特許第6619013号(P6619013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6619013双性イオンエステルアンモニオアルカノアートを含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619013
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】双性イオンエステルアンモニオアルカノアートを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20191202BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20191202BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   A61K8/44
   A61Q5/02
   A61Q19/10
【請求項の数】16
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-540545(P2017-540545)
(86)(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公表番号】特表2017-534680(P2017-534680A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015053426
(87)【国際公開番号】WO2016064549
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年8月17日
(31)【優先権主張番号】14/518,476
(32)【優先日】2014年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515233487
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フェボラ・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フュッテラー・トビアス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク・ステイシー・イー
(72)【発明者】
【氏名】ボアゾ・ニール・ウォーレン
【審査官】 山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−524734(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/023336(WO,A2)
【文献】 米国特許第03360550(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
は直鎖状、分枝状、飽和又は不飽和C5〜C21ハイドロホーブ(hydrophobe)、
は直鎖状、分枝状、又は環式アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
及び、R、R、又はRのうちのいずれかは環式構造で結合することができ、
及び、Xは−CO−、−SO、又は−SOである、
による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤と、前記双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の界面活性剤、乳化剤、コンディショニング剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、増粘剤、潤滑剤、キレート剤、充填剤、接着剤、酸化防止剤、防腐剤、有効成分、芳香剤、染料、緩衝剤、剥離剤、pH調整剤、無機塩、溶剤、粘度制御剤、及び乳白剤からなる群から選択される成分と、を含む組成物であって、前記組成物は、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを実質的に含まない、毛髪及び/又は皮膚の洗浄用の組成物であって、
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、双性イオンエステルアンモニオアルカノアートスルホン酸界面活性剤、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート硫酸塩界面活性剤、及び/又は複素環基を含有する双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を含み、
前記複素環基を含有する双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤は、前記式1において、R及びRは結合して複素環基を形成している、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤である、組成物
【請求項2】
前記組成物がアルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び双性イオン界面活性剤からなる群から選択されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が陰イオン界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が硫酸化陰イオン界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、前記双性イオンエステルアンモニオアルカノアートスルホン酸界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、前記双性イオンエステルアンモニオアルカノアート硫酸塩界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、前記複素環基を含有する双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を含前記複素環基を含有する双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤は、前記式1において、R及びRは結合して複素環基を形成している、前記双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を約0.1%〜約30%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を約1%〜約10%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤、及び前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、約0.003〜約300の重量比で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項12】
前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤、及び前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、約0.1〜約10の重量比で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項13】
約3〜約9のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記無機塩を約0.05〜約6重量パーセント含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物がアミド部分を含む双性イオン界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物がアミド部分を含む双性イオン界面活性剤を含まない、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(共同研究契約の関係者)
本明細書で説明する又は請求する本発明は、Eastman Chemical Companyと、Johnson & Johnson Consumer Companies Inc.の事業部であるJohnson & Johnson Consumer & Personal Products Worldwideとの共同研究契約書に従い行われた。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、以下で定義される双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
クレンジング組成物は、ヒトの毛髪及び/又は皮膚に塗布して洗浄する体のそれぞれの部分にクレンジングを提供するために使用される。皮膚をクレンジングすることに関して、クレンジング配合物は、汚れ、汗、皮脂、及び油を皮膚から除去するように設計されており、クレンジングは、汚れを持ち上げて皮膚から油の汚れを可溶化して除去するのを補助する従来の界面活性剤を用いることで達成される。皮膚から不必要な物質を除去するのに加えて、クレンジングは、通常の角質除去を促進する助けをし、それによって皮膚を若返らせる。陽イオン性、陰イオン性、及び非イオン性の界面活性剤等の従来の洗剤は、そのようなクレンジング特性を与えるように、幅広いクレンジング組成物中に使用される。
【0004】
更に、ベタイン、スルタイン及びアンホ酢酸等の双性イオン界面活性剤は、幅広いクレンジング組成物中に使用される。それらは、クレンジング配合物中に望ましい粘度、泡、及び穏和さを生じさせることで最もよく知られており、コカミドプロピルベタインとして最も一般に使用される。他の例としては、ラウルアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウルアミドプロピルヒドロキシルスルタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、及びラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウムなどが挙げられる。しかしながら、これらの双性イオン界面活性剤はすべてアミド部分を有し、近年、アレルゲンとしての可能性が認識されてきた。特に、コカミドプロピルベタインは、現在ではアレルギースクリーニング検査の一部である。更に、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンなどのアレルゲン及び皮膚刺激物質は、上記のすべての双性イオン界面活性剤中に存在し、前者は、上述の双性イオン界面活性剤の合成中に中間体が形成され、後者は合成に未反応原料が用いられる。
【0005】
本出願人らは、望ましい粘度、泡、及び穏和さの需要を引き続き満たしながらも、アミド部分を有する双性イオン界面活性剤並びにできる限りアルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを実質的に含まない、クレンザーを開発することが望ましいことを認識した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
双性イオン界面活性剤は、クレンジング配合物中に望ましい粘度、泡、及び穏和さを生成する助けをするのに最適である。したがって、出願人らは、アミド部分を含有しない双性イオン界面活性剤を含有し、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミン不純物を実質的に含まず、消費者が使用するための望ましい粘度、泡、及び穏和さを示す、クレンジング組成物を開発する必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式1の双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤(以下、「ZEA界面活性剤」と呼ぶ)並びに、式1の双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の界面活性剤、乳化剤、コンディショニング剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、増粘剤、潤滑剤、キレート剤、充填剤、接着剤、酸化防止剤、防腐剤、有効成分、芳香剤、染料、緩衝剤、剥離剤、pH調整剤、無機塩、溶剤、粘度制御剤、及び乳白剤からなる群から選択される成分を含む組成物を提供し、組成物は、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを実質的に含まない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
出願人らは、本発明の組成物が、先行技術の欠点を克服し、皮膚及び眼に卓越した穏和さを維持すると同時に、従来技術と比較して望ましい粘度及び/又は発泡作用を示す組成物を提供することを発見した。組成物は、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミン不純物を実質的に含まず、並びにアミド部分を有する双性イオン界面活性剤を実質的に含まない。例えば、実施例に示すように、1つ以上のZEA界面活性剤を含む組成物は、アミド部分を有する、及び/又はコカミドプロピルベタイン、ココアンホアセテート(cocoamphoactetate)、及びコクアミドプロピルヒドロキシスルタイン等のアルキルアミドアミン及び/又はアミノアルキルアミン不純物を持つ双性イオン界面活性剤と比較して、より良い粘度構築特性、同様の又はより優れた発泡作用、及び少なくとも同等の穏和さ(EpiDerm(商標)及びEpiOcular(商標)試験で測定)を示す傾向がある。
【0009】
本明細書中で使用される用語「双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤」、又は「ZEA界面活性剤」とは、式1の双性イオン界面活性剤を指す。
【0010】
【化1】
は直鎖状、分枝状、飽和又は不飽和C5〜C21ハイドロホーブ(hydrophobe)、
は直鎖状、分枝状、又は環式アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
は直鎖状、又は分枝状アルキル、ヒドロキシアルキル、又は芳香族基、
及び、R、R、又はRのうちのいずれかは環式構造で結合することができ、
及び、Xは−CO2−、−SO3−、又は−SO4−である。
【0011】
式1のZEA界面活性剤の1つの具体的な例は、式2に示す、3−((3−(ラウロイルオキシ)ブチル)ジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸である。
【0012】
【化2】
【0013】
環式基を持つ式1のZEA界面活性剤の例は、式3に示す、3−(4−ラウロイルオキシ−1−メチルピペリジニウム−1−イル)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸である。
【0014】
【化3】
式中、R及びRは、環状構造で結合しピペリジニウム基を形成する。
【0015】
典型的には、本発明の組成物は、約0.1%w/w〜約30%w/wのZEA界面活性剤、又は約0.5%w/w〜約15%w/wのZEA界面活性剤、又は約1%w/w〜約10%w/wのZEA界面活性剤、又は約1.5%w/w〜約7%w/wのZEA界面活性剤、又は約1.5%〜約5%のZEA界面活性剤、又は約1.5%〜約3.75%のZEA界面活性剤、又は約2.25%〜約3.75%のZEA界面活性剤を含む。
【0016】
本明細書中で使用される用語「双性イオンエステルアンモニオアルカノアートスルホン酸界面活性剤」とは、Xが−SO−であるZEA界面活性剤を指す。
【0017】
本明細書中で使用される用語「双性イオンエステルアンモニオアルカノアート硫酸塩界面活性剤」とは、Xが−SO−であるZEA界面活性剤を指す。
【0018】
好ましくは、ZEA界面活性剤は、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを含まない。当該ZEA界面活性剤は、RとRとの間にエステル結合を示すのに対して、先行技術はアミド部分を示す。したがって、当該ZEA界面活性剤は、アミドアミン又はアミノアルキルアミンを含有しない。
【0019】
別段の指定がない限り、本明細書に記載される全ての百分率は、重量百分率である。
【0020】
本明細書中で使用される用語「アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを実質的に含まない」は、アルキルアミドアミン及び/又はアミノアルキルアミンによって引き起こされる有害なアレルギー又は皮膚を刺激する作用を緩和する又は回避する最大限のレベルで、例えば、0.05%w/w未満のアルキルアミドアミン及び/又はアミノアルキルアミンで、アルキルアミドアミン及び/又はアミノアルキルアミンを含む、組成物を意味する。更に望ましくは、組成物はアルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを含まない。
【0021】
本発明のある実施形態は、ZEA界面活性剤以外の界面活性剤を含んでもよい。例えば、組成物は、ZEA界面活性剤以外の陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、及び/又は双性イオンの界面活性剤を更に含んでもよい。他の実施形態では、組成物は、ZEA界面活性剤以外の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。本明細書中で使用される用語「ZEA界面活性剤以外の界面活性剤を実質的に含まない」は、ZEA界面活性剤以外のすべての界面活性剤を重量で0.5%未満、又は0.1%未満、より好ましくは、0.05%未満を含む組成物を意味する。更に望ましくは、組成物はZEA界面活性剤以外の界面活性剤を含まない。ZEA界面活性剤以外の界面活性剤が使用されるとき、ZEA界面活性剤対ZEA界面活性剤以外の界面活性剤の比率(w/w)は、約0.003:約300、又は約0.1:約100、又は約0.1:約10、又は約0.1:約5、又は約0.3:約3であってもよい。
【0022】
本明細書中で使用される用語「陰イオン界面活性剤」とは、負電荷を持ち、正電荷を持たない界面活性剤分子を指す。適した陰イオン界面活性剤は、次のクラスの界面活性剤から選択されるものを含む。硫酸アルキル、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリルエーテルスルファート、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、スルホコハク酸アルキル、アルキルエーテルスルホスクシナート、スルホスクシンアミド酸アルキル、アミドスルホコハク酸アルキル、カルボン酸アルキル、アミドエーテルカルボン酸アルキル、コハク酸アルキル、脂肪アシルサルコシナート、脂肪アシルアミノ酸、脂肪アシルタウラート(fatty acyl taurates)、脂肪アルキルスルホアセタート、アルキルリン酸塩、及びそれらの2種以上の混合物。特定の実施形態では、本発明の組成物は、陰イオン界面活性剤を実質的に含まず、好ましくは、陰イオン界面活性剤を含まない。
【0023】
本明細書中で使用される用語「硫酸化陰イオン界面活性剤」とは、Mが欠如、又はH又はNH又はNa又はK又は他の一価又は多価の陰イオンを備えた−SO基を含有する陰イオン界面活性剤を指す。硫酸化陰イオン界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明の組成物は、硫酸化陰イオン界面活性剤を実質的に含まず、好ましくは、硫酸化陰イオン界面活性剤を含まない。
【0024】
本明細書中で使用される用語「非イオン界面活性剤」とは、静電荷を持たない界面活性剤分子を指す。任意の様々な非イオン界面活性剤が本発明への使用に適している。適した非イオン界面活性剤の例としては、脂肪アルコール酸又はアミドエトキシレート、モノグリセリドエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレートアルキルポリグリコシド、及びそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい非イオン界面活性剤は、ポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体を含み、当該ポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体は、(1)(a)約8〜約22の炭素原子、好ましくは、約10〜約14の炭素原子を有する脂肪酸、及び(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、α−メチルグルコシド、1分子当たり平均約1〜約3個のグルコース残基を有するポリグルコース、グリセリン、ペンタエリトリトール、及びそれらの混合物から選択されるポリオール、から誘導され、(2)平均約10〜約120個、好ましくは約20〜約80個のエチレンオキシ単位を含有し、(3)ポリオールエステルのポリエチレンオキシ誘導体1分子当たり平均約1〜約3個の脂肪酸残基を有する。ポリオールエステルのそのような好ましいポリエチレンオキシ誘導体の例は、PEG−80ソルビタンラウレート及びポリソルベート20を含むが、これらに限定されない。PEG−80ソルビタンラウレートは、平均約80molのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリン酸のソルビタンモノエステルである。ポリソルベート20は、約20molのエチレンオキシドと縮合されたソルビトール及びソルビトール無水物混合物のラウレートモノエステルである。
【0025】
別のクラスの適した非イオン界面活性剤は、長連鎖アルキルグルコシド又はポリグルコシドを含み、これらは、(a)炭素原子約6〜約22個、好ましくは約8〜約14個を含有する長鎖アルコールの(b)グルコース又はグルコース含有ポリマーとの縮合生成物である。好ましいアルキルグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たり約1〜約6個のグルコース残基を含む。好ましいグルコシドは、デシルグルコシドであり、これは、デシルアルコールのグルコースポリマーとの縮合生成物である。
【0026】
別のクラスの適した非イオン界面活性剤は、コクアミドMEA及びコクアミドDEA等のアルカノールアミドを含む。
【0027】
本明細書中で使用される「ZEA界面活性剤以外の双性イオン界面活性剤」とは、疎水基、及び反対の形式電荷の2つの部分を含む、又は反対の形式電荷を持つことができる(酸塩基の特性及び溶液pHの官能基として)1つ以上の親水基を含む両親媒性分子を指す。場合によっては、そのような界面活性剤は、「両性界面活性剤」とも呼ばれる。ZEA界面活性剤以外の双性イオン界面活性剤の例は以下を含む。
【0028】
次式のアルキルアミドアルキルベタイン
【0029】
【化4】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、xは1〜4である。例は、コクアミドエチルベタイン(RCOはココヤシアシルであり、xは2である)、コカミドプロピルベタイン(RCOはココヤシアシルであり、xは3である)、ラウルアミドプロピル(lauramidopropyl)ベタイン(RCOはラウロイルであり、xは3である)、ミリストアミドプロピルベタイン(RCOはミリストイルであり、xは3である)、ソイアミドプロピルベタイン(Rはソイアシル(soy acyl)であり、xは3である)、及びオレアミドプロピルベタイン(RCOはオレオイルであり、xは3である)を含む。
【0030】
次式のアルキルアミドアルキルヒドロキシスルタイン
【0031】
【化5】
式中、RCOは、C〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物である。例は、コクアミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCOはココヤシアシルであり、xは3である)、ラウルアミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCOはラウロイルであり、xは3である)、ミリストアミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCOはミリストイルであり、xは3である)、及びオレアミドプロピルヒドロキシスルタイン(RCOはオレオイルであり、xは3である)を含む。
【0032】
次式のアルキルアミドアルキルスルタイン
【0033】
【化6】
式中、RCOは、C〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物である。例は、コクアミドプロピルスルタイン(RCOはココヤシアシルであり、xは3である)、ラウルアミドプロピルスルタイン(RCOはラウロイルであり、xは3である)、ミリストアミドプロピルスルタイン(RCOはミリストイルであり、xは3である)、ソイアミドプロピルベタイン(RCOはソイアシルでありxは3である)、及びオレアミドプロピルベタイン(RCOはオレオイルであり、xは3である)を含む。
【0034】
次式のアンホ酢酸
【0035】
【化7】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、Mは一価陽イオンである。例は、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(RCOはラウロイルであり、MはNaである)、及びココアンホ酢酸ナトリウム(RCOはココヤシアシルであり、MはNaである)を含む。
【0036】
次式のアンホ二酢酸
【0037】
【化8】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、Mは一価陽イオンである。例は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(RCOはラウロイルであり、MはNaである)及びココアンホ二酢酸二ナトリウム(RCOはココヤシアシルであり、MはNaである)を含む。
【0038】
次式のアンホプロピオン酸
【0039】
【化9】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、Mは一価陽イオンである。例は、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム(RCOはラウロイルであり、MはNaである)、及びココアンホプロピオン酸ナトリウム(RCOはココヤシアシルであり、MはNaである)を含む。
【0040】
次式のアンホジプロピオン酸
【0041】
【化10】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、Mは一価陽イオンである。例は、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(RCOはラウロイルであり、MはNaである)、及びココアンホジプロピオン酸二ナトリウム(RCOはココヤシアシルであり、MはNaである)を含む。
【0042】
次式のアンホヒドロキシプロピルスルホン酸
【0043】
【化11】
式中、RCOはC〜C24アシル(飽和又は不飽和)又はそれらの混合物であり、Mは一価陽イオンであり、例えば、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(RCOはラウロイルであり、MはNaである)、及びココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(RCOはココヤシアシルであり、MはNaである)である。
【0044】
他の例は、アンホヒドロキシアルキルリン酸(amphohydroxyalkylphosphates)及びアルキルアミドアルキルアミンオキシドを含む。
【0045】
本発明の特定の実施形態では、組成物は無機塩を更に含んでもよい。本発明への使用に適した無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、並びに塩を含有する他の一価イオン及び多価イオンを含むが、これらに限定されない。典型的には、本発明の組成物は、約0.05%w/w〜約6%w/wの無機塩、又は約0.1%w/w〜約4%w/wの無機塩、又は約0.1%w/w〜約2%w/wの無機塩、又は約0.1%w/w〜約1.5%w/wの無機塩を含む。
【0046】
本発明の組成物のpHは、好ましくは約3〜約9、より好ましくは約3.5〜約7、最も好ましくは、約4〜約6に調整される。組成物のpHは、配合の安定性及び性能(例えば、発泡性、穏和さ、及び粘度)が負の影響を受けないという条件で、3まで低く調整されてもよい。組成物のpHは、例えば、クエン酸酢酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、塩酸、又はそれらの2つ以上の組み合わせなど、任意の化粧用として許容可能な有機酸又は無機酸を使用して、適切な酸価まで調整されてもよい。
【0047】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、陽イオン性界面活性剤を更に含んでもよい。本発明への使用に適した陽イオン性界面活性剤のクラスは、アルキル第四級(alkyl quaternaries)(モノ、ジ、トリ)ベンジル第四級アンモニウム塩(benzyl quaternaries)、エステル第四級アンモニウム塩(ester quaternaries)、エトキシル化第四級アンモニウム塩(ethoxylated quaternaries)、アルキルアミン(alkyl amines)、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。この場合に、上記のアルキル基は約6個〜約30個の炭素原子を有しているが、約8個〜約22個の炭素原子が好ましい。
【0048】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、陽イオン性コンディショニングポリマーを含む。適した陽イオン性コンディショニングポリマーの例は、陽イオン性セルロース及びその誘導体;陽イオン性グアー及びその誘導体;及び塩化ジアリルジメチルアンモニウムを含む。陽イオン性セルロース誘導体は、ポリクアテルニウム−10として知られている、トリメチルアンモニウム置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースから誘導されたポリマー第四級アンモニウム塩であってもよい。陽イオン性グアー誘導体は、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドであってもよい。他の有用な陽イオン性コンディショニングポリマーは、モノマー塩化ジアリルジメチルアンモニウムから誘導されたものである。このモノマーのホモポリマーはポリクアテルニウム(Polyquatemium)−6である。塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーは、ポリクアテルニウム(Polyquatemium)−7として知られている。他の適したコンディショニングポリマーは、米国特許番号5,876,705号に開示されるものを含み、同特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
本発明の組成物は、典型的にはパーソナルケア製品、例えば皮膚科学又は化粧用の配合に用いられる、有効成分を含む任意の他の成分又は添加剤を更に含有してもよい。更なる成分又は添加剤の例は、物理的及び化学的に組成物の他の構成要素と適合性を有するという条件で、界面活性剤、乳化剤、コンディショニング剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、増粘剤、潤滑剤、キレート剤、充填剤、接着剤、酸化防止剤、防腐剤、有効成分、芳香剤、染料、緩衝剤、剥離剤、pH調整剤、溶剤、粘度制御剤、及び乳白剤などである。有効成分は、抗炎症薬、抗細菌剤、抗真菌剤、かゆみ止め、保湿剤、植物抽出物、ビタミンなどが含まれるが、それらに限定されない。更に含まれるのは、無機質又は有機質であってもよい日焼け止め活性物質である。特に関心が高いのは、パーソナルケア組成物の局所適用に適している任意の活性成分である。
【0050】
下記の実施例は、本発明を例示するためのものであり、その範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0051】
実施例で使用される試験方法を以下で説明する。
【0052】
ゼロせん断粘度試験:
クレンジング組成物のゼロせん断見掛け粘度の測定を、制御された応力のレオメーター(AR−2000、TA Instruments Ltd.(New Castle,DE,USA))で行った。定常状態ずり応力掃引を、円錐平板形を使用して25.0±0.1℃で行った。データ収集及び分析を、Rheology Advantageソフトウェアv4.1.10(TA Instruments Ltd.(New Castle,DE,USA))で行った。ニュートン流体のゼロせん断見掛け粘度は、ずり応力の範囲(0.02〜1.0Pa)にわたって得た粘度値の平均として記録した。擬塑性(ずり流動化)液体では、ゼロせん断見掛け粘度は、ずり応力掃引データをEllis粘度モデルに当てはめることによって算出した。別段の指定がない限り、粘度はセンチポアズ(cps)で記録される。
【0053】
配合物発泡試験:
以下の配合物発泡試験を、本発明に従って撹拌後の泡量を測定するために、様々なクレンジング組成物に行った。最初に、被験組成物の溶液を模擬水道水で調製する。水道水の硬度を表わすために、1000gのDI水につき0.455gの塩化カルシウム二水和物(Sigma−Aldrich)を溶解し、使用前に15分間混合した。1(1.0)又は5(5.0)グラムの被験組成物を計量し、この溶液を1000gになるまで加えて、使用前に15分間均質になるまで混合した。配合物の泡量を測定するために、被験組成物(1000mL)をSITA R−2000発泡試験装置(Future Digital Scientific,Co.(Bethpage,NY)から市販)の試料タンクに加えた。試験パラメーターは、試料サイズ250mL(充填量=250mL)、13撹拌サイクル(撹拌数=13)、1サイクル当たり撹拌時間15秒間(撹拌時間=15秒)、ローター1200RPMで回転(回転=1200)、温度設定30℃±2℃で3回実行を繰り返す(連続数=3)ように設定した。各撹拌サイクルの終わりに泡量のデータを収集し、3回実行の平均及び標準偏差を算出した。各実施例の最大泡量を13撹拌サイクル後の値として記録した。
【0054】
EpiDerm(商標)試験:
EpiDerm(商標)皮膚キット(MatTek Corporation)を受け取り次第、製造業者の指示通りに溶液を保管した。EpiDerm(商標)組織を、使用するまで2〜8℃で保管した。投与する当日に、EpiDerm(商標)アッセイ培地を約37℃まで温めた。10分の9mLのアッセイ培地を6ウェルプレートの適切なウェルに分注した。試料及び曝露時間を示すために、6ウェルプレートを標識付けした。各EpiDerm(商標)組織は、密封されたパッケージを開く前に、アガロースゲルと細胞培養インサートとの間に気泡がないかを確認した。細胞培養インサート面積の50%以上が気泡で覆われた組織は使用しなかった。24ウェルの輸送容器をビニール袋から取り出して、容器の表面を70%エタノールで消毒した。
【0055】
EpiDerm(商標)組織を6ウェルプレートへ無菌的に移した。次に、EpiDerm(商標)組織を、空気中5±1% CO2の加湿雰囲気(標準培養条件)中で、37±1℃で、少なくとも1時間インキュベートした。培地をアスピレートし、0.9mLの新鮮なアッセイ培地を各アッセイウェルのEpiDerm(商標)組織の下に添加した。処理を始めるまでプレートをインキュベータに戻した。袋を開封後ただちに未使用の残りの組織をすべて、5% CO2/95%空気の雰囲気で短時間ガス処理し、後で使用するために2〜8℃で保管した。試料を、滅菌脱イオン水中10%w/vの希釈液として、試験システムに投与した。各試料希釈液は、予め標識化した円錐管へ約1,000mgの試料を量ることによって調製した。10%w/vの稀釈が達成されるまで滅菌脱イオン水を添加し、使用前に、管を約1分間ボルテックスした。以下において、各試料希釈液を試料と呼ぶことにする。
【0056】
試料を、4、8、16、及び24時間の4つの曝露時間で、2つ組(duplicate)のEpiDerm(商標)組織で試験した。各試料100μLを各EpiDerm(商標)組織に加えた。陰性対照としての100μLの滅菌脱イオン水を、1、4、16、及び24時間で、2つ組の組織で処理した。陽性対照としての100μLの1% Triton(登録商標)−X−100(Fisher)を、4時間及び8時間で、2つ組の組織に処理した。次に、処理された組織を標準培養条件で適切な曝露時間の間インキュベートした。4、8、及び24時間の処理用に1組、16時間の処理用に1組の2つの組の希釈液を試験用に調製した。温かいMTT追加培地中の1.0mg/mLのMTT溶液を使用前の2時間以内に調製した。適切な曝露時間の後、EpiDerm(商標)組織を、カルシウム及びマグネシウム不含のダルベッコりん酸緩衝生理食塩水(Ca2+Mg2+不含のDPB)で十分にすすいで洗浄培地をデカントした。10分の3mLのMTT試薬を、予め標識化した24ウェルプレート中の指定したウェルに添加した。EpiDerm(商標)組織を、すすぎ後、適切なウェルに移した。プレートを標準培養条件で約3時間インキュベートした。MTT溶液でのインキュベーション期間の後、EpiDerm(商標)組織を吸取り紙にブロットして過剰な液体を取り除いてから、各指定したウェル中2.0mLのイソプロパノールを含有する予め標識化した24ウェルプレートに移した。プレートをパラフィルムで覆い、最後の曝露時間が採取されるまで冷蔵庫(2〜8℃)で保管した。次に、プレートを室温で少なくとも2時間振とうした。抽出期間の終わりに、細胞培養インサート内の液体をウェルへデカントし、そこから細胞培養インサートを取った。抽出溶液を混合し、200μLを96ウェルプレートの適切なウェルに移した。200μLのイソプロパノールを、ブランクとして指定された2つのウェルに入れた。各ウェルの550nmでの吸光度(OD550)をMolecular Devices製Vmaxプレートリーダーで測定した。
【0057】
生の吸光度値を捕捉した。ブランクウェルの平均OD550値を算出した。陰性対照(1つ又は複数)の修正平均OD550値を、それらの平均OD550値からブランクウェルの平均OD550値を差し引くことで決定した。個々の試料の曝露時間及び陽性対照の曝露時間の修正OD550値を、それらのOD550値からブランクウェルの平均OD550値を差し引くことで決定した。
試料の曝露時間の修正OD550=試料の曝露時間OD550−ブランクの平均OD550
【0058】
次の対照のパーセントの計算を行った。
【0059】
【数1】
【0060】
次に、曝露時間当たりの対照の平均%を計算するために、対照値の個々の%を平均した。各試料又は陽性対照の曝露時間の修正OD550値を、関連する陰性対照と比較することで、試料及び陽性対照の生存率の計算を行った。
【0061】
曝露時間応答曲線は、対照の%を縦座標上に、試料又は陽性対照の曝露時間を横座標上にプロットした。ET50値を各プロットから内挿した。ET50を決定するために、50%を超える相対生存という結果になった1つの曝露時間、及び50%未満の生存という結果になった1つの曝露時間の2つの連続点を選択した。2つの選択した曝露を使用して、数式y=m(x)+bの勾配及びy切片を決定する。最後に、ET50を決定するために、数式をy=50で解く。曝露時間がすべて、50%を超える生存を示した場合、ET50値は、最大露光時間より大きいとして示される。
【0062】
EpiOcular(商標)試験:
EpiOcular(商標)ヒト細胞コンストラクトキット(MatTek Corporation)を受け取り次第、製造業者の指示通りに溶液を保管した。EpiOcular(商標)ヒト細胞作成物を使用するまで2〜8℃で保管した。投与する当日に、EpiOcular(商標)アッセイ培地を約37℃まで温めた。10分の9mLのアッセイ培地を6ウェルプレートの適切なウェルに分注した。試料及び曝露時間を示すために、6ウェルプレートを標識付けした。作成物らは、密封されたパッケージを開く前に、アガロースゲルと細胞培養インサートとの間に気泡がないかを確認した。細胞培養面積の50%超が気泡で覆われた培養は使用しなかった。24ウェルの輸送容器をビニール袋から取り出して、容器の表面を70%エタノールで消毒した。EpiOcular(商標)ヒト細胞作成物を、6ウェルプレートへ無菌的に移した。次に、作成物を、空気中5±1% COの加湿雰囲気(標準培養条件)中で、37±1℃で、少なくとも1時間インキュベートした。次に、培地をアスピレートし、0.9mLの新鮮なアッセイ培地を各アッセイウェルのEpiOcular(商標)ヒト細胞作成物の下に添加した。処理を始めるまでプレートをインキュベータに戻した。
【0063】
試料を、滅菌脱イオン水中3%w/vの希釈液として、試験システムに投与した(陽性対照の1.0% Triton(登録商標)−X−100、及び陰性対照のJohnson’s Baby Shampooを、滅菌脱イオン水中10%w/vの希釈液として試験システムにそれぞれ投与した)。各試料希釈液は、予め標識化した円錐管へ試料を量ることにより調製された。3%w/v、又は10%w/vの希釈液が達成されるまで滅菌脱イオン水を加え、使用前に管をボルテックスした。この報告書の残りの部分では、各試料希釈液を試料と呼ぶことにする。
【0064】
EpiOcular(商標)培養を、特定の曝露時間(0.33から16時間まで、各4つの時点)で、2つ組の試料に処理した。各試料100μLを各EpiOcular(商標)ヒト細胞作成物に加えた。陰性対照(曝露時間対照)としての、100μL滅菌脱イオン水(Quality Biological)の2つ組の培養を、0.25、4、8、及び24時間曝露した。陽性対照としての0.3% Triton(登録商標)−X−100(Fisher)100μLの2つ組の培養を15分及び45分間曝露した。次に、曝露した培養を標準培養条件で適切な量の時間インキュベートした。適切な曝露時間の後、EpiOcular(商標)培養を、カルシウム及びマグネシウム不含のダルベッコりん酸緩衝生理食塩水(Ca++Mg++不含のDPB)で十分にすすいで洗浄培地をデカントした。すすぎ後、組織に吸収された任意の試料を除去するために、組織を、5mLのアッセイ培地に移して室温で10〜20分浸漬した。温かいMTT追加培地中の1.0mg/mLのMTT溶液を使用前の2時間以内に調製した。10分の3mLのMTT溶液を、予め標識化した24ウェルプレート中の指定したウェルに添加した。EpiOcular(商標)作成物を、Ca++Mg++不含のDPBSですすいだ後、適切なウェルに移した。トレイを標準培養条件で約3時間インキュベートした。MTT溶液でのインキュベーション期間の後、EpiOcular(商標)培養を吸取り紙にブロットして過剰な液体を取り除いてから、各指定したウェル中2.0mLのイソプロパノールを含有する予め標識化した24ウェルプレートに移した。プレートをパラフィルムで密封し、最後の曝露時間が採取されるまで冷蔵庫(2〜8℃)で保管した。次に、プレートを室温で少なくとも2時間振とうした。抽出期間の終わりに、細胞培養インサート内の液体をウェルへデカントし、そこから細胞培養インサートを取った。抽出溶液を混合し、200μLを96ウェルプレートの適切なウェルに移した。200μLのイソプロパノールを、ブランクとして指定された2つのウェルに添加した。各ウェルの550nmでの吸光度(OD550)をMolecular Devices製Vmaxプレートリーダーで測定した。
【0065】
生の吸光度値を捕捉した。ブランクウェルの平均OD550値を算出した。陰性対照の修正平均OD550値を、それらの平均OD550値からブランクウェルの平均OD550値を差し引くことで決定した。個々の試料の曝露時間及び陽性対照の曝露時間の修正OD550値を、それらのOD550値からブランクウェルの平均OD550値を差し引くことで決定した。計算はすべて、Excelスプレッドシートを使用して行った。次の対照のパーセントの計算を行った。
【0066】
【数2】
【0067】
曝露時間応答曲線は、対照の%を縦座標上に、試料又は陽性対照の曝露時間を横座標上にプロットした。ET50値を各プロットから内挿した。ET50を決定するために、50%を超える相対生存という結果になった1つの曝露時間、及び50%未満の生存という結果になった1つの曝露時間の2つの連続点を選択した。2つの選択した点を使用して、数式y=m(x)+bの勾配及びY切片を決定する。最後に、ET50を決定するために、数式をy=50で解く。曝露時間のすべての点が50%を超える生存を示した場合、ET50値は、試料の最長曝露時間より大きいとして示された。
【0068】
本発明の組成物に用いられるZEA界面活性剤(E1〜E4)、及び比較組成物に用いられるZEA界面活性剤(C1〜C4)以外の双性イオン界面活性剤:
比較実施例1及び4のコカミドプロピルベタインは、それぞれTegoベタインL7V、及びTegoベタインF−50の商品名でEvonic Inc.から入手した。比較実施例2のラウロアンホ酢酸ナトリウムは、Miranol HMDの商品名でSolvay Inc.から入手した。比較実施例3のコカミドプロピルヒドロキシルスルタインは、Mirataine CBSの商品名でSolvay Inc.から入手した。
【0069】
本発明の実施例の組成物に用いられる式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤、及び比較組成物に用いられる双性イオン界面活性剤を表1に示す。
【0070】
【表1】
水中の活性度。水相は、いくらかの量の塩化ナトリウム及びラウリン酸等の不純物を更に含有し得る。
**E2は固体で用い、塩化ナトリウム及びラウリン酸を更に含有する。
【0071】
表1に記載のE1〜E4のZEA界面活性剤は以下のように調製された。
概略プロセスは以下を含む:
(a)式4の酸又はエステル又は酸若しくはエステルの混合物を式5のジアルキルアミノ−アルコールと接触させる:
【0072】
【化12】
式6の中間体を形成するのに有効である条件で酵素の存在下で:
【0073】
【化13】
式中、R、R、R及びRは、上記式1で定義された通りであり、Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、
(b)式1のZEA界面活性剤を形成するのに有効な条件で、式6の中間体をアルキル化剤と接触させる。適したアルキル化剤は、例えば、2−クロロ酢酸、又は2−ヒドロキシ−3−クロロ−プロパンスルホン酸である。
【0074】
具体的な例として、3−(ラウリルオキシブチルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホナートの調製を説明する:
工程a)中間体:3−ジメチルアミノプロピルラウレート
50−mLの円錐底プラスチックバイアルに、ラウリン酸メチル(38.5mmol)、ジメチルアミノブタノール(46.2mmol、1.2当量)、及びNovozym 435(400mg)を加えた。キャップを通してシリンジを挿入し、気体が出るように2つの追加の穴を開けた。内容物を混合するのに十分な速度で窒素をバブリングした。バイアルを65℃に設定した加熱ブロックの中に置いた。出発物質の消失を観察するために、反応をGC/MSによってモニターした。反応は約24時間後に終了した。反応混合物を冷却した。Novozym 435をろ過することにより除去し、更に精製することなく、生成物を淡黄色の油として得た(9.2g、収率67%)。
【0075】
工程b)最終生成物:3−(ラウリルオキシプロピルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホナート
磁気撹拌棒及び冷却管を備えた250−mLの丸底フラスコに、3−ジメチルアミノブチルラウレート(33.5mmol)、2−ヒドロキシ−3−クロロプロパンスルホン酸ナトリウム(約90wt%;35.2mmol、1.05当量)、炭酸ナトリウム(3.35mmol;0.10当量)、イソプロパノール(10mL)、及び水(10mL)を加えた。反応混合物を90℃の油浴で18時間加熱し、HPLC分析により99.5面積%転換を得た。混合物を、減圧下で28.31gまで濃縮した。水(23g)を加えて、混合物が溶解するように加熱した。混合物を65℃の油浴に置き、ヘッドスペースを2時間窒素(1500mL/分)でパージして、33.78gの重量まで残余のイソプロパノールを除去した。水(17.5g)を加え、均一溶液を得るために、混合物を65℃で10分間攪拌した。溶液の全重量は52gで、水中の30%w/w溶液の3−(ラウリルオキシブチルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホナートを示している。H NMR分析は、生成物構造と一致していた。
【0076】
ZEA界面活性剤に加えて、異なるタイプの配合成分(すなわち、様々な供給元からの原物質)を用いて、下記の組成物、本発明の実施例(E5〜E66)及び比較実施例(C5〜C50)を調製したこれらの物資を、INCI名、商品名及び供給元と共に、以下に記載する。
【0077】
陰イオン界面活性剤:
ラウレス−2硫酸ナトリウムは、Rhodapex(登録商標)ES−2Kの商品名で、Solvay Inc.から入手した。
アンモニウムラウリル硫酸塩は、Standapol(登録商標)Aの商品名で、BASFから入手した。
アルファオレフィンスルホン酸塩は、Bioterge(登録商標)AS40−CPの商品名で、Stepanから入手した。
グルタミン酸ココイルナトリウムは、Plantapon(登録商標)ACG H2の商品名で、BASFから入手した。
デンプンスルホコハク酸ナトリウム(sodium starch sulfosuccinate)は、Structure PS−111の商品名で、Akzo Nobel Personal Careから入手した。
【0078】
非イオン性界面活性剤:
PEG−80ソルビタンラウレートは、Atlas G−4280の商品名で、Croda Inc.から入手した。
PEG−150ジステアレートは、Ethox PEG−6000 DS Specialの商品名で、Ethox Chemicalから入手した。
ラウリン酸ポリグリセリン−10及びオレイン酸ポリグリセリン−10は、それぞれPolyaldo(登録商標)10−1−L及びPolyaldo(登録商標)10−1−Oの商品名で、Lonzaから入手した。
【0079】
陽イオン性(第四級)コンディショニングポリマー:
ポリクアテルニウム−10は、Ucare(登録商標)JR−400の商品名で、Dow Chemicalから入手した。
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Jaguar(登録商標)C17の商品名で、Solvay Inc.から入手した。
【0080】
湿潤剤:
グリセリンは、Emery 917の商品名で、Emery Oleochemicalsから入手した。
【0081】
キレート剤:
EDTA四ナトリウムは、Versene(商標)100XLの商品名で、Dow Chemicalから入手した。
【0082】
有機酸/防腐剤:
安息香酸ナトリウム、NF、FCCは、Emerald Performance Materialsから入手した。
クエン酸は、Formosa Laboratories Inc(DSM用)(Taiwan)から入手した。
【0083】
防腐剤:
フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリンは、Euxyl(登録商標)PE 9010の商品名で、Schulke Inc.から入手した。
【0084】
本発明の実施例E5〜E18、及び比較実施例C5〜C14:
陰イオン界面活性剤としてSLESを含有する本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
組成物E5〜E18、及び比較組成物C5〜C14を、以下の手順に従って調製した。特に指定されない限り、物質はすべて、組成物が表2、3及び4に示す各組成物の結果として得られる活性の重量パーセントの量を含有するような量で加えた。例えば、3.75%w/w活性のコカミドプロピルベタイン(表2のC5として)は、30%w/wの活性度を有するTegoベタインL7V12.5%w/wに相当する。3.75%w/w/30%w/w=12.5%w/w。
【0085】
原液の調製:組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14を、以下の通りに調製された原液を用いて調製した。a)双性イオン界面活性剤を含有する原液:ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水(Millipore,Model Direct Q)、双性イオン界面活性剤、及び塩化ナトリウムを加え、C1、E1及びE4は室温で、E2は50℃で、混合物が均質化するまで、それぞれ、200〜350rpmで混合した。次に、安息香酸ナトリウム及びクエン酸(脱イオン水中20%w/wの溶液)を室温で加え、望ましいpH値4.4〜4.6が得られるまで調整した。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。b)陰イオン界面活性剤を含有する原液:ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水(Millipore,Model Direct Q)、陰イオン性界面活性剤、及びクエン酸を加え、混合物が均質化するまで、室温で、200〜350rpmで混合した。クエン酸の量(脱イオン水中20%w/wの溶液として)を加え、望ましいpH値4.4〜4.6が得られるまで調整した。水を適量加えて100%w/wにし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。
【0086】
組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のa)双性イオン界面活性剤を含有する原液、及びb)陰イオン界面活性剤を含有する原液を加えた。水を適量加えて100%w/wにした。バッチを、混合下50℃に加熱し、20分間200〜350rpmで混合した。バッチを、混合せずに室温まで冷却した。
【0087】
本発明のZEA界面活性剤(E1〜E4)、及び比較の双性イオン界面活性剤(C及びC2)から調製した本発明の組成物(E5〜E18)及び比較組成物(C5〜C14)を表2〜4に記載する。
【0088】
ゼロせん断粘度を、本明細書で説明するゼロせん断粘度試験に従って測定した。結果を表5に示す。結果として、本出願人らは、式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、陰イオン界面活性剤としてラウレス硫酸ナトリウムを含有する組成物中の双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤と比較して、より高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
本発明の実施例E19〜E24、及び比較実施例C15〜C16:
陰イオン界面活性剤としてALSを含有する本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
Rhodapex ES−2Kの代わりに、陰イオン界面活性剤としてStandapol Aを用いたことを除いて、組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14で説明した手順に従って、本発明の組成物E19〜E24、及び比較組成物C15〜C16を調製した。それらの組成物を表6に記載する。
【0094】
ゼロせん断粘度を、本明細書で説明するゼロせん断粘度試験に従って測定した。結果を表7に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、陰イオン界面活性剤としてアンモニウムラウリル硫酸塩を含有する組成物中の双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤と比較して、特に、0%w/w〜約1%w/wの塩化ナトリウムを加えた塩濃度で、同等又はより高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
本発明の実施例E25〜E30及び比較実施例C17〜C22:
陰イオン界面活性剤としてAOSを含有する本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
Rhodapex ES−2Kの代わりに、陰イオン界面活性剤としてBioterge−AS 40−CPを用いたことを除いて、組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14で説明した手順に従って、組成物E25〜E30及び比較組成物C17〜C22を調製した。それらの組成物を表8及び9に示す。
【0098】
ゼロせん断粘度を、本明細書で説明するゼロせん断粘度試験に従って測定した。結果を表10に示す。結果として、本出願人らは驚くべきことに、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が陰イオン界面活性剤としてαオレフィンスルホン酸塩を含有する組成物中で粘度を構築することができるのに対して、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤は構築できないことを発見した。
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
本発明の実施例E31〜E36及び比較実施例C23〜C28:
陰イオン界面活性剤としてSCGを含有する本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
Rhodapex ES−2Kの代わりに、陰イオン界面活性剤としてPlantapon ACG H2を用いたこと、及び陰イオン界面活性剤としてのPlantapon ACG H2を含有する原液を調製している間バッチを45℃に加熱して、原液を組成物E31〜E36及び比較組成物C23〜C28に加えるまで45℃で保持したことを除いて、組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14で説明した手順に従って、表11及び12に示すように、組成物E31〜E36及び比較組成物C23〜C28を調製した。
【0103】
ゼロせん断粘度を、本明細書で説明するゼロせん断粘度試験に従って測定した。結果を表13に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤がグルタミン酸ココイルナトリウムと適合性があり、そのような組成物中に望ましい粘度を構築する傾向を有するのに対して、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤は適合性がない、すなわち、pHが約4.5でグルタミン酸ココイルナトリウムと結合したとき、沈殿及び位相分離が生じることを発見した。
【0104】
【表11】
【0105】
【表12】
【0106】
【表13】
【0107】
本発明の実施例E37〜E42及び比較実施例C29〜C34:
陰イオン界面活性剤としてSM2Sを含有する本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
Rhodapex ES−2Kの代わりに、陰イオン界面活性剤としてAlphastep PC−48を用いたことを除いて、組成物E5〜E18及び比較組成物C5〜C14で説明した手順に従って、表14及び15に示すように、組成物E37〜E42及び比較組成物C29〜C34を調製した。
【0108】
ゼロせん断粘度を、本明細書で説明するゼロせん断粘度試験に従って測定した。結果を表16に示す。結果として、本出願人らは驚くべきことに、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が陰イオン界面活性剤としてSM2Sを含有する組成物中に粘度を構築することができるのに対し、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤は構築することができないことを発見した。
【0109】
【表14】
【0110】
【表15】
【0111】
【表16】
【0112】
本発明の実施例E43〜E50及び比較実施例C35〜C42:
陰イオン界面活性剤としてPS−111を含有する及び含有しない本発明の特定の組成物並びに比較組成物の調製及び測定
組成物E43〜E50及び比較組成物C35〜C42を、以下の手順に従って調製した。特に指定されない限り、物質はすべて、組成物が表17及び19に示す各組成物の結果として得られる活性の重量パーセントの量を含有するような量で加えた。例えば、3.75%w/w活性のコカミドプロピルベタイン(表17のC35として)は、30%w/wの活性度を有するTegoベタインL7V12.5%w/wに相当する。3.75%w/w/30%w/w=12.5%w/w。
【0113】
組成物E43〜E50及び比較組成物C35〜C42を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水、双性イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び安息香酸ナトリウムを加え、混合物が均質化するまで、E2は50℃で、E4及びC1は室温で、200〜350rpmで混合した。次に、クエン酸(脱イオン水中20%w/wの溶液)を室温で加え、望ましいpH値4.4〜4.6が得られるまで調整した。次に、Structure PS−111及び塩化ナトリウムを加え、混合物が均質化するまで混合した。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。それらの組成物を表17及び19に示す。
【0114】
ゼロせん断粘度及び最大泡量を、それぞれ、本明細書で説明するゼロずり粘性率試験及び配合物発泡試験に従って測定した。結果を表18及び20に示す。結果として、本出願人らは驚くべきことに、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が陰イオン界面活性剤としてAOS及び/又はSM2Sを含有する組成物中に粘度を構築することができるだけでなく、そのような組成物は更に、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤を含有する組成物と比較して、より良い起泡度を示すことを発見した。
【0115】
【表17】
【0116】
【表18】
【0117】
【表19】
【0118】
【表20】
【0119】
本発明の実施例E51〜E52及び比較実施例C43:
非イオン界面活性剤及びコンディショニングポリマーを含有する本発明の特定の組成物並びに比較組成物の調製及び測定
組成物E51〜E52及び比較組成物C43を、以下の手順に従って調製した。特に指定されない限り、物質はすべて、組成物が表21に示す各組成物の結果として得られる活性の重量パーセントの量を含有するような量で加えた。例えば、3.75%w/w活性のコカミドプロピルベタイン(表21のC43として)は、30%w/wの活性度を有するTegoベタインL7V12.5%w/wに相当する。3.75%w/w/30%w/w=12.5%w/w。組成物E51〜E52及び比較組成物C43を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水の90%、全PEG−80ソルビタンラウレート、及びグリセリン中に分散したポリクアテルニウム−10を加え、バッチを混合下80〜85℃に加熱した。温度が55℃に達したところで、PEG−150ジステアレートを加え、バッチが80〜85℃に達し均一になるまで混合した。熱源を切り、Rhodapex EST−65(STDES)を加え、均一になるまで混合した。次に、双性イオン界面活性剤を加え、混合物が均質化するまで、バッチを混合した。Versene 100 XL、安息香酸ナトリウム、及びEuxyl PE 9010を加え、混合物が均質化するまで混合した。バッチが50℃以下に冷却したところで、クエン酸(脱イオン水中20%w/wの溶液)を加え、望ましいpH値5.2〜5.4が得られるまで調整した。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。それらの組成物を表21に記載する。
【0120】
ゼロせん断粘度及び最大泡量を、それぞれ、本明細書で説明するゼロずり粘性率試験及び配合物発泡試験に従って測定した。結果を表22に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤と比較して、陰イオン性界面活性剤、並びに非イオン性界面活性剤(例えば、PEG80ソルビタンラウレート)、キレート剤、グリセリン、陽イオン性コンディショニングポリマー(ポリクアテルニウム−10)及び異なる防腐剤等の他のいくつかの配合成分を含有する組成物中に、より高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。そのような組成物は更に、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤を含有する同等の組成物と比較して、同等又はより良い起泡度を示す。
【0121】
【表21】
【0122】
【表22】
模擬硬水中0.5wt%で試験した。
【0123】
本発明の実施例E53〜E60及び比較実施例C44〜C47:
PS−111及び非イオン界面活性剤を含有する本発明の特定の組成物並びに比較組成物の調製及び測定
組成物E53〜E60及び比較組成物C44〜C47を、以下の手順に従って調製した。特に指定されない限り、物質はすべて、組成物が、表23及び24に示す各組成物の結果として得られる活性の重量パーセントの量を含有するような量で加えた。例えば、3.75%w/w活性のコカミドプロピルベタイン(表23のC44として)は、30%w/wの活性度を有するTegoベタインL7V12.5%w/wに相当する。3.75%w/w/30%w/w=12.5%w/w。組成物E53〜E60及び比較組成物C44〜C47を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水の90%、双性イオン及び陰イオン界面活性剤(Rhodapex ES−2K及びStructure PS−111)、並びにPolyaldo界面活性剤を加え、混合物が均質化するまで、バッチを200〜350rpmで混合した。クエン酸の量(脱イオン水中20%w/wの溶液)を加え、望ましいpH値4.4〜4.6が得られるまで調整した。安息香酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを加えた。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。それらの組成物を表23及び24に示す。
【0124】
ゼロせん断粘度及び最大泡量を、それぞれ、本明細書で説明するゼロずり粘性率試験及び配合物発泡試験に従って測定した。結果を表25に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤と比較して、陰イオン界面活性剤、及びポリングリセリンエステル界面活性剤等の他のいくつかの配合成分を含有する組成物中に、より高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。そのような組成物は更に、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤を含有する同等の組成物と比較して、同等又はより良い起泡度を示す。
【0125】
【表23】
【0126】
【表24】
【0127】
【表25】
【0128】
本発明の実施例E61及び比較実施例C48:
市販用配合と等しい本発明の特定の組成物の調製及び測定
組成物E61及び比較組成物C48を、以下の手順に従って調製した。物質はすべて、表26に示す各組成物の量で加えた。例えば、16.4%w/wE4(表26のE61として)を加えた。これは4.87%w/w活性の3−((3−(ラウロイルオキシ)ブチル)ジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホナートの活性度に相当する。16.4%w/w×29.7%w/w=4.87%w/w。組成物E61及び比較組成物C48を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水の90%を加え、200〜350rpmで撹拌し、35〜40℃に加熱した。Carbopol ETD2020をゆっくりとボルテックスの中にふるい入れた。ポリマーが完全に分散するまで、混合物を撹拌した。水中50%w/wのNaOHを加えることによって、pHを6.0〜6.2に調整した。Structure PS−111をゆっくりと撹拌中の混合物の中にふるい入れた。混合物が均質化するまで撹拌した。双性イオン界面活性剤のRhodapex ES−2K、及び安息香酸ナトリウムを混合物に加えた。混合物が均質化するまで撹拌した。Natural Extract Scentを加えて、混合物を均質化した。Jaguar C17を別個の容器中のグリセリンに分散した。この分散物を撹拌中の混合物の中にゆっくりと加えた。Euperlan PK3000 AMを撹拌中の混合物の中に加えた。クエン酸を用いてpHを4.5〜4.9に調整した。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。表26に組成物を記載する。
【0129】
ゼロせん断粘度及び最大泡量を、それぞれ、本明細書で説明するゼロずり粘性率試験及び配合物発泡試験に従って測定した。結果を表27に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤と比較して、陰イオン界面活性剤並びに陽イオン性グアー(コンディショニングポリマー)、疎水変性アクリレートクロスポリマー(レオロジーポリマー)、グリコールジステアレート(真珠光沢剤)及び香料等の他のいくつかの配合成分を含有する組成物中に、より高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。そのような組成物は更に、双性イオンアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤を含有する同等の組成物と比較して、同等又はより良い起泡度を示す。比較実施例は、対応する本発明の実施例(C48はE61に対応)と同じ界面活性剤濃度(%w/w活性)に基準化されることに留意されたい。
【0130】
【表26】
【0131】
【表27】
【0132】
実施例E62及び比較実施例C49〜C50:
陰イオン界面活性剤を含有しない本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び測定
組成物E62及び比較組成物C49〜C50を、以下の手順に従って調製した。物質はすべて、表28に示す各組成物の量で加えた。例えば、7%w/wE4(表28のE62として)を加えた。これは2%w/w活性の3−((3−(ラウロイルオキシ)ブチル)ジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパンスルホナートの活性度に相当する。7%w/w×29.7%w/w=2%w/w。組成物E62及び比較組成物C49を以下の通りに調製した。ホットプレート及びオーバーヘッドメカニカルスターラーを装備した適切なサイズの容器に、必要な量のDI水の90%を加え、200〜350rpmで撹拌した。Carbopol 1382をゆっくりとボルテックスの中にふるい入れた。ポリマーが完全に分散するまで、混合物を撹拌した。安息香酸ナトリウムを混合物に加え、均一になるまで撹拌した。グリセリンを加えた後、バッチを65〜70℃に加熱した。水中50%w/wのNaOHを加えることによって、pHを6.0〜6.5に調整した。Plantaren 2000 N UP;Tegobetain L7V;Lamesoft PO 65;Polyaldo 10−1−Lを、撹拌しながら、1つずつ加え、均一になるまで混合した。加熱源から離し、混合物を冷却した。55〜60℃でEuxyl PE9010を加えた。pHを5.3〜5.8に調整した。水を適量加えて100wt%にし、適切な貯蔵容器に放出する前に、バッチが均一になるまで混合した。調製した組成物を表28に記載する。
【0133】
ゼロせん断粘度及び最大泡量を、それぞれ、本明細書で説明するゼロずり粘性率試験及び配合物発泡試験に従って測定した。結果を表29に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が双性イオンアルキルアミドアミンヒドロキシスルタイン(Mirataine CBS)及びベタイン界面活性剤と比較して、陰イオン界面活性剤及び他のいくつかの配合成分を含有する組成物中に、より高い粘度を構築する傾向を有することを発見した。そのような組成物は更に、双性イオンアルキルアミドアミンヒドロキシスルタイン及びベタイン界面活性剤を含有する同等の組成物と比較して、同等又はより良い起泡度を示す。比較実施例は、対応する本発明の実施例(C49及びC50はE62に対応)と同じ界面活性剤濃度(%w/w活性)に基準化されることに留意されたい。
【0134】
【表28】
【0135】
【表29】
【0136】
本発明の実施例E63〜E66及び比較実施例CJBS
本発明の特定の組成物及び比較組成物の調製及び穏和さの測定
E−5で説明したプロセスに従って、組成物E63〜E66を調製した。これらの組成物を表30に記載する。
【0137】
ゼロせん断粘度、EpiDerm(商標)ET50、及びEpiOcular(商標)ET50を、本明細書で説明する、ゼロずり粘性率試験、EpiDerm(商標)試験、及びEpiOcular(商標)試験に従って、それぞれ測定した。結果を表31に示す。結果として、本出願人らは、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、例えばアルキルアミドアミンベタイン界面活性剤などの他の双性イオン界面活性剤と比較して、陰イオン界面活性剤を含有する組成物中で同様の穏和さを示すことを発見した。
【0138】
【表30】
【0139】
【表31】
JBSは、市販のベンチマーク組成物であるJohnson’s Baby Shampoo。
【0140】
〔実施の態様〕
(1) 式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤と、前記双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の界面活性剤、乳化剤、コンディショニング剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、増粘剤、潤滑剤、キレート剤、充填剤、接着剤、酸化防止剤、防腐剤、有効成分、芳香剤、染料、緩衝剤、剥離剤、pH調整剤、無機塩、溶剤、粘度制御剤、及び乳白剤からなる群から選択される成分と、を含む組成物であって、前記組成物は、アルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを実質的に含まない、組成物。
(2) 前記組成物がアルキルアミドアミン及びアミノアルキルアミンを含まない、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び双性イオン界面活性剤からなる群から選択されている、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記組成物が陰イオン界面活性剤を実質的に含まない、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記組成物が硫酸化陰イオン界面活性剤を実質的に含まない、実施態様1に記載の組成物。
【0141】
(6) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、双性イオンエステルアンモニオアルカノアートスルホン酸界面活性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(7) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、双性イオンエステルアンモニオアルカノアート硫酸塩界面活性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(8) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤が、複素環基を含有する双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(9) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を約0.1%〜約30%含む、実施態様1に記載の組成物。
(10) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤を約1%〜約10%含む、実施態様1に記載の組成物。
【0142】
(11) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤、及び前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、約0.003〜約300の重量比で存在する、実施態様3に記載の組成物。
(12) 前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤、及び前記式1による双性イオンエステルアンモニオアルカノアート界面活性剤以外の前記界面活性剤が、約0.1〜約10の重量比で存在する、実施態様3に記載の組成物。
(13) 約3〜約9のpHを有する、実施態様1に記載の組成物。
(14) 前記無機塩を約0.05〜約6重量パーセント含む、実施態様1に記載の組成物。
(15) 前記組成物がアミド部分を含む双性イオン界面活性剤を実質的に含まない、実施態様1に記載の組成物。
【0143】
(16) 前記組成物がアミド部分を含む双性イオン界面活性剤を含まない、実施態様1に記載の組成物。