット材料層320を適用する。本実施例において、第2感熱性量子ドット材料層320の適用は、第2感熱性量子ドット材料層320を載置している第2熱伝導性マスク板324を、第2感熱性量子ドット材料層320が量子ドット受容層306に向くように、かつ、第2熱伝導性マスク板324のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第2感熱性量子ドット材料層320を転移させる第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、量子ドット受容層306に位置合わせして載せることによって実現している。第2感熱性量子ドット材料層320は熱を受ける前に第2熱伝導性マスク板324と良い相溶性を有し、熱伝導性マスク板324の表面に密着できる。
【0075】
具体的な実施例において、例を挙げると、第2感熱性量子ドット材料層320は青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0076】
その後、
図3Eに示すように、レーザ326を採用して第2熱伝導性マスク板324を加熱する。よって、第2感熱性量子ドット材料層320においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第2感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第2熱伝導性マスク板324と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第2熱伝導性マスク板324から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第2感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層306の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層306に転移する。
【0077】
よって、
図3Fに示すように、第2感熱性量子ドット材料層320のうちレーザの照射を受けた領域の第2感熱性量子ドット材料320’は対応する第2サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第2感熱性量子ドット材料は、第2熱伝導性マスク板324全体と共に取り除かれて、第2サブピクセル領域(具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第2感熱性量子ドット材料320’が残る。
【0078】
次に、
図3Gに示すように、第1感熱性量子ドット材料310’と第2感熱性量子ドット材料320’が形成されている量子ドット受容層306の上に、感熱性の有機配位子を含む第3感熱性量子ドット材料層330を適用する。本実施例において、第3感熱性量子ドット材料層330の適用は、第3感熱性量子ドット材料層330を載置している第3熱伝導性マスク板334を、第3感熱性量子ドット材料層330が量子ドット受容層306に向くように、かつ、第3熱伝導性マスク板334のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第3感熱性量子ドット材料層330を転移させる第3サブピクセル領域と位置が合わせられるように、量子ドット受容層306に位置合わせして載せることによって実現している。第3感熱性量子ドット材料層330は熱を受ける前に熱伝導性マスク板334と良い相溶性を有し、熱伝導性マスク板334の表面に密着できる。
【0079】
具体的な実施例において、例を挙げると、第3感熱性量子ドット材料層330は赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0080】
その後、
図3Gに示すように、レーザ336を採用して第3熱伝導性マスク板334を加熱する。よって、第3感熱性量子ドット材料層330においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第3感熱性量子ドット材料は熱を受け、その中の有機配位子に化学反応が発生し、第3熱伝導性マスク板334と相溶する状態から相溶しない状態になることで、第3熱伝導性マスク板334から脱落される。一方、レーザ照射を受けて反応後の第3感熱性量子ドット材料330における有機配位子は、量子ドット受容層306の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層306に転移する。
【0081】
よって、
図3Hに示すように、第3感熱性量子ドット材料層330のうちレーザの照射を受けた領域の量子ドット材料330’は対応する第3サブピクセル領域に入る。その後、照射されていない領域にある残りの第3感熱性量子ドット材料は、第3熱伝導性マスク板334全体と共に取り除かれて、第3サブピクセル領域(具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第3感熱性量子ドット材料330’が残る。
【0082】
それによって、基板上の第1、第2、第3サブピクセル領域において、加熱法によりそれぞれ第1感熱性量子ドット材料310’、第2感熱性量子ドット材料320’、第3感熱性量子ドット材料330’のアレイ(具体的な実施例において、それぞれ緑色光、青色光、赤色光サブピクセルのアレイであってもよい)を形成することができる。
【0083】
本実施例において、各サブピクセルのアレイの形成を完成してからのその他の手順及び配置は第1実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0084】
上記のように、本実施例によれば、感熱性量子ドット材料を利用して加熱プロセスで例えば赤、緑、青などのサブピクセルを直接に形成し、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオードの製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができる。
【0085】
(第3実施例)
第3実施例において、第1実施例と類似する方法を使用して、各感熱性量子ドット材料層の対応するサブピクセル領域への転移をそれぞれ独立に実現している。第3実施例が第1実施例と主に区別されるところは、感熱性量子ドット材料層のキャリア基板を使用せず、感熱性量子ドット材料層を量子ドット受容層に直接塗布することである。以下の説明において、第3実施例における第1実施例と類似する部分に対しては詳しく説明しない。
【0086】
図4A−4Hは、本発明の第3実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【0087】
図4Aと
図4Bに示すように、洗浄後の基礎基板402に選択可能なTFTアレイ404を製造し、選択可能なTFTアレイ404の上に量子ドット受容層406を形成しているが、これは第1実施例における
図2Aと
図2Bに示されている手順と同じである。
【0088】
次に、
図4Cに示すように、量子ドット受容層406に、感熱性の有機配位子を含む第1感熱性量子ドット材料層410を適用する。本実施例において、第1感熱性量子ドット材料層410の適用は、第1感熱性量子ドット材料層410を量子ドット受容層406に直接塗布することによって実現している。
【0089】
具体的な実施例において、例を挙げると、第1感熱性量子ドット材料層410は緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0090】
その後、
図4Cに示すように、レーザによる定期的なスキャン416によって、又は第1実施例のように図形化された第1熱伝導性マスク板を使用することによって、第1サブピクセル領域に位置する第1感熱性量子ドット材料層410を加熱する。第1感熱性量子ドット材料層410の加熱を受けた領域において、反応が発生した後の第1感熱性量子ドット材料における有機配位子は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層406に転移する。
【0091】
よって、
図4Dに示すように、加熱を受けた領域の第1感熱性量子ドット材料410’は対応する第1サブピクセル領域に入る。その後、第1感熱性量子ドット材料層410の加熱されていない領域にある残りの第1感熱性量子ドット材料は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合が形成されていないため、その後の洗浄プロセスで洗浄されることができて、第1サブピクセル領域(具体的な実施例において、緑色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第1感熱性量子ドット材料410’が残る。
【0092】
次に、
図4Eに示すように、第1感熱性量子ドット材料層410’が形成されている量子ドット受容層406の上に、感熱性の有機配位子を含む第2感熱性量子ドット材料層420を適用する。本実施例において、第2感熱性量子ドット材料層420の適用は、第2感熱性量子ドット材料層420を量子ドット受容層406に直接塗布することによって実現している。
【0093】
具体的な実施例において、例を挙げると、第2感熱性量子ドット材料層420は青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0094】
その後、
図4Eに示すように、レーザによる定期的なスキャン426によって、又は第1実施例のように図形化された第2熱伝導性マスク板を使用することによって、第2サブピクセル領域に位置する第2感熱性量子ドット材料層420の第2感熱性量子ドット材料を加熱する。第1感熱性量子ドット材料層410の加熱を受けた領域において、反応が発生した後の第2感熱性量子ドット材料420における有機配位子は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層406に転移する。
【0095】
よって、
図4Fに示すように、加熱を受けた領域の第2感熱性量子ドット材料420’は対応する第2サブピクセル領域に入る。その後、第2感熱性量子ドット材料層420の加熱されていない領域にある残りの第2感熱性量子ドット材料は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合が形成されていないため、その後の洗浄プロセスで洗浄されることができて、第2サブピクセル領域(具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第2感熱性量子ドット材料420’が残る。
【0096】
次に、
図4Gに示すように、第1感熱性量子ドット材料410’と第2感熱性量子ドット材料420’が形成されている量子ドット受容層406の上に、感熱性の有機配位子を含む第3感熱性量子ドット材料層430を適用する。本実施例において、第3感熱性量子ドット材料層430の適用は、第3感熱性量子ドット材料層430を量子ドット受容層406に直接塗布することによって実現している。
【0097】
具体的な実施例において、例を挙げると、第3感熱性量子ドット材料層430は赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含んでもよいが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0098】
その後、
図4Gに示すように、レーザによる定期的なスキャン436によって、又は第1実施例のように図形化された第3熱伝導性マスク板を使用することによって、第3サブピクセル領域に位置する第3感熱性量子ドット材料層430の第3感熱性量子ドット材料を加熱する。第3感熱性量子ドット材料層430の加熱を受けた領域において、反応が発生した後の第3感熱性量子ドット材料430における有機配位子は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成することができて、量子ドット受容層406に転移する。
【0099】
よって、
図4Hに示すように、第3感熱性量子ドット材料層430の加熱を受けた領域の第3感熱性量子ドット材料430’は対応する第3サブピクセル領域に入る。その後、第3感熱性量子ドット材料430の加熱されていない領域にある残りの第3感熱性量子ドット材料は、量子ドット受容層406の表面の官能基と弱い作用力の結合が形成されていないため、その後の洗浄プロセスで洗浄されることができて、第3サブピクセル領域(具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域であってもよい)のみに第3感熱性量子ドット材料430’が残る。
【0100】
それによって、基板上の第1、第2、第3サブピクセル領域において、加熱法によりそれぞれ第1感熱性量子ドット材料410’、第2感熱性量子ドット材料420’、第3感熱性量子ドット材料430’のアレイ(具体的な実施例において、それぞれ緑色光、青色光、赤色光サブピクセルのアレイであってもよい)を形成することができる。
【0101】
本実施例において、各サブピクセルのアレイの形成を完成してからのその他の手順及び配置は第1実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0102】
上記のように、本実施例によれば、感熱性量子ドット材料を利用して加熱プロセスで例えば赤、緑、青などのサブピクセルを直接に形成し、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオードの製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができる。
【0103】
(第4実施例)
第4実施例において、各感熱性量子ドット材料層は一緒に塗布され、それぞれ対応する各サブピクセル領域に転移される。
図5A−5Gは、本発明の第4実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【0104】
図5Aと
図5Bに示すように、第1実施例と類似に、洗浄後の基礎基板502に選択可能なTFTアレイ504を製造し、選択可能なTFTアレイ504の上に量子ドット受容層506を形成しているが、これは第1実施例における
図2Aと
図2Bに示されている手順と同じである。
【0105】
次に、
図5Cに示すように、量子ドット受容層506に感熱性量子ドット材料層の積層540を適用する。本実施例において、感熱性量子ドット材料層の積層540の適用は、感熱性量子ドット材料層の積層540が載置されているキャリア基板542を、感熱性量子ドット材料層の積層540が量子ドット受容層506に向くように、量子ドット受容層506に載せることによって実現している。当該積層540は、キャリア基板542に第3感熱性量子ドット材料層(図示せず)、第2感熱性量子ドット材料層(図示せず)と第1感熱性量子ドット材料層(図示せず)を順序に全体的に塗布することによって形成されている。そのうち、キャリア基板542から最も離れている層(つまり、量子ドット受容層506と隣接している層)としての第1感熱性量子ドット材料層は、相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、キャリア基板542と最も近接している層としての第3感熱性量子ドット材料層は、相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層である。感熱性量子ドット材料層の積層540における各種類の量子ドット材料は感熱性の有機配位子を含む。感熱性量子ドット材料層の積層540は熱を受ける前にキャリア基板542と良い相溶性を有し、キャイア基板542の表面に密着できる。
【0106】
具体的な実施例において、緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料の相転移温度が最も低く、赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料の相転移温度が最も高く、青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料がその間に介しているものを例にすると、第1感熱性量子ドット材料層(即ち、キャリア基板542から最も離れている層)は緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含み、第3感熱性量子ドット材料層(即ち、キャリア基板542と最も近接している層)は赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含み、間に位置している第2感熱性量子ドット材料層は青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含むが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0107】
図5Dに示すように、感熱性量子ドット材料層の積層540を適用してから、第1熱伝導性マスク板514を、第1熱伝導性マスク板514のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第1感熱性量子ドット材料を転移させる第1サブピクセル領域と位置が合わせられるように、感熱性量子ドット材料層の積層540が載置されているキャリア基板542に載せる。そして、
図5Dに示すように、レーザ516を採用して第1温度T
1で第1熱伝導性マスク板514を加熱する。よって、第1感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第1感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層506の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層506に転移し、よって、当該領域の第2感熱性量子ドット材料を暴露させる。
【0108】
よって、
図5Eに示すように、第1感熱性量子ドット材料は対応する第1サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、緑色光サブピクセル領域である)に入る。
【0109】
次に、
図5Eに示すように、積層540においてその第1感熱性量子ドット材料がすでに転移されて第2感熱性量子ドット材料が暴露されている有効な材料領域を、第2サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域である)と位置が合わせられるように、キャリア基板542を1つのサブピクセル領域の分だけ移動する。そして、第2熱伝導性マスク板524のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第2感熱性量子ドット材料を転移させる第2サブピクセル領域と位置が合わせられるように、第2熱伝導性マスク板524をキャリア基板542に載せる。そして、
図5Eに示すように、レーザ526を採用して第2温度T
2(ここで、T
2>T
1)で第2熱伝導性マスク板524を加熱する。よって、第2感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第2感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層506の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層506に転移し、よって、当該領域の第3感熱性量子ドット材料を暴露させる。
【0110】
よって、
図5Fに示すように、第2感熱性量子ドット材料は対応する第2サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域である)に入る。
【0111】
次に、
図5Fに示すように、積層540においてその第1と第2感熱性量子ドット材料がすでに転移されて第3感熱性量子ドット材料が暴露されている有効な材料領域を、第3サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域である)と位置が合わせられるように、キャリア基板542を再び1つのサブピクセル領域の分だけ移動する。そして、第3熱伝導性マスク板534のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第3感熱性量子ドット材料を転移させる第3サブピクセル領域と位置が合わせられるように、第3熱伝導性マスク板534をキャリア基板542に載せる。そして、
図5Fに示すように、レーザ536を採用して第3温度T
3(ここで、T
3>T
2)で第3熱伝導性マスク板534を加熱する。よって、第3感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第3感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層506の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層506に転移する。
【0112】
よって、
図5Gに示すように、第3感熱性量子ドット材料は対応する第3サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域である)に入る。その後、反応が発生してない残りの感熱性量子ドット材料層の積層540はキャリア基板542全体と共に取り除かれる。
【0113】
それによって、基板上の第1、第2、第3サブピクセル領域において、加熱法によりそれぞれ第1感熱性量子ドット材料510’、第2感熱性量子ドット材料520’、第3感熱性量子ドット材料530’のアレイ(上記の具体的な実施例において、それぞれ緑色光、青色光、赤色光サブピクセルのアレイであってもよい)を形成することができる。
【0114】
本実施例において、各サブピクセルのアレイの形成を完成してからのその他の手順及び配置は第1実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0115】
上記により製造されたAM−QD−LEDデバイスの解像度は大幅に向上されている。例えば、サブピクセルの最も小さい面積は10−30ミクロン以下であり、解像度は略300−800ppi以上である。
【0116】
上記のように、本実施例によれば、感熱性量子ドット材料を利用して加熱プロセスで例えば赤、緑、青などのサブピクセルを直接に形成し、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオードの製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができる。
【0117】
(第5実施例)
第5実施例において、第4実施例と類似する方法を使用し、各感熱性量子ドット材料層は全て一緒に塗布され、それぞれ各対応するサブピクセル領域に転移されることで、各感熱性量子ドット材料層が対応するサブピクセル領域に転移することを実現している。第5実施例が第4実施例と区別されるところは、感熱性量子ドット材料の積層のキャリア基板を使用せず、直接に熱伝導性マスクを使用して量子ドット材料の積層を載置することであり、この点で第2実施例と類似している。
【0118】
図6A−6Fは、本発明の第5実施例による量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイを製造する方法の各段階を断面図で例示する模式図である。
【0119】
図6Aと
図6Bに示すように、洗浄後の基礎基板602に選択可能なTFTアレイ604を製造し、選択可能なTFTアレイ604の上に量子ドット受容層606を形成しているが、これは第1実施例における
図2Aと
図2Bに示されている手順と同じである。
【0120】
次に、
図6Cに示すように、量子ドット受容層606に、感熱性量子ドット材料層の積層640を適用する。本実施例において、感熱性量子ドット材料層の積層640の適用は、感熱性量子ドット材料層の積層640が載置されている熱伝導性マスク板644を、感熱性量子ドット材料層の積層640が量子ドット受容層606に向くように、かつ、熱伝導性マスク板644のマスク材料が覆われていない領域をこれからの加熱プロセスで上に第1感熱性量子ドット材料を転移させる第1サブピクセル領域と位置が合わせられるように、量子ドット受容層606に載せることによって実現している。当該積層640は、熱伝導性マスク板644に第3感熱性量子ドット材料層(図示せず)、第2感熱性量子ドット材料層(図示せず)、第1感熱性量子ドット材料層(図示せず)を順序に全体的に塗布することによって形成される。そのうち、熱伝導性マスク板644から最も離れている層(つまり、量子ドット受容層606と隣接している層)としての第1感熱性量子ドット材料層は、相転移温度が最も低い感熱性量子ドット材料層であり、熱伝導性マスク板644と最も近接している層としての第3感熱性量子ドット材料層は、相転移温度が最も高い感熱性量子ドット材料層である。感熱性量子ドット材料層の積層640における各種類の量子ドット材料は感熱性の有機配位子を含む。感熱性量子ドット材料層の積層640は熱を受ける前に熱伝導性マスク板644と良い相溶性を有し、熱伝導性マスク板644の表面に密着できる。
【0121】
具体的な実施例において、緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料の相転移温度が最も低く、赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料の相転移温度が最も高く、青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料がその間に介しているものを例にすると、第1感熱性量子ドット材料層(即ち、熱伝導性マスク板644から最も離れている層)は緑色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含み、第3感熱性量子ドット材料層(即ち、熱伝導性マスク板644と最も近接している層)は赤色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含み、間に位置している第2感熱性量子ドット材料層は青色光LEDに用いる感熱性量子ドット材料を含むが、これは1つの例示であり、本発明の実施例はこれに限らない。
【0122】
図6Cに示すように、感熱性量子ドット材料層の積層640を適用してから、レーザ616を採用して第1温度T
1で熱伝導性マスク板644を加熱する。よって、第1感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第1感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層606の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層606に転移し、よって、当該領域の第2感熱性量子ドット材料を暴露させる。
【0123】
よって、
図6Dに示すように、第1感熱性量子ドット材料は対応する第1サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、緑色光サブピクセル領域である)に入る。
【0124】
次に、
図6Dに示すように、積層640においてその第1感熱性量子ドット材料がすでに転移されて第2感熱性量子ドット材料が暴露されている有効な材料領域(当該領域は熱伝導性マスク板644のマスク材料が覆われていない領域にも対応する)を、これからの加熱プロセスで上に第2感熱性量子ドット材料を転移させる第2サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域である)と位置が合わせられるように、熱伝導性マスク板644を1つのサブピクセル領域の分だけ移動する。そして、
図6Dに示すように、レーザ626を採用して第2温度T
2(ここで、T
2>T
1)で伝導性マスク板644を加熱する。よって、第2感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第2感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層606の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層606に転移し、よって、当該領域の第3感熱性量子ドット材料を暴露させる。
【0125】
よって、
図6Eに示すように、第2感熱性量子ドット材料は対応する第2サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、青色光サブピクセル領域である)に入る。
【0126】
次に、
図6Eに示すように、積層640においてその第1と第2感熱性量子ドット材料がすでに転移されて第3感熱性量子ドット材料が暴露されている有効な材料領域(当該領域は熱伝導性マスク板644のマスク材料が覆われていない領域にも対応する)を、これからの加熱プロセスで上に第3感熱性量子ドット材料を転移させる第3サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域である)と位置が合わせられるように、熱伝導性マスク板644を再び1つのサブピクセル領域の分だけ移動する。そして、
図6Eに示すように、レーザ636を採用して第3温度T
3(ここで、T
3>T
2)で熱伝導性マスク板644を加熱する。よって、第3感熱性量子ドット材料層においてマスク材料によってマスキングされていない領域に位置する第3感熱性量子ドット材料における有機配位子に化学反応が発生し、その中の有機配位子は量子ドット受容層606の表面の官能基と弱い作用力の結合を形成して、量子ドット受容層606に転移する。
【0127】
よって、
図6Fに示すように、第3感熱性量子ドット材料は対応する第3サブピクセル領域(上記の具体的な実施例において、赤色光サブピクセル領域である)に入る。その後、反応が発生してない残りの感熱性量子ドット材料層の積層640は熱伝導性マスク板644全体と共に取り除かれる。
【0128】
それによって、基板上の第1、第2、第3サブピクセル領域において、加熱法によりそれぞれ第1感熱性量子ドット材料610’、第2感熱性量子ドット材料620’、第3感熱性量子ドット材料630’のアレイ(上記の具体的な実施例において、それぞれ緑色光、青色光、赤色光サブピクセルのアレイであってもよい)を形成することができる。
【0129】
本実施例において、各サブピクセルのアレイの形成を完成してからのその他の手順及び配置は第1実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0130】
上記のように、本実施例によれば、感熱性量子ドット材料を利用して加熱プロセスで例えば赤、緑、青などのサブピクセルを直接に形成し、高解像度のアクティブマトリックス量子ドット発光ダイオードの製品の生産を有効に実現でき、プロセス上の製造が便利になり、プロセス上の良品率を向上させ、量子ドット材料の使用率を大幅に向上させることができる。
【0131】
なお、本発明の上記の各具体的な実施例が例示的なものであり、制限的なものではないことは当業者にとって自明である。
【0132】
本発明の上記の実施例において、レーザ加熱を例に加熱プロセスを実施しているが、加熱は赤外線光源加熱、加熱炉による加熱などの本分野公知の加熱手法であってもよく、又は上記の加熱法の任意の組み合わせを使用してもよい。そして、加熱形態は熱伝導性マスク板による加熱、定期的なスキャン加熱、全体的な加熱などであってもよい。なお、量子ドット材料を加熱することによって、対応するサブピクセル領域に成膜させるとともに、プロセスの完成のためになるように、基板全体を加熱してもよい。レーザのような視準性の良い加熱手法を採用した場合、加熱の精確性が比較的に高く、加熱炉による加熱又は赤外線加熱などの加熱形態を採用した場合、熱伝導性マスク板のマスクが覆われていない領域とマスクが覆われている領域との間の熱伝導性の著しい差異を利用して、加熱結合の目的を実現可能である。
【0133】
つまり、本発明の実施例における加熱は以下内容を含むがこれらに限らない。
a)高熱伝導性マスク板に配合し、レーザ、赤外線光源又は加熱炉などを利用して、感熱性量子ドット材料層に対して加熱処理を行う(例えば、第1、第2、第4、第5実施例)。
b)レーザによる定期的なスキャンを直接に利用して、感熱性量子ドット材料層に対して加熱処理を行う(例えば、第3実施例)。
c)基板全体に対して加熱し、レーザによる定期的なスキャンを利用して、感熱性量子ドット材料層に対して加熱処理を行う。
d)レーザを採用せず、高熱伝導性マスク板に配合し、異なる材料の基板の全体に対して加熱することによって、感熱性量子ドット材料層に対して加熱処理を行う。
e)その他の類似な、又は配合して使用可能な方法を採用して当該プロセスを完成する。
【0134】
上記の加熱形態を互いに置き換え又は組み合わせできることは当業者にとって自明である。例えば、第1、第2、第4、第5実施例では、熱伝導性マスク板を使用する代わりにレーザによる定期的なスキャンを採用してもよい。
【0135】
上記の各実施例の1つの実例において、感熱性量子ドット材料層の有機配位子は、熱により容易に分解してアミン基、水酸基、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成する基(例えば、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)により保護されている水酸基、アミン基又はフェノール性水酸基)を含み、アミン基、水酸基、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成してから、量子ドット受容層に含まれている例えばアミン基、ピリジン基、カルボキシル基又は水酸基の官能基と例えば水素結合の弱い作用力を形成して、キャリア基板又は熱伝導性マスク板から脱離され、量子ドット受容層に転移される。ここでの保護基はBoc以外にベンジル、トリメチルシランなどであってもよい。感熱性に優れているため、Bocを保護基とすることが好ましい。
【0136】
本発明の例示的な実施例において、単独な量子ドット受容層がなく、例えばアミン基、ピリジン基、カルボキシル基又は水酸基などの特定の官能基を有するホール輸送層又は電子輸送層で量子ドット受容層の役をしてもよく、製造過程及びデバイス構成を簡易化できる。
【0137】
上記のように、本発明の例示的な実施例において、感熱性量子ドット材料層は感熱性の有機配位子を含み、これらの配位子は熱により化学反応を起こし、量子ドット材料のQD−LED背板への転移を実現する。本発明の例示的な実施例において、実現形態は以下の内容を含むが、これら有機配位子の異なる材料に対する親和性の変化に限らない。
1)感熱性量子ドット材料層の所定領域の感熱性量子ドット材料の有機配位子は、加熱反応によって、有機配位子を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板と相溶する状態から相溶しない状態になるとともに、量子ドット受容層と弱い作用力の結合を形成可能である。例として、量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板、感熱性量子ドット材料、量子ドット受容層の材料の組み合わせは、以下の材料の組み合わせのうちの1つ又は複数であってもよいが、これらに限らない。
a)感熱性量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板は、油溶性材料であり、感熱性量子ドット材料の有機配位子はtert−ブトキシカルボニル基(Boc)が保護している水酸基又はフェノール性水酸基を含み、量子ドット受容層はアミン基又はピリジン基を有するポリマー層であり、例えば、ポリアニリン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアミンなどである。
b)感熱性量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板は、油溶性材料であり、感熱性量子ドット材料の有機配位子はtert−ブトキシカルボニル基(Boc)が保護しているアミン基を含み、量子ドット受容層はカルボキシル基又は水酸基を有するポリマー層であり、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどである。
c)感熱性量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板は、油溶性材料であり、感熱性量子ドット材料の有機配位子はtert−ブトキシカルボニル基(Boc)が保護している水酸基又はフェノール性水酸基を含むが、単独な量子ドット受容層がなく、量子ドット材料と基板の間に位置しているホール輸送層又は電子輸送層の分子にはアミン基又はピリジン基が含まれており、直接に量子ドット受容層の役をする。
d)感熱性量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板は、油溶性材料であり、感熱性量子ドット材料の有機配位子はtert−ブトキシカルボニル基(Boc)が保護しているアミン基を含むが、単独な量子ドット受容層がなく、量子ドット材料と基板の間に位置しているホール輸送層又は電子輸送層の分子にはカルボキシル基又は水酸基が含まれており、直接に量子ドット受容層の役をする。
2)感熱性量子ドット材料層の有機配位子は熱を受けた条件(例えば、レーザ照射又は基板加熱)で、量子ドット受容層(又は量子ドット受容層の役をしているホール輸送層又は電子輸送層)と化学反応が発生して、化学結合を形成することで、量子ドット受容層(又は量子ドット受容層の役をしているホール輸送層又は電子輸送層)と結合可能である。そのうち、感熱性量子ドット材料の有機配位子及び量子ドット受容層(又は量子ドット受容層の役をしているホール輸送層又は電子輸送層)は以下の構成であってもよいがこれらに限らない。即ち、感熱性量子ドット材料の有機配位子は1、3−ブタジエン基を含んでもよく、量子ドット受容層(又は量子ドット受容層の役をしているホール輸送層又は電子輸送層)の分子はアルケニル基を含んでもよい。又は、感熱性量子ドット材料の有機配位子はアルケニル基を含んでもよく、量子ドット受容層(又は量子ドット受容層の役をしているホール輸送層又は電子輸送層)の分子は1、3−ブタジエン基を含んでもよい。
【0138】
注意すべきことは、感熱性量子ドット材料を載置しているキャリア基板又は熱伝導性マスク板は必須ではなく、例えば、第3実施例において、キャリア基板又は熱伝導性マスク板を使用して感熱性量子ドット材料を載置するのではなく、感熱性量子ドット材料を量子ドット受容層に直接塗布する。
【0139】
上記の第1から第3の実施例において、三種類の色の光を発射するための三種類の感熱性量子ドット材料がそれぞれ独立にサブピクセルを形成する形態を採用しており、第4と第5の実施例において、三種類の色の光を発射するための三種類の感熱性量子ドット材料を一緒に全体的に塗布しているが、それぞれ独立したレーザ加熱によりサブピクセルを形成する形態を採用している。当業者は、以上の方法と類似又は以上の方法と結合したその他の方法でサブピクセルレイアウトを形成する形態を採用することを想定してもよい。
【0140】
なお、上記の各実施例で、例えばそれぞれ緑、青、赤発光層(RGBピクセルレイアウト)である感熱性量子ドット材料層を含む三色サブピクセルアレイのAM−QD−LED表示装置について説明しているが、本発明の実施例は量子ドット発光ダイオードサブピクセルアレイの発光色の数と形成順序を制限しない。感熱性量子ドット材料層は単色、二色、三色、さらにより多い色のピクセルレイアウトに用いる感熱性量子ドット材料の層であってもよく、例えば、RGBピクセルレイアウト又はRGBWピクセルレイアウトにおける異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層であるか、RGB又はRGBWピクセルレイアウトにおけるサブピクセル面積が不等な異なるサブピクセル領域のための感熱性量子ドット材料の層である。例えばRGB又はRGBWのピクセルレイアウトにおける各サブピクセル領域の間には発光効率が異なる問題が現れる可能性があり、当該問題を解決するために、ホワイトバランをより良く実現するように、発光効率が高いサブピクセル領域の発光面積を減らせることによって、当該サブピクセル領域の明るさを低くするか、かつ/又は、発光効率が低いサブピクセル領域の発光面積を大きくすることによって、当該サブピクセル領域の明るさを高くする。なお、各サブピクセル領域の形成順序は上記に例示している緑、青、赤の順序に限らず、任意の形成順序であってもよい。
【0141】
上記により量子ドット発光ダイオードのサブピクセル領域の全てのサブピクセル領域がいずれも感熱性量子ドット材料からなることを説明しているが、本発明の実施例はこれに限らない。例えば、量子ドット発光ダイオードのサブピクセル領域の少なくとも1つが感熱性量子ドット材料で形成され、残りのサブピクセル領域が有機発光材料で形成されてもよい。
【0142】
本発明の実施例は選択可能なTFTの製造を特別に制限しておらず、その中のアクティブレイヤがIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)、a―Si(非結晶シリコン)、LTPS(低温多結晶シリコン)などであるTFTのみに制限されるのではなく、その他の種類のTFTにも適用できる。
【0143】
本発明の実施例はQD−LEDのデバイス構成に対して特に制限しておらず、例えば、その中のアノードが底部(即ち、基板側)に位置し、かつ、カソードが頂部に位置する正置構成、又はその中のカソードが底部(即ち、基板側)に位置し、かつ、アノードが頂部に位置する逆置構成などに限らない。本発明の実施例は出光手法に対しても制限しておらず、例えば底から出光するか又は頂から出光するなどであってもよい。
【0144】
本文における「弱い作用力」とは、主に水素結合、ファンデルワールス力、塩結合、ハロゲン結合などを示す。これは、比較的に強い結合力に対して、水素結合を量子ドット材料と量子ドット受容層との間の弱い作用力とすることが好ましいためである。しかし、その他の弱い作用力を使用して感熱性量子ドット材料と量子ドット受容層を結合可能であることは当業者にとって自明である。
【0145】
本開示の明細書において、大量の具体的な詳細について説明している。しかしながら、本発明の実施例はこれらの具体的な詳細がない場合であって実践可能であることが自明である。一部の実例において、本明細書に対する理解が曖昧にならないように、公知の方法、構成、技術について詳しく示していない。
【0146】
最後に説明すべきことは以下のようである。以上の実施例は、ただ本開示の態様を説明するためのものであり、発明の範囲を限定しているのではない。実施例を参照に本開示に対して詳しく説明しているが、相変わらず、各実施例に記載されている技術案に対して種々の変更、組み合わせを行うか、又はその中の一部の技術的特徴に対して同等な置き換えを行うことができることは当業者にとって自明である。これらの変更、組み合わせ、又は置き換えは、対応する技術案の本質を、本発明の各実施例の技術案の要旨や範囲から離脱させない。